説明

レーザダイシング方法

【課題】パルスレーザビームの照射条件を最適化することでクラックの発生を制御し、優れた割断特性を実現するレーザダイシング方法を提供する。
【解決手段】被加工基板をステージに載置し、クロック信号を発生し、クロック信号に同期したパルスレーザビームを出射し、被加工基板へのパルスレーザビームの照射と非照射を、クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いてパルスレーザビームを制御することで、光パルス単位で切り替え、第1の直線上にパルスレーザビームの第1の照射を行い、第1の照射の後に、第1の直線に略平行に隣接する第2の直線上に前記パルスレーザビームの第2の照射を行い、第1の照射および第2の照射によって、被加工基板に被加工基板表面に達するクラックを形成するレーザダイシング方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルスレーザビームを用いるレーザダイシング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板のダイシングにパルスレーザビームを用いる方法が特許文献1に開示されている。特許文献1の方法は、パルスレーザビームによって生ずる光学的損傷により加工対象物の内部にクラック領域を形成する。そして、このクラック領域を起点として加工対象物を切断する。
【0003】
従来の技術では、パルスレーザビームのエネルギー、スポット径、パルスレーザビームと加工対象物の相対移動速度等をパラメータとしてクラック領域の形成を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3867107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
もっとも、従来の方法では、例えば、被加工基板上のエピタキシャル層にLED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)が形成されているような場合、ダイシング時のパルスレーザビームの照射によりLEDの特性が劣化するという問題があった。このため、被加工基板上に形成される素子への影響を低減するレーザダイシング法が求められている。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、パルスレーザビームの照射条件を最適化することでクラックの発生を制御し、優れた割断特性を実現するレーザダイシング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様のレーザダイシング方法は、被加工基板をステージに載置し、クロック信号を発生し、前記クロック信号に同期したパルスレーザビームを出射し、前記被加工基板と前記パルスレーザビームとを相対的に移動させ、前記被加工基板への前記パルスレーザビームの照射と非照射を、前記クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いて前記パルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、第1の直線上に前記パルスレーザビームの第1の照射を行い、前記第1の照射の後に、前記被加工基板への前記パルスレーザビームの照射と非照射を、前記クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いて前記パルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、前記第1の直線に略平行に隣接する第2の直線上に前記パルスレーザビームの第2の照射を行い、前記第1の照射および前記第2の照射によって、前記被加工基板に前記被加工基板表面に達するクラックを形成するレーザダイシング方法であって、前記パルスレーザビームの照射エネルギー、前記パルスレーザビームの加工点深さ、および、前記パルスレーザビームの照射領域および非照射領域の長さを制御することにより、前記クラックが前記被加工基板表面において連続するよう形成することを特徴とする。
【0008】
上記態様の方法において、前記第2の照射を、前記第1の照射と同一の加工点深さで行うことが望ましい。

【0009】
上記態様の方法において、前記クラック形成後に前記被加工基板を割断するに要する外力が略最小となるよう前記第1および第2の直線の間隔、前記パルスレーザビームの照射エネルギー、前記パルスレーザビームの加工点深さ、および、前記パルスレーザビームの照射領域および非照射領域の長さを制御することが望ましい。
【0010】
上記態様の方法において、前記第2の照射における前記パルスレーザビームの照射と非照射のパターンが、前記第1の照射における前記パルスレーザビームの照射と非照射のパターンを、前記第1の直線に垂直な方向に平行移動した関係にあることが望ましい。
【0011】
上記態様の方法において、前記第1の直線と前記第2の直線の間隔をS、前記パルスレーザビームの焦点位置での理論上のビーム直径をdとした場合に、3.2≦S/d≦4.8であることが望ましい。
【0012】
上記態様の方法において、前記被加工基板がサファイア基板であることが望ましい。
【0013】
上記態様の方法において、前記被加工基板の主面の一方の面に発光素子が形成され、他方の面側から前記パルスレーザビームを照射することが望ましい。
【0014】
上記態様の方法において、前記他方の面上に金属膜が形成され、前記第1の照射および第2の照射により前記金属膜を除去することが望ましい。
【0015】
本発明の一態様のレーザダイシング方法は、被加工基板をステージに載置し、クロック信号を発生し、前記クロック信号に同期したパルスレーザビームを出射し、前記被加工基板と前記パルスレーザビームとを相対的に移動させ、前記被加工基板への前記パルスレーザビームの照射と非照射を、前記クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いて前記パルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、第1の直線上に前記パルスレーザビームの第1の照射を行い、前記第1の照射の後に、前記被加工基板への前記パルスレーザビームの照射と非照射を、前記クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いて前記パルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、前記第1の直線に略平行に隣接する第2の直線上に前記第1の照射と同一の加工点深さで前記パルスレーザビームの第2の照射を行い、前記第2の照射後に、前記被加工基板への前記パルスレーザビームの照射と非照射を、前記クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いて前記パルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、第1の直線と同一または略平行の第3の直線上に前記第1の照射と異なる加工点深さで前記パルスレーザビームの第3の照射を行い、前記第3の照射の後に、前記被加工基板への前記パルスレーザビームの照射と非照射を、前記クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いて前記パルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、前記第3の直線に略平行に隣接する第4の直線上に前記第3の照射と同一の加工点深さで前記パルスレーザビームの第4の照射を行い、前記第1の照射、前記第2の照射、前記第3の照射および前記第4の照射によって、前記被加工基板に前記被加工基板表面に達するクラックを形成するレーザダイシング方法であって、
前記パルスレーザビームの照射エネルギー、前記パルスレーザビームの加工点深さ、および、前記パルスレーザビームの照射領域および非照射領域の長さを制御することにより、前記クラックが前記被加工基板表面において連続するよう形成することを特徴とする。
【0016】
本発明の一態様のレーザダイシング方法は、表面に金属膜を有する被加工基板をステージに載置し、クロック信号を発生し、前記クロック信号に同期したパルスレーザビームを出射し、前記被加工基板と前記パルスレーザビームとを相対的に移動させ、前記被加工基板への前記パルスレーザビームの照射と非照射を、前記クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いて前記パルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、第1の直線上に前記パルスレーザビームの第1の照射を前記金属膜側から行い、前記第1の照射の後に、前記被加工基板への前記パルスレーザビームの照射と非照射を、前記クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いて前記パルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、前記第1の直線に略平行に隣接する第2の直線上に前記パルスレーザビームの第2の照射を前記金属膜側から行い、
前記第1の照射および前記第2の照射によって、前記金属膜を除去すると同時に前記被加工基板に前記被加工基板表面に達するクラックを形成するレーザダイシング方法であって、前記パルスレーザビームの照射エネルギー、前記パルスレーザビームの加工点深さ、および、前記パルスレーザビームの照射領域および非照射領域の長さを制御することにより、前記金属膜を除去すると同時に前記クラックが前記被加工基板表面において連続するよう形成することを特徴とする。
【0017】
上記態様の方法において、前記第2の照射を、前記第1の照射と同一の加工点深さで行うことが望ましい。
【0018】
上記態様の方法において、前記金属膜と反対の前記被加工基板の面にLEDが形成されることが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、パルスレーザビームの照射条件を最適化することでクラックの発生を制御し、優れた割断特性を実現するレーザダイシング方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施の形態のレーザダイシング方法で用いられるレーザダイシング装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態のレーザダイシング方法のタイミング制御を説明する図である。
【図3】第1の実施の形態のレーザダイシング方法のパルスピッカー動作と変調パルスレーザビームのタイミングを示す図である。
【図4】第1の実施の形態のレーザダイシング方法の照射パターンの説明図である。
【図5】第1の実施の形態のサファイア基板上に照射される照射パタ−ンを示す上面図である。
【図6】図5のAA断面図である。
【図7】第1の実施の形態のステージ移動とダイシング加工との関係を説明する図である。
【図8】第1の実施の形態のレーザダイシング方法の作用を説明する図である。
【図9】第1の実施の形態のレーザダイシング方法における照射列間隔S、パルスレーザビームのビーム直径dと、割断力との関係を示す図である。
【図10】第1の実施の形態のレーザダイシング方法の説明図である。
【図11】第1の実施の形態のレーザダイシング方法の説明図である。
【図12】異なる加工点深さのパルスレーザビームを、複数回基板の同一走査線上を走査してクラックを形成する場合の説明図である。
【図13】実施例1の照射パターンを示す図である。
【図14】実施例1のレーザダイシングの結果を示す図である。
【図15】実施例1のレーザダイシングの結果を示す図である。
【図16】実施例1〜4、比較例1のレーザダイシングの結果を示す図である。
【図17】実施例5〜8、比較例2のレーザダイシングの結果を示す図である。
【図18】実施例6の照射パターンを示す図である。
【図19】実施例9、比較例3、4のレーザダイシングの結果を示す図である。
【図20】実施例10〜14のレーザダイシングの結果を示す図である。
【図21】実施例10〜14のレーザダイシングの結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書中、加工点とは、パルスレーザビームの被加工基板内での集光位置(焦点位置)近傍の点であり、被加工基板の改質程度が深さ方向で最大となる点を意味する。そして、加工点深さとは、パルスレーザビームの加工点の被加工基板表面からの深さを意味するものとする。
【0022】
(第1の実施の形態)
本実施の形態のレーザダイシング方法は、被加工基板をステージに載置し、クロック信号を発生し、クロック信号に同期したパルスレーザビームを出射し、被加工基板とパルスレーザビームとを相対的に移動させ、被加工基板へのパルスレーザビームの照射と非照射を、クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いてパルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、第1の直線上にパルスレーザビームの第1の照射を行う。そして、第1の照射の後に、被加工基板へのパルスレーザビームの照射と非照射を、クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いてパルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、第1の直線に略平行して隣接する第2の直線上に、第1の照射と同一の加工点深さでパルスレーザビームの第2の照射を行う。そして、第1の照射および第2の照射によって、被加工基板に被加工基板表面に達するクラックを形成する。レーザダイシング方法である。そして、パルスレーザビームの照射エネルギー、パルスレーザビームの加工点深さ、および、パルスレーザビームの照射領域および非照射領域の長さを制御することにより、クラックが被加工基板表面において連続するよう形成する。
【0023】
本実施の形態によれば、上記構成により優れた割断特性を実現するレーザダイシング方法を提供することが可能になる。ここで、優れた割断特性とは、(1)割断部が直線性良く割断されること、(2)ダイシングした素子の収率が向上するよう小さな割断力で割断できること、(3)クラック形成の際に照射するレーザの影響で基板上に設けられる素子、例えば、基板上のエピタキシャル層で形成されるLED素子、の劣化が生じないこと等が挙げられる。
【0024】
そして、被加工基板表面において連続するクラックを形成することで、特にサファイア基板のように硬質な基板のダイシングが容易になる。また、狭いダイシング幅でのダイシングが実現される。さらに、本実施の形態によれば、同一の加工点深さで平行な複数列のパルスレーザビームを照射することで、被加工基板内の加工点深さを浅く保った状態で割弾力を低減することが可能となる。したがって、被加工基板の反対面にLEDやLD等の発光素子が形成されている場合であっても、レーザビーム照射に起因する素子の劣化を抑制することが可能となる。
【0025】
上記レーザダイシング方法を実現する本実施の形態のレーザダイシング装置は、被加工基板を載置可能なステージと、クロック信号を発生する基準クロック発振回路と、パルスレーザビームを出射するレーザ発振器と、パルスレーザビームをクロック信号に同期させるレーザ発振器制御部と、レーザ発振器とステージとの間の光路に設けられ、パルスレーザビームの被加工基板への照射と非照射を切り替えるパルスピッカーと、クロック信号に同期して、光パルス単位でパルスレーザビームのパルスピッカーにおける通過と遮断を制御するパルスピッカー制御部と、を備える。
【0026】
図1は本実施の形態のレーザダイシング装置の一例を示す概略構成図である。図1に示すように、本実施の形態のレーザダイシング装置10は、その主要な構成として、レーザ発振器12、パルスピッカー14、ビーム整形器16、集光レンズ18、XYZステージ部20、レーザ発振器制御部22、パルスピッカー制御部24および加工制御部26を備えている。加工制御部26には所望のクロック信号S1を発生する基準クロック発振回路28および加工テーブル部30が備えられている。
【0027】
レーザ発振器12は、基準クロック発振回路28で発生するクロック信号S1に同期した周期TcのパルスレーザビームPL1を出射するよう構成されている。照射パルス光の強度はガウシアン分布を示す。クロック信号S1は、レーザダイシング加工の制御に用いられる加工制御用クロック信号である。
【0028】
ここでレーザ発振器12から出射されるレーザ波長は被加工基板に対して透過性の波長を使用する。レーザとしては、Nd:YAGレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YLFレーザ等を用いることができる。例えば、被加工基板がサファイア基板である場合には、波長532nmの、Nd:YVOレーザを用いることが望ましい。
【0029】
パルスピッカー14は、レーザ発振器12と集光レンズ18との間の光路に設けられる。そして、クロック信号S1に同期してパルスレーザビームPL1の通過と遮断(オン/オフ)を切り替えることで被加工基板へのパルスレーザビームPL1の照射と非照射を、光パルス数単位で切り替えるよう構成されている。このように、パルスピッカー14の動作によりパルスレーザビームPL1は、被加工基板の加工のためにオン/オフが制御され、変調された変調パルスレーザビームPL2となる。
【0030】
パルスピッカー14は、例えば音響光学素子(AOM)で構成されていることが望ましい。また、例えばラマン回折型の電気光学素子(EOM)を用いても構わない。
【0031】
ビーム整形器16は、入射したパルスレーザビームPL2を所望の形状に整形されたパルスレーザビームPL3とする。例えば、ビーム径を一定の倍率で拡大するビームエキスパンダである。また、例えば、ビーム断面の光強度分布を均一にするホモジナイザのような光学素子が備えられていてもよい。また、例えばビーム断面を円形にする素子や、ビームを円偏光にする光学素子が備えられていても構わない。
【0032】
集光レンズ18は、ビーム整形器16で整形されたパルスレーザビームPL3を集光し、XYZステージ部20上に載置される被加工基板W、例えばLEDが下面に形成されるサファイア基板にパルスレーザビームPL4を照射するよう構成されている。
【0033】
XYZステージ部20は、被加工基板Wを載置可能で、XYZ方向に自在に移動できるXYZステージ(以後、単にステージとも言う)、その駆動機構部、ステージの位置を計測する例えばレーザ干渉計を有した位置センサ等を備えている。ここで、XYZステージは、その位置決め精度および移動誤差がサブミクロンの範囲の高精度になるよう構成されている。そして、Z方向に移動させることでパルスレーザビームの焦点位置を被加工基板Wに対して調整し、加工点深さを制御することが可能である。
【0034】
加工制御部26はレーザダイシング装置10による加工を全体的に制御する。基準クロック発振回路28は、所望のクロック信号S1を発生する。また、加工テーブル部30には、ダイシング加工データをパルスレーザビームの光パルス数で記述した加工テーブルが記憶される。
【0035】
次に、上記レーザダイシング装置10を用いたレーザダイシング方法について、図1〜図7を用いて説明する。
【0036】
まず、被加工基板W、例えば、サファイア基板をXYZステージ部20に載置する。このサファイア基板は、例えば主面の一方の面(下面)にエピタキシャル成長されたGaN層を有し、このGaN層に複数のLEDがパターン形成されているウェハである。ウェハに形成されるノッチまたはオリエンテーションフラットを基準にXYZステージに対するウェハの位置合わせが行われる。
【0037】
図2は、本実施の形態のレーザダイシング方法のタイミング制御を説明する図である。加工制御部26内の基準クロック発振回路28において、周期Tcのクロック信号S1が生成される。レーザ発振器制御部22は、レーザ発振器12がクロック信号S1に同期した周期TcのパルスレーザビームPL1を出射するよう制御する。この時、クロック信号S1の立ち上がりとパルスレーザビームの立ち上がりには、遅延時間tが生ずる。
【0038】
レーザ光は、被加工基板に対して透過性を有する波長のものを使用する。ここで、被加工基板材料の吸収のバンドギャプEgより、照射するレーザ光の光子のエネルギーhνが大きいレーザ光を用いることが好ましい。エネルギーhνがバンドギャプEgより非常に大きいと、レーザ光の吸収が生ずる。これを多光子吸収と言い、レーザ光のパルス幅を極めて短くして、多光子吸収を被加工基板の内部に起こさせると、多光子吸収のエネルギーが熱エネルギーに転化せずに、イオン価数変化、結晶化、非晶質化、分極配向または微小クラック形成等の永続的な構造変化が誘起されてカラーセンターが形成される。
【0039】
このレーザ光(パルスレーザビーム)の照射エネルギー(照射パワー)は、被加工基板表面に連続的なクラックを形成する上での最適な条件を選ぶ。
【0040】
そして、被加工基板材料に対して、透過性を有する波長を使用すると、基板内部の焦点付近にレーザ光を導光、集光が可能となる。従って、局所的にカラーセンターを作ることが可能となる。このカラーセンターを、以後、改質領域と称する。
【0041】
パルスピッカー制御部24は、加工制御部26から出力される加工パターン信号S2を参照し、クロック信号S1に同期したパルスピッカー駆動信号S3を生成する。加工パターン信号S2は、加工テーブル部30に記憶され、照射パターンの情報を光パルス単位で光パルス数で記述する加工テーブルを参照して生成される。パルスピッカー14は、パルスピッカー駆動信号S3に基づき、クロック信号S1に同期してパルスレーザビームPL1の通過と遮断(オン/オフ)を切り替える動作を行う。
【0042】
このパルスピッカー14の動作により、変調パルスレーザビームPL2が生成される。なお、クロック信号S1の立ち上がりとパルスレーザビームの立ち上がり、立下りには、遅延時間t、tが生ずる。また、パルスレーザビームの立ち上がり、立下りと、パルスピッカー動作には、遅延時間t、tが生ずる。
【0043】
被加工基板の加工の際には、遅延時間t〜tを考慮して、パルスピッカー駆動信号S3等の生成タイミングや、被加工基板とパルスレーザビームとの相対移動タイミングが決定される。
【0044】
図3は、本実施の形態のレーザダイシング方法のパルスピッカー動作と変調パルスレーザビームPL2のタイミングを示す図である。パルスピッカー動作は、クロック信号S1に同期して光パルス単位で切り替えられる。このように、パルスレーザビームの発振とパルスピッカーの動作を、同じクロック信号S1に同期させることで、光パルス単位の照射パターンを実現できる。
【0045】
具体的には、パルスレーザビームの照射と非照射が、光パルス数で規定される所定の条件に基づき行われる。すなわち、照射光パルス数(P1)と、非照射光パルス数(P2)を基にパルスピッカー動作が実行され、被加工基板への照射と非照射が切り替わる。パルスレーザビームの照射パターンを規定するP1値やP2値は、例えば、加工テーブルに照射領域レジスタ設定、非照射領域レジスタ設定として規定される。P1値やP2値は、被加工基板の材質、レーザビームの条件等により、ダイシング時のクラック形成を最適化する所定の条件に設定される。
【0046】
変調パルスレーザビームPL2は、ビーム整形器16により所望の形状に整形されたパルスレーザビームPL3とする。さらに、整形されたパルスレーザビームPL3は、集光レンズ18で集光され所望のビーム径を有するパルスレーザビームPL4となり、被加工基板であるウェハ上に照射される。
【0047】
ウェハをX軸方向およびY軸方向にダイシングする場合、まず、例えば、XYZステージをX軸方向に一定速度で移動させて、パルスレーザビームPL4を走査する。そして、所望のX軸方向のダイシングが終了した後、XYZステージをY軸方向に一定速度で移動させて、パルスレーザビームPL4を走査する。これにより、Y軸方向のダイシングを行う。
【0048】
上記の照射光パルス数(P1)と、非照射光パルス数(P2)およびステージの速度で、パルスレーザビームの照射非照射の間隔が制御される。
【0049】
なお、本明細書中、「照射領域の長さ」とは、被加工基板表面上照射スポットが照射される領域の走査方向の長さを意味し、「非照射領域の長さ」とは被加工基板表面上照射スポットが照射されない領域の走査方向の長さを意味するものとする。
【0050】
Z軸方向(高さ方向)については、集光レンズの集光位置(焦点位置)がウェハ内の所定深さに位置するよう調整する。この所定深さは、ダイシングの際にクラックが被加工基板表面に所望の形状に形成されるよう設定される。
【0051】
この時、
被加工基板の屈性率:n
被加工基板表面からの加工位置:L
Z軸移動距離:Lz
とすると、
Lz=L/n
となる。即ち、集光レンズによる集光位置を被加工基板の表面をZ軸初期位置とした時、基板表面から深さ「L」の位置に加工する場合、Z軸を「Lz」移動させればよい。
【0052】
図4は、本実施の形態のレーザダイシング方法の照射パターンの説明図である。図のように、クロック信号S1に同期してパルスレーザビームPL1が生成される。そして、クロック信号S1に同期してパルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、変調パルスレーザビームPL2が生成される。
【0053】
そして、ステージの横方向(X軸方向またはY軸方向)の移動により、変調パルスレーザビームPL2の照射光パルスがウェハ上に照射スポットとして形成される。このように、変調パルスレーザビームPL2を生成することで、ウェハ上に照射スポットが光パルス単位で制御され断続的に照射される。図4の場合は、照射光パルス数(P1)=2、非照射光パルス数(P2)=1とし、照射光パルス(ガウシアン光)がスポット径のピッチで照射と非照射を繰り返す条件が設定されている。本実施の形態では、このようなパルスレーザビームの照射を、近接して平行にレーザビームを走査することで実現する。
【0054】
ここで、
ビームスポット径:D(μm)
繰り返し周波数:F(KHz)
の条件で加工を行うとすると、照射光パルスがスポット径のピッチで照射と非照射を繰り返すためのステージ移動速度V(m/sec)は、
V=D×10−6×F×10
となる。
【0055】
例えば、
ビームスポット径:D=2μm
繰り返し周波数:F=50KHz
の加工条件で行うとすると、
ステージ移動速度:V=100mm/sec
となる。
【0056】
また、照射光のパワーをP(ワット)とすると、パルスあたり照射パルスエネルギーP/Fの光パルスがウェハに照射されることになる。
【0057】
パルスレーザビームの照射エネルギー(照射光のパワー)、パルスレーザビームの加工点深さ、および、パルスレーザビームの照射非照射の間隔のパラメータが、クラックが被加工基板表面において連続して形成されるよう決定される。
【0058】
図5は、サファイア基板上に照射される照射パタ−ンを示す上面図である。本実施の形態においては、サファイア基板へのパルスレーザビームの照射と非照射を、クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いてパルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、第1の直線L1上にパルスレーザビームの第1の照射を行う。次に、第1の照射の後に、第1の照射と同様に、サファイア基板へのパルスレーザビームの照射と非照射を、クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いてパルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、第1の直線L1に略平行して隣接する第2の直線L2上に、第1の照射と同一の加工点深さでパルスレーザビームの第2の照射を行う。
【0059】
なお、ここで同一の加工点深さとは、加工制御上の誤差等による深さのズレは許容する概念とする。
【0060】
図5では、第1の照射、第2の照射ともに、照射面上からみて、照射光パルス数(P1)=2、非照射光パルス数(P2)=1で、照射スポット径のピッチで照射スポットが形成される場合を例に示している。このように、第2の照射におけるパルスレーザビームの照射と非照射のパターンが、第1の照射におけるパルスレーザビームの照射と非照射のパターンを第1の直線に垂直な方向に平行移動した関係にあることが、クラックを直線性よく形成し、クラック形成後にサファイア基板を割断するに要する外力(割断力)を低減させる観点から望ましい。すなわち、第1の照射と第2の照射スポットが走査方向に対して真横に並ぶ照射パターンとすることが望ましい。この関係を、列方向の照射パターンが同相であると称するものとする。
【0061】
第1の直線および第2の直線は、図5に示すように、同一のダイシングストリート上の直線である。ここで、ダイシングストリートとは、例えば、サファイア基板の反対面に形成される複数のLED素子間の境界領域であり、素子を個々に割断する際にダイシングの影響がLED素子におよばないだけの裕度をもって設定されている領域である。ダイシングストリートはダイシングラインと称される場合もある。
【0062】
図6は、図5のAA断面図である。図に示すようにサファイア基板内部に改質領域が形成される。そして、この改質領域から、光パルスの走査線上に沿って基板表面に達するクラック(または溝)が形成される。そして、このクラックが被加工基板表面において連続して形成される。なお、本実施の形態では、クラックは基板表面側のみに露出するよう形成され、基板裏面側にまでは達していない。
【0063】
クラック形成後、例えば、ブレーカーにより外力を加えて、サファイア基板を割断する。この際の外力が略最小となるよう第1および第2の直線の間隔、パルスレーザビームの照射エネルギー、パルスレーザビームの加工点深さ、および、パルスレーザビームの照射領域および非照射領域の長さを制御することが望ましい。なお、サファイア基板はクラック形成後に外力を加えず、自然に割断されてもかまわない。
【0064】
図7は、ステージ移動とダイシング加工との関係を説明する図である。XYZステージには、X軸、Y軸方向に移動位置を検出する位置センサが設けられている。例えば、ステージのX軸またはY軸方向への移動開始後、ステージ速度が速度安定域に入る位置をあらかじめ同期位置として設定しておく。そして、位置センサにおいて同期位置を検出した時、例えば、移動位置検出信号S4(図1)がパルスピッカー制御部24に送られることでパルスピッカー動作が許可され、パルスピッカー駆動信号S3によりパルスピッカーを動作させるようにする。同期位置を、例えば、被加工基板の端面として、この端面を位置センサで検出する構成にしてもよい。
【0065】
このように、
:同期位置から基板までの距離
:加工長
:基板端から照射開始位置までの距離
:加工範囲
:照射終了位置から基板端までの距離
が管理される。
【0066】
このようにして、ステージの位置およびそれに載置される被加工基板の位置と、パルスピッカーの動作開始位置が同期する。すなわち、パルスレーザビームの照射と非照射と、ステージの位置との同期がとられる。そのため、パルスレーザビームの照射と非照射の際、ステージが一定速度で移動する(速度安定域にある)ことが担保される。したがって、照射スポット位置の規則性が担保され、安定したクラックの形成が実現される。
【0067】
図8は、本実施の形態のレーザダイシング方法の作用を説明する図である。図8(a)が本実施の形態の場合、図8(b)が、異なる加工点深さのパルスレーザビームを、2回基板の同一走査線上を走査してクラックを形成する場合の図である。
【0068】
図8(a)に示すように、本実施の形態においては、同一の深さで近接したパルスレーザビームをサファイア基板50に対し平行に照射する。図8(b)は、同一の直線上に異なる深さでパルスレーザビームをサファイア基板50に対し照射する。図8(b)の方法では、異なる深さで2回照射することにより、サファイア基板50を割断する際の割断力が低減される。
【0069】
本実施の形態では、同一の深さで近接したパルスレーザビームを照射することにより、小さな割断力でサファイア基板50を割断することが可能となる。よって、割断の際に割断部の直線性が向上するともに、割断の際の被加工基板の欠けや破片の発生も向上され、ダイシング歩留りが向上する。
【0070】
加えて、サファイア基板50の一方の面、すなわち照射面に対し反対側の面のエピタキシャル層52にLED等の素子が設けられている場合、本実施の形態では、異なる深さで2回照射する方法に比較して、照射によって形成される改質領域54からエピタキシャル層までの距離を離すことが可能となる。したがって、レーザダイシング時のレーザビームの影響による素子の特性劣化を抑制することが可能となる。よって、この観点からもダイシング歩留りが向上する。
【0071】
図9は、本実施の形態のレーザダイシング方法における照射列間隔S、パルスレーザビームのビーム直径dと割断力との関係を示す図である。ここで照射列間隔とは、図5における第1の直線L1と第2の直線L2との間の間隔、すなわち第1の直線L1と第2の直線L2との間の距離である。また、ビーム直径dとは、パルスレーザビームの焦点位置での理論上のビーム直径であり、レーザの照射条件を決めれば計算で求められる値である。
【0072】
割断力は、パルスレーザビームの照射によるクラック形成の後に、被加工基板を割断するに要する外力の値である。なお、図9は、被加工基板としてサファイア基板を用いた場合の測定結果である。
【0073】
図9に示すように、S/dに対して割断力が極小値をとる領域が存在する。このように、割断力が極小値をとるS/dの条件でレーザダイシングを行うことが望ましい。したがって、図9より、第1の直線と第2の直線の間隔をS、パルスレーザビームの焦点位置での理論上のビーム直径をdとした場合に、3.2≦S/d≦4.8であることが望ましく、3.5≦S/d≦4.5であることがより望ましい。
【0074】
本実施の形態で、比較的小さな割断力で基板を割断することが可能になるのは、第1の照射と第2の照射により、平行に並んで形成される2列の改質領域によって改質領域間の基板に生ずる応力が相互に作用し、効果的に基板表面に直線的なクラックを形成できるためであると考えられる。上記のように、S/dに対して割断力が極小値をとるのは、ビーム直径dに対して照射列間隔Sが大きくなりすぎると距離に起因して応力の相互作用が低下し、照射列間隔Sが小さくなりすぎると改質領域間の距離が短くなること、または、重なってしまうことで応力の相互作用が低下するためと考えられる。
【0075】
なお、被加工基板をサファイア以外の材料、例えば、石英ガラス、水晶、シリコン、炭化ケイ素(SiC)等にした場合でも、サファイア基板と同様の関係がある。
【0076】
また、本実施の形態では、第1の照射と第2の照射の加工点深さが同一である場合を例にして説明した。もっとも、例えば、ダイシングで被加工基板表面に形成されるクラックの位置や形状を微調整すらうため、積極的に第1の照射と第2の照射の加工点深さを異ならせることも可能である。
【0077】
そして、厚い基板を加工する場合に、第1の照射および第2の照射の後に、さらに異なる加工点深さのパルスレーザビームを、繰り返して走査してクラックを形成することにより、割断特性を向上させる方法も考えられる。
【0078】
すなわち、被加工基板をステージに載置し、クロック信号を発生し、クロック信号に同期したパルスレーザビームを出射し、被加工基板とパルスレーザビームとを相対的に移動させ、被加工基板へのパルスレーザビームの照射と非照射を、クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いてパルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、第1の直線上にパルスレーザビームの第1の照射を行い、第1の照射の後に、被加工基板へのパルスレーザビームの照射と非照射を、クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いてパルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、第1の直線に略平行に隣接する第2の直線上に第1の照射と同一の加工点深さでパルスレーザビームの第2の照射を行い、第2の照射後に、被加工基板へのパルスレーザビームの照射と非照射を、クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いてパルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、第1の直線と同一または略平行の第3の直線上に第1の照射と異なる加工点深さでパルスレーザビームの第3の照射を行い、第3の照射の後に、被加工基板へのパルスレーザビームの照射と非照射を、クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いてパルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、第3の直線に略平行に隣接する第4の直線上に第3の照射と同一の加工点深さでパルスレーザビームの第4の照射を行い、第1の照射、第2の照射、第3の照射および第4の照射によって、被加工基板に被加工基板表面に達するクラックを形成するレーザダイシング方法である。そして、パルスレーザビームの照射エネルギー、パルスレーザビームの加工点深さ、および、パルスレーザビームの照射領域および非照射領域の長さを制御する。
【0079】
このように、複数層にわたって、略平行な同一の加工点深さのパルスレーザビームの照射を行うことにより、厚い基板であっても、割断力が低減出来、パルスレーザビームの照射条件を最適化することでクラックの発生を制御し、優れた割断特性を実現するレーザダイシング方法を提供することが可能になる。
【0080】
このような複数層の加工の場合、ステージ位置とパルスピッカーの動作開始位置が同期することにより、異なる深さの走査において、パルス照射位置の関係を任意に精度よく制御することが可能となり、ダイシング条件の最適化が可能になる。
【0081】
なお、例えば、第1の照射と第3の照射をまたは第4の照射を同一直線上(同一走査線上)、第2の照射と第4の照射または第3の照射を同一直線上(同一走査線上)とすることが、例えば、ダイシング幅を必要以上に広げない観点から望ましい。
【0082】
(第2の実施の形態)
本実施の形態のレーザダイシング方法は、被加工基板の主面の一方の面にLED(Light Emitting Diode)が形成され、主面の他方の面に金属膜が形成され、パルスレーザビームの第1の照射および第2の照射により金属膜を除去する以外は、第1の実施の形態と同様である。したがって、第1の実施の形態と重複する内容については記述を省略する。
【0083】
本実施の形態のレーザダイシング方法は、表面に金属膜を有する被加工基板をステージに載置し、クロック信号を発生し、クロック信号に同期したパルスレーザビームを出射し、被加工基板とパルスレーザビームとを相対的に移動させ、被加工基板へのパルスレーザビームの照射と非照射を、クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いてパルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、第1の直線上にパルスレーザビームの第1の照射を金属膜側から行い、第1の照射の後に、被加工基板へのパルスレーザビームの照射と非照射を、クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いてパルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、第1の直線に略平行に隣接する第2の直線上にパルスレーザビームの第2の照射を金属膜側から行い、第1の照射および第2の照射によって、金属膜を除去すると同時に被加工基板に被加工基板表面に達するクラックを形成するレーザダイシング方法である。そして、パルスレーザビームの照射エネルギー、パルスレーザビームの加工点深さ、および、パルスレーザビームの照射領域および非照射領域の長さを制御することにより、金属膜を除去すると同時にクラックが被加工基板表面において連続するよう形成する。
【0084】
サファイア基板の主面の一方の面上に設けられたエピタキシャル層にLEDが形成され、サファイア基板の他方の面にLEDから発光される光を反射する金属膜が設けられる発光装置がある。金属膜はリフレクタ層とも称される。
【0085】
このような発光装置を、レーザを用いてダイシングする場合、レーザダイシング前に、ダイシングストリート上の金属膜をエッチング処理等の別の工程で剥離しておく方法がある。このような方法では、ダイシングのための工程が増加するという問題がある。
【0086】
図10および図11は、本実施の形態のレーザダイシング方法の説明図である。図10は上面図、図11は、図10のBB断面図である。
【0087】
図11に示すように、例えば、被加工基板であるサファイア基板50の主面の一方の面(裏面)にエピタキシャル層52が形成される。そして、そのエピタキシャル層52に、例えば、LEDが形成される。また、主面の他方の面(照射面)にリフレクタ層となる金属膜60が形成される。金属膜60は、例えば、金(Au)やアルミニウム(Al)である。
【0088】
図10に示すように、例えば、平行な第1の直線L1、第2の直線L2、第3の直線L3に沿って、同一の加工点深さでパルスレーザビームを照射する。それぞれの直線に沿った照射が、第1の照射、第2の照射、第3の照射である。この際、図中破線で示す照射面、すなわちリフレクタ層表面におけるレーザビームの照射領域(照射スポット)が、第1〜第3の直線方向にも、第1〜第3の直線に垂直な方向にも互いに重なるようにする。
【0089】
なお、図10では、第1〜第3の各照射について、照射光パルス数(P1)=3、非照射光パルス数(P2)=3とする場合、すなわち、3パルス数分を照射し、3パルス数分を非照射とする照射パターンを示しているが、本実施の形態は、この照射パターンに限られるものではない。
【0090】
本実施の形態によれば、照射面で、隣接するパルスレーザビームの照射領域を重ね合わせるような照射パターンとすることで、金属膜60を効果的に剥離することが可能となる。同時に、サファイア基板50内に同じ深さに並んで3列の改質領域54が形成され、基板表面に達するクラックが形成される。このクラックの形成により、小さな割断力で被加工基板を割断することが可能となる。
【0091】
本実施の形態によれば、パルスレーザビームの照射により、金属膜60の除去と被加工基板に対するクラックの形成を同時に行うことが可能となる。したがって、金属膜除去のために追加の工程を設ける必要がなくなり、金属膜が設けられる発光装置のダイシングを短時間、低コストで実現することが可能となる。
【0092】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。実施の形態においては、レーザダイシング方法、レーザダイシング装置等で、本発明の説明に直接必要としない部分については記載を省略したが、必要とされるレーザダイシング方法、レーザダイシング装置等に関わる要素を適宜選択して用いることができる。
【0093】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのレーザダイシング方法は、本発明の範囲に包含される。本発明の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物の範囲によって定義されるものである。
【0094】
例えば、実施の形態では、被加工基板として、LEDが形成されるサファイア基板を例に説明した。サファイア基板のように硬質で劈開性に乏しく割断の困難な基板に本発明は有用であるが、被加工基板は、その他、石英ガラス等のガラス基板、水晶等の絶縁物基板、SiC(炭化珪素)基板等の半導体材料基板、圧電材料基板等であっても構わない。
【0095】
また、実施の形態では、ステージを移動させることで、被加工基板とパルスレーザビームとを相対的に移動させる場合を例に説明した。しかしながら、例えば、レーザビームスキャナ等を用いることで、パルスレーザビームを走査することで、被加工基板とパルスレーザビームとを相対的に移動させる方法であっても構わない。
【0096】
また、実施の形態においては、照射光パルス数(P1)=2、非照射光パルス数(P2)=1とする場合、照射光パルス数(P1)=3、非照射光パルス数(P2)=3とする場合を例に説明したが、P1とP2の値は、最適条件とするために任意の値を取ることが可能である。また、実施の形態においては、照射光パルスがスポット径のピッチで照射と非照射を繰り返す場合を例に説明したが、パルス周波数あるいはステージ移動速度を変えることで、照射と非照射のピッチを変えて最適条件を見出すことも可能である。例えば、照射と非照射のピッチをスポット径の1/nやn倍にすることも可能である。
【0097】
また、ダイシング加工のパターンについては、例えば、照射領域レジスタ、非照射領域レジスタを複数設けたり、リアルタイムで照射領域レジスタ、非照射領域レジスタ値を所望のタイミングで、所望の値に変更したりすることでさまざまなダイシング加工パターンへの対応が可能となる。
【0098】
また、レーザダイシング装置として、ダイシング加工データをパルスレーザビームの光パルス数で記述した加工テーブルを記憶する加工テーブル部を備える装置を例に説明した。しかし、必ずしも、このような加工テーブル部を備えなくとも、光パルス単位でパルスレーザビームのパルスピッカーにおける通過と遮断を制御する構成を有する装置であればよい。
【0099】
また、割断特性をさらに向上させるために、基板表面に連続するクラックを形成した後、さらに、例えば、レーザを照射することで表面に対し溶融加工またはアブレーション加工を追加する構成とすることも可能である。
【0100】
また、本実施の形態においても、複数層の略平行な2列のパルスレーザビームを繰り返し照射することにより、割断力を低減させても構わない。図12は、異なる加工点深さのパルスレーザビームを、複数回基板の同一走査線上を走査してクラックを形成する場合の説明図である。基板断面における照射パターンの模式図である。ON(色付き)が照射、OFF(白色)が非照射領域である。図12(a)は、照射の走査の1層目と2層目が同相の場合、すなわち、1層目と2層目で照射パルス位置の上下関係が揃っている場合である。図12(b)は、照射の走査の1層目と2層目が異相の場合、すなわち、1層目と2層目で照射パルス位置の上下関係がずれている場合である。
【0101】
なお、ここでは照射/非照射のパルス数を、1層目と2層目で同じとする場合を例に示したが、1層目と2層目で異なる照射/非照射のパルス数として最適な条件を見出すことも可能である。
【0102】
また、例えば、ステージの移動をクロック信号に同期させることが、照射スポット位置の精度を一層向上させるため望ましい。これは、例えば、加工制御部26からXYZステージ部20に送られるステージ移動信号S5(図1)をクロック信号S1に同期させることで実現可能である。
【0103】
また、同一のダイシングストリート内で直線状に照射するパルスレーザビームの列数についても、2列以上であれば、3列以上であってもかまわない。
【実施例】
【0104】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0105】
(実施例1)
第1の実施の形態に記載した方法により、下記条件でレーザダイシングを行った。
被加工基板:サファイア基板、基板厚150μm、エピタキシャル層なし、金属膜なし
レーザ光源:Nd:YVOレーザ
波長:532nm
照射エネルギー:2.5μJ/パルス
レーザ周波数:100kHz
照射光パルス数(P1):3
非照射光パルス数(P2):3
照射列数:2列
照射列間隔(S):4μm
位相:列方向に同相
パルス間隔:1.25μm
ステージ速度:5mm/sec
焦点位置:被加工基板表面から16μm
【0106】
図13は、実施例1の照射パターンを示す図である。図に示すように、光パルスを3回照射した後、光パルス単位で3パルス分を非照射とする。この条件を以後、照射/非照射=3/3という形式で記述する。なお、このような照射パターンでの照射を平行で近接する2本の直線上で行う。すなわち、パルスレーザビームを平行な2列で照射する。
【0107】
レーザダイシングの結果を、図14に示す。図14(a)が基板表面の光学写真、図14(b)が改質領域の光学写真である。図14(a)の光学写真は、基板表面のクラックに焦点を合わせて撮影している。図14(b)の光学写真は、基板内部の改質領域に焦点を合わせて撮影しているまた、図15はクラックの方向に平行な基板の断面光学写真である。
【0108】
被加工基板は幅約5mmの短冊状であり、短冊の伸長方向に垂直にパルスレーザビームを照射して、クラックを形成した。クラックを形成した後、ブレーカーを用いて割断に要する割断力を評価した。また、図15に示す断面光学写真から改質領域の下端と、サファイア基板下面との距離(改質領域−下面距離)を測長した。結果を図16に示す。白抜きのグラフが割断力、ハッチングのグラフが改質領域−下面距離を示す。
【0109】
(実施例2)
焦点位置を被加工基板表面から20μmとする以外は、実施例1と同様の方法でレーザダイシングを行った。レーザダイシングの結果を、図16に示す。
【0110】
(実施例3)
焦点位置を被加工基板表面から25μmとする以外は、実施例1と同様の方法でレーザダイシングを行った。レーザダイシングの結果を、図16に示す。
【0111】
(実施例4)
焦点位置を被加工基板表面から30μmとする以外は、実施例1と同様の方法でレーザダイシングを行った。レーザダイシングの結果を、図16に示す。
【0112】
(比較例1)
実施例1〜4が、図8(a)に示すように、照射列数が2列であるのに対し、照射列数を1列とし、図8(b)に示すように、同一直線上で異なる2つの深さでパルスレーザビームを照射する以外は、実施例1と同様の方法でレーザダイシングを行った。焦点位置は、被加工基板表面から14μm、39μmの2層とした。位相は深さ方向に同相とした。レーザダイシングの結果を、図16に示す。
【0113】
実施例1〜4、比較例1いずれにおいても、被加工基板表面において連続するクラックを形成できた。
【0114】
実施例1〜4の条件では、比較例1に対し、改質領域の下端と、サファイア基板下面との距離(改質領域−下面距離)を長く保つことができ、サファイア基板にLED等が形成された場合でも、レーザダイシングによるLED等の素子の特性劣化を抑制することが可能となる。また、特に実施例2〜4では、割断力が比較例1に比べ、約30%低減する。
【0115】
(実施例5)
第1の実施の形態に記載した方法により、下記条件でレーザダイシングを行った。
被加工基板:サファイア基板、基板厚200μm、エピタキシャル層なし、金属膜なし
レーザ光源:Nd:YVOレーザ
波長:532nm
照射エネルギー:2.5μJ/パルス
レーザ周波数:100kHz
照射光パルス数(P1):3
非照射光パルス数(P2):3
照射列数:2列
照射列間隔(S):4μm
位相:列方向に同相
パルス間隔:1.25μm
ステージ速度:5mm/sec
焦点位置:被加工基板表面から25μm
【0116】
実施例1〜4と異なり、サファイア基板の厚さを200μmとした。実施例1〜実施例4、比較例1と同様の評価を行った。レーザダイシングの結果を、図17に示す。白抜きのグラフが割断力、ハッチングのグラフが改質領域−下面距離を示す。
【0117】
(実施例6)
図18に示すように、実施例5に対し、2列の間の位置に、深さ方向に1層追加する照射パターンである以外は、実施例5と同様の方法でレーザダイシングを行った。追加する1層の焦点位置は被加工基板表面から65μmとした。追加する1層は上層と深さ方向に同相とした。レーザダイシングの結果を、図17に示す。
【0118】
(実施例7)
追加する1層の焦点位置を被加工基板表面から70μmとする以外は、実施例6と同様の方法でレーザダイシングを行った。レーザダイシングの結果を、図17に示す。
【0119】
(実施例8)
追加する1層の焦点位置を被加工基板表面から75μmとする以外は、実施例6と同様の方法でレーザダイシングを行った。レーザダイシングの結果を、図17に示す。
【0120】
(比較例2)
同一直線上で異なる3つの深さで1列だけパルスレーザビームを照射する以外は、実施例5と同様の方法でレーザダイシングを行った。焦点位置は、被加工基板表面から14μm、49μm、74μmの3層とした。位相は深さ方向に同相とした。レーザダイシングの結果を、図17に示す。
【0121】
実施例5〜8、比較例2いずれにおいても、被加工基板表面において連続するクラックを形成できた。
【0122】
実施例5〜7の条件では、比較例2に対し、改質領域の下端と、サファイア基板下面との距離(改質領域−下面距離)を長く保つことができ、LED等が形成された場合でも、レーザダイシングによる特性劣化を抑制することが可能となる。また、実施例7、8では、割断力が比較例2に比べ低減した。特に、実施例7では、比較例2に対し、改質領域−下面距離を長く保ち、かつ、割断力が低減することができた。
【0123】
(実施例9)
第1の実施の形態に記載した方法により、下記条件でレーザダイシングを行った。
被加工基板:サファイア基板、基板厚300μm、エピタキシャル層なし、金属膜なし
レーザ光源:Nd:YVOレーザ
波長:532nm
照射エネルギー:2.5μJ/パルス
レーザ周波数:100kHz
照射光パルス数(P1):3
非照射光パルス数(P2):3
照射列数:2列
照射列間隔(S):4μm
深さ方向層数:3層
位相:列方向、深さ方向ともに同相
パルス間隔:1.25μm
ステージ速度:5mm/sec
焦点位置:被加工基板表面から25μm、70μm、125μm
【0124】
実施例1〜4、5〜8と異なり、サファイア基板の厚さを300μmとした。また、深さ方向の層数を3層とした。そして、実施例1〜実施例4、比較例1と同様の評価を行った。レーザダイシングの結果を、図19に示す。白抜きのグラフが割断力、ハッチングのグラフが改質領域−下面距離を示す。
【0125】
(比較例3)
同一直線上で異なる4つの深さで1列だけパルスレーザビームを照射する以外は、実施例9と同様の方法でレーザダイシングを行った。焦点位置は、被加工基板表面から14μm、49μm、84μm、119μmの4層とした。位相は深さ方向に同相とした。レーザダイシングの結果を、図19に示す。
【0126】
(比較例4)
同一直線上で異なる5つの深さで1列だけパルスレーザビームを照射する以外は、実施例9と同様の方法でレーザダイシングを行った。焦点位置は、被加工基板表面から14μm、44μm、74μm、104μm、134μmの5層とした。位相は深さ方向に同相とした。レーザダイシングの結果を、図19に示す。
【0127】
実施例9、比較例3、4いずれにおいても、被加工基板表面において連続するクラックを形成できた。
【0128】
実施例9の条件では、比較例3に対し、改質領域の下端と、サファイア基板下面との距離(改質領域−下面距離)を長く保つことができ、LED等が形成された場合でも、レーザダイシングによる特性劣化を抑制することが可能となる。また、実施例9では、割断力が比較例3、4に比べ低減する。したがって、比較例4に対し、改質領域−下面距離を長く保ち、かつ、割断力が低減することができた。
【0129】
(実施例10)
第2の実施の形態に記載した方法により、下記条件でレーザダイシングを行った。
被加工基板:サファイア基板、基板厚150μm、エピタキシャル層あり、金属膜あり
レーザ光源:Nd:YVOレーザ
波長:532nm
照射エネルギー:3.0μJ/パルス
レーザ周波数:100kHz
照射光パルス数(P1):3
非照射光パルス数(P2):3
照射列数:2列
照射列間隔(S):4μm
位相:列方向に同相
パルス間隔:1.25μm
ステージ速度:5mm/sec
焦点位置:被加工基板表面から18μm
【0130】
金属膜のついたサファイア基板を被加工基板としてダイシングを行った。
【0131】
被加工基板は幅約5mmの短冊状であり、短冊の伸長方向に垂直にパルスレーザビームを照射して、クラックを形成した。クラックを形成した後、ブレーカーを用いて割断に要する割断力を評価した。また断面光学写真から改質領域の下端と、サファイア基板下面との距離(改質領域−下面距離)を測長した。結果を図20に示す。白抜きのグラフが割断力、ハッチングのグラフが改質領域−下面距離を示す。
【0132】
図21は、レーザダイシングによる金属膜除去結果の光学写真である。図21(a)が実施例10に相当する。
【0133】
(実施例11)
焦点位置を被加工基板表面から20μmとする以外は、実施例1と同様の方法でレーザダイシングを行った。レーザダイシングの結果を、図20、図21(b)に示す。
【0134】
(実施例12)
照射列数を3列とする以外は、実施例11と同様の方法でレーザダイシングを行った。レーザダイシングの結果を、図20、図21(c)に示す。
【0135】
(実施例13)
2列を重ねる、すなわち、列間隔0で2列を照射し、その列に対し4μmの間隔でもう1列を照射する以外は、実施例12と同様の方法でレーザダイシングを行った。レーザダイシングの結果を、図20、図21(d)に示す
【0136】
(実施例14)
列間隔を2μmとする以外は、実施例12と同様の方法でレーザダイシングを行った。レーザダイシングの結果を、図20、図21(e)に示す
【0137】
実施例10〜14、いずれにおいても被加工基板表面において連続するクラックを形成できた。また、実施例10〜14、いずれにおいても図21に示すように、金属膜の除去がクラックの形成と同時に実現できた。特に、金属膜の除去は、実施例12〜14の条件で残さが少なく良好であった。
【0138】
特に、実施例12の条件で最も割断力が小さくなった。
【符号の説明】
【0139】
10 パルスレーザ加工装置
12 レーザ発振器
14 パルスピッカー
16 ビーム整形器
18 集光レンズ
20 XYZステージ部
22 レーザ発振器制御部
24 パルスピッカー制御部
26 加工制御部
28 基準クロック発振回路
30 加工テーブル部
50 サファイア基板
52 エピタキシャル層
54 改質領域
60 金属膜
L1 第1の直線
L2 第2の直線
L3 第3の直線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工基板をステージに載置し、
クロック信号を発生し、
前記クロック信号に同期したパルスレーザビームを出射し、
前記被加工基板と前記パルスレーザビームとを相対的に移動させ、
前記被加工基板への前記パルスレーザビームの照射と非照射を、前記クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いて前記パルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、第1の直線上に前記パルスレーザビームの第1の照射を行い、
前記第1の照射の後に、前記被加工基板への前記パルスレーザビームの照射と非照射を、前記クロック信号に同期して、パルスピッカーを用いて前記パルスレーザビームの通過と遮断を制御することで、光パルス単位で切り替え、前記第1の直線に略平行に隣接する第2の直線上に前記パルスレーザビームの第2の照射を行い、
前記第1の照射および前記第2の照射によって、前記被加工基板に前記被加工基板表面に達するクラックを形成するレーザダイシング方法であって、
前記パルスレーザビームの照射エネルギー、前記パルスレーザビームの加工点深さ、および、前記パルスレーザビームの照射領域および非照射領域の長さを制御することにより、前記クラックが前記被加工基板表面において連続するよう形成することを特徴とするレーザダイシング方法。
【請求項2】
前記第2の照射を、前記第1の照射と同一の加工点深さで行うことを特徴とする請求項1記載のレーザダイシング方法。
【請求項3】
前記第2の照射における前記パルスレーザビームの照射と非照射のパターンが、前記第1の照射における前記パルスレーザビームの照射と非照射のパターンを、前記第1の直線に垂直な方向に平行移動した関係にあることを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーザダイシング方法。
【請求項4】
前記第1の直線と前記第2の直線の間隔をS、前記パルスレーザビームの焦点位置での理論上のビーム直径をdとした場合に、3.2≦S/d≦4.8であることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか一項記載のレーザダイシング方法。
【請求項5】
前記被加工基板がサファイア基板であることを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか一項記載のレーザダイシング方法。
【請求項6】
前記被加工基板の主面の一方の面に発光素子が形成され、他方の面側から前記パルスレーザビームを照射することを特徴とする請求項1ないし請求項5いずれか一項記載のレーザダイシング方法。
【請求項7】
前記他方の面上に金属膜が形成され、前記第1の照射および第2の照射により前記金属膜を除去することを特徴とする請求項6記載のレーザダイシング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−48244(P2013−48244A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−192985(P2012−192985)
【出願日】平成24年9月3日(2012.9.3)
【分割の表示】特願2012−74937(P2012−74937)の分割
【原出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【出願人】(000003458)東芝機械株式会社 (843)
【Fターム(参考)】