説明

レーザー溶着装置

【課題】折れ角が大きい(例えば、120〜180°)熱可塑性樹脂製レンズと熱可塑性樹脂製部材とをその外周部全周にわたり、レーザー溶着することが可能なレーザー溶着装置を提供する。
【解決手段】レーザー光に対し透過性を有する熱可塑性樹脂製レンズとレーザー光に対して吸収性を有する熱可塑性樹脂製部材とを当接させた状態で保持する装置と、熱可塑性樹脂製レンズを透過し、熱可塑性樹脂製レンズが当接した熱可塑性樹脂製部材を照射し、前記熱可塑性樹脂製部材とこれに当接した前記熱可塑性樹脂製レンズとを溶融するレーザー光を走査するガルバノミラーと、第2円弧に沿って任意の位置まで移動させられるガルバノスキャン光学系とを備えており、第2円弧は中心が第1円弧の中心又はその近傍に設定され、かつ半径が第1円弧の半径よりも大きく設定されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー溶着装置に係り、特にレーザー溶着に用いられるレーザー光を走査するガルバノミラーを含むガルバノスキャン光学系を備えたレーザー溶着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザー光に対し透過性を有する熱可塑性樹脂製レンズとレーザー光に対し吸収性を有する熱可塑性樹脂製部材とをレーザー溶着するレーザー溶着装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のレーザー溶着装置においては、ロボットアームに固定されたレーザー射出部からのレーザー光が、熱可塑性樹脂製レンズを透過し、当該熱可塑性樹脂製レンズ裏面に当接した熱可塑性樹脂製部材を照射し、両者を溶融することで、レーザー溶着が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−348132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ロボットアームに固定されたレーザー射出部に代え、図10に示すように、フレーム等(図示せず)に固定されたガルバノスキャン光学系210(例えば、レーザー溶着に用いられるレーザー光を走査するガルバノミラー等を含むガルバノスキャンヘッド)を用いる場合には、熱可塑性樹脂製レンズ220の折れ角φが大きいと(例えば、120〜180°)、ガルバノスキャン光学系210からのレーザー光の熱可塑性樹脂製レンズ220(表面)に対する入射角θが部分的に臨界角を超えてしまい、ガルバノスキャン光学系210からのレーザー光は部分的に熱可塑性樹脂製レンズ220に入射しない。このため、ガルバノスキャン光学系を単純に用いるだけでは、折れ角φが大きい(例えば、120〜180°)熱可塑性樹脂製レンズと熱可塑性樹脂製部材とをその外周部全周にわたり、レーザー溶着することができない、という問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、折れ角が大きい(例えば、120〜180°)熱可塑性樹脂製レンズと熱可塑性樹脂製部材とをその外周部全周にわたり、レーザー溶着することが可能なレーザー溶着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、レーザー光に対し透過性を有し、かつ、第1円弧に近似される断面を含む熱可塑性樹脂製レンズとレーザー光に対し吸収性を有する熱可塑性樹脂製部材とをレーザー溶着するレーザー溶着装置において、前記熱可塑性樹脂製レンズと前記熱可塑性樹脂製部材とを当接させた状態で保持する装置と、前記熱可塑性樹脂製レンズを透過し、前記熱可塑性樹脂製レンズが当接した前記熱可塑性樹脂製部材を照射し、前記熱可塑性樹脂製部材とこれに当接した前記熱可塑性樹脂製レンズとを溶融するレーザー光を走査するガルバノミラーを含んでおり、かつ、第2円弧に沿って任意の位置まで移動させられるガルバノスキャン光学系と、を備えており、前記第2円弧は、中心が前記第1円弧の中心又はその近傍に設定され、かつ、半径が前記第1円弧の半径よりも大きく設定されていることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、折れ角が大きい(例えば、120〜180°)熱可塑性樹脂製レンズと熱可塑性樹脂製部材とを入射角の制約条件との関係でその外周部全周のうち一部しかレーザー溶着することができない場合であっても、ガルバノスキャン光学系を第2円弧に沿って任意の位置まで移動させることで、入射角の制約条件を小さくすることが可能となる。このため、その移動後の位置でレーザー光を走査することで、その外周部全周のうち残りの部分をレーザー溶着することが可能となる。これにより、折れ角が大きい(例えば、120〜180°)熱可塑性樹脂製レンズと熱可塑性樹脂製部材とをその外周部全周にわたり、レーザー溶着すること(すなわち、シールラインを分割してレーザー溶着すること)が可能となる。
【0009】
また、請求項1に記載の発明によれば、ガルバノスキャン光学系は第2円弧に沿って移動させられるため、ガルバノスキャン光学系と熱可塑性樹脂製レンズ表面との間の距離が略一定となり、熱可塑性樹脂製レンズを透過して当該熱可塑性樹脂製レンズが当接した熱可塑性樹脂製部材を照射するガルバノスキャン光学系からのレーザー光のスポット径を略一定サイズに保つこと(すなわち、溶着条件を略一定に保つこと)が可能となる。この略一定サイズのスポット径のレーザー光により、熱可塑性樹脂製レンズと熱可塑性樹脂製部材とをその外周部全周にわたり、略均一にレーザー溶着することが可能となる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2円弧に沿って延びるカム溝が形成されたベース板をさらに備えており、前記ガルバノスキャン光学系は、前記カム溝に沿って移動する接触子を含んでいることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、第2円弧に沿って延びるカム溝及びこれに沿って移動する接触子の作用により、ガルバノスキャン光学系を第2円弧に沿って移動させることが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2円弧の中心を揺動中心として揺動するアームと、前記アームに連結され、前記アームを揺動させるモータと、をさらに備えており、前記ガルバノスキャン光学系は、そのレーザー出射口を前記第2円弧の中心に向けた姿勢で、前記アームの前記揺動中心から前記第2円弧の半径分離れた箇所に固定されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、第2円弧の中心を揺動中心として揺動するアームの作用により、ガルバノスキャン光学系を、そのレーザー出射口を第2円弧の中心に向けた姿勢を保ったまま、第2円弧に沿って移動させることが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2円弧に沿って延びるレールガイドをさらに備えており、前記ガルバノスキャン光学系は、前記レールガイドに沿ってガイドされて移動するように、前記レールガイドに取り付けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、第2円弧に沿って延びるレールガイドの作用により、ガルバノスキャン光学系を第2円弧に沿って移動させることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、折れ角が大きい(例えば、120〜180°)熱可塑性樹脂製レンズと熱可塑性樹脂製部材とをその外周部全周にわたり、レーザー溶着することが可能なレーザー溶着装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態であるレーザー溶着装置10の概略構成図である。
【図2】レンズ20の断面図である。
【図3】(a)レンズ20とハウジング30の断面図(突き当て前)、(b)レンズ20とハウジング30の断面図(突き当て後)である。
【図4】ガルバノスキャン光学系40の斜視図である。
【図5】(a)ガルバノスキャン光学系40を円弧Ca2に沿って移動させるための構成例、(b)ガルバノスキャン光学系40の側面図である。
【図6】図5(a)の断面図である。
【図7】ガルバノスキャン光学系40を円弧Ca2に沿って移動させるための構成例(変形例)である。
【図8】ガルバノスキャン光学系40とアーム54との関係を説明するための側面図である。
【図9】ガルバノスキャン光学系40を円弧Ca2に沿って移動させるための構成例(変形例)である。
【図10】熱可塑性樹脂製レンズ220の折れ角φが大きいと(例えば、120〜180°)、ガルバノスキャン光学系210からのレーザー光の熱可塑性樹脂製レンズ220に対する入射角との関係で、ガルバノスキャン光学系210からのレーザー光が熱可塑性樹脂製レンズ220に入射しないことを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態であるレーザー溶着装置について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
本実施形態のレーザー溶着装置10は、レンズ20とこのレンズ20に組み合わされて車両用灯具(例えば、車両後部の左右両側にそれぞれ配置されるリアコンビネーションランプ)を構成するハウジング30とをレーザー溶着するための装置であり、図1に示すように、ガルバノスキャン光学系40等を備えている。
【0020】
レンズ20は、レーザー光に対し透過性を有する熱可塑性樹脂製レンズである。レンズ20は、第1レンズ部21と、第1レンズ部21に対し120〜180°の折れ角φをなすように屈曲レンズ部22を介して第1レンズ部21に連続する第2レンズ部23と、を含んでいる。図1、図2に示すように、レンズ20は、円弧Ca1(本発明の第1円弧に相当)に近似される断面を含んでいる。なお、折れ角φとは、灯具の意匠面(レンズ20表面)の曲げ角(車両のボディラインの曲げ角)を意味する。
【0021】
図3(a)に示すように、レンズ20裏面の外周部には、先端に環状接合面24aを含む環状リブ24が形成されている。
【0022】
ハウジング30は、レーザー光に対し吸収性を有する熱可塑性樹脂製部材である。図3(a)に示すように、ハウジング30は、レンズ20裏面の外周部(環状接合面24a)が当接する環状接合面31を含んでいる。
【0023】
レンズ20とハウジング30とは加圧され、レンズ20(環状接合面24a)とハウジング30(環状接合面31)とがその全周にわたり互いに当接(密着)した状態で保持されている。例えば、レンズ20とハウジング30とは、図3(a)、図3(b)に示すように、ハウジング30(環状接合面31)を図示しない機構を用いてレンズ20に対し突き上げ、表面の外周部に透明押さえ部60が当接したレンズ20の裏面(環状接合面24)にハウジング30(環状接合面31)を突き当てることで、互いに当接(密着)した状態で保持される。
【0024】
ガルバノスキャン光学系40としては、例えば、レンズ20を透過し、レンズ20(環状接合面24a)が当接したハウジング30(環状接合面31)を照射し、ハウジング30とこれに当接したレンズ20とを溶融するレーザー光Ray(図3(a)参照)を走査するガルバノミラー等(図示せず)を含むガルバノスキャンヘッドを用いることが可能である。
【0025】
図4に示すように、ガルバノスキャン光学系40の側面には、ガルバノ固定板51に形成されたネジ穴51a(図4中4箇所を例示)に挿入されたビス52が螺合する固定ビス穴42(図4中4箇所を例示)が形成されている。また、ガルバノスキャン光学系40の側面には、ガルバノ固定板51に形成された位置決めピン穴(図示せず)に挿入される位置決めピン43が固定されている。
【0026】
ガルバノ固定板51は、位置決めピン穴(図示せず)に位置決めピン43が挿入されて位置決めされるとともに、ネジ穴51aに挿入されたビス52を固定ビス穴42に螺合することで、ガルバノスキャン光学系40にビス止め固定されている。
【0027】
ガルバノ固定板51のガルバノスキャン光学系40が固定された側とは反対側の面には、当該面に対し直角の方向に延びるボルト51b(本発明の接触子に相当)が固定されている。
【0028】
図5(a)、図6に示すように、ベース板52には、円弧Ca2(中心Cが円弧Ca1の中心C又はその近傍に設定され、かつ、半径R2が円弧Ca1の半径R1よりも大きく設定された円弧Ca2。図1参照。本発明の第2円弧に相当)に沿って延びるカム溝52a(ベース板52の厚み方向に貫通している。図6参照)が形成されている。
【0029】
ガルバノスキャン光学系40は、ベース板52の一方の面側からボルト51bをカム溝52aに挿入して他方の面側から突出させるとともに、当該突出したボルト51bに固定用ナット53を螺合することで、ベース板52に固定されている(図6参照)。
【0030】
上記構成によれば、固定用ナット53を緩めることで、ガルバノスキャン光学系40を、カム溝52a(すなわち、円弧Ca2)に沿って任意の位置(例えば、位置P1、P2。図1参照)まで移動させることが可能となる。そして、固定用ナット53を締め付けることで、ガルバノスキャン光学系40を、そのレーザー出射口41を円弧Ca2の中心Cに向けた姿勢で、移動後の位置に固定することが可能となる。
【0031】
なお、二本のボルト51bを用いれば(図5参照)、ガルバノスキャン光学系40を、そのレーザー出射口41を円弧Ca2の中心Cに向けた姿勢を保ったまま、カム溝52a(すなわち、円弧Ca2)に沿って任意の位置まで移動させることが可能となる。
【0032】
これにより、位置P1(図1参照)においては、折れ角φが大きい(例えば、120〜180°)レンズ20とハウジング30とを入射角の制約条件との関係でその外周部全周のうち一部しかレーザー溶着することができない場合であっても、ガルバノスキャン光学系40を円弧Ca2に沿って任意の位置(例えば位置P2。図1参照)まで移動させることで、入射角の制約条件を小さくすることが可能となる。このため、その移動後の位置でレーザー光を走査することで、その外周部全周のうち残りの部分をレーザー溶着することが可能となる。これにより、折れ角φが大きい(例えば、120〜180°)レンズ20とハウジング30とをその外周部全周にわたり、レーザー溶着することが可能となる。
【0033】
位置P1としては、例えば、当該位置P1に位置したガルバノスキャン光学系40からのレーザー光Rayがレンズ20表面の外周部全周を走査するように、かつ、その全周走査されるレーザー光Rayの第1レンズ部21及び屈曲レンズ部22に対する入射角θが臨界角(例えば60°)よりも小さくなるような位置が選定される(図1参照)。
【0034】
すなわち、位置P1としては、例えば、当該位置P1に位置したガルバノスキャン光学系40からのレーザー光Rayがレンズ20表面の外周部全周を走査するように、かつ、その全周走査されるレーザー光Rayが少なくとも第1レンズ部21及び屈曲レンズ部22を透過するとともに第1レンズ部21裏面及び屈曲レンズ部22裏面それぞれに当接したハウジング30(環状接合面31)を照射し、当該ハウジング30(環状接合面31)とこれに当接した第1レンズ部21及び屈曲レンズ部22とを溶融して接合するような位置が選定される。
【0035】
一方、位置P2としては、例えば、当該位置P2に位置したガルバノスキャン光学系40からのレーザー光Rayがレンズ20表面の外周部全周を走査するように、かつ、その全周走査されるレーザー光Rayの第2レンズ部23及び屈曲レンズ部22に対する入射角θが臨界角(例えば60°)よりも小さくなるような位置が選定される(図1参照)。
【0036】
すなわち、位置P2としては、例えば、当該位置P2に位置したガルバノスキャン光学系40からのレーザー光Rayがレンズ20表面の外周部全周を走査するように、かつ、その全周走査されるレーザー光Rayが少なくとも第2レンズ部23及び屈曲レンズ部22を透過するとともに第2レンズ部23裏面及び屈曲レンズ部22裏面それぞれに当接したハウジング30(環状接合面31)を照射し、当該ハウジング30(環状接合面31)とこれに当接した第2レンズ部23及び屈曲レンズ部22とを溶融して接合するような位置が選定される。
【0037】
以上説明したように、上記構成のレーザー溶着装置10によれば、折れ角φが大きい(例えば、120〜180°)レンズ20とハウジング30とを入射角の制約条件との関係でその外周部全周のうち一部しかレーザー溶着することができない場合であっても、ガルバノスキャン光学系40を円弧Ca2に沿って任意の位置(例えば、位置P1、位置P2。図1参照)まで移動させることで、入射角の制約条件を小さくすることが可能となる。このため、その移動後の位置でレーザー光を走査することで、その外周部全周のうち残りの部分をレーザー溶着することが可能となる。これにより、折れ角φが大きい(例えば、120〜180°)レンズ20とハウジング30とをその外周部全周にわたり、レーザー溶着すること(すなわち、シールラインを分割してレーザー溶着すること)が可能となる。
【0038】
また、上記構成のレーザー溶着装置10によれば、ガルバノスキャン光学系40は円弧Ca2に沿って移動させられるため、ガルバノスキャン光学系40とレンズ20表面との間の距離(ワークディスタンスとも称される)が略一定となり、レンズ20を透過して当該レンズ20が当接したハウジング30を照射するガルバノスキャン光学系40からのレーザー光のスポット径を略一定サイズに保つこと(すなわち、溶着条件を略一定に保つこと)が可能となる。この略一定サイズのスポット径のレーザー光により、レンズ20とハウジング30とをその外周部全周にわたり、略均一にレーザー溶着することが可能となる。
【0039】
なお、ガルバノスキャン光学系40を、エアシリンダや電動アクチュエータを用いて横方向に移動させるとともに、カムの変位量によって高さ方向に移動させるようにしてもよい。
【0040】
次に、変形例について説明する。
【0041】
図7、図8に示すように、ガルバノスキャン光学系40は、円弧Ca2の中心Cを揺動中心として揺動するアーム54に固定されていてもよい。
【0042】
図7に示すように、ガルバノスキャン光学系40は、そのレーザー出射口41を円弧Ca2の中心Cに向けた姿勢で、アーム54の揺動中心Cから円弧Ca2の半径R2分離れた箇所に固定されている。
【0043】
アーム54には、当該アーム54を揺動させるモータ(例えばステッピングモータ。図示せず)が連結されている。
【0044】
本変形例によれば、円弧Ca2の中心を揺動中心Cとして揺動するアーム54の作用により、ガルバノスキャン光学系40を、そのレーザー出射口41を円弧Ca2の中心Cに向けた姿勢を保ったまま、円弧Ca2に沿って任意の位置(例えば、位置P1、P2。図1参照)まで移動させることが可能となる。
【0045】
また、図9に示すように、ガルバノスキャン光学系40は、円弧Ca2に沿って延びるレールガイド55に沿ってガイドされて移動するように、当該レールガイド55に取り付けられていてもよい。
【0046】
本変形例によれば、円弧Ca2に沿って延びるレールガイド55の作用により、ガルバノスキャン光学系40を円弧Ca2に沿って移動させることが可能となる。
【0047】
次に、変形例について説明する。
【0048】
上記実施形態では、熱可塑性樹脂製部材がハウジング30の例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、熱可塑性樹脂製部材はリフレクタ等の車両用灯具構成部材、その他電子部品の小物部品等であってもよい。
【0049】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0050】
10…レーザー溶着装置、20…レンズ、21…第1レンズ部、22…屈曲レンズ部、23…第2レンズ部、24…環状リブ、24a…環状接合面、30…ハウジング、31…環状接合面、40…ガルバノスキャン光学系、41…レーザー出射口、51…ガルバノ固定板、52…ベース板、52a…カム溝、53…固定用ナット、54…アーム、55…レールガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー光に対し透過性を有し、かつ、第1円弧に近似される断面を含む熱可塑性樹脂製レンズとレーザー光に対し吸収性を有する熱可塑性樹脂製部材とをレーザー溶着するレーザー溶着装置において、
前記熱可塑性樹脂製レンズと前記熱可塑性樹脂製部材とを当接させた状態で保持する装置と、
前記熱可塑性樹脂製レンズを透過し、前記熱可塑性樹脂製レンズが当接した前記熱可塑性樹脂製部材を照射し、前記熱可塑性樹脂製部材とこれに当接した前記熱可塑性樹脂製レンズとを溶融するレーザー光を走査するガルバノミラーを含んでおり、かつ、第2円弧に沿って任意の位置まで移動させられるガルバノスキャン光学系と、
を備えており、
前記第2円弧は、中心が前記第1円弧の中心又はその近傍に設定され、かつ、半径が前記第1円弧の半径よりも大きく設定されていることを特徴とするレーザー溶着装置。
【請求項2】
前記第2円弧に沿って延びるカム溝が形成されたベース板をさらに備えており、
前記ガルバノスキャン光学系は、前記カム溝に沿って移動する接触子を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶着装置。
【請求項3】
前記第2円弧の中心を揺動中心として揺動するアームと、
前記アームに連結され、前記アームを揺動させるモータと、
をさらに備えており、
前記ガルバノスキャン光学系は、そのレーザー出射口を前記第2円弧の中心に向けた姿勢で、前記アームの前記揺動中心から前記第2円弧の半径分離れた箇所に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶着装置。
【請求項4】
前記第2円弧に沿って延びるレールガイドをさらに備えており、
前記ガルバノスキャン光学系は、前記レールガイドに沿ってガイドされて移動するように、前記レールガイドに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶着装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−6046(P2012−6046A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144558(P2010−144558)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】