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レーダ装置
説明

レーダ装置

【課題】各送信側系統間の動作を同期させるための回路構成を追加せずに、簡易な構成により複数のレーダ信号を分離する。
【解決手段】第1レーダ送信部は、所定の符号長の符号系列を、第1符号幅を用いて所定数繰り返した第1変調信号を送信する。第2レーダ送信部は、同じ符号系列を、第2符号幅を用いて所定数繰り返した第2変調信号を送信する。レーダ受信部は、第1符号幅と第2符号幅の差分値よりも小さいサンプリング周期で離散信号に変換するA/D変換部と、A/D変換部からの出力信号を、第1符号幅に応じた所定のサンプル数分遅延させる第1遅延部と、第2符号幅に応じた所定のサンプル数分遅延させる第2遅延部と、A/D変換部と第1遅延部とからの各出力信号とを基に第1相関値を算出する第1相関値算出部と、A/D変換部と第2遅延部とからのからの出力信号とを基に第2相関値を算出する第2相関値算出部とを用いて複数の受信信号を分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターゲットに反射された反射波の信号をアンテナにより受信してターゲットを検出するレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーダ装置は、レーダ送信信号を基に生成した電波を測定地点から空間に放射し、ターゲットに反射された反射波の信号を受信して、測定地点とターゲットとの距離、位置及び方向のうち少なくとも1つ以上を測定する。特に近年、送信側系統及び受信側系統においてそれぞれ複数のアンテナを用いたMIMO(Multiple Input Multiple Output)レーダ装置の開発が進められている。
【0003】
MIMOレーダ装置は、送信側系統において複数のアンテナからほぼ同時にレーダ送信信号を送信し、受信側系統において複数のアンテナを用いてターゲットからの反射波であるレーダ送信信号を分離受信する。MIMOレーダ装置によれば、複数のアンテナからレーダ送信信号をほぼ同時に送信するため、ターゲットの測定時間を短縮できる。
【0004】
又、MIMOレーダ装置は、同一のターゲットからの反射波の信号を複数の異なる経路において受信することがあるため、伝搬フェージングが発生している場合においては、ダイバーシチ効果に基づくターゲットの検出精度及び測定可能距離を向上できる。
【0005】
従来のMIMOレーダ装置の一例として、例えば非特許文献1が知られている。従来のMIMOレーダ装置は、送信側系統において互いに直交する直交符号系列を乗じた各レーダ送信信号を複数のアンテナから同時に送信する。従来のMIMOレーダ装置は、受信側系統において複数のアンテナにより受信された各受信信号に、送信側系統において用いられた直交符号系列と直交性のある直交符号系列を乗じ、各受信信号を分離する。従来のMIMOレーダ装置によれば、ターゲットの測定時間を短縮できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Miwa et al., “Tx and Rx Modulation MIMO Radar System with Orthogonal Codes”, IEICE Trans. Commun., Vol.E94−B, No.2,Feb2011 pp546
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献1のMIMOレーダ装置においては、互いに直交性のある各レーダ送信信号を複数のアンテナから送信する場合、各レーダ送信信号による符号間干渉を抑圧するために、各送信側系統のアンテナにおける動作が同期している必要がある。
【0008】
このためには、各送信側系統のアンテナにおける動作を同期させるためのリファレンス信号を供給するための構成を追加する必要があり、MIMOレーダ装置の回路構成が複雑になるという課題があった。
【0009】
本発明は、上述従来の事情に鑑みてなされたもので、各送信側系統間の動作を同期させるための回路構成を追加せずに、簡易な構成により実現可能なレーダ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述したレーダ装置であって、所定の符号長の符号系列を、第1符号幅を用いて所定数繰り返した第1変調信号を生成する第1送信信号生成部と、前記第1変調信号を高周波の第1レーダ送信信号に変換し、前記第1レーダ送信信号を第1送信アンテナから送信する第1送信RF部と、を有する第1レーダ送信部と、前記所定の符号長の符号系列を、第2符号幅を用いて所定数繰り返した第2変調信号を生成する第2送信信号生成部と、前記第2変調信号を高周波の第2レーダ送信信号に変換し、前記第2レーダ送信信号を第2送信アンテナから送信する第2送信RF部と、を有する第2レーダ送信部と、を含む。
【0011】
本発明は、上述したレーダ装置であって、第1符号長の符号系列を所定数繰り返した第1変調信号を生成する第1送信信号生成部と、前記第1変調信号を高周波の第1レーダ送信信号に変換し、前記第1レーダ送信信号を第1送信アンテナから送信する第1送信RF部と、を有する第1レーダ送信部と、第2符号長の符号系列を所定数繰り返した第2変調信号を生成する第2送信信号生成部と、前記第2変調信号を高周波の第2レーダ送信信号に変換し、前記第2レーダ送信信号を第2送信アンテナから送信する第2送信RF部と、を有する第2レーダ送信部とを含み、前記第1変調信号及び前記第2変調信号における1つの符号あたり時間幅は等しく、かつ、前記第1符号長と前記第2符号長はどちらか一方整数倍とならない。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、各送信側系統間の動作を同期させるための回路構成を追加せずに、簡易な構成により実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態のレーダ装置の内部構成を簡略に示すブロック図
【図2】第1の実施形態のレーダ装置の内部構成を詳細に示すブロック図
【図3】各送信トリガ信号と各レーダ送信信号との関係の一例を示すタイミングチャート
【図4】各送信トリガ信号と各レーダ送信信号との関係の他の一例を示すタイミングチャート
【図5】測位部の内部構成を詳細に示すブロック図
【図6】レーダ送信部からのレーダ送信信号とレーダ受信部の各部の出力信号との関係の一例を示すタイミングチャート
【図7】第1の実施形態の変形例1のレーダ装置のレーダ受信部の内部構成を詳細に示すブロック図
【図8】第1の実施形態の変形例1における各送信トリガ信号と各レーダ送信信号との関係の一例を示すタイミングチャート
【図9】第1の実施形態の変形例2のレーダ装置のレーダ送信部の内部構成を詳細に示すブロック図
【図10】第1の実施形態の変形例2における各送信トリガ信号と各レーダ送信信号との関係を示すタイミングチャート
【図11】第1の実施形態の変形例3における各送信トリガ信号と各レーダ送信信号との関係の一例を示すタイミングチャート
【図12】第1の実施形態の変形例3における各送信トリガ信号と各レーダ送信信号との関係の他の一例を示すタイミングチャート
【図13】第2の実施形態のレーダ装置の内部構成を簡略に示すブロック図
【図14】第2の実施形態のレーダ装置の内部構成を詳細に示すブロック図
【図15】方向推定部の内部構成を詳細に示すブロック図
【図16】受信アンテナの配置の一例を示す説明図
【図17】第3の実施形態のレーダ装置の内部構成を簡略に示すブロック図
【図18】第3の実施形態のレーダ装置の内部構成を詳細に示すブロック図
【図19】第3の実施形態における各送信トリガ信号と各レーダ送信信号との関係の一例を示すタイミングチャート
【図20】ドップラ位相変動推定部の内部構成の一例を詳細に示すブロック図
【図21】ドップラ位相変動推定部の内部構成の他の一例を詳細に示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
以下の説明において、本発明に係るレーダ装置は、系統毎に1つの送信アンテナ又は1つの受信アンテナを有する複数の送信側系統と複数の受信側系統とを含み、例えば2つの送信側系統及び2つの受信側系統を含む構成とする。なお、送信アンテナ又は受信アンテナは、送信アンテナ素子又は受信アンテナ素子でも良い。
【0016】
(第1の実施形態)
第1の実施形態のレーダ装置1の構成及び動作について、図1〜図6を参照して説明する。図1は、第1の実施形態のレーダ装置1の内部構成を簡略に示すブロック図である。図2は、第1の実施形態のレーダ装置1の内部構成を詳細に示すブロック図である。図3は、各送信トリガ信号と各レーダ送信信号との関係の一例を示すタイミングチャートである。図4は、各送信トリガ信号と各レーダ送信信号との関係の他の一例を示すタイミングチャートである。図5は、測位部21の内部構成を詳細に示すブロック図である。図6は、レーダ送信部からのレーダ送信信号とレーダ受信部の各部の出力信号との関係の一例を示すタイミングチャートである。
【0017】
レーダ装置1において、レーダ送信部Tx1は高周波のレーダ送信信号S−Tx1を送信アンテナAN−Tx1から送信し、レーダ送信部Tx2は高周波のレーダ送信信号S−Tx2を送信アンテナAN−Tx2から送信する。各レーダ送信信号S−Tx1及びS−Tx2の送信タイミングは、同じでなく(非同期)てても良いが、同じ(同期)にしてもよく、それぞれ同様な効果が得られるが、非同期とする場合は同期のための回路が不要となり、レーダ装置1の構成がより簡易化される。
【0018】
レーダ受信部Rx1は、レーダ送信信号S−Tx1又はS−Tx2がターゲットにより反射された反射波の信号を受信アンテナAN−Rx1において受信する。レーダ受信部Rx2は、レーダ送信信号S−Tx1又はS−Tx2がターゲットにより反射された反射波の信号を受信アンテナAN−Rx2において受信する。
【0019】
レーダ装置1は、各受信アンテナAN−Tx1又はAN−Tx2において受信された信号の信号処理によって、ターゲットの有無、ターゲットまでの距離及びターゲットの位置を検出する。なお、ターゲットはレーダ装置1が検出する対象の物体であり、例えば自動車又は人を含み、以下の各実施形態においても同様である。
【0020】
先ず、レーダ装置1の各部の構成について簡略に説明する。
【0021】
レーダ装置1は、図1に示す様に、2つのレーダ送信部Tx1及びTx2、2つのレーダ受信部Rx1及びRx2、並びに測位部21を含む構成である。レーダ送信部Tx1は、送信制御部2、送信信号生成部3、及び、送信アンテナAN−Tx1が接続される送信RF部7を有する。レーダ送信部Tx2は、送信制御部2b、送信信号生成部3b、及び、送信アンテナAN−Tx2が接続される送信RF部7bを有する。
【0022】
レーダ受信部Rx1は、受信アンテナAN−Rx1が接続される受信RF部10、及び信号処理部14を有する。レーダ受信部Rx2は、レーダ受信部Rx1と同様に、受信アンテナが接続される受信RF部及び信号処理部を有する。信号処理部14は、A/D変換部16、第1遅延部17、第2遅延部18、第1相関値算出部19及び第2相関値算出部20を有する。なお、レーダ受信部Rx1及びRx2はそれぞれ同様の構成を有し、以下、レーダ受信部の動作においてはレーダ受信部Rx1を例示して説明し、後述の各実施形態においても同様とする。
【0023】
(レーダ送信部)
次に、レーダ送信部Tx1及びTx2の各部の構成について、図2を参照して詳細に説明する。
【0024】
レーダ送信部Tx1は、図2に示す様に、送信制御部2、送信信号生成部3、及び、送信アンテナAN−Tx1が接続された送信RF部7を有する。
【0025】
送信信号生成部3は、第1符号生成部4、変調部5、及びLPF(Low Pass Filter)6を含む構成である。なお、図2において送信信号生成部3はLPF6を含む構成であるが、LPF6は、送信信号生成部3と独立してレーダ送信部Tx1の中に構成されても良い。送信RF部7は、周波数変換部8及び増幅器9を含む構成である。
【0026】
レーダ送信部Tx2は、図2に示す様に、送信制御部2b、送信信号生成部3b、及び、送信アンテナAN−Tx2が接続された送信RF部7bを有する。
【0027】
送信信号生成部3bは、第1符号生成部4b、変調部5b、及びLPF(Low Pass Filter)6bを含む構成である。同様に、図2において送信信号生成部3bはLPF6bを含む構成であるが、LPF6bは、送信信号生成部3bと独立してレーダ送信部Tx2の中に構成されても良い。送信RF部7bは、周波数変換部8b及び増幅器9bを含む構成である。
【0028】
次に、レーダ送信部Tx1及びTx2の各部の動作について詳細に説明する。
【0029】
レーダ送信部Tx1及びTx2の各部は、不図示の異なる基準信号発振器により生成されたリファレンス信号を所定倍に逓倍した信号に基づいてそれぞれ動作する。このため、レーダ装置1において、各レーダ送信部Tx1及びTx2の動作は非同期である。但し、各レーダ送信部Tx1及びTx2の動作を同期させるために、共通の基準信号発振器により生成されたリファレンス信号が各レーダ送信部Tx1及びTx2に入力されても良い。なお、逓倍信号は、送信信号生成部3と送信RF部7とそれぞれ、異なる倍数に逓倍した信号でもよいし、同一の倍数に逓倍した信号でも良い。
【0030】
レーダ送信部Tx1の各部の動作を説明する。
【0031】
送信信号生成部3は、送信制御部2からの送信トリガ信号Tr1を基に(図3の第1段参照)、符号長Lの符号系列bの変調によって、N個のベースバンドのパルス圧縮符号(送信信号)an_p1を生成する(図3の第2段参照)。パラメータNは所定の整数であり、パラメータn=1〜Lであり、パラメータLは符号系列bの符号長を表す。
【0032】
送信RF部7は、送信信号生成部3により生成されたN個のベースバンドのパルス圧縮符号(送信信号)an_p1を高周波のレーダ送信信号S−Tx1に変換して生成し、送信アンテナAN−Tx1から送信する。
【0033】
符号長Lのパルス圧縮符号an_p1を基に生成されたレーダ送信信号S−Tx1は、パルス符号幅Tp1の送信時間において送信される。即ち、符号長Lのパルス圧縮符号an_p1を基に生成されたレーダ送信信号S−Tx1において、1つの符号当たりのパルス幅Ts1は数式(1)の様に示される。又、符号長Lのパルス圧縮符号an_p1を基にN回繰り返して生成されたレーダ送信信号S−Tx1は、パルス符号幅Tp1×Nの送信時間において送信される(図3の第2段参照)。
【0034】
【数1】

【0035】
送信制御部2は、予め定められた第1レーダ送信周期毎に、送信信号の生成タイミングを指示する送信トリガ信号Tr1を第1符号生成部4に出力する。
【0036】
第1符号生成部4は、送信制御部2から出力された送信トリガ信号Tr1を基に、符号長Lの符号系列bのパルス圧縮用の送信符号を、N回繰り返して生成する。パルス圧縮用の送信符号は、自己相関性の高い特性を有する符号であることが好ましく、例えばM系列符号、Barker符号系列又はGolay符号系列等を用いる。以下の各実施形態においても同様である。なお、図3の第2段には、パラメータN=8の例が示されている。
【0037】
第1符号生成部4は、生成された符号系列bの送信符号を変調部5に出力する。以下、符号系列bの送信符号を、便宜的に送信符号bと記載する。なお、図3の第2段においては、レーダ送信信号S−Tx1は、送信トリガ信号Tr1の立ち上がりエッジを起点に送信されているが、例えば送信トリガ信号Tr1の立ち下がりエッジを起点に送信されても良い。
【0038】
又、レーダ送信信号S−Tx1は、送信トリガ信号Tr1の立ち上がりエッジの時点を起点に生成されてから送信アンテナAN−Tx1の端子部分から送信されるまでに所要時間Tを要することがある(図4の第2段参照)。この場合、所要時間Tを予め測定し、後述する測位部21における算出結果から時間Tを減算することにより、レーダ装置1のターゲットまでの距離の測定誤差を低減できる。
【0039】
変調部5は、第1符号生成部4から出力された送信符号bを入力する。変調部5は、入力された送信符号bのパルス変調によって、ベースバンドのパルス圧縮符号(送信信号)an_p1を生成する。なお、パルス変調とは、振幅変調、ASK(Amplitude Shift Keying)又は位相変調(PSK(Phase Shift Keying))である。変調部5は、LPF6を介して、生成された送信信号an_p1のうち予め設定された制限帯域以下の送信信号an_p1を送信RF部7に出力する。
【0040】
周波数変換部8は、送信信号生成部3により生成された送信信号an_p1を、例えばミリ波帯域を含む高周波帯域にアップコンバートすることによって、キャリア周波数帯域のレーダ送信信号S−Tx1を生成する。周波数変換部8は、生成されたレーダ送信信号S−Tx1を増幅器9に出力する。
【0041】
増幅器9は、周波数変換部8から出力されたレーダ送信信号S−Tx1のレベルを所定のレベルに増幅することによって、送信アンテナAN−Tx1に出力する。増幅されたレーダ送信信号S−Tx1は、送信アンテナAN1を介した空間への放射によって送信される。
【0042】
送信アンテナAN−Tx1は、送信RF部7により出力されたレーダ送信信号S−Tx1を空間に放射することによって送信する。図3の第2段に示す様に、レーダ送信信号S−Tx1は、Tp1×Nの送信時間において送信される。
【0043】
次に、レーダ送信部Tx2の各部の動作を説明する。
【0044】
送信信号生成部3bは、送信制御部2bからの送信トリガ信号Tr2を基に(図3の第3段参照)、符号長Lの符号系列bの変調によって、N個のベースバンドのパルス圧縮符号(送信信号)an_p2を生成する(図3の第4段参照)。パラメータNは所定の整数であり、パラメータn=1〜Lであり、パラメータLは符号系列bの符号長を表す。
【0045】
送信RF部7bは、送信信号生成部3bにより生成されたN個のベースバンドのパルス圧縮符号(送信信号)an_p2を高周波のレーダ送信信号S−Tx2に変換して生成し、送信アンテナAN−Tx2から送信する。
【0046】
符号長Lのパルス圧縮符号an_p2を基に生成されたレーダ送信信号S−Tx2は、パルス符号幅Tp2の送信時間において送信される。即ち、符号長Lのパルス圧縮符号an_p2を基に生成されたレーダ送信信号S−Tx2において、1つの符号当たりのパルス幅Ts2は数式(2)の様に示される。又、符号長Lのパルス圧縮符号an_p2を基にN回繰り返して生成されたレーダ送信信号S−Tx2は、パルス符号幅Tp2×Nの送信時間において送信される(図3の第4段参照)。
【0047】
【数2】

【0048】
送信制御部2bは、予め定められた第2レーダ送信周期毎に、送信信号の生成タイミングを指示する送信トリガ信号Tr2を第1符号生成部4bに出力する。
【0049】
第2符号生成部4bは、送信制御部2bから出力された送信トリガ信号Tr2を基に、符号長Lの符号系列bのパルス圧縮用の送信符号を、N回繰り返して生成する。パルス圧縮用の送信符号は、自己相関性の高い特性を有する符号であることが好ましく、例えばM系列符号、Barker符号系列又はGolay符号系列等を用いる。なお、図3の第4段には、パラメータN=8の例が示されている。
【0050】
第2符号生成部4bは、生成された符号系列bの送信符号を変調部5bに出力する。なお、図3の第4段においては、レーダ送信信号S−Tx2は、送信トリガ信号Tr2の立ち上がりエッジを起点に送信されているが、例えば送信トリガ信号Tr2の立ち下がりエッジを起点に送信されても良い。
【0051】
又、レーダ送信信号S−Tx2は、送信トリガ信号Tr2の立ち上がりエッジの時点を起点に生成されてから送信アンテナAN−Tx2の端子部分から送信されるまでに所要時間Tを要することがある(図4の第4段参照)。この場合、所要時間Tを予め測定し、後述する測位部21における算出結果から時間Tを減算することにより、レーダ装置1のターゲットまでの距離の測定誤差を低減できる。
【0052】
変調部5bは、第2符号生成部4bから出力された送信符号bを入力する。変調部5bは、入力された送信符号bのパルス変調によって、ベースバンドのパルス圧縮符号(送信信号)an_p2を生成する。変調部5bは、LPF6bを介して、生成された送信信号an_p2のうち予め設定された制限帯域以下の送信信号an_p2を送信RF部7bに出力する。
【0053】
周波数変換部8bは、送信信号生成部3bにより生成された送信信号an_p2を、例えばミリ波帯域を含む高周波帯域にアップコンバートすることによって、キャリア周波数帯域のレーダ送信信号S−Tx2を生成する。周波数変換部8bは、生成されたレーダ送信信号S−Tx2を増幅器9bに出力する。
【0054】
増幅器9bは、周波数変換部8bから出力されたレーダ送信信号S−Tx2のレベルを所定のレベルに増幅することによって、送信アンテナAN−Tx2に出力する。増幅されたレーダ送信信号S−Tx2は、送信アンテナAN2を介した空間への放射によって送信される。
【0055】
送信アンテナAN−Tx2は、送信RF部7bにより出力されたレーダ送信信号S−Tx2を空間に放射することによって送信する。図3の第4段に示す様に、レーダ送信信号S−Tx2は、Tp2×Nの送信時間において送信される。
【0056】
ここで、図3の第2段及び第4段に示す様に、パラメータTp1及びTp2は互いに異なり、パラメータTp1はTp2の整数倍ではなく、パラメータTp1及びTp2の間には、数式(3)及び数式(4)の関係が成立する。数式(4)において、パラメータTadは、後述するレーダ受信部のA/D変換部におけるサンプル周期を示す。
【0057】
数式(4)の関係が成立することにより、レーダ受信部Rx1及びRx2の異なるA/D変換部によりAD変換されて得られる離散サンプル遅延数(Ns1,Ns2)が異なる値(Ns1≠Ns2)となる。即ち、レーダ受信部Rx1及びRx2は、各レーダ送信部Tx1及びTx2からの各レーダ送信信号S−Tx1及びS−Tx2がターゲットにより反射された反射波の信号を分離できる。
【0058】
【数3】

【0059】
【数4】

【0060】
(レーダ受信部)
次に、レーダ受信部Rx1及びRx2の各部の構成について、図2を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態においてレーダ装置1は、2つのレーダ受信部Rx1及びRx2を含むが、第1の実施形態の様にレーダ装置1からターゲットまでの距離を推定する場合においては、1つのレーダ受信部Rx1を用いた構成でも良い。
【0061】
レーダ受信部Rx1は、図2に示す様に、1つの受信アンテナAN−Rx1が接続された受信RF部10、及び信号処理部14を有する。
【0062】
受信RF部10は、増幅器11、周波数変換部12及び直交検波部13を含む構成である。信号処理部14は、A/D変換部16、第1遅延部17、第2遅延部18、第1相関値算出部19及び第2相関値遅延部20を含む構成である。レーダ受信部Rx1の信号処理部14は、第1レーダ送信周期Tw1(図8参照)を信号処理区間として周期的に動作する。
【0063】
レーダ受信部Rx2は、図2に図示していないがレーダ受信部Rx1と同様に、1つの受信アンテナが接続された受信RF部、及び信号処理部を有する。レーダ受信部Rx2の信号処理部は、第2レーダ送信周期Tw2(図8参照)を信号処理区間として周期的に動作する。
【0064】
次に、レーダ受信部Rx1の各部の動作について詳細に説明する。上述した様に、レーダ受信部Rx1及びRx2はそれぞれ同様の構成を有し、レーダ受信部Rx1を例示して説明する。
【0065】
レーダ受信部Rx1及びRx2の各部は、不図示の異なる基準信号発振器により生成されたリファレンス信号を所定倍に逓倍した信号に基づいて動作する。なお、逓倍信号は、受信RF部10と信号処理部14とそれぞれ、異なる倍数に逓倍した信号でもよいし、同一の倍数に逓倍した信号でも良い。
【0066】
受信アンテナAN−Rx1は、レーダ送信部Tx1及びTx2から送信された各レーダ送信信号S−Tx1及びS−Tx2がターゲットにより反射された反射波を受信する。又、受信アンテナAN−Rx1は、各レーダ送信信号S−Tx1及びS−Tx2のうちいずれかがターゲットにより反射された反射波を受信する場合もある。受信アンテナAN−Rx1により受信された受信信号は、受信RF部10に入力される。
【0067】
レーダ受信部Rx1の各部の動作を説明する。
【0068】
増幅器11は、受信アンテナAN−Rx1から出力された高周波帯域の受信信号を入力し、高周波帯域の受信信号のレベルを増幅して周波数変換部12に出力する。
【0069】
周波数変換部12は、増幅器11から出力された高周波帯域の受信信号を入力し、入力された高周波帯域の受信信号をベースバンドにダウンコンバートし、ダウンコンバートされたベースバンドの受信信号を直交検波部13に出力する。
【0070】
直交検波部13は、周波数変換部12から出力されたベースバンドの受信信号を入力し、ベースバンドの受信信号を直交検波することにより、同相信号(In-phase signal)及び直交信号(Quadrate signal)を用いて構成されるベースバンドの受信信号を生成する。直交検波部13は、同相信号(I信号)及び直交信号(Q信号)を用いて構成される受信信号をA/D変換部16に出力する。
【0071】
A/D変換部16は、直交検波部13から出力されたベースバンドの同相信号及び直交信号を用いて構成される受信信号を入力し、入力された受信信号を離散時刻k毎にサンプリングすることによって、アナログデータの受信信号をデジタルデータの離散信号にAD変換する。A/D変換部16は、離散時刻k毎にAD変換されたデジタルデータの受信信号成分を、離散サンプル値として第1遅延部17及び第1相関値算出部19にそれぞれ出力する。
【0072】
ここで、A/D変換部16のサンプルレート(1/Tad)は、レーダ送信信号S−Tx1及びS−Tx2における1つの符号当たりのパルス幅Ts1及びTs2から規定されるパルス送信レート1/Ts1及び1/Ts2の2倍以上に設定される(サンプリング定理)。即ち、A/D変換部16のサンプルレート(1/Tad)は、数式(5)及び数式(6)の関係が成立する。
【0073】
【数5】

【0074】
【数6】

【0075】
なお、以下の説明では、A/D変換部16により変換された離散時刻kにおける受信信号は、同相信号成分I(k)及び直交信号成分Q(k)を用いて、数式(7)の複素信号x(k)として表す。以下の各実施形態においても同様である。ここで、jはj=−1を満たす虚数単位である。パラメータkは、A/D変換部16がサンプリングする離散タイミングを示す。
【0076】
【数7】

【0077】
第1遅延部17は、A/D変換部16から出力された受信信号x(k)を所定サンプル数Ns1分遅延した遅延信号x(k−Ns1)を第1相関値算出部19に出力する。所定サンプル数Ns1は、数式(8)により示される。なお、round(x)は、整数丸め演算子であり、実数(x)の小数点以下を四捨五入した整数値を与える演算子である。
【0078】
【数8】

【0079】
第2遅延部18は、A/D変換部16から出力された受信信号x(k)を所定サンプル数Ns2分遅延した遅延信号x(k−Ns2)を第2相関値算出部20に出力する。所定サンプル数Ns2は、数式(9)により示される。
【0080】
【数9】

【0081】
第1相関値算出部19は、A/D変換部16から出力された受信信号x(k)と、第1遅延部17から出力された遅延信号x(k−Ns1)とを入力する。第1相関値算出部19は、入力された受信信号x(k)及び遅延信号x(k−Ns1)を基に、受信信号x(k)と遅延信号x(k−Ns1)との第1相関値AC(k)を数式(10)に従って算出する。アスタリスク(*)は複素共役演算子を示す。パラメータNr1は、数式(11)により示される。第1相関値算出部19は、算出された第1相関値AC(k)を測位部21に出力する。
【0082】
【数10】

【0083】
【数11】

【0084】
第2相関値算出部20は、A/D変換部16から出力された受信信号x(k)と、第2遅延部18から出力された遅延信号x(k−Ns2)とを入力する。第2相関値算出部20は、入力された受信信号x(k)及び遅延信号x(k−Ns2)を基に、受信信号x(k)と遅延信号x(k−Ns2)との第2相関値AC(k)を数式(12)に従って算出する。アスタリスク(*)は複素共役演算子を示す。パラメータNr2は、数式(13)により示される。第2相関値算出部20は、算出された第2相関値AC(k)を測位部21に出力する。
【0085】
【数12】

【0086】
【数13】

【0087】
又、第1相関値算出部19は、第1相関値AC(k)の算出において、数式(10)の代わりに数式(14)を用いても良い。同様に、第2相関値算出部20は、第2相関値AC(k)の算出において、数式(12)の代わりに数式(15)を用いても良い。
【0088】
【数14】

【0089】
【数15】

【0090】
(測位部)
次に、測位部21の各部の構成について、図5を参照して詳細に説明する。
【0091】
測位部21は、図5に示す様に、レーダ受信部Rx1に対応してターゲット距離推定部D1、レーダ受信部Rx2に対応してターゲット距離推定部D2、及びターゲット位置推定部26を含む構成である。
【0092】
ターゲット距離推定部D1は、図5に示す様に、送信タイミング検出部22、相関値ピーク検出部23、到来遅延時間算出部24及びターゲット距離算出部25を有する。ターゲット距離推定部D2は、送信タイミング検出部22b、相関値ピーク検出部23b、到来遅延時間算出部24b及びターゲット距離算出部25bを有する。
【0093】
送信タイミング検出部22及び22b、相関値ピーク検出部23及び23b、到来遅延時間算出部24及び24b、並びにターゲット距離算出部25及び25bの各動作は同様である。このため、以下の測位部21の動作においては、レーダ受信部Rx1に対応して設けられているターゲット距離推定部D1の構成を例示して説明し、必要に応じてレーダ受信部Rx2に対応してターゲット距離推定部D2の構成を用いて説明する。
【0094】
ここで、図6を用いて、レーダ受信部Rx1における動作を説明する。図6においてレーダ送信信号S−Tx1(図6の第2段参照)、S−Tx2(図6の第5段参照)は、それぞれ送信トリガ信号Tr1(図6の第1段参照)及び送信トリガ信号Tr2(図6の第4段参照)に基づき送信が開始される。
【0095】
図6では、送信トリガ信号Tr1、送信トリガTr2間は非同期によって制御する場合を示し、部分的にレーダ送信信号S−Tx1、S−Tx2が重なる場合を示す。また、ターゲット反射波R−Rx1(図6の第3段参照)は、レーダ送信信号S−Tx1がターゲットに照射して反射される反射波であり、ターゲット反射波R−Rx2(図6の第6段参照)は、レーダ送信信号S−Tx2がターゲットに照射して反射される反射波である。
【0096】
図6では、これらの反射波のレーダ受信部Rx1或いはRx2での受信タイミングが、部分的に重なる場合が示されている。なお、A/D変換部出力x(k)には、ターゲット反射波R−Rx1の受信信号成分及びターゲット反射波R−Rx2の受信信号成分に対する受信信号のサンプリング信号が含まれる(図6の第7段参照)。
【0097】
第1遅延部出力(図6の第8段参照)は、第1遅延部17でのA/D変換部16から出力された受信信号x(k)を所定サンプル数Ns1分遅延した遅延信号x(k−Ns1)を示す。
【0098】
ここで、所定サンプル数Ns1は、数式(8)により示される様に、レーダ送信信号S−Tx1のパルス符号幅Tp1に対するA/D変換部16のサンプル数round[Tp1/Tad]を基に設定している。このため、ターゲット反射波R−Rx1に対する第1遅延部出力は、ほぼパルス符号幅単位Tp1で信号遅延が与えられる。しかし、第1遅延部出力は、ターゲット反射波R−Rx2に対しては、数式(4)の関係から、Ns1≠Ns2の関係となり、1サンプル以上ずれた信号遅延となる。
【0099】
このため、第1相関値算出部出力(図6の第9段参照)は、A/D変換部16から出力された受信信号x(k)と、第1遅延部17から出力された遅延信号x(k−Ns1)とが、第1相関値算出部19において相関演算されるため、ターゲット反射波R−Rx1の信号に対して、積分区間が長いほど同相加算の効果を得ることができ、受信信号レベルを高めた出力となる。
【0100】
一方、ターゲット反射波R−Rx2の信号に対しては、1サンプル以上ずれた遅延信号との相関演算となる。ここで、パルス圧縮符号(送信信号)an_p1は、自己相関性の高い特性を有する符号系列bを用いているため、1サンプル以上ずれた遅延信号では、同相加算の効果を得ることが困難である。このため、ターゲット反射波R−Rx1は、ターゲット反射波R−Rx2と分離された検出が可能となる。
【0101】
第2遅延部出力(図6の第10段参照)は、第2遅延部18でのA/D変換部16から出力された受信信号x(k)を所定サンプル数Ns2分遅延した遅延信号x(k−Ns2)を示す。
【0102】
ここで、所定サンプル数Ns2は、数式(9)により示される様に、レーダ送信信号S−Tx2のパルス符号幅Tp2に対するA/D変換部16のサンプル数round[Tp2/Tad]を基に設定している。このため、ターゲット反射波R−Rx2に対する第2遅延部出力は、ほぼパルス符号幅単位Tp2で信号遅延が与えられる。しかし、第2遅延部出力は、ターゲット反射波R−Rx1に対しては、数式(4)の関係から、Ns1≠Ns2の関係となり、1サンプル以上ずれた遅延信号となる。
【0103】
このため、第2相関値算出部出力(図6の第10段参照)は、A/D変換部16から出力された受信信号x(k)と、第2遅延部18から出力された遅延信号x(k−Ns2)とが、第2相関値算出部20において相関演算されるため、ターゲット反射波R−Rx2の信号に対して、積分区間が長いほど同相加算の効果を得ることができ、受信信号レベルを高めた出力となる。
【0104】
一方、ターゲット反射波R−Rx1の信号に対しては、1サンプル以上ずれた遅延信号との相関演算となる。ここで、パルス圧縮符号(送信信号)an_p2は、自己相関性の高い特性を有する符号系列bを用いているため、1サンプル以上ずれた遅延信号では、同相加算の効果を得ることが困難である。このため、できないため、ターゲット反射波R−Rx2は、ターゲット反射波R−Rx1と分離された検出が可能となる。
【0105】
以上の動作の結果得られる第1相関値出力(すなわち第1相関算出値AC(k))と第2相関値出力(すなわち第2相関算出値AC(k))と、送信トリガ信号Tr1、Tr2を用いて測位部21において以下の様な動作により測位を行う。
【0106】
送信タイミング検出部22は、送信制御部2及び2bから出力された各送信トリガ信号Tr1及びTr2を入力する。送信タイミング検出部22は、入力された各送信トリガ信号Tr1及びTr2を基に、送信トリガ信号Tr1及びTr2の各離散時刻タイミングks1及びks2を検出する(図6の第7〜第9段及び第10段〜第11段参照)。送信タイミング検出部22は、検出された各離散時刻タイミングks1及びks2を到来遅延時間算出部24に出力する。
【0107】
相関値ピーク検出部23は、レーダ受信部Rx1の第1相関値算出部19及び第2相関値算出部20の各算出結果である第1相関値AC(k)及び第2相関値AC(k)を入力する。相関値ピーク検出部23は、離散時刻タイミングks1以降の離散時刻タイミングにおいて、入力された第1相関値AC(k)の自乗値(|AC(k)|)を算出する。更に、相関値ピーク検出部23は、離散時刻タイミングks2以降の離散時刻タイミングにおいて、入力された第2相関値AC(k)の自乗値(|AC(k)|)を算出する。
【0108】
相関値ピーク検出部23は、所定の基準レベルPthを超える第1相関値AC(k)の自乗値|AC(k)|のピークタイミングkp1を検出する(図6の第9段参照)。更に、相関値ピーク検出部23は、所定の基準レベルPthを超える第2相関値AC(k)の自乗値|AC(k)|のピークタイミングkp2を検出する(図6の第11段参照)。相関値ピーク検出部23は、検出された各ピークタイミングkp1及びkp2を到来遅延時間算出部24に出力する。
【0109】
図6の第9段に示す様に、第1相関値算出部19の出力である第1相関値AC(k)は、A/D変換部16の出力信号(図6の第7段参照)と第1遅延部17の出力信号(図6の第8段参照)との自己相関値である。従って、第1相関値AC(k)は、A/D変換部16の出力信号と第1遅延部17の出力信号との時間相関の高い期間となるにつれて増加し、A/D変換部16の出力信号がNr1回出力された場合にピーク値となり、その後には時間相関の高い期限が終了するため徐々に減少する。
【0110】
なお、図6には、自乗値|AC(k)|及び自乗値|AC(k)|が、基準レベルPthを超える例が示されている。
【0111】
到来遅延時間算出部24は、送信タイミング検出部22から出力された各離散時刻タイミングks1及びks2、並びに相関値ピーク検出部23から出力された各ピークタイミングkp1及びkp2を入力する。到来遅延時間算出部24は、入力された各離散時刻タイミング(ks1,ks2)及び各ピークタイミング(kp1,kp2)を基に、各レーダ送信信号S−Tx1及びS−Tx2の送信時点から反射波の信号が到来する時点までの到来遅延時間Td1及びTd2を数式(16)に従って算出する。到来遅延時間算出部24は、算出結果である到来遅延時間Td1及びTd2をターゲット距離算出部25に出力する。
【0112】
【数16】

【0113】
ターゲット距離算出部25は、到来遅延時間算出部24から出力された到来遅延時間Td1及びTd2を入力する。ターゲット距離算出部25は、入力された到来遅延時間Td1及びTd2を基に、レーダ装置1の位置からターゲットまでの距離R及びRを数式(17)に従って算出する。ターゲット距離算出部25は、算出結果である距離R及びRをターゲット位置推定部26に出力する。なお、パラメータcは光速である。
【0114】
【数17】

【0115】
ターゲット位置推定部26は、ターゲット距離推定部D1のターゲット距離算出部25及びターゲット距離推定部D2のターゲット距離算出部25bから出力された各距離を入力する。ターゲット位置推定部26は、入力された各距離、各レーダ送信部Tx1及びTx2の各送信アンテナの位置、並びに各レーダ受信部Rx1及びRx2の各受信アンテナの位置を基に、ターゲットの位置を算出する。
【0116】
なお、ターゲット位置推定部26によるターゲットの位置の推定算出は、受信アンテナAN−Rx1、AN−Rx2の各位置と、測位部21での距離測定結果R1、R2とを用いて、多点測位或いは三辺測量の原理に基づきターゲットの位置を測定する。なお、測位部21での距離測定結果R1、R2は、それぞれレーダ受信部Rx1,Rx2の受信結果を基に得られた値である。また、受信アンテナが2つの場合は、同一平面上のターゲットの位置を推定することが可能となる。
【0117】
以上により、レーダ装置1は、複数のレーダ送信部(Tx1,Tx2)間において同期して送信せず、更に、各レーダ送信部及び各レーダ受信部間における動作を非同期としているが、以下の理由により、ターゲットの測位処理が可能である。
【0118】
レーダ受信部Rx1及びRx2の各相関値算出部が数式(10)及び数式(12)に従って自己相関値を算出すると、第n番目のレーダ送信部Txnと第m番目のレーダ受信部Rxmとの周波数差Δfnmは、第m番目のレーダ受信部Rxmの第n相関値の位相成分Δθnmとして検出される。第n相関値は、第m番目のレーダ受信部Rxmの第n相関値算出部により算出された算出結果である。
【0119】
上述した本実施形態においては、レーダ送信部Txnのパラメータnは1又は2であり、レーダ受信部Rxmのパラメータmは1又は2である。周波数差Δfnmは数式(18)により示され、位相成分Δθnmは数式(19)により示される。パラメータfTnは第n番目のレーダ送信部Txnのキャリア周波数、パラメータfRmは第m番目のレーダ受信部Rxmのキャリア周波数、φ0は初期位相を示す。
【0120】
【数18】

【0121】
【数19】

【0122】
上述した様に、本実施形態においては、測位部21の相関値ピーク検出部23及び23bは、第m番目のレーダ受信部Rxmの第n相関値算出部の算出結果である第n相関値の自乗値を用いて第n相関値のピークを検出する。これにより、測位部21は、第n相関値の位相成分Δθnmの影響を受けることなく、即ち、複数のレーダ送信部Txn間において同期して送信せず、更に、各レーダ送信部Txn及び各レーダ受信部Rxm間における動作も同期していなくても、ターゲットの測位処理が可能である。
【0123】
更に、レーダ装置1によれば、複数の各レーダ送信部における動作の同期が不要であるため、各レーダ送信部の設置の自由度を向上できる。同様に、レーダ装置1によれば、各レーダ送信部及び各レーダ受信部における動作の同期が不要であるため、各レーダ送信部及び各レーダ受信部の設置の自由度を向上できる。
【0124】
又、複数のレーダ送信部Txq間の動作の同期が不要となるため、レーダ装置専用の用途を有する特別な回路が不要となり、汎用的な無線通信用のRFモジュールをレーダ装置1における複数のレーダ送信部Txnに用いることができる。従って、レーダ装置1によれば、各送信側系統間の動作を同期させるための回路構成を追加せずに、簡易な構成により実現できる。
【0125】
なお、各レーダ送信部からのレーダ送信信号は、本説明においては同一のパルス符号系列an_p1及びan_p2を用いて説明したが、これに限定されず同一符号長のパルス符号系列であれば異なる符号系列を用いて送信してもよい。例えば、同一符号長の互いに直交する符号系列を用いて送信しても良い。
【0126】
なお、本実施形態では、レーダ送信信号としてパルス圧縮符号を用いたが、これに限定されず、レーダ送信信号として、パルス信号以外に、周波数変調信号、周波数走引信号であっても、所定の時間幅Tで、レーダ送信信号を繰り返し送信することで、本実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0127】
(第1の実施形態の変形例1)
第1の実施形態の変形例1においては、レーダ装置は、所定の周期毎にレーダ送信信号を所定回数送信し、送信されたレーダ送信信号がターゲットにより反射された反射波の信号を同所定回数分加算する。
【0128】
第1の実施形態の変形例1のレーダ装置1vの構成及び動作について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、第1の実施形態の変形例1のレーダ装置1vのレーダ受信部Rx1v及びRx2vの内部構成を詳細に示すブロック図である。図8は、第1の実施形態の変形例1における各送信トリガ信号と各レーダ送信信号との関係の一例を示すタイミングチャートである。
【0129】
レーダ装置1vの構成について説明する。
【0130】
図7のレーダ装置1vにおいて、レーダ送信部の内部構成は図1のレーダ装置1のレーダ送信部の内部構成と同様であるため、図示を省略している。
【0131】
図7のレーダ受信部Rx1vは、図1のレーダ受信部Rx1に、第1加算部27及び第2加算部28を更に含む構成である。同様に、レーダ受信部Rx2vは、図1のレーダ受信部Rx2に、第1加算部及び第2加算部を更に含む構成である。
【0132】
次に、レーダ装置1vの動作について、第1の実施形態のレーダ装置1の動作と同様な内容の説明は省略し、レーダ装置1の動作と異なる内容について説明する。
【0133】
第1の実施形態の変形例1において、レーダ送信部Tx1の送信制御部2は、第1レーダ送信周期Tw1(図8参照)毎に送信トリガ信号Tr1を第1符号生成部4に出力する。レーダ送信部Tx1は、第1レーダ送信周期Tw1毎に、レーダ送信信号S−Tx1を繰り返し送信する(図8参照)。
【0134】
同様に、レーダ送信部Tx2の送信制御部2bは、第2レーダ送信周期Tw2(図8参照)毎に送信トリガ信号Tr2を第2符号生成部4bに出力する。レーダ送信部Tx2は、第2レーダ送信周期Tw2毎に、レーダ送信信号S−Tx2を繰り返し送信する(図8参照)。パラメータTw1及びTw2は、数式(20)及び数式(21)を満たす。
【0135】
【数20】

【0136】
【数21】

【0137】
第1加算部27は、第1相関値算出部19から出力されたN個の第1相関値AC(k)を入力する。N個の第1相関値AC(k)は、レーダ装置1vのレーダ送信部においてN回送信されたレーダ送信信号に対する反射波の信号と反射波の信号が第1遅延部17により遅延された遅延信号とを基に、第1相関値算出部19により算出された自己相関値である。
【0138】
第1加算部27は、入力されたN個の第1相関値AC(k)を基に、N個の自己相関値を数式(22)又は数式(23)に従って加算する。第1加算部27は、第1加算部27における加算結果ave_AC(k,M)を測位部21に出力する。パラメータAC(k,M)は第M番目の第1レーダ送信周期において送信されたレーダ送信信号に対する離散時刻kにおける第1相関値である。パラメータNは、2以上の自然数であって、第1加算部27における自己相関値の加算回数である。
【0139】
【数22】

【0140】
【数23】

【0141】
第2加算部28は、第2相関値算出部20から出力されたN個の第2相関値AC(k)を入力する。N個の第2相関値AC(k)は、レーダ装置1vのレーダ送信部においてN回送信されたレーダ送信信号に対する反射波の信号と反射波の信号が第2遅延部18により遅延された遅延信号とを基に、第2相関値算出部20により算出された自己相関値である。
【0142】
第2加算部28は、入力されたN個の第2相関値AC(k)を基に、N個の自己相関値を数式(24)又は数式(25)に従って加算する。第2加算部28は、第2加算部28における加算結果ave_AC(k,M)を測位部21に出力する。パラメータAC(k,M)は第M番目の第1レーダ送信周期において送信されたレーダ送信信号に対する離散時刻kにおける第2相関値である。パラメータNは、2以上の自然数であって、第2加算部28における自己相関値の加算回数である。
【0143】
【数24】

【0144】
【数25】

【0145】
測位部21において、相関値ピーク検出部23は、レーダ受信部Rx1の第1加算部27及び第2加算部28の各加算結果ave_AC(k,M)及びave_AC(k,M)を入力する。相関値ピーク検出部23は、離散時刻タイミングks1以降の離散時刻タイミングにおいて、入力された加算結果ave_AC(k,M)の自乗値(|ave_AC(k,M)|)を算出する。更に、相関値ピーク検出部23は、離散時刻タイミングks2以降の離散時刻タイミングにおいて、入力された加算結果ave_AC(k,M)の自乗値(|ave_AC(k,M)|)を算出する。
【0146】
相関値ピーク検出部23は、所定の基準レベルPthを超える加算結果ave_AC(k,M)の自乗値|ave_AC(k,M)|のピークタイミングkp1を検出する。更に、相関値ピーク検出部23は、所定の基準レベルPthを超える加算結果ave_AC(k,M)の自乗値|ave_AC(k,M)|のピークタイミングkp2を検出する。相関値ピーク検出部23は、検出された各ピークタイミングkp1及びkp2を到来遅延時間算出部24に出力する。相関値ピーク検出部23bは相関値ピーク検出部23と同様に動作するため、相関値ピーク検出部23bの動作の説明は省略する。
【0147】
以上により、レーダ装置1vは、レーダ送信信号を繰り返し送信し、N回分のレーダ送信信号に対する反射波の信号と遅延信号との自己相関値を加算する。これにより、レーダ装置1vによれば、雑音成分を抑圧し、ターゲットにより反射された反射波の信号における受信SNR(Signal to Noise Ratio)を改善でき、更に、ターゲットの測位性能の向上できる。
【0148】
なお、レーダ送信信号を繰り返し送信し、N回分のレーダ送信信号に対する反射波の信号と遅延信号との自己相関値を加算して受信SNRを改善する構成は、他の実施形態においても同様に適用でき、測位性能の向上を図ることができる。
【0149】
(第1の実施形態の変形例2)
第1の実施形態の変形例2においては、レーダ装置は、レーダ送信信号を複数回繰り返して送信する場合に、送信符号の符号系列を周期的に入れ換えて送信する(図10参照)。
【0150】
第1の実施形態の変形例2のレーダ装置1wの構成及び動作について、図9及び図10を参照して説明する。図9は、第1の実施形態の変形例2のレーダ装置1wのレーダ送信部Tx1w及びTx2wの内部構成を詳細に示すブロック図である。図10は、第1の実施形態の変形例2における各送信トリガ信号と各レーダ送信信号との関係を示すタイミングチャートである。
【0151】
レーダ装置1wの構成について説明する。
【0152】
図9のレーダ装置1wにおいて、レーダ受信部の内部構成は、図7のレーダ装置1vのレーダ受信部又は後述する図14のレーダ装置1xのレーダ受信部の内部構成と同様である。図9のレーダ装置1wのレーダ受信部の図示を省略している。
【0153】
図9のレーダ送信部Tx1wは、送信制御部2w、送信信号生成部3w、及び送信アンテナAN−Tx1が接続された送信RF部7を有する。送信信号生成部3wは、符号切換部30、変調部5及びLPF6を含む構成である。符号切換部30は、第1符号生成部4及び第2符号生成部4bを含む構成である。
【0154】
図9のレーダ送信部Tx2wは、送信制御部2bw、送信信号生成部3bw、及び送信アンテナAN−Tx2が接続された送信RF部7bを有する。送信信号生成部3bwは、符号切換部31、変調部5b及びLPF6bを含む構成である。符号切換部31は、第1符号生成部4及び第2符号生成部4bを含む構成である。
【0155】
次に、レーダ装置1wの動作について、第1の実施形態の変形例1のレーダ装置1v又は第2の実施形態のレーダ装置1xの動作と同様な内容の説明は省略し、異なる内容について説明する。
【0156】
第1の実施形態の変形例2において、レーダ送信部Tx1wの送信制御部2wは、第1レーダ送信周期Tr1又は第2レーダ送信周期Tr2において送信トリガ信号Tr1又はTr2を符号切換部30に出力する。
【0157】
符号切換部30は、第(2z−1)番目の送信周期、即ち第1レーダ送信周期Tw1において、送信トリガ信号Tr1を基に、第1符号生成部4から出力された送信符号を選択して変調部5に出力する。パラメータzは自然数である。
【0158】
符号切換部30は、第2z番目の送信周期、即ち第2レーダ送信周期Tw2において、送信トリガ信号Tr2を基に、第2符号生成部4bから出力された送信符号を選択して変調部5に出力する。
【0159】
第1の実施形態の変形例2において、レーダ送信部Tx2wの送信制御部2bwは、第1レーダ送信周期Tr1又は第2レーダ送信周期Tr2において送信トリガ信号Tr1又はTr2を符号切換部31に出力する。
【0160】
符号切換部31は、第(2z−1)番目の送信周期、即ち第2レーダ送信周期Tw2において、送信トリガ信号Tr2を基に、第2符号生成部4bから出力された送信符号を選択して変調部5bに出力する。
【0161】
符号切換部31は、第2z番目の送信周期、即ち第1レーダ送信周期Tw1において、送信トリガ信号Tr1を基に、第1符号生成部4から出力された送信符号を選択して変調部5bに出力する。
【0162】
以上により、レーダ装置1wは、レーダ送信信号を複数回繰り返して送信する場合に、送信符号の符号系列を周期的に入れ換えて送信する。これにより、レーダ装置1wによれば、送信ダイバーシチ効果を得ることができ、ターゲットにより反射された反射波の信号に伝搬フェージングが発生している場合でもターゲットの測距精度を向上できる。
【0163】
(第1の実施形態の変形例3)
第1の実施形態のレーダ装置1は、レーダ送信部毎に同一の符号長のパルス圧縮符号(送信信号)を異なるパルス幅において送信する。第1の実施形態の変形例3においては、レーダ装置は、レーダ送信部毎に異なる符号長のパルス圧縮符号(送信信号)を同一のパルス幅において送信する。
【0164】
第1の実施形態の変形例3においては、レーダ装置の構成は第1の実施形態のレーダ装置1の構成と同様であるが、各部の動作が異なる。説明を簡単にするために、第1の実施形態の変形例3においては、第1の実施形態のレーダ装置1の各部の参照符号と同一の参照符号を用いて説明する。
【0165】
次に、第1の実施形態の変形例3のレーダ装置1の各部の動作について、図11及び図12を参照して説明する。図11は、第1の実施形態の変形例3における各送信トリガ信号と各レーダ送信信号との関係の一例を示すタイミングチャートである。図12は、第1の実施形態の変形例3における各送信トリガ信号と各レーダ送信信号との関係の他の一例を示すタイミングチャートである。第1の実施形態の変形例3のレーダ装置1の動作については、第1の実施形態のレーダ装置1の動作と同様な内容の説明は省略し、異なる内容について説明する。
【0166】
送信信号生成部3は、送信制御部2からの送信トリガ信号Tr1を基に(図11の第1段参照)、符号長Lの符号系列bn1の変調によって、N個のベースバンドのパルス圧縮符号(送信信号)an_L1を生成する(図11の第2段参照)。パラメータNは所定の整数であり、パラメータn_L1=1〜Lであり、パラメータLは符号系列bn1の符号長を表す。
【0167】
送信RF部7は、送信信号生成部3により生成されたN個のベースバンドのパルス圧縮符号(送信信号)an_L1を高周波のレーダ送信信号S−Tx1に変換して生成し、送信アンテナAN−Tx1から送信する。
【0168】
符号長Lのパルス圧縮符号an_L1を基に生成されたレーダ送信信号S−Tx1は、パルス符号幅TP1の送信時間において送信される。即ち、符号長Lのパルス圧縮符号an_L1を基に生成されたレーダ送信信号S−Tx1において、1つの符号当たりのパルス幅Tに対し、パルス符号幅TP1は数式(26)により与えられる。又、符号長Lのパルス圧縮符号an_L1を基にN回繰り返して生成されたレーダ送信信号S−Tx1は、パルス符号幅TP1×Nの送信時間において送信される(図11の第2段参照)。
【0169】
【数26】

【0170】
なお、図11の第2段においては、レーダ送信信号S−Tx1は、送信トリガ信号Tr1の立ち上がりエッジを起点に送信されているが、例えば送信トリガ信号Tr1の立ち下がりエッジを起点に送信されても良い。
【0171】
又、レーダ送信信号S−Tx1は、送信トリガ信号Tr1の立ち上がりエッジの時点を起点に生成されてから送信アンテナAN−Tx1の端子部分から送信されるまでに所要時間Tを要することがある(図12の第2段参照)。この場合、所要時間Tを予め測定し、後述する測位部21における算出結果から時間Tを減算することにより、レーダ装置1のターゲットまでの距離の測定誤差を低減できる。
【0172】
送信信号生成部3bは、送信制御部2bからの送信トリガ信号Tr2を基に(図11の第3段参照)、符号長Lの符号系列bn2の変調によって、N個のベースバンドのパルス圧縮符号(送信信号)an_L2を生成する(図11の第4段参照)。パラメータNは所定の整数であり、パラメータn_L2=1〜Lであり、パラメータLは符号系列bn2の符号長を表す。
【0173】
送信RF部7bは、送信信号生成部3bにより生成されたN個のベースバンドのパルス圧縮符号(送信信号)an_L2を高周波のレーダ送信信号S−Tx2に変換して生成し、送信アンテナAN−Tx2から送信する。
【0174】
符号長Lのパルス圧縮符号an_L2を基に生成されたレーダ送信信号S−Tx2は、パルス符号幅TP2の送信時間において送信される。即ち、符号長Lのパルス圧縮符号an_L2を基に生成されたレーダ送信信号S−Tx2において、1つの符号当たりのパルス幅Tに対し、パルス符号幅TP2は数式(27)により与えられる。又、符号長Lのパルス圧縮符号an_L2を基にN回繰り返して生成されたレーダ送信信号S−Tx2は、パルス符号幅TP2×Nの送信時間において送信される(図11の第4段参照)。
【0175】
【数27】

【0176】
なお、図11の第4段においては、レーダ送信信号S−Tx2は、送信トリガ信号Tr2の立ち上がりエッジを起点に送信されているが、例えば送信トリガ信号Tr2の立ち下がりエッジを起点に送信されても良い。
【0177】
又、レーダ送信信号S−Tx2は、送信トリガ信号Tr2の立ち上がりエッジの時点を起点に生成されてから送信アンテナAN−Tx2の端子部分から送信されるまでに所要時間Tを要することがある(図12の第4段参照)。この場合、所要時間Tを予め測定し、後述する測位部21における算出結果から時間Tを減算することにより、レーダ装置1のターゲットまでの距離の測定誤差を低減できる。
【0178】
ここで、図11の第2段及び第4段に示す様に、パラメータTP1及びTP2は互いに異なり、パラメータTP1はTP2の整数倍ではなく、パラメータTP1及びTP2の間には、数式(28)及び数式(29)の関係が成立する。数式(29)において、パラメータTadは、レーダ受信部のA/D変換部におけるサンプル周期を示す。
【0179】
数式(29)の関係が成立することにより、レーダ受信部Rx1及びRx2の異なるA/D変換部によりAD変換されて得られる離散サンプル遅延数(Ns1,Ns2)が異なる値(Ns1≠Ns2)となる。即ち、レーダ受信部Rx1及びRx2は、各レーダ送信部Tx1及びTx2からの各レーダ送信信号S−Tx1及びS−Tx2がターゲットにより反射された反射波の信号を分離できる。
【0180】
【数28】

【0181】
【数29】

【0182】
以上により、第1の実施形態の変形例3のレーダ装置においても、第1の実施形態のレーダ装置1と同様の効果を得ることができる。
【0183】
(第2の実施形態)
第2の実施形態においては、レーダ装置は、レーダ送信信号がターゲットにより反射された反射波の信号の到来方向を推定する。
【0184】
第2の実施形態のレーダ装置1xの構成及び動作について、図13〜図16を参照して説明する。図13は、第2の実施形態のレーダ装置1xの内部構成を簡略に示すブロック図である。図14は、第2の実施形態のレーダ装置1xの内部構成を詳細に示すブロック図である。図15は、方向推定部34の内部構成を詳細に示すブロック図である。図16は、受信アンテナの配置の一例を示す説明図である。
【0185】
第2の実施形態のレーダ装置1xの構成及び動作の説明において、第1の実施形態のレーダ装置1と同様の内容の説明は省略し、異なる内容について説明する。
【0186】
先ず、レーダ装置1xの各部の構成について簡略に説明する。
【0187】
レーダ装置1xは、図13に示す様に、2つのレーダ送信部Tx1及びTx2、2つのレーダ受信部Rx1x及びRx2x、第1アンテナ相関値算出部32、第2アンテナ相関値算出部33、並びに方向推定部34を含む構成である。レーダ送信部Tx1及びTx2の構成及び動作は第1の実施形態のレーダ装置1のレーダ送信部Tx1及びTx2の構成及び動作と同様であるため、説明を省略する。
【0188】
レーダ受信部Rx1xは、受信アンテナAN−Rx1が接続される受信RF部10、及び信号処理部14xを有する。レーダ受信部Rx2xは、受信アンテナが接続される受信RF部及び信号処理部を有する。信号処理部14xは、A/D変換部16、第1遅延部17、第2遅延部18、第1相関値算出部19及び第2相関値算出部20を有する。なお、レーダ受信部Rx1x及びRx2xはそれぞれ同様の構成を有する。
【0189】
図13に示す様に、レーダ受信部Rx1x及びRx2xの受信RF部及び信号処理部には、基準信号発振器Loからのリファレンス信号が共通に入力されている。受信RF部の各部、及び信号処理部の各部は、基準信号発振器Loからのリファレンス信号を所定倍に逓倍した信号に基づいて動作する。これにより、レーダ受信部Rx1x及びRx2xの各部の動作は同期する。
【0190】
次に、第1の実施形態のレーダ装置1と異なる構成、即ち第1アンテナ相関値算出部32、第2アンテナ相関値算出部33及び方向推定部34の構成及び動作について詳細に説明する。
【0191】
第1アンテナ相関値算出部32は、レーダ受信部Rx1x及びRx2xの各A/D変換部と各第1遅延部とからそれぞれ出力された受信信号x(k)及び遅延信号x(k−Ns1)を入力する。第1アンテナ相関値算出部32は、入力された各受信信号x(k)及び遅延信号x(k−Ns1)を基に、レーダ送信信号S−Tx1に対する第1アンテナ相関値BC121(k)及びBC112(k)を数式(30)及び数式(31)に従って算出する。第1アンテナ相関値算出部32は、算出された第1アンテナ相関値BC121(k)及びBC112(k)を方向推定部34に出力する。
【0192】
【数30】

【0193】
【数31】

【0194】
ここで、BC1nm(k)は、第m番目のレーダ受信部Rxmxの第1遅延部から出力された遅延信号x(k−Ns1)を基準とした、第n番目のレーダ受信部RxnxのA/D変換部から出力された受信信号x(k)に対する離散時刻kにおける第1アンテナ相関値である。アスタリスク(*)は複素共役演算子を示す。なお、第2の実施形態において、パラメータnは1又は2であり、パラメータmは1又は2である。
【0195】
第2アンテナ相関値算出部33は、レーダ受信部Rx1x及びRx2xの各A/D変換部と各第2遅延部とからそれぞれ出力された受信信号x(k)及び遅延信号x(k−Ns2)を入力する。第2アンテナ相関値算出部33は、入力された各受信信号x(k)及び遅延信号x(k−Ns2)を基に、レーダ送信信号S−Tx2に対する第2アンテナ相関値BC221(k)及びBC212(k)を数式(32)及び数式(33)に従って算出する。第2アンテナ相関値算出部33は、算出された第2アンテナ相関値BC221(k)及びBC212(k)を方向推定部34に出力する。
【0196】
【数32】

【0197】
【数33】

【0198】
ここで、BC2nm(k)は、第m番目のレーダ受信部Rxmxの第2遅延部から出力された遅延信号x(k−Ns2)を基準とした、第n番目のレーダ受信部RxnxのA/D変換部から出力された受信信号x(k)に対する離散時刻kにおける第2アンテナ相関値である。アスタリスク(*)は複素共役演算子を示す。
【0199】
なお、以下の説明において、第u番目のレーダ受信部のA/D変換部からの出力信号をx(k)、第u番目のレーダ受信部の第1遅延部からの遅延信号をx(k−Ns1)、第u番目のレーダ受信部の第2遅延部からの遅延信号をx(k−Ns2)とする。更に、第u番目のレーダ受信部から出力された第1相関値をAC1(k)、第u番目のレーダ受信部から出力された第2相関値をAC2(k)と表記する。
【0200】
(方向推定部)
次に、方向推定部34の各部の構成について、図15を参照して説明する。
【0201】
方向推定部34は、図15に示す様に、第1送信タイミング検出部35、第1位相差算出部36、第1到来方向算出部37、第2送信タイミング検出部38、第2位相差算出部39及び第2到来方向算出部40を含む構成である。
【0202】
次に、方向推定部34の各部の動作について詳細に説明する。
【0203】
第1送信タイミング検出部35は、送信制御部2から出力された送信トリガ信号Tr1を入力し、入力された送信トリガ信号Tr1を基に、送信トリガ信号Tr1の離散時刻タイミングks1を検出する。第1送信タイミング検出部35は、検出された離散時刻タイミングks1を第1到来方向算出部37に出力する。
【0204】
第1位相差算出部36は、レーダ受信部Rx1x及びRx2xから出力された各第1相関値AC1(k)及びAC1(k)、並びに第1アンテナ相関値算出部32から出力された第1アンテナ相関値BC121(k)及びBC112(k)を入力する。第1位相差検出部36は、入力された各相関値(AC1(k),AC1(k),BC121(k),BC112(k))を基に、離散時刻k毎に若しくはAC1(k)のピークとなる離散時刻kにおいて、数式(34)のパラメータZ1(k)を算出する。
【0205】
第1位相差算出部36は、算出結果であるパラメータZ1(k)を基に、複素数であるパラメータZ1(k)の位相成分Φ1(k)=angle[Z1(k)]を算出する。angle[Z1(k)]は、複素数Z1(k)の位相成分[rad]を算出する演算子である。第1位相差算出部36は、算出結果である位相成分Φ1(k)を第1到来方向算出部37に出力する。
【0206】
【数34】

【0207】
第1到来方向算出部37は、第1送信タイミング検出部35から出力された離散時刻タイミングks1、及び、第1位相差算出部36から出力された位相成分Φ1(k)を入力する。第1到来方向算出部37は、入力された位相成分Φ1(k)を基に、ターゲットにより反射された反射波の信号の到来方向を算出する。レーダ受信部Rx1x及びRx2xの各受信アンテナの配置間隔が、図16に示す様に間隔dである場合には、第1到来方向算出部37は、反射波の信号の到来方向φを数式(35)に従って算出する。
【0208】
【数35】

【0209】
又、第1到来方向算出部37は、数式(36)の相関行列H1(k)を用いて、数式(37)の角度プロファイルAP(θ)を算出し、角度プロファイルAP(θ)のピークを与えるパラメータθを用いて反射波の信号の到来方向を算出しても良い。これにより、各レーダ受信部により受信された信号が複数の反射波の信号を含む場合においても、第1到来方向算出部37は、角度プロファイルAP(θ)に複数のピークを検出することにより、各反射波の信号の到来方向を算出できる。
【0210】
数式(38)において、a(θ)は、θ方向から反射波の信号が到来した場合の受信アンテナの空間的に異なる配置に起因して生じる基準アンテナとして受信アンテナAN−Rx1を基準とした位相差情報を含む受信アンテナ数分の要素をもつ列ベクトルであり、アレーマニホールド、あるいはステアリングベクトルと呼ばれるものである。ここで、パラメータθを所定の角度刻みΔθ毎に所定の角度範囲内において可変し、角度プロファイルAP(θ)を算出し、ピークを与えるパラメータθを用いて反射波の信号の到来方向とする。
【0211】
【数36】

【0212】
【数37】

【0213】
【数38】

【0214】
第2送信タイミング検出部38は、送信制御部2bから出力された送信トリガ信号Tr2を入力し、入力された送信トリガ信号Tr2を基に、送信トリガ信号Tr2の離散時刻タイミングks2を検出する。第2送信タイミング検出部38は、検出された離散時刻タイミングks2を第2到来方向算出部40に出力する。
【0215】
第2位相差算出部39は、レーダ受信部Rx1x及びRx2xから出力された各第2相関値AC2(k)及びAC2(k)、並びに第2アンテナ相関値算出部33から出力された第2アンテナ相関値BC221(k)及びBC212(k)を入力する。第2位相差検出部39は、入力された各相関値(AC2(k),AC2(k),BC221(k),BC212(k))を基に、離散時刻k毎に若しくはAC2(k)のピークとなる離散時刻kにおいて、数式(39)のZ2(k)を算出する。
【0216】
第2位相差算出部96は、算出結果であるZ2(k)を基に、複素数であるZ2(k)の位相成分Φ2(k)=angle[Z2(k)]を算出する。angle[Z2(k)]は、複素数Z2(k)の位相成分[rad]を算出する演算子である。第2位相差算出部39は、算出結果である位相成分Φ2(k)を第2到来方向算出部40に出力する。
【0217】
【数39】

【0218】
第2到来方向算出部40は、第2送信タイミング検出部38から出力された離散時刻タイミングks2、及び、第2位相差算出部39から出力された位相成分Φ2(k)を入力する。第2到来方向算出部40は、入力された位相成分Φ2(k)を基に、ターゲットにより反射された反射波の信号の到来方向を算出する。レーダ受信部Rx1x及びRx2xの各受信アンテナが図16に示す様に間隔dによって配置されている場合には、第2到来方向算出部40は、反射波の信号の到来方向φを数式(40)に従って算出する。
【0219】
【数40】

【0220】
又、第2到来方向算出部40は、数式(41)の相関行列H2(k)を用いて、数式(42)の角度プロファイルAP(θ)を算出し、角度プロファイルAP(θ)のピークを与えるパラメータθを用いて反射波の信号の到来方向を算出しても良い。これにより、各レーダ受信部により受信された信号が複数の反射波の信号を含む場合においても、第2到来方向算出部40は、角度プロファイルAP(θ)に複数のピークを検出することにより、各反射波の信号の到来方向を算出できる。
【0221】
数式(43)において、パラメータa(θ)は、θ方向から反射波の信号が到来した場合の受信アンテナの空間的に異なる配置に起因して生じる基準アンテナとして受信アンテナAN−Rx2を基準とした位相差情報を含むベクトルであり、アレーマニホールド、あるいはステアリングベクトルと呼ばれるものである。ここで、パラメータθは所定の角度刻みΔθ毎に所定の角度範囲内において可変し、角度プロファイルAP(θ)を算出し、ピークを与えるパラメータθを用いて反射波の信号の到来方向とするする。い。
【0222】
【数41】

【0223】
【数42】

【0224】
【数43】

【0225】
以上により、レーダ装置1xは、複数のレーダ送信部(Tx1,Tx2)間において同期して送信しないが、以下の理由により、ターゲットにより反射された反射波の信号の到来方向を推定できる。
【0226】
レーダ受信部Rx1x及びRx2xの各相関値算出部が数式(10)及び数式(12)に従って自己相関値を算出すると、第n番目のレーダ送信部Txnと第m番目のレーダ受信部Rxmxとのキャリア周波数差Δfnmは、第m番目のレーダ受信部Rxmxの第n相関値の位相成分Δθnmとして検出される。第n相関値は、第m番目のレーダ受信部Rxmxの第n相関値算出部により算出された算出結果である。
【0227】
上述した本実施形態においては、第n番目のレーダ送信部Txnのパラメータnは1又は2であり、第m番目のレーダ受信部Rxmxのパラメータmは1又は2である。キャリア周波数差Δfnmは数式(18)により示され、位相成分Δθnmは数式(19)により示される。パラメータfTnは第n番目のレーダ送信部Txnのキャリア周波数、パラメータfRmは第m番目のレーダ受信部Rxmのキャリア周波数を示す。
【0228】
レーダ装置1xのレーダ受信部Rx1x及びRx2xにおいては、基準信号発振器Loからのリファレンス信号が共通に入力されているため、各受信RF部は同期して動作する。これにより、各レーダ受信部のキャリア周波数は共通的にfと表すことができる。
【0229】
従って、第n番目のレーダ送信部Txnと第m番目のレーダ受信部Rxmxとの周波数差Δf(数式(44)参照)は、第m番目のレーダ受信部Rxmxにおける第m相関値の位相Δθ(数式(45)参照)として検出される。各レーダ受信部の各信号処理部は同期して動作するため、各A/D変換部におけるサンプルタイミングも同一となる。即ち、離散時刻kは各レーダ受信部間において共通となる。このため、第nアンテナ相関値算出部の算出結果である第nアンテナ相関値BCnpq(k)の位相は、Δθ+φpqとなる。ここでφ0は初期位相である。
【0230】
【数44】

【0231】
【数45】

【0232】
パラメータφpqは、第q番目のレーダ受信部Rxqx(qは1又は2)の受信位相を基準とした第p番目のレーダ受信部Rxpx(pは1又は2)の受信位相差を表す。又、レーダ受信部間の受信RF部及び信号処理部は同期して動作するため、パラメータφpqは、第q番目のレーダ受信部Rxqxと第p番目のレーダ受信部Rxpxの各受信アンテナの配置が異なることに起因する、反射波の到来方向θに依存する位相差φpqと見なすことができる。
【0233】
方向推定部34の第n位相差検出部は、数式(34)若しくは数式(39)により第p相関値ACnの位相成分(すなわちΔθ)を基準とした、第nアンテナ相関値BCnpq(k)の位相の差を検出する。これにより、反射波の信号の到来方向θに依存する位相差φpqを検出でき、到来方向推定が可能となる。
【0234】
なお、キャリア周波数差Δfが、例えば、周波数変換部の位相誤差による変動を含む場合でも、レーダ送信信号を送信する時間内Tp1,Tp2より十分小さければ、レーダ送信部間が非同期でも位相検出に基づく方向推定が可能となる。
【0235】
なお、本実施の形態においては、方向推定部において、ターゲットまでの距離の推定とその到来方向の推定を行う構成を示したが、到来方向の推定のみであれば、第1送信タイミング検出部35、第2送信タイミング検出部38を用いない構成でも実施可能となり、従って、レーダ受信部から方向推定部34に、送信トリガ信号Tr1,Tr2を出力することを省略ができる。
【0236】
(第3の実施形態)
第3の実施形態においては、レーダ装置は、第1レーダ送信周期及び第2レーダ送信周期を2回以上用いて、ターゲットに移動に基づく反射波の信号におけるドップラ位相変動を推定する。
【0237】
第3の実施形態のレーダ装置1yの構成及び動作について、図17〜図21を参照して説明する。図17は、第3の実施形態のレーダ装置1yの内部構成を簡略に示すブロック図である。図18は、第3の実施形態のレーダ装置1yの内部構成を詳細に示すブロック図である。図19は、第3の実施形態における各送信トリガ信号と各レーダ送信信号との関係の一例を示すタイミングチャートである。図20は、ドップラ位相変動推定部41の内部構成の一例を詳細に示すブロック図である。図21は、ドップラ位相変動推定部41の内部構成の他の一例を詳細に示すブロック図である。
【0238】
第3の実施形態のレーダ装置1yの構成及び動作の説明において、第1の実施形態のレーダ装置1と同様の内容の説明は省略し、異なる内容について説明する。
【0239】
先ず、レーダ装置1yの各部の構成について簡略に説明する。
【0240】
レーダ装置1yは、図17に示す様に、2つのレーダ送信部Tx1及びTx2、2つのレーダ受信部Rx1及びRx2、並びにドップラ位相変動推定部41を含む構成である。レーダ送信部Tx1及びTx2の構成及び動作は第1の実施形態のレーダ装置1のレーダ送信部Tx1及びTx2の構成及び動作と同様であるため、説明を省略する。更に、レーダ受信部Rx1及びRx2の構成及び動作は第1の実施形態のレーダ装置1のレーダ受信部Rx1及びRx2の構成及び動作と同様であるため、説明を省略する。
【0241】
第3の実施形態において、レーダ送信部Tx1の送信制御部2は、第1レーダ送信周期Tw1(図19参照)毎に送信トリガ信号Tr1を第1符号生成部4に出力する。レーダ送信部Tx1は、第1レーダ送信周期Tw1毎に、レーダ送信信号S−Tx1を繰り返し送信する(図19参照)。
【0242】
同様に、レーダ送信部Tx2の送信制御部2bは、第2レーダ送信周期Tw2(図19参照)毎に送信トリガ信号Tr2を第1符号生成部4bに出力する。レーダ送信部Tx2は、第2レーダ送信周期Tw2毎に、レーダ送信信号S−Tx2を繰り返し送信する(図19参照)。パラメータTw1及びTw2は、数式(20)及び数式(21)を満たす。
【0243】
(ドップラ位相変動推定部)
次に、第1の実施形態のレーダ装置1と異なる構成、即ちドップラ位相変動推定部41の構成及び動作について図20を参照して説明する。以下の説明において、第M番目のレーダ送信信号に対する離散時刻kにおける第1相関値をAC1(k,M)とし、第M番目のレーダ送信信号に対する離散時刻kにおける第2相関値をAC2(k,M)とする。
【0244】
ドップラ位相変動推定部41は、図20に示す様に、レーダ受信部Rx1及びRx2から出力された各第1相関値AC1(k,M)を基にドップラ位相変動を推定する。具体的には、ドップラ位相変動推定部41は、第1相関値ピーク検出部42、第1位相検出部43、第1記憶部44及び第1位相変動検出部45を含む構成である。
【0245】
更に、ドップラ位相変動推定部41は、図20に図示していないが、レーダ受信部Rx1及びRx2から出力された各第2相関値AC2(k,M)を基にドップラ位相変動を推定する。具体的には、ドップラ位相変動推定部41は、第2相関値ピーク検出部、第2位相検出部、第2記憶部及び第2位相変動検出部を含む構成である。
【0246】
第1相関値ピーク検出部42と第2相関値ピーク検出部、第1位相検出部43と第2位相検出部、第1記憶部44と第2記憶部、及び第1位相変動検出部45と第2位相変動検出部の各動作は同様である。このため、以下のドップラ位相変動推定部41の説明においては、第1相関値ピーク検出部42、第1位相検出部43、第1記憶部44及び第1位相変動検出部45を例示して説明する。
【0247】
又、以下の説明において、第M番目の第1レーダ送信周期において送信されたレーダ送信信号を分離する第u番目のレーダ受信部Rxuから出力された第1相関値をAC1(k,M)とする。パラメータuは、自然数であって1〜Nrxである。パラメータNrxは、レーダ受信部の数であり、第3の実施形態のレーダ装置1y(図18参照)においては2である。
【0248】
第1相関値ピーク検出部42は、第u番目のレーダ受信部Rxuから出力された第1相関値AC1(k,M)を入力する。第1相関値ピーク検出部42は、入力された第1相関値AC1(k,M)の自乗値|AC1(k,M)|を算出する。第1相関値ピーク検出部42は、所定の基準レベルPthを超える第1相関値AC1(k,M)の自乗値|AC1(k,M)|のピークタイミングkp1(u,M)を検出する。第1相関値ピーク検出部42は、検出されたピークタイミングkp1(u,M)を第1位相検出部43に出力する。
【0249】
第1位相検出部43は、第1相関値ピーク検出部42から出力されたピークタイミングkp1(u,M)を入力する。第1位相検出部43は、入力されたピークタイミングkp1(u,M)を基に、ピークタイミングkp1(u,M)における第1相関値AC1(kp1(u),M)の位相成分Φ1(kp1(u),M)を数式(46)に従って算出する。第1位相検出部43は、算出結果である位相成分Φ1(kp1(u),M)を第1記憶部44に記憶する。
【0250】
【数46】

【0251】
第1記憶部44は、第1位相検出部43の算出結果である位相成分Φ1(kp1(u),M)と離散時刻kp1(u)とを一時的に記憶する。
【0252】
第1位相変動検出部45は、第1記憶部44に記憶されている位相成分Φ1(kp1(u),M)と離散時刻kp1(u)とを基に、ターゲットの移動に基づく反射波の信号における位相変動状況を検出する。
【0253】
具体的には、第1位相変動検出部45は、離散時刻kp1(u)を基に、次の第1レーダ送信周期Tw1における離散時刻(kp1(u)+round(Tw1/Tp1))の第1相関値AC1(kp1(u)+round(Tw1/Tp1),M+1)の位相情報Φ1(kp1(u)+round(Tw1/Tp1),M+1)を検出する。更に、第1位相変動検出部45は、位相情報Φ1(kp1(u)+round(Tw1/Tp1),M+1)と、一時的に記憶されている位相情報Φ1(kp1(u),M)との差分(数式(47)参照)を基に、位相変動状況ΔΦ1(kp1(u),M)を検出する。
【0254】
【数47】

【0255】
第1位相変動検出部45は、数式(47)の算出結果を用いて、ΔΦ1(kp1(u),M)が大きいほど周波数変動が大きいと見なすことができ、ターゲットの移動に基づくドップラ位相変動を推定できる。
【0256】
以上により、レーダ装置1yは、複数のレーダ送信部(Tx1,Tx2)間において同期して送信しないが、以下の理由により、反射波の信号に含まれるドップラ位相変動を推定できる。
【0257】
レーダ受信部Rx1及びRx2の各相関値算出部が数式(10)及び数式(12)に従って自己相関値を算出すると、第n番目のレーダ送信部Txnと第m番目のレーダ受信部Rxmとのキャリア周波数差Δfnmは、第m番目のレーダ受信部Rxmの第n相関値の位相成分Δθnmとして検出される。第n相関値は、第n相関値算出部により算出された算出結果である。
【0258】
上述した本実施形態においては、レーダ送信部Txnのパラメータqは1又は2であり、レーダ受信部Rxmのパラメータmは1又は2である。キャリア周波数差Δfnmは数式(18)により示され、位相成分Δθnmは数式(48)により示される。パラメータfTnはレーダ送信部Txnのキャリア周波数、パラメータfRmはレーダ受信部Rxmのキャリア周波数を示す。
【0259】
【数48】

【0260】
ここで、fdmは第mのレーダ受信部Rxmにおいて受信される反射波の信号におけるドップラ周波数を表す。ドップラ位相変動推定部41の第n位相変動検出部は、第m番目のレーダ受信部Rxmからの第1相関演算値の位相Δθnmと、続くレーダ送信周期における第1相関演算値の位相Δθnmとの差分を検出することにより、ドップラ位相変動を推定できる。
【0261】
なお、キャリア周波数差Δfが、例えば、周波数変換部の位相誤差による変動を含む場合でも、レーダ送信信号を送信する時間内Tp1,Tp2より十分小さければ、レーダ送信部間が非同期でも位相検出に基づくドップラ位相変動を推定できる。
【0262】
次に、ドップラ位相変動推定部41の別の構成及び動作について図21を参照して説明する。
【0263】
ドップラ位相変動推定部41は、図21に示す様に、レーダ受信部Rx1及びRx2から出力された各第1相関値AC1(k,M)を基にドップラ位相変動を推定する。具体的には、ドップラ位相変動推定部41は、第1相関値ピーク検出部46、第1記憶部47及び第1位相変動検出部48を含む構成である。
【0264】
更に、ドップラ位相変動推定部41は、図21に図示していないが、レーダ受信部Rx1及びRx2から出力された各第2相関値AC2(k,M)を基にドップラ位相変動を推定する。具体的には、ドップラ位相変動推定部41は、第2相関値ピーク検出部、第2記憶部及び第2位相変動検出部を含む構成である。
【0265】
第1相関値ピーク検出部46と第2相関値ピーク検出部、第1記憶部47と第2記憶部、及び第1位相変動検出部48と第2位相変動検出部の各動作は同様である。このため、以下のドップラ位相変動推定部41の説明においては、第1相関値ピーク検出部46、第1記憶部47及び第1位相変動検出部48を例示して説明する。
【0266】
第1相関値ピーク検出部46は、第u番目のレーダ受信部Rxuから出力された第1相関値AC1(k,M)を入力する。第1相関値ピーク検出部46は、入力された第1相関値AC1(k,M)の自乗値|AC1(k,M)|を算出する。第1相関値ピーク検出部46は、所定の基準レベルPthを超える第1相関値AC1(k,M)の自乗値|AC1(k,M)|のピークタイミングkp1(u,M)を検出する。第1相関値ピーク検出部46は、検出されたピークタイミングkp1(u,M)を第1記憶部47に出力する。
【0267】
第1記憶部47は、第1相関値ピーク検出部46から出力されたピークタイミングkp1(u,M)と、ピークタイミングkp1(u,M)における第1相関値AC1(kp1(u),M)とを一時的に記憶する。
【0268】
第1位相変動検出部48は、第1記憶部47に記憶されているピークタイミングkp1(u,M)と、ピークタイミングkp1(u,M)における第1相関値AC1(kp1(u),M)とを基に、ターゲットの移動に基づく反射波の信号における位相変動状況を検出する。
【0269】
具体的には、第1位相変動検出部48は、離散時刻kp1(u)を基に、次の第1レーダ送信周期Tw1における離散時刻(kp1(u)+round(Tw1/Tp1))の第1相関値AC1(kp1(u)+round(Tw1/Tp1),M+1)を検出する。更に、第1位相変動検出部45は、第1相関値AC1(kp1(u)+round(Tw1/Tp1),M+1)と、一時的に記憶されている第1相関値AC1(kp1(u),M)との差分(数式(49)参照)を基に、位相変動状況ΔΦ(k(u),M)を検出する。
【0270】
【数49】

【0271】
第1位相変動検出部48は、数式(49)の算出結果を用いて、ΔΦ1(kp1(u),M)が大きいほど周波数変動が大きいと見なすことができ、ターゲットの移動に基づくドップラ位相変動を推定できる。
【0272】
以上により、レーダ装置1yは、複数のレーダ送信部(Tx1,Tx2)間において同期して送信しないが、上述した同様の理由により、反射波の信号に含まれるドップラ位相変動を推定できる。
【0273】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0274】
なお、上述した各実施形態においてはレーダ送信部が2つである場合を説明したが、レーダ送信部が3つ以上である場合も同様に適用できる。例えばレーダ送信部が3つである場合を説明する。第3番目のレーダ送信部をレーダ送信部Tx3と表記する。レーダ送信部Tx3の構成は他のレーダ送信部Tx1又はレーダ送信部Tx2と同様であるため、レーダ送信部Tx3の構成の説明は省略する。
【0275】
レーダ送信部Tx3の第3の符号生成部は、第3の送信制御部からの送信トリガ信号を基に、符号長Lのパルス符号系列bを、N回繰り返して生成する。符号長Lの送信信号an_p3は、パルス幅Tp3の送信時間において送信される。即ち、1つの符号あたりのパルス幅Ts3=Tp3/Lの送信時間において送信される。また、送信信号an_p3のN回繰り返し送信される時間幅はTp3×Nとなる。
【0276】
ここで、パラメータTp3は、上述したパラメータTp1及びTp2とは互いに異なり、数式(50)の関係を有する。更に、Tp3は、Tp1及びTp2に対し数式(51)の関係を有することにより、レーダ受信部において、レーダ送信部Tx1,Tx2及びTx3からの各レーダ送信信号を分離して受信できる。他の各部の動作は第1の実施形態のレーダ装置1の各部と同様である。
【0277】
【数50】

【0278】
【数51】

【0279】
なお、上述した各実施形態のレーダ受信部により受信された反射波の信号が、各A/D変換部のダイナミックレンジを超える場合がある。これに備えて、各レーダ受信部の各A/D変換部の前段にAGC(Auto Gain Control)部を有しても良い。AGC部は、反射波の信号レベルをA/D変換部の出力信号、若しくは受信RF部の入力レベル検出結果(例えばRSSI:Receive Signal Strength Indication)を用いて、反射波の信号レベルに応じて、AGC部における増幅利得を制御する。これにより、レーダ受信部は、反射波の信号レベルを各A/D変換部のダイナミックレンジ内に制御して、後段の各部の動作を可能とできる。
【産業上の利用可能性】
【0280】
本発明は、各送信側系統間の動作を同期させるための回路構成を追加せずに、簡易な構成により実現可能なレーダ装置として有用である。
【符号の説明】
【0281】
1、1v、1w、1x、1y レーダ装置
2、2b 送信制御部
3、3b 送信信号生成部
4 第1符号生成部
4b 第2符号生成部
5、5b 変調部
6、6b LPF
7、7b 送信RF部
8、8b、12 周波数変換部
9、9b、11 増幅器
10 受信RF部
13 直交検波部
14、14v、14x 信号処理部
16 A/D変換部
17 第1遅延部
18 第2遅延部
19 第1相関値算出部
20 第2相関値算出部
21 測位部
22 送信タイミング検出部
23 相関値ピーク検出部
24 到来遅延時間算出部
25 ターゲット距離推定部
26 ターゲット位置推定部
27 第1加算部
28 第2加算部
30、31 符号切換部
32 第1アンテナ相関値算出部
33 第2アンテナ相関値算出部
34 方向推定部
35 第1送信タイミング検出部
36 第1位相差算出部
37 第1到来方向算出部
38 第2送信タイミング検出部
39 第2位相差算出部
40 第2到来方向算出部
41 ドップラ位相変動推定部
42、46 第1相関値ピーク検出部
43 第1位相検出部
44、47 第1記憶部
45、48 第1位相変動検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の符号長の符号系列を、第1符号幅を用いて所定数繰り返した第1変調信号を生成する第1送信信号生成部と、
前記第1変調信号を高周波の第1レーダ送信信号に変換し、前記第1レーダ送信信号を第1送信アンテナから送信する第1送信RF部と、を有する第1レーダ送信部と、
前記所定の符号長の符号系列を、第2符号幅を用いて所定数繰り返した第2変調信号を生成する第2送信信号生成部と、
前記第2変調信号を高周波の第2レーダ送信信号に変換し、前記第2レーダ送信信号を第2送信アンテナから送信する第2送信RF部と、を有する第2レーダ送信部と、を含むレーダ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレーダ装置であって、
前記第1レーダ送信部又は前記第2レーダ送信部から送信された前記第1レーダ送信信号又は前記第2レーダ送信信号を受信する1つ以上のレーダ受信部と、を更に含み、
前記レーダ受信部は、受信した前記第1レーダ送信信号又は前記第2レーダ送信信号を所定のサンプリング周期で離散信号に変換するA/D変換部を有し、
前記第1符号幅と前記第2符号幅との差分は、前記サンプリング周期以上である請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のレーダ装置であって、
前記第1レーダ送信部又は前記第2レーダ送信部から送信された前記第1レーダ送信信号又は前記第2レーダ送信信号を受信する1つ以上のレーダ受信部と、を更に含み、
前記レーダ受信部は、
前記受信アンテナにより受信された高周波の前記反射波の信号をベースバンドに変換し、前記変換されたベースバンドの信号を直交検波する受信RF部と、
前記直交検波された前記ベースバンドの信号を、前記サンプル周期においてサンプリングするA/D変換部と、
前記A/D変換部からの出力信号を、前記第1符号幅に応じた所定のサンプル数分遅延させる第1遅延部と、
前記A/D変換部からの出力信号と前記第1遅延部からの出力信号とを基に、第1相関値を算出する第1相関値算出部と、
前記A/D変換部からの出力信号を、前記第2符号幅に応じた所定のサンプル数分遅延させる第2遅延部と、
前記A/D変換部からの出力信号と前記第2遅延部からの出力信号とを基に、第2相関値を算出する第2相関値算出部と、を有するレーダ装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のレーダ装置であって、
前記第1レーダ送信部は、
前記第1変調信号の生成タイミングを指示する第1送信トリガ信号を出力する第1送信制御部と、を更に有し、
前記第2レーダ送信部は、
前記第2変調信号の生成タイミングを指示する第2送信トリガ信号を出力する第2送信制御部と、を更に有するレーダ装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載のレーダ装置であって、
前記各々のレーダ受信部は、
前記第1相関値算出部の所定個の出力を加算する第1加算部と、
前記第2相関値算出部の前記所定個の出力を加算する第2加算部と、を更に有するレーダ装置。
【請求項6】
第1符号長の符号系列を所定数繰り返した第1変調信号を生成する第1送信信号生成部と、
前記第1変調信号を高周波の第1レーダ送信信号に変換し、前記第1レーダ送信信号を第1送信アンテナから送信する第1送信RF部と、を有する第1レーダ送信部と、
第2符号長の符号系列を所定数繰り返した第2変調信号を生成する第2送信信号生成部と、
前記第2変調信号を高周波の第2レーダ送信信号に変換し、前記第2レーダ送信信号を第2送信アンテナから送信する第2送信RF部と、を有する第2レーダ送信部とを含み、
前記第1変調信号及び前記第2変調信号における1つの符号あたり時間幅は等しく、かつ、前記第1符号長と前記第2符号長はどちらか一方整数倍とならないレーダ装置。
【請求項7】
請求項6に記載のレーダ装置であって、
前記第1レーダ送信部又は前記第2レーダ送信部から送信された前記第1レーダ送信信号又は前記第2レーダ送信信号を受信する1つ以上のレーダ受信部と、を更に含み、
前記レーダ受信部は、
前記受信アンテナにより受信された高周波の前記反射波の信号をベースバンドに変換し、前記変換されたベースバンドの信号を直交検波する受信RF部と、
前記直交検波された前記ベースバンドの信号を、前記サンプル周期においてサンプリングするA/D変換部と、
前記A/D変換部からの出力信号を、前記第1符号長に対応する前記第1変調信号
の時間幅に応じた所定のサンプル数分遅延させる第1遅延部と、
前記A/D変換部からの出力信号と前記第1遅延部からの出力信号とを基に、第1相関値を算出する第1相関値算出部と、
前記A/D変換部からの出力信号を、前記第2符号長に対応する前記第2変調信号
の時間幅に応じた所定のサンプル数分遅延させる第2遅延部と、
前記A/D変換部からの出力信号と前記第2遅延部からの出力信号とを基に、第2相関値を算出する第2相関値算出部と、を有するレーダ装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のレーダ装置であって、
前記第1レーダ送信部は、
前記第1変調信号の生成タイミングを指示する第1送信トリガ信号を出力する第1送信制御部と、を更に有し、
前記第2レーダ送信部は、
前記第2変調信号の生成タイミングを指示する第2送信トリガ信号を出力する第2送信制御部と、を更に有するレーダ装置。
【請求項9】
請求項3、4、7及び8のうちいずれか一項に記載のレーダ装置であって、
前記第1相関値算出部及び前記第2相関値算出部、又は、前記第1加算部及び前記第2加算部の各出力を基に、前記ターゲットまでの距離を推定する測位部と、を更に含み、
前記測位部は、前記各々のレーダ受信部毎に、
前記第1送信トリガ信号及び前記第2送信トリガ信号を基に、前記第1レーダ送信信号及び前記第2レーダ送信信号の各送信タイミングを検出する送信タイミング検出部と、
前記第1相関値算出部及び前記第2相関値算出部、又は、前記第1加算部及び前記第2加算部の各出力を基に、所定の基準レベルを超える前記各出力のピークタイミングを検出する相関値ピーク検出部と、
前記送信タイミング検出部により検出された前記各送信タイミングと、前記相関値ピーク検出部により検出された前記各出力のピークタイミングとを基に、前記反射波の信号の到来までの到来遅延時間を算出する到来遅延時間算出部と、
前記算出された前記到来遅延時間を基に、前記ターゲットまでの距離を推定するターゲット距離算出部と、を有するレーダ装置。
【請求項10】
請求項9に記載のレーダ装置であって、
前記測位部は、
各々の前記ターゲット距離推定部により推定された前記ターゲットまでの距離と、各々の前記送信アンテナ及び前記受信アンテナの位置を基に、前記ターゲットの位置を推定するターゲット位置推定部と、を更に有するレーダ装置。
【請求項11】
請求項3に記載のレーダ装置であって、
前記レーダ受信部は、2系統の第1レーダ受信部及び第2レーダ受信部を有し、
前記第1及び第2の各レーダ受信部の前記A/D変換部からの各出力信号と前記第1遅延部からの各出力信号とを基に、前記第2レーダ受信部の前記第1遅延部からの出力信号と前記第1レーダ受信部の前記A/D変換部からの出力信号との第3相関値、及び、前記第1レーダ受信部の前記第1遅延部からの出力信号と前記第2レーダ受信部の前記A/D変換部からの出力信号との第4相関値を算出する第1アンテナ相関値算出部と、
前記第1及び第2の各レーダ受信部の前記A/D変換部からの各出力信号と前記第2遅延部からの各出力信号とを基に、前記第2レーダ受信部の前記第2遅延部からの出力信号と前記第1レーダ受信部の前記A/D変換部からの出力信号との第5相関値、及び、前記第1レーダ受信部の前記第2遅延部からの出力信号と前記第2レーダ受信部の前記A/D変換部からの出力信号との第6相関値を算出する第2アンテナ相関値算出部と、を更に含むレーダ装置。
【請求項12】
請求項11に記載のレーダ装置であって、
前記第1レーダ受信部の第1相関値算出部及び第2相関値算出部、前記第2レーダ受信部の第1相関値算出部及び第2相関値算出部、前記第1アンテナ相関値算出部並びに前記第2アンテナ相関値算出部の各出力を基に、前記反射波の信号の到来方向を推定する方向推定部と、を更に含み、
前記方向推定部は、
前記第1レーダ受信部の第1相関値算出部、前記第2レーダ受信部の第1相関値算出部及び前記第1アンテナ相関値算出部の各出力を基に、位相成分を算出する第1位相差算出部と、
前記第1レーダ受信部の第2相関値算出部、前記第2レーダ受信部の第2相関値算出部及び前記第2アンテナ相関値算出部の各出力を基に、位相成分を算出する第2位相差算出部と、を有するレーダ装置。
【請求項13】
請求項1又は2に記載のレーダ装置であって、
前記第1送信信号生成部は、
2m+1(mはゼロ以上の整数)番目のレーダ送信周期において所定の符号長の符号系列を、第1符号幅を用いて所定数繰り返した第1変調信号を生成し、2m番目のレーダ送信周期において前記所定の符号長の符号系列を、第2符号幅を用いて所定数繰り返した第2変調信号を生成し、
前記第2送信信号生成部は、
前記2m+1(mはゼロ以上の整数)番目のレーダ送信周期において前記第2変調信号を生成し、前記2m番目のレーダ送信周期において第1変調信号を生成するレーダ装置。
【請求項14】
請求項3に記載のレーダ装置であって、
第1レーダ送信周期毎の各々の前記レーダ受信部における前記第1相関値算出部及び前記第2相関値算出部の各出力、及び、第2レーダ送信周期毎の各々の前記レーダ受信部における前記第1相関値算出部及び前記第2相関値算出部の各出力を基に、前記第1レーダ送信周期における前記ターゲットのドップラ位相変動及び前記第2レーダ送信周期における前記ターゲットのドップラ位相変動を推定するドップラ位相変動推定部と、を更に含むレーダ装置。
【請求項15】
請求項14に記載のレーダ装置であって、
前記ドップラ位相変動推定部は、各々のレーダ受信部毎に、
各々の前記レーダ受信部の前記第1相関値算出部又は前記第2相関値算出部の出力を基に、所定の基準レベルを超える前記出力のピークタイミングを検出する相関値ピーク検出部と、
前記相関値ピーク検出部により検出された前記ピークタイミングにおける前記第1相関値算出部又は前記第2相関値算出部の各出力の位相成分を算出する位相検出部と、
前記算出された前記位相成分と前記検出された前記ピークタイミングとを記憶する記憶部と、
前記記憶された前記位相成分及び前記ピークタイミングと、次の第1レーダ送信周期又は前記第2レーダ送信周期における前記第1相関値算出部若しくは前記第2相関値算出部の各出力の位相成分及び前記各出力のピークタイミングとを基に、前記ターゲットのドップラ位相変動を算出する位相変動検出部と、を有するレーダ装置。
【請求項16】
請求項14に記載のレーダ装置であって、
前記ドップラ位相変動推定部は、各々のレーダ受信部毎に、
各々の前記レーダ受信部の前記第1相関値算出部又は前記第2相関値算出部の出力を基に、所定の基準レベルを超える前記出力のピークタイミングを検出する相関値ピーク検出部と、
前記検出された前記ピークタイミングと前記ピークタイミングにおける前記第1相関値算出部又は前記第2相関値算出部の出力を記憶する記憶部と、
前記記憶された前記ピークタイミング及び前記ピークタイミングにおける前記第1相関値算出部又は前記第2相関値算出部の出力と、次の第1レーダ送信周期又は前記第2レーダ送信周期における前記相関値ピーク検出部により検出された前記ピークタイミング及び前記ピークタイミングにおける第1相関値算出部若しくは前記第2相関値算出部の出力とを基に、前記ターゲットのドップラ位相変動を算出する位相変動検出部と、を有するレーダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−251820(P2012−251820A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123384(P2011−123384)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】