説明

ロウ様物質を用いた徐放性組成物

(a)活性成分、(b)ロウ様物質、および(c)球状化剤を含む徐放性球状または非球状ペレットが提供される。また、上記ペレットを含む経口剤形、ならびにこのようなペレットおよび剤形を製造する方法および使用する方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対するクロス・リファレンス
本出願は、35 U.S.C. §119(e)に基づいて、2007年3月2日に出願された米国仮出願第60/904,456号の利益を主張する。尚、上記仮出願は、参照としてその全文を本明細書に組み込むものとする。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、徐放性組成物および剤形、ならびにこのような組成物および剤形の調製方法および使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の記載
経口医薬剤形は、通常、錠剤またはカプセル剤のような単回投薬剤形である。各々の錠剤またはカプセル剤単位は、一定量の活性成分を含んでいる。
【0004】
多くの活性成分は、特定の放出速度または持続的放出を必要とする。このような場合、いわゆる徐放性または制御放出製剤が使用される。「徐放性」という用語はまた、往々にして、長期間にわたり制御放出を呈示する製剤についても用いられる。放出制御製剤は、特定の放出パターン、例えば、所定時間にわたる一定放出、すなわち、ピークと降下とを最小限にする活性成分の放出、を必要とする活性成分のために導入されている。現在、活性成分の一時的過剰投与または投与不足を回避する様々な放出制御製剤が利用可能である。より長期間にわたり治療活性を維持するような何らかの方法で、活性成分の放出を持続的にする徐放性製剤が開発されている。「徐放性」および「放出制御」という用語は、往々にして置き換え可能である。
【0005】
徐放性製剤は、典型的には、半減期が短い薬物、または長期間にわたり活性な血漿レベルが必要な活性成分に適用される。前者の場合、患者のコンプライアンスの欠如に起因する問題を招くことが多いb.i.d、t.i.dまたはq.i.dレジメンのような、1日にあたり複数回の投薬を回避することができる。徐放性製剤は、常習的に投薬を受けている患者に適用するのがより好ましく、この場合、1回の投与で、数日または数週間のような長期間にわたり活性な血漿レベルを維持するのに十分である。
【0006】
錠剤およびカプセル剤の剤形は、使用には便利であるが、薬剤を送達する上で、(1)その治療利益のために極めて高用量が必要であるという制限、(2)錠剤/カプセルを自発的に摂取しない患者についての制限、または(3)嚥下困難を有する患者についての制限、を受ける。
【0007】
例えば、錠剤を形成するのに必要な他の不活性成分と一緒に0.75〜1グラムまでの活性成分を含む1錠の錠剤は、多くの場合、最終的に総重量が1.5〜2グラムまでのかなり嵩高の塊になる。活性用量をこれ以上増加すれば(例えば、1g超に)、錠剤が大きくなりすぎて飲み込めなくなってしまう。同じ重量を含むカプセルのサイズは、一般にカプセル内容物が錠剤のように圧縮されないため、さらに大きくなりうる。
【0008】
徐放性経口剤形は、延長された治療時間、例えば、1/2、1、2、または3日にわたり1単位の薬剤を送達することを意図する。徐放性製剤は、そのサイズが受け入れられないほど大きいために、錠剤またはカプセルとして適当でないことが多い。例えば、非徐放性製剤の形態で1回当たり500 mgで、1日に3回投与する薬物の場合、1日1回投与(すなわち、1,500 mg)にすると、総重量が2〜3グラム以上の嵩高の錠剤になる。このような嵩高の錠剤をヒトまたは動物被験体が飲み込むことは非常に困難であろう。
【0009】
ウマ、ネコまたはイヌなどの動物は、自発的に錠剤またはカプセルを飲まないため、これらの動物に錠剤またはカプセルを投与するのは難しく、また、錠剤またはカプセルを飲み込ませるのは極めて厄介となりうる。同様に、ヒトの患者の中にも、錠剤またはカプセル、特に大きなものを飲み込みたがらない、または飲み込むことができない者もいる。
【0010】
錠剤またはカプセル製剤に伴う前述の問題点を解決するには、多粒子製剤が特に有用である。
【0011】
多粒子剤は、全体で薬物の意図する治療に有用な用量に相当する、複数の薬物含有粒子を含む周知の剤形である。多粒子剤形は、純粋な薬剤物質で製造することもできるし、または、典型的なサイズが1〜2mm以下の他の成分と一緒に製剤化することもできる。経口摂取すると、多粒子剤は、一般に、胃腸管内で容易に分散し、比較的速やかに、しかも再現性よく胃から出るため、吸収を最大限にする。例えば、Multiparticulate Oral Drug Delivery (Marcel Dekker, 1994)およびPharmaceutical Pelletization Technology (Marcel Dekker, 1989)を参照されたい。
【0012】
多粒子製剤は、粉末、顆粒、ペレット、ミクロスフィア、ミニスフィア、ビードレット、サシェットなど、別の用語で表現されることもある。1回の用量につき、複数単位の粒子が投与されるため、複合剤形という用語を用いる。
【0013】
多粒子製剤は、(1)口内に入れ、液体で飲み込む乾燥粉末として投与する、(2)液体に分散させた後、飲み込む、または(3)カプセル中に封入する、ことができる。第1および第2の投与方法の場合、多量の粒子を投与することができる。例えば、5〜10グラムの球状ペレットを水に懸濁させると、ヒト患者は容易に飲み込むことができる。ウマなどの動物の場合には、多粒子製剤は飼料と容易に混合でき、動物に自発的に消費させることができる。さらに、ヒトとは違い、動物は通常、体重に基づいて投薬される。動物は、体重に著しい差がある。例えば、イヌの体重は2 kg〜50 kgの範囲であり、患蓄の体重に応じて調節した極めて特異的な量の剤形を投与することが求められる。このような場合、多粒子製剤は、ペレットの重量を計量もしくはその容量を測定、またはペレット数を計数することにより、その用量を容易に調節して広範囲の用量可変性、例えば約10 mg(1ペレット)〜100 g(10,000ペレット)、を達成することができるため、特に有用である。
【0014】
多数の活性成分が、例えば、1日2回、好ましくは1日1回、または、さらに好ましくは2〜3日置きに1回のような、徐放速度または持続的放出を必要とする。このような場合、いわゆる徐放性多粒子製剤が使用される。高い投薬量が可能であるため、徐放性多粒子製剤は、例えば1用量当たり1,000mg超の、高用量で投与される薬物の場合に特に有用である。
【0015】
マトリックスおよび/またはコーティング系によって徐放性を取得することができる錠剤とは異なり、公知の徐放性多粒子製剤は、ほぼコーティング系のみに依存して、薬剤放出のバリア、すなわち、「徐放性コーティング」を提供する。これは、錠剤に比べ、直径1〜2 mmの小ペレットの表面積が非常に大きいためである。例えば、直径10 mm、厚さ5 mmの円板状錠剤は、直径1 mmの球体750個と同じ体積を含む。同じ密度だと仮定すると、750個の球体を合計すると、重量が同じ錠剤の表面積の30倍になる。1897年にNoyesおよびWhitneyにより開発されたNoyes-Whitney式:
-dM/dt = KA(Cs-C)
(式中、-dM/dtはマトリックスからの薬物溶出速度、Kは拡散係数、Aは表面積、(Cs-C)は固体塊に隣接する非攪拌表面層と大部分の溶出溶媒との濃度差である)に従う。
【0016】
薬剤の溶出速度が、マトリックス塊、すなわちマトリック錠剤または球体、の表面に直接比例するのは明らかである。従って、直径1 mmの球体750個の全体薬物溶出速度は、同じ体積および密度の錠剤より30倍高い。言い換えれば、薬物を24時間で放出することができるマトリックス錠剤は、同じマトリックス塊からなる直径1 mmの球体に変換するなら、約0.8時間で薬物を放出することになる。ほとんどのマトリックス形成材料および従来のマトリックス製造方法では、十分に持続的な薬物溶出を達成することはできないため、このような表面積、従って溶出速度の劇的な増大により、バリアコーティングがなければ徐放性球体はほぼ不可能であった。バリアコーティングは、ほぼすべての公知の徐放性ペレットに必要である(米国特許出願公開番号2006/0153908、米国特許第5,188,841号、第6,699,506号、第6,897,205号、および第6,436,438号を参照)。
【発明の概要】
【0017】
本発明は、薬学的に活性な物質を持続的に放出するための医薬組成物、ならびにこのような医薬組成物の製造方法および使用方法を提供する。この医薬組成物は、ペレットの形態をしており、以下の特性:(1)徐放性バリアコーティングを必要としない徐放性を提供することにより、バリアコーティングに付随するコストを下げ、スケールアップの複雑さを低減する;(2)特に動物患者のための、投薬についてのフレキシビリティを提供する;(3)活性成分の緩徐な放出を可能にするペレットの比較的大きな寸法(例えば、球状ペレットの場合、直径が少なくとも約0.5 mmまたは1 mm)のために、活性成分の緩徐な放出が可能になる;および(4)錠剤またはカプセル剤に比較して短い半減期および/または高い用量の薬学的に活性な物質を投与するのが容易である、の1つ以上を備えうる。
【0018】
一態様では、本発明は、(a)活性成分、ロウ様物質、および球状化剤を含み、(b)ペレットの形状をしており、および(c)活性成分の徐放性をもたらす、組成物を提供する。特定の実施形態では、この組成物は、徐放性バリアコーティングを必要とせずに、そのような徐放性を提供する。
【0019】
特定の実施形態では、ペレットはコーティングされていない。特定の別の実施形態では、ペレットはコーティングされている。コーティングは、徐放性バリアコーティング、味覚マスキング層、防湿層、着色層、または腸溶性コーティングでありうる。
【0020】
特定の実施形態では、ペレットは球状である。別の実施形態では、ペレットは非球状である。
【0021】
特定の実施形態では、本組成物は、実施例3に従う標準USPバスケット法により測定される以下のin vitro溶出速度を有する:2時間後、活性成分の最大で約50%、60%、70%、80%、または90%の放出。
【0022】
特定の実施形態において、本組成物は、実施例3に従う標準USPバスケット法により測定される以下のin vitro溶出速度を有する:1時間後、活性成分の約10%〜約60%の放出;2時間後、活性成分の約20%〜約70%の放出;4時間後、活性成分の約30%〜約80%の放出;および8時間後、活性成分の約40%〜約90%の放出;および、12時間後、活性成分の約50%〜約100%の放出。特定の実施形態では、活性成分はグルコサミンまたはその製薬上許容される塩である。
【0023】
特定の実施形態では、本組成物は、実施例3に従う標準USPバスケット法により測定される以下のin vitro溶出速度を有する:2時間後、約0%〜約30%;4時間後、約5%〜約35%;8時間後、約10%〜約40%;16時間後、約15%〜約45%;24時間、後約20%〜約50%。特定の実施形態では、活性成分はトラマドールまたはその製薬上許容される塩である。
【0024】
特定の実施形態では、経口投与時、または経口投与後、本組成物は、二段階放出プロフィールを提供し、その際、第1段階では、約1時間で活性成分の10〜60%を放出し、第2段階で、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、20、22もしくは24時間にわたり、ほぼ直線的に、残りの活性成分を放出する。
【0025】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約5%〜約90%の活性成分;(b)約5%〜約40%のロウ様物質;および(c)約5%〜約40%の球状化剤を含む。
【0026】
特定の実施形態において、本組成物は、さらに1種以上の非活性成分を含んでもよい。特定の実施形態では、これらの非活性成分は、結合剤、抗酸化剤もしくは着色剤でありうる。特定の実施形態では、上記非活性成分は、ペレット重量ベースで約0.01%〜約5.0%の総濃度で存在しうる。
【0027】
特定の実施形態において、活性物質は、鎮痛薬またはその製薬上許容される塩、例えば、アセトアミノフェン、中枢作用性鎮痛薬、アヘン剤、麻酔薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、およびサリチル酸塩でありうる。特定の実施形態では、鎮痛薬は、トラマドールまたはその製薬上許容される塩である。
【0028】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約45%〜約85%の鎮痛薬またはその製薬上許容される塩;(b)約5%〜約30%の水素化植物油(例えば、綿実油);(c)約5%〜約20%の微晶質セルロース;および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0029】
特定の実施形態において、活性成分は、栄養補助物質、例えば、ビタミン、ミネラル、ハーブまたはその他の植物性薬品(botanical)、アミノ酸、タンパク質、ならびにその他の栄養物質もしくはその成分である。特定の実施形態では、栄養補助物質は、グルコサミンまたはその製薬上許容される塩である。
【0030】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約45%〜約85%の栄養補助物質またはその製薬上許容される塩;(b)約5%〜約30%の水素化植物油(例えば、綿実油);(c)約5%〜約20%の微晶質セルロース;および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0031】
特定の実施形態において、活性成分は、抗ウイルス薬またはその製薬上許容される塩、例えば、アバカビル、アシクロビル、ガンシクロビル、ラミブジン、ネルフィナビル、リトナビル、バラシクロビル、フォスカルネット、およびジドブジン、またはこれらの誘導体、プロドラッグもしくは製薬上許容される塩である。
【0032】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約45%〜約85%の抗ウイルス薬またはその製薬上許容される塩;(b)約5%〜約30%の水素化植物油(例えば、綿実油);(c)約5%〜約30%の微晶質セルロース;および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0033】
特定の実施形態において、活性成分は、抗感染薬またはその製薬上許容される塩、例えば、抗生物質(β−ラクタム系抗生物質、アミノグリコシド類、セファロスポリン類、マクロライド類、ペニシリン類、キノロン類、スルホンアミド類、テトラサイクリン類、抗真菌薬、抗マラリア薬、抗結核薬、および駆虫薬を含む)などである。特定の実施形態では、抗感染薬は、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、エリスロマイシン、シプロフロキサシン、アモキシシリンとクラブラン酸カリウムの組合せ、またはこれらの誘導体、プロドラッグもしくは製薬上許容される塩である。
【0034】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約45%〜約85%の抗感染薬またはその製薬上許容される塩;(b)約5%〜約30%の水素化植物油(例えば、綿実油);(c)約5%〜約30%の微晶質セルロース;および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0035】
特定の実施形態において、活性成分は、制酸剤、例えば、ナトリウム制酸剤、カルシウム制酸剤、アルミニウム制酸剤、マグネシウム制酸剤、およびこれらの組合せである。特定の実施形態では、制酸剤は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、リン酸三ナトリウム(「三塩基性リン酸ナトリウム」とも呼ばれる)、またはこれら3つの化合物の2つまたは全部の組合せである。特定の実施形態では、制酸剤は、重量比約1:3、1:2、1:1、2:1、または3:1の水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの組合せ、またはリン酸三ナトリウムと水酸化マグネシウムの組合せである。
【0036】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約45%〜約85%の制酸剤;(b)約1%〜約30%の水素化植物油(例えば、綿実油);(c)約5%〜約30%の微晶質セルロース;および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0037】
特定の実施形態において、活性成分は、高用量薬物、例えば、フェンベンダゾール、アルベンダゾール、フェバンテル、カルプロフェン、ケトプロフェン、ジクロフェナク、モルヒネ、メペリジン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、メトロニダゾール、臭化カリウム、ガバペンチン、ジロイトン、スクラルファート、メトホルミン、グリピジド、ナブメトン、ナイアシン、プロカインアミド、トルメチンナトリウム、トリサリチル酸コリンマグネシウム、グアイフェネシン、メシル酸エプロサルタン、エトドラク、アカルボース、ウルソジオール、ポリエンホスファチジルコリン、ならびにこれらの製薬上許容される塩である。
【0038】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約45%〜約90%の高用量の薬学的に活性な物質;(b)約5%〜約40%の水素化植物油(例えば、綿実油);(c)約5%〜約40%の微晶質セルロース;および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0039】
特定の実施形態において、活性成分は、昆虫成長調節剤(IGR)またはその製薬上許容される塩、例えば、メトプレン、キノプレン、ヒドロプレン、ジフルベンズロン、もしくはピリプロキシフェンである。
【0040】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約45%〜約85%の昆虫成長調節剤またはその製薬上許容される塩;(b)約5%〜約30%の水素化植物油(例えば、綿実油);(c)約5%〜約30%の微晶質セルロース;および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0041】
特定の実施形態において、ペレットはコーティングされている。コーティングは、本組成物の徐放性に寄与するものでもよいし、そうでないものでもよい。
【0042】
特定の実施形態では、ペレットが球状である場合、その平均直径は、約0.1 mm〜約3 mm、約0.5 mm〜約2 mm、または約0.5 mm〜約1.5 mmである。
【0043】
特定の実施形態では、ロウ様物質は、脂肪アルコール、飽和および不飽和脂肪酸エステル、飽和および不飽和脂肪酸グリセリド、水素化脂肪、水素化植物油、およびコレステロールからなる群より選択される。特定の実施形態では、ロウ様物質は、水素化植物油である。
【0044】
特定の実施形態では、ロウ様徐放性物質は、少なくとも約40℃、50℃、または60℃の融点を有する。
【0045】
特定の実施形態では、球状化剤は、微晶質セルロースである。
【0046】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の組成物を含む剤形を提供する。
【0047】
特定の実施形態では、上記剤形は、投薬1回当たり少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10 gの用量で活性成分を含む。
【0048】
特定の実施形態では、前記剤形は、1種以上の不活性成分、例えば、香味剤(flavorant)、懸濁剤、凝結防止剤、増量剤、甘味料、着色剤、および潤滑剤をさらに含む。
【0049】
特定の実施形態では、前記剤形は、水をさらに含み、経口用懸濁液の形態をしている。
【0050】
特定の実施形態では、前記剤形は、ボトル、小包、ポーチ、サシェット、またはカプセルにパッケージングすることができる。
【0051】
特定の実施形態では、前記剤形は、それを必要とする患者に経口投与したとき、少なくとも約2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、24、36、48、72、96、120、144、または168時間にわたり、その最小有効濃度以上の活性物質の血漿濃度をもたらす。
【0052】
特定の実施形態では、前記剤形は、それを必要とする患者に経口投与したとき、標準用量で投与した即時放出型製剤の少なくとも2、3、4、または5倍の時間にわたり、その最小有効濃度以上の活性物質の血漿濃度をもたらす。
【0053】
特定の実施形態では、前記剤形は、1日1回もしくは2回、2、3、4、5、6、7日に1回、1、2、3、もしくは4週間に1回、または1治療につき1回又はそれ以下で、それを必要とする患者に投与するのに好適である。
【0054】
別の態様において、本発明は、(i)活性成分;(ii)ロウ様物質;および(iii)球状化剤を含む球状または非球状ペレットを製造する方法であって、(a)活性成分、ロウ様物質、球状化剤、および液体の混合物を調製するステップ;(b)上記混合物を押出加工して、押出物を取得するステップ;(c)上記押出物を球状化して、球状ペレットを形成するか、または上記押出物を破砕(fragmenting)して、非球状ペレットを形成するステップ;(d)上記球状ペレットを乾燥するステップ;および(e)上記乾燥ペレットを上記ロウ様物質の融点より高い温度に加熱するステップを含む、上記方法を提供する。
【0055】
例えば、特定の実施形態では、本発明は、(i)活性成分;(ii)ロウ様物質;および(iii)球状化剤を含む球状ペレットを製造する方法であって、(a)活性成分、ロウ様物質、球状化剤、および液体の混合物を調製するステップ;(b)上記混合物を押出加工して、押出物を取得するステップ;(c)上記押出物を球状化して、球状ペレットを形成するステップ;(d)上記球状ペレットを乾燥するステップ;および(e)上記乾燥ペレットを上記ロウ様物質の融点より高い温度に加熱するステップを含む、上記方法を提供する。
【0056】
特定の関連する実施形態では、本発明は、前記ステップ(e)を除く、前記ステップ(a)〜(d)を含む、球状ペレットの製造方法を提供する。
【0057】
特定の実施形態では、後に、香味剤、または1種以上の不活性成分(例えば香味剤)を含むビヒクルと、前記球状ペレットを混合する。
【0058】
特定の実施形態では、前記液体は水である。特定の別の実施形態では、この液体は、水と有機溶媒(例えば、プロピレングリコール、エタノール、またはイソプロパノール)を含む。
【0059】
特定の別の実施形態において、本発明は、(i)活性成分;(ii)ロウ様物質;および(iii)球状化剤を含む非球状ペレットを製造する方法であって、(a)活性成分、ロウ様物質、球状化剤、および液体の混合物を調製するステップ;(b)上記混合物を押出加工して、押出物を取得するステップ;(c)上記押出物を破砕(fragmenting)して、非球状ペレットを形成するステップ;(d)上記非球状ペレットを乾燥するステップ;および(e)上記乾燥ペレットを上記ロウ様物質の融点より高い温度に加熱するステップを含む、上記方法を提供する。
【0060】
関連する態様では、本発明は、前記ステップ(e)を除く、前記ステップ(a)〜(d)を含む、非球状ペレットの製造方法を提供する。
【0061】
特定の実施形態では、後に、1種以上の不活性成分(例えば香味剤)を含むビヒクルと、前記非球状ペレットを混合する。
【0062】
特定の実施形態では、前記液体は水である。特定の別の実施形態では、この液体は、水と有機溶媒(例えば、プロピレングリコール、エタノール、またはイソプロパノール)を含む。
【0063】
別の態様では、本発明はまた、本明細書に記載の方法により製造した球状または非球状ペレットを提供する。
【0064】
別の態様では、本発明は、本明細書に開示の組成物を含む剤形を調製する方法をさらに提供する。
【0065】
特定の実施形態において、前記剤形を調製する方法は、カプセル、ボトル、およびポーチなどの好適な容器に、本明細書に開示のペレットを充填することを含む。
【0066】
特定の実施形態では、前記剤形を調製する方法は、本明細書に開示のペレットをビヒクルと混合し、得られた混合物を水または別の溶液に懸濁させて、経口用懸濁液の剤形を形成することを含む。
【0067】
特定の実施形態では、前記剤形を調製する方法は、前記ペレットをヒト用の食品または動物飼料と混合することを含む。
【0068】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の組成物の有効量を含む組成物又は剤形をそれを必要とする動物に経口投与することを含む、動物の治療方法を提供する。
【0069】
例えば、一態様では、本発明は、疼痛を軽減する方法であって、それ必要とする患者に、有効量の鎮痛薬またはその製薬上許容される塩を含む本明細書に記載の組成物を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0070】
別の態様では、本発明は、栄養欠乏を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の栄養補助物質またはその製薬上許容される塩を含む本明細書に記載の組成物を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0071】
別の態様では、本発明は、ウイルス感染を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の抗ウイルス薬またはその製薬上許容される塩を含む本明細書に記載の組成物を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0072】
別の態様では、本発明は、細菌感染を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の抗感染薬またはその製薬上許容される塩を含む本明細書に記載の組成物を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0073】
別の態様では、本発明は、胃腸潰瘍または胃腸障害を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の制酸剤またはその製薬上許容される塩を含む本明細書に記載の組成物を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0074】
特定の実施形態では、胃腸潰瘍または胃腸障害を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に、本明細書に記載の水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムを含む組成物と、本明細書に記載の三塩基性リン酸ナトリウムを含む組成物との混合物を経口投与することを含む、上記方法が提供される。特定の実施形態では、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムの総重量と、三塩基性リン酸ナトリウムの比は約9:1である。
【0075】
特定の実施形態では、本発明は、寄生虫または害虫寄生を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の昆虫成長調節剤を含む本明細書に記載の組成物を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施例1および2に従い調製した球状および非球状ペレットからの代表的な溶出プロフィール。
【図2】実施例1および2に従い調製したペレットと市販の製品とのグルコサミンin vitro溶出プロフィールの比較。
【図3】実施例2に従い調製した円柱状ペレットから、2ヶ月の間隔を置いて測定した溶出プロフィール。
【図4】実施例5に従い調製した、グルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸、アスコルビン酸カルシウムおよび硫酸マグネシウムを含む徐放性球状ペレットからのグルコサミンのin vitro溶出。
【図5】実施例6に従い調製した球状ペレットからのトラマドールのin vitro溶出。
【図6】実施例7および8に従い調製した経口懸濁剤用アジスロマイシンペレットと、Pfzer製ZMAX(商標)の、米国特許第6,984,403号に記載の方法に従って実施したin vitro溶出。
【図7】実施例17に従い調製した、様々な加熱条件による球状ペレットからのグルコサミンのin vitro溶出プロフィール。
【図8】実施例18に従い、様々な油を用いて調製した球状ペレットからのグルコサミンのin vitro溶出プロフィール。
【図9】実施例19に従い調製した球状ペレットからのトラマドールのin vitro溶出プロフィール。
【図10】トラマドール塩酸塩徐放性球状ペレットを経口投与後のウマにおける、トラマドールおよびその主要活性代謝産物M1の薬物動態プロフィール。
【図11】トラマドール塩酸塩の経口投与後のウマにおける、トラマドールおよびその主要活性代謝産物M1の薬物動態プロフィール。
【図12】2種の制酸剤徐放性球状ペレット製剤:(1)実施例11に従い調製した水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムを含む製剤、ならびに(2)実施例11に従い調製した、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムを含む球状ペレットと、三塩基性リン酸ナトリウムを含む球状ペレットの9:1組合せ物、の経口投与後のウマの胃内pH。
【発明を実施するための形態】
【0077】
発明の詳細な説明
本発明は、ペレットの形態をした薬学的に活性な物質を持続的に放出するための医薬組成物であって、徐放性バリアコーティングの存在を必要としない、上記医薬組成物を提供する。加えて、本発明は、このような組成物を含む剤形を提供する。本発明はさらに、前記医薬組成物および剤形を調製および使用する方法も提供する。
【0078】
別途記載のない限り、百分率はすべて、組成物の総重量または乾燥ペレットの総重量に対する重量比(w/w)である。
【0079】
本発明で用いる場合、用語「約」は、指定した値の90%〜110%の範囲にあるいずれかの値を指す。例えば、約40℃は、36℃〜44℃までのいずれかの温度を指す。
【0080】
本発明で用いる場合、本明細書に記載する数値範囲はすべて、その範囲内のあらゆる整数、さらに、適用可能であれば(例えば、濃度)、その分数、例えば、ある整数の1/10および1/100(別途記載のない限り)を含むと理解すべきである。
【0081】
I.組成物
一態様では、本発明は、(a)(i)活性成分、(ii)ロウ様物質、および(iii)球状化剤を含み、(b)ペレットの形態であり、かつ(c)上記活性成分の徐放性をもたらす、組成物を提供する。特定の実施形態では、上記活性成分の徐放性には、ペレット上の徐放性バリアコーティングの存在を必要としない。
【0082】
A.活性成分
本組成物中の活性成分は、任意の薬学的に活性な物質(すなわち、有益な薬効、治療効果、栄養効果、もしくは美容効果を有する化合物または組成物、例えば、ハーブエキス)でありうる。
【0083】
特定の実施形態において、活性な物質は、鎮痛薬またはその製薬上許容される塩、例えば、アセトアミノフェン、中枢作用性鎮痛薬、アヘン剤、麻酔薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、およびサリチル酸塩でありうる。特定の実施形態では、活性な物質は、2種以上の鎮痛薬またはその製薬上許容される塩の組合せである。特定の実施形態では、鎮痛薬は、トラマドールまたはその製薬上許容される塩(例えば、トラマドールHCl)である。
【0084】
特定の実施形態において、活性成分は、栄養補助物質、例えば、ビタミン、ミネラル、ハーブまたはその他の植物性薬品(botanical)、アミノ酸、タンパク質、ならびにその他の栄養物質もしくはその成分である。特定の実施形態では、活性な物質は、2種以上の栄養補助物質の組合せである。特定の実施形態では、栄養補助物質は、グルコサミンまたはその製薬上許容される塩である。
【0085】
特定の実施形態において、活性成分は、抗ウイルス薬またはその製薬上許容される塩、例えば、アバカビル、アシクロビル、ガンシクロビル、ラミブジン、ネルフィナビル、リトナビル、バラシクロビル、およびジドブジンである。特定の実施形態では、活性な物質は、2種以上の抗ウイルス薬またはその製薬上許容される塩の組合せである。
【0086】
特定の実施形態において、活性成分は、抗感染薬またはその製薬上許容される塩、例えば、抗生物質(β−ラクタム系抗生物質、アミノグリコシド類、セファロスポリン類、マクロライド類、ケトリド類、ペニシリン類、キノロン類、スルホンアミド類、テトラサイクリン類、シクロセリン、バンコマイシン、リネゾリド、オキサゾリジノン、ピリメタミン、アトバクオン、チゲシクリン、グリシルシクリン類、駆虫薬(antiprotozoal agent)、抗真菌薬、抗マラリア薬、抗原虫薬、抗らい菌薬(leprostatic)、抗結核薬、および駆虫薬(anti-parasitic)など)を含む。特定の実施形態では、抗感染薬は、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、エリスロマイシン、テリスロマイシン、シプロフロキサシン、アモキシシリンとクラブラン酸カリウムの組合せ、またはこれらの製薬上許容される塩である。特定の実施形態では、活性な物質は、2種以上の抗感染薬またはその製薬上許容される塩の組合せである。
【0087】
特定の実施形態において、活性成分は、制酸剤、例えば、ナトリウム制酸剤(例えば、リン酸三ナトリウム、また「三塩基性リン酸ナトリウム」とも呼ばれる)、カルシウム制酸剤(例えば、炭酸カルシウム)、アルミニウム制酸剤(例えば、水酸化アルミニウム)、マグネシウム制酸剤(例えば、水酸化マグネシウム)、およびこれらの組合せである。特定の実施形態では、制酸剤は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、リン酸三ナトリウム(「三塩基性リン酸ナトリウム」とも呼ばれる)、またはこれら3種の化合物の2つまたは全部の組合せである。特定の実施形態では、制酸剤は、水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの組合せ、または重量比約1:3、1:2、1:1、2:1、または3:1のリン酸三ナトリウムと水酸化マグネシウムの組合せである。
【0088】
特定の実施形態において、活性成分は、昆虫成長調節剤(IGR)またはその製薬上許容される塩、例えば、メトプレン、キノプレン、ヒドロプレン、ジフルベンズロン、もしくはピリプロキシフェンである。特定の実施形態では、活性成分は、2種以上の昆虫成長調節剤またはその製薬上許容される塩の組合せである。
【0089】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約45%〜約85%の昆虫成長調節剤またはその製薬上許容される塩;(b)約5%〜約30%の水素化綿実油;(c)約5%〜約30%の微晶質セルロース;および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0090】
特定の実施形態では、活性成分は、高用量の薬学的に活性な物質である。「高用量」の薬学的に活性な物質とは、成人ヒト患者または成体非ヒト被験体(例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ブタなど)に対し、1日に、体重1kg当たり約1 mg以上の用量で経口投与される薬学的に活性な物質を指す。特定の実施形態では、本発明の薬学的に活性な物質は、成人のヒトまたは成体非ヒト被験体の場合、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、もしくは50 mg/kg(体重)以上の1日用量を有する。特定の実施形態では、本発明の薬学的に活性な物質は、成人ヒトまたは成体非ヒト被験体の場合、約100、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、もしくは1,000 mg以上の1日用量を有する。特定の実施形態では、活性成分は、1日2回、1日1回または1治療につき1回のレジメンにおいて、1用量当たり少なくとも約200 mg、300 mg、400 mg、500 mg、600 mg、700 mg、800 mg、900 mg、もしくは1 gを投与しなければならない成分である。
【0091】
高用量の薬学的に活性な物質の例として、トラマドール(例えば、トラマドールHCl)(100 mg/用量以上)、アシクロビル(200 mg/用量)、アセトアミノフェン(300 mg/用量)、メトホルミン(例えば、メトホルミンHCl)(500 mg/用量)、ガバペンチン(100〜800 mg/用量)、グルコサミン、グルコサミン硫酸塩、グルコサミンHCl(500 mg/用量)などが挙げられる。
【0092】
高用量成分の別の例として、以下のものが挙げられる:ナイアシン、アジスロマイシン、バラシクロビル、ウルソジオール、ポリエンリン脂質、コレスチラミン、キトサン、フェンベンダゾール、アルベンダゾール、フェバンテル、カルプロフェン、ケトプロフェン、ジクロフェナク、モルヒネ、メペリジン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、メトロニダゾール、カリウム塩、ジロイトン、スクラルファート、グリピジド、ナブメトン、プロカインアミド、トルメチンナトリウム、トリサリチル酸コリンマグネシウム、グアイフェネシン、メシル酸エプロサルタン、エトドラク、アカルボース、ウルソジオール、ポリエンホスファチジルコリン、ならびにこれらの製薬上許容される塩、ビタミン、ミネラル、鉄、制酸剤、ハーブエキスなど。
【0093】
特定の実施形態では、活性成分は、2種以上の高用量の薬学的に活性な物質またはその製薬上許容される塩の組合せである。2種以上の高用量の薬学的に活性な物質は、類似する薬効を持つものでも、そうでないものでもよい。
【0094】
薬学的に活性な物質の「製薬上許容される塩」とは、理にかなった医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などを生じることなく、ヒトおよび下等動物の組織と接触させて用いるのに適しており、かつ、上記薬学的に活性な物質の意図する用途に有効な、薬学的に活性な物質の塩(酸付加塩を含む)を指す。
【0095】
特定の実施形態では、活性成分は、被験体の体重1 kg当たり少なくとも約5 mg、例えば、被験体の体重1 kg当たり少なくとも約7.5、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、もしくは50 mg、の1日用量で、ヒト(例えば、成人ヒト患者)または非ヒト被験体(例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ブタなど)に対し治療上有効である。
【0096】
特定の実施形態において、活性成分は、短い半減期を有する。「短い半減期」の薬学的に活性な物質とは、約10時間以下の半減期を有する薬学的に活性な物質を指す。特定の実施形態では、薬学的に活性な物質は、ヒト(例えば、成人ヒト患者)または非ヒト被験体(例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ブタなど)において、約9、8、7、6、5、4、3、もしくは2時間以下の半減期を有する。一般に、短い半減期の薬学的に活性な物質は、1日を通して有効な血中濃度レベルを維持するために、即時放出形態では1日に2回超服用する必要がある。
【0097】
特定の実施形態において、活性成分は、半減期が短く、かつ高用量である。このような活性成分として、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:ベラパミルHCl、塩化カリウム、セフジニル、プロパフェノンHCl、ヒドロキシ尿素、重酒石酸ヒドロコドン、メシル酸デラビルジン、メシル酸ネルフィナビル、ペントサンポリ硫酸ナトリウム、トカイニドHCl、クエチアピンフマル酸塩、フェキソフェナジンHCl、カラファート、リファンピン、モキシフロキサシンHCl、プラジカンテル、シプロフロキサシン、リン酸ナトリウムカリウム、マンデル酸メテナミン、ソタロールHCl、セフプロジル、セファドロキシル、メトホルミンHCl、イルベサルタン、ネファゾドンHCl、ガチフロキサシン、ジダノシン、モダフィニル、エファビレンツ、メタキサロン、アマンタジンHCl、硫酸モルヒネ、メフェナム酸、ジルチアゼムHCl、セベラメルHCl、アルベンダゾール、アモキシシリン、クラブラン酸カリウム、炭酸リチウム、ラミブジン、スマトリプタンスクシナート、ナブメトン、ジドブジン、シメチジン、クロルプロマジンHCl、バラシクロビルHCl、ブプロピオンHCl、ラニチジン、硫酸アバカビル、アシクロビル、アミノ安息香酸カリウム、臭化ピリドスチグミン、塩化カリウム、一硝酸イソソルビド、ニシン、デメクロサイクリンHCl、セフィキシム、ナプロキセンナトリウム、テトラサイクリンHCl、セフロキシムアキセチル、ナプシル酸プロポキシフェン、ピラジナミド、酢酸フレカイニド、シメチコン、メベンダゾール、メスドパ(methdopa)、クロロラチアジド、インジナビル、ペニシラミン、メチロシン、ロサルタンカリウム、チオベンダゾール、ノルフロキサシン、ヒドロキシ尿素、プロカインアミド、エンタカポン、バルサルタン、テルビナフィンHCl、酒石酸メタプロロール、オフロキサシン、レボフロキサシン、クロルゾキサゾン、トルメチンナトリウム、トラマドールHCl、ベプリジルHCl、フェニトインナトリウム、アトルバスタチンカルシウム、ガバペンチン、セレコキシブ、フルコナゾール、ドキセピンHCl、メシル酸トロバフロキサシン、アジスロマイシン、セルトラリンHCl、リファブチン、セフポドキシムプロキセチル、メサラミン、エチドロン酸二ナトリウム、ニトロフラントイン、トリサリチル酸コリンマグネシウム、テオフィリン、ニザチジン、パンクレアチン、硫酸キニジン、メトカルバモール、ミコフェノール酸モフェチル、ガンシクロビル、メシル酸サキナビル、トルカポン、チクロピジンHCl、バルガンシクロビルHCl、カペシタビン、オルリスタト、コレセベラムHCl、イルベサルタン、スクシメル、メペリジンHCl、ヒドロキシクロロキン硫酸塩、グアイフェネシン、メシル酸エプロサルタン、アミノダロンHCl、フェルバメート、プソイドフェドリン硫酸塩、カリソプロドール、ベンラファキシン、プロパノロールHCl、エトドラク、アセブトロール、コンドロチン、ピルビン酸塩、水溶性ビタミン、クレアチン、イソフラボン、ベタインHCl、サイリウム、パントテン酸、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛、硫酸亜鉛、フィトエストロゲン、ピクノゲノール、プロアントロシアニジン、サンテアニン、メチルスルホニル−メタン、L-グルタミン、初乳、ビオチン、アセチル-L-カルニチン、イノシトール、L-チロシン、s-アデノシルメチオニン、ブロメライン、2-ジメチルアミノエタノール、ピコリン酸クロム、ならびにこれらの組合せ。
【0098】
特定の実施形態において、活性成分は、水に不溶性、難可溶性、やや難溶性、可溶性、易溶性または極めて易溶性である。これらの用語は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co.(イーストン、ペンシルバニア州)最新版における以下の表に定義されている。
【表1】

【0099】
特定の実施形態において、活性成分は、組成物の総重量の少なくとも約0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%、55%、または60%の量で存在する。特定の実施形態では、活性成分は、組成物の総重量の最大で約65%、70%、75%、80%、85%、90%、もしくは95%の量で存在する。特定の実施形態では、活性成分は、組成物の総重量に対し、約0.1%〜約95%、例えば、約40%〜約85%、約50%〜約75%、約55%〜約70%、もしくは約60%〜65%w/wの範囲、または上記最小量のいずれか1つから上記最大量のいずれか1つまでの、他の任意の範囲で存在する。
【0100】
特定の実施形態において、本組成物は、第2の薬学的に活性な物質をさらに含んでもよい。特定の実施形態では、第2の薬学的に活性な物質は、高用量および/または短い半減期のものでありうる。例えば、特定の実施形態では、活性成分は、グルコサミン塩酸塩とコンドロイチン硫酸、トラマドール塩酸塩とグルコサミン塩酸塩、またはトラマドール塩酸塩とアセトアミノフェンを含んでいてもよい。
【0101】
特定の実施形態では、他方の薬学的に活性な物質は、医薬組成物中の第1の薬学的に活性な物質と同じかまたは類似の薬効を有するものでもよい。例えば、本発明の医薬組成物は、トラマドールと、別の鎮痛薬を含んでいてもよい。特定の実施形態では、第2の薬学的に活性な物質は、第1の薬学的に活性な物質とは異なる薬効を有するものでもよい。例えば、本発明の医薬組成物は、グルコサミン、コンドロイチン、硫酸マンガンおよびアスコルビン酸カルシウムを含んでいてもよい。
【0102】
医薬組成物が、相加的薬効を生み出す2種以上の薬学的に活性な物質を含む実施形態において、各物質の量は、単一療法(すなわち、物質を単独で投与する場合)における各薬剤の量よりも、一般に低くなる。例えば、組成物中の各物質の用量は、単一療法で用いる用量の0.1〜0.75、例えば、単一療法で用いる用量の0.25〜0.75でありうる。別の実施形態では、一物質の用量は、単一療法で用いるその通常用量の1/4であり、他方の物質の用量は、単一療法で用いる通常用量の3/4である。別の実施形態では、各物質の用量は、単一療法で用いたときの通常用量の約半分である。
【0103】
医薬組成物が、相乗的薬効を生み出す2種以上の薬学的に活性な物質を含む実施形態では、物質の合計用量は、2種の物質が相加的薬効のみをもたらす場合の量より低い。例えば、一実施形態では、一方の物質の用量は、単一療法で用いるその通常用量の1/4であり、他方の物質の用量も、単一療法で用いるその通常用量の1/4である。
【0104】
医薬組成物が、異なる薬効を生み出す2種以上の物質を含む実施形態では、各物質の量は、その物質の意図する効果を生み出すのに十分なものでなければならない。ほとんどの実施形態では、各物質の用量は、単一療法で用いるものと同様である。特定の別の実施形態では、各物質の用量は、単一療法で用いるものより高いかまたは低い場合がある。
【0105】
本発明の医薬組成物における第1物質と第2物質の重量比は、両物質、ならびに単一療法で用いるそれらの用量に応じて変動する。特定の実施形態では、医薬組成物における第1物質と第2物質の重量比は、約1:1,000〜1,000:1、例えば、1:100〜100:1、1:50〜50:1、1:10〜10:1、1:5〜5:1、1:2〜2:1、1:1〜1:10、1:1〜1:50、1:1〜1:100、100:1〜1:1、50:1〜1:1、または10:1〜1:1である。
【0106】
特定の実施形態では、医薬組成物は、トラマドールと別の鎮痛薬とを含む。例えば、特定の実施形態では、医薬組成物は、トラマドールとオピオイド鎮痛薬とを含む。特定の他の実施形態では、医薬組成物は、トラマドールと、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)とを含む。
【0107】
トラマドール含有医薬組成物に含有させてもよいオピオイド鎮痛薬の例として、限定するものではないが、アルフェンタニル、アルファプロジン、アニレリジン、アポモルヒネ、ベタプロジン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、カルフェンタニル、コデイン、コデイノン、シクロルファン、シルカゾシン、デキストロメトルファン、デキストロプロポキシフェン、ジアモルフィン(ヘロイン)、ジヒドロコデイン、ジフェノキシレート、エトヘプタジン、エトルフィン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、イソメタドン、レバロルファン、レボルファノール、ロペラミド、メペリジン、メタドン、メトポン、モルヒネ、モルフィノン、ナルブフィン、ノルモルフィン、N-(2-フェニルエチル)-ノルモルフィン、オキシコドン、オキシモルフォン、ペンタゾシン、ペチジン(メペリジン)、フェナゾシン、ピミノジン、プロポキシフェン、ラセモルファン、レミフェンタニル、およびスフェンタニルなどが挙げられる。
【0108】
トラマドール含有医薬組成物に含有させてもよいNSAIDの例として、限定するものではないが、アスピリン、カルプロフェン、デラコキシブ、エトドラク、フィロコキシブ、セレコキシブ、ジクロフェナク、ジフルニサル、フルリプロフェン(fluriprofen)、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラック、メフェナム酸、メロキシカム、ナプロキセン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、レフェコキシブ、スリンダク、およびバルデコキシブなどが挙げられる。
【0109】
特定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、トラマドールとアセトアミノフェンの両方を含む。特定の実施形態では、組成物中のトラマドールとアセトアミノフェンの重量比は、約1:10〜1:5である。
【0110】
特定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、トラマドールとジクロフェナクの両方を含む。特定の実施形態では、トラマドールとジクロフェナクの重量比は、約1:4〜4:1、例えば、1:2〜3:1、および1:1〜2.5:1である。
【0111】
特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、トラマドールとアスピリンの両方を含む。特定の実施形態において、トラマドールとアスピリンの重量比は、約1:4〜4:1、例えば、1:2〜2:1である。特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、トラマドールとカルプロフェンの両方を含む。特定の実施形態では、トラマドールとカルプロフェンの重量比は、約3:1〜10:1である。
【0112】
特定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、トラマドールとフルピルチンの両方を含む。特定の実施形態では、トラマドールとフルピルチンの重量比は、約1:1〜1:5である。
【0113】
特定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、トラマドールとコデインまたはオキシコドンの両方を含む。特定の実施形態では、トラマドールとコデインまたはオキシコドンの重量比は、約1:20〜約20:1、例えば、約1:2〜約2:1および約1:1〜約2:1である。
【0114】
特定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、トラマドールとNSAIDの両方を含み、その際、トラマドールとNSAIDの重量比は、約1:1〜約1:200、約1:2〜約1:200、および約1:2〜約1:20である。
【0115】
特定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、トラマドールとカルシウムチャンネルアンタゴニスト(例:ニモジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ジルチアゼム、ベラパミル、ガロパミル、フルナリジン、およびシンナリジン)の両方を含む。特定の実施形態では、トラマドールとカルシウムチャンネルアンタゴニストの重量比は、約200:1〜約5:1である。
【0116】
特定の実施形態では、本発明のトラマドール含有医薬組成物は、ケトプロフェン、シプロへプタジン(セロトニンアンタゴニスト)、プロゾシン(α-1-アドレナリン受容体アンタゴニスト)、クロニジン(α-2-アドレナリン受容体アンタゴニスト)、クロミプラミン(セロトニンのニューロン取込みの選択的阻害薬)、またはキシラミン(ノルエピネフリン取込みの選択的不可逆性阻害薬)をさらに含む。
【0117】
特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、グルコサミンと鎮痛薬(例えば、NSAID)とを含む。NSAIDの例として、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:アスピリン;フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、アンチピリン、アミノピリン、ジピロンおよびアパゾン;インドメタシン;スリンダク;フェナム酸、例えば、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸およびエトフェナム酸;アリール酢酸およびプロピオン酸化合物、例えば、2-(p-イソブチルフェニル)プロピオン酸(イブプロフェン);アルファメチル-4-(2-チエニル-カルボニル)ベンゼン酢酸(スプロフェン);4,5-ジフェニル-2-オキサゾールプロピオン酸(オキサプロジン);ラク-6-クロロ-アルファメチル-カルバゾール-2-酢酸(カルプロフェン);2-(3-フェニルオキシフェニル)-プロピオン酸、特に、そのカルシウム塩二水和物(フェノプロフェンおよびフェノプロフェンカルシウム);2-(6-メトキシ-2-ナフチル) プロピオン酸(ナプロキセン);4-(1,3-ジヒドロ-1-オキソ-2H-イソインドール-2-イル)-α-メチルベンゼン酢酸(インドプロフェン);2-(3-ベンゾイルフェニル) プロピオン酸(ケトプロフェン);および2-(2-フルオロ-4-ビフェニルイル) プロピオン酸(フルルビプロフェン)および1-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-酢酸(トルメチン)。上記以外のNSAIDの例として、以下のものを含むクラスの化合物が挙げられる:5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-酢酸ナトリウム二水和物(ゾメピラクナトリウム);4-ヒドロキシ-2-メチル-N-(2-ピリジル-2H-1,2-ベンゾチアジン-3-カルボキサミド-1,1-ジオキシド(ピロキシカム);2',4'-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-ビフェニル-カルボン酸(ジフルニサル)または1-イソプロピル-7-メチル-4-フェニル-2(1H)-キナゾリノン(プロクアゾン)、およびCox-2阻害剤、例えば、ロフェコキシブおよびセレコキシブ。
【0118】
特定の実施形態では、前記医薬組成物におけるグルコサミンと鎮痛薬の重量比は、約1:10〜約100:1、例えば、約1:1〜約20:1、および約1:2〜約10:1である。
【0119】
特定の実施形態では、本発明のグルコサミン含有医薬組成物は、イブプロフェン、ジクロフェナク、トラマドール、またはアセトアミノフェンをさらに含む。特定の実施形態では、グルコサミンとイブプロフェン、ジクロフェナク、トラマドール、またはアセトアミノフェンの重量比は、約1:10〜約100:1、例えば、約1:1〜約20:1、および約1:2〜約10:1である。
【0120】
特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、グルコサミン(例えば、グルコサミン塩酸塩およびグルコサミン硫酸塩)、加水分解コラーゲン、およびビオフラバノール(例えば、プロアントシアニジン、ロイコシアニジン、ピクノジェノール(pcynogenol)、ならびにブドウ種子、マツ樹皮もしくはウコン根から抽出したもの)を含む。
【0121】
B.ロウ様物質
本発明の組成物はまた、ロウ様物質も含むが、これは活性成分および球状化剤と一緒に、球状または非球状ペレットを形成し、活性成分の徐放性をもたらすことができる、製薬上許容される材料である。
【0122】
本明細書で用いる「ロウ様物質」とは、通常の周囲温度(すなわち、20〜25℃)で可塑性(すなわち、可鍛性)であり、40℃より高い融点を有し、水に極めて難溶性、ほぼ不溶性、または不溶性(例えば、約1:5,000(w/w)より低い水溶性を有する)である天然、半合成または合成材料であって、脂肪アルコールならびに飽和および不飽和脂肪酸のエステル、飽和および不飽和脂肪酸グリセリド(モノ、ジ−もしくはトリグリセリド)、水素化脂肪、水素化植物油、コレステロール、炭化水素、炭化水素骨格を有する疎水性ポリマー、炭化水素骨格を有する親水性ポリマー、または1種以上の前記化合物の組合せからなる上記材料を指す。
【0123】
本明細書で用いる「ロウ様物質」は、公知のロウ、例えば、動物および昆虫ロウ(例:蜜ロウ、イボタロウ(Chinese wax)、シェラックロウ、鯨ロウ、ラノリンロウ)、植物ロウ(例:ヤマモモロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、硬化ヒマシ油、アフリカハネガヤロウ、Japan wax、ホホバ油、オーリクリーワックス、コメヌカロウ)、鉱物ロウ(例:セレシンワックス、亜炭および褐炭から抽出されたモンタンロウ、オゾケライト、泥炭ロウ)、石油ロウ(例:パラフィンロウ、微晶質ロウ)、ならびに合成ロウ(例:ポリエチレンロウ、フィッシャー−トロプシュ(Fischer-Tropsch)ロウ、化学的に改変したロウ(例:エステル化または鹸化ロウ)、置換アミドロウ、および重合α−オレフィン)を包含する。特定の実施形態では、ロウは、エチレングリコールと2種の脂肪酸とのエステルである。
【0124】
本明細書で用いる用語「製薬上許容される」とは、本組成物の他の成分と適合性であり、その受容者に対して有害ではないことを意味する。
【0125】
特定の実施形態では、ロウ様物質は熱可塑性であり、40℃より高く(例えば、45℃以上)、120℃より低い(例えば、110℃以下)融点(40℃から120℃までのあらゆる値を含む)を有する。特定の実施形態では、ロウ様物質は、40℃から120℃までのいずれか2つの値(例えば、50℃と100℃)によって形成される範囲にある融点を有する。
【0126】
徐放性の要求を満たすために、ロウ様物質は、適切な時間枠(例えば、1日2回投与のための徐放性をもたらす組成物に用いた場合、10〜12時間)では、および少なくとも初期放出段階(例えば、最初の1時間、最初の2時間、または最初の3時間)では、胃腸液中で実質的に非分解性かつ不溶性でなければならない。
【0127】
特定の実施形態では、ロウ様物質は、水素化植物油、例えば、水素化綿実油、部分的水素化綿実油、水素化ダイズ油、部分的水素化ダイズ油、およびステアリルアルコールである。
【0128】
特定の実施形態では、ロウ様物質は、組成物の総重量の少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、もしくは10%の量で、組成物中に存在する。特定の実施形態では、ロウ様物質は、組成物の総重量の最大約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、もしくは50%の量で、組成物中に存在する。特定の実施形態では、ロウ様物質は、組成物の総重量に対し、約1%〜約40%、例えば、約1%〜約30%、約5%〜約40%、約5%〜約40%w/wの範囲、または上記最小量のいずれか1つと上記最大量のいずれか1つの間にある他の任意の範囲で存在する。
【0129】
C.球状化剤
本発明の組成物はさらに球状化剤を含むが、これは、ロウ様徐放性物質および活性成分と一緒に、球状または非球状ペレットを形成することができる製薬上許容される材料である。
【0130】
本明細書で用いる「球状化剤」とは、活性成分およびロウ様除物質と一緒に、凝集性可塑性塊を形成する物質を指し、この塊を後に球状化して、球状ペレットを製造するか、または破砕(fragmented)して、非球状ペレットを形成することができる。
【0131】
特定の実施形態において、球状化剤は、微晶質セルロース、例えば、商品名「AVICEL(商標)」で販売されている製品等である。それ以外の球状化剤の例としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルファ化デンプン(例えば、アルファ化コーンスターチ)が挙げられる。特定の実施形態では、球状化剤は、微晶質セルロースとアルファ化デンプンの組合せである。
【0132】
特定の実施形態において、球状化剤(例えば、微晶質セルロース、または微晶質セルロースとアルファ化デンプンの組合せ)は、組成物の総重量の少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、もしくは10%の量で、組成物中に存在する。特定の実施形態では、球状化剤は、組成物の総重量の最大で約11%、12%、13%、14%、16%、18%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、もしくは50%の量で、組成物中に存在する。特定の実施形態では、球状化剤は、組成物の総重量に対し、約5%〜約40%、例えば、約5%〜約20%、約8%〜約15%、もしくは約9%〜約12%w/wの範囲、または上記最小量のいずれか1つと上記最大量のいずれか1つの間にある他の任意の範囲で存在する。
【0133】
D.徐放性
本発明の組成物は、活性成分の徐放性をもたらす。
【0134】
本発明を記載する際に用いる用語「徐放性」とは、即時放出型剤形より緩徐な活性成分の放出を意味する。この用語は、「緩徐放出」、「制御放出」、または「長期間放出」と置き換え可能に用いられることがある。組成物の徐放性は、一般に、in vitro溶出方法により測定され、in vivo血中濃度−時間プロフィール(すなわち、薬物動態プロフィール)により確認される。
【0135】
用語「即時放出型剤形」とは、投与から約30分以内に活性成分の少なくとも75%が放出または溶解する放出製剤を意味する。このような即時放出型剤形としては、活性成分の錠剤、カプセル剤、多粒子剤、経口懸濁液用の粉末、およびサシェットが挙げられる。即時放出型剤形の例として、限定するものではないが、本明細書中の実施例3に記載するような市販の各種グルコサミン錠およびカプセル製品が挙げられる。
【0136】
特定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、二段階放出プロフィールを提供し、その際、第1段階では、約1時間で活性成分の10〜60%を放出し、第2段階で、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、20、22、もしくは24時間の間、ほぼ直線的に残りの活性成分を放出する。薬学的に活性な物質は、この物質の放出速度が指定期間内の毎時間20%を超えて変化しなければ、指定時間の間「ほぼ直線的に」放出される。
【0137】
特定の実施形態において、本組成物は、実施例3に従う標準USPバスケット法により測定される、以下のin vitro溶出速度:1時間後、活性成分の約10%〜約60%放出;2時間後、活性成分の約20%〜約70%放出;4時間後、活性成分の約30%〜約80%放出;8時間後、活性成分の約40%〜約90%放出;ならびに、12時間後、活性成分の約50%〜約100%放出、を有する。特定の実施形態では、活性成分はグルコサミンまたはその製薬上許容される塩である。
【0138】
特定の実施形態では、本組成物は、実施例3に従う標準USPバスケット法により測定される、以下のin vitro溶出速度:2時間後、約0%〜約30%;4時間後、約5%〜約35%;8時間後、約10%〜約40%;16時間後、約15%〜約45%;24時間後、約20%〜約50%、を有する。特定の実施形態では、活性成分はトラマドールまたはその製薬上許容される塩である。
【0139】
特定の実施形態では、実施例3に従う標準USPバスケット法により測定される、以下のin vitro溶出速度:2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、もしくは24時間後、活性成分の最大で約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、もしくは90%の放出、を有する。
【0140】
特定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、それを必要とするヒトまたは非ヒト患者に経口投与したとき、患者における活性成分の血中レベルが、少なくとも約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、36、48、72、96、120、144、もしくは168時間の間、治療範囲(すなわち、最小有効濃度(MEC)以上で、しかも毒性レベルに満たない)内に維持されるような速度で、その活性成分の放出を達成する。
【0141】
ヒトまたは非ヒト患者における目的の薬学的に活性な物質のMECは、当分野で公知の適切な技術を用いて決定することができる(例えば、ヒトにおけるトラマドールのMECを決定する場合、Grondら、British Journal of Clinical Pharmacology 48: 254-7, 1999;およびLehmannら、Clinical Journal of Pain 6: 212-20, 1990を参照)。
【0142】
特定の実施形態において、本発明の組成物は、即時放出型製剤と同等の1日用量でそれを必要とする患者に経口投与すると、1日標準用量(すなわち、当該製剤の公式製品説明に従う1日用量、またはその製剤に関する取締り機関(例えば、米国FDA)により承認された用量)で投与された即時放出型製剤と少なくともほぼ同じ時間、または約2、3、4、もしくは5倍の時間にわたり、その最小有効濃度以上の活性成分の血漿濃度をもたらす。
【0143】
E.物理的形態−ペレット
特定の実施形態において、本発明の組成物は、ペレットの形態をしている。
【0144】
用語「ペレット」とは、形状および大きさが概ね均一の小粒子を意味する。「小粒子」とは、直径、長さ、高さ、幅などが最大で10 mm(例えば、最大で2、3、4、5、6、7、8、もしくは9 mm)の粒子を指す。小粒子は、最小粒子の直径、長さ、高さ、幅などが、該粒子の平均直径、長さ、高さ、幅などの少なくとも約半分であり、かつ、最大粒子の直径、長さ、高さ、幅などが、該粒子の平均直径、長さ、高さ、幅などの最大で約2倍であれば、概ね均一の大きさである。
【0145】
特定の実施形態において、本発明の組成物は、球状ペレットの形態をしている。用語「球状ペレット」とは、丸い、またはほぼ丸い形状(すなわち、小球体の形状をしているかまたはそれに近い)のペレット、ビーズ、粒子、長球などを指す。
【0146】
特定の実施形態において、球状ペレットは、なめらかな表面テキスチャーをしている。このような物理的特徴により、必要に応じて、優れた流動性、改善された「口当たり」、飲み込みやすさ、ならびに均質コーティングのしやすさが得られる。
【0147】
特定の実施形態において、本発明の球状ペレットの平均サイズ(すなわち平均直径)は、約0.1 mm〜約3 mmでよく、約0.1 mmから約3 mmまでのいずれか2つの値により形成されるあらゆる範囲、例えば、約0.5 mm〜約2 mm、または約0.5 mm〜約1.5 mmを含む。特定の実施形態において、球状ペレットの平均サイズは約1mmである。特定の実施形態において、球状ペレットの平均サイズは、少なくとも約0.2、0.4、0.5、0.6、0.8、1、1.2、1.4、もしくは1.5mmである。
【0148】
特定の実施形態において、本発明の球状ペレットのサイズは、最大で約5%、10%、15%、もしくは20%の範囲内で変動する。言い換えれば、特定の実施形態において、本発明の球状ペレットの直径は、最大で約5%、10%、15%、もしくは20%の範囲内で変動する。サイズの変動幅が狭ければ、球体均一性が十分なペレットが得られることから、識別、安定性、味覚マスキング、放出遅延、または持続的もしくは制御放出用途のために、ペレットを都合よくコーティングすることができる。加えて、サイズの変動幅が狭ければ、このようなペレットに均一な厚さのコーティングを施すことができる。
【0149】
特定の実施形態において、本球状ペレットのサイズ分布は、統計的様式で変動しうる。例えばサイズ分布は、ベル形曲線であってもよく、その際、ペレット数の約90%または約95%が、前述した平均サイズの約10%〜約20%で変動するサイズ範囲内にある。
【0150】
特定の実施形態において、本発明の組成物は、非球状ペレットの形状(すなわち、球状ペレット以外の形状)、例えば、円柱状ペレットであってもよい。特定の実施形態において、円柱状ペレットの高さは、円柱直径とほぼ同じか、その約2〜3倍までのものでよい。特定の実施形態において、平均円柱直径は、約0.1 mm〜約3 mmでよく、約0.1 mmから約3 mmまでのいずれか2つの値により形成されるあらゆる範囲、例えば、約0.5 mm〜約2 mm、または約0.5 mm〜約1.5 mmを含む。特定の実施形態において、この平均円柱直径は、約1 mmである。特定の実施形態において、非球状ペレットの高さは、概ね同じである。
【0151】
本発明のペレットは、低水分である。具体的実施形態では、ペレット中の水分は、乾燥ペレット総重量の約5%、4%、3%、もしくは2%以下である。
【0152】
F.追加成分およびコーティング
本発明の組成物は、随意に、1種以上の製薬上許容される不活性成分(例えば、結合剤、抗酸化剤、および着色剤)を含んでもよい。
【0153】
好適な結合剤として、ヒドロキシアルキルセルロース、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、または水不溶性ポリマー、例えば、アルファ化デンプン(例:Colorcon製のSTARCH 1500(商標))、アクリルポリマーもしくはコポリマー、またはエチルセルロースのようなアルキルセルロースが挙げられる。
【0154】
好適な抗酸化剤として、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ビタミンEまたはアスコルビン酸パルミテートが挙げられる。
【0155】
好適な着色剤としては、あらゆるFD&C顔料、染料またはレーキから選択することができる。
【0156】
特定の実施形態において、これらの他の成分は、乾燥ペレット総重量の最大で約30%、20%、10%、もしくは5%でペレットに含有させてもよい。
【0157】
特定の実施形態において、本発明の組成物は、徐放性バリアコーティングを必要とせずに、活性成分の持続的放出を提供する。換言すれば、活性成分の持続的放出を達成するのに、ペレットのマトリックスだけで十分である。
【0158】
用語「徐放性バリアコーティング」とは、剤形(例えば、球状または非球状ペレット)の活性成分の放出を実質的に遅くする、剤形に施すコーティングを意味する。さらに具体的には、剤形上に徐放性バリアコーティングが存在すると、最初の2時間における活性成分のin vitro溶出速度(本明細書に開示する方法により測定)が少なくとも約50%低下する。
【0159】
製造コストおよびスケールアップの複雑さを低減するためには、コーティングペレットより非コーティング徐放性ペレットの方が好ましい。ペレットの典型的な徐放性バリアコーティングは、水不溶性ポリマー、例えば、エチルセルロースを含み、これは、通常、有機溶媒または専売(proprietary)水性分散剤(例:Colorcon製のSURELEASE(商標))中で使用される。有機コーティング系には、高価な防火または防爆装置および設備ならびに環境保護処置が必要である。専売水性分散系は、一般に高価であり、表面積が大幅に増加するため、ペレットは、錠剤に比べ、重量基準ではるかに多量のコーティングを必要とする。例えば、錠剤の典型的徐放性コーティングの重量は、コーティング錠剤の総重量の約1〜5%であるのに対し、ペレットは、同じ徐放性を達成するのに、(やはり、ペレットの表面積増大により)コーティングペレットの総重量の約20〜50%も必要とする。したがって、専売水性コーティング分散液にかかるコストは、徐放性ペレット製品の製造実現可能性の深刻な制限事項となりうる。さらに、ペレットコーティングは、通常、流動床コーターを用いて実施されるが、これは、錠剤に通常用いられるパンコーターより購入および運転のコストが高い。
【0160】
コーティングペレットより徐放性マトリックスペレットが好ましいもう1つの理由は、用量ダンピングの危険性である。この現象は、コーティングに不要な孔または欠損がある場合に起こり、これらは、製造工程中、または剤形を扱っている際、患者により、またはこれを無意識に噛んでしまうことにより発生しうる。コーティング外皮に小さな孔またはひびがあると、その内部が体液と接触し、活性成分を急激に放出させ、深刻な安全上の問題を引き起こす。
【0161】
特定の実施形態において、本発明の組成物は、徐放性バリアコーティングで被覆されていない。しかし、味覚マスキング、着色層(例えば、識別のための)、または防湿層(例えば、安定性もしくは貯蔵寿命を改善するための)などのその他の機能的コーティングを本発明の徐放性ペレットに施すことができる。非徐放性コーティングが必要と考えられる別の例では、胃または胃腸系の他の部分に対し活性成分が攻撃的になりすぎたり、胃液により分解されやすくなったりする場合がある。このような場合、腸溶性コーティングなどの好適な技術により、例えば、酸性の胃環境では不溶性で、腸内でのみ溶解するポリマー層でペレットをコーティングすることにより、環境因子から活性成分を隔てたままにする必要がある。
【0162】
特定の実施形態では、必要ではなくても、徐放性バリアコーティングを本発明のペレットに施してもよい。徐放性バリアコーティングが存在すれば、ペレット中の活性成分の放出がさらに遅くなる。
【0163】
好適な徐放性コーティング材料として、水不溶性ロウおよびポリマー、例えば、ポリメタクレート(例:EUDRAGIT(商標)ポリマー)または水不溶性セルロース、例えば、アルキルセルロース(例:エチルセルロース)が挙げられる。随意に、ポリビニルピロリドンのような水溶性ポリマー、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくはヒドロキシプロピルセルロースのような水溶性セルロースを含有させてもよい。添加することができる別の成分として、ポリソルベートのような水溶性物質がある。特定の実施形態では、好適な可塑剤を添加してもよい。特定の実施形態では、商品名SURELEASE(商標)(Colorcon)で販売されているコーティング材料(エチルセルロースの分散剤である)を用いて、本発明のペレットにコーティングを形成させてもよい。
【0164】
G.製剤例
別途記載のない限り、このサブセクションに記載する製剤例は、任意の活性成分、特に、前文に具体的に記載した成分の1種以上を含む。加えて、このような製剤例は、ペレットの形態をしており、ペレット上の徐放性バリアコーティングの存在を必要とせずに、活性成分の持続的放出(例えば、標準USPバスケット法により測定される活性成分のin vitro溶出速度:2時間後、最大で約90%の活性成分放出、を有する)を提供する。
【0165】
特定の実施形態において、ペレットの形態をした本発明の組成物は、(a)約5%〜約90%の活性成分;(b)約5%〜約40%のロウ様物質;および(c)約5%〜約40%の球状化剤を含む。
【0166】
特定の実施形態では、ペレットの形態をした本発明の組成物は、(a)約45%〜約85%の活性成分;(b)約5%〜約30%のロウ様物質;および(c)約5%〜約30%の球状化剤を含む。
【0167】
特定の実施形態では、ペレットの形態をした本発明の組成物は、(a)約50%〜約75%の活性成分;(b)約10%〜約30%のロウ様物質;および(c)約5%〜約20%の球状化剤を含む。
【0168】
特定の実施形態では、ペレットの形態をした本発明の組成物は、(a)約60%〜約65%の活性成分;(b)約10%〜約30%のロウ様物質;および(c)約5%〜約20%の球状化剤を含む。特定の実施形態では、本組成物は、(a)約45%〜約85%の鎮痛薬またはその製薬上許容される塩;(b)約5%〜約30%の水素化植物油(例えば、水素化綿実油);(c)約5%〜約20%の微晶質セルロース;および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0169】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約45%〜約85%の栄養補助物質またはその製薬上許容される塩;(b)約5%〜約30%の水素化植物油(例えば、水素化綿実油);(c)約5%〜約20%の微晶質セルロース;および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0170】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約45%〜約85%の抗ウイルス薬またはその製薬上許容される塩;(b)約5%〜約30%の水素化植物油(例えば、水素化綿実油);(c)約5%〜約30%の微晶質セルロース;および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0171】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約45%〜約85%の抗感染薬またはその製薬上許容される塩;(b)約5%〜約30%の水素化植物油(例えば、水素化綿実油);(c)約5%〜約30%の微晶質セルロース;および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0172】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約45%〜約85%の制酸剤;(b)約1%〜約30%の水素化植物油(例えば、水素化綿実油);(c)約5%〜約30%の微晶質セルロース;および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0173】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約45%〜約90%の高用量の薬学的に活性な物質;(b)約5%〜約40%の水素化植物油(例えば、水素化綿実油);(c)約5%〜約40%の微晶質セルロース;および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0174】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約45%〜約85%の昆虫成長調節剤またはその製薬上許容される塩;(b)約5%〜約30%の水素化植物油(例えば、水素化綿実油);(c)約5%〜約30%の微晶質セルロース;および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0175】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約60%〜約65%のトラマドールまたはその製薬上許容される酸付加塩(例えば、トラマドール塩酸塩);(b)約15%〜約30%の水素化植物油(例えば、水素化綿実油);および(c)約5%〜約15%の微晶質セルロースを含む。
【0176】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約60%〜約65%のグルコサミンまたはその製薬上許容される酸付加塩(例えば、グルコサミン塩酸塩);(b)約15%〜約30%の水素化植物油(例えば、水素化綿実油);および(c)約5%〜約15%の微晶質セルロースを含む。
【0177】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約60%〜約65%のアジスロマイシンまたはその製薬上許容される酸付加塩(例えば、アジスロマイシン塩酸塩);(b)約15%〜約30%の水素化植物油(例えば、水素化綿実油);および(c)約5%〜約15%の微晶質セルロースを含む。
【0178】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約60%〜約65%のアシクロビルまたはバラシクロビル;(b)約15%〜約30%の水素化植物油(例えば、水素化綿実油);および(c)約5%〜約15%の微晶質セルロースを含む。
【0179】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約45%〜約85%の3:1、2:1、1:1、1:2、もしくは1:3比の水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの組合せ、(b)約5%〜約20%の水素化植物油(例えば、水素化綿実油)、(c)約5%〜約15%の微晶質セルロース、および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0180】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約40%〜約65%の水酸化アルミニウム、(b)約20%〜約30%の水酸化マグネシウム、(c)約5%〜約15%の水素化植物油(例えば、水素化綿実油)、および(d)約5%〜約15%の微晶質セルロース、および(e)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0181】
特定の実施形態では、本組成物は、(a)約50%〜約75%の三塩基性リン酸ナトリウム;(b)約10%〜約30%の水素化植物油(例えば、水素化綿実油);(c)約5%〜約15%の微晶質セルロース;および(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプンを含む。
【0182】
特定の実施形態において、本発明は、ペレットの形態で、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムの両方を含む本サブセクションに記載した2つの組成物の1つと、三塩基性リン酸ナトリウムを含む本サブセクションに記載の組成物との混合物を提供する。特定の実施形態では、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムの両方を含む組成物と三塩基性リン酸ナトリウムを含む組成物の重量比は約9:1である。
【0183】
II.剤形
別の態様では、本明細書に開示の組成物を含む経口剤形を提供する。
【0184】
用語「経口剤形」は、所望用量の活性成分を達成するように、経口摂取により、所望量の活性成分を集合的に送達するデバイスをいう。典型的には、経口剤形は、経口懸濁液用の粉末、単回用量の小包もしくはサシェット、錠剤、またはカプセル剤である。
【0185】
特定の実施形態において、本発明のペレットは、ビヒクルと混合して、スクリューキャップボトルのような容器にパッケージングしてもよい。投薬の前に、混合物に水または別の液体を加えて振ることにより、「経口懸濁液」を形成する。この経口懸濁液において、活性成分を含むペレットは、(a)ビヒクルに完全に懸濁していてもよいし、(b)ビヒクルに部分的に懸濁し、ビヒクルに部分的に溶解していてもよい。
【0186】
用語「ビヒクル」とは、ペレットの懸濁を促進すると共に、経口懸濁液の味を改善するために、一緒に配合される製薬上許容される成分の混合物を指す。本発明に有用なビヒクルは、懸濁剤、凝結防止剤、増量剤、甘味料、香味剤(flavorant)、着色剤、および/または潤滑剤を含みうる。
【0187】
懸濁剤または増粘剤の例として、キサンタンゴム、デンプン、グアーガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、シリカゲル、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、二酸化チタンなどが挙げられる。
【0188】
凝結防止剤または増量剤の例としては、コロイド状酸化ケイ素およびラクトースなどが挙げられる。
【0189】
当分野で周知の賦形剤を含む他の常用の賦形剤を本発明の組成物に用いてもよい。一般に、顔料、潤滑剤、甘味料、香味剤などの賦形剤を通例の目的のために、組成物の特性に悪影響を及ぼさない典型的量で用いることができる。
【0190】
特定の実施形態において、剤形をボトル、小包、ポーチ、サシェット、もしくはカプセルにパッケージングしてもよい。
【0191】
特定の実施形態では、剤形は、1用量当たり少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10グラムの用量の活性成分を含む。
【0192】
特定の実施形態において、本発明は、剤形が有効量のトラマドール塩酸塩を含むような量で、本明細書に記載のトラマドール塩酸塩ペレットを含む、単位剤形を提供する。特定の実施形態では、このような剤形は、単位当たり約10 mg〜約100 mgのトラマドール塩酸塩、例えば、単位当たり約15 mg〜約75 mgのトラマドール塩酸塩、または単位当たり約25 mg〜約65 mgのトラマドール塩酸塩を含むことができる。
【0193】
特定の実施形態において、本発明は、剤形が有効量のグルコサミン塩酸塩を含むような量で、本明細書に記載のグルコサミン塩酸塩ペレットを含む、単位剤形を提供する。特定の実施形態では、このような剤形は、単位当たり約1,000 mg〜約10,000 mgのグルコサミン塩酸塩、例えば、ヒト患者の場合、単位当たり約1,500 mg〜約2,500 mgのグルコサミン塩酸塩、またはウマ患畜の場合、単位当たり約5,000 mg〜約50,000 mgのグルコサミン塩酸塩を含むことができる。
【0194】
特定の実施形態において、本発明は、剤形が有効量のアジスロマイシンを含むような量で、本明細書に記載のアジスロマイシンまたはその薬学的塩ペレットを含む、単位剤形を提供する。特定の実施形態では、このような剤形は、単位当たり約1,000 mg〜約3,000 mgのアジスロマイシン、例えば、単位当たり約1,500 mg〜約2,500 mgのアジスロマイシン、または単位当たり約2,000 mgのアジスロマイシンを含むことができる。
【0195】
特定の実施形態において、本発明のペレットとビヒクルの混合物は、水と混合して、経口懸濁液を形成することができる。特定の別の実施形態では、水の代わりに、別の液体、例えば、コーヒー、茶、乳汁、および各種ジュースを用いてもよい。特定の実施形態では、混合した水と、他の賦形剤(例えば、界面活性剤、増粘剤、懸濁剤など)との混合物を用いて、経口懸濁液を調製することができる。
【0196】
固液比に応じて、徐放性ペレット剤形はまた、ペースト、スラリーもしくは懸濁液の形態であってもよい。
【0197】
特定の実施形態において、剤形は単回投与のために用いる。本明細書で用いる「単回投与」とは、治療の全コースにおいて1用量の活性成分のみを投与することを意味する。
【0198】
特定の実施形態において、剤形は、それを必要とする患者に経口投与すると、少なくとも約2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、24、36、48、72、96、120、144、または168時間にわたり、患者においてその最小有効濃度以上の活性物質の血漿濃度をもたらす。
【0199】
特定の実施形態では、剤形は、それを必要とする患者に経口投与すると、標準用量で投与した即時放出型製剤の少なくとも約2、3、4、または5倍の時間にわたり、患者においてその最小有効濃度以上の活性物質の血漿濃度をもたらす。
【0200】
特定の実施形態では、剤形は、1日1回もしくは2回、2、3、4、5、6、7日に1回、1、2、3、もしくは4週間に1回、または1治療につき1回以下で、それを必要とする患者に投与するのに好適である。
【0201】
III.組成物の製造方法
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の組成物および剤形を製造する方法を提供する。
【0202】
例えば、一態様において、本発明は、(i)活性成分;(ii)ロウ様物質;および(iii)球状化剤を含む球状または非球状ペレットを製造する方法であって、(a)活性成分、ロウ様物質、球状化剤、および液体の混合物を調製するステップ;(b)上記混合物を押出加工して、押出物を取得するステップ;(c)上記押出物を球状化して、球状ペレットを形成するか、または上記押出物を破砕(fragmentating)して、非球状ペレットを形成するステップ;(d)上記球状ペレットを乾燥させるステップ;および(e)上記乾燥ペレットを上記ロウ様物質の融点より高い温度に加熱するステップを含む、上記方法を提供する。
【0203】
特定の実施形態では、本発明の徐放性球状ペレットを製造する方法が提供され、この方法は、以下のステップを含む:
(i)活性成分、ロウ様徐放性物質、球状化剤、および他の任意の成分を含む乾燥粉末成分と、液体とを混合して、均質かつ均一な湿潤塊を形成するステップ、
(ii)この湿潤塊を円柱状の「スパゲッティー様」ストランド(「押出物」)に押出加工するステップ、
(iii)上記押出物を球状化するステップ、その際、上記ストランドを短い円柱に破砕し、これらを球状にロール成形する、
(iv)これら球体を乾燥させるステップ、ならびに、
(v)乾燥球体をロウ様徐放性物質の融点より高い温度に加熱するステップ。
【0204】
特定の関連する実施形態では、本発明の徐放性球状ペレットを製造する方法は、前記ステップ(v)を除く、前記ステップ(i)〜(iv)を含む。
【0205】
特定の実施形態では、球状ペレットは、活性成分、ロウ様物質、球状化剤、および他の任意の成分からなる乾燥ブレンドに水を添加し、このようにして形成された湿潤塊を小オリフィス(典型的には、約1 mm)を通して押出加工することにより製造することができる。次に、押出材料を球状化装置内に配置し、そこで材料を高速でスピンさせる。このステップで、押出物は破砕し、丸みを帯びてペレットとなり、その粒度は押出オリフィスの寸法によって決定される。
【0206】
後の球状化に適した押出物を製造するために、湿潤塊は、塑性変形を受け、円柱状の押出物としてオリフィスを通過するのに適切な凝集性および可塑性を有する必要がある。さらに、続く球状化工程では、押出物が短い長さに破砕するほど十分に脆く、しかも、この短い長さが球状に成形されるよう十分に可塑性であると同時に、球状が凝集して粒度が大きくなりすぎる、または、球状化装置のスピンプレートに粘着するほどに湿潤または粘着質ではないことが要求される。
【0207】
ロウ様物質と球状化剤の比、ならびに湿潤押出物の水分を調節して、球状化に適した湿潤押出物を製造することができる。特定の実施形態では、ロウ様物質と球状化剤の比は、重量比で約3:1〜約1:14の範囲(約3:1から約1:14までのいずれか2つの値により形成されるあらゆる範囲を含む)にあり、湿潤押出物の水分は、湿潤塊の重量に基づき、約30%〜約90%の範囲(約30%から約90%までのいずれか2つの値により形成されるあらゆる範囲を含む)にある。
【0208】
特定の実施形態では、湿潤塊は、有機溶媒または水とのその混合物を用いて製造する。有機溶媒は、球状化可能な湿潤塊を形成することができる能力、毒性を低いままにする能力、および、乾燥ステップにより低残留レベルまで除去される能力に基づいて選択する。安全な溶媒を選択するために、米国FDA「Guidance for Industry, Q3C Impurities: Residual Solvents」に記載されているクラス2およびクラス3溶媒を参照することができる、このような溶媒の例として以下のものが挙げられる:
クラス2溶媒
【表2】


【0209】
クラス3溶媒
【表3】

【0210】
特定の実施形態では、プロピレングリコールと水、エタノールと水、イソプロパノールと水の各混合物を用いて、湿潤塊を調製する。
【0211】
特定の実施形態において、ロウ様物質の含量は、乾燥ペレット(すなわち、ステップ(i)〜(v)の実施、または、ステップ(v)を実施しない場合、ステップ(i)〜(iv)の実施により製造されるペレット)の重量の約5%〜約50%の範囲内でよい。特定の実施形態では、ロウ様物質は、乾燥ペレットの重量の最大で約30%または25%である。特定の実施形態では、ロウ様物質は、乾燥ペレットの重量の約20%である。
【0212】
ロウ様徐放性物質がペレット形態の活性成分の持続的放出を可能にするために、ロウ様徐放性物質の融点より高い温度で、ペレットを乾燥および加熱する必要がある。本発明は、流動床プロセッサーを用いて、ペレットを約40℃(熱気温度)で乾燥することにより水の大部分量を除去し(「第1段階乾燥」)、ロウ様物質の融点より約15〜20℃高い温度(例えば、熱気温度75℃)で乾燥ペレットを加熱することにより、強束縛水を除去すると共に、所望の徐放性をペレットに賦与する(「第2段階乾燥」)ことができる。
【0213】
乾燥/加熱工程を2つの連続したステップで実施してもよく、その際、第1段階乾燥は、主として水を除去し、かつ第2段階乾燥でさらに徹底した加熱ができるように十分にペレットを硬化させる。乾燥を目的とする場合には、通常、より低い温度(ロウ様物質の融点より低い約40℃)で十分であり、活性成分の安定性のために好ましい。第1段階の乾燥時間は、バッチの寸法および乾燥機の効率に応じて10分から数時間まで変動しうる。第1段階の乾燥の終点は、第1段階乾燥後、水分が、ペレットの総重量に対して約5%〜約10%未満となる時点である。
【0214】
第2段階乾燥では、得られたペレットの総重量に対し約2%未満までペレットの水分を下げる。特定の実施形態では、第2段階乾燥は、ロウ様物質の融点より約15℃〜約20℃高い温度で実施することにより、強束縛水を除去する。第2段階の乾燥時間は、バッチの寸法および乾燥機の効率に応じて15分から数時間まで変動しうる。ペレットの変形もしくは凝集、またはペレット中の活性成分もしくは他の成分の熱分解を引き起こさない限り、上記より高い温度を使用してもよい。得られたペレットの総重量に対し約2%未満まで水分を下げることに加えて、第2段階乾燥の終点は、ペレットが目標とする徐放性プロフィールを達成するためのものでもある。
【0215】
特定の理論に拘束されるわけではないが、第2段階乾燥(熱アニーリング処理に類似している)によって、ペレット中のロウ様徐放性物質の部分的融解が起こるため、ペレットの顕著な変形または凝集を一切起こすことなく、ロウ様物質のマトリックス中への活性成分のより緊密な組込みおよび埋込みが可能になると考えられる。ロウ様徐放性物質の融解および凝固はまた、水の除去に起因するペレット中の孔を密閉する働きがあり、これによってペレットの表面積を縮小することができる。本明細書に記載する同じ方法であるが、第2段階乾燥を省いて調製したペレットは、顕著に早い薬物放出を呈示した(実施例17参照)。
【0216】
特定の実施形態では、乾燥工程は、1つの連続的ステップであり、その際、温度は、概ね室温から、ロウ様徐放性物質の融点より約15℃〜約20℃高い温度まで時間指定プログラムで上昇させる。
【0217】
特定の実施形態では、ペレットの乾燥および加熱は、流動床プロセス、対流または電子オーブンで実施してよい。
【0218】
他の実施形態では、本発明の徐放性非球状ペレットを製造する方法が提供され、この方法は、以下のステップを含む:
(i)活性成分、ロウ様徐放性物質、球状化剤、および他の任意の成分を含む乾燥粉末成分と、液体とを混合して、均質かつ均一な湿潤塊を形成するステップ、
(ii)この湿潤塊を円柱状の「スパゲッティー様」ストランド(「押出物」)に押出加工するステップ、
(iii)上記押出物を長さの短い円柱状ペレットに破砕(fragmenting)するステップ、
(iv)ペレットを乾燥させるステップ、ならびに、
(v)乾燥ペレットをロウ様徐放性物質の融点より高い温度に加熱するステップ。
【0219】
特定の関連する実施形態では、本発明の徐放性非球状ペレットを製造する方法は、前記ステップ(v)を除く、前記ステップ(i)〜(iv)を含む。
【0220】
非球状ペレットを製造する前記ステップ(i)、(ii)、(iv)および(v)は、球状ペレットを製造する既述のステップと同様に実施することができる。
【0221】
ステップ(iii)に関して、特定の実施形態では、ワイヤミキシングヘッド(例えば、「卵泡立て器」)またはカッターを備えた遊星形ミキサー(例えば、Hobartミキサー)を用いて、湿潤押出物を円柱状ペレットに破砕してしてもよく、その際、ペレットの高さは、円柱の直径とほぼ同じものから、その約2〜3倍まで変動しうる。
【0222】
IV.組成物および剤形を用いる方法
一態様では、本発明は、本明細書に記載の医薬組成物および剤形を用いる方法を提供する。このような医薬組成物は、組成物中の薬学的に活性な物質が治療または予防に適している疾患もしくは障害を治療または予防する(すなわち、その危険性を低減する)ために用いることができる。
【0223】
このような疾患または障害として、限定するものではないが、疼痛、関節衰弱、細菌もしくはウイルス感染、脂質障害、糖尿病、ビタミンもしくはミネラル欠乏、胃腸の潰瘍もしくはその他の障害、喘息、ならびに寄生虫寄生などが挙げられる。
【0224】
特定の実施形態において、本発明は、疼痛を軽減する方法であって、それを必要とする患者に対し、有効量の鎮痛薬またはその製薬上許容される塩を含む本明細書に記載の医薬組成物または剤形を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0225】
特定の実施形態では、本発明は、疼痛を軽減する方法であって、それを必要とする患者に対し、有効量のトラマドール、トラマドールHCl、もしくは他の製薬上許容される塩を含む本明細書に記載の医薬組成物または剤形を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0226】
特定の実施形態では、本発明は、関節の不快感を軽減する、または関節の柔軟性を高める方法であって、それを必要とする患者に対し、有効量のグルコサミン、グルコサミン硫酸塩、グルコサミンHCl、もしくは他の製薬上許容される塩を含む本明細書に記載の医薬組成物または剤形を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0227】
特定の実施形態では、本発明は、関節の不快感を軽減する、または関節の柔軟性を高める方法であって、それを必要とする患者に対し、有効量のグルコサミンHClおよびコドロイチン硫酸を含む本明細書に記載の医薬組成物または剤形を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0228】
特定の実施形態において、本発明は、疼痛もしくは熱を軽減する方法であって、それを必要とする患者に対し、有効量のアセトアミノフェンを含む本明細書に記載の医薬組成物または剤形を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0229】
特定の実施形態において、本発明は、発作を治療または予防(すなわち、その危険性を低減)する、または神経障害痛を軽減する方法であって、それを必要とする患者に対し、有効量のガバペンチンを含む本明細書に記載の医薬組成物または剤形を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0230】
特定の実施形態において、本発明は、血糖レベルを降下する方法であって、それを必要とする患者に対し、有効量のメトホルミン塩酸塩を含む本明細書に記載の医薬組成物または剤形を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0231】
特定の実施形態において、本発明は、栄養欠乏を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に対し、有効量の栄養補助物質を含む本明細書に記載の医薬組成物または剤形を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0232】
特定の実施形態において、本発明は、ウイルス感染を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に対し、有効量の抗ウイルス薬を含む本明細書に記載の医薬組成物または剤形を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0233】
特定の実施形態において、本発明は、細菌感染を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に対し、有効量の抗感染薬またはその薬学的に有効な塩を含む本明細書に記載の医薬組成物または剤形を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0234】
特定の実施形態において、本発明は、細菌感染を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に対し、有効量の抗生物質を含む本明細書に記載の医薬組成物または剤形を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0235】
特定の実施形態において、本発明は、胃腸の潰瘍もしくは障害を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に対し、有効量の制酸剤を含む本明細書に記載の医薬組成物または剤形を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0236】
特定の実施形態において、胃腸の潰瘍もしくは障害を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に対し、本明細書に記載の水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムを含む組成物と、本明細書に記載の三塩基性リン酸ナトリウムを含む組成物との混合物を経口投与することを含む、上記方法が提供される。特定の実施形態において、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムと、三塩基性リン酸ナトリウムの総重量比は、約9:1である。特定の実施形態において、本発明は、寄生虫および/または害虫寄生を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に対し、有効量の昆虫成長調節剤を含む本明細書に記載の医薬組成物または剤形を経口投与することを含む、上記方法を提供する。
【0237】
疾患もしくは障害の治療または予防を必要とする患者には、ヒト患者(例えば、成人ヒト患者)および非ヒト患者(例えば、イヌ、ネコ、ウマ、およびその他のペットもしくは飼育動物)の両方が含まれる。
【0238】
「有効量」とは、疾患もしくは障害を治療または予防するのに有効である、薬学的に活性な物質の量を意味する。このような量は、当分野で公知の適切な方法により決定することができる。例えば、本発明の医薬組成物における1種または複数の鎮痛薬(トラマドールおよびアセトアミノフェンなど)の十分な量は、鎮痛薬を測定する各種方法、例えば、米国特許出願公開番号20050089558号、Collierら、Br. J. Pharmacol. 32: 295, 1968;D'Amourら、J. Pharmacol. Exp. Ther. 72: 74, 1941;およびHargreavesら、Pain 32: 77, 1988に記載の方法を用いて決定することができる。
【0239】
特定の実施形態では、投与前に、医薬組成物または剤形を食物または動物飼料と混合してもよい。
【0240】
以下に実施例を記載するが、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
【実施例】
【0241】
実施例1
グルコサミン塩酸塩の徐放性球状ペレットの調製
325 gのグルコサミン塩酸塩(Pharmore製)、100 gの水素化綿実油、NF(STEROTEX(登録商標)、Abitec Corp.製)、45 gの微晶質セルロース、NF(AVICEL(登録商標)、FMC Biopolymers製)、および30 gのアルファ化デンプン(STARCH 1500(登録商標)、Colorcon Corp. 製)からなる乾燥ブレンドを、遊星形ミキサー(Hobart)を用いて、約155 gの脱イオン水と一緒に湿潤塊にした後、ドーム・ダイ・スクリーンを備えたFuji Paudal Multi-GranモデルMG-55押出機を用いて、小オリフィス(1.2 mm)を通して押出加工した。押出された材料(押出物)を球状化装置(Fuji Paudal Marumerizer QJ-230T-1)内に配置し、そこで、材料を1,000 RPMで約1〜10分スピンさせた。このステップ中に、押出物は破砕し、丸みを帯びてペレットになったが、そのサイズは、押出オリフィスの寸法によって決定される。押出物は容易に破砕して、均質なサイズの丸いペレットが製造され、球状化装置内に粘着は観察されなかった。湿潤球状ペレットを室温の開放空間に約16時間放置し、流動床乾燥機(Lablineモデル23850)内に移して、40℃で15時間乾燥させた後、75℃で15分加熱した。乾燥ペレットを12-メッシュ篩で篩い分けて大きな粒子を除去し、次に32-メッシュ篩で篩い分けて微小粒子を除去した。直径0.5 mm〜1.8 mmのサイズの粒子を回収した。この方法により、96.6%乾燥ペレットを取得した。このペレットは、球体の形状をしており、水分0.46% w/wであった。
【0242】
得られた球状グルコサミンペレットを約84ミリグラムずつ計り分け、50 mL容量のフラスコに移し、これに模擬胃液(USP、酵素は含まない)を50 mL容量の標線まで添加した。内容物をよく混合し、音波処理浴で音波処理することにより、ペレットからグルコサミンを抽出した。上清を除去し、以下の条件下でHPLCに注入した:
カラム: Hamilton RCX-10、M 250 x 4.6 mm
移動相: 水中に10 mM NaOH
流量: 1.2 mL/分
カラム温度:30℃
検出波長: 215 nm
前記のように調製したペレットにおけるグルコサミン塩酸塩の含量は、62.2% w/wであると決定された。
【0243】
[実施例2]
グルコサミン塩酸塩の徐放性非球状(円柱状)ペレットの調製
3,250 gのグルコサミン塩酸塩(Pharmore製)、1,000 gの水素化綿実油、NF(STEROTEX(登録商標)、Abitec Corp. 製)、450 gの微晶質セルロース、NF(AVICEL(登録商標)、FMC Biopolymers製)、および300 gのアルファ化デンプン(STARCH 1500(登録商標)、Colorcon Corp. 製)からなる乾燥ブレンドを、遊星形ミキサー(Hobart)を用いて、約1,500 gの脱イオン水と一緒に湿潤塊にした後、ドーム・ダイ・スクリーンを備えたFuji Paudal Multi-GranモデルMG-55押出機を用いて、小オリフィス(1.2 mm)を通して押出加工した。押出された材料(押出物)を6-クォートミキサー(卵攪拌装置を備えたKichenAidミキサー)内に配置し、そこで、材料を1,000 RPMで約1〜2分スピンさせた。このステップ中に、押出物は破砕して小さな円柱状ペレット(非球状)になり、円柱体の高さは、押出物の直径に近いものであった。押出物は容易に破砕して、かなり均一なサイズの円柱状ペレットが得られ、球状化装置内に粘着は観察されなかった。湿潤球状ペレットを室温の開放空間に約16時間放置し、流動床乾燥機(Lablineモデル23850)内に移して、40℃で15時間乾燥させた後、75℃で15分加熱した。乾燥ペレットを12-メッシュ篩で篩い分けて大きな粒子を除去し、次に32-メッシュ篩で篩い分けて微小粒子を除去した。直径0.5 mm〜1.8 mmのサイズの粒子を回収した。この方法により、97.2%乾燥ペレットを取得した。
【0244】
こうして得られた非球状ペレットは、円柱状の形状をしており、水分0.41% w/wおよびグルコサミン塩酸塩含量65.7% w/wであった。ウマが自発的に消費するように、ペレットを0.1%糖蜜フレーバーと混合した。
【0245】
[実施例3]
溶出速度
以下の条件を用いて、標準USPバスケット法(装置タイプ1)に従い、実施例1の調製物のin vitro溶出速度を測定した:
サンプルサイズ: 1バスケット当たり1 gのペレット
速度: 50 RPM
媒質: USPに従う模擬胃液SGF(酵素は含まない)
量:1 容器当たり500 mL
温度: 37℃
濃度分析: HPLC
球状および非球状ペレットからの代表的溶出プロフィールを図1に示すが、一般的なプロフィールについては、以下のように記述することができる:
1時間後、活性成分の約40%が放出され、
2時間後、活性成分の約50%が放出され、
4時間後、活性成分の約60%が放出され、
8時間後、活性成分の約70%が放出され、
12時間後、活性成分の約80%が放出され、
18時間後、活性成分の約90%が放出され、
24時間後、活性成分の約100%が放出される。
【0246】
同じ方法を用いて、他の市販のグルコサミン多粒子製剤も試験されており、その結果を図2に示す。実施例1に従い調製したペレットは24時間であったのに対し、市販の製剤の場合、約3時間以下で放出が完了(100%放出)した。
【0247】
[実施例4]
ペレットにおける活性成分の安定性
実施例2に従って調製したグルコサミンペレットを密閉容器内に配置し、25℃/60%RHで2ヶ月間保存した。実施例2および3に記載の方法を用いて、活性成分の含量および溶出速度についてペレットを試験した。活性成分含量の結果を以下の表に示し、溶出プロフィールを図3に示す。これらの結果は、少なくとも2ヶ月間、グルコサミンがペレット中で安定であることを示す。
【表4】

【0248】
[実施例5]
グルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸、アスコルビン酸、および硫酸マグネシウムを含む徐放性球状ペレットの調製
50 gのグルコサミン塩酸塩(Pharmore製)、4.7 gのコンドロイチン硫酸(Maypro製)、1 gのアスコルビン酸カルシウム(Zila製)および0.3 gの硫酸マグネシウム(Prince Agri製)、0.1 gの糖蜜風味パウダー(Gold Coast製)、20 gの水素化綿実油、NF(STEROTEX(登録商標)、Abitec Corp. 製)、ならびに24 gの微晶質セルロース、NF(AVICEL(登録商標)、FMC Biopolymers製)からなる乾燥ブレンドを、遊星形ミキサー(KitchenAid)を用いて、約30 gの脱イオン水と一緒に湿潤塊にした後、ドーム・ダイ・スクリーンを備えたFuji Paudal Multi-GranモデルMG-55押出機を用いて、小オリフィス(1.2 mm)を通して押出加工した。押出された材料(押出物)を球状化装置(Fuji Paudal Marumerizer QJ-230T-1)内に配置し、そこで、材料を1,500 RPMで約1〜2分スピンさせた。このステップ中に、押出物は破砕し、丸みを帯びてペレットになったが、そのサイズは、押出オリフィスの寸法によって決定される。押出物は容易に破砕して、均質サイズの丸いペレットが得られ、球状化装置内に粘着は観察されなかった。湿潤球状ペレットを室温の開放空間に約3時間放置し、流動床乾燥機(Lablineモデル23850)内に移して、40℃で10時間乾燥させた後、75℃で10分加熱した。このように調製した球状ペレットは、球体の形状をしており、水分0.46% w/wであった。グルコサミンのin vitro溶出プロフィールを図4に示す。
【0249】
[実施例6]
トラマドール塩酸塩球状ペレットの調製
高水溶性のトラマドール塩酸塩を含む1シリーズの球状ペレットを、以下の組成物を含むように調製した:
【表5】

【0250】
最初にトラマドールHClを陽イオン交換樹脂(Amberlite IRP69、Rohm Haas製)と混合し、この混合物を脱イオン水中に懸濁させ、混合して、トラマドールと樹脂を結合させた。実施例1に記載の方法に従い、この懸濁液を微晶質セルロースおよび水素化綿実油と一緒に湿潤塊にし、押出加工、球状化、乾燥、および加熱した。
【0251】
in vitro溶出プロフィールを図5に示す。本発明に従い調製した球状ペレット(F-8、F-9、F-10およびF-11)は、24時間を越える持続的放出が観察され、長時間にわたる徐放性を呈示した。これに対し、水素化綿実油を用いずに調製したペレット(F-11、F-12、F-13、F-15およびF-16)は約4時間でトラマドールを放出し、1日1回投薬には不適であると考えられる。この試験は、本発明の徐放性ペレット製造法および製剤を用いて、トラマドールの1日1回投薬用製剤を提供できる可能性を示している。さらに、前記試験から、このような徐放性ペレット製剤にはロウ様物質が必要であることもわかる。
【0252】
[実施例7]
アジスロマイシン徐放性球状ペレットの調製
実施例1に記載の方法に従い、100 gのアジスロマイシン、USP(Polymed製)、50 gの水素化綿実油、NF(STEROTEX(登録商標)、Abitec Corp. 製)、28 gの微晶質セルロース、NF(AVICEL(登録商標)、FMC Biopolymers製)、0.04 gのBHAおよび22 gのアルファ化デンプン(STARCH 1500(登録商標)、Colorcon Corp. 製)からなる乾燥ブレンドを湿潤塊にし、押出加工、球状化、乾燥、および加熱した。
【0253】
このように調製したペレットは、球体の形状をしており、水分0.5% w/w、アジスロマイシン含量52.3% w/wであった。
【0254】
[実施例8]
経口懸濁液用アジスロマイシン球状ペレットの調製
946 gのスクロース、NF、3.2 gのヒドロキシプロピルセルロース、NF、3.3 gのキサンタンゴム、NF、9.8 gのコロイド状二酸化ケイ素、NF、19.5 gの二酸化チタン、USP、6.9 gのチェリー風味パウダー、および 11.3 gのバナナ風味パウダーを混合することにより、ビヒクルを調製した。
【0255】
実施例7に従い調製したアジスロマイシンペレット4 g(2 gのアジスロマイシンを含有)を100 mLプラスチックボトル中で20 gの上記ビヒクルと混合して、経口懸濁液用の粉末ブレンド製剤を準備した。この粉末ブレンドは、60 mLの水の添加後、手で振ると、均質懸濁液を形成する。こうして形成された懸濁液は、好ましい味および口当たりをもたらすため、飲み込みやすい。
【0256】
このように調製した粉末ブレンドをin vitro溶出について試験し、米国特許第6,984,403号に記載の方法を用いて、市販の徐放性懸濁剤製品(ZMAX(商標)、Pfizer製の経口懸濁液用アジスロマイシン長期間放出剤)と比較した。経口懸濁液用のZMAX(商標)(アジスロマイシン長期間放出剤)は、単回用量の液体抗生物質であり、急性細菌性副鼻腔炎(ABS)および市中肺炎(CAP)を含む軽度から中度の特定タイプの細菌感染を治療するのに用いられる。ZMAX(商標)は、単回の高用量で治療の全コースを提供する(すなわち、患者は、ただ1用量を1回服用する)。
【0257】
本実施例の粉末ブレンドとZMAX(商標)のin vitro溶出の比較結果を図6に示す。これらの結果は、本発明に従い調製した徐放性ペレットは、非常に異なる組成物および方法を用いて調製された他の長期間放出懸濁剤、例えば、ZMAX(商標)と比較して、延長された放出プロフィールを提供することができることを示す。また、本実施例に記載の球状ペレットを含む粉末ブレンドの形態で高用量(2 g以上)を容易に投薬できることも示される。
【0258】
[実施例9]
経口懸濁液用アジスロマイシン球状ペレットの安定性
実施例7および8の経口懸濁液用球状ペレット中のアジスロマイシンの安定性について、外観、pH、水分、薬物含量および純度、ならびにアジスロマイシンのin vitro溶出を測定することにより評価した。ペレットを高密度ポリエチレンボトル中でビヒクル(実施例8に記載の通り)と一緒にパッケージングし、これらのボトルを25℃/60%RHおよび40℃/75%RH安定室内で保存した。
【0259】
以下の条件下でHPLC法を用いて、経口懸濁液用アジスロマイシン球状ペレット中の薬物含量を測定した:
カラム: 直径4.6 mmおよび長さ100 mmの5ミクロン逆相C-18カラム
移動相A: 水中に0.05%トリフルオロ酢酸
移動相B: アセトニトリル中に0.05%トリフルオロ酢酸
カラム温度: 40℃
流速: 0.7 mL/分
検出: 205 nm
以下の表に安定性試験結果を示す。これらの結果から、本発明に従い調製した経口懸濁液用アジスロマイシン球状ペレットは、少なくとも12ヶ月間安定であることが示された。
【表6】

【0260】
[実施例10]
バラシクロビル徐放性球状ペレットの調製
実施例1に記載の方法に従い、100 gのバラシクロビル、50 gの水素化綿実油、NF(STEROTEX(登録商標)、Abitec Corp.製)、28 gの微晶質セルロース、NF(AVICEL(登録商標)、FMC Biopolymers製)、0.04 gのBHAおよび22 gのアルファ化デンプン(STARCH 1500(登録商標)、Colorcon Corp. 製)からなる乾燥ブレンドを水−プロピレングリコール混合物(60:40 = v:v)と一緒に湿潤塊にし、押出加工、球状化、乾燥、および加熱して、乾燥球状ペレットを形成する。あるいは、実施例2に記載の方法に従い、上記乾燥ブレンドを湿潤塊にし、押出加工、破砕、乾燥、および加熱して、乾燥非球状ペレットを形成する。このようにして調製したペレットを、実施例8に記載のものと同様のビヒクルとさらに混合し、経口懸濁液用粉末ブレンドを取得することができる。このような懸濁液は、単回投与レジメン、すなわち、1治療につき1投与(1 g以上のバラシクロビル)により、ウイルス感染の治療または予防に用いることができる。
【0261】
[実施例11]
制酸剤徐放性球状ペレットの調製
実施例1に記載の方法に従い、853.3 gの水酸化アルミニウム、USP、426.7 gの水酸化マグネシウム、80 gの水素化綿実油、NF(STEROTEX(登録商標)、Abitec Corp.製)、144 gの微晶質セルロース、NF(AVICEL(登録商標)、FMC Biopolymers製)、および96 gのアルファ化デンプン(STARCH 1500(登録商標)、Colorcon Corp製)からなる乾燥ブレンドを湿潤塊にし、押出加工、球状化、乾燥、および加熱して、乾燥球状ペレットを形成した。このようにして調製したペレットは、球体の形状をしており、水分2.6% w/wであった。
【0262】
実施例1に記載の方法に従い、65 gの三塩基性リン酸ナトリウム、20 gの水素化綿実油、NF(STEROTEX(登録商標)、Abitec Corp.製)、9 gの微晶質セルロース、NF(AVICEL(登録商標)、FMC Biopolymers製)、および6 gのアルファ化デンプン(STARCH 1500(登録商標)、Colorcon Corp製)からなる別の乾燥ブレンドを湿潤塊にし、押出加工、球状化、乾燥、および加熱して、乾燥球状ペレットを形成した。このようにして調製したペレットは、球体の形状をしていた。
【0263】
水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムを含む乾燥球状ペレット9重量部と、三塩基性リン酸ナトリウムを含む乾燥球状ペレット1重量部とを十分に混合することにより、ペレットの混合物を調製し、ウマにおいてこの混合物を制酸活性について試験した。
【0264】
[実施例12]
ビタミン−ミネラル徐放性球状ペレットの調製
実施例1に記載の方法に従い、100 gのビタミン(例えば、ビタミンA、B、C、D、およびE)、ミネラル(例えば、カルシウム、鉄および亜鉛)、もしくはこれらの混合物、50 gの水素化綿実油、NF(STEROTEX(登録商標)、Abitec Corp.製)、28 gの微晶質セルロース、NF(AVICEL(登録商標)、FMC Biopolymers製)、0.04 gのBHAおよび22 gのアルファ化デンプン(STARCH 1500(登録商標)、Colorcon Corp.製)からなる乾燥ブレンドを湿潤塊にし、押出加工、球状化、乾燥、および加熱して、乾燥球状ペレットを形成する。あるいは、実施例2に記載の方法に従い、上記乾燥ブレンドを湿潤塊にし、押出加工、破砕、乾燥、および加熱して、乾燥非球状ペレットを形成する。こうして調製したペレットを、糖蜜粉末のような着香剤、または実施例8に記載のものと同様のビヒクルと混合し、経口懸濁液用粉末ブレンドを取得することができる。上記粉末ブレンドは、ウマなどの動物に供給して自発的に消費させることもできるし、経口懸濁液としてヒト患者に提供することもできる。このような懸濁液を用いて、単回投与レジメン、すなわち、1日当たり1投与(1 g以上のビタミン、ミネラルもしくはこれらの混合物)により、このような補給を必要とするヒトまたは動物被験体にビタミンおよびミネラルの持続的供給を行なうことができる。
【0265】
[実施例13]
ウルソジオール徐放性球状ペレットの調製
実施例1に記載の方法に従い、100 gのウルソジオール、50 gの水素化綿実油、NF(STEROTEX(登録商標)、Abitec Corp.製)、28 gの微晶質セルロース、NF(AVICEL(登録商標)、FMC Biopolymers製)、0.04 gのBHA、および22 gのアルファ化デンプン(STARCH 1500(登録商標)、Colorcon Corp.製)からなる乾燥ブレンドを湿潤塊にし、押出加工、球状化、乾燥、および加熱して、乾燥球状ペレットを形成する。あるいは、実施例2に記載の方法に従い、上記乾燥ブレンドを湿潤塊にし、押出加工、破砕、乾燥、および加熱して、乾燥非球状ペレットを形成する。こうして調製したペレットを、糖蜜粉末のような着香剤、または実施例8に記載のものと同様のビヒクルと混合し、経口懸濁液用粉末ブレンドを取得することができる。上記粉末ブレンドは、経口懸濁液としてヒト患者に投与することができる。このような懸濁液は、患者において胆石を溶解することを意図するものであり、単回投与レジメン、すなわち、1日当たり1投与(1 g以上のウルソジオール)により、原発性胆汁性肝硬変、およびその他の胆汁うっ滞性疾患(脂肪肝など)の治療に用いられる。
【0266】
[実施例14]
メトホルミン徐放性球状ペレットの調製
実施例1に記載の方法に従い、100 gのメトホルミンもしくはその薬学的塩を単独で、またはスルホニル尿素クラス(例:グリブリド)、チアゾリジンジオンクラス(例:ロシグリタゾン、ピオグリタゾン)、もしくはDPP-4阻害薬(例:ジャヌビア(Januvia))から選択される別の抗糖尿病薬と組み合わせた、50 gの水素化綿実油、NF(STEROTEX(登録商標)、Abitec Corp.製)、28 gの微晶質セルロース、NF(AVICEL(登録商標)、FMC Biopolymers製)、0.04 gのBHA、および22 gのアルファ化デンプン(STARCH 1500(登録商標)、Colorcon Corp.製)からなる乾燥ブレンドを湿潤塊にし、押出加工、球状化、乾燥、および加熱して、乾燥球状ペレットを形成する。あるいは、実施例2に記載の方法に従い、上記乾燥ブレンドを湿潤塊にし、押出加工、破砕、乾燥、および加熱して、乾燥非球状ペレットを形成する。こうして調製したペレットを、糖蜜粉末のような着香剤、または実施例8に記載のものと同様のビヒクルと混合して、経口懸濁液用粉末ブレンドを取得することができる。この粉末ブレンドは、経口懸濁液としてヒト患者に投与することができる。このような懸濁液は、単回投与レジメン、すなわち、1日当たり1投与(1 g以上の活性薬物を含む)により、糖尿病の治療に用いることができる。
【0267】
[実施例15]
ポリエンホスファチジルコリン徐放性球状ペレットの調製
実施例1に記載の方法に従い、100 gのポリエンホスファチジルコリン、50 gの水素化綿実油、NF(STEROTEX(登録商標)、Abitec Corp.製)、28 gの微晶質セルロース、NF(AVICEL(登録商標)、FMC Biopolymers製)、0.04 gのBHA、および22 gのアルファ化デンプン(STARCH 1500(登録商標)、Colorcon Corp製)からなる乾燥ブレンドを湿潤塊にし、押出加工、球状化、乾燥、および加熱して、乾燥球状ペレットを形成する。あるいは、実施例2に記載の方法に従い、上記乾燥ブレンドを湿潤塊にし、押出、破砕、乾燥、および加熱して、乾燥非球状ペレットを形成する。こうして調製したペレットは、徐放様式で活性物質を放出することができ、これを糖蜜粉末のような着香剤、または実施例8に記載のものと同様のビヒクルと混合して、経口懸濁液用粉末ブレンドを取得することができる。この粉末ブレンドは、経口懸濁液としてヒト患者に投与することができる。このような懸濁液は、単回投与レジメン、すなわち、1日当たり1投与(1 g以上の活性薬物)により、上昇した肝酵素レベルを降下させる目的で、肝脂肪症またはその他の肝障害を治療するために、用いることができる。
【0268】
[実施例16]
ガバペンチン徐放性球状ペレットの調製
実施例1に記載の方法に従い、100 gのガバペンチン、50 gの水素化綿実油、NF(STEROTEX(登録商標)、Abitec Corp.製)、28 gの微晶質セルロース、NF(AVICEL(登録商標)、FMC Biopolymers製)、0.04 gのBHA、および22 gのアルファ化デンプン(STARCH 1500(登録商標)、Colorcon Corp.製)からなる乾燥ブレンドを湿潤塊にし、押出加工、球状化、乾燥、および加熱して、乾燥球状ペレットを形成する。あるいは、実施例2に記載の方法に従い、上記乾燥ブレンドを湿潤塊にし、押出加工、破砕、乾燥、および加熱して、乾燥非球状ペレットを形成する。このペレットを糖蜜粉末のような着香剤、または実施例8に記載のものと同様のビヒクルと混合して、経口懸濁液用粉末ブレンドを取得することができる。この粉末ブレンドは、経口懸濁液としてヒト患者に投与することができる。このような懸濁液は、単回投与レジメン、すなわち、1日当たり1投与(1 g以上の活性薬物)により、発作または他の神経障害の治療を意図するものである。
【0269】
[実施例17]
様々な加熱条件により処理したグルコサミンペレットのin vitro溶出の比較
標準UPS溶出装置I(バスケット)を用いて、本発明に従い調製したペレットについて、in vitro溶出試験を実施した。この方法の詳細を以下に示す:
装置: UPS溶出装置I(バスケット)
媒質: UPS模擬胃液(酵素を含まない)
媒質量: 500 mL
温度: 37℃
攪拌: 50 RPM
サンプル量: 1 mL(新鮮な媒質の補充なし)
各サンプルを10ミクロンフィルターでろ過してから、HPLCバイアルに充填した。典型的なサンプリング時間:0.5、1、2、4、8、16および24時間。
【0270】
24時間後、機械的ミキサーを用いて、残留ペレット塊(軟質ジェル様)を媒質中でホモジナイズして、均質分散液を形成した後、これを10ミクロンフィルターでろ過してから、「100%放出」サンプルとしてHPLCにより分析した。以下の式:放出%=100 x(以前のサンプル中の薬物濃度)/(「100%放出サンプル」中の薬物濃度)を用いて、それ以前の全サンプル(0.5〜24時間)におけるin vitro放出値(%)を「100%放出」に基づいて正規化した。
【0271】
以下に詳細を記載するHPLC法を用いて、媒質サンプル中の薬物濃度を分析した。
【0272】
グルコサミン分析には、以下の条件でのイオン交換HPLCを用いた:
カラム: Hamilton RCX-10
移動相: 水中10 mM NaOH、0.8ミクロンフィルターでろ過
流速: 1.2 mL/分
カラム温度: 30℃
注入: 50μL
UV検出: 209 mm
ランタイム: 7分
トラマドール分析には、以下の条件での逆相HPLC法を用いた:
システム: 二元勾配溶出およびUV検出を実施することができるHPCL装置
カラム: Luna C18 5μ 4.6 x 250 mm、Phenomenex製
移動相A: 水中0.1% v/vトリフルオロ酢酸、0.8ミクロンフィルターでろ過
移動相B: アセトニトリル中0.1% v/vトリフルオロ酢酸、0.8ミクロンフィルターでろ過
カラム温度: 40℃
流速: 1 mL/分
注入: 5μL
UV検出: 270 nm
ランタイム: 5分
溶出: 65%(v/v)移動相Aおよび35%(v/v)移動相Bでアイソクラティック溶出
グルコサミン球状ペレットからのin vitro溶出結果を図7に示す。乾燥/加熱条件がグルコサミン放出に重要な影響をもたらしたことが明らかである。乾燥および加熱の両者を個別に実施して得られたペレット(「40℃で乾燥し、75℃で加熱したペレット」)は、所望の放出プロフィール、すなわち、最初の1時間で約40%放出、続く23時間でほぼゼロ次速度過程(線形)的に残りの放出を呈示した。この2段階溶出プロフィールは、本発明の特定の実施形態に従い調製したペレットの特徴の1つであり、最初に薬物負荷量の約40%を急速に放出することで、作用の迅速な開始を実現し(すなわち、負荷用量)、次いで、第2段階の長期間放出により、薬物の持続的作用を可能にする(すなわち維持用量)。40℃で30分または75℃で30分のいずれか1ステップで乾燥/加熱したペレットは、このような長期間放出をもたらさず、約12時間で約85〜90%の薬物を放出した。この試験の結果は、それぞれ40℃で10分乾燥し、75℃(ロウ様物質の融点より高い)で15分加熱することで、ペレットの徐放性をもたらすことを示す。
【0273】
[実施例18]
ロウ様物質を用いずに調製したペレットからのin vitroグルコサミン溶出
実施例1に記載のものと類似した方法を用いて、徐放性製品に一般に用いられている非ロウ様油(トウモロコシ油およびダイズ油)、または水素形成性ポリマー(ヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくはHPMC)と一緒にグルコサミンを含む球状ペレットを調製し、実施例17に記載のグルコサミン分析方法を用いて、これらを試験した。その結果から、非ロウ様物質(トウモロコシ油、ダイズ油もしくはHPMC)は、ロウ様物質(水素化綿実油)と同じ徐放性をもたらさなかった。実際に、ロウ様物質を用いずに調製したペレットは、最初の1時間で薬物負荷量の約80%以上を放出した(図8)。
【0274】
[実施例19]
トラマドール塩酸塩徐放性球状ペレットの調製
実施例1に記載の方法に従い、750 gのトラマドール塩酸塩(Degussa)、750 gの水素化綿実油、NF(STEROTEX(登録商標)、Abitec Corp.製)、および1,000 gの微晶質セルロース、NF(AVICEL(登録商標)、FMC Biopolymers製)からなる乾燥ブレンドを約900グラムの水で湿潤塊にし、押出加工、球状化、乾燥、および加熱して、乾燥球状ペレットを形成した。このように調製した球状ペレットは、球体の形状をしており、水分0.42% w/wであった。ペレットをin vitro溶出について試験したところ、約35%の初期急速放出、それに続いて24時間の長期間放出という特徴的な2段階溶出プロフィールを呈示した(図9)。これらのペレットをウマにおいて、薬物動態プロフィールについて試験した。
【0275】
[実施例20]
トラマドール塩酸塩徐放性球状ペレットの薬物動態試験
体重約600 kgの6頭の健康な成体ウマに、実施例19に従い調製したトラマドール徐放性球状ペレットを、10 mg/kgの用量で、飼料に追肥して経口投与した。体重約600 kgの12頭の健康な成体ウマに、トラマドール活性薬物を、10 mg/kgの用量で、飼料に追肥して経口投与した。第0日に単回経口投与後、投与後の様々な間隔で、すべてのウマから血液サンプルを採取し、トラマドールおよび主要活性代謝産物M1について分析した。
【0276】
トラマドール塩酸塩徐放性球状ペレットの経口投与(図10)および非製剤化トラマドール塩酸塩の経口投与(図11)後のウマにおけるトラマドールおよびM1の薬物動態プロフィールは、前記のように調製したトラマドール塩酸塩徐放性球状ペレットが、非製剤化薬物と比較して、長時間にわたり適切な血漿濃度でトラマドールを送達するようであることを示す。
【0277】
[実施例21]
制酸剤徐放性球状ペレットの制酸活性評価
この試験の目的は、ウマにおける胃内pHに対する2種の制酸剤徐放性球状ペレットの緩衝能を評価することであった。一方の製剤は、実施例11に従い調製した水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムを含む球状ペレットである。他方の製剤は、実施例11に従い調製した、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムを含む球状ペレットと、三塩基性リン酸ナトリウムを含む球状ペレットとの9:1の組合せである。体重が約500〜650 kgで、pH電極を体内に留置した6頭のウマに、制酸剤徐放性球状ペレットを飼料に追肥して経口投与した。ベースライン胃内pH測定値を、投与後所定間隔で得た測定値と比較した(図12)。これらの結果は、実施例11に従って徐放性球状ペレットに製剤化した制酸剤は、胃内pHに長時間作用することを示す。
【0278】
本明細書において参照した、および/または出願データシートに記載した前記米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、ならびに、非特許文献はすべて、その全文を参照として本明細書に組み込むものとする。
【0279】
以上のことから、本発明の具体的実施形態は説明の目的で本明細書に記載されているが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、様々な変更が可能であることは理解されよう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲による以外に、制限されることはない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)活性成分;
(b)ロウ様物質;および
(c)球状化剤
を含む組成物であって、(i)該組成物はペレットの形状をしており、(ii)該組成物は、標準USPバスケット法により測定される活性成分のin vitro溶出速度:2時間後、活性成分の最大で約90%の放出を有し、かつ(iii)活性成分の前記in vitro溶出速度について、ペレット上の徐放性バリアコーティングの存在を要しない、上記組成物。
【請求項2】
前記ペレットが球状である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ペレットが非球状である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
(a)約5%〜約90%の活性成分;
(b)約5%〜約40%のロウ様物質;および
(c)約5%〜約40%の球状化剤
を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
1種以上の不活性成分をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記不活性成分が結合剤、抗酸化剤、または着色剤である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記1種以上の不活性成分が、ペレット重量に基づく総濃度約0.01%〜約5.0%で存在する、請求項5または請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記活性成分が、鎮痛薬、栄養補助物質、抗ウイルス薬、抗感染薬、制酸剤、高用量薬物、昆虫成長調節剤、またはこれらの製薬上許容される塩である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
(a)約45%〜約85%の鎮痛薬またはその製薬上許容される塩;
(b)約5%〜約30%の水素化綿実油;
(c)約5%〜約20%の微晶質セルロース;および
(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプン
を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記鎮痛薬が、アセトアミノフェン、中枢作用性鎮痛薬、麻酔薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、およびサリチル酸塩よりなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記鎮痛薬が、トラマドールまたはその製薬上許容される塩である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
(a)約45%〜約85%の栄養補助物質またはその製薬上許容される塩;
(b)約5%〜約30%の水素化植物油;
(c)約5%〜約20%の微晶質セルロース;および
(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプン
を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項13】
前記栄養補助物質が、ビタミン、ミネラル、植物性薬品(botanicals)、タンパク質およびアミノ酸よりなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記栄養補助物質が、グルコサミンまたはその製薬上許容される塩である、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
(a)約45%〜約85%の抗ウイルス薬またはその製薬上許容される塩;
(b)約5%〜約30%の水素化植物油;
(c)約5%〜約30%の微晶質セルロース;および
(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプン
を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項16】
前記抗ウイルス薬が、アバカビル、アシクロビル、フォスカルネット、ガンシクロビル、ラミブジン、ネルフィナビル、リトナビル、バラシクロビル、およびジドブジン、またはこれらの製薬上許容される塩、プロドラッグもしくは誘導体からなる群より選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記抗ウイルス薬が、アシクロビル、バラシクロビル、またはこれらの製薬上許容される塩、プロドラッグもしくは誘導体である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
(a)約45%〜約85%の抗感染薬またはその製薬上許容される塩;
(b)約5%〜約30%の水素化植物油;
(c)約5%〜約30%の微晶質セルロース;および
(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプン
を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項19】
前記抗感染薬が、β−ラクタム系抗生物質、アミノグリコシド類、セファロスポリン類、マクロライド類、ケトリド類、ペニシリン類、キノロン類、スルホンアミド類、テトラサイクリン類、シクロセリン、バンコマイシン、リネゾリド、オキサゾリジノン、ピリメタミン、アトバクオン、チゲシクリン、グリシルシクリン類、抗真菌薬、抗マラリア薬、抗らい薬(leprostatic)、抗結核薬、および駆虫薬からなる群より選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記抗感染薬が、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、エリスロマイシン、テリスロマイシン、シプロフロキサシン、アモキシシリンとクラブラン酸カリウムの組合せ、またはこれらの製薬上許容される塩、プロドラッグもしくは誘導体である、請求項18に記載の組成物。
【請求項21】
(a)約45%〜約85%の制酸剤;
(b)約1%〜約30%の水素化植物油;
(c)約5%〜約30%の微晶質セルロース;および
(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプン
を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項22】
前記制酸剤が、カルシウム制酸剤、アルミニウム制酸剤、マグネシウム制酸剤、ナトリウム制酸剤、カリウム制酸剤、およびこれらの組合せからなる群より選択される、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記制酸剤が、重量比約1:3、1:2、1:1、2:1、または3:1の水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの組合せである、請求項21に記載の組成物。
【請求項24】
前記ナトリウム制酸剤が、三塩基性リン酸ナトリウムである、請求項22に記載の組成物。
【請求項25】
(a)約45%〜約90%の高用量薬物;
(b)約5%〜約40%の水素化植物油;
(c)約5%〜約40%の微晶質セルロース;および
(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプン
を含む、請求項22に記載の組成物。
【請求項26】
前記高用量薬物が、フェンベンダゾール、アルベンダゾール、フェバンテル、カルプロフェン、ケトプロフェン、ジクロフェナク、モルヒネ、メペリジン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、メトロニダゾール、臭化カリウム、ガバペンチン、ジロイトン、スクラルファート、メトホルミン、グリピジド、ナブメトン、ナイアシン、プロカインアミド、トルメチンナトリウム、トリサリチル酸コリンマグネシウム、グアイフェネシン、メシル酸エプロサルタン、エトドラク、アカルボース、ウルソジオール、ポリエンホスファチジルコリン、またはこれらの製薬上許容される塩である、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
(a)約45%〜約85%の昆虫成長調節剤またはその製薬上許容される塩;
(b)約5%〜約30%の水素化植物油;
(c)約5%〜約30%の微晶質セルロース;および
(d)約1%〜約10%のアルファ化デンプン
を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項28】
前記IGRが、メトプレン、キノプレン、ヒドロプレン、ジフルベンズロン、またはピリプロキシフェンである、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記ペレットがコーティングされている、請求項1〜28のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
標準USPバスケット法により測定される以下のin vitro溶出速度:
1時間後、活性成分の約10%〜約60%放出;
2時間後、活性成分の約20%〜約70%放出;
4時間後、活性成分の約30%〜約80%放出;
8時間後、活性成分の約40%〜約90%放出;ならびに、
12時間後、活性成分の約50%〜約100%放出
を有する、請求項1〜29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
前記球状ペレットの平均直径が約0.5 mm〜約1.5 mmである、請求項2または請求項2に従属する請求項3〜30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
前記ロウ様物質が、脂肪アルコール、飽和および不飽和脂肪酸エステル、飽和および不飽和脂肪酸グリセリド、水素化脂肪、水素化植物油、およびコレステロールからなる群より選択される、請求項1〜31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
前記ロウ様物質が、水素化植物油である、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記球状化剤が、微晶質セルロースである、請求項1〜33のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項35】
請求項1〜34のいずれか一項に記載の組成物を含む剤形。
【請求項36】
前記不活性成分が、香味剤(flavorant)、懸濁剤、凝結防止剤、増量剤、甘味料、および潤滑剤からなる群より選択される、請求項35に記載の剤形。
【請求項37】
前記剤形が、水をさらに含み、経口用懸濁液の形態をしている、請求項35または請求項36に記載の剤形。
【請求項38】
ボトル、小包、ポーチ、サシェット、またはカプセルにパッケージングされた、請求項35〜37のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項39】
前記剤形が、それを必要とする患者に経口投与したとき、少なくとも約12時間にわたり、その最小有効濃度以上の活性物質の血漿濃度をもたらす、請求項33〜38のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項40】
前記剤形が、それを必要とする患者に経口投与したとき、標準用量で投与された即時放出型製剤の少なくとも約2倍の時間にわたり、その最小有効濃度以上の活性物質の血漿濃度をもたらす、請求項33〜38のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項41】
前記剤形が、それを必要とする患者への1日1回または2回投与に適している、請求項33〜40のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項42】
(i)活性成分;(ii)ロウ様物質;および(iii)球状化剤を含む球状または非球状ペレットを製造する方法であって、
(a)活性成分、ロウ様物質、球状化剤、および液体の混合物を調製するステップ;
(b)上記混合物を押出加工して、押出物を取得するステップ;
(c)上記押出物を球状化して、球状ペレットを形成するか、または上記押出物を破砕(fragmenting)して、非球状ペレットを形成するステップ;
(d)上記球状ペレットを乾燥するステップ;および
(e)上記乾燥ペレットを上記ロウ様物質の融点より高い温度に加熱するステップ
を含む、上記方法。
【請求項43】
前記球状ペレットをその後、1種以上の不活性成分を含むビヒクルと混合する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記液体が水である、請求項42または請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記液体が、水と有機溶媒とを含む、請求項42または請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記有機溶媒が、プロピレングリコール、エタノール、またはイソプロパノールである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記ステップ(c)が、前記押出物を球状化して、球状ペレットを形成するステップである、請求項42〜46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記ステップ(c)が、前記押出物を破砕して、非球状ペレットを形成するステップである、請求項42〜46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
請求項47に記載の方法に従って製造された球状ペレット。
【請求項50】
請求項48に記載の方法に従って製造された非球状ペレット。
【請求項51】
疼痛を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の鎮痛薬またはその製薬上許容される塩を含む請求項9〜11のいずれか一項に記載の組成物を経口投与することを含む、上記方法。
【請求項52】
栄養欠乏を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の栄養補助物質またはその製薬上許容される塩を含む請求項12〜14のいずれか一項に記載の組成物を経口投与することを含む、上記方法。
【請求項53】
ウイルス感染を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の抗ウイルス薬を含む請求項15〜17のいずれか一項に記載の組成物を経口投与することを含む、上記方法。
【請求項54】
細菌感染を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の抗感染薬を含む請求項18〜20のいずれか一項に記載の組成物を経口投与することを含む、上記方法。
【請求項55】
胃腸の潰瘍もしくは障害を治療する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の制酸剤を含む請求項20〜24のいずれか一項に記載の組成物を経口投与することを含む、上記方法。
【請求項56】
請求項23に記載の組成物と請求項24に記載の組成物との混合物を、それを必要とする患者に経口投与することを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
混合物中の水酸化アルミニウムおよびマグネシウムの総重量と、三塩基性リン酸ナトリウムの重量との比が約9:1である、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
寄生虫または害虫寄生を治療または予防する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の昆虫成長調節剤を含む請求項27または請求項28に記載の組成物を経口投与することを含む、上記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−520226(P2010−520226A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551878(P2009−551878)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/055534
【国際公開番号】WO2008/109462
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(502307324)ファーナム・カンパニーズ・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】