説明

ロッカー装置

【課題】使用者が最小限の個人情報をロッカー運営会社に提供することにより使用できるロッカー装置の提供。
【解決手段】ロッカー指定手段と、携帯電話メールアドレス32を入力する第1入力手段8と、ロッカー2の使用期間を設定する初期使用期間設定手段22と、携帯電話メールアドレスにロッカー開閉に必要な認証コード31を通知する認証コード通知手段16と、認証コードを入力する第2入力手段7と、携帯電話メールアドレスおよび認証コードを入力することによってロッカーを開閉するロッカー開閉手段6と、ロッカー使用中ならばロッカーの使用期間を変更できる第2使用期間設定手段23と、変更設定された使用期間を記憶する第2使用期間記憶部21と、変更設定された使用期間に基づいて残り使用期間を算出する第2残り使用期間変更算出手段とを有し、使用期間の変更設定があった場合に新たに算出された第2残り使用期間を算出・記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠付扉を有し物の収納が可能な、いわゆるロッカーの開閉に携帯電話を使用した共同で使用するロッカー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、ロッカー運営会社が駅構内などに複数のロッカーを備えた共同のロッカー装置を各所に設置しており、荷物の預け入れ、取り出しに一日単位の課金で、コイン等の現金を投入し、鍵を使用してロッカーの扉の施錠と解錠を行っている。
つまり、従来のロッカーは、使用者を特定できない状態で使用されており、ロッカーの不正使用が発生している。例えば、一度ロッカーに荷物を預けてから取り出しに来ることなく、いつまでも使用中の状態である場合や、または鍵を無理やりこじ開けて中のものが盗難されるケース等が発生した場合にロッカー運営会社として対応に困る場合がある。各ロッカーの使用状態を管理することもできず、使用者側もロッカー運営会社にとっても大変効率の悪いものであった。
また、ロッカー扉の開閉は、鍵により解錠施錠するが、施錠した後に鍵を所有しなければならず、紛失する使用者も多い(例えば、特許文献1参照)。
そこで、ロッカーを施錠した後に鍵を使用者が実際所有しなくてもよいように、電子式のロッカー装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、ロッカーを使用する際、延長使用することがある。延長使用すると使用料金が課金されるが、いつ課金されるか分からない場合、課金状態を認識できないまま、使用者の不安にも繋がる。また、電子式のロッカー装置は携帯電話を使用するものが多いが、課金状態を認識できないまま、ロッカーを解錠すると、そのときに追加料金を知ることになる。携帯電話のインターネット機能を利用してロッカー運営会社が運営するロッカー使用状態のサイトを確認すれば分かるとはいえ、忙しい時は確認すること自体忘れており、解錠時に初めて、かなりの時間が超過していたという事実を使用者は知ることになり、大変使い勝手が悪かった。
【特許文献1】特開2002−327565号公報
【特許文献2】特開2002−109630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献2であると、ロッカーを使用するために携帯電話の電話番号を通知しなければならないという問題があり、携帯電話の電話番号が漏れることが気になり、携帯電話の電話番号を通知することに抵抗を持ち、ロッカーを使用できない人もいる。しかし、個人情報を開示させないで使用したい使用者の要望を取り入れると、不正使用された場合にロッカー運営会社の管理が行き届かない。
そこで、使用者が最小限の個人情報をロッカー運営会社に提供することによりロッカーを使用できるロッカー装置を提供する。
また、ロッカー運営会社は不正使用された場合にも対応できる、使用者とロッカー運営会社の相互の要望を取り入れ、両者共に使用し易いロッカー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の発明に係るロッカー装置は、物品を収納して使用する複数のロッカーを備え、前記ロッカーを使用する使用者の携帯電話を用いて各ロッカーの開閉を行うロッカー装置であって、使用するロッカーを指定するロッカー指定手段と、
携帯電話メールアドレスを入力する第1入力手段と、指定された前記ロッカーの使用期間を設定する初期使用期間設定手段と、前記第1入力手段にて入力された前記携帯電話メールアドレスに、ロッカー開閉に必要な認証コードを通知する認証コード通知手段と、前記認証コードを入力する第2入力手段と、各ロッカーの開閉を制御する開閉制御部と、前記携帯電話メールアドレスおよび前記認証コードを入力することによって前記開閉制御部によりロッカーを開閉するロッカー開閉手段と、前記初期使用期間設定手段によって設定された使用期間を記憶する初期使用期間記憶部と、前記指定されたロッカーが施錠されたとき、前記初期使用期間記憶部に記憶された初期の使用期間より時間の経過とともに残り使用期間を計数する初期残り使用期間算出手段と、前記残り使用期間を記憶する残り使用期間記憶部と、ロッカー使用中ならば、ロッカーの使用期間を変更できる第2使用期間設定手段と、前記第2使用期間設定手段により変更設定された使用期間を記憶する第2使用期間記憶部と、前記第2使用期間記憶部に記憶された前記変更設定された使用期間に基づいて前記残り使用期間を第2残り使用期間として新たに算出する第2残り使用期間変更算出手段と、前記各手段および各部を制御する主制御部と、を有し、前記第2使用期間設定手段により使用期間の変更設定があった場合に、前記第2残り使用期間変更算出手段により新たに算出された前記第2残り使用期間を前記残り使用期間記憶部に記憶させることを特徴とする。
また、第2使用期間設定手段は、開閉制御部に接続された操作部よりの入力、または、使用者の携帯電話のメール受信であるようにできる。
また、初期使用期間設定手段により設定された期間内での使用と、第2使用期間設定手段により設定された期間内での使用と、初期使用期間設定手段または第2使用期間設定手段を超過しての使用と、それぞれの使用料金に変化を持たせるようにできる。
また、第1および第2使用期間設定手段により設定された期間を所定期間大幅に超えて使用された場合、主制御部は使用者に対し、携帯電話番号の開示を要求し、主制御部に対する携帯電話よりのメール返信、または所定電話番号に対する携帯電話よりの返信により、携帯電話番号を開示させるようにできる。
さらに、第2の発明に係るロッカー装置は、物品を収納して使用する複数のロッカーを備え、前記ロッカーを使用する使用者の携帯電話を使用して各ロッカーの開閉を行うロッカー装置であって、使用するロッカーを指定するロッカー指定手段と、携帯電話メールアドレスを入力する第1入力手段と、指定された前記ロッカーの使用期間を設定する初期使用期間設定手段と、前記第1入力手段にて入力された前記携帯電話メールアドレスに、ロッカー開閉に必要な認証コードを通知する認証コード通知手段と、各ロッカーの開閉を制御する開閉制御部と、前記指定されたロッカーが前記開閉制御部によって施錠されたとき、前記初期使用期間指定手段によって指定された初期の使用期間を残り使用期間として記憶する残り使用期間記憶部と、期間の経過とともに、前記残り使用期間記憶部の残り使用期間を計数する残り使用期間算出手段と、前記残り使用期間記憶部に記憶された残り使用期間が所定の残り使用期間になったと判定されたとき、携帯電話メールアドレスに残り使用期間を通知する残り使用期間通知手段をもつことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
携帯電話を使用してロッカーを使用することで、物質的な鍵を使用することがない為、鍵を無くしロッカーを解錠できなくなるということがない。
また、携帯電話のメールアドレスのみでロッカーを使用出来る為、つまり、使用者は携帯電話の電話番号をロッカー運営会社に開示することなくロッカーを使用できるため、使用者にとってプライバシーの侵害を気にすることなく使用できる。メールアドレスが万が一外部に情報として漏洩した場合も、携帯電話の電話番号を変更するよりもメールアドレスの変更は手軽に行え、変更した上で次回ロッカーを使用できるため、ロッカー使用の利便性が上がる。
また、使用者がロッカーの使用期間を設定することで、ロッカーの使用効率を上げることに繋がる。さらに、ロッカーの使用中使用者はロッカーの使用期間を携帯電話を使用して解錠するまでの間いつでも何度でも設定し直せる為、使用者にロッカーの使用期限を意識させることが可能となる。
また、ロッカーの使用期間を過ぎて使用する場合に料金設定を割高設定にするなど変化をつけることにより、使用者のロッカー使用の効率化が可能となる。
設定したロッカーの使用期間を大幅に超えた時点で使用者に携帯電話の電話番号の開示を求めるようにして、ロッカーの使用者の使用状態により個人情報の開示量の変化をつけるようにしたので、ロッカー運営会社と使用者との相互のつりあいが取れる。
また、ロッカーの使用期間が近づいた場合には、使用者に残りの使用期間を通知するので、使用者に親身なロッカー運営が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態によるロッカー装置を図1ないし図11に基づき説明する。
【0007】
駅構内やショッピングセンター、アミューズメントパークなどに設置されているロッカー装置1であり、複数のロッカー(収納箱)2を有し、電子的手段によって解錠する為の装置が備えられている。つまり、携帯電話4の機能、例えばメール機能、電話機能、ディスプレイの表示機能等を使用して、ロッカー装置1に備え付けてある読取スキャナでの読取やタッチパネルの入力でロッカーの施錠解錠を行うものである。ロッカー装置1の状態を統一して管理できるように、ホストコンピュータを持つようにしてもよい。
【0008】
図1は、本発明のロッカー装置の一実施の形態の構成例を示す概略説明図である。
図1に示すように、ロッカー装置1は、ロッカー2と、ロッカー装置全体を制御する主制御部3と、ロッカーを使用するとき施錠解錠に必要となる携帯電話4と、で構成されている。なお、ロッカー2は、説明の都合上、1つ図示した例で説明しているが、複数設けられている。
【0009】
ロッカー2には、ロッカーの施錠解錠によってロッカーの扉を開閉するロッカー開閉手段6と、OCR機能と二次元コード読取機能を持ち合わせている読取スキャナ(適宜、スキャナとする)7と、表示部と操作部が兼用されるタッチパネル8と、で構成され、主制御部3によって制御されている。
【0010】
続いて、主制御部3本体には、ロッカーの施錠解錠に必要な認証コードとして毎回異なる二次元コード31を発生する認証コード発生部9と、携帯電話4とメール送信・メール受信をそれぞれ行うメール送信部10とメール受信部11と、ロッカー開閉手段6を制御する開閉制御部12と、後述するロッカーの使用期間などを記憶する記憶部13と、ロッカーの残りの使用期間などを算出する算出部14と、で構成されており、主制御部3によりこれらも制御されている。
【0011】
また、メール送信部10には、認証コード通知部16や、残り使用期間通知部17が設けられている。認証コード通知部16では、認証コード発生部9で発生した二次元コード31を使用者の携帯電話4に通知する。残り使用期間通知部17では、ロッカーの使用期間の残りの使用期間を使用者に通知する機能をもつ。
【0012】
記憶部13には、ロッカーを使用開始するときに指定した使用期間を記憶する初期使用期間記憶部18と、認証コード発生部9で発生した二次元コード31をその使用者の携帯電話メールアドレス32とセットで記憶する認証コード記憶部19と、ロッカーを使用するときに指定した使用期間(初期使用期間)の残り使用期間を記憶する残り使用期間記憶部20と、第2使用期間記憶部21と、で構成されている。本発明は、使用者自身がロッカーの使用期間を変更設定できるようになっており、使用期間が変更設定されたときに、初期使用期間記憶部18とは別に、第2使用期間記憶部21に変更設定された使用期間を記憶する。
【0013】
算出部14には、初期残り使用期間算出部22と、第2残り使用期間変更算出部23と、で構成されている。初期残り使用期間算出部22は、ロッカーが施錠されたときに、初期使用期間記憶部18に記憶された初期の使用期間より時間の経過と共に残り使用期間を計数する。つまり、ロッカーを使用するときに設定された使用期間(つまり、初期の使用期間)から時間が過ぎ去るにしたがってロッカーの残りの使用期間を随時カウントしている。また、第2残り使用期間変更算出部23では、使用期間が使用者によって新たに変更設定された場合に、その第2使用期間記憶部21に記憶されている使用期間、つまり変更設定された使用期間に基づいて、残り使用期間を第2残り使用期間として新たに算出する。算出した第2残り使用期間は、前記第2残り使用期間記憶部21に上書きで記憶させることとなる。
【0014】
続いて、携帯電話4には、二次元コード31やメールアドレス32を表示させるディスプレイ26と、二次元コード31やメールアドレス32を記憶させるデータ記憶部27と、メール機能であるメール送受信部28と、電話機能部29と、が備えられている。
【0015】
(1)施錠手順
続いて、図1から図8に基づいてロッカーを使用し、施錠する手順を説明する。図2は、ロッカーを施錠させる手順を示すフローチャートである。図3から図7は、ロッカーを施錠させる際のタッチパネルの画面についての概略説明図である。図8は、記憶部13においてのデータ(記憶内容)を説明した概略説明図である。
【0016】
使用したいロッカーを使用者は図3のようなタッチパネル8の指示に従い、指定する(S−A1)。タッチパネル8には、ロッカー番号がロッカーの位置構成と同一の場所構成になるように表示されており、使用者は使用したいロッカー番号をタッチすることでロッカー番号33を指定することができる。このとき、タッチパネル8はロッカー指定手段となる。
【0017】
続いて、図4のような携帯電話4のメールアドレス32の入力を促すメッセージをタッチパネル8に表示することにより、使用者に前記メールアドレス32を携帯電話4のディスプレイ26に表示させ、ロッカー装置1に備え付けのスキャナ7にて使用者に読取らせ、入力させる(S−A2)。このとき、スキャナ7は第1入力手段であり、メールアドレス32は携帯電話4のディスプレイ26に、「○○@・・・.jp」と可視情報として表示させ、OCR機能を持ったスキャナ7で読取らせる。この場合、メールアドレスの表示方法が予め二次元コードで作成したデータがあるならば、それを読取らせてもよい。
【0018】
次に、読取らせて入力されたメールアドレスを携帯電話のメールアドレスであるかを確認する(S−A3)。もし、携帯電話4のメールアドレスでないものが入力された、または、メールアドレスと確認できない情報が入力された場合には、スキャナ7の入力指示を何回行ったかを確認してから(S−A4)、メールアドレスの入力指示を行い、使用者に入力をしてもらう。つまり、メールアドレスが確認できないと何回か、例えば3回入力指示をした後、適切な入力、携帯電話のメールアドレス32が入力されないと、終了となる(S−A5)。
【0019】
一方、図2のフローチャートS−A3にて携帯電話のメールアドレス32だと確認された場合、図5のような画面がタッチパネル8に表示され、ロッカーの使用期間が使用者によって、設定される(S−A6)。このとき、タッチパネル8は、初期使用期間設定手段となる。つまり、設定されたロッカーの使用期間はいわゆる、初期の使用期間となり、記憶部13の初期使用期間記憶部18に記憶される。
【0020】
続いて、認証コード発生部9により認証コードである二次元コード31を発生させ、認証コード記憶部19にロッカー番号33と関連付けて二次元コード31を記憶させた後、携帯電話のメールアドレス32に二次元コード31をメール送信部10の認証コード通知部16により通知する。通知するメールの内容には、二次元コード31だけでなく、ロッカー番号33や先ほど指定した初期の使用期間、使用期間が変更できる旨を目視可能に表示する通知も含まれている。
【0021】
二次元コード31を通知したら、図6のようにタッチパネル8に表示され、使用者は携帯電話に通知された二次元コード31をディスプレイ26に表示させて、スキャナ7にてその二次元コード31を読取らせて、入力させる(S−A8)。このとき、スキャナ7は、第2入力手段となる。
【0022】
入力された認証コードである二次元コードが前記認証コード通知部16を介して通知した指定されたロッカーの二次元コード31と一致するかどうかを確認する(S−A9)。もし、一致しなかった、または、入力がうまくいかなかった場合は、認証コードの入力指示が何回行われたかを確認し(S−A10)、例えば、5回入力指示を行ったなど、所定回数に達していた場合は、ロッカー使用を中止し、終了となる(S−A11)。
【0023】
一方、S−A9において、通知した二次元コード31が正常に入力された場合、図7のようにタッチパネル8に使用料金を表示する(S−A12)。使用料金の算出方法は、図示しない標準料金体系に基づき、設定された初期の使用期間から使用料金を算出する。
【0024】
使用料金が投入されたかどうか確認し(S−A13)、所定分経過したかどうかを監視し(S−A14)、例えば1分間経過した場合は、ロッカーの使用操作を終了する(S−A15)。使用料金が投入されたと確認できた場合は、指定されたロッカーをロッカー開閉手段6により施錠する(S−A16)。
そして、指定されたロッカーが施錠されたとき、初期使用期間記憶部18に記憶された前記初期の使用期間を残り使用期間記憶部20に移すと共に、残り使用期間算出手段である残り使用期間算出部22にて、初期使用期間記憶部20に記憶された初期の使用期間より時間の経過とともに残り使用期間の計数(カウント)を開始する。計数している残り使用期間は、残り使用期間記憶部20に記憶される。
【0025】
先ほどから、携帯電話のメールアドレス32やロッカー番号33などが次々に指定され入力されているが、記憶部13の構成は図8のように、ロッカー番号33に基づいて関連付けされており、ロッカー番号33を始めに指定されたら、ロッカー番号33に関連付けて次々に入力されていく情報を記憶していくようになっている。
【0026】
次に、図2のフローチャートの必要ボックスの詳細につき説明する。
先ず、記憶部13の記憶手順を説明する。
S−A1にて、ロッカー番号33として「001」の指定を行うと、図8にてロッカー番号a列より、「001」を探し出し、これから以降の入力等の記憶は「001」の行に対して行われる。
S−A2・S−A3より携帯電話のメールアドレスが確認されたら、図8のメールアドレスb列の「001」行に記憶する。
S−A6にて、ロッカーの使用期間が設定されると、図8の初期使用期間c列の「001」行に、設定された使用期間を記憶する。
S−A7にて、認証コードである二次元コード31を使用者の携帯電話4に通知したら、図8の認証コードd列の「001」行に二次元コード31を記憶する。
S−A9では、記憶部13に記憶されている、指定されたロッカー番号の二次元コード31と一致しているかどうかを確認することが行われる。
【0027】
S−A12では、記憶部13に記憶されている指定されたロッカー番号の初期使用期間を参照し、図示しない標準料金体系に基づいて、使用料金を計算し、図8の投入料金額e列の「001」行に記憶する。ちなみにn、総使用料金、追加料金o、投入料金額eは、以下の(I)式で算出される。
総使用料金n列=追加料金o列+投入料金額e列・・・(I)式
従って、使用開始当初は自動的に総使用料金n列の「001」行にも投入料金額と同じ値が記憶される。
S−A13では、この記憶された使用料金が投入されたかどうかを確認する。
S−A16で、施錠すると図8の開閉施錠解錠状態f列の「001」行を施錠状態に記憶する。
また、S−A5・S−A11・S−A15のように入力作業などがうまくいかない場合には、ロッカーの使用手続きを強制的に終了するが、その際に、「001」行の値は、全て消去される。
こういった一連の記憶作業が、手順を進めるにあたって行われている。
【0028】
次に図9のフローに従い、ロッカー施錠後から、使用者によって解錠するロッカーの指定が行われる過程を説明する。また、ロッカー施錠後から、ロッカーの不正使用と判断し、ロッカー運営会社対応になるまでの過程を説明する。
【0029】
指定されたロッカーが施錠されたとき、残り使用期間算出部22にて、残り使用期間記憶部20に記憶された初期の使用期間より時間の経過とともに残り使用期間を計数し始める(S−B1)。計数している残り使用期間は、残り使用期間記憶部20に記憶される。ここでは例としてロッカー番号31を「001」として指定した場合で説明すると、つまり、図8でいう、残り使用期間i列の「001」行に記憶していく。
【0030】
続いて、解錠指定が行われたかどうかを記憶部13にて確認する(S−B2)。図8の開閉施解錠状態f列を確認する作業となる。解錠の作業に入っている場合には、解錠手順のフローチャート(図10)に進む(S−B3)。
次いで、解錠の作業が行われていないロッカーに関しては、使用期間が変更されたかどうかを確認する(S−B4)。使用期間が変更されたかどうかを確認する為には、記憶部13の第2使用期間記憶部21内に後述する変更設定フラグ(図8のJ行)を設けており、変更設定フラグを確認することにより、使用者が使用期間を変更設定したかどうかが確認できるようになっている。
【0031】
使用期間が変更設定されていることが確認できた場合は、変更設定フラグをONに設定し、使用者により新たに設定された使用期間、つまり第2使用期間に基づき、残り使用期間の算出を開始する(S−B5)。
【0032】
つまり、第2使用期間設定手段である使用者の携帯電話4のメールを受信する、またはロッカーに接続されたタッチパネル8により、使用期間が変更設定された場合は、主制御部3により変更設定フラグ(図8のj行)をONに設定し、新たに変更設定された使用期間を第2使用期間記憶部21(図8のk行)に記憶する。
そして、第2残り使用期間変更算出手段である第2残り使用期間変更算出部23により、記憶された第2使用期間記憶部21に記憶された使用期間に基づいて残り使用期間を第2残り使用期間として新たに算出する。新たに算出された第2使用期間は、残り使用期間記憶部20(図8のi行)に記憶する。そして、次のステップへ移動する。
【0033】
図9のS−B4にて使用期間が変更設定されない場合は、残り使用期間も第2使用期間も初期値のまま、次のステップへ移動する。
【0034】
続いて、残り使用期間が所定期間以下であるかを確認する(S−B6)。例えば使用者が多忙などによりロッカーを使用していることを忘れている場合などが考えられ、ここでいう所定期間はロッカーを使用していることを通知してから、使用料金が超過になる前に解錠が行える程度の時間を言う。
また、使用期間が変更設定された場合は、すでに定められた所定期間よりも短い場合もあるので、「所定期間以下」としている。
また、残り使用期間記憶部20内には、残り使用期間通知フラグと大幅超過フラグが設けられている。ここでは、残り使用期間通知フラグを使用する。
残り使用期間記憶部20に記憶された残り使用期間(図8のi行)が所定期間以下、つまり所定の残り使用期間となったら、残り使用期間通知フラグ(図8のg行)をONにする。
さらに、残り使用期間記憶部20内には、残り使用期間通知フラグ(図8のg行)と大幅超過フラグ(図8のh行)が設けられており、使用期間が変更設定された際に、残り使用期間通知フラグのON/OFFの判定をしなおして、次のステップに進む。
【0035】
続いて、残り使用期間記憶部20に記憶された残り使用期間(図8のi行)が所定期間以下、つまり所定の残り使用期間となったら、使用者の携帯電話メールアドレス32に残り使用期間を通知する(S−B7)。つまり、図8のg行の残り使用期間通知フラグがONになったら、使用者の携帯電話に残り使用期間を通知する。このメールの中の内容には、ロッカー番号や、残り使用期間のほかにも、解錠するまでは何回でも使用期間の変更設定が出来る旨等の内容も含まれている。
【0036】
残り使用期間を通知してから、再びロッカーの解錠指定がされたかどうかの確認を行い(S−B8)、解錠指定がされた場合は、S−B9にて、開閉施解錠状態(図8のf行)を「解錠」とセットして解錠手順のフロー(図10)へ進み(S−B9)、解錠指定がされないままであるならば、新たに使用期間が変更設定されたかどうかの確認を行い(S−B10)、使用期間の変更設定が行われた場合には、新たに設定された使用期間を第2使用期間として記憶し、第2使用期間に基づき、残り使用期間の算出を開始する(S−B11)。
S−B8、S−B9、S−B10、S−B11のステップに関しては、S−B2、S−B3、S−B4、S−B5、の手順と同一の為、詳説を省略する。
【0037】
続いて、まだ使用者がロッカーを解錠しない場合、使用者が設定した使用期間を大幅に超過して使用しているかを確認する(S−B12)。大幅に超過した使用期間とは、使用者が設定した使用期間よりも大幅に超過して使用した場合の期間を示す。例えば、中身が腐敗する食物や、危険物が収納されている場合など想定して、ロッカー運営会社が管理に耐えられる期間を設定する。
【0038】
残り使用期間記憶部20内には、前述したとおり、残り使用期間通知フラグと大幅超過フラグが設けられている。残り使用期間記憶部20に記憶されている残り使用期間(図8のi行)が所定期間大幅に越えると大幅超過フラグがONとなる。
S−B12では、大幅超過フラグのON/OFFの状態を確認するものである。大幅超過フラグがOFFの時は、ロッカーの解錠指定と使用期間の変更設定との監視を行いつづけ、大幅超過フラグ(図8のh行)がONになったら、次のステップに移動する。
【0039】
大幅に超過した期間の使用をした場合、つまり大幅超過フラグがONに成った場合、携帯電話の電話番号の開示の要求を所定回数、例えば、10回等の回数を超えているか確認を行う(S−B13)。所定回数に達していない場合は、次のステップである携帯電話の電話番号34の開示要求の通知を使用者の携帯電話に通知する(S−B16)。その後、電話番号34の開示が使用者のメールアドレス32から通知されたかどうかを監視し(S−B17)、使用者からの電話番号が開示されたら、携帯電話番号開示フラグ(図8のl行)をONにし、携帯電話番号を記憶する(図8のm行)。そして、ロッカー運営会社から使用者に連絡を行うなどして、対応を行う。
【0040】
また、S−B17において、携帯電話の電話番号が開示されてない場合は、再び、S−B13に戻って携帯電話の電話番号の開示要求を所定回数行ったか判定する。
【0041】
また、S−B13において、携帯電話の電話番号の開示要求を所定回数行った場合には、ロッカー運営会社がロッカーの解錠を行い会社で中身を預かる、または、指定されたロッカーの電源を落としてしまい解錠をできなくする、などロッカーを強制的に解錠できなくし(S−B14)、ロッカー運営会社が警察に届けるなどの処理を行う(S−B15)。
【0042】
続いて、図10、図11に基づき、解錠手順の説明をする。
図10は、ロッカーを解錠されるまでの手順を示すフローチャートである。図11は、ロッカーを解錠させる際のタッチパネルの画面についての概略説明図である。
【0043】
まず、使用者がロッカーの中身を取りにロッカー装置のタッチパネル8により解錠操作を希望すると、図11のような画面がタッチパネル8に表示される。解錠したいロッカー番号を使用者がタッチされることにより、ロッカー番号33が指定される(S−C1)。
【0044】
次に、使用者が設定した使用期間内であるかどうかを記憶部13の残り使用期間記憶部20に記憶されている残り使用期間(図8のi行)から判断する(S−C1)。つまり、残り使用期間記憶部20に記憶されている残り使用期間がゼロ以下であれば、使用期間を超過していると判断する。
または、残り使用期間記憶部20に超過フラグを設けてそのフラグのON/OFFにより判断してもよい。
【0045】
使用者の指定した使用期間内である場合、新たに使用期間を設定したかどうかを判断する(S−C3)。ここでいう新たな使用期間とは、使用者からの携帯電話メール通知やタッチパネル8などを介して第2使用期間設定手段により新たに使用期間が変更設定されたかどうかを判断するところであり、記憶部13の第2使用期間記憶部21の変更設定フラグがOFFならば新たに変更設定してないので、追加料金も発生しない。指定されたロッカーを解錠する(S−C4)。
【0046】
記憶部13の第2使用期間記憶部21の変更設定フラグがONならば新たに変更設定したことになり、初期に設定された使用期間内で使用した場合よりも割高な、割高料金体系により追加料金を算出する。記憶部13内にある第2使用期間記憶部21に記憶されている第2使用期間(図8のk行)から、初期使用期間記憶部18(図8のc行)の使用期間を引いた期間が新たに延長した期間となり、その延長した期間にて割高料金体系に基づき、追加料金を算出する(S−C5)。
【0047】
また、S−C2において、設定された使用期間を超過して使用した場合、「NO」へ進むが、続いて、大幅に超過した期間の使用の有無を判断する(S−C6)。記憶部13内にある残り使用期間記憶部20の大幅超過フラグ(図8のh行)のON/OFFにより超過の有無を判断する。
大幅超過フラグがOFFの場合は、割高料金体系よりもさらに高額な、高額料金体系により追加料金を算出する。算出方法は、残り使用期間記憶部20に記憶されている残り使用期間から超過された使用期間を知ることが出来る為、その超過された使用期間を高額料金体系に基づいて、追加料金を算出する。
【0048】
S−C6にて、大幅超過フラグがONの場合、大幅にロッカーを使用したと判断できるので、「YES」に進む。次に、携帯電話の番号開示が行われかの有無を判断する(S−C8)。携帯電話の番号開示については、記憶部13内の携帯電話番号記憶部の開示フラグlにより判断される。この開示フラグがOFFのときは、携帯電話番号の開示がされていないことになり、使用者はロッカーを解錠することができなく、ロッカー運営会社の対応となる(S−C9)。
【0049】
また、この開示フラグがONの場合は、携帯電話番号の開示がなされており、
ロッカーの解錠をすることは可能であるので、「YES」に進み、携帯電話の電話番号の入力を指示する(S−C10)。
携帯電話番号をスキャナ7により読取る、または、図示しないタッチパネル8にて数字キーを表示させて使用者により入力、または、使用者の携帯電話をロッカー装置に設けた電話の着信にて、ロッカー装置1に携帯電話番号が使用者によって入力される。
【0050】
電話番号が入力されたら、指定されたロッカー番号の携帯電話番号と一致しているかの可否を判断する(S−C11)。記憶部13内の携帯電話番号記憶部(図8のm行)と一致していなければ、ロッカーの解錠作業を中止し、終了となる(S−C12)。
【0051】
一方、S−C11にて、携帯電話番号記憶部と一致していれば、「YES」へとなり追加料金の算出へと進む。追加料金の算出方法は、前記のS−C7と同じ料金算出方法で算出された料金にさらに+αの料金が増加されて、追加料金となる(S−C13)。
【0052】
このように、初期使用期間設定手段により設定された期間内での使用と、
第2使用期間設定手段により設定された期間内での使用と、初期使用期間設定手段または第2使用期間設定手段を超過しての使用とで、それぞれの使用料金に変化を持たせることによって、使用者のロッカー使用の効率化がなされる。
【0053】
そして、S−C5、S−C7、S−C13により算出された追加料金をタッチパネル8に表示し、料金投入指示を行う(S−C15)。
1分など、所定時間経過した後も料金が投入されない場合は、ロッカーの解錠は行われないまま終了する(S−C16・S−C17)。
所定時間内に追加料金が投入されると、指定されたロッカーを解錠する(S−C4)。
【0054】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係るロッカー装置1の一実施の形態による構成例を示す概略説明図である。
【図2】同、ロッカーを施錠させる手順を示すフローチャートである。
【図3】図2における、ロッカーを施錠させる際のタッチパネルの画面についての概略説明図である。
【図4】図2における、ロッカーを施錠させる際のタッチパネルの画面についての概略説明図である。
【図5】図2における、ロッカーを施錠させる際のタッチパネルの画面についての概略説明図である。
【図6】図2における、ロッカーを施錠させる際のタッチパネルの画面についての概略説明図である。
【図7】図2における、ロッカーを施錠させる際のタッチパネルの画面についての概略説明図である。
【図8】同、記憶部においてのデータ内容を説明した概略説明図である。
【図9】同、ロッカーを施錠後のロッカー装置1の使用期間変更に注目した手順を示すフローチャートである。
【図10】同、ロッカーが解錠されるまでの手順を示すフローチャートである。
【図11】同、ロッカーを解錠させる際のタッチパネルの画面についての概略説明図である。
【符号の説明】
【0056】
1 ロッカー装置
2 複数のロッカー
3 主制御部
4 携帯電話
6 ロッカー開閉手段
7 読取スキャナ(読取手段)
8 タッチパネル
9 認証コード発生部
10 メール送信部
11 メール受信部
12 開閉制御部
13 記憶部
14 算出部
16 認証コード通知部
17 残り使用期間通知部
18 初期使用期間記憶部
19 認証コード記憶部
20 残り使用期間記憶部
21 第2使用期間記憶部
22 初期使用期間算出部
23 第2残り使用期間変更算出部
26 ディスプレイ(表示手段)
27 メール送受信部
28 データ記憶部
29 電話機能部
31 二次元コード(認証コード)
32 携帯電話のメールアドレス
33 ロッカー番号


【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納して使用する複数のロッカーを備え、前記ロッカーを使用する使用者の携帯電話を用いて各ロッカーの開閉を行うロッカー装置であって、
使用するロッカーを指定するロッカー指定手段と、
携帯電話メールアドレスを入力する第1入力手段と、
指定された前記ロッカーの使用期間を設定する初期使用期間設定手段と、
前記第1入力手段にて入力された前記携帯電話メールアドレスに、ロッカー開閉に必要な認証コードを通知する認証コード通知手段と、
前記認証コードを入力する第2入力手段と、
各ロッカーの開閉を制御する開閉制御部と、
前記携帯電話メールアドレスおよび前記認証コードを入力することによって前記開閉制御部によりロッカーを開閉するロッカー開閉手段と、
前記初期使用期間設定手段によって設定された使用期間を記憶する初期使用期間記憶部と、
前記指定されたロッカーが施錠されたとき、前記初期使用期間記憶部に記憶された初期の使用期間より時間の経過とともに残り使用期間を計数する初期残り使用期間算出手段と、
前記残り使用期間を記憶する残り使用期間記憶部と、
ロッカー使用中ならば、ロッカーの使用期間を変更できる第2使用期間設定手段と、
前記第2使用期間設定手段により変更設定された使用期間を記憶する第2使用期間記憶部と、
前記第2使用期間記憶部に記憶された前記変更設定された使用期間に基づいて前記残り使用期間を第2残り使用期間として新たに算出する第2残り使用期間変更算出手段と、
前記各手段および各部を制御する主制御部と、を有し、
前記第2使用期間設定手段により使用期間の変更設定があった場合に、前記第2残り使用期間変更算出手段により新たに算出された前記第2残り使用期間を前記残り使用期間記憶部に記憶させることを特徴とするロッカー装置。
【請求項2】
前記第2使用期間設定手段は、前記開閉制御部に接続された操作部よりの入力、または、使用者の携帯電話のメール受信であることを特徴とする請求項1記載のロッカー装置。
【請求項3】
前記初期使用期間設定手段により設定された期間内での使用と、
前記第2使用期間設定手段により設定された期間内での使用と、
初期使用期間設定手段または第2使用期間設定手段を超過しての使用と、
それぞれの使用料金に変化を持たせることを特徴とする請求項1および2記載のロッカー装置。
【請求項4】
前記第1および第2使用期間設定手段により設定された期間を所定期間大幅に超えて使用された場合、
前記主制御部は使用者に対し、携帯電話番号の開示を要求し、
前記主制御部に対する携帯電話よりのメール返信、または所定電話番号に対する携帯電話よりの返信により、携帯電話番号を開示させることを特徴とする請求項1ないし3記載のロッカー装置。
【請求項5】
物品を収納して使用する複数のロッカーを備え、前記ロッカーを使用する使用者の携帯電話を使用して各ロッカーの開閉を行うロッカー装置であって、
使用するロッカーを指定するロッカー指定手段と、
携帯電話メールアドレスを入力する第1入力手段と、
指定された前記ロッカーの使用期間を設定する初期使用期間設定手段と、
前記第1入力手段にて入力された前記携帯電話メールアドレスに、ロッカー開閉に必要な認証コードを通知する認証コード通知手段と、
各ロッカーの開閉を制御する開閉制御部と、
前記指定されたロッカーが前記開閉制御部によって施錠されたとき、前記初期使用期間指定手段によって指定された初期の使用期間を残り使用期間として記憶する残り使用期間記憶部と、
期間の経過とともに、前記残り使用期間記憶部の残り使用期間を計数する残り使用期間算出手段と、
前記残り使用期間記憶部に記憶された残り使用期間が所定の残り使用期間になったと判定されたとき、携帯電話メールアドレスに残り使用期間を通知する残り使用期間通知手段をもつことを特徴とするロッカー装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−285554(P2006−285554A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−103477(P2005−103477)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】