説明

ロッカー装置

【課題】配達の途中で荷物を保管する際の作業効率を向上することができるロッカー装置を提供する。
【解決手段】ロッカー装置13は、内部に収容空間13sを有し、かつ一側面が開口したロッカー箱体11と、開口を開閉する態様でロッカー箱体に配設した第1扉体12とを備え、収容空間に荷物を収容するものである。このロッカー装置において、ロッカー箱体は、その内部に台車60を収容する空間を確保したものであり、さらにその底板11zの上面に向かって上方に傾斜する第1スロープ50を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に収容空間を有し、かつ一側面が開口したロッカー箱体と、開口を開閉する態様でロッカー箱体に配設した扉体とを備え、収容空間に荷物を収容するロッカー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロッカー装置は、内部に収容空間を有し、かつ一側面が開口したロッカー箱体と、開口を開閉する態様でロッカー箱体に配設した扉体とを備え、収容空間に荷物を収容するものである。この種のロッカー装置では、通常、ロッカー箱体と扉体との間に施錠手段が設けてあり、扉体を閉成した状態で施錠手段を施錠すれば、荷物の一時保管場所として機能させることができる。
【0003】
昨今においては、こうしたロッカー装置の一時保管機能を利用した宅配システムも提供されている。例えば配達先となる住宅の数によって配達領域を設定し、かつその配達領域の内部において駐車場に隣接する態様で上記ロッカー装置を設置する。そのロッカー装置に荷物を収容する場合には、配達領域の内部に配達先が指定されている荷物を配達元から車両を使用してロッカー装置に輸送し、荷物をロッカー装置に一時保管する。その後、配達人が徒歩で上記ロッカー装置から個々の荷物を配達先に配れば、無人の車両を路上に停めることなく荷物を配達することが可能となる。
【0004】
この宅配システムによれば、多数の荷物を宅配する場合にも路上駐車する機会が著しく減少することになる。従って、道路交通法の改正により短時間の路上駐車も許されない現状にあっては、この種の宅配システムの早期具現化が切望されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したようにロッカー装置を荷物の一時保管場所として利用する場合には、車両から荷物をロッカー装置に移動させなければならない。通常、この移動作業を行う場合には、台車を使用し、車両から出した複数の荷物を台車に載せる。その後、台車で上記荷物をロッカー装置の近傍まで運搬した後、台車から荷物をひとつずつロッカー装置の収容空間に入れなければならないため、一時保管作業に手間がかかる問題が存在した。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑み、配達の途中で荷物を保管する際の作業効率を向上することができるロッカー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内部に収容空間を有し、かつ一側面が開口したロッカー箱体と、前記開口を開閉する態様で前記ロッカー箱体に配設した扉体とを備え、前記収容空間に荷物を収容するロッカー装置において、前記ロッカー箱体は、その内部に台車を収容する空間を確保したものであり、さらにその底壁の上面に向かって上方に傾斜するスロープを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に係るロッカー装置は、上記請求項1において、前記スロープは、底壁の上面に向かって上方に傾斜する傾斜位置と、所定の格納位置とに移動する態様で前記ロッカー箱体に配設してあり、格納位置に配置させた場合には、前記ロッカー箱体の収容空間に格納され、かつ前記ロッカー箱体に対する扉体の閉成移動を許容することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に係るロッカー装置は、上記請求項1または2において、前記スロープは前記底壁に取り付けてあり、前記底壁は、前記収容空間から出没する態様で前記ロッカー箱体に配設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係るロッカー装置によれば、収容空間に台車を収容する空間を確保してあるため、複数の荷物を台車に搭載した状態でロッカー装置の収容空間に収容することができる。しかも、ロッカー箱体には、その底壁の上面に向かって上方に傾斜するスロープを配設したため、スロープ上を走行させることで収容空間に対する台車の搬出入を容易に行うことができる。
【0011】
また、本発明に係るロッカー装置によれば、スロープが、底壁の上面に向かって上方に傾斜する傾斜位置と、所定の格納位置とに移動可能な態様でロッカー箱体に配設してあり、格納位置に移動させた場合には、ロッカー箱体の収容空間に格納されて扉体の閉成移動を許容するものであるため、台車とともに荷物を収容空間に出し入れする場合にのみスロープを傾斜位置に配置することができる。従って、通常時においてロッカー装置の外部にスロープが露出することがなく、例えば通行の邪魔になることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るロッカー装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1のロッカー装置を適用した電子制御式多目的ロッカーシステム(ロッカーシステム)の正面図であり、図2は、そのロッカーシステムの構成を示す説明図である。
【0014】
本発明に係るロッカーシステムは、例えば一時預かりボックスシステム等の各種ロッカーシステムに好適なものである。
【0015】
図1および図2に示すように、ロッカーシステムは、例えば複数(この実施形態では5つ)のロッカーユニット10a,10bとコントロールユニット40とで構成してある。これらロッカーユニット10a,10bおよびコントロールユニット40は、例えば地下通路の廊下9の上に設置してある。
【0016】
ロッカーユニット10a,10bは、コントロールユニット40の左右方向の両側に並設してある(この実施の形態では、図1中、コントロールユニット40の左方向に1つ第1ロッカーユニット10aが配置してあり、且つコントロールユニット40の右方向に3つ第1ロッカーユニット10aが配置してあり、図1中、最も右側に第2ロッカーユニット10bが1つ配置してある)。
【0017】
各ロッカーユニット10a,10bの下部には、台座14がそれぞれ配設してある。
【0018】
4つの第1ロッカーユニット10aは左右方向の大きさが相互に同一であり、第2ロッカーユニット10bの左右方向の大きさは、第1ロッカーユニット10aの左右方向の大きさのおよそ2倍である。
【0019】
各ロッカーユニット10a,10bには、図3に示すようにロッカー箱体11と第1扉体12とで構成したロッカー装置13を上下方向に沿って複数並設してある。
【0020】
ロッカー箱体11は、例えば下方に配置する板状の底板(底壁)と、側方に配置する3枚の側板と、上方に配置する天板とを組み合わせることによって前面が開口した箱状に構成したものである。よって、このロッカー箱体11は内部に収容空間13sを有する。
【0021】
この実施形態では、上記開口11aは、垂直面であって、第1ロッカーユニット10aの並設方向に沿う手前側の側面に配置されている。また、この実施形態では、説明の便宜上、開口11aがある側の側面を、ロッカーユニット10a,10bおよびロッカー装置13の正面側として説明する。
【0022】
第1扉体12は、ロッカー箱体11の開口11aを覆うものであって板状に形成してあり、一側縁部を中心として垂直軸回りに回転するよう、自身の一側縁部をロッカー箱体11の一側縁部にヒンジで取り付けてある。よって、上記第1扉体12を開成移動した場合には、ロッカー箱体11の開口11aが開く一方、上記第1扉体12を閉成移動した場合には、ロッカー箱体11の開口11aが閉じる。
【0023】
この実施の形態で示すロッカーシステムは、収容する荷物の大きさに応じて選択できるように大きさの異なる複数のロッカー装置13を有している。より具体的には、第1ロッカーユニット10aは、左右方向の大きさが同一であり、上下方向の大きさが同一である6つのロッカー装置13をそれぞれ有している。
【0024】
第2ロッカーユニット10bは、その下部に、1つのロッカー装置13を有しており、その上部に5つのロッカー装置13を有している。
【0025】
第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の左右方向の大きさは、上記第1ロッカーユニット10aが有するロッカー装置13の左右方向の大きさのおよそ2倍であり、その上下方向の大きさは、上記第1ロッカーユニット10aが有するロッカー装置13の上下方向の大きさのおよそ3.5倍である。この第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13における収容空間13sには後述する台車60を収容する空間が確保してある。
【0026】
第2ロッカーユニット10bの上部の5つのロッカー装置13の左右方向の大きさは、上記第1ロッカーユニット10aが有するロッカー装置13の左右方向の大きさと同一である。
【0027】
第2ロッカーユニット10bにおいて、図1中、左側に配置される2つのロッカー装置13の上下方向の大きさは、上記第1ロッカーユニット10aが有するロッカー装置13の上下方向の大きさよりもわずかに大きい。
【0028】
第2ロッカーユニット10bにおいて、図1中、右側に配置される3つのロッカー装置13の上下方向の大きさは、上記第1ロッカーユニット10aが有するロッカー装置13の上下方向の大きさよりもわずかに小さい。
【0029】
また、上記第1ロッカーユニット10aのロッカー装置13の奥行方向の大きさ、および第2ロッカーユニット10bのロッカー装置13の奥行方向の大きさはすべて同一である。
【0030】
各ロッカー装置13において、ロッカー箱体11と第1扉体12との間には、扉ロック手段15を配設してある。扉ロック手段15は、例えば第1扉体12に配設したストライカ16と、ロッカー箱体11に配設したラッチ17、不図示のラチェット、および図4に示すソレノイド等の駆動手段18とで構成してあり、ロッカー箱体11に対して第1扉体12を閉じた場合に、ラッチ17によってストライカ16を噛合し、かつラチェットによってラッチ17とストライカ16との噛合状態を保持することにより、ロッカー箱体11に対して第1扉体12を閉状態に保持(以下、「施錠状態」と略す)するものである。この扉ロック手段15において、後述する端末装置30の解錠指令に基づき、駆動手段18を駆動してラチェットを回動させた場合には、ラチェットによるラッチ17とストライカ16との噛合状態の保持を解除し、ラッチ17によるストライカ16の噛合を開放することによって、ロッカー箱体11に対する第1扉体12の閉状態の保持を解除し、ロッカー箱体11に対して第1扉体12を開くことが許容されること(以下、「解錠状態」と略す)となる。
【0031】
また、各ロッカー装置13は、上記駆動手段18の他に、ロック検知手段20と、開閉検知手段21とを備えている。ロック検知手段20は、上記扉ロック手段15が施錠状態であるか解錠状態であるかを検知するものである。開閉検知手段21は、図3に示すように、例えばロッカー箱体11に配設してあり、ロッカー箱体11に対して第1扉体12が開いているのか閉じているのかを検知するものである。さらに、上記第1扉体12には、表面側から突出する態様で取手22cが配設してある。
【0032】
これら各ロッカー装置13にそれぞれ配設された駆動手段18、ロック検知手段20、および開閉検知手段21は、ロッカーユニット10a,10bに配設された図2に示す端末装置30によって個別制御されている。
【0033】
端末装置30は、上記コントロールユニット40から各種指令が与えられた場合、その指令に応じてロッカー装置13の各手段18,20,21の個別制御を行うものである。具体的には、端末装置30は、コントロールユニット40から解錠指令が与えられた場合、その解錠指令に応じて扉ロック手段15を施錠状態から解錠状態に変位させ、コントロールユニット40から施錠指令が与えられた場合、その施錠指令に応じて扉ロック手段15を解錠状態から施錠状態に変位させるものである。また、端末装置30は、各種検知指令が送信された場合、その検知指令に応じて検知手段20,21で検知を行わせ、その検知報告をコントロールユニット40に送信するものである。さらに、端末装置30には、自身が制御を行うロッカー装置13のID(identification)情報(識別情報)がそれぞれ格納されている。
【0034】
コントロールユニット40は、図1に示すように、操作表示手段(入力手段)42と、台座43とを備えており、且つ図2に示すように、内部に管理装置44を備えている。
【0035】
操作表示手段42は、例えばタッチパネル付き液晶表示器等のマンマシンインターフェースであって、利用可能なロッカー装置13の表示等、管理装置44からの表示指令に応じて液晶表示器に表示を行い、かつその表示内容に基づいて利用者がタッチパネルを押圧操作した場合、その操作内容を管理装置44に入力するものである。すなわち、この操作表示手段42を通じて、ロッカーシステムに対する命令が利用者から与えられた場合、その命令が管理装置44に与えられることとなる。
【0036】
管理装置44は、上記端末装置30に各種指令を送信し、かつ端末装置30から送信される各種報告を受信するための装置である。管理装置44は、例えば操作表示手段42を通じて利用者から命令が与えられた場合、その命令に応じた指令を端末装置30に送信するものである。より具体的には、管理装置44は、操作表示手段42を通じて利用するロッカー装置13を選択した旨の命令が与えられた場合、その旨の命令に応じて扉ロック手段15の解錠指令を端末装置30に送信するものである。さらに、管理装置44は、例えば後述するように利用者が携帯する携帯電話を介してコントロールユニット40に電話が掛けられ、暗証番号を入力した旨の命令が与えられた場合、その旨の命令に応じて扉ロック手段15の施錠指令を端末装置30に送信するものである。すなわち、上記管理装置44は、上述した各種指令を全ての端末装置30に送信することが可能であり、全てのロッカー装置13の集中制御を行うものである。
【0037】
次に、上記ロッカーシステムにおけるロッカーの利用方法の一例を説明する。なお、ここでは、荷物を収容しているロッカー装置13は、当該ロッカー装置13の扉ロック手段15によって施錠状態に成っており、かつ荷物を収容していないロッカー装置13は、不正な利用を防止するため、当該ロッカー装置13の扉ロック手段15によって施錠状態に成っているものとして説明する。
【0038】
利用者は、先ず、ロッカー装置13を使用する旨を操作表示手段42によって入力する。その旨が操作表示手段42によって管理装置44に与えられた場合、管理装置44は、荷物が収容されていないロッカー装置13を報告させるため、荷物検知指令を各端末装置30にそれぞれ送信する。
【0039】
その荷物検知指令が与えられた各端末装置30は、不図示の荷物検知手段によって各ロッカー装置13の収容空間13sに荷物が収容されているか否かを検知し、その検知報告と各ロッカー装置13のID情報とを関連付けてコントロールユニット40に送信する。
【0040】
それを受信したコントロールユニット40は、荷物を収容していないロッカー装置13、換言すれば利用可能なロッカー装置13を操作表示手段42に表示する。
【0041】
利用者は、利用可能なロッカー装置13の中から選択した1つのロッカー装置13を、操作表示手段42によって入力する。操作表示手段42を通じて1つのロッカー装置13を選択する旨の命令が与えられた管理装置44は、当該ロッカー装置13の扉ロック手段15を施錠状態から解錠状態に成す旨の解錠指令を、当該ロッカー装置13を備える端末装置30に送信する。
【0042】
解錠指令が与えられた端末装置30は、当該ロッカー装置13の扉ロック手段15を施錠状態から解錠状態に成す。
【0043】
利用者は、当該ロッカー装置13において、第1扉体12の開操作を行い、収容空間13sに荷物を載置してから第1扉体12の閉操作を行う。その後、コントロールユニットに配設した不図示の硬貨投入口から硬貨を投入し、例えば自身が所有する携帯電話を使用してコントロールユニット40に電話をかけ、自身の携帯電話の番号を暗証番号としてコントロールユニット40に入力する。その入力によって選択したロッカー装置13の扉ロック手段15を施錠状態にする旨の命令が利用者から管理装置44に与えられる。管理装置44は、その命令に応じて当該ロッカー装置13の扉ロック手段15を解錠状態から施錠状態に成す旨の施錠指令を、当該ロッカー装置13を備える端末装置30に送信する。また、管理装置44は、その暗証番号と当該ロッカー装置13のID情報とを関連付けて自身が備える不図示のメモリに格納する。
【0044】
施錠指令が与えられた端末装置30は、当該ロッカー装置13の扉ロック手段15を解錠状態から施錠状態に成す。
【0045】
その後、荷物を回収する場合、利用者は、自身が所有する携帯電話を使用してコントロールユニット40に電話をかけ、自身の携帯電話の電話番号を暗証番号としてコントロールユニット40に入力する。暗証番号の入力によってロッカー装置13の扉ロック手段15を解錠状態にする旨の命令が利用者から管理装置44に与えられる。管理装置44は、その命令に応じて上記メモリから上記暗証番号に関連付けられているID情報を読み出し、読み出したID番号に対応するロッカー装置13を有する端末装置30に、当該ロッカー装置13の扉ロック手段15を施錠状態から解錠状態に成す旨の解錠指令を送信する。
【0046】
解錠指令が与えられた端末装置30は、当該ロッカー装置13の扉ロック手段15を施錠状態から解錠状態に成す。
【0047】
利用者は、当該ロッカー装置13において、第1扉体12の開操作を行い、収容空間13sに載置してある荷物を取り出してから第1扉体12の閉操作を行う。
【0048】
端末装置30は、開閉検知手段21によって第1扉体12の開成移動および閉成移動を検知した場合、その検知報告をコントロールユニット40に送信し、かつ不図示の荷物検知手段によって荷物を収容していない旨を検知した場合、その検知報告をコントロールユニット40に送信する。それらの検知報告を受信したコントロールユニット40は、そのID情報に対応するロッカー装置13を備える端末装置30に、当該ロッカー装置13を解錠状態から施錠状態に成す旨の施錠指令を送信する。その施錠指令を受信した端末装置30は、ID情報に対応するロッカー装置13の扉ロック手段15を解錠状態から施錠状態に成す。
【0049】
次に、このロッカーシステムにおいて、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の構成を説明する。
【0050】
このロッカー装置13は、図5に示すように第1スロープ(スロープ)50を備えている。この第1スロープ50は、板状に形成してあって、2つの車輪通過部51a,51bと、それらの車輪通過部51a,51bを連結する連結部51cとを備えている。この第1スロープ50は、水平軸回りに回転するよう、一側縁部をロッカー箱体11の底板11zに不図示のヒンジで取り付けてある。
【0051】
また、第1スロープ50には、不図示のストッパが配設してあり、通常、図5および図6に示すように、そのストッパによって第1スロープ50の表面および裏面が、ほぼ垂直となる状態で立ててある。ストッパにより第1スロープ50が立った状態では、第1スロープ50はロッカー装置13の収容空間13sに格納(以下、この位置を第1スロープ50の格納位置という)され、第1扉体12の閉成移動が許容される。
【0052】
この状態から、第1スロープ50の上方の一側端部を引張操作して第1スロープ50の先端側を正面側に移動させた場合、第1スロープ50は水平軸回りに回転し、図7に示すように、車輪通過部51a,51bの一側端部が地下通路の廊下9に接触することとなる。この状態では、第1スロープ50の上面がロッカー装置13の底板11zの上面に向かって上方に傾斜し、かつ第1スロープ50の上面と底板11zの上面とが連続する(以下、この位置を第1スロープ50の傾斜位置という)。しかも、この状態では、第1スロープ50がロッカー装置13の収容空間13sから突出する。
【0053】
第1スロープ50において、上記2つの車輪通過部51a,51bの左右方向の間隔は、図8に示す台車60の2つの台車車輪65の間隔に対応している。また、車輪通過部51a,51bにおける先端部から基端部までの距離は、連結部51cにおける先端部から基端部までの距離よりも大きい。
【0054】
台車60は、矩形板状の台車本体61を備えている。その台車本体61の上部には、開口を有する箱部62と、その開口を覆う蓋部63と、把手64とを配設してある。この台車60は、箱部62と蓋部63とによって画成される荷物収容空間を有している。
【0055】
箱部62の縦横の大きさは、台車本体61の縦横の大きさよりもわずかに小さい。この箱部62は、一側端部を除く態様で台車本体61の上部に固定する態様で載置してある。把手64は、台車本体61の上部において、箱部62を載置していない一側端部に固定する態様で配置してある。この実施形態では、説明の便宜上、把手64がある一側端部を台車60の後側として説明する。
【0056】
台車本体61の下部には4つの台車車輪65を回転自在となる態様で配設してある。これら4つの台車車輪65は、矩形板状の台車本体61の四隅近傍に取り付けてある。この実施形態において、上述した2つの台車車輪65とは、台車60の後側に配置した2つの台車車輪65の間隔、および台車60の前側に配置した2つの台車車輪65の間隔を言う。
【0057】
次に、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の作用を説明する。ここでは、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13を、荷物の一時保管場所として利用する場合を説明する。すなわち、例えば配達先となる住宅の数によって配達領域が設定してあり、かつその配達領域の内部において駐車場に隣接する態様で上記ロッカーシステムが設置してある。
【0058】
先ず、配達人は、例えば荷物集積所において、配達領域の内部に配達先が指定されている複数の荷物を、上記台車60の荷物収容空間に入れてから、複数の荷物を収容した台車60をトラック等の車両で荷物集積所から上記駐車場まで輸送する。
【0059】
次に、配達人は、車両から台車60を出し、その台車60を第2ロッカーユニット10bの近傍まで移動させる。
【0060】
次いで、配達人は、上述したのと同様に携帯電話を使用して、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の扉ロック手段15を解錠状態に成してから、図5に示すように、例えば取手を手前側に引張操作することで第1扉体12を開成移動させて開口11aを開く。第1扉体12を開成移動させた状態では、第1スロープ50が格納位置にある。そこで、配達人は、第1スロープ50の上方の一側端部を正面側に引張操作することによって第1スロープ50を水平軸回りに回転させ、図9に示すように、車輪通過部51a,51bを地下通路の廊下9に接触させて、第1スロープ50を傾斜位置に移動させる。
【0061】
次いで、配達人は、第1スロープ50の車輪通過部51a,51bを台車車輪65が通過するよう台車60を押し、ロッカー装置13の収容空間13sに、台車60とともに複数の荷物を収容する。
【0062】
次に、配達人は、傾斜位置にある第1スロープ50の手前側の一側端部が奥側(背面側)に移動するよう第1スロープ50を水平軸回りに回転させ、図10に示すように、第1スロープ50を格納位置に移動させる。
【0063】
次に、配達人は、第1扉体12を閉成移動させて開口11aを閉じ、上述したのと同様に携帯電話を使用して、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の扉ロック手段15を施錠状態に成す。
【0064】
次いで、配達人は、上記車両を使用して荷物集積所へ帰る。その後、配達人は、バスや電車等の公共の交通機関を使用して再びロッカーシステムまで移動してから、上記携帯電話を使用することで、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の扉ロック手段15を解錠状態に成す。
【0065】
次に、配達人は、第1扉体12を開成移動させてロッカー箱体11の開口11aを開き、格納位置にある第1スロープ50を傾斜位置に移動させる。その後、配達人は、第1スロープ50の車輪通過部51a,51bを台車車輪65が通過するよう台車60を引き、ロッカー装置13の収容空間13sから、台車60とともに複数の荷物を出す。
【0066】
次いで、配達人は、第1スロープ50を水平軸回りに回転させて、第1スロープ50を格納位置に移動させる。
【0067】
次に、配達人は、第1扉体12を閉成移動させて開口11aを閉じる。最後に、配達人は、台車60に収容してある複数の荷物を徒歩でそれぞれ配達する。
【0068】
この実施の形態1に係るロッカー装置13によれば、収容空間13sに台車60を収容する空間を確保してあるため、台車60とともに複数の荷物をロッカー装置13の収容空間に収容することができる。加えて、第1スロープ50によって、煩雑な作業を行うことなく、台車60とともに複数の荷物を、ロッカー装置13の収容空間13sに収容することができる。さらに、第1スロープ50を格納位置に移動させておけば、第2ロッカーユニット10bから第1スロープ50が突出することがないため、地下通路の廊下9を通行の邪魔になることもない。
【0069】
なお、上述した実施の形態1には、台車60を収容する空間を確保したロッカー装置13を1つ備えるロッカーシステムで説明した。しかし、この発明はそれに限られず、ロッカーシステムが、台車60を収容する空間を確保したロッカー装置13を複数備えても良い。
【0070】
また、上述した実施形態1には、格納位置と傾斜位置とに移動する第1スロープ50をロッカー箱体11に配設するもので説明した。しかし、この発明はそれに限られず、例えば底板11zの上面に向かって上方に傾斜する第1スロープを台座14に固着しても良い。
【0071】
また、上述した実施の形態1には、台車60を収容する空間を確保したロッカー装置13の開口11aが、ロッカーユニット10a,10bの正面側に配置してあるもので説明した。しかし、この発明はそれに限られない。例えば、図11に示すように、上記ロッカー装置13の開口11aを、垂直面であって、第1ロッカーユニット10aの並設方向に直交する側面に配置しても良い。
【0072】
このような開口11aを備えるロッカー装置13によれば、ロッカー装置13の正面側の側面に、例えばポスター等を貼る広告領域69を配設することができる。よって、この広告領域69に、ポスターを貼れば、ポスターによって地下通路の廊下9を通行する人に広告を行うことができる。
【0073】
[実施の形態2]
図12は、本発明の実施の形態2のロッカー装置13を適用したロッカーシステムを示したものである。図12に示すロッカーシステムにおいて、図1〜図5に示したロッカーシステムと同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】
この実施の形態2で示すロッカー装置13も、台車60を収容する空間を確保した収容空間13sを有するロッカー装置13を、第2ロッカーユニット10bの下部に配設してある。
【0075】
第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13は、図13に示すように、移動体70を備えている。移動体70は、第2扉体(扉体)12aと第2底板(底壁)71と第1車輪72と第2車輪73と第2スロープ(スロープ)74とを備えている。
【0076】
第2扉体12aは、板状であって、ロッカー箱体11の開口11aの大きさと同一の大きさに形成してあり、一側縁部に軸部材76を上下方向に突出する態様で一対配設してあり、これらの軸部材76の先端を、ロッカー箱体11に形成した不図示の係合孔に入れ、一側縁部を中心として垂直軸回りに回転するよう軸部材76によって軸支している。この第2扉体12aを押圧操作した場合には、ロッカー箱体11の開口11aを閉じる一方、例えば取手22cで引張操作した場合には、ロッカー箱体11の開口11aを開く。換言すれば、このロッカー装置13には、開口11aを開閉可能な態様でロッカー箱体11に第2扉体12aを配設してある。
【0077】
第2底板71は、矩形状に形成してある。また、第2底板71の縦横の大きさは、上記底板11zの縦横の大きさよりも小さい。より具体的には、第2底板71の対角線の大きさL1が、底板11zの左右方向の大きさL2よりも小さい。また、この実施の形態2で示す底板11zは、第2底板71を支持するものである。
【0078】
第2スロープ74は、矩形板状に形成してある。この第2スロープ74は、一側縁部を中心として水平軸回りに回転するよう自身の一側縁部と第2底板71の一側縁部とを例えばヒンジで取り付けてある。
【0079】
第1車輪72は、図14に示すように、回転軸R01を中心に回転自在となる態様で第2底板71の下部に取付具77によって取り付けてある。
【0080】
第2車輪73は、回転軸R02を中心に回転自在となる態様で第2底板71の下部に不図示の取付具によって取り付けてある。
【0081】
回転軸R01から第1車輪72の外径までの大きさR1は、回転軸R02から第2車輪73の外径までの大きさR2よりも大きい。上記第1車輪72の外周面は地下通路の廊下9の上面に接触する一方、第2車輪73の外周面は上記底板11zの上面に接触する。この実施形態2で示す底板11zには、図13に示すように、第2扉体12aを閉成移動させた場合に、第1車輪72が入る第1切欠11yを設けてある。
【0082】
移動体70は、2つの車輪72,73によって第2扉体12aの一側縁部の垂直軸回りに回転するが、通常、第2扉体12aがロッカー箱体11の開口11aを塞ぐ位置(閉成位置)に移動させてある。この状態では、底板11zの第1切欠11yに第1車輪72が入っている。また、この状態では、底板11zの上面と第2底板71の上面とが平行となる態様であって、上記底板11zの上方で、収容空間13sの下部に第2底板71が配置してある。さらに、扉ロック手段15によって、ロッカー箱体11に対して第2扉体12aが閉状態に保持されている。また、第2スロープ74は、図14に示すように、第2スロープ74の一方の表面と、第2底板71の上面とが接触する位置に移動させてある。この状態では、ロッカー装置13の収容空間13sに第2スロープ74が格納されている(以下、この位置を第2スロープ74の「格納位置」という)。
【0083】
次に、このロッカー装置13の作用を説明する。上述した実施形態1で説明したように、例えばこの実施形態2で示すロッカー装置13を荷物の一時保管場所として利用する場合、配達人は携帯電話をしようして、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の扉ロック手段15を解錠してから、図15および図16に示すように、例えば取手22cを引張操作することによって、ロッカー箱体11の開口11aを開くように移動体70を移動させる。
【0084】
次に、第2底板71の一側縁部の水平軸を中心に第2スロープ74を回転させ、第2スロープ74の先端を地下通路の廊下9に接触させる(以下、この状態の第2スロープ74の位置を傾斜位置という)。この状態では、第2スロープ74の上面が第2底板71の上面に向かって上方に傾斜し、かつ第2スロープ74の上面と第2底板71の上面とが連続する。しかも、この状態では、第2スロープ74がロッカー装置13の収容空間13sから出る。
【0085】
次いで、配達人は、第2スロープ74を台車車輪65が通過するよう台車60を押し、ロッカー装置13の収容空間13sに、台車60とともに複数の荷物を収容する。
【0086】
次に、配達人は、第2底板71の一側縁部の水平軸を中心に第2スロープ74を回転させ、例えば第2スロープ74の一方の表面と底板11zの上面とを接触させて、傾斜位置にあった第2スロープ74を格納位置に移動させる。
【0087】
次いで、配達人は、第2扉体12aの一側縁部にある垂直軸を中心に第2扉体12aが回転するよう移動体70を押圧操作し、ロッカー箱体11の開口11aを第2扉体12aで塞ぐ。第2扉体12aで開口11aを塞ぐと、第2スロープ74はロッカー箱体11の収容空間13sの内部に移動することとなる。
【0088】
次に、配達人は、携帯電話を使用して、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の扉ロック手段15を施錠状態に成す。
【0089】
次いで、配達人は、上記車両を使用して荷物集積所へ帰る。その後、配達人は、公共の交通機関を使用して再びロッカーシステムまで移動してから、上記携帯電話を使用することで、第2ロッカーユニットの下部のロッカー装置13の扉ロック手段15を解錠状態に成す。
【0090】
次に、配達人は、第2扉体12aが開成移動するよう移動体70を移動させてロッカー箱体11の開口11aを開き、第2スロープ74を傾斜位置に移動させる。その後、配達人は、第2スロープ74を台車車輪65が通過するよう台車60を引き、ロッカー装置13の収容空間13sから、台車60とともに複数の荷物を出す。その後、第2スロープ74を傾斜位置に移動させ、第2扉体12aでロッカー箱体11の開口11aを塞ぐよう移動体70を奥側(背面側)に移動させて、ロッカー箱体11の開口11aを第2扉体12aで塞ぐ。最後に、配達人は、台車60に収容してある複数の荷物を徒歩でそれぞれ配達する。
【0091】
この実施の形態2に係るロッカー装置13によれば、収容空間13sに台車60を収容する空間を確保してあるため、台車60とともに複数の荷物をロッカー装置13の収容空間に収容することができる。加えて、第2スロープ74によって、煩雑な作業を行うことなく、台車60とともに複数の荷物を、ロッカー装置13の収容空間13sに収容することができる。さらに、第2スロープ74を格納位置に移動させておけば、第2ロッカーユニット10bから第2スロープ74が突出することがないため、地下通路の廊下9を通行の邪魔になることもない。
【0092】
なお、上述した実施の形態2には、台車60を収容する空間を確保したロッカー装置13を1つ備えるロッカーシステムで説明した。しかし、この発明はそれに限られず、ロッカーシステムが、台車60を収容する空間を確保したロッカー装置13を複数備えても良い。
【0093】
[実施の形態3]
図17は、本発明の実施の形態3のロッカー装置13を示したものである。この実施の形態3で示すロッカー装置13も、台車60を収容する空間を確保した収容空間13sを、第2ロッカーユニット10bの下部に配設してある。なお、第1ロッカーユニット10aおよびコントロールユニット40は、実施の形態1で示したものと同一であるため、説明を省略する。また、図17に示すロッカー装置13において、図1〜図5に示したロッカー装置13と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
【0094】
上記ロッカー装置13は、第2移動体80を備えている。第2移動体80は、第3扉体(扉体)12bと第3底板(底壁)81と第12スロープ(スロープ)82と案内手段83とを備えている。
【0095】
第3扉体12bは、板状であって、ロッカー箱体11の開口11aの大きさと同一の大きさに形成してある。
【0096】
第3底板81は、矩形状に形成してある。この第3底板81の縦横の大きさは、上記底板11zの縦横の大きさよりもわずかに小さい。また、この実施の形態3で示す底板11zは、第3底板81を支持するものである。
【0097】
第12スロープ82は、矩形板状に形成してある。この第12スロープ82は、一側縁部を中心として水平軸回りに回転するよう自身の一側縁部と第3底板81の一側縁部とを例えばヒンジで取り付けてある。
【0098】
案内手段83は、図18に示すように、例えば一対のガイドレール90a,90bと、一対の走行体91a,91bと、2つの枠体92,93とで構成してある。この実施形態3で示す案内手段83は、ガイドレール90a,90bをロッカー箱体11の天板に固着してあり、走行体91a,91bを2つの枠体92,93を介して第3底板81および第3扉体12bに固着してある。
【0099】
各ガイドレール90a,90bは、ロッカー装置13の奥行方向に沿って延在する態様で形成してある。一方のガイドレール90aの延在方向と、他方のガイドレール90bの延在方向とは平行である。
【0100】
各走行体91a,91bは、ロッカー装置13の奥行方向に沿って延在する態様で棒状に形成してある。また、一方の走行体91aは、一方のガイドレール90aにスライド移動する態様で係合させてある。さらに、他方の走行体91bは、他方のガイドレール90bにスライド移動する態様で係合させてある。
【0101】
一方の枠体92は、第1棒状部材92aと第2棒状部材92bと第3棒状部材92cとで構成してある。第1棒状部材92aは、上下方向に沿って延在する態様で形成してあり、第3扉体12bの一側縁部に沿う態様で第3扉体12bに固着するものである。また、第1棒状部材92aの下側の端部は、第3底板81に固着してある。第2棒状部材92bは、上下方向に沿って延在する態様で形成してあり、上記一側縁部に対して左右方向の反対側となる第3扉体12bの他側縁部に沿う態様で第3扉体12bに固着するものである。また、第2棒状部材92bの下側の端部は、第3底板81に固着してある。第3棒状部材92cは、左右方向に沿って延在する態様で形成してあり、第1棒状部材92aと第2棒状部材92bとを連結するものである。この第3棒状部材92cは、第3扉体12bの上側縁部に沿う態様で第3扉体12bに固着してある。また、第3棒状部材92cは、上記一方の走行体91aの端部に固着してあり、かつ他方の走行体91bの端部に固着してある。
【0102】
他方の枠体93は、第4棒状部材93aと第5棒状部材93bと第6棒状部材93cとで構成してある。第4棒状部材93aは、上下方向に沿って延在する態様で形成してあり、自身の延在方向と上記第1棒状部材92aの延在方向とが平行になる態様であって、第1棒状部材92aに対して上記台車60が通過できる間を隔てて配置したものである。また、第4棒状部材93aの下側の端部は、第3底板81に固着してある。第5棒状部材93bは、上下方向に沿って延在する態様で形成してあり、自身の延在方向と上記第2棒状部材92bの延在方向とが平行になる態様であって、第2棒状部材92bに対して上記台車60が通過できる間を隔てて配置したものである。また、第5棒状部材93bの下側の端部は、第3底板81に固着してある。第6棒状部材93cは、左右方向に沿って延在する態様で形成してあり、第4棒状部材93aと第5棒状部材93bとを連結するものである。この第6棒状部材93cは、自身の延在方向と上記第3棒状部材92cの延在方向とが平行となる態様で配置したものである。また、第6棒状部材93cは、上記一方の走行体91aの端部に固着してあり、かつ他方の走行体91bの端部に固着してある。
【0103】
第2移動体80は、案内手段83によってロッカー装置13の奥行方向に沿って移動するが、通常、第3扉体12bがロッカー箱体11の開口11aを塞ぐ位置(閉成位置)に移動させてある。この状態では、底板11zの上面と第3底板81の上面とが平行となる態様であって、上記底板11zの上方で、収容空間13sの下部に第3底板81が配置してある。さらに、扉ロック手段15によって、ロッカー箱体11に対して第3扉体12bが閉状態に保持されている。また、第12スロープ82は、第12スロープ82の一方の表面が、第1棒状部材92aに接触し、かつ第4棒状部材93aに接触するように立てかけてある。この状態では、ロッカー装置13の収容空間13sに第12スロープ82が格納されている(以下、この位置を第12スロープ82の「格納位置」という)。
【0104】
次に、このロッカー装置13の作用を説明する。上述した実施形態1で説明したように、例えばこの実施形態3で示すロッカー装置13を荷物の一時保管場所として利用する場合、配達人は携帯電話をしようして、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の扉ロック手段15を解錠してから、図17に示すように、例えば取手22cを引張操作することで、第3扉体12bが開成移動することによりロッカー箱体11の開口11aを開くように第2移動体80を手前側に移動させる。
【0105】
次に、第3底板81の一側縁部にある水平軸を中心に第12スロープ82を回転させ、第12スロープ82の先端を地下通路の廊下9に接触させる。この状態では、第12スロープ82の上面が第3底板81の上面に向かって上方に傾斜し、かつ第12スロープ82の上面と第3底板81の上面とが連続する(以下、この状態の第12スロープ82の位置を傾斜位置という)。第3扉体12bが開成移動した状態で、第12スロープ82を傾斜位置に移動させた場合には、第12スロープ82がロッカー装置13の収容空間13sから出る。
【0106】
次いで、配達人は、第12スロープ82を台車車輪65が通過するよう台車60を押し、ロッカー装置13の収容空間13sに、台車60とともに複数の荷物を収容する。
【0107】
次に、配達人は、第3底板81の一側縁部にある水平軸を中心に第12スロープ82を回転させ、第12スロープ82の一方の表面と第1棒状部材92aとを接触させ、かつ第12スロープ82の一方の表面と第4棒状部材93aとを接触させて格納位置に移動させる。
【0108】
次いで、配達人は、第3扉体12bを押圧操作することで第2移動体80を奥側(背面側)に移動させ、ロッカー箱体11の開口11aを第3扉体12bで塞ぐ。第3扉体12bで開口11aを塞ぐと、第12スロープ82はロッカー箱体11に収容空間13sの内部に移動した状態になる。
【0109】
次に、配達人は、携帯電話を使用して、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の扉ロック手段15を施錠状態に成す。
【0110】
次いで、配達人は、上記車両を使用して荷物集積所へ帰る。その後、配達人は、公共の交通機関を使用して再びロッカーシステムまで移動してから、上記携帯電話を使用することで、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の扉ロック手段15を解錠状態に成す。
【0111】
次に、配達人は、第3扉体12bが開成移動するよう第2移動体80を移動させてロッカー箱体11の開口11aを開いてから、格納位置にある第12スロープ82を傾斜位置に移動させる。その後、配達人は、第12スロープ82を台車車輪65が通過するよう台車60を引き、ロッカー装置13の収容空間13sから、台車60とともに複数の荷物を出す。その後、格納位置にある第12スロープ82を傾斜位置に移動させ、第3扉体12bでロッカー箱体11の開口11aを塞ぐよう第2移動体80を奥側(背面側)に移動させる。最後に、配達人は、台車60に収容してある複数の荷物を徒歩でそれぞれ配達する。
【0112】
この実施の形態3に係るロッカー装置13によれば、収容空間13sに台車60を収容する空間を確保してあるため、台車60とともに複数の荷物をロッカー装置13の収容空間に収容することができる。加えて、第12スロープ82によって、煩雑な作業を行うことなく、台車60とともに複数の荷物を、ロッカー装置13の収容空間13sに収容することができる。さらに、第12スロープ82を格納位置に移動させておけば、第2ロッカーユニット10bから第12スロープ82が突出することがないため、地下通路の廊下9を通行の邪魔になることもない。
【0113】
なお、上述した実施の形態3には、台車60を収容する空間を確保したロッカー装置13を1つ備えるロッカーシステムで説明した。しかし、この発明はそれに限られず、ロッカーシステムが、台車60を収容する空間を確保したロッカー装置13を複数備えても良い。
【0114】
[実施の形態4]
図19は、本発明の実施の形態4のロッカー装置13を適用したロッカーシステムを示したものである。図19に示すロッカーシステムにおいて、図1〜図5に示したロッカーシステムと同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
【0115】
この実施の形態4で示すロッカーシステムも、台車60を収容する空間を確保した収容空間13sを有するロッカー装置13を、第2ロッカーユニット10bの下部に配設してある。
【0116】
第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13は、図20および図21に示すように、第3移動体100を備えている。第3移動体100は、第4扉体(扉体)12cと第4底板(底壁)101と一対の第3車輪102a,102bと一対の第4車輪103a,103bと一対の第2ガイドレール104a,104bと第22スロープ(スロープ)105とを備えている。
【0117】
第4扉体12cは、板状であって、ロッカー箱体11の開口11aの大きさと同一の大きさに形成してある。
【0118】
第4底板101は、矩形状に形成してある。この第4底板101の縦横の大きさは、上記底板11zの縦横の大きさと同一である。また、この実施の形態4で示す底板11zは、後述する第4車輪103a,103bを介して第4底板101を支持するものである。
【0119】
第22スロープ105は、矩形板状に形成してある。この第22スロープ105は、一側縁部の水平軸回りに回転するよう自身の一側縁部と第4底板101の一側縁部とを例えばヒンジで取り付けてある。
【0120】
第3車輪102a,102bは、図21に示すように、回転軸R03を中心に回転自在となる態様で第4底板101の下部に取付具によって取り付けてある。
【0121】
第4車輪103a,103bは、回転軸R04を中心に回転自在となる態様で第4底板101の下部に取付具によって取り付けてある。
【0122】
回転軸R03から第3車輪102a,102bの外径までの大きさR3は、回転軸R04から第4車輪103a,103bの外径までの大きさR4よりも大きい。上記第3車輪102a,102bの外周面は地下通路の廊下9の上面に接触する一方、第4車輪103a,103bの外周面は上記底板11zの上面に接触する。この実施形態4で示す底板11zには、第4扉体12cを閉成移動させた場合に、第3車輪102a,102bが入る第2切欠11xを2つを設けてある。
【0123】
各第2ガイドレール104a,104bは、ロッカー装置13の奥行方向に沿って延在する態様で形成してある。一方の第2ガイドレール104aの延在方向と、他方の第2ガイドレール104bの延在方向とは平行である。これら第2ガイドレール104a,104bは、一対の第4車輪103a,103bの間に配置してあり、回転する第4車輪103a,103bに接触することで第3移動体100の移動方向を案内するものである。
【0124】
第4底板101の上部であって、各第2ガイドレール104a,104bの手前側の端部となる部位には、第2ストッパ109a,109bがそれぞれ配設してある。
【0125】
第3移動体100は、一対の第3車輪102a,102bおよび一対の第4車輪103a,103bによってロッカー装置13の奥行方向に沿って移動するが、通常、第4扉体12cがロッカー箱体11の開口11aを塞ぐ位置(閉成位置)に移動させてある。この状態では、底板11zの上面と第4底板101の上面とが平行となる態様であって、上記底板11zの上方で、収容空間13sの下部に第4底板101が配置してある。さらに、扉ロック手段15によって、ロッカー箱体11に対して第4扉体12cが閉状態に保持されている。また、第22スロープ105は、第22スロープ105の一方の表面と、第4底板101の上面とが接触する位置に移動させてある。この状態では、ロッカー装置13の収容空間13sに第22スロープ105が格納されている(以下、この位置を第22スロープ105の「格納位置」という)。
【0126】
次に、このロッカー装置13の作用を説明する。上述した実施形態1で説明したように、例えばこの実施形態4で示すロッカー装置13を荷物の一時保管場所として利用する場合、配達人は携帯電話をしようして、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の扉ロック手段15を解錠してから、図22に示すように、例えば取手22cを引張操作することで、第4扉体12cが開成移動することによりロッカー箱体11の開口11aを開くように第3移動体100を手前側に移動させる。
【0127】
次に、図23に示すように、第4底板101の一側縁部にある水平軸を中心に第22スロープ105を回転させ、第22スロープ105の先端を地下通路の廊下9に接触させる。この状態では、第22スロープ105の上面が第4底板101の上面に向かって上方に傾斜し、かつ第22スロープ105の上面と第4底板101の上面とが連続する(以下、この位置を第22スロープ105の傾斜位置という)。ロッカー箱体11の開口11aが開いた状態で、第22スロープ105を傾斜位置に切り換えた場合には、第22スロープ105がロッカー装置13の収容空間13sから出る。
【0128】
次いで、配達人は、第22スロープ105を台車車輪65が通過するよう台車60を押し、ロッカー装置13の収容空間13sに、台車60とともに複数の荷物を収容する。
【0129】
次に、配達人は、第4底板101の一側縁部にある水平軸を中心に第22スロープ105を回転させ、例えば第22スロープ105の一方の表面と第4底板101の表面とを接触させ、傾斜位置にある第22スロープ105を格納位置に移動する。
【0130】
次いで、配達人は、第4扉体12cを押圧操作することで第3移動体100を奥側(背面側)に移動させ、ロッカー箱体11の開口11aを第4扉体12cで塞ぐ。第4扉体12cで開口11aを塞ぐと、第22スロープ105は、ロッカー箱体11の収容空間13sに収容されることとなる。
【0131】
次に、配達人は、携帯電話を使用して、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の扉ロック手段15を施錠状態に成す。
【0132】
次いで、配達人は、上記車両を使用して荷物集積所へ帰る。その後、配達人は、公共の交通機関を使用して再びロッカーシステムまで移動してから、上記携帯電話を使用することで、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の扉ロック手段15を解錠状態に成す。
【0133】
次に、配達人は、第4扉体12cが開成移動するよう第3移動体100を移動させてロッカー箱体11の開口11aを開き、格納位置にある第22スロープ105を傾斜位置に移動させる。その後、配達人は、第22スロープ105を台車車輪65が通過するよう台車60を引き、ロッカー装置13の収容空間13sから、台車60とともに複数の荷物を出す。その後、傾斜位置にある第22スロープ105を格納位置に移動させ、第4扉体12cでロッカー箱体11の開口11aを塞ぐよう第3移動体100を奥側(背面側)に移動させる。最後に、配達人は、台車60に収容してある複数の荷物を徒歩でそれぞれ配達する。
【0134】
この実施の形態4に係るロッカー装置13によれば、収容空間13sに台車60を収容する空間を確保してあるため、台車60とともに複数の荷物をロッカー装置13の収容空間に収容することができる。加えて、第22スロープ105によって、煩雑な作業を行うことなく、台車60とともに複数の荷物を、ロッカー装置13の収容空間13sに収容することができる。さらに、第22スロープ105を格納位置に移動させておけば、第2ロッカーユニット10bから第22スロープ105が突出することがないため、地下通路の廊下9を通行の邪魔になることもない。
【0135】
なお、上述した実施の形態4には、台車60を収容する空間を確保したロッカー装置13を1つ備えるロッカーシステムで説明した。しかし、この発明はそれに限られず、ロッカーシステムが、台車60を収容する空間を確保したロッカー装置13を複数備えても良い。
【0136】
[実施の形態5]
図24は、本発明の実施の形態5のロッカー装置13を示したものである。この実施の形態5で示すロッカー装置13も、台車60を収容する空間を確保した収容空間13sを、第2ロッカーユニット10bの下部に配設してある。なお、第1ロッカーユニット10aおよびコントロールユニット40は、実施の形態1で示したものと同一であるため、説明を省略する。また、図24に示すロッカー装置13において、図1〜図5に示したロッカー装置13と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
【0137】
第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13は、第5扉体(扉体)12dと、第4移動体110を備えている。
【0138】
第5扉体12dは、板状であって、ロッカー箱体11の開口11aの大きさと同一の大きさに形成してある。第5扉体12dは、一側縁部を中心として垂直軸回りに回転するよう、自身の一側縁部をロッカー箱体11の一側縁部にヒンジで取り付けてあり、開口11aを開閉可能な態様でロッカー箱体11に配設してある。
【0139】
第4移動体110は、スライド板111と、回転板(底壁)112と、第3スロープ(スロープ)113とを備えている。
【0140】
スライド板111は、矩形状に形成してある。このスライド板111の縦横の大きさは、上記底板11zの縦横の大きさと同一である。また、このスライド板111と、上記底板11zとの間には、底板11zに対してロッカー装置13の奥行方向に沿ってスライド板111をスライド移動させる不図示のスライド移動手段が配設してある。このスライド移動手段は、スライド板111の手前側半分を収容空間13sから突出させるものである。
【0141】
回転板112は、矩形板状に形成してある。この回転板112の縦横の大きさは、上記スライド板111の縦横の大きさよりも小さい。この回転板112は、自身の上面と、上記スライド板111の上面と平行となる態様で、垂直軸回りに回転するよう第2軸部材112aを介して上記スライド板111に取り付けてある。
【0142】
第3スロープ113は、矩形板状に形成してある。この第3スロープ113は、一側縁部の水平軸回りに回転するよう自身の一側縁部と、回転板112の一側縁部とを例えばヒンジで取り付けてある。
【0143】
第4移動体110は、スライド移動手段によってロッカー装置13の奥行方向に沿って移動するが、通常、ロッカー装置13の収容空間13sの内部に、スライド板111、回転板112、および第3スロープ113が入るよう移動させてある。この状態では、上記底板11zの上方であって、収容空間13sの下部にスライド板111および回転板112が配置してある。また、通常、第5扉体12dは閉成移動させてあり、第5扉体12dによってロッカー箱体11の開口11aを塞いである。さらに、扉ロック手段15によって、ロッカー箱体11に対して第5扉体12dが閉状態に保持されている。また、第3スロープ113は、自身の一方の表面と、回転板112の上面とが接触する位置に移動させてある。この状態では、ロッカー装置13の収容空間13sに第3スロープ113が格納されている(以下、この位置を第3スロープ113の「格納位置」という)。
【0144】
次に、このロッカー装置13の作用を説明する。上述した実施形態1で説明したように、例えばこの実施形態5で示すロッカー装置13を荷物の一時保管場所として利用する場合、配達人は携帯電話をしようして、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の扉ロック手段15を解錠してから、例えば取手22cを引張操作することで、第5扉体12dを開成移動させてロッカー箱体11の開口11aを開く。
【0145】
次に、配達人は、図25に示すように、第4移動体110を手前側にスライド移動させる。次いで、配達人は、図26に示すように、スライド板111に対して回転板112を回転させてから、回転板112の一側縁部にある水平軸を中心に第3スロープ113を回転させ、第3スロープ113の先端を地下通路の廊下9に接触させる。この状態では、第3スロープ113がロッカー装置13の収容空間13sから出る(以下、この位置を第3スロープ113の非格納位置という)。第3スロープ113を非格納位置に切り換えた場合には、第3スロープ113の上面が回転板112の一側縁部に向かって上方に傾斜し、かつ第3スロープ113の上面が回転板112に連続する。
【0146】
次いで、配達人は、第3スロープ113を台車車輪65が通過するよう台車60を押し、回転板112の上方領域に台車60を移動させてから、水平軸回りに第3スロープ113を回転させることで第3スロープ113を台車60に立てかける。
【0147】
次に、配達人は、図27に示すように、スライド板111に対して回転板112を回転させてから、図28に示すように、底板11zに対してスライド板111を奥側(背面側)にスライド移動させ、第3スロープ113を格納位置に移動させるとともに、ロッカー装置13の収容空間13sに、台車60とともに複数の荷物を収容する。
【0148】
次いで、配達人は、第5扉体12dを押圧操作することで、ロッカー箱体11の開口11aを第5扉体12dで塞ぐ。
【0149】
次に、配達人は、携帯電話を使用して、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の扉ロック手段15を施錠状態に成す。
【0150】
次いで、配達人は、上記車両を使用して荷物集積所へ帰る。その後、配達人は、公共の交通機関を使用して再びロッカーシステムまで移動してから、上記携帯電話を使用することで、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の扉ロック手段15を解錠状態に成す。
【0151】
次に、配達人は、第5扉体12dを開成移動させてから、第4移動体110を手前側にスライド移動させる。
【0152】
次いで、配達人は、スライド板111に対して回転板112を回転させてから、水平軸を中心に第3スロープ113を回転させ、第3スロープ113の先端を地下通路の廊下9に接触させる。この状態では、第3スロープ113の上面が回転板112の上面に向かって上方に傾斜し、かつ第3スロープ113の上面と回転板112の上面とが連続する(以下、この位置を第3スロープ113の傾斜位置という)。ロッカー箱体11の開口11aが開いた状態で、第3スロープ113を傾斜位置に切り換えた場合には、第3スロープ113がロッカー装置13の収容空間13sから出る。
【0153】
次いで、配達人は、第3スロープ113を台車車輪65が通過するよう台車60を引き、回転板112の上方領域外に台車60を移動させ、ロッカー装置13の収容空間13sから台車60とともに複数の荷物を出す。
【0154】
次に、配達人は、回転板112の一側縁部にある水平軸回りに第3スロープ113を回転させることで第3スロープ113の一方の表面と回転板112の上面とを接触させて、傾斜位置にある回転板112を格納位置に移動する。
【0155】
次に、配達人は、スライド板111に対して回転板112を回転させてから、底板11zに対してスライド板111を奥側(背面側)にスライド移動させ、第3スロープ113を格納位置に移動させる。
【0156】
次いで、配達人は、第5扉体12dを押圧操作することで、ロッカー箱体11の開口11aを第5扉体12dで塞ぐ。
【0157】
次に、配達人は、携帯電話を使用して、第2ロッカーユニット10bの下部のロッカー装置13の扉ロック手段15を施錠状態に成す。最後に、配達人は、台車60に収容してある複数の荷物を徒歩でそれぞれ配達する。
【0158】
この実施の形態5に係るロッカー装置13によれば、収容空間13sに台車60を収容する空間を確保してあるため、台車60とともに複数の荷物をロッカー装置13の収容空間に収容することができる。加えて、第3スロープ113によって、煩雑な作業を行うことなく、台車60とともに複数の荷物を、ロッカー装置13の収容空間13sに収容することができる。さらに、第3スロープ113を格納位置に移動させておけば、第2ロッカーユニット10bから第3スロープ113が突出することがないため、地下通路の廊下9を通行の邪魔になることもない。また、回転板112によって、台車60の収容姿勢を変更することができる。
【0159】
なお、上述した実施の形態5には、台車60を収容する空間を確保したロッカー装置13を1つ備えるロッカーシステムで説明した。しかし、この発明はそれに限られず、ロッカーシステムが、台車60を収容する空間を確保したロッカー装置13を複数備えても良い。
【0160】
また、上述した実施の形態5には、スライド移動手段によって、収容空間13sからスライド板111の手前側半分を突出させるものである。しかし、この発明はそれに限られず、例えば収容空間13sからスライド板111のすべてを突出させるスライド移動手段を、スライド板111と底板11zとの間に配設しても良い。このようなスライド移動手段を配設するときには、スライド板111を収容空間13sから突出させた場合には廊下9に接触するよう進出し、かつスライド板111を収容空間13sに収容した場合には退行する折畳み可能(出没可能)な脚をスライド板111の裏面に配設する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】本発明の実施の形態1に係るロッカー装置を備えるロッカーシステムの正面図である。
【図2】図1に示したロッカーシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示したロッカー装置の一部を示す斜視図である。
【図4】図3に示したロッカー装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示したロッカーシステムが備える第2ロッカーユニットにおいて、そのロッカーユニットが備える下部のロッカー装置を示す斜視図である。
【図6】図5に示したロッカー装置の部分断面図である。
【図7】図5に示したロッカー装置のスロープを非格納位置に移動した場合を示す部分断面図である。
【図8】図5に示したロッカー装置の収容空間に収容する台車を示す斜視図である。
【図9】図5に示したロッカー装置のスロープを非格納位置に移動した場合を示す斜視図である。
【図10】図5に示したロッカー装置の収容空間に台車を収容した場合を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係るロッカー装置の変形例を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係るロッカー装置を備えるロッカーシステムの正面図である。
【図13】図12に示したロッカーシステムが備えるロッカー装置を説明する図面であって、図12におけるA−A線での断面平面図である。
【図14】図13におけるB−B線での断面側面図である。
【図15】図12に示したロッカー装置が備える移動体の作用を示す説明図である。
【図16】図12に示したロッカー装置が備える移動体の作用を示す斜視図である。
【図17】本発明の実施の形態3に係るロッカー装置を示す斜視図である。
【図18】図17に示したロッカー装置が備える第2移動体を示す斜視図である。
【図19】本発明の実施の形態4に係るロッカー装置を備えるロッカーシステムの正面図である。
【図20】図19に示したロッカーシステムが備えるロッカー装置を説明する図面であって、図19におけるC−C線での断面平面図である。
【図21】図20におけるD−D線での断面側面図である。
【図22】図20に示したロッカー装置が備える第3移動体の作用を示す断面側面図である。
【図23】図20に示したロッカー装置が備える第3移動体の作用を示す斜視図である。
【図24】本発明の実施の形態5に係るロッカー装置を示す斜視図である。
【図25】図24に示したロッカー装置が備える第4移動体の作用を示す斜視図である。
【図26】図24に示したロッカー装置が備える第4移動体の作用を示す斜視図である。
【図27】図24に示したロッカー装置が備える第4移動体の作用を示す斜視図である。
【図28】図24に示したロッカー装置が備える第4移動体の作用を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0162】
10b 第2ロッカーユニット
11 ロッカー箱体
11a 開口
11z 底板(底壁)
12 第1扉体(扉体)
13 ロッカー装置
13s 収容空間
50 第1スロープ(スロープ)
51a,51b 車輪通過部
51c 連結部
60 台車
69 広告領域
70 移動体
71 第2底板(底壁)
74 第2スロープ(スロープ)
80 第2移動体
81 第3底板(底壁)
82 第12スロープ(スロープ)
83 案内手段
100 第3移動体
101 第4底板(底壁)
105 第22スロープ(スロープ)
110 第4移動体
111 スライド板
112 回転板(底壁)
113 第3スロープ(スロープ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収容空間を有し、かつ一側面が開口したロッカー箱体と、
前記開口を開閉する態様で前記ロッカー箱体に配設した扉体と
を備え、前記収容空間に荷物を収容するロッカー装置において、
前記ロッカー箱体は、その内部に台車を収容する空間を確保したものであり、さらにその底壁の上面に向かって上方に傾斜するスロープを備えたことを特徴とするロッカー装置。
【請求項2】
前記スロープは、底壁の上面に向かって上方に傾斜する傾斜位置と、所定の格納位置とに移動する態様で前記ロッカー箱体に配設してあり、格納位置に配置させた場合には、前記ロッカー箱体の収容空間に格納され、かつ前記ロッカー箱体に対する扉体の閉成移動を許容することを特徴とする請求項1に記載のロッカー装置。
【請求項3】
前記スロープは前記底壁に取り付けてあり、
前記底壁は、前記収容空間から出没する態様で前記ロッカー箱体に配設したことを特徴とする請求項1または2に記載のロッカー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2008−149064(P2008−149064A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−342669(P2006−342669)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】