説明

ロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置及びその組み付け方法

【課題】高速作業を可能とし、かつ、設置面積を少なくすることができること。
【解決手段】複数枚の扇形摩擦材10を円環状に配設する底面31c、及び扇形摩擦材10の内側を規制する内周壁31e及び扇形摩擦材10の外側を規制する外周壁31dからなる円環溝31を形成したベース手段30と、円環状の底面31cの内周壁31e側に向かって、複数枚の扇形摩擦材10を順次1枚毎送出する供給路60と、ベース手段30の円環溝31の溝内に複数枚の扇形摩擦材10を環状に配置した後、前記複数枚の扇形摩擦材10を環状に整えるべく押圧する押圧・移動手段50を具備し、複数枚の扇形摩擦材10を順次回転させて供給または同時に複数枚の扇形摩擦材10を略同時に供給する場合でも、複数枚の扇形摩擦材10が移動しないから、高速作業が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクコンバータのロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置及びその組み付け方法に関するものであり、特に、芯金に対する複数の摩擦材を接合した組み付け装置及びその組み付け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の芯金に対する複数の摩擦材を接合したロックアップクラッチ用摩擦板及びその製造方法として特許文献1に記載の技術がある。
特許文献1には、芯板(23)(なお、ここで( )内の数字記号は特許文献1の図面の構成部品を示すものである)の側面に、平坦な摩擦面を持つ円環状の摩擦ライニング(24)を接着してなる摩擦板(F)を製造する方法において、摩擦ライニング材テープ(38)から打ち抜いた複数枚の扇形のライニングセグメント(24a)を互いに重なることなくインデックステーブル(32)上に概ね円環状に仮配列する工程と、インデックステーブル(32)上に仮配列した複数枚のライニングセグメント(24a)をインデックステーブル(32)の中心に向けて一斉に移動することにより、ライニングセグメント(24a)の仮配列を、各ライニングセグメント(24a)間から隙間を排除した円環状に修正する工程と、円環状に配列修正した複数枚のライニングセグメント(24a)を芯板(23)の側面に接着する工程を備える組み付け装置及びその組み付け方法を開示している。
【特許文献1】特許第3614763号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1によれば、ライニングセグメント仮配列ステーション(S1)によって、摩擦ライニング材テープ(38)から打ち抜いた複数枚の扇形のライニングセグメント(24a)を互いに重なることなくインデックステーブル(32)上に概ね円環状に仮配列し、ライニングセグメント配列修正ステーション(S2)によって、インデックステーブル(32)上に仮配列した複数枚のライニングセグメント(24a)を、それらの外周の配設した複数の配列修正部材(58)によりインデックステーブル(32)の中心に向けて一斉に移動させ、ライニングセグメント(24a)の仮配列を各ライニングセグメント(24a)間から隙間を排除した円環状に修正すると共に、配列修正したライニングセグメント(24a)群を配列修正部材(58)に保持するものである。
【0004】
したがって、ライニングセグメント仮配列ステーション(S1)のインデックステーブル(32)は、その径を大きくし、その後、ライニングセグメント配列修正ステーション(S2)によって概ね円環状に仮配列した複数枚の扇形のライニングセグメント(24a)の間隔を狭めるようにスライドさせる必要があり、ロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置が占める工場内の面積が広くならざるを得なかった。
また、インデックステーブル(32)の上で概ね円環状に仮配列した複数枚の扇形のライニングセグメント(24a)の間隔を狭めるようにスライドさせる必要性から、平面に配置している。ここで生産性を高めるために、インデックステーブル(32)の回転速度を速くすると、ライニングセグメント(24a)に遠心力が作用し、各扇形のライニングセグメント(24a)の間隔に乱れが生じ、複数枚の扇形のライニングセグメント(24a)の間隔を狭めるようにスライドさせるとき、何枚かが離脱し、正確にライニングセグメント(24a)の径が定まらない可能性がある。
【0005】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、高速作業を可能とし、かつ、設置面積を少なくすることのできるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置及びその組み付け方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置は、複数枚の扇形摩擦材を円環状に配設する底面、及び前記円環状の前記底面に載置された前記扇形摩擦材の内側を規制する内周壁、及び前記円環状の前記底面に載置された前記扇形摩擦材の外側を規制する外周壁からなる円環溝の周囲に配設され、前記円環溝の前記内周壁側に向かって、前記扇形摩擦材を順次送出する供給路と、前記円環溝の溝内に複数枚の扇形摩擦材を環状に配置し、前記複数枚の前記扇形摩擦材を環状に整えるべく押圧するものである。
ここで、上記円環溝は、複数枚の扇形摩擦材を円環状に配設する底面、及び前記円環状の前記底面に載置された前記扇形摩擦材の内側を規制する内周壁、及び前記円環状の前記底面に載置された前記扇形摩擦材の外側を規制する外周壁からなるものである。前記円環溝は、複数枚の扇形摩擦材を円環状に並べる金型となるものであり、基本的に円環溝が得られる形態であればよい。
また、上記供給路は、前記円環溝の周囲に配設され、前記円環溝の前記内周壁側に向かって、前記扇形摩擦材を送出するものであればよく、その配設本数を特定するものではなく、1個以上、全周に配設した数の範囲内の数であればよい。
そして、上記押圧手段は、前記金型としての前記円環溝内に挿入自在で、前記円環溝に並べられた複数枚の扇形摩擦材の端部が互いに接触するように環状とし、両面を平坦面とすべく押圧するものであり、前記金型としての前記円環溝と同様、環状の金型として形成するものであればよい。
【0007】
請求項2にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置は、更に、環状に形成された前記複数枚の扇形摩擦材を吸引し、前記複数枚の扇形摩擦材を環状に形成された状態で吸引し、前記環状に形成された複数枚の扇形摩擦材の場所を移動するワーク移動手段を具備するものである。
ここで、上記ワーク移動手段は、前記押圧手段に環状に形成された複数枚の扇形摩擦材を吸引する空気路及び吸引ヘッドを形成するものであればよい。また、前記環状に形成された複数枚の扇形摩擦材の場所の移動は、次の処理が行える工程に移動するものであればよく、その移動も専用機であっても、ロボットであっても、トランスファーマシン等であってもよい。
【0008】
請求項3にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の前記円環溝は、その径方向の断面形状が上側を幅広とした台形に形成されているものである。ここで、台形とは、深さが一定で、上辺の幅が下辺の幅よりも広いものを意味する。
【0009】
請求項4にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の前記円環溝の外周側は、その内周側よりも高低差を形成されているものである。
ここで、前記円環溝の外周側がその内周側よりも高低差を形成するというものは、内周壁側を基準としたとき、前記底面に載置された前記扇形摩擦材の外側を規制する外周壁側をその基準よりも高くするか低くすることを意味し、必ずしも連続的に高低差を設けるものでなくてもよい。
【0010】
請求項5にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の前記外周壁は、前記円環溝の前記底面及び前記円環溝の前記内周壁と別部材で形成されているものである。
ここで、前記外周壁は、前記円環溝の前記底面及び前記円環溝の前記内周壁と別部材で形成されていて、前記円環溝を形成しながらも、両者が相対移動できるものであればよい。
【0011】
請求項6にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の前記供給路の平面は、前記円環溝の前記底面と略同一平面としたものである。
ここで、前記供給路の平面が前記円環溝の前記底面と略同一平面とは、内周壁側を基準としたとき、前記底面に載置された前記扇形摩擦材の外側を規制する外周壁側をその基準の高さとするものである。
【0012】
請求項7にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の前記供給路から送出される前記扇形摩擦材は、前記扇形摩擦材の大径部の周面の両側で押圧して、移動させる搬送補助具を具備するものである。
ここで、上記位置決め手段は、前記扇形摩擦材の大径部の周面の少なくとも前記扇形摩擦材の中央の両側を押圧して移動させる手段であればよい。
【0013】
請求項8にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の前記供給路から送出される前記扇形摩擦材は、前記扇形摩擦材の大径部の周面の両側で押圧し、前記扇形摩擦材の一方の端部で位置決めして、移動させる搬送補助具を具備するものである。
ここで、上記位置決め手段は、前記扇形摩擦材の大径部の周面の少なくとも前記扇形摩擦材の中央の両側を押圧し、かつ、前記扇形摩擦材の一方の端部で位置決めして移動させる手段であればよい。
【0014】
請求項9にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の前記供給路から送出される前記扇形摩擦材は、前記扇形摩擦材の大径部の周面の両側で押圧し、前記扇形摩擦材の両方の端部で位置決めして、移動させる搬送補助具を具備するものである。
ここで、上記位置決め手段は、前記扇形摩擦材の大径部の周面の少なくとも前記扇形摩擦材の中央の両側を押圧し、かつ、前記扇形摩擦材の両方の端部で位置決めして移動させる手段であればよい。
【0015】
請求項10にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の前記円環溝の前記内周壁側に向かって前記扇形摩擦材を送出する供給路は、前記ベース手段の周囲に複数設けたものである。
ここで、上記供給路は前記円環溝の前記内周壁側に向かって前記扇形摩擦材を順次または略同時に供給できるものであればよい。
【0016】
請求項11にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け方法は、複数枚の扇形摩擦材を円環溝の底面の前記内周壁側に向かって送出し、前記送出された前記複数枚の扇形摩擦材の内側を規制する内周壁及び前記扇形摩擦材の外側を規制する外周壁にガイドされて、前記円環溝の前記底面に複数枚の扇形摩擦材を環状に配置した後に、前記複数枚の扇形摩擦材を環状に整えるべく押圧し、その後、環状に形成された前記扇形摩擦材を、前記環状に形成された状態で吸引し、前記環状に形成された複数枚の扇形摩擦材を移動するものである。
ここで、複数枚の扇形摩擦材を円環溝の底面の前記内周壁側に向かって送出する工程は、供給工程であり、扇形摩擦材を円環溝の底面の前記内周壁側に向かって送出するものであればよい。1以上の供給路から供給するものであればよい。
また、送出された前記複数枚の扇形摩擦材の内側を規制する内周壁及び前記扇形摩擦材の外側を規制する外周壁にガイドされ、前記円環溝の前記底面に扇形摩擦材を配置する工程は、配置工程であり、前記複数枚の扇形摩擦材の内側を規制する内周壁または前記扇形摩擦材の外側を規制する外周壁にガイドされ、前記円環溝の前記底面に扇形摩擦材を配置するものであればよい。
そして、前記円環溝内に前記複数枚の扇形摩擦材を環状に配置した後に、前記複数枚の扇形摩擦材を環状に整えるべく押圧する工程は、押圧工程であり、前記円環溝内に前記複数枚の扇形摩擦材を環状に配置して、前記複数枚の扇形摩擦材を環状に整えるものであればよい。
更に、前記押圧工程の後、環状に形成された前記複数枚の扇形摩擦材を、前記環状に形成された状態で吸引し、前記環状に形成された複数枚の扇形摩擦材を移動する工程は、ワーク移動工程であり、環状に形成された複数枚の扇形摩擦材を、前記環状に形成された状態で吸引し、前記環状に形成された状態で複数枚の扇形摩擦材を移動するものであればよい。ここで、ワーク移動工程は、前記押圧手段に環状に形成された複数枚の扇形摩擦材を吸引する管路及び吸引ヘッドを形成したもので、前記環状に形成された複数枚の扇形摩擦材の場所を他に移動させるものであればよく、その移動も専用機であっても、ロボットであっても、トランスファーマシン等であってもよい。
【0017】
請求項12にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け方法は、前記円環溝の前記底面に複数枚の扇形摩擦材を配置する配置工程は、前記円環溝の前記底面に複数枚の扇形摩擦材を順次配置する工程としたものである。
【0018】
請求項13にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け方法は、前記円環溝の前記底面に複数枚の扇形摩擦材を配置する配置工程は、前記円環溝の前記底面に複数枚の扇形摩擦材を一度に略同時に配置する工程としたものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1におけるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置は、複数枚の扇形摩擦材を円環状に配設する底面、及び前記底面に載置された前記扇形摩擦材の内側を規制する内周壁、及び前記底面に載置された前記扇形摩擦材の外側を規制する外周壁からなる円環溝と、前記円環溝の周囲に配設され、前記円環溝の前記内周壁側に向かって前記扇形摩擦材を送出する供給路と、前記円環溝の溝内に複数枚の扇形摩擦材を環状に配置した後、前記複数枚の前記扇形摩擦材を環状に整えるべく押圧する押圧手段とを具備するものである。
したがって、円環溝よりも大きい面積を使用することなく複数枚の扇形摩擦材を環状として取り出すことができるから、装置の設置面積が少なくて製造を行うことができる。また、前記円環溝は、従来例とは異なり、固定したものであり、余剰スペースを持つものでないので、複数枚の扇形摩擦材を順次回転させて供給または同時に複数枚の前記扇形摩擦材を略同時に供給する場合でも、複数枚の扇形摩擦材が移動しないから、高速作業が可能となる。また、特に、供給路の設置数によって、前記複数枚の前記扇形摩擦材を環状に整える速度をより高速化できる。
【0020】
請求項2におけるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置は、更に、前記押圧手段には、環状に形成された前記複数枚の扇形摩擦材を吸引し、前記複数枚の扇形摩擦材を環状に形成された状態で吸引し、前記環状に形成された複数枚の扇形摩擦材を移動するワーク移動手段を具備するものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、次の加工工程に移動させる場合、前記複数枚の扇形摩擦材を環状に形成された状態で吸引することによって、その環状の形状が崩れないで使用でき、仕上げ精度を高くすることができる。
【0021】
請求項3におけるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の前記ベース手段の円環溝は、その径方向の断面形状が略上側を幅広とした台形に形成されているものであるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、特定の成型位置、即ち、底面の成型位置まで移動する間に側面でガイドされ、精度よく複数枚の扇形摩擦材を環状に形成できる。
【0022】
請求項4におけるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の前記円環溝の前記底面は、前記円環溝の外周側がその内周側よりも高低差を形成されているものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、前記円環溝の内周側を基準としたとき、前記円環溝の外周側に間隔を形成することができ、無理な配置をすることなくその環状に導くことができ、仕上げ精度を高くすることができる。
【0023】
請求項5におけるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の前記円環溝の前記底面に載置された前記扇形摩擦材の外側を規制する前記外周壁は、前記円環溝の前記底面及び前記円環溝の前記内周壁と別部材で形成されているから、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、前記円環溝の前記外周壁は、その設計自由度が高くなり、また、供給路の搬送面と共に任意の底面を設定できる。
【0024】
請求項6におけるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の前記供給路の平面は、前記円環溝の前記底面と略同一平面としたものであるから、請求項5に記載の効果に加えて、前記扇形摩擦材の端部相互間に必要な間隙を形成でき、仕上げ精度を高くすることができる。
【0025】
請求項7におけるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の前記供給路から送出される前記扇形摩擦材は、前記扇形摩擦材の大径部の周面の両側で押圧して、移動させる搬送補助具を具備するものであるから、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の効果に加えて、常に安定した位置設定が可能となる。
【0026】
請求項8におけるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の前記供給路から送出される前記扇形摩擦材は、前記扇形摩擦材の大径部の周面の両側で押圧し、前記扇形摩擦材の一方の端部で位置決めして、移動させる搬送補助具を具備するものであるから、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の効果に加えて、前記扇形摩擦材の設定位置の精度を上げることができる。
【0027】
請求項9におけるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の前記供給路から送出される前記扇形摩擦材は、前記扇形摩擦材の大径部の周面の両側で押圧し、前記扇形摩擦材の両方の端部で位置決めして、移動させる搬送補助具を具備するものであるから、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の効果に加えて、常に安定した位置設定が可能となり、前記扇形摩擦材の設定位置の精度をより上げることができる。
【0028】
請求項10におけるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の前記円環溝の前記内周壁側に向かって前記扇形摩擦材を送出する供給路は、前記円環溝の周囲に複数設けたものであるから、請求項1乃至請求項9の何れか1つに記載の効果に加えて、前記扇形摩擦材を並べる速度を高速化することができる。特に、前記扇形摩擦材を円形にする枚数に相当する供給路を配設したものでは最速処理を行うことができる。
【0029】
請求項11におけるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け方法は、複数枚の扇形摩擦材を円環溝の底面の前記内周壁側に向かって送出する供給工程と、前記送出された前記複数枚の扇形摩擦材の内側を規制する内周壁及び前記扇形摩擦材の外側を規制する外周壁にガイドされて、前記円環溝の前記底面に複数枚の扇形摩擦材を配置する配置工程と、前記円環溝内に前記複数枚の扇形摩擦材を環状に配置した後に、前記複数枚の扇形摩擦材を環状に整えるべく押圧する押圧工程と、前記押圧工程の後、環状に形成された前記複数枚の扇形摩擦材を、前記環状に形成された状態で吸引し、前記環状に形成された複数枚の扇形摩擦材を移動するワーク移動工程を具備するものである。
したがって、円環溝よりも大きい面積を使用することなく複数枚の扇形摩擦材を環状として取り出すことができ、装置の設置面積が少なくて製造を行うことができる。また、前記円環溝は、従来例とは異なり、固定したものであり、余剰スペースを持つものでないので、複数枚の扇形摩擦材を順次回転させて供給または同時に複数枚の前記扇形摩擦材を略同時に供給する場合でも、複数枚の扇形摩擦材が移動しないから、高速作業が可能となる。また、特に、供給路の設置数によって、前記複数枚の前記扇形摩擦材を環状に整える速度をより高速化できる。
【0030】
請求項12におけるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け方法は、前記円環溝の前記底面に複数枚の扇形摩擦材を配置する配置工程は、前記円環溝の前記底面に複数枚の扇形摩擦材を順次配置する工程としたものであるから、請求項11に記載の効果に加えて、装置の設置面積を最も少なくすることができる。
【0031】
請求項13におけるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け方法は、前記円環溝の前記底面に複数枚の扇形摩擦材を配置する配置工程は、前記円環溝の前記底面に複数枚の扇形摩擦材を一度に略同時配置する工程としたものであるから、請求項11に記載の効果に加えて、装置の設置面積は広くなるが、製造速度を最も速くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図中、同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここでは重複する説明を省略する。
[実施の形態1]
【0033】
図1は本発明の実施の形態1にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の要部動作説明図、図2(a)乃至(c)は本発明の実施の形態1にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の要部動作を示す断面の説明図である。図3(a)乃至(c)は本発明の実施の形態1にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の押圧・移動手段の説明図である。また、図4(a)乃至(c)は本発明の実施の形態1にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の扇形摩擦材の供給時の間隙状態を示す説明図である。そして、図5(a)及び(b)は本発明の実施の形態1にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の扇形摩擦材の配列状態を示す説明図である。
【0034】
本発明の実施の形態においては、扇形摩擦材10(以下、本実施の形態において、位置を特定しない扇形摩擦材については「10」で、位置を特定する扇形摩擦材については「10-1〜10-8」で示すこととする)は、図示しない別の場所で打ち抜いて、供給路60を順次搬送され、結果として、環状に並べた扇形摩擦材10、即ち、環状摩擦材10Aとして形成するものである。
ここで、環状摩擦材10Aとは、複数の扇形摩擦材10で形成した環状の摩擦材をいうこととする。複数とは、本実施の形態では8枚の扇形摩擦材10の例を示すが、本発明を実施する場合には、その枚数に限定されるものではなく2枚以上であればよい。
【0035】
ベース手段30は全体平面形状が円形をなしており、その同心円上に円環溝31が形成されたものである。ベース手段30及びその円環溝31は、金属製からなり、その円環溝31の外周内面は、複数枚の扇形摩擦材10で形成した環状摩擦材10Aの外周に略等しくなっている。また、円環溝31の上部内側は、環状摩擦材10Aの内径と略同一となっており、その底面内側で環状摩擦材10Aの内径に略等しくなっている。
【0036】
即ち、ベース手段30の中央の突起である円盤部分35の内周壁31eは、図1乃至図3に示すように、中心を通る上部端部31a相互間が、同じく中心を通る下部端部31b相互間の距離よりも僅かに短くなっており、円環溝31の深さに比例して中心を通る端部相互間の距離が増加するようになっている。また、ベース手段30の外周案内部32の円環溝31の外周壁31dは、平滑面となっており円環溝31の底面31cから垂直に形成されている。本実施の形態の外周案内部32は、円盤部分35とは別部材でなり、円盤部分35と一体となって回転するものではなく、外周案内部32は他部材に固定され、円盤部分35との回転とは無関係である。なお、外周案内部32を円盤部分35の回転に対して停止状態とすることで、円環溝31の底面31cに載置された扇形摩擦材10は僅かに回転に抗した接触抵抗を受ける。
なお、このベース手段30の下面側は、図示しない動力源の制御された回転力を得て、回転自在に回転軸33にボルト34で固着されている。
【0037】
ベース手段30の円環溝31の溝内に挿入自在な押圧・移動手段50は、円環溝31に並べられた複数枚の扇形摩擦材10を環状の環状摩擦材10Aとすべく押圧し、それを次の工程に移動させるものである。押圧・移動手段50は、下部が円環溝31に嵌合する程度の下面が円環状である円環状下部51で、かつ、直径方向に0.1〜1mm程度の機械的精度で形成されており、円環状下部51は上部がフレーム52と一体に取付けられている。なお、本実施の形態の押圧・移動手段50は、円環溝31に並べられた複数枚の扇形摩擦材10を環状の環状摩擦材10Aとすべく押圧する押圧手段と、その後、環状摩擦材10Aを移動させる移動手段とすることができる。
【0038】
円環状下部51の内部には、図示省略する空気路54及び吸引ヘッド55が形成されていて、円環状下部51の下端の吸引ヘッド55で吸引する構造となっている。そのため、空気路54はフレーム52の内部または外部においても配管されている。この円環状下部51の下端の吸引ヘッド55で吸引する扇形摩擦材10は、環状摩擦材10Aとして整列した状態のものであるから、扇形摩擦材10の中間及びその端部を吸引するようにしている。
なお、供給路60の搬送面65は、円環溝31の底面31cよりも高い位置に配設しており、常に、扇形摩擦材10の中間及びその端部を吸引する構成であっても、複数枚の扇形摩擦材10を環状の環状摩擦材10Aとする操作に支障が生じない。
【0039】
供給路60には、押し出し手段63が配設されていて、押し出し手段63が1往復することによって、扇形摩擦材10を1枚円環溝31の底面31cに導くものである。即ち、押し出し手段63が扇形摩擦材10を押圧すると、扇形摩擦材10の1枚が円環溝31の底面31cに導かれ、押し出し手段63が復帰すると、そこに1枚の扇形摩擦材10が供給される。
押し出し手段63の扇形摩擦材10との接触面は、扇形摩擦材10の外周面に形成されており、供給路60の両側壁に沿って扇形摩擦材10を押圧する機構となっている。扇形摩擦材10は、供給路60の両側壁によって規制されているので、扇形摩擦材10の周方向の中間線が、その中心を通る直径方向に移動させる。
なお、扇形摩擦材10の内径側が内周壁31eに当接すると同時に、供給路60の供給口から扇形摩擦材10が円環溝31に落下するものであるが、完全を期すために、扇形摩擦材10の外形を一回り小さくした押圧ロッドによって下方に移動させること、ガイドすることもできる。したがって、扇形摩擦材10は、押し出し手段63の送出方向に、その直径となる中心線が位置するように順次送出される。この扇形摩擦材10の供給路60への供給は、図示しない供給装置によって行われる。
【0040】
次に、このように構成された本発明の実施の形態1のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の動作について説明する。
図示しない別の場所で打ち抜かれた扇形摩擦材10は、図1に示す供給路60をベース手段30及び円盤部分35の中心に向かって順次送出する。
扇形摩擦材10は、押し出し手段63によって送出される方向に、その直径となる中心線が位置するように順次搬送される。この扇形摩擦材10の送出は、押し出し手段63によって行われ、図示しない供給装置によって供給路60に扇形摩擦材10の供給が行われる。扇形摩擦材10は、供給路60の端部の供給口62から落下するものであるが、完全を期すために、扇形摩擦材10の外形を一回り小さくした押圧ロッドによって下方に移動させることができる。
【0041】
供給路60の供給口62から円環溝31の底面31cまでは僅かの高さの間隔であり、落下する扇形摩擦材10は内周壁31eによって、僅かのベクトル力を受けるが、そのベクトル力は小さく、内周壁31eを基準点にして扇形摩擦材10が下降する。扇形摩擦材10の下面が底面31cに到着するまでに、若干、扇形摩擦材10が内周壁31eを移動し、その扇形摩擦材10は底面31cに配置される。したがって、内周壁31eが基準となって、扇形摩擦材10が底面31cに載置される。
【0042】
例えば、図1は、供給路60の扇形摩擦材10-1の内側が供給口62から配置位置に到達し、配置した状態を示すものである。また、図4は、供給路60の端部の供給口62から扇形摩擦材10-2を送出中、図5は扇形摩擦材10-1から10-8を配列した状態を示すものである。
図2においては、供給路60の供給口62から落下した扇形摩擦材10-1は、底面31cに載置された状態で、45度だけベース手段30が右回転し、供給路60の供給口62から次の扇形摩擦材10-2を配置する供給過程を示すものである。
【0043】
このようにベース手段30及び円環溝31を順次45度ずつ回転させながら、円環溝31の底面31cの上部に順次扇形摩擦材10を載置する。このとき、図2に示すように、供給口62から円環溝31の底面31cまでは僅かの間隔であり、落下する扇形摩擦材10は途中で内周壁31eの斜面に当接する。更に詳しく説明すると、内周壁31eに当接する扇形摩擦材10は、その自重によって若干のベクトル力を受けるが、その空気抵抗等が作用して、その内周壁31eを滑る。したがって、扇形摩擦材10が回動することなく底面31cに載置される。扇形摩擦材10が底面31cに到着するまでに、若干、扇形摩擦材10が内周壁31eを移動するが、それが扇形摩擦材10の基準位置となる。
【0044】
当然ながら、中央の円盤部分35は、中心を通る上部端部31a相互間が、下部端部31b相互間の距離よりも短くなっており、円環溝31の深さに比例してベース手段30の中心を通る端部相互間の距離が増加するようになっているから、円環溝31に落下される扇形摩擦材10は適度な空気抵抗を受け、必要に応じて、ベース手段30の円環溝31の外周案内部32の外周壁31dにガイドされながら所定の位置に定まることになる。
【0045】
図5(a)及び図5(b)の扇形摩擦材10の配列状態を示す説明図のように、8枚の扇形摩擦材10を底面31cに配置され、8枚の扇形摩擦材10の内周壁31eを基準として、8枚の扇形摩擦材10の上部が回動するとき、順次底面31cに8枚の扇形摩擦材10を並べ、8枚の扇形摩擦材10の端部相互が密に当接する。
この状態で、8枚の扇形摩擦材10は、8枚が連続する環状摩擦材10Aとなる。しかし、8枚の扇形摩擦材10の端部の当接は、自重のみに委ねているから、必ずしも、端面相互間の接合が一致していないものもあり得る。
そこで、押圧・移動手段50は、円環溝31に並べられた複数枚の扇形摩擦材10を環状の環状摩擦材10Aとすべく押圧し、それを次の工程に移動させる。
【0046】
このときの扇形摩擦材の供給時の間隙状態を示す説明を、図4(a)乃至(c)を用いて説明する。
図4に示すように、底面31cに載置した扇形摩擦材10-1と、これから底面31cに載置しようとする扇形摩擦材10-2との間には、当初はδ1という間隔が形成されており、その後、扇形摩擦材10-2が移動するとδ2(δ1>δ2)という間隔が扇形摩擦材10-1の端部と扇形摩擦材10-2の端部に形成され、扇形摩擦材10-2の端部が内周壁31eに当接すると、同時に、扇形摩擦材10-1の端部に扇形摩擦材10-2の端部が当接し、扇形摩擦材10-1の端部と扇形摩擦材10-2の端部の隙間がゼロになる。
【0047】
このようにして、扇形摩擦材10は、押し出し手段63によって送出される供給路60の方向に、その直径となる中心線が合致するように順次搬送される。順次、扇形摩擦材10-1から扇形摩擦材10-8までをベース手段30の円環溝31に倣って挿入すると、扇形摩擦材10-1から扇形摩擦材10-8の内側の端部が内周壁31eに当接し、そこが基準位置となり、ベース手段30の回転に伴い順次配置及び整列させることができる。ベース手段30の回転に伴い順次扇形摩擦材10をベース手段30の円環溝31に順次挿入するとき、ベース手段30の回転によって、遠心力が加わるが、僅かな間隔を設けているに過ぎない円環溝31の外周壁31dにガイドされるから、扇形摩擦材10-1から扇形摩擦材10-8の内周壁31eと当接する基準位置が変化することはない。また、ベース手段30の回転によって遠心力が加わると、扇形摩擦材10がベース手段30の円環溝31の外周壁31dに接触するが、外周壁31dが移動しないので、両者間の接触抵抗によって、ベース手段30の回転角度よりも、扇形摩擦材10の回動角度が少なくなる可能性がある。
【0048】
しかし、仮に、扇形摩擦材10-1側の回動角度が少なくなっても、次に配置される扇形摩擦材10-2が挿入される際に、扇形摩擦材10-2が扇形摩擦材10-1を回転方向に押圧し、扇形摩擦材10-2のスペースを確保することから、扇形摩擦材10-1側が回転方向に移動せざるを得なくなり、扇形摩擦材10の相互端部の隙間がなくなるように密に端部接合がなされる。
即ち、ベース手段30の回転に伴い順次扇形摩擦材10をベース手段30の円環溝31に順次挿入するとき、当初は扇形摩擦材10の端部相互間にδ1という間隔が形成されているが、2δ1/3の間隔まで狭まると、扇形摩擦材10-2が移動したとき扇形摩擦材10-2の端部が内周壁31eに当接する直前に、その両端が円環溝31の底面31cに当接する。このとき、扇形摩擦材10-1側の端部に扇形摩擦材10-2の端部が重なり合わないから、整然とした配置が可能となる。
【0049】
このようにベース手段30を順次45度ずつ回転させながら、円環溝31の底面31cの上部に順次、扇形摩擦材10を載置する。これにより、内周壁31eに当接する扇形摩擦材10は、その自重によって内周壁31eが扇形摩擦材10の基準位置となり、扇形摩擦材10が回動することなく底面31cに載置される。
ここで、ベース手段30の円環溝31に8枚の扇形摩擦材10が環状に並べられた状態で、押圧・移動手段50の円環状下部51を用いて、円環溝31の底面31cに環状摩擦材10Aを押圧し、環状摩擦材10Aの平滑面を出し、恰も、8個の放射状のスリットが入った環状摩擦材10Aのように環状に形成することができる。
【0050】
そして、この状態で押圧・移動手段50の円環状下部51に設けている吸引ヘッド55から吸引して、環状摩擦材10Aを円環状下部51の下面で保持し、次のロックアップクラッチの芯金またはロックアップクラッチのピストン部材に対する接着剤塗布工程、接合工程に搬送する。
なお、本実施の形態では、扇形摩擦材10の供給を単一の供給路60から供給する説明を行ったが、扇形摩擦材10の供給を2以上の供給路60から供給することもできる。
特に、8個の供給路60から同時に扇形摩擦材10を供給すると、本実施の形態の1/8の速度で環状摩擦材10Aを形成することができる。
[実施の形態2]
【0051】
実施の形態1では1個の供給路60から扇形摩擦材10を供給するものであるが、8個の供給路60から同時に扇形摩擦材10を供給すると、本実施の形態1の1/8の速度で環状摩擦材10Aを形成することができる。実施の形態2はその事例である。
図6は本発明の実施の形態2のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の動作を示す説明図である。
本実施の形態2では、扇形摩擦材10の供給を8本の供給路60-1乃至供給路60-8から同時または略同時に供給するものである。実施の形態2の扇形摩擦材10の供給を8本の供給路60-1乃至供給路60-8から同時または略同時に供給する構成を除くと、実施の形態1と相違するものはない。
なお、本実施の形態2では、扇形摩擦材10の供給を8本の供給路60-1乃至供給路60-8から同時または略同時に供給する事例で説明したが、本発明を実施する場合には、環状摩擦材10Aを形成する扇形摩擦材10の枚数の整数分の1の数の供給路60とすることができる。
[実施の形態3]
【0052】
実施の形態1においては、供給路60の供給口62の搬送面65が円環溝31の底面31cよりも高い位置に配設したものであるが、本発明を実施する場合には、両者を同一高さとすることができる。
図7は本発明の実施の形態3にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の要部動作を示す断面の説明図で、実施の形態1の図2に相当する図である。
供給路60の搬送面65は、供給口62で円環溝31の底面31cの高さを一致させている。
【0053】
扇形摩擦材10は、押し出し手段63によって送出される供給路60によって、その扇形摩擦材10の直径となる中心線がベース手段30の直径の直線に一致するように送出され、円盤部分35の直径の直線に合致するように順次搬送される。順次、扇形摩擦材10-1から扇形摩擦材10-8までをベース手段30の円環溝31に倣って挿入するとき、当初の扇形摩擦材10の端部相互間に、δ1という間隔が形成されているから、間隙を最大限大きくした配置が可能となる。
本実施の形態3では、扇形摩擦材10-1から扇形摩擦材10-8までをベース手段30の円環溝31に倣って挿入するとき、当初の扇形摩擦材10の端部相互間にδ1という最大間隔が形成されているから、間隙を最大限大きくしたものであり、仮に、先に挿入配置した扇形摩擦材10の挿入位置の誤差が大きくても、次の扇形摩擦材10の挿入配置と共にそれが是正され、配置精度が高くなる。
【0054】
特に、本実施の形態3では、扇形摩擦材10の円環溝31への配置が、供給路60を押し出し手段63によって送出される場合には、続く扇形摩擦材10の両端で配置される扇形摩擦材10が押し出されることになる。即ち、環状摩擦材10Aの仕上がり精度は、供給路60を押し出し手段63によって送出される工程によって左右される。
そこで、供給路60の供給口62から搬送される扇形摩擦材10には、基準となる位置を設定すると、精度がより高くなる。実施の形態4はその例である。
[実施の形態4]
【0055】
図8は本発明の実施の形態4にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の要部動作を示す断面の説明図で、実施の形態1の図4に相当する図である。
供給路60の搬送面65は、供給口62で円環溝31の底面31cの高さを一致させている。扇形摩擦材10-1が配置され、次に扇形摩擦材10-2が配置されるとき、搬送補助具66として扇形摩擦材10の両端部を押圧により移動させる押圧バー66a、66bを配設し、また、先に円環溝31に供給した扇形摩擦材10-1側の対向端部でない反対側の端部の面を特定する端部当接バー66cを有している。
これら押圧バー66a、66bと端部当接バー66cは、通常、ベース手段30及び供給路60の上部に配置されたロボットのハンドに配設される。
【0056】
次に、搬送補助具66の動作を説明する。
扇形摩擦材10は、押し出し手段63によって送出される供給路60によって、その扇形摩擦材10の中心線がベース手段30の直径の直線と一致するように送出され、円盤部分35の直径の直線に合致するように順次搬送される。押し出し手段63によって送出される供給路60の供給口62の扇形摩擦材10は、円環溝31の直前で停止される。
図においては、扇形摩擦材10-1が既に円環溝31に供給され、ベース手段30が45度回動した状態であり、扇形摩擦材10-2が円環溝31の外側まで搬送されている。そこで、押圧バー66a、66bが降り、扇形摩擦材10-2の外周面の両端部側を扇形摩擦材10の中心がベース手段30の中心方向に移動させる。同時または略同時に扇形摩擦材10-2の端部に端部当接バー66cを降ろし、扇形摩擦材10-2の端部に当接させる。
【0057】
そして、搬送補助具66の押圧バー66a、66b及び端部当接バー66cによって、扇形摩擦材10-2の中心線がベース手段30の中心であり、円盤部分35の中心に向かって搬送移動させる。扇形摩擦材10-2の内周が円環溝31の内周壁31eに当接するまで移動させる。このとき、端部当接バー66cは扇形摩擦材10-2の基準端部位置となる。したがって、扇形摩擦材10は押し出し手段63によって送出される供給路60によって、その扇形摩擦材10の中心線がベース手段30の直径をとおる直線に合致するように順次搬送される。順次、扇形摩擦材10-1から扇形摩擦材10-8までをベース手段30の円環溝31に倣って挿入するとき、当初の扇形摩擦材10の端部相互間に、δ1という間隔が形成されているから、間隙を最大限大きくした配置が可能となる。しかも、扇形摩擦材10の設置の場合に、端部当接バー66cが基準面を形成するので、誤差の少ない、扇形摩擦材10を均一配置した環状摩擦材10Aが得られる。
【0058】
ところで、本実施の形態の搬送補助具66は、押圧バー66a、66bと端部当接バー66cを配設したものであるが、本発明を実施する場合には、扇形摩擦材10の端部相互間の間隔は、順次、扇形摩擦材10-1から扇形摩擦材10-8までをベース手段30の円環溝31に倣って挿入するとき、扇形摩擦材10の挿入位置の誤差が大きくても、次の扇形摩擦材10の挿入配置と共にそれが是正され、配置精度が高くなるから、端部当接バー66cを省略することもできる。
また、搬送補助具66の押圧バー66a、66bは、別体で形成してもよいし、板材で連結したり、或いは、板材でコ字状に切り欠いて形成してもよい。
【0059】
上記各実施の形態では、扇形摩擦材10-1から扇形摩擦材10-8までをベース手段30の円環溝31に倣って挿入するとき、扇形摩擦材10の挿入位置の誤差が大きくても、次の扇形摩擦材10の挿入配置と共にそれが是正され、配置精度が高くなると説明したが、円環溝31に倣って挿入するとき扇形摩擦材10の位置を固定する固定手段を配設しても実施することができる。
図9は本発明の実施の形態4にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の他の変形例を示す説明図である。
本実施の形態では、固定保持手段36によってベース手段30の円環溝31に倣って扇形摩擦材10を挿入したとき、それを保持するものである。この固定保持手段36は押圧・移動手段50と共通させても良いし、板ばねとしても良い。何れにせよ、配列された扇形摩擦材10が移動しないように固定できればよい。
【0060】
上記各実施の形態では、外周案内部32が円環溝31や、ベース手段30と一体に形成されていない構成で説明した。
しかし、本発明を実施する場合には、外周案内部32を円環溝31や、ベース手段30と一体に形成することもできる。特に、外周案内部32が円環溝31や、ベース手段30と一体に形成されていない構成の場合には、扇形摩擦材10と外周壁31dとの接触によって、扇形摩擦材10の位置を変化させることができるが、外周案内部32を円環溝31や、ベース手段30と一体に形成した場合には、最初に円環溝31に配置する位置情報が最後まで維持されるので、供給精度によっては、外周案内部32を円環溝31や、ベース手段30と一体に形成した方がよい場合もある。しかし、それ以上に、供給路60の設定自由度が外周案内部32を円環溝31や、ベース手段30と一体に形成する場合は拘束されることになる。
【0061】
上記各実施の形態では、ベース手段30の円環溝31の底面31cは、円環溝31の外周壁31d側と内周壁31e側が均一な高さの底面31cとしている。しかし、底面31cを傾斜させると、扇形摩擦材10を配設する間隙に余裕ができ、押圧・移動手段50によって仕上げを行うように構成することもできる。実施の形態5はその例である。
[実施の形態5]
【0062】
図10は本発明の実施の形態5にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の要部動作を示す断面の説明図で、実施の形態1の図2に相当する図である。
図10において、円環溝31の底面31cは、3区画に分離されている。即ち、円盤部分35には、連続して凸起37が形成されている。凸起37の上面37bが底面31cの一部となっている。また、環状部材38及び環状部材39は、それぞれロッド38a及びロッド39aに接続されており、図示しない油圧、リンク機構等によってロッド38a及びロッド39aが上下動し、環状部材38の上部38b及び環状部材39の上部39bが凸起37の上面37bと共に円盤部分35の底面31cを形成している。
【0063】
扇形摩擦材10は、押し出し手段63によって供給路60に沿って送出される。即ち、扇形摩擦材10の中心線がベース手段30の中心を通る直径の直線であり、円盤部分35の直径の直線に合致するように順次搬送される。押し出し手段63によって送出される供給路60の供給口62の扇形摩擦材10は、円環溝31に移送される。
図においては、扇形摩擦材10-1が既に円環溝31に供給された状態を示す。ここで、図10(a)に示すように扇形摩擦材10が斜めに配置されるので、円環溝31の幅方向(ベース手段30の直径方向)に対してゆとりができる。また、扇形摩擦材10相互間の端面相互についても間隔が発生し、ゆとりがでてくる。
【0064】
そこで、ロッド38a及びロッド39aを上昇させ、環状部材38の上部38b及び環状部材39の上部39bを凸起37の上面37bと共に底面31cを形成させると、実施の形態1と同様の構成となる。ここで、扇形摩擦材10を均一配置した環状摩擦材10Aが得られる。
ここで、ベース手段30の円環溝31に8枚の扇形摩擦材10-1から扇形摩擦材10-8が環状に並べられた状態で、押圧・移動手段50の円環状下部51を用いて、円環溝31の底面31cに環状摩擦材10Aを押圧し、環状摩擦材10Aの平滑面を出し、恰も、8個の放射状のスリットが入った環状摩擦材10Aのように環状に形成する。
このように、扇形摩擦材10と円環溝31の幅との間にゆとりができるものにおいては、円環溝31の外周壁31dと内周壁31eを底面31cに対して垂直とすることができる。特に、ベース手段30の円環溝31の内周壁31eは、その径方向の断面形状が、中心を通る上部端部31a相互間が、同じく中心を通る下部端部31b相互間の距離よりも僅かに長く形成することもできる。
【0065】
以上のように、本発明の上記実施の形態のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置は、複数枚の扇形摩擦材10を円環状に配設する底面31c、及び円環状の底面31cに載置された扇形摩擦材10の内側を規制する内周壁31e、及び円環状の底面31cに載置された扇形摩擦材10の外側を規制する外周壁31dからなる円環溝31を形成したベース手段30と、円環状の底面31cの内周壁31e側に向かって、複数枚の扇形摩擦材10を順次1枚毎送出する供給路60と、ベース手段30の円環溝31の溝内に複数枚の扇形摩擦材10を環状に配置した後、前記複数枚の扇形摩擦材10を環状に整えるべく押圧する押圧手段(押圧・移動手段50)を具備するものである。
【0066】
したがって、円環溝31よりも大きい面積を使用することなく複数枚の扇形摩擦材10を環状として取り出すことができるから、装置の設置面積が少なくて製造を行うことができる。また、円環溝31は、従来例とは異なり、固定したものであり、余剰スペースを持つものでないので、複数枚の扇形摩擦材10を順次回転させて供給または同時に複数枚の扇形摩擦材10を略同時に供給する場合でも、複数枚の扇形摩擦材10が移動しないから、高速作業が可能となる。また、特に、供給路60の設置数によって、複数枚の扇形摩擦材10を環状に整える速度をより高速化できる。
【0067】
更に、前記押圧手段(押圧・移動手段50)には、環状に形成された複数枚の扇形摩擦材10を吸引し、複数枚の扇形摩擦材10を環状に形成された状態で吸引し、環状に形成された複数枚の扇形摩擦材10を移動するワーク移動手段(押圧・移動手段50)を具備するものである。したがって、次の加工工程に移動させる場合、複数枚の扇形摩擦材10を環状に形成された状態で吸引することによって、その環状の形状が崩れないで使用でき、仕上げ精度を高くすることができる。
【0068】
ベース手段30の円環溝31は、その直径方向に切断した断面形状が上側を幅広とした台形に形成されているものであるから、特定の成型位置、即ち、底面31cの成型位置まで移動する間に内周壁31e、外周壁31dの面でガイドされ、精度よく複数枚の扇形摩擦材10を環状に形成できる。
また、ベース手段30の円環溝31の底面31cは、円環溝31の外周側がその内周側よりも高低差を形成されているものであるから、円環溝31の内周側を基準としたとき、円環溝31の外周側に間隔を形成することができ、無理な配置をすることなくその環状に導くことができ、仕上げ精度を高くすることができる。
そして、ベース手段30の円環状の底面31cに載置された扇形摩擦材10の外側を規制する外周壁31dは、ベース手段30の円環状の底面31c及び円環状の内周壁31eと別部材で形成されているものであるから、円環溝31の外周壁31dは、その設計自由度が高くなり、また、供給路60の搬送面65と共に任意の底面を設定できる。
【0069】
供給路60の搬送面65は、ベース手段30の円環状の底面31cと略同一平面としているものであるから、扇形摩擦材10の端部相互間に必要な間隙を形成でき、仕上げ精度を高くすることができる。
また、供給路60から送出される扇形摩擦材10は、扇形摩擦材10の大径部の周面の両側で押圧する搬送補助具66を具備するものであるから、常に安定した位置設定が可能となる。
そして、供給路60から送出される扇形摩擦材10は、扇形摩擦材10の大径部の周面の両側で押圧し、扇形摩擦材10の一方の端部で位置決めする搬送補助具66を具備するものであるから、扇形摩擦材10の設定位置の精度を上げることができる。
更に、供給路60から送出される扇形摩擦材10は、扇形摩擦材10の大径部の周面の両側で押圧し、扇形摩擦材10の両方の端部で位置決めして、移動させる搬送補助具66を具備するものであるから、常に安定した位置設定が可能となり、扇形摩擦材10の設定位置の精度をより上げることができる。
【0070】
円環溝31の内周壁31e側に向かって扇形摩擦材10を送出する供給路60は、円環溝31の周囲に複数設けているものであるから、扇形摩擦材10を並べる速度を高速化することができる。特に、扇形摩擦材10を円形にする枚数に相当する供給路60を配設したものでは最速処理を行うことができる。
【0071】
上記本発明の実施の形態のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置は、ロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け方法として捉えることができる。
本発明の実施の形態のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け方法においては、複数枚の扇形摩擦材10を円環溝31の底面31cの内周壁31e側に向かって送出する供給工程と、前記送出された複数枚の扇形摩擦材10の内側を規制する内周壁31e及び扇形摩擦材10の外側を規制する外周壁31dにガイドされて、円環溝31の底面31cに複数枚の扇形摩擦材10を配置する配置工程と、円環溝31内に複数枚の扇形摩擦材10を環状に配置した後に、複数枚の扇形摩擦材10を環状に整えるべく押圧する押圧工程と、前記押圧工程の後、環状に形成された複数枚の扇形摩擦材10を、前記環状に形成された状態で吸引し、前記環状に形成された複数枚の環状摩擦材10Aを移動するワーク移動工程を具備するものである。
【0072】
したがって、円環溝31よりも大きい面積を使用することなく複数枚の扇形摩擦材10を環状として取り出すことができ、装置の設置面積が少なくて製造を行うことができる。また、円環溝31は、余剰スペースを持つものでないので、複数枚の扇形摩擦材10を順次回転させて供給または同時に複数枚の扇形摩擦材10を略同時に供給する場合でも、複数枚の扇形摩擦材10が移動しないから、高速作業が可能となる。また、特に、供給路60の設置数によって、複数枚の扇形摩擦材10を環状に整える速度をより高速化できる。
【0073】
円環溝31の底面31cに複数枚の扇形摩擦材10を配置する配置工程は、円環溝31の底面31cに複数枚の扇形摩擦材10を順次配置する工程としたものであるから、装置の設置面積を最も少なくすることができる。
そして、円環溝31の底面31cに複数枚の扇形摩擦材10を配置する配置工程は、円環溝31の底面31cに複数枚の扇形摩擦材10を一度に略同時配置する工程としたものであるから、装置の設置面積は広くなるが、製造速度を最も速くすることができる。
【0074】
更に、押圧・移動手段50には、環状摩擦材10Aを吸引し、複数枚の扇形摩擦材10を環状摩擦材10Aとした状態で吸引し、環状摩擦材10Aの場所を移動するワーク移動手段を具備する実施の形態とすることもできる。
したがって、次の加工工程に移動させる場合、複数枚の扇形摩擦材10を環状摩擦材10Aに形成された状態で吸引することによって、その環状摩擦材10Aの形状が崩れないで使用でき、仕上げ精度を高くすることができる。
【0075】
更に、前記押圧工程の後、環状に形成された環状摩擦材10Aを、環状に形成された状態で吸引し、環状摩擦材10Aの場所を移動するワーク移動工程を具備する実施の形態として実施することもできる。したがって、次の加工工程に移動させる場合、複数枚の扇形摩擦材10を環状に形成された状態で吸引することによって、その環状摩擦材10Aの形状が崩れないで使用でき、仕上げ精度を高くすることができる。
【0076】
更に、前記押圧工程の後、環状に形成された環状摩擦材10Aを、環状摩擦材10Aに形成された状態で吸引し、前記環状摩擦材10Aの場所を移動するワーク移動工程を具備するものである。ここで、ワーク移動工程は、押圧・移動手段50に環状に形成された環状摩擦材10Aを吸引する空気路54及び吸引ヘッド55を形成したもので、前記環状に形成された複数枚の扇形摩擦材の場所を他に移動させるものであればよく、その移動もロボットであっても、トランスファーマシン等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】図1は本発明の実施の形態1にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の要部動作説明図である。
【図2】図2(a)乃至(c)は本発明の実施の形態1にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の要部動作を示す断面の説明図である。
【図3】図3(a)乃至(c)は本発明の実施の形態1にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の押圧・移動手段の説明図である。
【図4】図4(a)乃至(c)は本発明の実施の形態1にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の扇形摩擦材の供給時の間隙状態を示す説明図である。
【図5】図5(a)及び(b)は本発明の実施の形態1にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の扇形摩擦材の配列状態を示す説明図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態2のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の動作を示す説明図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態3にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の要部動作を示す断面の説明図で、実施の形態1の図2に相当する図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態4にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の要部動作を示す断面の説明図で、実施の形態1の図4に相当する図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態4にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の他の変形例を示す説明図である。
【図10】図10は本発明の実施の形態5にかかるロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置の要部動作を示す断面の説明図で、実施の形態1の図2に相当する図である。
【符号の説明】
【0078】
10、10-1、・・・10-8 扇形摩擦材
10A 環状摩擦材
31 円環溝
31c 底面
31d 外周壁
31e 内周壁
50 押圧・移動手段
63 押し出し手段
60 供給路
65 搬送面
66 搬送補助具
66a、66b 押圧バー
66c 端部当接バー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の扇形摩擦材を円環状に配設する底面、及び前記円環溝の前記底面に載置された前記扇形摩擦材の内側を規制する内周壁、及び前記円環溝の前記底面に載置された前記扇形摩擦材の外側を規制する外周壁からなる円環溝と、
前記円環溝の周囲に配設され、前記円環溝の前記内周壁側に向かって、前記扇形摩擦材を送出する供給路と、
前記円環溝の溝内に複数枚の扇形摩擦材を環状に配置した後、前記複数枚の前記扇形摩擦材を環状に整えるべく押圧する押圧手段と
を具備することを特徴とするロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置。
【請求項2】
更に、前記押圧手段には、環状に形成された前記複数枚の扇形摩擦材を吸引し、前記複数枚の扇形摩擦材を環状に形成された状態で吸引し、前記環状に形成された複数枚の扇形摩擦材を移動するワーク移動手段を具備することを特徴とする請求項1に記載のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置。
【請求項3】
前記円環溝は、その直径方向に切断した断面形状が上側を幅広とした台形に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置。
【請求項4】
前記円環溝の前記底面は、前記円環溝の外周側がその内周側よりも高低差を形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置。
【請求項5】
前記円環溝の前記底面に載置された前記扇形摩擦材の外側を規制する前記外周壁は、前記円環溝の前記底面及び前記円環溝の前記内周壁と別部材で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置。
【請求項6】
前記供給路の平面は、前記円環溝の前記底面と略同一平面としたことを特徴とする請求項5に記載のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置。
【請求項7】
前記供給路から送出される前記扇形摩擦材は、前記扇形摩擦材の大径部の周面の両側で押圧して、移動させる搬送補助具を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置。
【請求項8】
前記供給路から送出される前記扇形摩擦材は、前記扇形摩擦材の大径部の周面の両側で押圧し、前記扇形摩擦材の一方の端部で位置決めして、移動させる搬送補助具を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置。
【請求項9】
前記供給路から送出される前記扇形摩擦材は、前記扇形摩擦材の大径部の周面の両側で押圧し、前記扇形摩擦材の両方の端部で位置決めして、移動させる搬送補助具を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置。
【請求項10】
前記円環溝の前記内周壁側に向かって前記扇形摩擦材を送出する供給路は、前記円環溝の周囲に複数設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1つに記載のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け装置。
【請求項11】
複数枚の扇形摩擦材を円環溝の底面の前記内周壁側に向かって送出する供給工程と、
前記送出された前記複数枚の扇形摩擦材の内側を規制する内周壁及び前記扇形摩擦材の外側を規制する外周壁にガイドされて、前記円環溝の前記底面に複数枚の扇形摩擦材を配置する配置工程と、
前記円環溝内に前記複数枚の扇形摩擦材を環状に配置した後に、前記複数枚の扇形摩擦材を環状に整えるべく押圧する押圧工程と、
前記押圧工程の後、環状に形成された前記複数枚の扇形摩擦材を、前記環状に形成された状態で吸引し、前記環状に形成された複数枚の扇形摩擦材を移動するワーク移動工程とを具備することを特徴とするロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け方法。
【請求項12】
前記円環溝の前記底面に複数枚の扇形摩擦材を配置する配置工程は、前記円環溝の前記底面に複数枚の扇形摩擦材を順次配置する工程としたことを特徴とする請求項11に記載のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け方法。
【請求項13】
前記円環溝の前記底面に複数枚の扇形摩擦材を配置する配置工程は、前記円環溝の前記底面に複数枚の扇形摩擦材を一度に略同時配置する工程としたことを特徴とする請求項11に記載のロックアップクラッチ用摩擦板の組み付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−204087(P2009−204087A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47448(P2008−47448)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000100780)アイシン化工株式会社 (171)
【Fターム(参考)】