説明

ロール特性が改善されたフォーバーリンクサスペンションシステムを備えた車両

本発明は車両のロール特性を改善する車両または方法に関する。前記車両は、アクスルと、ばね上質量と、第1の制御アームと、第2の制御アームと、第3の制御アームと、第1の回動可能なジョイントと、第2の回動可能なジョイントと、第3の回動可能なジョイントと、第4の回動可能なジョイントとを備える。前記第1の制御アーム、前記第2の制御アーム、前記第1の回動可能なジョイント、前記第2の回動可能なジョイント、前記第3の回動可能なジョイント、及び前記第4の回動可能なジョイントのねじり剛性は、前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上であり、それによってばね上質量のロール現象中に前記アクスルが曲がったりねじれたりしてロール量を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール特性が改善されたフォーバーリンクサスペンションシステムを備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、ばね上質量、即ち、サスペンションシステムによって支持される構成部品を、例えば、サスペンションシステム、ホイール、アクスルなどのばね下質量から隔離するサスペンションシステムを一般的に備えている。サスペンションシステムは、一般的に、スプリングと、場合によってはダンパーとを含んでおり、これらはばね上質量とばね下質量との間のインタフェースとしての機能を果たす。スプリング及びダンパーは、車両走行時、衝撃を緩和し、ばね下質量によって生じたり、ばね下質量が直面したりする振動、バンプ(隆起)、及び路面凹凸からばね上質量を隔離するために、サスペンションシステムにある程度の柔軟性を与える。
【0003】
スプリング及びダンパーによって与えられたサスペンションシステムの柔軟特性は快適な乗り心地を提供する目的では望ましいが、スプリング及びダンパーを含むことによって車両の操縦性に悪影響をもたらすことが多い。例えば、コーナリング又は方向転換中、車両のばね上質量が車両フレームの縦軸を中心に傾動又はロール(横揺れ)する可能性がある。例えばスプリングを強化することによってサスペンションシステムを強化して、ばね上質量の平均ロールレートを増加させることは望ましいが、このことは、衝撃を緩和し、ばね上質量を振動、バンプ、及び路面凹凸から隔離するサスペンションシステムの能力に悪影響を与えることになる。
【0004】
ロールレートを改善する別の方法は、スタビライザバーを利用することである。スタビライザバーは、一般的に、フレームと、アクスルの対向端部又はアクスルの対向端部に接続された対向するサスペンション制御アームとに取り付けられる。ロール現象中、ばね上質量がロールしようとすると、スタビライザバーがロール運動を抑制する。この時、スタビライザバーにねじり力が付加され、そのねじり力によってスタビライザバーに曲がりやねじれが生じる。スタビライザバーは、この曲げ運動やねじり運動に耐えるのに十分なねじり弾性と、ロール運動を抑制するのに十分なねじり剛性とを有するように設計される。都合のよいことに、スタビライザバーは、一般的に、発生する曲がりやねじれが、それを中心にロールが発生する軸に対して略直角である軸を中心とした曲げ運動やねじり運動に変換されるように設計及び配置されるため、実質的にそのような曲がりやねじれが車両のロールの原因となることはない。
【0005】
ロール特性を改善する更に別の方法は、スタビライザバーと類似したやり方でアクスルを使用することである。特に、サスペンション制御アームは、回動可能なジョイントを介してフレーム、例えばフレームハンガーブラケットに回動可能に接続され、ロール現象のない運転状態中にアクスルと制御アームとの間で相対運動が発生しないようにアクスルにしっかりと接続される。従って、ロール現象のない運転状態中、制御アーム及びアクスルは回動可能なジョイントを中心に回動し、制御アームの固定して取り付けられた部分は、車両走行時、ばね下質量によって生じたり、ばね下質量が直面したりする振動、バンプ、及び路面凹凸に反応してアクスルと共に上下に移動する。
【0006】
しかしながら、ロール現象中、ばね上質量がロールしようとすると、アクスルはロール運動を抑制する。特に、ロール現象中、ねじり力が制御アームに付加され、その制御アームが今度はアクスルにねじり力を付与し、そのねじり力によって今度はアクスルに曲がりやねじれが生じる。このように使用されるアクスルは、この曲げ運動やねじり運動に耐えるのに十分なねじり弾性と、ロール運動を抑制するのに十分なねじり剛性とを有するように設計される。都合のよいことに、曲げ運動やねじり運動は、それを中心にロールが発生する軸に対して略直角であるアクスルの軸を中心とするので、実質的にそのような曲がりやねじれが車両のロールの原因となることはない。そのようにして、アクスルは、スタビライザバーと共に使用して補助的なロール制御を提供するにせよ、又はスタビライザバーがない状態で使用するにせよ、それ自体でロールレートを増加させることができる。例えば、トラックトラクター、セメントトラック、及びダンプトラック等の大型トレーラや大型車両では、特に、そのようなロール制御や補助的なロール制御を提供する能力が特に望ましいことがわかっている。
【0007】
上記のように、ばね上質量のロールを制限するためにアクスルの曲がりやねじれを利用する以前の公知のシステムは、制御アームをアクスルに回動可能に接続するよりもむしろ、制御アームをアクスルに固定して接続することを必要としていた。しかしながら、フレームとアクスルの両方に回動可能に接続された制御アームを含むフォーバーリンクサスペンションシステムと比較して、そのような構成は車両の操縦性のある面において不備が生じる。従って、ロール制御は別として、一般的に、フォーバーリンク式サスペンションシステムを利用することは、操縦性の観点から好ましい。一例として、当業者であればわかるように、フォーバーリンク式サスペンションシステムによって、一般的に、ロール現象のない運転状態中、アクスルが上下に移動する時に、トルク反応性の向上と、フレームに対するアクスルの縦方向位置の改善が得られる。しかしながら、以前の公知のフォーバーリンクサスペンションシステムは、ロール制御や補助的なロール制御を提供するためにアクスルの曲がりやねじれを使用していないという点において欠点を有していた。
【0008】
例えば、特許文献1は、フレーム及びアクスルに回動可能に取り付けられた下部制御アームと、フレーム及びアクスルに回動可能に取り付けられた上部制御アームとを備えているフォーバーリンク構成を示している。ロール制御や補助的なロール制御にアクスルを使用することが望ましいにもかかわらず、特許文献1に示されているような構成や、様々な他のタイプのフォーバーリンクサスペンションシステムは、ロール制御を提供するためにアクスルの曲がりやねじれを生じさせることができないことがこれまでにわかっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,649,719号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、ロール特性が改善されたフォーバーリンクサスペンションシステムを備えた車両を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、車両は、アクスルと、ばね上質量と、第1の制御アームと、第2の制御アームと、第3の制御アームと、第1の回動可能なジョイントと、第2の回動可能なジョイントと、第3の回動可能なジョイントと、第4の回動可能なジョイントとを備えている。アクスルは、ねじり剛性と、第1の端部及び第2の端部とを備えている。ばね上質量はフレームを含み、アクスルに取り付けられることによってばね上質量がアクスルに対してロールすることができる。第1の制御アームは、フレームに対してアクスルの第1の端部を縦方向に位置付け、ねじり剛性を備えている。第2の制御アームは、フレームに対してアクスルの第2の端部を縦方向に位置付け、ねじり剛性を備えている。第3の制御アームは、フレームに対してアクスルを横方向に位置付ける。第1の回動可能なジョイントは、第1の制御アームをアクスルの第1の端部に回動可能に接続し、ねじり剛性を備えている。第2の回動可能なジョイントは、第1の制御アームをフレームに回動可能に接続し、ねじり剛性を備えている。第3の回動可能なジョイントは、第2の制御アームをアクスルの第2の端部に回動可能に接続し、ねじり剛性を備えている。第4の回動可能なジョイントは、第2の制御アームをフレームに回動可能に接続し、ねじり剛性を備えている。第1の制御アーム、第2の制御アーム、第1の回動可能なジョイント、第2の回動可能なジョイント、第3の回動可能なジョイント、及び第4の回動可能なジョイントのねじり剛性はアクスルのねじり剛性と実質的に同等以上であり、それによってばね上質量のロール現象中にアクスルが曲がったりねじれたりしてロール量を制限する。
【0012】
本発明の別の態様によれば、車両のロール特性を改善する方法は、第1の端部と、第2の端部と、ねじり剛性とを備えているアクスルを提供するステップを含む。フレームを含むばね上質量を提供するステップも含まれ、ばね上質量がアクスルに取り付けられることによってばね上質量がアクスルに対してロールすることができる。フレームに対してアクスルの第1の端部を縦方向に位置付け、ねじり剛性を備えている第1の制御アームを提供するステップも含まれる。フレームに対してアクスルの第2の端部を縦方向に位置付け、ねじり剛性を備えている第2の制御アームを提供するステップも含まれる。フレームに対してアクスルを横方向に位置付ける第3の制御アームを提供するステップも含まれる。第1の制御アームをアクスルの第1の端部に回動可能に接続し、ねじり剛性を備えている第1の回動可能なジョイントを提供するステップも含まれる。第1の制御アームをフレームに回動可能に接続し、ねじり剛性を備えている第2の回動可能なジョイントを提供するステップも含まれる。第2の制御アームをアクスルの第2の端部に回動可能に接続し、ねじり剛性を備えている第3の回動可能なジョイントを提供するステップも含まれる。第1の制御アームをフレームに回動可能に接続し、ねじり剛性を備えている第4の回動可能なジョイントを提供するステップも含まれる。第1の制御アーム、第2の制御アーム、第1の回動可能なジョイント、第2の回動可能なジョイント、第3の回動可能なジョイント、及び第4の回動可能なジョイントのねじり剛性を、アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上になるように選択するステップも含まれ、それによってばね上質量のロール現象中にアクスルが曲がったりねじれたりしてロール量を制限する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に従ったフォーバーリンクサスペンションシステムの片側の斜視図を示す。
【図2】本発明の一実施形態に従ったフォーバーリンクサスペンションシステムの図1に示すのと反対側の斜視図を示す。
【図3】本発明の一実施形態に従ったフォーバーリンクサスペンションシステムの底面図を示す。
【図4】本発明の一実施形態に従ったフォーバーリンクサスペンションシステムの側面図を示す。
【図5】本発明の一実施形態に従ったフォーバーリンクサスペンションシステムの図4に示すのと反対の側面図を示す。
【図6】一実施形態に従ったフォーバーリンクサスペンションシステムの上面図を示す。
【図7A】本発明の一実施形態に従ったフォーバーリンクサスペンションシステムの第1の制御アームを示す。
【図7B】本発明の一実施形態に従ったフォーバーリンクサスペンションシステムの第5の制御アームを示す。
【図8A】本発明の一実施形態に従ったフォーバーリンクサスペンションシステムの第2の制御アームを示す。
【図8B】本発明の一実施形態に従ったフォーバーリンクサスペンションシステムの第4の制御アームを示す。
【図9A】本発明の一実施形態に従ったフォーバーリンクサスペンションシステムの第3の制御アームを示す。
【図9B】本発明の一実施形態に従ったフォーバーリンクサスペンションシステムの第6の制御アームを示す。
【図10】ロール現象がない間の、フォーバーリンクサスペンションシステムの制御アームのシャフトと短縮したベアリング面との間の関係を示す。
【図11】ロール現象中の、フォーバーリンクサスペンションシステムの制御アームのシャフトと短縮したベアリング面との間の関係を示す。
【図12】ロール現象中の、本発明の一実施形態におけるフォーバーリンクサスペンションシステムの制御アームのシャフトと伸長したベアリング面との間の関係を示す。
【図13】第1、第2、第4、及び第5の制御アームのねじり剛性、第1、第2、第4、及び第5の制御アームをアクスルとフレームとに回動可能に接続する回動可能なジョイントにおいて使用されるブッシュの硬さ、第3及び第6の制御アームをアクスルに回動可能に接続するのに使用される回動可能なジョイントにおけるボールジョイント又はブッシュの使用、及び第1、第2、第4、及び第5の制御アームをアクスルとフレームとに回動可能に接続する回動可能なジョイントにおいて使用されるベアリング面の長さ等の変数の関数としてNm/°で得られる平均ロールレートを表す立方体プロットを示す。
【図14】図13においてモデル化された変数間の二次関係モデリングを示す。
【図15】図13においてモデル化された変数の標準効果を図示するパレート図を示す。
【図16】本発明の代替的な実施形態に従ったサスペンションシステムの概略図を示す。
【図17】下部制御アームの代替的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜6は、本発明の一実施形態に従ったフォーバーリンクサスペンションシステム10を示している。本実施形態の一態様によれば、サスペンションシステム10は、例えば、トラクタートレーラだがこれに限定されない、車両のフレーム100に第1及び第2のアクスル80,81を取り付けるように構成される。本実施形態の別の態様によれば、サスペンションシステム10は、例えば、この例に限らないが、フレーム100とそれによって支持される車両本体(図示せず)及び構成部品を含む、車両のばね上質量11を支持するように構成される。本実施形態の更に別の態様によれば、サスペンションシステム10は、例えば、この例に限らないが、アクスル80,81、ホイール(図示せず)、及びサスペンションシステム10を含む、ばね下質量12によって生じたり、ばね下質量が直面したりする振動、バンプ、及び路面凹凸により車両のばね上質量11に与えられた衝撃を緩和するように構成される。本実施形態のまた更に別の態様によれば、サスペンションシステム10は、車両のばね上質量11の平均ロールレートを増加させるように構成される。
【0015】
図1及び2に示すように、サスペンションシステム10は、複数のダンパー110を含むことができ、本実施形態において、これらはヘビーデューティーショックアブソーバであってもよい。当業者であればわかるように、ダンパー110は、車両のばね下質量12によって生じたり、ばね下質量12が直面したりする振動、バンプ、又は路面凹凸により車両のばね上質量11に与えられた衝撃を緩和する。
【0016】
図1及び2に示すように、サスペンションシステム10はまたスプリング111を含むことができ、これは、図示するように、エアブラダーの形態のエアスプリングを含む、様々な形態をとることができる。本実施形態の一態様によれば、スプリング111は車両のばね上質量11を支持する。本実施形態の別の態様によれば、スプリング111は、車両のばね下質量12によって生じたり、ばね下質量12が直面したりする振動、バンプ、又は路面凹凸により車両のばね上質量11に与えられた衝撃を軽減する。本実施形態の更に別の態様によれば、スプリング111は、例えば、車両の空気圧供給源(図示せず)に接続することによって、車両の最低地上高を調整するために使用することができる。
【0017】
本実施形態はダンパー110及びスプリング111を備えて図示されているが、当業者であればわかるように、ばね上質量11に与えられた衝撃を緩和及び軽減するには様々な方法があり、前述の構成は本発明の範囲内である多くの構成の一例として提示されている。
【0018】
例えば、図1,2,及び6に示すように、サスペンションシステム10はまた、1つ以上のスタビライザバー130,131を含むことができる。本実施形態の一態様によれば、スタビライザバー130,131は、フレーム100、好ましくは、アクスル80,81に対して直角に、且つ実質的にフレーム100の長さに沿って延在する第1及び第2のフレーム部材100a,100bに回動可能に接続される。本実施形態の別の態様によれば、スタビライザバー130,131は、それぞれのアクスル80,81、好ましくはアクスル80,81の端部80a,80b,81a,81bに回動可能に接続される。代替的な実施形態では、スタビライザバー130,131は制御アーム20,30,40,及び50に接続してもよい。本実施形態はスタビライザバー130,131を備えて図示されているが、代替的な実施形態では一方又は両方がなくてもよい。当業者であればわかるように、ばね上質量11のロールレートを増加させるのに様々なタイプのスタビライザバーを利用してもよく、図示されている構成は本発明の範囲内の多くの構成のうちのほんの1つである。
【0019】
図1〜4に示すように、サスペンションシステム10は、第1及び第2の制御アーム20,30、第4及び第5の制御アーム40,50、並びに第3及び第6の制御アーム60,70を備えていることが好ましい。図3に示すように、本実施形態の一態様によれば、少なくとも1つの回動可能なジョイント13が設けられて制御アーム20,30,40,及び50の各々とアクスル80又は81とを接続し、少なくとも1つの回動可能なジョイント14が設けられて制御アーム20,30,40,及び50の各々とフレーム100とを接続する。図3及び6に示すように、本実施形態の別の態様によれば、少なくとも1つの回動可能なジョイント15が設けられて制御アーム60,70の各々とアクスル80又は81とを接続し、少なくとも1つの回動可能なジョイント16が、好ましくは2つ、設けられて制御アーム60,70の各々とフレーム100とを接続する。本実施形態は回動可能な回転ジョイント13,14,及び16並びにボールジョイント15を図示しているが、当業者であればわかるように、回動可能なジョイントを提供するには本発明の範囲内の様々な構成がある。
【0020】
図1,3,及び4において最も良く示すように、第1の制御アーム20は、本実施形態において伸長部材として示されている。第1の制御アーム30は、フレーム100に対してアクスル80の第1の端部80aを縦方向に位置付ける。図示するように、第1の制御アーム20は、第1のアクスル80に対して略直角に延在する。本実施形態の一態様によれば、第1の制御アーム20は、第1の制御アーム20を第1のアクスル80の第1の端部80aに回動可能に接続するように構成された第1の部分21を備えている。本実施形態の別の態様によれば、第1の制御アーム20の第1の部分21は、第1のアクスル80の第1の端部80aと連動して移動するように構成される。例えば、第1のアクスル80の第1の端部80aが上方移動した場合、第1の制御アーム20の第1の部分21は第1のアクスル80の第1の端部80aと共に上方へ移動することになる。同様に、アクスルの第1の端部80aが下方移動した場合、第1の制御アーム20の第1の部分21は第1のアクスル80の第1の端部80aと共に下方へ移動することになる。
【0021】
図1,3,及び4に示すように、第1の制御アーム20の第1の部分21は、第1のアクスル80の第1の端部80aに回動可能に接続される。当業者であればわかるように、第1の制御アーム20と第1のアクスル80の第1の端部80aとの間に回動可能なジョイント13を提供するために様々な構成を利用することは本発明の範囲内であり、図示されている実施形態において示す構成は本発明の範囲内の1つの可能な構成の例である。
【0022】
図示されている実施形態では、第1の部分21は、マウンティングブラケット82を介して第1のアクスル80と回動可能に接続されることが好ましい。図示するように、マウンティングブラケット82は、例えば、この例に限らないが、ファスナー、溶接、又は任意の適切な手段を介して、第1のアクスル80の第1の端部80aに固定して接続してもよい。同じく図示するように、ブラケット82は、第1のアクスル80の第1の端部80aの下面に固定して接続してもよい。
【0023】
図3において最も良く示すように、ブラケット82はシャフト86を固定することができ、シャフト86は、第1の制御アーム20の第1の部分21の略円筒状ベアリング面22(図7A)に嵌合する略円筒状部分を含む。図7Aに示すように、本実施形態において、ベアリング面22は孔を画定し、この孔は略円筒状ブッシュ23を収容することが好ましく、これが今度はシャフト86の略円筒部分を収容する。当業者であればわかるように、ベアリング面22及びブッシュ23は、例えば、車両が走行している表面の凹凸に反応して、第1のアクスル80の第1の端部80aが上下に移動する時、シャフト86の略円筒部分を中心に回動する。
【0024】
本実施形態の別の態様によれば、第1の制御アーム20は、第1の制御アーム20を車両フレーム100に回動可能に接続するように構成された第2の部分25を備えている。図3及び4において最も良く示すように、第1の制御アーム20の第2の部分25は、フレーム100の第1のフレーム部材100aから下方へ延在する第1のフレームハンガー101と回動可能に接続される。当業者であればわかるように、第1の制御アーム20とフレーム100との間に回動可能なジョイント14を提供するために様々な構成を利用することは本発明の範囲内であり、図示されている実施形態において示す構成は本発明の範囲内の1つの可能な構成の例である。
【0025】
図示されている実施形態では、第2の部分25は、シャフト87を介してフレーム100に回動可能に接続されることが好ましい。本実施形態において、シャフト87は、第1の制御アーム20の第2の部分25の略円筒状ベアリング面26(図7A)に嵌合する略円筒部分を含む。図7Aに示すように、本実施形態において、ベアリング面26は孔を画定し、この孔は略円筒状ブッシュ27を収容することが好ましく、これが今度はシャフト87の略円筒部分を収容する。当業者であればわかるように、ベアリング面26及びブッシュ27は、例えば、車両が走行している表面の凹凸に反応して、第1のアクスル80の第1の端部80aが上下に移動する時、シャフト87の略円筒部分を中心に回動する。
【0026】
図7Aに示すように、第1の制御アーム20はまた、ダンパー取付部28及びエアブラダー取付部29を含むことが好ましい。図示するように、本実施形態において、ダンパー取付部28及びエアブラダー取付部29は、第2の部分25に対して第1の制御アーム20の略反対側の端部に位置している。
【0027】
ここで図2,3,及び5を参照すると、第2の制御アーム30が、本実施形態において伸長部材として示されている。図示するように、第2の制御アーム30は第1の制御アーム20と左右対称である。第2の制御アーム30は、フレーム100に対してアクスル80の第2の端部80bを縦方向に位置付ける。図示するように、第2の制御アーム30は、第1のアクスル80に対して略直角に延在する。
【0028】
本実施形態の一態様によれば、第2の制御アーム30は、第2の制御アーム30を第1のアクスル80の第2の端部80bに回動可能に接続するように構成された第1の部分31を備えている。本実施形態の別の態様によれば、第2の制御アーム30の第1の部分31は、第1のアクスル80の第2の端部80bと連動して移動するように構成される。例えば、第1のアクスル80の第2の端部80bが上方移動した場合、第2の制御アーム30の第1の部分31は第1のアクスル80の第2の端部80bと共に上方へ移動することになる。同様に、アクスルの第2の端部80bが下方移動した場合、第2の制御アーム30の第1の部分31は第1のアクスル80の第2の端部80aと共に下方へ移動することになる。
【0029】
図2,3,及び5に示すように、第2の制御アーム30の第1の部分31は、第1のアクスル80の第2の端部80bに回動可能に接続される。当業者であればわかるように、第2の制御アーム30と第1のアクスル80の第2の端部80bとの間に回動可能なジョイント13を提供するために様々な構成を利用することは本発明の範囲内であり、図示されている実施形態において示す構成は本発明の範囲内の1つの可能な構成の例である。
【0030】
図示されている実施形態では、第1の部分31は、マウンティングブラケット83を介して第1のアクスル80に回動可能に接続されることが好ましい。図示するように、マウンティングブラケット83は、例えば、この例に限らないが、ファスナー、溶接、又は任意の適切な手段を介して、第1のアクスル80の第2の端部80bに固定して接続してもよい。例えば、この例に限らないが、図示するように、ブラケット83は、第1のアクスル80の第2の端部80bの下面に固定して接続してもよい。
【0031】
図3において最も良く示すように、ブラケット83はシャフト88を固定することができ、シャフト88は、第2の制御アーム30の第1の部分31の略円筒状ベアリング面32(図8A)に嵌合する略円筒状部分を含む。図8Aに示すように、本実施形態において、ベアリング面32は孔を画定し、この孔は略円筒状ブッシュ33を収容することが好ましく、これが今度はシャフト88の略円筒部分を収容する。当業者であればわかるように、ベアリング面32及びブッシュ33は、例えば、車両が走行している表面の凹凸に反応して、第1のアクスル80の第1の端部80aが上下に移動する時、シャフト88の略円筒部分を中心に回動する。
【0032】
本実施形態の別の態様によれば、第2の制御アーム30は、第2の制御アーム30を車両フレーム100に回動可能に接続するように構成された第2の部分35を備えている。図3及び5において最も良く示すように、第2の制御アーム30の第2の部分35は、フレーム100の第2のフレーム部材100bから下方へ延在する第2のフレームハンガー102に回動可能に接続される。当業者であればわかるように、第2の制御アーム30とフレーム100との間に回動可能なジョイント14を提供するために様々な構成を利用することは本発明の範囲内であり、図示されている実施形態において示す構成は本発明の範囲内の1つの可能な構成の例である。
【0033】
図示されている実施形態では、第2の部分35は、シャフト89を介してフレーム100に回動可能に接続されることが好ましく、このシャフト89は第2のフレームハンガー102に固定される。本実施形態において、シャフト89は、第2の制御アーム30の第2の部分35の略円筒状ベアリング面36(図8A)に嵌合する略円筒部分を含む。図8Aに示すように、本実施形態において、ベアリング面36は孔を画定し、この孔は略円筒状ブッシュ37を収容することが好ましく、これが今度はシャフト89の略円筒部分を収容する。当業者であればわかるように、ベアリング面36及びブッシュ37は、例えば、車両が走行している表面の凹凸に反応して、第1のアクスル80の第2の端部80bが上下に移動する時、シャフト89の略円筒部分を中心に回動する。
【0034】
図8Aに示すように、第2の制御アーム30はまた、ダンパー取付部38及びエアブラダー取付部39を含むことが好ましい。図示するように、本実施形態において、ダンパー取付部38及びエアブラダー取付部39は、第2の部分35に対して第2の制御アーム30の略反対側の端部に位置している。
【0035】
ここで図1,2,3,及び6を参照すると、第3の制御アーム60が図示されている。第3の制御アーム60は、フレーム100に対してアクスル80を横方向に位置付ける。本実施形態において、第3の制御アーム60は略V字形部材として示されている。
【0036】
本実施形態の一態様によれば、第3の制御アーム60は、第3の制御アーム60を第1のアクスル80に接続するように構成された第1の部分61を備えている。本実施形態の別の態様によれば、第1の部分61は第1のアクスル80と連動して移動するように構成される。例えば、この例に限らないが、第3の制御アーム60は、第1及び第2の制御アーム20,30が第1のアクスル80に取り付けられる場所の間に位置させてもよい。本実施形態において、第1の部分61は、第1のアクスル80の略中心に位置する部分80cに取り付けられて示されている。第1のアクスル80が上方移動した場合、第3の制御アーム60の第1の部分61は第1のアクスル80と共に上方へ移動することになる。同様に、第1のアクスル80が下方移動した場合、第3の制御アーム60の第1の部分61は第1のアクスル80と共に下方へ移動することになる。
【0037】
本実施形態の一態様によれば、第1の部分61が取り付けられることによって、第3の制御アーム60が第1のアクスル80の側方移動を制限することが好ましい。本実施形態の別の態様によれば、第1の部分61が取り付けられることによって、第3の制御アーム60が第1及び第2の制御アーム20,30の側方移動を制限することが好ましい。本実施形態において、第1の部分61は第1のアクスル80に回動可能に取り付けられて示されている。当業者であればわかるように、第3の制御アーム60の第1の部分61を第1のアクスル80に回動可能に接続するために様々な構成を提供することは本発明の範囲内であり、図示されている実施形態において示す構成は本発明の範囲内の1つの可能な構成の例である。
【0038】
図6において最も良く示すように、本実施形態において、第1の部分61は、第1のアクスル80の略中央に位置する部分80cに設けられた第1のディファレンシャルハウジング110に回動可能に取り付けられる。図9Aに示すように、本実施形態において、第3の制御アーム60の第1の部分61はボールジョイント62を備えており、これは、図6に示すように、第1のアクスル80の略中央に位置する部分80cに設けられた第1のディファレンシャルハウジング110に回動可能に取り付けられる。
【0039】
図6において最も良く示すように、第3の制御アーム60の第2及び第3の部分63,64が第3の制御アーム60の第1の部分61から延在している。本実施形態において、第2及び第3の部分63,64は伸長部材であり、第1の部分61から略対称的に延在して略V字形の第3の制御アーム60を形成する。
【0040】
本実施形態の一態様によれば、第2及び第3の部分63,64は、第3の制御アーム60を車両フレーム100に接続するように構成される。図6に示すように、本実施形態において、第2及び第3の部分63,64は、それぞれのフレームブラケット103,104を介して、それぞれ第1及び第2のフレーム部材100a,100bに回動可能に取り付けられる。当業者であればわかるように、第2及び第3の部分63,64をフレーム100に回動可能に接続するために様々な構成を提供することは本発明の範囲内であり、図示されている実施形態において示す構成は本発明の範囲内の1つの可能な構成の例である。
【0041】
図6に示すように、図示されている実施形態では、第2及び第3の部分63,64は、ブラケット103,104に固定されたシャフト69を介してフレームに回動可能に接続している。本実施形態において、シャフト69は、第3の制御アーム60の第2及び第3の部分63,64のそれぞれの略円筒状ベアリング面65,66(図9A)に嵌合する略円筒部分を含む。図9Aに示すように、本実施形態において、ベアリング面65,66は孔を画定し、これらの孔は略円筒状ブッシュ67,68を収容することが好ましく、これらが今度はシャフト69の略円筒部分を収容する。当業者であればわかるように、ベアリング面65,66及びブッシュ67,68は、例えば、車両が走行している表面の凹凸に反応して、第1のアクスル80が上下に移動する時、シャフト69の略円筒部分を中心に回動する。
【0042】
ここで図1,3,及び4を参照すると、第4の制御アーム40が、本実施形態において伸長部材として示されている。第4の制御アーム40は、フレーム100に対してアクスル81の第1の端部81aを縦方向に位置付ける。図示するように、第4の制御アーム40は、第2のアクスル81に対して略直角に延在する。
【0043】
第4の制御アーム40は、第1の制御アーム20の左右対称であることが好ましく、第2の制御アーム30と同一であることが好ましい。図示するように、第4の制御アーム40は、第1の制御アーム20に対して、第1のフレームハンガー101から反対方向に延在し、第1の制御アーム20が第1のアクスル80に接続するのと同様のやり方で第2のアクスル81と接続する。従って、当業者であればわかるように、第4の制御アーム40に関連して図示した第1の部分41、マウンティングブラケット84、シャフト90、ベアリング面42、ブッシュ43、第2の部分45、シャフト91、ベアリング面46、ブッシュ47、ダンパー取付部48、エアブラダー取付部49は、概して、第1の制御アーム20に関連して記載した第1の部分21、マウンティングブラケット82、シャフト86、ベアリング面22、ブッシュ23、第2の部分25、シャフト87、ベアリング面26、ブッシュ27、ダンパー取付部28、エアブラダー取付部29それぞれに対応する。
【0044】
ここで図2,3,及び5を参照すると、第5の制御アーム50が、本実施形態において伸長部材として示されている。第5の制御アーム50は、フレーム100に対してアクスル81の第2の端部81bを縦方向に位置付ける。図示するように、第5の制御アーム50は、第2のアクスル81に対して略直角に延在する。
【0045】
第5の制御アーム50は、第2及び第4の制御アーム30,40の左右対称であることが好ましく、第1の制御アーム20と同一であることが好ましい。図示するように、第5の制御アーム50は、第2の制御アーム40に対して、第2のフレームハンガー102から反対方向に延在し、第2の制御アーム40が第1のアクスル80に接続するのと同様のやり方で第2のアクスル81と接続する。従って、当業者であればわかるように、第5の制御アーム40に関連して図示した第1の部分41、マウンティングブラケット85、シャフト92、ベアリング面52、ブッシュ53、第2の部分55、シャフト93、ベアリング面56、ブッシュ57、ダンパー取付部58、エアブラダー取付部59は、概して、第2の制御アーム30に関連して記載した第1の部分31、マウンティングブラケット83、シャフト88、ベアリング面32、ブッシュ33、第2の部分35、シャフト89、ベアリング面36、ブッシュ37、ダンパー取付部38、エアブラダー取付部39それぞれに対応する。
【0046】
ここで図1,2,3,及び6を参照すると、第6の制御アーム70が図示されている。第6の制御アーム70は、フレーム100に対してアクスル81を縦方向に位置付ける。本実施形態において、第6の制御アーム70は略V字形部材として示されている。図示するように、第6の制御アーム70は、第3の制御アーム60のようにフレームブラケット103,104から略反対方向に延在し、第3の制御アーム60が第1のアクスル80に接続するのと同様のやり方で第2のアクスル81に接続する。従って、当業者であればわかるように、第6の制御アーム70に関連して図示した第1の部分71、略中央に位置する部分81c、ボールジョイント72、ディファレンシャルハウジング111、第2及び第3の部分73,74、シャフト79、略円筒状ベアリング面75,76、及び略円筒状ブッシュ77,78は、概して、第3の制御アーム60に関連して記載した第1の部分61、略中央に位置する部分80c、ボールジョイント62、ディファレンシャルハウジング110、第2及び第3の部分63,64、シャフト69、略円筒状ベアリング面65,66、及び略円筒状ブッシュ67,68それぞれに対応する。
【0047】
都合のよいことに、本実施形態の制御アーム20,30,40,及び50は、例えば方向転換又はコーナリング中、ばね上質量11の平均ロールレートを増加させるように構成される。当業者であればわかるように、コーナリング操作中、車両のばね上質量11は傾動又はロールする傾向がある。また、当業者であればわかるように、スタビライザバー、例えばスタビライザバー130,131は、これまで、快適な乗り心地を可能にしながら、即ち、サスペンションスプリングの強化を必要とせずに、平均ロールレートを増加させるために利用された慣習的な手段であった。都合のよいことに、本実施形態はロール制御レベルを更に向上させる。更に、スタビライザバー130,131がない場合であっても、本実施形態の原則を利用して、快適な乗り心地を可能にしながら、即ち、サスペンションスプリングの強化を必要とせずに、大幅に改善したロール制御レベルを達成することができる。
【0048】
当業者であればわかるように、ロール現象中、車両フレーム100の片側が、車両が走行している表面に向かって下方へ付勢される。また、当業者であればわかるように、ロール現象中、車両フレーム100の反対側が、車両が走行している表面から上方へ付勢される傾向がある。例えば、第2のフレーム部材100bは地面に近寄ることになり、第1のフレーム部材100aは地面から遠ざかることになる。この時、例えば、ダンパー110及びエアスプリング111等のサスペンションスプリングは、付加される力の増加によって、フレーム100の下方へ付勢される側に圧縮する傾向があり、フレーム100の反対側のサスペンションスプリングは、付加される力の減少によって、伸長又は拡張する傾向がある。説明の便宜上、車両が走行している地面は水平且つ平坦であるとすれば、この時、フレーム100はもはや地面に平行に延在する平面上にはなくなる。従って、フレーム100が左右にロール又は傾動すると、フレーム100は地面に対してある角度をなして延在する。この時、それぞれのフレーム部材100a,100bに固定してしっかりと取り付けられたフレームハンガー101,102は、同様に、フレーム100の残りと共に同様のやり方で移動する。
【0049】
ここで図12を参照すると、フレームハンガー101,102を含むフレーム100がロールすると、制御アーム20,30,40,50の第2の部分25,35,45,55を回動可能に取り付けたシャフト87,89,91,93(図3)も同様にロールする。図12はシャフト87のみと第1の制御アーム20の第2の部分25のみを示しているが、当業者であればわかるように、シャフト89,91,93は、それぞれの制御アーム30,40,50の第2の部分35,45,55それぞれに関して同様のやり方で動く。この時、シャフト87,89,91,93は、最終的に、制御アーム20,30,40,50の第2の部分25,35,45,55に回転力を付加する。以前の公知のフォーバーリンクサスペンション構成では、下部制御アームには軸方向荷重に耐えるのに十分な剛性及び強度はあったが、下部制御アームはこれまで、この付加された回転力に逆らうのに十分なねじり剛性を備えてはいなかった。従って、以前の公知の構成では、制御アームは、このねじり力の付加に反応して曲がったりねじれたりすることになる。制御アーム20,30,40,及び50の縦方向軸を中心にしたねじり曲げやねじれは、これがロールを促進する傾向があるので望ましくない。
【0050】
都合のよいことに、以前の公知の構成とは異なって、本実施形態の制御アーム20,30,40,50は大きなねじり剛性を備えている。ねじり剛性の量は、実証的分析によって決められ、発生する力に左右され、この力は同様に、車両タイプ、重量、サスペンションスプリングのばね定数、速度、及び多くのその他の要因に左右される。従って、本実施形態に関して記載したように、シャフト87,89,91,93がロールしたり、地面に対してある角度をなして軸方向に変位したりするので、大きなねじり剛性を備えている制御アーム20,30,40,及び50は、シャフト87,89,91,93が受けることになるロール又は軸方向変位の量を抑制及び制限するのに十分なほどロバストである。
【0051】
この時、シャフト87,89,91,93によって制御アーム20,30,40,50に付加されたねじり力は、最終的に、図12において示したのと同様だが反対のやり方で、即ち、制御アーム20,30,40,及び50の第1の部分21,31,41,51がアクスル80,81にトルクを付加するようにして、アクスル80,81に伝達される。例えば、図示されている実施形態では、第1の制御アーム20の第1の部分21にあるベアリング面22及びブッシュ23は、それらが回動可能に取り付けられるシャフト86にトルクを付加することができる。シャフト86が今度はブラケット82にトルクを伝達することができ、ブラケット82が今度は第1のアクスル80の第1の端部80aにトルクを伝達することができる。当業者であればわかるように、同様のやり方で、それぞれの制御アーム30,40,及び50を介して、第1のアクスル80の第2の端部80b、第2のアクスル81の第1の端部81a、及び第2のアクスル81の第2の端部81bにトルクが付加されることになる。回転力が最終的に第1及び第2のアクスル81,82に付加されると、アクスル80,81はそれらの軸を中心に曲がったりねじれたりすることになる。例えば、第1の端部80a,81aは、第1の方向、例えば、第1及び第2のアクスル80,81の縦方向軸を中心に時計回り又は反時計回りに曲がったりねじれたりすることになり、第2の端部80b,81bは反対方向に曲がったりねじれたりすることになる。
【0052】
都合のよいことに、回転力はアクスル80,81の縦方向軸を中心に発生する曲げ運動やねじり運動として吸収されるので、また、上記縦方向軸は制御アーム20,30,40,50の縦方向軸に対して略直角、且つロール現象中にフレーム100がそれを中心に傾動する軸に対して略直角に延在するので、そのような曲げ運動やねじり運動は、実質的に、以前の公知の構成で発生したような、場合によっては結果的に制御アーム20,30,40,50がそれらの縦方向軸を中心に曲がったりねじれたりするロール現象の発生を促進することはない。従って、制御アーム20,30,40,及び50の曲げ運動やねじり運動とは異なって、アクスル80,81が受ける曲げ運動やねじり運動は実質的にロール現象の原因となることはない。従って、アクスル80,81は、実際には、スタビライザバーと類似したやり方で機能する。
【0053】
当業者であればわかるように、第1の制御アーム20、アクスル80、第3の制御アーム60、及びフレーム100は、フォーバーリンク機構として機能する。当業者であればわかるように、第2の制御アーム30、アクスル80、第3の制御アーム60、及びフレーム100は、別のフォーバーリンク機構として機能する。当業者であればわかるように、第4の制御アーム40、アクスル81、第6の制御アーム70、及びフレーム100は、更に別のフォーバーリンク機構として機能する。当業者であればわかるように、第5の制御アーム50、アクスル81、第6の制御アーム70、及びフレーム100は、また更に別のフォーバーリンク機構として機能する。
【0054】
従って、フォーバーシステムにおける各々のリンクの剛性は、ロール現象中に生じた力が、ロール挙動やロールに似た挙動を促進するやり方でフォーバーリンクシステムにおける望ましくない曲がりやねじれをもたらす可能性がある点を示す。しかしながら、一般的に言えば、フォーバーサスペンションシステムにおいて、レール及びハンガーを含むフレームは、ロール挙動やロールに似た挙動を容認するやり方で、フレームのねじれや曲がりをもたらすことになるねじり力や曲げ力などの力を抑制するのに十分な剛性を備えている。以前の公知のフォーバーシステムのように、本実施形態において、フレーム100もまた、ロール挙動やロールに似た挙動を容認するやり方でねじれや曲がりをもたらすことになるねじり力や曲げ力などの力を抑制するのに十分なねじり剛性を備えていることが好ましい。特に、フレーム100は、制御アーム20,30,40,及び50のねじり剛性よりも大きなねじり剛性を備えていることが好ましい。
【0055】
しかしながら、以前の公知の構成では、下部制御アームはそのようなフォーバーリンクシステムにおける最も弱いリンクに相当し、そのような制御アームの縦方向軸を中心とした曲がりやねじれの発生がロール現象を促進していた。更に、そのような制御アームの回動可能なジョイントにおけるブッシュの圧縮又は曲がり/ねじれもまたロール現象を促進していた。
【0056】
本実施形態は、アクスル80,81のねじり剛性と同等以上のねじり剛性を備えている制御アーム20,30,40,及び50並びに回動可能なジョイント13,14を提供することによって、この問題に対する解決策を提供する。制御アーム20,30,40,及び50並びに回動可能なジョイント13,14がアクスル80,81のねじり剛性よりも大きなねじり剛性を備えている実施形態では、アクスル80,81は、前述したように、ロール現象中に生じた力を抑制しながら曲がったりねじれたりすることができる。これには、一般的に利用されているよりも十分なねじり剛性を有するアクスル80,81又はより弾力性のあるアクスルを提供することが必要になり、これによって費用が増加することになる。そのような曲がりやねじれを生じさせるために、今度はアクスル80,81よりも更にもっとねじり剛性がある制御アーム20,30,40,50を使用することが必要になり、このことが今度は費用を更に増加させることになる。
【0057】
前述の構成は本発明の範囲内であるが、好ましい実施形態では、制御アーム20,30,40,50及び回動可能なジョイント13,14は、アクスル80,81のねじり剛性と実質的に等しいねじり剛性を備えている。好ましい実施形態の一態様によれば、制御アーム20,30,40,50はそれらの縦方向軸を中心に曲がったりねじれたりすることになり、アクスル80,81はそれらの縦方向軸を中心に曲がったりねじれたりすることになる。制御アーム20,30,40,50及び回動可能なジョイント13,14のそのような曲がりやねじれはある程度はロールの原因となるが、ロール現象中に生じた力の一部が曲がりやねじれを介してアクスル80,81によって吸収されることになるので、そのような実施形態のシステムは利益をもたらす。この構成によって、今度はより小さなねじり剛性を有するアクスル80,81と、より小さなねじり剛性を有する制御アーム20,30,40、及び50並びに回動可能なジョイント13,14との使用が可能になり、このことによって今度は、低コストであるが、それにもかかわらず大幅に向上したロール特性を提供することができる。
【0058】
図13は、相対的なねじり剛性を有する制御アーム20,30,40,及び50並びに回動可能なジョイント13,14の使用が車両のロールに及ぼす影響を立方体プロットA,B,C,及びDの形態で図示している。そこに図示するように、立方体A及びBは、比較的高いねじり剛性を有する制御アームの使用など、多くの変数によって得られた平均ロールレートを示している。例えば、この例に限らないが、モデル化された例では、制御アームは1.00E7mmのねじり剛性を備えており、アクスルは対応するレベル、即ち1.00E7mmのねじり剛性を備えている。同様に、立方体プロットC及びDは、比較的低いねじり剛性を有する制御アームの使用など、多くの変数によって得られた平均ロールレートを示している。例えば、この例に限らないが、モデル化された例では、制御アームは1.00E4mmのねじり剛性を備えており、アクスルは対応するレベル、即ち1.00E4mmのねじり剛性を備えている。
【0059】
図示するように、立方体Bにおける最も高い平均ロールレート、即ち26,610Nm/°は比較的高いねじり剛性を有する制御アームが利用された場合に得られるのに対し、立方体Cにおける最も低い平均ロールレート、即ち11,181Nm/°は比較的低いねじり剛性を有する制御アームが利用された場合に得られる。更にまた、ねじり剛性を有する制御アーム20,30,40,及び50の使用によって得られる有益な効果は、立方体A及びBに示す8個のデータ測定値を材料とした観測によって更に示されており、8個のうちの6個は立方体A,B,C,及びDに示す16個のデータ測定値の間で得られた最も高いロールレートを表している。
【0060】
従って、以前の公知の構成とは異なって、本実施形態では、制御アーム20,30,40,50は、車両にとって所望の平均ロールレートに従って選択されたねじり剛性を備えている。本実施形態の別の態様によれば、制御アーム20,30,40,50は、車両のばね上質量11の平均ロールレートを増加させるように選択されたねじり剛性を備えている。当業者であればわかるように、アクスル80,81並びに制御アーム20,30,40,及び50のねじり剛性は、材料や形状を含む様々なパラメータによって影響されることがある。
【0061】
制御アーム20,30,40,及び50のねじり剛性に加えて、車両のロールはまた、回動可能なジョイント13,14のねじり剛性によっても影響されることがある。ブッシュ23,27,33,37,43,47,53,57が利用される本実施形態では、ジョイント13,14のねじり剛性はブッシュ23,27,33,37,43,47,53,57の剛性によって影響されることがある。
【0062】
図10〜11に示すように、例示的なブッシュ27’、第2の部分25’、ベアリング面26’、及びシャフト87’に関しては、ブッシュの圧縮が発生する範囲で、制御アームの曲がりやねじれという類似の効果が発生し、車両のロールは抑制されるのではなく促進される。特に、図10〜11の例では、ばね上質量は、ブッシュ27’が完全に圧縮されて、荷重が制御アーム20に伝達され始めるまで、約4.5°ロールすることが許容されることになる。制御アーム20’の第1の部分にあるブッシュが同様のやり方で動くとすれば、ばね上質量は、アクスル80,81が曲がりやねじれを引き起こす傾向がある力を受け始めるまで、約9°ロールすることになる。従って、本実施形態では、大きな剛性を有するブッシュ23,27,33,37,43,47,53,57を提供することによって、アクスル80,81がロール現象の初期に曲がったりねじれたりし始めて、ロール現象の初期にロールを抑制することができる。従って、制御アーム20,30,40,及び50は様々なブッシュ23,27,33,37,43,47,53,57を利用することができるが、比較的硬いブッシュ23,27,33,37,43,47,53,57が好ましい。
【0063】
図13は、比較的硬い又は軟らかいブッシュの使用が車両のロールに及ぼす影響を立方体プロットA,B,C,及びDの形態で図示している。そこに図示するように、立方体プロットA及びCは、比較的軟らかいブッシュの使用など、多くの変数によって得られた平均ロールレートを示している。例えば、この例に限らないが、モデル化された例では、ブッシュは5000N/mmのラジアルレートを備えている。同様に、立方体プロットB及びCは、比較的硬いブッシュの使用など、多くの変数によって得られた平均ロールレートを示している。例えば、この例に限らないが、モデル化された例では、ブッシュは50,000N/mmのラジアルレートを備えている。図示するように、最も高い平均ロールレート、即ち26,610Nm/°は比較的硬いブッシュが利用された場合に得られるのに対し、最も低い平均ロールレート、即ち11,181Nm/°は比較的軟らかいブッシュが使用された場合に得られる。
【0064】
ブッシュの剛性に加えて、車両のロールと回動可能なジョイント13,14のねじり剛性とは、ジョイント13,14の長さによっても影響されることがある。図10〜12の比較によって示すように、ロール現象中にブッシュの圧縮が発生する範囲又はラジアルプレイ(半径方向の遊び)が存在する範囲で、制御アーム20,30,40,及び50のベアリング面22,26,32,36,42,46,52,56の長さ22L,26L,32L,36L,42L,46L,52L,56Lの増加によって、そのような圧縮又はプレイがロールレートに及ぼす悪影響が減少する。図11及び12に示すように、ばね上質量11は、ブッシュ27’が完全に圧縮されて、荷重が制御アーム20’に完全に伝達されるまで、約4.5°ロールすることが許容されることになる。しかしながら、図13に示すように、図12に示すのと比較してベアリング面22の長さを増加させることによって、同様のロール現象に対して、ばね上質量11は、ブッシュ27が完全に圧縮されて、荷重が制御アーム20に伝達されるまで、約2.75°だけロールすることが許容されることになる。従って、ベアリング面22,26,32,36,42,46,52,56に対して比較的長い長さ22L,26L,32L,36L,42L,46L,52L,56L(図7A,7B,8A,8B)を設けることによって、車両のロールの量を減少させることができ、ジョイント13,14のねじり剛性を増加させることができる。
【0065】
図13は、比較的長い又は短いベアリング面22,26,32,36,42,46,52,56の使用が車両のロールに及ぼす影響を立方体プロットA,B,C,及びDの形態で図示している。そこに図示するように、各々の立方体A,B,C,及びDにおける最も前方のデータ点は、回動可能なジョイント13と共に比較的長いベアリング面を使用することによって得られた平均ロールレートを示している。例えば、この例に限らないが、モデル化された例では、ベアリング面は150mmの長さを備えている。同様に、各々の立方体A,B,C,及びDにおける最も後方のデータ点集合は、回動可能なジョイント13と共に比較的短いベアリング面を使用することによって得られた平均ロールレートを示している。例えば、この例に限らないが、モデル化された例では、ベアリング面は70mmの長さを備えている。
【0066】
同じくそこに図示するように、各々の立方体A,B,C,及びDにおける最も上方のデータ点は、回動可能なジョイント14と共に比較的長いベアリング面を使用することによって得られた平均ロールレートを示している。例えば、この例に限らないが、モデル化された例では、ベアリング面は150mmの長さを備えている。同様に、各々の立方体A,B,C,及びDにおける下方のデータ点集合は、回動可能なジョイント14と共に比較的短いベアリング面を使用することによって得られた平均ロールレートを示している。例えば、この例に限らないが、モデル化された例では、ベアリング面は70mmの長さを備えている。
【0067】
図示するように、立方体Bにおける最も高い平均ロールレート、即ち26,610Nm/°はジョイント13,14において比較的長いベアリング面22,26,32,36,42,46,52,56が利用された場合に得られるのに対し、立方体Cにおける最も低い平均ロールレート、即ち11,181Nm/°はジョイント13,14において比較的短いベアリング面22,26,32,36,42,46,52,56が利用された場合に得られる。
【0068】
従って、以前の公知の構成とは異なって、本実施形態では、ジョイント13,14は、車両にとって所望の平均ロールレートに従って選択されたねじり剛性を備えている。本実施形態におけるジョイント13,14のねじり剛性はブッシュ23,27,33,37,43,47,53,57の剛性の関数であるので、適切な剛性を選択することによって、ジョイント13,14のねじり剛性はアクスル80,81のねじり剛性と実質的に同等以上に調整することができる。同様に、ベアリング面に対して適切な長さを選択することによって、ジョイント13,14のねじり剛性はアクスル80,81のねじり剛性と実質的に同等以上に調整することができる。
【0069】
アクスル80,81を縦方向に位置付ける下部制御アーム20,30,40,及び50との関連で述べたが、これもまた当業者であればわかるように、アクスル80,81の横方向位置を安定させる上部制御アーム60,70の能力に多数の要因が影響を与える。そのような変数としては、制御アーム60,70の剛性、ブッシュ67,68,77,78の配向、ブッシュ67,68,77,78間のスパン、ベアリング面65,66,75,76の長さ、及びブッシュ67,68,77,78の剛性が挙げられる。利用する特定の構成は適用のタイプや経験的観測に左右されることになるが、ある実施形態では、例えば、この例に限らないが、硬化したブッシュ67,68,77,78や伸長したベアリング面65,66,75,76など、横安定性を強化する特定の特徴を備えた制御アーム60,70を提供することが望ましい。
【0070】
経験的証拠によって、車両のロールは利用する第3及び第6の制御アーム60,70のタイプによっても影響されることがあることも証明された。好ましい実施形態では、制御アーム60,70をそれぞれのアクスル80,81に接続するために、ボールジョイント62及び72が使用される。代替的な実施形態では、その他の構成も利用することができる。例えば、この例に限らないが、制御アーム70,71をそれぞれのアクスル80,81に接続する目的で、制御アーム60,71の第1の部分61,71上でブッシュ及びベアリング面構成もまた本発明の範囲内で利用することができる。例えば、第3の制御アーム60の第2の部分63で示すのと同様のベアリング面65及びブッシュ67を、第1の部分61上で利用することができる。この代替的な構成は本発明の範囲内だと考えられるが、ここで図13を参照すると、特定の立方体Bにおいて、ボールジョイント構成がモデル化された各々の立方体プロットA,B,C,及びDにおける右側のデータ点の、ブッシュ構成がモデル化された左側のデータ点に対する比較により、ブッシュ及びベアリング面構成に対してボールジョイント構成を利用することによってロールレートの大幅な増加が得られる、即ち17,112Nm/°に対して26,610Nm/°となることが証明された。従って、他の全ての変数がこの立方体プロットBにおいて実質的に等しいとすると、ボールジョイント62,72を含むことによって、ブッシュ構成に対してほぼ500Nm/°の増加が得られる。
【0071】
都合のよいことに、図13の立方体プロットBにおいて示す26,610Nm/°の平均ロールレートは、本発明の好ましい実施形態に関して述べた原則によって得られた予想外の相乗効果を実証している。当業者であればわかるように、図示されている原則を組み合わせて利用することで好ましいレベルのロール制御を達成することができ、代替的な実施形態では、立方体プロットBにおける26,610Nm/°のデータ測定値と共にモデル化された好ましい組み合わせから逸脱するにもかかわらず、ロール制御の十分なレベルの改善を達成することができる。例えば、この例に限らないが、図13の立方体プロットAにおいて示すように、18,544Nm/°の比較的高い平均ロールレートは、第3及び第6の制御アーム60,70においてボールジョイント構成ではなく比較的軟らかいブッシュ及びブッシュ構成を使用しているにもかかわらず得ることができる。
【0072】
実証的分析は、本発明の原則を用いて得られるロールレートがドライバーに不十分なフィードバックが提供される程度まで上昇する可能性があることを証明した。当業者であればわかるように、一部の用途、例えば、この例に限らないが、一般に高速で運転することのないセメントトラックでは、非常に高いロールレートが望ましい場合があるが、そもそも、車両が所定の道路条件を超える速度で運転しているかどうかに関するドライバーフィードバックのためには多少のロールが望ましい場合がある。しかしながら、そのような状況において、本発明の原則は、それにもかかわらず、以前はフォーバーリンク式サスペンションで利用可能でなかった、カスタマイズされたロール制御のレベルを向上させるために使用することができる。
【0073】
例えば、カスタマイズされたロール制御の強化は、スタビライザバーを更に含むか含まないかによって、又は適切なベアリング面の長さを選択することによって、又はアクスル80,81、制御アーム20,30,40,及び50、並びにジョイント13,14の適切なねじり剛性を選択することによって、又は適切なブッシュの剛性を選択することによって、又はアクスル80,81の横安定性のために使用される適切なタイプの制御アームを選択することによって行なうことができる。ある特定の状況に関して最適なロール制御レベルを提供する特定の組み合わせは、モデリングや実証的分析によって決めることができる。例えば、図14は、図13においてモデル化された変数間の二次関係モデリングを示している。更にまた、図15は、図13においてモデル化された変数の標準効果を図示するパレート図を示しており、2.086と実質的に同等以上の標準効果を示す特徴がロールレートに対して最も有意な効果を有している。変数の特定の組み合わせ及びそのような変数に対して選択された値によって、所定の状況において達成することのできる最高のレベル未満ではあるが、それにもかかわらず状況や車両のタイプによっては望ましいことがあるロール制御レベルを提供する組み合わせを作り出すことができる。
【0074】
本実施形態はフォーバーリンクサスペンション構成として機能する好ましい構造を背景にして説明したが、当業者であればわかるように、本発明の原則はその他のフォーバーリンクサスペンション構成において利用することもできる。例えば、この例に限らないが、本原則は、フォーバーリンクとしての機能も果たす移動ビーム構成において利用してもよい。
【0075】
ここで図16を参照すると、浮遊移動ビーム構成の概略図が示されている。そこに図示するように、第1の制御アーム20”は、回動可能なジョイント13”を介して両方のアクスル80”,81”に、また複数の回動可能なジョイント14”を介してフレームに回動可能に接続される。当業者であればわかるように、制御アーム20’はフレームに対してアクスル80,81の第1の端部を縦方向に位置付ける。また、当業者であればわかるように、制御アーム20”もまた制御アーム20及び40と同様のやり方でスプリング111及びダンパー110等のサスペンションスプリングに接続することができる。当業者であればわかるように、第2の制御アーム(図示せず)は車両フレーム(図示せず)の反対側に設けることになり、上記の別の制御アーム(図示せず)は制御アーム20”と同様のやり方でフレームに対してアクスル80,81の第2の端部を縦方向に位置付けることになる。更にまた、本実施形態には示していないが、当業者であればわかるように、第3及び第4の制御アームもまたフレームに対してアクスル80,81を横方向に位置付けるために利用することができる。
【0076】
本実施形態において、第1の制御アーム20”は、複数の回動可能なジョイント14”と、フレーム部材100aに接続されたフレームハンガー101a,101bから延在する接続用制御アーム5”,6”とを介してフレームに回動可能に接続される。本構成によって、第1の制御アーム20”が矢印Eの方向に上下に移動することが可能になる。
【0077】
図1〜6に示す実施形態に関して述べたように、制御アーム20”は大きなねじり剛性を備えることができ、制御アーム20及び50と同様のやり方でアクスル80”,81”において軸方向の曲がりやねじれを引き起こすように構成することができる。ねじり力はロール現象中の接続用制御アーム5”及び6”と回動可能なジョイント13”,14”にも付加されることになるので、接続用制御アーム5”及び6”と回動可能なジョイント13”,14”もまた図1〜6の実施形態に示したジョイント13,14と同様のやり方で大きなねじり剛性を備えることができる。例えば、制御アーム20”,5”,及び6”もまた伸長したベアリング面と硬化したブッシュを同様に含むことができる。
【0078】
上記の実施形態の詳細な説明は、発明者が本発明の範囲内であると考える全ての実施形態の包括的な説明ではない。例えば、この例に限らないが、サスペンションシステム10は第1及び第2のアクスル80,81と共に使用して示されているが、当業者であればわかるように、本発明の原則は、単一のアクスルと共に、また、例えばトレーラ等の1つ以上のアクスルを備えた車両を含む、輸送に使用されるあらゆるタイプの車両に関連して利用することができる。
【0079】
更にまた、1つのタイプの制御アーム20,30,40,及び50の特定の実施例が図示されているが、本発明は多くのその他の構成も考えられる。一例として、当業者であればわかるように、単一のベアリング面、例えばベアリング面22,26,32,36,42,46,52,56を利用してもよいが、Aアーム等のその他のタイプの制御アーム、例えば、図17に示す制御アーム220,230を利用することもできる。図17に示すように、制御アーム220,230は、制御アーム20,30,40,及び50に関して示したのと同様のやり方でアクスル80,81に連結する、離間配置されたベアリング面222,222’及び232,232’を備えている。そのような実施形態では、離間配置されたベアリング面222,222’及び232,232’は、実際には、1つの伸長したベアリング面としての機能を果たす。別の例として、図示の制御アーム20,30,40,50は、ブッシュを収容する孔を画定し、シャフトに回動可能に取り付けられたベアリング面を備えて示されているが、当業者であればわかるように、ベアリング面は孔のある表面に回動可能に取り付けられたシャフトとして設けることもできる。
【0080】
従って、当業者であればわかるように、様々な形状を備えた制御アームを提供することは本発明の範囲内であり、また、本発明は、運転中に縦方向位置を制御するフォーバーリンク機構の構成部品を形成するあらゆるタイプの制御アームを利用することができ、例えば、この例に限らないが、制御アームを兼ねるリーフスプリング又はスタビライザバー等の単一目的又は二重目的のサスペンション部材を含むがこれに限定されない。
【0081】
更に別の例として、図示した実施形態は横方向の位置付けのためにV字形制御アーム60及び70を使用することができるが、当業者であればわかるように、アクスル80,81を横方向に位置付けるためにその他の制御アーム構成を利用することもできる。例えば、この例に限らないが、パナールロッド又はワットリンク機構タイプの制御アームを利用してもよい。
【0082】
更にまた、当業者であればわかるように、上記の実施形態の特定の要素は様々に組み合わせるか又は除外するかして更なる実施形態を作り出すことができ、そのような更なる実施形態は本発明の範囲及び教示に含まれる。また、当業者であれば明らかなように、上記の実施形態を全体的又は部分的に組み合わせて本発明の範囲及び教示内の更なる実施形態を作り出すことができる。このようにして、本発明の特定の実施形態及び実施例を例示目的で本明細書において説明したが、当業者であればわかるように、様々な同等の変更態様が本発明の範囲内で実施可能である。従って、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲から決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじり剛性と、第1の端部及び第2の端部とを備えたアクスルと、
フレームを含むばね上質量であって、前記アクスルに取り付けられることによって前記アクスルに対してロールすることができる前記ばね上質量と、
前記フレームに対して前記アクスルの前記第1の端部を縦方向に位置付け、ねじり剛性を備えている第1の制御アームと、
前記フレームに対して前記アクスルの前記第2の端部を縦方向に位置付け、ねじり剛性を備えている第2の制御アームと、
前記フレームに対して前記アクスルを横方向に位置付ける第3の制御アームと、
前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続し、ねじり剛性を備えている第1の回動可能なジョイントと、
前記第1の制御アームを前記フレームに回動可能に接続し、ねじり剛性を備えている第2の回動可能なジョイントと、
前記第2の制御アームを前記アクスルの前記第2の端部に回動可能に接続し、ねじり剛性を備えている第3の回動可能なジョイントと、
前記第2の制御アームを前記フレームに回動可能に接続し、ねじり剛性を備えている第4の回動可能なジョイントとを備え、
前記第1の制御アーム、前記第2の制御アーム、前記第1の回動可能なジョイント、前記第2の回動可能なジョイント、前記第3の回動可能なジョイント、及び前記第4の回動可能なジョイントのねじり剛性は、前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上であり、それによってばね上質量のロール現象中に前記アクスルが曲がったりねじれたりしてロール量を制限することを特徴とする、車両。
【請求項2】
前記第1の制御アーム及び前記第2の制御アームのねじり剛性が前記アクスルのねじり剛性と実質的に等しいことによって、ばね上質量のロール現象中に前記アクスル並びに前記第1及び第2の制御アームが曲がったりねじれたりしてロール量を制限することを特徴とする、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記第1の制御アーム、前記第2の制御アーム、前記第1の回動可能なジョイント、前記第2の回動可能なジョイント、前記第3の回動可能なジョイント、及び前記第4の回動可能なジョイントのねじり剛性が、前記アクスルのねじり剛性と実質的に等しいことによって、ばね上質量のロール現象中に前記アクスル、前記アクスル、前記第1及び第2の制御アーム、並びに前記ジョイントが曲がったりねじれたりしてロール量を制限することを特徴とする、請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記第1のジョイントは前記第1の制御アーム上の第1の部分を含み、前記第2のジョイントは前記第1の制御アーム上の第2の部分を含み、前記第3のジョイントは前記第2の制御アーム上の第1の部分を含み、前記第4のジョイントは前記第2の制御アーム上の第2の部分を含んでおり、
前記第1の制御アームの前記第1の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面を備え、前記ベアリング面は、前記第1のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択された長さを備えており、
前記第1の制御アームの前記第2の部分は、前記第1の制御アームを前記フレームに回動可能に接続するベアリング面を備え、前記ベアリング面は、前記第2のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択された長さを備えており、
前記第2の制御アームの前記第1の部分は、前記第2の制御アームを前記アクスルの前記第2の端部に回動可能に接続するベアリング面を備え、前記ベアリング面は、前記第3のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択された長さを備えており、
前記第2の制御アームの前記第2の部分は、前記第2の制御アームを前記フレームに回動可能に接続するベアリング面を備え、前記ベアリング面は、前記第4のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択された長さを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記第1のジョイントは前記第1の制御アーム上の第1の部分を含み、前記第2のジョイントは前記第1の制御アーム上の第2の部分を含み、前記第3のジョイントは前記第2の制御アーム上の第1の部分を含み、前記第4のジョイントは前記第2の制御アーム上の第2の部分を含んでおり、
前記第1の制御アームの前記第1の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面及びブッシュを備え、前記ブッシュは、前記第1のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択されたラジアルレートを備えており、
前記第1の制御アームの前記第2の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面及びブッシュを備え、前記ブッシュは、前記第2のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択されたラジアルレートを備えており、
前記第2の制御アームの前記第1の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面及びブッシュを備え、前記ブッシュは、前記第3のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択されたラジアルレートを備えており、
前記第2の制御アームの前記第2の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面及びブッシュを備え、前記ブッシュは、前記第4のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択されたラジアルレートを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の車両。
【請求項6】
前記第1のジョイントは前記第1の制御アーム上の第1の部分を含み、前記第2のジョイントは前記第1の制御アーム上の第2の部分を含み、前記第3のジョイントは前記第2の制御アーム上の第1の部分を含み、前記第4のジョイントは前記第2の制御アーム上の第2の部分を含んでおり、
前記第1の制御アームの前記第1の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面及びブッシュを備え、前記ベアリング面及び前記ブッシュは、前記第1のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択された長さ及びラジアルレートをそれぞれ備えており、
前記第1の制御アームの前記第2の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面及びブッシュを備え、前記ベアリング面及び前記ブッシュは、前記第2のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択された長さ及びラジアルレートをそれぞれ備えており、
前記第2の制御アームの前記第1の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面及びブッシュを備え、前記ベアリング面及び前記ブッシュは、前記第1のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択された長さ及びラジアルレートをそれぞれ備えており、
前記第2の制御アームの前記第2の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面及びブッシュを備え、前記ベアリング面及び前記ブッシュは、前記第2のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択された長さ及びラジアルレートをそれぞれ備えていることを特徴とする、請求項1に記載の車両。
【請求項7】
前記第3の制御アームが前記第3の制御アームを前記アクスルに回動可能に接続するボールジョイントを備えていることによって、前記第3の制御アームが前記アクスルと共に上下に移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の車両。
【請求項8】
前記第3の制御アームが前記第3の制御アームを前記アクスルに回動可能に接続するボールジョイントを備えていることによって、前記第3の制御アームが前記アクスルと共に上下に移動可能であることを特徴とする、請求項6に記載の車両。
【請求項9】
前記第3の制御アームは、
前記第3の制御アームを前記アクスルに回動可能に接続するボールジョイントを含むことによって、前記第3の制御アームが前記アクスルに対して上下に移動可能である第1の部分と、
前記第1の部分から延在して略V字形の第3の制御アームを形成する第2及び第3の部分であって、前記第3の制御アームを前記フレームに回動可能に接続する前記第2及び第3の部分とを備えていることを特徴とする、請求項6に記載の車両。
【請求項10】
前記第1及び第2の制御アームを前記フレームに回動可能に接続する複数の第2及び第4のジョイント並びに接続用制御アームを更に備えていることを特徴とする、請求項1に記載の車両。
【請求項11】
車両のロール特性を改善する方法であって、
第1の端部と、第2の端部と、ねじり剛性とを備えているアクスルを提供するステップと、
フレームを含むばね上質量であって、前記アクスルに取り付けられることによって前記アクスルに対してロールすることができる前記ばね上質量を提供するステップと、
前記フレームに対して前記アクスルの前記第1の端部を縦方向に位置付け、ねじり剛性を備えている第1の制御アームを提供するステップと、
前記フレームに対して前記アクスルの前記第2の端部を縦方向に位置付け、ねじり剛性を備えている第2の制御アームを提供するステップと、
前記フレームに対して前記アクスルを横方向に位置付ける第3の制御アームを提供するステップと、
前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続し、ねじり剛性を備えている第1の回動可能なジョイントを提供するステップと、
前記第1の制御アームを前記フレームに回動可能に接続し、ねじり剛性を備えている第2の回動可能なジョイントを提供するステップと、
前記第2の制御アームを前記アクスルの前記第2の端部に回動可能に接続し、ねじり剛性を備えている第3の回動可能なジョイントを提供するステップと、
前記第2の制御アームを前記フレームに回動可能に接続し、ねじり剛性を備えている第4の回動可能なジョイントを提供するステップと、
前記第1の制御アーム、前記第2の制御アーム、前記第1の回動可能なジョイント、前記第2の回動可能なジョイント、前記第3の回動可能なジョイント、及び前記第4の回動可能なジョイントのねじり剛性を、前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上になるように選択することによって、ばね上質量のロール現象中に前記アクスルが曲がったりねじれたりしてロール量を制限するステップとを備えている、方法。
【請求項12】
前記第1の制御アーム及び前記第2の制御アームのねじり剛性が前記アクスルのねじり剛性と実質的に等しくなるように選択されることによって、ばね上質量のロール現象中に前記アクスル並びに前記第1及び第2の制御アームが曲がったりねじれたりしてロール量を制限することを特徴とする、請求項11に記載の車両のロール特性を改善する方法。
【請求項13】
前記第1の制御アーム、前記第2の制御アーム、前記第1の回動可能なジョイント、前記第2の回動可能なジョイント、前記第3の回動可能なジョイント、及び前記第4の回動可能なジョイントのねじり剛性が前記アクスルのねじり剛性と実質的に等しくなるように選択されることによって、ばね上質量のロール現象中に前記アクスル、前記第1及び第2の制御アーム、並びに前記ジョイントが曲がったりねじれたりしてロール量を制限することを特徴とする、請求項11に記載の車両のロール特性を改善する方法。
【請求項14】
前記第1のジョイントは前記第1の制御アーム上の第1の部分を含み、前記第2のジョイントは前記第1の制御アーム上の第2の部分を含み、前記第3のジョイントは前記第2の制御アーム上の第1の部分を含み、前記第4のジョイントは前記第2の制御アーム上の第2の部分を含んでおり、
前記第1の制御アームの前記第1の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面を備え、前記ベアリング面は、前記第1のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択された長さを備えており、
前記第1の制御アームの前記第2の部分は、前記第1の制御アームを前記フレームに回動可能に接続するベアリング面を備え、前記ベアリング面は、前記第2のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択された長さを備えており、
前記第2の制御アームの前記第1の部分は、前記第2の制御アームを前記アクスルの前記第2の端部に回動可能に接続するベアリング面を備え、前記ベアリング面は、前記第3のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択された長さを備えており、
前記第2の制御アームの前記第2の部分は、前記第2の制御アームを前記フレームに回動可能に接続するベアリング面を備え、前記ベアリング面は、前記第4のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択された長さを備えていることを特徴とする、請求項11に記載の車両のロール特性を改善する方法。
【請求項15】
前記第1のジョイントは前記第1の制御アーム上の第1の部分を含み、前記第2のジョイントは前記第1の制御アーム上の第2の部分を含み、前記第3のジョイントは前記第2の制御アーム上の第1の部分を含み、前記第4のジョイントは前記第2の制御アーム上の第2の部分を含んでおり、
前記第1の制御アームの前記第1の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面及びブッシュを備え、前記ブッシュは、前記第1のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択されたラジアルレートを備えており、
前記第1の制御アームの前記第2の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面及びブッシュを備え、前記ブッシュは、前記第2のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択されたラジアルレートを備えており、
前記第2の制御アームの前記第1の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面及びブッシュを備え、前記ブッシュは、前記第3のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択されたラジアルレートを備えており、
前記第2の制御アームの前記第2の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面及びブッシュを備え、前記ブッシュは、前記第4のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択されたラジアルレートを備えていることを特徴とする、請求項11に記載の車両のロール特性を改善する方法。
【請求項16】
前記第1のジョイントは前記第1の制御アーム上の第1の部分を含み、前記第2のジョイントは前記第1の制御アーム上の第2の部分を含み、前記第3のジョイントは前記第2の制御アーム上の第1の部分を含み、前記第4のジョイントは前記第2の制御アーム上の第2の部分を含んでおり、
前記第1の制御アームの前記第1の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面及びブッシュを備え、前記ベアリング面及び前記ブッシュは、前記第1のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択された長さ及びラジアルレートをそれぞれ備えており、
前記第1の制御アームの前記第2の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面及びブッシュを備え、前記ベアリング面及び前記ブッシュは、前記第2のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択された長さ及びラジアルレートをそれぞれ備えており、
前記第2の制御アームの前記第1の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面及びブッシュを備え、前記ベアリング面及び前記ブッシュは、前記第1のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択された長さ及びラジアルレートをそれぞれ備えており、
前記第2の制御アームの前記第2の部分は、前記第1の制御アームを前記アクスルの前記第1の端部に回動可能に接続するベアリング面及びブッシュを備え、前記ベアリング面及び前記ブッシュは、前記第2のジョイントが前記アクスルのねじり剛性と実質的に同等以上のねじり剛性を備えるように選択された長さ及びラジアルレートをそれぞれ備えていることを特徴とする、請求項11に記載の車両のロール特性を改善する方法。
【請求項17】
前記第3の制御アームが前記第3の制御アームを前記アクスルに回動可能に接続するボールジョイントを備えていることによって、前記第3の制御アームが前記アクスルと共に上下に移動可能であることを特徴とする、請求項11に記載の車両のロール特性を改善する方法。
【請求項18】
前記第3の制御アームが前記第3の制御アームを前記アクスルに回動可能に接続するボールジョイントを備えていることによって、前記第3の制御アームが前記アクスルと共に上下に移動可能であることを特徴とする、請求項16に記載の車両のロール特性を改善する方法。
【請求項19】
前記第3の制御アームは、
前記第3の制御アームを前記アクスルに回動可能に接続するボールジョイントを含むことによって、前記第3の制御アームが前記アクスルに対して上下に移動可能である第1の部分と、
前記第1の部分から延在して略V字形の第3の制御アームを形成する第2及び第3の部分であって、前記第3の制御アームを前記フレームに回動可能に接続する前記第2及び第3の部分とを備えていることを特徴とする、請求項16に記載の車両のロール特性を改善する方法。
【請求項20】
前記第1及び第2の制御アームを前記フレームに回動可能に接続する複数の第2及び第4のジョイント並びに接続用制御アームを更に備えていることを特徴とする、請求項11に記載の車両のロール特性を改善する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2013−519571(P2013−519571A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552849(P2012−552849)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/024093
【国際公開番号】WO2011/099981
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(511066562)ボルボ グループ ノース アメリカ,エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】