説明

ワイヤハーネス等の長尺部材の保持具

【課題】作業者には面倒な作業を強いることなしに、バンドの余剰部をコンパクトに収納することのできる、長尺部材の保持具を提供する。
【解決手段】長尺部材の保持具1はバンド3とバンドが長尺部材の外面を巻回した状態に保持するロック部9とを有し、ロック部9は、長尺部材を巻回したバンドの先端側の余剰部を、長尺部材の外面の巻回バンド部分に向けて折返すバンド格納経路21を形成する形状に形成され、更に、ロック部9の出口部分に隣接して、ロック部から出るバンドの余剰部の先端部分を巻回バンド部分に向けて折返す空洞を有するホルダー29が設けられ、ホルダーは、バンドの余剰部の先端部分を巻回バンド部分に折返した状態に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネス等の長尺部材を巻回するバンドとバンドが長尺部材の外面を巻回した状態に保持するロック部とを有する長尺部材の保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電線等の長尺部材を結束して巻回するバンドとバンドが長尺部材の外面を巻回した状態に保持するロック部とを有する長尺部材の保持具は、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1には、長尺部材を結束して巻回したバンドの先端側の余剰部を、ロック部を通して通過した後に再度ロック部に逆方向に挿入してバンドの巻回部分に折返す構造が記載されている。特許文献1には、バンドの余剰部がコンパクトに収容されて、スペース効率が向上する、と記載されている。
【0003】
【特許文献1】実願平4−114713号公報(実用新案登録第2531842号)
【特許文献2】特開平9−093762号公報
【特許文献3】特開2004−099063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の保持具において、バンドの余剰部がバンドの巻回部分に折返すことのできる構造であるので、バンドの余剰部を切断しなくても、その余剰部が邪魔にならないようにできる利点がある。特許文献1のバンドの余剰部の折返し操作は、作業者が、ロック部から出た余剰部をもって180度折曲げた後、再度ロック部の出口側から逆方向に挿入せねばならない。従って、作業者には、バンドの余剰部の180度の折曲げと、その折曲げ状態でロック部への挿入作業とを強いることになり、その作業が面倒である。特に、その作業が狭いスペースで行わねばならない場合には、一定の熟練を必要とする。
【0005】
特許文献2には、バンドの中間部分に、もう1つのロック部を形成して、バンドの余剰部を収納する、長尺部材の保持具が記載されている。この保持具は、バンドを180度折曲げる手間がないので、作業は特許文献1の保持具より容易である利点がある。しかし、バンドの中間部分にもう1つのロック部を形成する必要があり、バンドの形状が単純な形状ではなく、コストが高くなり、また、取扱いの最中にそのロック部が邪魔になるおそれがある。
【0006】
特許文献3に記載のバンド式保持具は、バンドの一端にロック部を設け、バンドの他端をそのロック部に通すことで長尺部材を巻回する構成である。バンド部の余剰部は、特許文献1と同様に、作業者が、ロック部から出た余剰部をもって180度折曲げた後、再度ロック部の出口側から逆方向に挿入せねばならない。そのため、特許文献1の保持具と同様に、作業者には、バンドの余剰部の180度の折曲げと、その折曲げ状態でロック部への挿入作業とを強いることになる。
【0007】
従って、本発明の目的は、作業者には面倒な作業を強いることなしに、バンドの余剰部をコンパクトに収納することのできる、長尺部材の保持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため、本発明によれば、ワイヤハーネス等の長尺部材を巻回するバンドと該バンドが前記長尺部材の外面を巻回した状態に保持するロック部とを有する長尺部材の保持具であって、前記ロック部は、長尺部材を巻回したバンドの先端側の余剰部を、該長尺部材の外面の前記巻回バンド部分に向けて折返すバンド格納経路を形成する形状に形成され、更に、前記ロック部の出口部分に隣接して、該ロック部から出る前記バンドの余剰部の先端部分を前記巻回バンド部分に向けて折返す空洞を有するホルダーが設けられ、該ホルダーは、前記バンドの余剰部の先端部分を前記巻回バンド部分に折返した状態に保持する構成である、ことを特徴とする保持具が提供される。
【0009】
上記保持具によって、ロック部へバンドの先端側の部分を挿入するだけで、バンドの余剰部はバンド巻回部分側へ折返され、更に、折返された余剰部は、ホルダーへの挿入によって折返された状態に保持される。従って、作業者には面倒な作業を強いることなしに、バンドの余剰部を、切断することなしに、コンパクトに収納することができる。
【0010】
上記保持具において、長尺部材を支持する基部が形成され、バンドが基部の一方の側部から延び出るように形成され、ロック部は基部の他方の側部に固着され、基部は、一方の側部から他方の側部の間の上面が長尺部材を保持する保持部として形成されている。基部は、保持部が上面が開放した部分円筒形状に湾曲した形状に形成されて長尺部材としてのワイヤハーネスを保持する形状に形成されている。ロック部には、バンド格納経路の入口部分にバンドの係止部に係止するロック爪が形成されており、バンドには、ロック部のロック爪に係合する面に長手方向に間隔をおいて多数の係止凹部又はラチェット爪が係止部として形成されており、バンドは、基部の保持部に載置された長尺部材を基部の一方の側部から巻回して、更に、ロック部に挿入されるとロック爪によってバンドの巻回状態がロックされる。ロック爪と係止部との係合によってバンドの余剰部がロック部のバンド格納経路を通って巻回バンド部分に折返した状態に保持され、更に、ロック部から出るバンドの余剰部の先端部分がホルダーを通って巻回バンド部分に折返した状態に保持される。
【0011】
上記保持具において、ロック部のバンド格納経路は、ロック部の一方の壁部と、壁部の底部から直交する方向に延びる底壁と、バンドを折返す経路を形成する他方の側壁と、一方の壁部と他方の側壁との間に配置されてほぼU字形状のバンド折返し経路を形成する中間壁部とから形成されている。ロック部は、バンドの挿入においてバンド格納経路の一方の横方向の側面が、バンドの挿入を目視でき且つバンドのロックの解除やバンドが詰まった場合の処理が可能にするように開放して形成される。基部には、保持部の下方側に、パネル等の被取付部材に取付けられるクリップが形成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1〜図8には、本発明の1実施形態に係るワイヤハーネス等の長尺部材の保持具1の構成が示されている。図9〜図14には、保持具1にワイヤハーネス2がバンド3によって保持されて、保持具1によって、被取付部材であるパネル5に、長尺部材としてのワイヤハーネス2が取付けられる手順が示されており、保持具1のバンド3の余剰部を、面倒な手間を必要とすることなく、切断せずにコンパクトに格納する様子が示されている。
【0013】
図1〜図8を参照して、長尺部材の保持具1の構成を説明する。図示の実施形態において、保持具1はプラスチックの一体成形品で成る。保持具1は、ワイヤハーネス2等の長尺部材をパネル5等の被取付部材に取付けるため、ワイヤハーネス3を保持する台となる基部6と、保持具1をパネル5等の被取付部材への取付部となる、基部6の下方に延びるクリップ7と、ワイヤハーネス2等の長尺部材の外周面を巻回して基部6へ保持するように基部6の上面の一方の側部から細長く延びるバンド3と、基部6の上面側のバンド3と反対側の側部に形成され、バンド3を巻回した状態に保つロック部9とを有する。
【0014】
クリップ7は、軸部10と軸部10の下端から基部6の側に錨脚形状に延びる一対の係止爪11とから成り、パネル5等の被取付部材の取付穴に挿入することによって保持具1が被取付部材に取付けられる。基部6の下面側には、吸盤形状のフランジ13が形成されて、基部6がクリップ7によって安定してパネル5に取付けるのを助けるとともに、パネル5の取付穴を密封するのを可能にする。クリップ7の各係止爪11の先端側には多段の係止段部が形成され、基部6のフランジ13と協働して、厚さの異なるパネルに対して、パネルの厚さが違っても取付けられるのを可能にする。
【0015】
なお、図示の実施形態の保持具1では、パネル5等の被取付部材への取付部は、錨脚形状のクリップ7に形成されているが、これに限るものではない。例えば、クリップ7に代えて、パネル5に立設されたスタッド(ねじスタッドや周溝スタッド、あるいはTスタッド等)に係合するスタッド係止手段で構成してもよい。更に、本発明に係るワイヤハーネス等の保持具には、被取付部材への取付部は必須のものではない。例えば、クリップ7を無くして、バンド3とロック部9(及びホルダー29)と(及び基部6)から保持具を構成してもよい。
【0016】
バンド3には、ロック部9のロック爪19に係合する面(第1面)に、係止部としての係止凹部14が、バンド3の長手方向に一定の間隔(ピッチ)をもって多数形成されている。この係止凹部14は図7に明瞭に示されている。なお、係止部としての係止凹部14は、公知のバンドと同様に、係止凹部に代えてラチェット爪の形状で形成されてもよい。バンド3の先端には、ロック部9の挿通穴に通して指等で保持するリーダ部15が形成されている。また、基部6の上面には、ワイヤハーネス2を安定して保持するように、部分円筒形状に湾曲して上方が開放した剛性の保持部17が形成されている。保持部17は、基部6の上面においてバンド3と対向する側の側縁から基部6の上面に立ち上がる剛性の壁部18を有し、壁部18の外側に、ロック部9が形成されている。ロック部9は、保持部17の剛性の壁部に連結されるので、高い剛性で基部6に連結される。
【0017】
ロック部9の詳細は、図4のA−A線に沿った断面図である図6に最もよく示されている。また、図2もロック部9を詳細に示している。ロック部9について、図6及び図2の外に、図1、図3〜図5及び図7〜図8も参照して説明する。ロック部9は、基部6の上面側のバンド3に対向する側の壁部が、保持部17の剛性の壁部18の一部を共通にして形成されている。ロック部9は、バンド3を巻回した状態に保つとともに、ワイヤハーネスを巻回して保持した後のバンド3の余剰部を切断することなくコンパクトに格納する。ロック部9の形状は、壁部18に沿って挿入されるバンド3の部分を入口部分でロック爪19に係止させながらリーダ部15をワイヤハーネス側に折返し、折返したバンド3の部分を更にワイヤハーネス側のバンド3に折返した方向に保持する、バンド格納経路21を形成する形状にされている。
【0018】
図示の実施形態において、バンド格納経路21は、壁部18と、壁部18の底部から直交する方向に延びる底壁22と、バンドを折返す経路を形成する側壁23と、壁部18と側壁23との間に配置されてほぼU字形状のバンド折返し経路を形成する中間壁部25とから形成されている。そして、バンド格納経路21は、バンド3の挿入において横方向にずれないように規制する横壁部26によって囲まれる。この横壁部26は、図示の実施形態においては、図2、図7及び図8に示すように、裏面側にだけ形成されて、正面側には形成されていない。これによって、型成形を可能にするだけでなく、バンド格納経路21が正面側の側縁部分において大きく開放され、作業者は、バンドの挿入を目視でき、バンドのロックの解除やバンドが詰まった場合の処理が可能になる。バンド格納経路21の正面側の側縁が全て開放するとバンドが経路から外れるおそれがあるので、ロック部9のバンドの入口部分には規制壁部27が形成されている。
【0019】
更に、ロック部9には、バンド格納経路21の出口部分に隣接して、ホルダー29が設けられている。ホルダー29は、ロック部9に一体的に形成されて、バンド格納経路21が連続する位置と形状に形成されている。詳細には、バンド格納経路21を通り抜けたバンド3の先端側の余剰部すなわちリーダ部15がロック部9の中間壁部25の上方の出口を出た後、ホルダー29に入ることができるように、ホルダー29には、中央にバンド3の余剰部を通すバンド経路(空洞)が形成されている。ホルダー29は、ロック部9の側壁23と中間壁部25とによって折返すように進められたバンド3のリーダ部15をバンド経路に挿入させて、バンド3の余剰部を更にワイヤハーネス側のバンド3に折返した方向に保持する。ホルダー29は、中央のバンド経路用の空洞以外の部分において、前記の横壁部27と反対側(すなわち正面側)のバンド側縁は閉じており、他の側(裏面側)は開放している。これによって、バンド格納経路21の正面側の側縁は、バンド3のリーダ部15においても正面側が規制されて、バンドが経路から外れるのを防止する。
【0020】
ロック部9には、バンド3が挿入される入口近くの中間壁部25において、バンド挿通方向に斜めに延びて弾性を有するロック爪19が設けられている。ロック爪19は、逆止形状に形成され、バンド3の第1面に形成された係止凹部14に弾性係合し、バンド3の挿通は容易であるがバンド3の引抜きには抵抗する。ロック爪19は、弾性を有するように形成され、ロック部9の正面側の開放部分(図2参照)から、例えば、スクリュードライバ等の工具先端で係止解除方向に撓めることができる。これによって、ロック爪19を係止凹部14から離して、バンド3がワイヤハーネス2を巻回した状態を解除でき、バンドのロックの解除やバンドが詰まった場合の処理が可能になる。
【0021】
保持部17の壁部18の外面と中間壁部25の間に形成するバンド格納経路21の間隔と、中間壁部25の下端と底壁22の間に形成するバンド格納経路21の間隔と、中間壁部と側壁23との間に形成するバンド格納経路21の間隔とは、ロック部9のU字形状のバンド格納経路21(図2及び図6参照)に沿って、バンド3のリーダ部15が滑らかに進められる間隔(バンド3が180度の方向に撓められるのを阻害しない間隔)に選定される。また、中間壁部25の下端には、ロック爪19が撓む空間を保ちつつ、バンドの挿入を滑かにする湾曲面30が形成されている。
【0022】
ホルダー29は、ロック部9の中間壁部25と側壁23との間のバンド格納経路21の出口から出たバンド3の余剰部(リーダ部15)を、受入れることができるバンド経路を形成しており、更に、受入れたバンド余剰部を、ワイヤハーネスを巻回するバンドに向けて出力できるバンド経路を形成している。詳細には、ホルダー29は、中間壁部25の上端の上方にバンド経路を形成する上壁部31を備えている。従って、バンド格納経路21は、バンド3を、図6の破線で示すように、ロック部9においてU字形状に折返して案内し、更に、ホルダー29を通して、ワイヤハーネスを固く巻回した保持具1のバンド3の余剰部を切断することなくコンパクトに格納する。
【0023】
図9〜図14を参照して、保持具1を用いて、長尺部材であるワイヤハーネス2を、被取付部材であるパネル5に保持する操作と、ワイヤハーネスを巻回したバンド3の余剰部を切断することなくコンパクトに格納する操作を説明する。図9において、保持具1は、パネル5の取付穴にクリップ7が挿入されてパネル5に取付けられている。なお、図示の場合には、保持具1はワイヤハーネス2を保持する前にパネル5に取付けられているが、ワイヤハーネスを保持した後にパネル5に取付けてもよい。いずれの場合にも、フランジ13がパネル5に接面するので、保持具1の取付けを安定させるとともに、パネル5の取付穴のシールを行う。図9において、保持具1の基部6の保持部17にはワイヤハーネス2が載せられる。
【0024】
図10において、作業者は、バンド3のリーダ部15を、ロック部9のバンド格納経路21の入口部に挿入する位置に案内する(矢印33)。図11において、リーダ部15がロック部9のバンド格納経路21の入口部に挿入されたバンド3の本体部分(ワイヤハーネスの上方部分のバンド3の部分)を、作業者は矢印34のように押込む。この押込みによって、リーダ部15が、ロック部9のバンド格納経路21の入口部から挿入されて、バンド格納経路21のU字形状に沿ってバンド格納経路21を進む。中間壁部25の下端の湾曲部30は、バンド3の押込みによる進行を妨げることなく滑らかに案内する。また、ロック爪19は、バンド3の第1面にある係止凹部14に係止する。ロック爪19は、逆止形状に形成され、バンド3の係止凹部14に弾性係合し、挿通は容易であるが引抜きには抵抗する。従って、ロック爪19も、バンド3の押込みによる進行を妨げることなく滑らかに案内する。これによって、バンド3のロック爪19より先端側の余剰部が、ロック部9においてU字形状に折返するように(180度転回するように)案内される。
【0025】
図11及び図12において、バンド3のリーダ部15は、ロック部9でU字形状に折返された後、バンド格納経路21の出口部から一旦外側に出て行く。作業者は、出て行く余剰部を、図12の矢印35に図示のように指等によって引っ張り出す。この引っ張り出しによって、ワイヤハーネス2は、バンド3によって固く巻回されて、基部6の保持部17に固く固定される。ロック爪19が係止凹部14に係止するので、ワイヤハーネス2はバンド3による固い巻回が維持される。引っ張り出した外側に出るバンド3の余剰部をそのまま放置すると、その余剰部が邪魔になり、ワイヤハーネス2の巻回部分の外観が好ましくなくなるだけでなく、ワイヤハーネス2に隣接する他の部品等の取付けに支障を来す場合もある。
【0026】
図13に示すように、引っ張り出した外側に出るバンド3の余剰部(リーダ部15を含む部分)は、ホルダー29のバンド格納経路の入口に押込まれる(矢印37)。これによって、リーダ部15は、ホルダー29を通って矢印38のように、ホルダー29のバンド格納経路の出口から出される。図14は、その最終状態を示している。すなわち、ロック部9のバンド格納経路21は、バンド3を、ロック部9においてU字形状に折返して案内し、更に、ホルダー29を通して、ワイヤハーネス2を巻回するバンド3の上方に保持具1のバンド3の余剰部を折返して格納し、これによって、バンド3の余剰部を切断することなくコンパクトに格納する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の1実施形態に係る長尺部材の保持具の平面図である。
【図2】図1の保持具の正面図である。
【図3】図2の保持具の底面図である。
【図4】図2の保持具の右側面図である。
【図5】図2の保持具の背面図である。
【図6】図4の保持具のA−A線断面図である。
【図7】図2の保持具の背面の一の方向から見た斜視図である。
【図8】図2の保持具の背面の他の方向から見た斜視図である。
【図9】図2の保持具にワイヤハーネスを位置決めした状態の図である。
【図10】図9の保持具のワイヤハーネスをバンドで巻回するのを開始する図である。
【図11】図10の保持具のワイヤハーネスをバンドで巻回する途中の図である。
【図12】図11のワイヤハーネスをバンドで強く巻回した状態の図である。
【図13】図12のバンドの余剰部をホルダーに挿入する図である。
【図14】図13のバンドの余剰部をコンパクトに格納した状態の図である。
【符号の説明】
【0028】
1 長尺部材の保持具
2 ワイヤハーネス
3 バンド
5 パネル
6 基部
7 クリップ
9 ロック部
10 軸部
11 係止爪
13 フランジ
14 係止凹部
15 リーダ部
17 保持部
18 壁部
19 ロック爪
21 バンド格納経路
22 底壁
23 側壁
25 中間壁部
26 横壁部
27 規制壁部
29 ホルダー
30 湾曲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤハーネス等の長尺部材を巻回するバンドと該バンドが前記長尺部材の外面を巻回した状態に保持するロック部とを有する長尺部材の保持具であって、
前記ロック部は、長尺部材を巻回したバンドの先端側の余剰部を、該長尺部材の外面の前記巻回バンド部分に向けて折返すバンド格納経路を形成する形状に形成され、
更に、前記ロック部の出口部分に隣接して、該ロック部から出る前記バンドの余剰部の先端部分を前記巻回バンド部分に向けて折返す空洞を有するホルダーが設けられ、該ホルダーは、前記バンドの余剰部の先端部分を前記巻回バンド部分に折返した状態に保持する構成である、
ことを特徴とする保持具。
【請求項2】
請求項1に記載の保持具において、前記長尺部材を支持する基部が形成され、前記バンドが前記基部の一方の側部から延び出るように形成され、前記ロック部は前記基部の他方の側部に固着されており、前記基部は、前記一方の側部から前記他方の側部の間の上面が前記長尺部材を保持する保持部として形成されている、ことを特徴とする保持具。
【請求項3】
請求項2に記載の保持具において、前記基部は、前記保持部が上面が開放した部分円筒形状に湾曲した形状に形成されて長尺部材としてのワイヤハーネスを保持する形状に形成されている、ことを特徴とする保持具。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の保持具において、前記ロック部には、前記バンド格納経路の入口部分に前記バンドの係止部に係止するロック爪が形成されており、前記バンドには、前記ロック部の前記ロック爪に係合する面に長手方向に間隔をおいて多数の係止凹部又はラチェット爪が前記係止部として形成されており、前記バンドは、前記基部の前記保持部に載置された前記長尺部材を前記基部の前記一方の側部から巻回して、更に、前記ロック部に挿入されると前記ロック爪によって前記バンドの巻回状態がロックされる、ことを特徴とする保持具。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の保持具において、前記ロック爪と前記係止部との係合によって前記バンドの前記余剰部が前記ロック部の前記バンド格納経路を通って前記巻回バンド部分に折返した状態に保持され、更に、該ロック部から出る前記バンドの余剰部の先端部分が前記ホルダーを通って前記巻回バンド部分に折返した状態に保持される、ことを特徴とする保持具。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の保持具において、前記ロック部の前記バンド格納経路は、前記ロック部の一方の壁部と、該壁部の底部から直交する方向に延びる底壁と、バンドを折返す経路を形成する他方の側壁と、前記一方の壁部と前記他方の側壁との間に配置されてほぼU字形状のバンド折返し経路を形成する中間壁部とから形成されている、ことを特徴とする保持具。
【請求項7】
請求項6に記載の保持具において、前記ロック部は、前記バンドの挿入において前記バンド格納経路の一方の横方向の側面が、バンドの挿入を目視でき且つバンドのロックの解除やバンドが詰まった場合の処理が可能にするように開放して形成される、ことを特徴とする保持具。
【請求項8】
請求項2に記載の保持具において、前記基部には、前記保持部の下方側に、パネル等の被取付部材に取付けられるクリップが形成されている、ことを特徴とする保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−250258(P2009−250258A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−94984(P2008−94984)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(390025243)ポップリベット・ファスナー株式会社 (159)
【Fターム(参考)】