ワイヤレスキー及び駐車位置忘れ防止システム
【課題】駐車位置を見つけやすくする装置の提供。
【解決手段】ワイヤレスキー17にボイスレコーダー機能を付加する。ワイヤレスキー17に設けられた車両ドアのロックを指示するロックスイッチ2の操作に基づいて録音が実行される。車両のドアのアンロックを指示するアンロックスイッチ3の操作に基づいて、録音した音声データの再生が実行される。駐車した際には、駐車位置に関する情報をワイヤレスキー17に録音することができ、車両に戻る際には、それを再生することができる。
【効果】車両に戻る際に、ワイヤレスキー17に録音した駐車位置に関する情報を再生することにより、駐車位置を見つけやすくすることができる。
【解決手段】ワイヤレスキー17にボイスレコーダー機能を付加する。ワイヤレスキー17に設けられた車両ドアのロックを指示するロックスイッチ2の操作に基づいて録音が実行される。車両のドアのアンロックを指示するアンロックスイッチ3の操作に基づいて、録音した音声データの再生が実行される。駐車した際には、駐車位置に関する情報をワイヤレスキー17に録音することができ、車両に戻る際には、それを再生することができる。
【効果】車両に戻る際に、ワイヤレスキー17に録音した駐車位置に関する情報を再生することにより、駐車位置を見つけやすくすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば大型デパートの駐車場など広い面積を有する駐車場に駐車した場合、帰る際にその駐車位置まで戻ってきやすくすることができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、大型デパートの駐車場や立体駐車場のように広い面積を有する駐車場に駐車した場合、ユーザーは用事が済み、車両に戻ってくる際に、どこに車両を駐車したのかを忘れることがある。その結果、車両に戻ってくるまでに余分な時間を要してしまう。
【0003】
この点、車両のキーに備えられたスイッチ操作によって、車両のロック状態を解除した際にハザードランプなど灯火器が点滅する技術があり、この灯火器の点滅によって駐車位置を見つけることも考えられる(以下、このキーをワイヤレスキーという)。また、灯火器の点滅ではなくて、音声によって警告する技術も提案されている(特許文献1)。
【0004】
さらに、駐車した際に、駐車位置(例えば「○○店前の駐車場」、「地下○階の○番」)をボイスレコーダーに録音しておく方法も考えられる。
【特許文献1】特開2004−19334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ワイヤレスキーの操作によって駐車位置を見つけるのにも限度がある。なぜなら、ワイヤレスキーが発する信号(車両のロック、アンロックを指示する信号)が届くエリアに限りがあるからである。
【0006】
また、ボイスレコーダーで駐車位置を録音しておくにしても、駐車時にボイスレコーダーを所持していなければならない。換言すれば、ボイスレコーダーを持ってない場合や、家などに忘れてしまった場合には、車両に戻ってくるまでに時間を要してしまうという課題を解決することができない。
【0007】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、駐車位置を見つけやすくすることができる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1では、車両ドアのロック、アンロックを遠隔操作するロック制御スイッチを有したワイヤレスキーにおいて、録音をする録音手段と、前記録音手段により録音した音声データを再生する再生手段と、前記ロック制御スイッチの操作に基づいて、前記録音手段による録音、及び前記再生手段による再生が実行されることを特徴とする。
【0009】
このように、駐車時にユーザーが確実に所持しているワイヤレスキーに、録音手段と録音手段により録音された音声データを再生する再生手段を備えることにより、そのワイヤレスキーに、駐車位置に関する情報を録音し、用事が済んで車両に戻ってくる際に、録音した駐車位置に関する情報を再生することができる。その結果、駐車位置を見つけやすくすることができる。また、車両のロック状態を制御するロック制御スイッチの操作に基づいて録音、再生が行われることにより、ワイヤレスキーに録音、再生専用のスイッチを備える必要も無い。
【0010】
請求項2のワイヤレスキーは、前記録音手段によって録音しているとき又は再生手段によって再生しているときに、ユーザーに録音中であること又は再生中であることを報知する第1の報知手段を備えることを特徴する。これによって、ユーザーは現在録音中であるのか再生中であるのかを判断することができる。
【0011】
請求項3のワイヤレスキーは、前記第1の報知手段は、LEDであることを特徴とする。これによって、ユーザーは目視で現在録音中であるのか再生中であるのかを判断することができる。
【0012】
請求項4のワイヤレスキーは、前記ロック制御スイッチは、前記車両ドアのロックを指示するロック指示スイッチと、前記車両ドアのアンロックを指示するアンロック指示スイッチとを備えており、前記録音手段は、前記ロック指示スイッチの操作によって録音をし、前記再生手段は、前記アンロック指示スイッチの操作によって再生をすることを特徴とする。
【0013】
このようにすればロック指示スイッチの操作によって、ユーザーは別なスイッチへ指を動かすことなく車両ドアのロックと駐車位置に関する情報の録音とを実行させることができるので、ユーザーの操作負担を軽減することができる。
【0014】
これに対し、車両に戻る際には、ユーザーはアンロック指示スイッチを操作して、駐車位置に関する情報を再生させて駐車位置を確認することで、駐車位置を見つけやすくすることができる。
【0015】
請求項5のワイヤレスキーは、前記ロック制御スイッチは、前記車両ドアのロックを指示するロック指示スイッチと、前記車両ドアのアンロックを指示するアンロック指示スイッチとを備えており、前記ロック指示スイッチと前記アンロック指示スイッチとを同時に操作したときに、前記録音手段が録音した音声データを消去する消去手段を備えることを特徴する。これによって、駐車位置を発見したときのように、これ以上録音内容を記憶しておく必要としないときには、それを消去することができる。また、録音内容を消去する際に、ロック指示スイッチとアンロック指示スイッチとを用いて、録音内容を消去しているので、録音内容を消去するためのスイッチを新たに設ける必要がない。
【0016】
請求項6のワイヤレスキーは、前記再生手段は、音声データに対応した振動を発生する骨振動子を備え、当該骨振動子によって、音声データを再生することを特徴とする。骨振動子による録音内容の再生は、骨振動子をユーザーの耳の上部に当てて行われるので、周囲の騒音が大きい場合にも、ユーザーは確実に録音内容を認識することができる。
【0017】
請求項7の駐車位置忘れ防止システムは、請求項1〜6のいずれかに記載のワイヤレスキーと、前記車両が駐車されたことを検知する駐車検知手段と、前記駐車検知手段が前記車両の駐車を検知した場合に、駐車位置に関する情報を前記ワイヤレスキーに録音するか否かを問い合わせるメッセージをユーザーに報知する第2の報知手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
例えば、当初駐車位置を録音しようとユーザーが思っていたとしても、実際に駐車したときには、録音をし忘れてしまうことも考えられる。請求項7の駐車位置忘れ防止システムでは、駐車したことを検知した際に、駐車位置に関する情報を録音するか否かの問い合わせメッセージがユーザーに報知されるので、録音し忘れを防止することができる。なお、車両が駐車されたことを検知する方法としては、例えば、イグニッションOFFを検知したことをもって、車両が駐車されたことを検知したとする方法などが考えられる。
【0019】
請求項8の駐車位置忘れ防止システムは、車両の現在地を検出する位置検出手段と、任意の場所を登録する登録手段とを備え、前記第2の報知手段は、前記駐車検知手段が前記車両の駐車を検知し、かつ、前記車両の現在地が前記登録手段により登録された場所から所定距離以上離れている場合にのみ、前記駐車位置に関する情報を前記ワイヤレスキーに録音するか否かを問い合わせるメッセージをユーザーに報知することを特徴とする。
【0020】
これによれば、登録された場所から所定距離以上離れている位置に駐車した場合に、駐車位置を録音するか否かを問い合わせるメッセージがユーザーに報知される。したがって駐車位置を忘れることがないような場所を登録しておけば、駐車した場合であっても上記報知がなされない。これにより、駐車時に毎回上記報知がなされることへの煩わしさを軽減することができる。
【0021】
請求項9の駐車位置忘れ防止システムは、車両ドアのロック、アンロックを遠隔操作するロック制御スイッチを有したワイヤレスキーに、車両側ユニットに録音された駐車位置に関する情報を送信して、当該駐車位置に関する情報をワイヤレスキーに記憶し、かつ再生可能とする駐車位置忘れ防止システムであって、前記車両側ユニットは、駐車位置に関する情報の録音を指示する録音指示スイッチと、前記録音指示スイッチが操作された場合に、録音をする録音手段と、前記録音手段に録音された音声データを前記ワイヤレスキーに送信する送信手段とを備え、前記ワイヤレスキーは、前記車両から送信される音声データを受信する受信手段と、前記受信手段が受信した音声データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている情報を再生する再生手段とを備え、前記再生手段は、前記ロック制御スイッチの操作に基づいて再生をすることを特徴とする。
【0022】
これによれば、ユーザーは、駐車した際に録音指示スイッチを操作すれば、駐車位置に関する音声を録音できる。そして、その録音した音声データは、ワイヤレスキーに送信され記憶される。その後、用事を済ませたユーザーは、ワイヤレスキーのロック制御スイッチを操作することにより、録音した内容を確認することができる。その結果、どこに駐車したのかを認識することができる。また、録音内容を再生するときには、ロック制御スイッチを操作すればよいので、ワイヤレスキーに再生専用のスイッチを設けなくて済む。
【0023】
また、ワイヤレスキーが鞄やズボンのポケットに入っている場合にも、わざわざワイヤレスキーを外に出すことなく、そのワイヤレスキーに録音内容を記憶することができる。その結果、ユーザーの操作負担を軽減することができる。
【0024】
請求項10の駐車位置忘れ防止システムは、前記車両が駐車されたことを検知する駐車検知手段と、前記駐車検知手段が前記車両の駐車を検知した場合に、駐車位置に関する情報を前記ワイヤレスキーに録音するか否かを問い合わせるメッセージをユーザーに報知する第1の報知手段とを備えることを特徴とする。請求項10の駐車位置忘れ防止システムは、請求項7の駐車位置忘れ防止システムとは、駐車位置に関する情報の録音を車両側で行うのか、ワイヤレスキーで行うかの点で異なっているのみである。したがって、請求項10の駐車位置忘れ防止システムの作用効果は、請求項7の駐車位置忘れ防止システムのそれと同等である。
【0025】
請求項11の駐車位置忘れ防止システムは、前記車両側ユニットは、車両の現在地を検出する位置検出手段と、任意の場所を登録する登録手段とを備え、前記第1の報知手段は、前記駐車検知手段が前記車両の駐車を検知し、かつ、前記車両の現在地が前記登録手段により登録された場所から所定距離以上離れている場合にのみ、前記駐車位置に関する情報を録音するか否かを問い合わせるメッセージをユーザーに報知することを特徴とする。請求項11の駐車位置忘れ防止システムは、請求項8の駐車位置忘れ防止システムとは、駐車位置に関する情報の録音を車両側で行うのか、ワイヤレスキーで行うかの点で異なっているのみである。したがって、請求項11の駐車位置忘れ防止システムの作用効果は、請求項8の駐車位置忘れ防止システムのそれと同等である。
【0026】
請求項12〜16の駐車位置忘れ防止システムは、それぞれ請求項2〜6のワイヤレスキーを備えたシステムである。異なる点は駐車位置に関する情報の録音を車両側で行うのか、ワイヤレスキーで行うのかのみである。したがって、請求項12〜16の作用効果は、それぞれ請求項2〜6のそれと同等である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、本発明に係るワイヤレスキーを図面に基づいて説明する。本実施形態のワイヤレスキーは、車両ドアのロック状態を遠隔制御するとともに、ボイスレコーダー機能を付加したものである。そして、このボイスレコーダー機能を使用するスイッチとして、車両ドアのロック状態を遠隔制御するスイッチを利用している。
【0028】
図1は、本実施形態に係るワイヤレスキー17の外観を示した図であり、図2はそのワイヤレスキー17の全体構成を示すブロック図である。なお、ワイヤレスキー17は、車両側とワイヤレスキー17との双方向通信によって、車両ドアのロック状態を制御したり、エンジン始動を制御するシステム(以下、このシステムをスマートエントリー・エンジンスタートシステムという)に対応したものである。
【0029】
図1に示すように、ワイヤレスキー17の外観は、内部の電子回路等を収納する筐体1、車両ドアをロックするように指示するロックスイッチ2、車両ドアをアンロックするように指示するアンロックスイッチ3、現在、録音中又は再生中であることを知らせるためのLED4、録音する際に音声データを取り込むマイク5、再生する際に音声データを出力するスピーカ6、マスターキー7(図では収納されている)から構成される。また、上記ロックスイッチ2は、録音を開始するためのスイッチ、アンロックスイッチ3は、録音内容を再生するスイッチでもある。この録音、再生を実行するか否かは、それぞれロックスイッチ2、アンロックスイッチ3を操作(プッシュ)した時間によって決定される。この部分は、本発明の特徴的部分であるので、詳細はフローチャート、タイミングチャートを用いて後述する。なお、マスターキー7は、ワイヤレスキー17のバッテリが少なくなって、車両ドアの遠隔操作又は、スマートエントリー・エンジンスタートシステムが機能しなくなった場合の、非常用のキーとして通常用いられる。
【0030】
ワイヤレスキー17は、図2に示すように、ロックスイッチ2、アンロックスイッチ3、LED4、マイク5、D/A変換器6、I/F回路9、12、A/D変換器10、メモリ11、スピーカ13、バッテリ14、マイコン15、送受信回路16を備えている。
【0031】
マイコン15は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインが備えられている。ROMには、CPUが実行するプログラムが書き込まれている。また、RAMは、CPUが実行中の処理において、必要なデータを一時的に記憶する役割を担う。なお、これらCPU、ROM、RAMには、バッテリ14からの電圧が供給されるようになっている。そして、このバッテリ14からの電圧によって、CPU、ROM、RAMは動作する。
【0032】
このマイコン15の主な役割は、ロックスイッチ2又はアンロックスイッチ3から送信される信号に基づいて、車両ドアのロックを指示する信号又はアンロックを指示する信号を生成することである。これら信号は、送受信回路16に送られる。そして、送受信回路16は、マイコン15から送信されてきた車両ドアのロック、アンロックを指示する信号を変調して、外部に発信する。なお、車両側には、ワイヤレスキー17から発信された電波を受信して、復調する受信回路が設けられている。そして、その受信回路で復調した信号は、図示しないマイコンに送られ、そのマイコンは受信回路から送信されてきた信号を解析して、車両ドアをロックするかアンロックするかを決定する。
【0033】
また、マイコン15は、スマートエントリー、エンジンスタートシステムにも対応した処理も行う。具体的には、車両側ユニットから定期的に送信されるリクエスト信号を、送受信回路16で受信し、復調された信号がマイコン15に送信される。そして、マイコン15は、このリクエスト信号に応答するレスポンス信号を生成し、送受信回路16に送信する。送受信回路16は、マイコン15から送られえてきたレスポンス信号を変調して、外部に発信する。なお、このレスポンス信号には、IDコードが含まれている。このレスポンス信号は、車両に設けられた受信回路で受信され、図示しないマイコンに送信される。このマイコンは、受信回路から送信されてきたレスポンス信号に含まれるIDコードと、予め登録されているIDコードとが一致するか否か等、所定の関係を満たしているか否かの照合可否判断を行う。そして、照合可と判断した場合には、車両ドアのロック状態を制御したり、キー挿入口にキーを挿入することなくエンジンスタートを指示するスイッチを有効にしたりする。
【0034】
さらに、マイコン15は、ロックスイッチ2からの信号に基づく録音及び、アンロックスイッチ3からの信号に基づく録音内容の再生に関する処理を行う。
【0035】
なお、ロックスイッチ2、アンロックスイッチ3がユーザーによって操作されたときには、それらスイッチを操作した時間に応じたハイレベルの信号が生成され、マイコン15に送信される。マイコン15は、ロックスイッチ2、アンロックスイッチ3のどちらが操作されたかを、どのポートにハイレベルの信号が入ったかに基づいて判断している。
【0036】
LED4は、光を発する素子であり、本実施形態では録音中、再生中のときに、マイコン15の指示に基づいて点滅する。
【0037】
マイク5は、音声データを取り込む。具体的には、音声(音波)を圧電素子によってアナログ電気信号に変換する。そのアナログ電気信号は、I/F回路9(インターフェース回路)を介して、A/D変換器10にて、デジタルデータに変換される。そして、その音声データに対応したデジタルデータは、メモリ11に記憶される。このメモリ11としては、RAMやEEPROMなどを用いることができる。
【0038】
D/A変換器6は、メモリ11に記憶されている音声データをデジタルデータからアナログデータに変換する。このときのアナログデータ(電気信号)に対応する音声データは、メモリ11に記憶する際のA/D変換器10の性能によって、元の音声データへの再現度合いが異なってくる。つまり、D/A変換後の音声データの精度は、A/D変換器10のサンプリング周波数や、量子化する間隔によって異なってくる。例えば、A/D変換器10のサンプリング周波数が小さかったり、量子化間隔が大きかったりすると、音声データの再現性が悪くなる。
【0039】
D/A変換器6によって変換された音声データ(アナログ電気信号)は、I/F回路12を介して、スピーカ13から音声として出力される。スピーカ13から音声が出力される原理については、周知であるのでここでは説明を省略する。
【0040】
次に、ユーザーが車両から離れる際に、車両のドアをロックするときの処理又は駐車位置を録音するときの処理について、図3のフローチャート、図4のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0041】
先ず、ステップS10において、ロックスイッチ2がユーザーによって押されたか否かを判定する。具体的には、ロックスイッチ2が接続されているポートにハイレベルの信号が送信されてきたか否かによって判定する。ロックスイッチ2が押されていないと判定したときは、処理を終了する。これに対し、ロックスイッチ2が押されたと判定したときは、処理をステップS16に進める。
【0042】
ステップS16では、ロックスイッチ2の押下が継続中であるか否かを判定する。ここで、ロックスイッチ2の押下が継続中でないとき、つまりロックスイッチ2の押下が解除されたときは、処理をステップS15に進める。一方、ロックスイッチ2の押下が継続中であるときは、処理をステップS11に進める。
【0043】
ステップS11では、ロックスイッチ2が押されている時間Tcが所定時間Tthよりも短いか否かを判定する。これは、ロックスイッチ2が押されることによって生成されるハイレベルの信号の長さによって判定する。ここで、ロックスイッチ2が押されている時間Tcが、所定時間Tthをまだ越えていないときは、処理をステップS16に戻す。これに対し、ロックスイッチ2が押されている時間Tcが所定時間Tthよりも長いときは(図4(b)参照)、処理をステップS12に進める。換言すれば、ロックスイッチ2が押されていた時間が所定時間Tthよりも短いときには(図4(a)参照)、処理をステップS15に進めることになる。
【0044】
ステップS15では、車両ドアのロックを指示するロックコードを生成し、そのロックコードを送受信回路16に送信して外部に発信する。
【0045】
ステップS12では、ロックスイッチ2が押された時間が所定時間Tthに達したときから、LED4に所定時間の間パルス信号を繰り返し送信し(図4(c)参照)、LED4を点滅させる。これによって、ユーザーは、現在録音中であることを認識することができる。そして、ステップS13において、この間にユーザーは、駐車位置に関する情報をマイク5を介して録音する。その後、録音時間が終了したときは(図4(d)参照)、ステップS14において、LED4に送信していたパルス信号の送信を停止して、LED4を消灯させる。
【0046】
次に、用事が済んで、ユーザーが車両に戻ってくる際の、車両のドアをアンロックする処理又はメモリ11に録音した内容を再生する処理について、図5のフローチャート、図6のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0047】
先ず、ステップS20において、アンロックスイッチ3がユーザーによって押されたか否かを判定する。アンロックスイッチ3が押されていないと判定したときは、処理を終了する。これに対し、アンロックスイッチ3が押されたと判定したときは、処理をステップS26に進める。
【0048】
ステップS26では、アンロックスイッチ3の押下が継続中であるか否かを判定する。アンロックスイッチ3の押下が継続中でないとき、つまりアンロックスイッチ3の押下が解除されたときは、処理をステップS25に進める。一方、ロックスイッチ2の押下が継続中であるときは、処理をステップS21に進める。
【0049】
ステップS21では、アンロックスイッチ3が押されている時間Toが所定時間Tthよりも短いか否かを判定する。これは、アンロックスイッチ3が押されることによって生成されるハイレベルの信号の長さによって判定する。ここで、アンロックスイッチ3が押されている時間Toが、所定時間Tthをまだ越えていないときは、処理をステップS26に戻す。これに対し、アンロックスイッチ3が押されている時間Toが所定時間Tthよりも長いときは(図6(b)参照)、処理をステップS22に進める。換言すれば、アンロックスイッチ3が押されていた時間が所定時間Tthよりも短いときには(図6(a)参照)、処理をステップS25に進めることになる。
【0050】
ステップS25では、車両ドアのアンロックを指示するアンロックコードを生成し、そのアンロックコードを送受信回路16に送信して外部に発信する。
【0051】
ステップS22では、アンロックスイッチ3が押された時間が所定時間Tthに達したときから、LED4に所定時間の間パルス信号を繰り返し送信し(図6(c)参照)、LED4を点滅させる。これによって、ユーザーは、現在再生中であることを認識することができる。そして、ステップS23では、メモリ11に記憶されている音声データを再生する。その後、再生時間が終了したときは(図6(d)参照)、ステップS24において、LED4に送信していたパルス信号の送信を停止して、LED4を消灯させる。
【0052】
以上、本実施形態のワイヤレスキー17は、ボイスレコーダー機能を付加している。これによって、駐車位置を録音するためにボイスレコーダーを所持するという煩わしさを防ぐことができる。また、録音、再生する際のスイッチとして、車両ドアのロック状態を制御するスイッチを利用することにより、録音、再生専用スイッチをワイヤレスキーに設ける必要はない。
【0053】
また、録音する際のスイッチとして、車両のドアのロックを指示するロックスイッチ2を利用しているので、車両から離れる際には、一つのスイッチで車両のドアのロックと駐車位置の録音とをすることができる。つまり、ユーザーの操作負担を軽減することができる。
【0054】
これに対し、駐車位置に関する情報を録音した場合、車両に戻る際には、ユーザーは先ずアンロックスイッチ3を操作して、駐車位置に関する情報を再生させて駐車位置を確認する。その後、駐車位置まで戻ってきた際には、アンロックスイッチ3を操作して車両ドアをアンロックさせる。このように、同一のスイッチによって、駐車位置に関する情報の再生と車両ドアのアンロックを実行できる。
【0055】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。例えば、上記実施形態では、LED4を点滅させて現在録音中か再生中かをユーザーに報知させていたが、LED4を点灯させて報知させてもよい。また、音声や表示によってそれらを報知するようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、マイクとスピーカとを別々に設けたが、それらを一つにまとめてもよい。これによって、ワイヤレスキーを小型化でき、また見栄えもシンプルにすることができる。
【0057】
また、音声データを録音した場合、その音声データを消去するようにしてもよい。具体的には、例えばロックスイッチ2とアンロックスイッチ3を同時に押したときに、記憶されている音声データを消去する。これによって、駐車位置を発見したときのように、これ以上録音内容を必要としないときには、それを消去することができる。また、録音、再生をさせるために、ロックスイッチ2とアンロックスイッチ3を用いているので、ワイヤレスキーに余分なスイッチを設ける必要がない。また、再生後に自動的に録音内容を消去するようにしてもよい。これにより、ユーザーの操作負担を軽減することができる。また、音声データをMP3方式などで圧縮して記憶するようにしてもよい。これによって、より多くの音声データを記憶することができる。この場合、圧縮、伸張するための装置が必要になるのは当然のことである。
【0058】
また、上記実施形態では、駐車位置に関する情報を対象として、その録音、再生について説明してきたが、他の情報を録音(例えば、電話番号)することもできる。
【0059】
(第2実施形態)
以下、本発明に係る駐車位置忘れ防止システムの実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の駐車位置忘れ防止システムでは、車載ナビゲーション装置とワイヤレスキーとを連携させて、駐車位置に関する情報をワイヤレスキーに録音させている。なお、本実施形態では、第1実施形態のワイヤレスキー17が用いられる。以下、詳細に説明する。
【0060】
図7は、車載ナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。同図に示すように、車載ナビゲーション装置200は、位置検出器20、地図データ入力器30、操作スイッチ群40、外部メモリ50、表示装置60、音声出力装置70、マイク100、リモコンセンサ80、リモートコントロール端末(以下リモコンと称する)8、録音スイッチ90、マイク100、送信回路120、イグニッションスイッチ130と、これら各装置が接続された制御装置110を備えている。
【0061】
制御装置110は通常のコンピュータとして構成されており、内部には周辺のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも不図示)が備えられている。制御装置110は、位置検出器20、地図データ入力器30、操作スイッチ群40、外部メモリ50、表示装置60、リモコンセンサ80、録音スイッチ90、マイク100、送信回路120から入力された各種情報に基づき、所定の処理(例えば、地図縮尺変更処理、メニュー表示選択処理、目的地設定処理、経路探索実行処理、経路案内開始処理、現在位置修正処理、表示画面変更処理、音量調整処理等)を実行する。
【0062】
位置検出器20は、いずれも周知のGセンサ21、地磁気センサ22、ジャイロスコープ23、速度センサ24、及び衛星からの電波に基づいて車両の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機25を有している。これらのセンサ等21〜25は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお精度によっては上述した内の一部で構成してもよく、更にステアリングの回転センサ、各転動輪の車両センサ等を用いてもよい。
【0063】
地図データ入力器30は、記憶媒体(不図示)が装着され、該記憶媒体に格納されている位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データ及び目印データを含む各種データを入力するための装置である。地図データには、道路を示すリンクデータとノードデータが含まれる。このリンクとは、地図上の各道路を交差・分岐・合流する点等の複数のノードにて分割し、それぞれのノード間をリンクとして規定したものであり、各リンクを接続することにより道路が構成される。リンクデータは、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端及び終端ノード座標(緯度・経度)、道路名称、道路種別、道路幅員、車線数、右折・左折専用車線の有無とその専用車線の数、及び制限速度等の各データから構成される。
【0064】
一方、ノードデータは、地図上の各道路が交差、合流、分岐するノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続するリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、交差点種類等の各データから構成される。
【0065】
なお、記憶媒体としては、そのデータ量からCD−ROMまたはDVD−ROMを用いるのが一般的であるが、メモリカード、HDD等を用いてもよい。
【0066】
操作スイッチ群40は、例えば表示装置60と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、スイッチ操作により制御装置110へ各種機能(例えば、地図縮尺変更、メニュー表示選択、目的地設定、経路探索、経路案内開始、現在位置修正、表示画面変更、音量調整等)の操作指示を行う。また、リモコン8には複数の操作スイッチ(不図示)が設けられ、スイッチ操作によりリモコンセンサ80を介して各種指令信号を制御装置110に入力し、制御装置110に各種機能を実行させる。なお、操作スイッチ群40とリモコン8は、何れのスイッチ操作によっても制御装置110に同じ機能を実行させることが可能である。
【0067】
リモコン8を介してリモコンセンサ80から、あるいは操作スイッチ群40により目的地が設定されると、制御装置110は、位置検出器20により検出された現在位置からその目的地までの最適な経路を自動的に探索して誘導経路を設定し表示する。このような自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。
【0068】
設定された経路は、地図データ入力器30の情報に基づき表示装置60に表示される表示地図上に位置検出器20により検出された現在位置マークと共に重畳表示される。表示地図には、現在位置、経路のほかに、現在時刻、渋滞情報など他の情報表示も付加表示することもできる。
【0069】
外部メモリ50は、HDD等の書き込み可能な大容量記憶装置である。外部メモリ50には大量のデータや電源をOFFしても消去してはいけないデータを記憶したり、頻繁に使用するデータを地図データ入力器30からコピーして利用する等の用途がある。なお、外部メモリ50は、比較的記憶容量の小さいリムーバルなメモリであってもよい。また、操作スイッチ群40やリモコン8によって、地図データに含まれる任意の場所を登録することができ(例えば、自宅や会社など頻繁に行く場所)、その登録された場所に関する情報は、地図データに対応付けて、外部メモリ50に記憶される。
【0070】
表示装置60は、ナビゲーションとして地図や目的地選択画面等を表示するものであって、フルカラー表示が可能なものであり、液晶、有機EL等を用いて構成することができる。
【0071】
音声出力装置70は、スピーカ等から構成され、制御装置110の指示に基づいて、経路案内時の案内音声を出力したり、駐車位置に関する情報を録音するか否かの確認音声を出力したりする。
【0072】
録音スイッチ90は、音声を録音するためのスイッチであり、この録音スイッチ90を操作することにより、マイク100から入力された音声データが記憶(録音)される。なお、この音声データは、制御回路110内のRAMに一時的に記憶される。
【0073】
送信回路120は、制御装置110の指示に基づいて、制御装置110のRAMに記憶されている音声データを変調して外部に発信する。なお、変調方式は、AM変調、FM変調等どのような方式を用いてもよい。また、マイク100から入力された音声データをA/D変換器(図示せず)によりデジタルデータに変換して、デジタル変調方式を用いて外部に発信してもよい。
【0074】
イグニッションスイッチ130は、オンにされると車両の各種装置に電源が供給されるスイッチである。本実施形態では、このイグニッションスイッチ130がオンからオフになったときに、駐車したと制御装置110は判断する。
【0075】
なお、本実施形態で用いるワイヤレスキー17は、第1実施形態のそれと同じなので(図1、2参照)、その構成の説明は省略する。
【0076】
次に、本発明の特徴的部分である、車載ナビゲーション装置200に駐車位置に関する情報を録音し、それをワイヤレスキー17に送信する処理を図8、図9のフローチャートに基づいて説明する。なお、図8のフローチャートに示す処理は、車載ナビゲーション200の制御回路110が実行し、図9のフローチャートに示す処理は、ワイヤレスキー17のマイコン15が実行する。なお、本実施形態では、車両が自宅に駐車した場合にのみ、駐車位置に関する情報を録音するか否かのメッセージを報知しないようにしている。
【0077】
先ず、ステップS30において、車両が駐車されたか否かを判定する。これは、イグニッションスイッチ130がオンからオフになったか否かによって判定する。駐車されていないときは、処理を終了する。これに対し、駐車されたときは、処理をステップS31に進める。
【0078】
そして、ステップS31では、車両の現在地が自宅付近(自宅から所定範囲内)であるか否かを判定する。この判定は、外部メモリ50を参照することにより行われる。ここで、車両の現在地が自宅付近である場合は、処理を終了する。この場合、自宅の駐車場に駐車したと判断でき、わざわざ駐車位置に関する情報を録音するまでもない。また、かえって以降の処理を行うと煩わしくなると考えられる。これに対し、車両の現在地が自宅付近ではない場合は、処理をステップS32に進める。
【0079】
ステップS32では、駐車位置に関する情報を録音する意思をユーザーに確認する処理を行う。具体的には、例えば、表示装置60や音声出力装置70を用いて、「駐車位置を録音する場合は、録音スイッチを押して下さい」等のメッセージを出力する。
【0080】
次いで、ステップS33において、録音スイッチ90が押されたか否かを判定する。ここで、録音スイッチ90の操作が所定時間Tth2無い場合は(ステップS34否定判定)、ステップS35において、車載ナビゲーション装置200に供給されている電源を停止して、処理を終了する。これに対し、所定時間Tth2の間に録音スイッチ90の操作があった場合は、ステップS36において、マイク100から入力される音声データをRAMに一時的に記憶する。そして、送信回路120にその音声データを送信して外部に発信させる。その後、ステップS35において、車載ナビゲーション装置200に供給されている電源を停止して、処理を終了する。なお、図8のステップS34に示すTswは、ステップS32にて録音の意思確認処理後の時間を示しており、その時間Tswが所定時間Tth2に達するまでは、ステップS34を肯定判定して再びステップS33に戻し、録音スイッチ90が操作されたか否かを確認することになる。
【0081】
一方、図9に示すフローチャートは、ワイヤレスキー17のマイコン15が実行する処理を示したものである。なお、マイコン15は、図9に示すフローチャートを繰り返し実行する。先ず、ステップS40において、音声データを受信したか否かを判定する。具体的には、送受信回路16から、音声データが送信されてきたか否かによって判定する。ここで、音声データを受信しなかったときは、処理を終了する。この場合、図8に示す処理がなされたときには、車両が自宅近傍にあるか、又は、ユーザーが録音を望まなかったことになる。これに対し、音声データを受信したときは、ステップS41において、その音声データをメモリ11に記憶して、処理を終了する。この場合、図8のステップS36の処理が行われたことになる。なお、メモリ11に記憶された音声データを再生するときの処理については、第1実施形態と同じなので、説明を省略する。
【0082】
以上、本実施形態の駐車位置忘れ防止システムは、現在地が自宅周辺か否かによって、駐車位置に関する情報を録音するか否かのメッセージを報知するか否かが決定される。これによって、自宅の駐車場に駐車した場合にまで、録音するか否かのメッセージが報知されないので、煩わしさを軽減することができる。なお、車両の現在地を検出することができ、かつ、任意の場所を登録できるものであるならば、車載ナビゲーション装置200を用いる必要はない。
【0083】
また、駐車位置に関する情報を録音する場合は、一度車載ナビゲーション装置200に録音され、その後、録音した音声データをワイヤレスキー17に送信される。これにより、ワイヤレスキー17が鞄やズボンのポケットに入っている場合に、わざわざ駐車位置に関する情報を録音するために、ワイヤレスキー17を外に出す必要はない。よって、ユーザーの負担を軽減することができる。
【0084】
また、ワイヤレスキー17は第1実施形態と同様のものを用いているので、第1実施形態と同様の効果が得られるのは当然である。
【0085】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。本実施形態では、録音確認を行わない駐車場として登録した位置が、自宅の場合について説明したが、会社の駐車場など他に頻繁に駐車する場所を登録しておいて、それら登録した場所すべてについて、上記処理を適用してもよい。
【0086】
(変形例)
上記第1、第2の実施形態におけるワイヤレスキー17は、スピーカ13から音声の再生を行っていた。しかし、骨振動子を用いて、音声の再生を行ってもよい。この場合、スピーカ13の変わりに音声データに対応して振動する骨振動子をマイコン15に接続する。図10は、骨振動子300を備えたときのワイヤレスキー17の外観を一部切り欠いて示した図であり、骨振動子300は、筐体1aの内部に収納されている。そのため、スピーカ13で再生を行うときよりも防水性を向上させることができる。また、周囲の騒音が大きい場合にも、ユーザーは確実に録音内容を認識することができる。なお、骨振動子を用いた場合、音声を再生する際には、図11のように、ワイヤレスキー17をユーザー18の耳の上部に当てる必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に係るワイヤレスキー17の外観を示す図である。
【図2】本発明に係るワイヤレスキー17の全体構成を示すブロック図である。
【図3】車両から離れる場合に、駐車位置に関する情報を録音する処理、車両のドアをロックする処理を示したフローチャートである。
【図4】車両から離れる場合に、ロックスイッチ2を操作したときの、LED4の点滅、及び録音期間を示したタイムチャートである。
【図5】車両に戻る場合に、駐車位置に関する情報を再生する処理、車両のドアをアンロックする処理を示したフローチャートである。
【図6】車両に戻る場合に、アンックスイッチ3を操作したときの、LED4の点滅、及び再生期間を示したタイムチャートである。
【図7】第2実施形態に係る車載ナビゲーション装置200の全体構成を示すブロック図である。
【図8】車載ナビゲーション装置200が駐車位置に関する情報を録音して、それをワイヤレスキー17に送信するときの処理を示したフローチャートである。
【図9】ワイヤレスキー17が駐車位置に関する情報を示す音声データを受信するときの処理を示したフローチャートである。
【図10】スピーカ13の代わりに骨振動子300を用いたときのワイヤレスキー17の外観を一部切り欠いて示した図である。
【図11】骨振動子によって、音声データを再生したときの様子を示した図である。
【符号の説明】
【0088】
2 ロックスイッチ(ロック制御スイッチ、指示スイッチ、ロック指示スイッチ)、3 アンロックスイッチ(ロック制御スイッチ、指示スイッチ、アンロック指示スイッチ、再生指示スイッチ)、4 LED(第1の報知手段、第2の報知手段)、5 マイク、6 スピーカ、11 メモリ(記憶手段)、15 マイコン(録音手段、再生手段、消去手段)、16 送受信回路(受信手段)、17 ワイヤレスキー、18 ユーザーの顔、20 位置検出器(位置検出手段)、30 地図データ入力器、40 操作スイッチ群(登録手段)、50 外部メモリ、60 表示装置(第1の報知手段、第2の報知手段)、70 音声出力装置(第1の報知手段、第2の報知手段)、90 録音スイッチ(録音指示スイッチ)、100 マイク、110 制御回路(録音手段、再生手段、駐車検知手段)、120 送信回路(送信手段)、130 イグニッションスイッチ、200 車載ナビゲーション装置、300 骨振動子(再生手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば大型デパートの駐車場など広い面積を有する駐車場に駐車した場合、帰る際にその駐車位置まで戻ってきやすくすることができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、大型デパートの駐車場や立体駐車場のように広い面積を有する駐車場に駐車した場合、ユーザーは用事が済み、車両に戻ってくる際に、どこに車両を駐車したのかを忘れることがある。その結果、車両に戻ってくるまでに余分な時間を要してしまう。
【0003】
この点、車両のキーに備えられたスイッチ操作によって、車両のロック状態を解除した際にハザードランプなど灯火器が点滅する技術があり、この灯火器の点滅によって駐車位置を見つけることも考えられる(以下、このキーをワイヤレスキーという)。また、灯火器の点滅ではなくて、音声によって警告する技術も提案されている(特許文献1)。
【0004】
さらに、駐車した際に、駐車位置(例えば「○○店前の駐車場」、「地下○階の○番」)をボイスレコーダーに録音しておく方法も考えられる。
【特許文献1】特開2004−19334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ワイヤレスキーの操作によって駐車位置を見つけるのにも限度がある。なぜなら、ワイヤレスキーが発する信号(車両のロック、アンロックを指示する信号)が届くエリアに限りがあるからである。
【0006】
また、ボイスレコーダーで駐車位置を録音しておくにしても、駐車時にボイスレコーダーを所持していなければならない。換言すれば、ボイスレコーダーを持ってない場合や、家などに忘れてしまった場合には、車両に戻ってくるまでに時間を要してしまうという課題を解決することができない。
【0007】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、駐車位置を見つけやすくすることができる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1では、車両ドアのロック、アンロックを遠隔操作するロック制御スイッチを有したワイヤレスキーにおいて、録音をする録音手段と、前記録音手段により録音した音声データを再生する再生手段と、前記ロック制御スイッチの操作に基づいて、前記録音手段による録音、及び前記再生手段による再生が実行されることを特徴とする。
【0009】
このように、駐車時にユーザーが確実に所持しているワイヤレスキーに、録音手段と録音手段により録音された音声データを再生する再生手段を備えることにより、そのワイヤレスキーに、駐車位置に関する情報を録音し、用事が済んで車両に戻ってくる際に、録音した駐車位置に関する情報を再生することができる。その結果、駐車位置を見つけやすくすることができる。また、車両のロック状態を制御するロック制御スイッチの操作に基づいて録音、再生が行われることにより、ワイヤレスキーに録音、再生専用のスイッチを備える必要も無い。
【0010】
請求項2のワイヤレスキーは、前記録音手段によって録音しているとき又は再生手段によって再生しているときに、ユーザーに録音中であること又は再生中であることを報知する第1の報知手段を備えることを特徴する。これによって、ユーザーは現在録音中であるのか再生中であるのかを判断することができる。
【0011】
請求項3のワイヤレスキーは、前記第1の報知手段は、LEDであることを特徴とする。これによって、ユーザーは目視で現在録音中であるのか再生中であるのかを判断することができる。
【0012】
請求項4のワイヤレスキーは、前記ロック制御スイッチは、前記車両ドアのロックを指示するロック指示スイッチと、前記車両ドアのアンロックを指示するアンロック指示スイッチとを備えており、前記録音手段は、前記ロック指示スイッチの操作によって録音をし、前記再生手段は、前記アンロック指示スイッチの操作によって再生をすることを特徴とする。
【0013】
このようにすればロック指示スイッチの操作によって、ユーザーは別なスイッチへ指を動かすことなく車両ドアのロックと駐車位置に関する情報の録音とを実行させることができるので、ユーザーの操作負担を軽減することができる。
【0014】
これに対し、車両に戻る際には、ユーザーはアンロック指示スイッチを操作して、駐車位置に関する情報を再生させて駐車位置を確認することで、駐車位置を見つけやすくすることができる。
【0015】
請求項5のワイヤレスキーは、前記ロック制御スイッチは、前記車両ドアのロックを指示するロック指示スイッチと、前記車両ドアのアンロックを指示するアンロック指示スイッチとを備えており、前記ロック指示スイッチと前記アンロック指示スイッチとを同時に操作したときに、前記録音手段が録音した音声データを消去する消去手段を備えることを特徴する。これによって、駐車位置を発見したときのように、これ以上録音内容を記憶しておく必要としないときには、それを消去することができる。また、録音内容を消去する際に、ロック指示スイッチとアンロック指示スイッチとを用いて、録音内容を消去しているので、録音内容を消去するためのスイッチを新たに設ける必要がない。
【0016】
請求項6のワイヤレスキーは、前記再生手段は、音声データに対応した振動を発生する骨振動子を備え、当該骨振動子によって、音声データを再生することを特徴とする。骨振動子による録音内容の再生は、骨振動子をユーザーの耳の上部に当てて行われるので、周囲の騒音が大きい場合にも、ユーザーは確実に録音内容を認識することができる。
【0017】
請求項7の駐車位置忘れ防止システムは、請求項1〜6のいずれかに記載のワイヤレスキーと、前記車両が駐車されたことを検知する駐車検知手段と、前記駐車検知手段が前記車両の駐車を検知した場合に、駐車位置に関する情報を前記ワイヤレスキーに録音するか否かを問い合わせるメッセージをユーザーに報知する第2の報知手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
例えば、当初駐車位置を録音しようとユーザーが思っていたとしても、実際に駐車したときには、録音をし忘れてしまうことも考えられる。請求項7の駐車位置忘れ防止システムでは、駐車したことを検知した際に、駐車位置に関する情報を録音するか否かの問い合わせメッセージがユーザーに報知されるので、録音し忘れを防止することができる。なお、車両が駐車されたことを検知する方法としては、例えば、イグニッションOFFを検知したことをもって、車両が駐車されたことを検知したとする方法などが考えられる。
【0019】
請求項8の駐車位置忘れ防止システムは、車両の現在地を検出する位置検出手段と、任意の場所を登録する登録手段とを備え、前記第2の報知手段は、前記駐車検知手段が前記車両の駐車を検知し、かつ、前記車両の現在地が前記登録手段により登録された場所から所定距離以上離れている場合にのみ、前記駐車位置に関する情報を前記ワイヤレスキーに録音するか否かを問い合わせるメッセージをユーザーに報知することを特徴とする。
【0020】
これによれば、登録された場所から所定距離以上離れている位置に駐車した場合に、駐車位置を録音するか否かを問い合わせるメッセージがユーザーに報知される。したがって駐車位置を忘れることがないような場所を登録しておけば、駐車した場合であっても上記報知がなされない。これにより、駐車時に毎回上記報知がなされることへの煩わしさを軽減することができる。
【0021】
請求項9の駐車位置忘れ防止システムは、車両ドアのロック、アンロックを遠隔操作するロック制御スイッチを有したワイヤレスキーに、車両側ユニットに録音された駐車位置に関する情報を送信して、当該駐車位置に関する情報をワイヤレスキーに記憶し、かつ再生可能とする駐車位置忘れ防止システムであって、前記車両側ユニットは、駐車位置に関する情報の録音を指示する録音指示スイッチと、前記録音指示スイッチが操作された場合に、録音をする録音手段と、前記録音手段に録音された音声データを前記ワイヤレスキーに送信する送信手段とを備え、前記ワイヤレスキーは、前記車両から送信される音声データを受信する受信手段と、前記受信手段が受信した音声データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている情報を再生する再生手段とを備え、前記再生手段は、前記ロック制御スイッチの操作に基づいて再生をすることを特徴とする。
【0022】
これによれば、ユーザーは、駐車した際に録音指示スイッチを操作すれば、駐車位置に関する音声を録音できる。そして、その録音した音声データは、ワイヤレスキーに送信され記憶される。その後、用事を済ませたユーザーは、ワイヤレスキーのロック制御スイッチを操作することにより、録音した内容を確認することができる。その結果、どこに駐車したのかを認識することができる。また、録音内容を再生するときには、ロック制御スイッチを操作すればよいので、ワイヤレスキーに再生専用のスイッチを設けなくて済む。
【0023】
また、ワイヤレスキーが鞄やズボンのポケットに入っている場合にも、わざわざワイヤレスキーを外に出すことなく、そのワイヤレスキーに録音内容を記憶することができる。その結果、ユーザーの操作負担を軽減することができる。
【0024】
請求項10の駐車位置忘れ防止システムは、前記車両が駐車されたことを検知する駐車検知手段と、前記駐車検知手段が前記車両の駐車を検知した場合に、駐車位置に関する情報を前記ワイヤレスキーに録音するか否かを問い合わせるメッセージをユーザーに報知する第1の報知手段とを備えることを特徴とする。請求項10の駐車位置忘れ防止システムは、請求項7の駐車位置忘れ防止システムとは、駐車位置に関する情報の録音を車両側で行うのか、ワイヤレスキーで行うかの点で異なっているのみである。したがって、請求項10の駐車位置忘れ防止システムの作用効果は、請求項7の駐車位置忘れ防止システムのそれと同等である。
【0025】
請求項11の駐車位置忘れ防止システムは、前記車両側ユニットは、車両の現在地を検出する位置検出手段と、任意の場所を登録する登録手段とを備え、前記第1の報知手段は、前記駐車検知手段が前記車両の駐車を検知し、かつ、前記車両の現在地が前記登録手段により登録された場所から所定距離以上離れている場合にのみ、前記駐車位置に関する情報を録音するか否かを問い合わせるメッセージをユーザーに報知することを特徴とする。請求項11の駐車位置忘れ防止システムは、請求項8の駐車位置忘れ防止システムとは、駐車位置に関する情報の録音を車両側で行うのか、ワイヤレスキーで行うかの点で異なっているのみである。したがって、請求項11の駐車位置忘れ防止システムの作用効果は、請求項8の駐車位置忘れ防止システムのそれと同等である。
【0026】
請求項12〜16の駐車位置忘れ防止システムは、それぞれ請求項2〜6のワイヤレスキーを備えたシステムである。異なる点は駐車位置に関する情報の録音を車両側で行うのか、ワイヤレスキーで行うのかのみである。したがって、請求項12〜16の作用効果は、それぞれ請求項2〜6のそれと同等である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、本発明に係るワイヤレスキーを図面に基づいて説明する。本実施形態のワイヤレスキーは、車両ドアのロック状態を遠隔制御するとともに、ボイスレコーダー機能を付加したものである。そして、このボイスレコーダー機能を使用するスイッチとして、車両ドアのロック状態を遠隔制御するスイッチを利用している。
【0028】
図1は、本実施形態に係るワイヤレスキー17の外観を示した図であり、図2はそのワイヤレスキー17の全体構成を示すブロック図である。なお、ワイヤレスキー17は、車両側とワイヤレスキー17との双方向通信によって、車両ドアのロック状態を制御したり、エンジン始動を制御するシステム(以下、このシステムをスマートエントリー・エンジンスタートシステムという)に対応したものである。
【0029】
図1に示すように、ワイヤレスキー17の外観は、内部の電子回路等を収納する筐体1、車両ドアをロックするように指示するロックスイッチ2、車両ドアをアンロックするように指示するアンロックスイッチ3、現在、録音中又は再生中であることを知らせるためのLED4、録音する際に音声データを取り込むマイク5、再生する際に音声データを出力するスピーカ6、マスターキー7(図では収納されている)から構成される。また、上記ロックスイッチ2は、録音を開始するためのスイッチ、アンロックスイッチ3は、録音内容を再生するスイッチでもある。この録音、再生を実行するか否かは、それぞれロックスイッチ2、アンロックスイッチ3を操作(プッシュ)した時間によって決定される。この部分は、本発明の特徴的部分であるので、詳細はフローチャート、タイミングチャートを用いて後述する。なお、マスターキー7は、ワイヤレスキー17のバッテリが少なくなって、車両ドアの遠隔操作又は、スマートエントリー・エンジンスタートシステムが機能しなくなった場合の、非常用のキーとして通常用いられる。
【0030】
ワイヤレスキー17は、図2に示すように、ロックスイッチ2、アンロックスイッチ3、LED4、マイク5、D/A変換器6、I/F回路9、12、A/D変換器10、メモリ11、スピーカ13、バッテリ14、マイコン15、送受信回路16を備えている。
【0031】
マイコン15は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインが備えられている。ROMには、CPUが実行するプログラムが書き込まれている。また、RAMは、CPUが実行中の処理において、必要なデータを一時的に記憶する役割を担う。なお、これらCPU、ROM、RAMには、バッテリ14からの電圧が供給されるようになっている。そして、このバッテリ14からの電圧によって、CPU、ROM、RAMは動作する。
【0032】
このマイコン15の主な役割は、ロックスイッチ2又はアンロックスイッチ3から送信される信号に基づいて、車両ドアのロックを指示する信号又はアンロックを指示する信号を生成することである。これら信号は、送受信回路16に送られる。そして、送受信回路16は、マイコン15から送信されてきた車両ドアのロック、アンロックを指示する信号を変調して、外部に発信する。なお、車両側には、ワイヤレスキー17から発信された電波を受信して、復調する受信回路が設けられている。そして、その受信回路で復調した信号は、図示しないマイコンに送られ、そのマイコンは受信回路から送信されてきた信号を解析して、車両ドアをロックするかアンロックするかを決定する。
【0033】
また、マイコン15は、スマートエントリー、エンジンスタートシステムにも対応した処理も行う。具体的には、車両側ユニットから定期的に送信されるリクエスト信号を、送受信回路16で受信し、復調された信号がマイコン15に送信される。そして、マイコン15は、このリクエスト信号に応答するレスポンス信号を生成し、送受信回路16に送信する。送受信回路16は、マイコン15から送られえてきたレスポンス信号を変調して、外部に発信する。なお、このレスポンス信号には、IDコードが含まれている。このレスポンス信号は、車両に設けられた受信回路で受信され、図示しないマイコンに送信される。このマイコンは、受信回路から送信されてきたレスポンス信号に含まれるIDコードと、予め登録されているIDコードとが一致するか否か等、所定の関係を満たしているか否かの照合可否判断を行う。そして、照合可と判断した場合には、車両ドアのロック状態を制御したり、キー挿入口にキーを挿入することなくエンジンスタートを指示するスイッチを有効にしたりする。
【0034】
さらに、マイコン15は、ロックスイッチ2からの信号に基づく録音及び、アンロックスイッチ3からの信号に基づく録音内容の再生に関する処理を行う。
【0035】
なお、ロックスイッチ2、アンロックスイッチ3がユーザーによって操作されたときには、それらスイッチを操作した時間に応じたハイレベルの信号が生成され、マイコン15に送信される。マイコン15は、ロックスイッチ2、アンロックスイッチ3のどちらが操作されたかを、どのポートにハイレベルの信号が入ったかに基づいて判断している。
【0036】
LED4は、光を発する素子であり、本実施形態では録音中、再生中のときに、マイコン15の指示に基づいて点滅する。
【0037】
マイク5は、音声データを取り込む。具体的には、音声(音波)を圧電素子によってアナログ電気信号に変換する。そのアナログ電気信号は、I/F回路9(インターフェース回路)を介して、A/D変換器10にて、デジタルデータに変換される。そして、その音声データに対応したデジタルデータは、メモリ11に記憶される。このメモリ11としては、RAMやEEPROMなどを用いることができる。
【0038】
D/A変換器6は、メモリ11に記憶されている音声データをデジタルデータからアナログデータに変換する。このときのアナログデータ(電気信号)に対応する音声データは、メモリ11に記憶する際のA/D変換器10の性能によって、元の音声データへの再現度合いが異なってくる。つまり、D/A変換後の音声データの精度は、A/D変換器10のサンプリング周波数や、量子化する間隔によって異なってくる。例えば、A/D変換器10のサンプリング周波数が小さかったり、量子化間隔が大きかったりすると、音声データの再現性が悪くなる。
【0039】
D/A変換器6によって変換された音声データ(アナログ電気信号)は、I/F回路12を介して、スピーカ13から音声として出力される。スピーカ13から音声が出力される原理については、周知であるのでここでは説明を省略する。
【0040】
次に、ユーザーが車両から離れる際に、車両のドアをロックするときの処理又は駐車位置を録音するときの処理について、図3のフローチャート、図4のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0041】
先ず、ステップS10において、ロックスイッチ2がユーザーによって押されたか否かを判定する。具体的には、ロックスイッチ2が接続されているポートにハイレベルの信号が送信されてきたか否かによって判定する。ロックスイッチ2が押されていないと判定したときは、処理を終了する。これに対し、ロックスイッチ2が押されたと判定したときは、処理をステップS16に進める。
【0042】
ステップS16では、ロックスイッチ2の押下が継続中であるか否かを判定する。ここで、ロックスイッチ2の押下が継続中でないとき、つまりロックスイッチ2の押下が解除されたときは、処理をステップS15に進める。一方、ロックスイッチ2の押下が継続中であるときは、処理をステップS11に進める。
【0043】
ステップS11では、ロックスイッチ2が押されている時間Tcが所定時間Tthよりも短いか否かを判定する。これは、ロックスイッチ2が押されることによって生成されるハイレベルの信号の長さによって判定する。ここで、ロックスイッチ2が押されている時間Tcが、所定時間Tthをまだ越えていないときは、処理をステップS16に戻す。これに対し、ロックスイッチ2が押されている時間Tcが所定時間Tthよりも長いときは(図4(b)参照)、処理をステップS12に進める。換言すれば、ロックスイッチ2が押されていた時間が所定時間Tthよりも短いときには(図4(a)参照)、処理をステップS15に進めることになる。
【0044】
ステップS15では、車両ドアのロックを指示するロックコードを生成し、そのロックコードを送受信回路16に送信して外部に発信する。
【0045】
ステップS12では、ロックスイッチ2が押された時間が所定時間Tthに達したときから、LED4に所定時間の間パルス信号を繰り返し送信し(図4(c)参照)、LED4を点滅させる。これによって、ユーザーは、現在録音中であることを認識することができる。そして、ステップS13において、この間にユーザーは、駐車位置に関する情報をマイク5を介して録音する。その後、録音時間が終了したときは(図4(d)参照)、ステップS14において、LED4に送信していたパルス信号の送信を停止して、LED4を消灯させる。
【0046】
次に、用事が済んで、ユーザーが車両に戻ってくる際の、車両のドアをアンロックする処理又はメモリ11に録音した内容を再生する処理について、図5のフローチャート、図6のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0047】
先ず、ステップS20において、アンロックスイッチ3がユーザーによって押されたか否かを判定する。アンロックスイッチ3が押されていないと判定したときは、処理を終了する。これに対し、アンロックスイッチ3が押されたと判定したときは、処理をステップS26に進める。
【0048】
ステップS26では、アンロックスイッチ3の押下が継続中であるか否かを判定する。アンロックスイッチ3の押下が継続中でないとき、つまりアンロックスイッチ3の押下が解除されたときは、処理をステップS25に進める。一方、ロックスイッチ2の押下が継続中であるときは、処理をステップS21に進める。
【0049】
ステップS21では、アンロックスイッチ3が押されている時間Toが所定時間Tthよりも短いか否かを判定する。これは、アンロックスイッチ3が押されることによって生成されるハイレベルの信号の長さによって判定する。ここで、アンロックスイッチ3が押されている時間Toが、所定時間Tthをまだ越えていないときは、処理をステップS26に戻す。これに対し、アンロックスイッチ3が押されている時間Toが所定時間Tthよりも長いときは(図6(b)参照)、処理をステップS22に進める。換言すれば、アンロックスイッチ3が押されていた時間が所定時間Tthよりも短いときには(図6(a)参照)、処理をステップS25に進めることになる。
【0050】
ステップS25では、車両ドアのアンロックを指示するアンロックコードを生成し、そのアンロックコードを送受信回路16に送信して外部に発信する。
【0051】
ステップS22では、アンロックスイッチ3が押された時間が所定時間Tthに達したときから、LED4に所定時間の間パルス信号を繰り返し送信し(図6(c)参照)、LED4を点滅させる。これによって、ユーザーは、現在再生中であることを認識することができる。そして、ステップS23では、メモリ11に記憶されている音声データを再生する。その後、再生時間が終了したときは(図6(d)参照)、ステップS24において、LED4に送信していたパルス信号の送信を停止して、LED4を消灯させる。
【0052】
以上、本実施形態のワイヤレスキー17は、ボイスレコーダー機能を付加している。これによって、駐車位置を録音するためにボイスレコーダーを所持するという煩わしさを防ぐことができる。また、録音、再生する際のスイッチとして、車両ドアのロック状態を制御するスイッチを利用することにより、録音、再生専用スイッチをワイヤレスキーに設ける必要はない。
【0053】
また、録音する際のスイッチとして、車両のドアのロックを指示するロックスイッチ2を利用しているので、車両から離れる際には、一つのスイッチで車両のドアのロックと駐車位置の録音とをすることができる。つまり、ユーザーの操作負担を軽減することができる。
【0054】
これに対し、駐車位置に関する情報を録音した場合、車両に戻る際には、ユーザーは先ずアンロックスイッチ3を操作して、駐車位置に関する情報を再生させて駐車位置を確認する。その後、駐車位置まで戻ってきた際には、アンロックスイッチ3を操作して車両ドアをアンロックさせる。このように、同一のスイッチによって、駐車位置に関する情報の再生と車両ドアのアンロックを実行できる。
【0055】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。例えば、上記実施形態では、LED4を点滅させて現在録音中か再生中かをユーザーに報知させていたが、LED4を点灯させて報知させてもよい。また、音声や表示によってそれらを報知するようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、マイクとスピーカとを別々に設けたが、それらを一つにまとめてもよい。これによって、ワイヤレスキーを小型化でき、また見栄えもシンプルにすることができる。
【0057】
また、音声データを録音した場合、その音声データを消去するようにしてもよい。具体的には、例えばロックスイッチ2とアンロックスイッチ3を同時に押したときに、記憶されている音声データを消去する。これによって、駐車位置を発見したときのように、これ以上録音内容を必要としないときには、それを消去することができる。また、録音、再生をさせるために、ロックスイッチ2とアンロックスイッチ3を用いているので、ワイヤレスキーに余分なスイッチを設ける必要がない。また、再生後に自動的に録音内容を消去するようにしてもよい。これにより、ユーザーの操作負担を軽減することができる。また、音声データをMP3方式などで圧縮して記憶するようにしてもよい。これによって、より多くの音声データを記憶することができる。この場合、圧縮、伸張するための装置が必要になるのは当然のことである。
【0058】
また、上記実施形態では、駐車位置に関する情報を対象として、その録音、再生について説明してきたが、他の情報を録音(例えば、電話番号)することもできる。
【0059】
(第2実施形態)
以下、本発明に係る駐車位置忘れ防止システムの実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の駐車位置忘れ防止システムでは、車載ナビゲーション装置とワイヤレスキーとを連携させて、駐車位置に関する情報をワイヤレスキーに録音させている。なお、本実施形態では、第1実施形態のワイヤレスキー17が用いられる。以下、詳細に説明する。
【0060】
図7は、車載ナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。同図に示すように、車載ナビゲーション装置200は、位置検出器20、地図データ入力器30、操作スイッチ群40、外部メモリ50、表示装置60、音声出力装置70、マイク100、リモコンセンサ80、リモートコントロール端末(以下リモコンと称する)8、録音スイッチ90、マイク100、送信回路120、イグニッションスイッチ130と、これら各装置が接続された制御装置110を備えている。
【0061】
制御装置110は通常のコンピュータとして構成されており、内部には周辺のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも不図示)が備えられている。制御装置110は、位置検出器20、地図データ入力器30、操作スイッチ群40、外部メモリ50、表示装置60、リモコンセンサ80、録音スイッチ90、マイク100、送信回路120から入力された各種情報に基づき、所定の処理(例えば、地図縮尺変更処理、メニュー表示選択処理、目的地設定処理、経路探索実行処理、経路案内開始処理、現在位置修正処理、表示画面変更処理、音量調整処理等)を実行する。
【0062】
位置検出器20は、いずれも周知のGセンサ21、地磁気センサ22、ジャイロスコープ23、速度センサ24、及び衛星からの電波に基づいて車両の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機25を有している。これらのセンサ等21〜25は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお精度によっては上述した内の一部で構成してもよく、更にステアリングの回転センサ、各転動輪の車両センサ等を用いてもよい。
【0063】
地図データ入力器30は、記憶媒体(不図示)が装着され、該記憶媒体に格納されている位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データ及び目印データを含む各種データを入力するための装置である。地図データには、道路を示すリンクデータとノードデータが含まれる。このリンクとは、地図上の各道路を交差・分岐・合流する点等の複数のノードにて分割し、それぞれのノード間をリンクとして規定したものであり、各リンクを接続することにより道路が構成される。リンクデータは、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端及び終端ノード座標(緯度・経度)、道路名称、道路種別、道路幅員、車線数、右折・左折専用車線の有無とその専用車線の数、及び制限速度等の各データから構成される。
【0064】
一方、ノードデータは、地図上の各道路が交差、合流、分岐するノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続するリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、交差点種類等の各データから構成される。
【0065】
なお、記憶媒体としては、そのデータ量からCD−ROMまたはDVD−ROMを用いるのが一般的であるが、メモリカード、HDD等を用いてもよい。
【0066】
操作スイッチ群40は、例えば表示装置60と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、スイッチ操作により制御装置110へ各種機能(例えば、地図縮尺変更、メニュー表示選択、目的地設定、経路探索、経路案内開始、現在位置修正、表示画面変更、音量調整等)の操作指示を行う。また、リモコン8には複数の操作スイッチ(不図示)が設けられ、スイッチ操作によりリモコンセンサ80を介して各種指令信号を制御装置110に入力し、制御装置110に各種機能を実行させる。なお、操作スイッチ群40とリモコン8は、何れのスイッチ操作によっても制御装置110に同じ機能を実行させることが可能である。
【0067】
リモコン8を介してリモコンセンサ80から、あるいは操作スイッチ群40により目的地が設定されると、制御装置110は、位置検出器20により検出された現在位置からその目的地までの最適な経路を自動的に探索して誘導経路を設定し表示する。このような自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。
【0068】
設定された経路は、地図データ入力器30の情報に基づき表示装置60に表示される表示地図上に位置検出器20により検出された現在位置マークと共に重畳表示される。表示地図には、現在位置、経路のほかに、現在時刻、渋滞情報など他の情報表示も付加表示することもできる。
【0069】
外部メモリ50は、HDD等の書き込み可能な大容量記憶装置である。外部メモリ50には大量のデータや電源をOFFしても消去してはいけないデータを記憶したり、頻繁に使用するデータを地図データ入力器30からコピーして利用する等の用途がある。なお、外部メモリ50は、比較的記憶容量の小さいリムーバルなメモリであってもよい。また、操作スイッチ群40やリモコン8によって、地図データに含まれる任意の場所を登録することができ(例えば、自宅や会社など頻繁に行く場所)、その登録された場所に関する情報は、地図データに対応付けて、外部メモリ50に記憶される。
【0070】
表示装置60は、ナビゲーションとして地図や目的地選択画面等を表示するものであって、フルカラー表示が可能なものであり、液晶、有機EL等を用いて構成することができる。
【0071】
音声出力装置70は、スピーカ等から構成され、制御装置110の指示に基づいて、経路案内時の案内音声を出力したり、駐車位置に関する情報を録音するか否かの確認音声を出力したりする。
【0072】
録音スイッチ90は、音声を録音するためのスイッチであり、この録音スイッチ90を操作することにより、マイク100から入力された音声データが記憶(録音)される。なお、この音声データは、制御回路110内のRAMに一時的に記憶される。
【0073】
送信回路120は、制御装置110の指示に基づいて、制御装置110のRAMに記憶されている音声データを変調して外部に発信する。なお、変調方式は、AM変調、FM変調等どのような方式を用いてもよい。また、マイク100から入力された音声データをA/D変換器(図示せず)によりデジタルデータに変換して、デジタル変調方式を用いて外部に発信してもよい。
【0074】
イグニッションスイッチ130は、オンにされると車両の各種装置に電源が供給されるスイッチである。本実施形態では、このイグニッションスイッチ130がオンからオフになったときに、駐車したと制御装置110は判断する。
【0075】
なお、本実施形態で用いるワイヤレスキー17は、第1実施形態のそれと同じなので(図1、2参照)、その構成の説明は省略する。
【0076】
次に、本発明の特徴的部分である、車載ナビゲーション装置200に駐車位置に関する情報を録音し、それをワイヤレスキー17に送信する処理を図8、図9のフローチャートに基づいて説明する。なお、図8のフローチャートに示す処理は、車載ナビゲーション200の制御回路110が実行し、図9のフローチャートに示す処理は、ワイヤレスキー17のマイコン15が実行する。なお、本実施形態では、車両が自宅に駐車した場合にのみ、駐車位置に関する情報を録音するか否かのメッセージを報知しないようにしている。
【0077】
先ず、ステップS30において、車両が駐車されたか否かを判定する。これは、イグニッションスイッチ130がオンからオフになったか否かによって判定する。駐車されていないときは、処理を終了する。これに対し、駐車されたときは、処理をステップS31に進める。
【0078】
そして、ステップS31では、車両の現在地が自宅付近(自宅から所定範囲内)であるか否かを判定する。この判定は、外部メモリ50を参照することにより行われる。ここで、車両の現在地が自宅付近である場合は、処理を終了する。この場合、自宅の駐車場に駐車したと判断でき、わざわざ駐車位置に関する情報を録音するまでもない。また、かえって以降の処理を行うと煩わしくなると考えられる。これに対し、車両の現在地が自宅付近ではない場合は、処理をステップS32に進める。
【0079】
ステップS32では、駐車位置に関する情報を録音する意思をユーザーに確認する処理を行う。具体的には、例えば、表示装置60や音声出力装置70を用いて、「駐車位置を録音する場合は、録音スイッチを押して下さい」等のメッセージを出力する。
【0080】
次いで、ステップS33において、録音スイッチ90が押されたか否かを判定する。ここで、録音スイッチ90の操作が所定時間Tth2無い場合は(ステップS34否定判定)、ステップS35において、車載ナビゲーション装置200に供給されている電源を停止して、処理を終了する。これに対し、所定時間Tth2の間に録音スイッチ90の操作があった場合は、ステップS36において、マイク100から入力される音声データをRAMに一時的に記憶する。そして、送信回路120にその音声データを送信して外部に発信させる。その後、ステップS35において、車載ナビゲーション装置200に供給されている電源を停止して、処理を終了する。なお、図8のステップS34に示すTswは、ステップS32にて録音の意思確認処理後の時間を示しており、その時間Tswが所定時間Tth2に達するまでは、ステップS34を肯定判定して再びステップS33に戻し、録音スイッチ90が操作されたか否かを確認することになる。
【0081】
一方、図9に示すフローチャートは、ワイヤレスキー17のマイコン15が実行する処理を示したものである。なお、マイコン15は、図9に示すフローチャートを繰り返し実行する。先ず、ステップS40において、音声データを受信したか否かを判定する。具体的には、送受信回路16から、音声データが送信されてきたか否かによって判定する。ここで、音声データを受信しなかったときは、処理を終了する。この場合、図8に示す処理がなされたときには、車両が自宅近傍にあるか、又は、ユーザーが録音を望まなかったことになる。これに対し、音声データを受信したときは、ステップS41において、その音声データをメモリ11に記憶して、処理を終了する。この場合、図8のステップS36の処理が行われたことになる。なお、メモリ11に記憶された音声データを再生するときの処理については、第1実施形態と同じなので、説明を省略する。
【0082】
以上、本実施形態の駐車位置忘れ防止システムは、現在地が自宅周辺か否かによって、駐車位置に関する情報を録音するか否かのメッセージを報知するか否かが決定される。これによって、自宅の駐車場に駐車した場合にまで、録音するか否かのメッセージが報知されないので、煩わしさを軽減することができる。なお、車両の現在地を検出することができ、かつ、任意の場所を登録できるものであるならば、車載ナビゲーション装置200を用いる必要はない。
【0083】
また、駐車位置に関する情報を録音する場合は、一度車載ナビゲーション装置200に録音され、その後、録音した音声データをワイヤレスキー17に送信される。これにより、ワイヤレスキー17が鞄やズボンのポケットに入っている場合に、わざわざ駐車位置に関する情報を録音するために、ワイヤレスキー17を外に出す必要はない。よって、ユーザーの負担を軽減することができる。
【0084】
また、ワイヤレスキー17は第1実施形態と同様のものを用いているので、第1実施形態と同様の効果が得られるのは当然である。
【0085】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。本実施形態では、録音確認を行わない駐車場として登録した位置が、自宅の場合について説明したが、会社の駐車場など他に頻繁に駐車する場所を登録しておいて、それら登録した場所すべてについて、上記処理を適用してもよい。
【0086】
(変形例)
上記第1、第2の実施形態におけるワイヤレスキー17は、スピーカ13から音声の再生を行っていた。しかし、骨振動子を用いて、音声の再生を行ってもよい。この場合、スピーカ13の変わりに音声データに対応して振動する骨振動子をマイコン15に接続する。図10は、骨振動子300を備えたときのワイヤレスキー17の外観を一部切り欠いて示した図であり、骨振動子300は、筐体1aの内部に収納されている。そのため、スピーカ13で再生を行うときよりも防水性を向上させることができる。また、周囲の騒音が大きい場合にも、ユーザーは確実に録音内容を認識することができる。なお、骨振動子を用いた場合、音声を再生する際には、図11のように、ワイヤレスキー17をユーザー18の耳の上部に当てる必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に係るワイヤレスキー17の外観を示す図である。
【図2】本発明に係るワイヤレスキー17の全体構成を示すブロック図である。
【図3】車両から離れる場合に、駐車位置に関する情報を録音する処理、車両のドアをロックする処理を示したフローチャートである。
【図4】車両から離れる場合に、ロックスイッチ2を操作したときの、LED4の点滅、及び録音期間を示したタイムチャートである。
【図5】車両に戻る場合に、駐車位置に関する情報を再生する処理、車両のドアをアンロックする処理を示したフローチャートである。
【図6】車両に戻る場合に、アンックスイッチ3を操作したときの、LED4の点滅、及び再生期間を示したタイムチャートである。
【図7】第2実施形態に係る車載ナビゲーション装置200の全体構成を示すブロック図である。
【図8】車載ナビゲーション装置200が駐車位置に関する情報を録音して、それをワイヤレスキー17に送信するときの処理を示したフローチャートである。
【図9】ワイヤレスキー17が駐車位置に関する情報を示す音声データを受信するときの処理を示したフローチャートである。
【図10】スピーカ13の代わりに骨振動子300を用いたときのワイヤレスキー17の外観を一部切り欠いて示した図である。
【図11】骨振動子によって、音声データを再生したときの様子を示した図である。
【符号の説明】
【0088】
2 ロックスイッチ(ロック制御スイッチ、指示スイッチ、ロック指示スイッチ)、3 アンロックスイッチ(ロック制御スイッチ、指示スイッチ、アンロック指示スイッチ、再生指示スイッチ)、4 LED(第1の報知手段、第2の報知手段)、5 マイク、6 スピーカ、11 メモリ(記憶手段)、15 マイコン(録音手段、再生手段、消去手段)、16 送受信回路(受信手段)、17 ワイヤレスキー、18 ユーザーの顔、20 位置検出器(位置検出手段)、30 地図データ入力器、40 操作スイッチ群(登録手段)、50 外部メモリ、60 表示装置(第1の報知手段、第2の報知手段)、70 音声出力装置(第1の報知手段、第2の報知手段)、90 録音スイッチ(録音指示スイッチ)、100 マイク、110 制御回路(録音手段、再生手段、駐車検知手段)、120 送信回路(送信手段)、130 イグニッションスイッチ、200 車載ナビゲーション装置、300 骨振動子(再生手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ドアのロック、アンロックを遠隔操作するロック制御スイッチを有したワイヤレスキーにおいて、
録音をする録音手段と、
前記録音手段により録音した音声データを再生する再生手段と、
前記ロック制御スイッチの操作に基づいて、前記録音手段による録音、及び前記再生手段による再生が実行されることを特徴とするワイヤレスキー。
【請求項2】
前記録音手段によって録音しているとき又は再生手段によって再生しているときに、ユーザーに録音中であること又は再生中であることを報知する第1の報知手段を備えることを特徴する請求項1に記載のワイヤレスキー。
【請求項3】
前記第1の報知手段は、LEDであることを特徴とする請求項2に記載のワイヤレスキー。
【請求項4】
前記ロック制御スイッチは、前記車両ドアのロックを指示するロック指示スイッチと、前記車両ドアのアンロックを指示するアンロック指示スイッチとを備えており、
前記録音手段は、前記ロック指示スイッチの操作によって録音をし、
前記再生手段は、前記アンロック指示スイッチの操作によって再生をすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のワイヤレスキー。
【請求項5】
前記ロック制御スイッチは、前記車両ドアのロックを指示するロック指示スイッチと、前記車両ドアのアンロックを指示するアンロック指示スイッチとを備えており、
前記ロック指示スイッチと前記アンロック指示スイッチとを同時に操作したときに、前記録音手段が録音した音声データを消去する消去手段を備えることを特徴する請求項1〜3のいずれかに記載のワイヤレスキー。
【請求項6】
前記再生手段は、音声データに対応した振動を発生する骨振動子を備え、当該骨振動子によって、音声データを再生することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のワイヤレスキー。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のワイヤレスキーと、
前記車両が駐車されたことを検知する駐車検知手段と、
前記駐車検知手段が前記車両の駐車を検知した場合に、駐車位置に関する情報を前記ワイヤレスキーに録音するか否かを問い合わせるメッセージをユーザーに報知する第2の報知手段とを備えることを特徴とする駐車位置忘れ防止システム。
【請求項8】
車両の現在地を検出する位置検出手段と、
任意の場所を登録する登録手段とを備え、
前記第2の報知手段は、前記駐車検知手段が前記車両の駐車を検知し、かつ、前記車両の現在地が前記登録手段により登録された場所から所定距離以上離れている場合にのみ、前記駐車位置に関する情報を前記ワイヤレスキーに録音するか否かを問い合わせるメッセージをユーザーに報知することを特徴とする請求項7に記載の駐車位置忘れ防止システム。
【請求項9】
車両ドアのロック、アンロックを遠隔操作するロック制御スイッチを有したワイヤレスキーに、車両側ユニットに録音された駐車位置に関する情報を送信して、当該駐車位置に関する情報をワイヤレスキーに記憶し、かつ再生可能とする駐車位置忘れ防止システムであって、
前記車両側ユニットは、
駐車位置に関する情報の録音を指示する録音指示スイッチと、
前記録音指示スイッチが操作された場合に、録音をする録音手段と、
前記録音手段に録音された音声データを前記ワイヤレスキーに送信する送信手段とを備え、
前記ワイヤレスキーは、
前記車両から送信される音声データを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した音声データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている情報を再生する再生手段とを備え、
前記再生手段は、前記ロック制御スイッチの操作に基づいて再生をすることを特徴とする駐車位置忘れ防止システム。
【請求項10】
前記車両が駐車されたことを検知する駐車検知手段と、
前記駐車検知手段が前記車両の駐車を検知した場合に、駐車位置に関する情報を前記ワイヤレスキーに録音するか否かを問い合わせるメッセージをユーザーに報知する第1の報知手段とを備えることを特徴とする請求項9に記載の駐車位置忘れ防止システム。
【請求項11】
前記車両側ユニットは、
車両の現在地を検出する位置検出手段と、
任意の場所を登録する登録手段とを備え、
前記第1の報知手段は、前記駐車検知手段が前記車両の駐車を検知し、かつ、前記車両の現在地が前記登録手段により登録された場所から所定距離以上離れている場合にのみ、前記駐車位置に関する情報を録音するか否かを問い合わせるメッセージをユーザーに報知することを特徴とする請求項10に記載の駐車位置忘れ防止システム。
【請求項12】
前記録音手段によって録音しているとき又は再生手段によって再生しているときに、ユーザーに録音中であること又は再生中であることを報知する第2の報知手段を備えることを特徴する請求項9〜11のいずれかに記載の駐車位置忘れ防止システム。
【請求項13】
前記第2の報知手段は、LEDであることを特徴とする請求項12に記載の駐車位置忘れ防止システム。
【請求項14】
前記ロック制御スイッチは、前記車両ドアのロックを指示するロック指示スイッチと、前記車両ドアのアンロックを指示するアンロック指示スイッチとを備えており、
前記録音手段は、前記ロック指示スイッチの操作によって録音をし、
前記再生手段は、前記アンロック指示スイッチの操作によって再生をすることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の駐車位置忘れ防止システム。
【請求項15】
前記ロック制御スイッチは、前記車両ドアのロックを指示するロック指示スイッチと、前記車両ドアのアンロックを指示するアンロック指示スイッチとを備えており、
前記ロック指示スイッチと前記アンロック指示スイッチとを同時に操作したときに、前記録音手段が録音した音声データを消去する消去手段を備えることを特徴する請求項9〜14のいずれかに記載の駐車位置忘れ防止システム。
【請求項16】
前記再生手段は、音声データに対応した振動を発生する骨振動子を備え、当該骨振動子によって、音声データを再生することを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記載の駐車位置忘れ防止システム。
【請求項1】
車両ドアのロック、アンロックを遠隔操作するロック制御スイッチを有したワイヤレスキーにおいて、
録音をする録音手段と、
前記録音手段により録音した音声データを再生する再生手段と、
前記ロック制御スイッチの操作に基づいて、前記録音手段による録音、及び前記再生手段による再生が実行されることを特徴とするワイヤレスキー。
【請求項2】
前記録音手段によって録音しているとき又は再生手段によって再生しているときに、ユーザーに録音中であること又は再生中であることを報知する第1の報知手段を備えることを特徴する請求項1に記載のワイヤレスキー。
【請求項3】
前記第1の報知手段は、LEDであることを特徴とする請求項2に記載のワイヤレスキー。
【請求項4】
前記ロック制御スイッチは、前記車両ドアのロックを指示するロック指示スイッチと、前記車両ドアのアンロックを指示するアンロック指示スイッチとを備えており、
前記録音手段は、前記ロック指示スイッチの操作によって録音をし、
前記再生手段は、前記アンロック指示スイッチの操作によって再生をすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のワイヤレスキー。
【請求項5】
前記ロック制御スイッチは、前記車両ドアのロックを指示するロック指示スイッチと、前記車両ドアのアンロックを指示するアンロック指示スイッチとを備えており、
前記ロック指示スイッチと前記アンロック指示スイッチとを同時に操作したときに、前記録音手段が録音した音声データを消去する消去手段を備えることを特徴する請求項1〜3のいずれかに記載のワイヤレスキー。
【請求項6】
前記再生手段は、音声データに対応した振動を発生する骨振動子を備え、当該骨振動子によって、音声データを再生することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のワイヤレスキー。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のワイヤレスキーと、
前記車両が駐車されたことを検知する駐車検知手段と、
前記駐車検知手段が前記車両の駐車を検知した場合に、駐車位置に関する情報を前記ワイヤレスキーに録音するか否かを問い合わせるメッセージをユーザーに報知する第2の報知手段とを備えることを特徴とする駐車位置忘れ防止システム。
【請求項8】
車両の現在地を検出する位置検出手段と、
任意の場所を登録する登録手段とを備え、
前記第2の報知手段は、前記駐車検知手段が前記車両の駐車を検知し、かつ、前記車両の現在地が前記登録手段により登録された場所から所定距離以上離れている場合にのみ、前記駐車位置に関する情報を前記ワイヤレスキーに録音するか否かを問い合わせるメッセージをユーザーに報知することを特徴とする請求項7に記載の駐車位置忘れ防止システム。
【請求項9】
車両ドアのロック、アンロックを遠隔操作するロック制御スイッチを有したワイヤレスキーに、車両側ユニットに録音された駐車位置に関する情報を送信して、当該駐車位置に関する情報をワイヤレスキーに記憶し、かつ再生可能とする駐車位置忘れ防止システムであって、
前記車両側ユニットは、
駐車位置に関する情報の録音を指示する録音指示スイッチと、
前記録音指示スイッチが操作された場合に、録音をする録音手段と、
前記録音手段に録音された音声データを前記ワイヤレスキーに送信する送信手段とを備え、
前記ワイヤレスキーは、
前記車両から送信される音声データを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した音声データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている情報を再生する再生手段とを備え、
前記再生手段は、前記ロック制御スイッチの操作に基づいて再生をすることを特徴とする駐車位置忘れ防止システム。
【請求項10】
前記車両が駐車されたことを検知する駐車検知手段と、
前記駐車検知手段が前記車両の駐車を検知した場合に、駐車位置に関する情報を前記ワイヤレスキーに録音するか否かを問い合わせるメッセージをユーザーに報知する第1の報知手段とを備えることを特徴とする請求項9に記載の駐車位置忘れ防止システム。
【請求項11】
前記車両側ユニットは、
車両の現在地を検出する位置検出手段と、
任意の場所を登録する登録手段とを備え、
前記第1の報知手段は、前記駐車検知手段が前記車両の駐車を検知し、かつ、前記車両の現在地が前記登録手段により登録された場所から所定距離以上離れている場合にのみ、前記駐車位置に関する情報を録音するか否かを問い合わせるメッセージをユーザーに報知することを特徴とする請求項10に記載の駐車位置忘れ防止システム。
【請求項12】
前記録音手段によって録音しているとき又は再生手段によって再生しているときに、ユーザーに録音中であること又は再生中であることを報知する第2の報知手段を備えることを特徴する請求項9〜11のいずれかに記載の駐車位置忘れ防止システム。
【請求項13】
前記第2の報知手段は、LEDであることを特徴とする請求項12に記載の駐車位置忘れ防止システム。
【請求項14】
前記ロック制御スイッチは、前記車両ドアのロックを指示するロック指示スイッチと、前記車両ドアのアンロックを指示するアンロック指示スイッチとを備えており、
前記録音手段は、前記ロック指示スイッチの操作によって録音をし、
前記再生手段は、前記アンロック指示スイッチの操作によって再生をすることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の駐車位置忘れ防止システム。
【請求項15】
前記ロック制御スイッチは、前記車両ドアのロックを指示するロック指示スイッチと、前記車両ドアのアンロックを指示するアンロック指示スイッチとを備えており、
前記ロック指示スイッチと前記アンロック指示スイッチとを同時に操作したときに、前記録音手段が録音した音声データを消去する消去手段を備えることを特徴する請求項9〜14のいずれかに記載の駐車位置忘れ防止システム。
【請求項16】
前記再生手段は、音声データに対応した振動を発生する骨振動子を備え、当該骨振動子によって、音声データを再生することを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記載の駐車位置忘れ防止システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−315150(P2007−315150A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−148981(P2006−148981)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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