説明

一体的にエンボス加工されたディフレクターストリップを備えた遠心ペレット乾燥機のスクリーン

内面上に隆起する偏向要素を有するエンボス加工されたスクリーンが、遠心ペレット乾燥機に設けられている。前記偏向スクリーンは一体構造として形成されており、緩む、またはストリップを分離する、およびストリップとスクリーンとの間の悪影響を増加するリスクを伴う締結要素に固定された偏向要素を分離する必要性を排除する。エンボス加工された偏向スクリーンは効果的にペレットをロータに向かって偏向し、ロータでペレットはロータエネルギーと再連動し、結果として乾燥機の効率および流量を増加する。エンボス加工された偏向スクリーンはまた、スクリーンの構造強度を強化し、製造コストを低減し、ペレットが挟み込まれ今後起こる悪影響に繋がる可能性を低下する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年5月23日に出願された連続番号第60/924,627号である同時係属の米国仮出願の優先権を有し、主張する。
【0002】
本発明は概略的に、湿気を含んだ(moisture laden)プラスチックペレットまたは他の固体粒子を円筒形状スクリーン内で上方に搬送する刃の付いたリフトロータを利用する型の遠心ペレット乾燥機に関する。リフトロータの回転により粒子に与えられる遠心力によって粒子はスクリーンの内面に係合し、粒子上の水分は当業者にとって公知の方法でスクリーンを貫通して放出される。より具体的には、本発明は円筒形状スクリーンの内面に関連する生成物流れ修正ディフレクターに関する。
【背景技術】
【0003】
遠心ペレット乾燥機は、水中ペレタイザー(underwater pelletizer)により生成されるプラスチックペレットと水のスラリーなど、プラスチックペレットおよび他の固体粒子から水分または湿気を分離する当業者に公知のものである。従来技術の遠心ペレット乾燥機は、垂直に配設された外側ハウジングと、前記ハウジング内に位置決めされた円筒形状スクリーンと、スクリーン内部の中心に位置し駆動される刃の付いたロータとを備える。ロータはスクリーン内で水分を含んだペレット、または他の固体粒子を上方に移動させる。ロータ(図1参照)からの半径方向の空気流れにより粒子に与えられた遠心力は、スクリーンを貫通し水分を排出するために、粒子をスクリーンに係合させながら半径方向外方に移動させる。乾燥された粒子は前記スクリーンおよびハウジングの上端から排出され、水分はハウジングの下端から排出される。
【0004】
この種類の遠心ペレット乾燥機は、本出願の譲受人により共に所有されている米国特許第7,171,762号、第7,024,794号、第6,807,748号、第6,237,244号に開示されている。そのような乾燥機の動作において、ペレットまたは他の粒子は刃の付いたロータにより垂直に、および半径方向に移動し、かなりの速度で円筒形状スクリーンに係合し、通常はスクリーンに跳ね返りロータに向かうが、スクリーン内を上方に移動するように粒子に更なる垂直および遠心力を付与する。これは、図2で特徴的に示されるように”良い”流れにより表現されている。更に図3に示されるように、生成物および空気の”最善の”流れは、ロータからの半径方向の空気流れがペレットを押圧するだけでなく、それらの周りを流れるときに発生する。
【0005】
しかし、今日の業界で使用される従来の遠心乾燥機は全て、ロータの通常回転により生じる空気流れに関する共通の問題を有する。ロータの羽根の配置および他の物理的な要因が結合することにより、ロータとスクリーンとの間で跳ね返る際に乾燥機を貫通する生成物の流れに大きな影響を与える空気流れを発生する。
【0006】
更にまた、柔軟なペレット、または平ら或いは両凸レンズ形状(lentoid geometries)のペレットを形成する新しいプラスチック材料、および水中ペレタイザーの使用による大変小さなペレット或いはいわゆるマイクロペレットの製造の出現により、そのようなペレットを搬送し、その後に公知の遠心乾燥機で乾燥することが困難となる。そして、公知の遠心乾燥機は、リサイクルされた炭酸飲料の容器、ミルク容器など、および粉砕されたバッテリーケーシングなど他のプラスチック粒子とから形成された粉砕フレークプラスチック材料(ground flake plastic material)を搬送し、その後に乾燥することが困難となる。
【0007】
より具体的には、図2の中で”悪い”流れ特性に示されるように、柔軟で小さなペレット、平ら或いは両凸レンズ形状のペレット、プラスチックフレーク、及びその他のプラスチックおよび同様の粒子は、ロータの羽根の外側端部およびスクリーンの内面との間のクリアランス帯(clearance band)”X”(図2参照)内に集まり循環する傾向にある。硬く大きなペレットまたは粒子のように跳ね返るよりはむしろ、これらの粒子は空気流れによりスクリーンに捕捉される様になる。この柔軟で小さなペレットおよび平ら或いは両凸レンズ形状のペレット、プラスチックフレーク、および粒子のスクリーンの内面に沿う環状流れおよび、その結果としての捕捉は、”結合(bending)”と呼ばれる。この結合により、乾燥機のロータ領域を通過する生成物流れが減少し、ロータの回転速度を維持するために必要とされる力は増加する。更に、結合がまた、水分が固体粒子から分離する効率を低下し、これにより乾燥機内に高いアンペア数を必要とし、遠心乾燥機の全体効率を低下させる。これらの問題は度々、微粒子、および繊維状の”髪の毛”を生成する(産業上、天使の髪とよく呼ばれる)結果となる。
【0008】
結合の問題は特に、最も自然にこの形状の比較的大きな平面表面領域がペレットをスクリーンの内面に付着させ、ペレットが薄型であることによりそれらの除去を困難にするため、平ら或いは両凸レンズ形状のペレットで明らかである。図3の中で”最悪の”流れによって示されるように、ある範囲の中で生成物の表面領域が大きくなればなる程、または生成物がより断片状、或いは両凸レンズ状であればある程、ロータの外方への空気流れがスクリーンに対して生成物を捕捉する機会が大となる。この現象により、生成物を乾燥機ロータの外方および上方への動きと再係合させるのに必要とされる跳ね返りを大幅に低下する。
【0009】
この結合の問題を克服する1つの解決法は、この出願の譲受人により共に所有されている米国特許第6,739,457号公報(以下、”’457特許”という。)に記載されている。’457特許の開示は参照することにより、明確に全体の中で十分に記載されるかのように本出願に包含される。
【0010】
’457特許では、ディフレクターストリップはストリップに機械加工された(machined)皿頭孔(countersunk hole)内に固定された複数の締め具(fastener)を使用することにより、乾燥機スクリーンの内側に固定されている。この固定方法により、ディフレクターストリップの製造が比較的高価になり、またスクリーン内に望まれない応力を集中させる専用穴(dedicated holes)をスクリーンに設けることを必要とする結果となる。更に、振動、経年劣化、または他の要因により締め具が緩くなると、ディフレクターストリップは損傷することにより移動ロータ内に延びるという危険性がある。ディフレクターストリップとスクリーンとの間の任意の空間には、ペレットの塊、または他の外的な物質が集まり、特に平ら或いは両凸レンズ形状のペレットは、将来に生成物が流れる際の悪影響に繋がる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、垂直ハウジングおよび刃の付いたロータが付随する垂直の円筒スクリーンを有する垂直型の遠心ペレット乾燥機を使用する。前記垂直ハウジングおよび刃の付いたロータは、水とポリマー樹脂粒子のスラリーを乾燥機内で上方に搬送する円筒形状スクリーンの内側に配設されている。ロータにより固体粒子に与えられる遠心力は、粒子をスクリーンに衝突させ、スクリーンを貫通させて水分を外方に排出する一方、乾燥された粒子は乾燥機の上端から排出され、水分は公知の方法でハウジングの下端から排出される。遠心ペレット乾燥機用円筒スクリーンは一般的には、垂直に位置決めされ互いに連結された複数のスクリーン部から構成されている。
【発明の効果】
【0012】
柔軟な、および/または小さなペレット、或いはプラスチックフレーク、および両凸レンズ形状など形状ペレットを搬送することが困難な他のプラスチック粒子から水分を分離する際の遠心乾燥機の問題、および’457特許の固定されたディフレクターストリップに関する問題を克服するため、円筒スクリーンの内側には1以上のエンボス加工された領域が設けられており、個々の領域に効果的にスクリーンの内面から突出している一体化されたディフレクター(deflector)を形成する。’457特許の固定されたディフレクターストリップと同様に、本発明のエンボス加工されたスクリーンは、粒子の環状流れを乱し、ロータが粒子を垂直上方に引き上げるのを補助し、粒子がまとまるのを除去することにより、乾燥機のロータ領域を貫通する粒子の流れを改善する。しかし、先行技術と異なり、エンボス加工された偏向スクリーン(deflector screen)は、汚染、および緩んだディフレクターストリップが移動ロータに延びる危険性を除去する一方で、製造コストを削減する。更に、エンボス加工された領域は好適にはスクリーンの穴の開いていない領域に一体化されるので、エンボス加工された領域は実質的にスクリーン構造の全体を補強する。
【0013】
従って、本発明の目的は、スクリーンの穴の開いた(perforated)、または穴の開いていない領域(non-perforated area)をエンボス加工することにより形成される1以上の細長いディフレクターストリップの形態をもつ、遠心ペレット乾燥機の円筒スクリーンの内面に設けられた偏向要素を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、スクリーンの内面周りに間隔を空けて円周方向に配置された位置へのエンボス加工により、1以上の偏向要素または領域を形成することである。偏向要素または領域の数はスクリーンの直径に依存して変わり、ほとんどの場合に1つから4つの偏向要素があることが好ましい。
【0015】
更に本発明の目的は、前述の目的による遠心ペレット乾燥機内の円筒スクリーンの内面に垂直または鋭角に角度付けられた細長いディフレクターストリップの形態をもつ、1以上の偏向要素を一体的に形成することで、エンボス加工されたストリップがスクリーンの全体強度を強化することである。
【0016】
本発明の目的は、スクリーンに一体的に形成された滑らかな傾斜端部を有する、乾燥機のスクリーン上の細長いストリップの形態を有する1以上のエンボス加工された偏向要素を形成することであり、これによりペレットがストリップに挟み込まれるのを防止し、ペレットは上方に移動するエネルギーを与えられるロータのエネルギーに再係合するロータに向かって方向転換することを保証する。
【0017】
本発明の目的は、平らおよび両凸レンズ状の生成物が遠心ペレット乾燥機内のスクリーンに捕捉されるようになるという公知の問題に対する有益な解決方法を提供するエンボス加工された偏向スクリーンである。
【0018】
更に本発明の目的は、所定サイズの遠心ペレット乾燥機が高い生成物流れの速度で作動し、より大きな乾燥機を得なくても生成物が到達可能な範囲を広げるエンボス加工されたスクリーンである。
【0019】
本発明の目的は、前述の目的に応じて遠心ペレット乾燥機の円筒スクリーン用偏向要素または領域を提供することであり、偏向要素または領域は従来の製造方法に適応し簡単な構成からなり、経済的に実現可能であり、長期間使用し比較的作動中に不具合が発生しない偏向スクリーンを提供するために容易に使用される。
【0020】
これらのおよび他の目的および有利な点は、後述のように本願の一部である添付図面を参照して説明され、および権利請求される構造および動作の詳細により実質的に明らかになる。そこでは、同じ数字は同じ部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】全体的に遠心ペレット乾燥機内にある従来のロータによる半径方向の空気流れを示す。
【図2】図1のロータによる空気流れの影響と種々の異なるように形成されたペレットの特徴によりもたらされる流れを示す。
【図3】図2の種々に形成されたペレットに関し最善および最悪の空気とペレットとの流れの特徴を更に示す。
【図4】ドライヤーのハウジングに関し円筒形状断面のスクリーンとブレードの付いたリフトロータとの組立品を示す従来技術の遠心ペレット乾燥機の概略正面図である。
【図5】先行技術に関し締結要素を有する内部表面に配設された2つのディフレクターストリップを備えた図4の乾燥部の1つを示す斜視図である。
【図6】スクリーン部材および図5に示す従来のディフレクターストリップの1つの概略部分断面図である。
【図7】本発明に係る細長い垂直ストリップの形をとる2つのエンボス加工された偏向要素をそれぞれ備えたスクリーン部材の平面図である。
【図8】中央がエンボス加工された図7のディフレクターストリップの写真である。
【図9】端部がエンボス加工された図7のディフレクターストリップの写真である。
【図10】スクリーン部材および図7に示されたエンボス加工されたディフレクターストリップの1つの概略部分断面図である。
【図11】本発明に係るスクリーン部材の穴を開けない領域に形成されエンボス加工されたディフレクターストリップの一部の拡大写真である。本発明に係るディフレクターストリップに近接して’457特許に係るディフレクターストリップの一部が比較のためにスクリーン部材上に配置されて示されている。
【図12】本発明に係る垂直および角度をなすディフレクターストリップの形をとる2つのエンボス加工された偏向要素を備えたスクリーン部材の平面図である。
【図13】図12のスクリーン部材の斜視図である。
【図14】(A)から(D)は本発明に係るエンボス加工された偏向スクリーンのエンボス加工される領域の変形形状を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面の中で示された発明の好適な実施形態を述べる中で、特有の用語が明確にする目的で使用される。しかし、本発明はそのように選択された特有の用語に限定されることを意図されず、個々の特有の用語は同じような目的を達成するために同様の態様で作用する全ての技術的な均等物を包含することを理解すべきである。
【0023】
本発明に係る所定の実施形態だけが詳細に説明されているが、本発明は後述するように説明され、または図面に示された構成要素の構造および配置の詳細な範囲に限定されないと理解すべきである。本発明は他の実施形態も可能であり、種々の方法で実施され、または実行することができる。また、種々の実施形態を説明する中で、特有の用語が明確にする目的で使用される。個々の特有の用語は、同じような目的を達成するために同様の態様で作用する全ての技術的な均等物を包含することを理解すべきである。
【0024】
図4を参照すると、従来の一般的な型式の遠心ペレット乾燥機は全体的に参照番号10で示され、そこに垂直に配設された組立式の(sectional)スクリーン14を有する乾燥機ハウジング12を有する。組立式のスクリーン14は垂直に位置決めされ、17で相互に連結された4つのおよそ同じスクリーン部15を備えるように示されている。スクリーン14は、全体的に参照番号16で示され、傾斜ブレード18を有する羽根ロータを囲繞し、このロータと同心である。前記傾斜ブレード18は、公知の方法で支持されたスクリーン部15の内面に近接する外縁を備えている。
【0025】
遠心ペレット乾燥機10は、水中ペレタイザーからの水およびペレットのスラリー、またはリサイクルされた炭酸飲料の容器、ミルク容器などに由来するプラスチックフレークなど固体粒子、或いは粉砕された(ground)バッテリーのケーシングなど他の固体プラスチック粒子を包含する他の型の水スラリーを受け入れる入口20を備えている。入口20は一般的には、全ての遠心乾燥機内にある訳ではないが、ペレットまたは他の固体粒子から最初に水を分離する目的でスラリーを脱水機22内に投入し、出口24を介して水を排出し、組立式スクリーン14の底部に湿気を含んだ粒子を排出する。固体粒子はロータ16の動きによりスクリーン部(screen section)15を貫通して上方に移動し、上側スクリーン部15の上端にある出口26に到達し、矢印126に示される方向に移動する。ロータは粒子に上昇し外側に向かう力を付与し、粒子から水を分離するために粒子をスクリーンに衝突させることで、明確に説明された先行特許により実証された公知の方法で、分離された水をスクリーンを介してハウジングまで通過させ出口24を介して排出する。
【0026】
個々のスクリーン部15は金属板28を有し、この金属板28は20または18のゲージ厚であり、スクリーン部15の内側に面する表面から貫通する穴の空けられた直径0.075インチの孔30を備えた一般的なステンレス鋼からなる。他の穴の形状、および例えば0.038インチ、0.085インチ、0.0625インチなどの直径はまた、一般に使用される。図5に示すように、孔30はジグザグ状に中心を有し、交差する中実部分34と36とを規定する分離領域32に位置している。個々のスクリーン部15は、最初は平らな金属板28として形成される。この平らな金属板は、スクリーン部の個々の垂直固形端部上の外見上は垂直に延びる側端部フランジ38と40とを連結することにより円筒形状に保持される。更に、連結構造の説明が’457特許の中に記載されている。
【0027】
図5に示す2つのディフレクターストリップは全体的に参照番号70で示されており、円筒形状スクリーン部15の内面に配設されている。図5および図6に示すように、ディフレクターストリップ70はボルトにより取り付けられている。このボルトは円筒形状スクリーン部15内の適合穴を貫通して突出しており、円筒形状スクリーン部15上では、適切なロッキングナット74がスクリーン部の内側に位置する個々のディフレクターストリップ70を固定するように差し込まれている。ロータ16が内部の矢印77に示すように回転するとき、定位置にあると、ディフレクターストリップ70は図6の実線の矢印75に示されるようにペレット流れの方向を変える。
【0028】
図5および図6に示すようにディフレクターストリップを取り付けても、締結要素(fastening element)74は緩む傾向にあり、前述したようにディフレクターストリップ70は分離する可能性がある。更に、ディフレクターストリップは別個の構成要素なので、ストリップとスクリーンと接触面には所定の領域が設けられており、この領域内では特に薄型および平らな、或いは両凸レンズ形状のペレットは、引っかかって捕捉される。ディフレクターストリップ70上にボルトで締めると、斜面(図6参照)のちょうど前にあるスクリーンの領域69は、ロータの回転方向に関して見てみるとひどく摩耗する傾向にあり、結果として腐食する。
【0029】
前述のことを考慮して、本発明に係るスクリーン部115は、全体的に参照番号170で示される垂直、または実質的に垂直にエンボス加工されたディフレクターストリップの形態をもってエンボス加工された領域を有しており、図7に示されている。エンボス加工されたディフレクターストリップ170は一般的には、スクリーンの穴の開いていない中実部分136に形成され、スクリーンは全体的に参照番号128により示される金属板の孔を有する分離領域32の間に及ぶ。スクリーン部115にはただ1つのディフレクターストリップ、または例えば、図7のスクリーン部115の中央および端部に示された2つのエンボス加工されたディフレクターストリップ170など、複数のディフレクターストリップを設けることができる。これら中央および端部のエンボス加工されたディフレクターはそれぞれ、図8および図9に鮮明に描かれている。
【0030】
代案として、エンボス加工されたディフレクターストリップを穴の開いた領域32内に形成することができるが、これは構造強度に影響を与えるため好ましくない。更なる代案として、エンボス加工されたディフレクターストリップが垂直に対して鋭い角度の方向に設けられると、エンボス加工されたディフレクターストリップは、スクリーンの穴の開いたおよび穴の開いていない両方の部分に渡って、または入り込んで延びることになる。
【0031】
図10に示されるように、および図6の従来のディフレクターストリップのように、ロータ16が内側の矢印173に示される方向に回転するとき、エンボス加工されたディフレクターストリップ170は効果的に実線171に示されるようにペレット流れの方向を変える。しかし、’457特許のディフレクターストリップと違い、エンボス加工されたディフレクターストリップは締結具が緩むだけ緩められ、および/またはディフレクターストリップが外されるリスクを除去する。
【0032】
エンボス加工により偏向領域を形成することは、たとえその領域がストリップ、または他の形状内に具体化されても、ストリップとスクリーンとの間にペレットが捕捉されることがない滑らかな傾斜端部をも創出し、これにより将来にわたりそれに関連する悪影響の危険性を排除することができる。特に平ら或いは両凸レンズ形状のペレットを使用する際、滑らかに連続するエンボス加工された端部は、より効果的に初期の設計よりも確実にペレットをスクリーンから離しロータに向かって方向転換させることを保証する。一旦、方向転換されると、ペレットが現在の遠心乾燥方法にあわない種類である時に、ロータが螺旋状の刃物として作用する傾向を低下させることにより、ロータはペレットに継続的にエネルギーを与えることができ、ペレットの上方への移動および乾燥機の全体効率を促進する。更に、エンボス加工されたディフレクターストリップは、このエンボス加工されたストリップのちょうど前にあるスクリーンの領域の摩耗を実際に減少する。ペレットを屈折させるスクリーンの領域、および予め摩耗する傾向がありスクリーンが腐敗する結果となる領域内で耐摩耗性を増加することにより、エンボス加工されたディフレクターストリップがスクリーンの耐用期間を伸ばす。
【0033】
更に、図11の写真に示されるように、エンボス加工されたディフレクターストリップ170は、屈伸および屈曲に対するスクリーン部115の中実部分136の強度を高める。それに反して、スクリーンの穴の開いた、または穴の開いていない領域内に配置される専用穴を必要とするボルト締め具を有する’457特許のディフレクターストリップ70は、スクリーン内に応力集中を生じるので、ストリップ70を追加することは更なるスクリーン構造の完全性に資さないであろう。
【0034】
エンボス加工された偏向領域の数、角度および空間的関係は、スクリーン部115の直径および特に乾燥機の適用への依存を変化させるであろう。通常、1つから4つのエンボス加工されたストリップ170が直径約64インチまでのほとんどのスクリーン部に適用され、もちろん、それよりも多くのディフレクターストリップが求められるように含有されてもよい。複数のスクリーン部115を有する乾燥機内では、水および固体粒子のスラリーがスクリーンに入り込む最も低い位置にあるスクリーン部116(図4参照)はペレットが多くのエネルギーを有し、供給シュートから流入するとき、ディフレクターストリップなしに構成されてもよい。ディフレクターストリップを有するより上部では、ストリップは好適には垂直に位置決めされるが、そのような配置は常には必要とはされない。
【0035】
エンボス加工されたディフレクターストリップは従来のスクリーン部の単一のスクリーンと共に実施され、そのスクリーンは20または18のゲージ厚であり、0.038インチ、0.075インチ、0.085インチ、または0.0625インチの一般的に使用される直径を有する穴を備えたステンレス鋼からなる。スクリーン或いはスクリーン部はまた、レーザ加工された穴と共に製造されもよく、または当業者に理解されている他の製法により製造されてもよい。同時継続出願された出願番号第11/017,216号、これはこの出願の譲受人により共に所有されているが前記出願の中で説明されたような複数層のスクリーンもまた、本発明に係るエンボス加工されたディフレクターストリップを包含するように改良することもできる。
【0036】
好適な実施形態においてエンボス加工されたディフレクターストリップは、垂直または実質的に垂直である一方、エンボス加工されたディフレクターストリップは垂直に対して離れていくように鋭角に形成されてもよく、ディフレクターストリップはスクリーン板128の底部からその上端までロータの方向から離れるように移動する。角度の付けられたエンボス加工されたディフレクターストリップ270は、図12および図13に示すように、上方へ傾斜するエンボス加工されたディフレクターの縁部によってロータに衝突しロータの方に方向転換されるように、ペレットがより上方の軌道を移動できるようにするために使用される。垂直な、および角度の付けられたディフレクターストリップはまた、矢印175がロータの方向を示す図12に示されるように、同じスクリーン内に混在してもよい。
【0037】
本発明のエンボス加工されたディフレクターストリップ170は、スクリーン部115のエンボス加工されていない内面に対して一般的には断面がU字形状(図10参照)であり、内方に約0.1インチから0.25インチ、好適には約0.14インチ突出しており、幅は約0.25インチから0.80インチであり、好適には0.62インチである。もちろん、他の寸法に設けることができ、配設されたディフレクターストリップとは違って、スクリーン部の全重量に影響を与えない。例えば、図4から図6の配置において、大きな厚みと大きな幅を有するディフレクターストリップを追加することはスクリーン部の重量を増加させ、より大きな乾燥機に適用する中で締結要素により大きな要求がなされる。しかし、本発明のエンボス加工された偏向領域を備えることでエンボス加工されたストリップの寸法は単純に、内方に突出する中実部分136の割合を変化するが、スクリーン部115の総重量を変化させない。
【0038】
エンボス加工されたディフレクターストリップ170の長さは円筒スクリーン部115の高さ、または一体成形されるのであれば円筒スクリーンに依存し、ディフレクターストリップ170の長さは好適にはディフレクターストリップの上端および低端からスクリーン部(またはスクリーン)の上端および低端まで約1インチの間隔を開け、シールに干渉しない長さからなるが、前記間隔は求められるように変えることができる。
【0039】
エンボス加工されたディフレクターストリップ170は好適には連続する隆起ストリップである一方、それらは不連続であり、円筒形状を得るために支持リングの周りにスクリーンを覆う必要性を満たすためにより短くてもよい。ストリップは偏向の連続的な長さを提供する傾向があるため、および円筒スクリーンまたはスクリーン部を強く補強するため、連続して隆起されたストリップが好ましい。そのため、エンボス加工されたストリップは薄いスクリーン板128に使用されてもよい。
【0040】
エンボス加工されたディフレクターストリップ170が不連続であれば、それらは好ましくは、スクリーン板128の下端近傍からスクリーン板128の上端近傍まで垂直にジグザク状(staggered)に配列される。そのような態様においては、クリアランスバンド周りの円周上の通路内で1つの隆起ストリップを回避する帯状の固体粒子が、その通路内で他の隆起ストリップに直面する。このジグザク状の配置は同様に、角度の付けられたエンボス加工されたディフレクターストリップによって実現されてもよい。
【0041】
エンボス加工された領域はまた、細長いストリップ以外の形状に作ることができる。それに限定されず、代案のエンボス加工された領域の形状は例えば、図14Aに示すように水平および垂直にジグザク状の矩形201として、図14Bに示されるように垂直に配置された円203として、図14Cに示されるように垂直に配置された矢印205として、および図14Dに示されるように傾斜する配置構造であって垂直に間隔をあけた矩形207として示されている。
【0042】
エンボス加工された領域の特有な形状によらず、本発明に係るエンボス加工された偏向スクリーンは、ペレット乾燥機の全体効率を上げ、また資本投資に関して大幅に抑制する結果となる。特に、所定サイズの乾燥機にとって大きく生成された流量は、従来の乾燥スクリーンよりもエンボス加工された偏向スクリーンにより達成される。結果として、小さな乾燥機が大きな乾燥機の購入を必要とする生産要求高を効率的に達成するのに使用されるであろう。この購入の必要性を回避することにより、10ドル、100ドル、1000ドル規模のコスト削減が実現するであろう。
【0043】
前述のことは、本発明の原理の実例としてのみ考慮されている。更に、多くの改良例および変形例が当業者に容易に思い付かれるので、本発明は正確な構造、および図示され説明された動作に限定されず、従って多くの適切な改良例および均等物が用いられ本発明の範囲内にある。
【符号の説明】
【0044】
10 遠心ペレット乾燥機
12 乾燥機ハウジング
14 スクリーン
20 入口
24 出口
26 出口
32 穴の開いた領域
115 スクリーン部
170 ディフレクターストリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のエンボス加工された領域を有するほぼ円筒形状のスクリーンからなり、個々の前記エンボス加工された領域は、スクリーンの内面から突出し、乾燥される粒子の環状流れを乱し、乾燥機のロータ領域を通る粒子の流れを改善する一体化されたディフレクターを形成していることを特徴とする遠心ペレット乾燥機用スクリーン。
【請求項2】
個々の前記エンボス加工された領域は、実質的に垂直なエンボス加工されたディフレクターストリップを形成していることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
【請求項3】
前記スクリーンは、該スクリーンの内面周りに互いに間隔を空け、実質的に垂直のストリップとして形成された複数のエンボス加工された領域を包含することを特徴とする請求項2に記載のスクリーン。
【請求項4】
前記ストリップは、前記スクリーンの下端近傍から上端近傍までジグザグ状に配列されていることを特徴とする請求項3に記載のスクリーン。
【請求項5】
前記スクリーンは穴の開いた、および穴の開いていない領域を包含し、前記エンボス加工された領域は前記穴の開けられない領域内に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
【請求項6】
前記個々のエンボス加工された領域は、滑らかに連続する傾斜端部を有するディフレクターストリップを形成していることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
【請求項7】
前記エンボス加工されたディフレクターストリップは、前記内面のエンボス加工されていない部分に対して約0.1インチから0.25インチ内方に突出していることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
【請求項8】
前記エンボス加工されたディフレクターストリップは、約0.25インチから0.80インチの幅を有することを特徴とする請求項7に記載のスクリーン。
【請求項9】
前記エンボス加工されたディフレクターストリップは、前記内面のエンボス加工されていない部分に対して約0.14インチ内方に突出し、約0.62インチの幅を有することを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
【請求項10】
前記エンボス加工されたディフレクターストリップは、実質的に前記スクリーンの上端から下端まで延びていることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
【請求項11】
垂直に配設され、全体的に刃の付いたロータと同心の円筒形状スクリーンを有する乾燥機ハウジングと、
水中ペレタイザーから前記スクリーンの底部まで水スラリーおよび固体粒子を受け入れる入口とを備え、
前記固体粒子は、ロータにより環状流れでスクリーンを貫通して上方に移動し前記スクリーンの上端にある出口まで移動し、
前記スクリーンは、スクリーンの内面から突出し、乾燥される粒子の環状流れを乱し、乾燥機を通る粒子の流れを改善する一体化されたディフレクターを形成するエンボス加工された領域を備えたことを特徴とする遠心ペレット乾燥機
【請求項12】
個々の前記エンボス加工された領域は、実質的に垂直にエンボス加工されたディフレクターストリップを形成していることを特徴とする請求項11に記載の乾燥機。
【請求項13】
前記スクリーンは、該スクリーンの内面周りに互いに間隔を空け実質的に垂直なディフレクターストリップとして形成された複数のエンボス加工された領域を含有することを特徴とする請求項12に記載の乾燥機。
【請求項14】
前記ディフレクターストリップは、前記スクリーンの下端近傍から上端近傍までジグザク状に配列されていることを特徴とする請求項13に記載の乾燥機。
【請求項15】
前記スクリーンは穴の開いた、および穴の開いていない領域を包含し、前記ディフレクターストリップは前記穴の開いていない領域内に形成されていることを特徴とする請求項11に記載のスクリーン。
【請求項16】
前記スクリーンは穴の開いた、および穴の開いていない領域を包含し、前記ディフレクターストリップは前記穴の開いた領域内に形成されていることを特徴とする請求項11に記載のスクリーン。
【請求項17】
個々の前記ディフレクターストリップは、滑らかに連続する傾斜端部を備えていることを特徴とする請求項13に記載の乾燥機。
【請求項18】
前記エンボス加工されたディフレクターストリップは、約0.25インチから約0.80インチまでの幅を有し、前記内面の穴の開いていない部分に対して内方に約0.10インチから約0.25インチ突出していることを特徴とする請求項13に記載の乾燥機。
【請求項19】
前記エンボス加工されたディフレクターストリップは、約0.62インチの幅を有し、前記内面の穴の開いていない部分に対して内方に約0.14インチ突出していることを特徴とする請求項11に記載の乾燥機。
【請求項20】
前記スクリーンは、相互に接続され垂直に位置決めされた複数のスクリーン部を有することを特徴とする請求項11に記載の乾燥機。
【請求項21】
個々の前記スクリーン部は、前記エンボス加工されたディフレクターストリップが実質的に連続する配置において、前記乾燥機の上端から下端まで延びるようにエンボス加工されたディフレクターストリップを備えていることを特徴とする請求項20に記載の乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【公表番号】特表2010−529396(P2010−529396A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509377(P2010−509377)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/006522
【国際公開番号】WO2008/147514
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(500092365)ガラ・インダストリーズ・インコーポレイテッド (23)
【氏名又は名称原語表記】Gala Industries, Inc.
【Fターム(参考)】