説明

一液型湿気硬化性組成物及びシーリング材組成物

【課題】作業性が良く、発泡性がなく、硬化性がよい、高伸度かつ低モジュラスで接着性に優れる機械的特性を確保して、耐候性、耐久性に優れた硬化物を与える一液型湿気硬化性の組成物及びシーリング材組成物を提供する。
【解決手段】オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、表面処理炭酸カルシウム(B)と、光安定剤(C)と、硬化促進剤(D)と、場合により必要に応じて更に可塑剤(E)と添加剤(F)とを含有する一液型湿気硬化性組成物及び一液型湿気硬化性シーリング材組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、建築物、土木構造物の内外装部材間やジョイント部の目地に充填して、風雨の侵入防止や気密性保持に有用な、耐候性、耐久性に優れた一液型湿気硬化性組成物及びシーリング材組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリウレタン樹脂は、ゴム弾性・耐摩耗性・耐久性・耐候性・接着性に優れていることから、多くの塗料、接着剤、シーリング材、防水剤等に利用されてきた。これらポリウレタン樹脂は一液型と二液型にわけられるが、一液型ポリウレタン樹脂である有機イソシアネート化合物からなる湿気硬化性ポリウレタン樹脂は、二液型のような施工現場での二液混合の煩わしさがなく、かつ空気中の水分と速やかに反応して硬化するため、また比較的安価に製造できるため広く使われている。
近年は、建築物や土木構造物などにおいても高耐久性、長寿命化の傾向がみられるが、高耐久性、長寿命化のこの流れは、建築物や土木構造物においては総合的なコスト低下の側面をもち、例えば長期のメンテナンスフリーであれば補修等の費用を軽減することが可能である。建築物や土木構造物の構成部材であるシール材、シーリング材も例外ではない。建築物や土木構造物の外壁では、パネル、窯業系サイディング板、金属系サイディング板、ALC板などが多く使用されているが、このような板状材料を用いて外壁面を構成する場合、材料の接合部に目地を設計し、接合部からの雨水の侵入を防止し、温度差等で生じる材料の膨張や収縮或いは風圧や地震等で生じる材料の変形による板状材料の破壊を防いでいる。この目地に建築用シーリング材が充填されて使用されるが、そのため各種の材料に対する優れた接着性をもち、変位を吸収するために硬化後の物性が低モジュラスで伸びの大きな柔らかなものとなるように設計されている。近年は、この建築用シーリング材においても長期にわたってメンテナンスフリーである長寿命化や、光安定性に優れた高耐候性であること、また、硬化後の物性が長期にわたって変化が少なく初期の性能が維持される高耐久性であることなどが求められており、高耐候性で高耐久性の材料が求められている。
【特許文献1】特開2003−277724公報
【特許文献2】特開2005−306912公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、作業性が良く、発泡性がなく、硬化性がよい、高伸度かつ低モジュラスで接着性に優れる機械的特性を確保して、耐候性、耐久性に優れた硬化物を与える一液型湿気硬化性組成物及びシーリング材組成物を提供する事である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するため、本発明は次の(1)〜(9)である。
(1) オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、表面処理炭酸カルシウム(B)と、光安定剤(C)と、硬化促進剤(D)とを含有すること、を特徴とする一液型湿気硬化性組成物。
(2) 前記オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)と活性水素基含有オキサゾリジン化合物(a2)とを活性水素基に対してイソシアネート基が過剰の条件で反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーである、前記(1)の一液型湿気硬化性組成物。
(3) 前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)が、ポリオキシアルキレン系ポリオールと、活性水素基及びエチレン性不飽和基をそれぞれ2個以上有する化合物と、有機イソシアネートとを、水酸基を含む活性水素基に対してイソシアネート基が過剰の条件で反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーである、前記(2)の一液型湿気硬化性組成物。
(4) 前記有機イソシアネートが、脂環族ポリイソシアネートである、前記(3)の一液型湿気硬化性組成物。
(5) 前記活性水素基及びエチレン性不飽和基をそれぞれ2個以上有する化合物が、水酸基とアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基とをそれぞれ2個以上有する化合物である、前記(3)又は(4)の一液型湿気硬化性組成物。
(6) 前記光安定剤(C)が、低分子量のヒンダードフェノール系酸化防止剤と高分子量のヒンダードアミン系酸化防止剤からなる、前記(1)〜(5)のいずれかの一液型湿気硬化性組成物。
(7) 更に可塑剤(E)を含有する、前記(1)〜(6)のいずれかの一液型湿気硬化性組成物。
(8) 更に添加剤(F)を含有する、前記(1)〜(7)のいずれかの一液型湿気硬化性組成物。
(9) オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、表面処理炭酸カルシウム(B)と、光安定剤(C)と、硬化促進剤(D)とを含有すること、を特徴とする一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
【発明の効果】
【0005】
本発明の一液型湿気硬化性組成物及びシーリング材組成物は、作業性が良く、発泡性がなく、硬化性がよく、その硬化物は高伸度かつ低モジュラスで接着性に優れる機械的特性を有し、耐候性、耐久性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明におけるオキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)と、活性水素基含有オキサゾリジン化合物(a2)とを、活性水素基に対してイソシアネート基過剰で反応させて好適に得ることができる。
【0007】
前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)は、具体的には有機イソシアネートと活性水素基含有化合物とを活性水素基に対してイソシアネート基過剰で反応させて得られるものであり、水分と反応して尿素結合を形成し、架橋、硬化するイソシアネート基を分子中に2個以上含有する化合物が好適である。
【0008】
この有機イソシアネートとしては、有機ポリイソシアネートと、有機ポリイソシアネートと有機モノイソシアネートとの混合物が挙げられる。
有機ポリイソシアネートとしては、具体的には例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート等のトルエンジイソシアネート類、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート類、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等のフェニレンジイソシアネート類、2,4,6−トリメチルフェニル−1,3−ジイソシアネート、2,4,6−トリイソプロピルフェニル−1,3−ジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等のナフタレンジイソシアネート類、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート等のキシリレンジイソシアネート類などの芳香脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネートが挙げられる。更に、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、クルードトルエンジイソシアネートなどの有機ポリイソシアネートも使用できる。また、これらの有機ポリイソシアネートを変性して得られる、ウレトジオン結合、イソシアヌレート結合、アロファネート結合、ビュレット結合、ウレトンイミン結合、カルボジイミド結合、ウレタン結合、ウレア結合などを1以上含有する変性イソシアネートも使用できる。
有機モノイソシアネートとしては、具体的には例えば、n−ブチルモノイソシアネート、n−ヘキシルモノイソシアネート、n−ヘキサデシルモノイソシアネート、n−オクタデシルモノイソシアネート、p−イソプロピルフェニルモノイソシアネート、p−ベンジルオキシフェニルモノイソシアネートが挙げられる。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのうち、耐候性、耐久性に優れている点で有機ポリイソシアネートが好ましく、更に脂環族ポリイソシアネートが好ましく、特にイソホロンジイソシアネートが好ましい。
【0009】
前記活性水素基含有化合物としては、高分子や低分子のポリオール、アミノアルコール、ポリアミン、活性水素基及びエチレン性不飽和基をそれぞれ2個以上有する化合物などを挙げることができる。これらのうち、高分子のポリオールと活性水素基及びエチレン性不飽和基をそれぞれ2個以上有する化合物との組み合わせが好ましい。
【0010】
高分子のポリオールとしては、ポリオキシアルキレン系ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテル・エステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリルポリオール、炭化水素系ポリオール等が挙げられ、数平均分子量500以上のものである。
ポリオキシアルキレン系ポリオールとしては、アルキレンオキシドを開環付加重合させたものや、活性水素(基)を2個以上含有する化合物などの開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させたものなどが挙げられる。
開始剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の低分子多価アルコール類、ソルビトール、シュークロース、グルコース、ラクトース、ソルビタン等の糖類系低分子多価アルコール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の低分子多価フェノール類、エチレンジアミン、ブチレンジアミン等の低分子ポリアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類、アジピン酸、テレフタル酸等の低分子ポリカルボン酸類、これらの少なくとも1種にアルキレンオキシドを反応させて得られる低分子量のポリオキシアルキレンポリオールが挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランなどが挙げられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて開環付加重合させることができる。
すなわち、ポリオキシアルキレン系ポリオールは、具体的には、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシプロピレン)−ランダム或いはブロック共重合ポリオール、ポリ(オキシプロピレン)−ポリ(オキシブチレン)−ランダム或いはブロック共重合ポリオールなどを挙げることができ、また、これらの各種ポリオールとトルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの有機ポリイソシアネートとを、イソシアネート基に対し水酸基過剰で反応させて、分子末端を水酸基としたものも挙げられる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールは、数平均分子量が500〜100,000、更に1,000〜30,000、特に1,000〜20,000のものが好ましく、また、1分子当たり平均のアルコール性水酸基の個数は2個以上、更に2〜4個が好ましく、2〜3個が最も好ましい。数平均分子量が500未満では得られる硬化物のモジュラス(低伸長時の引張応力)、伸びが悪化し動的耐久性が低下し、100,000を超えると粘度が高くなり、得られる一液型湿気硬化性組成物の作業性が低下し好ましくない。
更に、ポリオキシアルキレン系ポリオールは、複合金属シアン化錯体などの触媒を使用して得られる、総不飽和度が0.1meq/g以下、更に0.07meq/g以下、特に0.04meq/g以下のものが好ましく、分子量分布〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比=Mw/Mn〕が1.6以下、特に1.0〜1.3の狭いものが好ましい。
なお、本発明において、ポリオキシアルキレン系ポリオールとは、分子1モルの水酸基を除いた部分の50質量%以上、更に80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上がポリオキシアルキレンで構成されていれば、残りの部分がエーテル、ウレタン、エステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリオレフィンなどで変性されていてもよいことを意味するが、本発明においては、水酸基を除いた分子の95質量%以上がポリオキシアルキレンからなるポリオールが最も好ましい。
ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオールとしては、例えば、公知のコハク酸、アジピン酸、テレフタル酸等のジカルボン酸、それらの酸エステル、酸無水物等と、前記のポリオキシアルキレン系ポリオールの合成に開始剤として使用される活性水素(基)を2個以上含有する化合物との脱水縮合反応で得られる化合物が挙げられる。更に、ε−カプロラクトン等の環状エステル(すなわちラクトン)モノマーの開裂重合により得られるラクトン系ポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリエーテル・エステルポリオールとしては、例えば、前記ポリオキシアルキレン系ポリオールと前記のジカルボン酸、酸無水物等とから製造される化合物が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前記のポリオキシアルキレン系ポリオールの製造に用いる低分子多価アルコール類と、ホスゲンとの脱塩酸反応、或いはジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応などから得られる化合物が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリルポリオールとしては、水酸基を含有するヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどを他の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と共重合したものなどが挙げられる。
炭化水素系ポリオールとしては、ポリブタジエンポリオールや水素添加ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水素添加ポリイソプレンポリオール、塩素化ポリエチレンポリオール、塩素化ポリプロピレンポリオールなどが挙げられる。
また、一般にポリウレタン工業において公知の活性水素基を含有する、数平均分子量500以上の、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等も挙げられる。
これらのうち、得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)の粘度が低く、硬化後の物性が良好なため、これから得られる硬化性組成物の粘度が低く作業性が良好な点と、硬化後のゴム弾性物性や接着性が高い点で、ポリオキシアルキレン系ポリオールが好ましく、更にポリオキシプロピレンポリオールが好ましい。特にポリプロピレンジオールとポリプロピレントリオールの組合せが好ましい。ポリオールにおけるジオール/トリオールのモル比は、好ましくは2.0〜8.0、特に3.0〜7.0である。
【0011】
低分子ポリオールとしては、前記ポリオキシアルキレン系ポリオールの製造原料として挙げた数平均分子量500未満の低分子多価アルコール類が挙げられる。
【0012】
アミノアルコールとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等が挙げられる。
【0013】
ポリアミンとしては、ポリプロピレングリコールの末端ジアミノ化物などの、数平均分子量500以上でポリオキシアルキレン系ポリオールの末端がアミノ基となったポリオキシアルキレンポリアミン等の高分子ポリアミンが挙げられる。
ポリアミンとしては更に、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン等の数平均分子量500未満の低分子ポリアミンが挙げられる。
【0014】
前記の活性水素基及びエチレン性不飽和基をそれぞれ2個以上有する化合物としては、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)のイソシアネート基と反応する活性水素基及び(光硬化性の)エチレン性不飽和基をそれぞれ2個以上有する化合物である。
この活性水素基としては、具体的には、水酸基、第1級アミノ基、第2級アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、エチレン性不飽和基としては、具体的には、ビニル基、ビニレン基、シンナモイル基、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基などが挙げられる。これらのうち、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート基と反応が容易で比較的粘度上昇の小さい点で、活性水素基としては水酸基が好ましく、また、光に曝露されることにより比較的短時間で重合反応して耐候性に優れた被膜を形成する点で、エチレン性不飽和基としてはアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基が好ましい。活性水素基として水酸基を2つ以上有し、かつ、エチレン性不飽和基としてアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を2つ以上有する化合物は、例えば、日本化薬社製KAYARADシリーズを挙げることができる。これらのうち、1,6−ヘキサンジオールなどのジオールなどにエピクロルヒドリンを反応させてオキシラン環を導入し更にアクリル酸及び/又はメタクリル酸を付加反応しオキシラン環を開裂して水酸基を導入した、KAYARAD R−167が特に好ましい。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)を構成するポリオール成分の一部として活性水素基及びエチレン性不飽和基をそれぞれ2個以上有する化合物を使用し且つ高分子ポリオールと組み合わせることで、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの耐候性を向上させることができ、更に当該イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに後述する活性水素基含有オキサゾリジン化合物(a2)を反応させて得られる、オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)を有する一液型湿気硬化性組成物としたとき、作業性を悪化させることなく、その硬化物が動的耐久性を有する優れたものとすることができる。
【0015】
エチレン性不飽和基は、オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)中に0.01〜1.0mmol/g、更に0.05〜0.3mmol/g含まれることが好ましく、オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)を含有する一液型湿気硬化性組成物の硬化物が優れた動的耐久性を有するためには、活性水素基及びエチレン性不飽和基をそれぞれ2個以上有する化合物は、(イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)を構成する)活性水素基含有化合物中に1.0〜7.0質量%含まれることが好ましい。
【0016】
活性水素基含有化合物はいずれも、それぞれ単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0017】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)の合成の際には、オクチル酸錫、オクチル酸ジルコニウムなどの、亜鉛、錫、鉛、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄等の金属とオクチル酸、ナフテン酸等の有機酸との塩、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、EXCESTAR C−501(旭硝子社製)等の有機金属キレート化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属と有機酸との塩などの有機金属化合物、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩等の公知のウレタン化触媒を用いることができる。これらのうち有機金属化合物が好ましく、更にジブチル錫ジラウレートが好ましい。
また、更に公知の有機溶媒を用いることもできる。
【0018】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)のイソシアネート基含有量は0.3〜15.0質量%が好ましく、特に0.5〜5.0質量%が好ましい。イソシアネート基含有量が0.3質量%未満の場合は、プレポリマー中の架橋点が少ないため、十分な接着性が得られない。イソシアネート基含有量が15.0質量%を超える場合は、プレポリマー中の架橋点が多くなりゴム弾性が悪化する点と、湿気との反応による炭酸ガスの発生量が多くなり硬化物が発泡する点で好ましくない。
【0019】
前記活性水素基含有オキサゾリジン化合物(a2)は、加水分解して活性水素基を生成するオキサゾリジン環を少なくとも1つ有し、且つ、イソシアネート基と反応する活性水素基、好ましくは水酸基を少なくとも1つ有する化合物である。この化合物は、具体的には、モノエタノールアミンやジエタノールアミンなどの第1級アミノ基や第2級アミノ基を有するアミノアルコール類とアルデヒド類との脱水反応により好適に製造することができる。
第1級アミノ基や第2級アミノ基を有するアミノアルコール類としては、具体的に例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、ジイソブタノールアミン、ヒドロキシエチルアミノメチルアルコールや、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、ジシクロヘキシルジアミン、イソホロンジアミン、ジアミノトルエン、フェニレンジアミンなどの第1級アミノ基に2−ヒドロキシエチル基が置換された化合物が挙げられる。
アルデヒド類としては、具体的に例えば、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−ペンチルアルデヒド、2-メチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−メチルペンタナール、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クミンアルデヒドが挙げられる。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのうち、ジエタノールアミンとイソブチルアルデヒドとから得られる2−イソプロピル−3−(2−ヒドロキシエチル)−オキサゾリジンが好ましい。
【0020】
オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成の際にも、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)の合成におけるのと同様のウレタン化触媒や有機溶媒を用いることができる。
また、オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成においては、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)と活性水素基含有オキサゾリジン化合物(a2)とは、活性水素基に対してイソシアネート基過剰で、好適にはイソシアネート基/活性水素基のモル比が7.0以下/1.0、更に2.0/1.0〜4.0/1.0の反応比率となるような範囲で使用するのが好ましい。活性水素基に対するイソシアネート基の反応比率が7.0/1.0を超えると、オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの硬化性、発泡防止性が低下する。
【0021】
本発明における表面処理炭酸カルシウム(B)は、一液型湿気硬化性組成物及びシーリング材組成物に揺変性を付与して、垂直面等に充填や塗布したときにタレ(スランプ)を起こさないようにする作用を有する。一般に揺変性付与剤として、例えば、コロイダルシリカ、石綿粉、表面処理炭酸カルシウム等の無機系揺変性付与剤、及び有機ベントナイト、脂肪酸アマイド等の有機系揺変性付与剤が挙げられるが、これらのうちコロイダルシリカは少量の配合で揺変性を付与できるものの、一液型湿気硬化性組成物及びシーリング材組成物の硬化速度を高めるため、後述する硬化促進剤(D)を使用すると揺変性付与構造が破壊され、垂直面に充填や塗布したときにタレを起こすため、使用が制限されてしまうことがある。しかし、表面処理炭酸カルシウム(B)にはこのような欠点がなく、一液型湿気硬化性組成物及びシーリング材組成物に安定した揺変性を付与することができる。
表面処理炭酸カルシウム(B)は、公知の方法で製造することができる。まず、微粉末状の炭酸カルシウムは、例えば石灰石を焼成炉で焼成し、炭酸ガスと生石灰に分解した後、生石灰は水を加えて水化精製し、石灰乳とし、炭酸ガスを吹き込んで反応させるか、又は炭酸ガス気流中に石灰乳を噴務し向流又は並流のかたちで接触させて反応させて製造することができ(一般に軽質炭酸カルシウムと称される。)、次いでこの微粉末状炭酸カルシウムに揺変性付与能力を与える目的と二次凝集を防ぐ目的で脂肪酸金属塩や、ロジン酸等の樹脂酸の金属塩などで微粉末状炭酸カルシウムの表面を処理して脂肪酸表面処理炭酸カルシウムや樹脂酸表面処理炭酸カルシウムなどの表面処理炭酸カルシウム(B)が得られる。ここで脂肪酸金属塩としては、好ましくは炭素数10〜25の脂肪酸のナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウムの塩である。市販品としては、例えば、白艶華CC、白艶華CCR、白艶華R06、VIGOT−10、VIGOT−15、STAVIGOT−15A(以上は白石工業社製)、NCC#3010、NCC#1010(以上は日東粉化工業社製)、カルファイン200M、カルファインN40(以上は丸尾カルシウム社製)等が挙げられる。
なお、重質炭酸カルシウムと呼ばれる天然の炭酸カルシウムを粉砕して微粉体状にしたものを脂肪酸金属塩や樹脂酸金属塩で処理したものも表面処理炭酸カルシウム(B)として使用できる。
これらは単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できるが、これらのうち揺変性付与効果が高い点で脂肪酸表面処理炭酸カルシウムが好ましく、特に、揺変性付与効果が高く従って使用量少なくすることができ、且つまた、前記使用量が少なくて済むことにより、当該一液型湿気硬化性組成物及びシーリング材組成物の硬化物が低モジュラスとなり、動的耐久性に優れた性質を示すものとなるため、カルファインN40が最も好ましい。
この表面処理炭酸カルシウム(B)の平均粒径は、0.01〜0.5μm、さらに0.03〜0.15μmが好ましく、BET比表面積は5〜200m/g、さらに10〜60m/gが好ましい。平均粒径が0.01μmを下回るか、或いはBET比表面積が200m/gを超えると、得られる一液型湿気硬化性組成物及びシーリング材組成物の粘度が上がって作業性は悪化し、平均粒径が0.5μmを上回るか、或いはBET比表面積が5m/gを下回ると、揺変性付与効果がなくなるため好ましくない。
表面処理炭酸カルシウム(B)は、オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、10〜1000質量部、特に20〜100質量部使用するのが好ましい。
【0022】
本発明における光安定剤(C)としては、オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の硬化後の酸化や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけでなく耐熱性を向上させるために使用する。具体的には、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールなどの分子量1,000未満の低分子量ヒンダードフェノール系酸化防止剤、同じくペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などの分子量1,000以上の高分子量ヒンダードフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。また、三共社製の商品名サノールLS−292などの他、旭電化工業社製の商品名アデカスタブシリーズのLA−52、LA−57、LA−62、LA−67、LA−77、LA−82、LA−87などの分子量1,000未満の低分子量ヒンダードアミン系酸化防止剤、同じくLA−63P、LA−68LD或いはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名CHIMASSORBシリーズの119FL、2020FDL、944FD、944LDなどの分子量1,000以上の高分子量ヒンダードアミン系酸化防止剤なども挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤が挙げられる。
これらはいずれも単独或いは2種以上を混合して使用できる。
これらのうち、耐候性と耐熱性を更に向上させる点から、低分子量のヒンダードフェノール系酸化防止剤と高分子量のヒンダードアミン系酸化防止剤との混合物が好ましい。
光安定剤(C)は、オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0.1〜30質量部、特に1〜20質量部使用するのが好ましい。
【0023】
本発明における硬化促進剤(D)としては、オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基と水分との反応を促進して当該一液型湿気硬化性組成物を硬化させるための触媒であり、例えば、テトラ−n−ブチルチタネート等の金属のアルコキシド、オクチル酸第一錫、オクテン酸錫などの、亜鉛、錫、鉛、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄等の金属とオクチル酸、オクテン酸、ナフテン酸等の有機酸との塩、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)等の金属キレート化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属と有機酸との塩、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩などが挙げられ、硬化性に優れている点でジブチル錫ジアセチルアセトナートやジブチル錫ジラウレート等の錫系の金属キレート化合物や錫系の有機金属と有機酸との塩が好ましい。
これらは単独或いは2種以上を混合して使用できる。
硬化促進剤(D)は、オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対し、0.01〜10質量部、特に0.05〜5質量部使用するのが好ましい。
【0024】
本発明における可塑剤(E)としては、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル類、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の非芳香族2塩基酸エステル類、トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類、塩素化パラフィン等のハロゲン化脂肪族化合物などの分子量500未満の低分子量可塑剤が挙げられ、分子量500以上の高分子量タイプの可塑剤としては、例えば、液状ポリウレタン樹脂、ジカルボン酸類とグリコール類とからのポリエステル類等のポリエステル系可塑剤、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールのエーテル化或いはエステル化誘導体、シュークロース等の糖類多価アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキシドを付加重合し、更にエーテル化或いはエステル化した糖類系ポリエーテル類等のポリエーテル系可塑剤、ポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン系可塑剤、低粘度の(メタ)アクリル酸エステル系可塑剤などが挙げられる。
これらは単独或いは2種以上を混合して使用できる。
これらのうち、硬化物表面に移行(ブリード)し難い点で、分子量500以上の高分子量タイプの可塑剤が好ましく、更に液状ポリウレタン樹脂が好ましい。
可塑剤(E)は、オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対し、1〜500質量部、特に10〜100質量部使用するのが好ましい。
【0025】
本発明における添加剤(F)としては、例えば、充填材、接着性向上剤、貯蔵安定性改良剤(脱水剤)、意匠性付与剤、着色剤、溶剤などが挙げられる。
【0026】
充填材としては、例えば、マイカ、カオリン、ゼオライト、グラファイト、珪藻土、白土、クレー、タルク、スレート粉、無水ケイ酸、石英微粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、沈降性シリカなどの合成シリカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の無機粉末状充填材、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状充填材などの無機系充填材、或いは、木粉、クルミ穀粉、もみ殻粉、パルプ粉、木綿チップ、ゴム粉末、更にポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂の粉末などの有機系充填材などの他、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の難燃性付与充填材なども挙げられ、粒径0.01〜1,000μmのものが好ましい。
【0027】
接着性向上剤は、当該一液型湿気硬化性組成物の接着性を向上させるために使用するものであり、カップリング剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アルキルチタネート類、有機ポリイソシアネートなどが挙げられる。
カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミニウム系などの各種カップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物を挙げることができる。
シランカップリング剤は、その具体例としては、アミノシランカップリング剤やメルカプトシランカップリング剤等の活性水素基含有シランカップリング剤或いはこのウレタン変性体などの変性シランカップリング剤やこれ以外のシランカップリング剤が挙げられ、アミノシランカップリング剤としては、アミノメチルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)メチルトリブトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノイソブチルトリメトキシシラン、N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。メルカプトシランカップリング剤としては、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルエチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルエチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、2−メルカプトエチルメチルジメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどが挙げられる。これ以外のシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルメチルジメトキシシラン等のエポキシシランカップリング剤、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のビニル基や(メタ)アクリロイル基を含有したシランカップリング剤、及びメチルシリケート、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン等の炭化水素基含有シランカップリング剤などが挙げられる。
シランカップリング剤の部分加水分解縮合物としては、前記に挙げたシランカップリング剤の部分加水分解縮合物で、その数平均分子量が250〜2500のものが挙げられる。このような部分加水分解縮合物はシランカップリング剤を単独又は複数混合し、必要量の水を加え、また必要に応じて塩酸、硫酸等の縮合触媒を少量加え、常温〜100℃で生成するメタノールを除去しながら縮合を進めることにより容易に得られる。
メチルシリケートの部分加水分解縮合物でメトキシシリル基を含有する化合物としては日本コルコート社製のメチルシリケート47、メチルシリケート51、メチルシリケート55、メチルシリケート58、メチルシリケート60などが挙げられ、またメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等の部分加水分解縮合物でメトキシシリル基を含有する化合物としては信越化学社製のAFP−1、AFP−6、KR213、KR217、KR9218;東芝シリコーン社製のTRS165、TR3357;日本ユニカー社製のY−1587、FZ−3701、FZ−370等が挙げられる。また、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルトリアルコキシシランとジメチルジアルコキシシランとの部分加水分解縮合物として日本ユニカー社製のC1−031−07、3−アミノプロピルトリアルコキシシランとの部分加水分解縮合物として日本ユニカー社製のC1−031−09などが挙げられる。
【0028】
貯蔵安定性改良剤としては、組成物中に存在する水分と反応する、前記ビニルトリメトキシシランなどの低分子の架橋性シリル基含有化合物、酸化カルシウム、p−トルエンスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
【0029】
意匠性付与剤は、一液型湿気硬化性組成物に配合することにより硬化物表面の艶を消す補助をしたり、表面の艶を消すと共に凹凸を付与し天然のざらついた岩石を模した外観を付与したりして意匠性を付与する効果を発揮させるものであり、具体的に、艶消しを付与するものとしては、例えば、蜜ロウ、カルナバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類やステアリン酸アミド等の高級脂肪族化合物などが挙げられる。
表面の艶を消すとともに凹凸を付与するものとしては、粒状物やバルーンなどが挙げられ、粒状物としては前記充填材として挙げたものと同様のもので、粒径が50μm以上の大きなものが挙げられる。
バルーンは中空の物質であり、その形状は球状だけでなく、立方状、直方状、金平糖状など各種あり、また一液型湿気硬化性組成物に対する凹凸付与効果を消失させない程度にバルーンを少し破壊したものも挙げられるが、一液型湿気硬化性組成物の作業性の良さから球状が好ましい。具体的に例えば、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、セラミックバルーン等の無機系バルーン、フェノール樹脂バルーン、尿素樹脂バルーン、ポリスチレンバルーン、ポリエチレンバルーン、サランバルーン等の有機系バルーン、或いは無機系化合物と有機系化合物を混合したり積層したりした複合化バルーンなどが挙げられる。
また、これらのバルーンをコーティングしたり表面処理したりしたものも使用でき、例えば、無機系バルーンを前記シランカップリング剤などで表面処理したもの、有機系バルーンを炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどでコーティングしたものなども挙げられる。
これらのうち、意匠性付与効果の大きさの点から、粒状物及び/又はバルーンが好ましく、更に粒状無機系充填剤及び/又は無機系バルーンが好ましく、特に粗粒重質炭酸カルシウム及び/又はセラミックバルーンが好ましい。
粒状物及び/又はバルーンの粒径は、意匠性付与効果の大きさの点から50μm以上、更には100〜1,000μmが好ましい。
【0030】
着色剤としては、酸化チタンや酸化鉄などの無機系顔料、銅フタロシアニンなどの有機系顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0031】
本発明の一液型湿気硬化性組成物は粘度が低いため、溶剤は使用しなくてもよいか、使用しても極めて少ない量で済み、環境負荷物質を放出しないので安全性が高い。
溶剤としては、n−ヘキサンなどの脂肪族系溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族系溶剤、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤、これらを含有する石油系溶剤など従来公知の有機溶剤が挙げられ、これらは組成物の各成分に反応しないものであればどのようなものでも使用することができる。
【0032】
添加剤(F)は合計で、オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0〜500質量部、特に10〜200質量部使用するのが好ましい。
特に溶剤は、安全性の点で一液型湿気硬化性組成物中に10質量%未満、更に5質量%未満、より更に1質量%未満となるように使用するのが好ましく、最も好ましいのは0質量%と使用しないことである。
【0033】
本発明において、前記添加剤(F)各成分はそれぞれ単独で或いは2種以上組み合わせて使用することができる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明について実施例等により更に詳細に説明する。
〔イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成〕
合成例1
攪拌機、温度計、窒素シール管及び加温・冷却装置の付いた反応容器に、窒素気流下で、ポリオキシプロピレンジオール(旭硝子社製エクセノール−3021、数平均分子量3296)253.5gと、ポリオキシプロピレントリオール(三井化学社製MN4000、数平均分子量3980)69.0gと、2官能アクリルモノマージオール(日本化薬社製、KAYARAD R―167、平均分子量374)10.5gを仕込み、攪拌しながらイソホロンジイソシアネート(デグサジャパン社製IPDI、分子量222.3)50.23g(R値(NCO当量/OH当量)=1.73)とジブチル錫ジラウレート0.12gを加えたのち、加温して70〜80℃で4時間攪拌して、イソシアネート基含有量が理論値(0.77質量%)以下となった時点で反応を終了し、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーU−1を製造した。
【0035】
合成例2
合成例1において、ポリオキシプロピレンジオール(旭硝子社製エクセノール−3021、数平均分子量3296)を232.8g、ポリオキシプロピレントリオール(三井化学社製MN4000、数平均分子量3980)を89.7g、イソホロンジイソシアネート(デグサジャパン社製IPDI、分子量222.3)を50.60g(R値(NCO当量/OH当量)=1.73)とした以外は同様にして、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーU−2を製造した。
【0036】
〔水酸基含有オキサゾリジン化合物の合成〕
合成例3
攪拌機、温度計、エステル管及び加温・冷却装置の付いた反応容器に、ジエタノールアミンを435.0g入れた後、トルエンを183.3g加えた。この中に攪拌しながら更にイソブチルアルデヒド328.3gを加えたのち、加温して110〜150℃で3時間脱水反応を続けて、エステル管により水74.5gを除いた。次いで減圧して、過剰のイソブチルアルデヒド及びトルエンを除去して、水酸基含有オキサゾリジン化合物O−1を得た。
得られた水酸基含有オキサゾリジン化合物O−1は、常温で透明の液体であった。
【0037】
〔ウレタン基含有オキサゾリジン化合物の合成〕
合成例4
合成例3と同様にして、水酸基含有オキサゾリジン化合物O−1を得た。
この水酸基含有オキサゾリジン化合物O−1 658.9g中にヘキサメチレンジイソシアネート341.0gを加え、80℃で8時間加熱し、NCO濃度が0.01質量%以下となった時点(実測NCO濃度0.0質量%)をウレタン化反応の終点として、ウレタン基含有オキサゾリジン化合物O−2を製造した。
得られたウレタン基含有オキサゾリジン化合物O−2は、常温で半透明の液体であった。
【0038】
〔液状ポリウレタン樹脂の合成〕
合成例5
攪拌機、温度計、窒素シール管及び冷却器の付いた加温反応容器に、窒素気流下で、ポリオキシプロピレンモノオール(旭硝子社製XS−M3000、数平均分子量3,243、分子量分布(Mw/Mn)1.0〜1.1)300g(OH当量:0.0925)を仕込み、攪拌しながらジブチル錫ジラウレート0.1gとm−キシリレンジイソシアネート(武田薬品社製タケネート500、分子量188)9.1g(NCO当量:0.0968)(R値(NCO当量/OH当量)=1.05)を加えたのち、加温して70〜80℃で4時間攪拌して、イソシアネート基含有量が理論値(0.06質量%)以下となった時点で反応を終了し、液状のポリウレタン樹脂を製造した。
この液状ポリウレタン樹脂は、滴定による実測イソシアネート基含有量0.04質量%、粘度3,300mPa・s/25℃、分子量分布(Mw/Mn)1.0〜1.1の常温で透明の液体であった。
【0039】
実施例1
加熱、冷却装置及び窒素シール管付き混練容器に、窒素気流下で、合成例1で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーU−1 100.0g、合成例3で得た水酸基含有オキサゾリジン化合物O−1 2.4gを仕込み、攪拌しながら加温して70〜80℃で4時間反応させた。次に、合成例5で得た液状ポリウレタン樹脂38.0g、石油系溶剤(ジャパンエナジー社製カクタスソルベントP−20)8.4gを仕込み、攪拌混合した。次に、予め90〜100℃の乾燥機中で乾燥して含有水分0.05質量%以下にした重質炭酸カルシウム63.7g、同様に予め乾燥させた(脂肪酸)表面処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、カルファインN40)48.1g、同様に予め乾燥させた酸化チタン15.7gを仕込み、内容物が均一になるまで攪拌混合した。次に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノックス245)1.2g、ヒンダードアミン系酸化防止剤(アデカ社製アデカスタブLA−63A)1.5g、p−トルエンスルホニルイソシアネート0.3g、ジブチル錫ジアセチルアセトナート0.1gを仕込み、内容物が均一になるまで攪拌、混合し、次いで減圧脱泡し容器に充填、密封して、一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
【0040】
実施例2
実施例1において、合成例3で得た水酸基含有オキサゾリジン化合物O−1を2.9gとした以外は同様にして、一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
【0041】
実施例3
実施例1において、合成例3で得た水酸基含有オキサゾリジン化合物O−1を2.0gとした以外は同様にして、一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
【0042】
実施例4
実施例1において、合成例3で得た水酸基含有オキサゾリジン化合物O−1を2.9gとした以外は同様にして、一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
【0043】
比較例1
加熱、冷却装置及び窒素シール管付き混練容器に、窒素気流下で、合成例1で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーU−1 100.0g、合成例4で得たウレタン基含有オキサゾリジン化合物O−2 3.6g、合成例5で得た液状ポリウレタン樹脂38.0g、石油系溶剤(ジャパンエナジー社製カクタスソルベントP−20)8.4gを仕込み、攪拌混合した。次に、予め90〜100℃の乾燥機中で乾燥し含有水分0.05質量%以下にした重質炭酸カルシウム63.7g、同様に予め乾燥させた脂肪酸(表面)処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、カルファインN40)48.1g、同様に予め乾燥させた酸化チタン15.7gを仕込み、内容物が均一になるまで攪拌混合した。次に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノックス245)1.2g、ヒンダードアミン系酸化防止剤(アデカ社製アデカスタブLA−63A)1.5g、p−トルエンスルホニルイソシアネート0.3g、ジブチル錫ジアセチルアセトナート0.1gを仕込み、内容物が均一になるまで攪拌、混合し、次いで減圧脱泡し容器に充填、密封して、一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
【0044】
比較例2
比較例1において、合成例4で得たウレタン基含有オキサゾリジン化合物O−2を7.7gとした以外は同様にして、一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
【0045】
比較例3
実施例1において、合成例3で得た水酸基含有オキサゾリジン化合物O−1を2.5g使用し、ジブチル錫ジアセチルアセトナートを用いない以外は同様にして、一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
【0046】
比較例4
実施例1において、合成例1で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーU−1 100.0gの代わりに合成例2で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーU−2 100.0gを使用し、合成例3で得た水酸基含有オキサゾリジン化合物O−1を2.5g使用し、ジブチル錫ジアセチルアセトナートを用いない以外は同様にして、一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
【0047】
〔性能試験〕
(1)作業性
JIS A1439;1997「建築用シーリング材の試験方法」4.14試験用カートリッジによる押出し試験に準拠して、標準状態(23℃50%相対湿度)で押出し時間(秒)を測定した。
(2)スランプ
JIS A1439;1997「建築用シーリング材の試験方法」4.1スランプ試験に準拠して、標準状態(23℃50%相対湿度)でスランプ(縦、mm)を測定した。
(3)タックフリー時間
JIS A1439;1997「建築用シーリング材の試験方法」4.19タックフリー試験に準拠して、標準状態(23℃50%相対湿度)でタックフリー時間(hrs)を測定した。
(4)発泡性
厚さ3mmのラワン合板の表面に一液型湿気硬化性シーリング材組成物をおおよそ幅20mm×高さ10mm×長さ100mmのビード状に打設し、23℃50%相対湿度で14日間養生硬化させて試験体とした。次に、この試験体を、ビード状の幅の中心付近を長さ方向にカッターで切り裂き、硬化物内部の発泡の有無を目視により観察した。
発泡が認められないか、極めて少ない場合を○、発泡が多数認められる場合を×と評価した。
(5)耐候性
一液型湿気硬化性シーリング材組成物を泡を巻き込まないようにシート状に塗布し、23℃、50%相対湿度の標準状態で14日間養生硬化させ、厚み3mmの短冊状試験片を作製した。JIS K6266;1996「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの耐候性試験方法」5.オープンフレームカーボンアーク灯式耐候性試験により、サンシャインウェザーメーターを用いてSA法、ブラックパネル温度63℃、120分照射18分水噴霧の条件で試験片に光を照射した。500時間照射後、1000時間照射後、2000時間照射後に試験片を取り出し、目視により試験片表面を観察した。
表面に明瞭なひび割れが認められないか、ひび割れが極めて少ない場合を○、明瞭なひび割れが多数認められる場合を×と評価した。
(6)耐久性
JIS A1439;1997「建築用シーリング材の試験方法」4.17耐久性試験(耐久性区分9030)に準拠して試験した。被着体はモルタルを使用し、プライマー(OP−2531、オート化学工業製、刷毛による塗布、オープタイム30分)処理して、試験に供した。
試験体について、試料の溶解、膨潤、ひび割れ、被着体からの剥離などの明確な異常のない場合を合格、試料の溶解、膨潤、ひび割れ、被着体からの剥離などの明確な異常のあある場合を不合格とした。
(7)引張接着性
JIS A1439;1997「建築用シーリング材の試験方法」4.21引張接着性試験に準拠して、養生後の引張試験を行なった。被着体はモルタルを使用し、プライマー(OP−2531、オート化学工業製、刷毛による塗布、オープタイム30分)処理して、試験に供し、M50(N/cm)、Tmax(N/cm)及びEmax(%)を測定した。
これらの結果と一液型湿気硬化性シーリング材組成物の組成をまとめて表1に示す。
【0048】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、表面処理炭酸カルシウム(B)と、光安定剤(C)と、硬化促進剤(D)とを含有すること、を特徴とする一液型湿気硬化性組成物。
【請求項2】
前記オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)と活性水素基含有オキサゾリジン化合物(a2)とを活性水素基に対してイソシアネート基が過剰の条件で反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーである、請求項1に記載の一液型湿気硬化性組成物。
【請求項3】
前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)が、ポリオキシアルキレン系ポリオールと、活性水素基及びエチレン性不飽和基をそれぞれ2個以上有する化合物と、有機イソシアネートとを、水酸基を含む活性水素基に対してイソシアネート基が過剰の条件で反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーである、請求項2に記載の一液型湿気硬化性組成物。
【請求項4】
前記有機イソシアネートが、脂環族ポリイソシアネートである、請求項3に記載の一液型湿気硬化性組成物。
【請求項5】
前記活性水素基及びエチレン性不飽和基をそれぞれ2個以上有する化合物が、水酸基とアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基とをそれぞれ2個以上有する化合物である、請求項3又は4に記載の一液型湿気硬化性組成物。
【請求項6】
前記光安定剤(C)が、低分子量のヒンダードフェノール系酸化防止剤と高分子量のヒンダードアミン系酸化防止剤からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の一液型湿気硬化性組成物。
【請求項7】
更に可塑剤(E)を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の一液型湿気硬化性組成物。
【請求項8】
更に添加剤(F)を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の一液型湿気硬化性組成物。
【請求項9】
オキサゾリジン環及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、表面処理炭酸カルシウム(B)と、光安定剤(C)と、硬化促進剤(D)とを含有すること、を特徴とする一液型湿気硬化性シーリング材組成物。


【公開番号】特開2009−67917(P2009−67917A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238961(P2007−238961)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(000103541)オート化学工業株式会社 (83)
【Fターム(参考)】