説明

一芯双方向光伝送システムおよび一芯双方向用光増幅器並びに一芯双方向光伝送方法

【課題】安価に、一芯双方向伝送路の長距離化を図ることが可能な一芯双方向光伝送システムを提供する。
【解決手段】複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路500を介して第一の光送受信端10Aと第二の光送受信端10Bとの間で双方向伝送を行い、かつ、第一の光送受信端10Aの光送信器(Tx)200からの第一の信号光と、逆に、一芯双方向伝送路500を介して第一の光送受信端10Aの光受信器(Rx)300へ入力する第二の信号光とを、光合波素子の一例であるRed/Blueフィルタ120を用いて同じ向きに合波してから、より大きな信号レベルの第一の信号光をクランプ光として、一台の光増幅器100の光増幅部110にて、一括増幅した後、増幅後の第二の信号光を光受信器(Rx)300へ、また、増幅後の第一の信号光を一芯双方向伝送路500へ、光分波素子の一例であるRed/Blueフィルタ130により分波する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一芯双方向光伝送システムおよび一芯双方向用光増幅器並びに一芯双方向光伝送方法に関し、特に、一芯の光ファイバにて双方向伝送を行う一芯双方向光ファイバ伝送において、1台の光増幅器により双方向の光信号の一括増幅を行う、一芯双方向光伝送システムおよび一芯双方向用光増幅器並びに一芯双方向光伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一本の光ファイバで双方向伝送を行う一芯双方向光伝送技術においては、二本のファイバがそれぞれ片方向ずつの光信号の伝送を行う二芯双方向伝送と比較して、用いる光ファイバが(1/2)となるので、新規に光ファイバを敷設する場合には、敷設ファイバが(1/2)、敷設済みで未使用のダークファイバを用いる場合には、ファイバ使用料が(1/2)となるため、経済的なシステムを構築することが可能である。
【0003】
特に、コストが重視される光アクセス系においては、一芯双方向光伝送が用いられることが多い。光スプリッタによって、一台の通信局と複数の加入者宅内装置との間を1対多接続するPON(Passive optical Network)技術も、一芯双方向光伝送を用いている。
【0004】
光通信においては、長距離伝送を実現するために、光伝送路の損失により減衰した光信号を、光/電気(O/E)変換や電気/光(E/O)変換することなく、光増幅器を用いて、光信号のまま増幅している。光増幅器は、ビットレートや信号フオーマットに依存しないこと、波長多重信号の一括増幅が可能なこと、等の特徴を有しており、柔軟で低コストのネットワークを実現することが可能である。
【0005】
一般に、Cバンド、Lバンド用の光増幅器としては、エルビウムドープファイバに信号光とともに励起光を入射し、信号光を増幅するエルビウムドープファイバ増幅器が用いられている。O(Original)帯においては、プラセオジウムドープファイバ増幅器が有力な増幅技術である。
【0006】
これらの光増幅器は、利得が高いため、接続点の反射などにより発振し易い。かかる発振現象を抑制するために、光増幅器は、アイソレータを内部に挿入して、一方向に伝送する信号光のみを増幅するように作られている。そのため、一芯の光ファイバにおいて光信号が双方向に伝送する一芯双方向伝送路の場合には、単純に、このような光増幅器を挿入することはできない。なお、光増幅器として半導体光増幅器(SOA)を用いた場合も、同様である。
【0007】
そこで、構成は複雑であるが、一芯双方向伝送光増幅器として種々の手法が提案されている。例えば、図10に示すように、光送受信端81、82、91、92からそれぞれ送受信される信号251、253、281、283を、光サーキュレータ83、85、88、90を介して、一芯双方向伝送路84、89に伝送する構成を用い、一芯双方向伝送路84、89において上下それぞれ異なる方向に進行する信号252、262、272、282を光サーキュレータ83、85、88、90によって上下方向それぞれに分波して、一方向のみの光信号を増幅する光増幅器86、87を用いて、別々に増幅した後、再び、光サーキュレータ83、85、88、90によって合波するという方法が提案されている。ここに、図10は、関連する一芯双方向光伝送システムにおける構成を示すブロック図である。
【0008】
この時、光増幅器86、87においては、励起光と信号光とを合波するための光合波素子が必要である。また、一芯双方向伝送路84、89中の信号252、262、272、282を上下分離するためには、光分波素子が必要となる。かくのごとき光合波素子と光分波素子とを、4ポートの光サーキュレータで共用する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
さらに、光増幅器における励起光と信号光との合波の際に、反射器を利用して、光合波素子と光分波素子との共用を図った構成(例えば、特許文献2参照)、あるいは、該構成に類似の構成も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0010】
一方、上下方向の光信号を分離することなく増幅する手法としては、双方向伝送路にエルビウムドープファイバを接続して、励起光を上下の両方向に加え、上りおよび下りの光信号を双方向増幅する技術も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0011】
光通信システム、特に、メトロ領域やアクセス領域を対象とする光通信システムにおいては、コストが優先課題となり、低コストのものを使用することが望ましい。関連する一芯双方向用光増幅器のうち、前記特許文献1、2、3に記載されているように、上下方向の光信号を分離し、それぞれ別々に増幅する手法では、光増幅器が上下方向で2台必要となり、コストが高くなること、装置サイズが大きくなること、消費電力が大きくなること等の問題がある。
【0012】
また、前記特許文献1、2、3の手法では、双方向伝送の上下信号の分離と、光増幅器の信号光と励起光との合波の双方を組み合わせて、合分波素子の共用を図っているので、一芯双方向用光増幅器専用のものを新規に開発することが必要であり、コストが高くなるという問題がある。
【0013】
一方、上下方向の光信号を分離することなく、光信号を増幅する手法としては、前記特許文献4や前記非特許文献1に記載の手法があるが、かくのごとき一芯双方向用光増幅器を使用する手法の場合は、エルビウムドープファイバと伝送路との接合点や伝送路等で起こる反射によって、光増幅器内で発振が起こらないように、光アイソレータの挿入が不可欠である。よって、かくのごとき構成は、実現性に乏しいという問題がある。
【0014】
同様な構成を用いて、下り方向の連続信号をクランプ光として用い、上りバースト信号の増幅に対応させる構成についても検討されている(例えば、非特許文献1)参照。
【0015】
これらの問題を解決するための一芯双方向伝送光増幅器として、特許文献5のものが提案されている。特許文献5の一芯双方向伝送光増幅器では、一芯双方向伝送路で伝送される双方向の光信号を一台の光増幅により一括増幅している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開平6−342950号公報(第4〜6頁、図1)
【特許文献2】特開平11−274625号公報(第7,8頁、図1)
【特許文献3】特開2002−118313号公報(第5,6頁、図1)
【特許文献4】特開平3−92827号公報(第6〜8頁、図1)
【特許文献5】特開2004−343266号公報(第161頁右下欄、第162頁左上欄、図6)
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】信学技報CS2006‐79(2007‐1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、特許文献5おいては、例えば上下非対称な信号形態をとるようなシステムの場合、光増幅動作の安定性について十分には考慮されていないという問題がある。例えば、PONシステムのように一方が連続信号、他方がバースト信号のような場合に、バースト信号の増幅時において、瞬間的な利得特性に起因して光サージが生じ、安定した光増幅動作を実現することが困難になるという問題がある。
【0019】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、前述した問題点を解消し、安価に、一芯双方向伝送路の長距離化を図ることが可能な一芯双方向光伝送システムおよび一芯双方向用光増幅器並びに一芯双方向光伝送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前述の課題を解決するため、本発明による一芯双方向光伝送システムおよび一芯双方向用光増幅器並びに一芯双方向光伝送方法は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0021】
(1)複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行い、かつ、前記第一の光送受信端の光送信器から出力された第一の信号光と、前記一芯双方向伝送路を介して前記第一の光送受信端の光受信器へ入力する第二の信号光とを、光増幅部の前段に挿入した光合波素子を用いて同じ向きに合波してから前記光増幅部にて一括増幅をする光増幅器を有する一芯双方向光伝送システムであって、前記光増幅部は、前記第一の信号光をクランプ光として利得をクランプすることにより前記一括増幅をする一芯双方向光伝送システム。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一芯双方向光伝送システムおよび一芯双方向用光増幅器並びに一芯双方向光伝送方法によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0023】
つまり、本発明により、光サージ等の影響を低減し、光増幅動作の安定性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第一の実施形態による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す一芯双方向用光増幅器のBlue/Redフィルタの透過特性と、光増幅帯域、伝送信号の波長の関係を説明するための説明図である。
【図3】図1に示す一芯双方向光伝送システムの動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】図1に示す一芯双方向光伝送システムの動作の一例をさらに説明するためのタイミングチャートである。
【図5】本発明の第二の実施形態による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の動作を説明するタイミング図である。
【図7】本発明の動作を説明するタイミング図である。
【図8】本発明の第一の実施形態の変形例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第二の実施形態の変形例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図10】関連する一芯双方向光伝送システムにおける構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明に係る一芯双方向光伝送システムおよび一芯双方向用光増幅器並びに一芯双方向光伝送方法の最良の実施形態について、その一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムおよび一芯双方向用光増幅器並びに一芯双方向光伝送方法であり、かつ、前記第一の光送受信端の光送信器から出力された第一の信号光と、逆に、前記一芯双方向伝送路を介して前記第一の光送受信端の光受信器へ入力する第二の信号光とを、光増幅部の直前に挿入した光合波素子を用いて同じ向きに合波してから一括増幅する一台の光増幅器を有する一芯双方向光伝送システムおよび一芯双方向用光増幅器並びに一芯双方向光伝送方法であって、前記光増幅器は、より大きな信号レベルの前記光送信器から出力された第一の信号光をクランプ光とし、合波した前記第一の信号光と前記一芯双方向伝送路を伝搬してきた第二の信号光とを一括増幅した後、増幅後の前記第二の信号光を前記光受信器へ出力する信号と、増幅後の前記第一の信号光を前記一芯双方向伝送路へ出力する信号とに、光増幅部の直後に挿入した光分波素子により分波することを特徴としている。
【0027】
このとき、前記光合波素子および前記光分波素子は、少なくとも、Blue/Redフィルタまたは光インタリーバのいずれかであることを特徴としている。
【0028】
また、複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路と光スプリッタとを介して第一の光送受信端と第二、第三、…の複数の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムおよび一芯双方向用光増幅器並びに一芯双方向光伝送方法であり、かつ、前記第一の光送受信端の光送信器から出力された第一の信号光と、逆に、前記一芯双方向伝送路を介して前記第一の光送受信端の光受信器へ入力する第二、第三、…の複数の光送受信端からの信号光とを、光増幅部の直前に挿入した光合波素子を用いて同じ向きに合波してから一括増幅する一台の光増幅器を有する一芯双方向光伝送システムおよび一芯双方向用光増幅器並びに一芯双方向光伝送方法であって、前記光増幅器は、より大きな信号レベルの前記光送信器から出力された第一の信号光をクランプ光とし、合波した前記第一の信号光と前記一芯双方向伝送路を伝搬してきた第二、第三、…の複数の信号光とを一括増幅した後、増幅後の前記第二、第三、…の複数の信号光を前記光受信器へ出力する信号と、増幅後の前記第一の信号光を前記一芯双方向伝送路に出力する信号とに、光増幅部の直後に挿入した光分波素子により分波することを特徴としている。
【0029】
このとき、前記光合波素子および前記光分波索子は、少なくとも、Blue/Redフィルタまたは光インタリーバのいずれかであることを特徴としている。
【0030】
(第一の実施形態)
次に、本発明に係る第一の実施形態について図1〜図4を参照して説明する。図1は、本発明の第一の実施形態による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【0031】
図1において、伝送路の一端の第一の光送受信端10Aは、一芯双方向用光増幅器100と、第一の光送信器(Tx)200と、第一の光受信器(Rx)300とから構成され、光サーキュレータ400を経て、一芯のシングルモードファイバによる一芯双方向伝送路500の一方に接続されている。また、伝送路の他端の第二の光送受信端10Bは、第二の光送信器(Tx)700と第二の光受信器(Rx)800とから構成され、光サーキュレータ600を経て、一芯双方向伝送路500の他方に接続されている。第一の光受信器300の受信パワーは、パワーモニター(Power Monitor)信号として第一の光送信器200に供給される。
【0032】
一芯双方向用光増幅器100は、例えばコアに希土類元素であるエルビウム(Er)をドープしたエルビウムドープファイバ増幅部からなる光増幅部110と、該光増幅部110の直前に挿入されたBlue/Redフィルタ120と、該光増幅部110の直後に挿入されたBlue/Redフィルタ130とからなっている。光増幅部110における増幅利得は、利得(Gain)信号として第一の光送信器200に供給される。
【0033】
ここで、Blue/Redフィルタ120およびBlue/Redフィルタ130は、光信号の波長帯域の相違を利用して光の合分波を行う素子である。ポートB、ポートC、ポートRは、それぞれ、Blueポート、Commonポート、Redポートを示している。
【0034】
BlueポートおよびRedポートの透過特性は、それぞれ、図2に示すような特性を有しており、BlueポートとCommonポートとの挿入損失、あるいは、RedポートとCommonポートとの挿入損失は、どちらも、1dBであり、BlueポートとRedポートとのアイソレーションは30dB以上である。図2は、図1に示す一芯双方向用光増幅器100のBlue/Redフィルタ120、130の透過特性と、光増幅帯域、伝送信号の波長の関係を説明するための説明図である。
【0035】
また、BlueポートおよびRedポートのパスバンドは、それぞれ、1530.0から1543.2nm、および、1547.4〜1561.0nmである。BlueポートおよびRedポートでは、パスバンド内の波長の信号のみを透過し、Commonポートは、光信号の波長の如何に関わらず、透過するので、Blue/Redフィルタ120およびBlue/Redフィルタ130においては、波長帯による合分波が行われることになる。
【0036】
図1において、第一の光送信器200からの光信号を伝送速度1OGbps、波長λ1を1558.98nmとし、第二の光送信器700からの光信号を伝送速度1OGbps、波長λ2を1540.56nmとすると、波長λ1の光信号は、Blue/Redフィルタ120およびBlue/Redフィルタ130のRedポートのみを透過し、波長λ2の光信号は、Blue/Redフィルタ120およびBlue/Redフィルタ130のBlueポートのみを透過する。したがって、Blue/Redフィルタ120およびBlue/Redフィルタ130においては、波長による合分波が行われ、光合波素子および光分波素子として機能する。なお、該光合波素子および該光分波素子として、Blue/Redフィルタ120およびBlue/Redフィルタ130の代わりに、波長によりチャンネルの分離統合を行う光インタリーバ(Optical Interleaver)を用いるようにしても良い。
【0037】
また、光増幅部110は、波長範囲1535.11〜1559.48nmにおいて、後述するように、複数の入力信号のチャネル間のレベル差が大きくなった時、より大きい信号レベル側の入力信号によって、利得がクランプされる。光増幅部110の利得は、信号レベルの大きい側の入力信号によりクランプされることにより、他方の入力信号(レベルの小さい側の入力信号)のレベル変動に拘わらず信号利得が一定に保持される。このように利得がクランプされた状態では、レベルの小さい側の入力信号がon/offするバースト信号であっても、バースト信号の出力レベルの変動、例えばoffからonへの変動時の光サージは小さくなる。
【0038】
図3に示すように、第二の光送信器700からの信号は、一芯双方向伝送路500を経てから、一芯双方向用光増幅器100の光増幅部110に入力するので、パワーは減衰している。ここで、本実施例においては、光送信器700からの信号は、バースト信号と仮定している。その一方、第一の光送信器200からの信号は、一芯双方向伝送路500を伝送していないため、ほとんど減衰することなく、一芯双方向用光増幅器100の光増幅部110に入力する。図3は、図1に示す一芯双方向光伝送システムの動作の一例を説明するためのタイミング図であり、第一光送信器200および第二の光送信器700のそれぞれから入力される信号の信号レベルの一例を示している。光増幅部110の入力端において、第一光送信器200から送信され信号と第二の光送信器700から送信され信号とのレベル差は、例えば25dBである。このとき、一例として、第一光送信器200から送信され光増幅部110に入力される信号のレベルが-5dBmとすると、第二の光送信器700から送信され光増幅部110に入力される信号のレベルは-30dBmである。
【0039】
図4は、光増幅部110の出力信号のレベルを示すタイミング図である。前に述べたように、信号レベルがより大きな第一の光送信器200からの信号によって光増幅部110の利得がクランプされる。そこで、光増幅部110では、光送信器700からバースト信号が入力された場合であっても、図4のタイミング図に示すように、バースト信号による光サージ(信号のオーバーシュート)が生じず、安定した光増幅動作が実現できる。図4のタイミング図は、図1に示す一芯双方向光伝送システムにおいて、一芯双方向伝送路500で大きく減衰し、しかもon及びoffを繰り返すレベル差の大きいバースト信号が、光増幅部110により増幅される際に、大きい信号レベル側の第一の光送信器200からの信号によって利得クランプされることにより、安定したレベルであって、光サージのない信号として光増幅部110の出力として得られることを説明している。
【0040】
図1の実施の形態の一芯双方向光伝送システムでは、第一の光送信器200には、第一の光受信器300の受信パワーがパワーモニター(Power Monitor)信号として供給され、また光増幅部110における増幅利得が利得(Gain)信号として供給される。第一の光送信器200は、第一の光受信器300の受信パワー及び光増幅部110における増幅利得を受け、(受信パワー)−(増幅利得)より十分に大きいパワーの信号を出力する。仮に、受信パワーが-25dBmであり、増幅利得が8dBとすると、第一の光送信器200の出力信号のパワーは、-17dBmより十分大きい値に制御し、例えば-7dBmとする。このように、図1の実施の形態の一芯双方向光伝送システムは、第一の光受信器300の受信パワー及び光増幅部110の利得に基いて、第一の光送信器200の出力信号パワーを制御するので、一台の光増幅部110を用いて、一芯双方向伝送路500の距離に依存する受信パワーに拘わらず、光サージの影響がなく、常に安定した増幅動作を行わせることを可能にしている。
【0041】
また、第一の光送受信端10Aおよび第二の光送受信端10Bと一芯双方向伝送路500とのそれぞれの接続を、光サーキュレータ400、600を用いる代わりに、図8に示す第一の光送受信端10Aaおよび第二の光送受信端10Baのように、それぞれ、Blue/Redフィルタ410、610によって接続する構成においても、図1の場合と同様の動作を実現することができる。図8は、本発明の第一の実施形態の変形例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【0042】
以上に説明したように、本発明の第一の実施形態による図1、図8の一芯双方向用光増幅器100を用いることにより、安価に、一芯双方向伝送路の長距離化を図ることが可能な一芯双方向伝送を実現することができる。
【0043】
(第二の実施形態)
次に、本発明に係る第二の実施形態について図5〜図7を参照して説明する。図5は、本発明の第二の実施形態による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【0044】
図5においては、伝送路の一端の第一の光送受信端10Aの一台に、一芯双方向伝送路500、501、502と光スプリッタ510とを介して、第二の光送受信端10B、第三の光送受信端10C、…と複数台の光送受信端が接続される1対多接続形式で双方向伝送を行うシステムの構成例を示している。
【0045】
図5に示す第一の光送受信端10Aは、図1における第一の光送受信端10Aと同一構成であり、光サーキュレータ400を経て、一芯のシングルモードファイバによる一芯双方向伝送路500の一方に接続されている。一芯双方向伝送路500の他方は、光スプリッタ510を介して、一芯双方向伝送路501、一芯双方向伝送路502の一方に接続されている。
【0046】
また、図5に示す第二の光送受信端10Bおよび第三の光送受信端10Cは、いずれも、図1における第二の光送受信端10Bと同一構成である。第二の光送受信端10Bは、第二の光送信器(Tx)701と第二の光受信器(Rx)801と光サーキュレータ601とからなり、光サーキュレータ601を経て、一芯双方向伝送路501の他方に接続されている。また第三の光送受信端10Cは、第三の光送信器(Tx)702と第三の光受信器(Rx)802と光サーキュレータ602とからなり、光サーキュレータ602を経て、一芯双方向伝送路502の他方に接続されている。
【0047】
ここで、第一の光送受信端10Aから第二、第三の光送受信端10B、10C、…の複数の光送受信端への信号は連続信号であるが、逆に、第二、第三の光送受信端10B、10C、…の複数の光送受信端から第一の光送受信端10Aへの信号は、送信側の光送受信端毎に異なる送信時間を占有する時間多重アクセス(TDMA:Time Domain Multiple Access)方式が用いられる。
【0048】
そのため、図6に示すように、第二、第三の光送受信端10B、10C、…は、第二、第三の光送受信端10B、10C、…の光送信器701、702、…それぞれに割り当てられた時間帯において光信号をバースト的に一芯双方向伝送路501、一芯双方向伝送路502、…それぞれに送出する。
【0049】
第一の実施形態において説明したように、第一の光送受信端10Aの光増幅部110は、第一の光送信器200からのより大きい信号レベルの光信号によって、利得がクランプされるので、第二、第三の光送受信端10B、10C、…から光スプリッタ510、一芯双方向伝送路500を介してバースト信号が入力した場合であっても、光サージを生じることなく、安定した光増幅動作を実現することができる。第二の実施例では、第一の実施例と同様に第一の光送信器200は、第一の光受信器300の受信パワー及び光増幅部110における増幅利得を受け、(受信パワー)max−(増幅利得)より十分に大きいパワーの信号を出力する。ここで、第一の光送受信端10Aは、一芯双方向伝送路500、501、502を介して複数の送受信端と接続されているので、(受信パワー)maxは、第二、第三の光送信器701、702、…からの光信号のうちの最大のものを用いている。これらは、送受信端が接続されたときの初期化の段階でパワーを計測し、設定されることになる。
【0050】
また、第一の光送受信端10A、第二の光送受信端10B、第三の光送受信端10Cと一芯双方向伝送路500、501、502とのそれぞれの接続を、光サーキュレータ400、601、602を用いる代わりに、図9に示す第一の光送受信端10Ab、第二の光送受信端10Bb、第三の光送受信端10Cbのように、それぞれ、Blue/Redフィルタ410、611、612によって接続する構成においても、図5の場合と同様の動作を実現することができる。図9は、本発明の第二の実施形態の変形例による一芯双方向光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【0051】
以上に説明したように、本発明の第二の実施形態による図5、図9の一芯双方向用光増幅器100を用いることにより、安価に、一芯双方向伝送路の長距離化を図ることが可能な一芯双方向伝送を実現することができる
【0052】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。例えば、本発明の実施態様は、課題を解決するための手段における構成(1)に加えて、次のような構成として表現できる。
(2)前記光送信器は、前記光受信器の受信パワー及び前記光増幅部の利得に基いて、前記第一の信号光のパワーを制御する上記(1)の一芯双方向光伝送システム。
(3)前記光送信器は、前記受信パワー及び前記第一の信号光のパワーをdbmで表し、前記利得をdbで表したとき、前記受信パワーと前記利得との差より大きい値に前記第一の信号光のパワーを制御する上記(1)又は(2)の一芯双方向光伝送システム。
(4)前記光増幅器は、前記一括増幅をされた信号を前記第一の信号光と前記第二の信号光とに分波する光分波素子を有し、
前記光分波素子は、前記第一の信号光を前記一芯双方向伝送路に出力し、前記第二の信号光を前記光受信器へ出力する上記(1)乃至(3)の一芯双方向光伝送システム。
(5)前記光受信器は、前記光分波素子から受けた前記第二の信号光のパワーを表すパワーモニター信号を生成し、該パワーモニター信号で表した前記第二の信号光のパワーを前記受信パワーとして前記光送信器へ供給し、
前記光増幅部は、前記第一の信号光をクランプ光とすることによりクランプした前記利得を表す利得信号を生成し、該利得信号で表した前記利得を前記光増幅部の利得として前記光送信器へ供給する上記(4)の一芯双方向光伝送システム。
(6)前記光合波素子は、少なくとも、Blue/Redフィルタ又は光インタリーバのいずれかである上記(1)乃至(5)の一芯双方向光伝送システム。
(7)前記光分波素子は、少なくとも、Blue/Redフィルタ又は光インタリーバのいずれかである上記(4)又は(5)の一芯双方向光伝送システム。
(8)前記第一の信号光が連続信号光であり、前記第二の信号光がバースト信号光である上記(1)乃至(7)の一芯双方向光伝送システム。
(9)複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二、第三、…の光送受信端との間で双方向伝送を行い、かつ、前記第一の光送受信端の光送信器から出力された第一の信号光と、前記一芯双方向伝送路を介して前記第一の光送受信端の光受信器へ入力する前記第二、第三、…の複数の光送受信端からの信号光とを、光増幅部の前段に挿入した光合波素子を用いて同じ向きに合波してから前記光増幅部にて一括増幅をする光増幅器を有する一芯双方向光伝送システムであって、前記光増幅部は、前記第一の信号光をクランプ光として利得をクランプすることにより前記一括増幅をする一芯双方向光伝送システム。
(10)前記光送信器は、前記光受信器の受信パワー及び前記光増幅部の利得に基いて、前記第一の信号光のパワーを制御する上記(9)の一芯双方向光伝送システム。
(11)前記受信パワーは、前記第二、第三、…の複数の信号光のパワー内の最大のものとする上記(10)の一芯双方向光伝送システム。
(12)前記光送信器は、前記受信パワー及び前記第一の信号光のパワーをdbmで表し、前記利得をdbで表したとき、前記受信パワーと前記利得との差より十分に大きい値に前記第一の信号光のパワーを制御する上記(10)又は(11)の一芯双方向光伝送システム。
(13)前記光増幅器は、前記一括増幅をされた信号を前記第一の信号光と前記第二、第三、…の複数の信号光とに分波する光分波素子を有し、
前記光分波素子は、前記第一の信号光を前記一芯双方向伝送路に出力し、前記第二、第三、…の複数の信号光を前記光受信器へ出力する上記(9)乃至(12)の一芯双方向光伝送システム。
(14)前記光受信器は、前記第二、第三、…の複数の信号光のパワーを表すパワーモニター信号を生成し、該パワーモニター信号で表した前記第二の信号光のパワーを前記受信パワーとして前記光送信器へ供給し、
前記光増幅部は、前記第一の信号光をクランプ光とすることによりクランプした前記利得を表す利得信号を生成し、該利得信号で表した前記利得を前記光増幅部の利得として前記光送信器へ供給する上記(13)の一芯双方向光伝送システム。
(15)前記受信パワーは、前記第二、第三、…の複数の信号光のパワー内の最大のものとする上記(14)の一芯双方向光伝送システム。
(16)前記光合波素子は、少なくとも、Blue/Redフィルタ又は光インタリーバのいずれかである上記(9)乃至(15)の一芯双方向光伝送システム。
(17)前記光分波素子は、少なくとも、Blue/Redフィルタ又は光インタリーバのいずれかである上記(13)又は(16)の一芯双方向光伝送システム。
(18)前記第一の信号光が連続信号光であり、前記第二、第三、…の複数の信号光がバースト信号光である上記(9)乃至(17)の一芯双方向光伝送システム。
(19)複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムに設けられ、前記第一の光送受信端の光送信器から出力された第一の信号光と、前記一芯双方向伝送路を介して前記第一の光送受信端の光受信器へ入力する第二の信号光とを合波する光合波素子と、該光合波素子の出力の増幅により、前記第一の信号光と前記第二の信号光との一括増幅をする光増幅部とを有する一芯双方向用光増幅器であって、前記光増幅部は、前記第一の信号光をクランプ光として利得をクランプすることにより前記一括増幅をする一芯双方向用光増幅器。
(20)前記光送信器から出力される前記第一の信号光のパワーは、前記光受信器の受信パワー及び前記光増幅部の利得に基いて制御されている上記(19)の一芯双方向用光増幅器
(21)前記光送信器から出力される前記第一の信号光のパワーは、前記受信パワー及び前記第一の信号光のパワーをdbmで表し、前記利得をdbで表したとき、前記受信パワーと前記利得との差より大きい値に制御されている上記(19)又は(20)の一芯双方向用光増幅器。
(22)前記一括増幅をした信号を前記第一の信号光と前記第二の信号光とに分波する光分波素子を有し、
前記光分波素子は、前記第一の信号光を前記一芯双方向伝送路に出力し、前記第二の信号光を前記光受信器へ出力する上記(19)乃至(21)の一芯双方向用光増幅器。
(23)前記光合波素子は、少なくとも、Blue/Redフィルタ又は光インタリーバのいずれかである上記(19)乃至(22)の一芯双方向用光増幅器。
(24)前記光分波素子は、少なくとも、Blue/Redフィルタ又は光インタリーバのいずれかである上記(22)又は(23)の一芯双方向用光増幅器。
(25)前記第一の信号光が連続信号光であり、前記第二の信号光がバースト信号光である上記(19)乃至(24)の一芯双方向用光増幅器。
(26)複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二、第三、…の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムに設けられ、前記第一の光送受信端の光送信器から出力された第一の信号光と、前記一芯双方向伝送路を介して前記第一の光送受信端の光受信器へ入力する前記第二、第三、…の複数の光送受信端からの信号光とを合波する光合波素子と、該光合波素子の出力の増幅により、前記第一の信号光と前記第二、第三、…の複数の信号光との一括増幅をする光増幅部とを有する一芯双方向用光増幅器であって、前記光増幅部は、前記第一の信号光をクランプ光として利得をクランプすることにより前記一括増幅をする一芯双方向用光増幅器。
(27)前記光送信器から出力される前記第一の信号光のパワーは、前記光受信器の受信パワー及び前記光増幅部の利得に基いて制御されている上記(26)の一芯双方向用光増幅器
(28)前記光送信器から出力される前記第一の信号光のパワーは、前記受信パワー及び前記第一の信号光のパワーをdbmで表し、前記利得をdbで表したとき、前記受信パワーと前記利得との差より大きい値に制御されている上記(26)又は(27)の一芯双方向用光増幅器。
(29)前記一括増幅をされた信号を前記第一の信号光と前記第二、第三、…の複数の信号光とに分波する光分波素子を有し、
前記光分波素子は、前記第一の信号光を前記一芯双方向伝送路に出力し、前記第二、第三、…の複数の信号光を前記光受信器へ出力する上記(26)乃至(28)の一芯双方向用光増幅器。
(30)前記受信パワーは、前記第二、第三、…の複数の信号光のパワー内の最大のものとする上記(27)乃至(29)の一芯双方向用光増幅器。
(31)複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行い、かつ、前記第一の光送受信端の光送信器から出力された第一の信号光と、前記一芯双方向伝送路を介して前記第一の光送受信端の光受信器へ入力する第二の信号光とを、光合波素子を用いて同じ向きに合波してから光増幅部にて一括増幅をする一芯双方向光伝送方法であって、前記第一の信号光をクランプ光として利得をクランプすることにより前記一括増幅をする一芯双方向光伝送方法。
(32)前記光受信器の受信パワー及び前記光増幅部の利得に基いて、前記第一の信号光のパワーを制御する上記(31)の一芯双方向光伝送方法。
(33)前記受信パワー及び前記第一の信号光のパワーをdbmで表し、前記利得をdbで表したとき、前記受信パワーと前記利得との差より大きい値に前記第一の信号光のパワーを制御する上記(31)又は(32)の一芯双方向光伝送方法。
(34)前記一括増幅をされた信号を前記第一の信号光と前記第二の信号光とに分波し、分波した前記第一の信号光を前記一芯双方向伝送路に出力し、分波した前記第二の信号光を前記光受信器へ出力する上記(31)乃至(33)の一芯双方向光伝送方法。
(35)複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二、第三、…の光送受信端との間で双方向伝送を行い、かつ、前記第一の光送受信端の光送信器から出力された第一の信号光と、前記一芯双方向伝送路を介して前記第一の光送受信端の光受信器へ入力する前記第二、第三、…の複数の光送受信端からの信号光とを、光合波素子を用いて同じ向きに合波してから光増幅部にて一括増幅をする光増幅器を有する一芯双方向光伝送方法であって、前記第一の信号光をクランプ光として利得をクランプすることにより前記一括増幅をする一芯双方向光伝送方法。
(36)前記光受信器の受信パワー及び前記光増幅部の利得に基いて、前記第一の信号光のパワーを制御する上記(35)の一芯双方向光伝送方法。
(37)前記受信パワー及び前記第一の信号光のパワーをdbmで表し、前記利得をdbで表したとき、前記受信パワーと前記利得との差より大きい値に前記第一の信号光のパワーを制御する上記(35)又は(36)の一芯双方向光伝送方法。
(38)前記一括増幅をされた信号を前記第一の信号光と前記第二の信号光とに分波し、分波した前記第一の信号光を前記一芯双方向伝送路に出力し、分波した前記第二、第三、…の信号光を前記光受信器へ出力する上記(35)の乃至(37)の一芯双方向光伝送方法。
【符号の説明】
【0053】
10A 第一の光送受信端
10Aa 第一の光送受信端
10Ab 第一の光送受信端
10B 第二の光送受信端
10Ba 第二の光送受信端
10Bb 第二の光送受信端
10C 第三の光送受信端
10Cb 第三の光送受信端
81、82、91、92 光送受信端
83、85、88、90 光サーキュレータ
84、89 一芯双方向伝送路
86、87 光増幅器
100 一芯双方向用光増幅器
110 光増幅部
120、130 Blue/Redフィルタ
200 第一の光送信器(Tx)
251、253、281、283 信号
300 第一の光受信器(Rx)
400、600 光サーキュレータ
410、610 Blue/Redフィルタ
500、501、502 一芯双方向伝送路
510 光スプリッタ
601、602 光サーキュレータ
611、612 Blue/Redフィルタ
700、701 第二の光送信器(Tx)
702 第三の光送信器(Tx)
800、801 第二の光受信器(Rx)
802 第三の光受信器(Rx)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行い、かつ、前記第一の光送受信端の光送信器から出力された第一の信号光と、前記一芯双方向伝送路を介して前記第一の光送受信端の光受信器へ入力する第二の信号光とを、光増幅部の前段に挿入した光合波素子を用いて同じ向きに合波してから前記光増幅部にて一括増幅をする光増幅器を有する一芯双方向光伝送システムであって、前記光増幅部は、前記第一の信号光をクランプ光として利得をクランプすることにより前記一括増幅をすることを特徴とする一芯双方向光伝送システム。
【請求項2】
前記光送信器は、前記光受信器の受信パワー及び前記光増幅部の利得に基いて、前記第一の信号光のパワーを制御することを特徴とする請求項1に記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項3】
前記光送信器は、前記受信パワー及び前記第一の信号光のパワーをdbmで表し、前記利得をdbで表したとき、前記受信パワーと前記利得との差より大きい値に前記第一の信号光のパワーを制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項4】
前記光増幅器は、前記一括増幅をされた信号を前記第一の信号光と前記第二の信号光とに分波する光分波素子を有し、
前記光分波素子は、前記第一の信号光を前記一芯双方向伝送路に出力し、前記第二の信号光を前記光受信器へ出力することを特徴とする請求項1乃至3に記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項5】
前記光受信器は、前記光分波素子から受けた前記第二の信号光のパワーを表すパワーモニター信号を生成し、該パワーモニター信号で表した前記第二の信号光のパワーを前記受信パワーとして前記光送信器へ供給し、
前記光増幅部は、前記第一の信号光をクランプ光とすることによりクランプした前記利得を表す利得信号を生成し、該利得信号で表した前記利得を前記光増幅部の利得として前記光送信器へ供給する
ことを特徴とする請求項4に記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項6】
前記光合波素子は、少なくとも、Blue/Redフィルタ又は光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至5に記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項7】
前記光分波素子は、少なくとも、Blue/Redフィルタ又は光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項4又は5に記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項8】
前記第一の信号光が連続信号光であり、前記第二の信号光がバースト信号光であることを特徴とする請求項1乃至7に記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項9】
複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二、第三、…の光送受信端との間で双方向伝送を行い、かつ、前記第一の光送受信端の光送信器から出力された第一の信号光と、前記一芯双方向伝送路を介して前記第一の光送受信端の光受信器へ入力する前記第二、第三、…の複数の光送受信端からの信号光とを、光増幅部の前段に挿入した光合波素子を用いて同じ向きに合波してから前記光増幅部にて一括増幅をする光増幅器を有する一芯双方向光伝送システムであって、前記光増幅部は、前記第一の信号光をクランプ光として利得をクランプすることにより前記一括増幅をすることを特徴とする一芯双方向光伝送システム。
【請求項10】
前記光送信器は、前記光受信器の受信パワー及び前記光増幅部の利得に基いて、前記第一の信号光のパワーを制御することを特徴とする請求項9に記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項11】
前記受信パワーは、前記第二、第三、…の複数の信号光のパワー内の最大のものとすることを特徴とする請求項10に記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項12】
前記光送信器は、前記受信パワー及び前記第一の信号光のパワーをdbmで表し、前記利得をdbで表したとき、前記受信パワーと前記利得との差より十分に大きい値に前記第一の信号光のパワーを制御することを特徴とする請求項10又は11に記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項13】
前記光増幅器は、前記一括増幅をされた信号を前記第一の信号光と前記第二、第三、…の複数の信号光とに分波する光分波素子を有し、
前記光分波素子は、前記第一の信号光を前記一芯双方向伝送路に出力し、前記第二、第三、…の複数の信号光を前記光受信器へ出力することを特徴とする請求項9乃至12に記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項14】
前記光受信器は、前記第二、第三、…の複数の信号光のパワーを表すパワーモニター信号を生成し、該パワーモニター信号で表した前記第二の信号光のパワーを前記受信パワーとして前記光送信器へ供給し、
前記光増幅部は、前記第一の信号光をクランプ光とすることによりクランプした前記利得を表す利得信号を生成し、該利得信号で表した前記利得を前記光増幅部の利得として前記光送信器へ供給する
ことを特徴とする請求項13に記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項15】
前記受信パワーは、前記第二、第三、…の複数の信号光のパワー内の最大のものとすることを特徴とする請求項14に記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項16】
前記光合波素子は、少なくとも、Blue/Redフィルタ又は光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項9乃至15に記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項17】
前記光分波素子は、少なくとも、Blue/Redフィルタ又は光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項13又は16に記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項18】
前記第一の信号光が連続信号光であり、前記第二、第三、…の複数の信号光がバースト信号光であることを特徴とする請求項9乃至17に記載の一芯双方向光伝送システム。
【請求項19】
複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムに設けられ、前記第一の光送受信端の光送信器から出力された第一の信号光と、前記一芯双方向伝送路を介して前記第一の光送受信端の光受信器へ入力する第二の信号光とを合波する光合波素子と、該光合波素子の出力の増幅により、前記第一の信号光と前記第二の信号光との一括増幅をする光増幅部とを有する一芯双方向用光増幅器であって、前記光増幅部は、前記第一の信号光をクランプ光として利得をクランプすることにより前記一括増幅をすることを特徴とする一芯双方向用光増幅器。
【請求項20】
前記光送信器から出力される前記第一の信号光のパワーは、前記光受信器の受信パワー及び前記光増幅部の利得に基いて制御されていることを特徴とする請求項19に記載の一芯双方向用光増幅器
【請求項21】
前記光送信器から出力される前記第一の信号光のパワーは、前記受信パワー及び前記第一の信号光のパワーをdbmで表し、前記利得をdbで表したとき、前記受信パワーと前記利得との差より大きい値に制御されていることを特徴とする請求項19又は20に記載の一芯双方向用光増幅器。
【請求項22】
前記一括増幅をした信号を前記第一の信号光と前記第二の信号光とに分波する光分波素子を有し、
前記光分波素子は、前記第一の信号光を前記一芯双方向伝送路に出力し、前記第二の信号光を前記光受信器へ出力することを特徴とする請求項19乃至21に記載の一芯双方向用光増幅器。
【請求項23】
前記光合波素子は、少なくとも、Blue/Redフィルタ又は光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項19乃至22記載の一芯双方向用光増幅器。
【請求項24】
前記光分波素子は、少なくとも、Blue/Redフィルタ又は光インタリーバのいずれかであることを特徴とする請求項22又は23に記載の一芯双方向用光増幅器。
【請求項25】
前記第一の信号光が連続信号光であり、前記第二の信号光がバースト信号光であることを特徴とする請求項19乃至24に記載の一芯双方向用光増幅器。
【請求項26】
複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二、第三、…の光送受信端との間で双方向伝送を行う一芯双方向光伝送システムに設けられ、前記第一の光送受信端の光送信器から出力された第一の信号光と、前記一芯双方向伝送路を介して前記第一の光送受信端の光受信器へ入力する前記第二、第三、…の複数の光送受信端からの信号光とを合波する光合波素子と、該光合波素子の出力の増幅により、前記第一の信号光と前記第二、第三、…の複数の信号光との一括増幅をする光増幅部とを有する一芯双方向用光増幅器であって、前記光増幅部は、前記第一の信号光をクランプ光として利得をクランプすることにより前記一括増幅をすることを特徴とする一芯双方向用光増幅器。
【請求項27】
前記光送信器から出力される前記第一の信号光のパワーは、前記光受信器の受信パワー及び前記光増幅部の利得に基いて制御されていることを特徴とする請求項26に記載の一芯双方向用光増幅器
【請求項28】
前記光送信器から出力される前記第一の信号光のパワーは、前記受信パワー及び前記第一の信号光のパワーをdbmで表し、前記利得をdbで表したとき、前記受信パワーと前記利得との差より大きい値に制御されていることを特徴とする請求項26又は27に記載の一芯双方向用光増幅器。
【請求項29】
前記一括増幅をされた信号を前記第一の信号光と前記第二、第三、…の複数の信号光とに分波する光分波素子を有し、
前記光分波素子は、前記第一の信号光を前記一芯双方向伝送路に出力し、前記第二、第三、…の複数の信号光を前記光受信器へ出力することを特徴とする請求項26乃至28に記載の一芯双方向用光増幅器。
【請求項30】
前記受信パワーは、前記第二、第三、…の複数の信号光のパワー内の最大のものとすることを特徴とする請求項27乃至29に記載の一芯双方向用光増幅器。
【請求項31】
複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二の光送受信端との間で双方向伝送を行い、かつ、前記第一の光送受信端の光送信器から出力された第一の信号光と、前記一芯双方向伝送路を介して前記第一の光送受信端の光受信器へ入力する第二の信号光とを、光合波素子を用いて同じ向きに合波してから光増幅部にて一括増幅をする一芯双方向光伝送方法であって、前記第一の信号光をクランプ光として利得をクランプすることにより前記一括増幅をすることを特徴とする一芯双方向光伝送方法。
【請求項32】
前記光受信器の受信パワー及び前記光増幅部の利得に基いて、前記第一の信号光のパワーを制御することを特徴とする請求項31に記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項33】
前記受信パワー及び前記第一の信号光のパワーをdbmで表し、前記利得をdbで表したとき、前記受信パワーと前記利得との差より大きい値に前記第一の信号光のパワーを制御することを特徴とする請求項31又は32に記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項34】
前記一括増幅をされた信号を前記第一の信号光と前記第二の信号光とに分波し、分波した前記第一の信号光を前記一芯双方向伝送路に出力し、分波した前記第二の信号光を前記光受信器へ出力することを特徴とする請求項31乃至33に記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項35】
複数の異なる波長の光信号を多重化し、一芯双方向伝送路を介して第一の光送受信端と第二、第三、…の光送受信端との間で双方向伝送を行い、かつ、前記第一の光送受信端の光送信器から出力された第一の信号光と、前記一芯双方向伝送路を介して前記第一の光送受信端の光受信器へ入力する前記第二、第三、…の複数の光送受信端からの信号光とを、光合波素子を用いて同じ向きに合波してから光増幅部にて一括増幅をする光増幅器を有する一芯双方向光伝送方法であって、前記第一の信号光をクランプ光として利得をクランプすることにより前記一括増幅をすることを特徴とする一芯双方向光伝送方法。
【請求項36】
前記光受信器の受信パワー及び前記光増幅部の利得に基いて、前記第一の信号光のパワーを制御することを特徴とする請求項35に記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項37】
前記受信パワー及び前記第一の信号光のパワーをdbmで表し、前記利得をdbで表したとき、前記受信パワーと前記利得との差より大きい値に前記第一の信号光のパワーを制御することを特徴とする請求項35又は36に記載の一芯双方向光伝送方法。
【請求項38】
前記一括増幅をされた信号を前記第一の信号光と前記第二の信号光とに分波し、分波した前記第一の信号光を前記一芯双方向伝送路に出力し、分波した前記第二、第三、…の信号光を前記光受信器へ出力することを特徴とする請求項35乃至37に記載の一芯双方向光伝送方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−206598(P2010−206598A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−50569(P2009−50569)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】