三次元変形メッシュモデルを用いてオブジェクトの三次元ツリー状管状表面を自動セグメント化するための画像処理システム
三次元画像においてツリー状管状構造の全自動セグメント化のための演算手段を有する画像データ処理システムであって、ツリー状管状構造のツリー状中心経路を演算する手段(20)と、ツリー状管状構造のツリー状中心経路をポイントを形成したセグメントに分割する手段(21)と、ツリー状中心経路の個々のセグメントのために、セルを構成する一般円筒形メッシュを生成する手段(40)と、2つの一般円筒形メッシュを一体化する手段(50)と、を有する画像データ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元変形可能メッシュ方法を用いて、三次元画像におけるオブジェクトの三次元状管状表面の自動セグメント化のための画像処理システムに関する。本発明はまた、そのようなシステムを用いる医療用検査装置に関する。本発明は更に、その装置により
生成させる医療用三次元画像を処理するためのプログラムプロダクトに関する。本発明はまた、器官の視覚化を改善するために、動脈のような管状及びツリー状身体器官のセグメント化のための医療用画像処理方法に関する。本発明は、医療用画像化の分野の特定のアプリケーションを開拓する。
【背景技術】
【0002】
三次元のオブジェクトのモデル化の技術については、文献“Simplex Meshes:a Geberal Representation for 3D shape Reconstruction”,by H DELINGETTE,processing of the Intarnational Conference on Computer Vision and Pattern Recognition(CVPR‘94),20−24 June 1994,Seattle,USAに記載されている。この文献においては、三次元のオブジェクトを再生するための身体に基づく方法が提供されている。この方法は“シンプレックス法”の幾何学的構成に基づいている。メッシュの融通の利く挙動は、各々の頂点(メッシュのノード)において引き出されるシンプレックス角における平均曲率を制御する局所的安定化関数によりモデル化される。それらの機能は、ビューポイント不変、固有及びスケール依存性である。シンプレックスメッシュは一定の頂点接続性を有する。三次元表面を表すために、各々の頂点が3つの隣接頂点に接続される、2つのシンプレックスメッシュと呼ばれるシンプレックスメッシュが用いられる。シンプレックスメッシュの構造は、上記文献の図1に示されているような三角形構造に対して二重である。シンプレックスメッシュの輪郭は、シンプレックスメッシュにおける隣接頂点を有する閉多角形チェーンとして規定される。4つの独立した変形が、全体の範囲の有効なメッシュ変形を得るために規定される。シンプレックスメッシュの記述はまた、平面幾何構成で用いられる角度を生成したシンプレックス角度の規定と、頂点が3つの隣接頂点に関連してどのように位置付けられるかを記述するメトリックパラメータの規定とを有する。各々の頂点の動的作用はニュートンの運動の法則により与えられる。変形は、形状をスムーズであるようにする力、及びメッシュが三次元のオブジェクトに近いようにする力を意味する。内部力は外部制限に対する身体ベースモデルの反応を決定する。内部力は、それらの力が固有のビューポイント不変性及びスケール依存性であるように表現される。類似するタイプの制限が輪郭についても適用される。このように、上記文献は、所定の三次元のオブジェクトを表すための簡単なモデルを提供する。その文献は、対象の三次元のオブジェクトにそのモデルを作り変えて、適合させるように適用される力を規定する。
【非特許文献1】“Simplex Meshes:a Geberal Representation for 3D shape Reconstruction”,by H DELINGETTE,processing of the Intarnational Conference on Computer Vision and Pattern Recognition(CVPR‘94),20−24 June 1994,Seattle,USA
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
医療用画像においては、動脈のようなツリー状の管状器官をセグメント化することが、しばしば必要とされる。変形モデルに基づくセグメント化は、直径又は堆積のような調査される器官の臨床パラメータを考慮する。変形モデルが、2つのシンプレックスメッシュ、三角形メッシュ又はアクティブ輪郭モデルの何れの他の種類であろうと、生じる課題は、ツリー状管状構造を与える器官に適合する必要がある。ツリー状の管状器官の異なる枝に、特に、分岐の位置において、別個の変形可能モデルをマッピングすることは非常に困難である。まず、管状モデルが、異なる枝の各々を表すために生成される必要がある。特に、管状モデルは、個々の枝の曲がり又は曲率に適合される必要がある。次いで、管状モデルは、分岐点において結合して一体化される必要がある。管状モデルの結合が適切でない場合、分岐位置において、ギャップ、折れ曲がり又は他の変形が存在する可能性がある。
【0004】
本発明の目的は、ツリー状管状構造のセグメント化のための画像処理システムを提供することである。本発明のシステムは、円筒表面メッシュ生成に基づいて、自動枝生成、枝のラベル付け及び枝の一体化を有する、高速のツリー状の管状表面メッシュ生成のための手段を有する。特に、前記システムは、2つのシンプレックスメッシュモデル、三角形メッシュモデル又は他の変形可能メッシュモデルを生成し且つ用いるための処理手段を有する。
【0005】
処理手段は、ツリー状の対象物の中心線からツリー状の管状表面メッシュを生成する。このような中心線構造は、ツリー状の管状対象物の異なる部分に対応するセグメントに分割される。次いで、そのセグメント化は、ラベリングされた一般的な円筒形領域を生成するように用いられ、それらのセグメントは、上記のツリー状の管状メッシュ表面を最終的に生成するように一体化される。ツリー状メッシュ構造が、三次元画像セグメント化のために用いられる。これは、ツリー状の管状器官若しくは輪郭ツリー、冠動脈ツリー、気管支樹、腹部大動脈交差分岐、脳血管等のために、特に有用である。
【0006】
本発明は、更なる目的のために、枝の一体化の数を最小化するための処理手段を有するシステムを提供する。そのシステムは、最初の管状ツリーの種々の枝にしたがって生じたツリー状の管状メッシュ表面に自動的にラベリングするための手段を有するために、そのラベリングは最終的なツリー状の管状メッシュの種々の領域を規定する。第1円筒状構造は、連続的方法で、隣接する中心線セグメントの最大可能数から生成される。それ故、他の円筒状構造はこの最初の円筒状構造に一体化される。他の枝が一体化される、幾つかの隣接する中心線セグメントから主枝を直接、この最初の円筒形構造を生成することは、一体化操作の数を最小化する。同じ原理は、副枝を有する他の枝に適用されることが可能である。対象のオブジェクトの異なる領域のラベリングは大きな支援になる一方、三次元画像における三次元ツリー状の器官のセグメント化のためのアクティブモデルとしてメッシュを用いることも大きな支援になる。
【0007】
対象のオブジェクトは三次元画像において階調で表現されることが可能である。
【0008】
提供される画像処理システムの主な特徴については、請求項1に記載されている。他の請求項は、システム手段を動作させるための方法の段階、方法を実行するためのプログラムプロダクト又はプログラムパッケージ、並びに、三次元画像化手段及び請求項1に記載のシステムを有する医療用調査装置に関する。
【0009】
本発明について、以下、模式図を参照しながら詳述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、三次元(3D)デジタル画像データを処理する手段を有する画像処理システムに関する。図1Aは、このシステムの実施形態を表している。三次元画像10は、ノイジーな画像における、所謂、対象のオブジェクトOIと呼ばれる管状器官の三次元表面を階調で表すことが可能である。例えば、ノイジーな背景に関連して、対象のオブジェクトの適切なビューをユーザに与えるように、オブジェクトはセグメント化される。セグメント化は、ユーザが器官の適切な調査又は器官の異常を検出することを可能にする。画像は、例えば、当業者に知られている超音波又はX線装置若しくは他の装置のような異なる取得手段により取得される。
【0011】
本発明は、特に、三次元画像10において又は一連の三次元画像において、対象のツリー状の管状オブジェクトのセグメント化手段を有する画像処理システムに関する。図6Aに示すように、セグメント化されるべきツリー状管状オブジェクトは、血管群のようなツリー状の管状器官であることが可能である。画像セグメント化技術のシステム手段は、アクティブ輪郭と呼ばれる三次元変形可能モデルの利用に基づいている。本発明にしたがって、三次元変形モデルを生成する何れの技術が、制限なしに用いられることが可能である。セグメント化操作は、対象の三次元ツリー状の管状オブジェクトに三次元変形可能モデルをマッピングすることにある。図6Aに示している血管群の実施例においては、対象のツリー状の管状オブジェクトは、枝が曲がりを有する枝を有する複雑な管状形状を示している。
【0012】
アクティブ輪郭のフィールドにおいては、最初のメッシュモデルが与えられる必要がある。メッシュモデルの何れの任意の形状から開始することが常に可能であるとしても、セグメント化されるべき器官の所望の形状に近い形状であるメッシュモデルから開始することはよりロバストであり且つより高速である。本発明にしたがって、2つのシンプレックスメッシュと呼ばれる種類の最初の管状メッシュモデル、三角形メッシュ又は何れの他の種類のメッシュモデルの生成が与えられる。図1Aを参照するに、システムは、ユーザが管状メッシュモデルを開始する手段31を有する。
【0013】
図6Aに示しているように、対象のオブジェクトOIはツリー状の形状を有し、それ故、枝Bが示されている。図1Aを参照するに、システムは、当業者に知られている何れの技術を用いる、対象のオブジェクトの異なる部分の自動ラベリングの手段11を有する。システムは、順序付けられたポイントの集合を構成する三次元経路を生成するための手段20を有する。手段20は、図6Bに示すように、特に、対象の管状オブジェクトOIの中心線ポイントに基づいて、ツリー状の三次元経路Pを生成する。この中心線構造Pは、ツリー状オブジェクトOIの異なる部分に対応するセグメントSに分割される。それ故、システムは対象のオブジェクトの異なる部分にしたがって、セグメントSをラベリングする手段21を有する。
【0014】
システムは、図7Aに示すように、ラベリングされたセグメントを用いて、一般に曲がった円筒形Mを有するラベリングされた領域を別個に生成する、更なる手段32、40を有する。手段32はまっすぐな円筒形の生成を実行し、それらのまっすぐな円筒形は、三次元の経路セグメントを適合するように、変換手段40を用いて一般的円筒に順に曲げられる。次いで、システムは、図7B及び図7Cに示すように、セグメント化されたツリー状オブジェクトの三次元画像60において、所望の管状且つツリー状メッシュ表面を最終的に生成するように、一般的円筒形を一体化するための一体化手段50を有する。
【0015】
困難性は、第1に、管状本体器官の各々を適切にマッピングするように、まっすぐな最初の管状の変改可能モデルを適切に変形する操作にあり、第2に、ツリー状の管状本体器官のセグメント化の表面を適切に構成するように枝を一体化する操作にある。
【0016】
ツリー状管状構造OIは枝Bを有することが可能である。本発明にしたがって、システムは、ツリー状構造の異なる枝Bを自動的にラベリングするための手段11を有する。図6Aにおいては、そのラベリングは、枝B0を、次いで、B0からの分岐を構成する枝B01及びB02を生成し、並びにB02からの分岐を構成する枝B21及びB022を生成する。
【0017】
図2乃至図6Aを参照するに、血管構造のような、ツリー状管状構造OIのセグメント化は、図6Bに示しているように、前記ツリー状管状構造OIの、三次元経路Pと呼ばれる中心線を先ず、生成することを有する。図1Aを参照するに、システムは、中心ポイントにより構成される経路Pを生成するための手段20を有する。経路追跡ツールについては、既に当業者に知られているものであり、セグメント化されるべき対象の管状オブジェクトの中心線を決定するように用いられることが可能である。中心線構造Pは、図6Bに示しているように、ツリー状オブジェクトOIの異なるラベリングがなされた枝に対応するセグメントSに分割される。図1Aを参照するに、システムは、異なる枝であって、例えば、OIの枝B0に対応するセグメントS0に、次いで、枝B01及びB02に対応し且つS0からの分岐を構成するセグメントS01及びS02に、そして、枝B021及びB022に対応し且つS02からの分岐を構成するセグメントS021及びS022をラベリングするための手段21を有する。Pの各々のセグメントSは、通常、曲がりを示す三次元経路である。
【0018】
Pの各々の三次元のラベリングされたセグメントSは、個別に処理されることが可能である。図2に示すように、Pの各々のセグメントSは最初のまっすぐな円筒形メッシュモデルに、先ず、変換され、そのモデルは、その器官の管状セグメントの実際の形状を適合させるように更に変形される。このために、上記文献(H.Delingetteによる)の従来技術におけるようなオブジェクト表面を用いてメッシュモデルを直接、初期化することに代えて、経路Pの三次元セグメントSからメッシュモデルを初期化するための技術を提供する。管状構造のセグメント化を目的とする何れのアプリケーションは、管状形状を有する初期のメッシュモデルからの恩恵を受けることが可能である。本発明にしたがって、システムは、セグメント化されるべきツリー状の管状器官の各々の枝を適合させる個別の管状メッシュモデルを生成するための手段31、32、40を有する。入力は次のようものである。
1)三次元経路Pの各々のセグメントに沿って存在するポイントについての記憶されているリスト。それらのポイントの規則性及び間隔に関する前提は必要ないが、そのような制限はスムーズなメッシュモデルを得る上で有用である。
2)円筒形の半径r。
3)セルの分解能。
【0019】
ありのままの出力は経路Pの各々のセグメントSについてのメッシュ構造Mである。
【0020】
図2を参照するに、円筒の基本形状を生成するための技術が与えられている。この技術は、z軸に沿って、所定のOx、Oy、Oz、即ち、最初の円筒形メッシュモデルの円形部分にあるポイントの集合を生成すること、次いで、シンプレックスメッシュ構造を生成するように共にポイント全ての集合を接続することを有する。C(S)で表されている三次元のフレキシブルな管を生成するために、本発明の技術は、L(S)で表されているまっすぐな円筒であって、z軸においてアライメントされ、経路Pの三次元目標セグメントの全長に等しい長さlを有する、円筒から開始される。それ故、この技術は、経路Pの所定の三次元セグメントSを適合させるように、この円筒を伸縮自在に曲げることを有する。図1Aを参照するに、その技術は次の段階を有する。
【0021】
図6A及び6Bに示すように、対象のオブジェクトOIの管状セグメントBの中心線に対応する三次元経路Sを生成するための演算手段21を用いる段階。
【0022】
三次元セグメントSの長さに等しい長手方向の軸zに沿って規定される長さlを用いて、メッシュの何れの種類の最初のまっすぐな変形可能な円筒形メッシュモデルL(S)を生成するための演算手段31を用いる段階であって、前記三次元セグメントSにおいてサブセグメントu(S)を規定し、この最初のメッシュモデルL(S)をセグメントSの異なるサブセグメントu(S)に関連するサブセグメントに分割する、段階。
【0023】
メッシュの各々のサブセグメントについて、まっすぐなメッシュL(S)の最初の方向を関連する三次元サブセグメントu(S)の方向に変形する三次元の剛性変形を演算するための演算手段を用いる段階。
【0024】
一般円筒を生成するためのサブセグメントに対応するメッシュの頂点にこの剛性変形を適用するための演算手段40を用いる段階。
【0025】
しかしながら、例えば、2つの連続的なサブセグメントu(S)間の方向はすぐに変わるため、三次元セグメントSがスムーズでない場合、幾つかのアーティファクトが現れる可能性がある。それ故、曲げられた円筒はそれ自体が交差し、それ故、それは不所望のメッシュの自己交差の出現に繋がる。
【0026】
これはまた、結果として得られるメッシュの不所望の捩れに繋がる。メッシュの捩れは、変換中の連続的制御の不足によるものである。
【0027】
自己交差は、一意の変形が各々のサブセグメントに適用されない場合に回避される。それに代えて、連続的なサブセグメントに関連する剛体変形は、2つの連続的なサブセグメント間で混ぜ合わされる。好適には、それらの剛体変形は、2つの回転間の線形補間を用いて混ぜ合わされる。図3A及び3Bは、円形ビューにおいて、線形変換混ぜ合わせを用いない及び用いるメッシュ生成のそれぞれを示している。図3A及び3Bは、一のサブセグメントから他のサブセグメントへの全く大きい方向の変化を有する三次元セグメントSにおける回転混ぜ合わせの効果について示している。図3Aにおいては、三次元回転混ぜ合わせを伴わないで、例えば、1a、2a、3a等の接続ポイントにおいて異なる円が交差すること及び、生成されたシンプレックスメッシュは幾つかの自己交差を有することが理解できる。図3Bにおいては、回転の線形混ぜ合わせが、異なる円が一の方向から後続の方向にスムーズに変形されるように支援し、その結果、ポイント1b、2b、3bにおいて示しているように、極めて規則正しいメッシュが得られることが理解できる。図4A及び4Bは、シンプレックスメッシュビューにおいて、線形変形混ぜ合わせを伴わない及び伴うメッシュ生成のそれぞれを示している。図4A及び4Bのメッシュモデルは、図3A及び図3Bのメッシュ生成にそれぞれ対応する。
【0028】
一のセグメントから他のセグメントへの三次元剛性変形の線形混ぜ合わせは、自己交差を回避するには常に十分ではない。明らかに、そのような自己交差はまた、三次元セグメントSの局所的曲率と生成されたメッシュC(S)の所望の半径との間の関係に依存する。後者が局所的な曲率半径より大きい場合、その曲率半径はその曲率に反比例することが知られているが、それ故、曲率が大きいときにその曲率半径が小さい場合、自己交差が生じる。それ故、座標に沿った剛体変形のスムーズな進展が、上記の線形混ぜ合わせの操作により確実にされたとしても、一部の自己交差は尚も、現れる可能性がある。最初のまっすぐな円筒L(S)の、rで表される半径と、2つの連続的な円の間の距離と、三次元セグメントSの、cで表される曲率との間の関係は、そのような自己交差の生成に影響する。非常に曲がった経路において大きい半径rを有する円筒を歪める試みは、幾つかの重大な問題点に確実に繋がる。それ故、非常に曲線的な領域において円筒C(S)の直径を局所的に自動的に減少させることが好ましい。
【0029】
本発明にしたがって、メッシュ半径は、曲率、ポイントにおけるサンプル距離及び所望の入力半径に基づいて、自動的に適合される。管状メッシュ生成のための本発明のシステムは、局所的曲率にしたがった円筒形メッシュの半径を変調するための処理手段を有する。それ故、システムは、メッシュモデルの一のサブセグメントから他のサブセグメントへの急な半径変化と共に、管状の変形可能なメッシュモデルの曲がった領域における自己交差を回避するための自動的手段であって、三次元経路の局所的曲率にしたがった円筒形の変形可能なメッシュモデルの半径を変調するための演算手段を有する、自動的手段を有する。三次元回転と結合される縮小係数が演算される。本発明は器官に関連するため、与えられるセグメントSは簡単な近似を用いるには十分にスムーズであることが確実である。この縮小係数は、三次元セグメントSの最初の円筒の半径r及び予測される曲率半径に依存し、1/cに等しい。
【0030】
また、領域は他の領域の曲がりにより隠されることがあるため、半径が制限されていない一部の領域を視覚化することは困難であることがある。メッシュモデルが半径変調を用いて生成されるとき、自己交差は大きく減少される。しかしながら、器官の一般形状は制限された半径の領域において撹乱されない。他の部分においては、半径は変わらない。制限された半径の領域においては、異なる領域の視覚化及び追跡は一般に改善される。
【0031】
ここで、2つの連続的な回転、即ち、剛体変形が最小であるとき、メッシュの捩れは最小化される。画像処理システムは、メッシュの捩れを最小化するための自動手段を有し、最初のメッシュの方向から目標セグメントへの最小の三次元回転を演算するための演算手段を有する。三次元回転は、z軸である最初のメッシュ方向から目標サブセグメントu(S)への最小の回転として演算される。好適には、画像処理システムは、軸パラメータを有するセグメントと回転角パラメータを有するセグメントとの間のインクリメンタル回転を規定し、現サブセグメントについての新しい回転が、前サブセグメントについての回転並びに前サブセグメント及び現サブセグメントからの最小化移転の合成として演算するための自動手段を有する。図4C及び図4Bは、インクリメンタル回転を用いることにより得られる最小捩れを示している。図4Cは、z軸とu(s)との間の最小回転のみを用いるメッシュ生成の実施例を示している。図4Bは、最小捩れに繋がるインクリメンタル回転を更に用いるメッシュ生成の実施例を示している。図4Cにおいては、セルは、接合ポイントの周りで、例えば、領域4a及び5aにおいて捩れを加えられるため、捩れがメッシュにおいて表れていることが理解できる。それに代えて、図4Bにおいては、セルは、図4Cの領域4a及び5aに対応する領域4b及び5bにおけるように、メッシュ全体に亘って適切にアライメントされて保たれている。
【0032】
上記技術は、異なる種類の三次元経路と共に機能する。しかしながら、最適な結果は、鋭い角度が存在しないときに観測される。それ故、当業者に知られている何れのスムージング技術を用いて、入力三次元経路を予備的にスムージングすることはより適切である。更に適切な結果はまた、経路のセグメント長さが均一であるときに得られる。全てのそれらの予備処理の後、自己交差が尚も存在している場合、先行技術において記載されている変形と関連して冒頭部分で説明したように、アクティブ輪郭アルゴリズムの内部力による自動メッシュ修理スムージングが適用されることが可能である。
【0033】
ここで、図7Aに示しているように、S0、S01、S02、S021及びS022とラベリングされた経路Pのセグメントに対応して、M0、M01、M02、M021及びM022とラベリングされている一般的な曲がった円筒形メッシュが利用可能である。図1Aに示しているように、本発明のシステムは、図7B及び図7Cに示しているように、予め生成された曲がった円筒形メッシュを2つ、一体化するための更なる手段50を有する。
【0034】
本発明にしたがって、好適には、メッシュ一体化は、できるだけ少なく形成される。システムは、メッシュ一体化数を最小化するための処理手段を有する。システムは、最初のツリーの複数の枝にしたがって、生成されたツリー状メッシュ表面を自動的にラベリングするための手段を有するため、そのラベリングは最後のメッシュの複数の領域を規定する。一体化数を最小化するために、図1Aを参照して、システムの手段40は、連続的に、隣接中心線セグメントの最大有効数から第1円筒形構造を生成する。次いで、残りの円筒形構造は、この第1円筒形構造と1つずつ一体化される。
【0035】
図7Aを参照するに、例示として、第1円筒形構造40は、図6Bに示すように、隣接セグメントS0、S02及びS022により形成された連続する経路S0にしたがって構成される。次いで、他の円筒形構造が、この第1円筒形構造に一体化される。他の枝が一体化される幾つかの隣接中心線セグメントから主枝を直接、形成するこの第1円筒形構造を生成することにより、一体化操作数は最小化される。同じ原理を、副枝を有する他の枝に適用することが可能である。図7Aの実施例においては、M0、M02、M022から形成されるM0でラベリングされた第1一般円筒形は、図7Bに示すように、経路S01に対応する一般円筒形M01と一体化される。この第1一般円筒形M0は、図7Cに示すように、経路S022に対応する一般円筒形M022と更に一体化される。
【0036】
図1Bを参照するに、本発明のシステムの一体化手段50は、2つのメッシュの交差部分の検出のための副手段51を有する。システムは、それ故、必要に応じて、交差セルの削除又はメッシュの空きのための副手段52を有する。交差面の削除及びメッシュの空きのために、交差面にはタグが付けられる。メッシュのタグ面は削除され、孔は維持される。
【0037】
図1Cを参照するに、図5A乃至5Cに示されているように、一体化手段50は、詳しくは、次のようなものを更に有する。
【0038】
2つのメッシュの2値ボリュームを用いる、交差セルの検出手段51。図5Aに示す球100a、100bのような2つのメッシュは、2値化機能を用いて2値化される。2値化分解能が低過ぎるとき、一部の交差は損なわれる可能性があるため、2値化分解能についての質問は非常に重要である。それ故、1つのメッシュの各々の頂点は、それらが反対側のメッシュの2値体積に属すかどうかを理解するように調べられる。その答が肯定的である場合、頂点が属す面は、FACE_INSIDEラベルでタグ付けされる。
【0039】
検出された交差セルの削除手段。FACE_INSIDEとタグ付けされた全ての面は両方のメッシュにおいて削除される。図5Bは、2つのメッシュ100a、100bの場合に、領域102における交差セルの削除について示している。
【0040】
2つのメッシュにおける交差輪郭の検出手段53。2つのメッシュにおける開いた空いた輪郭が探索される。
【0041】
空いた輪郭を一体化させるためのペアリング手段。この実施形態においては、その一体化は、輪郭の重心の近似に基づいている。このような簡単な基準は、合理的に適切に機能するようにみえるが、勿論、更に洗練された基準を、必要に応じて、求めることができる。
【0042】
交差輪郭の対応する対を連結するための連結手段55。輪郭の各々の対は別個に処理される。各々の対については、第1相互最近接頂点が2つの輪郭において求められて連結される。輪郭における頂点の数は等しくなく、それら頂点の分布は必ずしも同じようではないため、その連結手段は、残りの“空いている”頂点について注意を払う。それらの空いている頂点は、既に連結された頂点の間に位置している。2つの連結された頂点の間の輪郭の一部はセグメントと呼ばれる。全てのセグメントは、それら両方の終点が連結されるように結合される(即ち、各々のセグメントは、反対側において対応するセグメントを有する)。セグメントの各々の空いている頂点について、新しい頂点が反対側のセグメントに挿入され、次いで、連結される。新しい頂点は、そのセグメントにおいて、反対側のセグメントにおける対応する、空いている頂点と同じ相対的位置を得る。
【0043】
面生成手段56。新しい面の生成は、前に連結された頂点から開始して、閉じた輪郭に従うことに基づいて、なされる。新しく生成された面についての全ての位相関係がまた、確立される。図5Cは、球状メッシュ100a及び100b間の領域103における面生成を示している。
【0044】
2つのメッシュが非常に異なるセル分解能を有する場合、交差面の検出は失敗する可能性がある。例えば、非常に大きいセルを有する球が、直径がその球のセルサイズより小さい円筒形と交差する場合、その球の頂点がその円筒形の2値体積の内側で検出されないことが起こり得る。他方、球の2値体積とのその円筒形の交差が求められる。したがって、この場合は、検出される。そのような状況についての有効な解は、オブジェクト、例えば、球を改善し、また、この実施例においては円筒形である第2メッシュを伴って、同様のセル分解能を有する。
【0045】
医療用視覚化システム及び装置
図8は、医療用検査装置に組み込まれた、本発明にしたがった画像視覚化システムの実施形態の基本構成を示している。医療用検査装置151は、患者が横になるベッド110又は画像化装置に対して患者を位置付けるための他の要素を有することが可能である。医療用画像化装置151は、CTスキャナ若しくはX線装置又は超音波装置のような他の医療用画像化装置であることが可能である。装置151により生成される画像データは、上記のような画像データを処理するための命令を有する汎用コンピュータのようなデータ処理手段153に供給される。データ処理手段153は、代表的には、モニタ154のような視覚化装置と、ユーザがシステムとインターラクトすることができるように、ユーザが操作可能であるキーボード、マウス、ポインティング装置、プリント装置等の入力装置155とに関連付けられている。データ処理装置153は、全自動手段を用いて、本発明のシステムを実施するためにプログラムされている。特に、データ処理装置153は演算手段及びメモリ手段を有する。システムを操作するために予めプログラムされた命令を有するコンピュータプログラムプロダクトがまた、実施される。本発明はまた、器官の視覚化の改善についての、動脈のような管状のツリー状本体器官の自動セグメント化のための医療用画像処理方法に関し、前記方法は画像処理システムを動作させるための段階を有する。
【0046】
上記詳細説明及び図は、例示であって、本発明を限定するものではない。同時提出の特許請求の範囲における範囲に含まれる多くの代替のものがあることは明らかである。更に、本発明においては、ディスプレイのために画像データを生成する用語について記載したが、本発明は、ディスプレイ装置における表示を含む画像データ及びプリントの視覚化の何れの形式を実質的にカバーすることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1A】三次元画像におけるツリー状の管状器官のセグメント化のための視覚化システムの基本ブロック図である。
【図1B】その視覚化システムの一体化手段の基本ブロック図である。
【図2】順序付けられたポイントの所定経路に基づいて、セグメント毎にメッシュを曲げる段階を示す図である。
【図3A】円形ビューにおいて、線形変換混ぜ合わせを用いないメッシュ生成を示す図である。
【図3B】円形ビューにおいて、線形変換混ぜ合わせを用いるメッシュ生成を示す図である。
【図4A】シンプレックスメッシュビューにおいて、線形変換混ぜ合わせを用いないメッシュ生成を示す図である。
【図4B】捩れの最小化に繋がる線形変換混ぜ合わせ及び半径減少を用いるシンプレックスメッシュビューにおいて、メッシュ生成を示す図である。
【図4C】半径減少を用いず、サブセグメント間で最小回転を用いるメッシュ生成の実施例を示す図である。
【図5A】分岐を生成するために2つのメッシュモデルの間の交差領域の生成を示す図であり、対向するメッシュの内側に属す面の検出及び削除を示す図である。
【図5B】分岐を生成するために2つのメッシュモデルの間の交差領域の生成を示す図であり、2つのメッシュの新しい一体化をもたらす新しい面を生成するための、空いている輪郭の結合及び連結を示す図である。
【図5C】分岐を生成するために2つのメッシュモデルの間の交差領域の生成を示す図であり、新しい一体化領域を示す図である。
【図6A】三次元画像における器官のような最初のツリー状管状構造を示す図である。
【図6B】図6Aの三次元ツリー状管状構造の中心線を示す図である。
【図7A】中心線のそれぞれの部分に基づいて、ツリー状構造の枝を適合させる管状メッシュモデルの生成を示す図である。
【図7B】管状メッシュモデルの一の枝から他の枝への結合を示す図である。
【図7C】前に構成されたツリー状の管状メッシュモデルに管状メッシュモデルの他の枝を更に結合させることを示す図である。
【図8】図1のシステムを用いる医療用検査装置の基本ブロック図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元変形可能メッシュ方法を用いて、三次元画像におけるオブジェクトの三次元状管状表面の自動セグメント化のための画像処理システムに関する。本発明はまた、そのようなシステムを用いる医療用検査装置に関する。本発明は更に、その装置により
生成させる医療用三次元画像を処理するためのプログラムプロダクトに関する。本発明はまた、器官の視覚化を改善するために、動脈のような管状及びツリー状身体器官のセグメント化のための医療用画像処理方法に関する。本発明は、医療用画像化の分野の特定のアプリケーションを開拓する。
【背景技術】
【0002】
三次元のオブジェクトのモデル化の技術については、文献“Simplex Meshes:a Geberal Representation for 3D shape Reconstruction”,by H DELINGETTE,processing of the Intarnational Conference on Computer Vision and Pattern Recognition(CVPR‘94),20−24 June 1994,Seattle,USAに記載されている。この文献においては、三次元のオブジェクトを再生するための身体に基づく方法が提供されている。この方法は“シンプレックス法”の幾何学的構成に基づいている。メッシュの融通の利く挙動は、各々の頂点(メッシュのノード)において引き出されるシンプレックス角における平均曲率を制御する局所的安定化関数によりモデル化される。それらの機能は、ビューポイント不変、固有及びスケール依存性である。シンプレックスメッシュは一定の頂点接続性を有する。三次元表面を表すために、各々の頂点が3つの隣接頂点に接続される、2つのシンプレックスメッシュと呼ばれるシンプレックスメッシュが用いられる。シンプレックスメッシュの構造は、上記文献の図1に示されているような三角形構造に対して二重である。シンプレックスメッシュの輪郭は、シンプレックスメッシュにおける隣接頂点を有する閉多角形チェーンとして規定される。4つの独立した変形が、全体の範囲の有効なメッシュ変形を得るために規定される。シンプレックスメッシュの記述はまた、平面幾何構成で用いられる角度を生成したシンプレックス角度の規定と、頂点が3つの隣接頂点に関連してどのように位置付けられるかを記述するメトリックパラメータの規定とを有する。各々の頂点の動的作用はニュートンの運動の法則により与えられる。変形は、形状をスムーズであるようにする力、及びメッシュが三次元のオブジェクトに近いようにする力を意味する。内部力は外部制限に対する身体ベースモデルの反応を決定する。内部力は、それらの力が固有のビューポイント不変性及びスケール依存性であるように表現される。類似するタイプの制限が輪郭についても適用される。このように、上記文献は、所定の三次元のオブジェクトを表すための簡単なモデルを提供する。その文献は、対象の三次元のオブジェクトにそのモデルを作り変えて、適合させるように適用される力を規定する。
【非特許文献1】“Simplex Meshes:a Geberal Representation for 3D shape Reconstruction”,by H DELINGETTE,processing of the Intarnational Conference on Computer Vision and Pattern Recognition(CVPR‘94),20−24 June 1994,Seattle,USA
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
医療用画像においては、動脈のようなツリー状の管状器官をセグメント化することが、しばしば必要とされる。変形モデルに基づくセグメント化は、直径又は堆積のような調査される器官の臨床パラメータを考慮する。変形モデルが、2つのシンプレックスメッシュ、三角形メッシュ又はアクティブ輪郭モデルの何れの他の種類であろうと、生じる課題は、ツリー状管状構造を与える器官に適合する必要がある。ツリー状の管状器官の異なる枝に、特に、分岐の位置において、別個の変形可能モデルをマッピングすることは非常に困難である。まず、管状モデルが、異なる枝の各々を表すために生成される必要がある。特に、管状モデルは、個々の枝の曲がり又は曲率に適合される必要がある。次いで、管状モデルは、分岐点において結合して一体化される必要がある。管状モデルの結合が適切でない場合、分岐位置において、ギャップ、折れ曲がり又は他の変形が存在する可能性がある。
【0004】
本発明の目的は、ツリー状管状構造のセグメント化のための画像処理システムを提供することである。本発明のシステムは、円筒表面メッシュ生成に基づいて、自動枝生成、枝のラベル付け及び枝の一体化を有する、高速のツリー状の管状表面メッシュ生成のための手段を有する。特に、前記システムは、2つのシンプレックスメッシュモデル、三角形メッシュモデル又は他の変形可能メッシュモデルを生成し且つ用いるための処理手段を有する。
【0005】
処理手段は、ツリー状の対象物の中心線からツリー状の管状表面メッシュを生成する。このような中心線構造は、ツリー状の管状対象物の異なる部分に対応するセグメントに分割される。次いで、そのセグメント化は、ラベリングされた一般的な円筒形領域を生成するように用いられ、それらのセグメントは、上記のツリー状の管状メッシュ表面を最終的に生成するように一体化される。ツリー状メッシュ構造が、三次元画像セグメント化のために用いられる。これは、ツリー状の管状器官若しくは輪郭ツリー、冠動脈ツリー、気管支樹、腹部大動脈交差分岐、脳血管等のために、特に有用である。
【0006】
本発明は、更なる目的のために、枝の一体化の数を最小化するための処理手段を有するシステムを提供する。そのシステムは、最初の管状ツリーの種々の枝にしたがって生じたツリー状の管状メッシュ表面に自動的にラベリングするための手段を有するために、そのラベリングは最終的なツリー状の管状メッシュの種々の領域を規定する。第1円筒状構造は、連続的方法で、隣接する中心線セグメントの最大可能数から生成される。それ故、他の円筒状構造はこの最初の円筒状構造に一体化される。他の枝が一体化される、幾つかの隣接する中心線セグメントから主枝を直接、この最初の円筒形構造を生成することは、一体化操作の数を最小化する。同じ原理は、副枝を有する他の枝に適用されることが可能である。対象のオブジェクトの異なる領域のラベリングは大きな支援になる一方、三次元画像における三次元ツリー状の器官のセグメント化のためのアクティブモデルとしてメッシュを用いることも大きな支援になる。
【0007】
対象のオブジェクトは三次元画像において階調で表現されることが可能である。
【0008】
提供される画像処理システムの主な特徴については、請求項1に記載されている。他の請求項は、システム手段を動作させるための方法の段階、方法を実行するためのプログラムプロダクト又はプログラムパッケージ、並びに、三次元画像化手段及び請求項1に記載のシステムを有する医療用調査装置に関する。
【0009】
本発明について、以下、模式図を参照しながら詳述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、三次元(3D)デジタル画像データを処理する手段を有する画像処理システムに関する。図1Aは、このシステムの実施形態を表している。三次元画像10は、ノイジーな画像における、所謂、対象のオブジェクトOIと呼ばれる管状器官の三次元表面を階調で表すことが可能である。例えば、ノイジーな背景に関連して、対象のオブジェクトの適切なビューをユーザに与えるように、オブジェクトはセグメント化される。セグメント化は、ユーザが器官の適切な調査又は器官の異常を検出することを可能にする。画像は、例えば、当業者に知られている超音波又はX線装置若しくは他の装置のような異なる取得手段により取得される。
【0011】
本発明は、特に、三次元画像10において又は一連の三次元画像において、対象のツリー状の管状オブジェクトのセグメント化手段を有する画像処理システムに関する。図6Aに示すように、セグメント化されるべきツリー状管状オブジェクトは、血管群のようなツリー状の管状器官であることが可能である。画像セグメント化技術のシステム手段は、アクティブ輪郭と呼ばれる三次元変形可能モデルの利用に基づいている。本発明にしたがって、三次元変形モデルを生成する何れの技術が、制限なしに用いられることが可能である。セグメント化操作は、対象の三次元ツリー状の管状オブジェクトに三次元変形可能モデルをマッピングすることにある。図6Aに示している血管群の実施例においては、対象のツリー状の管状オブジェクトは、枝が曲がりを有する枝を有する複雑な管状形状を示している。
【0012】
アクティブ輪郭のフィールドにおいては、最初のメッシュモデルが与えられる必要がある。メッシュモデルの何れの任意の形状から開始することが常に可能であるとしても、セグメント化されるべき器官の所望の形状に近い形状であるメッシュモデルから開始することはよりロバストであり且つより高速である。本発明にしたがって、2つのシンプレックスメッシュと呼ばれる種類の最初の管状メッシュモデル、三角形メッシュ又は何れの他の種類のメッシュモデルの生成が与えられる。図1Aを参照するに、システムは、ユーザが管状メッシュモデルを開始する手段31を有する。
【0013】
図6Aに示しているように、対象のオブジェクトOIはツリー状の形状を有し、それ故、枝Bが示されている。図1Aを参照するに、システムは、当業者に知られている何れの技術を用いる、対象のオブジェクトの異なる部分の自動ラベリングの手段11を有する。システムは、順序付けられたポイントの集合を構成する三次元経路を生成するための手段20を有する。手段20は、図6Bに示すように、特に、対象の管状オブジェクトOIの中心線ポイントに基づいて、ツリー状の三次元経路Pを生成する。この中心線構造Pは、ツリー状オブジェクトOIの異なる部分に対応するセグメントSに分割される。それ故、システムは対象のオブジェクトの異なる部分にしたがって、セグメントSをラベリングする手段21を有する。
【0014】
システムは、図7Aに示すように、ラベリングされたセグメントを用いて、一般に曲がった円筒形Mを有するラベリングされた領域を別個に生成する、更なる手段32、40を有する。手段32はまっすぐな円筒形の生成を実行し、それらのまっすぐな円筒形は、三次元の経路セグメントを適合するように、変換手段40を用いて一般的円筒に順に曲げられる。次いで、システムは、図7B及び図7Cに示すように、セグメント化されたツリー状オブジェクトの三次元画像60において、所望の管状且つツリー状メッシュ表面を最終的に生成するように、一般的円筒形を一体化するための一体化手段50を有する。
【0015】
困難性は、第1に、管状本体器官の各々を適切にマッピングするように、まっすぐな最初の管状の変改可能モデルを適切に変形する操作にあり、第2に、ツリー状の管状本体器官のセグメント化の表面を適切に構成するように枝を一体化する操作にある。
【0016】
ツリー状管状構造OIは枝Bを有することが可能である。本発明にしたがって、システムは、ツリー状構造の異なる枝Bを自動的にラベリングするための手段11を有する。図6Aにおいては、そのラベリングは、枝B0を、次いで、B0からの分岐を構成する枝B01及びB02を生成し、並びにB02からの分岐を構成する枝B21及びB022を生成する。
【0017】
図2乃至図6Aを参照するに、血管構造のような、ツリー状管状構造OIのセグメント化は、図6Bに示しているように、前記ツリー状管状構造OIの、三次元経路Pと呼ばれる中心線を先ず、生成することを有する。図1Aを参照するに、システムは、中心ポイントにより構成される経路Pを生成するための手段20を有する。経路追跡ツールについては、既に当業者に知られているものであり、セグメント化されるべき対象の管状オブジェクトの中心線を決定するように用いられることが可能である。中心線構造Pは、図6Bに示しているように、ツリー状オブジェクトOIの異なるラベリングがなされた枝に対応するセグメントSに分割される。図1Aを参照するに、システムは、異なる枝であって、例えば、OIの枝B0に対応するセグメントS0に、次いで、枝B01及びB02に対応し且つS0からの分岐を構成するセグメントS01及びS02に、そして、枝B021及びB022に対応し且つS02からの分岐を構成するセグメントS021及びS022をラベリングするための手段21を有する。Pの各々のセグメントSは、通常、曲がりを示す三次元経路である。
【0018】
Pの各々の三次元のラベリングされたセグメントSは、個別に処理されることが可能である。図2に示すように、Pの各々のセグメントSは最初のまっすぐな円筒形メッシュモデルに、先ず、変換され、そのモデルは、その器官の管状セグメントの実際の形状を適合させるように更に変形される。このために、上記文献(H.Delingetteによる)の従来技術におけるようなオブジェクト表面を用いてメッシュモデルを直接、初期化することに代えて、経路Pの三次元セグメントSからメッシュモデルを初期化するための技術を提供する。管状構造のセグメント化を目的とする何れのアプリケーションは、管状形状を有する初期のメッシュモデルからの恩恵を受けることが可能である。本発明にしたがって、システムは、セグメント化されるべきツリー状の管状器官の各々の枝を適合させる個別の管状メッシュモデルを生成するための手段31、32、40を有する。入力は次のようものである。
1)三次元経路Pの各々のセグメントに沿って存在するポイントについての記憶されているリスト。それらのポイントの規則性及び間隔に関する前提は必要ないが、そのような制限はスムーズなメッシュモデルを得る上で有用である。
2)円筒形の半径r。
3)セルの分解能。
【0019】
ありのままの出力は経路Pの各々のセグメントSについてのメッシュ構造Mである。
【0020】
図2を参照するに、円筒の基本形状を生成するための技術が与えられている。この技術は、z軸に沿って、所定のOx、Oy、Oz、即ち、最初の円筒形メッシュモデルの円形部分にあるポイントの集合を生成すること、次いで、シンプレックスメッシュ構造を生成するように共にポイント全ての集合を接続することを有する。C(S)で表されている三次元のフレキシブルな管を生成するために、本発明の技術は、L(S)で表されているまっすぐな円筒であって、z軸においてアライメントされ、経路Pの三次元目標セグメントの全長に等しい長さlを有する、円筒から開始される。それ故、この技術は、経路Pの所定の三次元セグメントSを適合させるように、この円筒を伸縮自在に曲げることを有する。図1Aを参照するに、その技術は次の段階を有する。
【0021】
図6A及び6Bに示すように、対象のオブジェクトOIの管状セグメントBの中心線に対応する三次元経路Sを生成するための演算手段21を用いる段階。
【0022】
三次元セグメントSの長さに等しい長手方向の軸zに沿って規定される長さlを用いて、メッシュの何れの種類の最初のまっすぐな変形可能な円筒形メッシュモデルL(S)を生成するための演算手段31を用いる段階であって、前記三次元セグメントSにおいてサブセグメントu(S)を規定し、この最初のメッシュモデルL(S)をセグメントSの異なるサブセグメントu(S)に関連するサブセグメントに分割する、段階。
【0023】
メッシュの各々のサブセグメントについて、まっすぐなメッシュL(S)の最初の方向を関連する三次元サブセグメントu(S)の方向に変形する三次元の剛性変形を演算するための演算手段を用いる段階。
【0024】
一般円筒を生成するためのサブセグメントに対応するメッシュの頂点にこの剛性変形を適用するための演算手段40を用いる段階。
【0025】
しかしながら、例えば、2つの連続的なサブセグメントu(S)間の方向はすぐに変わるため、三次元セグメントSがスムーズでない場合、幾つかのアーティファクトが現れる可能性がある。それ故、曲げられた円筒はそれ自体が交差し、それ故、それは不所望のメッシュの自己交差の出現に繋がる。
【0026】
これはまた、結果として得られるメッシュの不所望の捩れに繋がる。メッシュの捩れは、変換中の連続的制御の不足によるものである。
【0027】
自己交差は、一意の変形が各々のサブセグメントに適用されない場合に回避される。それに代えて、連続的なサブセグメントに関連する剛体変形は、2つの連続的なサブセグメント間で混ぜ合わされる。好適には、それらの剛体変形は、2つの回転間の線形補間を用いて混ぜ合わされる。図3A及び3Bは、円形ビューにおいて、線形変換混ぜ合わせを用いない及び用いるメッシュ生成のそれぞれを示している。図3A及び3Bは、一のサブセグメントから他のサブセグメントへの全く大きい方向の変化を有する三次元セグメントSにおける回転混ぜ合わせの効果について示している。図3Aにおいては、三次元回転混ぜ合わせを伴わないで、例えば、1a、2a、3a等の接続ポイントにおいて異なる円が交差すること及び、生成されたシンプレックスメッシュは幾つかの自己交差を有することが理解できる。図3Bにおいては、回転の線形混ぜ合わせが、異なる円が一の方向から後続の方向にスムーズに変形されるように支援し、その結果、ポイント1b、2b、3bにおいて示しているように、極めて規則正しいメッシュが得られることが理解できる。図4A及び4Bは、シンプレックスメッシュビューにおいて、線形変形混ぜ合わせを伴わない及び伴うメッシュ生成のそれぞれを示している。図4A及び4Bのメッシュモデルは、図3A及び図3Bのメッシュ生成にそれぞれ対応する。
【0028】
一のセグメントから他のセグメントへの三次元剛性変形の線形混ぜ合わせは、自己交差を回避するには常に十分ではない。明らかに、そのような自己交差はまた、三次元セグメントSの局所的曲率と生成されたメッシュC(S)の所望の半径との間の関係に依存する。後者が局所的な曲率半径より大きい場合、その曲率半径はその曲率に反比例することが知られているが、それ故、曲率が大きいときにその曲率半径が小さい場合、自己交差が生じる。それ故、座標に沿った剛体変形のスムーズな進展が、上記の線形混ぜ合わせの操作により確実にされたとしても、一部の自己交差は尚も、現れる可能性がある。最初のまっすぐな円筒L(S)の、rで表される半径と、2つの連続的な円の間の距離と、三次元セグメントSの、cで表される曲率との間の関係は、そのような自己交差の生成に影響する。非常に曲がった経路において大きい半径rを有する円筒を歪める試みは、幾つかの重大な問題点に確実に繋がる。それ故、非常に曲線的な領域において円筒C(S)の直径を局所的に自動的に減少させることが好ましい。
【0029】
本発明にしたがって、メッシュ半径は、曲率、ポイントにおけるサンプル距離及び所望の入力半径に基づいて、自動的に適合される。管状メッシュ生成のための本発明のシステムは、局所的曲率にしたがった円筒形メッシュの半径を変調するための処理手段を有する。それ故、システムは、メッシュモデルの一のサブセグメントから他のサブセグメントへの急な半径変化と共に、管状の変形可能なメッシュモデルの曲がった領域における自己交差を回避するための自動的手段であって、三次元経路の局所的曲率にしたがった円筒形の変形可能なメッシュモデルの半径を変調するための演算手段を有する、自動的手段を有する。三次元回転と結合される縮小係数が演算される。本発明は器官に関連するため、与えられるセグメントSは簡単な近似を用いるには十分にスムーズであることが確実である。この縮小係数は、三次元セグメントSの最初の円筒の半径r及び予測される曲率半径に依存し、1/cに等しい。
【0030】
また、領域は他の領域の曲がりにより隠されることがあるため、半径が制限されていない一部の領域を視覚化することは困難であることがある。メッシュモデルが半径変調を用いて生成されるとき、自己交差は大きく減少される。しかしながら、器官の一般形状は制限された半径の領域において撹乱されない。他の部分においては、半径は変わらない。制限された半径の領域においては、異なる領域の視覚化及び追跡は一般に改善される。
【0031】
ここで、2つの連続的な回転、即ち、剛体変形が最小であるとき、メッシュの捩れは最小化される。画像処理システムは、メッシュの捩れを最小化するための自動手段を有し、最初のメッシュの方向から目標セグメントへの最小の三次元回転を演算するための演算手段を有する。三次元回転は、z軸である最初のメッシュ方向から目標サブセグメントu(S)への最小の回転として演算される。好適には、画像処理システムは、軸パラメータを有するセグメントと回転角パラメータを有するセグメントとの間のインクリメンタル回転を規定し、現サブセグメントについての新しい回転が、前サブセグメントについての回転並びに前サブセグメント及び現サブセグメントからの最小化移転の合成として演算するための自動手段を有する。図4C及び図4Bは、インクリメンタル回転を用いることにより得られる最小捩れを示している。図4Cは、z軸とu(s)との間の最小回転のみを用いるメッシュ生成の実施例を示している。図4Bは、最小捩れに繋がるインクリメンタル回転を更に用いるメッシュ生成の実施例を示している。図4Cにおいては、セルは、接合ポイントの周りで、例えば、領域4a及び5aにおいて捩れを加えられるため、捩れがメッシュにおいて表れていることが理解できる。それに代えて、図4Bにおいては、セルは、図4Cの領域4a及び5aに対応する領域4b及び5bにおけるように、メッシュ全体に亘って適切にアライメントされて保たれている。
【0032】
上記技術は、異なる種類の三次元経路と共に機能する。しかしながら、最適な結果は、鋭い角度が存在しないときに観測される。それ故、当業者に知られている何れのスムージング技術を用いて、入力三次元経路を予備的にスムージングすることはより適切である。更に適切な結果はまた、経路のセグメント長さが均一であるときに得られる。全てのそれらの予備処理の後、自己交差が尚も存在している場合、先行技術において記載されている変形と関連して冒頭部分で説明したように、アクティブ輪郭アルゴリズムの内部力による自動メッシュ修理スムージングが適用されることが可能である。
【0033】
ここで、図7Aに示しているように、S0、S01、S02、S021及びS022とラベリングされた経路Pのセグメントに対応して、M0、M01、M02、M021及びM022とラベリングされている一般的な曲がった円筒形メッシュが利用可能である。図1Aに示しているように、本発明のシステムは、図7B及び図7Cに示しているように、予め生成された曲がった円筒形メッシュを2つ、一体化するための更なる手段50を有する。
【0034】
本発明にしたがって、好適には、メッシュ一体化は、できるだけ少なく形成される。システムは、メッシュ一体化数を最小化するための処理手段を有する。システムは、最初のツリーの複数の枝にしたがって、生成されたツリー状メッシュ表面を自動的にラベリングするための手段を有するため、そのラベリングは最後のメッシュの複数の領域を規定する。一体化数を最小化するために、図1Aを参照して、システムの手段40は、連続的に、隣接中心線セグメントの最大有効数から第1円筒形構造を生成する。次いで、残りの円筒形構造は、この第1円筒形構造と1つずつ一体化される。
【0035】
図7Aを参照するに、例示として、第1円筒形構造40は、図6Bに示すように、隣接セグメントS0、S02及びS022により形成された連続する経路S0にしたがって構成される。次いで、他の円筒形構造が、この第1円筒形構造に一体化される。他の枝が一体化される幾つかの隣接中心線セグメントから主枝を直接、形成するこの第1円筒形構造を生成することにより、一体化操作数は最小化される。同じ原理を、副枝を有する他の枝に適用することが可能である。図7Aの実施例においては、M0、M02、M022から形成されるM0でラベリングされた第1一般円筒形は、図7Bに示すように、経路S01に対応する一般円筒形M01と一体化される。この第1一般円筒形M0は、図7Cに示すように、経路S022に対応する一般円筒形M022と更に一体化される。
【0036】
図1Bを参照するに、本発明のシステムの一体化手段50は、2つのメッシュの交差部分の検出のための副手段51を有する。システムは、それ故、必要に応じて、交差セルの削除又はメッシュの空きのための副手段52を有する。交差面の削除及びメッシュの空きのために、交差面にはタグが付けられる。メッシュのタグ面は削除され、孔は維持される。
【0037】
図1Cを参照するに、図5A乃至5Cに示されているように、一体化手段50は、詳しくは、次のようなものを更に有する。
【0038】
2つのメッシュの2値ボリュームを用いる、交差セルの検出手段51。図5Aに示す球100a、100bのような2つのメッシュは、2値化機能を用いて2値化される。2値化分解能が低過ぎるとき、一部の交差は損なわれる可能性があるため、2値化分解能についての質問は非常に重要である。それ故、1つのメッシュの各々の頂点は、それらが反対側のメッシュの2値体積に属すかどうかを理解するように調べられる。その答が肯定的である場合、頂点が属す面は、FACE_INSIDEラベルでタグ付けされる。
【0039】
検出された交差セルの削除手段。FACE_INSIDEとタグ付けされた全ての面は両方のメッシュにおいて削除される。図5Bは、2つのメッシュ100a、100bの場合に、領域102における交差セルの削除について示している。
【0040】
2つのメッシュにおける交差輪郭の検出手段53。2つのメッシュにおける開いた空いた輪郭が探索される。
【0041】
空いた輪郭を一体化させるためのペアリング手段。この実施形態においては、その一体化は、輪郭の重心の近似に基づいている。このような簡単な基準は、合理的に適切に機能するようにみえるが、勿論、更に洗練された基準を、必要に応じて、求めることができる。
【0042】
交差輪郭の対応する対を連結するための連結手段55。輪郭の各々の対は別個に処理される。各々の対については、第1相互最近接頂点が2つの輪郭において求められて連結される。輪郭における頂点の数は等しくなく、それら頂点の分布は必ずしも同じようではないため、その連結手段は、残りの“空いている”頂点について注意を払う。それらの空いている頂点は、既に連結された頂点の間に位置している。2つの連結された頂点の間の輪郭の一部はセグメントと呼ばれる。全てのセグメントは、それら両方の終点が連結されるように結合される(即ち、各々のセグメントは、反対側において対応するセグメントを有する)。セグメントの各々の空いている頂点について、新しい頂点が反対側のセグメントに挿入され、次いで、連結される。新しい頂点は、そのセグメントにおいて、反対側のセグメントにおける対応する、空いている頂点と同じ相対的位置を得る。
【0043】
面生成手段56。新しい面の生成は、前に連結された頂点から開始して、閉じた輪郭に従うことに基づいて、なされる。新しく生成された面についての全ての位相関係がまた、確立される。図5Cは、球状メッシュ100a及び100b間の領域103における面生成を示している。
【0044】
2つのメッシュが非常に異なるセル分解能を有する場合、交差面の検出は失敗する可能性がある。例えば、非常に大きいセルを有する球が、直径がその球のセルサイズより小さい円筒形と交差する場合、その球の頂点がその円筒形の2値体積の内側で検出されないことが起こり得る。他方、球の2値体積とのその円筒形の交差が求められる。したがって、この場合は、検出される。そのような状況についての有効な解は、オブジェクト、例えば、球を改善し、また、この実施例においては円筒形である第2メッシュを伴って、同様のセル分解能を有する。
【0045】
医療用視覚化システム及び装置
図8は、医療用検査装置に組み込まれた、本発明にしたがった画像視覚化システムの実施形態の基本構成を示している。医療用検査装置151は、患者が横になるベッド110又は画像化装置に対して患者を位置付けるための他の要素を有することが可能である。医療用画像化装置151は、CTスキャナ若しくはX線装置又は超音波装置のような他の医療用画像化装置であることが可能である。装置151により生成される画像データは、上記のような画像データを処理するための命令を有する汎用コンピュータのようなデータ処理手段153に供給される。データ処理手段153は、代表的には、モニタ154のような視覚化装置と、ユーザがシステムとインターラクトすることができるように、ユーザが操作可能であるキーボード、マウス、ポインティング装置、プリント装置等の入力装置155とに関連付けられている。データ処理装置153は、全自動手段を用いて、本発明のシステムを実施するためにプログラムされている。特に、データ処理装置153は演算手段及びメモリ手段を有する。システムを操作するために予めプログラムされた命令を有するコンピュータプログラムプロダクトがまた、実施される。本発明はまた、器官の視覚化の改善についての、動脈のような管状のツリー状本体器官の自動セグメント化のための医療用画像処理方法に関し、前記方法は画像処理システムを動作させるための段階を有する。
【0046】
上記詳細説明及び図は、例示であって、本発明を限定するものではない。同時提出の特許請求の範囲における範囲に含まれる多くの代替のものがあることは明らかである。更に、本発明においては、ディスプレイのために画像データを生成する用語について記載したが、本発明は、ディスプレイ装置における表示を含む画像データ及びプリントの視覚化の何れの形式を実質的にカバーすることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1A】三次元画像におけるツリー状の管状器官のセグメント化のための視覚化システムの基本ブロック図である。
【図1B】その視覚化システムの一体化手段の基本ブロック図である。
【図2】順序付けられたポイントの所定経路に基づいて、セグメント毎にメッシュを曲げる段階を示す図である。
【図3A】円形ビューにおいて、線形変換混ぜ合わせを用いないメッシュ生成を示す図である。
【図3B】円形ビューにおいて、線形変換混ぜ合わせを用いるメッシュ生成を示す図である。
【図4A】シンプレックスメッシュビューにおいて、線形変換混ぜ合わせを用いないメッシュ生成を示す図である。
【図4B】捩れの最小化に繋がる線形変換混ぜ合わせ及び半径減少を用いるシンプレックスメッシュビューにおいて、メッシュ生成を示す図である。
【図4C】半径減少を用いず、サブセグメント間で最小回転を用いるメッシュ生成の実施例を示す図である。
【図5A】分岐を生成するために2つのメッシュモデルの間の交差領域の生成を示す図であり、対向するメッシュの内側に属す面の検出及び削除を示す図である。
【図5B】分岐を生成するために2つのメッシュモデルの間の交差領域の生成を示す図であり、2つのメッシュの新しい一体化をもたらす新しい面を生成するための、空いている輪郭の結合及び連結を示す図である。
【図5C】分岐を生成するために2つのメッシュモデルの間の交差領域の生成を示す図であり、新しい一体化領域を示す図である。
【図6A】三次元画像における器官のような最初のツリー状管状構造を示す図である。
【図6B】図6Aの三次元ツリー状管状構造の中心線を示す図である。
【図7A】中心線のそれぞれの部分に基づいて、ツリー状構造の枝を適合させる管状メッシュモデルの生成を示す図である。
【図7B】管状メッシュモデルの一の枝から他の枝への結合を示す図である。
【図7C】前に構成されたツリー状の管状メッシュモデルに管状メッシュモデルの他の枝を更に結合させることを示す図である。
【図8】図1のシステムを用いる医療用検査装置の基本ブロック図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元画像においてツリー状管状構造の全自動セグメント化のための演算手段を有する画像データ処理システムであって:
前記ツリー状管状構造のツリー状中心経路を演算する手段;
前記ツリー状管状構造の前記ツリー状中心経路をポイントを形成したセグメントに分割する手段;
前記ツリー状中心経路の個々のセグメントについて、セルを構成する一般円筒形メッシュを生成する手段;及び
2つの一般円筒形メッシュを一体化する手段;
を有する画像データ処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像データ処理システムであって、一般円筒形メッシュを連結するための手段は:
前記2つの一般円筒形メッシュの交差の検出手段;
前記2つの一般円筒形メッシュにおいて空いている輪郭を生成する、検出された交差セルの削除手段;
交差輪郭を生成するために前記の開いている輪郭の検出手段;
前記2つの一般円筒形メッシュの交差輪郭を一体化するためのペアリング手段;
交差輪郭の対応する対を連結するための連結手段;及び
前記交差輪郭にしたがって新しい面を生成するための面生成手段;
を有する、画像データ処理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像データ処理システムであって、前記セグメント化の手段は一体化の数を最小化する手段を有し、該最小化する手段は:
最初のツリー状管状構造の複数の領域にしたがって生成されたツリー状経路セグメントを自動的にラベル付けするラベル手段;
連続的に、最初のツリー状管状構造の領域の対応する数に対応する隣接中心線セグメントの最大有効数から複数の一般円筒形メッシュを生成する生成手段;及び
1つのツリー状メッシュに一般円筒形メッシュ間でそれらの一般円筒形メッシュを一体化する一体化手段;
を有する、画像データ処理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れ一項に記載の画像データ処理システムであって、一般円筒形メッシュを生成する手段は:
順序付けられたポイントの集合を有する三次元経路のセグメントを適合させ、前記三次元経路の曲率と、経路ポイントのサンプル距離と、所定の入力半径とに基づいて、メッシュ半径を自動的に適合させるための変形可能管状メッシュモデルを生成する生成手段;
を有する、画像データ処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の画像データ処理システムであって、前記の変形可能管状メッシュモデルを生成する生成手段は:
前記三次元経路のセグメントの長さに等しい長手方向の軸に沿って規定される長さを有する、何れの種類のメッシュの最初のまっすぐな変形可能円筒形メッシュモデルを生成するための;
前記三次元経路のセグメントの異なるサブセグメントに関連する長さのセグメントにこの最初のまっすぐな変形可能円筒形メッシュモデルを分割するための;
前記メッシュの各々のセグメントについて、前記三次元経路のセグメントの関連する前記サブセグメントの方向に前記メッシュの最初の方向を変形する剛体変形を演算するための;そして
前記サブセグメントに対応するメッシュの頂点に前記変換を適用するための;
演算手段を有する、画像データ処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像データ処理システムであって、連続的なサブセグメントに関連する剛体変形を演算する手段であって、前記変形は2つの連続するサブセグメントの間で混ぜ合わされる、手段を有する、画像データ処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の画像データ処理システムであって、メッシュモデルの曲がった経路間の自己交差を制限する手段であって、連続的なサブセグメント間の剛体変形についての回転を演算する、手段であり、線形補間が三次元剛体変形混ぜ合わせのための2つの回転間で用いられる、手段を有する、画像データ処理システム。
【請求項8】
請求項5乃至7の何れ一項に記載の画像データ処理システムであって、前記メッシュモデルの一のサブセグメントから他のセグメントに、急な半径の変化と共に前記の変形可能管状メッシュモデルの曲がった領域において自己交差を回避する手段であって、三次元経路の局所曲率にしたがって、円筒形変改可能メッシュモデルの半径を変調する演算手段を有する、手段を有する、画像データ処理システム。
【請求項9】
請求項5乃至8の何れ一項に記載の画像データ処理システムであって、メッシュの捩れを最小化する手段であって、最初のメッシュ方向から目標セグメントへの最小の三次元回転を演算する演算手段を有する、手段を有する、画像データ処理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の画像データ処理システムであって、軸パラメータを有するセグメントと回転角パラメータを有するセグメントとの間の回転を規定し、現サブセグメントについての新しい回転が、前サブセグメントについて求められた回転と前記前サブセグメント及び現サブセグメントからの最小回転との合成として演算されるように、一のセグメントから他のセグメントまで繰り返してそれらのパラメータを演算する手段を有する、画像データ処理システム。
【請求項11】
医療用視覚化システムであって:
三次元ツリー状の管状器官の三次元医療用画像データを取得する手段であって、適切にプログラムされたコンピュータ又は特定目的処理器は回路手段を有し、その回路手段は請求項1乃至10の何れ一項に記載の処理システムを構成するように備えられている、手段;及び
前記医療用画像を表示する表示手段;
を有する医療用視覚化システム。
【請求項12】
医療用視覚化システムであって:
三次元ツリー状の管状器官の三次元医療用画像データを取得し、画像を処理するように請求項1乃至11の何れ一項に記載の自動処理システムを有する手段;及び
前記医療用画像を表示する表示手段;
を有する医療用視覚化システム。
【請求項13】
請求項1乃至11の何れ一項に記載の自動処理システムを動作させる命令の集合を有するコンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項1乃至11の何れ一項に記載の自動処理システムの自動手段を動作させる段階を有する画像処理方法。
【請求項1】
三次元画像においてツリー状管状構造の全自動セグメント化のための演算手段を有する画像データ処理システムであって:
前記ツリー状管状構造のツリー状中心経路を演算する手段;
前記ツリー状管状構造の前記ツリー状中心経路をポイントを形成したセグメントに分割する手段;
前記ツリー状中心経路の個々のセグメントについて、セルを構成する一般円筒形メッシュを生成する手段;及び
2つの一般円筒形メッシュを一体化する手段;
を有する画像データ処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像データ処理システムであって、一般円筒形メッシュを連結するための手段は:
前記2つの一般円筒形メッシュの交差の検出手段;
前記2つの一般円筒形メッシュにおいて空いている輪郭を生成する、検出された交差セルの削除手段;
交差輪郭を生成するために前記の開いている輪郭の検出手段;
前記2つの一般円筒形メッシュの交差輪郭を一体化するためのペアリング手段;
交差輪郭の対応する対を連結するための連結手段;及び
前記交差輪郭にしたがって新しい面を生成するための面生成手段;
を有する、画像データ処理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像データ処理システムであって、前記セグメント化の手段は一体化の数を最小化する手段を有し、該最小化する手段は:
最初のツリー状管状構造の複数の領域にしたがって生成されたツリー状経路セグメントを自動的にラベル付けするラベル手段;
連続的に、最初のツリー状管状構造の領域の対応する数に対応する隣接中心線セグメントの最大有効数から複数の一般円筒形メッシュを生成する生成手段;及び
1つのツリー状メッシュに一般円筒形メッシュ間でそれらの一般円筒形メッシュを一体化する一体化手段;
を有する、画像データ処理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れ一項に記載の画像データ処理システムであって、一般円筒形メッシュを生成する手段は:
順序付けられたポイントの集合を有する三次元経路のセグメントを適合させ、前記三次元経路の曲率と、経路ポイントのサンプル距離と、所定の入力半径とに基づいて、メッシュ半径を自動的に適合させるための変形可能管状メッシュモデルを生成する生成手段;
を有する、画像データ処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の画像データ処理システムであって、前記の変形可能管状メッシュモデルを生成する生成手段は:
前記三次元経路のセグメントの長さに等しい長手方向の軸に沿って規定される長さを有する、何れの種類のメッシュの最初のまっすぐな変形可能円筒形メッシュモデルを生成するための;
前記三次元経路のセグメントの異なるサブセグメントに関連する長さのセグメントにこの最初のまっすぐな変形可能円筒形メッシュモデルを分割するための;
前記メッシュの各々のセグメントについて、前記三次元経路のセグメントの関連する前記サブセグメントの方向に前記メッシュの最初の方向を変形する剛体変形を演算するための;そして
前記サブセグメントに対応するメッシュの頂点に前記変換を適用するための;
演算手段を有する、画像データ処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像データ処理システムであって、連続的なサブセグメントに関連する剛体変形を演算する手段であって、前記変形は2つの連続するサブセグメントの間で混ぜ合わされる、手段を有する、画像データ処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の画像データ処理システムであって、メッシュモデルの曲がった経路間の自己交差を制限する手段であって、連続的なサブセグメント間の剛体変形についての回転を演算する、手段であり、線形補間が三次元剛体変形混ぜ合わせのための2つの回転間で用いられる、手段を有する、画像データ処理システム。
【請求項8】
請求項5乃至7の何れ一項に記載の画像データ処理システムであって、前記メッシュモデルの一のサブセグメントから他のセグメントに、急な半径の変化と共に前記の変形可能管状メッシュモデルの曲がった領域において自己交差を回避する手段であって、三次元経路の局所曲率にしたがって、円筒形変改可能メッシュモデルの半径を変調する演算手段を有する、手段を有する、画像データ処理システム。
【請求項9】
請求項5乃至8の何れ一項に記載の画像データ処理システムであって、メッシュの捩れを最小化する手段であって、最初のメッシュ方向から目標セグメントへの最小の三次元回転を演算する演算手段を有する、手段を有する、画像データ処理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の画像データ処理システムであって、軸パラメータを有するセグメントと回転角パラメータを有するセグメントとの間の回転を規定し、現サブセグメントについての新しい回転が、前サブセグメントについて求められた回転と前記前サブセグメント及び現サブセグメントからの最小回転との合成として演算されるように、一のセグメントから他のセグメントまで繰り返してそれらのパラメータを演算する手段を有する、画像データ処理システム。
【請求項11】
医療用視覚化システムであって:
三次元ツリー状の管状器官の三次元医療用画像データを取得する手段であって、適切にプログラムされたコンピュータ又は特定目的処理器は回路手段を有し、その回路手段は請求項1乃至10の何れ一項に記載の処理システムを構成するように備えられている、手段;及び
前記医療用画像を表示する表示手段;
を有する医療用視覚化システム。
【請求項12】
医療用視覚化システムであって:
三次元ツリー状の管状器官の三次元医療用画像データを取得し、画像を処理するように請求項1乃至11の何れ一項に記載の自動処理システムを有する手段;及び
前記医療用画像を表示する表示手段;
を有する医療用視覚化システム。
【請求項13】
請求項1乃至11の何れ一項に記載の自動処理システムを動作させる命令の集合を有するコンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項1乃至11の何れ一項に記載の自動処理システムの自動手段を動作させる段階を有する画像処理方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【公表番号】特表2007−537815(P2007−537815A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517536(P2007−517536)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【国際出願番号】PCT/IB2005/051500
【国際公開番号】WO2005/114575
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【国際出願番号】PCT/IB2005/051500
【国際公開番号】WO2005/114575
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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