説明

不審人物検出方法、及び不審人物検出システム

【課題】ストーカーのように監視対象者を尾行している不審人物を検出して監視対象者に通知する不審人物検出方法等を提供する。
【解決手段】 異なる時刻における監視対象者の位置情報を取得する工程と、取得された位置情報から所定の距離内に設置されたカメラを特定し、当該特定されたカメラで撮像されたそれぞれの時刻における撮像情報を取得する工程と、それぞれの時刻に取得された撮像情報に、監視対象者、及び被監視対象者が共通して含まれている場合に、前記監視対象者の周辺における不審人物の存否を判断する工程とを含む。判断する際には、設置されたカメラの距離、撮像時刻の時間差、撮像された人物数等に基づいて行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防犯カメラを用いて特定の人物に対する不審人物を検出する不審人物検出方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、ストーカー被害をはじめとして犯罪が多く発生している。それに対応するために民間のセキュリティ企業が大きく成長し、ホームセキュリティ等日頃より耳にするようになり、世間のセキュリティに対する意識も高まってきている。首都圏を中心に防犯カメラも普及し始め、防犯への意識はますます高まってきている。また、認識工学の進歩により、カメラ画像から顔認識を行う技術が確立されている。
【0003】
犯罪の一つとしてストーカー被害があり、いつ襲われるかわからないという恐怖がある。それによって日常生活が送れなくなる人も多くいる。現在警察では犯罪が発生してからでないと動いてもらえず、不安な日々を過ごすことは少なくない。個人的にボディガードを雇うにしても多額の報酬が必要となり、誰でも利用できるようなものではない。
【0004】
上記に関連して、不審人物を特定して対策処理等を行う技術が開示されている。
例えば、被監視者の視線方向と監視者の位置とに基づいて、被監視者の視線方向に監視者がいる場合に、被監視者を不審者と判断する技術が知られている(例えば、特許文献1)。しかしながら、当該技術によれば、人が密集しているような場合や監視者が移動しているような場合には、被監視者が監視者に視線を向けているかどうかの判断が曖昧になり不審者を誤認識してしまう可能性がある。
【0005】
又、撮像された人物の顔の大きさに基づいて不審人物に対する対策処理を行うかどうかを判断する技術、及び、撮像された顔画像を記憶し、安全な人物である危険な人物であるかを判断し、危険な人物であると判断された場合に対策処理を行う技術が知られている(例えば、特許文献2)。しかしながら、当該技術によれば、撮像された時間、頻度、顔の大きさ等に基づいて不審人物を特定するのは、カメラの設置箇所に接近する人物しか対象にできず、ストーカーのように尾行して移動するような不審人物には適用することが困難になる。
【0006】
又、それぞれ所定の箇所(ATM、玄関先等)における不審人物を特定することができる技術が知られている(例えば、特許文献3、4)。しかしながら、当該技術によれば、上述したように、監視対象者を尾行している不審人物を特定することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−213224号公報
【特許文献2】特開2006−11728号公報
【特許文献3】特開2006−79382号公報
【特許文献4】特開2006−155435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ストーカーのように監視対象者を尾行している不審人物を検出して監視対象者に通知する不審人物検出方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願に開示する不審人物検出方法は、任意の一の時刻における監視対象者の第1の位置情報を取得する第1の位置情報取得工程を含む。また、取得された第1の位置情報から所定の距離内に設置されたカメラを特定し、特定されたカメラで撮像された任意の一の時刻における撮像情報を少なくとも含む、任意の一の時刻から所定時間の範囲内の撮像情報を取得する第1の撮像情報取得工程を含む。さらに、前記任意の一の時刻と異なる任意の他の時刻における前記監視対象者の第2の位置情報を取得する第2の位置情報取得工程を含む。さらにまた、取得された第2の位置情報から所定の距離内に設置されたカメラを特定し、特定されたカメラで撮像された任意の他の時刻における撮像情報を少なくとも含む、任意の他の時刻から所定時間の範囲内の撮像情報を取得する第2の撮像情報取得工程を含む。さらにまた、第1の撮像情報取得工程、及び第2の撮像情報取得工程で取得された撮像情報に、前記監視対象者、及び被監視対象者が共通して含まれている場合に、監視対象者の周辺における不審人物の存否を判断する不審人物判断工程を含む。
【0010】
このように、本願に開示する不審人物検出方法は、監視対象者の周辺に設置された複数のカメラに、監視対象者と被監視対象者が異なる時刻に共通して撮像された場合に、不審人物の存否を判断する。そのため、監視対象者と被監視対象者が共通して撮像されている場合には、監視対象者が被監視対象者に尾行されている可能性があり、例えばストーカーのように移動中の不審人物の存在を確認することができる。
【0011】
これまで、本発明を方法として示したが、所謂当業者であれば明らかであるように本発明を装置、システム、及び、プログラムとして捉えることもできる。これら前記の発明の概要は、本発明に必須となる特徴を列挙したものではなく、これら複数の特徴のサブコンビネーションも発明となり得る。
【0012】
すなわち、本願に開示する不審人物検出方法の構成要素または構成要素の任意の組合せを、装置、回路、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、データ構造などに適用したものも、他の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態に係る不審人物検出システムのシステム構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る不審人物検出システムにおける情報管理装置のハードウェア構成図である。
【図3】第1の実施形態に係る不審人物検出システムにおける情報管理装置の機能ブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係る不審人物検出システムにおいて使用するデータのデータ構成を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係る不審人物検出システムの動作(不審人物検出方法)を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係る不審人物検出システムにおいて取得した撮像情報の一例を示す図である。
【図7】第1の実施形態に係る不審人物検出システムの認識処理を示すフローチャートである。
【図8】監視対象者と被監視対象者が異なる防犯カメラで共通に撮像された場合の一例を示す第1の図である。
【図9】監視対象者と被監視対象者が異なる防犯カメラで共通に撮像された場合の一例を示す第2の図である。
【図10】監視対象者と被監視対象者が異なる防犯カメラで共通に撮像された場合の一例を示す第3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明は多くの異なる形態で実施可能である。従って、本実施形態の記載内容のみで本発明を解釈すべきではない。また、本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。
【0015】
以下の実施の形態では、主にシステムについて説明するが、所謂当業者であれば明らかな通り、本発明は装置、方法、及び、コンピュータを動作させるためのプログラムとしても実施できる。また、本発明はハードウェア、ソフトウェア、または、ハードウェア及びソフトウェアの実施形態で実施可能である。プログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、光記憶装置、または、磁気記憶装置等の任意のコンピュータ可読媒体に記録できる。さらに、プログラムはネットワークを介した他のコンピュータに記録することができる。
【0016】
(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係る不審人物検出システムについて、図1ないし図10を用いて説明する。
(1.構成)
図1は、本実施形態に係る不審人物検出システムのシステム構成図である。不審人物検出システム1は、複数の防犯カメラ(A、B、・・・)110と当該防犯カメラ110に接続する情報管理装置100とを備える。また、監視の対象となる監視対象者120は、情報管理装置100と情報の送受信を行うことができる端末121(例えば、携帯電話機)を保持している。
【0017】
監視対象者120は、例えば自宅や職場から出たときに端末121を用いて情報管理装置100に位置情報を送信する。情報管理装置100では、受信した位置情報に基づいて、監視対象者120の周辺の防犯カメラ110(防犯カメラA、B1、B2、C)が撮像した撮像情報を取得する。取得した撮像情報に基づいて、複数の防犯カメラ110(例えば、防犯カメラAと防犯カメラC)の撮像情報に監視対象者120、及び被監視対象者130が異なる時刻に共通して撮像されているかどうかを検出する。共通して撮像されている場合は、被監視対象者130が監視対象者120に対してストーカー行為等を行っている不審人物である可能性があると判断し、監視対象者120が保持する端末121にその旨を緊急連絡として通知する。
【0018】
監視対象者120は、受信した通知を確認して避難や援助を求める。また、撮像情報に含まれる監視対象者120以外の人物は、不審人物候補として記録され、監視対象者120に防犯カメラレポート140として出力される。監視対象者120は、防犯カメラレポート140を参照して、不審人物であるか否かを判断し、不審人物である場合は、不審人物として情報管理装置100に登録する。以降、監視対象者120と登録された不審人物が防犯カメラ110に共通に撮像された場合は、即座に緊急連絡を行うことになる。
【0019】
図2は、本実施形態に係る不審人物検出システムにおける情報管理装置100のハードウェア構成図である。コンピュータ200は、CPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、フラッシュメモリ(Flash Memory)204、外部記憶装置であるHD(Hard Disk)205を備える。また、LAN(Local Area Network)カード206、マウス207、キーボード208を備える。さらに、ビデオカード209、このビデオカード209と電気的に接続する表示装置であるディスプレイ209a、サウンドカード210、このサウンドカード210と電気的に接続する音出力装置であるスピーカ210aを備える。さらにまた、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等の記憶媒体を読み書きするドライブ211を備える。
なお、上記ハードウェア構成はあくまで一例を示したものであり、構成要素の変更をすることができるのは当然である。
【0020】
図3は、本実施形態に係る不審人物検出システムにおける情報管理装置の機能ブロック図である。位置情報取得部305は、監視対象者120が保持する端末121から位置情報を取得し、カメラ特定部310が、取得した位置情報に基づいて監視対象者120の周辺の防犯カメラ110を特定する。
【0021】
撮像指示管理部315は、特定された防犯カメラ110に対して撮影の指示を送ると共に、撮像された撮像情報を取得し防犯カメラ取得情報360に格納する。防犯カメラ取得情報360には、防犯カメラ110に関する情報が格納されており、防犯カメラデータコード、防犯カメラコード、撮影日時等が格納されている(図4(d)を参照)。人物検出部320は、防犯カメラ取得情報360に格納された撮像情報に基づいて撮像情報に含まれる人物を検出する。
【0022】
人物が検出されると、認識処理部325が、防犯カメラマスタ情報365、利用者マスタ情報370、及び不審人物マスタ情報375に基づいて認識処理を行う。防犯カメラマスタ情報365には、防犯カメラ110に関する情報が格納されており、例えばカメラの位置情報、稼動状況、設置場所等が格納されている(図4(b)を参照)。監視対象者マスタ情報370には、監視対象者120に関する情報が格納されており、例えば氏名、緊急連絡先、住所等が格納されている(図4(a)を参照)。不審人物マスタ情報325には、どの監視対象者120に対する不審人物であるかという情報、顔画像情報、顔画像情報取得日、撮像された防犯カメラコード、名称、緊急連絡方法、除外フラグ等が格納されている(図4(c)を参照)。認識処理部325は、それらの情報に基づいて、複数の防犯カメラ110の撮像情報に含まれる監視対象者120や不審人物(被監視対象者130)を認識する。
【0023】
不審度数算出部330は、被監視対象者130が不審人物である度合いを示す不審度数を算出する。不審度数の算出についての詳細は後述するが、不審度数は被監視対象者130が撮像された回数、防犯カメラ110の設置距離、撮像された時間差、及び/又は撮像情報に含まれる人物の数等に基づいて算出される。また、このとき偶然係数情報385を参照して不審度数を算出する。偶然係数には、接近回数に対する係数等が格納されている(図4(f)を参照)。
【0024】
不審度数が所定の閾値以上である場合には、不審人物判定部335が不審人物であると判断し、不審人物通知部350に対して通知指示を出す。通知指示を受けた不審人物通知部350は、監視対象者120の周辺に不審人物が存在する旨の情報を端末121に送信する。
【0025】
また、不審人物判定部335は、被監視対象者130が不審人物であるか否かに関わらず、撮像された被監視対象者130の情報を不審人物候補情報380に記録すると共に、不審人物リスト出力部340に対して不審人物候補リスト301の出力指示を出す。不審人物候補情報380には、どの監視対象者120に対する不審人物候補であるかという情報、顔画像情報、顔画像情報取得日、撮像された防犯カメラコード、撮像された防犯カメラデータ、今月の撮影回数、不審度数等が格納されている(図4(e)を参照)。
【0026】
監視対象者120は、出力された不審人物候補リスト301を参照し、不審人物とそうでない人物とを区分する。不審人物登録部345は、監視対象者120が区分した情報に基づいて不審人物や不審人物から除外する人物(例えば、知人、親類等)を不審人物マスタ情報375に登録する。
【0027】
図4は、本実施形態に係る不審人物検出システムにおいて使用するデータのデータ構成を示す図である。図4(a)は、監視対象者マスタ情報370のデータ構成を示す図である。監視対象者マスタ情報370は、監視対象者120を一意に特定する監視対象者コード、氏名、緊急連絡先のメールアドレス、緊急連絡先の電話番号、自宅の住所、勤務先の住所等が含まれる。監視対象者120が保持する端末121がGPS機能を有しない場合は、監視対象者120の位置情報として、「自宅」や「勤務先」を送信することで住所を特定することができる。また、自宅、勤務先の他に、監視対象者120が頻繁に行動する場所がある場合には、それらの住所を登録してもよい。
【0028】
図4(b)は、防犯カメラマスタ情報365のデータ構成を示す図である。防犯カメラマスタ情報365は、防犯カメラ110を一意に特定する防犯カメラコード、位置情報X(経度情報)、位置情報Y(緯度情報)、稼動状況、カメラ設置場所等が含まれる。
【0029】
図4(c)は、不審人物マスタ情報375のデータ構成を示す図である。不審人物マスタ情報375は、不審人物を一意に特定する不審者コード、誰に対する不審人物であるかを示す監視対象者コード、顔画像情報、顔画像情報取得日、顔画像が撮像された防犯カメラのカメラコード、名称、緊急連絡方法、不審者除外フラグ等が含まれる。緊急連絡方法には、例えば携帯メール、携帯電話、警備会社連絡等の情報が格納されており、撮像された不審人物に応じて対処方法を設定することができる。また、不審者除外フラグが「1」の場合は、不審人物から除外されるため、不審度数が高い場合であっても緊急連絡等の対応を行わない。この不審者除外フラグは、知人や親族等のように一緒に行動することが多い人物について「1」を設定しておくことで、知人や親族を不審人物から除外することができる。
【0030】
図4(d)は、防犯カメラ取得情報360のデータ構成を示す図である。防犯カメラ取得情報360は、防犯カメラ110で撮像されたデータを一意に特定する防犯カメラデータコード、防犯カメラコード、撮影日、撮影時間等が含まれる。
【0031】
図4(e)は、不審人物候補情報380のデータ構成を示す図である。不審人物候補情報380は、不審人物の候補を一意に特定する不審者候補コード、誰に対する不審人物の候補であるかを示す監視対象者コードが含まれる。また、顔画像情報、顔画像情報取得日、顔画像情報撮影カメラコード、防犯カメラデータコード、今月の撮影回数、不審度数等が含まれる。さらに、不審人物の候補の印象(特徴)を示す情報として、服装の色、体型、装飾品(眼鏡やマスク)、髪の色等が含まれる。
【0032】
図4(f)は、偶然係数情報385のデータ構成を示す図である。偶然係数情報385には、所定期間(1日、1週間、1ヶ月、1年等)における接近回数に対する偶然係数が格納されている。
なお、図4に示す各データ構成は一例であり任意に設計することができるものとする。
【0033】
(2.動作)
図5は、本実施形態に係る不審人物検出システムの動作(不審人物検出方法)を示すフローチャートである。まず、監視対象者120が保持する端末121が有するGPS機能により、監視対象者120の位置を特定し、特定された位置に近接する防犯カメラ110の撮像情報(画像情報、又は動画情報)を取得する(ステップS501)。近接する防犯カメラ110については、監視対象者120を中心とする半径数m以内(例えば、100m)にある防犯カメラ110を対象とする。
【0034】
ここで、取得する撮像情報について説明する。図6は、本実施形態に係る不審人物検出システムで取得した撮像情報の一例を示す図である。ここでは、異なる防犯カメラA、Bにおいて、任意の時刻における画像のみではなく、任意の時刻から所定の範囲時間内(例えば、前後10秒以内)の複数の画像を取得しておく。これは、監視対象者120と被監視対象者130が必ずしも同時に撮像されるとは限らず、特に尾行されているような場合は、所定の間隔を空けて撮像される可能性があるためである。
【0035】
なお、端末121がGPS機能を有していない場合には、住所情報を情報管理装置100に送信してもよいし、予め登録している住所(自宅、勤務先、駅等)の場所を送信してもよい。
【0036】
図5に戻って、取得した撮像情報から人物を検出する(ステップS502)。検出した人物から監視対象者120を特定し(ステップS503)、認識処理を行う(ステップS504)。
【0037】
ここで、ステップS504の認識処理について説明する。図7は、本実施形態に係る不審人物検出システムの認識処理を示すフローチャートである。まず、特定された監視対象者120以外の人物(被監視対象者130)の特徴を抽出する(ステップS701)。抽出する特徴情報は、例えば、被監視対象者130の服の色、体型、髪の色、装飾品、顔等の特徴である。不審人物登録マスタ情報375に登録された顔画像情報と抽出した特徴情報(顔情報)とを比較し(ステップS702)、一致する場合は不審人物の存在を監視対象者120や警備会社等に通知して(ステップS703)、認識処理を終了する。
【0038】
不審人物に一致しない場合は、不審人物候補情報380に登録された服の色情報と抽出した特徴情報(服の色)とを比較し(ステップS704)、一致しない場合は、不審人物候補情報に未登録であるとする(ステップS710)。
【0039】
服の色が一致する場合は、不審人物候補情報380に登録された体型情報と抽出した特徴情報(体型)とを比較し(ステップS705)、一致しない場合は、不審人物候補情報に未登録であるとする(ステップS710)。
【0040】
体型が一致する場合は、不審人物候補情報380に登録された髪の色情報と抽出した特徴情報(髪の色)とを比較し(ステップS706)、一致しない場合は、不審人物候補情報に未登録であるとする(ステップS710)。
【0041】
髪の色が一致する場合は、不審人物候補情報380に登録された装飾品情報と抽出した特徴情報(装飾品)とを比較し(ステップS707)、一致しない場合は、不審人物候補情報に未登録であるとする(ステップS710)。
【0042】
装飾品が一致する場合は、不審人物候補情報380に登録された顔画像情報と抽出した特徴情報(顔情報)とを比較し(ステップS708)、一致しない場合は、不審人物候補情報に未登録であるとする(ステップS710)。顔情報が一致する場合は、不審人物候補情報に登録済みであるとして(ステップS709)、認識処理を終了する。
【0043】
なお、服装の色や髪の色を比較する場合は、人物がいない場合の撮像情報と被監視対象者130が撮像された場合の撮像情報との差分領域を抽出し、その差分領域の平均色を取得することで比較するようにしてもよい。
また、天候状態や立地条件等により色の補正を行うようにしてもよい。
【0044】
さらに、装飾品の比較については、図4(e)に示すように装飾品の有無を比較してもよいし、例えばマスク、眼鏡、サングラス、帽子、マフラー、手袋、バッグ等を区別し、それらを個々に判定して比較するようにしてもよい。
【0045】
さらにまた、撮像状態が悪い場合、撮像された人物のサイズが小さい場合、後姿が撮像された場合には、洋服や髪の色、体型等に基づいて人物の特定を行うようにしてもよい。撮像状態が良く画像が鮮明である場合には、洋服や髪の色、体型等に加えて眼鏡(サングラス)やマスク等の装飾品や顔の特徴(顔認識)に基づいて人物の特定を行うようにしてもよい。そうすることで、撮像状態に左右されず確実に人物を特定することができる。
【0046】
図5に戻って、ステップS504の認識処理の結果、被監視対象者130が不審人物候補情報380に登録済みであるかどうかを判定する(ステップS505)。未登録の場合は、不審度数を算出して不審人物候補情報380に新規登録する(ステップS507)。登録済みの場合は、不審度数を算出して不審人物候補情報380を更新する(ステップS506)。
【0047】
ここで、不審度数の算出について説明する。不審度数とは不審人物である可能性の度合いを示す数値であり、不審度数が高くなるほど不審人物である可能性が高い。不審度数は、下記の式(1)により算出され、監視対象者120と共通して撮像された回数(回数に応じた偶然係数)、及び防犯カメラ110の設置距離に基づいて算出される。
【0048】
【数1】

防犯カメラAの設置位置(x1,y1)、防犯カメラBの設置位置(x2,y2)
【0049】
図8は、監視対象者と被監視対象者が異なる防犯カメラ(A、B、C)で共通に撮像された場合の一例を示す図である。仮に、図8に示すように、1日のうちに防犯カメラA、B、Cに、監視対象者120及び被監視対象者130が共通して1回ずつ(合計3回)撮像されたとする。このとき、式(1)からわかるように、防犯カメラA、B、Cの設置距離がそれぞれ遠いほど不審度数が高くなる。式(1)における偶然係数は、図4(f)で示す偶然係数情報385から抽出される。ここでは、1日に3回共通して撮像されたため、接近回数2回以上であり、偶然係数は1となる。共通して撮像された回数が多いほど偶然係数が大きくなり、不審度数も高くなる。
【0050】
なお、図8においては、監視対象者120及び被監視対象者130が同一画面内に撮像されているが、図6に示すように所定時間の範囲内で別画像に撮像された場合であってもよい。
【0051】
また、不審度数に関して、監視対象者120と被監視対象者130が共通して撮像された時間差の差に基づいて不審度数を算出してもよい。この場合の不審度数を算出する場合の式を式(2)に示す。
【0052】
【数2】

T1:カメラAによる監視対象者の撮像時刻、T2:カメラBによる監視対象者の撮像時刻、S1:カメラAによる被監視対象者の撮像時刻、S2:カメラBによる被監視対象者の撮像時刻
【0053】
図9は、監視対象者と被監視対象者が異なる防犯カメラ(A、B、C、D)で共通に撮像された場合の一例を示す第2の図である。図9において、カメラAでは監視対象者120を時刻T1で撮像し、被監視対象者130を時刻S1で撮像している。カメラBでは監視対象者120を時刻T2で撮像し、被監視対象者130を時刻S2で撮像している。それぞれの防犯カメラにおける撮像時刻の時間差(T1−S1、T2−S2)の差(|T1−S1|−|(T2−S2)|)が小さいほど、監視対象者120と被監視対象者130が等間隔で移動しており、不審度数が高くなる。つまり、図9(b)の場合と比較して図9(a)の場合の撮像情報の方が、不審度数が高くなる
さらに、不審度数に関して、監視対象者120と被監視対象者130とが共通して撮像された撮像情報に含まれる人物数に基づいて不審度数を算出してもよい。この場合の不審度数を算出する式を式(3)に示す。
【0054】
【数3】

m:監視対象者と被監視対象者が共通に撮像された場合の人物数、k:係数
【0055】
図10は、監視対象者と被監視対象者が異なる防犯カメラ(A、B、C)で共通に撮像された場合の一例を示す第3の図である。図10において、カメラAでは監視対象者120と被監視対象者130を共通して撮像すると共に、他に13人の人物を撮像している。カメラCでは監視対象者120と被監視対象者130を共通して撮像すると共に、他に2人の人物を撮像している。それぞれの防犯カメラにおいて、撮像されている人物数が少ないほど不審度数が高くなる。つまり、カメラAで撮像された場合と比較してカメラCで撮像された場合の方が、不審度数が高くなる。
【0056】
さらにまた、不審度数に関して、防犯カメラ110の設置距離、監視対象者120と被監視対象者130とが撮像された時刻の時間差の差、及び人物数に基づいて、それぞれを組み合わせて不審度数を算出してもよい。この場合の不審度数を算出する式を式(4)に示す。
【0057】
【数4】

a、b、c:重み付け係数
【0058】
重み付け係数は、システムの管理者が任意に設定できるものとする。このように複数の防犯カメラから得られる情報に基づいて、複数の要素を組み合わせて判断することで、より正確な不審度数を算出することができる。
【0059】
なお、上記に加えて、さらに監視対象者120と被監視対象者130が移動したルートの共通性(撮像された防犯カメラの順番の共通性)に基づいて不審度数を算出してもよい。
【0060】
また、偶然係数については、図4(f)に示すように、接近回数に対する係数でもよいし、監視対象者120が撮像された回数に対する、監視対象者120、及び被監視対象者130が共通して撮像された撮像回数の割合を示す接近頻度に基づいて設定してもよい。
【0061】
図5に戻って、不審度数と共に不審人物候補情報380が追加、又は更新されると、不審度数が所定の閾値を超えているかどうかを判定する(ステップS508)。所定の閾値を超えている場合は、不審人物の存在を監視対象者120や警備会社等に通知し(ステップS509)、不審人物マスタ情報375に登録する(ステップS512)。
【0062】
不審度数が所定の閾値を超えていない場合は、そのまま不審人物の候補として不審人物候補情報380に残すと共に不審人物候補リストを出力する(ステップS510)。監視対象者120は、不審人物候補リストに基づいて不審人物の候補者を不審人物マスタ情報375に登録するかどうかを判定し(ステップS511)、登録する場合は、不審人物マスタ情報375に不審人物を登録する(ステップS512)。登録しない場合は、そのまま処理を終了する。
【0063】
このように、本実施形態に係る不審人物検出システムによれば、監視対象者の周辺に設置された複数のカメラに、監視対象者と被監視対象者が異なる時刻に共通して撮像された場合に、不審人物の存否を判断する。そのため、監視対象者と被監視対象者が共通して撮像されている場合には、監視対象者が被監視対象者に尾行されている可能性があり、ストーカーのように移動中の不審人物の存在を確認することができる。
【0064】
また、不審人物の存在を早期に確認することで、ストーカー被害の初期段階で対応することができ、犯罪を未然に防止することが可能になる。
さらに、カメラに撮像された人物数や撮像された環境に影響されずに、監視対象者と被監視対象者との関係性を見出して不審人物の存否を判断することができる。
【0065】
さらにまた、監視対象者と被監視対象者が共通して撮像されたカメラの距離情報、時間差情報、及び/又は人物の数情報に基づいて不審度数を算出する。そのため、距離情報、時間差情報、及び/又は人物の数情報から被監視対象者が不審人物であるかどうかを正確に判断することができると共に、ストーカーのように移動中の不審人物を確実に認識することができる。
【0066】
さらにまた、カメラの距離が遠いほど不審度数が高く、撮像された時間差の差が小さいほど不審度数が高く、人物の数が少ないほど不審度数が高くなる。そのため、離れた位置で監視対象者と被監視対象者が共通して撮像された場合は、尾行されている可能性が高く、ストーカー等の不審人物の存在を確実に認識することができる。また、ある程度一定の間隔で監視対象者と被監視対象者が撮像されている場合は、被監視対象者が付かず離れずで監視対象者を尾行している可能性が高く、ストーカー等の不審人物の存在を確実に認識することができる。さらに、撮像されている人物が少ないにも関わらず監視対象者と被監視対象者が共通して撮像された場合は、監視対象者と被監視対象者が関連している可能性が高く、ストーカー等の不審人物の存在を予見することができる。
【0067】
さらにまた、監視対象者の周辺に不審人物が存在すると判断した場合に、前記監視対象者に前記不審人物の存在を通知する。そのため、監視対象者は、不審人物の存在を予め認識して、避難したり救助を求めることができ、犯罪を未然に防止することができる。
【0068】
さらにまた、撮像情報に含まれる人物の全体又は一部の色情報、体型情報、装着品情報、及び顔情報の少なくとも一の情報に基づいて、前記監視対象者、及び当該監視対象者以外の他の人物を特定する。そのため、カメラの撮像状態に応じて、人物の特定を確実に行うことができると共に、色や大きさで大まかに人物を絞った上で顔等の細かい情報に基づいて人物を特定することができ、処理時間を短縮して処理効率を高めることができる。
【0069】
以上の前記各実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、これら各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。そして、かような変更又は改良を加えた実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。このことは、特許請求の範囲及び課題を解決する手段からも明らかなことである。
【0070】
前記実施形態に関して次の付記を示す。
(付記1)任意の一の時刻における監視対象者の位置情報を取得する第1の位置情報取得工程と、当該第1の位置情報取得工程で取得された位置情報から所定の距離内に設置されたカメラを特定し、当該特定されたカメラで撮像された前記任意の一の時刻における撮像情報を少なくとも含む、前記任意の一の時刻から所定時間の範囲内の撮像情報を取得する第1の撮像情報取得工程と、前記任意の一の時刻と異なる任意の他の時刻における前記監視対象者の位置情報を取得する第2の位置情報取得工程と、当該第2の位置情報取得工程で取得された位置情報から所定の距離内に設置されたカメラを特定し、当該特定されたカメラで撮像された前記任意の他の時刻における撮像情報を少なくとも含む、前記任意の他の時刻から所定時間の範囲内の撮像情報を取得する第2の撮像情報取得工程と、前記第1の撮像情報取得工程、及び第2の撮像情報取得工程で取得された撮像情報に、前記監視対象者、及び被監視対象者が共通して含まれている場合に、前記監視対象者の周辺における不審人物の存否を判断する不審人物判断工程とを含む不審人物検出方法。
【0071】
(付記2)付記1に記載の不審人物検出方法において、前記不審人物判断工程が、前記監視対象者及び被監視対象者が共通して撮像された夫々のカメラの距離情報、前記監視対象者及び被監視対象者が共通して撮像された夫々の時刻の時間差に関する情報、及び前記監視対象者及び被監視対象者が共通して撮像された撮像情報における撮像された人物の数情報の少なくとも一の情報に基づいて、前記被監視対象者の不審度数を算出する工程と、前記不審度数が所定の閾値を超えた場合に、前記監視対象者の周辺に不審人物が存在すると判断する工程とを含む不審人物検出方法。
【0072】
(付記3)付記2に記載の不審人物検出方法において、前記距離情報において撮像されたカメラの距離が遠くなるほど、前記不審度数が順次大きくなり、前記時間差情報において前記監視対象者及び被監視対象者が撮像された時間差の差が小さくなるほど、前記不審度数が順次大きくなり、前記人物の数情報において撮像された人物の数が少なくなるほど、前記不審度数が順次大きくなる不審人物検出方法。
【0073】
(付記4)付記1ないし3のいずれかに記載の不審人物検出方法において、前記不審人物判断工程が、前記監視対象者の周辺に不審人物が存在すると判断した場合に、前記監視対象者に前記不審人物の存在を通知する不審人物通知工程を含む不審人物検出方法。
【0074】
(付記5)付記1ないし4のいずれかに記載の不審人物検出方法において、前記撮像情報に含まれる人物の全体又は一部の色情報、体型情報、装着品情報、及び顔情報の少なくとも一の情報に基づいて、前記監視対象者、及び当該監視対象者以外の他の人物を特定する不審人物検出方法。
【0075】
(付記6)任意の異なる時刻における監視対象者の位置情報を複数取得する位置情報取得手段と、当該位置情報取得手段が取得した夫々の位置情報から所定の距離内に設置されたカメラを特定するカメラ特定手段と、当該カメラ特定手段が特定したカメラで撮像された前記任意の異なる時刻における夫々の撮像情報を少なくとも含む、前記任意の異なる時刻から所定時間の範囲内の撮像情報を取得する撮像情報取得手段と、当該撮像情報取得手段が取得した撮像情報に含まれる人物を検出する人物検出手段と、当該人物検出手段が検出した人物について、前記任意の異なる時刻において撮像された撮像情報に前記監視対象者、及び被監視対象者が共通して含まれている場合に、前記監視対象者の周辺における不審人物の存否を判断する不審人物判定手段とを備える不審人物検出システム。
【0076】
(付記7)付記6に記載の不審人物検出システムにおいて、前記不審人物判定手段が、前記監視対象者及び被監視対象者が共通して撮像された夫々のカメラの距離情報、前記監視対象者及び被監視対象者が共通して撮像された夫々の時刻の時間差に関する情報、及び前記監視対象者及び被監視対象者が共通して撮像された撮像情報における撮像された人物の数情報の少なくとも一の情報に基づいて、前記被監視対象者の不審度数を算出する算出手段と、前記不審度数が所定の閾値を超えた場合に、前記監視対象者の周辺に不審人物が存在すると判断する判断手段とを備える不審人物検出システム。
【0077】
(付記8)付記7に記載の不審人物検出システムにおいて、前記距離情報において撮像されたカメラの距離が遠くなるほど、前記不審度数が順次大きくなり、前記時間差情報において前記監視対象者及び被監視対象者が撮像された時間差の差が大きくなるほど、前記不審度数が順次大きくなり、前記人物の数情報において撮像された人物の数が多くなるほど、前記不審度数が順次大きくなる不審人物検出システム。
【0078】
(付記9)付記6ないし8のいずれかに記載の不審人物検出システムにおいて、前記不審人物判断手段が、前記監視対象者の周辺に不審人物が存在すると判断した場合に、前記監視対象者に前記不審人物の存在を通知する不審人物通知手段を備える不審人物検出システム。
【0079】
(付記10)付記6ないし9のいずれかに記載の不審人物検出システムにおいて、前記撮像情報に含まれる人物の全体又は一部の色情報、体型情報、装着品情報、及び顔情報の少なくとも一の情報に基づいて、前記監視対象者、及び当該監視対象者以外の他の人物を特定する不審人物検出システム。
【0080】
(付記11)任意の異なる時刻における監視対象者の位置情報を複数取得する位置情報取得手段、当該位置情報取得手段が取得した夫々の位置情報から所定の距離内に設置されたカメラを特定するカメラ特定手段、当該カメラ特定手段が特定したカメラで撮像された前記任意の異なる時刻における夫々の撮像情報を少なくとも含む、前記任意の異なる時刻から所定時間の範囲内の撮像情報を取得する撮像情報取得手段、当該撮像情報取得手段が取得した撮像情報に含まれる人物を検出する人物検出手段、当該人物検出手段が検出した人物について、前記任意の異なる時刻において撮像された撮像情報に前記監視対象者、及び被監視対象者が共通して含まれている場合に、前記監視対象者の周辺における不審人物の存否を判断する不審人物判定手段としてコンピュータを機能させる不審人物検出プログラム。
【0081】
(付記12)付記11に記載の不審人物検出プログラムにおいて、前記不審人物判定手段を、前記監視対象者及び被監視対象者が共通して撮像された夫々のカメラの距離情報、前記監視対象者及び被監視対象者が共通して撮像された夫々の時刻の時間差に関する情報、及び前記監視対象者及び被監視対象者が共通して撮像された撮像情報における撮像された人物の数情報の少なくとも一の情報に基づいて、前記被監視対象者の不審度数を算出する算出手段、前記不審度数が所定の閾値を超えた場合に、前記監視対象者の周辺に不審人物が存在すると判断する判断手段としてコンピュータを機能させる不審人物検出プログラム。
【0082】
(付記13)付記12に記載の不審人物検出プログラムにおいて、前記距離情報において撮像されたカメラの距離が遠くなるほど、前記不審度数が順次大きくなり、前記時間差情報において前記監視対象者及び被監視対象者が撮像された時間差の差が大きくなるほど、前記不審度数が順次大きくなり、前記人物の数情報において撮像された人物の数が多くなるほど、前記不審度数が順次大きくなるようにコンピュータを機能させる不審人物検出プログラム。
【0083】
(付記14)付記11ないし13のいずれかに記載の不審人物検出プログラムにおいて、前記不審人物判断手段が、前記監視対象者の周辺に不審人物が存在すると判断した場合に、前記監視対象者に前記不審人物の存在を通知する不審人物通知手段としてコンピュータを機能させる不審人物検出プログラム。
【0084】
(付記15)付記11ないし14のいずれかに記載の不審人物検出プログラムにおいて、前記撮像情報に含まれる人物の全体又は一部の色情報、体型情報、装着品情報、及び顔情報の少なくとも一の情報に基づいて、前記監視対象者、及び当該監視対象者以外の他の人物を特定するようにコンピュータを機能させる不審人物検出プログラム。
【符号の説明】
【0085】
1 不審人物検出システム
100 情報管理装置
110 防犯カメラ
120 監視対象者
121 端末
130 被監視対象者
140 防犯カメラレポート
200 コンピュータ
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 フラッシュメモリ
205 HD
206 LANカード
207 マウス
208 キーボード
209 ビデオカード
209a ディスプレイ
210 サウンドカード
210a スピーカ/マイク
211 ドライブ
301 不審人物候補リスト
305 位置情報取得部
310 カメラ特定部
315 撮像指示管理部
320 人物検出部
325 認識処理部
330 不審度数算出部
335 不審人物判断部
340 不審人物リスト出力部
345 不審人物登録部
350 不審人物通知部
355 情報登録部
360 防犯カメラ取得情報
365 防犯カメラマスタ情報
370 監視対象者マスタ情報
375 不審人物マスタ情報
380 不審人物候補情報
385 偶然係数情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の一の時刻における監視対象者の位置情報を取得する第1の位置情報取得工程と、
当該第1の位置情報取得工程で取得された位置情報から所定の距離内に設置されたカメラを特定し、当該特定されたカメラで撮像された前記任意の一の時刻における撮像情報を少なくとも含む、前記任意の一の時刻から所定時間の範囲内の撮像情報を取得する第1の撮像情報取得工程と、
前記任意の一の時刻と異なる任意の他の時刻における前記監視対象者の位置情報を取得する第2の位置情報取得工程と、
当該第2の位置情報取得工程で取得された位置情報から所定の距離内に設置されたカメラを特定し、当該特定されたカメラで撮像された前記任意の他の時刻における撮像情報を少なくとも含む、前記任意の他の時刻から所定時間の範囲内の撮像情報を取得する第2の撮像情報取得工程と、
前記第1の撮像情報取得工程、及び第2の撮像情報取得工程で取得された撮像情報に、前記監視対象者、及び被監視対象者が共通して含まれている場合に、前記監視対象者の周辺における不審人物の存否を判断する不審人物判断工程とを含む不審人物検出方法。
【請求項2】
請求項1に記載の不審人物検出方法において、
前記不審人物判断工程が、
前記監視対象者及び被監視対象者が共通して撮像された夫々のカメラの距離情報、前記監視対象者及び被監視対象者が共通して撮像された夫々の時刻の時間差に関する情報、及び前記監視対象者及び被監視対象者が共通して撮像された撮像情報における撮像された人物の数情報の少なくとも一の情報に基づいて、前記被監視対象者の不審度数を算出する工程と、
前記不審度数が所定の閾値を超えた場合に、前記監視対象者の周辺に不審人物が存在すると判断する工程とを含む不審人物検出方法。
【請求項3】
請求項2に記載の不審人物検出方法において、
前記距離情報において撮像されたカメラの距離が遠くなるほど、前記不審度数が順次大きくなり、前記時間差情報において前記監視対象者及び被監視対象者が撮像された時間差の差が小さくなるほど、前記不審度数が順次大きくなり、前記人物の数情報において撮像された人物の数が少なくなるほど、前記不審度数が順次大きくなる不審人物検出方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の不審人物検出方法において、
前記不審人物判断工程が、前記監視対象者の周辺に不審人物が存在すると判断した場合に、前記監視対象者に前記不審人物の存在を通知する不審人物通知工程を含む不審人物検出方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の不審人物検出方法において、
前記撮像情報に含まれる人物の全体又は一部の色情報、体型情報、装着品情報、及び顔情報の少なくとも一の情報に基づいて、前記監視対象者、及び当該監視対象者以外の他の人物を特定する不審人物検出方法。
【請求項6】
任意の異なる時刻における監視対象者の位置情報を複数取得する位置情報取得手段と、
当該位置情報取得手段が取得した夫々の位置情報から所定の距離内に設置されたカメラを特定するカメラ特定手段と、
当該カメラ特定手段が特定したカメラで撮像された前記任意の異なる時刻における夫々の撮像情報を少なくとも含む、前記任意の異なる時刻から所定時間の範囲内の撮像情報を取得する撮像情報取得手段と、
当該撮像情報取得手段が取得した撮像情報に含まれる人物を検出する人物検出手段と、
当該人物検出手段が検出した人物について、前記任意の異なる時刻において撮像された撮像情報に前記監視対象者、及び被監視対象者が共通して含まれている場合に、前記監視対象者の周辺における不審人物の存否を判断する不審人物判定手段とを備える不審人物検出システム。
【請求項7】
請求項6に記載の不審人物検出システムにおいて、
前記不審人物判定手段が、
前記監視対象者及び被監視対象者が共通して撮像された夫々のカメラの距離情報、前記監視対象者及び被監視対象者が共通して撮像された夫々の時刻の時間差に関する情報、及び前記監視対象者及び被監視対象者が共通して撮像された撮像情報における撮像された人物の数情報の少なくとも一の情報に基づいて、前記被監視対象者の不審度数を算出する算出手段と、
前記不審度数が所定の閾値を超えた場合に、前記監視対象者の周辺に不審人物が存在すると判断する判断手段とを備える不審人物検出システム。
【請求項8】
請求項7に記載の不審人物検出システムにおいて、
前記距離情報において撮像されたカメラの距離が遠くなるほど、前記不審度数が順次大きくなり、前記時間差情報において前記監視対象者及び被監視対象者が撮像された時間差の差が大きくなるほど、前記不審度数が順次大きくなり、前記人物の数情報において撮像された人物の数が多くなるほど、前記不審度数が順次大きくなる不審人物検出システム。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれかに記載の不審人物検出システムにおいて、
前記不審人物判断手段が、前記監視対象者の周辺に不審人物が存在すると判断した場合に、前記監視対象者に前記不審人物の存在を通知する不審人物通知手段を備える不審人物検出システム。
【請求項10】
請求項6ないし9のいずれかに記載の不審人物検出システムにおいて、
前記撮像情報に含まれる人物の全体又は一部の色情報、体型情報、装着品情報、及び顔情報の少なくとも一の情報に基づいて、前記監視対象者、及び当該監視対象者以外の他の人物を特定する不審人物検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−191620(P2010−191620A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34334(P2009−34334)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】