説明

不正球検出装置

【課題】小径球検出部を単体部品で形成して組み付け作業を容易にし、また、球ガミの発生を防止することができる不正球検出装置を提供する。
【解決手段】不正球検出装置33に流入した遊技球が流下する第1のスロープ56を設け、その下流部に不正球(小径球)と正規球とを振分ける振分装置52を設ける。振分装置52は正規球の径よりも僅かに小さい間隔に配置された2本の検査バー57a、57bを備える。第1のスロープ56を流下した遊技球のうち、不正球は検査バー間を通過して第2のスロープ58へ流下し、排出口60から排出される。正規球は分銅62との関係で、検査バー上に載ったまま回転軸54を中心に反時計回りに回転し、検査バー57a、57b上か第3のスロープ59へ排出され、排出口61から次の循環通路へ送り出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球の搬送通路において不正遊技球を検出・排除する不正球検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技球に混入された不正球の排除を目的とし開発された装置として、下記の特許文献1から特許文献4に開示されるものがあった。特許文献1には、パチンコ受皿に形成した遊技球誘導路に、正規のパチンコ玉の直径よりも小さい幅の長孔を穿設し、小径のパチンコ玉を長孔から落下排除させるようにした不正パチンコ玉の選別除去装置が開示されている。特許文献2には、アウト球を一列に整列させてアウト球検出器へ導くための径路の途中に、基準径の遊技球の直径より小さい小径の不正遊技球が落下する選別孔を穿設した構成のアウト球タンクが開示されている。特許文献3には、発射レール上面と玉止下面との隙間を基準径の遊技玉の直径よりも小さく形成し小径玉を排除するようにしたパチンコ機の不正遊技玉排除構造が開示されている。特許文献4には、ケース体の遊技球が当たる側壁部分に基準径の遊技球の直径よりも狭い幅の開口を設け、小径球を排除するようにした遊技球の自動供給装置が開示されている。
【0003】
【特許文献1】実開昭62−18184号公報
【特許文献2】実開昭63−53582号公報
【特許文献3】実開昭62−45073号公報
【特許文献4】実開昭63−102485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された不正パチンコ玉の選別除去装置は、パチンコ玉が単発で検出部(長孔)を通過しようとすると、パチンコ玉の半分弱の部分がこの孔に入り込み玉止まりを起こすという不具合があった。上記特許文献2に開示されたアウト球タンクは、特許文献1と同様に、遊技球の半分弱の部分が選別孔に入り込み球止まりを起こすという不具合があった、上記特許文献3に開示されたパチンコ機の不正遊技玉排除構造は、小径球を検出する部分を複数の部品を組み合わせて形成するため、高い組付け精度が必要であった。また、1個の部品によって形成しようとすると、高度な技術が要求されコスト高となる欠点が有った。上記特許文献4に開示された遊技球の自動供給装置は、特許文献3と同様に、複数の部品を組み合わせて検出部を形成するため、高い組付け精度が必要であった。また、1個の部品によって形成することは不可能であった。
【0005】
そこで、本願発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、小径球検出部を単体部品で形成して組み付け作業を容易にし、また、球ガミの発生を防止することができる不正球検出装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に係る不正球検出装置の発明は、遊技球を搬送する搬送通路で正規球中に混入された不正球を検出・排除する不正球検出装置において、
前記搬送された遊技球が流入する遊技球入り口と、
該入り口に流入した遊技球が流下する通路に形成された第1のスロープと、
該第1のスロープを流下した遊技球を第2又は第3のスロープへ振り分ける振分装置と、
該振分装置により不正球と判定されて振り分けられた遊技球が流下する前記第2のスロープと、
前記振分装置により正規球と判定されて振り分けられた遊技球が流下する前記第3のスロープとから構成され、
前記振分装置は、前記第1のスロープの傾斜方向に対して直角の方向へ正規球の径よりも小さい間隔で平行に配置された2本の検査バーを有し、回転軸を中心として前記2本の検査バー上に載る遊技球の重さと分銅の重さとにより回転自在に構成され、前記2本の検査バーの間隔よりも小さい径の不正球が流下してきたとき、検査バー間を通過させて不正球を前記第2のスロープへ排出し、前記2本の検査バーの間隔よりも大きい径の正規球が流下してきたとき、検査バー上に載った正規球の重さにより回転軸を中心に回転して、前記検査バー上の正規球を前記第3のスロープへ排出させることを特徴とするものである。
【0007】
一般的に、ぱちんこホールで使用している遊技球の規格は、その直径が11.00±0.01mmとされている。したがって、ここでは装置自体の誤差等を考慮して10.90mm未満の遊技球を不正球と定義する。
【0008】
不正球検出装置内には遊技球を誘導する通路が形成されている。不正球検出装置の遊技球入り口に流入した遊技球は、この誘導通路を流下していく。回収された遊技球は上記のように球循環装置の球入り口に流入するが、不正球検出装置を球循環装置の最も上流部に配置させた場合、球循環装置の球入り口と不正球検出装置の遊技球入り口とは同一の入り口となり、回収された遊技球は不正球検出装置の遊技球入り口に流入する構成となるとも言える。この遊技球入り口から続く誘導通路は、遊技球の流下方向へ傾斜しており、この下り傾斜によって流入した遊技球を的確に誘導する。この誘導通路のことを第1のスロープという。
【0009】
第1のスロープの下流側には、遊技球を正規球と不正球に分別する振分装置が設けられている。振分装置は回転軸を中心に回転自在に取り付けられており、回転軸を挟んで一方側に設けられた分銅の重さにより例えば時計回りに回転するように構成され、他方側に流下してくる遊技球の重さによりその逆の反時計回りに回転するように構成されている。第1のスロープを流下した遊技球は、振分装置を構成する2本の検査バー上に達し載置される。2本の検査バーは平行に配置されており、その方向は第1のスロープの傾斜方向に対して直角の方向である。また、その間隔は、正規球の径よりも僅かに小さい間隔、例えば10.9mmに設定されている。
【0010】
正規球が流下してきた場合には、正規球が2本の検査バー上に載り、その正規球の重さにより振分装置が一方向へ回転する。これに対して不正球が流下してきた場合には、不正球は2本の検査バー間を通り抜けて落下し排除される。不正球と判定され検査バー間を通過した遊技球は、不正球排出通路へと流下する。不正球排出通路は遊技球を不正球排出口へ誘導する通路であり、不正球排出口へ向かって傾斜している。この下り傾斜により不正球を確実に不正球検出装置の外部へと排出する。この誘導通路のことを第2のスロープという。正規球と判定され2本の検査バー上に載ったまま回転した遊技球は、所定角度まで回転すると検査バー上から飛び出して、正規球排出通路へと流下する。正規球排出通路は遊技球を正規球排出口へ誘導する通路であり、正規球排出口へ向かって傾斜している。この下り傾斜により正規球を確実に正規球排出口へ誘導し、球循環装置内の次の循環通路へと送り出す。この誘導通路のことを第3のスロープという。このように本不正球検出装置では、不正球検出装置の検出部を、単体の部品である振分装置によって構成している。
【0011】
また、請求項2に係る不正球検出装置の発明は、請求項1に記載の発明において、前記2本の検査バー上で振分検査されている遊技球を、前記第1のスロープ上で検査待ちしている次の遊技球が追い越し可能な構造の遊技球通路としたことを特徴とするものである。
【0012】
不正球検出装置の遊技球入り口に流入する遊技球は、一定の間隔で規則正しく流入することは少なく、不規則間隔であったり、前後球の間隔がなく連続して流入してくることが多い。このため検査処理される間隔よりも遊技球の流入してくる間隔の方が短いと第1のスロープ上には順次検査待ちをする遊技球が溜まり、誘導通路内で球ガミを起こす虞がある。そこで本不正球検出装置では、検査中の遊技球、すなわち2本の検査バー上に載っている遊技球を、上記第1のスロープ上で検査待ちをしている遊技球が追い越し可能な遊技球通路の構造とした。例えば、この構造は、遊技球が流下する誘導通路の高さを遊技球の直径の2倍以上とし、前に並んでいる遊技球の上側を乗り越えて流下できる構造であってもよい。また、検査中の遊技球が2本の検査バー上に載って回転することで検査待ちをしている遊技球の前に存在しなくなったとき、検査待ちをしている遊技球は検査バーが検査遊技球を第3のスロープへ送り出して元の位置に戻ってくるまで第1のスロープ上に留まっていることなく、第3のスロープへ流下可能な構造としてもよい。
【0013】
また、請求項3に係る不正球検出装置の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記2本の検査バー上に載って回転した遊技球を、該2本の検査バー上から前記第3のスロープへ排出させる補助をするための球押出し突起が設けられていることを特徴とするものである。
2本の検査バーの間隔は正規球の直径よりも僅かに短い長さに設定されているため、遊技球の半分弱の部分は2本の検査バー間に嵌まり込んだ状態となっている。したがって、この検査バー上に載って(嵌まり込んだ状態で)回転したとしても、遊技球が検査バー上から第3のスロープへスムースに送り出されない場合も発生する。そこで本不正球検出装置では、振分装置が遊技球を検査バー上に載せて回転し、その回転が最下点まで達したとき、その遊技球を検査バー上から第3のスロープへと容易に排出することができるように、遊技球の排出を補助する手段、例えば、回転してきた遊技球に衝突して遊技球を押し出す球押出し突起を設けた。
【0014】
また、請求項4に係る不正球検出装置の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の発明において、前記振分装置の回転により前記2本の検査バー上から排出された遊技球が、上記第2のスロープへ進入しないようにするための戻り球防止部材を設けたことを特徴とするものである。
検査バー上に載った遊技球(正規球)の重さにより振分装置が回転し、検査バー上から遊技球が送り出されたとしても、その遊技球が周囲の部材(例えば、他の遊技球、遊技球通路壁等)と衝突してはね返り、第3のスロープ(正規球通路)へ流下せずに第2のスロープ(不正球通路)へ流下してしまう虞も生じる。そこで本不正球検出装置では、正規球と判別された遊技球が、不正球を排出するための案内路(第2のスロープ上)へ進入することを防止するための手段(例えば、戻り球防止片)を振分装置に設けた。振分装置(検査バー)が回転して検査バー上の遊技球を排出した後、逆回転して回転前の元の位置へ戻る際に、この戻り球防止部材によって、第3のスロープから第2のスロープ方向へ進入してくる遊技球を第3のスロープ方向へ押し返す。
【0015】
また、請求項5に係る不正球検出装置の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の発明において、遊技機内に封入された遊技球をハンドル操作によって発射装置から打ち出し、遊技盤上に形成された遊技領域を流下してアウト球となった前記遊技球、あるいは前記遊技領域を流下せずにファウル球となった前記遊技球を回収して前記発射装置に送り、前記遊技球を循環して使用する封入球循環式遊技機に設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
発射装置から発射された遊技球は、遊技盤上に形成された遊技領域を障害物との衝突により落下方向を変えながら自由落下により遊技盤の最下部に形成されているアウト口に向かい落下する。一部の遊技球は遊技領域に形成された入賞口に落下の途中で入賞する。
ここで、アウト球とは、上記落下の途中でいずれかの入賞口へ入賞して遊技領域から排出された遊技球およびいずれの入賞口へも入賞せずに上記アウト口へ入球して遊技領域から排出された遊技球のことをいう。また、ファウル球とは、発射装置から打ち出された遊技球のうち、遊技領域まで達することなく、すなわち遊技領域を落下することなく排出された遊技球のことをいい、遊技者によって遊技された球数とはカウントされずに遊技者の持ち球として戻される遊技球のことをいう。
【0017】
回収された遊技球(アウト球、ファウル球)は、遊技球排出通路を流下して球循環装置の球入り口に流入する。循環式遊技機の場合、不正球が混入されると、その不正球は同じ遊技機において半永久的に循環する虞がある。このためその遊技機の入賞率は上がり、遊技機間および遊技者間において不公平が生じる。そこで本封入球循環式遊技機では、例えば、球循環装置に不正球検出装置を設けることにより不正球が混入された場合にも、正常球よりも径の小さい不正球のみを確実に排除することができ、不正遊技を防止することができる。
【0018】
また、封入球循環式遊技機では、球循環装置に遊技球貯留装置を設ける構成としてもよい。遊技球貯留装置は、より多くの封入球を貯留するために葛折形状に構成されている。いわゆる羽ものタイプの遊技機等では、遊技状況によって役物内に多量の遊技球を貯留する場合があるため多量の遊技球を遊技に使用する。また、遊技中に遊技釘等で球留まりが発生した場合には、封入球数が少ないと発射球不足となり遊技に悪影響を及ぼす。本封入球循環式遊技機の遊技球貯留装置によれば多量の封入遊技球を貯留することができるため、各種遊技タイプの遊技機に対応することが可能であり、また、球留まり等の不具合が発生した場合にも発射球の不足状態を生じさせることなく対応することができる。
ここで、貯留装置(貯留部)とは、入口と出口との間に遊技球を貯留するよう構成され、遊技機内に封入される遊技球の1/3以上の球数を貯留可能なものをいうが、実際には1/2以上の球数を貯留可能なものの方が望ましい。
【0019】
また、封入球循環式遊技機では、球循環装置に上記回収された遊技球の搬送を兼ねる遊技球研磨装置を設ける構成としてもよい。いわゆる循環式遊技機は、遊技球を半永久的に遊技機内で循環することとなるため、次第に遊技球に汚れが付着し、多数の遊技機を配設する遊技ホールでは、頻繁に遊技球を交換することが必要となる。この遊技球研磨装置によれば、球循環装置内において遊技球を搬送させることができると共に、搬送しながらその遊技球を研磨することができる。遊技球研磨装置は装置の下部から遊技球を取り込み装置の上部へ搬送する。装置内に設けられたスクリューの回転により遊技球を順次上部へと球上げすると共に、遊技球の搬送される方向に沿って設けられた研磨部材(例えば、発泡性ゴム、スポンジ)によって遊技球を研磨する。球搬送を兼ねた遊技球研磨装置を設けることにより、球循環装置内で遊技球を循環させるのに適した位置に搬送する(装置の下部から上部へと搬送する)ことができると共に、遊技ホール閉店後に行っていた遊技球の交換作業を無くし、作業の軽減を図ることができる。
【0020】
また、不正球検出装置、遊技球貯留装置および遊技球研磨装置は、1部材から構成される取り付けベース(1プレート)上に組み付けるようにしてもよい。この構成により各装置の組み付け作業を容易に行うことができると共に、各装置の位置関係を的確にすることができ、球循環装置内の遊技球の流れをスムースにすることができる。
【0021】
封入球循環式の遊技機では、封入されている遊技球数が限られているため、遊技者に不利益が生じないように、球ガミを原因とする発射球不足状態の発生を第1に防がなければならない。そこで本発明の不正球検出装置を本封入球循環式の遊技機に搭載することで検査中の遊技球を検査待ちの遊技球が追い越し可能構造にすることにより、第1のスロープ上での遊技球の渋滞を無くすことができ遊技球の球ガミの発生を防止することができる。なお、混入された不正球が前の遊技球を追い越すことにより、正規球が流下する第3のスロープへ不正球が流下してしまうことも発生するが、その不正球も循環して再度、不正球検出装置内を流下するため、1回の循環だけでは完全に不正球を検出・排除することができなくても、数回の循環が繰り返されることにより全ての遊技球を検査することができ不正球を確実に排除することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る不正球検出装置によれば、不正球検出装置の不正球検出部を単体の部品で構成したことにより、遊技機への組付け作業を容易に行うことができる。また、不正球検出部を可動可能な構成としたことにより、不正球検出装置内での球ガミを防止することができ遊技球のスムースな循環を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る不正球検出装置の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。本実施の形態では封入球循環式パチンコ機(以下、単にパチンコ機という)に設けられた不正球検出装置を例にして説明する。なお、各図面間において、同一符号は、同一又は相当部分を示す。
ここで、封入球循環式パチンコ機とは、パチンコ機内に封入された遊技球を循環使用して遊技を行う弾球遊技機であり、実球による賞球の払い出しを行わないパチンコ機のことをいう。遊技者は遊技球が入賞口に入賞したときに賞球を獲得し、いずれの入賞口にも入賞せずアウト口に入球したときには賞球は付与されず、その遊技球を喪失する等の基本的な遊技ルールは一般的なパチンコ機と同様である。しかしながら封入球循環式パチンコ機では、遊技者は、遊技球貸出し可能金額等の有価情報を記録したプリペイド式の記録媒体、例えば磁気カード等のカード状記録媒体を、遊技機外枠に沿って配設されるカードサンドユニット(図示省略)に挿入し、必要な遊技球数をカード状記録媒体から度数減算して(持ち球数情報に変換して)貸し出し遊技を行う。遊技終了時には、精算ボタンを操作し、その時点において獲得している持ち球数情報をカード状記録媒体に記録させ、該記録媒体をカードサンドユニット外に排出させる。なお、カードサンドユニットに換えて現金サンドユニット又は現金とカードを併用したユニットを用いてもよい。
【0024】
図1は、パチンコ機本体1の一形態を示す斜視図である。
パチンコ機本体1の前面側には、一方の側部を軸に開閉自在とし、前面ガラス9を備えたガラス枠セット10が設けられている。パチンコ機本体1の中央部(前面ガラス9の裏側)には、図示を省略するが、通常のパチンコ機と同様に遊技盤が配設される。遊技盤上には遊技領域が形成されている。遊技領域には、遊技釘が植設される他、遊技球が入賞すると予め定められた数の賞球(封入式であるため実球は払い出されず賞球数に相当する持ち球数情報)が付与される複数種類の入賞口(例えば、一般入賞口、始動入賞口、大入賞口等)が設けられている。また、遊技領域の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球が入球するアウト口が設けられている。遊技球発射装置から打ち出された遊技球は、通常この遊技領域を流下し、入賞口あるいはアウト口へ入球する。入賞口、アウト口に入球した遊技球は、遊技領域から排出され遊技盤の裏側へ流下し、それぞれの排出口につながって形成されている排出通路を流下する。また、遊技球発射装置から打ち出されても遊技領域まで達しなかった遊技球は、遊技領域は流下せずファウル球としてファール球排出通路を流下する。各通路を流下した遊技球は一箇所に集合した後、後述する球循環装置の球入り口へ流入する。なお、入賞口へ入賞した遊技球およびアウト口へ入球した遊技球で、遊技領域から排出された遊技球のことをアウト球という。
【0025】
パチンコ機本体1の前面下部には、フロントオーナメント2が取り付けられている。また、前面右下部には回転操作に伴って遊技球を発射装置から発射させるハンドルグリップ3が設けられている。フロントオーナメント2には、遊技の開始時及び終了時等に、遊技者が操作するコントロール部4が設けられている。コントロール部4の上面には、カード残高(遊技球貸出し可能金額)表示や獲得ポイント表示(持ち球数情報表示)等の情報を切替表示可能な情報表示部5、遊技者が操作する貸出球ボタン6、カード返却ボタン7、及び精算ボタン8が設けられている。例えば、貸出ボタン6を押下すると一度の押下に対して125球分の遊技球が貸し出され、その球数分が遊技可能球数として情報表示部5に表示されると共に、カード状記録媒体から度数減算される。
【0026】
図2は、パチンコ機本体1からフロントオーナメント2を取り外した状態を示す。フロントオーナメント2の裏側には、本発明に係る球循環装置11が配設されている。球循環装置11は、1プレートから成る取り付けベース部材12に取り付けられている。この形態では、遊技機の前面側に配置されているため前パネル12という。すなわち、本発明に係る球循環装置11は、パチンコ機本体1の前面側であって、且つ遊技盤の下側に配設されている。上記アウト球およびファウル球は、この球循環装置11の球入り口34(図4、6参照)へ流入する。
【0027】
球循環装置11を構成する各装置を2枚以上のベース部材に分けて設けた場合、各装置を組み合わせて球循環装置11を作製したとき、組付け上のばらつき、あるいは部品のばらつき等により各装置間(各ベース部材間)の継ぎ目で段差が生じ遊技球の流下に影響し球止まり発生の原因となる。この継ぎ目の段差を無くして無理やり組み合わせようとすると、ベース部材あるいは部品に反りが生じる虞もある。また、球止まりが発生しないようにこれらのばらつきを考慮して設計すると、その分だけ各装置(各ベース部材)及び球循環装置の形状が大型化してしまうという欠点がある。そこでこのパチンコ機の形態では、1プレートのベース部材12に各装置を取り付けることにより、ベース部材間のばらつき、及び組付け上のばらつきを無くし、球止まりの発生を抑えると共に、装置の小型化を図ることができる。
【0028】
図3は、パチンコ機本体1から、さらに前パネル12を取り外した状態を示す。
前パネル12の裏側に配置されている遊技機本体1の内枠21には、遊技球の発射装置22が搭載されている。すなわち発射装置22は球循環装置11の裏側に配置されており、球循環装置11の球出口から排出される遊技球は裏側に配置された発射装置22へ送り出される。
【0029】
図4は、前パネル12から、球循環装置11を構成する遊技球研磨装置31及び遊技球貯留装置32と、不正球検出装置33を取り外した状態を示す。球循環装置11は、図2、3、及び図4に示されるように、不正球検出装置33と、遊技球貯留装置32と、遊技球研磨装置31と、発射待機球通路35とから概略構成されている。不正球検出装置33には、各排出通路を流下して一箇所に集合した(回収された)アウト球およびファウル球が流入する遊技球入り口34が設けられている。この形態では不正球検出装置33が球循環装置11の最も上流部に配置されているため、不正球検出装置33の遊技球入り口34が球循環装置11の球入り口として機能する。回収された球は先ず不正球検出装置33の遊技球入り口34に流入する。不正球検出装置33は小径の不正球を判別して排除する装置であり、排除された不正球は球循環装置11のそれ以後の循環経路に流入することはない。不正球検出装置33の詳細については後述(図6から図9)する。
【0030】
不正球検出装置33に続いて(下流側には)遊技球貯留装置32が配設されている。不正球検出装置33で正常球(正規球)と判別された遊技球、すなわち不正球検出装置33を通過した遊技球は、遊技球貯留装置32へ流入する。遊技中の遊技領域には時間をかけて複数の遊技球が流下する。そのため連続発射による発射待機球不足の事態が発生するのを防止する必要がある。遊技球貯留装置32は、葛折状に形成されており、限られたスペースを有効利用して多量の遊技球を貯留することができる。葛折に延びる通路は、より多くの遊技球を貯留できるように前パネル12の上下方向(パチンコ機本体1の上下方向と同じ方向)に対して、前パネル12の上部から下部まで続いて形成されている。このように構成されるため、遊技球貯留装置32の遊技球流入口は、前パネル12の上部(球循環装置11においても同様に上部)に設けられている。また、遊技球貯留装置32へ流入する遊技球の流出元である不正球検出装置33も、そしてその遊技球入り口34も前パネル12の上部に設けられている。これに対して、遊技球貯留装置32の遊技球排出口は、前パネル12の下部(球循環装置11においても同様に下部)に設けられる。遊技球貯留装置32の通路の大きさは、例えば、遊技球が1球ずつ一列に通過できる程度の大きさに形成されている。また、該装置32は、40球以上の遊技球を貯留できるように構成されている。該装置32の遊技球流入口から流入した遊技球は、下り傾斜に形成された通路に沿って自然に流下し該装置32の遊技球排出口から排出される。
【0031】
遊技球貯留装置32に続いて(下流側には)遊技球研磨装置31が配設されている。遊技球研磨装置31は遊技球を揚送しながら同時に研磨する装置であり、パチンコ遊技中に付着した遊技球の汚れを該装置31によって磨き取る。遊技球研磨装置31の遊技球流入口は、下部に設けられており、同様に下部に設けられている上記遊技球貯留装置32の遊技球排出口と接続されている。遊技球研磨装置31によって遊技球が順次下部から上部へと搬送されると、その搬送の度に搬送された球数分だけ遊技球貯留装置32から、遊技球が送出され遊技球研磨装置31へと流入する。遊技球研磨装置31の詳細については後述する(図5)。
【0032】
遊技球研磨装置31に続いて(下流側には)発射待機球通路35が配設されている。発射待機球通路35には、遊技球発射装置22へ送り出される遊技球が待機する。遊技球研磨装置31によって揚送された遊技球は該装置31の排出口から排出され、発射待機球通路35に流入する。発射待機球通路35は下り傾斜に形成されており、流入した遊技球は自然に該通路35を流下する。発射待機球通路35には、発射球送り出し口36が設けられており、発射待機球通路35を流下して球循環装置11の循環を終えた遊技球が該送り出し口36から排出される。排出された遊技球は遊技球発射装置22へと送り出される。
【0033】
図5は、遊技球研磨装置31の分解図である。なお、位置関係を理解し易くするために、遊技球研磨装置31と接続される遊技球貯留装置32も示している。
遊技球研磨装置31は、研磨装置本体41と、該本体41に取り付けられるのスクリュー42と、バフ収納ケース43と、該収納ケース43に収納されるバフケース44及びバブ45と、バフケース蓋46と、板ばね47と、バフ収納ケース蓋48と、スクリュー駆動用のモータ49と、モータケース50から構成されている。
【0034】
遊技を終了した遊技球は汚れが付着した状態のまま遊技球貯留装置32に戻り、蛇行した通路を流下して該装置32の最下点に到達する。該最下点に設けられた遊技球流出口は、遊技球研磨装置31の下部に設けられた遊技球流入口と接続されており、遊技球は該流入口へ流入し待機する。なお、遊技球研磨装置31には遊技球が1球づつ流入するように構成されているため、先に流下した遊技球が該流入口に待機していた場合には、前記最下点の遊技球流出口で流入口が空くのを待つ。モータ49の動力によりスクリュー42が駆動されると、流入口で待機していた遊技球が1球づつ遊技球研磨装置31の上部へとバフ収納ケース43内を揚送される。遊技球研磨装置31内の遊技球は、スクリュー42により1球づつ所定間隔空いた状態で上下方向へ1列に整列する。遊技球を研磨するバフ45(例えば、発泡性ゴム、スポンジからなる)を収容したバフケース44をバフ収納ケース本体43に収納し、該ケース本体43を球研磨装置本体41に取り付ける。これによりスクリュー42に整列した遊技球の一方向側の表面がバフ45に接触する。このときバフ収納ケース蓋48に組み付けられた板ばね47は、バフ収納ケース内を通過中の遊技球がスクリュー42とバフ収納ケース43で噛み込みを起こさないように逃げを作るためのクッションの役目を果たす。これにより遊技球は、遊技球研磨装置31内を上部へ揚送されると同時に、バフ45によって研磨される。
【0035】
図6(a)は不正球検出装置33の斜視図、(b)はその分解図を示す。また、図7は不正球検出装置33の内部を確認できるように蓋53のみを取り外した図である。さらに図8は振分装置52の斜視図を示し、図9(a)は不正球検出装置本体51の平面図を、(b)はその斜視図を示す。
不正球検出装置33は、不正球検出装置本体51と、振分装置52と、蓋53から概略構成されている。振分装置52は、回転軸ブッシュ72を回転中心に回転自在であり、不正球検出装置本体51に設けられた回転軸(例えば、金属製のインサートピンからなる軸)54が回転軸ブッシュ72に挿入され、止め部材(例えば、E型止め輪)55によって固定されている。
【0036】
遊技を終了して各排出通路により回収された遊技球(アウト球、ファウル球)は、不正球検出装置33の遊技球入り口34へ流入する。不正球検出装置本体51内には、流入した遊技球を各排出口(後述する不正球排出口60及び正常球排出口61)へ誘導するための通路が形成されている。各通路は遊技球の流下方向へ下り傾斜状に設けられている。また、各通路の幅は遊技球が1個のみ通過できる幅、すなわち各通路には幅方向において必ず1列に遊技球が並ぶような通路幅に形成されている。先ず、流入した遊技球は誘導通路である第1のスロープ56を流下する。
【0037】
第1のスロープ56を流下した遊技球は、該スロープ56の下流側に設けられた振分装置52に到達する。振分装置52は、2本の検査バー57a、57bを備えており、正常球と不正球の判別・振分を行う。また、振分装置52は、分銅62を備えており、回転軸54を挟んで一方側の分銅62の重さにより時計回りに回転するように構成され、他方側の検査バー57a、57b上に流下してくる遊技球の重さによりその逆の反時計回りに回転するように構成されている。振分装置52は、検査バー57a、57b上に遊技球が載っていないときは時計回りに回転し、遊技球が載っているときは反時計回りに回転する。
【0038】
2本の検査バー57a、57bは平行に配置されており、その方向は第1のスロープ56の傾斜方向に対して直角の方向である。また、その間隔は、正常球の径よりも僅かに狭い間隔、例えば10.9mmに設定されている。したがって、10.9mm未満の小径不正球が流下してきたとき、該不正球は検査バー57a、57b間を通り抜けて落下する。これに対して正常球(10.9mm以上球)が流下してくると、該正常球は通り抜けることなく検査バー57a、57b上に留まる。不正球と判定され検査バー57a、57b間を通過した遊技球は、誘導通路(不正球排出通路)である第2のスロープ58へと流下する。第2のスロープ58は遊技球を不正球排出口60(図7)へ誘導する通路であり、不正球排出口60へ向かって下り傾斜状に形成されている。これに対して、正常球は、検査バー57a、57b上で一旦停止するが、遊技球の重さにより振分装置52が反時計回りに回転動作を行なうため、該回転角度が最大となって遊技球の位置が最下点に達したとき、検査バー57a、57b間から抜け出して、誘導通路(正常球排出通路)である第3のスロープ59へと流下する。第3のスロープ59は遊技球を正常球排出口61へ誘導する通路であり、正常球排出口61へ向かって下り傾斜状に形成されている。遊技球は正常球排出口61から次の循環通路である遊技球貯留装置32へと送り出される。
【0039】
検査バー57a、57b上から遊技球が抜け出した振分装置52は、分銅62の重さにより時計回りに回転動作を行い、2本の検査バー57a、57bが略同じ高さの水平になって、次に流下してくる遊技球を待つ。分銅62は、非検査時の振分装置52を待機位置で停止可能とするためのバランサーの機能を有しており、遊技球が検査バー57a、57b上にあるときは振分装置52を反時計回りに回転可能とし、遊技球がないときは振分装置52を時計回りに回転させて待機位置に戻す。不正球検出装置本体51の一側面を覆う蓋53には位置決め突起65が設けられている。この突起65によって、分銅62により時計回りに回転する振分装置52を係止し、水平の状態に維持している。蓋53は、案内通路56、58、59の一部(壁)を構成する部材であると共に、不正球検出装置33内部の部品を保護するための保護部材でもある。
【0040】
回収されて不正球検出装置33の遊技球入り口34に流入する遊技球は、必ずしも一定の間隔で規則正しく流入してくるものではなく、不規則間隔であったり、前後球の間隔がなく連続して流入してくることが多い。このため検査処理される間隔よりも遊技球の流入してくる間隔の方が短いと第1のスロープ56上には順次検査待ちをする遊技球が溜まり、第1の案内通路56内で球ガミを起こす虞がある。そこで検査中の遊技球、すなわち2本の検査バー上に載っている遊技球を、上記第1のスロープ上で検査待ちをしている遊技球が追い越し可能な案内通路56の構造とした。
【0041】
具体的には、例えば、検査される遊技球の重さにより振分装置52が回転動作を行ない、検査バー57a、57b間から検査されている遊技球が抜け出す前に、次に検査待ちをしている遊技球が、その検査されている遊技球を乗り越え追い越して、すなわち検査待ちをしていた遊技球が不正球か否かの検査を受けずに第3のスロープ59へ流下可能な構造とする。そして追い越しを可能とするために、不正球検出装置本体51に遊技球が通過(追越)可能な空間A(図7)を設ける。これにより正常と判断された遊技球を検査バー57a、57b上に載せた振分装置52が降下した状態のとき、検査待ちをしていた遊技球がその空間を利用して検査中の遊技球を追越可能となる。したがって、検査待ちをしている遊技球は、検査バー57a、57bが検査遊技球を第3のスロープ59へ送り出して元の待機位置に戻ってくるまで第1のスロープ56上に留まっていることなく、第3のスロープ59へ流下可能な構造となる。
【0042】
封入球循環式の遊技機では、封入されている遊技球数が限られているため、遊技者に不利益が生じないように、球ガミを原因とする発射球不足状態の発生を第1に防がなければならない。そこでこのような追い越し可能構造にすることにより、第1のスロープ56上での遊技球の渋滞を無くすことができ、通路内での遊技球の球ガミの発生を防止しスムースな遊技球の循環を可能とすることができる。なお、この構造によれば混入された不正球が前の遊技球を追い越した場合、正常球が流下する第3のスロープ59へ不正球も流下してしまうこととなるが、その不正球も遊技機内を一周循環して再度、不正球検出装置33内を流下するため、1回の循環だけでは完全に不正球を検出・排除することができなくても、数回の循環が繰り返されることにより全ての遊技球を検査することができ全ての不正球を排除することができる。
【0043】
上述したように、2本の検査バー57a、57bの間隔は正常球の直径よりも僅かに短い長さに設定されている。このため、2本の検査バー57a、57b上に載った遊技球は、その半分弱の部分が2本の検査バー57a、57b間に嵌まり込んだ状態となる。したがって、この検査バー57a、57b上に載って(嵌まり込んだ状態で)振分装置52が回転したとしても、遊技球が検査バー57a、57b上から第3のスロープ59へスムースに排出されない場合も発生する。そこでこの排出を容易にするために不正球検出装置本体51に、遊技球の排出を補助する手段75(図9)を設ける。この排出補助手段75は、例えば、突起部分75からなり、振分装置52が遊技球を検査バー57a、57b上に載せて回転し、その回転が最下点まで達したとき、遊技球に衝突する位置に設けられている。突起部分75への衝突により遊技球は検査バー57a、57b上から第3のスロープ59へと容易に排出される。
【0044】
第2のスロープ58と第3のスロープ59とはそれぞれの排出口60及び61に向かって互いに異なる方向に傾斜して形成されている。しかしながら、振分装置52が回転する構造上、両スロープ58と59間は小さな段差を有するものの繋がった構造となっている。したがって、検査バー57a、57b上に載った遊技球(正常球)の重さにより振分装置が回転し、検査バー57a、57b上から遊技球が排出されたとしても、その遊技球が周囲の部材(例えば、他の遊技球、遊技球通路壁等)と衝突してはね返り、第3のスロープ59へ流下せずに第2のスロープ58へ流下してしまう可能性もある。そこで、正常球が第2のスロープ58へ進入しないようにするために、振分装置52に戻り防止手段を設ける。この戻り防止手段は、例えば、戻り球防止片70(図8)からなり、振分装置52(検査バー57a、57b)が回転して検査バー上の遊技球を排出した後、逆回転して回転前の元の待機位置へ戻る際に、この戻り球防止片70によって、第3のスロープ59から第2のスロープ58方向へ進入してくる遊技球を第3のスロープ59方向へ押し返すことができる位置に設けられている。戻り球防止片70は、第3のスロープ59上ではなく振分装置52に設けているので、検査バー57a、57bから排出される遊技球の進路の障害物とはならず、第2のスロープ58へ進入してくる遊技球を確実に防ぐことができる。
【0045】
上記実施の形態では、不正球検出装置33を、1プレートから成る取り付けベース部材12に遊技球貯留装置32および遊技球研磨装置31と一緒に取り付ける構成のものを挙げたが、この形態に限定されるものではなく、別々のベース部材に取り付ける形態であってもよい。また、上記形態では不正球検出装置33をパチンコ機本体の前面側下部に配置させているが、この他、例えばパチンコ機本体の裏面側、すなわち遊技盤よりも後ろ側に配置させる形態であってもよい。さらに、上記形態では不正球検出装置33を遊技機(封入球循環式パチンコ機)に設けているが、遊技機とは限らず例えば、アウト球受け皿に設ける形態であっても、さらには島設備の循環通路(例えば、研磨装置前後に形成された球一条通路)に設ける形態であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る不正球検出装置が設けられるパチンコ機本体の一形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ機本体の分解図である。
【図3】図1に示すパチンコ機本体の分解図である。
【図4】球循環装置の分解図である。
【図5】遊技球研磨装置の分解図である。
【図6】(a)は不正球検出装置の全体斜視図である。(b)は不正球検出装置の分解図である。
【図7】不正球検出装置の蓋を外した状態を示す分解図である。
【図8】振分装置に設けられた戻り球防止片を表わす斜視図である。
【図9】(a)は不正球検出装置の本体部を示す平面図である。(b)は(a)の斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
1 パチンコ機本体
11 球循環装置
31 遊技球研磨装置
32 遊技球貯留装置
33 不正球検出装置
34 遊技球入り口
35 発射待機球通路
36 発射球送り出し口
51 不正球検出装置本体
52 振分装置
53 蓋
54 回転軸
55 E型止め輪
56 第1のスロープ
57a、b 検査バー
58 第2のスロープ
59 第3のスロープ
60 不正球排出口
61 正常球排出口
65 位置決め突起
70 戻り防止手段(戻り球防止片)
75 排出補助手段(突起部分)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を搬送する搬送通路で正規球中に混入された不正球を検出・排除する不正球検出装置において、
前記搬送された遊技球が流入する遊技球入り口と、
該入り口に流入した遊技球が流下する通路に形成された第1のスロープと、
該第1のスロープを流下した遊技球を第2又は第3のスロープへ振り分ける振分装置と、
該振分装置により不正球と判定されて振り分けられた遊技球が流下する前記第2のスロープと、
前記振分装置により正規球と判定されて振り分けられた遊技球が流下する前記第3のスロープとから構成され、
前記振分装置は、前記第1のスロープの傾斜方向に対して直角の方向へ正規球の径よりも小さい間隔で平行に配置された2本の検査バーを有し、回転軸を中心として前記2本の検査バー上に載る遊技球の重さと分銅の重さとにより回転自在に構成され、前記2本の検査バーの間隔よりも小さい径の不正球が流下してきたとき、検査バー間を通過させて不正球を前記第2のスロープへ排出し、前記2本の検査バーの間隔よりも大きい径の正規球が流下してきたとき、検査バー上に載った正規球の重さにより回転軸を中心に回転して、前記検査バー上の正規球を前記第3のスロープへ排出させることを特徴とする不正球検出装置。
【請求項2】
前記2本の検査バー上で振分検査されている遊技球を、検査待ちをしている前記第1のスロープ上の次の遊技球が追い越し可能な構造の遊技球通路としたことを特徴とする請求項1に記載の不正球検出装置。
【請求項3】
前記2本の検査バー上に載って回転した遊技球を、該2本の検査バー上から前記第3のスロープへ排出させる補助をするための球押出し突起が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の不正球検出装置。
【請求項4】
前記振分装置の回転により前記2本の検査バー上から排出された遊技球が、上記第2のスロープへ進入しないようにするための戻り球防止部材を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の不正球検出装置。
【請求項5】
遊技機内に封入された遊技球をハンドル操作によって発射装置から打ち出し、遊技盤上に形成された遊技領域を流下してアウト球となった前記遊技球、あるいは前記遊技領域を流下せずにファウル球となった前記遊技球を回収して前記発射装置に送り、前記遊技球を循環して使用する封入球循環式遊技機に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の不正球検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−297150(P2009−297150A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153147(P2008−153147)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】