説明

不良ワーク排出装置

【課題】不良部を有するワークやその直前のワーク等といった搬送路から排出すべきワークの排出確度を高める。
【解決手段】ワーク1を搬送方向に所定の搬送ピッチP2で搬送する搬送路は、第1搬送路61tと、第1搬送路の下流側に第2搬送路81tとを有する。第1搬送路と第2搬送路との間に設けられ、第1搬送路を通過したワークを第2搬送路及び排出路100tのどちらかに振り分ける振り分け機構71と、不良部を検知して不良部検知信号を出力する不良部検知センサーと、第1搬送路に設けられ、ワークの第1搬送路上における所定位置の通過を検知して、通過検知信号を出力する通過検知センサー97と、不良部検知信号と通過検知信号とに基づいて、振り分け機構の振り分け動作を制御するコントローラと、を有する。第1搬送路における振り分け機構側の端と、所定位置とは、前記搬送ピッチ以上離れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品の製造時に使用される不良ワーク排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使い捨ておむつ等の吸収性物品に限らず、製品の製造ラインでは、製造した製品を所定の搬送ピッチで搬送路にて搬送中に、搬送路から不良品を排出することが行われる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−89003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのための装置として、次の構成が考えられる(図5を参照)。製品1を搬送ピッチP2で搬送する搬送路として、第1搬送路61tと、その下流側に第2搬送路81tとを有する。第1搬送路61tと第2搬送路81tとの間には、振り分け機構71が設けられる。振り分け機構71は、第1搬送路61tを通過した製品1が良品の場合には、当該製品1を第2搬送路81tへ振り分ける一方、不良品の場合には、排出路100tへ振り分ける。
【0005】
この振り分け動作は、例えば、第1搬送路61t上の製品1の通過を検知する通過検知センサー97を用いてなされる。すなわち、不良品1が第1搬送路61t上の所定位置97pを通過したことを通過検知センサー97が検知すると、当該センサー97から通過検知信号が出力され、これを受信したコントローラ110が、振り分け機構71を制御して不良品1を排出路100tへ排出する。
【0006】
ここで、万一の不良品1の排出ミスを考慮して、不良品1の直前の良品の製品1を含めて余分に排出することが考えられる。
しかしながら、その場合、通過検知センサー97の通過検知位置たる上記所定位置97pの設定や搬送ピッチP2の設定によっては、振り分け動作が間に合わないことがあった。つまり、排出路100tへ排出すべき前記直前の良品の製品1を、排出路100tへ振り分けようとした際に、既に、当該製品1が振り分け機構71を通過し第2搬送路81tへ到達してしまっている場合があった。
【0007】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、不良部を有するワークやその直前のワーク等といった搬送路から排出すべきワークの排出確度を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための主たる発明は、
複数の吸収性物品に係るワークを搬送方向に所定の搬送ピッチで搬送する搬送路から不良部を有するワークを排出路へ排出する不良ワーク排出装置であって、
前記搬送路は、第1搬送路と、該第1搬送路の下流側に第2搬送路とを有し、
前記第1搬送路と前記第2搬送路との間に設けられ、前記第1搬送路を通過した前記ワークを前記第2搬送路及び前記排出路のどちらかに振り分ける振り分け機構と、
前記不良部を検知して不良部検知信号を出力する不良部検知センサーと、
前記第1搬送路に設けられ、前記ワークの前記第1搬送路上における所定位置の通過を検知して、通過検知信号を出力する通過検知センサーと、
前記不良部検知信号と前記通過検知信号とに基づいて、前記振り分け機構の振り分け動作を制御するコントローラと、を有し、
前記第1搬送路における前記振り分け機構側の端と、前記所定位置とは、前記搬送ピッチ以上離れていることを特徴とする不良ワーク排出装置である。
【0009】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、不良部を有するワークやその直前のワーク等といった搬送路から排出すべきワークの排出確度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】吸収性物品1の製造ライン20を側面視で示す模式図である。
【図2】図2Aは、使い捨ておむつ1の一例の平面図であり、図2Bは、図2A中のB−B断面図である。
【図3】図3A及び図3Bは、不良品のおむつ1が具備する不良部の一例としてのシート2(4)の継ぎ目部2j(4j)の説明図である。
【図4】不良品排出装置60の概略側面図である。
【図5】通過検知センサー97を振り分けコンベア71に近接配置した場合の問題点の説明図である。
【図6】排出処理のフロー図である。
【図7】図7A及び図7Bは、その他の実施の形態の不良品排出装置60aの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
複数の吸収性物品に係るワークを搬送方向に所定の搬送ピッチで搬送する搬送路から不良部を有するワークを排出路へ排出する不良ワーク排出装置であって、
前記搬送路は、第1搬送路と、該第1搬送路の下流側に第2搬送路とを有し、
前記第1搬送路と前記第2搬送路との間に設けられ、前記第1搬送路を通過した前記ワークを前記第2搬送路及び前記排出路のどちらかに振り分ける振り分け機構と、
前記不良部を検知して不良部検知信号を出力する不良部検知センサーと、
前記第1搬送路に設けられ、前記ワークの前記第1搬送路上における所定位置の通過を検知して、通過検知信号を出力する通過検知センサーと、
前記不良部検知信号と前記通過検知信号とに基づいて、前記振り分け機構の振り分け動作を制御するコントローラと、を有し、
前記第1搬送路における前記振り分け機構側の端と、前記所定位置とは、前記搬送ピッチ以上離れていることを特徴とする不良ワーク排出装置。
このような不良ワーク排出装置によれば、第1搬送路の前記端から搬送ピッチ以上離れた前記所定位置のワークの通過を、通過検知センサーは検知している。よって、当該位置を、不良部を有するワークが通過した際には、その下流に隣り合うワークも未だ第1搬送路上に在る。つまり、前記端若しくは該端よりも上流側を通過中である。よって、当該ワークを巻き込んで排出路へ排出可能であり、もって、不良部を有するワークを含めその直前のワークといった排出すべきワークの排出確度を高めることができる。
【0013】
かかる不良ワーク排出装置であって、
前記ワークのうちで特定のワークに対して前記不良部を有すると判定した場合には、前記コントローラは、前記特定のワークに加えて、該特定のワークの下流側及び上流側の隣に位置するワークについて少なくとも一つずつ前記排出路へ排出するのが望ましい。
このような不良ワーク排出装置によれば、上流側及び下流側の隣に位置するワークも巻き込んで排出するので、不良部を有するワークの排出ミスを確実に防ぐことができる。
【0014】
かかる不良ワーク排出装置であって、
前記ワークのうちで特定のワークに対して前記不良部を有すると判定した場合に、前記コントローラは、前記特定のワークに加えて、該特定のワークの下流側の隣に位置するN(Nは2以上の整数)個のワークを前記排出路へ排出し、
前記第1搬送路における前記振り分け機構側の端と、前記所定位置とは、前記搬送ピッチの前記N倍以上離れているのが望ましい。
このような不良ワーク排出装置によれば、第1搬送路の前記端から搬送ピッチのN倍以上離れた前記所定位置のワークの通過を、通過検知センサーは検知している。よって、当該通過検知センサーが、前記不良部を有するワークを検知した時点では、その下流に隣り合うN個のワークは未だ第1搬送路上に在り、つまり前記端若しくは該端よりも上流側を通過中であり、もって、これらN個のワークを巻き込んで排出路へ排出する。ここで、Nは2以上の整数である。よって、多くのワークを巻き込みながら、不良部を有するワークは排出路を介して排出されるので、当該不良部を有するワークの排出確度をより一層高めることができる。
【0015】
かかる不良ワーク排出装置であって、
前記第1搬送路の上流側には、前記搬送方向に連続する連続シート状部材を前記搬送方向に所定ピッチで分断することにより前記ワークを生成する分断機構が配置され、
前記第1搬送路において前記ワークが前記搬送ピッチで搬送されるように、前記分断機構と前記第1搬送路との間で、前記搬送方向に隣り合う前記ワーク同士の間に間隔を空ける処理が行われ、
前記不良部検知センサーは、前記連続シート状部材の状態において前記不良部を検知して前記不良部検知信号を出力し、
前記不良部検知信号に基づいて前記連続シート状部材における前記不良部が前記二つのワークに相当する部分同士に跨っていると判定した場合には、前記コントローラは、前記不良部が一つのワークに相当する部分に収まっていると判定した場合よりも、前記排出路へ排出するワークの個数を増やすのが望ましい。
このような不良ワーク排出装置によれば、不良部が、搬送方向に隣り合う二つのワークに跨っている場合には、排出路へ排出するワークの個数を増やす。よって、不良部を有するワークの排出ミスを確実に抑制可能となる。
【0016】
かかる不良ワーク排出装置であって、
前記不良部検知センサーは、前記不良部の種類毎にそれぞれ配置されており、
複数の前記不良部検知センサーのうちの少なくとも一つのセンサーの前記不良部検知信号に基づいて、特定のワークが不良部を有すると前記コントローラが判定した場合には、該コントローラは、前記特定のワークを前記排出路へ排出するのが望ましい。
このような不良ワーク排出装置によれば、不良部を全く有しないワークのみを第2搬送路へ送ることができる。
【0017】
かかる不良ワーク排出装置であって、
前記第1搬送路の上流側には、前記搬送方向に連続する連続シート状部材を前記搬送方向に所定ピッチで分断することにより前記ワークを生成する分断機構が配置され、
前記第1搬送路において前記ワークが前記搬送ピッチで搬送されるように、前記分断機構と前記第1搬送路との間において、前記搬送方向に隣り合う前記ワーク同士の間に間隔を空ける処理が行われ、
前記不良部検知センサーは、前記連続シート状部材の状態において前記不良部の所定の検知位置の通過を検知して前記不良部検知信号を出力し、
前記コントローラは、前記不良部検知センサーの前記検知位置から前記通過検知センサーの前記所定位置までの搬送路に含まれるべき前記ワークの想定数と、前記不良部検知信号の出力時点のカウント値を零値として前記通過検知センサーの前記所定位置を前記ワークが通過する度に一つずつ加算されるカウント値とを比較することにより、前記不良部を有するワークの前記所定位置への到達時点を認識し、
前記コントローラは、前記到達時点に基づいて前記振り分け機構を作動して、前記ワークを前記排出路に誘導するのが望ましい。
このような不良ワーク排出装置によれば、不良部を有するワークを確実に排出路へ誘導可能となる。
【0018】
かかる不良ワーク排出装置であって、
前記第1搬送路における前記ワークの搬送量を示す信号を出力するセンサーを有し、
前記到達時点を零値として計測される前記信号の示す値が、所定の閾値に達したら、前記コントローラは、前記振り分け機構を作動して、前記ワークを前記排出路に誘導するのが望ましい。
このような不良ワーク排出装置によれば、不良部を有するワークをより確実に排出路へ誘導可能となる。
【0019】
かかる不良ワーク排出装置であって、
前記不良部検知センサーの前記検知位置から前記分断機構までの搬送路の経路長D1を前記所定ピッチP1で除算した値(=D1/P1)が、所定の整数値の±5%の範囲に収まるような位置に前記検知位置が設定され、
前記分断機構から前記通過検知センサーに係る前記所定位置までの搬送路の経路長D2を前記搬送ピッチP2で除算した値(=D2/P2)が、所定の整数値の±5%の範囲に収まるような位置に前記所定位置が設定されているのが望ましい。
このような不良ワーク排出装置によれば、不良部を有するワークの通過検知センサーへの前記到達時点をより正確に認識可能となる。
【0020】
===本実施形態===
<<<吸収性物品1の製造ライン20の概略構成>>>
図1は、吸収性物品1の製造ライン20を側面視で示す模式図である。この製造ライン20では、排泄液を吸収する吸収性物品1の一例として使い捨ておむつ1を製造する。
【0021】
図2Aは、このおむつ1の一例の平面図であり、図2Bは、図2A中のB−B断面図である。
おむつ1は、例えば、不織布等の液透過性のトップシート2とフィルム等の液不透過性のバックシート4との間に、パルプ繊維を主原料とする吸収体3が介装されたものを本体11とする。
そして、その展開状態の平面形状は、略砂時計形状になっている。つまり、おむつ1の長手方向の両端部たる腹側部11Aや背側部11Bの幅は、それらの間の部位たる股下部11Cの幅よりも広くなっている。これにより、腹側部11Aや背側部11Bにおける幅方向の両端部にはサイドフラップ11SF,11SF…が形成されている。
また、背側部11Bには、一対の面ファスナー5,5を有したファスニングテープ部材6が貼り付けられている。そして、おむつ1の使用時には、例えば同部材6における幅方向の中央部のミシン目6mを分断することにより、一対の面ファスナー5,5をおむつ1の幅方向に開くように構成されており、これにより、おむつ1の装着時の背側部11Bの腹側部11Aへの止着に供するようになっている。
なお、股下部11C近傍の脚周り開口部11H,11Hをなす部位に伸縮性を付与すべく、おむつ1の幅方向の両側の部分に不図示の糸ゴム等の弾性部材を長手方向に沿って設けても良いし、同幅方向の両側の部分に、それぞれ立体ギャザー(不図示)を設けても良い。
【0022】
図1に示すように、おむつ1の製造ライン20は、おむつ1の半製品1a,1b…等を搬送方向に搬送する複数の搬送機構22,22…を有する。各搬送機構22,22…には、載置面たる無端ベルトの表面に吸引機能を有したサクションベルトコンベア22が使用され、それぞれ、不図示のモータ等を駆動源として無端ベルトが周回駆動する。なお、場合によっては搬送ローラーを用いても良い。
そして、かかる搬送機構22,22…によって半製品1a,1b…等を搬送方向に搬送中に、当該半製品1a,1b…等に対して他の部品の接着や、折り畳み、切断等の各種加工等を順次行って、おむつ1が完成される。
【0023】
なお、以下の説明では、おむつ1の搬送方向と直交する方向(図1中では、その紙面を貫通する方向)のことを「CD方向」とも言う。また、搬送方向の下流側及び上流側のことを、それぞれ前方及び後方とも言う。
【0024】
図1に示すように、製造ライン20は、複数のリール25,25を有する。リール25は、例えば、トップシート2及びバックシート4のそれぞれに対して設置されている。どちらのシート2,4についても、製造ライン20への搬入は、シートを巻き取ってなるシートロールの形態でなされる。そして、各シートロール2r,4rは、それぞれ、対応するリール25に装着されて連続シートの形態で繰り出される。また、同製造ライン20は、主な加工装置として、積繊装置30やロータリーダイカッター装置40、ロータリーカッター装置50等を有し、また、搬送方向の下流側には、おむつ1の不良品を製造ライン20から排出する不良品排出装置60を有している。
【0025】
積繊装置30は、吸収体3の主原料となるパルプ繊維を略直方体等の所定形状に成形して吸収体3を生成し、生成された吸収体3を搬送方向に製品ピッチP1でサクションベルトコンベア22上に載置する。
【0026】
その下流には、バックシート4の合流位置G4が設定されている。すなわち、同位置G4では、バックシート4が下方から連続シートの形態で供給され、当該バックシート4の上面に吸収体3を製品ピッチP1で載せる。
【0027】
また、同合流位置G4の近傍には、トップシート2の合流位置G2が設定されている。よって、同位置G2では、バックシート4上に吸収体3が載った状態の半製品1aに対して、その上方からトップシート2が連続シートの形態で供給され、吸収体3を上方から覆うようにしつつ当該シート2がバックシート4に貼り合わされる。これにより半製品1aは半製品1bとなる。
【0028】
その下流の位置では、半製品1bが具備するトップシート2に対して、不図示の受け渡し装置により、単票状のファスニングテープ部材6(不図示)が製品ピッチP1で貼り付けられ、これにより半製品1bは半製品1cとなる。
【0029】
その下流には、ロータリーダイカッター装置40が配されている。この装置40は、互いに対向して駆動回転するカッターロール41とアンビルロール42とを有する。そして、これらロール41,42の間隙を半製品1cが通過する際に、これらロール41,42は、製品ピッチP1で半製品1cのCD方向の両端縁を略半円状に切り欠き、これにより、半製品1cを前述の略砂時計形状の半製品1dに成形する。
【0030】
そうしたら、半製品1dは、不図示の折り畳み機構に通される。ここでは、前述の略半円形状の切り欠き処理によりCD方向の両側に形成された各サイドフラップ11SF,11SFを、それぞれCD方向の内方に折り畳む。これにより半製品1dは半製品1eとなる。そして、当該半製品1eは、次のロータリーカッター装置50へ送られる。
【0031】
ロータリーカッター装置50も、互いに対向して駆動回転するカッターロール51とアンビルロール52とを有する。そして、これらロール51,52の間隙を半製品1eが通過する際に、これらロール51,52は、当該半製品1eを製品ピッチP1で分断し、これにより、製品単位で個別に分かれた状態のおむつ1が完成する。
【0032】
そうしたら、各おむつ1は、不良品排出装置60(不良ワーク排出装置に相当)へ送られる。ここでは、搬送中に各おむつ1が良品と不良品とに振り分けられ、良品は、そのまま搬送路81tを通って下工程へ送られるが(図1中の下段の図を参照)、不良品は排出路100tを介して製造ライン20から排出される(図1中の上段の図を参照)。なお、この分別は、コントローラ110が、製造ライン20の搬送路の適宜位置に配された各種センサー92,94,96,97,98からの信号に基づいて行う。これについては後述する。
【0033】
<<<不良品について>>>
上述の製造ライン20は、連続生産を前提として稼働している。よって、基本的に製造に必要な各資材は、常に途切れないように連続供給される。例えば、図3Aに示すように、トップシート2やバックシート4の各シートロール2r,4rに対しては、それぞれ、リール25,25が一対ずつ準備されており、一方のリール25が繰り出し供給中の場合には、他方のリール25は待機中になっている。そして、繰り出し供給中のリール25からのシート2(4)の繰り出し終了時には、図3Bに示すように、待機中のシートロール2r(4r)の繰り出し先端2LE(4LE)が、先行材たる繰り出し供給中のシート2(4)の尾端2TE(4TE)に継がれる。例えば、粘着テープやホットメルト接着剤又はヒートシール等により接合される。そして、これにより、資材の連続供給が行われる。
【0034】
但し、上述の先端2LE(4LE)と尾端2TE(4TE)との接合部たる継ぎ目部2j(4j)は、当然ながら非定常部であり、この部分2j(4j)を含んだおむつ1(以下、製品1とも言う)は不良品となる。
また、ファスニングテープ部材6等の部品を半製品1bに貼り合わせる際に、貼り合わせ位置の許容範囲からずれて貼り合わせられた場合についても、その製品1は不良品となる。
よって、かかる不良品については、不良品排出装置60によって製造ライン20外に排出するようにしている。
【0035】
なお、上述の継ぎ目部2j(4j)のような不良部を検知して、個別の複数のおむつ1,1…の中から不良品を特定するためのセンサー92,94,96は、不良の種類毎に設けられ、各センサー92,94,96からの不良部検知信号は、それぞれ、後述のコントローラ110に送信されて、不良品の排出に供される。
【0036】
<<<不良品排出装置60>>>
図4は不良品排出装置60の概略側面図である。
不良品排出装置60は、半製品1eを製品単位に分断しておむつ1を生成するロータリーカッター装置50(分断機構に相当)の下流側に近接配置されている。そして、分断生成されたおむつ1(ワークに相当)は、そのままロータリーカッター装置50のロール51,52の駆動回転によって不良品排出装置60の搬送路61tへと連続的に送り込まれる。
【0037】
この不良品排出装置60は、ロータリーカッター装置50の下流側に配置され、第1搬送路61tを形成する第1コンベア61と、この第1コンベア61の下流側に配置され、第2搬送路81tを形成する第2コンベア81と、これら第1コンベア61と第2コンベア81との間に配されて、揺動動作により搬送路71tを第2搬送路81t及び排出路100tのどちらに択一的に接続する振り分けコンベア71(振り分け機構に相当)と、不良品を検知するセンサー92,94,96,97や第1コンベア61の状態を検出するセンサー98等のセンサー群(図1)と、センサー群から出力される各種信号に基づいて、振り分けコンベア71を制御するコントローラ110(図1)と、を有する。
【0038】
以下、不良品排出装置60の各構成要素について説明するが、以下の説明では、特に断らない限り、その説明で登場する何れのローラー63u,63d,73u,73d,83u,83dの回転軸もCD方向を向いているものとする。
【0039】
第1コンベア61は、上下一対の無端ベルト62u,62dを有する。下無端ベルト62dは、搬送方向の前後一対のローラー63d,63dに掛け回されている。そして、これらローラー63d,63dのうちの少なくとも一方のローラー63dは、駆動源としてのモータ(不図示)から駆動回転力が付与されて駆動回転し、これにより下無端ベルト62dは周回する。また、下無端ベルト62dは、表面に複数の吸気孔(不図示)を有し、これにより表面に載置したおむつ1を吸引して保持する。
【0040】
一方、上無端ベルト62uは、搬送方向の前後一対のローラー63u,63uに掛け回されている。そして、上無端ベルト62uは、下無端ベルト62dとの間におむつ1を挟んで搬送すべく、所定の押し付け力で下無端ベルト62dに押圧されている。これにより、これら上無端ベルト62uと下無端ベルト62dとの間に形成された前記第1搬送路61tを、これら無端ベルト62u,62dと略一体となっておむつ1は移動する。そして、第1搬送路61tの下流端61eで振り分けコンベア71におむつ1を引き渡す。
【0041】
ちなみに、上無端ベルト62uにあっては、下無端ベルト62dから駆動力を得て従動周回する従動ベルトとして構成しても良いし、上述のモータから適宜な歯車伝達機構等により駆動力が伝達されて駆動周回する駆動ベルトとして構成しても良い。なお、後者の駆動周回の場合には、上無端ベルト62uは、下無端ベルト62dと同期して周回動作をするのは言うまでも無い。
【0042】
ここで、この第1コンベア61の搬送速度V61は、ロータリーカッター装置50のカッターロール51の周速V50、すなわちロータリーカッター装置50での半製品1eの搬送速度V50よりも速い速度で、且つ、この搬送速度V50に連動して(比例して)変化するようにコントローラ110により制御される。つまり、ロータリーカッター装置50の搬送速度V50よりも所定倍率Rmだけ増速されている(V61=Rm×V50)。これにより、ロータリーカッター装置50によって分断生成されたおむつ1は、第1コンベア61に乗り移った際に、第1コンベア61に引き取られるように搬送され、結果、搬送方向の上流側に隣り合うおむつ1との間には間隔δが形成される。つまり、第1コンベア61よりも下流側の搬送ピッチP2は、製品ピッチP1の前記所定倍率Rmだけ拡大されたピッチP2(=Rm×P1=P1+δ)となっている。
【0043】
そして、この第1コンベア61の搬送速度V61は、振り分けコンベア71や第2コンベア81でも維持される。よって、上記の拡大された搬送ピッチP2は、少なくとも第1コンベア61から第2コンベア81までの範囲において維持される。
【0044】
ちなみに、この拡大された搬送ピッチP2は、振り分けコンベア71の搬送路71tの全長L71t以上の長さに設定されていると良い。これにより、振り分けコンベア71の揺動動作によって排出対象のおむつ1を排出する際に、当該排出対象のおむつ1の前又は後に隣り合うおむつ1に何等影響を与えること無く、当該排出対象のおむつ1のみを選択的に排出路100tへ誘導可能となる。
【0045】
第2コンベア81も、上下一対の無端ベルト82u,82dを有する。下無端ベルト82dは、搬送方向の前後一対のローラー83d,83dに掛け回されている。そして、これらローラー83d,83dのうちの少なくとも一方のローラー83dは、駆動源としての不図示のモータから駆動回転力が付与されて駆動回転し、これにより下無端ベルト82dは周回する。また、下無端ベルト82dは、表面に複数の吸気孔(不図示)を有し、これにより表面に載置したおむつ1を吸引して保持する。
【0046】
一方、上無端ベルト82uは、搬送方向の前後一対のローラー83u,83uに掛け回されている。そして、上無端ベルト82uは、下無端ベルト82dとの間におむつ1を挟んで搬送すべく、所定の押し付け力で下無端ベルト82dに押圧されている。これにより、これら上無端ベルト82uと下無端ベルト82dとの間に形成された第2搬送路81tを、これら無端ベルト82u,82dと略一体となっておむつ1は移動する。そして、第2搬送路81tの下流端81eで、下工程の適宜なコンベア150に良品のおむつ1を引き渡す。
ちなみに、上無端ベルト82uを、従動ベルト及び駆動ベルトのどちらで構成しても良いのは、上述の第1コンベア61の場合と同じである。
【0047】
振り分けコンベア71も、上下一対の無端ベルト72u,72dを有する。下無端ベルト72dは、搬送方向の前後一対のローラー73d,73dに掛け回されている。そして、これらローラー73d,73dのうちの少なくとも一方のローラー73dは、駆動源としての不図示のモータから駆動回転力が付与されて駆動回転し、これにより下無端ベルト72dは周回する。また、下無端ベルト72dは、表面に複数の吸気孔(不図示)を有し、これにより表面に載置したおむつ1を吸引して保持する。
【0048】
一方、上無端ベルト72uは、搬送方向の前後一対のローラー73u,73uに掛け回されている。そして、上無端ベルト72uは、下無端ベルト72dとの間におむつ1を挟んで搬送すべく、所定の押し付け力で下無端ベルト72dに押圧されている。これにより、これら上無端ベルト72uと下無端ベルト72dとの間に形成された搬送路71tを、これら無端ベルト72u,72dと略一体となっておむつ1は移動する。そして、搬送路71tの下流端71eで第2コンベア81又は排出路100tにおむつ1を引き渡す。
【0049】
なお、上無端ベルト72uを、従動ベルト及び駆動ベルトのどちらで構成しても良いのは、上述の第1コンベア61の場合と同じである。
【0050】
ここで、図4中の下段の図に示すように、当該振り分けコンベア71に係る上無端ベルト72u及び下無端ベルト72dは、それぞれ、上流側のローラー73u,73dの回転軸C73u,C73dを揺動中心として、下流側の端部たるローラー73u,73dが上下方向に揺動可能に構成されている。また、この揺動動作の駆動機構として、ピストンを伸縮動作する油圧シリンダー75,75が上無端ベルト72u及び下無端ベルト72dのそれぞれについて設けられており、更には、油圧シリンダー75,75の伸縮動作を切り替える作動制御部75s,75sとしての電磁弁等もそれぞれ設けられている。
【0051】
そして、これら油圧シリンダー75,75の伸縮動作により、振り分けコンベア71の搬送路71tは、当該搬送路71tにおける第1コンベア61側の端部71e1を支点として、同第2コンベア81側の端部71e2を上下方向に揺動可能に構成されている。よって、同搬送路71tを、第2コンベア81の第2搬送路81t及びその下方の排出路100tの何れかに択一的に接続することにより、排出対象のおむつ1を排出路100tへ排出可能である。すなわち、排出されるべきおむつ1が第1コンベア61の第1搬送路61tから送られてきた場合には、振り分けコンベア71の搬送路71tは、排出路100tへ接続されるが、それ以外の場合には、同搬送路71tは第2コンベア81の第2搬送路81tに接続される。これにより、排出されるべきおむつ1を選択的に製造ライン20から排出する。
【0052】
センサー群は、図1に示すように、不良部を検知する不良部検知センサー92,94,96と、第1コンベア61上に設けられ、おむつ1の通過を検知する通過検知センサー97と、第1コンベア61の搬送状態を監視する状態監視センサー98と、を有する。
【0053】
不良部検知センサー92,94,96は、前述したように、想定される不良部の種類毎に設けられる。例えば、本実施形態では、不良部として、トップシート2の継ぎ目部2jやバックシート4の継ぎ目部4j、貼り付け位置が許容範囲から外れたファスニングテープ部材6等を想定している。
【0054】
そのため、図1の製造ライン20には、トップシート2用の継ぎ目部検知センサー92が、例えばリール25の繰り出し位置と前述の合流位置G2との間に配置され、また、バックシート4用の継ぎ目部検知センサー94が、例えばリール25の繰り出し位置と前述の合流位置G4との間に配置されている。そして、これらセンサー92,94は、所定の検知位置92p,94pを継ぎ目部2j,4jが通過する度に継ぎ目部2j,4jを検知して不良部検知信号をコントローラ110へ出力する。なお、かかるセンサー92,94の一例としては、受けた光量に応じた大きさの信号を出力する光電管等が挙げられる。
【0055】
また、ファスニングテープ部材6の貼り付け位置不良を検知するセンサー96も、ファスニングテープ部材6の半製品1dへの受け渡し位置の直近下流側の位置に設置されている。このセンサー96は、例えば赤外線カメラである。そして、例えばロータリーカッター装置50のロータリーエンコーダ54からの同期信号に基づいて当該カメラは作動し、これにより、半製品1eを製品ピッチP1毎に撮影して製品1に相当する単位で温度分布の画像を取得する。そして、その画像を二値化処理等して、実際の貼り付け位置を各製品1(正確には、各製品1となり得る部分)の輪郭位置基準で特定し、特定された貼り付け位置が、前記輪郭位置から定まる規定の貼り付け目標位置の許容範囲内に収まっているか否かを判定する。そして、許容範囲に収まっていない場合には、その都度、不良部検知信号をコントローラ110へ出力する。ちなみに、二値化処理や上述の判定を行う構成については、コントローラ110側に設けても良い。
【0056】
通過検知センサー97は、第1コンベア61に配置されている。そして、おむつ1の通過を検知する検知位置97pも、第1搬送路61t上に設定されている。よって、当該検知位置97pをおむつ1の下流端が通過する度に、通過検知センサー97は、通過検知信号をコントローラ110へ出力する。これについては後述する。
【0057】
状態監視センサー98は、例えば第1コンベア61のローラー63dに設けられたロータリーエンコーダ98である(図1)。そして、このエンコーダ98は、第1コンベア61のローラー63dの回転角度(回転量)を計測し、回転角度に比例した値のデジタル値の信号、又は回転角度に比例した数のパルスの信号をコントローラ110へ出力する。
【0058】
コントローラ110は、適宜なPLC(プログラマブルロジックコントローラ)等のコンピュータであり、上記の各センサー92,94,96,97,98等から出力される信号に基づいて、振り分けコンベア71の揺動動作を制御する。つまり、振り分けコンベア71の駆動機構たる前記油圧シリンダー75,75を制御する。
【0059】
<<<振り分けコンベア71の排出動作(振り分け動作)>>>
ここで、振り分けコンベア71の排出動作について詳細に説明する。なお、以下では、トップシート2の継ぎ目部2jを有するおむつ1を不良品として排出する場合を例に説明するが、バックシート4の継ぎ目部4jや貼り付け位置不良の場合も同様である。
【0060】
先ず、この排出処理ロジックの基本的な考え方について説明する。
図1の継ぎ目部検知センサー92の検知位置92pから第1コンベア61上の通過検知センサー97の検知位置97pまでの搬送路に、製品たるおむつ1となり得る部分が何個含まれているかの想定数は、設計図や実際の設備配置等に基づいて予めわかる既知の値である。よって、継ぎ目部検知センサー92が継ぎ目部2jを検知した時点を起点として、以降、第1搬送路61tの通過検知センサー97の通過検知信号に基づいて、通過検知センサー97の検知位置97pを通過したおむつ1の個数をカウントすれば、継ぎ目部2jを有するおむつ1たる不良品が、通過検知センサー97の検知位置97pに到達する到達時点を認識することができる。そうしたら、この到達時点を零値(起点)とする所定量の搬送後に、振り分けコンベア71を下方に揺動して排出路100tに接続すれば、不良品1を排出することができる。
よって、かかる排出処理ロジックに基づけば、通過検知センサー97の検知位置97pを、可能な限り振り分けコンベア71に近接化するのが、排出精度の観点からは好ましいと考えられる。
【0061】
一方、フェールセーフ的に不良品1の排出ミスを防ぐ観点からは、当該不良品1だけでなく、その搬送方向の前後に隣り合うおむつ1も含めて(つまり巻き込んで)排出することが考えられる。但し、その場合には、上述のように通過検知センサー97を振り分けコンベア71に近接化し過ぎると、図5のように、振り分けコンベア71を下方に揺動動作させて排出路100tに接続した時点には、不良品1の下流側の隣のおむつ1は既に振り分けコンベア71を通過し終わって第2コンベア81上を走行している虞があって、つまり、当該隣のおむつ1を製造ライン20外に排出できない可能性がある。
【0062】
そこで、本実施形態では、図4に示すように、通過検知センサー97がおむつ1の通過を検知する検知位置97pを、第1搬送路61tの下流側の端61ted(振り分け機構側の端に相当)から、少なくとも搬送ピッチP2の長さ以上だけ上流側に離れた位置に設定している。そして、このようにすれば、当該検知位置97pを不良品1の下流端が通過した際には、その下流に隣り合うおむつ1も未だ第1搬送路61t上に在るはずである。よって、不良品1の下流側に少なくとも一つのおむつ1を巻き込みながら当該不良品1を排出路100tへ排出可能となる。
【0063】
ちなみに、下流側において巻き込んで排出するおむつ1の個数を複数にする場合、例えばN個(Nは2以上の整数)にする場合には、上述の検知位置97pを、搬送ピッチP2のN倍の長さ以上だけ第1搬送路61tの下流側の端61tedから離れた位置に設定すると良い。そうすれば、上述と同じ理屈で、不良品1の下流側に位置するN個のおむつ1を確実に巻き込んで不良品1を排出可能となり、不良品1の排出確度をより一層高めることができる。
更には、不良品1の上流側においても、同数のN個だけおむつ1を巻き込んで排出すれば、より排出ミスの可能性は低くなる。
従って、本実施形態では、不良品1の両側の巻き込み数を、それぞれN個に設定している。すなわち、不良品1の上流側において巻き込んで排出するおむつ1の数をN個にし、また、同様に、同不良品1の下流側において巻き込んで排出するおむつ1の数もN個にしている。そのため、通過検知センサー97の検知位置97pは、第1搬送路61tの下流側の端61tedから、下式1を満足する距離Lだけ離れた位置に設定されている。
L≧N×P2 … (1)
【0064】
図6は、コントローラ110の排出処理部が実行する排出処理のフロー図である。排出処理部は例えばプログラムで構成される。つまり、コントローラ110のプロセッサが、メモリ等から排出処理プログラムを読み出して実行することにより、排出処理が行われる。よって、以下の説明では、排出処理部が排出処理を行っているかのように記載しているが、実際には、同処理はプロセッサにより行われる。
【0065】
先ず、図1のトップシート用継ぎ目部検知センサー92が、トップシート2の継ぎ目部2jの通過を検知すると、同検知センサー92は、コントローラ110の排出処理部へ不良部検知信号を出力する(S10)。
【0066】
すると、これを受信した排出処理部は、自身が具備するカウンタを作動する。すなわち、この受信時点のカウンタのカウント値を零値として、以降、第1搬送路61tの通過検知センサー97から通過検知信号を受信する度に、カウント値に「1」を加算していく(S20)。そして、逐次、当該カウント値を、既定の閾値Kthと大小比較する(S30)。
なお、この閾値Kthは、前述のおむつ1の想定数であり、コントローラ110内のメモリに予め記憶されている。すなわち、この閾値Kthは、継ぎ目部検知センサー92の検知位置92pと通過検知センサー97の検知位置97pとの間の搬送路に存在するおむつ1の個数(正確には、おむつ1となり得る部分の個数)を示しており、例えば、下式2で表される。
Kth=D1/P1+D2/P2 … (2)
ここで、上式2中のD1は、継ぎ目部検知センサー92の検知位置92pからロータリーカッター装置50の装置中心までの搬送路の経路長である。また、同D2は、ロータリーカッター装置50の前記装置中心から通過検知センサー97の検知位置97pまでの搬送路の経路長である。
【0067】
ちなみに、上式2の右辺において、継ぎ目部検知センサー92の検知位置92pから通過検知センサー97の検知位置97pまでの経路長を二つの経路長D1,D2に分けて計算している理由は、ロータリーカッター装置50を境として、おむつ一つ当たりの搬送ピッチが製品ピッチP1から搬送ピッチP2(>P1)に変化するためである(図4を参照)。
【0068】
また、望ましくは、式2中のD1/P1の値とD2/P2の値とのそれぞれが、整数値の±5%の範囲に収まるように各センサー92,97の検知位置92p,97pを調節すると良く、より望ましくは整数値になるように調整すると良い。このようにすれば、不良品1が通過検知センサー97の検知位置97pに到達する時点をより正確に認識可能となる。
【0069】
そして、上記大小比較のステップS30においてカウンタ値が前記閾値Kthを超えたら、排出処理部は、当該超えた時点に、継ぎ目部2jを有するおむつ1の先端(下流端)が通過検知センサー97の検知位置97pに到達したと判定する。
【0070】
そうしたら、排出処理部は、この超えた時点(到達時点)を零値として、以降の第1コンベア61の搬送量を、同第1コンベア61のエンコーダ98の信号に基づいて計測する(S40)。そして、逐次、この搬送量の値を既定の閾値Tthと大小比較する(S50)。
【0071】
ここで、この閾値Tthも、コントローラ110内のメモリに予め記憶されている。そして、この閾値Tthというのは、継ぎ目部2jを有するおむつ1たる不良品1が通過検知センサー97の検知位置97pを通過(到達)した時点において、この不良品1よりもN個だけ下流側のおむつ1の位置が、第1搬送路61tの下流側の端61tedからどれだけ離れているかという距離を示しており、これは、既述のL、N、P2を用いて、下式3で表される。
Tth=L−N×P2 … (3)
よって、上記大小比較のステップS50において、当該閾値Tthを前記搬送量の値が超えたら、排出処理部は、不良品1と伴に排出すべきN個分下流側に位置するおむつ1が、第1搬送路61tの下流側の端61tedに到達したと判定する。
【0072】
そうしたら、その時点に、排出処理部は、振り分けコンベア71の電磁弁等の作動制御部75sに排出信号を送信し、これを受信した作動制御部75sは油圧シリンダー75,75を制御して、振り分けコンベア71の搬送路71tの接続先を、第2搬送路81tから排出路100tへと切り替える(S60)。
【0073】
なお、この排出信号の送信(出力)は、不良品1よりもN個だけ上流側のおむつ1が排出路100tから排出されるまで継続され、また、この排出信号を受信している間に亘って、作動制御部75sは、振り分けコンベア71の搬送路71tの接続先を排出路100tにした状態に維持する。これにより、継ぎ目部2jを有するおむつ1たる不良品1を含めその前後に各N個のおむつ1が排出路100t経由で排出される。
【0074】
ちなみに、排出処理部は、排出信号の送信の停止を、例えば前述のカウンタ値を用いて行う。すなわち、カウンタ値が下式4の第2閾値Kth2を超えたら排出信号の送信を停止する(S70、S80)。
Kth2=Kth1+(L71t+L)/P2+N … (4)
そして、これにより、不良品1よりも上流側のN個のおむつ1を排出し終えたところで、振り分けコンベア71の接続先が再度第2搬送路81tに戻されて、以降搬送されるおむつ1は良品として第2搬送路81tを経て製造ライン20の下工程へと送られる。なお、当該第2閾値Kth2も、コントローラ110内のメモリに予め記憶されている。
【0075】
ところで、前述したように、継ぎ目部検知センサー92の如き不良部検知センサーは、不良の種類毎に設けられている。よって、不良部検知信号もその不良の種類の数だけ出力される。そのため、かかる複数種類の不良部検知信号に対処すべく、コントローラ110は、上述の排出処理部たる排出処理プログラムを、センサー92,94,96毎に対応させてそれぞれ有している。そして、コントローラ110のプロセッサは、各排出処理プログラムを並列処理する。これにより、各排出処理部から、それぞれ、振り分けコンベア71の作動制御部75sへ向けて排出信号が送信(出力)されることになる。
【0076】
ここで、振り分けコンベア71の作動制御部75sは、何れか一つの排出信号を受信している限り、その搬送路71tを排出路100tに接続するように、振り分けコンベア71の油圧シリンダー75,75を制御する。つまり、排出信号を一つも受信しない状態になったら、作動制御部75sは、振り分けコンベア71の搬送路71tを第2搬送路81tへ接続するように油圧シリンダー75,75を制御する。
これにより、互いに種類の異なる不良部を有するおむつ1,1同士が近接して搬送されている場合でも、円滑に振り分け動作を行うことができ、また、不良部を全く有しないおむつ1のみを第2搬送路81t経由で下工程へ送ることもできるようになる。
【0077】
なお、望ましくは、トップシート用継ぎ目部検知センサー92やバックシート用継ぎ目部検知センサー94等に対しては、次のような機能を有したセンサーを用いると良い。すなわち、連続シート状部材としてのトップシート2やバックシート4において前後に隣り合うおむつ1,1同士(正確には、おむつ1に相当する部分同士)に継ぎ目部2j(4j)が跨っているか否かを検知可能なセンサーを用いると良い。
【0078】
そして、当該センサー92(94)から送信された不良部検知信号に基づいて、排出処理部が「継ぎ目部2j(4j)は跨っておらず一つのおむつ1(正確には、おむつ1となりうる部分)内に収まっている」と判定した場合には、排出処理部は、上述と同様の排出処理を行う。
【0079】
一方、「継ぎ目部2j(4j)は跨っている」と判定した場合には、排出処理部は、排出信号の作動制御部75sへの送信開始のタイミングを、跨ったおむつ1,1同士のうちの下流側のおむつ1に基づいて決める一方、排出信号の送信停止のタイミングを、同跨ったおむつ1,1同士のうちの上流側のおむつ1に基づいて決める。その結果、送信開始のタイミングについては、跨っていない場合と同じタイミングとなるが、送信停止のタイミングについては、跨っていない場合と比べて、おむつ一つ分だけ延長されることになる。すなわち、継ぎ目部2j(4j)が跨らない場合(つまり一つのおむつ1内に継ぎ目部2j(4j)が完全に収まる場合)と比較して、継ぎ目部2j(4j)が跨った場合には、排出するおむつ1の数が一つだけ増えることになる。そして、これにより、継ぎ目部2j(4j)を有するおむつ1の排出ミスをより確実に防ぐことができる。
【0080】
このような継ぎ目部2j(4j)が跨っているか否かを検知可能なセンサーの一例としては、前述した赤外線カメラが挙げられる。詳しくは、このカメラは、ロータリーカッター装置50のエンコーダ54からの同期信号に基づいて作動し、これにより、トップシート2やバックシート4を製品ピッチP1で撮影して製品1に相当する単位で温度分布の画像を取得する。そして、撮影の都度、即座に、取得した画像を排出処理部へ送信する。すると、排出処理部では、その画像を二値化処理等して、継ぎ目部2j(4j)の位置を各製品1(正確には、各製品1となり得る部分)の輪郭位置基準で特定し、特定された継ぎ目部2j(4j)の位置が、前記輪郭位置に重なっているか否かを判定する。そして、重なっている場合には、「継ぎ目部2j(4j)は跨っている」と判定し、重なっていない場合には「継ぎ目部2j(4j)は跨っていない」と判定する。
【0081】
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形が可能である。
【0082】
前述の実施形態では、不良品排出装置60として、一部のコンベア71が揺動動作をするものを例示したが、何等これに限るものではない。
例えば、不良品排出装置60aを、図7Aのように構成しても良い。すなわち、第1搬送路61tを形成する第1コンベア61における下流側の端部61eについては、下無端ベルト62dのみが下流側に突出して位置するように第1コンベア61を構成し、また、第2搬送路81tを形成する第2コンベア81における上流側の端部81eについても、下無端ベルト82dのみが上流側に突出して位置するように第2コンベア81を構成する。また、これら端部61e,81e同士の間には間隔Δを設け、当該間隔Δを跨って、その上方には、振り分け機構71aの一部をなす無端ベルト72aを配置する。そして、この無端ベルト72aをサクションベルトコンベアとして構成し、これにより、第1搬送路61tを通過したおむつ1を、無端ベルト72aの表面で吸着して受け取り、当該吸着によりおむつ1を吊り下げ保持状態で搬送して第2搬送路81tに引き渡すようにする。
【0083】
更に、この無端ベルト72aには、吊り下げ保持状態で搬送されるおむつ1を無端ベルト72aの表面から剥がし落とすための剥がし落とし機構77を設ける。これにより、排出されるべきおむつ1が、この剥がし落とし機構77の位置を通過する際に、この機構77を作動させれば、おむつ1は無端ベルト72aから剥がれ落ちて、上述の間隔Δを排出路100tとして排出され、他方、作動させなければ、おむつ1はそのまま第2搬送路81tへ引き渡される。
【0084】
このような剥がし落とし機構77としては、適宜なエアー源を制御することにより、下方に向けて空気を噴射/停止可能なエアブロー機構77a(図7A)や、油圧シリンダー等の適宜なアクチュエータを制御することにより、棒状部材77bを下方に出没可能なプッシャー機構77c(図7B)等が挙げられる。
【0085】
そして、かかる構成の不良品排出装置60aにおいても、本発明に係る概念を適用可能である。すなわち、図7A及び図7Bの第1搬送路61tの下流側の端61tedから搬送ピッチP2以上離れた位置に、通過検知センサー97の検知位置97pを設定する。そうすれば、不良部を有するおむつ1の直前のおむつ1も巻き込んで排出可能となる。
【0086】
前述の実施形態では、式2及び式4に基づいて予め閾値Kth及び第2閾値Kth2を算出しておき、これら閾値Kth,Kth2をコントローラ110のメモリに記憶させていたが、何等これに限るものではない。例えば、コントローラ110の排出処理部が、図6の排出処理を実行する度に、式2及び式4の演算を行ってこれら閾値Kth,Kth2を求めても良い。
【0087】
前述の実施形態では、式3に基づいて予め閾値Tthを算出しておき、これら閾値Tthをコントローラ110のメモリに記憶させていたが、何等これに限るものではない。例えば、コントローラ110の排出処理部が、図6の排出処理を実行する度に、式3の演算を行って閾値Tthを求めても良い。
【0088】
前述の実施形態では、図6の排出処理のステップS50に係る閾値Tthを距離で規定し、同ステップS50では、この閾値Tthと第1コンベア61の搬送量とを大小比較していたが、何等これに限るものではない。例えば、閾値Tthの値を、第1コンベア61のローラー63dの直径の円周率倍の値で除算することにより、閾値Tthに相応する回転角度の閾値Φthを求めるとともに、排出処理のステップS50では、当該閾値Φthと、第1コンベア61のエンコーダ98が出力する回転角度Φとを大小比較して、排出信号の出力タイミング(送信開始のタイミング)を制御しても良い。
【0089】
前述の実施形態では、不良部の種類として、トップシート2の継ぎ目部2jやバックシート4の継ぎ目部4j等を例示したが、何等これに限るものではない。例えば、積繊装置30において吸収体3のコンベア22上への載置位置が許容範囲からずれた場合も、その製品は不良品となる。よって、吸収体3の載置位置のずれを検知するセンサーを設け、許容範囲外のずれを検知した際に、検知信号をコントローラ110に送信しても良い。ちなみに、当該センサーには、前述の赤外線カメラ等を使用可能である。
【0090】
前述の実施形態では、図6の排出処理のステップS50に係る閾値Tthを距離で規定し、同ステップS50では、この閾値Tthと第1コンベア61の搬送量とを大小比較していたが、何等これに限るものではない。例えば、閾値Tthを時間で規定しても良い。その場合には、閾値Tthの算出は、例えば、不良品1が通過検知センサー97の検知位置97pに到達した時点(到達時点)の第1コンベア61の搬送速度V61の速度値で、前記距離Lを除算することにより行われる。そして、上述の検知位置97pに到達した時点を起点として、排出処理部のタイマーがカウントを開始し、そのカウント値が閾値Tth(=(L−N×P2)/V61)を超えた際に、排出処理部は振り分けコンベア71の作動制御部75sへ排出信号を送信する。
【0091】
前述の実施形態では、ワークとしておむつ1を例示したが、何等これに限るものではない。例えば、個別に分断された状態のものであれば、おむつ1になる前の半製品でも良い。
【0092】
前述の実施形態では、振り分けコンベア71の揺動動作に必要な動作時間(つまり、第2搬送路81tに接続状態の搬送路71tを、排出路110tに接続するまでに要する時間、及び、排出路100tに接続状態の搬送路71tを、第2搬送路81tに接続するまでに要する時間)について述べていなかったが、この動作時間は、例えば、排出すべきおむつ1の下流端が第1搬送路61tの下流側の端61tedに到達してから、同おむつ1の下流端が振り分けコンベア71の搬送路71tの下流端71eに到達するまでの時間以下の時間、より望ましくは、それよりも短い時間に適宜設定されている。
【符号の説明】
【0093】
1 使い捨ておむつ(ワーク、吸収性物品、製品、良品、不良品)、
1a 半製品、1b 半製品、1c 半製品、1d 半製品、1e 半製品、
2 トップシート(連続シート状部材)、
2LE 先端、2TE 尾端、2j 継ぎ目部、
2r シートロール、
3 吸収体、
4 バックシート、4j 継ぎ目部、
5 面ファスナー、6 ファスニングテープ部材、6m ミシン目、
11 本体、11A 腹側部、11B 背側部、11C 股下部、11H 開口部、
11SF サイドフラップ、
20 製造ライン、
22 サクションベルトコンベア(搬送機構)、25 リール、
30 積繊装置、
40 ロータリーダイカッター装置、41 カッターロール、42 アンビルロール、
50 ロータリーカッター装置(分断機構)、
51 カッターロール、52 アンビルロール、54 ロータリーエンコーダ、
60 不良品排出装置(不良ワーク排出装置)、
60a 不良品排出装置(不良ワーク排出装置)、
61 第1コンベア 61e 下流端(端部)、61t 第1搬送路、
61ted 端(振り分け機構側の端)、
62d 下無端ベルト、62u 上無端ベルト、63d ローラー、63u ローラー、
71 振り分けコンベア(振り分け機構)、
71a 振り分け機構、71e 下流端、71e1 端部、71e2 端部、
71t 搬送路、
72a 無端ベルト、
72d 下無端ベルト、72u 上無端ベルト、73d ローラー、73u ローラー、
75 油圧シリンダー、75s 作動制御部、
77 剥がし落とし機構、77a エアブロー機構、
77b 棒状部材、77c プッシャー機構、
81 第2コンベア、81e 下流端(端部)、
81t 第2搬送路、
82d 下無端ベルト、82u 上無端ベルト、83d ローラー、83u ローラー、
92 継ぎ目部検知センサー(不良部検知センサー)、92p 検知位置、
94 継ぎ目部検知センサー(不良部検知センサー)、
96 センサー(不良部検知センサー)、
97 通過検知センサー、97p 検知位置(所定位置)、
98 状態監視センサー(ロータリーエンコーダ)、
100t 排出路、110 コントローラ、150 コンベア、
C73d 回転軸、C73u 回転軸、
G2 合流位置、G4 合流位置、
D1 経路長、D2 経路長、P1 製品ピッチ(所定ピッチ)、P2 搬送ピッチ、
Rm 所定倍率、L71t 全長

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の吸収性物品に係るワークを搬送方向に所定の搬送ピッチで搬送する搬送路から不良部を有するワークを排出路へ排出する不良ワーク排出装置であって、
前記搬送路は、第1搬送路と、該第1搬送路の下流側に第2搬送路とを有し、
前記第1搬送路と前記第2搬送路との間に設けられ、前記第1搬送路を通過した前記ワークを前記第2搬送路及び前記排出路のどちらかに振り分ける振り分け機構と、
前記不良部を検知して不良部検知信号を出力する不良部検知センサーと、
前記第1搬送路に設けられ、前記ワークの前記第1搬送路上における所定位置の通過を検知して、通過検知信号を出力する通過検知センサーと、
前記不良部検知信号と前記通過検知信号とに基づいて、前記振り分け機構の振り分け動作を制御するコントローラと、を有し、
前記第1搬送路における前記振り分け機構側の端と、前記所定位置とは、前記搬送ピッチ以上離れていることを特徴とする不良ワーク排出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の不良ワーク排出装置であって、
前記ワークのうちで特定のワークに対して前記不良部を有すると判定した場合には、前記コントローラは、前記特定のワークに加えて、該特定のワークの上流側及び下流側の隣に位置するワークについて少なくとも一つずつ前記排出路へ排出することを特徴とする不良ワーク排出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の不良ワーク排出装置であって、
前記ワークのうちで特定のワークに対して前記不良部を有すると判定した場合に、前記コントローラは、前記特定のワークに加えて、該特定のワークの下流側の隣に位置するN(Nは2以上の整数)個のワークを前記排出路へ排出し、
前記第1搬送路における前記振り分け機構側の端と、前記所定位置とは、前記搬送ピッチの前記N倍以上離れていることを特徴とする不良ワーク排出装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の不良ワーク排出装置であって、
前記第1搬送路の上流側には、前記搬送方向に連続する連続シート状部材を前記搬送方向に所定ピッチで分断することにより前記ワークを生成する分断機構が配置され、
前記第1搬送路において前記ワークが前記搬送ピッチで搬送されるように、前記分断機構と前記第1搬送路との間で、前記搬送方向に隣り合う前記ワーク同士の間に間隔を空ける処理が行われ、
前記不良部検知センサーは、前記連続シート状部材の状態において前記不良部を検知して前記不良部検知信号を出力し、
前記不良部検知信号に基づいて前記連続シート状部材における前記不良部が前記二つのワークに相当する部分同士に跨っていると判定した場合には、前記コントローラは、前記不良部が一つのワークに相当する部分に収まっていると判定した場合よりも、前記排出路へ排出するワークの個数を増やすことを特徴とする不良ワーク排出装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の不良ワーク排出装置であって、
前記不良部検知センサーは、前記不良部の種類毎にそれぞれ配置されており、
複数の前記不良部検知センサーのうちの少なくとも一つのセンサーの前記不良部検知信号に基づいて、特定のワークが不良部を有すると前記コントローラが判定した場合には、該コントローラは、前記特定のワークを前記排出路へ排出することを特徴とする不良ワーク排出装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の不良ワーク排出装置であって、
前記第1搬送路の上流側には、前記搬送方向に連続する連続シート状部材を前記搬送方向に所定ピッチで分断することにより前記ワークを生成する分断機構が配置され、
前記第1搬送路において前記ワークが前記搬送ピッチで搬送されるように、前記分断機構と前記第1搬送路との間において、前記搬送方向に隣り合う前記ワーク同士の間に間隔を空ける処理が行われ、
前記不良部検知センサーは、前記連続シート状部材の状態において前記不良部の所定の検知位置の通過を検知して前記不良部検知信号を出力し、
前記コントローラは、前記不良部検知センサーの前記検知位置から前記通過検知センサーの前記所定位置までの搬送路に含まれるべき前記ワークの想定数と、前記不良部検知信号の出力時点のカウント値を零値として前記通過検知センサーの前記所定位置を前記ワークが通過する度に一つずつ加算されるカウント値とを比較することにより、前記不良部を有するワークの前記所定位置への到達時点を認識し、
前記コントローラは、前記到達時点に基づいて前記振り分け機構を作動して、前記ワークを前記排出路に誘導することを特徴とする不良ワーク排出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の不良ワーク排出装置であって、
前記第1搬送路における前記ワークの搬送量を示す信号を出力するセンサーを有し、
前記到達時点を零値として計測される前記信号の示す値が、所定の閾値に達したら、前記コントローラは、前記振り分け機構を作動して、前記ワークを前記排出路に誘導することを特徴とする不良ワーク排出装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の不良ワーク排出装置であって、
前記不良部検知センサーの前記検知位置から前記分断機構までの搬送路の経路長D1を前記所定ピッチP1で除算した値(=D1/P1)が、所定の整数値の±5%の範囲に収まるような位置に前記検知位置が設定され、
前記分断機構から前記通過検知センサーに係る前記所定位置までの搬送路の経路長D2を前記搬送ピッチP2で除算した値(=D2/P2)が、所定の整数値の±5%の範囲に収まるような位置に前記所定位置が設定されていることを特徴とする不良ワーク排出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−200833(P2011−200833A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72538(P2010−72538)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】