説明

不良品排出装置

【課題】簡単な構成にてコンベヤ装置上の不良品を高速にしかも不良品を損傷させることなく確実に排出する。
【解決手段】サーボモータ7により回転されるターンテーブル5と、ターンテーブル5の円周上の等間隔位置においてターンテーブル5の回転軸線と平行な略半径方向面内で回動可能な回動リンク13と、各回動リンク13の一端に備えてターンテーブル5の半径方向外側に突出可能な排出アーム10と、回動リンク13の他端に備えたガイドローラ16とからなる排出リンク装置18と、ターンテーブル5と同心に固定台2に設けてガイドローラ16の移動を内面で案内する外側案内壁20と、外側案内壁20の一部を内側に突出させることによりガイドローラ16を内側に押して排出アーム10をターンテーブル5の半径方向外側に突出させる排出駆動装置21とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤ装置により搬送される製品のうちの不良品を、簡単な構成にて高速にしかも不良品を損傷させることなく確実に排出できるようにした不良品排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
あらゆる産業において、ビン、缶、合成樹脂等の多種多様の容器が用いられており、これらの容器には液状、固形状或いはガス状の種々の物品が充填されて種々の製品として市場に供給されている。
【0003】
このような製品は、容器の製造段階は勿論のこと、ラベルの貼着、物品の充填、包装等の各種工程において非常に多くの回数の製品検査を行っており、製品に不良品が検出されると、製品を搬送しているコンベヤ装置上から不良品をライン外に排出するようにしている。
【0004】
不良品を排出する装置としては、特許文献1に示す如く、成形機で成形した成形品を検査機で検査し、検査が終了した成形品を整列してコンベヤ装置で搬送し、不良品が不良品回収シュータの位置にきたときに、エアシリンダで払出しプレートを作動して不良品を払い出すことにより選別する選別装置が提案されている。
【特許文献1】特開平08−187770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年では、生産性を上げるために、コンベヤ装置が非常に高速化しており、製品の搬送速度が例えば毎分800個以上、或いは1200個以上のような高速のコンベヤ装置に対しては、前記特許文献1に示したような選別装置では種々の問題が発生して適用が困難である。
【0006】
即ち、コンベヤ装置が高速化すると、払出しプレートによる不良品の押し出し時に、排出する不良品の前後に位置する良品の製品と払出しプレートとが干渉して良品を排出させてしまう可能性があるため、払出しプレートはエアシリンダ等によって非常に高速で作動させる必要がある。しかし、このように払出しプレートをエアシリンダによって非常に高速で作動させると、作動時の衝撃が大きく且つ突出作動が繰り返して行われることによってエアシリンダが短期間で損耗してしまい、従ってメンテナンスのためにラインを止める頻度が増加し、生産性が著しく低下するという問題がある。
【0007】
また、特許文献1では、払出しプレートを非常に高速で作動させて不良品を弾き飛ばして排出することになるために、不良品が傷ついたり、変形したり、割れる等の被害を生じる問題がある。
【0008】
近年では、製品の品質向上のために厳しい検査を行うようになってきており、このために、例えば充填量が僅かに少ないために不良品と判断されたり、印字ずれ、僅かな汚れが検出されることにより不良品と判断されたり、検査装置の検査精度の設定によっては不良部分が認められないにも拘らず不良品と判断されてしまう場合がある。このような不良品は、充填量を調整したり、ラベル替え、汚れの除去などにより良品として利用することができ、また不良部分が認められないものについてはそのまま良品として出荷することも可能である。しかし、前記したように不良品が高速で移動する払出しプレートによって弾き飛ばされて傷ついたり、変形したり、割れてしまった場合には、製品として利用することはできず、そのために生産性が低下するばかりか、資源が有効に活用されず、不良品が廃棄物となってしまうために廃棄物の処理量が増加するという問題がある。
【0009】
また、前記払出しプレートによって不良品を排出する方法以外に、圧縮空気を吹き付けて不良品を除去する方法も考えられるが、この場合でも同様に、不良品が圧縮空気によって弾き飛ばされて傷ついたり、変形したり、割れたりする問題が生じてしまう。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みてなしたもので、簡単な構成にてコンベヤ装置上の不良品を高速にしかも不良品を損傷させることなく確実に排出できるようにした不良品排出装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、サーボモータにより回転されるターンテーブルと、
該ターンテーブルの円周上の等間隔位置においてターンテーブルの回転軸線と平行な略半径方向面内で回動可能な回動リンクと、各回動リンクの一端に備えてターンテーブルの半径方向外側に突出可能な排出アームと、前記回動リンクの他端に備えたガイドローラとからなる排出リンク装置と、
前記ターンテーブルと同心に固定台に設けて前記ガイドローラの移動を内面で案内する外側案内壁と、
前記外側案内壁の一部を内側に突出させることにより前記ガイドローラを内側に押して前記排出アームをターンテーブルの半径方向外側に突出させる排出駆動装置と、
を備えたことを特徴とする不良品排出装置、に係るものである。
【0012】
請求項2の発明は、前記排出駆動装置は、前記固定台に対しターンテーブルの半径方向に移動可能で且つ前記外側案内壁に沿って移動するガイドローラを内側に移動させる突出部を備えた移動ブロックと、該移動ブロックの移動を駆動するボールネジシリンダとからなることを特徴とする請求項1記載の不良品排出装置、に係るものである。
【0013】
請求項3の発明は、前記ガイドローラが外側案内壁に当接する状態に回動リンクを付勢するバネを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の不良品排出装置、に係るものである。
【0014】
請求項4の発明は、前記外側案内壁の内側に、前記ガイドローラの移動を外面で案内する内側案内壁を設け、該内側案内壁における前記移動ブロックの突出部に対応した位置に案内凹部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の不良品排出装置、に係るものである。
【0015】
請求項5の発明は、前記排出アームの突出により搬送部上の不良品を搬送部の移動方向と直交する方向に排出するよう前記不良品排出装置に対して配置したコンベヤ装置と、
該コンベヤ装置における排出アームの上流側に備えて搬送される製品中の不良品を検出する検査装置及び各製品の位置を検出する位置検出器と、
前記コンベヤ装置の搬送速度を検出する速度検出器と、
該速度検出器からの搬送速度信号を入力して前記コンベヤ装置の搬送速度に同期して前記ターンテーブルのサーボモータの回転を制御し、且つ前記検査装置が検出した不良品信号と前記位置検出器による不良品の位置信号とを入力して不良品の移動と同期して排出アームを突出させるように排出駆動装置を制御する制御器と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の不良品排出装置、に係るものである。
【0016】
請求項6の発明は、前記制御器は、コンベヤ装置により不揃い間隔で搬送される製品に対し、位置検出器で検出した不良品の検出位置からの移動と排出アームの回転移動とが同期するようにサーボモータの回転を補正することを特徴とする請求項5記載の不良品排出装置、に係るものである。
【0017】
請求項7の発明は、前記コンベヤ装置の搬送部の側部に不良品受取装置を備えたことを特徴とする請求項5又は6記載の不良品排出装置、に係るものである。
【0018】
請求項8の発明は、前記不良品受取装置が不良品受取コンベヤであることを特徴とする請求項7記載の不良品排出装置、に係るものである。
【0019】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0020】
本発明の不良品排出装置においては、ターンテーブルの周方向に複数の排出リンク装置を設け、固定台に設けた1つの排出駆動装置により回動リンクの任意の1つを回動させて排出アームを突出させることにより不良品の排出を行うようにしているので、構成が簡単で長期間の繰り返し作動によっても故障を生じ難くすることができる。
【0021】
更に、回動リンクの短尺側部分をボールネジシリンダで押して回動リンクを回動させることにより排出アームを突出させるため、ボールネジシリンダによる小さい押出し速度(小さいストローク)でも長尺側部分に備えた排出アームを高速(大きいストローク)で突出させることができ、よってボールネジシリンダの駆動速度を遅くできることと、ボールネジシリンダ自体の耐久性が高いことから、不良品排出装置を長期間に亘って安定して使用できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の請求項1〜8記載の不良品排出装置によれば、簡単な構成にてコンベヤ装置上の不良品を高速にしかも不良品を損傷させることなく確実に排出できるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0024】
図1〜図4は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図1は本発明の不良品排出装置をコンベヤ装置に適用した一例を示す全体平面図、図2は図1の不良品排出装置をII方向から見た断面図、図3は図2のIII−III方向矢視図、図4は図2のIV−IV方向矢視図である。
【0025】
本発明の不良品排出装置1は、図2〜図4に示す如く、固定台2上に、軸受部3を介して回転する鉛直な回転軸4により水平回転するターンテーブル5を備えており、前記回転軸4は固定台2の下部まで延長し、該回転軸4の延長部4’にベルト、チェーン或いはギヤ等の動力伝達部材6を介してサーボモータ7を接続している。
【0026】
前記ターンテーブル5の上部には回転軸4と一体の上部回転体8を設け、該上部回転体8の円周上の等間隔位置には、ガイド部材9を介して半径方向に出没が可能な排出アーム10を設ける。図3の例では円周上の5箇所に排出アーム10を配置している。図中10aは各排出アーム10の外側先端に設けた平面が略V字形状の押し板である。
【0027】
前記回転軸4の高さ方向の途中には回転板11が設けてあり、該回転板11の円周上における前記各排出アーム10の下方位置には、回転板11の周方向に延びる水平な支点ピン12を介して取り付けて、前記回転軸4の軸線と平行な略半径方向面内で回動するようにした回動リンク13を設ける。
【0028】
各回動リンク13の上端には長孔14を設けており、該長孔14を連結ピン15により前記排出アーム10の内側端に連結している。また、前記各回動リンク13の下端には水平回転するガイドローラ16をピン17により折り曲げ可能に取り付けており、これにより排出リンク装置18を構成している。前記回動リンク13は、前記支点ピン12から前記ガイドローラ16までの部分13aの長さよりも、前記支点ピン12から前記長孔14までの部分13bの長さの方が長尺となっており、回動リンク13の長尺側部分13bと前記回転軸4との間には、長尺側部分13bを回転軸4側に引き付けておくためのバネ19を設ける。
【0029】
前記固定台2の上面には、前記ターンテーブル5と同心に形成され前記ガイドローラ16の移動をその内面に沿って案内するようにした外側案内壁20を設ける。
【0030】
更に、前記固定台2には、前記外側案内壁20の一部を内側に突出させることにより前記ガイドローラ16を内側に押して転動させることにより回動リンク13を回動させ、排出アーム10をターンテーブル5の半径方向外側に突出させるための排出駆動装置21を設ける。図2、図4に示す排出駆動装置21は、前記外側案内壁20の一部を内側に変形させるための突出部22を備えて前記ターンテーブル5の半径方向に移動可能に固定台2に設けた移動ブロック23と、前記移動ブロック23の移動を駆動するためのボールネジシリンダ24とから構成している。ここで、前記ガイドローラ16は、図2の如く上下2段のローラ16a,16bで構成してあり、これにより上下2段のローラ16a,16bは、前記外側案内壁20及び移動ブロック23の突出部22のいずれにも接して転動できるようになっている。
【0031】
また、図2、図4の例では、前記外側案内壁20の内側に、前記ガイドローラ16の移動を外面で案内するようにした内側案内壁25を設けており、従って、ガイドローラ16は外側案内壁20と内側案内壁25の間で安定して移動できるようになっている。更にこの場合、内側案内壁25における前記移動ブロック23の突出部22に対応した位置には、突出部22の移動よりガイドローラ16が内側に移動できるように案内凹部26を形成している。
【0032】
図1、図2に示す如く、前記した不良品排出装置1を、ビン、缶、合成樹脂製等の容器或いは該容器に充填物が充填されてなる製品27の搬送を行うコンベヤ装置28に対して配置する。この時、不良品排出装置1の排出駆動装置21がコンベヤ装置28の搬送部28aの下部に位置し、前記排出アーム10が搬送部28aの搬送方向と直交方向に出没して搬送部28a上の不良品27’をライン外に排出するように配置する。また、図示の例では、前記コンベヤ装置28の搬送部28aの側部に、前記排出アーム10によって押し出された不良品27’を受け取る不良品受取装置29を設けている。図示の不良品受取装置29は、前記コンベヤ装置28の搬送部28aの側部に沿うように同じ高さで且つ平坦な不良品受取コンベヤ29aを配置した場合を示している。
【0033】
更に、図1に示す如く、コンベヤ装置28における前記排出アーム10よりも上流側の位置には、搬送部28a上を搬送されてくる製品27をカメラ撮影して映像処理する等の方法にて不良品を検出する検査装置30を設けると共に、各製品27の位置を光電管、近接センサ或いはその他の方法によって検出する位置検出器31を設ける。また、前記コンベヤ装置28の駆動装置32に備えて前記コンベヤ装置28による製品27の搬送速度を検出する速度検出器33を設ける。上記において、検査装置30と位置検出器31は、図1の如く搬送部28aの別の位置に設けてもよく、或いは同一の位置に設けてもよい。
【0034】
図1、図2において34は制御器であり、該制御器34は、前記速度検出器33からの搬送速度信号を入力してサーボモータ7の回転を制御し、これによりコンベヤ装置28による搬送速度に同期して前記ターンテーブル5を回転するようにしている。更に、前記制御器34は、前記検査装置30が検出した不良品信号と前記位置検出器31による不良品の位置信号とを入力し、不良品の移動と同期して排出アーム10が突出するように排出駆動装置21を制御するようにしている。
【0035】
また、前記制御器34は、コンベヤ装置28の搬送部28a上に不揃いの間隔で製品27が搬送されてきても、検査装置30で不良品27’が検出されてその不良品27’の位置が位置検出器31で検出されると、不良品27’の検出位置からの移動と排出アーム10の回転移動とが同期するようにサーボモータ7の回転を補正するようになっている。
【0036】
図5は不良品受取装置29の他の例を示したもので、この例では、前記排出アーム10によって押し出された不良品27’を前記コンベヤ装置28の搬送部28aの側部に設けた凹状の受面35を有する不良品受取コンベヤ29bで受け取るようにした場合を示している。しかし、前記不良品受取装置29は上記形態にのみ限定されるものではなく、排出アーム10によって押し出された不良品27’をシュート等に沿って落下させて回収するようにしてもよい。
【0037】
次に、図示した形態例の作動を説明する。
【0038】
前記不良品排出装置1のターンテーブル5は、通常時には回転を停止しておくか、又は低速の一定回転速度で回転させておくか、又はコンベヤ装置28の搬送速度に同期した回転速度で回転させておくようにする。ターンテーブル5の回転をコンベヤ装置28の搬送速度に同期させて回転するには、速度検出器33の搬送速度信号が制御器34に入力されているので、該制御器34の制御によって搬送部28a上を移動する各製品27に対してターンテーブル5の各排出アーム10が同期して回転移動するようにサーボモータ7の駆動を制御する。
【0039】
前記ターンテーブル5が回転すると、排出リンク装置18の回動リンク13は、排出アーム10を備えた長尺側部分13bがターンテーブル5の回転による遠心力を受けて外側に移動しようとする。しかし、長尺側部分13bと回転軸4との間にはバネ19を備えて長尺側部分13bを回転軸4側に引き付けているため、短尺側部分13a下端のガイドローラ16が外側案内壁20に確実に当接され、これによって排出アーム10は常に内側に没入した状態に保持される。従って、検査装置30によって不良品が検出されず良品のみ搬送される場合には、搬送部28a上の製品27は不良品排出装置1の前を通過する。
【0040】
一方、前記検査装置30によって搬送部28a上の製品27に不良品が検出されると、不良品信号が制御器34に入力されると共に、位置検出器31による不良品27’の位置信号が制御器34に入力される。これにより制御器34は、不良品27’の移動と同期してサーボモータ7を駆動することにより不良品27’の移動と排出アーム10の回転移動とを同期させると共に、不良品27’の移動と同期して排出駆動装置21のボールネジシリンダ24を駆動し、移動ブロック23を図4の破線の位置から二点鎖線の位置に移動させる。すると、前記不良品27’の移動と同期して回転してきた排出アーム10に対応するガイドローラ16が移動ブロック23の突出部22に沿って内側に移動し、これにより図2の実線状態の回動リンク13は支点ピン12を中心に反時計方向に回動する。これにより、排出アーム10は二点鎖線のように突出して、搬送部28a上の不良品27’を不良品受取装置29上に押し出す。
【0041】
この時、前記排出アーム10は、図1の如く、搬送部28aによって移動してくる不良品27’と同期して回転しながら不良品27’を押し出し、また引込むため、排出アーム10が他の良品の製品27に接触するような問題を生じることはない。また、高速で搬送されてくる製品27が連続して不良品と検出された場合には、排出駆動装置21の移動ブロック23を図4の二点鎖線の位置に移動させたままの状態とすることにより、回転移動してくる排出アームによって不良品を次々に連続して排出することができる。
【0042】
また、前記制御器34は、位置検出器31で検出される不良品27’の検出位置からの移動と排出アーム10の回転移動とが同期するようにサーボモータ7の回転を補正するようにしているので、コンベヤ装置28の搬送部28a上に不揃いの間隔で製品27が搬送されてきても、目的の不良品27’のみを確実に搬送部28a上から排出することができる。
【0043】
また、前記回動リンク13のガイドローラ16を、図4の如く外側案内壁20と案内凹部26を有する内側案内壁25との間で案内して移動させることにより、前記排出アーム10が必要以上に突出することを防止して、排出アーム10の突出作動を安定させることができる。
【0044】
前記コンベヤ装置28による製品27の搬送速度が高速になると、搬送部28a上から不良品27’を排出する操作も高速で行う必要があるが、本発明では、移動ブロック23の突出部22の形状によって不良品27’を押し出す速度を任意に設定することができる。即ち、例えば図6に示す如く、不良品を押し出す押出速度を押出し初期に対して終盤の押出速度がゆっくり行われる部分Aを形成するように突出部22の形状を設定することができる。従って、不良品27’が排出アーム10により弾き飛ばされて傷ついたり、変形したり、割れる等の問題を生じることがなくなり、不良品27’は不良品受取装置29上に素早くしかも優しく押し出されるようになる。これにより、図2に示すように不良品27’を不良品受取装置29上に直立したままの状態で取り出すことも可能になる。
【0045】
前記本発明の不良品排出装置1は、前記したように、ターンテーブル5の周方向に複数の排出リンク装置18を設け、固定台2に設けた1つの排出駆動装置21により回動リンク13の任意の1つを回動して排出アーム10を突出させるようにしているので、構成が簡単で長期間の繰り返し作動によっても故障を生じ難くすることができる。
【0046】
更に、ボールネジシリンダ24は前記回動リンク13の短尺側部分13aを押して回動リンク13を回動させるため、ボールネジシリンダ24による小さい押出し速度(小さいストローク)でも長尺側部分13bに備えた排出アーム10を高速(大きいストローク)で突出させることができ、よってボールネジシリンダ24の駆動速度を遅くできること、及びボールネジシリンダ24は給油を確保することにより高い耐久性が得られることから、不良品排出装置1を長期間に亘って安定して使用できる利点がある。
【0047】
なお、本発明の不良品排出装置は、図示以外の種々の製品の搬送を行う種々のコンベヤ装置に適用できること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の不良品排出装置をコンベヤ装置に適用した一例を示す全体平面図である。
【図2】図1の不良品排出装置をII方向から見た断面図である。
【図3】図2のIII−III方向矢視図である。
【図4】図2のIV−IV方向矢視図である。
【図5】不良品受取装置の他の例を示す側面図である。
【図6】ターンテーブルの回転角度に対する不良品の押出速度を突出部の形状で設定した一例を示す線図である。
【符号の説明】
【0049】
1 不良品排出装置
2 固定台
4 回転軸
5 ターンテーブル
7 サーボモータ
10 排出アーム
13 回動リンク
16 ガイドローラ
18 排出リンク装置
19 バネ
20 外側案内壁
21 排出駆動装置
22 突出部
23 移動ブロック
24 ボールネジシリンダ
25 内側案内壁
26 案内凹部
27 製品
27’ 不良品
28 コンベヤ装置
28a 搬送部
29 不良品受取装置
30 検査装置
31 位置検出器
33 速度検出器
34 制御器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーボモータにより回転されるターンテーブルと、
該ターンテーブルの円周上の等間隔位置においてターンテーブルの回転軸線と平行な略半径方向面内で回動可能な回動リンクと、各回動リンクの一端に備えてターンテーブルの半径方向外側に突出可能な排出アームと、前記回動リンクの他端に備えたガイドローラとからなる排出リンク装置と、
前記ターンテーブルと同心に固定台に設けて前記ガイドローラの移動を内面で案内する外側案内壁と、
前記外側案内壁の一部を内側に突出させることにより前記ガイドローラを内側に押して前記排出アームをターンテーブルの半径方向外側に突出させる排出駆動装置と、
を備えたことを特徴とする不良品排出装置。
【請求項2】
前記排出駆動装置は、前記固定台に対しターンテーブルの半径方向に移動可能で且つ前記外側案内壁に沿って移動するガイドローラを内側に移動させる突出部を備えた移動ブロックと、該移動ブロックの移動を駆動するボールネジシリンダとからなることを特徴とする請求項1記載の不良品排出装置。
【請求項3】
前記ガイドローラが外側案内壁に当接する状態に回動リンクを付勢するバネを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の不良品排出装置。
【請求項4】
前記外側案内壁の内側に、前記ガイドローラの移動を外面で案内する内側案内壁を設け、該内側案内壁における前記移動ブロックの突出部に対応した位置に案内凹部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の不良品排出装置。
【請求項5】
前記排出アームの突出により搬送部上の不良品を搬送部の移動方向と直交する方向に排出するよう前記不良品排出装置に対して配置したコンベヤ装置と、
該コンベヤ装置における排出アームの上流側に備えて搬送される製品中の不良品を検出する検査装置及び各製品の位置を検出する位置検出器と、
前記コンベヤ装置の搬送速度を検出する速度検出器と、
該速度検出器からの搬送速度信号を入力して前記コンベヤ装置の搬送速度に同期して前記ターンテーブルのサーボモータの回転を制御し、且つ前記検査装置が検出した不良品信号と前記位置検出器による不良品の位置信号とを入力して不良品の移動と同期して排出アームを突出させるように排出駆動装置を制御する制御器と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の不良品排出装置。
【請求項6】
前記制御器は、コンベヤ装置により不揃い間隔で搬送される製品に対し、位置検出器で検出した不良品の検出位置からの移動と排出アームの回転移動とが同期するようにサーボモータの回転を補正することを特徴とする請求項5記載の不良品排出装置。
【請求項7】
前記コンベヤ装置の搬送部の側部に不良品受取装置を備えたことを特徴とする請求項5又は6記載の不良品排出装置。
【請求項8】
前記不良品受取装置が不良品受取コンベヤであることを特徴とする請求項7記載の不良品排出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−232471(P2006−232471A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−49225(P2005−49225)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(000198318)石川島検査計測株式会社 (132)
【Fターム(参考)】