説明

中仕切りを備えたトレー

【課題】トレーを折り上げる際にパック受けの形成が簡単で、かつ、使用する段ボールの歩留まりを高めたトレーを提供することを目的とする。そして、トレーの底面に対して直接、青果等の重みが掛かるのを避け、このことによって青果等が傷まないようにし、かつ、外力に対して側壁の強度を高めたトレーを提供する。
【解決手段】1枚の段ボール(100)に底面(1)、前後側壁(3、3)及び左右側壁(2、2)を備え、前記前後側壁(3、3)及び前記左右側壁(2、2)を前記底面(1)から直立させることにより箱(400)が形成されるとともに、前記箱(400)を左右方向真中で仕切る縦仕切片(5)が前記前後側壁(3、3)間で挟持され、かつ、仕切り区画の内側にパック(700)が装着されるトレー(600)であって、前記パック(700)の周縁を支えるパック受けの少なくとも一つが、前記底面(1)から略直立した、或いは前記前後側壁(3、3)から前記内側へ傾倒した状態で形成されることを特徴とするトレーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1枚の段ボールから折り上げられた1体形の箱と別個の仕切片とを組み合わせたトレーであって、仕切り区画毎に青果等用のパック受けを形成させたトレーに関する。そして、パック受けによって、パックの底を浮かせるようにして、トレーの底面に対し、直接、青果等の重みが掛かるのを避けることにより、青果等が傷まないようにしたトレーを提供する。ここで、パック受けの少なくとも一つが、箱の底面又は前後側壁から略直立し、或いは箱を前後に仕切る分割壁から拡開されて形成されたものである。
【背景技術】
【0002】
本件出願人は、先に、苺パック用トレーについて、強度に優れ、かつ、段ボールを折り上げて組み立てる操作が容易で、然も、材料費を極力節約出来る発明を以下の通り提案している(特許文献1)。即ち、本発明の苺パック用トレーは、トレーの素材となる1枚のシート材の真ん中の方形域をトレーの底面とし、底面の1方の対向辺には、内壁及び外壁を2重折目を介して1体に連ねた2重側壁を連設し、各2重側壁の両側端には、この2重側壁を延長させる様にして、底面の他方の対向辺の長さより短い分割2重側壁を延設した形態を備えており、対向する1組の分割2重側壁は、2つ折状態で、その1方の自由端を、他方の自由端に挿し込んだ形態を、係合手段により固定させるものである。他に、本件出願人は、苺パック用トレーについて、パックの底面をトレーの底面から浮かす発明を以下の通り提案している(特許文献2)。本発明の苺パック用トレーは、1枚の段ボール100から折り上げられた1体形の箱の中に、中仕切りを形成してなるトレーであって、パック受けが、側壁から拡開された支持片と、中仕切りとによって形成され、前記パック受けがパックの周縁を掛架支持するように配置されるものである。また同様に、他の出願人から、果物を詰めたトレーを宙吊り状態に保持し果物の損傷を軽減する発明が提案されている(特許文献3)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−11950号公報
【特許文献2】特許第3813590号公報
【特許文献3】特許第3978606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の通りであって、特許文献に代表されるように、従来の苺パック用トレーには次のような問題点がある。
【0005】
トレーの夫々の四区画においてパックの周縁を受けるパック受けを、箱とは別個の段ボールを折り上げて形成する。従って、トレーへ組み立てる際に段ボールからパック受けを折り上げて組み立てる操作が複雑でややこしく、かつ、別個の段ボールを使用するので段ボール紙の使用歩留まりが悪いという問題を抱えていた。また、外力に対してトレー側壁の強度が弱かった。
【0006】
本発明の中仕切りを備えたトレーは、このような従来の抱える問題点を解決するためになされたもので、トレーを折り上げる際にパック受けの形成が簡単で、かつ、使用する段ボールの歩留まりを高めたトレーを提供することを目的とする。そして、トレーの底面に対して直接、青果等の重みが掛かるのを避け、このことによって青果等が傷まないようにし、かつ、外力に対して側壁の強度を高めたトレーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明者等は、トレーの底面に対し、直接、青果等の重みが掛かるのを避けるためにパックの底を浮かせることに着目し、この着想に基づき試作したところ、下段の苺が傷まないといいう知見を得た。本発明の中仕切りを備えたトレーかかる知見を基に具現化したもので、請求項1の発明は、1枚の段ボール(100)に底面(1)、前後側壁(3、3)及び左右側壁(2、2)を備え、前記前後側壁(3、3)及び前記左右側壁(2、2)を前記底面(1)から直立させることにより箱(400)が形成されるとともに、前記箱(400)を左右方向真中で仕切る縦仕切片(5)が前記前後側壁(3、3)間で挟持され、かつ、仕切り区画の内側にパック(700)が装着されるトレー(600)であって、前記パック(700)の周縁を支えるパック受けの少なくとも一つが、前記底面(1)から略直立した、或いは前記前後側壁(3、3)から前記内側へ傾倒した状態で形成されることを特徴とするトレーである。請求項2の発明は、請求項1の発明の上記特徴に加えて、前記縦仕切片(5)の前後方向の両端部において、支持片(31)は、前記前後側壁(3)から前記パック(700)側へ傾倒され、前記縦仕切片(5)を前記支持片(31)に挿着することを特徴とするトレーである。請求項3の発明は、請求項1の発明の上記特徴に加えて、底面(1A)から支持片(6A)を略直立させるとともに、この先端辺の真中にスリット(61A)を備え、かつ、このスリット(61A)は溝幅を有し、一方、縦仕切り片(5A)の前後方向真中にスリット(51A)を備え、このスリット(51A)は溝幅を有するとともに、前又は後へ僅かに傾斜し、前記スリット(51A)を前記支持片(6A)に備えるスリット(61A)に挿着することによって、前記パック(700)の周縁を受けるパック受けの少なくとも一つが、前後方向真中へ僅かに傾斜した状態で形成されることを特徴とするトレーである。請求項4の発明は、請求項1の発明の上記特徴に加えて、前記前後側壁(3)寄りにおいて、支持片(8)を底面(1)から僅かに前記内側へ傾倒した状態で起立させ、前記支持片(8)の略真中に切れ目(q)を備え、一方、前記縦仕切り片(5)の前後端部にスリット(54)を備え、かつ、前記スリット(54)は溝幅を有するとともに、前後側壁(3)側下方へ僅かに傾斜し、前記スリット(54)を前記切れ目(q)に挿着することによって、前記パック(700)の周縁を受けるパック受けの少なくとも一つが、前記前後側壁(3)側へ僅かに傾斜した状態で形成されることを特徴とするトレーである。請求項5の発明は、請求項2の発明の上記特徴に加えて、前記前後側壁(3)の折り目(F)に沿って前記支持片(31)を備えるとともに、前記折り目(F)の部位から前記支持片(31)を前記内側に傾倒させ、一方、前記縦仕切片(5)の前後端部にスリット(52)を備え、このスリット(52)を前記支持片(31)に挿着することを特徴とするトレーである。請求項6の発明は、請求項5の発明の上記特徴に加えて、前記スリット(52)は、前記前後側壁(3)側下方へ僅かに傾斜するとともに、前記スリット(52)は溝幅を有し、一方、前記支持片(31)先端辺の略真中に切れ目(e)を備え、前記スリット(52)を前記切れ目(e)に挿着することによって、前記パック(700)の周縁を受けるパック受けの少なくとも一つが、前記内側へ傾斜した状態で形成されることを特徴とするトレーである。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかわる青果等用のパック用トレーによれば、箱が1体形、分割壁を有する分割形にかかわらず、複数の仕切り区画毎に、パック受けを形成させることができる。そして、そのパック受けによって、パックの周縁を掛架支持し、パックの底を浮かせるようにしたので、トレーの底面に対して、直接、青果等の重みが掛かるのを避け、青果等が傷まないような効果を奏するものである。また、トレーへ組み立てる際にパック受けを容易に折り上げることができ、かつ、極力別個の段ボールを使用することを避けることにより、段ボールの使用歩留まりが高く、かつ、縦仕切りを設けることにより外力に対してトレー側壁の強度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【実施例1】
【0010】
先ず、本実施例1ついて、図1〜図7を参照しながら説明する。図1は、本実施例の箱400Aの展開図で段ボール100Aであり、図(a)は全体図で、図(b)は前後側壁から傾倒される支持片の拡大図である。図2は、同上、トレーの縦仕切片5Aである。図3は、同上、折上がった箱400Aを示す斜視図である。図4は、本実施例の折上がったトレー600Aを示す斜視図である。図5は、パック700の斜視図である。図6は、同上、縦仕切片5Aを側壁の支持片31Aに係止する状態を示す斜視図であり、同図(a)は前後側壁3の外側から見た支持片31Aの係止状態であり、同図(b)は、図(a)のZ−Z矢視断面図である。図7は、同上、折上がったトレー600Aの1箇所に、パック700を載せた状態を示す平面図である。
【0011】
図1に示す、略矩形状をした段ボール100Aの前後側壁3A、3Aの方向を上下方向、左右側壁2A、2Aと左右側壁2A、2Aの方向を左右方向とし、他の実施例についても同様である。本図は箱400Aの展開図であって、上下および左右対称であり、図の輪郭内の点線は折り目を示し、同じく直線は切れ目を示し、他の実施例についても同様である。ここで、箱400Aとは、1枚の段ボール100Aから折り上げられた縦仕切片5Aを挿着する前の体形の箱である。
【0012】
段ボール100Aには、所定の箇所に折り目や切れ目等を設けてあり、それらの設け方について以下に説明する。図1(a)に示すように、段ボール100Aは、真中を占める方形域を底面1Aとし、その左方は、主折り目Kを介して左右側壁2A、2Aが連接する。これらの左右側壁の真中に、折上げる際2枚重ねにする二重折り目L、Lを設け、これらによって挟まれる部位は後述する頂面24Aを形成する。そして、この頂面24A上に上下の切れ目と折り目Pをセットで設ける。更に、外側の左右側壁2Aの上隅にパックを掛架支持するための支持片21A及び、外側の先端辺に係止片23Aを設ける。一方、底面1Aの上方は、主折り目Mを介して前後側壁3Aが連接し、この略真中に台形状の支持片31Aが折り目Fを底面1A側へ向けて設けられ、拡大して1図(b)に示す。この支持片31Aの先端辺は円弧状の切れ目dによる窪んだ凹み32Aが形成され、この切れ目dの真中から下方へ短い切れ目eが延び、この先端でこれと直角にT字状に切れ目fを設ける。底面1Aの真中に折り目Eを真中に向けて台形状の支持片6Aを設ける。この支持片6Aの先端辺真中は円弧状の切れ目a、この両側に切れ目b、bを扇形に備え、この真中先端から溝幅を持つスリット61Aが下方へ延び、更にこの下方へ短い切れ目cが延びる。ここで、スリット61Aの溝幅は後述する縦仕切片5Aの段ボール厚さ寸法より僅かに広い。これらの円弧状の切れ目aと切れ目b、bとで形成された扇形及びこれらの真中先端のスリット61Aを模る穴が形成され、この穴の左右に蝶の翅のように支持片6Aが拡がる。また、上方の前後側壁3Aは、左方の折り目Sを介して、補助片4Aと連接し、この補助片4Aの上端には折り目Tを介して、当接片41Aを設けている。その他、底面1Aには、主折り目Kに沿って嵌合穴11Aを設け、これに係止片12Aを備える。他の実施例についても同様である。
【0013】
次に、本実施例の縦仕切片について説明する。図の長辺方向を上下方向、短辺方向を左右方向と称し、上下対称であり、他の実施例についても同様である。図2に示すように、後述する箱400Aを左右に仕切る縦仕切片5Aは、略長方形の1枚の段ボールからなる。右辺は箱400Aの底面1A側となり、この上下真中に二本のスリット51A及び上下短辺にスリット52Aが開口する。真中のスリット51Aは溝幅を有し、右上がりに斜辺511Aが僅かに傾斜して開口し、この左端から左下がりの切り目gを備える。上下短辺のスリット52Aは溝幅を有し、右上がりに斜辺521Aが傾斜して開口する。
【0014】
段ボール100A及び縦仕切片5Aは以上のように構成され、以下にトレーへと折り上げる手順について説明する。底面1Aを囲むように、左右側壁2A、2A及び前後側壁3Aを夫々折り目の部位から直立させると、図3に示すように一体型の箱400Aが出来上がる。ここで、箱400Aとは、略矩形状をした段ボール100Aから、底面1Aを囲むように四方の側壁2A、2Aおよび側壁3A、3Aを直立した蓋無しの直方体状の箱である。側壁2A、2Aを直立させる過程で、角隅の補助片4Aが左方の左右側壁2Aと左右側壁2Aとで挟まれ、左右側2A壁は外側から左右側壁2A、補助片4A、及び左右側壁2Aとが重なる三重側壁が形成される。この三重の側壁へ折上げられることによって、左右側壁2Aの座屈強度が向上するので、果物の実が一杯詰まったトレーの多段積みによる荷重を受けることができる。他の実施例についても同様である。また、二重折の左右側壁2Aを直立させる際、四隅の支持片21Aを折り目Nの部位から開きながら、先端辺211Aを前後側壁3Aに当接させると、本図に示すように支持片21Aが四隅に形成される。他の実施例についても同様である。次に、底面1A上の支持片6Aの扇形の穴62Aに指の先を差し込んで折り目Eの部位から起立させ、支持片6Aを底面1Aに対して略直立させる。次に、スリット61Aを上に向け、このスリット61Aに目がけて上方から縦仕切片5Aに備えるスリット51Aを挿着する。この時、支持片6Aはスリット51Aの斜辺511Aの傾斜に倣って僅かに箱の前後真中側へ傾く。同時に前後側壁3Aの支持片31Aを折り目Fの部位から内側へ傾倒させ、先端辺の凹み32Aに縦仕切片5Aの傾斜したスリット52Aを抉るようにして挿着し、この時スリット52Aの傾斜片521Aの傾きに倣って支持片31Aの傾斜角度が固定され、支持片31Aは内側へ傾く。この支持片31Aの内側への傾きは実施例3についても同様である。このようにして、箱400Aを左右に仕切るように前後方向に縦仕切片5Aが挿着され、図4に示すように前後真中に、左右方向の仕切壁を有しない非分割型のトレー600Aが完成する。ここで、トレー600Aの前後側壁3A、3Aの方向を前後方向と呼び、左右側壁2、2と左右側壁2、2の方向を左右方向と呼び、トレー100Aの底面1Aと開口方向を上下方向と呼び、他の実施例についても同様である。
【0015】
ここで、パックとは、図5にパック700として示すように、底701、横縁702、隅縁703、縦縁704および周壁705から構成され、これを仕切り区画に入れて青果等をパック詰めするための容器とする。
【0016】
次に、本実施例の特徴とする事項の1についてその作用を説明する。縦仕切片5Aの前後端部を前後側壁3Aに備える支持片31Aに挿着し、この詳細について図6に示す。前後側壁3Aの外側から見た図(a)のように、折り目Fの部位から仕切り区画の内側へ傾倒された支持片31Aの凹み32Aへ縦仕切片5Aを差し込み、この時スリット52Aの斜辺521Aが狭い隙間の切れ目eを押し拡げ、切れ目fの部位で止まる。即ち、縦仕切片5Aは前後端部が抉られるようにして支持片31Aに挿着される。本図(b)ではこの状態を断面図で示し、傾斜した斜辺521A先端の係止部53Aが点Xの部位で支持片31Aに係止される。このように縦仕切片5Aを支持片31Aへ挿着する時、支持片31Aは切れ目eを有するので縦仕切片5Aが挿入され易く、かつ、切れ目eと直交する切れ目fを有するので縦仕切片5Aは切れ目fの部位で止まり、切れ目eがこれ以上深く破れることがなく縦仕切片5Aが固く挿着される。従って、本図(b)に示すように、縦仕切片5Aのスリット52Aの上方へ傾斜した斜辺521Aの傾きに倣って、支持片31Aは前後側壁3Aから仕切り区画の内側へ傾倒された状態を保ち、後述するパック受けの機能を有する。同時に、縦仕切片5Aは前後側壁3A、3Aの間でこれらの前後側壁3、3を外側へ向けて突っ張るように、しかも、両端部が支持片31A、31Aに確実に係止される。即ち、縦仕切片5Aは箱400Aの前後方向真中において支持片6A、6Aに確実に挿着される。この結果、前後方向の縦仕切片5Aは前後側壁3A、3Aの間に挟持され、外力に対する強度を高めることができる。前後側壁3Aから仕切り区画の内側へ支持片31Aが傾倒することは実施例3についても同様である。また縦仕切片5Aは前後側壁3A、3A間で挟持された状態を保つことは、他の実施例についても同様である。
【0017】
本実施例の特徴とする事項の2についてその作用を説明する。縦仕切片5Aの真中を支持片6Aに挿着し、この状態を図4に示す。底面1A真中の支持片6Aの扇形の穴82Bに指の先を差し込んで折り目Eの部位から起立させながらスリット61Aを上に向け、上方からこのスリット61Aへ目がけて縦仕切片5Aのスリット51Aを差し込む。スリット51Aは前又は後方向に僅かに傾斜した斜辺511Aを有し、前又は後方向に僅かに傾斜した幅を有する溝である。縦仕切片5Aを支持片6Aへ挿着する時、支持片6Aは斜辺511Aの傾斜に倣って箱の真中側へ僅かに倒れながら略直立し、この時、スリット51Aは溝幅を持つスリット61Aと噛み合いながら切り目cへ食い込む。詳しくは、先ずスリット51Aは支持片6Aのスリット61Aに嵌り、次に、隙間の狭い切り目cへ食い込むように侵入し、ついには縦仕切片5Aは支持片6Aに固く挿着される。従って、一旦挿着された縦仕切片5Aは支持片6Aから外れ難い。以上のように、本実施例では、支持片6Aを底面1Aから略直立させて形成し、かつ、この支持片6Aの先端辺611Aにパック受けの機能を持たせるとともに、トレーの横仕切りを兼用させたところにある。ここで、支持片6Aは底面1Aから略直立し、正確には縦仕切片5Aの傾斜した斜辺511Aに倣って、先端辺は真中側へ狭まるように僅かに傾く。このことにより、支持片6Aの先端辺611Aはパック700の縁の位置を確保するとともに、支持片6A、6Aの根元では底面1Aの根元間隔を幅広に確保できるので、底面1Aにおける前後側壁寄りの強度を確保することができる。
【0018】
次に、本実施例の特徴とする事項の3のパック受けの形成について説明する。図5には、トレー600Aの四半区画の1つに、パック700を装着した状態を示す。このように、パック700を装着する四半区画をトレー600Aの仕切り区画の内側と称し、他の実施例についても同様である。また、図5に示すように、パック700は、底701、横縁702、隅縁703、縦縁704等から構成される。これは、青果等をパック詰めするための容器である。図7に示すように、トレーの四隅に形成される支持片21Aの先端辺211Aはパックの隅縁703を受け、縦仕切片の両端に形成される支持片31Aの先端辺311Aはパックの横縁702を受け、そして、真中の支持片6Aの先端辺61Aは横縁702を受ける。以上のようにして、トレー600Aの四半区画毎に夫々パック受けが形成される。ここで、夫々支持片の上端辺の、底面1Aからの高さ寸法は、パックの深さ寸法より大きい。そのため、パックの縁部は、支持片6Aと支持片21Aと支持片31Aの夫々三箇所で、支えられながら、パックの底面71は、トレー600Aの底面1Aに接触することなく、浮いた状態を保つことができる。このパックの底面71が底面1Aに接触することなく、浮いた状態を保つことは他の実施例についても同様である。ここで、パック受けとは、各種形状の支持片のことを言い、パックの底面71が底面1Aに接触することなく浮いた状態にパック700の周縁を支える。他の実施例についても同様である。
【0019】
その他、段ボール100Aを構成する部位の機能を補足説明する。左右側壁2A、2Aを直立させる際、二重折り目L、Lによって挟まれた頂面24Aに二箇所の折り目Pを頂辺とする山形状の突起22Aが形成される。トレー600Aを段積みする際、この突起22Aの折り目Pの部分が底面1Aの裏側に形成された係止穴7Aに嵌合する。この突起22Aの先端は山形状に尖っているので、嵌合穴11Aに嵌って段積みの際トレーが前後にずれたりして荷崩れする恐れがない等の作用をする。また、補助片4Aの当接片41Aが、二重壁を形成する左右側壁2Aにおける頂面24Aの背面から当接する。これらのことにより、二重壁を形成する左右側壁2Aの頂面24Aが上下の外力に対して補強され、果物の実が一杯詰まったトレーの多段積みによる荷重を受けることができる。また、トレー600A段積みする時、左右側壁2A先端辺の係止片23Aが嵌合穴11Aの辺12Aの内側に入るので段積みが位置ずれすることがない。これらの事項は他の実施例についても同様である。
【実施例2】
【0020】
本実施例2ついて、図8〜図15を参照しながら説明する。図8は、本実施例の箱400Bの展開図で、段ボール100Bである。図9は、同上、トレーの縦仕切片5Bである。図10は、同上、トレーの横仕切りの展開図で横仕切段ボール300Bである。図11は、同上、折上がった箱400Bを示す斜視図である。図12は、同上、箱400Bの底面から支持片を直立させた状態を示す斜視図である。図13は、同上、折上がったトレー600Bを示す斜視図である。図14は、同上、縦仕切片5Bを底面から略直立させた支持片8Bに挿着した状態を示す斜視図である。図15は、同上、折上がったトレー600Bの1箇所に、パック700を載せた状態を示す平面図である。
【0021】
本実施例の実施例1との主たる相違点は、左右方向の横仕切片を別の段ボールを折り上げて箱に組み込み、かつ、パック受けの支持片を前後側壁寄りで底面から起立させたところにある。以下、実施例1と相違する箇所について主に説明する。
【0022】
上下および左右対称な略矩形状をした段ボール100Bには、所定の箇所に折り目や切れ目等を設けてあり、それらの設け方について以下に説明する。図8に示すように、段ボール100Bは、真中を占める方形域を底面1Bとし、その左方は、主折り目Kを介して左右側壁2B、2Bが連接する。底面1B上方の前後側壁3B寄りに折り目Gを設け、この内側に支持片8Bを設ける。この支持片8Bの下方は円弧状の切れ目p、この両側の切れ目r、rとで扇形に形成され、この扇形の真中先端から溝幅を持つスリット81Bを備え、この上方へ短い切れ目qが延びる。ここで、支持片8Bの先端辺には切れ目b、bにより扇形状の凹み84Bが形成され、この真中から溝幅を有するスリット81Bが延びる。スリット81Bの溝幅は縦仕切片用の段ボール厚さ寸法より僅かに広い。
【0023】
段ボール100Bは以上のように構成され、以下に折り上げる手順について説明する。実施例1と同様に底面1Bを囲むように、左右側壁2B、2B及び前後側壁3Bを直立させると、一体型の箱400Bが出来上がり、四隅に支持片が形成される。ここで、箱400Bとは、略矩形状をした段ボール100Bから折り目に沿って左右側壁および前後側壁を直立させた直方体状の蓋無しの箱であり、図11に示すように、十字形中仕切を組み込む前の状態である。
【0024】
次に、本実施例の縦仕切片について説明する。図9に示すように、後述する箱400Bを左右に分ける縦仕切片5Bは、略長方形の1枚の段ボールからなる。右辺は箱400Bの底面1B側となり、真中に溝幅を有する二本のスリット51B及び上下短辺寄りに溝幅を有するスリット54Bを設ける。スリット51Bは溝が右辺に直立して開口し、上下短辺寄りのスリット54Bは溝が上下真中側へ僅かに傾斜して開口する。真中のスリット51Bの溝幅は横仕切9Bの段ボール厚さ寸法より僅かに広い。図10に横仕切段ボール300Bを示し、上下真中を左右方向に断続して延びる切れ目gによって横仕切片9Bが形成され、左右真中に溝幅を持つスリット93Bを上下方向に設ける。また、切れ目gに平行に折れ目Yが断続して左右方向に延びる。そして、折れ目Yと直角方向に切れ目jを設ける。横仕切片9Bを折れ目Yの部位から断面コの字状に下側へ折り曲げると左右方向の真中上面に頂面92B、92Bが形成される。縦仕切片5Bを真中の頂面92Bのスリット93Bへ差し込んで、この横仕切片のスリット93Bに縦仕切片のスリット51Bを挿着する。このようにして、後述する13図に示す十文字形中仕切り500Bが組み上がる。
【0025】
箱400B及び十字型中仕切り500Bは以上のように形成され、以下にトレーへと折り上げる手順について説明する。十文字形中仕切り500Bを底面1Bの上に載置しながら、前後側壁3B寄りの支持片8Bにおける扇状の穴82Bへ指先を差し込んで折り目Gの部位から起立させる。詳しくは、支持片8Bを僅かに箱の前後真中側へ傾斜させた状態で、スリット81Bを上方に向けて開口する。これらの上下のスリット81Bへ目がけて縦仕切片5Bに備えるスリット54Bを差し込むと、図13に示すように左右方向の仕切壁を有しない非分割型のトレー600Bが完成する。この時、支持片8Bのスリット81Bに縦仕切片5Bの傾斜したスリット54Bを抉るようにして挿着する。縦仕切片5Bの前後端部寄りのスリット54Bは溝が僅かに前後真中側へ傾斜しているので、これに倣って支持片8Bは傾斜角度が固定され、前後側壁3B側へ僅かに傾斜する。このことは、実施例4についても同様に、支持片は夫々前後側壁側へ僅かに傾斜する。
【0026】
次に、本実施例の特徴とする事項の1についてその作用を説明する。図14に、縦仕切片5Bの端部が支持片8Bに挿着される詳細を示す。底面1Bから起立した支持片8Bにおけるスリット81Bへ目がけて縦仕切片5Bのスリット52Bを差し込む。この時、スリット81Bの先端部が切れ目qを備えるので、縦仕切片5Bを挿入し易く、一旦スリット81Bへスリット52Bを差し込むと、双方が絡み合った状態となって外れ難い。この時、縦仕切片5Bの前後端部寄りのスリット54Bは溝が僅かに真中側へ傾斜しているので、これに倣って支持片8Bは傾斜角度が固定して挿着され、前後側壁3B側へ僅かに傾斜する。このようにして、支持片61Bは前後側壁3B側へ僅かに傾斜したままの状態を保持し、後述するパック受けの機能を有する。このことは実施例4についても同様である。また、縦仕切片5Bは前後側壁3B、3Bの間にこれらの側壁を外側へ向けて突っ張るように、しかも、両端部が前後側壁3B、3Bに確実に係止され、また、箱400Bを左右に仕切る縦仕切片5Bが横仕切片9Bの左右真中に固着される。この結果、縦仕切片5Bは、前後側壁3B、3Bの間に挟持され、外力に対する突っ張り強度を高めることができる。ここで、支持片8Bは底面1Bから前後側壁3Bへ僅かに傾斜して起立することにより、支持片8Bはパック700の縁を支えるパック受けとしての位置を確保するとともに、支持片8Bの底面1Bにおける前後側壁3Bからの距離を確保できるので、底面1Bにおける強度を確保することができる。このことは実施例4についても同様である。
【0027】
次に、本実施例の特徴とする事項の2のパック受けの形成について説明する。図15には、トレー600Bの四半区画の1つに、パック700を載せた状態を示す。トレー600Bの前方では、トレーの四隅に形成される支持片21Bの先端辺211B及び真中の支持片8Bの先端辺811Bは、夫々パックの隅縁703を受ける。一方、前後真中では、横仕切り片9Bの支持片91Bの先端辺911Bが横縁702を受ける。以上のようにして、トレー600Bの四半区画毎にパック受けが形成される。
【実施例3】
【0028】
本実施例3ついて、図16〜図20を参照しながら説明する。図16は、図1は、本実施例の箱400Cの展開図で段ボール100Cであり、図(a)は全体図で、図(b)は前後側壁から傾倒される支持片の拡大図である。図17は、同上、トレーの縦仕切片5Cである。図18は、同上、折上がったトレー600Cを示す斜視図である。図19は、同上、折上がったトレー600Cの1箇所に、パック700を載せた状態を示す平面図である。図20は、同上、トレー600Cを分割壁から二つに分離する過程の斜視図である。
【0029】
実施例1、2との主たる相違点は、前後真中に分割壁を有する分割型のトレーである。即ち、箱400Cが前後真中の左右方向の分割壁7Cを介して、前後に仕切られるところにある。この分割壁は、十字形中仕切の横仕切片を兼ねる。そして、更に前後方向の縦仕切片によって左右に区分され、全体として四半区画が形成されることは後述する実施例4と同様である。
【0030】
略矩形状をした段ボール100Cには、所定の複数箇所に折り目や切れ目等を設けてあるので、それらの設け方について以下に説明する。図16(a)に示すように、段ボール100Cは、上下方向真中で左右に断続して延びる折り目J、Jを介して上下に分割される。そして、段ボール100Cにおける中央を占める方形域を底面1Cとし、真中の分割壁7C、7Cを介して底面1Cは上下に2つに仕切られる。上方の分割壁7Cには折り目Cを介して左右に支持片71Cを設け、一方、下方の分割壁7Cには折り目Dを介して左右に支持片72Cを設ける。中央を占める底面1Cの左右は、主折り目Kを介して左右側壁2C、2Cが連接する。左右側壁2C、2Cは、二重折り目L、Lを設け、これらによって挟まれる部位は頂面24Cを形成する。そして、この頂面24C上に上下の切れ目と折り目Pをセットで設ける。一方、底面1Cの上方は、主折り目Mを介して前後側壁3Cが折り目Fを底面1D側へ向けて設けられる。かつ、主折り目M‘を介して前後方向中央の分割壁7Cが連接する。この略中央に台形状の支持片31Cを設け、図16(b)に拡大して示す。ここで、支持片31Cの先端辺には左右の切れ目m、mによって、扇状の凹み32Cが形成される。この支持片31Cの先端辺の真中は窪んだ凹み32Cとこの真中から溝幅を有するスリット311Cと、この先端に切れ目eが延び、これと直角に交わるように切れ目fを設ける。ここで、スリット311Cの溝幅は後述する縦仕切片5Cの段ボール厚さ寸法より僅かに広い。また、分割壁7Cの左右には、補助側壁10Cが上方から延長する主折り目Kを介して連接している。ここで、本図は、箱400Cの展開図であって、上下真中の分割壁における支持片71C、72Cを除いて上下および左右対称であり、実施例4についても同様である。
【0031】
次に、本実施例の縦仕切片について説明する。図17に示すように、後述する箱400Cを左右に仕切る縦仕切片5Cは、略長方形の1枚の段ボールからなる。右辺は箱400Cの底面1C側になり、真中に一本のスリット53C及び上下短辺の略真中にスリット52Cを設ける。真中のスリット53Cは溝幅を有して右辺に直立して開口し、上方のスリット52Cは溝幅を有して右上がりに傾斜して開口する。
【0032】
段ボール100C及び縦仕切片5Cは以上のように構成され、以下にトレー600Cへと折り上げる手順について説明する。前後に2つに分割された底面1Cを中にして、二重の左右側壁2C、2Cと前後側壁3Cを折って直立させる。トレー600Cへと折り上げる過程において、上下の分割壁7C、7Cを不連続に延びる折り目J、Jの部位から下方へ折り曲げる。次いで、分割壁7C、7Cの背面同士を合わせて密着、直立する二重壁が形成され、重なった分割壁7C、7Cは後述する十字形中仕切500Cの横仕切片を兼ねる。このようにして、前後に分割された分割型の箱400Cができる。ここで、左右側壁2C、2Cを直立させる過程で、補助片4Cと補助分割片8Cが左右側壁2Cと左右側壁2Cとで挟まれ、左右側壁は外側から左右側壁2C、補助片4C、補助分割片8C及び左右側壁2Cが重なる四重側壁が形成される。この四重側壁が形成されることによって、側壁の座屈強度が向上し、果物の実が一杯詰まったトレーの多段積みによる荷重を受けることができる。実施例4についても同様である。ここで、箱とは、略矩形状をした段ボール100Cから、折り目に沿って、左右側壁および前後側壁として、立ち上げ、更に、前後真中に分割壁を設けたもので、縦仕切片を装着する前の状態のものをいう。以下実施例4についても同様である。次に、前後側壁3Cの支持片31Cを折り目Fの部位から内側へ傾斜させ、傾斜した凹み32Cへ縦仕切片5Cのスリット52Cを差し込む。このようにして、縦仕切片5Cを前後側壁3Cの支持片31Cに挿着する。次に、分割壁7C、7Cに備える支持片71Cを折り目Cの部位から前方へ、支持片72Cを折り目Dの部位から後方へ傾倒させる。この状態で、前後側壁3Cの内側に傾斜した支持片31Cのスリット311Cが上に向き、一方、箱の前後真中の分割壁7C、7Cにおいてスリット73C、74Cが形成される。次に、これらのスリット73C、74Cへ縦仕切片5Cのスリット53Cを差し込む。同時に、前後側壁3の内側へ傾倒して支持片31Cのスリット31Cへ縦仕切片5Cの傾斜したスリット52Cを差し込む。この時、縦仕切片5Cは前後側壁3C、3Cの間に挟持され、外力に対して前後側壁を外側へ向けて突っ張るように係止され、また、箱400Cの前後方向真中において分割壁7C、7Cのスリットに固着される。この結果、前後側壁3C、3Cへの外力に対する突っ張り強度を高めることができる。このようにして、図18に示すように前後方向真中に左右方向の仕切壁を有する分割型のトレー600Cが完成する。
【0033】
次に、本実施例の特徴とする事項のパック受けの形成について説明する。図19には、トレー600Cの四半区画の1つに、パック700を載せた状態を示す。図示のように、トレーの四隅に形成される支持片21Cの先端辺211C及び縦仕切片の両端に形成される支持片31Cの先端辺311Cは夫々パックの隅縁703を受け、そして、真中の分割壁7C、7Cの両側に形成される支持片71C、72Cの中、図では支持片71Cの先端辺711Cは横縁702を受ける。以上のようにして、トレー600Cの四半区画毎にパック受けが形成される。
【0034】
本実施例のトレー600Cは、図20に示すように前後方向真中の折り目J、Jの部位からくの字状に折り曲げることができる。そして、折り目J、Jの部位から切り離し四半区画を二箇所有するトレーとしてしようすることができる。即ち、本実施例のトレーは前述した四半区画を四箇所又は二箇所有するトレーとして兼用できる。実施例4についても同様である。
【実施例4】
【0035】
本実施例4ついて、図21〜図24を参照しながら説明する。図21は、箱400Dの展開図で段ボール100Dである。図22は、同上、トレーの縦仕切片5Dである。図23は、同上、折上がったトレー600Dを示す斜視図である。図24は、同上、折上がったトレー600Dの1箇所に、パック700を載せた状態を示す平面図である。
【0036】
本実施例の実施例3との主たる相違点は、支持片を前後側壁に寄りで底面から略直立させたところにある。以下、実施例3と相違する箇所について主に説明する。
【0037】
略矩形状をした段ボール100Dには、所定の複数箇所に折り目や切れ目等を設けてあるので、それらの設け方について以下に説明する。図21に示すように、段ボール100Dは、真中を占める方形域を底面1Dとし、その左右は、主折り目Kを介して左右側壁2D、2Dが連接する。かつ、主折り目M‘を介して前後方向中央の分割壁7Dが連接する。底面1D上方の前後側壁3D寄りに折り目Gを設け、この内側に支持片8Dを設ける。この支持片8Dの下方は円弧状の切れ目p、この両側の切れ目r、rとで扇形に形成され、この上方へ短い切れ目qが延びる。ここで、ここで、支持片8Dの下辺には左右の切れ目r、rによって、扇状の凹み84Dが形成される。
【0038】
次に、本実施例の縦仕切片について説明する。図22に示すように、後述する箱400Dを左右に分ける縦仕切片5Dは、略長方形の1枚の段ボールからなる。右辺は箱400Dの底面1D側となり、真中に一本のスリット51D及び上下短辺寄りにスリット52D、52Dを設ける。真中のスリット53Dは溝幅を有して右辺に直立して開口し、上下短辺寄りのスリット54Dは溝幅を有して上下真中側へ僅かに傾斜して開口する。
【0039】
段ボール100D及び縦仕切片5Dは以上のように構成され、以下にトレー600Dへと折り上げる手順について説明する。底面1D上で、前後側壁3D寄りの支持片8Dを切れ目pの扇状の穴82D(図21参照)へ指先を差し込んで折り目Gの部位から起こして略直立させる。詳しくは、この支持片8Dを前後側壁3D側へ僅かに傾斜させた状態で、先端辺真中のスリットqを上方に向けて開口する。このスリットqへ目がけて縦仕切片5Dのスリット52Dを上方から差し込むと、図23に示すように前後に仕切られた分割型のトレー600Dが完成する。この時、底面1Dから起立した支持片8Dの真中のスリットqへ縦仕切片5Dのスリット52Dが挿着された状態になり、縦仕切片5Dは前後側壁3D、3Dの間に挟持される。しかも、前後方向端部が支持片8Dに確実に挿着され、更に、縦仕切片5Dの前後方向真中が分割壁7D、7Dに挿着される。この結果、前後側壁3D、3Dへの外力に対する突っ張り強度を高めることができる。
【0040】
次に、本実施例の特徴とする事項のパック受けの形成について説明する。図24には、トレー600Dの四半区画の1つに、パック700を載せた状態を示す。トレー600Dの前方では、トレーの四隅に形成される支持片21Dの先端辺211D及び縦仕切片前後両端における支持片8Dの先端辺811Dは、夫々パックの隅縁703を受ける。一方、真中では、真中の分割壁7D、7Dの両側に形成される支持片71D、72Dの中、図では支持片71Dの先端辺711Dは横縁702を受ける。以上のようにして、トレー600Dの四半区画毎にパック受けが形成される。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の使途は、苺、葡萄、杏子、サクランボ、無花果、枇杷等の青果用のトレーに限らず、卵、菓子等の用途に使っても勿論よい。段ボールを使っているが、段ボール以外の各種型紙や、必要に応じてプラスチック等を用いても勿論よい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施例の箱400Aの展開図で、段ボール100Aである。
【図2】同上、トレーの縦仕切りの展開図で、縦仕切片5Aである。
【図3】同上、折上がった箱400Aを示す斜視図である。
【図4】同上、折上がったトレー600Aを示す斜視図である。
【図5】パック700の斜視図である。
【図6】第1実施例の、縦仕切片5Aを側壁の支持片31Aに係止する状態を示す斜視図である。
【図7】同上、折上がったトレー600Aの1箇所に、パック700を載せた状態を示す平面図である。
【図8】本発明の第2実施例の箱400Bの展開図で、段ボール100Bである。
【図9】同上、トレーの縦仕切りの展開図で、縦仕切片5Bである。
【図10】同上、トレーの横仕切りの展開図で横仕切段ボール300Bである。
【図11】同上、折上がった箱400Bを示す斜視図である。
【図12】同上、箱400Bの底面から支持片を直立させた状態を示す斜視図である。
【図13】同上、折上がったトレー600Bを示す斜視図である。
【図14】同上、縦仕切片5Bを底面から略直立させた支持片8Bに挿着した状態を示す斜視図である。
【図15】同上、折上がったトレー600Bの1箇所に、パック700を載せた状態を示す平面図である。
【図16】本発明の第3実施例の箱400Cの展開図で、段ボール100Cである。
【図17】同上、トレーの縦仕切片5Cである。
【図18】同上、折上がったトレー600Cを示す斜視図である。
【図19】同上、折上がったトレー600Cの1箇所に、パック700を載せた状態を示す平面図である。
【図20】同上、トレー600Cを分割壁から二つに分離する過程の斜視図である。
【図21】本発明の第4実施例の箱400Dの展開図で、段ボール100Dである。
【図22】同上、トレーの縦仕切片5Dである。
【図23】同上、折上がったトレー600Dを示す斜視図である。
【図24】同上、折上がったトレー600Dの1箇所に、パック700を載せた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0043】
100A〜100D(100) トレーの段ボール
300B(300) 横仕切段ボール
400A〜400D(400) 箱
500B(500) 十字形中仕切
600A〜600D(600) トレー
700 パック
701 底、702 横縁、703 隅縁、704 縦縁、705 周壁
1A〜1D(1) 底面、11A〜11D 嵌合穴、12A〜12D 辺
2A〜2D(2) 左右側壁
21A〜21D 支持片、211A〜211D 先端辺、212A〜212D 先端辺
22A〜22D 突起
23A〜23D 係止片
24A〜24D 頂面
3A〜3D(3) 前後側壁
31A、31C(31) 支持片、311A、311C 先端辺、
32A、32C 凹み
4A〜4D 補助片
41A〜41D 当接片
5A〜5D(5) 縦仕切片
51A、51B、51D スリット
52A、52C(52) スリット
53C、53D スリット
54B、54D(54) スリット
6A(6) 支持片
61A(61) スリット、 611A 先端辺、62A 穴
7C、7D(7) 分割壁
71C、71D(71) 支持片、711C、711D 先端辺
72C、72D(72) 支持片、721C、721D 先端辺
8B、8D(8) 支持片
81B スリット、82B、82D 穴、84B、84D 凹み
811B、811D 先端辺
9B 横仕切片
91B 支持片、911B 先端辺、92B 横仕切頂面、93B スリット
10C、10D 補助分割片
J 分割折り目
K、M、M‘ 主折り目
P、T 折り目
L 二重折り目
C、D、E、F、G、N、S、P、Y 折り目
X 点
a、b、c、d、e、f、g、h、j、k、m、p、q、r 切れ目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の段ボール(100)に底面(1)、前後側壁(3、3)及び左右側壁(2、2)を備え、
前記前後側壁(3、3)及び前記左右側壁(2、2)を前記底面(1)から直立させることにより箱(400)が形成されるとともに、
前記箱(400)を左右方向真中で仕切る縦仕切片(5)が前記前後側壁(3、3)間で挟持され、
かつ、仕切り区画の内側にパック(700)が装着されるトレー(600)であって、
前記パック(700)の周縁を支えるパック受けの少なくとも一つが、
前記底面(1)から略直立した、或いは前記前後側壁(3、3)から前記内側へ傾倒した状態で形成されることを特徴とするトレー。
【請求項2】
前記縦仕切片(5)の前後方向の両端部において、
支持片(31)は、前記前後側壁(3)から前記パック(700)側へ傾倒され、
前記縦仕切片(5)を前記支持片(31)に挿着することを特徴とする請求項1記載のトレー。
【請求項3】
底面(1A)から支持片(6A)を略直立させるとともに、
この先端辺の真中にスリット(61A)を備え、
かつ、このスリット(61A)は溝幅を有し、
一方、縦仕切り片(5A)の前後方向真中にスリット(51A)を備え、
このスリット(51A)は溝幅を有するとともに、前又は後へ僅かに傾斜し、
前記スリット(51A)を前記支持片(6A)に備えるスリット(61A)に挿着することによって、
前記パック(700)の周縁を受けるパック受けの少なくとも一つが、
前後方向真中へ僅かに傾斜した状態で形成されることを特徴とする請求項1記載のトレー。
【請求項4】
前記前後側壁(3)寄りにおいて、支持片(8)を底面(1)から僅かに前記内側へ傾倒した状態で起立させ、
前記支持片(8)の略真中に切れ目(q)を備え、
一方、前記縦仕切り片(5)の前後端部にスリット(54)を備え、
かつ、前記スリット(54)は溝幅を有するとともに、前後側壁(3)側下方へ僅かに傾斜し、
前記スリット(54)を前記切れ目(q)に挿着することによって、
前記パック(700)の周縁を受けるパック受けの少なくとも一つが、
前記前後側壁(3)側へ僅かに傾斜した状態で形成されることを特徴とする請求項1記載のトレー。
【請求項5】
前記前後側壁(3)の折り目(F)に沿って前記支持片(31)を備えるとともに、前記折り目(F)の部位から前記支持片(31)を前記内側に傾倒させ、
一方、前記縦仕切片(5)の前後端部にスリット(52)を備え、
このスリット(52)を前記支持片(31)に挿着することを特徴とする請求項2記載のトレー。
【請求項6】
前記スリット(52)は、前記前後側壁(3)側下方へ僅かに傾斜するとともに、前記スリット(52)は溝幅を有し、
一方、前記支持片(31)先端辺の略真中に切れ目(e)を備え、
前記スリット(52)を前記切れ目(e)に挿着することによって、
前記パック(700)の周縁を受けるパック受けの少なくとも一つが、
前記内側へ傾斜した状態で形成されることを特徴とする請求項5記載のトレー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−18310(P2010−18310A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180051(P2008−180051)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(390019493)中央紙器工業株式会社 (26)
【Fターム(参考)】