説明

中性エンドペプチダーゼ阻害剤の中間体およびその調製方法

中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤またはそのプロドラッグを製造するための中間体、およびその調製方法が開示される。詳細には、前記NEP阻害剤は、N−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルまたはその塩などの、γ−アミノ−δ−ビフェニル−α−メチルアルカン酸、または酸エステルの骨格を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NEP阻害剤またはそのプロドラッグ、とりわけγ−アミノ−δ−ビフェニル−α−メチルアルカン酸または酸エステルの骨格を含むNEP阻害剤の製造に有用な中間体の新規製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
心房性ナトリウム利尿因子(ANF)とも呼ばれる内因性心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、哺乳動物において利尿、ナトリウム排泄増加および血管弛緩機能を有する。天然のANFペプチドは、中性エンドペプチダーゼ酵素(NEP、EC3.4.24.11)に該当し、例えば、エンケファリンの代謝的不活性化の原因であるとも認識されている分解酵素によってとりわけ、代謝的に不活性化される。
【0003】
当技術分野において、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤として、例えば、哺乳動物におけるANF−分解酵素の阻害剤として有用であり、哺乳動物におけるANFの利尿、ナトリウム排泄増加および血管拡張特性を、その分解をより活性の低い代謝産物に抑制することによって延長および増強するようなビアリール置換ホスホン酸誘導体が知られている。NEP阻害剤は、したがって、中性エンドペプチダーゼ(EC3.4.24.11)の阻害に敏感な状態および障害、特に、高血圧、浮腫および塩類貯留を含む腎不全、肺水腫、ならびに鬱血性心不全などの心血管障害の治療に関してとりわけ有用である。
【0004】
NEP阻害剤の調製方法は公知である。US5217996には、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤として、例えば、哺乳動物におけるANF分解酵素の阻害剤として有用であるビアリール置換4−アミノ酪酸アミド誘導体が記載されている。US5217996には、N−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルの調製が開示されている。前記化合物の調製では、N−t−ブトキシカルボニル−(4R)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2−メチル−2−ブテン酸エチルエステルを、パラジウム/炭素の存在下で水素化する。WO2009/090251は、化合物N−t−ブトキシカルボニル(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2−メチルブタン酸エチルエステルまたはその塩を調製するための反応経路に関するものであり、ここで、代わりの水素化ステップは、US5217996で得られるものに比較して改善されたジアステレオ選択性を提供する。WO2009/090251に記載の経路の鍵となる中間体は、式(1)の化合物:
【0005】
【化1】

(式中、R1は水素または窒素保護基である)またはその塩である。WO2009/090251のセクションBには、式(1)の化合物の種々の調製方法が開示されている。すべてのこのような方法は、出発原料として、式(2)の化合物:
【0006】
【化2】

(式中、R1は水素または窒素保護基であり、R6およびR7は、独立に、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、シクロアルキル基であるか、あるいはR6およびR7は、それらが結合している窒素と一緒になって環を形成し、その環は、飽和または不飽和でよく、かつ窒素、酸素または硫黄などの1つまたは複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、したがってその環は、3〜8個、例えば4〜7個の環原子を含む)またはその塩を使用する。WO2009/090251のセクションAに記載のように、式(2)の化合物またはその塩の調製は、式(3)の化合物:
【0007】
【化3】

(式中、R1は水素または窒素保護基である)またはその塩を、式(13)、(14)または(15)のアミン:
【0008】
【化4】

(式中、各R6および各R7は、独立に、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、シクロアルキル基であるか、あるいはR6およびR7は、それらが結合している窒素と一緒になって環を形成し、その環は、飽和または不飽和でよく、かつ窒素、酸素または硫黄などの1つまたは複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、したがってその環は、3〜8個、例えば4〜7個の環原子を含み、各R8は、独立に、アルキル基、アリール基またはアリールアルキル基である)またはこれらの混合物と反応させて、式(2)の化合物を得ることを含む。
【0009】
式(13)、(14)または(15)のアミンの大規模調製は、各アミンの比率がバッチにより変化する可能性のある、その混合物をもたらす困難な方法である。式(13)、(14)または(15)のアミンの反応性は異なる。したがって、式(13)、(14)または(15)のアミンの調製は、異なる反応性プロフィールを有するその変動性混合物をもたらすという事実を考慮すると、式(2)の化合物を経由する式(1)の化合物の商業的規模での製造は困難である。したがって、その商業的規模での製造に使用することができ、かつ従来技術の方法の前記欠点を回避できる、前記の式(1)の化合物の代替合成法を開発する必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、式(1)の化合物の、その商業的規模での製造に適している可能性のある新規な調製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書中で定義される式(1)に記載の化合物またはその塩を製造するための本発明による新規な方法は、スキーム1に要約される。
【0012】
【化5】

【0013】
すなわち、本明細書に記載の式(3)の化合物は、セクションAに記載の方法により式(1)の化合物またはその塩に変換される(式中、R1は、水素または窒素保護基である)。
【0014】
本明細書に記載の式(3)の化合物の調製は、例えば、WO2008/083967のサブセクションC−1の方法1中に記載されている。
【0015】
WO2008/083967には、本明細書に記載の式(1)の化合物を、NEP阻害剤またはそのプロドラッグに変換するための方法が記載されている。したがって、式(1)の化合物を、NEP阻害剤またはそのプロドラッグ、とりわけγ−アミノ−δ−ビフェニル−α−メチルアルカン酸または酸エステルの骨格を含むNEP阻害剤、好ましくはN−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸アルキルエステル、例えば、N−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルを含むNEP阻害剤の調製における中間体として使用することができる。
【0016】
本発明は、全体として、次のセクションを含む。
セクションA:式(1)の化合物の調製方法
セクションB:新規な発明化合物
セクションC:実施例
【0017】
本出願において、1つのセクションで通常的になされる説明は、そうでないことを言明しない限り、他のセクションにも適用できることに留意されたい。例えば、セクションAで与えられる式(4)中の残基R4に関する説明は、そうでないことを言明しない限り、式(4)がセクションB中に現れる場合にも適用される。本発明に記載の化合物に言及する場合、その言及は、その塩に対してもなされると解される。出発原料および手順の選択に応じて、化合物は、不斉炭素原子の数に応じて、可能な異性体の1つの形態で、またはその混合物として、例えば純粋な光学異性体として、またはラセミ化合物およびジアステレオマー混合物などの異性体混合物として存在することができる。
【0018】
さらなる実施形態において、本発明は、また、前に定義した式(4)の化合物またはその塩の製造を含む、N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルまたはその塩の調製方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
セクションA:式(1)の化合物の調製
セクションA.1:式(4)の化合物の合成
このセクションは、本明細書中で定義される式(1)の化合物の製造方法に関するものであり、ここで、本明細書中で定義される式(3)の化合物の式(1)の前記化合物への変換は、段階的に、すなわち本明細書中で定義される式(4)の中間体種の単離を伴う2つの別々のステップで行われる。
【0020】
一実施形態において、本発明は、式(4)の化合物:
【0021】
【化6】

[式中、R1は、水素または窒素保護基であり、R4は、ヒドロキシル、アルキル、アリール、およびアリールアルキルから選択され、
好ましくは、式(4)の化合物は、式(4a):
【0022】
【化7】

(式中、R1およびR4は、式(4)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩の調製方法であって、
式(3)の化合物:
【0023】
【化8】

[式中、R1は、水素または窒素保護基であり、
好ましくは、式(3)の化合物は、式(3a):
【0024】
【化9】

(式中、R1は、式(3)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩を、まず塩基と、次いで式COまたはR4COYの化合物(式中、Yはハロゲンまたは−OR'であり、R4およびR'は、独立に、アルキル、アリールおよびアリールアルキルから選択される)と反応させて、式(4)の化合物またはその塩を得ることを含む方法に関する。
【0025】
別の実施形態において、本発明は、式(4)の化合物:
【0026】
【化10】

[式中、R1は、水素または窒素保護基であり、R4は、ヒドロキシルであり、
好ましくは、式(4)の化合物は、式(4a):
【0027】
【化11】

(式中、R1およびR4は、式(4)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩の調製方法であって、
式(3)の化合物:
【0028】
【化12】

[式中、R1は、水素または窒素保護基であり、
好ましくは、式(3)の化合物は、式(3a):
【0029】
【化13】

(式中、R1は、式(3)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩を、まず塩基と、次いで式COの化合物と反応させて、式(4)の化合物またはその塩を得ることを含む方法に関する。
【0030】
本明細書に記載の式(3)の、好ましくは式(3a)の化合物の、本明細書に記載の式(4)の、好ましくは式(4a)の化合物への変換に適した塩基としては、
・水素化アルカリ金属(例えば、水素化ナトリウムまたはカリウム)などの水素化金属;
・アルカリ金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド);
・1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)などのアミン;
・式MRaの塩基[ここで、Mはアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)であり、Raは、アルキルまたはアリールであり、例えば、MRaは、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム,tert−ブチルリチウムまたはフェニルリチウムである];
・式RcRdNMの塩基[ここで、RcおよびRdは、独立に、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはシリルから選択され、Mはアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)であり、例えば、RcRdNMは、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(KHMDS)、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)またはカリウムジイソプロピルアミドである];あるいは
・これらの混合物
が挙げられる。
【0031】
一実施形態において、塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアミンであり、塩化マグネシウム、臭化マグネシウムおよびヨウ化マグネシウムなどのハロゲン化アルカリ土類金属から選択される添加物が存在していてもよい。
【0032】
好ましくは、塩基は、LHMDS、リチウムジイソプロピルアミドまたは水素化ナトリウム、最も好ましくはLHMDSである。
【0033】
セクションA.2:式(4)の化合物から式(1)の化合物の合成
別の態様において、本発明は、式(1)の化合物:
【0034】
【化14】

[式中、R1は、水素または窒素保護基であり、
好ましくは、式(1)の化合物は、式(1a):
【0035】
【化15】

(式中、R1は、式(1)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩の調製方法であって、
式(4)の化合物:
【0036】
【化16】

[式中、
R1は、水素または窒素保護基であり、
R4は、ヒドロキシル、アルキル、アリールおよびアリールアルキルから選択され、
好ましくは、式(4)の化合物は、式(4a):
【0037】
【化17】

(式中、R1およびR4は、式(4)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩を、塩基およびホルムアルデヒドと、任意選択での相間移動触媒の存在下で反応させて、式(1)の化合物またはその塩を得ることを含む方法に関する。
【0038】
本明細書に記載の式(4)の、好ましくは式(4a)の化合物の、本明細書に記載の式(1)の、好ましくは式(1a)の化合物への変換に適した塩基としては、水素化アルカリ金属(例えば、水素化ナトリウムまたはカリウム)などの水素化金属;アルカリ金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド);ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、モルホリンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどのアミン;炭酸アルカリ金属(例えば、炭酸カリウム)などの無機塩基;式MRaの塩基[ここで、Mはアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)であり、Raはアルキルまたはアリールであり、例えば、MRaは、メチルリチウム、n−ブチルリチウム,sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムまたはフェニルリチウムである];式RcRdNMの塩基[ここで、RcおよびRdは、独立に、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはシリルから選択され、Mはアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)であり、例えば、RcRdNMは、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(KHMDS)、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)またはカリウムジイソプロピルアミドである];あるいはこれらの混合物が挙げられる。
【0039】
好ましい実施形態において、式(4)の化合物(好ましくは、式(4)の化合物は式(4a)の化合物である)の前記の式(1)の化合物への変換は、塩基、およびLiClなどのアルカリ金属塩の存在下で行われる。より好ましくは、この変換は、塩基、LiClなどのアルカリ金属塩、およびモレキュラーシーブ、硫酸アルカリ金属(例えば、硫酸ナトリウム)もしくは硫酸アルカリ土類金属(例えば、硫酸マグネシウム)などの乾燥剤の存在下で行われる。
【0040】
セクションA.2.式(3)の化合物から式(1)の化合物の合成
別の実施形態において、本発明は、式(1)の化合物:
【0041】
【化18】

[式中、R1は、水素または窒素保護基であり、
好ましくは、式(1)の化合物は、式(1a):
【0042】
【化19】

(式中、R1は、式(1)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩の調製方法であって、
(i)式(4)の化合物:
【0043】
【化20】

[式中、
R1は、水素または窒素保護基であり、
R4は、ヒドロキシル、アルキル、アリールおよびアリールアルキルから選択され、
好ましくは、式(4)の化合物は、式(4a):
【0044】
【化21】

(式中、R1およびR4は、式(4)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩を、
式(3)の化合物:
【0045】
【化22】

[式中、R1は、水素または窒素保護基であり、
好ましくは、式(3)の化合物は、式(3a):
【0046】
【化23】

(式中、R1は、式(3)の化合物について定義された通りである)
を有する]
またはその塩を、まず塩基と、次いで式COまたはR4COYの化合物(式中、Yは、ハロゲンまたは−OR'であり、R4およびR'は、独立に、アルキル、アリールおよびアリールアルキルから選択される)と反応させて、式(4)の化合物またはその塩を得ることによって、調製するステップ;および
(ii)式(4)の化合物
【0047】
【化24】

[式中、
R1は水素または窒素保護基であり、
R4は、ヒドロキシル、アルキル、アリールおよびアリールアルキルから選択され、
好ましくは、式(4)の化合物は、式(4a):
【0048】
【化25】

(式中、R1およびR4は式(4)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩を、塩基およびホルムアルデヒドと、任意選択での相間移動触媒の存在下で反応させて、式(1)の化合物またはその塩を得るステップを含む方法に関する。
【0049】
別の態様において、本発明は、ステップi)およびii)がワンポット法で行われ、したがって式(4)の化合物の単離および/または精製を含まない、式(3)の化合物を式(1)の化合物に変換するための前記方法に関する。
【0050】
さらなる実施形態において、本発明は、式(1)の化合物:
【0051】
【化26】

[式中、R1は、水素または窒素保護基であり、
好ましくは、式(1)の化合物は、式(1a):
【0052】
【化27】

(式中、R1は、式(1)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩の調製方法であって、
(i)式(4)の化合物:
【0053】
【化28】

[式中、
R1は、水素または窒素保護基であり、
R4はヒドロキシルであり、
好ましくは、式(4)の化合物は、式(4a):
【0054】
【化29】

(式中、R1およびR4は、式(4)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩を、
式(3)の化合物:
【0055】
【化30】

[式中、R1は、水素または窒素保護基であり、
好ましくは、式(3)の化合物は、式(3a):
【0056】
【化31】

(式中、R1は、式(3)の化合物について定義された通りである)
を有する]
またはその塩を、まず塩基と、次いで式COの化合物と反応させることによって、調製するステップ、および
(ii)式(4)の化合物:
【0057】
【化32】

[式中、
R1は水素または窒素保護基であり、
R4はヒドロキシルであり、
好ましくは、式(4)の化合物は、式(4a):
【0058】
【化33】

(式中、R1およびR4は式(4)について定義した通りである)
を有する]
またはその塩を、塩基およびホルムアルデヒドと、任意選択での相間移動触媒の存在下で反応させて、式(1)の化合物またはその塩を得るステップを含む方法に関する。
【0059】
さらに別の態様において、本発明は、ステップi)およびii)がワンポット法で行われ、したがって式(4)の化合物の単離および/または精製を含まない、式(3)の化合物を式(1)の化合物に変換するための前記方法に関する。
【0060】
前記実施形態のステップ(i)に適した塩基は、セクションA.1に記載のものである。
【0061】
前記実施形態のステップ(ii)に適した塩基は、セクションA.2に記載のものである。好ましくは、前記実施形態のステップ(ii)は、塩基、およびLiClなどのアルカリ金属塩の存在下で行われる。より好ましくは、この変換は、塩基、LiClなどのアルカリ金属塩、およびモレキュラーシーブ、硫酸アルカリ金属(例えば、硫酸ナトリウム)もしくは硫酸アルカリ土類金属(例えば、硫酸マグネシウム)などの乾燥剤の存在下で行われる。
【0062】
セクションB:
式(4)の化合物:
【0063】
【化34】

[式中、
R1は水素または窒素保護基であり、
R4は、ヒドロキシル、アルキル、アリールおよびアリールアルキルから選択され、
好ましくは、式(4)の化合物は、式(4a):
【0064】
【化35】

(式中、R1およびR4は、式(4)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩。
【0065】
一般用語
前におよび以下で使用される一般的定義は、異なって定義されない限り、次の意味を有する:
用語「窒素保護基」は、窒素官能基、好ましくはアミンおよび/またはアミド官能基を可逆的に保護する能力のある任意の基を包含する。好ましくは、窒素保護基は、アミン保護基および/またはアミド保護基である。適切な窒素保護基は、ペプチド化学において通常的に使用され、J.F.W.McOmie、「Protective Groups in Organic Chemistry」、Plenum Press、London and New York、1973年;P.G.M.WutsおよびT.W.Greene、「Greene's Protective Groups in Organic Synthesis」第4版、Wiley、ニュージャージー州、2007年;「The Peptides」第3巻(E.GrossおよびJ.Meienhofer編)、Academic Press、LondonおよびNew York、1981年;および「Methoden der organischen Chemie」(Methods of Organic Chemistry)、Houben Weyl、第4版、15/1巻、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、1974年などの標準的参考著作の関連章中に記載されている。
【0066】
好ましい窒素保護基は、一般に、非置換または置換のC〜C−アルキル、好ましくはC〜C−アルキル、より好ましくはC〜C−アルキル、最も好ましくはC−アルキル、非置換または置換のCアルケニル(ここで、C〜CアルキルおよびCアルケニルは、トリアルキルシリルC〜C−アルコキシ(例えば、トリメチルシリルエトキシ)、アリール好ましくはフェニル、または複素環式基好ましくはピロリジニルでモノ−、ジ−またはトリ−置換されていてもよく、ここで、アリール環または複素環式基は非置換であるか、あるいは例えばC〜C−アルキル、ヒドロキシ、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルカノイル−オキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、およびCFからなる群から選択される1つまたは複数、例えば2つまたは3つの残基で置換されていてもよい);アリール−C〜C−アルコキシカルボニル(好ましくは、フェニル−C〜C−アルコキシカルボニル、例えば、ベンジルオキシカルボニル);C1〜10アルケニルオキシカルボニル;C1〜6アルキルカルボニル(例えば、アセチルまたはピバロイル);C6〜10アリールカルボニル;C1〜6アルコキシカルボニル(例えば、t−ブトキシカルボニル);C6〜10アリールC1〜6アルコキシカルボニル;アリルまたはシンナミル;スルホニルまたはスルフェニル;スクシンイミジル基;シリル、例えばトリアリールシリルまたはトリアルキルシリル(例えば、トリエチルシリル)を包含する。
【0067】
好ましい窒素保護基の例が、アセチル、ベンジル、クミル、ベンズヒドリル、トリチル、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、ベンジルオキシメチル(BOM)、ピバロイルオキシメチル(POM)、トリクロロエトキシカルボニル(Troc)、1−アダマンチルオキシカルボニル(Adoc)、アリル、アリルオキシカルボニル、トリメチルシリル、tert−ブチル−ジメチルシリル、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル、トリメチルシリエトキシメチル(SEM)、t−ブトキシカルボニル(BOC)、t−ブチル、1−メチル−1,1−ジメチルベンジル、(フェニル)メチルベンゼン、ピリジニルおよびピバロイルである。最も好ましい窒素保護基は、アセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、トリエチルシリル(TES)、トリメチルシリエトキシメチル(SEM)、t−ブトキシカルボニル(BOC)、ピロリジニルメチルおよびピバロイルである。
【0068】
より好ましい窒素保護基の例が、t−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンゾイル、スチリル、1−ブテニル、ベンジル、p−メトキシベンジル(PMB)、およびピロリジニルメチルである。
【0069】
シリルは、本明細書中で使用する場合、式−SiR11R12R13による基(ここで、R11、R12およびR13は、互いに独立に、アルキルまたはアリールである)を指す。R11、R12およびR13についての好ましい例が、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、フェニル、またはフェニル−C1〜4アルキルである。
【0070】
アルキルは、基または基の一部として定義され、直鎖または分枝(1回、または望ましくかつ可能なら、複数回)の炭素鎖であり、特にC〜C−アルキル、好ましくはC〜C−アルキルである。
【0071】
用語「C〜C−」は、最大で7まで(7を含む)、特に最大で4まで(4を含む)の炭素原子を含む部分を規定し、前記部分は、分枝(1回または複数回)または直鎖であり末端または非末端炭素を介して結合されている。
【0072】
シクロアルキルは、例えば、C〜C−シクロアルキルであり、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルである。シクロペンチルおよびシクロヘキシルが好ましい。
【0073】
アルコキシは、例えば、C〜C−アルコキシであり、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシであり、また、対応するペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、およびヘプチルオキシ基を包含する。C〜Cアルコキシが好ましい。
【0074】
アルカノイルは、例えば、C〜C−アルカノイルであり、例えば、アセチル[−C(=O)Me]、プロピオニル、ブチリル、イソブチリルまたはピバロイルである。C〜C−アルカノイル、特にアセチルが好ましい。
【0075】
ハロまたはハロゲンは、好ましくは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、最も好ましくはクロロ、ブロモまたはヨードである。
【0076】
ハロアルキルは、例えば、ハロ−C〜Cアルキルであり、とりわけ、トリフルオロメチル、1,1,2−トリフルオロ−2−クロロエチル、またはクロロメチルなどのハロ−C〜Cアルキルである。好ましいハロ−C〜Cアルキルは、トリフルオロメチルである。
【0077】
アルケニルは、二重結合を含み、かつ好ましくは2〜12個の炭素原子、特に好ましくは2〜10個の炭素原子を含む線状または分枝のアルキルでよい。とりわけ好ましいのは、線状のC2〜4アルケニルである。アルキル基の例の一部が、エチル、およびプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタシル、およびエイコシルの異性体であり、そのそれぞれが二重結合を含む。特に好ましいのはアリルである。
【0078】
アルキレンは、Cアルキルから誘導される二価の基であり、特にC〜C−アルキレンまたはC〜C−アルキレンであり、任意選択で、1つまたは複数、例えば3つまでのO、NR14またはSによって割り込まれていてもよく、ここで、R14はアルキルであり、そのそれぞれは、非置換であるか、あるいは、例えばC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、またはC〜C−アルコキシから独立に選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0079】
アルケニレンは、C2〜7アルケニルから誘導される二価の基であり、1つまたは複数、例えば3つまでのO、NR14またはSによって割り込まれていてもよく、ここで、R14はアルキルであり、非置換であるか、あるいは、アルキレンについて上で言及した置換基から好ましくは独立に選択される1つまたは複数の、例えば3つまでの置換基で置換されていてもよい。
【0080】
基または基の一部であるアリールは、例えば、C6〜10アリールであり、好ましくは単環式または多環式の、特に単環式、二環式または三環式の6〜10個の炭素原子を有するアリール部分、好ましくはフェニルであり、それらは、非置換であるか、あるいは、例えば、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルまたはC〜C−アルコキシから独立に選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0081】
用語「アリールアルキル」は、アリール−C〜C−アルキル(ここで、アリールは、本明細書中で定義される通りであり、例えばベンジルである)を指す。
【0082】
用語「カルボキシル」は、−COHを指す。
【0083】
アリールオキシは、アリール−O−(ここで、アリールは前に定義した通りである)を指す。
【0084】
非置換または置換ヘテロシクリルは、単環式または多環式の、好ましくは単環式、二環式または三環式の、最も好ましくは単環式の不飽和、部分飽和、飽和、または芳香族の環系であり、該環系は、好ましくは3〜14個(より好ましくは5〜14個)の環原子を有し、かつ窒素、酸素、硫黄、S(=O)またはS−(=O)から独立に選択される1つまたは複数の、好ましくは1〜4個のヘテロ原子を有し、非置換であるか、あるいはハロ、C〜C−アルキル、ハロ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロ−C〜C−アルコキシ(トリフルオロメトキシなど)およびC〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシからなる群から選択される好ましい置換基から好ましくは独立に選択される1つまたは複数、例えば3個までの置換基で置換されている。ヘテロシクリルが芳香族環系である場合、それはヘテロアリールとも呼ばれる。
【0085】
アセチルは、−C(=O)C〜Cアルキル、好ましくは−C(=O)Meである。
【0086】
スルホニルは、非置換または置換のC〜C−アルキルスルホニル(メチルスルホニルなど)、非置換または置換のフェニルまたはナフチル−C〜C−アルキルスルホニル(フェニル−メタンスルホニルなど)、あるいは非置換または置換のフェニル−もしくはナフチル−スルホニルであり、ここで、1つを超える置換基、例えば1〜3個の置換基が存在するなら、該置換基は、シアノ、ハロ、ハロ−C〜Cアルキル、ハロ−C〜C−アルキルオキシ−、およびC〜C−アルキルオキシから独立に選択される。特に好ましいのは、C〜C−アルキルスルホニル(メチルスルホニルなど)、および(フェニル−またはナフチル)−C〜C−アルキルスルホニル(フェニルメタンスルホニルなど)である。
【0087】
スルフェニルは、非置換または置換のC6〜10アリール−C〜C−アルキルスルフェニル、あるいは非置換または置換のC6〜10アリールスルフェニルであり、ここで、1つを超える置換基、例えば1〜4個の置換基が存在するなら、該置換基は、ニトロ、ハロ、ハロ−C〜CアルキルおよびC〜C−アルキルオキシから独立に選択される。
【0088】
用語「キラル」は、それらの鏡像相手に重ね合わせることのできない性質を有する分子を指し、一方、用語「非キラル」は、それらの鏡像相手に重ね合わせることのできる分子を指す。
【0089】
用語「互変異性体」は、詳細には、本発明の化合物のピロリジン−2−オン部分のエノール型互変異性体を指す。さらに、用語「互変異性体」は、また、詳細には、本発明の化合物のアルデヒド型互変異性体、例えば式(6)の化合物を指し、ここで、このような化合物は、エノールまたはアルデヒド型のどちらか、またはその混合物の状態で存在することができる。
【0090】
本出願の式において、sp炭素に付いた記号
【0091】
【化36】

は、結合の立体化学が規定されていない共有結合を表す。このことは、sp炭素に付いた記号
【0092】
【化37】

が、(S)配置および(R)配置のそれぞれのキラル中心を包含することを意味する。さらに、混合物も包含され、例えば、エナンチオマーの混合物(ラセミ化合物など)は本発明に包含される。
【0093】
本出願の式において、sp炭素に付いた記号
【0094】
【化38】

は、結合の立体化学または幾何学的配置が規定されていない共有結合を表す。このことは、sp炭素に付いた記号
【0095】
【化39】

が、シス(Z)配置およびトランス(E)配置のそれぞれの二重結合を包含することを意味する。さらに、混合物も包含され、例えば、二重結合異性体の混合物は本発明に包含される。
【0096】
本発明の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を所持することができる。好ましい絶対配置は、本明細書中で具体的に指摘される。
【0097】
本出願の式において、sp炭素に付いた記号
【0098】
【化40】

は、絶対的な立体化学、(R)または(S)のどちらかを示す。
【0099】
本出願の式において、sp炭素に付いた記号
【0100】
【化41】

は、絶対的な立体化学、(R)または(S)のどちらかを示す。
【0101】
本出願の式において、記号
【0102】
【化42】

は、sp炭素−sp炭素またはsp炭素−sp炭素の結合を示す。
【0103】
塩は、特に薬学的に許容される塩、または一般には、本明細書中で言及される任意の中間体の塩であり、ここで、塩は、当業者が容易に理解する化学的理由のために排除されることはない。それらの塩は、塩基性または酸性の基などの塩形成基が存在する場合に形成することができ、例えばpHが4〜10の範囲の水溶液中で少なくとも部分的に解離した形態で存在することができ、あるいは特に固体形態で、特に結晶性形態で単離することができる。
【0104】
このような塩は、例えば、塩基性窒素原子(例えば、イミノまたはアミノ)をもつ本明細書中で言及される化合物または任意の中間体から、好ましくは有機または無機の酸との酸付加塩として、特に薬学的に許容される塩として形成される。適切な無機酸は、例えば、ハロゲン酸(塩酸など)、硫酸、またはリン酸である。適切な有機酸は、例えば、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、またはスルファミン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、アミノ酸(グルタミン酸またはアスパラギン酸など)、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、安息香酸、メタン−もしくはエタン−スルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレン−ジスルホン酸、N−シクロヘキシルスルファミン酸、N−メチル、N−エチルもしくはN−プロピル−スルファミン酸、またはその他の有機プロトン酸(アスコルビン酸など)である。
【0105】
負に帯電した基(カルボキシまたはスルホなど)の存在下では、塩基を用いて、塩を、例えば、金属またはアンモニウム塩を、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム塩)を、あるいはアンモニア、または第3級モノアミン(例えばトリエチルアミンもしくはトリ(2−ヒドロキシエチル)アミン、または複素環式塩基、例えばN−エチル−ピペリジンもしくはN,N'−ジメチルピペラジン)などの適切な有機アミンとのアンモニウム塩を形成することもできる。
【0106】
塩基性基および酸性基が同一分子中に存在する場合、本明細書中で言及される任意の中間体も内部塩を形成することができる。
【0107】
本明細書中で言及される任意の中間体を単離または精製するために、薬学的に許容されない塩、例えばピクリン酸塩または過塩素酸塩を使用することも可能である。
【0108】
化合物と、遊離形態およびそれらの塩の形態の中間体(例えば、化合物またはその塩の精製または同定において中間体として使用できる塩を含む)との間の密接な関係を考慮すると、「化合物」、「出発原料」および「中間体」への言及は、これまでおよびこれから、その1種または複数の塩、あるいは対応する遊離化合物、中間体または出発原料、およびその1種または複数の塩も指すと理解されるべきであり、そのそれぞれは、適切かつ得策で、かつそうでないことが明確に言及されていないなら、任意の溶媒和物または任意の1種または複数のこれらを含むと解釈される。異なる結晶形が、入手可能である可能性があり、それらも包含される。
【0109】
複数の形態が、化合物、出発原料、中間体、塩、医薬調合物、疾患、障害などに関して使用される場合、このことは、1種(好ましくは)または複数の単一化合物(群)、塩(群)、医薬調合物(群)、疾患(群)、障害(群)などを意味すると解釈され、単数または不定冠詞(「a」、「an」)を使用する場合、これは、複数を排除することを意図せず、好ましくは単に「1つ」を意味する。
【0110】
本発明による任意のラクタム(ここで、R1は水素である)またはその塩を、当技術分野で公知の有機化学の標準的方法により、とりわけ、J.F.W.McOmie、「Protective Groups in Organic Chemistry」Plenum Press、London and New York、1973年;P.G.M.WutsおよびT.W.Greene、「Greene's Protective Groups in Organic Synthesis」第4版、Wiley、ニュージャージー州、2007年;およびRichard C.Larock、「Comprehensive Organic Transformation:A Guide to Functional Group Preparations」第2版、Wiley−VCH Verlag GmbH、2000年;とりわけこれらの関連章中に記載の、窒素の通常的な保護方法を参照して、対応する保護されたラクタム(ここで、R1は前に定義した通りの窒素保護基である)またはその塩に変換することができる。
【0111】
同様に、本発明による任意のラクタム(ここで、R1は窒素保護基である)またはその塩を、当技術分野で公知の有機化学の標準的方法により、とりわけ上で言及した書籍中に、とりわけ関連セクション中に記載の窒素の通常的な保護方法を参照して、対応するラクタム(ここで、R1は水素である)またはその塩に変換することができる。
【0112】
用語「ワンポット」または「ワンポット法」は、一連の反応において、各反応生成物が、単離および/または精製なしに次の反応に提供されることを意味する。用語「精製」は、本明細書中で使用する場合、とりわけ、結晶化、カラムクロマトグラフィー、または蒸留に関連する。本明細書で定義されるワンポット法は、単一反応容器中で行われる一連の反応のみならず、単離および/または精製なしに複数の反応容器中で(例えば、1つの容器から他の容器に反応混合物を移送することによって)行われる一連の反応をも包含する。好ましくは、ワンポット法は、単一の反応容器中で行われる。
【0113】
用語「ホルムアルデヒド」は、本明細書中で使用する場合、モノマー性ホルムアルデヒド、およびホルムアルデヒドに容易に変換される任意のホルムアルデヒド供給源を包含すると解釈される。例えば「ホルムアルデヒド」は、本明細書中で使用する場合、そのモノマー性形態のホルムアルデヒド、およびその種々のアセタール、ヘミアセタール、および例えばパラホルムアルデヒドなどの低分子量オリゴマーを包含する。
【0114】
用語「相間移動触媒」は、本明細書中で使用する場合、異なる相(例えば、非混和性液体または固体と液体)中に配置される化学種間の反応速度を、反応物の1種、最も一般的にはアニオンを、界面を横切って他の相中に抽出することによって増大させる、触媒量の化学薬剤を指す。これらの触媒としては、第4級アンモニウムまたはホスホニウム塩(例えば、そのアルキルが同一でも異なっていてもよい、テトラアルキルアンモニウム塩)、あるいは無機カチオンを錯化する薬剤(例えば、クラウンエーテルまたはその他のクリプタンド)が挙げられる。触媒カチオンは、反応中に消費されないが、アニオン交換が起こる。詳細には、本発明により使用される適切な相間移動触媒は、第4級アンモニウム塩、例えば、式RNX(ここで、Rは、同一または異なるアルキルであり、Xはハロ(例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド)またはヒドロキシドであり、例えば、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシドである)。
【0115】
用語「プロドラッグ」は、本明細書中で使用する場合、例えば、A.C.S.Symposium Seriesの14巻、T.HiguchiおよびV.Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、;Edward B.Roche編「Bioreversible Carriers in Drug Design」米国薬学会およびPergamon Press、1987年;H.Bundgaard編、「Design of Prodrugs」Elsevier、1985年;およびJudkinsら、Synthetic Communications、26(23)巻、4351〜4367頁(1996年);および「The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action」第2版、R B Silverman(特に第8章、497〜557頁)、Elsevier Academic Press、2004年中に記載のように、例えば血液中での加水分解によってインビボで親化合物に変換される化合物を特に表す。
【0116】
したがって、プロドラッグは、その可逆性誘導体に変換されている官能基を有する薬物を包含する。典型的には、このようなプロドラッグは、加水分解によって活性薬物に変換される。例として次のものを挙げることができる:
【表1】

【0117】
プロドラッグは、また、酸化または還元反応によって活性薬物に変換可能な化合物を含む。例としては次のものが挙げられる:
酸化的活性化
・N−およびO−脱アルキル化
・酸化的脱アミノ化
・N−酸化
・エポキシ化
還元的活性化
・アゾ還元
・スルホキシド還元
・ジスルフィド還元
・生体内還元的アルキル化
・ニトロ還元。
【0118】
上記反応および/または反応ステップのそれぞれを、γ−アミノ−δ−ビフェニル−α−メチルアルカン酸またはアルキルエステルなどの酸エステルの骨格を含むNEP阻害剤またはそのプロドラッグなどのNEP阻害剤またはそのプロドラッグを調製するための方法において、個別的にまたは組み合わせて使用することができる。詳細には、NEP阻害剤は、N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸またはその塩、あるいはそのプロドラッグである。上で記載したように、WO2008/083967には、本明細書に記載の式(1)の化合物をNEP阻害剤またはそのプロドラッグに変換するための方法が記載されている。
【実施例】
【0119】
セクションC:実施例
以下の実施例は、その範囲を限定することなしに本発明を例示するのに役立ち、一方、それらは、他方で、反応ステップ、中間体、および/または本発明の方法の好ましい実施形態を表す。
【表2】


【表3】

【0120】
列挙するNMRデータにおいて、以下の省略形:s;単一線、d;二重線、t;三重線、q;四重線、quint;五重線、m;多重線を使用できる。
【実施例1】
【0121】
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−(4−メトキシ−ベンジル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=p−メトキシベンジル)
【0122】
【化43】

下で、(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=H)(36g、143ミリモル)と400mLの乾燥ジメチルホルムアミドとの混合物に、水素化ナトリウム(55%、6.9g、158ミリモル)を室温で添加し、次いで、4−メトキシベンジルクロリド(24.7g、158ミリモル)を添加する。反応混合物を55℃まで加熱し、3時間撹拌する。室温まで冷却し、5mLの酢酸を添加し、さらに15分間撹拌し、次いでジメチルホルムアミドを除去する。残留物を400mLの酢酸エチルに再溶解し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を除去し、残留物を100mLのtert−ブチルメチルエーテルに再溶解し、0℃まで冷却し、5時間撹拌し、濾過、乾燥して、(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−(4−メトキシベンジル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=p−メトキシベンジル)を得る。1HNMR (400MHz, CDCl3): 1.78 (m, 1H, 3-CHH), 1.90 (m, 1H, 3-CHH), 2.28 (m, 2H, 2-CH2), 2.59 (dd, 1H, 5-CHH), 3.05 (dd, 1H, 5-CHH), 3.80 (s, 3H, OCH3), 3.98 (d, 1H, CHH), 5.05 (d, 1H, CHH), 6.80〜7.40 (13H, m, 芳香族).
【0123】
HPLC分析法
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(90%B);10分(95%B);15分(95%B)。流速:0.7mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:12.5分(3a、R1=p−メトキシベンジル)。
【実施例2】
【0124】
(S)−1−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=ベンゾイル)
【0125】
【化44】

(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=H)(10g、40ミリモル)とトリエチルアミン(16.6mL、120ミリモル)との混合物を60℃に加熱し、塩化ベンゾイル(8.5g、60ミリモル)を1時間にわたって添加し、さらに4時間後に、クエン酸水溶液(100mLの水中に23.7g)を添加し、水層をトルエンで洗浄する。有機部分を合わせ、水で洗浄し、混合物を真空で濃縮し、tert−ブチルメチルエーテルに再溶解し、氷水浴中で冷却し、4時間撹拌し、濾過して、(S)−1−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=ベンゾイル)を得る。1HNMR (400MHz,CDCl3): 1.94(m, 1H, 3-CHH), 2.13 (m, 1H, 3-CHH), 2.20(m, 1H, 2-CHH), 2.23 (m, 1H, 2-CHH), 2.71(d, 1H, 5-CHH), 2.96 (d, 1H, 5-CHH), 4.38(m, 1H, 4-CH), 7.20〜8.10 (14H, m, 芳香族).
【0126】
HPLC分析法
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(90%B);10分(95%B);15分(95%B)。流速:0.7mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:13.0分(3a、R1=ベンゾイル)。
【実施例3】
【0127】
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=スチリル)
【0128】
【化45】

方法1
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=H)(10.0g、39.8ミリモル)を100mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、フェニルアセトアルデヒド(5.3g、39.8ミリモル)およびP(6.2g、43.8ミリモル)を逐次的に添加し、反応混合物を12時間還流する。反応混合物を、室温まで冷却し、濾過し、ケーキを酢酸エチルで洗浄し、濾液を10%重炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で濃縮する。残留物をtert−ブチルメチルエーテルから再結晶して、(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=スチリル)を得る。1HNMR (400MHz, CDCl3): 2.11(m, 1H, 3-CHH), 2.16(m, 2 H, 5-CH2), 2.29(m, 1H, 3CHH), 2.95(d, 1H, 5-CH2), 3.10(d, 1H, 5-CH2), 4.37(m, 1H, 4-CH), 6.10( d, 1 H, C=CHH), 7.21〜7.65 (15H, m, 芳香族 + C=CHH),
【0129】
方法2
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=H)(10.0g、39.8ミリモル)を40mLの無水トルエンに溶解し、フェニルアセトアルデヒド(5.3g、39.8ミリモル)およびTsOH・HO(0.2g、1ミリモル)を添加する。反応フラスコにディーンスターク分水器およびコンデンサーを取り付け、反応混合物を窒素雰囲気下で12時間還流する。反応混合物を室温まで冷却し、100mLの酢酸エチルを添加し、有機層を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、続いてNaSO溶液および食塩水で洗浄し、次いで、有機層を無水NaSO上で乾燥し、真空下で濃縮する。残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=スチリル)を得る。分光データは実施例2の方法1に記載の通りである。
【0130】
方法3
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=H)(50.2g、200ミリモル)を150mLのp−キシレンに溶解し、フェニルアセトアルデヒド(26.4g、220ミリモル)およびTsOH・HO(0.4g、2ミリモル)を添加する。反応フラスコにディーンスターク分水器およびコンデンサーを取り付け、窒素雰囲気下で一夜還流する。反応混合物を室温まで冷却し、0℃で1時間撹拌し、次いで濾過し、ケーキを冷却したtert−ブチルメチルエーテルで3回(3×20mL)洗浄し、高真空下で乾燥し、白色固体として(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=スチリル)を得る。分光データは実施例2の方法1に記載の通りである。
【0131】
方法4
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=H)(5.02g、20ミリモル)を50mLのトルエンに溶解し、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール(3.77g、22ミリモル)およびTsOH・HO(0.1g、0.5ミリモル)を添加する。反応フラスコにディーンスターク分水器およびコンデンサーを取り付け、窒素雰囲気下で一夜還流する。反応混合物を室温まで冷却し、50mLの酢酸エチルを添加し、10分間撹拌して澄明溶液を得て、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、NaSO飽和水溶液、および食塩水で洗浄し、有機抽出物を無水NaSO上で乾燥し、溶媒を真空下で蒸発させる。残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、白色固体として(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=スチリル)を得る。分光データは実施例2の方法1に記載の通りである。
【0132】
方法5
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=H)(5.02g、20ミリモル)を50mLのトルエンに溶解し、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール(3.77g、22ミリモル)およびPPTS(0.13g、0.5ミリモル)を添加する。反応フラスコにディーンスターク分水器およびコンデンサーを取り付け、窒素雰囲気下で一夜還流する。反応混合物を室温まで冷却し、50mLの酢酸エチルを添加し、10分間撹拌して澄明溶液を得て、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、NaSO飽和水溶液、および食塩水で洗浄し、有機相を無水NaSO上で乾燥し、溶媒を真空下で蒸発させる。残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、白色固体として(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=スチリル)を得る。分光データは実施例2の方法1に記載の通りである。
【0133】
HPLC分析法(方法1〜6)
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速:1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:12.3分(3a、R1=スチリル)。
【実施例4】
【0134】
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−ブタ−1−エニル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=1−ブテニル)
【0135】
【化46】

【0136】
方法1
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=H)(10.0g、39.8ミリモル)を100mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、ブチルアルデヒド(2.9g、39.8ミリモル)および五酸化リン(6.2g、43.2ミリモル)を逐次的に添加し、反応混合物を12時間還流する。反応混合物を室温まで冷却し、濾過し、酢酸エチルで洗浄し、濾液を10%炭酸水素ナトリウム水溶液、続いて食塩水で洗浄する。有機層を、無水NaSO上で乾燥し、真空下で濃縮する。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=10:1)で精製して、(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=1−ブテニル)を得る。1HNMR (400MHz, CDCl3): 1.07 (t, 3H, CH3H), 2.12(m, 2H, CH2H), 2.20(m, 2 H, 3-CH2), 2.35(m, 2H, 2-CH2), 2.95(m, 1H, 5-CH2), 3.13(m, 1H, 5-CH2), 4.14(m, 1H, 4-CH), 5.27 (m, 1H, CH=CH), 6.85 (d, 1H, HC=CH-N), 7.14〜7.51 (9H, m, 芳香族).
【0137】
方法2
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=H)(5.02g、20ミリモル)を50mLのトルエンに溶解し、ブチルアルデヒド(1.44g、20ミリモル)およびTsOH・HO(50mg、0.3ミリモル)を添加する。反応フラスコにディーンスターク分水器およびコンデンサーを取り付け、窒素雰囲気下で一夜還流する。反応混合物を室温まで冷却し、50mLのトルエンを添加し、10分間撹拌して、澄明溶液を得て、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、NaSO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、有機相を無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させる。残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−ブタ−1−エニル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=1−ブテニル)を得る。分光データは実施例4の方法1に記載の通りである。
【0138】
方法3
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=H)(5.02g、20ミリモル)を50mLのトルエンに溶解し、ブチルアルデヒド(1.44g、20ミリモル)およびBF−EtO(0.5mL)を添加する。反応フラスコにディーンスターク分水器およびコンデンサーを取り付け、窒素雰囲気下で一夜還流する。反応混合物を室温まで冷却し、50mLのトルエンを添加し、10分間撹拌して澄明液を得て、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、NaSO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、有機相を無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させる。残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−ブタ−1−エニル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=1−ブテニル)を得る。分光データは実施例4の方法1に記載の通りである。
【0139】
方法4
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=H)(5.0g、20ミリモル)を50mLのテトラヒドロフランに溶解し、ブチルアルデヒドジエチルアセタール(3.2g、22ミリモル)およびPPTS(215mg、1ミリモル)を添加する。反応フラスコに、反応中に生じるエタノールを除去するための蒸留装置およびコンデンサーを取り付け、窒素雰囲気下で一夜還流する。反応混合物を室温まで冷却し、50mLのトルエンを添加し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、NaSO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、有機相を無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させる。残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−ブタ−1−エニル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=1−ブテニル)を得る。分光データは実施例4の方法1に記載の通りである。
【0140】
方法5
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=H)(5.0g、20ミリモル)を50mLのトルエンに溶解し、ブチルアルデヒドジエチルアセタール(3.2g、22ミリモル)およびPPTS(215mg、1ミリモル)を添加する。反応フラスコに、反応中に生じるエタノールを除去するための蒸留装置およびコンデンサーを取り付け、窒素雰囲気下で一夜加熱還流する。反応混合物を室温まで冷却し、50mLのトルエンを添加し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、NaSO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、有機相を無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させる。残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−ブタ−1−エニル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=1−ブテニル)を得る。分光データは実施例4の方法1に記載の通りである。
【0141】
HPLC分析法(方法1〜5)
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速:1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:9.5分(3a、R1=1−ブテニル)。
【実施例5】
【0142】
(3R/S)−ベンゾイル−(5S)−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)
【0143】
【化47】

方法1
下で、HMDS(24.2g、0.15モル)と300mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物にn−ブチルリチウム(56mL、2.5M/ヘキサン、0.14モル)を添加し、生じた混合物を、次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(35.1g、0.1モル)と50mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物を−10℃で添加し、約30分後に、反応混合物にn−ブチルリチウム(40mL、2.5M/ヘキサン、0.1モル)を−10℃で添加し、生じる混合物を、次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に塩化ベンゾイル(15.5g、0.11モル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保持した後、反応混合物を100mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル(200mL)を添加し、濾過し、濾液を濃縮して、(R/S)−3−ベンゾイル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)を得る。(3S,5R):(3R,5R)の比率はHPLCで測定すると70:30である。1HNMR (400MHz, DMSO): 1.52(s, 9H, (CH3)3), 2.05(m, 1H, 3-CHH), 2.60(m, 1H, 3CHH), 2.96(m, 1H, 5-CHH), 3.13(m, 1H, 5-CHH), 4.21(m, 1H, 2-CH), 4.53(m, 1H, 4-CH), 7.10〜8.10 (14H, m, 芳香族).
【0144】
方法2
下で、ジイソプロピルアミン(0.71g、7ミリモル)と20mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物に、n−ブチルリチウム(2.4mL、2.5M/ヘキサン、6ミリモル)を−10℃で添加し、次いで、生じる混合物を−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(1.76g、5ミリモル)と5mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物を−10℃で添加し、約30分後に、反応混合物にn−ブチルリチウム(2mL、2.5M/ヘキサン、5ミリモル)を−10℃で添加し、生じた混合物を、次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に、塩化ベンゾイル(0.77g、5.5ミリモル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保った後、反応混合物を、100mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル(20mL)を添加し、濾過し、濾液を濃縮して、(R/S)−3−ベンゾイル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)を得る。(3S,5R):(3R,5R)の比率はHPLCで測定すると70:30である。分光データは実施例5の方法1に記載の通りである。
【0145】
方法3
下で、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(21.06g、60ミリモル)と150mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物にLHMDS(132mL、1.0M/テトラヒドロフラン、132ミリモル)を−10℃で添加し、生じた混合物を、次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に、塩化ベンゾイル(9.28g、66ミリモル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保った後、反応混合物を、50mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル(100mL)を添加し、濾過し、濾液を濃縮して、(R/S)−3−ベンゾイル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)を得る。(3S,5R):(3R,5R)の比率はHPLCで測定すると70:30である。分光データは実施例5の方法1に記載の通りである。
【0146】
方法4
下で、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(1.4g、4ミリモル)を4mLのトルエンに溶解し、加熱還流し、水素化ナトリウム(55%/鉱油、0.23g、5.2ミリモル)を添加し、還流下に2時間撹拌し、次いで反応混合物に塩化ベンゾイル(0.62g、4.4ミリモル)を添加し、生じた混合物を、次いで還流下に2時間撹拌する。反応混合物を5mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、有機相を濃縮乾固する。残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン=1/2)で精製して、(R/S)−3−ベンゾイル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)を得る。(3S,5R):(3R,5R)の比率はHPLCで測定すると70:30である。分光データは実施例5の方法1に記載の通りである。
【0147】
方法5
下で、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(10g、28.49ミリモル)のTHF(56mL)溶液に、MgCl(2.56g、28.49ミリモル)およびトリエチルアミン(8.63g、85.47ミリモル)を添加する。混合物を5℃まで冷却し、10分間撹拌し、次いで塩化ベンゾイル(6.40g、45.58ミリモル)を滴下添加する。反応混合物を5℃で1時間撹拌し、次いで温度を10℃まで上昇させる。15時間撹拌した後、20mLの水、続いてHPO(12.0g)の水(20mL)溶液を添加する。次いで水相を除去し、有機相を食塩水(40mL)で2回洗浄し、有機抽出物を真空下で濃縮して、(R/S)−3−ベンゾイル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)を得る。(3S,5R):(3R,5R)の比率はHPLCで測定すると70:30である。分光データは実施例5の方法1に記載の通りである。
【0148】
HPLC分析法(方法1〜5)
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速:1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
10.3分(3S,5R−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)
10.5分(3R,5R−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)
9.2分(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)
【実施例6】
【0149】
(R/S)−3−ベンゾイル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−ピロリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン(4a、R1=ピロリジニルメチル、R4=フェニル)
【0150】
【化48】

方法1
下で、20mLのトルエン中の(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−ピロリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=ピロリジニルメチル)(6.68g、20ミリモル)と安息香酸メチルエステル(3.0g、22ミリモル)との混合物を加熱還流し、水素化ナトリウム(55%/鉱油、1.14g、26ミリモル)を添加し、還流下に一夜撹拌する。反応混合物を、20mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。有機相を濃縮乾固し、残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン=1/1)で精製して、(R/S)−3−ベンゾイル−(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−ピロリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン(4a、R1=ピロリジニルメチル、R4=フェニル)を得た。(3S,5R)と(3R,5R)との比率はHPLCで測定すると60:40である。1HNMR (400MHz,CDCl3): 1.68 (m, 4H, 2xCH2CH2), 1.98(m, 1H, 3-CHH), 2.23(m, 1H, 3-CHH),2.51 (m, 4H, 2xNCH2), 2.65(dd, 1H, N-CHH), 3.15 (dd, 1H, N-CHH), 2.67(d, 1H, 5-CHH), 2.92 (d, 1H, 5-CHH), 3.73(m, 1H, 2-CH), 3.78(m, 1H, 4-CH), 7.20-8.00(14H, m, 芳香族).
【0151】
方法2
下で、4mLのジメチルホルムアミド中の(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−ピロリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=ピロリジニルメチル)(1.34g、4ミリモル)と安息香酸メチルエステル(0.6g、4.4ミリモル)との混合物を20℃で撹拌し、水素化ナトリウム(55%/鉱油、0.23g、5.2ミリモル)を添加し、110℃で一夜撹拌する。反応混合物を、5mLの塩化アンモニウム飽和水溶液および10mLの酢酸エチルで希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、有機相を濃縮乾固する。残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン=1/1)で精製して、(R/S)−3−ベンゾイル−(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−ピロリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン(4a、R1=ピロリジニルメチル、R4=フェニル)を得る。(3S,5R)と(3R,5R)との比率はHPLCで測定すると60:40である。分光データは実施例6の方法1に記載の通りである。
【0152】
方法3
下で、4mLのジメチルホルムアミド中の(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−ピロリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=ピロリジニルメチル)(1.34g、4ミリモル)とDMPU(0.56g、4.4ミリモル)と安息香酸メチルエステル(0.6g、4.4ミリモル)との混合物を20℃で撹拌し、水素化ナトリウム(55%/鉱油、0.23g、5.2ミリモル)を添加し、110℃で3時間撹拌する。反応混合物を、5mLの塩化アンモニウム飽和水溶液および10mLの酢酸エチルで希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、有機相を濃縮乾固する。残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン=1/1)で精製して、(R/S)−3−ベンゾイル−(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−ピロリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン(4a、R1=ピロリジニルメチル、R4=フェニル)を得る。(3S,5R)と(3R,5R)との比率はHPLCで測定すると60:40である。分光データは実施例6の方法1に記載の通りである。
【0153】
方法4
下で、4mLのトルエン中の(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−ピロリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=ピロリジニルメチル)(1.34g、4ミリモル)とDMPU(0.56g、4.4ミリモル)と安息香酸メチルエステル(0.6g、4.4ミリモル)との混合物を20℃で撹拌し、水素化ナトリウム(55%/鉱油、0.23g、5.2ミリモル)を添加し、60℃で3時間撹拌する。反応混合物を、5mLの塩化アンモニウム飽和水溶液および10mLの酢酸エチルで希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。有機相を濃縮乾固し、残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン=1/1)で精製して、(R/S)−3−ベンゾイル−(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−ピロリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン(4a、R1=ピロリジニルメチル、R4=フェニル)を得る。(3S,5R)と(3R,5R)との比率はHPLCで測定すると60:40である。分光データは実施例6の方法1に記載の通りである。
【0154】
HPLC分析法(方法1〜4)
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);10分(95%B);15分(95%B)。流速:0.7mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
8.6分(3S,5R−4、R1=ピロリジニルメチル、R4=フェニル)
8.8分(3R,5R−4、R1=ピロリジニルメチル、R4=フェニル)
7.5分(3a、R1=ピロリジニルメチル)
【実施例7】
【0155】
(3R/S)−ベンゾイル−(5S)−ビフェニル−4−イルメチル−1−(4−メトキシ−ベンジル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=p−メトキシベンジル、R4=フェニル)
【0156】
【化49】

水素化ナトリウム(150mg、55%/鉱油、3.75ミリモル)のトルエン(1mL)懸濁液に、(5S)−ビフェニル−4−イルメチル−1−(4−メトキシベンジル)ピロリジン−2−オン(3a、R1=p−メトキシベンジル)(694mg、1.86ミリモル)、続いて安息香酸メチルエステル(253mg、1.86ミリモル)を添加し、生じた混合物を、次いで130℃で9時間加熱する。室温まで冷却した後、NHCl(飽和水溶液、5mL)、続いて酢酸エチル(3mL)を添加する。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、濃縮して、(3R/S)−ベンゾイル−(5S)−ビフェニル−4−イルメチル−1−(4−メトキシベンジル)ピロリジン−2−オン(4a、R1=p−メトキシベンジル、R4=フェニル)を(3S,5R)と(3R,5R)ジアステレオマーとの混合物として得る(HPLCで測定すると50:40)。1HNMR (400MHz, DMSO): 1.82-2.08 (m, 2H), 2.25-2.70 (m, 2H), 3.00-3.26 (m, 2H), 3.73 (s, 3H), 4.00-4.10 (m, 1H), 4.20-4.52 (m, 1H), 4.94-5.09 (m, 1H), 6.86〜8.10 (18H, m, 芳香族). MS (ESI, m/e) 476 (MH+).
【0157】
HPLC分析法
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
10.0分(3S,5R−4、R1=p−メトキシベンジル、R4=フェニル)
10.1分(3R,5S−4a、R1=p−メトキシベンジル、R4=フェニル)
8.8分(3a、R1=p−メトキシベンジル)
【実施例8】
【0158】
(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=ベンジル)
【0159】
【化50】

【0160】
方法1
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=スチリル)(50.0g、141.7ミリモル)をN下で140mLの無水トルエンに加熱溶解し、水素化ナトリウム(8.04g、184.2ミリモル)を分割添加し、この温度で10分間撹拌し、次いで安息香酸メチルを滴下添加し、6時間還流し、室温まで冷却し、NHCl飽和水溶液で反応を止め、有機相を分離し、トルエン(100mL×3)で抽出する。合わせた有機抽出物を、NaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で濃縮して、(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=フェニル)を得る。(3S,5S)と(3R,5S)との比率はHPLCで測定すると70:30である。1HNMR (400MHz, CDCl3): 2.35(m, 1H, 3-CHH), 3.26(m, 3 H, 5-CH2 + 3-CHH), 3.74(m, 1H, 2-CH), 4.32(m, 1H, 4-CH), 6.21(m, 1 H, C=CHH), 7.21〜7.80(m, 20H, 芳香族 + C=CHH).
【0161】
方法2
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=スチリル)(10.0g、28.3ミリモル)をN下で30mLの無水トルエンに加熱溶解し、MeONa(1.99g、36.8ミリモル)を一度に添加し、この温度で10分間撹拌し、次いで安息香酸メチルを滴下添加し、一夜還流し、室温まで冷却し、NHCl飽和水溶液で反応を止め、有機相を分離し、トルエン(15mL×3)で抽出する。合わせた有機抽出物を、NaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で濃縮する。残留物を、5:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=フェニル)を得る。(3S,5S)と(3R,5S)との比率はHPLCで測定すると70:30である。分光データは、実施例8の方法1に記載の通りである。
【0162】
方法3
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=スチリル)(1.00g、2.8ミリモル)をN下で3mLの無水トルエンに加熱溶解し、t−BuOK(0.43g、3.7ミリモル)を一度に添加し、この温度で10分間撹拌し、次いで安息香酸メチルを滴下添加し、反応混合物を一夜還流し、室温まで冷却し、NHCl飽和水溶液で反応を止め、有機相を分離し、トルエン(30mL×3)で抽出する。合わせた有機抽出物を、NaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で濃縮する。残留物を、5:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=フェニル)を得る。(3S,5S)と(3R,5S)との比率はHPLCで測定すると70:30である。分光データは、実施例8の方法1に記載の通りである。
【0163】
HPLC分析法(方法1〜3)
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
10.7分(3S,5S−4、R1=スチリル、R4=フェニル)
11.0分(3R,5S−4、R1=スチリル、R4=フェニル)
12.3分(3a、R1=スチリル)
【実施例9】
【0164】
(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−ブタ−1−エニル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=1−ブテニル、R4=フェニル)
【0165】
【化51】

水素化ナトリウム(2.03g、46.4ミリモル)を、40mLの無水トルエンに懸濁し、窒素雰囲気下で加熱還流し、無水トルエン中の(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−ブタ−1−エニル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=1−ブテニル)(11.02g、35,67ミリモル)と安息香酸メチル(4.86g、35.67ミリモル)との混合物を滴下添加し、反応混合物を、4時間還流し、外界温度まで冷却し、HNCl飽和水溶液で反応を止め、トルエンで抽出する。合わせた有機抽出物を、NaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で濃縮して、(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−ブタ−1−エニル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=1−ブテニル、R4=ベンジル)を得て、これを次のステップでそのまま使用する。1HNMR (400MHz, CDCl3): 1.07 (t, 3H, CH3H), 2.12(m, 2H, CH2H), 2.20(m, 2 H, 3-CH2), 2.95(m, 1H, 5-CH2), 3.13(m, 1H, 5-CH2), 3.82 (m, H, 2-CH2H), 4.14(m, 1H, 4-CH), 5.27 (m, 1H, CH=CH), 6.85 (d, 1H, HC=CH-N), 7.14〜8.20 (14H, m, 芳香族)。(3S,5S)と(3R,5S)との比率はHPLCで測定すると60:40である。
【0166】
HPLC分析法
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
10.5分(3S,5S−4、R1=1−ブテニル、R4=フェニル)
10.8分(3R,5S−4、R1=1−ブテニル、R4=フェニル)
9.5分(3a、R1=1−ブテニル)
【実施例10】
【0167】
(R/S)−1,3−ジベンゾイル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(4a、R1=ベンゾイル、R4=フェニル)
【0168】
【化52】

下で、1−ベンゾイル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(3a、R1=ベンゾイル)(1.34g、4ミリモル)を4mLのトルエンに溶解し、加熱還流し、水素化ナトリウム(55%/鉱油、0.23g、5.2ミリモル)を添加し、還流下に2時間撹拌し、次いで反応混合物に塩化ベンゾイル(0.62g、4.4ミリモル)を添加し、生じた混合物を、次いで還流下に2時間撹拌する。反応混合物を、5mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去した。有機相を濃縮乾固し、残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン=1/2)で精製して、(R/S)−1,3−ジベンゾイル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン−2−オン(4a、R1=ベンゾイル、R4=フェニル)を得る。(3S,5S)と(3R,5S)との比率は、HPLCで測定すると30:70である。1HNMR (400MHz,CDCl3): 2.09(m, 1H, 3-CHH), 2.34 (m, 1H, 3-CHH), 2.71(d, 1H, 5-CHH), 2.96 (d, 1H, 5-CHH), 3.73(m, 1H, 2-CH), 4.38(m, 1H, 4-CH), 7.20〜8.10 (19H, m, 芳香族).
【0169】
HPLC分析法
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
11.0分(3S,5S−4、R1=ベンゾイル、R4=フェニル)
11.1分(3R,5S−4、R1=ベンゾイル、R4=フェニル)
9.3分(3a、R1=ベンゾイル)
【実施例11】
【0170】
(R/S)−3−アセチル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=メチル)
【0171】
【化53】

下で、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(1.76g、5ミリモル)と15mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物にLHMDS(12.5mL、1.0M/テトラヒドロフラン、12.5ミリモル)を−10℃で添加し、生じた混合物を、次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に塩化アセチル(0.47g、6ミリモル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保持した後、反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで、有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル(20mL)を添加し、濾過し、濾液を濃縮して、(R/S)−3−アセチル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。(3S,5S)と(3R,5S)との比率はHPLCで測定すると70:30である。1HNMR (400MHz, CDCl3): 1.48(s, 9H, (CH3)3), 2.17(m, 1H, 3-CHH), 2.31(s, 3H, CH3), 2.42(m, 1H, 3CHH), 2.67(m, 1H, 5-CHH), 2.92(m, 1H, 5-CHH), 3.09(m, 1H, 2-CH), 4.38(m, 1H, 4-CH), 7.10〜7.80 (9H, m, 芳香族).
【0172】
HPLC分析法
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
9.3分(3S,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=メチル)
9.5分(3R,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=メチル)
9.2分(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)
【実施例12】
【0173】
(R/S)−3−イソブチリル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=イソプロピル)
【0174】
【化54】

下で、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(1.76g、5ミリモル)と15mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物に、LHMDS(12.5mL、1.0M/テトラヒドロフラン、12.5ミリモル)を−10℃で添加し、生じた混合物を、次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物にイソブチリルクロリド(0.64g、6ミリモル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保持した後、反応混合物を10mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで、有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル(20mL)を添加し、濾過し、濾液を濃縮して、(R/S)−3−イソブチリル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=イソプロピル)を得る。(3S,5S)と(3R,5S)との比率はHPLCで測定すると70:30である。1HNMR (400MHz, CDCl3): 1.03(d, 3H, CH3), 1.05(d, 3H, CH3),1.43(s, 9H, (CH3)3), 2.18(m, 1H, 3-CHH), 2.43(m, 1H, 3CHH), 2.70(m, 1H, CH), 2.67(m, 1H, 5-CHH), 2.92(m, 1H, 5-CHH), 3.09(m, 1H, 2-CH), 4.38(m, 1H, 4-CH), 7.10〜7.80 (9H, m, 芳香族).
【0175】
HPLC分析法
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
10.2分(3S,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=イソプロピル)
10.5分(3R,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=イソプロピル)
9.2分(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)
【実施例13】
【0176】
(R/S)−3−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=t−ブチル)
【0177】
【化55】

下で、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(1.76g、5ミリモル)と15mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物にLHMDS(12.5mL、1.0M/テトラヒドロフラン、12.5ミリモル)を−10℃で添加し、生じた混合物を、次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に2,2−ジメチル−プロピオニルクロリド(0.72g、6ミリモル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保持した後、反応混合物を10mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで、有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル(20mL)を添加し、濾過し、濾液を濃縮して、(R/S)−3−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=イソプロピル)を得る。(3S,5S)と(3R,5S)との比率はHPLCで測定すると80:20である。1HNMR (400MHz, CDCl3): 0.98(s, 9H, 3CH3), 1.52(s, 9H, (CH3)3), 2.19(m, 1H, 3-CHH), 2.42(m, 1H, 3CHH), 2.67(m, 1H, 5-CHH), 2.92(m, 1H, 5-CHH), 3.09(m, 1H, 2-CH), 4.38(m, 1H, 4-CH), 7.10〜7.80 (9H, m, 芳香族).
【0178】
HPLC分析法
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
10.3分(3S,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=イソプロピル)
10.5分(3R,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=イソプロピル)
9.2分(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)
【実施例14】
【0179】
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−イソブチリル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=イソプロピル)
【0180】
【化56】

【0181】
方法1
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=スチリル)(5.0g、14.2ミリモル)を15mLの無水トルエンに加熱溶解し、次いで水素化ナトリウム(0.8g、18.4ミリモル)を分割して添加し、窒素雰囲気下で30分間撹拌し、次いでイソ酪酸メチル(1.7g、15.6ミリモル、純度98%)を滴下添加する。反応混合物を、窒素下で一夜還流し、室温まで冷却し、NHCl飽和水溶液で反応を止め、トルエンで抽出する。合わせた抽出物を、NaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させる。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−イソブチリル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=イソプロピル)を得る。1HNMR (400MHz, CDCl3): 1.02 (m, 6H, C(CH3)2), 2.05 (m, 1H, 3-CHH), 2.46(m, 1H, 3-CHH), 2.97(m, 1H,5-CH2H), 3.10 (m, 1H, CH(CH3)2)), 3.17(m, 1H, 5-CH2H), 3.22(m, 1H, 2-CHH), 4.46(m, 1H, 4-CH), 6.10 ( d, 1 H, C=CHH), 7.21〜7.65 (15H, m, 芳香族 + C=CHH).
(3S,5S)と(3R,5S)との比率はHPLCで測定すると70:30である。
【0182】
方法2
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=スチリル)(2.0g、5.7ミリモル)を15mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、氷塩浴で−10〜−15℃まで冷却し、窒素雰囲気下でLiHMDS(14.2mL、14.2ミリモル、1M/テトラヒドロフラン)を滴下添加する。生じた混合物をこの温度で30分間撹拌し、次いでイソブチリルクロリド(820mg、6.8ミリモル)の無水テトラヒドロフラン(5mL)溶液を滴下添加し、温度を−5℃未満に保持し、1時間撹拌する。HNCl飽和水溶液で反応を止め、50mLの酢酸エチルを添加し、水相を分離し、NaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させて、(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−イソブチリル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=イソプロピル)を得る。これを次のステップでそのまま使用する。(3S,5S)と(3R,5S)との比率はHPLCで測定すると70:30である。分光データは、実施例14の方法1に記載の通りである。
【0183】
HPLC分析法(方法1および2)
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
10.7分(3S,5S−4、R1=スチリル、R4=イソプロピル)
11.1分(3R,5S−4、R1=スチリル、R4=イソプロピル)
9.5分(3a、R1=スチリル)
【実施例15】
【0184】
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=t−ブチル)
【0185】
【化57】

【0186】
方法1
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=スチリル)(5.0g、14.2ミリモル)を15mLの無水トルエンに加熱溶解し、次いで水素化ナトリウム(0.8g、18.4ミリモル)を分割して添加し、窒素雰囲気下で30分間撹拌し、次いでメチルトリメチル酢酸クロリド(1.9g、15.6ミリモル)を滴下添加する。反応混合物を窒素下で一夜還流し、室温まで冷却し、NHCl飽和水溶液で反応を止め、トルエンで抽出する。合わせた抽出物を、NaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=t−ブチル)を得る。1HNMR (400MHz, CDCl3): 1.02 (s, 9H, C(CH3)), 2.05 (m, 1H, 3-CHH), 2.46(m, 1H, 3-CHH), 2.97(m, 1H,5-CH2H), 3.17(m, 1H, 5-CH2H), 3.22(m, 1H, 2-CHH), 4.46(m, 1H, 4-CH), 6.15( d, 1 H, C=CHH), 7.21〜7.65 (15H, m, 芳香族 + C=CHH)。(3S,5S)と(3R,5S)との比率はHPLCで測定すると82:18である。
【0187】
方法2
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(3a、R1=スチリル)(2.0g、5.7ミリモル)を15mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、氷塩浴で−10〜−15℃まで冷却し、窒素雰囲気下でLiHMDS(14.2mL、14.2ミリモル、1M/テトラヒドロフラン)を滴下添加する。反応混合物をこの温度で30分間撹拌し、次いでイソブチリルクロリド(820mg、6.8ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(5mL)溶液として滴下添加し、温度を−5℃未満に保持し、1時間撹拌する。HNCl飽和水溶液で反応を止め、50mLの酢酸エチルを添加し、水相を分離し、NaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させて、(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=t−ブチル)を得る。これを次のステップでそのまま使用する。(3S,5S)と(3R,5S)との比率はHPLCで測定すると80:20である。分光データは、実施例15の方法1に記載の通りである。
【0188】
HPLC分析法(方法1および2)
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
10.7分(3S,5S−4、R1=スチリル、R4=t−ブチル)
11.1分(3R,5S−4、R1=スチリル、R4=t−ブチル)
9.5分(3a、R1=スチリル)
【実施例16】
【0189】
(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=ヒドロキシル)
【0190】
【化58】

ジイソプロピルアミン(2.4g、24.0ミリモル)の無水テトラヒドロフラン(20mL)溶液に、n−ブチルリチウム(8.8mL、22.0ミリモル、2.5M/ヘキサン)をN下に−10〜15℃で滴下添加し、この温度で1時間撹拌し、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(7.0g、20.0ミリモル)の無水テトラヒドロフラン(10mL)溶液を滴下添加し、1時間撹拌し、COを1時間導入し、HNCl飽和水溶液で反応を止め、酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=ヒドロキシル)を得る。1HNMR (400MHz, CDCl3): 1.59 (s, 1H, Boc), 1.85 (m, 1 H, 3CHH), 2.36 (m, 1H, 3CHH), 2.48(m, 1H, 5-CH2), 2.83(m, 1H, 5-CH2), 3.09 (m, 1H, 2-CH), 4.40 (m, 1H, 4-CH), 6.10( d, 1 H, C=CHH), 7.23〜7.56 (9H, m, 芳香族)。(3S,5S)と(3R,5S)との比率はHPLCで測定すると36:64である。
【0191】
HPLC分析法
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
8.0分(3S,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=ヒドロキシル)
8.1分(3R,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=ヒドロキシル)
9.2分(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)
【実施例17】
【0192】
(5R)−ビフェニル−4−イルメチル−1−(4−メトキシベンジル)−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=p−メトキシベンジル)
【0193】
【化59】

シスおよびトランスのジアステレオマーの混合物としての(3R/S)−ベンゾイル−(5S)−ビフェニル−4−イルメチル−1−(4−メトキシベンジル)ピロリジン−2−オン(4a、R1=p−メトキシベンジル、R4=フェニル)(700mg、1.47ミリモル)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、次いで水素化ナトリウム(60mg、1.47ミリモル、55%/鉱油)を0℃で添加する。15分間撹拌した後、パラホルムアルデヒド(66mg、2.2ミリモル)を添加し、反応混合物を30分間還流し、室温まで放冷する。NHCl(飽和水溶液)を添加した後、有機層を分離し、食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮して、(5R)−ビフェニル−4−イルメチル−1−(4−メトキシベンジル)−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=p−メトキシベンジル)を得る。1 H NMR (400MHz, CDCl3): 2.46-2.52 (m, 2H), 2.61-2.67 (m, 1H), 3.13-3.16 (m, 1H), 3.67-3.71 (m, 1H), 3.81 (s, 3H), 4.09 (d, J=14.8 Hz, 1H), 5.15 (d, J=14.8 Hz, 1H), 5.30 (1H, m), 6.02 (1H, m), 7.20〜7.58 (13H, m, 芳香族). MS (ESI, m/e) 384 (MH+).
【0194】
HPLC分析法
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
9.3分(1a、R1=p−メトキシベンジル)
【実施例18】
【0195】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)
【0196】
【化60】

【0197】
方法1
下で、水素化ナトリウム(55%/鉱油、0.23g、5.2ミリモル)と15mLのトルエンとの混合物に、(R/S)−3−ベンゾイル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)(1.82g、4ミリモル)のトルエン(5mL)溶液を0℃で添加し、次いで加熱還流する。パラホルムアルデヒド(0.25g、8ミリモル)を分割して添加し、2時間還流する。次いで、反応混合物を10mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで、有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル20mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮し、5:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。分光データはWO2009/090251中(実施例23の方法1)に報告されている通りである。
【0198】
方法2
5mLの乾燥テトラヒドロフラン中の(R/S)−3−ベンゾイル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)(0.455g、1ミリモル)、パラホルムアルデヒド(60mg、2ミリモル)、塩化リチウム(85mg、2ミリモル)およびジイソプロピルエチルアミン(0.168g、1.3ミリモル)の混合物を2時間加熱還流した。次いで、反応混合物を、5mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで、有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル10mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮し、5:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。分光データはWO2009/090251中(実施例23の方法1)に報告されている通りである。
【0199】
方法3
5mLの乾燥テトラヒドロフラン中の(R/S)−3−ベンゾイル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)(0.455g、1ミリモル)、パラホルムアルデヒド(60mg、2ミリモル)、およびKOBu(0.148g、1.3ミリモル)の混合物を2時間加熱還流した。次いで、反応混合物を、5mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで、有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル10mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮し、5:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。分光データはWO2009/090251中(実施例23の方法1)に報告されている通りである。
【0200】
方法4
5mLの乾燥テトラヒドロフラン中の(R/S)−3−ベンゾイル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)(0.455g、1ミリモル)、パラホルムアルデヒド(60mg、2ミリモル)、LiCl(85mg、2ミリモル)およびDBU(0.2g、1.3ミリモル)の混合物を2時間加熱還流した。次いで、反応混合物を、5mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで、有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル10mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮し、5:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。分光データはWO2009/090251中(実施例23の方法1)に報告されている通りである。
【0201】
方法5
5mLの乾燥テトラヒドロフラン中の(R/S)−3−ベンゾイル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)(0.455g、1ミリモル)、ホルムアルデヒド(37%水溶液、0.24g、3ミリモル)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(6.5mg、0.01ミリモル)およびKCO(0.28g、1.3ミリモル、1mLの水に溶解して)の混合物を50℃まで加熱し、2時間撹拌した。次いで、反応混合物を、5mLの食塩水で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで、有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル10mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮し、5:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。分光データはWO2009/090251中(実施例23の方法1)に報告されている通りである。
【0202】
方法6
5mLの乾燥DME中の(R/S)−3−ベンゾイル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)(0.455g、1ミリモル)、パラホルムアルデヒド(60mg、2ミリモル)、およびカリウム−tert−ブトキシド(0.148g、1.3ミリモル)の混合物を20℃で2時間撹拌する。次いで、反応混合物を、5mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで、有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル10mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮し、5:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。分光データはWO2009/090251中(実施例23の方法1)に報告されている通りである。
【実施例19】
【0203】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)
【0204】
【化61】

10mLの乾燥テトラヒドロフラン中の(R/S)−3−アセチル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=メチル)(0.79g、2ミリモル)、ホルムアルデヒド(37%水溶液、0.49g、6ミリモル)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(26mg、0.1ミリモル)およびKCO(0.55g、1.3ミリモル、2mLの水に溶解して)を、50℃まで加熱し、2時間撹拌した。次いで、反応混合物を10mLの食塩水で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで、有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル20mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮し、5:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。分光データはWO2009/090251中(実施例23の方法1)に報告されている通りである。
【実施例20】
【0205】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)
【0206】
【化62】

10mLの乾燥テトラヒドロフラン中の(R/S)−3−イソブチリル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=イソプロピル)(0.84g、2ミリモル)、ホルムアルデヒド(37%水溶液、0.49g、6ミリモル)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(26mg、0.1ミリモル)およびKCO(0.55g、1.3ミリモル、2mLの水に溶解して)を、50℃まで加熱し、2時間撹拌した。次いで、反応混合物を10mLの食塩水で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで、有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル20mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮し、5:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。分光データはWO2009/090251中(実施例23の方法1)に報告されている通りである。
【実施例21】
【0207】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)
【0208】
【化63】

10mLの乾燥テトラヒドロフラン中の(R/S)−3−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=t−ブチル)(0.87g、2ミリモル)、ホルムアルデヒド(37%水溶液、0.49g、6ミリモル)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(26mg、0.1ミリモル)およびKCO(0.55g、1.3ミリモル、2mLの水に溶解して)を、50℃まで加熱し、2時間撹拌した。次いで、反応混合物を10mLの食塩水で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで、有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル20mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮し、5:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。分光データはWO2009/090251中(実施例23の方法1)に報告されている通りである。
【実施例22】
【0209】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−ピロリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン(1a、R1=ピロリジニルメチル)
【0210】
【化64】

5mLの乾燥テトラヒドロフラン中の(R/S)−3−ベンゾイル−(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−ピロリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン(4a、R1=ピロリジニルメチル、R4=フェニル)(0.44g、1ミリモル)、ホルムアルデヒド(37%水溶液、0.24g、3ミリモル)、TBAH(6.5mg、0.01ミリモル)およびKCO(0.28g、1.3ミリモル、1mLの水に溶解して)を、50℃まで加熱し、2時間撹拌した。次いで、反応混合物を5mLの食塩水で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで、有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル10mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮し、5:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−ピロリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン(1a、R1=ピロリジニルメチル)を得る。1HNMR (400MHz,CDCl3): 1.68 (m, 4H, 2xCH2CH2), 2.06(m, 1H, 3-CHH), 2.31(m, 1H, 3-CHH),2.51 (m, 4H, 2xNCH2), 2.67(d, 1H, 5-CHH), 2.65(dd, 1H, N-CHH), 3.15 (dd, 1H, N-CHH), 2.92 (d, 1H, 5-CHH), 4.01(m, 1H, 4-CH), 5.54(d, 1H, =CHH), 6.02(d, 1H, =CHH),7.20-7.80(14H, m, 芳香族).
【0211】
HPLC分析法
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);10分(95%B);15分(95%B)。流速:0.7mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
8.1分(1a、R1=ピロリジニルメチル)。
【実施例23】
【0212】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)
【0213】
【化65】

【0214】
方法1
(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン)(4a、R1=スチリル、R4=フェニル)(0.50g、1.1ミリモル)を2mLの無水トルエンに溶解し、水素化ナトリウム(65mg、1.5ミリモル)を分割して、次いでパラホルムアルデヒド(66mg、2.2ミリモル)を一度に添加し、生じる混合物を窒素雰囲気下で4時間加熱還流する。反応混合物を、室温まで冷却し、次いでHNCl飽和水溶液で反応を止め、トルエンで抽出する。有機抽出物をNaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させて、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)を得る。これはそのまま次のステップで使用できる。1HNMR (400MHz, CDCl3): 2.68 (m, 2H, 3-CHH+ 5-CH2H), 2.81(m, 1H, 3-CHH), 3.28 (m, 1H, 5-CH2H), 4.32(m, 1H, 4-CH), 5.35 (s, 1H, C=CHH), 6.04 (s, 1H, C=CHH), 6.23 (d, 1H, C=CHH), 7.21〜7.72(m, 15H, 芳香族 + C=CHH).
【0215】
方法2
(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン)(4a、R1=スチリル、R4=フェニル)(0.50g、1.1ミリモル)を2mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、カリウムtert−ブトキシド(161mg、1.4ミリモル)およびパラホルムアルデヒド(66mg、2.2ミリモル)を一度に添加し、生じる混合物を窒素雰囲気下で2時間加熱還流する。反応混合物を、室温まで冷却し、15mLの水を添加し、トルエンで抽出する。有機抽出物をNaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させて粗生成物を得る。これを、カラムクロマトグラフィーで精製して(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)を得る。分光データは実施例23の方法1に記載の通りである。
【0216】
方法3
(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン)(4a、R1=スチリル、R4=フェニル)(0.50g、1.1ミリモル)を2mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、カリウムtert−ブトキシド(161mg、1.4ミリモル)およびパラホルムアルデヒド(66mg、2.2ミリモル)を一度に添加し、生じる混合物を窒素雰囲気下で一夜撹拌する。反応混合物に15mLの水を添加し、トルエンで抽出する。有機抽出物をNaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させる。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)を得る。分光データは実施例23の方法1に記載の通りである。
【0217】
方法4
(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン)(4a、R1=スチリル、R4=フェニル)(0.50g、1.1ミリモル)を2mLのメタノールに溶解し、モルホリン(125mg、1.4ミリモル)およびパラホルムアルデヒド(66mg、2.2ミリモル)を一度に添加し、窒素雰囲気下で2時間還流する。反応混合物に10mLの5%HCl水を添加し、トルエンで抽出する。有機抽出物をNaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させる。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)を得る。分光データは実施例23の方法1に記載の通りである。
【0218】
方法5
(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=フェニル)(54.3g、118.8ミリモル)を120mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、パラホルムアルデヒド(4.28mg、142.6ミリモル)、iPrNEt(20.0g,154.5ミリモル)および無水塩化リチウム(2.56g、59.4ミリモル)を添加し、窒素雰囲気下で2時間還流する。反応混合物を室温まで冷却し、200mLのトルエンを添加し、5%HCl水、NaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させて、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)を得る。分光データは実施例23の方法1に記載の通りである。
【0219】
方法6
(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=フェニル)1.0g、2.2ミリモル)を5mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、パラホルムアルデヒド(80mg、2.6ミリモル)、トリエチルアミン(288mg、2.8ミリモル)および無水塩化リチウム(186mg、4.4ミリモル)を添加し、窒素雰囲気下で一夜還流する。反応混合物を室温まで冷却し、20mLのトルエンを添加し、5%HCl水、NaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させて、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)を得る。分光データは実施例23の方法1に記載の通りである。
【0220】
方法7
(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=フェニル)(1.0g、2.2ミリモル)を5mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、パラホルムアルデヒド(80mg、2.6ミリモル)、DBU(434mg、2.8ミリモル)および無水塩化リチウム(186mg、4.4ミリモル)を添加し、窒素雰囲気下で一夜還流する。反応混合物を室温まで冷却し、20mLのトルエンを添加し、5%HCl水、NaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させて、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)を得る。分光データは実施例23の方法1に記載の通りである。
【0221】
方法8
(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=フェニル)(1.0g、2.2ミリモル)を5mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、37%ホルムアルデヒド水溶液(0.36mL、4.4ミリモル)、1M KCO水溶液(4.4m、4.4ミリモル)およびn−BuNOH(12mg、0.05ミリモル)を添加し、40℃に2時間加熱する。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで抽出し、抽出物をNaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)を得る。分光データは実施例23の方法1に記載の通りである。
【0222】
方法9
(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=フェニル)(1.0g、2.2ミリモル)を5mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、iPrNEt(370mg、2.8ミリモル)、無水塩化リチウム(49mg、1.1ミリモル)および無水NaSO(260mg、2.2ミリモル)を添加し、窒素雰囲気下で30分間還流し、次いでパラホルムアルデヒド(80mg、2.7ミリモル)を添加し、窒素雰囲気下で2時間還流する。反応混合物を室温まで冷却し、20mLのトルエンおよび10mLの5%HCl水を添加し、水相を分離し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)を得る。分光データは実施例23の方法1に記載の通りである。
【0223】
方法10
(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=フェニル)(1.0g、2.2ミリモル)を5mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、iPrNEt(370mg、2.8ミリモル)、無水塩化リチウム(49mg、1.1ミリモル)および無水MgSO(260mg、2.2ミリモル)を添加し、窒素雰囲気下で30分間還流し、次いでパラホルムアルデヒド(80mg、2.7ミリモル)を添加し、窒素雰囲気下で2時間還流する。反応混合物を室温まで冷却し、20mLのトルエンおよび10mLの5%HCl水を添加し、水相を分離し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)を得る。
【0224】
方法11
(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=スチリル、R4=フェニル)(10.0g、21.9ミリモル)を50mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、iPrNEt(3.7g、28.5ミリモル)、無水塩化リチウム(490mg、11.0ミリモル)およびモレキュラーシーブ(2.0g)を添加し、窒素雰囲気下で30分間還流し、次いでパラホルムアルデヒド(790mg、26.3ミリモル)を添加し、窒素雰囲気下で2時間還流する。反応混合物を室温まで冷却し、100mLのトルエンを添加し、濾過してモレキュラーシーブを除去し、濾液を5%HCl水(50mL×2)、NaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で濃縮して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)を得て、これを次のステップでそのまま使用する。分光データは実施例23の方法1に記載の通りである。
【0225】
HPLC分析法(方法1〜11)
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
10.2分(1a、R1=スチリル)。
【実施例24】
【0226】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−ブタ−1−エニル)−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=1−ブテニル)
【0227】
【化66】

【0228】
方法1
水素化ナトリウム(2.03g、46.3ミリモル)の無水トルエン(40mL)懸濁液を氷浴で0℃まで冷却し、これに、(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−ブタ−1−エニル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=1−ブテニル、R4=フェニル)(14.7g、35.7ミリモル)の無水トルエン溶液を滴下添加し、30分間撹拌し、次いでパラホルムアルデヒド(2.2g、71.4ミリモル)を分割して添加し、窒素雰囲気下で4時間加熱還流し、室温まで冷却し、NHCl飽和水溶液で反応を止め、トルエンで抽出する。合わせた有機抽出物を、NaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濃縮して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−ブタ−1−エニル)−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=1−ブテニル)を得る。1HNMR (400MHz, CDCl3): 1.07 (t, 3H, CH3H), 2.12(m, 2H, CH2H), 2.57(m, 2 H, 3-CH2), 2.65(m, 1H, 5-CH2), 3.16(m, 1H, 5-CH2), 4.14(m, 1H, 4-CH), 5.22 (s, 1 H, C=CHH), 5.27 (m, 1H, CH=CH), 5.91( d, 1 H, HC=CHH), 6.85 (d, 1H, HC=CH-N), 7.14〜7.51 (9H, m, 芳香族).
【0229】
方法2
(S)−3−ベンゾイル−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−ブタ−1−エニル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=1−ブテニル、R4=フェニル)(5.5g、13.2ミリモル)のテトラヒドロフラン(25mL)溶液に、1M KCO水溶液(26.4mL、26.4ミリモル)、37%CHO水溶液(2.2mL、26.4ミリモル)およびn−BuNOH(0.4mL、0.7ミリモル)を添加し、N下で45℃まで2時間加熱し、室温まで冷却し、トルエンで抽出し、合わせた有機層を、5%HCl水、NaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、溶媒を蒸発させる。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−ブタ−1−エニル)−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=1−ブテニル)を得る。分光データは実施例24の方法1に記載の通りである。
【0230】
HPLC分析法(方法1および2)
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
9.9分(1a、R1=1−ブテニル)。
【実施例25】
【0231】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)
【0232】
【化67】

(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−イソブチリル−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=イソプロピル)(2.5g、6.2ミリモル)を10mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、iPrNEt(1.1g、8.2ミリモル)、無水LiCl(140mg、3.2ミリモル)およびモレキュラーシーブ(0.5g)を添加し、混合物を窒素雰囲気下で30分間還流し、次いでパラホルムアルデヒド(230mg、7.6ミリモル)を一度に添加し、2時間還流し、室温まで冷却し、50mLのトルエンを添加し、濾過し、濾液を10%HCl水、NaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)を得る。分光データは実施例23の方法1に記載の通りである。
【実施例26】
【0233】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)
【0234】
【化68】

(S)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=t−ブチル)(2.7g、6.2ミリモル)を10mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、iPrNEt(1.1g、8.2ミリモル)、無水LiCl(140mg、3.2ミリモル)およびモレキュラーシーブ(0.5g)を添加し、混合物を窒素雰囲気下で30分間還流し、次いでパラホルムアルデヒド(230mg、7.6ミリモル)を一度に添加し、2時間還流し、室温まで冷却し、50mLのトルエンを添加し、濾過し、濾液を10%HCl水、NaCO飽和水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)を得る。分光データは実施例23の方法1に記載の通りである。
【実施例27】
【0235】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)
【0236】
【化69】

ビフェニル−4−イルメチル−2−オキソ−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=ヒドロキシル)(3.95g、10.0ミリモル)を10mLのメタノールに溶解し、パラホルムアルデヒド(0.60g、20.0ミリモル)およびモルホリン(1.05g、12.0ミリモル)を添加し、混合物を窒素雰囲気下で2時間加熱還流し、室温まで冷却し、真空下で溶媒を蒸発させる。残留物を50mLの酢酸エチルに溶解し、1%HCl水、10%炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。1HNMR (400MHz,CDCl3): 1.62(s, 9H, (CH3)3), 2.56(m, 1H, 3-CHH), 2.60(m, 1H, 3CHH), 2.70(d, 1H, 5-CHH), 3.26(d, 1H, 5-CHH), 4.43(m, 1H, 4-CH), 5.45(d, 1H, C=CHH), 6.17(d, 1H, C=CHH), 7.20〜7.60 (9H, m, 芳香族); m/z (+ESI) 381([MNa]+, 7%), 364([MH]+, 12), 308(100), 264(10).
【0237】
HPLC分析法
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速:1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
9.7分(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)。
【実施例28】
【0238】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)
【0239】
【化70】

【0240】
方法1
下で、HMDS(24.2g、0.15モル)と300mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物にn−ブチルリチウム(56mL、2.5M/ヘキサン、0.14モル)を−10℃で添加し、生じた混合物を、次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(35.1g、0.1モル)と50mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物を−10℃で添加し、約30分後に、反応混合物にn−ブチルリチウム(40mL、2.5M/ヘキサン、0.1モル)を−10℃で添加し、生じる混合物を、次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に塩化ベンゾイル(15.5g、0.11モル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保った後、反応混合物を100mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。残っている有機相に、ホルムアルデヒド(37%水溶液、24.3g、0.3モル)、KCO水溶液(水100mLに27.6g、0.2モル)およびテトラブチル−アンモニウム−ヒドロキシド溶液(40%水溶液、1.3g、5ミリモル)を添加し、50℃まで加熱し、2時間撹拌する。次いで、反応混合物を100mLの食塩水で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル200mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。粗の(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を、3:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製する。1HNMR (400MHz,CDCl3): 1.62(s, 9H, (CH3)3), 2.56(m, 1H, 3-CHH), 2.60(m, 1H, 3CHH), 2.70(d, 1H, 5-CHH), 3.26(d, 1H, 5-CHH), 4.43(m, 1H, 4-CH), 5.45(d, 1H, C=CHH), 6.17(d, 1H, C=CHH), 7.20〜7.60 (9H, m, 芳香族). ; m/z (+ESI) 381([MNa]+, 7%), 364([MH]+, 12), 308(100), 264(10)。中間体(3S,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)と(3R,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)との比率はHPLCで分析すると70:30である。
【0241】
方法2
下で、ジイソプロピルアミン(14.2g、0.15モル)と300mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物にn−ブチルリチウム(56mL、2.5M/ヘキサン、0.14モル)を−10℃で添加し、生じる混合物を、次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(35.1g、0.1モル)と50mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物を−10℃で添加し、約30分後に、反応混合物にn−ブチルリチウム(40mL、2.5M/ヘキサン、0.1モル)を−10℃で添加し、生じる混合物を、次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に塩化ベンゾイル(15.5g、0.11モル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保った後、反応混合物を100mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。残っている有機相に、ホルムアルデヒド(37%水溶液、24.3g、0.3モル)、KCO水溶液(水100mLに27.6g、0.2モル)およびテトラブチル−アンモニウム−ヒドロキシド溶液(40%水溶液、1.3g、5ミリモル)を添加し、50℃まで加熱し、2時間撹拌する。次いで、反応混合物を100mLの食塩水で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル200mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。粗の(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を、3:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製することができる。中間体(3S,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)と(3R,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)との比率は、HPLCで分析すると70:30である。分光データは実施例28の方法1に記載の通りである。
【0242】
方法3
下で、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(3.51g、10ミリモル)と20mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物に、LHMDS(25mL、1.0M/テトラヒドロフラン、25ミリモル)を−10℃で添加し、生じる混合物を、次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に、反応混合物に塩化ベンゾイル(1.55g、11ミリモル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保った後、反応混合物を15mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。残っている有機相に、ホルムアルデヒド(37%水溶液、2.43g、0.03モル)、KCO水溶液(水10mLに2.76g、0.02モル)およびテトラブチル−アンモニウム−ヒドロキシド溶液(40%水溶液、0.13g、0.5ミリモル)を添加し、50℃まで加熱し、2時間撹拌する。次いで、反応混合物を15mLの食塩水で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル20mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。粗の(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を、3:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製することができる。中間体(3S,5S−4a、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=ベンジル)と(3R,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)との比率は、HPLCで分析すると70:30である。分光データは実施例28の方法1に記載の通りである。
【0243】
方法4
下で、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(3.51g、10ミリモル)と20mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物に、LDA(25mL、1.0M/テトラヒドロフラン、25ミリモル)を−10℃で添加し、生じる混合物を、次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に、塩化ベンゾイル(1.55g、11ミリモル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保った後、反応混合物を15mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。残っている有機相に、ホルムアルデヒド(37%水溶液、2.43g、0.03モル)、KCO水溶液(水10mLに2.76g、0.02モル)およびテトラブチル−アンモニウム−ヒドロキシド溶液(40%水溶液、0.13g、0.5ミリモル)を添加し、50℃まで加熱し、2時間撹拌する。次いで、反応混合物を15mLの食塩水で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル20mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。粗の(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を、3:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製することができる。中間体(3S,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)と(3R,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)との比率は、HPLCで分析すると70:30である。分光データは実施例28の方法1に記載の通りである。
【0244】
HPLC分析法(方法1〜4)
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
9.7分(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)。
【実施例29】
【0245】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)
【0246】
【化71】

下で、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(1.76g、5ミリモル)と15mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物に、LHMDS(12.5mL、1.0M/テトラヒドロフラン、12.5ミリモル)を−10℃で添加し、生じる混合物を、次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に、塩化アセチル(0.47g、6ミリモル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保持した後、反応混合物を10mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。残っている有機相に、ホルムアルデヒド(37%水溶液、1.2g、15ミリモル)、KCO水溶液(水5mLに1.4g、0.01モル)およびテトラブチル−アンモニウム−ヒドロキシド溶液(40%水溶液、0.06g、0.25ミリモル)を添加し、50℃まで加熱し、2時間撹拌する。次いで、反応混合物を10mLの食塩水で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル20mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。粗の(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を、3:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製することができる。中間体(3S,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=メチル)と(3R,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=メチル)との比率は、HPLCで分析すると70:30である。分光データは実施例28の方法1に記載の通りである。
【実施例30】
【0247】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)
【0248】
【化72】

下で、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(1.76g、5ミリモル)と15mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物に、LHMDS(12.5mL、1.0M/テトラヒドロフラン、12.5ミリモル)を−10℃で添加し、生じる混合物を、次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に、2,2−ジメチル−プロピオニルクロリド(0.72g、6ミリモル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保持した後、反応混合物を10mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。残っている有機相に、ホルムアルデヒド(37%水溶液、1.2g、15ミリモル)、KCO水溶液(水5mLに1.4g、0.01モル)およびテトラブチル−アンモニウム−ヒドロキシド溶液(40%水溶液、0.06g、0.25ミリモル)を添加し、50℃まで加熱し、2時間撹拌する。次いで、反応混合物を10mLの食塩水で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル20mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。粗の(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を、3:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製することができる。中間体(3S,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=t−ブチル)と(3R,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=t−ブチル)との比率は、HPLCで分析すると80:20である。分光データは実施例28の方法1に記載の通りである。
【実施例31】
【0249】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)
【0250】
【化73】

下で、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(1.76g、5ミリモル)と15mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物に、LHMDS(12.5mL、1.0M/テトラヒドロフラン、12.5ミリモル)を−10℃で添加し、生じる混合物を、次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に、イソブチリルクロリド(0.64g、6ミリモル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保持した後、反応混合物を10mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。残っている有機相に、ホルムアルデヒド(37%水溶液、1.2g、15ミリモル)、KCO水溶液(水5mLに1.4g、0.01モル)およびテトラブチル−アンモニウム−ヒドロキシド溶液(40%水溶液、0.06g、0.25ミリモル)を添加し、50℃まで加熱し、2時間撹拌する。次いで、反応混合物を10mLの食塩水で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去し、次いで有機相を真空で濃縮する。酢酸エチル20mLを添加し、濾過し、濾液を濃縮して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を得る。粗の(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−2−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1a、R1=t−ブトキシカルボニル)を、3:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製することができる。中間体(3S,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=イソプロピル)と(3R,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=イソプロピル)との比率は、HPLCで分析すると70:30である。分光データは実施例28の方法1に記載の通りである。
【実施例32】
【0251】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−ピロリドン−2−オン(1a、R1=H)
【0252】
【化74】

(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−ピロリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン(1a、R1=ピロリジニルメチル)(0.35g、1ミリモル)を、酢酸と濃塩酸との混合物(10mL、比率1:1)と混合し、還流下に約3時間撹拌する。次いで、溶液を真空下で濃縮し、残留物を、1:1のヘプタン/酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−ピロリドン−2−オン(1a、R1=H)を得る。1HNMR (400MHz,CDCl3): 2.58 (m, 1H, 3-CHH), 2.76 (m, 1H, 3CHH), 2.90 (dd, 1H, 5-CHH), 2.99 (dd, 1H, 5-CHH), 3.92 (m, 1H, 4-CH), 5.37 (d, 1H, C=CHH), 6.01 (d, 1H, C=CHH), 7.20〜7.60 (9H, m, 芳香族).
【0253】
HPLC分析法
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
6.7分(1a、R1=H)。
【実施例33】
【0254】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−ブタ−1−エニル)−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=H)
【0255】
【化75】

(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−ブタ−1−エニル)−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=1−ブテニル)(11.5g、35.6ミリモル)を100mLのトルエンに溶解し、35mLの濃塩酸を添加し、N下に5時間還流し、室温まで冷却し、水相を分離し、炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で濃縮する。残留物をトルエン/tert−ブチルメチルエーテル(1:3〜1:4)から再結晶して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−1−((E)−ブタ−1−エニル)−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=H)を得る。分光データは実施例32に記載の通りである。
【実施例34】
【0256】
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=H)
【0257】
【化76】

【0258】
方法1
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)(1.0g、2.7ミリモル)を10mLのエタノールに溶解し、濃塩酸(5mL)を添加し、窒素雰囲気下で一夜還流する。反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮し、残留物をトルエンで抽出し、有機相をNaSO飽和水溶液、NaCO水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させて、粗生成物を得る。これをトルエン/tert−ブチルメチルエーテル(1:3〜1:4)から再結晶して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=H)を得る。1HNMR (400MHz, CDCl3): 2.56 (m, 1H, 3-CHH), 2.77 (m, 1H, 5-CHH), 2.89 (m, 1H, 5-CHH), 3.03 (m, 1H, 3-CHH), 3.92(m, 1H, 4-CH), 5.36 (s, 1H, C=CHH), 6.01(s, 1H, C=CHH), 6.32 (s, 1H, NHH), 7.24〜7.58(m, 9H, 芳香族).
【0259】
方法2
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)(1.0g、2.7ミリモル)を10mLのトルエンに溶解し、濃塩酸(5mL)を添加し、窒素雰囲気下で一夜還流する。反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮し、残留物をトルエンで抽出し、有機相をNaSO飽和水溶液、NaCO水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させる。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=H)を得る。分光データは実施例34の方法1に記載の通りである。
【0260】
方法3
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)(1.0g、2.7ミリモル)を10mLのエタノールに溶解し、濃HSO(1mL)を添加し、窒素雰囲気下で一夜還流する。反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮し、残留物を20mLのトルエンに溶解し、有機相をNaSO飽和水溶液、NaCO水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させる。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=H)を得る。分光データは実施例34の方法1に記載の通りである。
【0261】
方法4
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)(1.0g、2.7ミリモル)を10mLの酢酸に溶解し、1mLの水を添加し、窒素雰囲気下で一夜還流する。反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮し、残留物を20mLのトルエンに溶解し、NaSO飽和水溶液、NaCO水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させる。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=H)を得る。分光データは実施例34の方法1に記載の通りである。
【0262】
方法5
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)(1.0g、2.7ミリモル)を10mLのTFAに溶解し、1mLの水を添加し、窒素雰囲気下で一夜還流する。反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮し、残留物を20mLのトルエンに溶解し、NaSO飽和水溶液、NaCO水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させる。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=H)を得る。分光データは実施例34の方法1に記載の通りである。
【0263】
方法5
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)(1.0g、2.7ミリモル)を10mLのTFAに溶解し、1mLの水を添加し、窒素雰囲気下で一夜還流する。反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮し、残留物を20mLのトルエンに溶解し、NaSO飽和水溶液、NaCO水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させる。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=H)を得る。分光データは実施例34の方法1に記載の通りである。
【0264】
方法6
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)(1.0g、2.7ミリモル)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、1mLのメタンスルホン酸および1mLの水を添加し、窒素雰囲気下で一夜還流する。反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮し、残留物を20mLのトルエンに溶解し、NaSO飽和水溶液、NaCO水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させる。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=H)を得る。分光データは実施例34の方法1に記載の通りである。
【0265】
方法7
(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−1−((E)−スチリル)−ピロリジン−2−オン(1a、R1=スチリル)(10.0g、27ミリモル)を30mLの無水トルエンに溶解し、TsOH・HO(6.2g,32.4ミリモル)を添加し、窒素雰囲気下で一夜還流する。反応混合物を室温まで冷却し、100mLのトルエンを添加する。有機相をNaSO飽和水溶液、NaCO水溶液および食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させて粗生成物を得る。これを、トルエン/tert−ブチルメチルエーテル(1:3〜1:4)から再結晶して、(R)−5−ビフェニル−4−イルメチル−3−メチレン−ピロリジン−2−オン(1a、R1=H)を得る。分光データは実施例34の方法1に記載の通りである。
【0266】
HPLC分析法(方法1〜7)
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
6.7分(1a、R1=H)。
【実施例35】
【0267】
(R)−5−ビフェニル−4−イル−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチレンペンタン酸
【0268】
【化77】

【0269】
方法1
下で、HMDS(24.2g、0.15モル)と300mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物にn−ブチルリチウム(56mL、2.5M/ヘキサン、0.14モル)を−10℃で添加し、生じる混合物を次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(35.1g、0.1モル)と50mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物を−10℃で添加し、約30分後に、反応混合物にn−ブチルリチウム(40mL、2.5M/ヘキサン、0.1モル)を−10℃で添加し、次いで、生じる混合物を−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に塩化ベンゾイル(15.5g、0.11モル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保持した後、反応混合物を100mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。残っている有機層に、ホルムアルデヒド(37%水溶液、24.3g、0.3モル)、KCO水溶液(水100mLに27.6g、0.2モル)およびテトラブチル−アンモニウム−ヒドロキシド溶液(40%水溶液、1.3g、5ミリモル)を添加し、50℃まで加熱し、2時間撹拌する。次いで、反応混合物を100mLの食塩水で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。残っている有機相に水酸化リチウム一水和物水溶液(水100mLに15g、0.36モル)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(0.32g、1ミリモル)を添加し、室温で2時間撹拌する。次いで、pHを3.0〜4.0に設定するため約50gの85%リン酸を添加する。次いで、100mLのトルエンおよび100mLの食塩水を添加する。相を分離した後、真空下で濃縮する。残留物を200mLのアセトニトリルに80℃で溶解し、熱時(80℃)に濾過して無機塩を除去し、0℃まで冷却すると結晶化が起こり、3時間放置し、結晶を濾過により捕集し、50mLのアセトニトリルで洗浄し、真空下に50℃で乾燥して、(R)−5−ビフェニル−4−イル−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチレンペンタン酸を得る。1HNMR (400MHz, DMSO): 1.27(s, 9H, (CH3)3), 2.26(m, 1H, 3-CHH), 2.49(m, 1H, 3CHH), 2.71(d, 1H, 5-CH2), 3.85(m, 1H, 4-CH), 5.60(s, 1H, C=CHH), 6.05(s, 1H, C=CHH), 6.65(d, 1H, NH), 7.20〜7.70 (9H, m, 芳香族), 12.34(s, 1H, COOH).中間体(3S,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)と(3R,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)との比率はHPLCで測定すると70:30である。分光データは実施例35の方法1に記載の通りである。
【0270】
方法2
下で、ジイソプロピルアミン(14.2g、0.15モル)と300mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物にn−ブチルリチウム(56mL、2.5M/ヘキサン、0.14モル)を−10℃で添加し、生じる混合物を次いで−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(35.1g、0.1モル)と50mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物を−10℃で添加し、約30分後に、反応混合物にn−ブチルリチウム(40mL、2.5M/ヘキサン、0.1モル)を−10℃で添加し、次いで、生じる混合物を−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に塩化ベンゾイル(15.5g、0.11モル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保持した後、反応混合物を100mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。残っている有機層に、ホルムアルデヒド(37%水溶液、24.3g、0.3モル)、KCO水溶液(水100mLに27.6g、0.2モル)およびテトラブチル−アンモニウム−ヒドロキシド溶液(40%水溶液、1.3g、5ミリモル)を添加し、50℃まで加熱し、2時間撹拌する。次いで、反応混合物を100mLの食塩水で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。残っている有機相に水酸化リチウム一水和物水溶液(水100mLに15g、0.36モル)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(0.32g、1ミリモル)を添加し、室温で2時間撹拌する。次いで、pHを3.0〜4.0に設定するため約50gの85%リン酸を添加する。次いで、100mLのトルエンおよび100mLの食塩水を添加する。相を分離した後、真空下で濃縮する。残留物を200mLのアセトニトリルに80℃で溶解し、熱時(80℃)に濾過して無機塩を除去し、0℃まで冷却すると結晶化が起こり、3時間放置し、結晶を濾過により捕集し、50mLのアセトニトリルで洗浄し、真空下に50℃で乾燥して、(R)−5−ビフェニル−4−イル−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチレンペンタン酸を得る。中間体(3S,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)と(3R,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)との比率はHPLCで測定すると70:30である。分光データは実施例35の方法1に記載の通りである。
【0271】
方法3
下で、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(3.51g、10ミリモル)と20mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物にLHMDS(25mL、1.0M/テトラヒドロフラン、25ミリモル)を−10℃で添加し、次いで、生じる混合物を−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に、塩化ベンゾイル(1.55g、11ミリモル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保持した後、反応混合物を15mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。残っている有機相に、ホルムアルデヒド(37%水溶液、2.43g、0.03モル)、KCO水溶液(水10mLに2.76g、0.02モル)およびテトラブチル−アンモニウム−ヒドロキシド溶液(40%水溶液、0.13g、0.5ミリモル)を添加し、50℃まで加熱し、2時間撹拌する。次いで、反応混合物を15mLの食塩水で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。残っている有機相に水酸化リチウム一水和物水溶液(水10mLに1.5g、0.036モル)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(32mg、0.1ミリモル)を添加し、室温で2時間撹拌する。次いで、pHを3.0〜4.0に設定するため約5gの85%リン酸を添加する。次いで、15mLのトルエンおよび15mLの食塩水を添加する。相を分離した後、真空下で濃縮する。残留物を20mLのアセトニトリルに80℃で溶解し、熱時(80℃)に濾過して無機塩を除去し、0℃まで冷却すると結晶化が起こり、3時間放置し、結晶を濾過により捕集し、5mLのアセトニトリルで洗浄し、真空下に50℃で乾燥して、(R)−5−ビフェニル−4−イル−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチレンペンタン酸を得る。中間体(3S,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)と(3R,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)との比率はHPLCで測定すると70:30である。分光データは実施例35の方法1に記載の通りである。
【0272】
方法4
下で、(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(3.51g、10ミリモル)と20mLの乾燥テトラヒドロフランとの混合物にLDA(25mL、1.0M/テトラヒドロフラン、25ミリモル)を−10℃で添加し、次いで、生じる混合物を−10℃で30分間撹拌する。反応混合物に、塩化ベンゾイル(1.55g、11ミリモル)を−10℃で添加し、−10℃で約1時間保持した後、反応混合物を15mLの塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。残っている有機相に、ホルムアルデヒド(37%水溶液、2.43g、0.03モル)、KCO水溶液(水10mLに2.76g、0.02モル)およびテトラブチル−アンモニウム−ヒドロキシド溶液(40%水溶液、0.13g、0.5ミリモル)を添加し、50℃まで加熱し、2時間撹拌する。次いで、反応混合物を15mLの食塩水で希釈し、15分間撹拌し、撹拌を止め、下の水層を除去する。残っている有機相に水酸化リチウム一水和物水溶液(水10mLに1.5g、0.036モル)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(32mg、0.1ミリモル)を添加し、室温で2時間撹拌する。次いで、pHを3.0〜4.0に設定するため約5gの85%リン酸を添加する。次いで、15mLのトルエンおよび15mLの食塩水を添加する。相を分離した後、真空下で濃縮する。残留物を20mLのアセトニトリルに80℃で溶解し、熱時(80℃)に濾過して無機塩を除去し、0℃まで冷却すると結晶化が起こり、3時間放置し、結晶を濾過により捕集し、5mLのアセトニトリルで洗浄し、真空下に50℃で乾燥して、(R)−5−ビフェニル−4−イル−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチレンペンタン酸を得る。中間体(3S,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)と(3R,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)との比率はHPLCで測定すると70:30である。分光データは実施例35の方法1に記載の通りである。
【0273】
方法5
下で、1Lのフラスコに(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a、R1=t−ブトキシカルボニル)(40g、159ミリモル)およびDMAP(2.43g、20ミリモル)、続いて500mLのトルエンおよびトリエチルアミン(26.1g、258ミリモル)を仕込む。混合物を65℃まで昇温し、二炭酸ジ−tert−ブチル(48.6g、223ミリモル)を30分にわたって添加し、次いで2時間撹拌する。反応混合物を25℃まで冷却し、200mLの水で3回洗浄し、次いで濃縮する。残留物を400mLのTHFに溶解し、MgCl(18.0g,159ミリモル)およびトリエチルアミン(26.1g、258ミリモル)を添加する。反応混合物を5℃まで冷却し、塩化ベンゾイル(36.4g、259ミリモル)を徐々に滴下添加し、滴下添加した後、混合物を5℃で1時間撹拌し、次いで10℃まで昇温し、15時間撹拌する。100mLの水を、続いてHPO(57.4g、510モル)の水(100mL)溶液を添加する。10分後に、水相を除去し、有機相を食塩水(200mL)で2回洗浄する。有機抽出物に炭酸カリウム水溶液(水200mLに65.4g)、N−メチルイミダゾール(32.6g、398ミリモル)、テトラブチル−アンモニウム−ヒドロキシド溶液(3.68g、40%w/w、5.7ミリモル)およびホルムアルデヒド水溶液(48.4g、37%w/w、613ミリモル)を添加する。混合物を55℃まで昇温し、20時間撹拌する。この時間後に、反応温度を25℃まで下げ、水相を除去する。有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液(200mL)で2回洗浄する。水酸化リチウム一水和物(水200mLに29.3g、698ミリモル)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(0.65g、2ミリモル)を添加する。混合物を25℃で4時間撹拌する。次いで、反応混合物にリン酸(97.6g、85%w/w)を添加し、10〜20℃でpHを4〜5に調整する。水相を除去し、塩化ナトリウム飽和水溶液(200mL)を添加する。有機相を分離し、濃縮する。残留物を酢酸エチル(500mL)に溶解し、次いで真空下で濃縮する。酢酸エチル(1000mL)および水(400mL)を添加する。有機相を分離し、水(400mL)で3回洗浄し、濃縮する。生じる残留物にトルエン(400mL)を添加し、次いで真空下で濃縮する。アセトニトリル(400mL)を添加する。反応混合物を還流し、約2時間で4℃まで冷却する。生じる固体を濾過して分離する。フィルターケーキを冷アセトニトリル(50mL)で、続いてヘプタン(100mL)で洗浄し、乾燥して、白色固体として(R)−5−ビフェニル−4−イル−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチレンペンタン酸を得る。中間体(3S,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)と(3R,5S−4、R1=t−ブトキシカルボニル、R4=フェニル)との比率はHPLCで測定すると70:30である。分光データは実施例35の方法1に記載の通りである。
【0274】
HPLC分析法(方法1〜5)
カラム:Eclipse XDB−C18;150×4.6mm;5μm。移動相A(0.1%HPO)水溶液;移動相B(アセトニトリル)。グラジエント:0分(30%B);8分(95%B);15分(95%B)。流速1.0mL/分。波長:210nm。温度:30℃。
保持時間:
8.0分(R)−5−ビフェニル−4−イル−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチレンペンタン酸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(4)の化合物:
【化78】

[式中、
R1は水素または窒素保護基であり、
R4はヒドロキシル、アルキル、アリールおよびアリールアルキルから選択され、
好ましくは、式(4)の化合物は、式(4a):
【化79】

(式中、R1およびR4は式(4)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩の調製方法であって、
式(3)の化合物:
【化80】

[式中、R1は、水素または窒素保護基であり、
好ましくは、式(3)の化合物は、式(3a):
【化81】

(式中、R1は、式(3)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩を、まず塩基と、次いで式COまたはR4COYの化合物(式中、Yは、ハロゲンまたは−OR'であり、R4およびR'は、アルキル、アリールおよびアリールアルキルから独立に選択される)と反応させて、式(4)の化合物またはその塩を得ることを含む方法。
【請求項2】
R4がヒドロキシルであり、式(3)の化合物を、まず塩基と、次いで式COの化合物と反応させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
R4がアルキル、アリールおよびアリールアルキルから選択され、式(3)の化合物を、まず塩基と、次いで式R4COYの化合物(式中、Yはハロゲンまたは−OR'であり、R4およびR'は、アルキル、アリールおよびアリールアルキルから独立に選択される)と反応させる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
塩基が、
金属水素化物;
アルカリ金属アルコキシド;
アミン(任意選択で、アルカリ土類金属ハライドから選択される添加物の存在下で);
式MRaの塩基(式中、Mはアルカリ金属であり、Raはアルキルまたはアリールであ );
式RcRdNMの塩基(式中、RcおよびRdはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはシリルから独立に選択され、Mはアルカリ金属である);および
これらの混合物
から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
式(1)の化合物:
【化82】

[式中、
R1は水素または窒素保護基であり、
好ましくは、式(1)の化合物は、式(1a):
【化83】

(式中、R1は式(1)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩の調製方法であって、
式(4)の化合物:
【化84】

[式中、
R1は、水素または窒素保護基であり、
R4はヒドロキシル、アルキル、アリールおよびアリールアルキルから選択され、
好ましくは、式(4)の化合物は、式(4a):
【化85】

(式中、R1およびR4は、式(4)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩を、塩基およびホルムアルデヒドと、任意選択で相間移動触媒の存在下で反応させて、式(1)の化合物またはその塩を得ることを含む方法。
【請求項6】
塩基が、
金属水素化物;
アミン;
無機塩基;
式MRaの塩基(式中、Mはアルカリ金属であり、Raはアルキルまたはアリールである);
式RcRdNMの塩基(式中、RcおよびRdはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはシリルから独立に選択され、Mはアルカリ金属である);および
これらの混合物
から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
反応が、アルカリ金属塩および任意選択で乾燥剤を添加することをさらに含む、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
式(1)の化合物:
【化86】

[式中、
R1は水素または窒素保護基であり、
好ましくは、式(1)の化合物は、式(1a):
【化87】

(式中、R1は式(1)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩の調製方法であって、
(i)式(4)の化合物:
【化88】

[式中、
R1は、水素または窒素保護基であり、
R4はヒドロキシル、アルキル、アリールおよびアリールアルキルから選択され、
好ましくは、式(4)の化合物は、式(4a):
【化89】

(式中、R1およびR4は、式(4)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩を、式(3)の化合物:
【化90】

[式中、R1は、水素または窒素保護基であり、
好ましくは、式(3)の化合物は、式(3a):
【化91】

(式中、R1は、式(3)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩を、まず塩基と、次いで式COまたはR4COYの化合物(式中、Yは、ハロゲンまたは−OR'であり、R4およびR'は、アルキル、アリール、およびアリールアルキルから独立に選択される)と反応させて、式(4)の化合物またはその塩を得ることによって、調製するステップ;および
(ii)式(4)の化合物:
【化92】

[式中、
R1は、水素または窒素保護基であり、
R4はヒドロキシル、アルキル、アリールおよびアリールアルキルから選択され、
好ましくは、式(4)の化合物は、式(4a):
【化93】

(式中、R1およびR4は、式(4)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩を、塩基およびホルムアルデヒドと、任意選択で相間移動触媒の存在下で反応させて、式(1)の化合物またはその塩を得るステップを含む方法。
【請求項9】
ステップi)で使用される塩基が請求項4で定義された通りであり、ステップii)で使用される塩基が請求項6で定義された通りである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ステップi)およびii)が、ワンポットで行われる、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
R1が、t−ブトキシカルボニル、ベンゾイル、スチリル、1−ブテニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、およびピロリジニルメチルから選択され、
R4が、t−ブチル、メチル、イソプロピル、フェニル、およびヒドロキシルから選択される、
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
式(4)の化合物:
【化94】

[式中、
R1は水素または窒素保護基であり、
R4はヒドロキシル、アルキル、アリールおよびアリールアルキルから選択され、
好ましくは、式(4)の化合物は、式(4a):
【化95】

(式中、R1およびR4は式(4)の化合物について定義した通りである)
を有する]
またはその塩。
【請求項13】
R1が、t−ブトキシカルボニル、ベンゾイル、スチリル、1−ブテニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、およびピロリジニルメチルから選択され、
R4が、t−ブチル、メチル、イソプロピル、フェニル、およびヒドロキシルから選択される、
請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
γ−アミノ−δ−ビフェニル−α−メチルアルカン酸、または酸エステルの骨格を含むNEP阻害剤またはそのプロドラッグなどの、NEP阻害剤またはそのプロドラッグの合成における、請求項12または13に記載の化合物の使用。
【請求項15】
NEP阻害剤が、N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸またはその塩もしくはプロドラッグである、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
NEP阻害剤のプロドラッグが、N−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルまたはその塩である、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
請求項12または13で定義された通りの式(4)の化合物またはその塩の製造を含む、N−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルまたはその塩の調製方法。

【公表番号】特表2013−517306(P2013−517306A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549244(P2012−549244)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【国際出願番号】PCT/CN2011/070458
【国際公開番号】WO2011/088797
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】