説明

中空成形品の製造方法、自動車用デッキボードの製造方法及び中空成形品

【課題】表面の一部に周囲から高くされた緩衝材を設けた中空成形品の製造を容易にし、該中空成形品の緩衝材を捲れ難くすることを課題とする。
【解決手段】キャビティCA1を形成する型開き可能な成形型110のキャビティ面121,131の一部に、圧縮から弾性により回復可能な緩衝材20を配置し、閉じた前記成形型110のキャビティ面121,131に対して中空状に膨張させた樹脂成形材料PA1を押し付けて該樹脂成形材料PA1に前記緩衝材20を圧着させ、前記成形型110を開いて圧縮状態の前記緩衝材20を弾性により回復させることにより、前記緩衝材20の周囲から該緩衝材20を盛り上がらせた中空成形品1を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲から高くされた緩衝材を表面の一部に設けた自動車用デッキボード等の中空成形品の製造方法、及び、その中空成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用デッキボード等では、見栄えや手触りを良くしたり、振動による異音の発生を抑止したりするため、ブロー成形品の表面の一部に緩衝材が貼付されている。緩衝材の表面は、該緩衝材の周囲の表面よりも高くなる。このような緩衝材の貼付は、通常、手作業で行われる。
【特許文献1】特開平9−39078号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、表面の一部に緩衝材を設けた中空成形品を製造する際、手作業で緩衝材をブロー成形品に貼付する作業工数が必要である。
また、緩衝材の表面と周囲の樹脂成形材料の表面とに段差が生じるため、緩衝材が捲れ易くなっている。
【0004】
なお、特許文献1には、熱可塑性プラスチックをブロー成形してなる中空構造の中空体の表面に装飾布を張り付けた布張り中空成形品が記載されている。この布張り中空成形品に張り付けられた装飾布の表面全体は、周縁部分の表面よりも中空部側に低くされている。装飾布が周囲の熱可塑性プラスチックよりも高くなっていないため、該装飾布は、布張り中空成形品の振動による異音の発生を抑止するように機能しない。
【0005】
以上を鑑み、本発明は、表面の一部に周囲から高くされた緩衝材を設けた中空成形品の製造を容易にし、該中空成形品の緩衝材を捲れ難くすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の中空成形品の製造方法は、キャビティを形成する型開き可能な成形型のキャビティ面の一部に、圧縮から弾性により回復可能な緩衝材を配置し、閉じた前記成形型のキャビティ面に対して中空状に膨張させた樹脂成形材料を押し付けて該樹脂成形材料に前記緩衝材を圧着させ、前記成形型を開いて圧縮状態の前記緩衝材を弾性により回復させることにより、前記緩衝材の周囲から該緩衝材を盛り上がらせた中空成形品を製造することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の自動車用デッキボードの製造方法は、デッキボードの外形に合わせたキャビティを形成する型開き可能な成形型のキャビティ面の一部に、圧縮から弾性により回復可能な緩衝材を配置し、閉じた前記成形型のキャビティ面に対して中空状に膨張させた樹脂成形材料を押し付けて該樹脂成形材料に前記緩衝材を圧着させ、前記成形型を開いて圧縮状態の前記緩衝材を弾性により回復させることにより、前記緩衝材の周囲から該緩衝材を盛り上がらせたデッキボードを製造することを特徴とする。
【0008】
緩衝材は、中空状に膨張した樹脂成形材料に圧着され、成形型が開くと圧縮から弾性により回復し、周囲から盛り上がる。従って、表面の一部に周囲から高くされた緩衝材を設けた中空成形品の製造が容易になる。
また、緩衝材の表面が周囲の樹脂成形材料の表面から連続して盛り上がるので、中空成形品の緩衝材が捲れ難くなる。
【0009】
さらに、本発明の中空成形品は、キャビティを形成する型開き可能な成形型のキャビティ面の一部に、圧縮から弾性により回復可能な緩衝材を配置し、閉じた前記成形型のキャビティ面に対して中空状に膨張させた樹脂成形材料を押し付けて該樹脂成形材料に前記緩衝材を圧着させ、前記成形型を開いて圧縮状態の前記緩衝材を弾性により回復させることにより、前記緩衝材の周囲から該緩衝材を盛り上がらせたことを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は、表面の一部に緩衝材が設けられた中空成形品であって、前記緩衝材が圧縮から弾性により回復可能であり、中空状に成形された樹脂成形材料の表面の一部に前記緩衝材が圧着され、前記中空成形品の表面における前記樹脂成形材料との境界部分の前記緩衝材が前記中空成形品の内方向へ圧縮され、前記中空成形品の表面における前記樹脂成形材料との境界部分から前記緩衝材の表面が盛り上がったことを特徴とする。
【0011】
本発明の中空成形品は、緩衝材の表面が周囲の樹脂成形材料の表面から連続して盛り上がっているので、緩衝材が捲れ難い。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、表面の一部に周囲から高くされた緩衝材を設けた中空成形品の製造を容易にし、該中空成形品の緩衝材を捲れ難くすることが可能な中空成形品の製造方法を提供することができる。
請求項2に係る発明では、該中空成形品の製造をさらに容易にすることができる。
請求項3、請求項4に係る発明では、簡易な構造の成形型で緩衝材を表面の一部に設けた中空成形品を製造することができる。
請求項5に係る発明では、表面の一部に周囲から高くされた緩衝材を設けた中空成形品の製造を容易にし、該中空成形品の緩衝材を捲れ難くすることが可能な自動車用デッキボードの製造方法を提供することができる。
【0013】
請求項6、請求項7に係る発明では、製造が容易であり、表面の一部に周囲から高く設けられた緩衝材を捲れ難くさせる中空成形品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)中空成形品の構成:
(2)中空成形品の製造方法、作用、効果:
(3)変形例:
(4)具体例:
【0015】
(1)中空成形品の構成:
図1は本発明の一実施形態に係る自動車用デッキボード(中空成形品)1を取り付けた自動車AU1の後部内装を一部破断して示す斜視図、図2はデッキボード1を下面から見て示す底面図、図3(a)は緩衝材30を示す側面図、図3(b)は緩衝材30を設けたデッキボード1の成形中の要部を示す垂直断面図、図3(c)は緩衝材30を設けたデッキボード1の成形後の要部を示す垂直断面図、図4(a)は緩衝材40を示す垂直断面図、図4(b)は緩衝材40を設けたデッキボード1の成形中の要部を示す垂直断面図、図4(c)は緩衝材40を設けたデッキボード1の成形後の要部を示す垂直断面図、図5は中空成形品製造装置100を一部断面視して示す垂直断面図、である。なお、分かりやすく示すため、図4に示す緩衝材40の断面を表すハッチングを省略している。
【0016】
図1に示す自動車AU1は、道路上で使用されるように設計及び装備された路上走行自動車とされ、リヤシートSE1の後方に荷物を収容する荷室SP1,SP2が形成されるステーションワゴンタイプの乗用自動車とされている。図に示す自動車用デッキボード(中空成形品)1は、自動車AU1の後部空間を上部荷室SP1と下部荷室SP2とに仕切っている。むろん、本発明の自動車用デッキボードを設置可能な自動車は、フロントシートとリヤシートを備える2列シートタイプのモータビークル、さらにサードシートを備える3列シートタイプのモータビークル、フロントシートの後方であってリヤシートまたはサードシートの前方に荷室が形成されるモータビークル、等でもよい。
【0017】
通常、自動車の荷室のフロアは、荷物収納用のフロアボックスが配置されていたり、スペアタイヤや工具等を収納する凹形状に形成されていたりする。デッキボード1は、荷室のフロア面や荷室側壁の支持部等に載置され、前記フロアボックスや前記フロアの凹形状の蓋として機能する内装材とされている。また、デッキボード1は、荷室のフロアをフラットにする機能も有している。
【0018】
図2に示すように、デッキボード1は、下面(表面)4の一部に緩衝材20が設けられたブロー成形品とされている。本デッキボード1は、キャビティCA1を形成する型開き可能な成形型110のキャビティ面121,131の一部に緩衝材20を配置し、閉じた成形型のキャビティ面121,131に対して中空状に膨張させたパリソン(樹脂成形材料)PA1を押し付けてブロー成形することにより、形成される。従って、デッキボード1は、樹脂成形材料部10の下面(表面)14に緩衝材20が圧着された構造となる。なお、圧着とは、圧力を加えることにより部材相互を固定することをいうものとする。
ここで、緩衝材20は、圧縮から弾性により回復可能な材料とされている。緩衝材20は、パリソンPA1に押し付けられたときにブロー圧で圧縮され、成形型110が開くと自らの弾性により圧縮状態から回復し、周囲の樹脂成形材料部10から盛り上がる。
【0019】
図3等に示すように、樹脂成形材料部10の内部は、所要の板厚が確保されながら中空部HO1が形成されている。また、樹脂成形材料部10の内部には、一定間隔を空けて複数のリブ12が形成されている。これらのリブ12は、デッキボード1を補強している。従って、デッキボード1は、所要の剛性を有しながら軽量化されている。
図2に示すように、本樹脂成形材料部の下面14の四隅には、それぞれ緩衝材20が圧着されている。デッキボードの下面4は、他の内装部品やスペアタイヤ等の収納物と接触することがある。このため、自動車AU1が走行している最中に耳障りな異音が発生することがある。この異音を抑止するため、デッキボードの下面4に緩衝材20が設定されている。むろん、デッキボードに車両用内装材として好ましい意匠やクッション性を付与するため、デッキボード1の上面(表面)3に緩衝材を設けてもよい。
【0020】
樹脂成形材料部10を形成するための樹脂成形材料は、樹脂を含む成形材料であればよく、樹脂のみからなる材料でもよいし、添加剤が添加された材料でもよい。樹脂成形材料を構成する樹脂には、合成樹脂が好ましく、成形及びリサイクルを容易にする観点から熱可塑性樹脂が特に好ましいが、フェノール樹脂やユリア樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることも可能である。
上記熱可塑性樹脂には、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)やエチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、これらの組み合わせ、これらの樹脂にゴム成分を配合した改質樹脂、等を用いることができる。熱可塑性樹脂を含む樹脂成形材料は、通常、熱可塑性の樹脂成形材料となる。この樹脂成形材料の融点は、例えば100〜300℃とされる。
【0021】
上記添加剤には、タルク等の充てん材、核剤、顔料、滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、これらの組み合わせ、等を用いることができる。樹脂成形材料中の添加剤の配合割合は、樹脂の性質を十分に残す観点から、例えば50重量%以下(より好ましくは35重量%以下)とすることができる。
【0022】
緩衝材20には、起毛層を有する不織布、ゴムを含む発泡材料、等、圧縮可能で弾性を有する材料が用いられる。
上記不織布には、ニードルパンチ不織布、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、等を用いることができる。上記発泡材料には、発泡ゴム、ゴムに添加剤を添加した発泡材料、が含まれる。この発泡材料は、独立気泡材料が好ましいが、スポンジゴムのような連続気泡材料でもよい。
【0023】
図3(a)は、起毛層を有する不織布30を例示している。この不織布30は、基層31に起毛層32が積層された構造とされている。起毛層32が圧縮可能で弾性を有するため、不織布30は圧縮から弾性により回復可能である。
基層31は、PPシートやPEシート等の樹脂シート、合成繊維からなる基布、等で構成することができる。基布に用いる合成繊維には、PP繊維やPE繊維等のポリオレフィン系繊維等を用いることができる。
【0024】
起毛層32は、PET繊維等のポリエステル系の繊維、PP繊維等のポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系の繊維、等の合成繊維等で構成することができる。樹脂成形材料及び起毛層32が熱可塑性の材料である場合、起毛層32の融点Tm1(℃)を樹脂成形材料の融点Tm0(℃)よりも高くすることが好ましく、起毛層32のガラス転移点Tg1(℃)を樹脂成形材料の融点Tm0(℃)よりも低くすることが好ましい。Tm1>Tm0とするのは、ブロー成形中に溶融状態の樹脂成形材料で起毛層の溶融を抑止するためである。また、Tg1<Tm0とするのは、ブロー成形中に溶融状態の樹脂成形材料で起毛層にゴム状弾性を発現させ、このゴム状弾性により圧縮状態の起毛層を十分に回復させるためである。この意味で、起毛層のガラス転移点Tg1は、型開き時の起毛層の温度よりも低いのが好ましい。
【0025】
不織布30の引張弾性率は、23℃の試験条件の場合、50〜1000kgf/cm2が好ましく、80〜300kgf/cm2がより好ましい。また、80℃の試験条件の場合、不織布30の引張弾性率は、5〜100kgf/cm2が好ましく、10〜30kgf/cm2がより好ましい。ここで、引張弾性率は、JIS K7113-1995(プラスチックの引張試験方法)に規定される引張弾性率とする。引張弾性率を前記範囲内にすると、ブロー比を十分に高くすることができる。
【0026】
不織布30の密度は、0.02〜0.6g/m3が好ましく、0.1〜0.4g/m3がより好ましい。密度を前記下限以上にすると不織布を圧縮から十分に復元させることができ、密度を前記上限以下にするとブロー成形時に不織布を十分に圧縮させてブロー成形後に十分盛り上がらせることができる。
【0027】
不織布30の厚みは、1〜10mmが好ましく、2〜8mmがより好ましい。厚みを前記下限以上にするとブロー成形時に不織布を十分に圧縮させてブロー成形後に十分盛り上がらせることができ、厚みを前記上限以下にすると不織布を圧着させる樹脂成形材料を十分な厚みにすることができる。
【0028】
図4(a)は、ゴムを含む発泡材料40を例示している。この発泡材料40は、成形された弾性材料41の中に多数の気泡42が存在する構造とされている。図示の気泡42は、独立気泡である。
発泡材料40に含まれるゴムには、EPDM(Ethylene-Propylene-Diene Methylene linkage)やスチレンブタジエンゴム(SBR)やポリブタジエンゴム(BR)やシリコーンゴムやポリウレタン等の合成ゴム等が含まれる。また、ゴムは、熱可塑性ゴム(熱可塑性エラストマー)でもよいし、熱可塑性を示さないゴムでもよい。
【0029】
ゴムに添加可能な添加剤には、タルク等の充てん材、核剤、顔料、滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、これらの組み合わせ、等を用いることができる。弾性材料中の添加剤の配合割合は、ゴムの性質を十分に残す観点から、例えば50重量%以下(より好ましくは35重量%以下)とすることができる。
【0030】
樹脂成形材料及び弾性材料41が熱可塑性の材料である場合、弾性材料41の融点Tm2(℃)を樹脂成形材料の融点Tm0(℃)よりも高くすることが好ましく、弾性材料41のガラス転移点Tg2(℃)を樹脂成形材料の融点Tm0(℃)よりも低くすることが好ましい。Tm2>Tm0とするのは、ブロー成形中に溶融状態の樹脂成形材料で弾性材料の溶融を抑止するためである。また、Tg2<Tm0とするのは、ブロー成形中に溶融状態の樹脂成形材料で弾性材料にゴム状弾性を発現させ、このゴム状弾性により圧縮状態の発泡材料を十分に回復させるためである。この意味で、弾性材料のガラス転移点Tg2は、型開き時の発泡材料の温度よりも低いのが好ましい。
【0031】
発泡材料40の引張弾性率は、23℃の試験条件の場合、50〜1000kgf/cm2が好ましく、80〜300kgf/cm2がより好ましい。また、80℃の試験条件の場合、発泡材料40の引張弾性率は、5〜100kgf/cm2が好ましく、10〜30kgf/cm2がより好ましい。引張弾性率を前記範囲内にすると、ブロー比を十分に高くすることができる。
【0032】
発泡材料40の密度は、0.02〜0.6g/m3が好ましく、0.1〜0.4g/m3がより好ましい。密度を前記下限以上にすると発泡材料を圧縮から十分に復元させることができ、密度を前記上限以下にするとブロー成形時に発泡材料を十分に圧縮させてブロー成形後に十分盛り上がらせることができる。
【0033】
発泡材料40の厚みは、1〜10mmが好ましく、2〜8mmがより好ましい。厚みを前記下限以上にするとブロー成形時に発泡材料を十分に圧縮させてブロー成形後に十分盛り上がらせることができ、厚みを前記上限以下にすると発泡材料を圧着させる樹脂成形材料を十分な厚みにすることができる。
【0034】
図3(c)と図4(c)は、デッキボード1の要部を図2のA1−A1に相当する位置で断面視して示している。これらの図に示すように、緩衝材30,40は、中空状に成形された樹脂成形材料(樹脂成形材料部10)の表面(下面14)の一部に圧着されている。緩衝材30,40の一部は、樹脂成形材料部の表面(14)に埋設されている。デッキボードの表面(下面4)における樹脂成形材料部10との境界部分の緩衝材30,40(縁部36,46)は、デッキボード1の内方向D1へ圧縮されている。縁部36,46における緩衝材の表面34,44と、周囲の樹脂成形材料部の表面(14)とが繋がっている。ここで、緩衝材の表面34,44に端面36a,46aは含まれない。従って、緩衝材30の場合、表面34は、起毛層32において基層31とは反対側の面のみとなる。そして、デッキボードの表面(4)における樹脂成形材料部10との境界部分(縁部36,46)から緩衝材の表面34,44が盛り上がっている。
【0035】
緩衝材の表面34,44の中央部分を占める突出面34b,44bは、緩衝材30,40の周囲にある樹脂成形材料部の一般面(表面14)よりも外側(内方向D1の反対側)とされている。緩衝材の縁部36,46から突出面34b,44bまでは、上り勾配の傾斜面34a,44aとされている。緩衝材30,40は、傾斜面34a,44aの部分で突出面34b,44b側ほど厚くされている。
以上説明したように、樹脂成形材料部10に縁部36,46が埋設され、境界部分における緩衝材の表面34,44と樹脂成形材料部の表面(14)とが繋がっているので、緩衝材30,40の捲れや剥がれが抑止される。
【0036】
(2)中空成形品の製造方法、作用、効果:
次に、本実施形態に係るデッキボード(中空成形品)1の製造方法を説明する。
図5に示す中空成形品製造装置100は、デッキボード1をブロー成形する装置とされている。同装置100は、キャビティCA1を形成する型開き可能な成形型110、押出ヘッド142からパリソン(樹脂成形材料)PA1を押し出す押出機141、筒状に押し出されたパリソンPA1の先端部を閉塞するクランプ144、等を備えている。
【0037】
成形型110には、デッキボード1の外形に合わせたキャビティCA1を形成する型開き可能な一対の金型120,130を用いている。ここで、キャビティCA1がデッキボード1の外形に合わせられているとは、キャビティ面121,131がデッキボード1の表面と完全に一致していることを意味するのではなく、キャビティ面121,131とデッキボード1の表面とがおおよそ合っていることを意味するものとする。デッキボードの樹脂成形材料部10はキャビティ面121,131の形状が転写されることになるが、後述するように、緩衝材20の表面はキャビティ面121,131よりも盛り上がった位置となるため、キャビティ面121,131とデッキボード1の表面とは完全には一致しない。
図示の金型120,130は、互いに水平方向へ近接及び離反可能とされている。むろん、一対の金型は、鉛直方向等、水平方向とは異なる方向へ近接及び離反可能とされてもよいし、固定型と可動型の組み合わせとされてもよい。各金型120,130は、キャビティ面121,131を有し、閉じたときにキャビティ面121,131が合わせられてキャビティCA1が形成される。デッキボード1の上面側を成形することになる第一の金型120は、複数のリブ12のそれぞれを形成するためのスライド型122や、圧縮空気等の気体GA2を吹き込むための気体吹込ノズル123が設けられ、キャビティ面121とパリソンPA1との間にある空気を排出させるための排気孔124が形成されている。デッキボード1の下面側を成形することになる第二の金型130は、複数の緩衝材20のそれぞれを吸引してキャビティ面131に保持させるための吸引孔132や、キャビティ面131とパリソンPA1との間にある空気を排出させるための排気孔134が形成されている。
樹脂成形材料が熱可塑性である場合、キャビティ面121,131に接したパリソンPA1を固化させるため、成形型110の温度は樹脂成形材料の融点Tm0よりも低くされる。
【0038】
押出機141には、圧縮空気等の気体GA1を吹き出すための気体吹出ノズル143が設けられている。押出機141は、熱可塑性の樹脂成形材料を溶融させるための加熱装置を有する混練装置に取り付けられ、溶融した樹脂成形材料を気体吹出ノズル143の周りから筒状に押し出し可能である。押出機141を取り付けた混練装置は、樹脂成形材料の融点Tm0よりも高い温度まで樹脂成形材料を加熱するが、緩衝材30の起毛層32や緩衝材40の弾性材料41が熱可塑性の材料である場合には起毛層32の融点Tm1や弾性材料41の融点Tm2よりも低い温度で樹脂成形材料を加熱する。
【0039】
デッキボード1は、成形型のキャビティ面121,131の一部に緩衝材20を配置し、閉じた成形型のキャビティ面121,131に対して中空状に膨張させた樹脂成形材料PA1を押し付けて該樹脂成形材料PA1に緩衝材20を圧着させ、成形型110を開いて圧縮状態の緩衝材20を弾性により回復させることにより、形成される。成形型110が開いたとき、緩衝材20は周囲から盛り上がった状態となる。
【0040】
デッキボード1の製造方法の具体例は、以下の通りである。
まず、金型120,130を型開きさせた状態にし、キャビティ面121,131の一部(図5ではキャビティ面131のみ)に緩衝材20を配置する。吸引孔132に負圧(真空圧)を作用させ、該吸引孔132が形成された部分のキャビティ面131に緩衝材20を配置すると、緩衝材20がキャビティ面131に保持される。
次に、加熱により溶融した樹脂成形材料、又は、液状の樹脂成形材料を筒状に押し出して、パリソンPA1を形成し、型開きした金型120,130の間に配する。
【0041】
さらに、押し出されるパリソンPA1が所要の長さになったところで、図5(a)に示すように、パリソンPA1の先端部をクランプ144で閉塞する。すると、パリソンPA1は、閉空間を有する中空形状となる。ここで、気体吹出ノズル143からプリブロー用の気体GA1を吹き出してパリソンPA1を中空状に膨張させるとともに、金型120,130を閉じる。このとき、気体吹込ノズル123がパリソンPA1を貫通する。
【0042】
型締め後、今度は気体吹込ノズル123からブロー用の気体GA2を吹き出し、パリソンPA1内に気体GA2を供給する。パリソンPA1内に吹き込まれる気体GA2のブロー圧(吹込圧力)は、2〜10kgf/cm2程度とすることができる。ここで、キャビティ面121,131とパリソンPA1の間にある空気が排気孔124,134から排出され、図5(b)に示すように、パリソンPA1が中空状に膨張してキャビティ面121,131に押し付けられる。また、緩衝材20は、パリソンPA1とキャビティ面131に挟まれて厚み方向に圧縮され、パリソンPA1の表面に圧着される。緩衝材20に不織布30を用いる場合、図3(b)に示すように、圧縮可能な起毛層32が厚み方向(内方向D1)へ圧縮される。緩衝材20に発泡材料40を用いる場合、図4(b)に示すように、各気泡42が小さくなり、発泡材料40全体が厚み方向(内方向D1)へ圧縮される。
なお、樹脂成形材料部10にリブ12を設ける場合、パリソンPA1が溶融している間にスライド型122を移動させてパリソンPA1間にリブ12を形成する。
【0043】
気体吹込ノズル123から気体を吹き出してからパリソンPA1を固化又は硬化させるのに十分な時間が経過すると、固化又は硬化した樹脂成形材料の表面には圧縮状態の緩衝材20に対応した凹部が形成され、緩衝材20の表面が周囲の樹脂成形材料の表面と面一となる。
【0044】
パリソンPA1の固化又は硬化の後、金型120,130を開く。熱可塑性の起毛層32を有する不織布30や熱可塑性の弾性材料41からなる発泡材料40を緩衝材20に用いる場合、熱可塑性の起毛層32や弾性材料41がガラス転移点Tg1,Tg2よりも高い温度であるときに金型120,130を開くのが好ましい。すると、圧縮状態であった緩衝材20は、自らの弾性により回復し、周囲の樹脂成形材料から盛り上がる。緩衝材20に不織布30を用いる場合、図3(c)に示すように、弾性を有する起毛層32が厚み方向(外方向)へ回復する。ここで、不織布の縁部36がデッキボードの内方向D1へ圧縮され、不織布30と樹脂成形材料部10との境界部分のデッキボードの表面4が連続している。不織布の表面34は、該不織布30と樹脂成形材料部10との境界部分から盛り上がっている。また、緩衝材20に発泡材料40を用いる場合、図4(c)に示すように、弾性材料41の弾性により発泡材料40全体が厚み方向(外方向)へ回復する。ここで、発泡材料の縁部46がデッキボードの内方向D1へ圧縮され、発泡材料40と樹脂成形材料部10との境界部分のデッキボードの表面4が連続している。発泡材料の表面44は、該発泡材料40と樹脂成形材料部10との境界部分から盛り上がっている。
以上説明したように、本製造方法は、圧縮状態の緩衝材20を弾性により回復させることにより、緩衝材20の周囲から該緩衝材20を盛り上がらせる。
【0045】
上述した緩衝材20は、中空状に膨張した樹脂成形材料に圧着され、成形型110が開くと圧縮から弾性により回復し、周囲から盛り上がる。従って、表面の一部に周囲から高くされた緩衝材を設けたデッキボード等の中空成形品の製造が容易になる。
以上より、従来ブロー成形品に後貼りしていた緩衝材をブロー成形と同時に一体成形することが可能となり、緩衝材を手作業で後貼りしていた工程を削減することができる。これにより、例えば、デッキボードに対して自動車走行時の異音対策をすることが容易となり、表面の一部に緩衝材を設けた中空成形品の作業工数や製造コストが削減される。緩衝材を成形後の後工程で貼付するためには貼付位置に粘着剤をラミネートする必要があったが、このラミネートが不要になるため、中空成形品を製造するための材料費も削減することができる。また、緩衝材が弾性復元力を有するため、成形金型に凹形状を設けることなく緩衝材をブロー成形品の一般面から盛り上がった成形品を製造することができる。このため、型構造を簡素化することができ、型作製のコストを削減することができる。
さらに、中空成形品に対する緩衝材の取付位置の精度が向上する。
【0046】
また、緩衝材の表面が周囲の樹脂成形材料の表面から連続して盛り上がるので、中空成形品の緩衝材が捲れ難くなる。
図3(c)や図4(c)で示したように、緩衝材の外周部は、固化又は硬化した樹脂成形材料によって拘束され、弾性復元力によって厚み方向に厚みを回復しようとすることが規制されている。一方、緩衝材における外周部よりも内側部分は、自らの弾性復元力によって厚み方向に盛り上がる。このため、緩衝材の外周部が緩やかな傾斜形状となり、樹脂成形材料の一般面と緩衝材との境界にアクセントをつけることができ、中空成形品を統一感のある意匠とすることができ、中空成形品の見栄えを向上させることも可能となる。さらに、緩衝材の表面が樹脂成形材料の一般面から連続するように形成されているため、輸送時や車両への組付時に他の部品などと干渉して捲れ上がったり剥がれたりするような不具合の発生を抑止することができる。
【0047】
(3)変形例:
本発明の中空成形品を製造するためのブロー成形機は、上述したような押出ブロー成形機でもよいし、射出ブロー成形機でもよいし、2段ブロー成形機でもよい。中空状に膨張させる樹脂成形材料は、上述したようなパリソンでもよいし、プリフォーム(予備成形品)でもよい。
【0048】
図6(a)と図7(a)は、変形例に係る中空成形品製造装置の成形型のキャビティ面に緩衝材を保持させる様子を分解斜視図で示している。図6(b)と図7(b)は、緩衝材をキャビティ面に保持させた様子を垂直断面図で示している。
【0049】
図6に示す金型130のキャビティ面131には、緩衝材20を固定するための突起152が複数設けられている。図に示すように、緩衝材20を突起152に押し付けて突き刺すと、キャビティ面131の一部に緩衝材20が配置される。図に示す突起152は、円錐台形状とされ、キャビティ面131から先端に向かうにつれて径が小さくなるテーパ形状に形成されている。各突起152の高さh1は、緩衝材20の厚みth1よりも小さくされている。
なお、突起を円錐台形状、楕円錐台形状、多角錐台形状、円錐形状、楕円錐形状、多角柱形状、細い円柱形状、細い楕円柱形状、細い多角柱形状、等とすることにより、容易に緩衝材を突起で突き刺してキャビティ面に固定することが可能になる。
緩衝材を固定するための突起を成形型のキャビティ面に設けることにより、簡易な構造の成形型で緩衝材を表面の一部に設けた中空成形品を製造することができる。
【0050】
図7に示す金型130のキャビティ面131には、緩衝材20を固定するための一対の突条154,154が緩衝材20よりも狭い間隔で設けられている。すなわち、突条154,154の間隔c1は、緩衝材20の幅w1よりも若干小さくされている。また、各突条154,154の高さh2は、緩衝材20の厚みth1よりも小さくされている。図に示すように、突条154,154の間に緩衝材20を嵌め込むと、緩衝材20は、突条154,154に挟まれて固定され、キャビティ面131の一部に配置される。
なお、緩衝材を固定するための突条は、図示のように緩衝材の上下を押さえる突条の他に、緩衝材の左右を押さえる突条でもよい。また、上下の突条と左右の突条とを組み合わせると、より確実に緩衝材をキャビティ面に固定することができる。むろん、上下の突条と左右の突条とを繋げた矩形の枠でもよく、この枠に含まれる上下の突条や左右の突条が本発明のいう一対の突条となる。
【0051】
緩衝材を固定するための突条を成形型のキャビティ面に設けることにより、簡易な構造の成形型で緩衝材を表面の一部に設けた中空成形品を製造することができる。
また、キャビティ面131に突条154,154があることにより、中空成形品の樹脂成形材料部には緩衝材に接する位置に凹んだ溝が形成される。これにより、中空成形品に新たな意匠が付与される。
【0052】
むろん、図6に示す突起と図7に示す突条とを組み合わせて緩衝材をキャビティ面に固定してもよい。
なお、上記突起や上記突条を用いて緩衝材をキャビティ面に固定する方法は、ブロー成形のみならず、射出成形にも適用可能である。
【0053】
(4)具体例:
以下、具体例を示して具体的に本発明を説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
【0054】
[具体例1]
中空成形品製造装置には、図5で示したような押出ブロー成形機を用いる。
樹脂成形材料には、融点(Tm0)が170〜180℃のPP(ポリプロピレン)を用いる。このPPを220℃に加熱して溶融させ、押出ヘッドからパリソンとして押し出すことにする。
緩衝材には、PPシートの基層にPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維の起毛層を積層した厚み5mmの不織布を用いる。ここで、PET繊維のガラス転移点(Tg1)は70〜80℃であり、PET繊維の融点(Tm1)は230〜240℃である。
【0055】
一対の金型を開いた状態でキャビティ面に上記不織布を配置し、金型の吸引孔に負圧を作用させて該不織布をキャビティ面に保持させる。次に、押出ヘッドから溶融状態のパリソンを押し出して先端部をクランプで閉塞し、プリブローする。さらに、金型を閉じ、吹込圧力5kgf/cm2でパリソン内に圧縮空気を吹き込む。パリソンが固化した後、起毛層の温度が81〜169℃であるうちに金型を開くと、本発明の中空成形品が形成される。
【0056】
[具体例2]
中空成形品製造装置には、具体例1と同じものを用いる。
樹脂成形材料には、融点(Tm0)が100〜110℃のPE(ポリエチレン)を用いる。このPEを120℃に加熱して溶融させ、押出ヘッドからパリソンとして押し出すことにする。
緩衝材には、厚み5mmのEPDM発泡ゴム(日東電工株式会社製エプトシーラーNo.6800)を用いる。この発泡ゴムは、独立気泡構造であり、比重が0.12、JIS K6767に準拠した25%圧縮硬さが1.8〜2.0N/cm2である。ここで、EPDMのガラス転移点(Tg2)は−60〜−40℃程度である。
【0057】
一対の金型を開いた状態でキャビティ面に上記発泡ゴムを配置し、金型の吸引孔に負圧を作用させて該発泡ゴムをキャビティ面に保持させる。次に、押出ヘッドから溶融状態のパリソンを押し出して先端部をクランプで閉塞し、プリブローする。さらに、金型を閉じ、吹込圧力5kgf/cm2でパリソン内に圧縮空気を吹き込む。パリソンが固化した後、金型を開くと、本発明の中空成形品が形成される。
【0058】
以上説明したように、本発明によれば、種々の態様により、表面の一部に周囲から高くされた緩衝材を設けた中空成形品の製造を容易にし、該中空成形品の緩衝材を捲れ難くすることが可能になる。
なお、本発明は、上述した実施例や変形例に限られず、上述した実施例および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施例および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】デッキボードを取り付けた自動車の後部内装の例を一部破断して示す斜視図。
【図2】図1に示すデッキボードを下面から見て示す底面図。
【図3】緩衝材の例を示す側面図、並びに、成形中及び成形後のデッキボードの要部を例示する垂直断面図。
【図4】緩衝材の例を示す垂直断面図、並びに、成形中及び成形後のデッキボードの要部を例示する垂直断面図。
【図5】中空成形品製造装置の例を一部断面視して示す垂直断面図。
【図6】突起を設けた成形型に緩衝材を保持させる例を示す図。
【図7】突条を設けた成形型に緩衝材を保持させる例を示す図。
【符号の説明】
【0060】
1…自動車用デッキボード、4…下面(表面)、
10…樹脂成形材料部、12…リブ、14…下面(表面)、
20,30,40…緩衝材、
31…基層、32…起毛層、34…表面、36…縁部、
34a,44a…傾斜面、34b,44b…突出面、
41…弾性材料、42…独立気泡、44…表面、46…縁部、
100…中空成形品製造装置、
110…成形型、120,130…金型、
121,131…キャビティ面、
122…スライド型、123…気体吹込ノズル、124,134…排気孔、
132…吸引孔、
141…押出機、142…押出ヘッド、143…気体吹出ノズル、144…クランプ、
152…突起、154…突条、
CA1…キャビティ、D1…内方向、GA1,GA2…気体、HO1…中空部、
PA1…パリソン(樹脂成形材料)、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティを形成する型開き可能な成形型のキャビティ面の一部に、圧縮から弾性により回復可能な緩衝材を配置し、閉じた前記成形型のキャビティ面に対して中空状に膨張させた樹脂成形材料を押し付けて該樹脂成形材料に前記緩衝材を圧着させ、前記成形型を開いて圧縮状態の前記緩衝材を弾性により回復させることにより、前記緩衝材の周囲から該緩衝材を盛り上がらせた中空成形品を製造することを特徴とする中空成形品の製造方法。
【請求項2】
前記成形型に型開き可能な一対の金型を用い、
前記樹脂成形材料に熱可塑性の材料を用い、
型開きした前記一対の金型のキャビティ面の一部に前記緩衝材を配置し、溶融した前記樹脂成形材料からパリソンを形成して前記一対の金型の間に配し、該一対の金型を閉じ前記パリソン内に気体を供給して該パリソンを前記キャビティ面に押し付けて固化させ、前記一対の金型を開いて圧縮状態の前記緩衝材を弾性により回復させることにより、前記緩衝材の周囲から該緩衝材を盛り上がらせた中空成形品を製造することを特徴とする請求項1に記載の中空成形品の製造方法。
【請求項3】
前記成形型のキャビティ面に突起又は突条を設け、前記緩衝材を前記突起又は前記突条で固定して前記キャビティ面の一部に配置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中空成形品の製造方法。
【請求項4】
前記成形型のキャビティ面に前記緩衝材よりも狭い間隔で一対の突条を設け、該一対の突条に前記緩衝材を挟ませて前記キャビティ面の一部に配置することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の中空成形品の製造方法。
【請求項5】
デッキボードの外形に合わせたキャビティを形成する型開き可能な成形型のキャビティ面の一部に、圧縮から弾性により回復可能な緩衝材を配置し、閉じた前記成形型のキャビティ面に対して中空状に膨張させた樹脂成形材料を押し付けて該樹脂成形材料に前記緩衝材を圧着させ、前記成形型を開いて圧縮状態の前記緩衝材を弾性により回復させることにより、前記緩衝材の周囲から該緩衝材を盛り上がらせたデッキボードを製造することを特徴とする自動車用デッキボードの製造方法。
【請求項6】
キャビティを形成する型開き可能な成形型のキャビティ面の一部に、圧縮から弾性により回復可能な緩衝材を配置し、閉じた前記成形型のキャビティ面に対して中空状に膨張させた樹脂成形材料を押し付けて該樹脂成形材料に前記緩衝材を圧着させ、前記成形型を開いて圧縮状態の前記緩衝材を弾性により回復させることにより、前記緩衝材の周囲から該緩衝材を盛り上がらせた、中空成形品。
【請求項7】
表面の一部に緩衝材が設けられた中空成形品であって、
前記緩衝材が圧縮から弾性により回復可能であり、
中空状に成形された樹脂成形材料の表面の一部に前記緩衝材が圧着され、前記中空成形品の表面における前記樹脂成形材料との境界部分の前記緩衝材が前記中空成形品の内方向へ圧縮され、前記中空成形品の表面における前記樹脂成形材料との境界部分から前記緩衝材の表面が盛り上がった、中空成形品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−184222(P2009−184222A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26322(P2008−26322)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(390031451)株式会社林技術研究所 (83)
【Fターム(参考)】