説明

乗降支援システムおよび乗降支援方法

【課題】バス、列車などの交通機関に乗車している複数人の乗客の間で、自身以外の乗客が降車する降車場所に関する降車情報を共有可能にする。
【解決手段】CPU203が、記録部204に記録した端末情報を通信部201によって車両搭載装置1に送信させ、車両処理部106が、車内通信部108によって携帯通信端末2それぞれから受信した端末情報に基づいて各携帯通信端末利用者が降車する予定の停留所を算出し、乗客IDに対応させて当該停留所を表示部102に表示させる、ものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バス、列車などの交通機関に乗車する乗客が携帯している携帯端末によって、当該乗客に対して効果的な降車案内を行うことができる乗降支援システムおよび乗降支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の乗降支援システムには、特許文献1、2、3に開示されているものがある。特許文献1、2、3に開示されている乗降支援システムは、バス、列車などの交通機関に搭載された車載器によって、乗車する乗客によって携帯されている携帯端末からその乗客が降車する降車場所に関する情報(降車情報)を受け付け、その降車情報を基に判定される降車すべきタイミングの乗客に対してその乗客自身が降車する予定の降車場所付近であることをその乗客が携帯している携帯端末に通知するものである。
【特許文献1】特開2004−287548号公報
【特許文献2】特開2002−255035号公報
【特許文献3】特開2002−260159号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これらの乗降支援システムによって、当該システム利用者は、利用者自身が降車すべきタイミングを確認することできるが、自分以外の他の乗客がどこで降車するかを知ることはできない。なお、現在利用されているバスの内壁に設けられている降車ボタンを押すことによって降車の意思をバスの乗客全員に知らせることができるが、降車ボタンを押し忘れることもあって乗客にとって利便性が悪く、また降車の意思を知らされた他の乗客は何人降車するのかを特定することが困難である。さらに、交通機関の運転士は、降車すべき乗客が全て降車したかを確認することができず、降車すべき乗客が乗車したまま発進することもある。
【0004】
乗降支援システム利用者(乗客、運転士を含む)は、自分以外の他の乗客が降車する降車場所をその他の乗客が降車する前に知ることができれば、例えば、降車する乗客の数が多ければ降車しない乗客が降車する乗客のために通路を空けて降車し易くすることができたり、運転士が降車した乗客の数をカウントしたりしてより安全な降車を実現することができる、など交通機関の利便性、安全性をさらに向上させることが可能になる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、バス、列車などの交通機関に乗車している複数人の乗客の間で、自身以外の乗客が降車する降車場所に関する降車情報を共有することができる乗降支援システムおよび乗降支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の乗降支援システムは、乗合車両に搭載される車両搭載装置と、前記乗合車両を利用する各利用者が携帯する少なくとも2つ以上の携帯通信端末と、から構成される乗降支援システムであって、前記車両搭載装置には、前記携帯通信端末と通信可能な車両通信部と、各種演算処理を行う車両処理部と、各種情報を表示する車両表示部と、を設け、前記携帯通信端末には、前記車両搭載装置と通信可能な携帯通信部と、各種演算処理を行う携帯処理部と、当該携帯通信端末利用者が降車する降車場所に関する降車情報を記録する携帯記録部と、を設け、前記携帯処理部が、前記携帯記録部に記録した降車情報と、当該携帯通信端末を識別する識別情報と、を前記携帯通信部によって前記車両搭載装置に送信させ、前記車両処理部が、前記車両通信部によって前記携帯通信端末それぞれから受信した前記降車情報に基づいて各携帯通信端末利用者が降車する予定の降車位置を算出し、前記識別情報に対応させて当該降車位置を前記車両表示部に表示させる、ものである。
【0007】
本発明の乗降支援方法は、携帯通信端末を利用する利用者による、車両搭載装置を搭載した乗合車両の乗降を支援する乗降支援方法であって、前記携帯通信端末によって、前記利用者が降車する降車場所に関する降車情報と、当該携帯通信端末を識別する識別情報と、を前記車両搭載装置に送信するステップと、前記車両搭載装置によって、前記降車情報と前記識別情報とを前記携帯通信端末から受信するステップと、前記車両搭載装置によって、前記降車情報に基づいて前記利用者が降車する予定の降車位置を算出するステップと、前記車両搭載装置によって、算出した前記降車位置を前記識別情報に対応させて表示させるステップ、を有するものである。
【0008】
この構成により、携帯通信端末で乗客が指定した降車駅や降車停留所などの降車場所を乗客毎に案内を行うことができ、また、降車する乗客の有無を他の乗客や運転手に知らせることできる。この結果、乗客や運転手は乗合車両が停車する前に予め次の降車場所にて降車する乗客の数を知ることができるため、乗客は乗合車両内における立ち位置(座席)を変えたり、運転手は出入口の開閉を行うタイミングの目処をつけたりして、車両内での乗車環境を快適にすることができる。
【0009】
また、本発明の乗降支援システムは、前記車両搭載装置には、前記乗合車両が運行している運行位置を特定する運行状況特定部を設け、前記車両処理部が、前記運行特定部によって特定された運行位置と算出した前記降車位置との一致、不一致を判定し、一致と判定した場合には降車を促すための情報を前記識別情報に対応させて前記車両表示部に表示させる、ものである。
【0010】
この構成により、乗客が降車を希望する降車停留所などの降車場所が次の降車場所であることを、携帯通信端末利用者毎に案内することができる。このため、自分以外の乗客に対する降車の案内を自身への降車の案内と誤って認識してしまうことがなくなる。
【0011】
また、本発明の乗降支援システムは、前記車両搭載装置には、前記乗合車両内における前記携帯通信端末それぞれの位置を特定する携帯端末位置検知部を設け、前記車両表示部が、前記乗合車両内を複数に区分したエリア毎に設けられており、前記車両処理部が、前記携帯端末位置検知部により特定した前記携帯通信端末の位置を含むエリアに設けられた前記車両表示部に表示させる、ものである。
【0012】
この構成により、携帯通信端末利用者の中に次の降車場所で降車する予定の乗客がいることを、または、降車を希望する降車停留所などの降車場所が次の降車場所であることを、各乗客に視認によって効果的に案内することができる。
【0013】
また、本発明の乗降支援システムは、前記車両処理部が、前記車両通信部によって前記携帯通信端末それぞれから受信した前記降車情報に基づいて各携帯通信端末利用者が降車する予定の降車位置を算出し、前記識別情報に対応させて当該降車位置を前記車両表示部に表示させるとともに、同一降車位置が算出された回数を前記車両表示部に表示させる、ものである。
【0014】
この構成により、車両表示部の表示から次の降車場所と降車人数を確認することができるため、その車両表示部を確認した運転手は降り遅れの乗客が乗合車両内に残らないようにして出入口のドア開閉を行う、また、その車両表示部を確認した乗客はその降車人数を予め把握しておけば降車する乗客が降車し易いように乗合車両内における立ち位置(座席)を変えたりする、などすることによって、車両内での乗車環境を快適にすることができる。
【0015】
また、本発明の乗降支援システムは、前記車両搭載装置には、前記乗合車両内から外へ移動する携帯通信端末における前記識別情報を検出する降車検出部を設け、前記車両処理部が、前記降車検出装置が検出するまでの期間、前記識別情報に対応させて前記車両表示部に表示させる、ものである。
【0016】
この構成により、乗客の降車人数および残りの乗客数を確認できるため、乗客、運転手とともに降車状況を容易に確認することができる。この結果、運転手は速やかな出入口のドア操作と運転操作を実施することができ、降車する乗客は降車状況に応じて出入口の混雑を避けるために出入口に向かうタイミングを計ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の乗降支援システムおよび乗降支援方法によれば、携帯通信端末で乗客が指定した降車駅や降車停留所などの降車場所を乗客毎に案内を行うことができ、また、降車する乗客の有無を他の乗客や運転手に知らせることができる。この結果、乗客や運転手は乗合車両が停車する前に予め次の降車場所にて降車する乗客の数を知ることができるため、乗客は乗合車両内における立ち位置(座席)を変えたり、運転手は出入口の開閉を行うタイミングの目処をつけたりして、車両内での乗車環境を快適にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。まず、乗降支援システム全体の構成を説明する。
図1は、本発明の実施の形態の乗降支援システム構成を示すブロック図である。この乗降支援システムは、乗合車両A(例えば、バス、列車など)に搭載される車両搭載装置1と、乗合車両Aを利用する利用者が携帯する携帯通信端末2とから構成されている。
【0019】
これらのうち、車両搭載装置1は、表示部101、102と、停留所案内装置103と、乗客管理装置104と、記録部105と、車両処理部106と、端末位置検知部107と、車内通信部108と、車外通信部109と、運行状況特定部110と、を備えている。
【0020】
車両処理部106は、停留所案内装置103、乗客管理装置104、記憶部105、車内通信部108、車外通信部109、運行状況特定部110、乗車検知部112および降車検知部113の動作を集中制御するものであり、マイクロプロセッサ(CPU)からなる。
【0021】
表示部101、102は、各種情報を表示するものである。表示部101は、降車により車内に残った乗客数や、乗客の降車完了等を表示するものであり、例えば乗合車両Aの運転手が見ることができるよう運転席付近に設置される。表示部102は、例えば乗合車両Aの客席付近の壁上部等に取り付けられ、乗客(利用者)が降車する予定の降車場所(電車では駅、乗合バスでは停留所)に関する情報等を表示するものである。
【0022】
停留所案内装置103は、図2に示す車両搭載装置に記憶する路線情報の概念図のように、乗合車両Aが走行する路線についての路線情報(路線についての情報としては、乗合車両Aが走行中の路線を特定するための文字列や数値によって構成される路線ID「124系」、およびその路線に含まれる各停留所を特定するための文字列や数値によって構成される停留所ID0「AAA」、ID1「BBB」・・・IDn「NNN」、などがある)を記憶している。CPUによって構成される車両処理部106は、停留所案内装置103に記憶された路線情報を読み出し、乗客管理装置104に出力することになる。
【0023】
運行状況特定部110は、走行中の乗合車両Aが向かっている停留所を特定する。運行状況特定部110は、例えばGPS機能を利用して走行中の乗合車両Aの位置を特定し、停留所案内装置103に記録された、乗合車両が走行している路線情報を参照して、乗合車両Aの位置から最寄の次の停留所を特定する。なお、運転手が走行中に操作パネル(図示せず)等を操作して、最寄の次の停留所を指定するようにしてもよい。運行状況特定部110は、乗合車両Aが走行中の路線に含まれる停留所のうちの次に乗合車両Aが停車する予定の停留所についての次停車停留所情報(以下、この次の停留所を特定する停留所IDのことを次停車停留所IDと称する。次停車停留所IDは、停留所IDnのうちからいずれか1つと同一の情報、あるいはいずれか1つの停留所IDnを特定する情報である)を車両処理部106に定期的に出力することになる。
【0024】
乗客管理装置104は、乗合車両Aが走行中の路線に含まれる各停留所についての情報(路線情報)および次に停車する停留所を特定する情報(次停車停留所情報)を車両処理部106から入力すると、その路線系統の次に停車する停留所を表示部102に表示させることによって、乗合車両Aの乗客に対して乗合車両Aの運行状況を案内する。
【0025】
乗車検知部112は、乗客が乗合車両Aに乗り込んだことを検出する機能と、その乗客が所持している携帯通信端末2を特定する機能とを有する。乗車検知部112は、具体的には、非接触無線通信機能を備えたICリーダ/ライタによって構成され、携帯通信端末2に搭載されたICチップ202(ICリーダとの間で非接触無線通信を実現する回路)から、そのICチップ202に記憶された携帯通信端末2に固有の通信識別子を読み取り、車両搭載装置1に固有の通信識別子をICチップ202に書き込む。車両処理部106は、乗車検知部112から出力された上述の通信識別子を乗客管理装置104に出力することによって、その通信識別子により特定される乗客が乗車したと乗客管理装置104に判定させることになる。また、降車検知部113は、乗客が乗合車両Aから降りたことを検出する機能と、その乗客が所持している携帯通信端末2を特定する機能とを有する。降車検知部113もまた、近距離無線機能を備えたICリーダによって構成され、携帯通信端末2に搭載されたICチップ202から、そのICチップ202に記憶された携帯通信端末2に固有の通信識別子を読み取る。車両処理部106は、降車検知部113から出力された上述の通信識別子を乗客管理装置104に出力することによって、その通信識別子により特定される乗客が降車したと乗客管理装置104に判定させることになる。
【0026】
車内通信部108は、乗合車両A内に存在する携帯通信端末2と無線通信を行う。車内通信部108は、RFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)で使用される短距離通信用の電波やUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線)等の無線電波を利用して、乗車検知部112によって通信識別子が特定された携帯通信端末2との間で、通信を行う。車内通信部108によって車両搭載装置1が携帯通信端末2から受信する情報は、携帯通信端末2を所持する乗客が予め携帯通信端末2に設定しておいた、その乗客が利用するつもりの路線を特定する文字列や数値(路線ID)、およびその乗客が降車するつもりの停留所を特定する文字列や数値(以下、降車停留所IDと称する。降車停留所IDは、停留所IDnのうちからいずれか1つと同一の情報、あるいはいずれか1つの停留所IDnを特定する情報である)が挙げられる。車両処理部106は、乗車検知部112から出力された携帯通信端末2に固有の通信識別子を受け付けると、その通信識別子を乗客IDとして記録部112に記録するとともに、その乗客IDによって特定される携帯通信端末2から車内通信部108によって受信した路線IDと降車停留所IDを乗客IDと対応させて記録部105に記録する。なお、乗客毎の乗客ID、路線IDおよび降車停留所IDをまとめて乗客情報と称する。図3に、車両搭載装置に記憶する各乗客毎の乗客情報の概念図を示す。車内通信部108は、少なくとも乗車検知部112が携帯通信端末2のICチップ202から通信識別子を読み取った時点で、携帯通信端末2から乗客情報を受信する。車内通信部108は、定期的に携帯通信端末2から乗客情報を受信するようにしてもよい。
【0027】
また、車両処理部106は、降車検知部113から出力された携帯通信端末2に固有の通信識別子を受け付けると、記録部105に同一の通信識別子が既に記憶されていれば、車内通信部108にその通信識別子によって特定される携帯通信端末2との間での通信を中断させ、その後、その通信識別子(つまり、乗客ID)に対応する乗客情報を記録部105から削除する。
【0028】
車外通信部109は、乗合車両Aの外、特に降車口付近に存在する携帯通信端末2と無線通信を行う。車外通信部109もまた、車内通信部108と同様に短距離通信用の電波を利用して携帯通信端末2との間で通信を行うが、車内通信部108との無線通信を中断した携帯通信端末2と無線通信を行う。降車検知部113を構成するICリーダは、乗合車両内部に設置される場合があり、降車検知部113によって降車する乗客が所持する携帯通信端末2を特定したとしても、特定した時点ではその乗客が降車し終えていないことが想定される。このため、携帯通信端末2との無線通信可能な範囲を降車口付近に絞った車外通信部109によって、車内通信部108との無線通信を中断した携帯通信端末2に対して無線通信を要求し無線通信が開始されれば、車両処理部106は、その携帯通信端末2を所持する乗客が乗合車両Aが降車したとみなして、車外通信部109にその携帯通信端末2との無線通信を終了させ、その通信識別子(つまり、乗客ID)に対応する乗客情報を記録部105から削除する。
【0029】
端末位置検知部107は、乗客が携帯する携帯通信端末2の車内における位置を特定する。携帯通信端末2の位置を特定するためには、近年の無線電波を利用した測位技術(例えば、数cm程度の誤差で位置を特定することができるICタグやUWBを利用した局所的な測位技術が挙げられる)を利用する。端末位置検知部107は、特定した携帯通信端末2の車内における位置を車両処理部106に通知する。車両処理部106は、図3の車両搭載装置に記憶する各乗客毎の乗客情報の概念図に示すように、端末位置検知部107から通知された携帯通信端末2の車内における車内位置(あるいはその位置を表す識別子)を乗客IDと対応させて記録部105に記録する。車両処理部106は、表示部102が乗合車両内の複数箇所に設けられている場合、ある乗客が降車する予定の降車場所に関する情報等をその乗客近辺に設けられている表示部102に表示させるよう乗客管理装置104を制御する。この構成により、各乗客が必要とする異なる内容の情報を各乗客の最寄の表示部に表示することができるため、各乗客に最適な情報を通知することができる。
【0030】
乗客管理装置104は、停留所案内装置103に記録された路線情報や運行状況特定部110により特定される運行状況を参照して乗合車両Aが走行中の路線における次に停車する停留所を表示部102に表示させるとともに、記録部105に記録された乗客情報に基づいて、次の停留所にて降車予定の乗客に対して降車を促すための画面を表示部102に表示させる。以下、乗客管理装置104による処理を、図4に示す本発明の乗車支援システムを路線バスに適用した場合の車両内部の模式図と、図5に示す各乗客毎の乗客情報一覧を参照して説明する。図4の車両内部の模式図において、表示部102は、車両の内壁に8箇所設けられており、一辺に配置されている表示部102をA1からA4と表記し、別の一辺に配置されている表示部102をB1からB4と表記しており、図3の乗客情報のうち車内位置に記載されている情報は、A1からA4およびB1からB4の表示部102の位置を指すものである。
【0031】
図2に示す停留所IDnの順序のように、乗合車両Aが路線ID「124系」で特定される路線を走行しており、停留所ID「CCC」で特定される次の停留所に向かっているものとする。乗合車両Aが走行中の路線情報を車両処理部106から予め通知されている乗客管理装置104は、停留所ID「BBB」で特定される前の停留所を出発した時点で車両処理部106から次停車停留所ID「CCC」を通知され、また、車両処理部106から定期的に乗客情報を通知されている。
【0032】
乗客管理装置104は、乗客情報のうち、次停車停留所ID「CCC」と一致する降車停留所IDを持つ乗客情報を特定する(図5に示す乗客情報一覧において、点線で囲まれた乗客情報を特定する)。乗客管理装置104は、特定した乗客情報に記載の車内位置についての情報から、「A1」、「A2」、「A4」、「B3」および「B4」の表示部102を特定し、これらの表示部102に次の停留所にて降車を促す画面を表示する。また、乗客管理装置104は、「A3」、「B1」および「B2」の表示部102に乗合車両Aが次に停車する停留所を知らせる画面を表示する。また、乗客管理装置104は、特定した乗客情報のデータ数を次の停留所にて降車する乗客の総数として表示部101に、、各エリアごとに特定した乗客情報のデータ数をそのエリアに配置された表示部102に表示する。乗客管理装置104は、車両処理部106から定期的に乗客情報が通知される度に、この表示処理を繰り返す。
【0033】
次に、本発明の実施の形態の乗降支援システム構成における携帯通信端末2について説明する。図1に示すように、携帯通信端末2は、通信部201と、ICチップ202と、CPU203と、記録部204と、表示部205と、操作部206と、を備えている。
【0034】
ICチップ202は、車両搭載装置1の乗車検知部112または降車検知部113を構成するICリーダ/ライタとの間で、非接触無線通信を実行する機能を有する。ICチップ202は、携帯通信端末2に固有の通信識別子を記憶しており、乗車検知部112を構成するICリーダ/ライタにICチップをかざした際に、そのICリーダ/ライタに携帯通信端末2に固有の通信識別子を送信し、車両搭載装置1に固有の通信識別子の書き込みを受け付ける。
【0035】
通信部201は、車両搭載装置1と通信する機能を有する。通信部201は、RFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)で使用される短距離通信用の電波やUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線)等の無線電波を利用して、ICチップ202に書き込まれた通信識別子を基に車両搭載装置1との間で通信を行う。
【0036】
記録部204は、各種データを記録可能な記録装置によって構成される。図6に、携帯通信端末に記憶する端末情報の概念図を示す。本発明の実施の形態では、記録部204は、携帯通信端末2を所持する乗客が予め携帯通信端末2に設定しておいた、その乗客が利用するつもりの路線を特定する文字列や数値(路線ID)、その乗客が乗車するつもりの停留所を特定する文字列や数値(乗車停留所ID)、およびその乗客が降車するつもりの停留所を特定する文字列や数値(降車停留所ID)を記録している。なお、携帯通信端末2が記録部204に保持している路線ID、乗車停留所IDおよび降車停留所IDをまとめて端末情報と称する。通信部201は、記録部204に記録された路線IDおよび降車停留所IDを車両搭載装置1に送信することになる。路線IDおよび降車停留所IDを携帯通信端末2に設定する方法としては、携帯通信端末2の利用者が、これらのIDを設定するアプリケーションプログラム(例えば、停留所の名称を入力すればその停留所のIDを出力するプログラム)を起動し、携帯通信端末2に備わる操作部206を操作してこれらのIDを入力するようにしてもよいし、または、乗合車両Aに乗車して車両搭載装置1と携帯通信端末2との間で通信を開始した後、乗合車両Aが走行する路線についての路線情報を車両搭載装置1から受信し、路線情報に含まれる停留所IDから所望の停留所IDを操作部206を操作して選択するようにしてもよい。
【0037】
表示部204は、各種情報を表示する機能を有し、例えば近年の携帯端末に備わる液晶ディスプレイによって構成される。表示部204は、路線ID、乗車停留所IDおよび降車停留所IDを携帯通信端末2に設定する際に、路線名称、停留所名称または設定操作を促す画面等を表示したり、乗車運賃を表示したりして、携帯通信端末利用者による乗合車両Aの乗車を快適にする各種情報を表示する。
【0038】
次に、本発明の実施の形態の乗降支援システムの動作を、路線バスに乗降車する場合を例にして説明する。まず、本発明の実施の形態の乗降支援システムにおける車両搭載装置1が乗客情報を登録する処理を、図7に示す本発明の実施の形態の乗降支援システムによる乗客情報を登録する場合のフローチャート、および図8に示す本発明の実施の形態の乗降支援システムを利用した路線バスにおける乗客の位置、を参照して説明する。なお、図7のフローチャートにおいて、図面中央付近の点線より右側は車両搭載装置1による処理(乗客情報登録処理)を、左側は携帯通信端末2による処理(乗客情報通知処理)を記載している。
【0039】
乗車検知部112は、携帯通信端末2を携帯する乗車希望者が乗合車両Aに乗車時に乗車検知部112に携帯通信端末2をかざすと(図8に示す乗客H1がかざしている)、携帯通信端末2のICチップ202との無線通信を開始し、ICチップ202に記憶された携帯通信端末2に固有の通信識別子を読み取り、車両搭載装置1に固有の通信識別子をICチップ202に書き込む。携帯通信端末に搭載されたICチップとICリーダ/ライタを本発明の乗降支援システムに利用すれば、このシステムを利用するために乗客にかかる負担を抑えつつ、車両搭載装置は乗客が携帯している携帯通信端末を洩れなく認識することができる。
【0040】
携帯通信端末2は、記録部204に路線IDおよび降車停留所IDが設定されているかを判定する(ステップS701)。携帯通信端末2は、路線IDおよび降車停留所IDが設定されていれば車両搭載装置1に送信する(ステップS707)。一方、携帯通信端末2は、路線IDおよび降車停留所IDが設定されていなければ、路線情報を送信するよう要求する路線情報リクエストを車両搭載装置1に送信する(ステップS702)。車両搭載装置1は、路線情報リクエストを受信すると(ステップS703)、車内通信部108に停留所案内装置103に記録された路線情報を送信させる(ステップS704)。路線情報を受信した携帯通信端末2は、路線情報に含まれる停留所IDから降車停留所IDを選択し、路線IDおよび降車停留所IDを設定する(ステップS706)。携帯通信端末2は、設定した路線IDおよび降車停留所IDを車内通信部108に送信する(ステップS707)。携帯通信端末2は、所定時間が経過する、あるいは路線ID、降車停留所IDが更新されるなどのある条件を満たす度に(ステップS708)、ステップS701からS707の処理を繰り返す。
【0041】
車両搭載装置1は、携帯通信端末2から路線IDおよび降車停留所IDを受信すると(ステップS709)、乗車検知部112によって読み取った携帯通信端末2に固有の通信識別子(乗客ID)と、受信した路線IDおよび降車停留所IDと、を対応させて登録する(ステップS710)。さらに、車両搭載装置1は、端末位置検知部107によって携帯通信端末2の車内における位置を特定し(ステップS711)、特定した携帯通信端末2の車内における位置(例えば、図8におけるH2が携帯する携帯通信端末の位置)を乗客IDと対応させて登録する(ステップS712)。車両搭載装置1は、路線IDおよび降車停留所IDを受信する度に、ステップS709からステップS712の処理を繰り返す。なお、車両搭載装置1は、車両搭載装置1が停留所案内装置103に保持する路線IDとステップS709の処理において受信した路線IDとが一致しない場合、あるいは、車両搭載装置1が停留所案内装置103に保持する停留所IDのなかにステップS709の処理において受信した降車停留所IDに一致するものがない場合、ステップS710以降の処理を中断し、乗客情報の登録処理にエラーが発生したことを通知するエラーメッセージを携帯通信端末2に送信したり、再度の乗客情報の送信を要求するリクエストを携帯通信端末2に送信したりするようにしてもよい。
【0042】
続いて、本発明の実施の形態の乗降支援システムにおける車両搭載装置1が次の停留所にて降車を促す画面を表示する処理を、図9に示す本発明の実施の形態の乗降支援システムによる次の停留所にて降車を促す画面を表示する場合のフローチャートを参照して説明する。
【0043】
車両搭載装置1は、登録した乗客情報のうち、運行状況特定部110によって特定した次停車停留所IDと一致する降車停留所IDを持つ乗客情報を特定する(ステップS901)。車両搭載装置1は、一致する降車停留所IDを持つ乗客情報に対しては、その乗客情報に記載の車内位置に応じた表示部102に次の停留所にて降車を促す画面を表示し(ステップS902)、一方、一致しない降車停留所IDを持つ乗客情報に対しては、その乗客情報に記載の車内位置に応じた表示部102に乗合車両Aが次に停車する停留所を知らせる画面を表示する(ステップS903)。また、車両搭載装置1は、特定した乗客情報のデータ数を次の停留所にて降車する乗客の総数として、運転席に設置された表示部101および各表示部102に表示する(ステップS904)。その後、車両搭載装置1は、次停車停留所IDを更新し(ステップS903)、ステップS901、S902、S903の処理を繰り返す。
【0044】
これにより、携帯通信端末で乗客が指定した降車駅や降車停留所などの降車場所を乗客毎に案内を行うことができ、また、降車する乗客の有無を他の乗客や運転手に知らせることできる。この結果、乗客や運転手は乗合車両が停車する前に予め次の降車場所にて降車する乗客の数を知ることができるため、乗客は降車する乗客が降車し易いように乗合車両内における立ち位置(座席)を変えたり、運転手は出入口の開閉を行うタイミングの目処をつけたりして、車両内での乗車環境を快適にすることができる。
【0045】
また、乗客が降車を希望する降車停留所などの降車場所が次の降車場所であることを、携帯通信端末利用者毎に案内することができる。このため、自分以外の乗客に対する降車の案内を自身への降車の案内と誤って認識してしまうことがなくなる。
【0046】
また、前記表示部102による表示方法としては、例えば、降車する乗客数が5人以上では赤(R)、1〜4人では緑(G)、青(B)では0人というように、降車する乗客数に応じて色分けして表示したり、または同時に数字や記号等で表示したりするなどして表示すれば、乗客はより次の停留所での降車状況を把握し易くなる。
【0047】
図9に示すフローチャートでは、車両搭載装置1が乗客情報の中から次停車停留所IDと一致する降車停留所IDを持つ乗客情報を特定する処理について説明したが、別の処理として、携帯通信端末2が自端末に登録された降車停留所IDと次停車停留所IDとが一致するかを判別し、その判別結果を車両搭載装置1に通知する場合について説明する。この場合についても、車両搭載装置1が乗客情報を特定する処理と同様の効果が得られる。図10に、本発明の実施の形態の乗降支援システムによる次の停留所にて降車を促す画面を表示する場合の別のフローチャートを示す。なお、図10のフローチャートにおいて、図面中央付近の点線より右側は車両搭載装置1による処理を、左側は携帯通信端末2による処理を記載している。
【0048】
車両搭載装置1は、運行状況特定部110によって特定した次停車停留所IDを携帯通信端末2に送信する(ステップS1001)。携帯通信端末2は、車両搭載装置1から次停車停留所IDを受信すると(ステップS1002)、受信した次停車停留所IDと設定された降車停留所IDとが一致するか否かを判定する(ステップS1003)。携帯通信端末2は、一致する場合には、次の停留所にて降車を希望することを通知する降車希望リクエストを車両搭載装置1に送信する(ステップS1004)。携帯通信端末2は、一致しない場合には、車両搭載装置1から次停車停留所IDが送信されるのを待つ待ち受け状態になる(ステップS1005)。
【0049】
車両搭載装置1は、携帯通信端末2から降車希望リクエストを受信すると(ステップS1006)、車両搭載装置1は、降車希望リクエストを送信した携帯通信端末2の乗客情報を特定し(ステップS1007)、降車希望リクエストを送信した携帯通信端末2の乗客IDに対応する乗客情報に対しては、その乗客情報に記載の車内位置に応じた表示部102に次の停留所にて降車を促す画面を表示し(ステップS1008)、一方、それ以外の乗客情報に対しては、その乗客情報に記載の車内位置に応じた表示部102に乗合車両Aが次に停車する停留所を知らせる画面を表示する(ステップS1009)。また、車両搭載装置1は、降車希望リクエストを受信したリクエスト回数を次の停留所にて降車する乗客の総数として、運転席に設置された表示部101に表示する(ステップS1010)。その後、車両搭載装置1は、次停車停留所IDを更新したときに(ステップS1011)、上記のリクエスト回数をリセットし(ステップS1012)、ステップS1001の処理を繰り返す。
【0050】
続いて、本発明の実施の形態の乗降支援システムによる乗客が降車する場合の処理を、図11に示す本発明の実施の形態の乗降支援システムによる乗客が降車する場合の処理のフローチャートを参照して説明する。
【0051】
降車検知部113は、携帯通信端末2を携帯する降車希望者が乗合車両Aからの降車時に降車検知部113に携帯通信端末2をかざすと(図8に示す乗客H3がかざしている)、携帯通信端末2のICチップ202に記憶された携帯通信端末2に固有の通信識別子を読み取る。車両搭載装置1は、降車検知部113により読み取った携帯通信端末2に固有の通信識別子が既に記憶されていれば、車内通信部108によるその携帯通信端末2との通信を中断し(ステップS1101)、車外通信部109に携帯通信端末2(図8に示すH4が携帯する携帯通信端末)との無線通信の確立処理を実行させる(ステップS1102)。車両搭載装置1は、車内通信部108との無線通信を中断した携帯通信端末2に対して無線通信を要求し無線通信が確立されれば(ステップS1103)、その携帯通信端末2を所持する乗客が乗合車両Aが降車したとみなして、車外通信部109にその携帯通信端末2との無線通信を終了させ、その通信識別子(つまり、乗客ID)に対応する乗客情報を記録部105から削除する(ステップS1104)。
【0052】
車両搭載装置1は、乗客情報を削除する度に、その乗客情報に記載の車内位置に応じた表示部102に表示していた画面を次に停車する停留所を知らせる画面に切り替えて表示する(ステップS1105)。また、車両搭載装置1は、乗客情報を削除する度に、残りの乗客情報のデータ数を現在の停留所にて降車すべき乗客の総数として、運転席に設置された表示部101に表示する(ステップS1106)。その後、車両搭載装置1は、停車中の停留所である次停車停留所IDが降車停留所IDである乗客情報を全て削除すると(ステップS1107)、次停車停留所IDを更新する(ステップS1108)。
【0053】
この構成により、乗客の降車人数および残りの乗客数を確認できるため、乗客、運転手とともに降車状況を容易に確認することができる。この結果、運転手は速やかな出入口のドア操作と運転操作を実施することができ、降車する乗客は降車状況に応じて出入口の混雑を避けるために出入口に向かうタイミングを計ることができる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態の乗降支援システムによれば、乗客が降車を希望する降車停留所などの降車場所が次の降車場所であることを、携帯通信端末利用者毎に案内することができる。このため、自分以外の乗客に対する降車の案内を自身への降車の案内と誤って認識してしまうことがなくなる。
【0055】
また、本発明の実施の形態の乗降支援システムによれば、次の降車場所と降車人数を確認することができるため、その車両表示部を確認した運転手は降り遅れの乗客が乗合車両内に残らないようにして出入口のドア開閉を行う、また、その車両表示部を確認した乗客はその降車人数を予め把握しておけば降車する乗客が降車し易いように乗合車両内における立ち位置(座席)を変えたりする、などすることによって、車両内での乗車環境を快適にすることができる。
【0056】
また、本発明の実施の形態の乗降支援システムによれば、乗客の降車人数および残りの乗客数を確認できるため、乗客、運転手とともに降車状況を容易に確認することができる。この結果、運転手は速やかな出入口のドア操作と運転操作を実施することができ、降車する乗客は降車状況に応じて出入口の混雑を避けるために出入口に向かうタイミングを計ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の乗降支援システムおよび乗降支援方法によれば、携帯通信端末で乗客が指定した降車駅や降車停留所などの降車場所を乗客毎に案内を行うことができ、また、降車する乗客の有無を他の乗客や運転手に知らせることできるという効果を有し、乗客が携帯している携帯端末によって、当該乗客に対して効果的な降車案内を行う乗車支援システム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態の乗降支援システム構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態の乗降支援システムにおける車両搭載装置に記憶する路線情報の概念図
【図3】本発明の実施の形態の乗降支援システムにおける車両搭載装置に記憶する各乗客毎の乗客情報の概念図
【図4】本発明の乗車支援システムを路線バスに適用した場合の車両内部の模式図
【図5】各乗客毎の乗客情報一覧
【図6】本発明の実施の形態の乗降支援システムにおける携帯通信端末に記憶する端末情報の概念図
【図7】本発明の実施の形態の乗降支援システムによる乗客情報を登録する場合のフローチャート
【図8】本発明の実施の形態の乗降支援システムを利用した路線バスにおける乗客の位置
【図9】本発明の実施の形態の乗降支援システムによる次の停留所にて降車を促す画面を表示する場合のフローチャート
【図10】本発明の実施の形態の乗降支援システムによる次の停留所にて降車を促す画面を表示する場合の別のフローチャート
【図11】本発明の実施の形態の乗降支援システムによる乗客が降車する場合の処理のフローチャート
【符号の説明】
【0059】
1 車両搭載装置
101、102 表示部
103 停留所案内装置
104 乗客管理装置
105 記録部
106 車両処理部
107 端末位置検知部
108 車内通信部
109 車外通信部
110 運行状況特定部
2 携帯通信端末
201 通信部
202 ICチップ
203 CPU
204 記録部
205 表示部
206 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗合車両に搭載される車両搭載装置と、前記乗合車両を利用する各利用者が携帯する少なくとも2つ以上の携帯通信端末と、から構成される乗降支援システムであって、
前記車両搭載装置には、
前記携帯通信端末と通信可能な車両通信部と、
各種演算処理を行う車両処理部と、
各種情報を表示する車両表示部と、を設け、
前記携帯通信端末には、
前記車両搭載装置と通信可能な携帯通信部と、
各種演算処理を行う携帯処理部と、
当該携帯通信端末利用者が降車する降車場所に関する降車情報を記録する携帯記録部と、を設け、
前記携帯処理部は、前記携帯記録部に記録した降車情報と、当該携帯通信端末を識別する識別情報と、を前記携帯通信部によって前記車両搭載装置に送信させ、
前記車両処理部は、前記車両通信部によって前記携帯通信端末それぞれから受信した前記降車情報に基づいて各携帯通信端末利用者が降車する予定の降車位置を算出し、前記識別情報に対応させて当該降車位置を前記車両表示部に表示させる、
乗降支援システム。
【請求項2】
請求項1記載の乗降支援システムであって、
前記車両搭載装置には、
前記乗合車両が運行している運行位置を特定する運行状況特定部を設け、
前記車両処理部は、前記運行特定部によって特定された運行位置と算出した前記降車位置との一致、不一致を判定し、一致と判定した場合には降車を促すための情報を前記識別情報に対応させて前記車両表示部に表示させる、
乗降支援システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の乗降支援システムであって、
前記車両搭載装置には、
前記乗合車両内における前記携帯通信端末それぞれの位置を特定する携帯端末位置検知部を設け、
前記車両表示部は、前記乗合車両内を複数に区分したエリア毎に設けられており、
前記車両処理部は、前記携帯端末位置検知部により特定した前記携帯通信端末の位置を含むエリアに設けられた前記車両表示部に表示させる、
乗降支援システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の乗降支援システムであって、
前記車両処理部は、前記車両通信部によって前記携帯通信端末それぞれから受信した前記降車情報に基づいて各携帯通信端末利用者が降車する予定の降車位置を算出し、前記識別情報に対応させて当該降車位置を前記車両表示部に表示させるとともに、同一降車位置が算出された回数を前記車両表示部に表示させる、
乗降支援システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の乗降支援システムであって、
前記車両搭載装置には、
前記乗合車両内から外へ移動する携帯通信端末における前記識別情報を検出する降車検出部を設け、
前記車両処理部は、前記降車検出装置が検出するまでの期間、前記識別情報に対応させて前記車両表示部に表示させる、
乗降支援システム。
【請求項6】
携帯通信端末を利用する利用者による、車両搭載装置を搭載した乗合車両の乗降を支援する乗降支援方法であって、
前記携帯通信端末によって、前記利用者が降車する降車場所に関する降車情報と、当該携帯通信端末を識別する識別情報と、を前記車両搭載装置に送信するステップと、
前記車両搭載装置によって、前記降車情報と前記識別情報とを前記携帯通信端末から受信するステップと、
前記車両搭載装置によって、前記降車情報に基づいて前記利用者が降車する予定の降車位置を算出するステップと、
前記車両搭載装置によって、算出した前記降車位置を前記識別情報に対応させて表示させるステップ、
を有する乗降支援方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2008−65759(P2008−65759A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−245584(P2006−245584)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】