乳化型化粧料
【課題】 肌にべたつきやテカリのないさらさらな滑りを確保したまま、かさつきがなくなめらかな感触を付与することができ、更にカサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れた乳化型化粧料の提供。
【解決手段】 圧縮強度が０．７〜１０ｋｇｆ／ｍｍ2である架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体を含有する乳化型化粧料。
【解決手段】 圧縮強度が０．７〜１０ｋｇｆ／ｍｍ2である架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体を含有する乳化型化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、特定のゴム弾性を有する架橋樹脂粉体を含有する乳化型化粧料に関する。
【背景技術】
【０００２】
粉体を含有する化粧料としては、ファンデーション、白粉、頬紅、アイシャドウ等のメイクアップ化粧料のほかに、ボディーパウダー、ベビーパウダー、ボディーローション等のボディ用化粧料、フェイスローション、プレシェーブローション等のローション製剤、更には乳液、クリームなどが市販されている。これらボディ用化粧料、ローション製剤、乳液、クリーム等において、粉体は、肌上での伸びや感触の向上、皺隠し効果などの機能付与を目的として使用される。例えば、シリカ、タルク等の無機粉体、ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリスチレン、ナイロン、ポリエチレン等からなる樹脂粉体が挙げられる。しかしながら、これらの粉体材料は、その種類に応じた特徴を有するものの、ソフトな感触やなめらかな感触を付与するという点では不十分である。
【０００３】
特許文献１〜３には、圧縮強度が０．０５〜０．６ｋｇｆ／ｍｍ2の架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粒子を含有する外用剤が開示されている。このような粒子は良好な伸びと感触を有するが、まだ満足できるものではなく、より一層優れた伸び、なめらかさ、ソフト感などの感触を併せ持つ粒子が求められている。
【特許文献１】特開２０００−１８６０１７号公報
【特許文献２】特開２０００−３０２６２４号公報
【特許文献３】特開２００２−２６５５２９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
シリカやタルク等の無機粉体や樹脂粉体を配合した乳化型化粧料を肌に適用した場合、粉体によって、汗や皮脂によるべたつきや肌のテカリを緩和するものの、粉体特有のかさついた感触が残るため自然な肌感触が得られない。特に冬場などの乾燥した環境では、カサカサした感触を与え、好ましいものではなかった。
【０００５】
従って、本発明の課題は、肌にべたつきやテカリのないさらさらな滑りを確保したまま、かさつきがなくなめらかな感触を付与することができ、更にそうした感触向上効果の持続性にも優れた乳化型化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、圧縮強度が０．７〜１０ｋｇｆ／ｍｍ2である架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体を含有する乳化型化粧料を提供する。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の乳化型化粧料は、肌にべたつきやテカリのなさを確保したまま、かさつかずなめらかな感触を付与することができ、更にそのような感触向上効果の持続性にも優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
［架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体］
本発明に用いられる架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体は、肌のべたつきやテカリのなさ及びなめらかさを得る観点から、圧縮強度が０．７〜１０ｋｇｆ／ｍｍ2であり、特に２〜８ｋｇｆ／ｍｍ2が好ましい。
【０００９】
ここで、圧縮強度とは、樹脂粒子を（株）島津製作所製微小圧縮試験機MCT-M200にて圧縮試験を行った場合に、粒子径の１０％変形時の荷重と粒子径とから下記式によって算出される値である。なお、圧縮強度は２５℃で測定する。
【００１０】
圧縮強度（kgf／mm2）＝2.8×荷重（kgf）／｛π×粒子径（mm）×粒子径（mm）｝
樹脂粒子の圧縮強度は、樹脂粒子を構成する単量体と架橋剤の種類と配合量を制御することにより、適宜調節することができる。
【００１１】
本発明で用いられる架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体としては、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも１種の単量体（以下（メタ）アクリル酸エステル単量体という）とカルボキシル基を有する単量体とを含む単量体成分を共重合してなる架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体が好ましい。
なお、本明細書において、「（メタ）アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの両方を含む概念である。
【００１２】
本発明に用いられる（メタ）アクリル酸エステル単量体としては、アルキル基の炭素数が１〜１８の（メタ）アクリル酸アルキルエステルが好ましい。具体的には、（メタ）アクリル酸メチル、（メタ）アクリル酸エチル、（メタ）アクリル酸ｎ−ブチル、（メタ）アクリル酸イソブチル、（メタ）アクリル酸２−エチルヘキシル、（メタ）アクリル酸ラウリル、（メタ）アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの中でも、（メタ）アクリル酸ブチル、（メタ）アクリル酸ラウリル、（メタ）アクリル酸ステアリル等のアルキル基の炭素数が４〜１８の（メタ）アクリル酸アルキルが特に好ましい。これらは複数種組み合わせて用いてもよい。全単量体成分（後述の架橋性単量体も含む。以下同様）中の（メタ）アクリル酸エステル単量体の割合は、３０〜９８質量％が好ましく、５０〜８５質量％がより好ましい。
【００１３】
本発明で用いられるカルボキシル基を有する単量体としては、（メタ）アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等が挙げられる。これらは複数種組み合わせて用いてもよい。全単量体成分中のカルボキシル基を有する単量体の割合は、粉体の合着を抑制し、良好な粉体の感触（なめらかさ、さらさら感）を得る観点から、０．１〜３０質量％が好ましく、１〜１０質量％がより好ましい。
【００１４】
架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体に含有されるカルボキシル基の一部は中和されていてもよい。中和のための塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基が好ましいが、アミン類、アルカノールアミン類、塩基性アミノ酸等の有機塩基も用いることができる。粉体のなめらかさとさらさら感をより向上させる観点から、中和度は１〜３０％が好ましく、１〜２０％が特に好ましい。ここで中和度とはカルボキシル基を有する単量体のカルボキシル基のモル数に対する、添加された塩基のモル数の比を百分率で表したものである。
【００１５】
単量体成分は架橋剤として、ビニル基を２個以上有する架橋性単量体を含むことが好ましい。このような架橋性単量体としては、エチレングリコールジ（メタ）アクリレート、ジエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、トリエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、デカエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、１，３−ブチレングリコールジ（メタ）アクリレート、１，４−ブタンジオールジ（メタ）アクリレート、１，６−ヘキサンジオールジ（メタ）アクリレート、グリセリンジ（メタ）アクリレート、（メタ）アクリル酸アリル、トリメチロールプロパントリ（メタ）アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ（メタ）アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ（メタ）アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ（メタ）アクリレート、ポリエステル（メタ）アクリレート、ウレタン（メタ）アクリレート等の（メタ）アクリル酸エステル系架橋性単量体、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル系単量体が挙げられる。これらは１種あるいは２種以上組み合わせて用いてもよい。これらの架橋性単量体の中でも、エチレングリコールジ（メタ）アクリレート、ジエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、トリエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、１，３−ブチレングリコールジ（メタ）アクリレート、１，４−ブタンジオールジ（メタ）アクリレート、１，６−ヘキサンジオールジ（メタ）アクリレート等の（ポリ）アルキレングリコールジ（メタ）アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ（メタ）アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ（メタ）アクリレート、ポリエステル（メタ）アクリレートが、皮膚刺激が低いため、乳化型化粧料として用いるのに特に適している。これらの架橋性単量体は、全単量体成分に対し、３〜５０質量％となるように使用するのが好ましい。
【００１６】
単量体成分として、上記（メタ）アクリル酸エステル単量体、カルボキシル基を有する単量体及び架橋性単量体以外に、これらと共重合可能な他の単量体を共重合させてもよい。他の単量体として、スチレン、（メタ）アクリロニトリル、（メタ）アクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルピロリドン等が挙げられる。
【００１７】
架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体は、例えば上記の（メタ）アクリル酸エステル単量体、カルボキシル基を有する単量体及び架橋性単量体を含む単量体成分を、分散剤、重合開始剤等を用いて水性懸濁重合、乳化重合、シード重合、分散重合等により重合することで得ることができる。この内、球状で粒径のそろった樹脂粉体が得やすいという観点から、水性懸濁重合法が好ましい。
【００１８】
水性懸濁重合は、単量体を含む油相と水相を混合した後、撹拌しながら昇温して行われる。この際、界面活性剤を分散剤として用いる。界面活性剤の使用量は、全単量体成分１００質量部に対して、０．０１〜５０質量部が好ましく、０．０１〜１０質量部がより好ましく、０．１〜５質量部が特に好ましい。
【００１９】
ここに、界面活性剤としては、スルホン酸（塩）基を有するものが好ましい。これにより、更になめらかでさらさら感を持つ樹脂粉体を得ることができる。
【００２０】
スルホン酸（塩）基を有する界面活性剤としては、特開２００３−１４６８２６号公報段落番号００３２〜００３６に記載されているものなどが挙げられる。中でも、炭素数５〜３０のアルキル基又はアルケニル基を有し、１分子内に平均０．５〜２５モルのアルキレンオキサイドを付加していてもよいアルキル又はアルケニルエーテルスルホン酸又はその塩、及び炭素数５〜３０のアルキル基又はアルケニル基を有するアシル化タウリン又はその塩が好ましく、下記一般式（Ｉ）で表されるアシル化タウリン（塩）が特に好ましい。
【００２１】
Ｒ1ＣＯＮＲ2ＣＨ2ＣＨ2ＳＯ3Ｍ （Ｉ）
［式中、Ｒ1は置換基を有していてもよい炭素数５〜３０のアルキル基又はアルケニル基、Ｒ2は水素原子又はメチル基、Ｍは水素原子又はカチオンを示す。］
一般式（Ｉ）において、Ｒ1としては、炭素数６〜２４のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。具体例としては、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、デセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、エイコセニル等が挙げられる。また、アルキル基又はアルケニル基の置換基としては、水酸基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基、アミド基等が挙げられる。
【００２２】
Ｍで示されるカチオンとしては、アルカリ金属、アンモニウム、総炭素数１〜２２のアルキル若しくはアルケニルアミン、総炭素数１〜２２のアルカノールアミン、塩基性アミノ酸塩等のカチオンが挙げられ、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオンが好ましく、ナトリウムイオンが特に好ましい。
【００２３】
重合に用いられる重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、ｔ−ブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性過酸化物、２，２’−アゾビスイソブチロニトリル、２，２’−アゾビス（２，４−ジメチルバレロニトリル）などの油溶性アゾ化合物が挙げられる。重合開始剤の添加量は、全単量体成分に対し０．１〜１０質量％が好ましい。
重合温度や重合時間は特に限定されるものではないが、重合温度は４０〜１００℃、重合時間は１〜１５時間が好ましい。
【００２４】
本発明の樹脂粉体の形状は、皮膚上での感触が良好であることから、球状体が好ましい。また、平均粒径は、きしみ感を低減するという観点から、１μｍ以上が好ましく、１．５μｍ以上が更に好ましく、２μｍ以上が特に好ましい。一方、ざらつきを抑え、更に皮膚定着性を向上させる観点から、１０μｍ以下が好ましく、８μｍ以下が更に好ましく、６μｍ以下が特に好ましい。
【００２５】
尚、平均粒径は、レーザー回折型粒径分布測定装置（例えば、堀場製作所製 ＬＡ−９２０）を用い、粉体の水懸濁液を２０℃において相対屈折率１．１にて重量平均粒径を測定することで求めることができる。
【００２６】
［乳化型化粧料］
本発明の乳化型化粧料としては、油中水型（Ｗ／Ｏ）、水中油型（Ｏ／Ｗ）のいずれでも良く、乳化物の形で皮膚に適用し得る全ての型の化粧料が包含される。例えば、クリーム、ファンデーション、乳液、アイシャドウ、リップグロス、マスカラ、アイライナー等が挙げられる。
【００２７】
本発明の乳化型化粧料は、油相と水相とからなる乳化系中に前記の架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体を含有することを特徴とする。
【００２８】
本発明の乳化型化粧料中の架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体の含有量は、肌のべたつきを抑え、且つ肌を白くさせない観点から、０．５〜５０質量％が好ましく、１〜３０質量％が更に好ましく、１〜１５質量％が特に好ましい。
【００２９】
本発明の乳化型化粧料の油相に含有される油剤としては、特に限定されず、化粧料用の一般油剤を用いることができる。例えば、シリコーン油、炭化水素類、エステル油、脂肪族アルコール類、エーテル油、脂肪酸類等が挙げられ、これらを単独で、又は２種以上組み合わせて用いることができる。
【００３０】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドジェンポリシロキサン、環状ポリジメチルシロキサン、環状ポリメチルフェニルシロキサン、環状ポリメチルハイドロジェンシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、高級アルコール変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、長鎖アルキル変性ポリシロキサン等が挙げられる。
【００３１】
炭化水素類としては、スクワレン、スクワラン、ワセリン、流動パラフィン等が挙げられる。エステル油としては、２−エチルヘキサン酸セチル、ジ２−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸２−オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸２−エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、オレイン酸２−オクチルドデシル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ラノリン、酢酸ラノリン、アボガド油、アーモンド油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、カカオ脂、ホホバ油、ゴマ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、小麦胚芽油、落花生油、タートル油、パーシック油、ヒマシ油、ミンク油、綿実油、ヤシ油、卵黄油、ポリプロピレングリコールモノオレート、イソステアリン酸トリグリセライド、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセライド、２−エチルヘキサン酸トリグリセライド、２−エチルヘキサン酸ジグリセライド、ジ−パラメトキシケイ皮酸−モノ−２−エチルヘキサン酸グリセライド等が挙げられる。
【００３２】
脂肪族アルコール類としては、ヘキサデシルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。エーテル油としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル等が挙げられる。脂肪酸類としては、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。
【００３３】
本発明の乳化型化粧料中の油剤の含有量は、べたつきを抑え適度な油性感を与える観点から、０．１〜２０質量％が好ましく、０．５〜１０質量％が更に好ましい。
【００３４】
本発明の乳化型化粧料は水を任意の量で含有することができるが、良好な使用感、すなわち油性感あるいはべたつき感が少なく、かつのびを良くするためには、他の水溶性溶剤との合計で１０質量％以上、更には１０〜９５質量％、特に３０〜９０質量％配合することが好ましい。ここで他の水溶性溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、１，３−ブチレングリコール等の低級アルコールまたはポリオールが挙げられる。
【００３５】
本発明の乳化型化粧料は乳化剤を含有することが好ましい。乳化剤としては、ポリオキシエチレン付加型、ポリグリセリンエステル型、ポリグリセリンエーテル型、アルキルグリコシド型、糖エステル型の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
【００３６】
本発明の乳化型化粧料には、上記成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲内で、増粘剤、保湿剤、紫外線吸収剤、美白剤、殺菌剤、酸化防止剤、清涼剤、香料等を配合することもできる。
【実施例】
【００３７】
例中の％は、特記しない限り質量％である。
【００３８】
製造例１
ビーカーにラウリルメタクリレート８５ｇ、エチレングリコールジメタクリレート１５ｇ、ラウロイルパーオキサイド２ｇを仕込み混合攪拌して溶解させた。ここにＮ−ステアロイル−Ｎ−メチルタウリンナトリウム（ＳＭＴ）を０．７５ｇ溶解させた。イオン交換水４００ｇを加え、ホモミキサーで粒径が２．４μｍになるまで分散させた。
【００３９】
４つ口フラスコにこの分散液を注ぎ込み、攪拌しながら窒素置換を３０分行った。オイルバスによりフラスコ内部の温度を８０℃まで加温し、８０℃に達してから５時間重合を行った後、室温まで冷却した。重合した粒子の分散液を凍結乾燥し、粒子を回収することにより樹脂粉体Ａを得た。
【００４０】
製造例２
ビーカーにラウリルメタクリレート８２ｇ、メタクリル酸３ｇ、エチレングリコールジメタクリレート１５ｇ、ラウロイルパーオキサイド２ｇを仕込み混合攪拌して溶解させた。ここにドデシル硫酸ナトリウム（ＳＤＳ）を０．７５ｇ溶解させたイオン交換水４００ｇを加え、ホモミキサーで粒径が２．５μｍになるまで分散させた。
【００４１】
４つ口フラスコにこの分散液を注ぎ込み、攪拌しながら窒素置換を３０分行った。オイルバスによりフラスコ内部の温度を８０℃まで加温し、８０℃に達してから５時間重合を行った後、室温まで冷却した。重合した粒子の分散液を凍結乾燥し、粒子を回収することにより樹脂粉体Ｂを得た。
【００４２】
製造例３
ビーカーにラウリルメタクリレート８２ｇ、メタクリル酸３ｇ、エチレングリコールジメタクリレート１５ｇ、ラウロイルパーオキサイド２ｇを仕込み混合攪拌して溶解させた。ここにＮ−ステアロイル−Ｎ−メチルタウリンナトリウム（ＳＭＴ）を０．７５ｇ溶解させたイオン交換水４００ｇを加え、ホモミキサーで粒径が２．２μｍになるまで分散させた。
【００４３】
４つ口フラスコにこの分散液を注ぎ込み、攪拌しながら窒素置換を３０分行った。オイルバスによりフラスコ内部の温度を８０℃まで加温し、８０℃に達してから５時間重合を行った後、室温まで冷却した。重合した粒子の分散液を凍結乾燥し、粒子を回収することにより樹脂粉体Ｃを得た。
【００４４】
製造例４
製造例３において、重合した粒子の分散液に１Ｎ ＮａＯＨ３．９ｇを滴下して中和を行った以外は、製造例３と同様にして樹脂粉体Ｃの中和品を得た。この樹脂粉体Ｃの中和品は、カルボキシル基の中和度が１１．２％であった。
【００４５】
製造例１〜４で得られた樹脂粉体Ａ、Ｂ、Ｃ及びＣの中和品について、下記方法で圧縮強度及び平均粒径を測定したところ、表１に示す結果が得られた。
【００４６】
＜圧縮強度測定法＞
樹脂粒子を、（株）島津製作所製微小圧縮試験機MCT-M200にて、２９ｍｇｆ／ｓの一定負荷速度で１ｇｆの荷重まで圧縮試験を行い、粒子径の１０％変形時の荷重と粒子径とから下記式によって算出した。１０点の試料について測定を行い、その平均値をもって圧縮強度とした。
【００４７】
圧縮強度（kgf／mm2）＝2.8×荷重（kgf）／｛π×粒子径（mm）×粒子径（mm）｝。
【００４８】
＜平均粒径測定法＞
樹脂粉体を（株）堀場製作所レーザー回折散乱式粒度分布測定装置（型番：LA920）にて、相対屈折率が１．１０（樹脂粉体の屈折率を１．４６、水の屈折率を１．３３とする）の条件にて、粒径を測定した際のメジアン径を平均粒径とした。
【００４９】
【表１】
【００５０】
実施例１〜４及び比較例１〜２
表２に示す組成のＯ／Ｗ乳化型化粧料を調製し、この化粧料を専門パネラー５名が前腕部に塗布し、以下の使用感の評価項目について、下記の通り評点をつけたときの５人の平均スコアを、下記基準でランクづけした。結果を表２に示す。
【００５１】
＜評価項目＞
・肌のべたつきのなさ
スコア４…べたつかない
スコア３…余りべたつかない
スコア２…ややべたつく
スコア１…べたつく
・かさつきの少なさ
スコア４…かさつかない
スコア３…余りかさつかない
スコア２…ややかさつく
スコア１…かさつく
・肌のべたつきを抑える効果の持続性（塗布１時間後）
スコア４…持続する
スコア３…やや持続する
スコア２…余り持続しない
スコア１…持続しない
＜判定基準＞
平均スコア３．５〜４．０…◎
平均スコア２．５〜３．４…○
平均スコア１．５〜２．４…△
平均スコア１．０〜１．４…×
【００５２】
【表２】
【００５３】
*1：メチルシロキサン網状重合体の粉体（信越化学工業（株）製、圧縮強度１２ｋｇｆ／ｍｍ2、平均粒径２μｍ）。
【００５４】
実施例５
下記組成のＯ／Ｗ型乳液を調製した。得られた乳液は、カサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れていた。
【００５５】
＜組成＞
樹脂粉体Ｃの中和品 3.00％
PEMULEN TR-1*1 0.40
水酸化ナトリウム 0.25
トリ（カプリル・カプリン酸）グリセリン 1.50
安息香酸アルキル（Ｃ１２〜１５） 2.25
モノステアリン酸ポリエチレングリコール 2.25
ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル(20EO) 0.38
ステアリン酸 0.37
ジメチルポリシロキサン（10cs） 0.75
エタノール 3.00
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
パラオキシ安息香酸メチル 0.20
香料 0.02
１，３−ブチレングリコール 3.00
精製水 82.53
合計 100.00
*1：アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 Noveon INC．社製。
【００５６】
実施例６
下記組成のＯ／Ｗ型乳液を調製した。得られた乳液は、カサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れていた。
【００５７】
＜組成＞
樹脂粉体Ｃ 2.00％
N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミド 3.00
コレステロール 0.60
イソステアリン酸コレステリル 0.60
ステアリン酸 0.30
パルミチン酸 0.30
モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル 0.80
セタノール 0.75
ステアリルアルコール 0.50
スクワラン 2.00
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 1.00
ジメチルポリシロキサン（６cs） 3.00
デカメチルシクロペンタシロキサン 3.00
カーボポール９８０*1 0.15
水酸化カリウム 0.04
ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム 0.90
モノステアリン酸ソルビタン 0.70
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.70
Ｎ−ステアロイル−Ｎ−メチルタウリンナトリウム 0.20
グリセリン 3.00
１，３−ブチレングリコール 2.00
パラオキシ安息香酸エチル 0.30
パラオキシ安息香酸ブチル 0.15
エタノール 2.00
香料 0.01
精製水 72.00
合計 100.00
*1：カルボキシビニルポリマー Noveon INC．社製。
【００５８】
実施例７
下記組成のＯ／Ｗ型ＵＶ防御用乳液を調製した。得られた乳液は、カサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れていた。
【００５９】
＜組成＞
樹脂粉体Ｂ 3.00％
モノステアリン酸グリセリル 0.90
ステアリン酸 0.50
バチルアルコール 1.00
イソステアリン酸イソプロピル 1.00
ミリスチン酸イソプロピル 2.00
パラメトキシケイ皮酸２−エチルヘキシル 2.00
４−tert−ブチル−４’−メトキシジベンゾイルメタン 0.50
オクタメチルシクロテトラシロキサン 2.00
コレステロール 0.20
カーボポール９８１*1 0.12
１，３−ブチレングリコール 5.00
エデト酸二ナトリウム 0.05
水酸化カリウム 0.12
エタノール 5.00
パラオキシ安息香酸メチル 0.30
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
パラオキシ安息香酸ブチル 0.05
香料 0.05
精製水 76.11
合計 100.00
*1：カルボキシビニルポリマー Noveon INC．社製。
【００６０】
実施例８
下記組成のＷ／Ｏ型クリームを調製した。得られたクリームは、カサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れていた。
【００６１】
＜組成＞
樹脂粉体Ａ 10.00％
マイクロクリスタリンワックス 8.00
軽質流動パラフィン 3.00
軽質流動イソパラフィン 10.00
ミツロウ 2.00
ワセリン 3.00
オクタメチルシクロテトラシロキサン 12.00
スクワラン 14.00
パルミチン酸イソプロピル 10.00
モノオレイン酸グリセリル 3.50
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル(20EO) 1.00
パラオキシ安息香酸メチル 0.30
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
プロピレングリコール 3.00
香料 0.10
精製水 20.00
合計 100.00
実施例９
下記組成のＯ／Ｗ型美白用乳液を調製した。得られた乳液は、カサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れていた。
【００６２】
＜組成＞
樹脂粉体Ｃの中和品 3.50％
Ｌ−アスコルビン酸−２−グルコシド 2.00
モノステアリン酸グリセリル 0.90
ステアリン酸 0.50
バチルアルコール 1.00
イソステアリン酸イソプロピル 1.00
ミリスチン酸イソプロピル 2.00
オクタメチルシクロテトラシロキサン 2.00
コレステロール 0.20
カーボポール９８０*1 0.12
１，３−ブチレングリコール 5.00
エデト酸二ナトリウム 0.05
水酸化カリウム 0.12
エタノール 5.00
パラオキシ安息香酸メチル 0.30
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
パラオキシ安息香酸ブチル 0.05
香料 0.05
精製水 76.11
合計 100.00
*1：カルボキシビニルポリマー Noveon INC．社製。
【００６３】
実施例１０
下記組成の顔用モイスチュア乳液を調製した。得られた乳液は、カサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れていた。
【００６４】
＜組成＞
精製水 81.91％
１，３−ブチレングリコール 3.00
PEMULEN TR-2*1 0.20
カーボポールＥＴＤ２０２０*2 0.15
パラオキシ安息香酸メチル 0.20
水酸化ナトリウム 0.25
樹脂粉体Ｃ 3.00
トリ（カプリル・カプリン酸）グリセリン 1.55
安息香酸アルキル（Ｃ１２〜１５） 2.32
ステアリン酸グリセリル 0.78
モノステアリン酸ポリエチレングリコール 0.78
ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル(20EO) 0.39
ステアリン酸 0.39
ジメチルポリシロキサン（10cs） 0.77
脂肪酸（Ｃ１２−１８）セチル 1.16
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
エタノール 3.00
香料 0.05
合計 100.00
*1：アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 Noveon INC．社製
*2：カルボキシビニルポリマー Noveon INC．社製。
【００６５】
実施例１１
下記組成の顔用ＵＶ防御モイスチュア乳液を調製した。得られた乳液は、カサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れていた。
【００６６】
＜組成＞
精製水 76.55％
１，３−ブチレングリコール 3.00
PEMULEN TR-1*1 0.20
カーボポールＥＴＤ２０２０*2 0.15
パラオキシ安息香酸メチル 0.20
水酸化ナトリウム 0.25
樹脂粉体Ｃの中和品 3.00
トリ（カプリル・カプリン酸）グリセリン 0.50
安息香酸アルキル（Ｃ１２−１５） 2.25
ステアリン酸グリセリル 0.50
モノステアリン酸ポリエチレングリコール 0.50
ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル(20EO) 0.25
ステアリン酸 0.25
ジメチルポリシロキサン（10cs） 0.50
脂肪酸（Ｃ１２−１８）セチル 0.75
パラメトキシケイ皮酸２−エチルヘキシル 6.00
４−tert−ブチル−４’−メトキシジベンゾイルメタン 2.00
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
エタノール 3.00
香料 0.05
合計 100.00
*1：アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 Noveon INC．社製
*2：カルボキシビニルポリマー Noveon INC．社製。
【００６７】
実施例１２
下記組成のボディ用乳液を調製した。得られた乳液は、カサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れていた。
【００６８】
＜組成＞
精製水 76.10％
グリセリン 4.50
パラオキシ安息香酸メチル 0.20
樹脂粉体Ｃの中和品 5.00
カーボポール９８１*1 0.10
水酸化ナトリウム 0.10
セトステアリルアルコール 1.60
ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル(20EO) 0.60
セチルアルコール 1.70
脂肪酸（Ｃ１２−１８）セチル 2.20
液状ラノリン 0.60
ジラウリン酸グリセリル 1.90
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
ジメチルポリシロキサン(200cs) 0.50
エタノール 4.50
香料 0.30
合計 100.00
*1：カルボキシビニルポリマー Noveon INC．社製。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、特定のゴム弾性を有する架橋樹脂粉体を含有する乳化型化粧料に関する。
【背景技術】
【０００２】
粉体を含有する化粧料としては、ファンデーション、白粉、頬紅、アイシャドウ等のメイクアップ化粧料のほかに、ボディーパウダー、ベビーパウダー、ボディーローション等のボディ用化粧料、フェイスローション、プレシェーブローション等のローション製剤、更には乳液、クリームなどが市販されている。これらボディ用化粧料、ローション製剤、乳液、クリーム等において、粉体は、肌上での伸びや感触の向上、皺隠し効果などの機能付与を目的として使用される。例えば、シリカ、タルク等の無機粉体、ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリスチレン、ナイロン、ポリエチレン等からなる樹脂粉体が挙げられる。しかしながら、これらの粉体材料は、その種類に応じた特徴を有するものの、ソフトな感触やなめらかな感触を付与するという点では不十分である。
【０００３】
特許文献１〜３には、圧縮強度が０．０５〜０．６ｋｇｆ／ｍｍ2の架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粒子を含有する外用剤が開示されている。このような粒子は良好な伸びと感触を有するが、まだ満足できるものではなく、より一層優れた伸び、なめらかさ、ソフト感などの感触を併せ持つ粒子が求められている。
【特許文献１】特開２０００−１８６０１７号公報
【特許文献２】特開２０００−３０２６２４号公報
【特許文献３】特開２００２−２６５５２９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
シリカやタルク等の無機粉体や樹脂粉体を配合した乳化型化粧料を肌に適用した場合、粉体によって、汗や皮脂によるべたつきや肌のテカリを緩和するものの、粉体特有のかさついた感触が残るため自然な肌感触が得られない。特に冬場などの乾燥した環境では、カサカサした感触を与え、好ましいものではなかった。
【０００５】
従って、本発明の課題は、肌にべたつきやテカリのないさらさらな滑りを確保したまま、かさつきがなくなめらかな感触を付与することができ、更にそうした感触向上効果の持続性にも優れた乳化型化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、圧縮強度が０．７〜１０ｋｇｆ／ｍｍ2である架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体を含有する乳化型化粧料を提供する。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の乳化型化粧料は、肌にべたつきやテカリのなさを確保したまま、かさつかずなめらかな感触を付与することができ、更にそのような感触向上効果の持続性にも優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
［架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体］
本発明に用いられる架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体は、肌のべたつきやテカリのなさ及びなめらかさを得る観点から、圧縮強度が０．７〜１０ｋｇｆ／ｍｍ2であり、特に２〜８ｋｇｆ／ｍｍ2が好ましい。
【０００９】
ここで、圧縮強度とは、樹脂粒子を（株）島津製作所製微小圧縮試験機MCT-M200にて圧縮試験を行った場合に、粒子径の１０％変形時の荷重と粒子径とから下記式によって算出される値である。なお、圧縮強度は２５℃で測定する。
【００１０】
圧縮強度（kgf／mm2）＝2.8×荷重（kgf）／｛π×粒子径（mm）×粒子径（mm）｝
樹脂粒子の圧縮強度は、樹脂粒子を構成する単量体と架橋剤の種類と配合量を制御することにより、適宜調節することができる。
【００１１】
本発明で用いられる架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体としては、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも１種の単量体（以下（メタ）アクリル酸エステル単量体という）とカルボキシル基を有する単量体とを含む単量体成分を共重合してなる架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体が好ましい。
なお、本明細書において、「（メタ）アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの両方を含む概念である。
【００１２】
本発明に用いられる（メタ）アクリル酸エステル単量体としては、アルキル基の炭素数が１〜１８の（メタ）アクリル酸アルキルエステルが好ましい。具体的には、（メタ）アクリル酸メチル、（メタ）アクリル酸エチル、（メタ）アクリル酸ｎ−ブチル、（メタ）アクリル酸イソブチル、（メタ）アクリル酸２−エチルヘキシル、（メタ）アクリル酸ラウリル、（メタ）アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの中でも、（メタ）アクリル酸ブチル、（メタ）アクリル酸ラウリル、（メタ）アクリル酸ステアリル等のアルキル基の炭素数が４〜１８の（メタ）アクリル酸アルキルが特に好ましい。これらは複数種組み合わせて用いてもよい。全単量体成分（後述の架橋性単量体も含む。以下同様）中の（メタ）アクリル酸エステル単量体の割合は、３０〜９８質量％が好ましく、５０〜８５質量％がより好ましい。
【００１３】
本発明で用いられるカルボキシル基を有する単量体としては、（メタ）アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等が挙げられる。これらは複数種組み合わせて用いてもよい。全単量体成分中のカルボキシル基を有する単量体の割合は、粉体の合着を抑制し、良好な粉体の感触（なめらかさ、さらさら感）を得る観点から、０．１〜３０質量％が好ましく、１〜１０質量％がより好ましい。
【００１４】
架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体に含有されるカルボキシル基の一部は中和されていてもよい。中和のための塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基が好ましいが、アミン類、アルカノールアミン類、塩基性アミノ酸等の有機塩基も用いることができる。粉体のなめらかさとさらさら感をより向上させる観点から、中和度は１〜３０％が好ましく、１〜２０％が特に好ましい。ここで中和度とはカルボキシル基を有する単量体のカルボキシル基のモル数に対する、添加された塩基のモル数の比を百分率で表したものである。
【００１５】
単量体成分は架橋剤として、ビニル基を２個以上有する架橋性単量体を含むことが好ましい。このような架橋性単量体としては、エチレングリコールジ（メタ）アクリレート、ジエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、トリエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、デカエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、１，３−ブチレングリコールジ（メタ）アクリレート、１，４−ブタンジオールジ（メタ）アクリレート、１，６−ヘキサンジオールジ（メタ）アクリレート、グリセリンジ（メタ）アクリレート、（メタ）アクリル酸アリル、トリメチロールプロパントリ（メタ）アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ（メタ）アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ（メタ）アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ（メタ）アクリレート、ポリエステル（メタ）アクリレート、ウレタン（メタ）アクリレート等の（メタ）アクリル酸エステル系架橋性単量体、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル系単量体が挙げられる。これらは１種あるいは２種以上組み合わせて用いてもよい。これらの架橋性単量体の中でも、エチレングリコールジ（メタ）アクリレート、ジエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、トリエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、１，３−ブチレングリコールジ（メタ）アクリレート、１，４−ブタンジオールジ（メタ）アクリレート、１，６−ヘキサンジオールジ（メタ）アクリレート等の（ポリ）アルキレングリコールジ（メタ）アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ（メタ）アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ（メタ）アクリレート、ポリエステル（メタ）アクリレートが、皮膚刺激が低いため、乳化型化粧料として用いるのに特に適している。これらの架橋性単量体は、全単量体成分に対し、３〜５０質量％となるように使用するのが好ましい。
【００１６】
単量体成分として、上記（メタ）アクリル酸エステル単量体、カルボキシル基を有する単量体及び架橋性単量体以外に、これらと共重合可能な他の単量体を共重合させてもよい。他の単量体として、スチレン、（メタ）アクリロニトリル、（メタ）アクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルピロリドン等が挙げられる。
【００１７】
架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体は、例えば上記の（メタ）アクリル酸エステル単量体、カルボキシル基を有する単量体及び架橋性単量体を含む単量体成分を、分散剤、重合開始剤等を用いて水性懸濁重合、乳化重合、シード重合、分散重合等により重合することで得ることができる。この内、球状で粒径のそろった樹脂粉体が得やすいという観点から、水性懸濁重合法が好ましい。
【００１８】
水性懸濁重合は、単量体を含む油相と水相を混合した後、撹拌しながら昇温して行われる。この際、界面活性剤を分散剤として用いる。界面活性剤の使用量は、全単量体成分１００質量部に対して、０．０１〜５０質量部が好ましく、０．０１〜１０質量部がより好ましく、０．１〜５質量部が特に好ましい。
【００１９】
ここに、界面活性剤としては、スルホン酸（塩）基を有するものが好ましい。これにより、更になめらかでさらさら感を持つ樹脂粉体を得ることができる。
【００２０】
スルホン酸（塩）基を有する界面活性剤としては、特開２００３−１４６８２６号公報段落番号００３２〜００３６に記載されているものなどが挙げられる。中でも、炭素数５〜３０のアルキル基又はアルケニル基を有し、１分子内に平均０．５〜２５モルのアルキレンオキサイドを付加していてもよいアルキル又はアルケニルエーテルスルホン酸又はその塩、及び炭素数５〜３０のアルキル基又はアルケニル基を有するアシル化タウリン又はその塩が好ましく、下記一般式（Ｉ）で表されるアシル化タウリン（塩）が特に好ましい。
【００２１】
Ｒ1ＣＯＮＲ2ＣＨ2ＣＨ2ＳＯ3Ｍ （Ｉ）
［式中、Ｒ1は置換基を有していてもよい炭素数５〜３０のアルキル基又はアルケニル基、Ｒ2は水素原子又はメチル基、Ｍは水素原子又はカチオンを示す。］
一般式（Ｉ）において、Ｒ1としては、炭素数６〜２４のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。具体例としては、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、デセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、エイコセニル等が挙げられる。また、アルキル基又はアルケニル基の置換基としては、水酸基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基、アミド基等が挙げられる。
【００２２】
Ｍで示されるカチオンとしては、アルカリ金属、アンモニウム、総炭素数１〜２２のアルキル若しくはアルケニルアミン、総炭素数１〜２２のアルカノールアミン、塩基性アミノ酸塩等のカチオンが挙げられ、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオンが好ましく、ナトリウムイオンが特に好ましい。
【００２３】
重合に用いられる重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、ｔ−ブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性過酸化物、２，２’−アゾビスイソブチロニトリル、２，２’−アゾビス（２，４−ジメチルバレロニトリル）などの油溶性アゾ化合物が挙げられる。重合開始剤の添加量は、全単量体成分に対し０．１〜１０質量％が好ましい。
重合温度や重合時間は特に限定されるものではないが、重合温度は４０〜１００℃、重合時間は１〜１５時間が好ましい。
【００２４】
本発明の樹脂粉体の形状は、皮膚上での感触が良好であることから、球状体が好ましい。また、平均粒径は、きしみ感を低減するという観点から、１μｍ以上が好ましく、１．５μｍ以上が更に好ましく、２μｍ以上が特に好ましい。一方、ざらつきを抑え、更に皮膚定着性を向上させる観点から、１０μｍ以下が好ましく、８μｍ以下が更に好ましく、６μｍ以下が特に好ましい。
【００２５】
尚、平均粒径は、レーザー回折型粒径分布測定装置（例えば、堀場製作所製 ＬＡ−９２０）を用い、粉体の水懸濁液を２０℃において相対屈折率１．１にて重量平均粒径を測定することで求めることができる。
【００２６】
［乳化型化粧料］
本発明の乳化型化粧料としては、油中水型（Ｗ／Ｏ）、水中油型（Ｏ／Ｗ）のいずれでも良く、乳化物の形で皮膚に適用し得る全ての型の化粧料が包含される。例えば、クリーム、ファンデーション、乳液、アイシャドウ、リップグロス、マスカラ、アイライナー等が挙げられる。
【００２７】
本発明の乳化型化粧料は、油相と水相とからなる乳化系中に前記の架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体を含有することを特徴とする。
【００２８】
本発明の乳化型化粧料中の架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体の含有量は、肌のべたつきを抑え、且つ肌を白くさせない観点から、０．５〜５０質量％が好ましく、１〜３０質量％が更に好ましく、１〜１５質量％が特に好ましい。
【００２９】
本発明の乳化型化粧料の油相に含有される油剤としては、特に限定されず、化粧料用の一般油剤を用いることができる。例えば、シリコーン油、炭化水素類、エステル油、脂肪族アルコール類、エーテル油、脂肪酸類等が挙げられ、これらを単独で、又は２種以上組み合わせて用いることができる。
【００３０】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドジェンポリシロキサン、環状ポリジメチルシロキサン、環状ポリメチルフェニルシロキサン、環状ポリメチルハイドロジェンシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、高級アルコール変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、長鎖アルキル変性ポリシロキサン等が挙げられる。
【００３１】
炭化水素類としては、スクワレン、スクワラン、ワセリン、流動パラフィン等が挙げられる。エステル油としては、２−エチルヘキサン酸セチル、ジ２−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸２−オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸２−エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、オレイン酸２−オクチルドデシル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ラノリン、酢酸ラノリン、アボガド油、アーモンド油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、カカオ脂、ホホバ油、ゴマ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、小麦胚芽油、落花生油、タートル油、パーシック油、ヒマシ油、ミンク油、綿実油、ヤシ油、卵黄油、ポリプロピレングリコールモノオレート、イソステアリン酸トリグリセライド、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセライド、２−エチルヘキサン酸トリグリセライド、２−エチルヘキサン酸ジグリセライド、ジ−パラメトキシケイ皮酸−モノ−２−エチルヘキサン酸グリセライド等が挙げられる。
【００３２】
脂肪族アルコール類としては、ヘキサデシルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。エーテル油としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル等が挙げられる。脂肪酸類としては、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。
【００３３】
本発明の乳化型化粧料中の油剤の含有量は、べたつきを抑え適度な油性感を与える観点から、０．１〜２０質量％が好ましく、０．５〜１０質量％が更に好ましい。
【００３４】
本発明の乳化型化粧料は水を任意の量で含有することができるが、良好な使用感、すなわち油性感あるいはべたつき感が少なく、かつのびを良くするためには、他の水溶性溶剤との合計で１０質量％以上、更には１０〜９５質量％、特に３０〜９０質量％配合することが好ましい。ここで他の水溶性溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、１，３−ブチレングリコール等の低級アルコールまたはポリオールが挙げられる。
【００３５】
本発明の乳化型化粧料は乳化剤を含有することが好ましい。乳化剤としては、ポリオキシエチレン付加型、ポリグリセリンエステル型、ポリグリセリンエーテル型、アルキルグリコシド型、糖エステル型の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
【００３６】
本発明の乳化型化粧料には、上記成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲内で、増粘剤、保湿剤、紫外線吸収剤、美白剤、殺菌剤、酸化防止剤、清涼剤、香料等を配合することもできる。
【実施例】
【００３７】
例中の％は、特記しない限り質量％である。
【００３８】
製造例１
ビーカーにラウリルメタクリレート８５ｇ、エチレングリコールジメタクリレート１５ｇ、ラウロイルパーオキサイド２ｇを仕込み混合攪拌して溶解させた。ここにＮ−ステアロイル−Ｎ−メチルタウリンナトリウム（ＳＭＴ）を０．７５ｇ溶解させた。イオン交換水４００ｇを加え、ホモミキサーで粒径が２．４μｍになるまで分散させた。
【００３９】
４つ口フラスコにこの分散液を注ぎ込み、攪拌しながら窒素置換を３０分行った。オイルバスによりフラスコ内部の温度を８０℃まで加温し、８０℃に達してから５時間重合を行った後、室温まで冷却した。重合した粒子の分散液を凍結乾燥し、粒子を回収することにより樹脂粉体Ａを得た。
【００４０】
製造例２
ビーカーにラウリルメタクリレート８２ｇ、メタクリル酸３ｇ、エチレングリコールジメタクリレート１５ｇ、ラウロイルパーオキサイド２ｇを仕込み混合攪拌して溶解させた。ここにドデシル硫酸ナトリウム（ＳＤＳ）を０．７５ｇ溶解させたイオン交換水４００ｇを加え、ホモミキサーで粒径が２．５μｍになるまで分散させた。
【００４１】
４つ口フラスコにこの分散液を注ぎ込み、攪拌しながら窒素置換を３０分行った。オイルバスによりフラスコ内部の温度を８０℃まで加温し、８０℃に達してから５時間重合を行った後、室温まで冷却した。重合した粒子の分散液を凍結乾燥し、粒子を回収することにより樹脂粉体Ｂを得た。
【００４２】
製造例３
ビーカーにラウリルメタクリレート８２ｇ、メタクリル酸３ｇ、エチレングリコールジメタクリレート１５ｇ、ラウロイルパーオキサイド２ｇを仕込み混合攪拌して溶解させた。ここにＮ−ステアロイル−Ｎ−メチルタウリンナトリウム（ＳＭＴ）を０．７５ｇ溶解させたイオン交換水４００ｇを加え、ホモミキサーで粒径が２．２μｍになるまで分散させた。
【００４３】
４つ口フラスコにこの分散液を注ぎ込み、攪拌しながら窒素置換を３０分行った。オイルバスによりフラスコ内部の温度を８０℃まで加温し、８０℃に達してから５時間重合を行った後、室温まで冷却した。重合した粒子の分散液を凍結乾燥し、粒子を回収することにより樹脂粉体Ｃを得た。
【００４４】
製造例４
製造例３において、重合した粒子の分散液に１Ｎ ＮａＯＨ３．９ｇを滴下して中和を行った以外は、製造例３と同様にして樹脂粉体Ｃの中和品を得た。この樹脂粉体Ｃの中和品は、カルボキシル基の中和度が１１．２％であった。
【００４５】
製造例１〜４で得られた樹脂粉体Ａ、Ｂ、Ｃ及びＣの中和品について、下記方法で圧縮強度及び平均粒径を測定したところ、表１に示す結果が得られた。
【００４６】
＜圧縮強度測定法＞
樹脂粒子を、（株）島津製作所製微小圧縮試験機MCT-M200にて、２９ｍｇｆ／ｓの一定負荷速度で１ｇｆの荷重まで圧縮試験を行い、粒子径の１０％変形時の荷重と粒子径とから下記式によって算出した。１０点の試料について測定を行い、その平均値をもって圧縮強度とした。
【００４７】
圧縮強度（kgf／mm2）＝2.8×荷重（kgf）／｛π×粒子径（mm）×粒子径（mm）｝。
【００４８】
＜平均粒径測定法＞
樹脂粉体を（株）堀場製作所レーザー回折散乱式粒度分布測定装置（型番：LA920）にて、相対屈折率が１．１０（樹脂粉体の屈折率を１．４６、水の屈折率を１．３３とする）の条件にて、粒径を測定した際のメジアン径を平均粒径とした。
【００４９】
【表１】
【００５０】
実施例１〜４及び比較例１〜２
表２に示す組成のＯ／Ｗ乳化型化粧料を調製し、この化粧料を専門パネラー５名が前腕部に塗布し、以下の使用感の評価項目について、下記の通り評点をつけたときの５人の平均スコアを、下記基準でランクづけした。結果を表２に示す。
【００５１】
＜評価項目＞
・肌のべたつきのなさ
スコア４…べたつかない
スコア３…余りべたつかない
スコア２…ややべたつく
スコア１…べたつく
・かさつきの少なさ
スコア４…かさつかない
スコア３…余りかさつかない
スコア２…ややかさつく
スコア１…かさつく
・肌のべたつきを抑える効果の持続性（塗布１時間後）
スコア４…持続する
スコア３…やや持続する
スコア２…余り持続しない
スコア１…持続しない
＜判定基準＞
平均スコア３．５〜４．０…◎
平均スコア２．５〜３．４…○
平均スコア１．５〜２．４…△
平均スコア１．０〜１．４…×
【００５２】
【表２】
【００５３】
*1：メチルシロキサン網状重合体の粉体（信越化学工業（株）製、圧縮強度１２ｋｇｆ／ｍｍ2、平均粒径２μｍ）。
【００５４】
実施例５
下記組成のＯ／Ｗ型乳液を調製した。得られた乳液は、カサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れていた。
【００５５】
＜組成＞
樹脂粉体Ｃの中和品 3.00％
PEMULEN TR-1*1 0.40
水酸化ナトリウム 0.25
トリ（カプリル・カプリン酸）グリセリン 1.50
安息香酸アルキル（Ｃ１２〜１５） 2.25
モノステアリン酸ポリエチレングリコール 2.25
ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル(20EO) 0.38
ステアリン酸 0.37
ジメチルポリシロキサン（10cs） 0.75
エタノール 3.00
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
パラオキシ安息香酸メチル 0.20
香料 0.02
１，３−ブチレングリコール 3.00
精製水 82.53
合計 100.00
*1：アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 Noveon INC．社製。
【００５６】
実施例６
下記組成のＯ／Ｗ型乳液を調製した。得られた乳液は、カサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れていた。
【００５７】
＜組成＞
樹脂粉体Ｃ 2.00％
N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミド 3.00
コレステロール 0.60
イソステアリン酸コレステリル 0.60
ステアリン酸 0.30
パルミチン酸 0.30
モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル 0.80
セタノール 0.75
ステアリルアルコール 0.50
スクワラン 2.00
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 1.00
ジメチルポリシロキサン（６cs） 3.00
デカメチルシクロペンタシロキサン 3.00
カーボポール９８０*1 0.15
水酸化カリウム 0.04
ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム 0.90
モノステアリン酸ソルビタン 0.70
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.70
Ｎ−ステアロイル−Ｎ−メチルタウリンナトリウム 0.20
グリセリン 3.00
１，３−ブチレングリコール 2.00
パラオキシ安息香酸エチル 0.30
パラオキシ安息香酸ブチル 0.15
エタノール 2.00
香料 0.01
精製水 72.00
合計 100.00
*1：カルボキシビニルポリマー Noveon INC．社製。
【００５８】
実施例７
下記組成のＯ／Ｗ型ＵＶ防御用乳液を調製した。得られた乳液は、カサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れていた。
【００５９】
＜組成＞
樹脂粉体Ｂ 3.00％
モノステアリン酸グリセリル 0.90
ステアリン酸 0.50
バチルアルコール 1.00
イソステアリン酸イソプロピル 1.00
ミリスチン酸イソプロピル 2.00
パラメトキシケイ皮酸２−エチルヘキシル 2.00
４−tert−ブチル−４’−メトキシジベンゾイルメタン 0.50
オクタメチルシクロテトラシロキサン 2.00
コレステロール 0.20
カーボポール９８１*1 0.12
１，３−ブチレングリコール 5.00
エデト酸二ナトリウム 0.05
水酸化カリウム 0.12
エタノール 5.00
パラオキシ安息香酸メチル 0.30
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
パラオキシ安息香酸ブチル 0.05
香料 0.05
精製水 76.11
合計 100.00
*1：カルボキシビニルポリマー Noveon INC．社製。
【００６０】
実施例８
下記組成のＷ／Ｏ型クリームを調製した。得られたクリームは、カサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れていた。
【００６１】
＜組成＞
樹脂粉体Ａ 10.00％
マイクロクリスタリンワックス 8.00
軽質流動パラフィン 3.00
軽質流動イソパラフィン 10.00
ミツロウ 2.00
ワセリン 3.00
オクタメチルシクロテトラシロキサン 12.00
スクワラン 14.00
パルミチン酸イソプロピル 10.00
モノオレイン酸グリセリル 3.50
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル(20EO) 1.00
パラオキシ安息香酸メチル 0.30
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
プロピレングリコール 3.00
香料 0.10
精製水 20.00
合計 100.00
実施例９
下記組成のＯ／Ｗ型美白用乳液を調製した。得られた乳液は、カサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れていた。
【００６２】
＜組成＞
樹脂粉体Ｃの中和品 3.50％
Ｌ−アスコルビン酸−２−グルコシド 2.00
モノステアリン酸グリセリル 0.90
ステアリン酸 0.50
バチルアルコール 1.00
イソステアリン酸イソプロピル 1.00
ミリスチン酸イソプロピル 2.00
オクタメチルシクロテトラシロキサン 2.00
コレステロール 0.20
カーボポール９８０*1 0.12
１，３−ブチレングリコール 5.00
エデト酸二ナトリウム 0.05
水酸化カリウム 0.12
エタノール 5.00
パラオキシ安息香酸メチル 0.30
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
パラオキシ安息香酸ブチル 0.05
香料 0.05
精製水 76.11
合計 100.00
*1：カルボキシビニルポリマー Noveon INC．社製。
【００６３】
実施例１０
下記組成の顔用モイスチュア乳液を調製した。得られた乳液は、カサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れていた。
【００６４】
＜組成＞
精製水 81.91％
１，３−ブチレングリコール 3.00
PEMULEN TR-2*1 0.20
カーボポールＥＴＤ２０２０*2 0.15
パラオキシ安息香酸メチル 0.20
水酸化ナトリウム 0.25
樹脂粉体Ｃ 3.00
トリ（カプリル・カプリン酸）グリセリン 1.55
安息香酸アルキル（Ｃ１２〜１５） 2.32
ステアリン酸グリセリル 0.78
モノステアリン酸ポリエチレングリコール 0.78
ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル(20EO) 0.39
ステアリン酸 0.39
ジメチルポリシロキサン（10cs） 0.77
脂肪酸（Ｃ１２−１８）セチル 1.16
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
エタノール 3.00
香料 0.05
合計 100.00
*1：アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 Noveon INC．社製
*2：カルボキシビニルポリマー Noveon INC．社製。
【００６５】
実施例１１
下記組成の顔用ＵＶ防御モイスチュア乳液を調製した。得られた乳液は、カサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れていた。
【００６６】
＜組成＞
精製水 76.55％
１，３−ブチレングリコール 3.00
PEMULEN TR-1*1 0.20
カーボポールＥＴＤ２０２０*2 0.15
パラオキシ安息香酸メチル 0.20
水酸化ナトリウム 0.25
樹脂粉体Ｃの中和品 3.00
トリ（カプリル・カプリン酸）グリセリン 0.50
安息香酸アルキル（Ｃ１２−１５） 2.25
ステアリン酸グリセリル 0.50
モノステアリン酸ポリエチレングリコール 0.50
ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル(20EO) 0.25
ステアリン酸 0.25
ジメチルポリシロキサン（10cs） 0.50
脂肪酸（Ｃ１２−１８）セチル 0.75
パラメトキシケイ皮酸２−エチルヘキシル 6.00
４−tert−ブチル−４’−メトキシジベンゾイルメタン 2.00
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
エタノール 3.00
香料 0.05
合計 100.00
*1：アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 Noveon INC．社製
*2：カルボキシビニルポリマー Noveon INC．社製。
【００６７】
実施例１２
下記組成のボディ用乳液を調製した。得られた乳液は、カサカサした感触を与えることなくべたつきやテカリを抑える効果の持続性に優れていた。
【００６８】
＜組成＞
精製水 76.10％
グリセリン 4.50
パラオキシ安息香酸メチル 0.20
樹脂粉体Ｃの中和品 5.00
カーボポール９８１*1 0.10
水酸化ナトリウム 0.10
セトステアリルアルコール 1.60
ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル(20EO) 0.60
セチルアルコール 1.70
脂肪酸（Ｃ１２−１８）セチル 2.20
液状ラノリン 0.60
ジラウリン酸グリセリル 1.90
パラオキシ安息香酸プロピル 0.10
ジメチルポリシロキサン(200cs) 0.50
エタノール 4.50
香料 0.30
合計 100.00
*1：カルボキシビニルポリマー Noveon INC．社製。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
圧縮強度が０．７〜１０ｋｇｆ／ｍｍ2である架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体を含有する乳化型化粧料。
【請求項２】
架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体が、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも１種の単量体とカルボキシル基を有する単量体とを含む単量体成分を共重合してなる請求項１記載の乳化型化粧料。
【請求項３】
樹脂粉体中のカルボキシル基の中和度が１〜３０％である請求項２記載の乳化型化粧料。
【請求項４】
樹脂粉体の平均粒径が１〜１０μｍである、請求項１〜３いずれかに記載の乳化型化粧料。
【請求項１】
圧縮強度が０．７〜１０ｋｇｆ／ｍｍ2である架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体を含有する乳化型化粧料。
【請求項２】
架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粉体が、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも１種の単量体とカルボキシル基を有する単量体とを含む単量体成分を共重合してなる請求項１記載の乳化型化粧料。
【請求項３】
樹脂粉体中のカルボキシル基の中和度が１〜３０％である請求項２記載の乳化型化粧料。
【請求項４】
樹脂粉体の平均粒径が１〜１０μｍである、請求項１〜３いずれかに記載の乳化型化粧料。
【公開番号】特開２００６−２２５３３６（Ｐ２００６−２２５３３６Ａ）
【公開日】平成１８年８月３１日（２００６．８．３１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−４２０３０（Ｐ２００５−４２０３０）
【出願日】平成１７年２月１８日（２００５．２．１８）
【出願人】（００００００９１８）花王株式会社 (8,290)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年８月３１日（２００６．８．３１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年２月１８日（２００５．２．１８）
【出願人】（００００００９１８）花王株式会社 (8,290)
【Ｆターム（参考）】
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