乾燥方法及び乾燥装置
【課題】短時間で食品などの風味及び色合いなどを劣化させることのない、新規な乾燥方法及び乾燥装置を提供する。
【解決手段】所定の乾燥室内に乾燥すべき物質を配置し、前記乾燥室内において、一定の時間間隔においてランダム流となるようなランダム風を生成し、前記乾燥室内の温度及び湿度を一定にして、前記物質を乾燥する。
【解決手段】所定の乾燥室内に乾燥すべき物質を配置し、前記乾燥室内において、一定の時間間隔においてランダム流となるようなランダム風を生成し、前記乾燥室内の温度及び湿度を一定にして、前記物質を乾燥する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に食品の乾燥に適した乾燥方法及び乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品などを乾燥して保存させる際には、如何に短時間で効率良く行うかに重点が置かれ、その結果、乾燥温度を高くする手法が採られてきた。しかしながら、食品、特に野菜などの植物を乾燥させる際には、乾燥温度を高くすることによってその酵素及び色素が分解され、乾燥後水に戻すなどして食する際に、風味及び色合いなどが著しく劣化してしまうという問題があった。
【0003】
一方、乾燥温度が40℃を超えてくるようになると、乾燥室内の高湿度化との相乗効果によって菌が繁殖しやすくなり、野菜などの植物の色合いなどの劣化の他に、魚介類なども腐食した状態で乾燥されるようになるので、食する際にその風味及び色合いが劣化するとともに、人体に害を及ぼすような場合もあった。
【0004】
かかる観点より、乾燥を短時間かつ低温度で行うために、風を利用して食品などの乾燥を行う手法が開発された。図1は、風を利用した乾燥装置の一例を概略的に示す図である。
【0005】
図1に示す乾燥装置10は、乾燥室11内に乾燥させる物質、例えば食品などが配列されたトレイ12−1〜12−nが垂直方向に順に配置されるとともに、乾燥室11の上下においてファン13が設けられている。したがって、ファン13を所定方向に回転させることによって、乾燥室11内に矢印で示す上方向あるいは下方向の風を生成して送風させ、トレイ12−1〜12−n上に配列した前記物質の乾燥を行う。
【0006】
しかしながら、図1に示すような従来の乾燥装置及びこれを用いた乾燥方法では、上述したような乾燥温度が高くなることによる問題は生じなくなるが、乾燥が不均一となり、食品などの乾燥保存を十分に行うことができないでいた。また、乾燥を均一化させるためには極めて長時間の乾燥を要し、乾燥効率が極めて劣化してしまうという問題があった。さらに、乾燥を長時間化した場合においても、風が長時間当てられることによって食品などの酵素分解などが生じ、風味などが劣化してしまうという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、短時間で食品などの風味及び色合いなどを劣化させることのない、新規な乾燥方法及び乾燥装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明は、
所定の乾燥室内に乾燥すべき物質を配置する工程と、
前記乾燥室内において、一定の時間間隔においてランダム流となるようなランダム風を生成し、前記乾燥室内の温度及び湿度を一定にして、前記物質を乾燥する工程と、
を具えることを特徴とする、乾燥方法に関する。
【0009】
また、本発明は、
所定の乾燥室と、
前記乾燥室の上面及び側面に設けられた上面送風機及び側面送風機とを具え、
前記送風機は、前記乾燥室内において、一定の時間間隔においてランダム流となるようなランダム風を生成し、前記乾燥室内の温度及び湿度を一定にして、前記物質を乾燥することを特徴とする、乾燥装置に関する。
【0010】
本発明者は、上記問題を解決すべき鋭意検討を実施した。その結果、図1に示すような従来の風を用いた乾燥方法では、乾燥室内に、ほぼその容量に相当するような割合でトレイを配置し、そのトレイ上に乾燥すべき食品などの物質を配置していた。そして、ファンを用いて一方向にのみ風を送って前記物質を乾燥するようにしていた。したがって、乾燥室内の温度及び湿度が一定でなく、例えば乾燥室内の中央部に比較して乾燥室内の端の温度が低く、湿度が高くなるような場合があった。
【0011】
このため、前記トレイの中央部に配置した物質は比較的短時間で乾燥するものの、前記トレイの端部に配置した物質は乾燥に長時間を要してしまうことを見出した。さらに、前記トレイの端部に配置した物質を比較的短時間に乾燥させるべく、風量を増大させると、今度は前記トレイの中央部に配置した物質の酵素などを破壊してその風味などを劣化させてしまうことを見出した。
【0012】
かかる事実に鑑み、本発明者は、乾燥室内の温度及び湿度を場所によらず均一とし、トレイなどの上に配置した物質の配置位置に依存することなく、短時間で乾燥させるべく、前記乾燥室内に一定の時間間隔においてランダム流となるようなランダム風を生成することを見出した。すなわち、このようなランダム風によれば、前記一定の時間間隔においては、前記乾燥室内の総ての場所にほぼ均一に乾燥風が行き渡るようになる。この結果、前記一定の時間間隔の後、前記乾燥室内の温度及び湿度が場所によらず均一となることを見出した。
【0013】
このように本発明によれば一定時間間隔におけるランダム風で乾燥室内の温度及び湿度が均一となるようにしているので、乾燥すべき食品などの物質の、前記乾燥室内の配置位置などに依存することなく、短時間で劣化などを生じることなく均一な乾燥を行うことができる。
【0014】
なお、前記ランダム風は、例えば前記乾燥室の上面及び側面からの上側面風と、前記乾燥室の側面のみからの側面風とを、前述した一定の時間間隔の中で生成するようにすることにより、その時間間隔の中で生成するようにすることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、短時間で食品などの風味及び色合いなどを劣化させることのない、新規な乾燥方法及び乾燥装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の詳細、並びにその他の特徴について詳述する。
図2は、本発明の乾燥装置の一例を概略的に示す外観図である。図2に示す乾燥装置20は、矩形状の乾燥室21と、この乾燥室21の側壁面A〜Dに設けられた側面送風機23−1〜23−4と、上壁面Eに設けられた上面送風機23−5とを具えている。また、乾燥室21内には、図示しない、食品などの乾燥すべき物質が配置されたトレイ22−1〜22−nが垂直方向において順次に配置されている。
【0017】
図2に示す乾燥装置20においては、乾燥室21内に一定の時間間隔においてランダム流となる、すなわち前記時間間隔で見た場合にランダム流として見なすことができるランダム風を生成し、トレイ22−1〜22−n上に配置された物質の乾燥を行う。これによって、前記時間間隔で見た場合、前記乾燥室内の総ての場所にほぼ均一に乾燥風が行き渡るようになる。この結果、前記一定の時間間隔の後、前記乾燥室内の温度及び湿度が場所によらず均一となる。したがって、乾燥すべき前記物質の、乾燥室21内の配置位置などに依存することなく、短時間で劣化などを生じることなく均一な乾燥を行うことができる。
【0018】
図2に示す乾燥装置20において、上述したランダム風は、例えば上面送風機13−5及び側面送風機23−1〜23−4を駆動させることによって生成される上側面風と、側面送風機23−1〜23−4を駆動させることによって生成される側面風とを、上述した一定の時間間隔の中で生成するようにすることによって、生成することができる。
【0019】
具体的には、前記上側面風を生成する工程は、上面送風機23−5及び側面送風機23−1〜23−4の総てを駆動させて上側面風を生成する第1の工程と、上面送風機23−5及び側面送風機23−1〜23−4の内、いずれか3つを順次に選択して駆動させることにより4種類の上側面風を生成する第3の工程とを含むようにすることができる。
【0020】
一方、前記側面風を生成する工程は、側面送風機23−1〜23−4の内、いずれか一つを順次に選択して駆動させることにより4種類の側面風を生成する第2の工程と、側面送風機23−1〜23−4の内、いずれか2つを選択して駆動させることにより少なくとも4種類の混合側面風を生成する第4の工程とを含むようにすることができる。
【0021】
したがって、上述したランダム風は、上述した第1の工程から第4の工程を順次に実行することにより、その実行した時間間隔において生成した風が前記時間間隔においてランダム流となることから得ることができるようになる。したがって、前記第1の工程から前記第4の工程は、前記ランダム風を得るための1サイクルと見なすことができる。この結果、図2に示す乾燥装置20におけるランダム風を用いた物質の乾燥は、上述した1サイクルを少なくとも一回、好ましくは複数回実行して行うことになる。
【0022】
なお、1サイクル終了の後は、乾燥を終了させるまで、あるいは次のサイクルの乾燥までの間、全送風機をオフにする第5の工程を設けることが好ましい。これによって、送風機から送られた風が対流などを通じて乾燥室21の全体により均一に行き渡るようになり、乾燥室21全体の温度及び湿度をより均一にすることができるようになる。
【0023】
次に、上述した第1工程から第4工程さらには第5工程に基づく具体例を、図面を参照しながら説明する。図3〜図15は、上述した第1工程から第4工程さらには第5工程に基づいた乾燥方法の一例における具体的な手順を示す図である。なお、これらの図においては、説明の明瞭化のために、乾燥すべき物質が配置されたトレイ及び非駆動状態の送風機については記載を省略している。また、図中における矢印は風の方向を示す。
【0024】
最初に、図3に示すように、乾燥室21の壁面に設けられた総ての送風機をオンにして第1の上側面風を生成する。この工程は上述した第1の工程に相当する。
【0025】
次いで、図4に示すように、乾燥室21の壁面Aに設けられた側面送風機23−1のみをオンにして第1の側面風を生成する。次いで、図5に示すように、乾燥室21の壁面Bに設けられた側面送風機23−2のみをオンにして第2の側面風を生成する。次いで、図6に示すように、乾燥室21の壁面Cに設けられた側面送風機23−3のみをオンにして第3の側面風を生成する。次いで、図7に示すように、乾燥室21の壁面Dに設けられた側面送風機23−4のみをオンにして第4の側面風を生成する。このような第1の側面風から第4の側面風の4種類の側面風を生成する工程は、上述した第2の工程に相当する。
【0026】
次いで、図8に示すように、乾燥室21の壁面Aに設けられた側面送風機23−1のみをオフとし、その他の送風機をオンとすることによって、第2の上側面風を生成する。次いで、図9に示すように、乾燥室21の壁面Bに設けられた側面送風機23−2のみをオフとし、その他の送風機をオンとすることによって、第3の上側面風を生成する。次いで、図10に示すように、乾燥室21の壁面Cに設けられた側面送風機23−3のみをオフとし、その他の送風機をオンとすることによって、第4の上側面風を生成する。次いで、図11に示すように、乾燥室21の壁面Dに設けられた側面送風機23−4のみをオフとし、その他の送風機をオンとすることによって、第5の上側面風を生成する。
【0027】
このような第2の上側面風から第5の上側面風を生成する工程は、乾燥室21の側壁A〜Dに設けられた側面送風機23−1〜23−4の内の、いずれか3つを順次に選択して得た4種類の側面風と、上壁面Eに設けられた上面送風機23−5から得た上面風とを混合して前記上側面風を得るようにしているので、上述した第3の工程に相当する。
【0028】
次いで、図12に示すように、乾燥室21の壁面A及びBに設けられた側面送風機23−1及び23−2のみをオンにして、第1の混合側面風を生成する。次いで、図13に示すように、乾燥室21の壁面C及びDに設けられた側面送風機23−3及び23−4のみをオンにして、第2の混合側面風を生成する。次いで、図14に示すように、乾燥室21の壁面B及びDに設けられた側面送風機23−2及び23−4のみをオンにして、第3の混合側面風を生成する。次いで、図15に示すように、乾燥室21の壁面B及びCに設けられた側面送風機23−2及び23−3のみをオンにして、第4の混合側面風を生成する。
【0029】
このような第1の混合側面風から第4の混合側面風を生成する工程は、乾燥室21の側壁A〜Dに設けられた側面送風機23−1〜23−4の内の、いずれか2つを選択する際に、側面送風機23−1〜23−4の総てが選択されるようにして4種類の混合側面風を生成するようにしているので、上述した第4の工程に相当する。
【0030】
このように、図3〜図15に示す工程を1サイクルとして実施することにより、この総ての工程を経た後に、前記1サイクルを実施した所定の時間間隔において乾燥室21内にはランダム流が生成されることになる。すなわち、前記時間間隔を取ってみた場合、乾燥室21内にはランダム風が生成され、これによって前記時間間隔を経た後は、乾燥室21内の温度及び湿度が均一に保持されるようになる。この結果、乾燥すべき食品などの物質を短時間で均一に劣化させることなく乾燥することができるようになる。
【0031】
なお、上述したサイクルは1回のみ行うこともできるが、必要に応じて複数回実施することもできる。
【0032】
また、図3〜図15に示す1サイクルが終了した後に、乾燥を終了させるまで、あるいは次のサイクルの乾燥までの間、全送風機をオフにする第5の工程を設けることもできる。この場合、送風機から送られた風が対流などを通じて乾燥室21の全体により均一に行き渡るようになり、乾燥室21全体の温度及び湿度をより均一にすることができるようになる。
【0033】
なお、上述した第1の工程から第4の工程あるいは第5の工程を行う時間は特に限定されるものではなく、乾燥すべき物質の含水量及び大きさ、数などに応じて適宜に設定することができる。通常は、各工程とも数分のオーダである。また、第2の工程から第3の工程では、複数の上側面風、側面風及び混合側面風を生成する工程に細分化されているため、これらの細分化された各工程は数秒から数十秒のオーダとなる場合が多い。
【0034】
図16には、上述した工程のフローチャートを示す。
【0035】
また、図2に示す乾燥装置及びこれを用いた乾燥方法に代表されるような本発明の乾燥装置及び乾燥方法では、上述したように風を用いて乾燥を行うので乾燥温度を低く設定することができる。特には40℃以下の温度においても十分に短時間で乾燥を行うことができる。
【0036】
また、本発明の乾燥装置及び乾燥方法では、乾燥すべき物質の種類は特に限定されるものではなく、如何なる種類の物質をも乾燥させることができる。しかしながら、乾燥温度を40℃以下に設定することができるので、魚介類などの食品の他、温度による酵素分解及び色素分解を受けやすい植物の乾燥に適している。このような食品を本発明の乾燥装置及び乾燥方法で乾燥させた場合、微生物の繁殖を防ぐことができるとともに、酵素分解や色素分解を防ぐことができるので、乾燥保存の後に水に戻して食する場合、これら食品の風味や色合いを損なうことがない。
【実施例】
【0037】
(実施例)
本実施例においては、図2に示す装置を用い、図16に示すフローチャートに基づく上述した工程に従って乾燥を実施した。なお、乾燥には、ウコギ、めかぶ、トマト、あじ、ホタテ、及び桜えびの6種類を用いた。
【0038】
また、各食品の乾燥評価は、乾燥保存後に水に戻して食す際の、評価者10人による風味及び色合いの感じ方によって行い、10人中8人以上が風味及び色合いともに良好であると判断したものを◎とし、10人中6人以上が風味及び色合いともに良好であると判断したものを○とし、10人中3人以上が風味及び色合いともに良好であると判断したものを△とし、10人中2人以下が風味及び色合いともに良好であると判断したものを×とした。結果を表1に示す。なお、各工程における乾燥時間についても合わせて表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
(比較例)
本比較例においては、図1に示す装置を用いて乾燥を実施した。乾燥に供した食品は実施例と同じであり、乾燥評価についても実施例と同様にして実施した。結果を表2に示す。また、乾燥時間についても合わせて表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
表1及び2から明らかなように、本発明の乾燥装置及び乾燥方法を用いて乾燥した食品の乾燥保存後の風味及び色合いは、図1に示す従来の乾燥装置及び乾燥方法を用いて乾燥した食品の乾燥保存後の風味及び色合いに比較して格段に優れていることが分かる。したがって、本発明の乾燥装置及び乾燥方法を用いた場合には、乾燥室内の乾燥が極めて均一に行われていることが分かる。
【0043】
以上、本発明を具体例を挙げながら詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
【0044】
例えば、上述した第4の工程においては、側面送風機23−1及び23−2、23−3及び23−4、23−2及び23−4、並びに23−2及び23−3の組み合わせで混合側面風を生成しているが、その他の側面送風機の組み合わせにおいて混合側面風を生成するようにすることができる。
【0045】
また、第2の工程から第4の工程内に細分化されて含まれる各工程は必ずしもこの順に行う必要はなく、適宜に順番を入れ換えて行うこともできる。
【0046】
さらに、本発明はランダム風を生成して乾燥室内の温度及び湿度を均一にすることができれば、上述した第1の工程から第4の工程さらには第5の工程に限られるものではなく、その他の工程をも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】従来の乾燥装置の一例を概略的に示す構成図である。
【図2】本発明の乾燥装置の一例を概略的に示す構成図である。
【図3】本発明の乾燥方法の一例における乾燥方法の最初の工程を示す図である。
【図4】図3に示す工程の次の工程を示す図である。
【図5】図4に示す工程の次の工程を示す図である。
【図6】図5に示す工程の次の工程を示す図である。
【図7】図6に示す工程の次の工程を示す図である。
【図8】図7に示す工程の次の工程を示す図である。
【図9】図8に示す工程の次の工程を示す図である。
【図10】図9に示す工程の次の工程を示す図である。
【図11】図10に示す工程の次の工程を示す図である。
【図12】図11に示す工程の次の工程を示す図である。
【図13】図12に示す工程の次の工程を示す図である。
【図14】図13に示す工程の次の工程を示す図である。
【図15】図14に示す工程の次の工程を示す図である。
【図16】本発明の乾燥方法の一例における工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
10、20 乾燥装置
11、21 乾燥室
12−1〜12−n、22−1〜22−n トレイ
13 ファン
23−1〜23−4 側面送風機
23−5 上面送風機
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に食品の乾燥に適した乾燥方法及び乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品などを乾燥して保存させる際には、如何に短時間で効率良く行うかに重点が置かれ、その結果、乾燥温度を高くする手法が採られてきた。しかしながら、食品、特に野菜などの植物を乾燥させる際には、乾燥温度を高くすることによってその酵素及び色素が分解され、乾燥後水に戻すなどして食する際に、風味及び色合いなどが著しく劣化してしまうという問題があった。
【0003】
一方、乾燥温度が40℃を超えてくるようになると、乾燥室内の高湿度化との相乗効果によって菌が繁殖しやすくなり、野菜などの植物の色合いなどの劣化の他に、魚介類なども腐食した状態で乾燥されるようになるので、食する際にその風味及び色合いが劣化するとともに、人体に害を及ぼすような場合もあった。
【0004】
かかる観点より、乾燥を短時間かつ低温度で行うために、風を利用して食品などの乾燥を行う手法が開発された。図1は、風を利用した乾燥装置の一例を概略的に示す図である。
【0005】
図1に示す乾燥装置10は、乾燥室11内に乾燥させる物質、例えば食品などが配列されたトレイ12−1〜12−nが垂直方向に順に配置されるとともに、乾燥室11の上下においてファン13が設けられている。したがって、ファン13を所定方向に回転させることによって、乾燥室11内に矢印で示す上方向あるいは下方向の風を生成して送風させ、トレイ12−1〜12−n上に配列した前記物質の乾燥を行う。
【0006】
しかしながら、図1に示すような従来の乾燥装置及びこれを用いた乾燥方法では、上述したような乾燥温度が高くなることによる問題は生じなくなるが、乾燥が不均一となり、食品などの乾燥保存を十分に行うことができないでいた。また、乾燥を均一化させるためには極めて長時間の乾燥を要し、乾燥効率が極めて劣化してしまうという問題があった。さらに、乾燥を長時間化した場合においても、風が長時間当てられることによって食品などの酵素分解などが生じ、風味などが劣化してしまうという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、短時間で食品などの風味及び色合いなどを劣化させることのない、新規な乾燥方法及び乾燥装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明は、
所定の乾燥室内に乾燥すべき物質を配置する工程と、
前記乾燥室内において、一定の時間間隔においてランダム流となるようなランダム風を生成し、前記乾燥室内の温度及び湿度を一定にして、前記物質を乾燥する工程と、
を具えることを特徴とする、乾燥方法に関する。
【0009】
また、本発明は、
所定の乾燥室と、
前記乾燥室の上面及び側面に設けられた上面送風機及び側面送風機とを具え、
前記送風機は、前記乾燥室内において、一定の時間間隔においてランダム流となるようなランダム風を生成し、前記乾燥室内の温度及び湿度を一定にして、前記物質を乾燥することを特徴とする、乾燥装置に関する。
【0010】
本発明者は、上記問題を解決すべき鋭意検討を実施した。その結果、図1に示すような従来の風を用いた乾燥方法では、乾燥室内に、ほぼその容量に相当するような割合でトレイを配置し、そのトレイ上に乾燥すべき食品などの物質を配置していた。そして、ファンを用いて一方向にのみ風を送って前記物質を乾燥するようにしていた。したがって、乾燥室内の温度及び湿度が一定でなく、例えば乾燥室内の中央部に比較して乾燥室内の端の温度が低く、湿度が高くなるような場合があった。
【0011】
このため、前記トレイの中央部に配置した物質は比較的短時間で乾燥するものの、前記トレイの端部に配置した物質は乾燥に長時間を要してしまうことを見出した。さらに、前記トレイの端部に配置した物質を比較的短時間に乾燥させるべく、風量を増大させると、今度は前記トレイの中央部に配置した物質の酵素などを破壊してその風味などを劣化させてしまうことを見出した。
【0012】
かかる事実に鑑み、本発明者は、乾燥室内の温度及び湿度を場所によらず均一とし、トレイなどの上に配置した物質の配置位置に依存することなく、短時間で乾燥させるべく、前記乾燥室内に一定の時間間隔においてランダム流となるようなランダム風を生成することを見出した。すなわち、このようなランダム風によれば、前記一定の時間間隔においては、前記乾燥室内の総ての場所にほぼ均一に乾燥風が行き渡るようになる。この結果、前記一定の時間間隔の後、前記乾燥室内の温度及び湿度が場所によらず均一となることを見出した。
【0013】
このように本発明によれば一定時間間隔におけるランダム風で乾燥室内の温度及び湿度が均一となるようにしているので、乾燥すべき食品などの物質の、前記乾燥室内の配置位置などに依存することなく、短時間で劣化などを生じることなく均一な乾燥を行うことができる。
【0014】
なお、前記ランダム風は、例えば前記乾燥室の上面及び側面からの上側面風と、前記乾燥室の側面のみからの側面風とを、前述した一定の時間間隔の中で生成するようにすることにより、その時間間隔の中で生成するようにすることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、短時間で食品などの風味及び色合いなどを劣化させることのない、新規な乾燥方法及び乾燥装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の詳細、並びにその他の特徴について詳述する。
図2は、本発明の乾燥装置の一例を概略的に示す外観図である。図2に示す乾燥装置20は、矩形状の乾燥室21と、この乾燥室21の側壁面A〜Dに設けられた側面送風機23−1〜23−4と、上壁面Eに設けられた上面送風機23−5とを具えている。また、乾燥室21内には、図示しない、食品などの乾燥すべき物質が配置されたトレイ22−1〜22−nが垂直方向において順次に配置されている。
【0017】
図2に示す乾燥装置20においては、乾燥室21内に一定の時間間隔においてランダム流となる、すなわち前記時間間隔で見た場合にランダム流として見なすことができるランダム風を生成し、トレイ22−1〜22−n上に配置された物質の乾燥を行う。これによって、前記時間間隔で見た場合、前記乾燥室内の総ての場所にほぼ均一に乾燥風が行き渡るようになる。この結果、前記一定の時間間隔の後、前記乾燥室内の温度及び湿度が場所によらず均一となる。したがって、乾燥すべき前記物質の、乾燥室21内の配置位置などに依存することなく、短時間で劣化などを生じることなく均一な乾燥を行うことができる。
【0018】
図2に示す乾燥装置20において、上述したランダム風は、例えば上面送風機13−5及び側面送風機23−1〜23−4を駆動させることによって生成される上側面風と、側面送風機23−1〜23−4を駆動させることによって生成される側面風とを、上述した一定の時間間隔の中で生成するようにすることによって、生成することができる。
【0019】
具体的には、前記上側面風を生成する工程は、上面送風機23−5及び側面送風機23−1〜23−4の総てを駆動させて上側面風を生成する第1の工程と、上面送風機23−5及び側面送風機23−1〜23−4の内、いずれか3つを順次に選択して駆動させることにより4種類の上側面風を生成する第3の工程とを含むようにすることができる。
【0020】
一方、前記側面風を生成する工程は、側面送風機23−1〜23−4の内、いずれか一つを順次に選択して駆動させることにより4種類の側面風を生成する第2の工程と、側面送風機23−1〜23−4の内、いずれか2つを選択して駆動させることにより少なくとも4種類の混合側面風を生成する第4の工程とを含むようにすることができる。
【0021】
したがって、上述したランダム風は、上述した第1の工程から第4の工程を順次に実行することにより、その実行した時間間隔において生成した風が前記時間間隔においてランダム流となることから得ることができるようになる。したがって、前記第1の工程から前記第4の工程は、前記ランダム風を得るための1サイクルと見なすことができる。この結果、図2に示す乾燥装置20におけるランダム風を用いた物質の乾燥は、上述した1サイクルを少なくとも一回、好ましくは複数回実行して行うことになる。
【0022】
なお、1サイクル終了の後は、乾燥を終了させるまで、あるいは次のサイクルの乾燥までの間、全送風機をオフにする第5の工程を設けることが好ましい。これによって、送風機から送られた風が対流などを通じて乾燥室21の全体により均一に行き渡るようになり、乾燥室21全体の温度及び湿度をより均一にすることができるようになる。
【0023】
次に、上述した第1工程から第4工程さらには第5工程に基づく具体例を、図面を参照しながら説明する。図3〜図15は、上述した第1工程から第4工程さらには第5工程に基づいた乾燥方法の一例における具体的な手順を示す図である。なお、これらの図においては、説明の明瞭化のために、乾燥すべき物質が配置されたトレイ及び非駆動状態の送風機については記載を省略している。また、図中における矢印は風の方向を示す。
【0024】
最初に、図3に示すように、乾燥室21の壁面に設けられた総ての送風機をオンにして第1の上側面風を生成する。この工程は上述した第1の工程に相当する。
【0025】
次いで、図4に示すように、乾燥室21の壁面Aに設けられた側面送風機23−1のみをオンにして第1の側面風を生成する。次いで、図5に示すように、乾燥室21の壁面Bに設けられた側面送風機23−2のみをオンにして第2の側面風を生成する。次いで、図6に示すように、乾燥室21の壁面Cに設けられた側面送風機23−3のみをオンにして第3の側面風を生成する。次いで、図7に示すように、乾燥室21の壁面Dに設けられた側面送風機23−4のみをオンにして第4の側面風を生成する。このような第1の側面風から第4の側面風の4種類の側面風を生成する工程は、上述した第2の工程に相当する。
【0026】
次いで、図8に示すように、乾燥室21の壁面Aに設けられた側面送風機23−1のみをオフとし、その他の送風機をオンとすることによって、第2の上側面風を生成する。次いで、図9に示すように、乾燥室21の壁面Bに設けられた側面送風機23−2のみをオフとし、その他の送風機をオンとすることによって、第3の上側面風を生成する。次いで、図10に示すように、乾燥室21の壁面Cに設けられた側面送風機23−3のみをオフとし、その他の送風機をオンとすることによって、第4の上側面風を生成する。次いで、図11に示すように、乾燥室21の壁面Dに設けられた側面送風機23−4のみをオフとし、その他の送風機をオンとすることによって、第5の上側面風を生成する。
【0027】
このような第2の上側面風から第5の上側面風を生成する工程は、乾燥室21の側壁A〜Dに設けられた側面送風機23−1〜23−4の内の、いずれか3つを順次に選択して得た4種類の側面風と、上壁面Eに設けられた上面送風機23−5から得た上面風とを混合して前記上側面風を得るようにしているので、上述した第3の工程に相当する。
【0028】
次いで、図12に示すように、乾燥室21の壁面A及びBに設けられた側面送風機23−1及び23−2のみをオンにして、第1の混合側面風を生成する。次いで、図13に示すように、乾燥室21の壁面C及びDに設けられた側面送風機23−3及び23−4のみをオンにして、第2の混合側面風を生成する。次いで、図14に示すように、乾燥室21の壁面B及びDに設けられた側面送風機23−2及び23−4のみをオンにして、第3の混合側面風を生成する。次いで、図15に示すように、乾燥室21の壁面B及びCに設けられた側面送風機23−2及び23−3のみをオンにして、第4の混合側面風を生成する。
【0029】
このような第1の混合側面風から第4の混合側面風を生成する工程は、乾燥室21の側壁A〜Dに設けられた側面送風機23−1〜23−4の内の、いずれか2つを選択する際に、側面送風機23−1〜23−4の総てが選択されるようにして4種類の混合側面風を生成するようにしているので、上述した第4の工程に相当する。
【0030】
このように、図3〜図15に示す工程を1サイクルとして実施することにより、この総ての工程を経た後に、前記1サイクルを実施した所定の時間間隔において乾燥室21内にはランダム流が生成されることになる。すなわち、前記時間間隔を取ってみた場合、乾燥室21内にはランダム風が生成され、これによって前記時間間隔を経た後は、乾燥室21内の温度及び湿度が均一に保持されるようになる。この結果、乾燥すべき食品などの物質を短時間で均一に劣化させることなく乾燥することができるようになる。
【0031】
なお、上述したサイクルは1回のみ行うこともできるが、必要に応じて複数回実施することもできる。
【0032】
また、図3〜図15に示す1サイクルが終了した後に、乾燥を終了させるまで、あるいは次のサイクルの乾燥までの間、全送風機をオフにする第5の工程を設けることもできる。この場合、送風機から送られた風が対流などを通じて乾燥室21の全体により均一に行き渡るようになり、乾燥室21全体の温度及び湿度をより均一にすることができるようになる。
【0033】
なお、上述した第1の工程から第4の工程あるいは第5の工程を行う時間は特に限定されるものではなく、乾燥すべき物質の含水量及び大きさ、数などに応じて適宜に設定することができる。通常は、各工程とも数分のオーダである。また、第2の工程から第3の工程では、複数の上側面風、側面風及び混合側面風を生成する工程に細分化されているため、これらの細分化された各工程は数秒から数十秒のオーダとなる場合が多い。
【0034】
図16には、上述した工程のフローチャートを示す。
【0035】
また、図2に示す乾燥装置及びこれを用いた乾燥方法に代表されるような本発明の乾燥装置及び乾燥方法では、上述したように風を用いて乾燥を行うので乾燥温度を低く設定することができる。特には40℃以下の温度においても十分に短時間で乾燥を行うことができる。
【0036】
また、本発明の乾燥装置及び乾燥方法では、乾燥すべき物質の種類は特に限定されるものではなく、如何なる種類の物質をも乾燥させることができる。しかしながら、乾燥温度を40℃以下に設定することができるので、魚介類などの食品の他、温度による酵素分解及び色素分解を受けやすい植物の乾燥に適している。このような食品を本発明の乾燥装置及び乾燥方法で乾燥させた場合、微生物の繁殖を防ぐことができるとともに、酵素分解や色素分解を防ぐことができるので、乾燥保存の後に水に戻して食する場合、これら食品の風味や色合いを損なうことがない。
【実施例】
【0037】
(実施例)
本実施例においては、図2に示す装置を用い、図16に示すフローチャートに基づく上述した工程に従って乾燥を実施した。なお、乾燥には、ウコギ、めかぶ、トマト、あじ、ホタテ、及び桜えびの6種類を用いた。
【0038】
また、各食品の乾燥評価は、乾燥保存後に水に戻して食す際の、評価者10人による風味及び色合いの感じ方によって行い、10人中8人以上が風味及び色合いともに良好であると判断したものを◎とし、10人中6人以上が風味及び色合いともに良好であると判断したものを○とし、10人中3人以上が風味及び色合いともに良好であると判断したものを△とし、10人中2人以下が風味及び色合いともに良好であると判断したものを×とした。結果を表1に示す。なお、各工程における乾燥時間についても合わせて表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
(比較例)
本比較例においては、図1に示す装置を用いて乾燥を実施した。乾燥に供した食品は実施例と同じであり、乾燥評価についても実施例と同様にして実施した。結果を表2に示す。また、乾燥時間についても合わせて表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
表1及び2から明らかなように、本発明の乾燥装置及び乾燥方法を用いて乾燥した食品の乾燥保存後の風味及び色合いは、図1に示す従来の乾燥装置及び乾燥方法を用いて乾燥した食品の乾燥保存後の風味及び色合いに比較して格段に優れていることが分かる。したがって、本発明の乾燥装置及び乾燥方法を用いた場合には、乾燥室内の乾燥が極めて均一に行われていることが分かる。
【0043】
以上、本発明を具体例を挙げながら詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
【0044】
例えば、上述した第4の工程においては、側面送風機23−1及び23−2、23−3及び23−4、23−2及び23−4、並びに23−2及び23−3の組み合わせで混合側面風を生成しているが、その他の側面送風機の組み合わせにおいて混合側面風を生成するようにすることができる。
【0045】
また、第2の工程から第4の工程内に細分化されて含まれる各工程は必ずしもこの順に行う必要はなく、適宜に順番を入れ換えて行うこともできる。
【0046】
さらに、本発明はランダム風を生成して乾燥室内の温度及び湿度を均一にすることができれば、上述した第1の工程から第4の工程さらには第5の工程に限られるものではなく、その他の工程をも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】従来の乾燥装置の一例を概略的に示す構成図である。
【図2】本発明の乾燥装置の一例を概略的に示す構成図である。
【図3】本発明の乾燥方法の一例における乾燥方法の最初の工程を示す図である。
【図4】図3に示す工程の次の工程を示す図である。
【図5】図4に示す工程の次の工程を示す図である。
【図6】図5に示す工程の次の工程を示す図である。
【図7】図6に示す工程の次の工程を示す図である。
【図8】図7に示す工程の次の工程を示す図である。
【図9】図8に示す工程の次の工程を示す図である。
【図10】図9に示す工程の次の工程を示す図である。
【図11】図10に示す工程の次の工程を示す図である。
【図12】図11に示す工程の次の工程を示す図である。
【図13】図12に示す工程の次の工程を示す図である。
【図14】図13に示す工程の次の工程を示す図である。
【図15】図14に示す工程の次の工程を示す図である。
【図16】本発明の乾燥方法の一例における工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
10、20 乾燥装置
11、21 乾燥室
12−1〜12−n、22−1〜22−n トレイ
13 ファン
23−1〜23−4 側面送風機
23−5 上面送風機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の乾燥室内に乾燥すべき物質を配置する工程と、
前記乾燥室内において、一定の時間間隔においてランダム流となるようなランダム風を生成し、前記乾燥室内の温度及び湿度を一定にして、前記物質を乾燥する工程と、
を具えることを特徴とする、乾燥方法。
【請求項2】
前記ランダム風は、前記乾燥室の上面及び側面からの上側面風を生成する上側面風生成工程と、前記乾燥室の側面のみからの側面風を生成する側面風生成工程とを経て生成することを特徴とする、請求項1に記載の乾燥方法。
【請求項3】
前記乾燥室は矩形状を呈しており、前記上側面風生成工程は、前記乾燥室の前記上面からの風と、前記乾燥室の4側面から風との混合風から前記上側面風を生成する第1の生成工程を含むことを特徴とする、請求項2に記載の乾燥方法。
【請求項4】
前記上側面風生成工程は、前記乾燥室の前記上面からの風と、前記乾燥室の4側面の内、いずれか3側面からの風との混合風から前記上側面風を生成する第3の生成工程を含むことを特徴とする、請求項2に記載の乾燥方法。
【請求項5】
前記第3の工程において、前記乾燥室の前記4側面の内の、いずれか3側面からの風を選択する際に、前記4側面の総てを選択して4種類の側面風を生成し、前記4種類の側面風と前記乾燥室の前記上面からの風とを混合して、4種類の混合風を生成することを特徴とする、請求項4に記載の乾燥方法。
【請求項6】
前記側面風生成工程は、前記乾燥室の4側面の内、いずれか1側面からの側面風を生成する第2の工程を含むことを特徴とする、請求項2〜5のいずれか一に記載の乾燥方法。
【請求項7】
前記第2の工程において、前記乾燥室の前記4側面の総てを選択して4種類の側面風を生成することを特徴とする、請求項6に記載の乾燥方法。
【請求項8】
前記側面風生成工程は、前記乾燥室の前記4側面の内、いずれか2側面からの側面風を混合してなる混合側面風を生成する第4の工程を含むことを特徴とする、請求項2〜7のいずれか一に記載の乾燥方法。
【請求項9】
前記第4の工程において、前記乾燥室の前記4側面の内の、いずれか2側面からの風を選択する際に、前記4側面の総てを選択して少なくとも4種類の混合側面風を生成することを特徴とする、請求項8に記載の乾燥方法。
【請求項10】
前記第1の工程から前記第4の工程までを1サイクルとして前記ランダム風を生成することを特徴とする、請求項3〜9のいずれか一に記載の乾燥方法。
【請求項11】
前記第1の工程から前記第4の工程までを複数回繰り返して、前記ランダム風を複数回生成するようにしたことを特徴とする、請求項10に記載の乾燥方法。
【請求項12】
前記第1の工程から前記第4の工程の後において、前記上側面風及び前記側面風を停止する第5の工程を含むことを特徴とする、請求項10又は11に記載の乾燥方法。
【請求項13】
前記物質が食品であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一に記載の乾燥方法。
【請求項14】
前記食品が植物であることを特徴とする、請求項13に記載の乾燥方法。
【請求項15】
前記乾燥室内の乾燥温度が40℃以下であることを特徴とする、請求項13又は14に記載の乾燥方法。
【請求項16】
所定の乾燥室と、
前記乾燥室の上面及び側面に設けられた上面送風機及び側面送風機とを具え、
前記送風機は、前記乾燥室内において、一定の時間間隔においてランダム流となるようなランダム風を生成し、前記乾燥室内の温度及び湿度を一定にして、前記物質を乾燥することを特徴とする、乾燥装置。
【請求項17】
前記上面送風機及び前記側面送風機をオンにして、前記乾燥室の前記上面及び前記側面からの上側面風を生成するようにしたことを特徴とする、請求項16に記載の乾燥装置。
【請求項18】
前記側面送風機のみをオンにして、前記乾燥室の前記側面からの側面風を生成するようにしたことを特徴とする、請求項16又は17に記載の乾燥装置。
【請求項19】
前記乾燥室は矩形状を呈しており、前記側面送風機は前記乾燥室の4側面上に設けられ、この4側面上に設けられた少なくとも一つの側面送風機を駆動させて前記上側面風を生成するようにしたことを特徴とする、請求項17に記載の乾燥装置。
【請求項20】
前記乾燥室は矩形状を呈しており、前記側面送風機は前記乾燥室の4側面上に設けられ、この4側面上に設けられた少なくとも一つの側面送風機を駆動させて前記側面風を生成するようにしたことを特徴とする、請求項18に記載の乾燥装置。
【請求項21】
前記乾燥室内の乾燥温度が40℃以下であることを特徴とする、請求項16〜20のいずれか一に記載の乾燥装置。
【請求項22】
請求項21に記載の乾燥装置を含むことを特徴とする、食品用乾燥装置。
【請求項23】
請求項21に記載の乾燥装置を含むことを特徴とする、植物用乾燥装置。
【請求項1】
所定の乾燥室内に乾燥すべき物質を配置する工程と、
前記乾燥室内において、一定の時間間隔においてランダム流となるようなランダム風を生成し、前記乾燥室内の温度及び湿度を一定にして、前記物質を乾燥する工程と、
を具えることを特徴とする、乾燥方法。
【請求項2】
前記ランダム風は、前記乾燥室の上面及び側面からの上側面風を生成する上側面風生成工程と、前記乾燥室の側面のみからの側面風を生成する側面風生成工程とを経て生成することを特徴とする、請求項1に記載の乾燥方法。
【請求項3】
前記乾燥室は矩形状を呈しており、前記上側面風生成工程は、前記乾燥室の前記上面からの風と、前記乾燥室の4側面から風との混合風から前記上側面風を生成する第1の生成工程を含むことを特徴とする、請求項2に記載の乾燥方法。
【請求項4】
前記上側面風生成工程は、前記乾燥室の前記上面からの風と、前記乾燥室の4側面の内、いずれか3側面からの風との混合風から前記上側面風を生成する第3の生成工程を含むことを特徴とする、請求項2に記載の乾燥方法。
【請求項5】
前記第3の工程において、前記乾燥室の前記4側面の内の、いずれか3側面からの風を選択する際に、前記4側面の総てを選択して4種類の側面風を生成し、前記4種類の側面風と前記乾燥室の前記上面からの風とを混合して、4種類の混合風を生成することを特徴とする、請求項4に記載の乾燥方法。
【請求項6】
前記側面風生成工程は、前記乾燥室の4側面の内、いずれか1側面からの側面風を生成する第2の工程を含むことを特徴とする、請求項2〜5のいずれか一に記載の乾燥方法。
【請求項7】
前記第2の工程において、前記乾燥室の前記4側面の総てを選択して4種類の側面風を生成することを特徴とする、請求項6に記載の乾燥方法。
【請求項8】
前記側面風生成工程は、前記乾燥室の前記4側面の内、いずれか2側面からの側面風を混合してなる混合側面風を生成する第4の工程を含むことを特徴とする、請求項2〜7のいずれか一に記載の乾燥方法。
【請求項9】
前記第4の工程において、前記乾燥室の前記4側面の内の、いずれか2側面からの風を選択する際に、前記4側面の総てを選択して少なくとも4種類の混合側面風を生成することを特徴とする、請求項8に記載の乾燥方法。
【請求項10】
前記第1の工程から前記第4の工程までを1サイクルとして前記ランダム風を生成することを特徴とする、請求項3〜9のいずれか一に記載の乾燥方法。
【請求項11】
前記第1の工程から前記第4の工程までを複数回繰り返して、前記ランダム風を複数回生成するようにしたことを特徴とする、請求項10に記載の乾燥方法。
【請求項12】
前記第1の工程から前記第4の工程の後において、前記上側面風及び前記側面風を停止する第5の工程を含むことを特徴とする、請求項10又は11に記載の乾燥方法。
【請求項13】
前記物質が食品であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一に記載の乾燥方法。
【請求項14】
前記食品が植物であることを特徴とする、請求項13に記載の乾燥方法。
【請求項15】
前記乾燥室内の乾燥温度が40℃以下であることを特徴とする、請求項13又は14に記載の乾燥方法。
【請求項16】
所定の乾燥室と、
前記乾燥室の上面及び側面に設けられた上面送風機及び側面送風機とを具え、
前記送風機は、前記乾燥室内において、一定の時間間隔においてランダム流となるようなランダム風を生成し、前記乾燥室内の温度及び湿度を一定にして、前記物質を乾燥することを特徴とする、乾燥装置。
【請求項17】
前記上面送風機及び前記側面送風機をオンにして、前記乾燥室の前記上面及び前記側面からの上側面風を生成するようにしたことを特徴とする、請求項16に記載の乾燥装置。
【請求項18】
前記側面送風機のみをオンにして、前記乾燥室の前記側面からの側面風を生成するようにしたことを特徴とする、請求項16又は17に記載の乾燥装置。
【請求項19】
前記乾燥室は矩形状を呈しており、前記側面送風機は前記乾燥室の4側面上に設けられ、この4側面上に設けられた少なくとも一つの側面送風機を駆動させて前記上側面風を生成するようにしたことを特徴とする、請求項17に記載の乾燥装置。
【請求項20】
前記乾燥室は矩形状を呈しており、前記側面送風機は前記乾燥室の4側面上に設けられ、この4側面上に設けられた少なくとも一つの側面送風機を駆動させて前記側面風を生成するようにしたことを特徴とする、請求項18に記載の乾燥装置。
【請求項21】
前記乾燥室内の乾燥温度が40℃以下であることを特徴とする、請求項16〜20のいずれか一に記載の乾燥装置。
【請求項22】
請求項21に記載の乾燥装置を含むことを特徴とする、食品用乾燥装置。
【請求項23】
請求項21に記載の乾燥装置を含むことを特徴とする、植物用乾燥装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−132855(P2006−132855A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323288(P2004−323288)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(504412222)株式会社 わんだ (2)
【出願人】(504412244)有限会社 サント電業 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(504412222)株式会社 わんだ (2)
【出願人】(504412244)有限会社 サント電業 (5)
【Fターム(参考)】
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