説明

二次元コードを有するシート、サーバ装置および情報提供システム

【課題】 二次元コードを見るだけで、その二次元コードをデコードすることで得られる情報の概略を把握することができること。
【解決手段】 二次元コードを有するシート1は、携帯端末2によりネットワーク3上から取得可能な店舗、施設、構造物あるいはサービスに関する所定の情報にアクセスするためのアクセス情報がコード化された二次元コードパターン12と、所定の情報の種類もしくは分類に関連するかまたは所定の情報の種類もしくは分類を連想させる図案13と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元コードを有するシート、サーバ装置および情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動販売機管理システムが開示されている。この特許文献1の自動販売機管理システムは、自動販売機のサンプル缶飲料および商品選択ボタンと対応付けて、二次元コードを表示する。表示される二次元コードには、それが対応付けられている商品に応じた情報がコード化される。自動販売機の利用者は、その二次元コードを携帯電話などで読み取ることで、売り切れている商品などに関して問合せをすることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−326469号公報(特許請求の範囲、発明の詳細な説明、図面など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、自動販売機管理システムが開示されている。この特許文献1の自動販売機管理システムは、自動販売機のサンプル缶飲料および商品選択ボタンと対応付けて、二次元コードを表示する。表示される二次元コードには、それが対応付けられている商品に応じた情報がコード化される。自動販売機の利用者は、その二次元コードを携帯電話などで読み取ることで、売り切れている商品などに関して問合せをすることができる。
【0005】
特許文献1の自動販売機管理システムのように、自動販売機の各サンプル缶飲料あるいは各商品選択ボタンと対応付けて二次元コードが提供されている場合、ユーザは、その二次元コードが少なくとも自動販売機で販売されているその商品などに関連する情報を提供するものであることを自然に把握することができる。したがって、その把握に基づいて、ユーザは、表示されている二次元コードを携帯電話などでデコードして利用することができる。
【0006】
しかしながら、このように特定の商品などと直接的に対応付けて二次元コードを提供するのではなく、たとえば、単に、街中に、その街を案内する情報などをコード化した二次元コードを設けた場合、二次元コードを見た人は、二次元コードを見ただけでは、その二次元コードに何の情報がコード化されているのかを把握することができない。
【0007】
したがって、街中に設けられた二次元コードを見つけた人は、試しにそれをデコードしてみなければ、その二次元コードにどのような情報がコード化されているのかを把握することができない。見つけた二次元コードを1つ1つデコードしなければならない。最初の数回は興味本位でデコードするかもしれないが、ユーザは、飽きてしまえば興味を示さなくなってしまう。また、二次元コードが何たるかを知らない人にとっては、単なる意味不明のマークであると認識されてしまうだけである。さらに、たとえば街中に二次元コードが溢れた状況を想像した場合、ユーザは、どの二次元コードをデコードすれば所望の情報を得られるのかを把握することができず、混乱すると予想される。ユーザに、見つけた二次元コードを手当たり次第にデコードさせていては、不便である。その結果、街中に二次元コードを設けるだけでは、その二次元コードを用いた情報文化が社会に根付くとは考え難い。
【0008】
本発明は、二次元コードを見るだけで、その二次元コードをデコードすることで得られる情報の概略を把握することができる二次元コードを有するシート、サーバ装置および情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る二次元コードを有するシートは、携帯端末によりネットワーク上から取得可能な店舗、施設、構造物あるいはサービスに関する所定の情報にアクセスするためのアクセス情報がコード化された二次元コードパターンと、所定の情報の種類もしくは分類に関連するかまたは所定の情報の種類もしくは分類を連想させる図案と、を有するものである。
【0010】
この構成を採用すれば、二次元コードのパターンを見た人は、その二次元コードのパターンとともにシートに印刷されている図案に基づいて、その二次元コードのパターンをデコードすることで得られる情報の種類や分類、すなわち概略を把握することができる。
【0011】
本発明に係る二次元コードを有するシートは、上述した発明の構成に加えて、二次元コードパターンと、図案とは、当該シートの上に並べて配置されているものである。
【0012】
この構成を採用すれば、二次元コードパターンと図案との関連性を保ちながら、二次元コードパターンと図案とを別々に配置することができる。したがって、シート上に二次元コードパターンを大きく形成して、シートから離れた位置からカメラ付き携帯端末により撮像可能となり、且つ、二次元コードパターンをカメラ付き携帯端末により読み取る際に、図案がその妨げとなり難くなる。
【0013】
本発明に係る二次元コードを有するシートは、上述した各発明の構成に加えて、二次元コードパターンが、図案の右側となる位置に並べて配置されているものである。
【0014】
この構成を採用すれば、二次元コードによるパターンと図案との関連性を保ちながら、二次元コードパターンと図案とを別々に配置することができる。したがって、シート上に二次元コードパターンを大きく形成して、シートから離れた位置からカメラ付き携帯端末により撮像可能となり、且つ、二次元コードパターンをカメラ付き携帯端末により読み取る際に、図案がその妨げとなり難くなる。
【0015】
特に、図案の右側に二次元コードパターンを配設しているので、一箇所に複数のシートが配設されることがあったとしても、それらを互いに区別し、二次元コードパターンと図案との対応関係を正しく認識することができる。日本人に限らず外国人であっても、それらの対応関係を正しく認識することができる。
【0016】
本発明に係る二次元コードを有するシートは、上述した各発明の構成に加えて、図案が、国際シンボルマーク、標準案内図記号、もしくは道路標識で使用する図記号であるものである。
【0017】
この構成を採用すれば、既に利用されている図案に、二次元コードパターンを対応付けることができる。したがって、大多数の人に、二次元コードパターンをデコードすることで得られる情報の種類や分類、すなわち概略を把握させることができる。
【0018】
本発明に係る二次元コードを有するシートは、上述した各発明の構成に加えて、二次元コードパターンが、図案内に、当該図案の一部として配置されているものである。
【0019】
この構成を採用すれば、二次元コードパターンと図案との関連性を誰でも認識することができる。また、二次元コードパターンを図案の一部とすることで、シート全体に大きな図案を配置することができ、遠方にいる人であっても、そこに二次元コードによるパターンにより情報が提供されていることを認識することができる。
【0020】
本発明に係るサーバ装置は、ネットワークを介して携帯端末と通信する通信手段と、店舗、施設、構造物などの所定の施設への道案内図あるいは地域案内図を有する詳細案内図データと、詳細案内図データによる所定の施設の所在地が含まれる広域の地図、並びに、その地図内に所在する所定の施設の詳細案内図データへのリンク情報を有する広域地図データとを記憶する記憶手段と、詳細案内図データにより案内される所定の施設の種類もしくは分類に関連するかまたは所定の情報の種類もしくは分類を連想させる図案とともに設置され且つ当該サーバ装置にアクセスするためのアクセス情報がコード化された二次元コードパターンをデコードして得られたアクセス情報に基づく携帯端末からの送信要求を通信手段が受信したら、記憶手段に記憶されている広域地図データを通信手段に送信させる第一の送信制御手段と、広域地図データにおける詳細案内図データへのリンク情報の選択に基づく、携帯端末からの送信要求を通信手段が受信したら、そのリンク情報に対応する詳細案内図データを通信手段に送信させる第二の送信制御手段と、を有するものである。
【0021】
この構成を採用すれば、携帯端末のユーザは、二次元コードのパターンとともに設置された図案に基づいて、その二次元コードのパターンをデコードすることで得られる情報の種類や分類、すなわち概略を把握することができる。また、携帯端末のユーザは、その二次元コードのパターンをデコードすることで、サーバ装置から道案内図あるいは地域案内図を得ることができる。
【0022】
特に、サーバ装置は、二次元コードパターンをデコードすることに基づく送信要求に対して、広域の地図を表示するための広域地図データを送信し、その広域地図データに含まれるリンク情報の選択に基づく送信要求に対して、道案内図あるいは地域案内図を送信する。したがって、携帯端末のユーザは、店舗、施設、構造物などの所定の施設までの様子を、広域地図データに基づいて大まかに把握し、且つ、詳細案内図データに基づいて細かく把握することができる。
【0023】
本発明に係る情報提供システムは、ネットワークを介して携帯端末と通信し、携帯端末からの送信要求の受信に基づいて、店舗、施設、構造物などの所定の施設への道案内図あるいは地域案内図を有する詳細案内図データを携帯端末へ送信するサーバ装置と、詳細案内図データにより案内される所定の施設の種類もしくは分類に関連するかまたは所定の情報の種類もしくは分類を連想させる図案とともに設置され、サーバへアクセスするためのアクセス情報がコード化された携帯端末読取可能な二次元コードパターンと、を有するものである。
【0024】
この構成を採用すれば、携帯端末のユーザは、二次元コードのパターンとともに設置された図案に基づいて、その二次元コードのパターンをデコードすることで得られる情報の種類や分類、すなわち概略を把握することができる。また、携帯端末のユーザは、その二次元コードのパターンをデコードすることで、サーバ装置から道案内図あるいは地域案内図を得ることができる。
【0025】
本発明に係る情報提供システムは、上述した発明の構成に加えて、サーバ装置が、二次元コードパターンをデコードすることに基づく携帯端末からの送信要求の受信に基づいて、詳細案内図データによる所定の施設の所在地が含まれる広域の地図、並びに、その地図内に所在する所定の施設の詳細案内図データへのリンク情報を有する広域地図データを送信し、広域地図データにおける詳細案内図データへのリンク情報の選択に基づく携帯端末からの送信要求の受信に基づいて、そのリンク情報に対応する詳細案内図データを送信するものである。
【0026】
この構成を採用すれば、サーバ装置は、二次元コードパターンをデコードすることに基づく送信要求に対して、広域の地図を表示するための広域地図データを送信し、その広域地図データに含まれるリンク情報の選択に基づく送信要求に対して、道案内図あるいは地域案内図を送信する。したがって、携帯端末のユーザは、店舗、施設、構造物などの所定の施設までの様子を、広域地図データに基づいて大まかに把握し、且つ、詳細案内図データに基づいて細かく把握することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明では、二次元コードを見るだけで、その二次元コードをデコードすることで得られる情報の概略を把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態に係る二次元コードを有するシート、サーバ装置および情報提供システムを、図面に基づいて説明する。以下の各実施の形態では、二次元コードがQR(Quick Response)コードである場合を例として説明する。なお、QRコードは登録商標である。
【0029】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る情報提供システムを示すシステム構成図である。情報提供システムは、二次元コードの一種としてのQRコードを有するシート1と、携帯端末としてのカメラ付き携帯電話端末2と、ネットワークとしての通信ネットワーク3と、サーバ装置4と、を有する。この情報提供システムは、サーバ装置4に記憶されているレストランに関する情報を、カメラ付き携帯電話端末2のユーザに提供するものである。
【0030】
QRコードを有するシート1は、たとえば塩化ビニル製の白色のマット材11を有する。塩化ビニルは、透明なプラスチック材である。マット材11の表面には、二次元コードによるパターンとしてのQRコードパターン12と、図案としてのマーク13とが並べて印刷される。QRコードパターン12は、マーク13の左側に印刷される。塩化ビニル製の白色のマット材11にこれらを印刷するためには、たとえば油性インクを吐出するインクジェット印刷機を用いればよい。また、マット材11の表面には、この油性インクを付着した後に、その表面をポリプロピレン、フッ化ビニリデン(フィルム)などの透明な材料でコーティング剤を塗布するとよい。これにより、マット材11の表面に自動車のタイヤが乗り上げて擦られたとしても、印刷がかすれたりはがれたりし難くなる。屋外において、数年の使用に耐えられるようになる。特に、交通標識にも用いられているフッ化ビニリデンフィルムでコーティングすることで、きず、よごれ、いたずら書きに強く、紫外線に強くなるので、10年以上にわたってQRコードパターン12のデコードが可能となる耐久性がえられる。また、塩化ビニル製のマット材11の表面に印刷するようにすることで、QRコードパターン12およびマーク13とを、一辺が2〜3mの大きさで形成することが可能である。
【0031】
QRコードパターン12は、データをQRコードによりコード化することで得られるパターンである。QRコードは、ISO(International Organization For Standardization)/IEC(International Electrotechnical Commission)18004として規格化されている。このQRコードパターン12には、サーバ装置4のURL(Uniform Resource Locator)としての文字列データがコード化されている。
【0032】
QRコードパターン12の右側に並べて印刷されるマーク13は、レストランを意味する図記号である。皿の上に、ナイフとフォークとをのせた図案の図記号である。このようなレストランの図記号は、各種の案内において既に利用されている図案に類似する図案であり、大多数の人はレストランを連想する。この他にもたとえば、レストランを連想させる図記号としては、たとえばナイフとフォークとを並べた図案である標準案内用図記号や、高速道路の道路標識などで使用される図記号などがある。これらの既に利用されている図案を使用することで、大多数の人にレストランを連想させることができる。
【0033】
図2は、QRコードを有するシート1の設置状態の一例を示す図である。図2に示すQRコードを有するシート1は、地域案内板16に貼着される。地域案内板16は、近隣の地域地図を表示するものであり、たとえば歩道脇の植え込みの中に立設される。このような地域案内板16に貼着されるシート1は、たとえば縦30cm×横60cmの大きさを有する。マーク13とQRコードパターン12とは横に並べられている。このようなサイズでQRコードパターン12を形成することで、地域案内板16から1〜2m程度離れた位置からでもその読み取りが可能となる。
【0034】
図1中の通信ネットワーク3は、インターネット21およびATM(Asynchronous Transfer Mode)通信網22で構成されるネットワークと、このATM通信網22に接続される基地局23と、を有する。基地局23は、そのゾーン内に存在する携帯電話端末の無線通信I/Fとの間でデータ通信回線を確立し、そのデータ通信回線を用いて無線通信I/Fとの間でデータを送受信する。
【0035】
図3は、カメラ付き携帯電話端末2の構成を示す装置構成図である。カメラ付き携帯電話端末2は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)31と、RAM(Random Access Memory)32と、半導体メモリ33と、入出力ポート34と、これらを接続するシステムバス35と、を有する。入出力ポート34には、通信ネットワーク3の基地局23との間でデータを送受信する無線通信I/F(InterFace)36と、画像を撮像して出力するCCD(Charge Coupled Device)カメラ37と、テンキーなどを有する入力キー38と、表示部に表示データに基づく画像を表示する液晶デバイス39と、が接続される。
【0036】
半導体メモリ33は、通信制御プログラム41と、デコードプログラム42と、表示制御プログラム43と、を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性メモリである。中央処理装置31は、これらのプログラムを記憶デバイス53からRAM32に読み込んで実行する。中央処理装置31が通信制御プログラム41を実行することで、図4に示すように、通信制御部46が実現される。中央処理装置31がデコードプログラム42を実行することで、図4に示すように、デコーダ47が実現される。中央処理装置31が表示制御プログラム43を実行することで、図4に示すように、表示制御部48が実現される。図4は、カメラ付き携帯電話端末2およびサーバ装置4に実現される機能を示すブロック図である。
【0037】
この実施の形態1において、デコードプログラム42などの半導体メモリ33に記憶されるプログラムは、カメラ付き携帯電話端末2の出荷時にその半導体メモリ33に記憶されるものである。この他にもたとえば、半導体メモリ33に記憶されるプログラムは、たとえばCD(コンパクト・ディスク)−ROM(リード・オンリー・メモリ)、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体や、通信ネットワーク3などの伝送媒体を介して、カメラ付き携帯電話端末2の出荷後に、半導体メモリ33に保存されるものであってもよい。
【0038】
通信制御部46は、表示制御部48などによりデータの取得が要求された場合、データの送信要求を無線通信I/F36に送信させる。通信制御部46は、無線通信I/F36が受信したデータをそのデータの取得を要求した表示制御部48などへ供給する。
【0039】
デコーダ47は、CCDカメラ37が撮像した画像からQRコードパターン12を抽出する。デコーダ47は、抽出したQRコードパターン12によるQRコードをデコードし、QRコードにコード化されていたデータを復号する。
【0040】
表示制御部48は、表示データを生成し、液晶デバイス39へ出力する。
【0041】
図5は、サーバ装置4の構成を示す装置構成図である。サーバ装置4は、中央処理装置51と、RAM52と、記憶手段としての記憶デバイス53と、通信ネットワーク3のインターネット21に接続される通信手段としての通信I/F54と、これらを接続するシステムバス55と、を有する。
【0042】
記憶デバイス53は、データ送出制御プログラム56と、広域地図データ57と、複数の詳細案内図データ58と、対応テーブル59と、を記憶する。中央処理装置51は、データ送出制御プログラム56を記憶デバイス53からRAM52に読み込んで実行する。これにより、図4に示すように、サーバ装置4には、第一の送信制御手段および第二の送信制御手段としてのデータ送出制御部61が実現される。
【0043】
データ送出制御部61は、通信I/F54がインターネット21からデータの送信要求を受信すると、その要求を解釈する。データ送出制御部61は、その解釈に基づいて記憶デバイス53から要求に係るデータを読み込み、読み込んだデータを通信I/F54に送信させる。
【0044】
詳細案内図データ58は、あるレストランへの道案内図の表示データや、あるレストランがその周囲の店舗とともに実際の配置にしたがって描画される地域案内図の表示データを有する。詳細案内図データ58は、たとえば、サーバ装置に記憶されているレストラン毎に、記憶デバイス53に記憶されるデータである。
【0045】
道案内図や地域案内図は、たとえばその店舗やその地域の商店街や商工会議所などが発行するものである。このような案内図では、建物や店舗などは、それらの実際の詳細な配置や大きさを無視して適切なデフォルメがなされており、たとえば道路や通路の他に、交差点名やランドマークなどの目標物などが一緒に描画されていることが多い。ユーザは、それらを目印として案内図に記載されるレストランまで迷わずに移動することができる。詳細案内図データ58における表示データには、このような案内図をデータ化したものが含まれる。
【0046】
広域地図データ57は、QRコードを有するシート1が設置される地点の近隣の広域の地図による表示データを有する。この広域の地図は、たとえば1/4000程度の縮尺の地図であれはよい。この広域の地図には、詳細案内図データ58によるレストラン毎に、それぞれの所在地となる位置に、連番により番号が描画される。また、広域地図データ57は、その地図中に描画される各番号と各レストランの名称とを対応付けた表示データと、その各表示データに関連付けられるリンク情報とを有する。リンク情報は、サーバ装置4のURLに、所定の文字列を付加した文字列のデータである。複数のリンク情報は、互いに異なる文字列を有する。
【0047】
対応テーブル59は、広域地図データ57に含まれる複数のリンク情報と、記憶デバイス53に記憶される複数の詳細案内図データ58との対応付けを記憶するテーブルである。対応テーブル59において、1つのリンク情報は、1つの詳細案内図データ58に1対1に対応付けられる。複数の詳細案内図データ58が、たとえばそのデータ毎のファイルとしてディレクトリ構造にて記憶デバイス53に記憶されている場合、対応テーブル59は、たとえば、そのディレクトリ構造に基づく各詳細案内図データ58のファイルパスと、各リンク情報とを対応付けたものであればよい。
【0048】
次に、図4を参照しながら、以上の構成を有する情報提供システムの動作を説明する。
【0049】
図2の地域案内板16の前にいるカメラ付き携帯電話端末2のユーザは、地域案内板16に、QRコードパターン12が設置されていることを認識する。地域案内板16において、QRコードパターン12の隣には、レストランを意味するマーク13が近接して設置されている。QRコードパターン12とマーク13との間隙は、QRコードパターン12またはマーク13の外形の幅より狭くされる。
【0050】
ユーザは、QRコードパターン12とレストランを意味するマーク13とが1つのシート1の上に並べて設置されている状況を見ることで、そのQRコードパターン12には、レストランに関連する情報がコード化されていると容易に把握することができる。ユーザは、QRコードパターン12を試しにデコードしなくとも、そのQRコードパターン12にコード化されている情報がレストランに関連する情報であることを把握することができる。
【0051】
レストランに関連する情報が欲しいと考えるユーザは、カメラ付き携帯電話端末2の入力キー38を操作する。カメラ付き携帯電話端末2の中央処理装置31は、その入力キー38の操作に基づいて、デコードプログラム42を読み込んで実行する。これにより、カメラ付き携帯電話端末2には、デコーダ47が実現される。なお、以下の説明において、カメラ付き携帯電話端末2では、表示制御部48と通信制御部46とが既に実現されているものとする。
【0052】
デコーダ47は、CCDカメラ37が撮像した画像を、液晶デバイス39に表示させる。デコーダ47は、CCDカメラ37が撮像した画像の中に、QRコードパターン12を認識すると、その画像からQRコードパターン12を抽出する。したがって、カメラ付き携帯電話端末2の液晶デバイス39に図2の地域案内板16に設置されたQRコードパターン12が写るように、ユーザがカメラ付き携帯電話端末2を構えることで、デコーダ47は、図2の地域案内板16に設置されたQRコードパターン12を抽出する。デコーダ47は、抽出したQRコードパターン12によるQRコードをデコードし、このQRコードにコード化されていたデータを復号する。これにより、デコーダ47は、図2の地域案内板16に設置されたQRコードパターン12にコード化されていた、サーバ装置4のURLを復号する。デコーダ47は、復号したサーバ装置4のURLを表示制御部48へ供給する。
【0053】
QRコードパターン12からデコードされたサーバ装置4のURLが供給されると、表示制御部48は、そのサーバ装置4のURLを指定して、通信制御部46にデータの送信要求を指示する。通信制御部46は、サーバ装置4を送信先に指定したデータの送信要求を生成し、無線通信I/F36へ出力する。無線通信I/F36は、その送信要求を、通信ネットワーク3の基地局23へ送信する。
【0054】
通信ネットワーク3の基地局23へ送信されたこのカメラ付き携帯電話端末2の送信要求は、ATM通信網22を介してインターネット21へ送信される。サーバ装置4の通信I/F54は、インターネット21から、この自分宛てのデータ送信要求を受信する。
【0055】
通信I/F54がインターネット21からデータの送信要求を受信すると、データ送出制御部61は、その要求を解釈する。このQRコードパターン12の読み取りに基づくデータの送信要求には、サーバ装置4のURLが含まれている。データ送出制御部61は、サーバ装置4のURLが含まれていることを確認すると、記憶デバイス53から広域地図データ57を読み込み、通信I/F54に供給する。通信I/F54は、広域地図データ57をインターネット21へ送出する。
【0056】
インターネット21へ送出された広域地図データ57は、ATM通信網22、基地局23を介して、カメラ付き携帯電話端末2の無線通信I/F36へ送信される。通信制御部46は、無線通信I/F36が受信した広域地図データ57を表示制御部48へ供給する。表示制御部48は、無線通信I/F36が受信した広域地図データ57に含まれる表示データを、液晶デバイス39へ出力する。液晶デバイス39は、広域地図データ57に含まれる表示データを表示する。
【0057】
図6は、図4中のカメラ付き携帯電話端末2の液晶デバイス39に表示される広域地図データ57に基づく表示画面の一例を示す図である。液晶デバイス39は、複数のレストランの所在地に連番の番号が描画される広域の地図を表示する。また、液晶デバイス39は、その地図の下に、広域の地図内に表示される複数の番号と、レストランの名称とを対応付けたリストを表示する。ユーザは、液晶デバイス39に表示される地図に基づいて、QRコードを有するシート1が設置される地域の周辺の地理を把握することができる。また、ユーザは、広域の地図内における番号の描画位置に基づいて、表示されているリスト内に列挙される複数のレストランの大まかな所在地を把握することができる。
【0058】
図6の画面が表示されている状態でユーザが入力キー38を操作してリスト内のあるレストランの番号を入力すると、表示制御部48は、広域地図データ57から、その番号と関連付けられているリンク情報を抽出する。表示制御部48は、抽出したリンク情報を指定して、通信制御部46にデータの送信要求を指示する。通信制御部46は、サーバ装置4を送信先に指定し、その抽出したリンク情報に対応するデータの送信を要求するデータの送信要求を生成し、無線通信I/F36へ出力する。無線通信I/F36は、その送信要求を、通信ネットワーク3の基地局23へ送信する。サーバ装置4の通信I/F54は、通信ネットワーク3を介して、その送信要求を受信する。
【0059】
通信I/F54がインターネット21からデータの送信要求を受信すると、データ送出制御部61は、その要求を解釈する。この広域地図データ57における番号選択に基づくデータの送信要求には、カメラ付き携帯電話端末2において選択されたリンク情報が含まれる。データ送出制御部61は、記憶デバイス53に記憶されている対応テーブル59を参照し、そのリンク情報に対応する詳細案内図データ58を特定する。データ送出制御部61は、特定した詳細案内図データ58を、記憶デバイス53から読み込み、通信I/F54に供給する。通信I/F54は、詳細案内図データ58をインターネット21へ送出する。
【0060】
カメラ付き携帯電話端末2の無線通信I/F36は、通信ネットワーク3を介してその詳細案内図データ58を受信する。通信制御部46は、無線通信I/F36が受信した詳細案内図データ58を表示制御部48へ供給する。表示制御部48は、無線通信I/F36が受信した詳細案内図データ58に含まれる表示データを、液晶デバイス39へ出力する。液晶デバイス39は、詳細案内図データ58に含まれる表示データを表示する。
【0061】
図7は、図4中のカメラ付き携帯電話端末2の液晶デバイス39に表示される詳細案内図データ58に基づく表示画面の一例を示す図である。液晶デバイス39は、広域地図データ57に基づいて選択したレストランの周辺の詳細な地図を表示する。ユーザは、この詳細な地図に基づいて、広域地図データ57に基づいて選択したレストランの詳しい所在地を把握することができる。
【0062】
以上のように、この実施の形態1によれば、QRコードパターン12を見た人は、そのQRコードパターン12とともにシート1に印刷されているマーク13に基づいて、そのQRコードパターン12をデコードすることで得られる情報がレストランに関する情報であることを把握することができる。
【0063】
この実施の形態1では、QRコードパターン12は、マーク13の左側となる位置に並べて、シート1上に別々に配置されている。QRコードパターン12とマーク13との関連性を保ちながら、QRコードパターン12とマーク13とを別々に配置している。したがって、シート1上にQRコードパターン12を大きく形成して、シート1から離れた位置からカメラ付き携帯端末2により撮像可能となり、且つ、QRコードパターン12をカメラ付き携帯端末2により読み取る際に、マーク13がその妨げとなり難くなる。特に、マーク13の右側にQRコードパターン12を配設しているので、日本人に限らず外国人であっても、QRコードパターン12とマーク13との対応関係を正しく認識することができる。
【0064】
この実施の形態1では、カメラ付き携帯端末2のユーザは、QRコードパターン12をデコードすることで、サーバ装置4から広域の地図と、所定のレストランまでの道案内図あるいは地域案内図を、カメラ付き携帯端末2の液晶デバイス39に表示することができる。したがって、カメラ付き携帯端末2のユーザは、レストランまでの様子を、広域地図データに基づいて大まかに把握し、且つ、詳細案内図データに基づいて細かく把握することができる。
【0065】
なお、QRコードパターン12には、サーバ装置4のURL以外のURLや、その他の情報がコード化されていてもよい。サーバ装置4のURL以外のURLとしては、たとえば推奨するお店のURLやスポンサのURLなどがある。このURLには、さらにそのお店の紹介文などを付加してもよい。その他の情報としては、たとえば駅の改札口などにこのQRコードを有するシート1を設置する場合であれば、駅の総合案内の電話番号、忘れ物の問合せ先の電話番号、所轄の警察署の電話番号などがある。
【0066】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る情報提供システムは、二次元コードの一種としてのQRコードを有するシート81と、カメラ付き携帯電話端末2と、通信ネットワーク3と、サーバ装置4と、を有する。この情報提供システムは、カメラ付き携帯電話端末2から受信したメッセージを大型スクリーンに表示するサービスを、カメラ付き携帯電話端末2のユーザに提供する。大型スクリーンは、メッセージを雪のように上から下に降らせて表示する。
【0067】
図8は、本発明の実施の形態2に係るQRコードを有するシート81を示す図である。QRコードを有するシート81は、たとえば塩化ビニル製の白色のマット材11の表面に、二次元コードによるパターンとしてのQRコードパターン82と、図案としてのマーク83とが印刷される。
【0068】
マーク83は、マット材11の表面の全面に形成される。マーク83の右半分には雪の結晶を模した図案があり、左半分には簡単なサービスの解説文と携帯電話をその雪の結晶に向けて持つ少女の図案がある。
【0069】
QRコードパターン82は、雪の結晶を模した図案の中心に印刷されている。QRコードパターン82には、サーバ装置4のURLがコード化されている。サーバ装置4のURLは、解説文にも記載されている。
【0070】
このような図案のマーク83をQRコードパターン82とともに印刷することで、カメラ付き携帯電話端末2のユーザなどに対して、このQRコードパターン82をデコードすることで、何らかのメールを用いたサービスの提供を受けることができることを容易に把握させることができる。
【0071】
なお、このようなQRコードを有するシート81は、催し物の特設会場や、特設会場周辺の道路、建物のイベント案内掲示板などに設置すればよい。
【0072】
図9は、カメラ付き携帯電話端末2およびサーバ装置4に実現される機能を示すブロック図である。
【0073】
サーバ装置4の記憶デバイス53には、入力ページデータ91と、図示外のデータ送出制御プログラムと、が記憶される。サーバ装置4の中央処理装置51がこのデータ通信制御プログラムを実行することで、サーバ装置4には、データ通信制御部92が実現される。また、サーバ装置4のシステムバス55には、メッセージの内容を表示するための大型スクリーン93が接続される。
【0074】
入力ページデータ91は、カメラ付き携帯電話端末2の液晶デバイス39に入力画面を表示するデータである。この入力画面には、入力者名の入力欄、メッセージの宛名の入力欄、メッセージの本文の入力欄、添付画像の選択欄などがある。
【0075】
データ通信制御部92は、通信I/F54がインターネット21からデータの送信要求を受信すると、その要求を解釈する。データ通信制御部92は、その解釈に基づいて、たとえば記憶デバイス53から要求に係るデータを読み込み、読み込んだデータを通信I/F54に送信させる。
【0076】
上述した以外のサーバ装置4の構成は、実施の形態1に係るサーバ装置4の同名の構成要素と同じ機能を有するものであり、同一の名称および符号を付して説明を省略する。また、カメラ付き携帯電話端末2および通信ネットワーク3の構成は、実施の形態1の同名の構成要素と同じ機能を有するものであり、同一の名称および符号を付して説明を省略する。
【0077】
次に、図9参照しながら、以上の構成を有する情報提供システムの動作を説明する。
【0078】
図8のシート81が設置された場所の前にいるカメラ付き携帯電話端末2のユーザは、シート81に、QRコードパターン82が設置されていることを認識する。シート81において、QRコードパターン82の周囲には、QRコードパターン82をデコードすることで提供されるサービスを連想させる図案がある。
【0079】
ユーザは、QRコードパターン82とサービスを連想させる図案とが1つのシート81の上に並べて設置されている状況を見ることで、そのQRコードパターン82には、その連想されるサービスに関する情報がコード化されていると把握することができる。ユーザは、QRコードパターン82を試しにデコードしなくとも、そのQRコードパターン82にコード化されている情報がメール形式のサービスに関連する情報であることを把握することができる。
【0080】
このサービスに興味を持ったユーザは、カメラ付き携帯電話端末2の入力キー38を操作する。カメラ付き携帯電話端末2のデコーダ47は、CCDカメラ37が撮像した画像からQRコードパターン82を抽出し、抽出したQRコードパターン82によるQRコードをデコードし、このQRコードにコード化されていたデータを復号する。デコーダ47は、図8のQRコードパターン82から復号したサーバ装置4のURLを表示制御部48へ供給する。
【0081】
QRコードパターン82からデコードされたサーバ装置4のURLが供給されると、カメラ付き携帯電話端末2の表示制御部48は、そのサーバ装置4のURLを指定して、通信制御部46にデータの送信要求を指示する。通信制御部46は、サーバ装置4を送信先に指定したデータの送信要求を生成し、無線通信I/F36へ出力する。このデータの送信要求は、無線通信I/F36から通信ネットワーク3を介して、サーバ装置4の通信I/F54へ送信される。
【0082】
通信I/F54がインターネット21からデータの送信要求を受信すると、データ通信制御部92は、その要求にサーバ装置4のURLが含まれていることを確認し、記憶デバイス53に記憶されている入力ページデータ91を通信I/F54に送信させる。入力ページデータ91は、通信ネットワーク3を介して、カメラ付き携帯電話端末2の無線通信I/F36に受信される。カメラ付き携帯電話端末2の通信制御部46は、無線通信I/F36が受信した入力ページデータ91を表示制御部48へ供給する。表示制御部48は、無線通信I/F36が受信した入力ページデータ91に基づく入力画面を液晶デバイス39に表示させる。ユーザは、入力キー38を操作して、入力者名、メッセージの宛名、メッセージの本文などを入力し、添付画像を選択する。
【0083】
入力者名、メッセージの宛名、メッセージの本文などが入力されると、表示制御部48は、通信制御部46に、入力された文字列のデータおよび選択された画像のデータの送信を指示する。無線通信I/F36は、通信制御部46の制御の下で、これらのデータをサーバ装置4へ送信する。サーバ装置4の通信I/F54は、無線通信I/F36が送信したデータを受信する。
【0084】
サーバ装置4のデータ通信制御部92は、無線通信I/F36がこのメッセージなどの入力データを受信すると、そのデータを確認し、大型スクリーン93へ出力する。大型スクリーン93は、データ通信制御部92から供給されたデータを表示する。これにより、大型スクリーン93には、カメラ付き携帯電話端末2のユーザが、そのカメラ付き携帯電話端末2に入力した入力者名、メッセージの宛名、メッセージの本文などが表示される。また、ユーザがカメラ付き携帯電話端末2において選択した画像が表示される。
【0085】
以上のように、この実施の形態2によれば、QRコードパターン82を見た人は、そのQRコードパターン82とともにシート81に印刷されているマーク83に基づいて、そのQRコードパターン82をデコードすることで、メール形式のサービスに関連する情報が得られると把握することができる。
【0086】
この実施の形態2では、QRコードパターン82は、マーク83中に重ねて配置されている。したがって、QRコードパターン82とマーク83との関連性を誰でも認識することができる。また、QRコードパターン82をマーク83の一部とすることで、シート1全体に大きくマーク83としての図案を配置することができ、遠方にいる人であっても、そこにQRコードパターン82により情報が提供されていることを認識することができる。
【0087】
なお、QRコードパターン82には、サーバ装置4のURL以外のURLや、その他の情報がコード化されていてもよい。サーバ装置4のURL以外のURLとしては、たとえば推奨するお店のURLやスポンサのURLなどがある。このURLには、さらにそのお店の紹介文などを付加してもよい。その他の情報としては、たとえば駅の改札口などにこのQRコードを有するシート81を設置する場合であれば、駅の総合案内の電話番号、忘れ物の問合せ先の電話番号、所轄の警察署の電話番号などがある。
【0088】
また、この実施の形態2では、図8に示すように、雪の結晶を模した図案、携帯電話および少女からなる図案のマーク83の中に重ねて、QRコードパターン82を印刷している。この他にもたとえば、図10に示すように、雪の結晶を模した図案、携帯電話および少女からなる図案83の右側に、QRコードパターン82を並べて印刷するようにしてもよい。さらに他にもたとえば、図11に示すように白鳥の胴体の中に重ねてQRコードパターン82を印刷しても、図12に示すようにウサギの胴体の中に重ねてQRコードパターン82を印刷しても、図13に示すようにオコジョの胴体の中に重ねてQRコードパターン82を印刷しても、図14に示すようにオオカミの胴体の中に重ねてQRコードパターン82を印刷しても、図15に示すようにシカの胴体の中に重ねてQRコードパターン82を印刷してもよい。
【0089】
また、図8および図10から図15に示すシート81では、QRコードパターン82は、白抜きの枠の内側か、あるいは、単色ベタ塗りの部位の内側に印刷されている。QRコードパターン82の四角形の外側は、単一色となっている。この他にもたとえば、図16に示すように、シカの絵の輪郭と重ねて、QRコードパターン82を印刷してもよい。これにより、QRコードパターン82を印刷するシート81への図案の自由度が上がる。そして、カメラ付き携帯電話端末2は、このようにQRコードパターン82の一部に、同時に印刷される絵などが重なっていたり、QRコードパターン82が汚れていたりしたとしても、QRコードパターン82にコード化されているデータのデコードが可能である。
【0090】
また、図8および図10から図16では、QRコードパターン82は、その全体が、1枚のシート81に印刷されている。この他にもたとえば、QRコードパターンは、複数の分割して印刷されたり、あるいは、図17に示すように、複数枚のシート81に分けて印刷されていてもよい。カメラ付き携帯電話端末2は、そのような形態で印刷されているQRコードパターンにコード化されているデータのデコードが可能である。なお、図17では、QRコードパターンは、4つの縦長のシート81に分けて印刷されている。また、QRコードパターンと同様に、マークも、複数のシートに分けて印刷されていてもよい。
【0091】
この複数のシート81に分割されて印刷されるQRコードパターンは、図17に示すようにその複数のシート81の間に隙間が生じるように間延びして設置されても、その複数のシート81の一部が重なるように縮めて設置されてもよい。また、複数のシート81は、ビルの屋上などから吊り下げられる複数の垂れ幕であってもよい。カメラ付き携帯電話端末2は、ビルから吊り下げられた複数の垂れ幕シートに分けて印刷されたQRコードパターンを読み込んで、その分けて印刷されているQRコードパターン82にコード化されているデータのデコードが可能である。
【0092】
また、この実施の形態では、QRコードパターン12およびマーク13は、油性インクにより印刷されている。この他にもたとえば、シート81に、QRコードパターン12およびマーク13は、水性インクにより印刷されていてもよい。水性インクでは、約1年程度の期間でQRコードパターン12のデコードができなくなる場合がある。これに対して、油性インクでは、5年程度の期間はデコードが可能である。このように油性インクと水性インクとでは耐久年数が違う。油性インクと水性インクとを使い分けることにより、QRコードパターン12およびマーク13が印刷されたシート81の使用年数を、使用目的に応じて設定することができる。さらに、QRコードパターン12およびマーク13の表面を前述のようにポリプロピレンまたはフッ化ビニリデン(フィルム)などでコーティングしてもよい。コーティングにより使用年数をさらに伸ばすことができる。
【0093】
以上の各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
【0094】
たとえば、上記実施の形態1では、地域案内板16には、1つのQRコードを有するシート1が設置されている。この他にもたとえば、地域案内板16などの所定の一つの箇所に、複数のシート1を設置するようにしてもよい。この場合、各シート1において、マーク13の右側にQRコードパターン12を配設するようにすることで、一箇所に複数のシート1が配設されている状況であったとしても、ユーザはそれらを互いに区別し、QRコードパターン12とマーク13との対応関係を正しく認識することができる。
【0095】
上記実施の形態1では、カメラ付き携帯端末2は、広域地図データ57に基づく地図中に表示される番号を選択することで、所定の詳細案内図データ58の送信を要求している。この他にもたとえば、カメラ付き携帯端末2は、広域地図データ57に基づく地図に重ねてたとえば十字のポインタなどを表示し、その十字のポインタを所定の位置に移動した上でその重なっている地点を選択するようにすることで、所定の詳細案内図データ58の送信を要求するようにしてもよい。この場合、サーバ装置4は、たとえば、その選択された地点に最も近い地点にある施設の詳細案内図データ58を送信するようにすればよい。
【0096】
上記実施の形態1では、詳細案内図データ58は、道案内図や地域案内図をデータ化した地図データを有する。この他にもたとえば、詳細案内図データ58は、住宅地図などの詳細な地図をデータ化した表示データを有するものであってもよい。
【0097】
上記実施の形態1の情報提供システムでは、サーバ装置4はカメラ付き携帯端末2へ、QRコードパターン12のデコードに基づく送信要求に応じて、広域地図データ57と、詳細案内図データ58とを送信する。この他にもたとえば、サーバ装置4は、QRコードのデコードに基づく送信要求に応じていきなり所定の詳細案内図データ58を送信したり、3回目以降の送信要求に対して、所定の詳細案内図データ58を送信するようにしたりしてもよい。
【0098】
上記実施の形態1では、広域地図データ57は、サーバ装置4の記憶デバイス56に記憶される詳細案内図データ58へのリンク情報を有する。この他にもたとえば、広域地図データ57は、他のサーバ装置のページへのリンク情報を有するものであってもよい。他のサーバ装置のページとしては、たとえば、施設への道案内図のページがある。
【0099】
上記実施の形態1の情報提供システムは、レストランに関する情報を提供するためのものである。上記実施の形態2の情報提供システムは、メッセージの表示サービスを提供するためのものである。この他にもたとえば、情報提供システムは、レストラン以外の店舗、施設、構造物、メッセージの表示サービス以外のサービスなどに関する所定の情報を提供するためのものであってもよい。このような変形例の場合であっても、QRコードパターン12に、サーバ装置4にアクセスするためのアクセス情報をコード化し、そのQRコードパターン12とともにその提供する情報の種類もしくは分類に応じた図案あるいはその提供する情報の種類もしくは分類を連想させる図案をマーク13として配置することで、カメラ付き携帯端末2のユーザに、そのQRコードパターン12をデコードすることで得られる情報の概略を把握させ、必要に応じて自ら進んでデコードさせることができる。
【0100】
具体的にはたとえば、情報提供システムは、障害者施設の案内、観光案内所、インフォメーションセンター、救護所、警察署、郵便局、銀行、お手洗い、消火器、電話機、非常口、喫茶軽食、病院、ホテル、切符売り場、休憩所、待合室、更衣室、ガソリンスタンド、バス乗り場など案内するものであってもよい。
【0101】
これらの変形例の場合、QRコードパターン12とともにシート1に印刷されるマーク13としては、標準案内用図記号の図記号、国際シンボルマークにおける図記号などを使用するとよい。たとえば、案内所に関する情報を提供する場合であればクエスチョンマークの図記号、情報コーナーに関する情報を提供する場合であれば「i」の文字を図案化した図記号、障害者施設に関する情報を提供する場合であれば車椅子の図記号などを使用すればよい。
【0102】
また、この他にもたとえば、マーク13には、国旗、記章、その他の紋章を使用してもよい。QRコードパターン12にこのようなマーク13を対応付けることで、ユーザに、QRコードパターン12をデコードすることで得られる情報が、その国旗を有する国家の言語で記述された情報であることを把握させることができる。この場合、サーバ装置4は、最初の要求に対して言語の選択画面のデータを送信するようにしてもよい。
【0103】
さらに、マーク13には、カメラ付き携帯電話端末2により読み取り可能な電子透かしのパターンや所定の認識パターンを埋め込んだものであってもよい。これにより、このマーク13のパターンをカメラ付き携帯電話端末2により読み取らせることで、その特定のユーザとその他のユーザとを自動的に区別し、その区別に応じた情報の提供などが可能となる。
【0104】
上記実施の形態1では、QRコードを有するシート1は、地域案内板16に貼着されている。この他にもたとえば、QRコードを有するシート1は、たとえば街中に分布させて複数設置するようにしてもよい。このように街中に分布させて複数のQRコードを有するシート1を設置する場合、シート1毎に異なるURLをQRコードパターン12にコード化したり、URLとは別にシート1毎に固有の識別番号をコード化するとともにその識別番号をURLとともに送信させたりすることで、それら複数のシート1のQRコードパターン12同士をサーバ装置4において区別するようにしてもよい。
【0105】
上記各実施の形態では、QRコードを有するシート1,81は、塩化ビニルの基材を使用している。この他にもたとえば、QRコードを有するシート1,81は、塩化ビニル以外のプラスチック材や、金属材、磁性材により形成されていてもよい。シート1,81は、それ自体の裏面に接着層を有するシール状のものであっても、その裏面に接着剤などを付着することで地域案内板16などに貼着されるものであってもよい。また、シート1,81は、磁性材料を有し、その磁性材料の磁力により金属製の地域案内板16などに貼着されるものであってもよい。
【0106】
上記各実施の形態では、QRコードパターン12,82は、マーク13,83とともにシート1,81に印刷されている。この他にもたとえば、QRコードパターンは、黒色の御影石、アルミニウムやステンレスなどの金属材に形成されてもよい。図18は、QRコードパターン82と、図案83とが上下に並べて形成された黒色の御影石101を示す。
【0107】
黒色の御影石101には、たとえばレーザ加工やサンドブラスト加工などによりQRコードパターン12を形成することができる。アルミニウムやステンレスなどの金属材には、たとえばレーザ加工、エッチング加工、サンドブラスト加工などによりQRコードパターン12を形成することができる。
【0108】
また、これらの加工で黒色の御影石101や金属材にQRコードパターン12,82を形成した場合、QRコードパターン12,82が形成される部位は、凹凸になる。凸部が欠けたりする恐れがある。そのため、このQRコードパターン12が形成される部位に対して、たとえばマットポリプロピレン加工、フッ化ビニリデン加工などを施すとよい。これにより、凹部を埋めて凸部が欠けにくくしたり、QRコードパターン12が形成される面全体を被覆してその全体を保護したりすることができる。QRコードパターン12の耐久性が向上する。
【0109】
なお、上記実施の形態1において図8、図10〜15に示すシート81をシート1の替わりに使用してもよいし、上記実施の形態2において図1に示すシート1をシート81の替わりに使用してもよい。
【0110】
上記各実施の形態では、QRコードパターン12,82は、マーク13,83とともにシート1,81に印刷されている。この他にもたとえば、QRコードパターン12,82は、せんべい、チョコレートなどの食料品に形成されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1に係る情報提供システムを示すシステム構成図である。
【図2】図2は、図1中のQRコードを有するシートの設置状態の一例を示す図である。
【図3】図3は、図1中のカメラ付き携帯電話端末の構成を示す装置構成図である。
【図4】図4は、図1中のカメラ付き携帯電話端末およびサーバ装置に実現される機能を示すブロック図である。
【図5】図5は、図1中のサーバ装置の構成を示す装置構成図である。
【図6】図6は、図4中のカメラ付き携帯電話端末の液晶デバイスに表示される広域地図データ57に基づく表示画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、図4中のカメラ付き携帯電話端末の液晶デバイスに表示される詳細案内図データ58に基づく表示画面の一例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態2に係るQRコードを有するシートを示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態2に係るカメラ付き携帯電話端末およびサーバ装置に実現される機能を示すブロック図である。
【図10】図10は、図8のQRコードを有するシートの第一の変形例を示す図である。
【図11】図11は、図8のQRコードを有するシートの第二の変形例を示す図である。
【図12】図12は、図8のQRコードを有するシートの第三の変形例を示す図である。
【図13】図13は、図8のQRコードを有するシートの第四の変形例を示す図である。
【図14】図14は、図8のQRコードを有するシートの第五の変形例を示す図である。
【図15】図15は、図8のQRコードを有するシートの第六の変形例を示す図である。
【図16】図16は、QRコードパターンの一部に、図案の一部が重なっているシート変形例を示す図である。
【図17】図17は、QRコードパターンが複数枚のシートに分割して印刷されたシート変形例を示す図である。
【図18】図18は、QRコードパターンが御影石に形成された変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0112】
1,81 QRコードを有するシート(二次元コードを有するシート)
2 カメラ付き携帯電話端末(携帯端末)
3 通信ネットワーク(ネットワーク)
12,82 QRコードパターン(二次元コードパターン)
13,83 マーク(図案)
54 通信I/F(通信手段)
58 詳細案内図データ
57 広域地図データ
53 記憶デバイス(記憶手段)
61 データ送出制御部(第一の送信制御手段、第二の送信制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末によりネットワーク上から取得可能な店舗、施設、構造物あるいはサービスに関する所定の情報にアクセスするためのアクセス情報がコード化された二次元コードパターンと、
上記所定の情報の種類もしくは分類に関連するかまたは上記所定の情報の種類もしくは分類を連想させる図案と、
を有することを特徴とする二次元コードを有するシート。
【請求項2】
前記二次元コードパターンと、前記図案とは、当該シートの上に近接して配置されていることを特徴とする請求項1記載の二次元コードを有するシート。
【請求項3】
前記二次元コードパターンは、前記図案の右側となる位置に並べて配置されていることを特徴とする請求項1記載の二次元コードを有するシート。
【請求項4】
前記図案は、国際シンボルマーク、標準案内図記号、もしくは道路標識で使用する図記号であることを特徴とする請求項1または2記載の二次元コードを有するシート。
【請求項5】
前記二次元コードパターンは、前記図案内に、当該図案の一部として配置されていることを特徴とする請求項1記載の二次元コードを有するシート。
【請求項6】
ネットワークを介して携帯端末と通信する通信手段と、
店舗、施設、構造物などの所定の施設への道案内図あるいは地域案内図を有する詳細案内図データと、上記詳細案内図データによる上記所定の施設の所在地が含まれる広域の地図、並びに、その地図内に所在する所定の施設の上記詳細案内図データへのリンク情報を有する広域地図データとを記憶する記憶手段と、
上記詳細案内図データにより案内される上記所定の施設の種類もしくは分類に関連するかまたは上記所定の情報の種類もしくは分類を連想させる図案とともに設置され且つ当該サーバ装置にアクセスするためのアクセス情報がコード化された二次元コードパターンをデコードして得られたアクセス情報に基づく上記携帯端末からの送信要求を上記通信手段が受信したら、上記記憶手段に記憶されている上記広域地図データを上記通信手段に送信させる第一の送信制御手段と、
上記広域地図データにおける上記詳細案内図データへのリンク情報の選択に基づく、上記携帯端末からの送信要求を上記通信手段が受信したら、そのリンク情報に対応する上記詳細案内図データを上記通信手段に送信させる第二の送信制御手段と、
を有することを特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
ネットワークを介して携帯端末と通信し、上記携帯端末からの送信要求の受信に基づいて、店舗、施設、構造物などの所定の施設への道案内図あるいは地域案内図を有する詳細案内図データを上記携帯端末へ送信するサーバ装置と、
上記詳細案内図データにより案内される上記所定の施設の種類もしくは分類に関連するかまたは上記所定の情報の種類もしくは分類を連想させる図案とともに設置され、上記サーバへアクセスするためのアクセス情報がコード化された携帯端末読取可能な二次元コードパターンと、
を有することを特徴とする情報提供システム。
【請求項8】
前記サーバ装置は、
前記二次元コードパターンをデコードすることに基づく前記携帯端末からの送信要求の受信に基づいて、前記詳細案内図データによる前記所定の施設の所在地が含まれる広域の地図、並びに、その地図内に所在する所定の施設の前記詳細案内図データへのリンク情報を有する広域地図データを送信し、
上記広域地図データにおける上記詳細案内図データへのリンク情報の選択に基づく前記携帯端末からの送信要求の受信に基づいて、そのリンク情報に対応する前記詳細案内図データを送信すること、
を特徴とする請求項7記載の情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−202264(P2006−202264A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−329861(P2005−329861)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(504215999)東洋テクノ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】