説明

二液吐出容器

【課題】 二液を同時に吐出可能な二液吐出容器を提供する。
【解決手段】 左右一対のエアゾール容器体のステム2へ該ステムを押下げ可能に嵌合させたノズルヘッド40と、該ノズルヘッドへ係合して該ノズルヘッドの下降を阻止する阻止部材30と、該阻止部材のノズルヘッドに対する係合を解除可能な解除部材60と、前記ノズルヘッドを下方へ付勢するバネ部材70とを備え、該バネ部材は前記解除部材の下方への変位でノズルヘッドに対する付勢力を増大させることが可能に設け、前記解除部材60の下方への変位により前記阻止部材30による係合が解除されることで前記ノズルヘッド40が下降可能に設け、該下降可能なノズルヘッドは解除部材の下方への変位で蓄圧されたバネ部材の付勢力を押下げ力としてステムを押下可能に設け、前記阻止部材30を左右一対のステム2間の中央部に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二種の液体を同時に吐出可能な二液吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一対のエアゾール容器の頂壁から上方付勢状態で起立するステムへノズルヘッドを嵌合させ、ノズルヘッドを押下げることによりステムを下降させて各ノズルから液体を同時に吐出可能に設けた二液吐出容器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−278369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来技術では、一対のエアゾール容器間において、吐出弁およびステム付勢用のバネを含む吐出機構の作動タイミングにバラツキがある場合において、ノズルヘッドの押下げ速度が緩慢であると、一対のノズルから同時に吐出させることが困難となるおそれがあった。
【0005】
本発明の目的は、二液を同時に吐出可能な二液吐出容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、左右一対のエアゾール容器体のステム2へ該ステムを押下げ可能に嵌合させたノズルヘッド40と、
該ノズルヘッドへ係合して該ノズルヘッドの下降を阻止する阻止部材30と、
該阻止部材のノズルヘッドに対する係合を解除可能な解除部材60と、
前記ノズルヘッドを下方へ付勢するバネ部材70とを備え、
該バネ部材は前記解除部材の下方への変位でノズルヘッドに対する付勢力を増大させることが可能に設け、
前記解除部材60の下方への変位により前記阻止部材30による係合が解除されることで前記ノズルヘッド40が下降可能に設け、
該下降可能なノズルヘッドは解除部材の下方への変位で蓄圧されたバネ部材の付勢力を押下げ力としてステムを押下可能に設け、
前記阻止部材30を左右一対のステム2間の中央部に設けたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、底板22よりも下方の周壁部分21を前記一対のエアゾール容器体1へ嵌合させた筒状ケース20と、該筒状ケース内へ筒部を嵌合させた操作部材50とをさらに備え、前記筒状ケースの前後両部と前記操作部材筒部の後部とのそれぞれに切欠部24、52を形成すると共に、前記操作部材筒部上面を閉塞する頂板53中央部に切り離し線54を設けて、該切り離し線で囲まれた頂板部分を上下方向へ回動可能な操作板55に形成し、該操作板の押下げによって前記解除部材60を下方へ変位させることが可能に設け、さらに前記解除部材と前記ノズルヘッドとの間にバネ部材70を配設したことを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明は、前記ノズルヘッドは前記ステムから吐出する内容物が流入可能な一対の液室41を連結板43で連結して、該連結板に透孔43aを形成すると共に、各液室からノズルを前方へ突出させて形成され、 前記阻止部材は前記筒状ケース底板22の中央部から前記連結板を貫通して立設された上向き段部32付きの係合柱31から構成され、前記解除部材60は下方への変位によって前記係合柱31へ係合することで該係合柱を傾斜させる係合板64を備え、
前記ノズルヘッド40を、前記透孔43aの周縁部を介して前記係合柱31の上向き段部
32へ係合させることで下降阻止可能に設け、かつ係合柱31の傾斜で上向き段部32から係合離脱して下降可能に設けたことを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明は、前記筒状ケース20の底板22から一対の係合柱31を立設すると共に、前記解除部材60に一対の係合板64を設けて、各係合板の下端部対向面に傾斜面66を形成し、前記解除部材の下方への変位で前記一対の係合柱31が一対の係合板64間へ嵌合して、前記係合柱上端が前記傾斜面66上を摺動することで一対の係合柱31が内方へ傾斜可能に設けたことを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は、前記ノズルヘッド40から前方へ突出するノズルに摺動板46を付設すると共に、前記操作部材の筒部の前部に嵌合部56を設けて、該嵌合部へ前記摺動板をノズルヘッドのガタツキ阻止可能に摺動自在に嵌合させたことを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明は、前記解除部材60と前記ノズルヘッド40との間にコイルバネ70ないし板バネを介在させて前記ノズルヘッドを下方へ付勢可能に設けることで前記バネ部材70を構成したことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明は、前記解除部材60と前記ノズルヘッド40との間にコイルバネ70ないし板バネを介在させて前記ノズルヘッドを下方へ付勢可能に設けることで前記バネ部材70を構成したことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明は、前記筒状ケース20の底板22から一対の係合柱31を立設すると共に、前記解除部材60に一対の係合板64を設けて、各係合板の下端部外面に傾斜面66を形成し、前記解除部材の下方への変位で前記一対の係合板64が一対の係合柱31間へ嵌合して、前記係合柱上端が前記傾斜面66上を摺動することで一対の係合柱31が互いに離間する方向へ傾斜可能に設けたことを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明は、前記ノズルヘッドの液室41底面の通孔周縁から垂下する嵌合筒42を介してノズルヘッドをステムへ嵌合させると共に、前記嵌合筒42の上下方向中間部に形成された小内径部とステム上面との間に間隙Gを設けたことを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明は、前記ステム押下げ後の前記ノズルヘッドを付勢力により前記阻止部材30による係合位置まで上昇させる補助バネ部材80を設けたことを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明は、前記補助バネ部材80は前記筒状ケース20から板ばねを一体に突設して前記ノズルヘッド40へ係合させたことを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明は、前記板ばねは前記筒状ケース20の底板22に形成したステム挿通用孔23周囲の底板22部分から起立して上部を液室41底面へ係合させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、阻止部材によってノズルヘッドの下降を阻止した状態で、バネ部材によりノズルヘッドに下方への付勢力を付与し、バネ部材に所要のバネ力が蓄圧された状態でノズルヘッドの下降を許容するため、ステムを上方へ付勢するバネ力等の相違等により一対のステム間で動作タイミングにバラツキがあっても一対のステムを同時に動作させることが可能である。
【0019】
また、本発明は、阻止部材を左右一対のステム間の中央部に設けたので、ノズルヘッドに対する係合位置が複数あって阻止解除のタイミングにバラツキが生じてもノズルヘッドに傾きが生じるおそれがない。
【0020】
さらに、本発明は、ステム押下げ後のノズルヘッドを阻止部材による係合位置まで上昇させる補助バネ部材を設けたので、ノズルヘッドは吐出後阻止部材へ確実に係合される。
【0021】
さらに、本発明は、ノズルに付設した摺動板を操作部材の嵌合部へ摺動自在に嵌合させたので、昇降時におけるノズルヘッドのガタツキが防止される。
【0022】
さらに、本発明は、補助バネ部材80を筒状ケース20から一体に突設する板ばねで構成したので、補助バネ部材を別部材で構成する場合に比較して部品点数を削減することができると共に、組立作業の容易化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る二液吐出容器の断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図4】操作部材の平面図である。
【図5】図1の正面図である。
【図6】ノズルヘッド40が上向き段部32から係合離脱した状態を示す説明図である。
【図7】他の実施形態の作用説明図である。
【図8】第3実施形態を示す図1相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を、図面に示す実施の形態を参照しながら説明する。なお、説明の便宜上、図1において紙面と直交する方向を前後方向とする。
1はエアゾール容器体で、胴部上面を閉塞する頂面からステム2を上方付勢状態で起立する。
【0025】
10は一対のエアゾール容器体を連結する連結筒で、胴部を接触させて左右に並べられた一対のエアゾール容器体の上端部外面へ嵌合させた周壁11、11上端を連結板12で連結して連結体13を形成すると共に、該連結体を楕円筒14内へ嵌着させている。また、連結板12の中央部に上向きコ字状の支持部15を形成している。
【0026】
20は筒状ケースで、楕円形状の周壁21の下部内面に底板22が付設されており、該底板より下方の周壁部分を連結筒10外面へ抜出し不能に嵌合させている。底板22の左右両部にはステム挿通用孔23が形成されていて、該孔を介してステム2の上部が底板22より上方に達している。周壁21の前後両部には切欠部24が形成されていて、前方に位置する切欠部は後述のノズル体を突出させるために、また後方に位置する切欠部は後述の操作板を上下動させるために、それぞれ設けられている。
【0027】
30は筒状ケースと一体の阻止部材で、左右一対のステム2間の底板22部分中央部から所定の間隔をおいて左右一対の係合柱31を起立させている。それぞれの係合柱の下部外面には上向き段部32が形成されている。
【0028】
40はノズルヘッドで、左右一対の液室41の通孔付き底面の通孔周縁から垂下した嵌合筒42下部をステム2の上部へ摺動自在に嵌合させている。嵌合筒42の上下方向中間部は小内径部42aに形成され、該小内径部とステム2上端との間には隙間Gが形成されるようにする。左右一対の液室41下端は連結板43で互いに連結されており、該連結板の中央部には一対の係合柱31を挿通させるための透孔43aが形成されている。ノズルヘッド40は透孔43aの周縁部が上向き段部32へ係合することで下降が阻止される。
【0029】
それぞれの液室41からはノズル44が前方へ突設されていて、これらノズルは一体成形により一体のノズル体45に形成されている。該ノズル体の上面からは後述の操作部材の嵌合部へ摺動自在に嵌合可能な摺動板46が立設されていると共に、各液室41上面からは後述の解除部材を案内するための案内板47が立設されている。
【0030】
50は操作部材で、筒状ケース30内へ嵌合させた楕円形状の筒部51の後部に切欠部52を設けると共に、筒部51上面を閉塞する頂板53中央部に、ヒンジ用としての一部を残して切り離し線54を設けて、該切り離し線で囲まれた頂板部分の後部を切欠部52内へ摺動自在に嵌合可能に設けることで上下方向への回動が可能な操作板55に形成している。筒部51の前部かつ左右方向中間部内面には下面開口の間隙からなる嵌合部56が形成されていて、嵌合部内には摺動板46が上下動自在に嵌合されている。
【0031】
60は解除部材で、筒部51内へ上下動自在に嵌合させた楕円形状の周壁61の上面を閉塞する上壁62の前後方向中間部を膨出させて操作板55下面へ押当する押当部63に形成すると共に、押当部63の左右方向中間部下面から所定の間隔をおいて前後一対の係合板64を垂設している。該係合板の前後両側は後述のバネ部材の受部65を形成している。
【0032】
それぞれの係合板64の下端部内面は傾斜面66に形成されていて、両傾斜面は左右方向から見た場合に下方へ拡開する拡開空間部を画成するように傾斜している。傾斜面66へは、解除部材が下降した場合に、係合柱31の上端が当接可能に形成されていて、係合柱は傾斜面へ当接して傾斜面上を摺動することで内方へ傾斜させられるようになっている。
【0033】
周壁61の左右両部下端は下方へ延設されていて、該延設部はノズルヘッドの液室41の前後両面へ上下動自在に嵌合されている。
【0034】
70はバネ部材で、コイルバネから形成されていて、該コイルバネは係合柱31と係合板64とを囲むように配設されており、その上端は受部65へ、かつ下端はノズルヘッドの連結板43へ、それぞれ当接されていて、ノズルヘッド40を下方へ付勢可能に設けられている。
【0035】
80は補助バネ部材で、コイルバネからなり、該コイルバネはステム挿通用孔23を挿通して嵌合筒42を囲むように配設されており、その上端は嵌合筒42の周囲の液室部分下面から垂下する複数の垂下板41aへ、かつ下端はエアゾール容器体上面へ、それぞれ当接されていて、ノズルヘッド40 を上方へ付勢可能に設けられている。
【0036】
次に作用について説明する。ノズルヘッド40から吐出させるには、操作板55を下方へ押下げればよく、すると解除部材60が下降してバネ部材70を圧縮すると共に、係合板64が下降する。係合板が下降してその傾斜面66が係合柱31の上端へ係合することにより一対の係合柱を内方(互いに接近する方向)へ傾斜させることで両係合柱間の間隔を狭くして、係合柱31上端部を傾斜面66よりも上方の係合板64部分間へ嵌合させる。
【0037】
このようにして一対の係合柱31が内方へ傾斜すると、ノズルヘッド40が上向き段部32から係合離脱するが、それまでの間にバネ部材70は圧縮されてバネ力が蓄圧されているため、ノズルヘッド40の下降速度は大きく、したがって、一対のステム2間に動作タイミングのバラツキがあっても両ステムをほぼ同時に押下げることが可能である。ステム2が押下げられると、容器体1内の内容物が小内径部42aと通孔を介して液室41内へ流入し、さらにノズル44から吐出される。
【0038】
吐出後、操作板55の押下げが解除されると、バネ部材70の下方への付勢力が減退すると共に、補助バネ部材80がノズルヘッド40を上方へ付勢しているため、これによりノズルヘッドが上昇すると共に、係合板64が係合柱31から上方へ係合離脱して係合柱が直立状態に復元する。このためノズルヘッド40が上向き段部32の高さに達した時点で、上向き段部32がノズルヘッド40へ係合する。なお、ステム上端と液室41下面との間には隙間Gが形成されているため、エアゾール容器体に対してノズルヘッドが傾いた場合であっても、この傾きを吸収することができるため、傾きに応答してステムが下降することがなくしたがって、誤動作に基づく吐出が防止される。
【0039】
このように本願発明では、ノズルヘッド40を下方へ付勢するバネ部材70のバネ力を充分に蓄圧した状態でステム2を押下げるため、一対のステム間で動作開始のタイミングにバラツキがあってもほぼ同時に一対のステムを押下げることができるのであるが、これだけではステムの同時押下げという目的が完全に達成されるとは言い難い。
【0040】
すなわち、ノズルヘッドに対する付勢力が充分に蓄圧されたとしてもノズルヘッドの係
合離脱のタイミングにバラツキがある場合、例えば、ノズルヘッドの下降を阻止するための阻止部材をノズルヘッドの左右両側に設けた場合に、仮にノズルヘッドの係合離脱のタイミングが左右で異なっているとすると、特にこのタイミングのズレが単なる偶然ではなく精度等の本質的な要因に起因する場合には、非常に高い頻度でノズルヘッドが左右に傾いた状態で下降することが実験的にわかってきたからである。
【0041】
このようにノズルヘッドが傾いた状態で下降すると、たとえノズルヘッドの下降速度が速くても一対のステムを同時に押下げることは困難である。本発明では阻止部材30を一対のステム間の中央部に設けたので、阻止部材に対するノズルヘッドの係合箇所(上向き
段部32)が二箇所であってもノズルヘッド40が傾いて下降するおそれが殆どないこと
が実験的にわかっている。
【0042】
次に他の実施態様について説明する。上記では阻止部材を構成する一対の係合柱31の外面に上向き段部32を形成しているが、これに限らず一対の係合柱の内面に形成することも可能である。この場合には液室41を互いに連結させる連結板43の中央部に透孔43aを一対形成して、各係合柱を別々の透孔へ挿通させることでノズルヘッドの透孔43a周縁部を上向き段部32へ係合させると共に、図7に示すように解除部材60を構成す
る一対の係合板64を一対の係合柱31間内へ嵌合させて一対の係合柱を外方(互いに離
間する方向)へ傾斜させることでノズルヘッドを係合離脱させるようにする。
【0043】
係合柱31の数を一対ではなく、1つにすることも可能である。この場合には係合柱に対するノズルヘッドの係合箇所、すなわち上向き段部の数を1つにして係合柱を左右いずれかの方へ傾斜させるようにすると共に、係合板の数も1つにして係合柱を左右いずれかの方へ傾斜させるようにする。
【0044】
さらに、上記ではバネ部材70としてコイルスプリングを用いているが、これに限らず
上方へ凸の弯曲状の板バネを採用することも可能である。この場合には板バネの両端をノズルヘッドの液室41上面へ載置させると共に、板バネの頂部に解除部材60を当接させる。なお、バネ部材の材質に特に限定はないが、合成樹脂が好ましい。
【0045】
図8は第3の実施形態を示す。上記では補助バネ部材80としてコイルバネを用いているが、これに限らず図8に示すように筒状ケース20から板ばねを一体に突設してノズルヘッド40へ係合させることも可能である。
【0046】
具体的には、筒状ケース20の底板22に形成したステム挿通用孔23周囲の底板22部分から下方へ凸の弯曲状の板ばね90を一体的に起立させてその上端部を嵌合筒42の周囲の液室41部分下面から垂下する複数の垂下板41a下端へ当接させる。板ばね90は前後一対起立させて、嵌合筒42を挟持させるようにする。筒状ケース20は合成樹脂製であるから、板ばね90も同一の素材で構成される。
【0047】
上記構成であるから、吐出後、操作板55の押下げが解除されると、バネ部材70の下方への付勢力が減退すると共に、板ばね90がノズルヘッド40を上方へ付勢しているため、これによりノズルヘッドが上昇させられる。
【0048】
なお、上記では補助バネ部材80を設けているが、これを省略することも可能である。
この場合には、ステム押下げ後のノズルヘッド40がステム単独の上昇力で上昇し得るようにバネ部材70による付勢力を調節する。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、二種の液体を同時に吐出可能な二液吐出容器の分野に利用することができる。
【符号の説明】
【0050】
2 ステム
10 連結筒
20 筒状ケース
24 切欠部
30 阻止部材
31 係合柱
40 ノズルヘッド
46 摺動板
50 操作部材
60 解除部材
64 係合板
70 バネ部材
80、90 補助バネ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対のエアゾール容器体のステム2へ該ステムを押下げ可能に嵌合させたノズルヘッド40と、
該ノズルヘッドへ係合して該ノズルヘッドの下降を阻止する阻止部材30と、
該阻止部材のノズルヘッドに対する係合を解除可能な解除部材60と、
前記ノズルヘッドを下方へ付勢するバネ部材70とを備え、
該バネ部材は前記解除部材の下方への変位でノズルヘッドに対する付勢力を増大させることが可能に設け、
前記解除部材60の下方への変位により前記阻止部材30による係合が解除されることで前記ノズルヘッド40が下降可能に設け、
該下降可能なノズルヘッドは解除部材の下方への変位で蓄圧されたバネ部材の付勢力を押下げ力としてステムを押下可能に設け、
前記阻止部材30を左右一対のステム2間の中央部に設けた
ことを特徴とする二液吐出容器。
【請求項2】
底板22よりも下方の周壁部分21を前記一対のエアゾール容器体1へ嵌合させた筒状ケース20と、該筒状ケース内へ筒部を嵌合させた操作部材50とをさらに備え、
前記筒状ケースの前後両部と前記操作部材筒部の後部とのそれぞれに切欠部24、52を形成すると共に、前記操作部材筒部上面を閉塞する頂板53中央部に切り離し線54を設けて、該切り離し線で囲まれた頂板部分を上下方向へ回動可能な操作板55に形成し、該操作板の押下げによって前記解除部材60を下方へ変位させることが可能に設け、
さらに前記解除部材と前記ノズルヘッドとの間にバネ部材70を配設した
ことを特徴とする請求項1記載の二液吐出容器。
【請求項3】
前記ノズルヘッドは前記ステムから吐出する内容物が流入可能な一対の液室41を連結板43で連結して、該連結板に透孔43aを形成すると共に、各液室からノズルを前方へ突出させて形成され、
前記阻止部材は前記筒状ケース底板22の中央部から前記連結板を貫通して立設された上向き段部32付きの係合柱31から構成され、
前記解除部材60は下方への変位によって前記係合柱31へ係合することで該係合柱を傾斜させる係合板64を備え、
前記ノズルヘッド40を、前記透孔43aの周縁部を介して前記係合柱31の上向き段部
32へ係合させることで下降阻止可能に設け、かつ係合柱31の傾斜で上向き段部32から係合離脱して下降可能に設けた
ことを特徴とする請求項1又は2記載の二液吐出容器。
【請求項4】
前記筒状ケース20の底板22から一対の係合柱31を立設すると共に、前記解除部材60に一対の係合板64を設けて、各係合板の下端部内面に傾斜面66を形成し、前記解除部材の下方への変位で前記一対の係合柱31が一対の係合板64間へ嵌合して、前記係合柱上端が前記傾斜面66上を摺動することで一対の係合柱31が互いに接近する方向へ傾斜可能に設けたことを特徴とする請求項3記載の二液吐出容器。
【請求項5】
前記ノズルヘッド40から前方へ突出するノズルに摺動板46を付設すると共に、前記操作部材の筒部の前部に嵌合部56を設けて、該嵌合部へ前記摺動板をノズルヘッドのガタツキ阻止可能に摺動自在に嵌合させたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の二液吐出容器。
【請求項6】
前記解除部材60と前記ノズルヘッド40との間にコイルバネ70ないし板バネを介在させて前記ノズルヘッドを下方へ付勢可能に設けることで前記バネ部材70を構成したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の二液吐出容器。
【請求項7】
前記筒状ケース20の底板22から一対の係合柱31を立設すると共に、前記解除部材60に一対の係合板64を設けて、各係合板の下端部外面に傾斜面66を形成し、前記解除部材の下方への変位で前記一対の係合板64が一対の係合柱31間へ嵌合して、前記係合柱上端が前記傾斜面66上を摺動することで一対の係合柱31が互いに離間する方向へ傾斜可能に設けたことを特徴とする請求項3記載の二液吐出容器。
【請求項8】
前記ノズルヘッドの液室41底面の通孔周縁から垂下する嵌合筒42を介してノズルヘッドをステムへ嵌合させると共に、前記嵌合筒42の上下方向中間部に形成された小内径部
とステム上面との間に間隙Gを設けたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項記載の二液吐出容器。
【請求項9】
前記ステム押下げ後の前記ノズルヘッドを付勢力により前記阻止部材30による係合位置まで上昇させる補助バネ部材80を設けたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項記載の二液吐出容器。
【請求項10】
前記補助バネ部材80は前記筒状ケース20から板ばねを一体に突設して前記ノズルヘッド40へ係合させたことを特徴とする請求項9記載の二液吐出容器。
【請求項11】
前記板ばねは前記筒状ケース20の底板22に形成したステム挿通用孔23周囲の底板22部分から起立して上部を液室41底面へ係合させたことを特徴とする請求項10記載の二液吐出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−168113(P2010−168113A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272993(P2009−272993)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】