説明

二酸化炭素富有煙道ガスから水蒸気を凝縮させる方法及びシステム

ガス浄化システムは、酸素ガスを含有するガスの存在下で燃料を燃焼するボイラーにおいて発生した二酸化炭素富有煙道ガスから水蒸気を除去するように作動する。ガス浄化システムは、ボイラーにおいて発生した二酸化炭素富有煙道ガスの少なくとも一部から、該二酸化炭素富有煙道ガスを、循環する冷却液体と接触させることによって、水を凝縮させ、これによって、ボイラーから排出された二酸化炭素富有煙道ガスよりも低い水蒸気濃度を有する浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを生成するように作動する煙道ガス冷却器(12)を含んでなる。ガス浄化システムは、冷却液体から第1の温度の熱を吸収し、第1の温度よりも高い第2の温度の熱を熱シンク(124)に放出するように作動するように作動する熱ポンプ(100)を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素ガスを含有するガスの存在下で燃料を燃焼するボイラーにおいて発生した二酸化炭素富有煙道ガスから水蒸気を除去する方法に係る。
【0002】
本発明は、酸素ガスを含有するガスの存在下で燃料を燃焼するボイラーにおいて発生した二酸化炭素富有煙道ガスから水蒸気を除去するように作動するガス浄化システムにも係る。
【背景技術】
【0003】
発電プラントのような燃焼プラントにおける石炭、石油、泥炭、廃棄物等の燃料の燃焼では、熱いプロセスガスが発生し、このようなプロセスガスは、汚染物、中でも二酸化炭素CO2を含有する。環境に対する要求が増大するにつれて、プロセスガスから二酸化炭素を除去するための各種の方法が開発されてきた。このような方法の1つは、いわゆるoxy-fuelプロセスである。oxy-fuelプロセスでは、上述の燃料のような燃料を窒素希薄ガスの存在下で燃焼する。酸素源によって提供される酸素ガスをボイラーに供給する(ボイラーにおいて、酸素ガスは燃料を酸化する)。oxy-fuel燃焼プロセスでは、二酸化炭素富有煙道ガスが生成されるが、その二酸化炭素含量は、二酸化炭素の大気中への放出を低減するために、別のユニットにおいて圧縮及び除去される。
【0004】
oxy-fuelボイラーの例は米国特許出願公開第2007/0243119号に記載されている。米国特許出願公開第2007/0243119号に記載されているoxy-fuelボイラーは、プロセスガス(煙道ガスと称される)を発生する。煙道ガスを、冷却液体剤が循環する湿式スクラバーにおいて処理する。冷却液体剤は煙道ガスを冷却して、煙道ガスに含まれる水の一部を凝縮させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、酸素ガスを含有するガスの存在下で燃料を燃焼するボイラーにおいて発生した二酸化炭素富有煙道ガスから水蒸気を凝縮させる方法を提供することにあり、該方法は、従来の方法と比べて、水蒸気の凝縮効率及び/又は作動コストの点でより効果的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、酸素ガスを含有するガスの存在下で燃料を燃焼するボイラーにおいて発生した二酸化炭素富有煙道ガスから水蒸気を除去する方法であって、該方法は、
ボイラーにおいて発生した二酸化炭素富有煙道ガスの少なくとも一部を煙道ガス冷却器に送り;
前記煙道ガス冷却器において、二酸化炭素富有煙道ガスを、循環する冷却液体と接触させることによって、二酸化炭素富有煙道ガスを冷却して、二酸化炭素富有煙道ガスから水を凝縮させ、これによって、ボイラーから排出された二酸化炭素富有煙道ガスよりも低い水蒸気濃度を有する浄化された二酸化炭素富有煙道ガスを発生させ;及び
冷却液体から第1の温度の熱を吸収し、第1の温度よりも高い第2の温度の熱を熱シンクに放出するための熱ポンプを利用する
ことを含んでなる方法によって達成される。
【0007】
この方法の利点は、煙道ガス冷却器の操作を制御することがより容易になり、浄化した二酸化炭素富有煙道ガスにおける好適な低い水蒸気濃度を、煙道ガス冷却器へ入る二酸化炭素富有煙道ガスの各種の条件及び熱シンクの各種の条件の両方に関して変動する条件で達成できることである。さらに、煙道ガス冷却器おいて低い冷却温度を得ることがより容易となる。
【0008】
1具体例によれば、煙道ガス冷却器から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの水蒸気濃度に関するパラメーターを測定し、係るパラメーターの設定値と比較する。前記パラメーターを測定することによって、浄化した二酸化炭素富有煙道ガスにおいて好適な低い水蒸気濃度が達成された否かを決定することができる。
【0009】
1具体例によれば、熱ポンプの作動を、煙道ガス冷却器から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの水蒸気濃度に関するパラメーターの測定値と、該パラメーターの設定値との間の比較に基づいて制御する。この具体例の利点は、熱ポンプの操作を制御して、ボイラー、煙道ガス冷却器、熱シンク、又は煙道ガス冷却器における水蒸気の凝縮に影響を及ぼす各種の他の装置の操作における変動を補償できることである。
【0010】
1具体例によれば、煙道ガス冷却器において、二酸化炭素富有煙道ガスを冷却液体と直接接触させる。この具体例(例えば、充填塔又はスプレー塔の形で具体化される)の利点は、冷却液体が二酸化炭素富有煙道ガスを効果的に冷却すること及び冷却液体が、ガスの冷却と同時に、二酸化炭素富有煙道ガスから二酸化イオウのようないくらかの汚染物を除去できることである。
【0011】
1具体例によれば、煙道ガス冷却器において、冷却液体によって、二酸化炭素富有煙道ガスを間接的に冷却する。間接的冷却(チューブ−クーラータイプの冷却器において行われる)によれば、冷却液体が二酸化炭素富有煙道ガスの各種の成分によって汚染されることがない。これによって、冷却器において二酸化炭素富有煙道ガスの冷却にとって非常に好適であるが、二酸化炭素富有煙道ガスと混合されてはならない各種の冷却液体(各種の炭化水素含有冷却液体を含む)を利用することが可能になる。
【0012】
1具体例によれば、煙道ガス冷却器において間接的に二酸化炭素富有煙道ガスを冷却する冷却液体を、前記熱ポンプの冷却媒体としても利用する。この具体例の利点は、煙道ガス冷却器が、二酸化炭素富有煙道ガスを冷却すると共に、熱ポンプの冷却媒体を蒸発させる蒸発器として機能するため(この具体例では、熱ポンプの冷却媒体及び冷却器の冷却液体は1つであり、同一の物質である)、必要な装置が少ないことである。更なる利点は、煙道ガス冷却器と熱ポンプとの間で中間の熱移動ループが要求されないため、エネルギー効率が魅力的なものとなることである。
【0013】
1具体例によれば、冷却液体を温度0−35℃、好ましくは温度0−20℃で煙道ガス冷却器に供給する。この具体例の利点は、浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの水蒸気濃度が非常に低くなることである(これは、煙道ガス冷却器から排出され、廃棄のために送られるガスがほとんど二酸化炭素しか含有しないことを意味する)。
【0014】
本発明の他の目的は、二酸化炭素富有煙道ガスから水蒸気を除去するように作動するガス浄化システムを提供することにあり、当該ガス浄化システムは従来のガス浄化システムよりも効果的である。
【0015】
この目的は、酸素ガスを含有するガスの存在下で燃料を燃焼するボイラーにおいて発生した二酸化炭素富有煙道ガスから水蒸気を除去するように作動するガス浄化システムによって達成され、該ガス浄化システムは、ボイラーにおいて発生した二酸化炭素富有煙道ガスの少なくとも一部から、該二酸化炭素富有煙道ガスを、循環する冷却液体と接触させることによって、水を凝縮させ、これによって、ボイラーから排出された二酸化炭素富有煙道ガスよりも低い水蒸気濃度を有する浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを生成するように作動する煙道ガス冷却器を含んでなり、該ガス浄化システムは、さらに、冷却液体から第1の温度の熱を吸収し、第1の温度よりも高い第2の温度の熱を熱シンクに放出するように作動する熱ポンプを含んでなる。
【0016】
このガス浄化システムの利点は、二酸化炭素富有煙道ガスからの水蒸気の除去が非常に効果的であることである。
【0017】
1具体例によれば、ガス浄化システムは、さらに、煙道ガス冷却器から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの水蒸気濃度に関するパラメーターを測定するように作動するセンサー、及び前記パラメーターの測定値と前記パラメーターの設定値との比較に鑑み、熱ポンプの操作を制御するように作動する制御装置を含んでなる。この具体例の利点は、煙道ガス冷却器が、常に、煙道ガス冷却器から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスが一定かつ低い水蒸気濃度を有するように効果的に作動するように制御されることである。
【0018】
1具体例によれば、前記熱シンクは冷却塔を含んでなる。冷却塔の利点は、多くの熱が大気に消散されることである。熱ポンプにより、大きい駆動力(冷却塔において冷却される熱移動媒体と大気温度との間の温度差である)が、暑い夏の日においても達成されることである。
【0019】
1具体例によれば、前記熱シンクはボイラーを含んでなる。この具体例の利点は、各種の環境条件とは関係なく、ボイラーが、ボイラー水の加熱について一定の要求を有することである。熱ポンプにより、煙道ガス冷却器において吸収される熱が高温でボイラー水に送達され、これにより、ボイラー水の加熱において熱が有益なものとなる。ボイラー水を加熱する代わりに、又はこれと組み合わせて、煙道ガス冷却器において吸収した熱を、燃焼空気及び/又は燃焼酸素ガスを加熱するために利用することもできる。
【0020】
1具体例では、前記熱ポンプは、直列に配置された少なくとも2つの熱ポンプステージを含んでなる。この具体例の利点は、熱が、120℃以上のような非常に高い温度レベルで熱シンクに送達されることである。更なる利点は、煙道ガス冷却器において二酸化炭素富有煙道ガスを冷却する冷却液体が、温度5℃以下のような非常に低い温度に冷却されることである。
【0021】
1具体例によれば、前記熱ポンプは、アンモニア−水吸収熱ポンプ及び二酸化炭素熱ポンプからなる熱ポンプの群から選ばれるタイプの熱ポンプである。これらの熱ポンプの利点は、煙道ガス冷却器の冷却液体を大規模に低温に冷却すること、及び熱を高温で熱シンクに放出することに関して効果的であることである。
【0022】
1具体例によれば、煙道ガス冷却器は間接冷却式冷却器であり、この煙道ガス冷却器は熱ポンプ蒸発器(熱ポンプ内で循環している冷却媒体が蒸発される)として機能するように作動する。
【0023】
本発明の更なる目的及び特徴は、下記の記載及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0024】
次に、添付図面を参照して、本発明をさらに詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】1具体例によるボイラーシステムの概略図である。
【図2】煙道ガス冷却器の概略図である。
【図3】図2の煙道ガス冷却器と一体化された熱ポンプを説明する概略図である。
【図4】他の具体例による煙道ガス冷却器と一体化された2ステージ熱ポンプを説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、ボイラーシステム1の概略図である。ボイラーシステム1は、主要部材として、ボイラー2(この具体例では、oxy-fuelボイラーである)、スチームタービン電力発生システム(概略して4として表示する)、静電気集塵器の形の粒状物質除去装置6、及びガス浄化システム8を含んでなる。ガス浄化システム8は、その主要部材として、湿式スクラバーの形の第1のガス浄化装置10、及び煙道ガス冷却器の形の第2のガス浄化装置12を含んでなる。
【0027】
石炭又は石油のような燃料は、燃料貯蔵所14に収容されており、供給パイプ16を介してボイラー2に供給される。酸素ガス源18は、それ自体公知の様式で酸素ガスを提供するように作動する。酸素ガス源18は、空気から酸素ガスを分離するように作動する空気分離プラント、酸素分離膜、貯蔵タンク、又はシステム1に酸素を提供する各種の他の源でもよい。供給ダクト20は、代表的には酸素O2 90−99.9容量%からなる酸素ガスをボイラー2に送るように作動する。ダクト22は、二酸化炭素を含有する再循環煙道ガスをボイラー2に送るように作動する。図1に示すように、供給ダクト20はボイラー2の上流でダクト22と結合して、ボイラー2の上流で、酸素ガス及び再循環煙道ガス(二酸化炭素を含有する)を相互に混合して、代表的には酸素ガス約20−50容量%を含有し、残余が主として二酸化炭素及び水蒸気でなるガス混合物を形成する。ボイラー2には空気がほとんど入らないため、ボイラー2に窒素ガスが供給されることはない。実際の操作では、ボイラー2に供給されるガス容量の3容量%未満が空気(主として、空気の漏れとしてボイラー2に入る)である。ボイラー2は、ダクト22を介して供給される酸素ガス(二酸化炭素を含有する再循環煙道ガスと混合されている)の存在下で、供給パイプ16を介して供給される燃料を燃焼するように作動する。蒸気パイプ24は、燃焼の結果としてボイラー2において生成された水蒸気を蒸気タービン4(電力の形で力を発生する)に送るように作動する。
【0028】
ダクト26は、ボイラー2において発生した二酸化炭素富有煙道ガスを静電気集塵器6に送るように作動する。「二酸化炭素富有煙道ガス」は、ダクト26を介してボイラー2から排出されるガスが、少なくとも二酸化炭素CO2 40容量%を含有することを意味する。ボイラー2から排出される煙道ガスの50容量%以上が、しばしば、二酸化炭素である。「二酸化炭素富有煙道ガス」の残余は、水蒸気(H2O)約20−50容量%、酸素(O2)2−7容量%(ボイラー2においては、わずかに酸素過剰が好ましいため)、及び主として窒素(N2)及びアルゴン(Ar)を含む他のガス合計約0−10容量%(空気の漏れを完全には回避できないため)である。
【0029】
静電気集塵器6(例えば、米国特許第4,502,872号から公知のタイプのものでもよい)は、二酸化炭素富有煙道ガスからダスト粒子の大部分を除去する。静電気集塵器の代わりとしては、ダスト粒子を除去するために、織布フィルター(例えば、米国特許第4,336,035号から公知である)を利用することができる。ダクト28は、二酸化炭素富有煙道ガスを静電気集塵器6からガス浄化システム8の湿式スクラバー10に送るように作動する。
【0030】
湿式スクラバー10は塔スクラバータイプであり、スクラバーのタイプは、それ自体、例えば、EP 0 162 536から知られている。湿式スクラバー10(ボイラー2から静電気集塵器6を経由して来る二酸化炭素含有煙道ガスに含まれる二酸化イオウの少なくとも一部、好ましくは少なくとも80%を除去するように作動する)は、スラリー循環パイプ32において、石灰石スラリーを湿式スクラバー10の底部から湿式スクラバー10の上方部分に配置されたスラリーノズルセットに再循環するように作動する循環ポンプ30を含んでなる。スラリーノズル34は、湿式スクラバー10において石灰石スラリーを微細に分布させ、石灰石スラリーと、ダクト28を介して湿式スクラバー10に送られ、湿式スクラバー10内を実質的に垂直に上方に流動する煙道ガスとの間の良好な接触を達成するように作動する。新鮮な石灰石CaCO3を、石灰石保存タンク36及び供給パイプ38を含んでなる吸収剤供給装置から循環パイプ32に供給する。湿式スクラバー10では、二酸化イオウSO2は石灰石CaCO3と反応して亜硫酸カルシウムCaSO3を形成し、続いて、酸化されて、石膏CaSO4を形成する。亜硫酸カルシウムの酸化は、好ましくは、酸化空気又は酸素ガスと二酸化炭素富有煙道ガスとが混合することを防止するために外部の容器(図1では示されていない)において、石灰石スラリーを通して空気又は酸素ガスを発泡させることによって行われる。形成された石膏を、廃棄パイプ40を介して湿式スクラバー10から除去し、石膏脱水ユニット(概略して42で示す)に送る。脱水した石膏は、例えば、壁板の製造において商業的に利用される。
【0031】
湿式スクラバー10の代わりに、二酸化炭素富有煙道ガスから二酸化イオウを除去するための第1のガス浄化装置として、他の装置を利用することができる。このような他の装置の1つが噴霧乾燥吸収器であり、このような噴霧乾燥吸収器は、それ自体、例えば、米国特許第4,755,366号から知られているタイプのものであり、噴霧乾燥チャンバー及びダスト粒子除去装置を含んでなる。噴霧乾燥チャンバーでは、石灰石スラリーをアトマイズして、二酸化イオウと反応させ、乾燥生成物を形成し、この乾燥生成物を、噴霧乾燥チャンバーの底部において及びダスト粒子除去装置において集める。さらに、湿式スクラバーに代わるものとしては、例えば、発泡床スクラバー(その一例は、国際特許公開WO 2005/007274に開示されている)、及び湿潤ダストタイプのスクラバー(その一例は、国際特許公開WO 2004/026443に開示されている)が含まれる。
【0032】
図1に戻って説明すると、部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを、ダクト44(煙道ガスをガス分配ポイント46に送る)を介して湿式スクラバー10から排出する。ガス分配ポイント46(部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの流れの方向について見られるように、湿式スクラバー10と冷却器12との間に位置する)において、部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを2つの部分、すなわち、第1の流れ(ダクト22を介してボイラー2に再循環される)及び第2の流れ(ダクト48を介して冷却器12に送られる)に分ける。第1の流れ(ボイラー2に再循環される)は、代表的には、湿式スクラバー10から排出された部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの総流量の50−90容量%からなる。ボイラー2に再循環される部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの部分は、冷却器12を通過した後に送られるものではないため、冷却器12を、より小さいガス流量用としてデザインすることが可能になる。第2の流れ(代表的には、湿式スクラバー10から排出された部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの総流量の10−50容量%からなる)を、ダクト48を介して冷却器12に送る。冷却器12は循環ポンプ50(後に詳細に記載する様式で、循環パイプ52を介して、冷却器内において冷却液体を循環させるように作動する)を含んでなる。
【0033】
冷却器12内を循環する冷却液体は、部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを冷却し、水蒸気に関して飽和温度以下であり、これにより、湿式スクラバー10から送られる部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスに含有される水蒸気の少なくとも一部を凝縮させるような温度とする。凝縮水を、廃棄パイプ54を介して、冷却器12から排出する。パイプ54を介して冷却器12から排出された凝縮水の一部を、パイプ56を介して、補給水として湿式スクラバー10に送る。凝縮水の他の部分を、パイプ58を介して、水処理ユニット60に送り、ここで、凝縮水を、例えば、ボイラー水としてプロセスで再使用する前に又は廃棄する前に処理する。浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを、ダクト62を介して、冷却器12から排出し、ガス処理ユニット64に送り、ここで、廃棄のために、浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを圧縮する。
【0034】
図2は、冷却器12の形の第2のガス浄化装置をさらに詳細に示す。冷却器12は塔66(第1のガス浄化装置から、すなわち、湿式スクラバー10から来る部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスと、パイプ52におけるポンプ50によって冷却器12内で循環される冷却液体との間の良好な接触を提供するために充填物質68が充填されている)を含んでなる。充填物質68は、いわゆる構造化充填材タイプのもの(1例として、Mellapak Plus(米国タルサのSulzer Chemtech USA Inc. から入手可能である)がある)、又はいわゆるランダム充填材タイプのもの(1例として、Jaeger Tri-Pack(米国ヒューストンのJaeger Products Inc. から入手可能である)がある)である。液体分配器70は充填物質の上に冷却液体を分配する。この場合、冷却液体は主として水を含んでなり、煙道ガスと直接接触される。液体分配器70(例えば、JaegerモデルLD3又はモデルLD4(米国ヒューストンのJaeger Products Inc. から入手可能である)である)は、小さい液滴の過度の形成を生ずることなく、充填物質68の上に均等に冷却液体を分配する。
【0035】
部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスは、ダクト48を介して、塔66の下方端に供給され、塔66を通って垂直に上方に移動し、充填物質68を通って下方に流動する冷却液体と向流様式で直接接触する。塔66の上方端には、ミスト除去器72が設けられている。ミスト除去器72は、煙道ガスから液滴を除去するように作動する。ついで、浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを、ダクト62を介して冷却器12から排出する。ファン74は、浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを、図1を参照して上述したガス処理ユニット64に送るように作動する。
【0036】
図2に示すように、パイプ52には、第1の熱交換器76が設けられている。第1の熱交換器76は、パイプ52において移動する冷却液体を冷却するように作動する。第1の熱交換器76には、図3を参照して後により詳細に記載するように、熱ポンプの一部を形成する。
【0037】
図2に戻って説明すると、pHセンサー78は、パイプ52において送られる冷却液体のpHを測定するように作動する。制御ユニット80は、pHセンサー78から信号を受け取るように作動する。制御ユニット80は、また、アルカリ性物質貯蔵所82からのアルカリ性物質の供給を制御するように作動する。従って、制御ユニット80は、pHセンサー78によって測定されたpH値をpHの設定値と比較するように作動する。pHセンサー78によって測定されたpH値がpHの設定値よりも低い場合、制御ユニット80は、ポンプ84の形のアルカリ供給装置に信号を送って、冷却液体のpHを増大させるために、アルカリ性物質を、パイプ86を介して、貯蔵所82からパイプ52にポンプ送給する。パイプ52の液体のpHを、代表的には、pH4.5−6.0に制御して、二酸化炭素を除去することなく、酸性汚染ガス(二酸化イオウを含む)の効果的な除去を行う。貯蔵所82に貯蔵されかつ冷却器12において循環する冷却液体のpHを制御するために利用されるアルカリ性物質は、好ましくは、高い水溶性、好ましくは温度20℃において少なくとも50g/Lの水溶解度、より好ましくは20℃において少なくとも100g/Lの溶解度を有する。好適なアルカリ性物質の例としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)及び炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)がある。最も好適なアルカリ性物質は、しばしば、水酸化ナトリウム(NaOH)である。高度に溶解性のアルカリ性物質は、後により詳細に説明するように、冷却液体の温度が第1の熱交換器76において低下される場合に外皮が形成される危険を低減する利点を有する。ポンプ50によって冷却器12内を循環する冷却液体は好ましくは透明な液体であり、これは、循環する液体には極少量の固形分しか含有されていないことを意味する。好ましくは、冷却器12内を循環する冷却液体中の固形分の量は10g/L以下、好ましくは5g/L以下である。これに対して、図1を参照して上述した湿式スクラバー10において循環するスラリーは、代表的には、固形分150−300g/Lを含有する。冷却器12において循環する液体中の固形分の濃度が低いことによる利点は、パイプ54を介して冷却器12から排出される凝縮物である水の再使用及び浄化が、高濃度の固状粒子を含む凝縮物である水を混合する場合と比べて容易となることである。
【0038】
任意には、ガス−ガス熱交換器88を設けることができる。ダクト90(図2において点線で示す)は、部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの流れの少なくとも一部を、ダクト48から熱交換器88に送り、再度、ダクトに戻すように作動する。ダクト92(図2において点線で示す)は、ダクト62の浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの流れの少なくとも一部を、熱交換器88に送り、再度、ダクト62に戻すように作動する。ガス−ガス熱交換器88は、冷却器12から排出されるガスのわずかな再加熱を生ずるように作動し、このような再加熱は、図1において説明したように、冷却器12から排出され、ガス処理ユニット64に送られる液滴の量を低減する。
【0039】
図3は、ガス浄化システム8に含まれる熱ポンプ100を示す。熱ポンプ100は、図2を参照して既に記載した第1の熱交換器の形の熱ポンプ蒸発器76を含んでなる。第1の熱交換器76は、煙道ガス冷却器12のポンプ50によってパイプ52において循環する冷却液体を冷却するように作動する。熱ポンプ100は、さらに、第2の熱交換器102の形の熱ポンプ冷却器を含んでなる。図3を参照して記載する実施例では、熱ポンプ100は、冷却媒体としてアンモニア及び水の混合物にて作動され、従って、ガス−液体混合物にて作動されるアンモニア−水熱ポンプである。従って、熱ポンプ100は、さらに、液体からガスを分離するように作動するガス−液体分離器104、ガスを圧縮するように作動する圧縮機106、及び液体をポンプ送給するように作動する液体ポンプ108を含んでなる。この一般的なタイプの熱ポンプは、それ自体、例えば、米国特許第5,582,020号から知られている。
【0040】
パイプ112は、アンモニア及び水のガス/液体混合物からなる熱ポンプ冷却媒体を、第1の熱交換器76、すなわち熱ポンプ蒸発器からガス−液体分離器104に送るように作動する。ガス−液体分離器104は、冷却媒体をガスフラクション及び液体フラクションに分離する。圧縮機106は、ガスを好適な圧力に圧縮すると同時に、ガスパイプ114を介して、ガスフラクションをガス−液体分離器104から第2の熱交換器102、すなわち熱ポンプ冷却器に移送する。液体ポンプ108は、液体の圧力を好適な圧力に上昇させると同時に、液体パイプ116を介して、液体フラクションをガス−液体分離器104から第2の熱交換器102に移送する。
【0041】
熱ポンプ冷却器、すなわち第2の熱交換器102では、冷却媒体、すなわち、圧縮したガス及び高い圧力の液体は、その熱を、パイプ118において循環する熱移動媒体に移す。これによって冷却された冷却媒体を、パイプ120におけるスロットル弁110に送り、ここで、冷却媒体が膨張され、これにより、圧力が減じられる。ついで、これによって膨張した熱ポンプ冷却媒体を、パイプ122を介して、再度、第1の熱交換器76に送って、さらに熱を受け取る。
【0042】
パイプ118において、熱移動媒体(代表的には水である)を冷却塔124の形の熱シンクに循環し、ここで、図3においてAで示す環境空気と接触させることによって、熱移動媒体を冷却する。
【0043】
第1の熱交換器76の下流のパイプ52に、温度センサー126が設けてある。温度センサー126は、冷却器12に導入される直前に、冷却液体における温度を測定する。制御装置128は、温度センサーから信号(冷却液体の温度を示す)を受け取るように作動する。制御装置128は、さらに、温度センサー126によって測定された温度と温度設定値とを比較するように作動する。制御装置128は、このような比較に基づいて、圧縮機106及び液体ポンプ108の操作を制御するように作動する。従って、例えば、温度センサー126によって測定された温度が温度設定値よりも高い場合には、制御装置128は、圧縮機106及び/又は液体ポンプ108に対して、それぞれ、ガス及び液体にかける力を増大するよう指令する。このように、例えば、圧縮機106はガスを圧縮する度合を増大し、及び/又は液体ポンプ108は液体における圧力を増大する度合を高めることができる。圧縮機106及び/又は液体ポンプ108のこのような制御の効果は、熱ポンプ100によって、パイプ52における冷却液体からパイプ118における熱移動媒体に移動される熱の量が増大し、その結果、パイプ52を介して冷却器12に移動される冷却液体における温度が低くなることである。従って、制御装置128は、冷却液体から吸収され、熱シンク124に放出される熱の量を制御するように、パイプ52を介して冷却器12に供給される冷却液体が一定かつ充分に低い温度を有する様式で制御するように熱ポンプ100を作動させることができる。センサー126によって測定されるように、パイプ52において循環する冷却液体の温度は、煙道ガス冷却器12から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの水蒸気濃度に関するパラメーターである。従って、パイプ52において循環する冷却液体の温度を制御することは、冷却器12から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの温度及び水蒸気濃度を制御すること意味する。
【0044】
ついで、熱ポンプ100の操作を、非限定的な実施例を参照して説明する。煙道ガス冷却器12に関する要求は、代表的には、図2において説明したように、ダクト62を介して煙道ガス冷却器12から排出された浄化した二酸化炭素富有煙道ガスが、水蒸気濃度0.5−8容量%、好ましくは水蒸気濃度0.5−3容量%を有していなければならないことである。このような低い水蒸気濃度を達成するために、部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを、冷却器12において、部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガス飽和温度よりも低い温度に冷却し、これによって、冷却器内で水を凝縮する。図1において示す湿式スクラバー10から排出される部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスは、代表的には、温度60−80℃及び水蒸気濃度25−55容量%を有する。第1のガス浄化装置が、前述のように、噴霧乾燥吸収器又は湿潤ダストタイプのスクラバーである場合、このような第1のガス浄化装置から排出される部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスは、代表的には、温度90−120℃及び水蒸気濃度23−54容量%を有する。このように、冷却器12に入る部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスは、利用する第1のガス浄化装置のタイプに応じて60−120℃の範囲の温度及び代表的には23−55容量%の水蒸気濃度を有する。この高い水蒸気濃度を水蒸気濃度0.5−8容量%に低下できるように、部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを温度3−40℃に冷却して、充分な水蒸気濃度を達成しなければならない。このような低温への冷却を達成するために、煙道ガス冷却器12内を循環する冷却液体は、煙道ガス冷却器12の入口において、温度0−35℃を有していなければならない。水蒸気濃度を0.5−3容量%に低減できるように、部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスは、温度約3−22℃に冷却されなければならず、煙道ガス冷却器12内を循環する冷却液体は、煙道ガス冷却器12の入口において、温度0−20℃を有していなければならない。
【0045】
この実施例では、湿式スクラバー10から排出される部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスは、温度76℃及び水蒸気濃度40容量%を有する。このガスは、ダクト48を介して冷却器12に入り、温度10℃に冷却され、これによって、水蒸気濃度は、40容量%から、ダクト62を介して冷却器12から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスにおける水蒸気濃度1.3容量%に低減される。このような冷却を達成するために、制御装置128を、パイプ52を介して冷却器12に入る冷却液体の温度を7℃に制御するように設定される。冷却器12から排出される冷却液体は、代表的には、上述の条件下では、温度40℃を有するであろう。従って、制御装置128は、圧縮機106及び熱ポンプ100のポンプ108を制御して、パイプ52において循環する冷却液体を、第1の熱交換器76への入口における温度40℃から、第1の熱交換器76の出口における温度7℃に冷却することが必要である。第1の熱交換器76におけるこのような冷却の結果、代表的には、熱ポンプ冷却器、すなわち第2の熱交換器102は、パイプ118において循環する熱移動媒体を、第2の熱交換器102の入口における例えば15℃から、第2の熱交換器102の出口における例えば50℃の温度へ加熱する。従って、冷却塔124の形の熱シンクは、パイプ118において循環する熱移動媒体を、例えば10℃の温度を有する環境空気Aと接触させることによって、約50℃から約15℃に冷却する。
【0046】
上記の実施例から、熱ポンプ100が、パイプ118において循環する熱移動媒体を15℃から50℃に加熱するために、冷却器12から排出される冷却液体のわずか40℃の温度の熱を利用することが理解されるであろう。従って、熱ポンプ100は冷却液体から第1の温度の熱を吸収し、冷却塔124の形の熱シンクにおいて、第1の温度よりも高い第2の温度の熱を放出する。その結果として、初期温度50℃を有する熱移動媒体を、温度10℃を有する環境空気によって冷却するため、冷却塔124における冷却のための駆動力は非常に高くなる。これにより、冷却塔124における冷却が非常に効果的となる。さらに、熱ポンプ100によって、事実、環境温度は7℃より高いが、パイプ52において循環する冷却液体を約40℃から約7℃に冷却することが可能になる。
【0047】
夏の時期にしばしば生ずるように、環境空気の温度が、例えば、30℃まで高くなる場合には、冷却塔124における冷却のための駆動力もかなり高い。さらに、制御装置128は、環境空気の温度が30℃となる場合及び必要によっては、自動的に圧縮機106及び/又はポンプ108に指令して、それぞれ、ガスの圧縮を増大させ、及び/又は液体の圧力を増大させて、パイプ118において循環する熱移動媒体を、例えば80℃まで加熱し、これによって、冷却塔124における冷却のための駆動力をさらに増大させることができる。ついで、パイプ118において循環する熱移動媒体を、冷却塔124において、例えば80℃から約35℃に冷却する。上述のように、熱ポンプ100を、ガス及び/又は液体の高圧縮で作動する場合、熱ポンプ100は、環境温度30℃においても、パイプ52において循環する冷却液体を、例えば温度40℃から、例えば温度7℃に冷却することができるであろう。従って、熱ポンプ100は、冷却塔124における熱移動媒体の冷却のために改善された及び制御可能な駆動力を提供するように作動し、これによって、パイプ52において循環する冷却液体の効果的かつ制御可能な冷却が確実に行われ、ダクト62を介して冷却器12から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを、一般的な環境条件とは無関係に、例えば10℃の所望温度に冷却することができる。
【0048】
他の具体例によれば、図3に示すように、パイプ52において循環する冷却液体を冷却するために、更なる熱交換器130を設けることができる。更なる熱移動媒体(水である)が、熱交換器130と更なる冷却塔134との間のパイプ132において循環し、冷却塔において、熱移動媒体は、Aによって示される環境空気と接触することによって冷却される。更なる熱交換器130は、パイプ52における冷却液体の流れの方向に関して第1の熱交換器の上流に配置され、パイプ52において循環する冷却液体を、例えば温度40℃から例えば温度20℃に冷却するように作動する前置冷却器として作動する。従って、更なる冷却塔134は更なる熱シンクとして機能する。更なる熱交換器130及び更なる熱シンク134は、パイプ52において循環する冷却液体を冷却するために、熱ポンプ100と直列に設置される。その結果、パイプ52において循環する冷却液体は、熱ポンプ100の第1の熱交換器76に到達した時点で、20℃のようなむしろ低い温度を有することになる。このように、冷却液体は熱交換器において、例えば7℃の所望温度を得るために、20℃からわずかに冷却することが要求されるのみである。このため、熱ポンプ100にかかる負荷が低減され、更なる熱交換器130のみを使用する場合、例えば冬季のような、環境空気の温度が、例えば−10℃(パイプ52において循環する冷却液体を、例えば7℃に冷却するには充分である)となるような冷たい期間には、熱ポンプ100を一時的に閉じることが可能になる。従って、更なる熱交換器130は、熱ポンプ100についてのエネルギー消費及び摩耗を減少できる。更なる選択肢として、パイプ132において循環する熱移動媒体を、熱ポンプ100の冷却塔124に導き、このようにして、更なる冷却塔134についての要求を省略できる。
【0049】
図4は、チューブ−クーラータイプの冷却器212に接続される他の熱ポンプ200を概略して示す。図2における対応する細部と同じ機能を有する図4における細部については、同じ参照符号を付している。冷却器212は塔266を有する。塔266には、複数個の管268が設けられている。部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスは、ダクト48を介して、塔266の上方端に供給され、塔266を通って、管268の内部で垂直に下方に移動する。浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを、ダクト62を介して、塔266の下方端で排出する。
【0050】
図4に示す熱ポンプ200は、原則として、相互に直列に配置された2つの熱ポンプを有する2ステージ熱ポンプである。熱ポンプ200の第1のステージは、熱ポンプ蒸発器として、従って、第1の熱交換器として冷却器212自体を利用する。熱ポンプ200の第1のステージは、さらに、第2の熱交換器の形の熱ポンプ冷却器202、圧縮機206、及びスロットル弁210を含んでなる。2ステージ熱ポンプ200の第2のステージは、熱ポンプ蒸発器として第2の熱交換器202を利用する。熱ポンプ200の第2のステージは、さらに、第3の熱交換器の形の熱ポンプ冷却器214、圧縮機216、及びスロットル弁218を含んでなる。第3の熱交換器214はパイプ220に結合されている。パイプ220は、水蒸気タービン発電システム4から来る使用済みタービン水を、ボイラーに戻す前に、第3の熱交換器214を通過させ、ここで、使用済みボイラー水を再加熱する。従って、ボイラー水は、冷却器212とボイラー2との間で熱を移動させる熱移動媒体として機能し、ボイラー2自体はこのシステムにおける熱シンクである。
【0051】
熱ポンプ200では、熱ポンプの第1のステージの冷却媒体は、冷却器212において部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを冷却する冷却液体としても機能する。従って、煙道ガス冷却器212の冷却液体及び熱ポンプ200の第1のステージの冷却媒体は1つであり、同一の媒体である。熱ポンプ200の第1のステージの圧縮機206は、熱ポンプ蒸発器、すなわち煙道ガス冷却器212と、第2の熱交換器の形の熱ポンプ冷却器202との間で、熱ポンプ200の第1のステージの冷却媒体を移動させる。冷却媒体、すなわち冷却液体は、塔266内では、管268の外部を移動される。冷却媒体は、熱ポンプ200の第1のステージの操作条件に応じて、管268の外部で、上記の形、蒸気及び液体の混合物の形、又は液体のみとして排出される。従って、冷却器212における冷却は間接的冷却プロセスであり、管218内を通る煙道ガスは、冷却媒体と間接的に接触されることによって間接的に冷却される(冷却媒体は、蒸気及び/又は液体の状態で、管268の外表面と接触する)。冷却媒体と管268の外表面との間の接触を改善するため、塔266にはバッフル270が設けてある。
【0052】
第2の熱交換器202では、熱ポンプ200の第1のステージから熱ポンプ200の第2のステージに熱を移す。熱ポンプ200の第2のステージの圧縮機216は、ポンプ蒸発器、すなわち第2の熱交換器202と第3の熱交換器の形の熱ポンプ冷却器214との間で、熱ポンプ200の第2のステージの冷却媒体を移動させる。熱ポンプ200の第1及び第2のステージは、アンモニア−水のような同じタイプの冷却媒体又は2つの異なった冷却媒体を利用できる。
【0053】
熱ポンプ200が2ステージ熱ポンプであり、熱シンク、すなわちボイラー水に熱を放出する前に、2つのステージにおいて、冷却器212において吸収された熱の温度を増大できるため、第3の熱交換器214において、使用済みボイラー水を、第3の熱交換器214の入口における例えば25℃のボイラー水温度から、第3の熱交換器214の出口における例えば150℃のボイラー水温度に加熱することが可能である。従って、水蒸気の凝縮によって冷却器212において発生した熱がボイラー2に移され、これによって、ボイラーシステム1のエネルギーの経済性が改善される。
【0054】
図4を参照してここに開示した2ステージ熱ポンプ200の代わりとして、ボイラー水の温度における好適な上昇を達成するために、他のタイプ及び熱ポンプの組み合わせを利用することも可能であろう。この点に関して有効な熱ポンプの1つのタイプは、それ自体公知の二酸化炭素吸収熱ポンプであり、その例は米国特許第6,374,630号に開示されている。
【0055】
冷却器212の下流のダクト62に温度センサー226が設けてある。温度センサー226は、冷却器212から排出された浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの温度を測定する。温度センサー226からの温度信号を受け取るように制御装置228が設けてある。制御装置228は、温度センサー226によって測定された温度を温度設定値と比較するように作動する。このような温度設定値は、例えば、ガス温度10℃であり、これは冷却器212から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスにおける水蒸気濃度1.3容量%相当する。前記比較に基づいて、制御装置228は、熱ポンプ200の圧縮機206及び/又は圧縮機216の操作を制御するように作動する。従って、例えば、温度センサー226によって測定された温度が、温度設定値よりも高い12℃である場合、制御装置228は、圧縮機206及び216の一方又は両方に対して、ガスにかかる力を増大するように指示する。圧縮機206及び/又は圧縮機216のこのような制御の効果は、熱ポンプ200によって冷却器212からパイプ220における熱移動媒体に移される熱量が増大され、この結果、冷却器212における二酸化炭素富有煙道ガスの冷却が増大することである。従って、制御装置228は、熱ポンプ200を、ダクト62を介して冷却器212から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスが一定かつ低い水蒸気含量を有するように制御するように作動する。
【0056】
別の具体例では、水蒸気濃度センサー227を設け、センサー227によって測定された水蒸気濃度と水蒸気濃度の設定値との比較に基づいて、制御装置228により、熱ポンプ200の操作を制御して、例えば、水蒸気濃度1.3容量%とすることができる。
【0057】
部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを冷却した結果として、塔266において、煙道ガスに含まれる水蒸気の一部の凝縮が生ずるであろう。このような凝縮を介して形成された液状の水凝縮物は管268を通って下方に流動し、塔266の下方部分に至る。パイプ54を介して、凝縮物を塔266から排出し、例えば、補給水として湿式スクラバー10に、又は図1を参照して上述したように廃棄のために、凝縮物を移動させる。管268の内部における水の凝縮の結果、水ミストの形成が生じ、部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスに含まれる二酸化イオウの少なくとも一部が捕捉される。さらに、このような凝縮の結果として、エーロゾル粒子が成長する。従って、パイプ54を介して塔266から排出された液状凝縮物は、捕捉したいくらかの二酸化イオウ及び捕捉したいくらかのエーロゾルを含有する。任意に、液状の水凝縮物のいくらかを再循環して、再度、管268を通過させることができる。このような再循環は、図4において点線で示すパイプ253及びポンプ(図示していない)によって行われる。再循環される凝縮物のpH値をpH4−6.5に制御するために、図2に示すタイプのpH制御装置を利用することもできる。このような循環の目的は、管268を通って流れる煙道ガスを、増大された量の液体と直接接触させることによって、二酸化イオウのような汚染物質の除去を増大させることである。浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを、ダクト62を介して塔266から排出する前に、浄化した二酸化炭素富有煙道ガスから凝縮物の液滴を除去することを目的として、塔266の下方部分にミスト除去装置272が設けてある。
【0058】
他の具体例によれば、熱ポンプ200は、第1の熱シンク(例えば、ボイラー2)に、及び第2の熱シンク(前記第1の熱シンク2とは離れている)に熱を放出するように作動できる。このため、図4に示すように、熱ポンプ200の第2のステージの冷却媒体を冷却するために、更なる熱交換器230を設けることができる。パイプ232において、熱交換器230と冷却塔の形の第2の熱シンク234との間で更なる熱移動媒体(水である)を循環させ、この冷却塔において、環境空気(Aで示す)と接触させることによって、熱移動媒体を冷却する。熱ポンプ200の第2のステージにおける冷却媒体の流動方向に関して、熱ポンプ200の第3の熱交換器214の下流でかつスロットル弁218の上流に更なる熱交換器230を設け、この更なる熱交換器は後置冷却器として作動して、第3の熱交換器214においてボイラー2に移動されない熱を処理する。従って、更なる熱交換器230及び冷却塔234は、冷却器212において循環する冷却液体の更なる冷却を提供する。
【0059】
特許請求の範囲の範囲内において、上述の具体例の幾多の変形が可能であることは理解されるであろう。
【0060】
以上において、煙道ガス冷却器から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの水蒸気濃度に関するパラメーターが、図3に示す温度センサー126によって測定される、煙道ガス冷却器に入る冷却液体の温度、図4を参照して示した温度センサー226によって測定される、煙道ガス冷却器212から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの温度、又は図4を参照して示した水蒸気濃度センサー227によって測定される、煙道ガス冷却器212から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの実際の水蒸気濃度であると記載した。煙道ガス冷却器から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスにおける水蒸気の濃度を直接又は間接的に測定するために利用できる他のパラメーターも存在する。例えば、熱ポンプ100、200において循環する冷却媒体における温度、冷却塔の空気の温度差、煙道ガス冷却器12、212から排出される凝縮水の単位時間当たりの量、等を測定することも可能であろう。従って、煙道ガス冷却器から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの水蒸気濃度を各種の方法で直接的及び間接的に測定できる。
【0061】
以上において、制御装置128、228が、それぞれ、圧縮機106及びポンプ108の操作、及び圧縮機206、216の操作を制御することによって、熱ポンプ100、200を制御することを記載した。制御装置128、228が冷却媒体移送装置の一方のみを制御することも可能であろう。従って、制御装置128は圧縮機106及び/又はポンプ108を制御することができ、制御装置228は圧縮機206及び/又は圧縮機226を制御することができる。さらに、制御装置128、228は、それぞれ、熱ポンプ100、200を、他の方法で、例えば、各々の熱シンクの操作を制御することによって制御することができる。例えば、制御装置128は冷却塔124の操作を制御することができる。従って、煙道ガス冷却器における冷却の要求が増大する際には、制御装置128は、冷却塔124のファン(図3では、明瞭にするとの理由から図示されていない)に対して、熱ポンプ100の冷却媒体の冷却を増大するためにその速度を増大するように指示することができる。
【0062】
以上において、図3を参照して、熱シンクが冷却塔であることを記載した。地域加熱システム、湖及び海、等を含む、熱移動媒体が循環する他のタイプの熱シンクも利用できることが理解されるであろう。
【0063】
以上において、図4を参照して、熱シンクがボイラー2のボイラー水であることを記載した。煙道ガス冷却器212において、及び煙道ガス冷却器12において発生された熱を、同様に、プロセスの他の部材において利用できることが理解されるであろう。例えば、冷却器12又は212によって発生され、熱ポンプ100又は200によってより高い温度レベルに変換された熱を、酸素ガス源18において発生された酸素ガスを、ボイラー2に導入する前に加熱するために利用できる。さらに、冷却器12又は212において発生した熱を、図1を参照して上述したように、湿式スクラバー10から排出され、ダクト22を介してボイラー2に移送される再循環される部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを、このような再循環ガスをボイラー2に導入する前に加熱するために利用することもできる。さらに他の可能性は、冷却器12又は212において発生され、ガス処理ユニット64からの各種のベントガスを再加熱する際に、熱ポンプ100、200によって、又はこのようなベントガスを大気に放出する前に、空気分離プラント18によって、より高い温度レベルに変換される熱を利用することである。
【0064】
以上において、熱ポンプ100のための熱シンクが冷却塔であること、及び熱ポンプ200のための熱シンクがボイラーであることを記載した。1つの熱ポンプに対して数個の熱シンクを設けることができ、熱シンクが同一のタイプのもの又は異なるタイプのもであってもよいことが理解されるであろう。後者の例を、図4を参照して記載したが、図4では、熱ポンプ200は、ボイラー2及び冷却塔234の両方に熱を放出する。熱シンクの他の組み合わせも可能である。例えば、第1の熱シンクとして地域加熱システム、及び第2の熱シンクとして冷却塔を利用する熱ポンプを提供することも可能であろう。
【0065】
以上において、第2のガス浄化装置が、充填物質を有する冷却器(ここで、部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスが冷却液体と直接接触される)、又は管268を有する冷却器212(ここで、部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスは冷却液体によって間接的に冷却される)であることを記載した。開放噴霧塔(ここで、冷却媒体は、アトマイジングノズルによってアトマイズされ、続いて、部分的に浄化した二酸化炭素富有煙道ガスと直接接触される)を含む他のタイプの冷却器も利用できることが理解されるであろう。
【0066】
要約すると、ガス浄化システム8は、酸素ガスを含有するガスの存在下で燃料を燃焼するボイラー2において発生した二酸化炭素富有煙道ガスから水蒸気を除去するように作動する。ガス浄化装置8は、ボイラー2において発生した二酸化炭素富有煙道ガスの少なくとも一部から、二酸化炭素富有煙道ガスを循環する冷却液体と接触させることによって、水を凝縮させ、これによって、ボイラーから排出された二酸化炭素富有煙道ガスよりも低い水蒸気濃度を有する浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを発生するように作動する煙道ガス冷却器12を含んでなる。ガス冷却システム8は、冷却液体から第1の温度で別を吸収し、第1の温度よりも高い温度で熱シンク124に熱を放出するように作動する熱ポンプ100を含んでなる。
【0067】
いくつかの好適な具体例を参照して本発明を記述したが、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく、各種の変更をなすこと又はその部材を他の均等物によって置換できることは理解されるであろう。さらに、本発明の教示に特殊な状況又は物を適合させるために、その本質的な範囲から逸脱することなく、幾多の変形をなすこともできる。従って、本発明は、本発明の実施の最良の形態として開示した特別な具体例に限定されず、本発明は特許請求の範囲の範囲に属する全ての具体例を含むものである。さらに、用語「第1の」、「第2の」等の使用は、順序又は重要性を意味するものではなく、むしろ、用語「第1の」、「第2の」等は、1つの部材を他の部材から区別するために使用したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素ガスを含有するガスの存在下で燃料を燃焼するボイラーにおいて発生した二酸化炭素富有煙道ガスから水蒸気を除去する方法であって、該方法は、
ボイラーにおいて発生した二酸化炭素富有煙道ガスの少なくとも一部を煙道ガス冷却器に送り;
前記煙道ガス冷却器において、二酸化炭素富有煙道ガスを、循環する冷却液体と接触させることによって、二酸化炭素富有煙道ガスを冷却して、二酸化炭素富有煙道ガスから水を凝縮させ、これによって、ボイラーから排出された二酸化炭素富有煙道ガスよりも低い水蒸気濃度を有する浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを発生させ;及び
冷却液体から第1の温度の熱を吸収し、第1の温度よりも高い第2の温度の熱を熱シンクに放出するための熱ポンプを利用する
ことを含んでなる、水蒸気の除去法。
【請求項2】
煙道ガス冷却器から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの水蒸気濃度に関するパラメーターを測定し、当該パラメーターに関する設定値と比較する請求項1記載の方法。
【請求項3】
熱ポンプの操作を、煙道ガス冷却器から排出される浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの水蒸気濃度に関するパラメーターの測定値と当該パラメーターの設定値との間の比較に基づいて制御する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
煙道ガス冷却器において、二酸化炭素富有煙道ガスを冷却液体と直接接触させる、請求項1記載の方法。
【請求項5】
煙道ガス冷却器において、二酸化炭素富有煙道ガスを冷却液体によって間接的に冷却する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
煙道ガス冷却器において間接的に二酸化炭素富有煙道ガスを冷却する冷却液体を、熱パイプの冷却媒体としても利用する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
煙道ガス冷却器に、温度0−35℃、好ましくは温度0−20℃で冷却液体を供給する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
酸素ガスを含有するガスの存在下で燃料を燃焼するボイラーにおいて発生した二酸化炭素富有煙道ガスから水蒸気を除去するように作動するガス浄化システムであって、該ガス浄化システムは、ボイラーにおいて発生した二酸化炭素富有煙道ガスの少なくとも一部から、該二酸化炭素富有煙道ガスを、循環する冷却液体と接触させることによって、水を凝縮させ、これによって、ボイラーから排出された二酸化炭素富有煙道ガスよりも低い水蒸気濃度を有する浄化した二酸化炭素富有煙道ガスを生成するように作動する煙道ガス冷却器を含んでなり、該ガス浄化システムは、さらに、冷却液体から第1の温度の熱を吸収し、第1の温度よりも高い第2の温度の熱を熱シンクに放出するように作動する熱ポンプを含んでなる、ガス浄化システム。
【請求項9】
さらに、煙道ガス冷却器から排出された浄化した二酸化炭素富有煙道ガスの水蒸気濃度に関するパラメーターを測定するように作動するセンサー、及び前記パラメーターの測定値と前記パラメーターの設定値との比較に鑑み、熱ポンプの操作を制御するように作動する制御装置を含んでなる、請求項8記載のガス浄化システム。
【請求項10】
熱シンクが冷却塔を含んでなる、請求項8記載のガス浄化システム。
【請求項11】
熱シンクがボイラーを含んでなる、請求項8記載のガス浄化システム。
【請求項12】
循環する冷却液体を冷却するために、更なる熱交換器及び熱シンクを、熱ポンプと直列に設けてなる、請求項8記載のガス浄化システム。
【請求項13】
熱ポンプが、第1の熱シンク及び前記第1の熱シンクとは離れている第2の熱シンクに熱を放出するように作動する、請求項8記載のガス浄化システム。
【請求項14】
熱ポンプが、直列に配置された少なくとも2つの熱ポンプステージを含んでなる、請求項8記載のガス浄化システム。
【請求項15】
熱ポンプが、アンモニア−水吸収熱ポンプ及び二酸化炭素熱ポンプからなる群から選ばれるタイプの熱ポンプである、請求項8記載のガス浄化システム。
【請求項16】
煙道ガス冷却器が間接冷却式冷却器であり、前記煙道ガス冷却器が熱ポンプ蒸発器として機能して、該熱ポンプ蒸発器において、熱ポンプにおいて循環する冷却媒体を蒸発する、請求項8記載のガス浄化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−512769(P2013−512769A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541590(P2012−541590)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【国際出願番号】PCT/IB2010/002728
【国際公開番号】WO2011/067639
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5400 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】