説明

交流で加熱される車両用トランスペアレンシ

加熱可能なトランスペアレンシは、基板と、基板の少なくとも一部分の上に形成された導電被膜とを備える。電源は導電被膜に接触している。電源は、導電被膜に交流(AC)を供給するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、車両フロントガラスなどの車両用トランスペアレンシに関し、特定の一実施形態においては、加熱可能な車両フロントガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
フロントガラスの温度を上昇させるために、車両合わせフロントガラス上に導体(例えば、ワイヤ又は導電被膜)を通して直流(DC)を通すことが知られている。これは、特に、寒冷な気候で曇り取りやフロントガラス上の氷と雪とを溶かす際に有用である。
【0003】
ワイヤ加熱フロントガラスでは、フロントガラスプライの間に細い導電ワイヤが配置されている。ワイヤは、ワイヤに直流(DC)電気を供給する従来の車両の交流発電機の出力に接続されている。ワイヤは、フロントガラスに5〜7ワット/平方デシメートル(W/dm)の電力密度を提供できるだけの十分低い抵抗を有する。
【0004】
しかし、ワイヤ加熱フロントガラスの問題は、ワイヤが車両の乗員から見えることである。これらのワイヤの存在は審美的に望ましくなく、フロントガラスを通した視認性を妨げる場合がある。ワイヤ径を低減させてワイヤの視認性を抑えるようにすると、ワイヤの数を増やして所望の電力密度を維持しなければならない。ワイヤの数を増やすとフロントガラスの総透過太陽光エネルギー(TSET)が悪いほうに低下する。
【0005】
この問題に対処すべく、いくつかの加熱フロントガラスは、フロントガラスを加熱するワイヤの代わりに透明な導電被膜を使用する。これらの周知の透明な被膜はワイヤの使用に関連する審美上及び視認性の問題を克服するが、これらの被膜によって加熱されたフロントガラスには欠点もある。例えば、従来の加熱フロントガラス被膜は、通常2オーム/スクエア(Ω/□)以上のシート抵抗を有する。従来の車両の交流発電機(14ボルト(v)DC;80アンペア;1,120ワット)は、着氷防止に十分な温度までフロントガラスを加熱するのに十分な電圧を提供しない。従って、導線ではなく導電被膜を使用する車両の場合、車両を改造して利用可能なDC電圧を増加させなければならない。これを実行する1つの方法は、従来の交流発電機を42VDC(2,500W〜5,000W)の交流発電機などのより多くの直流出力を供給する交流発電機と交換する方法である。この問題に対処する別の方法は、従来の14VDC交流発電機を維持しつつ、フロントガラスを市場で許容されるレベルにまで加熱するのに十分なレベル、例えば、42VDCまで交流発電機からの直流電圧を昇圧するDC−DC変換器を追加する方法である。
【0006】
しかし、従来の交流発電機を交換する、又はDC−DC変換器を追加することで車両の電気システムのコストと複雑さとが増加する。
【0007】
別の解決策は、被膜をいくつかの電気的に孤立した区画に分割し、各々の個別の区画にDC電力を供給することである。
【0008】
従って、従来の加熱可能なトランスペアレンシに関連付けられた問題の少なくとも一部を低減又は解消する車両用積層トランスペアレンシなどのトランスペアレンシを提供することが望ましい。
刷することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,820,902号
【特許文献2】米国特許第5,028,759号
【特許文献3】米国特許第5,653,903号
【特許文献4】米国特許第4,466,562号
【特許文献5】米国特許第4,671,155号
【特許文献6】米国特許第4,746,347号
【特許文献7】米国特許第4,792,536号
【特許文献8】米国特許第5,030,593号
【特許文献9】米国特許第5,030,594号
【特許文献10】米国特許第5,240,886号
【特許文献11】米国特許第5,385,872号
【特許文献12】米国特許第5,393,593号
【特許文献14】米国特許第4,287,107号
【特許文献15】米国特許第3,762,988号
【特許文献16】米国特許第5,796,055号
【特許文献17】米国特許第5,653,903号
【特許文献18】米国特許第5,028,759号
【特許文献19】米国特許第4,898,789号
【特許文献20】米国特許第5,821,001号
【特許文献21】米国特許第4,716,086号
【特許文献22】米国特許第4,610,771号
【特許文献23】米国特許第4,902,580号
【特許文献24】米国特許第4,716,086号
【特許文献25】米国特許第4,806,220号
【特許文献26】米国特許第4,898,790号
【特許文献27】米国特許第4,834,857号
【特許文献28】米国特許第4,948,677号
【特許文献29】米国特許第5,059,295号
【特許文献30】米国特許第5,028,759号
【特許文献31】米国特許出願第09/058,440号
【特許文献32】米国特許第4,952,423号
【特許文献33】米国特許第4,504,109号
【特許文献34】英国参考文献GB2302102号
【特許文献35】米国特許出願第10/364,089号(公開番号第2003/0180547A1)
【特許文献36】米国特許第4,379,040号
【特許文献37】米国特許第4,861,669号
【特許文献38】米国特許第4,898,789号
【特許文献39】米国特許第4,898,790号
【特許文献40】米国特許第4,900,633号
【特許文献41】米国特許第4,920,006号
【特許文献42】米国特許第4,938,857号
【特許文献43】米国特許第5,328,768号
【特許文献44】米国特許第5,492,750号
【特許文献45】米国特許第5,821,001号
【特許文献46】米国特許第4,898,789号
【特許文献47】米国特許第4,898,790号
【特許文献48】米国特許出願第10/007,382号
【特許文献49】米国特許出願第10/133,805号
【特許文献50】米国特許出願第10/397,001号
【特許文献51】米国特許出願第10/422,094号
【特許文献52】米国特許出願第10/422,095号
【特許文献53】米国特許出願第10/422,096号
【特許文献54】米国特許第6,265,076号
【特許文献55】米国特許第6,570,709号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
加熱可能なトランスペアレンシは、基板と、基板の少なくとも一部分の上に形成された導電被膜とを含む。電源は導電被膜に接触している。電源は、導電被膜に交流(AC)を供給するように構成されている。
【0011】
本発明の加熱可能な車両用トランスペアレンシは、第1表面及び第2表面を有する第1のガラスプライと、第3表面及び第4表面を有する第2のガラスプライとを備え、第2表面が第3表面に対向している。第2又は第3表面の少なくとも一部分の上に導電被膜が形成されている。導電被膜に交流電流を供給するように構成されている電源が、導電被膜に接触している。
【0012】
別の加熱可能な車両用トランスペアレンシは、第1表面及び第2表面を有する第1のガラスプライと、第3表面及び第4表面を有する第2のガラスプライとを備え、第2表面が第3表面に対向している。第2又は第3表面の少なくとも一部分の上に、少なくとも3つの金属銀の層を含む導電被膜が形成されている。電源が、導電被膜に接触して導電被膜にAC電力を供給している。電源は、AC電力を生成する少なくとも1つのコイルを備える交流発電機を備える。導電被膜は、少なくとも1つのコイルと電気的に接触している。変圧器は、少なくとも1つのコイル及び導電被膜に接触している。
【0013】
導電被膜を有する車両用トランスペアレンシを加熱する方法は、基板の少なくとも一部分の上に形成された導電被膜を有する基板を提供するステップと、導電被膜をAC電源に接続するステップとを含む。一実施形態においては、AC電源は、AC電力を生成する少なくとも1つのコイルを備える交流発電機を備え、導電被膜は少なくとも1つのコイルと電気的に接触している。
【0014】
以下、類似の参照符号が一貫して類似の部分を示す以下の図面を参照しながら、本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の特徴を組み込んだ加熱可能なフロントガラスの概略図(正確な縮尺図ではない)である。
【図2】図1の線II−IIに沿ったフロントガラスの展開図(正確な縮尺図ではない)である。
【図3】本発明に適した非限定的な導電被膜の断面図(正確な縮尺図ではない)である。
【図4】本発明に適した非限定的な反射防止被膜の断面図(正確な縮尺図ではない)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書で使用する「左の」、「右の」、「内側の」、「外側の」、「上の」、「下の」などの空間又は方向を示す用語は、図面に示す本発明に関する。しかし、本発明は様々な代替の向きを向くことができ、従って、そのような用語は限定的なものと解釈すべきではないことを理解されたい。さらに、本明細書における明細書及び特許請求の範囲で使用する寸法、物理的特性、処理パラメータ、コンポーネントの数量、反応条件などを表すすべての数は、「約」という用語によってすべての例で変更されているということを理解されたい。従って、そうでないことが明示されない限り、以下の明細書及び特許請求の範囲に記載する数値は本発明が得ようとする所望の特性に応じて変化することがある。少なくとも、また特許請求の範囲の等価物の理論の適用を限定することなく、各々の数値は少なくとも記載された有効けたの数に照らし、また通常の丸め技法を適用することによって解釈すべきである。さらに、本明細書に開示したすべての範囲は、開始及び終了範囲値及びその内部に包含される任意及びすべてのサブレンジを包含する。例えば、「1から10」と記載された範囲は最小値1と最大値10との間の(且つ両者を含む)サブレンジ、すなわち、最小値1以上で開始し最大値10以下で終了する、例えば、1〜3.3、4.7〜7.5、5.5〜10などのすべてのサブレンジを包含すると解釈すべきである。さらに、本明細書で使用する「の上に形成された」、「の上に付着した」又は「の上に提供された」という用語は、表面の上に形成され、付着し、又は提供されているが必ずしも表面と接触していないということを意味する。例えば、基板の「の上に形成された」被膜層は、形成された被膜層と基板との間に位置する同じ又は別の組成の1つ又は複数の他の被膜層又は膜の存在を除外しない。本明細書で使用する「ポリマー」又は「ポリマーの」という用語は、オリゴマー、ホモポリマー、コポリマー、及び2つ以上の種類のモノマー又はポリマーから形成されるポリマーなどのターポリマーを含む。「可視領域」又は「可視光」という用語は、380nmから800nmの範囲内の波長を有する電磁放射を指す。「赤外領域」又は「赤外線」という用語は、800nmより大きく100,000nm以下の範囲内の波長を有する電磁放射を指す。「紫外領域」又は「紫外線」という用語は、300nm以上380nm未満の範囲内の波長を有する電磁エネルギーを意味する。さらに、これに限定はされないが、本明細書で参照する発行済みの特許及び特許出願などのすべての文書はその全体が「参照によって組み込まれた」と考えるべきである。「可視光透過率」及び「主波長」の値は、従来の方法を用いて決定された値である。測定されたガラス試料の実際の厚さは標準の厚さとは異なるにせよ、可視光透過率及び主波長などの特性は同等の標準の厚さ、例えば、5.5mmで計算できることは当業者には明らかであろう。
【0017】
以下の説明のために、本発明を車両用「トランスペアレンシ」での使用に関して説明する。本明細書で使用する「車両用トランスペアレンシ」という用語は、これに限定はされないが、二、三挙げるならば、フロントガラス、サイドライト、バックライト、サンルーフ、及びムーンルーフなどの車内から外が見えるように設計された任意の車両の構造体を指す。しかし、本発明は車両用トランスペアレンシでの使用に限定されず、これに限定はされないが、積層又は非積層住居用及び/又は商業用の窓、断熱ガラスユニット、及び/又は陸上、空中、宇宙、水上及び水中車両用トランスペアレンシなどの任意の所望の分野のトランスペアレンシで実施することができる。従って、具体的に開示された例示的実施形態は本発明の一般概念を説明するためだけに提示されたものであり、また本発明はこれらの具体的な例示的実施形態に限定されないことを理解されたい。さらに、通常の車両用「トランスペアレンシ」はトランスペアレンシを通して物が見えるように十分な可視光透過率を有することができる一方、本発明の実施では、「トランスペアレンシ」は可視光を透過しなくてもよく、半透明又は不透明であってもよい(以下に説明する)。車両フロントガラス及び車両フロントガラスを作成する方法の非限定的な例は、米国特許第4,820,902号、第5,028,759号、及び第5,653,903号に記載されている。
【0018】
本発明の特徴を組み込んだ非限定的な加熱可能なトランスペアレンシ10(例えば、自動車のフロントガラス)を図1及び図2に示す。トランスペアレンシ10は、任意の所望の可視光、赤外線、又は紫外線の透過率及び反射率を有することができる。例えば、トランスペアレンシ10は、任意の所望の量、例えば、0%より大きく100%以下、例えば、70%を超える可視光透過率を有することができる。米国でのフロントガラス及び前方サイドライト領域について言えば、可視光透過率は通常70%以上である。後部座席サイドライト及びリヤウインドウなどのプライバシー領域の場合、可視光透過率はフロントガラスと比べて小さく、例えば、70%未満である。
【0019】
図2で最も良く分かるように、トランスペアレンシ10は、車両の外部に面した第1の主表面、すなわち、外側主表面14(第1表面)とそれに対向する第2の又は内側主表面16(第2表面)とを備えた第1のプライ12を含む。また、トランスペアレンシ10は、外側の(第1の)主表面20(第3表面)と内側の(第2の)主表面22(第4表面)とを有する第2のプライ18を含む。プライの各表面のこの番号は、自動車の技術分野の慣例に従っている。第1及び第2のプライ12、18は、従来の中間層24を用いるなど任意の好適な方法で接着することができる。必要ではないが、ラミネーション中及び/又はラミネーション後に任意の所望の方法で従来のエッジシーラント(図示せず)を積層トランスペアレンシ10の外周に塗布することができる。セラミックバンドなどの不透明、半透明又は着色シェードバンド26(図2に示す)などの飾りバンドを、例えば、第1のプライ12の内側主表面16の外周などの、プライ12,18のうちの少なくとも1つの表面に提供してもよい。第2表面16又は第3表面20の上などの、プライ12、18の1つの少なくとも一部分の上に導電被膜30が形成されている。必要ではないが、非限定的な一実施形態においては、第4表面22の上などの、表面の少なくとも1つの上に反射防止被膜32が形成されている。バスバーアセンブリ36(図1)は、導電被膜30と電気的に接触している。バスバーアセンブリ36は、電源38(図1)にも接続されている。これについては以下に詳述する。本発明の実施にあたっては、電源38は交流(AC)電源である。従って、本発明の実施にあたっては、直流でなく交流を用いてトランスペアレンシ10に給電する。
【0020】
本発明の一般的な実施においては、トランスペアレンシ10のプライ12、18は、同じ材料でも違う材料でもよい。プライ12、18は、任意の所望の特性を有する任意の所望の材料を含んでいてもよい。例えば、プライ12、18の1つ又は複数は可視光に対して透明でも半透明でもよい。「透明」とは、0%より大きく100%以下の可視光透過率を有するという意味である。別の方法としては、プライ12、18の1つ又は複数は半透明であってもよい。「半透明」とは、電磁エネルギー(例えば、可視光)が通過できるがこのエネルギーを拡散させて観察者の反対側のオブジェクトがはっきりと見えないという意味である。好適な材料の例は、これに限定はされないが、プラスチック製基板(ポリアクリレートなどのアクリルポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレートなどのポリアルキルメタクリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキルテレフタレート、ポリシロキサン含有ポリマー、又はこれらを作成するための任意のモノマーからなるコポリマー、又はそれらのいずれかの混合物)、セラミック基板、ガラス基板、又は上記のいずれかの混合物又は組合せを含む。例えば、プライ12、18の1つ又は複数は、従来のソーダライムケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラス、又は鉛ガラスを含んでいてもよい。ガラスは、透明ガラスであってもよい。「透明ガラス」とは、無彩色ガラス又は無着色ガラスを意味する。別の方法としては、ガラスは、彩色又はそれ以外の着色ガラスであってもよい。ガラスは、焼きなまし又は熱処理ガラスであってもよい。本明細書で使用する「熱処理」という用語は、強化された、又は少なくとも部分的に強化されたという意味である。ガラスは従来のフロートガラスなどの任意のタイプでよく、任意の光学特性、例えば、任意の値の可視光透過率、紫外線透過率、赤外線透過率、及び/又は総太陽光エネルギー透過率を有する任意の組成であってもよい。「フロートガラス」とは、溶融ガラスが溶融金属浴に付着し、制御可能に冷却されてフロートガラスリボンを形成する従来のフロート工程で形成されるガラスを意味する。次いでリボンは適宜切断され、及び/又は整形され、及び/又は熱処理される。フロートガラス工程の例は、米国特許第4,466,562号及び第4,671,155号に記載されている。第1及び第2のプライ12、18は、各々、例えば、透明なフロートガラスであってもよく、又は彩色又はそれ以外の着色ガラスであってもよく、別の方法としては、一方のプライ12、18は透明ガラスで、他方のプライ12、18は着色ガラスであってもよい。本発明を限定はしないが、第1のプライ12及び/又は第2のプライ18に適したガラスの例は、米国特許第4,746,347号、第4,792,536号、第5,030,593号、第5,030,594号、第5,240,886号、第5,385,872号、及び第5,393,593号に記載されている。第1及び第2のプライ12、18は、任意の所望の寸法、例えば、長さ、幅、形状、又は厚さでよい。1つの例示的な自動車用トランスペアレンシでは、第1及び第2のプライは、各々厚さが1mm〜10mm、例えば、1mm〜5mm、1.5mm〜2.5mm、又は1.8mm〜2.3mmであってもよい。第1のプライ12及び/又は第2のプライ18のガラス組成は、0重量%を超え1.0重量%以下、例えば、0.1重量%〜0.6重量%の範囲内の総鉄含有量及び/又は0.2〜0.6の範囲内の酸化還元率を有していてもよい。
【0021】
非限定的な一実施形態においては、プライ12、18の一方又は両方は、550ナノメートル(nm)の基準波長で高い可視光透過率を有していてもよい。「高い可視光透過率」とは、2mm〜25mmのシートの厚さを有するガラスについての等価厚さが5.5mmにおいて、波長が550nmで85%以上、例えば、87%以上、90%以上、91%以上、92%以上、の可視光透過率を意味する。本発明の実施で特に有用なガラスは、米国特許第5,030,593号及び第5,030,594号に記載され、PPG Industries,Inc.社からStarphire(登録商標)の商標で市販されている。
【0022】
中間層24は任意の所望の材料から構成されていてもよく、1つ又は複数の層又はプライを含んでいてもよい。中間層24は、例えば、ポリビニルブチラール、可塑化ポリ塩化ビニル又はポリエチレンテレフタレートなどを含む多層熱可塑材料などのポリマー又はプラスチック材料であってもよい。好適な中間層材料は、例えば、非限定的に、米国特許第4,287,107号及び第3,762,988号に記載されている。中間層24は第1及び第2のプライ12、18を接着し、エネルギー吸収を提供し、雑音を低減し、積層構造体の強度を増加させる。中間層24は、例えば、米国特許第5,796,055号に記載された吸音又は消音材料であってもよい。中間層24はその上に提供された、又はその内部に組み込まれた太陽光制御被膜を有していてもよく、又は太陽光エネルギー透過率を低減する着色材料を含んでいてもよい。
【0023】
被膜30は、導電被膜で、ガラスプライ12、18の1つの主表面の少なくとも一部分の上、例えば、外側ガラスプライ12(図2)の内面16上又は内ガラスプライ18の外面20上に付着する。非限定的な一実施形態においては、導電被膜30は、ガラスプライ12、18の1つの少なくとも一部分上に順次塗布された誘電層の対の間に配置された1つ又は複数の金属膜を含んでいてもよい。導電被膜30は熱及び/又は放射反射被膜であってもよく、同じ又は異なる組成の1つ又は複数の被膜層又は被膜を有していてもよい。本明細書で使用する「膜」という用語は、所望の又は選択された被膜組成の被膜領域を指す。「層」は、1つ又は複数の「膜」を含んでいてもよく、「被膜」又は「被膜スタック」は1つ又は複数の「層」を含んでいてもよい。例えば、導電被膜30は、単一層の被膜又は多層被膜でよく、1つ又は複数の金属、非金属、半金属、半導体及び/又はそれらの合金、複合物、組成物、組合せ、又は混合物を含んでいてもよい。導電被膜30は、例えば、単一層金属酸化物被膜、多層金属酸化物被膜、非金属酸化物被膜、金属窒化物又は酸窒化物被膜、非金属窒化物又は酸窒化物被膜、又は上記材料のいずれかの1つ以上を含む多層被膜であってもよい。非限定的な一実施形態においては、被膜30はドープ金属酸化物被膜であってもよい。
【0024】
被膜30は、機能性被膜であってもよい。本明細書で使用する「機能性被膜」という用語は、それが付着する基板の1つ又は複数の物理的特性、例えば、光学、熱、化学又は機械特性を変更する被膜を指し、その後の処理で基板から完全に除去されることを意図していない。導電被膜30は、同じ又は異なる組成又は機能の1つ又は複数の機能性被膜層又は被膜を有していてもよい。
【0025】
導電被膜30は、例えば、米国特許第5,653,903号及び第5,028,759号に開示された加熱可能なウインドウを作成するための導電被膜、又はアンテナとして使用される単一膜又は多膜被膜であってもよい。同様に、導電被膜は、導電太陽光制御被膜であってもよい。本明細書で使用する「太陽光制御被膜」という用語は、これに限定はされないが、コーティングされた物品に反射し、吸収され、又は通過する太陽光放射、例えば、可視光、赤外線又は紫外線の量、遮蔽係数、放射率などのコーティングされた物品の太陽光特性に影響する1つ又は複数の層又は膜からなる被膜を指す。太陽光制御被膜は、太陽スペクトルの選択された部分、例えば、これに限定はされないが、IR、UV、及び/又は可視スペクトルを阻止、吸収、又は濾波することができる。本発明を実施する際に使用可能な太陽光制御被膜の例は、例えば、限定的と解釈してはならないが、米国特許第4,898,789号、第5,821,001号、第4,716,086号、第4,610,771号、第4,902,580号、第4,716,086号、第4,806,220号、第4,898,790号、第4,834,857号、第4,948,677号、第5,059,295号、及び第5,028,759号、並びに米国特許出願第09/058,440号に記載されている。
【0026】
導電被膜30は、また、可視光波長エネルギーが被膜を透過するがより長い波長の太陽光赤外線エネルギーを反射する導電低放射率被膜であってもよい。「低放射率」とは、0.4未満、例えば0.3未満、例えば0.2未満、例えば0.1未満、例として0.05以下の放射率を意味する。低放射率被膜の例は、例えば、米国特許第4,952,423号及び第4,504,109号並びに英国参考文献GB2302102号に記載されている。
【0027】
本発明で使用するのに好適な導電被膜30の非限定的な例は、ペンシルバニア州ピッツバーグのPPG Industries,Inc.からSUNGATE(登録商標)及びSOLARBAN(登録商標)ファミリの被膜の商品名で市販されている。そのような被膜は、通常、可視光を透過させる金属酸化物又は金属合金酸化物などの誘電又は反射防止材料を含む1つ又は複数の反射防止被膜を含む。導電被膜30は、また、反射金属、例えば、金、銅又は銀などの貴金属あるいはそれらの組合せ又は合金を含む1つ又は複数の赤外線反射膜を含んでいてもよく、さらに、金属反射層の上及び/又は下に位置する当技術分野で知られているチタンなどの下塗膜又は遮断膜を含んでいてもよい。導電被膜30は、これに限定はされないが、例えば、1つから5つの赤外線反射膜などの任意の所望の数の赤外線反射膜を有することができる。非限定的な一実施形態においては、被膜30は、1つ又は複数の銀の層、例えば、2つ以上の銀の層、例えば、3つ以上の銀の層、例えば、5つ以上の銀の層を有することができる。3つの銀の層を有する好適な被膜の非限定的な例が米国特許出願第10/364,089号(公開番号第2003/0180547A1)に開示されている。
【0028】
導電被膜30は、これに限定はされないが、従来の化学蒸着(CVD)及び/又は物理蒸着(PVD)法などの任意の従来の方法によって付着させることができる。CVD工程の例はスプレー熱分解を含む。PVD工程の例は、電子ビーム蒸着及び真空スパッタリング(マグネトロンスパッタリング蒸着(MSVD)など)を含む。これに限定はされないが、ゾル−ゲル蒸着などの別のコーティング方法も使用することができる。非限定的な一実施形態においては、導電被膜30は、MSVDによって付着させることができる。MSVDコーティングの装置及び方法の例は当業者には明らかであり、例えば、米国特許第4,379,040号、第4,861,669号、第4,898,789号、第4,898,790号、第4,900,633号、第4,920,006号、第4,938,857号、第5,328,768号、及び第5,492,750号に記載されている。
【0029】
本発明に適した例示の非限定的な被膜30を図3に示す。例示的な被膜30は、基板の主表面の少なくとも一部分(例えば、第1のプライ12の第2表面16)上に付着した基層又は第1の誘電層40を含む。第1の誘電層40は、これに限定はされないが、金属酸化物、金属合金酸化物、窒化物、酸窒化物、又はそれらの混合物などの反射防止材料及び/又は誘電材料の1つ又は複数の膜を含んでいてもよい。第1の誘電層40は可視光を透過してもよい。第1の誘電層40の好適な金属酸化物の例は、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオビウム、酸化亜鉛、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化インジウム、酸化すず及びそれらの混合物を含む。これらの金属酸化物は少量の他の物質、例えば、酸化ビスマス中のマンガン、酸化インジウム中のすずなどを有していてもよい。さらに、亜鉛とすずとを含む酸化物(例えばすず酸亜鉛)、酸化インジウム−すず合金、酸窒化シリコン、酸窒化シリコンアルミニウム、又は酸窒化アルミニウムなどの金属合金又は金属混合物の酸化物も使用することができる。さらに、アンチモン又はインジウムドープ酸化すずあるいはニッケル又はボロンドープ酸化シリコンなどのドープ金属酸化物も使用することができる。第1の誘電層40は、金属合金酸化物膜、例えばすず酸亜鉛などのほぼ単相の膜であってもよく、又は亜鉛及びすず酸化物から構成された位相の混合物であってもよく、又は米国特許第5,821,001号、第4,898,789号、及び第4,898,790号に開示されたような複数の金属酸化物膜から構成されていてもよい。
【0030】
図3に示す例示的実施形態の図では、第1の誘電層40は、第1の膜42、例えば、第1のプライ12の内側主表面16の少なくとも一部分上に付着した金属合金酸化物膜と、第2の膜44、例えば、第1の金属合金酸化物膜42上に付着した金属酸化物又は酸化混合物膜とを有する多膜構造を含んでいてもよい。非限定的な一実施形態においては、第1の膜42は酸化亜鉛/すず合金でよい。酸化亜鉛/すず合金は、マグネトロンスパッタリング真空蒸着で、10重量%から90重量%の亜鉛と90重量%から10重量%のすずの割合を含む亜鉛とすずの陰極から得た酸化亜鉛/すず合金である。第1の膜42内に存在することができる1つの好適な金属合金酸化物はすず酸亜鉛である。「すず酸亜鉛」は、ZnSn1−x2−x(式1)(ただし、「x」は0より大きく1未満の範囲内で変化する)の組成を意味する。例えば、「x」は0より大きく、0より大きく1未満の任意の分数又は小数であってもよい。例えば、x=2/3の場合、式1はZn2/3Sn1/34/3であり、より一般的には、「ZnSnO」と表記される。すず酸亜鉛含有膜は、膜内に圧倒的な量の式1の1つ又は複数の形態を有する。非限定的な一実施形態においては、第1の膜42はすず酸亜鉛を含み、100Å〜500Åの範囲内、例えば、150Å〜400Å、例えば、200Å〜300Å、例えば、260Åの厚さを有する。
【0031】
第2の膜44は、酸化亜鉛などの亜鉛含有膜であってもよい。酸化亜鉛膜は、陰極のスパッタリング特性を改善するために他の物質を含む亜鉛陰極から付着させることができる。例えば、亜鉛陰極は、スパッタリングを改善するために少量の(例えば、10重量%未満の、例えば、0を超え5重量%以下の)すずを含んでいてもよい。その場合、結果として得られる酸化亜鉛膜は、わずかなパーセンテージの酸化すず、例えば、0以上10重量%未満の酸化すず、例えば、0以上5重量%以下の酸化すずを含む。95パーセントの亜鉛と5パーセントのすずを有する亜鉛/すず陰極からスパッタリングされた酸化物層は、本明細書ではZn0.95Sn0.051.05と表記され、酸化亜鉛膜と呼ばれる。陰極内の少量の(例えば、10重量%未満の)すずは、圧倒的に酸化亜鉛を含有する第2の膜44内に少量の酸化すずを形成すると考えられている。第2の膜44は、50Å〜200Åの範囲内、例えば、75Å〜150Å、例えば、100Åの厚さを有していてもよい。第1の膜42がすず酸亜鉛で第2の膜44が酸化亜鉛(Zn0.95Sn0.051.05)である非限定的な一実施形態においては、第1の誘電層40は1,000Å以下、例えば、500Å以下、例えば300Å〜450Å、例えば、350Å〜425Å、例えば、400Åの総計厚さを有していてもよい。
【0032】
第1の熱及び/又は放射反射膜又は層46を第1の誘電層40上に付着させることができる。第1の反射層46は、これに限定はされないが、例えば、金属金、金属銅、金属銀、又は混合物、合金、又はこれらの組合せなどの反射性金属を含んでいてもよい。一実施形態においては、第1の反射層46は、25Å〜300Åの範囲内、例えば、例えば、50Å〜300Å、例えば、50Å〜200Å、例えば、70Å〜150Å、例えば、100Å〜150Å、例えば、130Åの厚さを有する金属銀層を含んでいてもよい。
【0033】
第1の下塗膜48を第1の反射層46上に付着させることができる。第1の下塗膜48は、スパッタリング工程又はその後の加熱工程での第1の反射層46の劣化又は酸化を防止するために蒸着工程で犠牲になるチタンなどの酸素捕捉材料であってもよい。第1の反射層46の材料の前に酸化する酸素捕捉材料を選択してもよい。第1の下塗膜48としてチタンを使用する場合、チタンは、下地の銀の層の酸化より前に二酸化チタンを優先的に酸化させる。一実施形態においては、第1の下塗膜48は、5Å〜50Åの範囲内、例えば、10Å〜40Å、例えば、15Å〜25Å、例えば、20Åの厚さを有するチタンである。
【0034】
オプションの第2の誘電層50を第1の反射層46の上に(例えば、第1の下塗膜48の上に)付着させることができる。第2の誘電層50は、第1の誘電層に関連して前述したような1つ又は複数の金属酸化物又は金属合金酸化物含有膜を含んでいてもよい。図示の非限定的な実施形態においては、第2の誘電層50は第1の下塗膜48の上に付着した第1の金属酸化物膜52、例えば、酸化亜鉛(Zn0.95Sn0.051.05)膜を含む。第2の金属合金酸化物膜54、例えば、すず酸亜鉛(ZnSnO)膜を第1の酸化亜鉛(Zn0.95Sn0.051.05)膜52の上に付着させることができる。第3の金属酸化物膜56、例えば、別の酸化亜鉛/すず層(Zn0.95Sn0.051.05)をすず酸亜鉛層の上に付着させて多膜の第2の誘電層50を形成することができる。非限定的な一実施形態においては、第2の誘電層50の酸化亜鉛(Zn0.95Sn0.051.05)膜52、56は、各々、約50Å〜200Åの範囲内、例えば、75Å〜150Å、例えば、100Åの厚さを有していてもよい。金属合金酸化物層(すず酸亜鉛)54は、100Å〜800Åの範囲内、例えば、200Å〜700Å、例えば、300Å〜600Å、例えば、550Å〜600Åの厚さを有していてもよい。
【0035】
オプションの第2の熱及び/又は放射反射層58を第2の誘電層50の上に付着させることができる。第2の反射層58は、第1の反射層46に関連して上述した任意の1つ又は複数の反射材料を含んでいてもよい。非限定的な一実施形態においては、第2の反射層58は、25Å〜200Åの範囲内、例えば、50Å〜150Å、例えば、80Å〜150Å、例えば、100Å〜150Å、例えば、130Åの厚さを有する銀を含む。別の非限定的な実施形態においては、この第2の反射層58は、第1及び/又は第3の反射層(第3の反射層については後述する)よりも厚くてもよい。
【0036】
オプションの第2の下塗膜60を第2の反射層58の上に付着させることができる。第2の下塗膜60は、第1の下塗膜48に関連して上述した任意の材料から構成されていてもよい。非限定的な一実施形態においては、第2の下塗膜は、約5Å〜50Åの範囲内、例えば、10Å〜25Å、例えば、15Å〜25Å、例えば、20Åの厚さを有するチタンを含む。
【0037】
オプションの第3の誘電層62を第2の反射層58の上に(例えば、第2の下塗膜60の上に)付着させることができる。第3の誘電層62も、第1及び第2の誘電層40、50に関連して前述したような1つ又は複数の金属酸化物又は金属合金酸化物含有層を含んでいてもよい。非限定的な一実施形態においては、第3の誘電層62は、第2の誘電層50と同様の多膜層である。例えば、第3の誘電層62は、第1の金属酸化物層64、例えば、酸化亜鉛(Zn0.95Sn0.051.05)層、酸化亜鉛層64の上に付着した第2の金属合金酸化物含有層66、例えば、すず酸亜鉛層(ZnSnO)、及びすず酸亜鉛層66の上に付着した第3の金属酸化物層68、例えば、別の酸化亜鉛(Zn0.95Sn0.051.05)層を含んでいてもよい。非限定的な一実施形態においては、酸化亜鉛層64、68は、50Å〜200Åの範囲内、例えば、75Å〜150Å、例えば、100Åの厚さを有していてもよい。金属合金酸化物層66は、100Å〜800Åの範囲内、例えば、200Å〜700Å、例えば、300Å〜600Å、例えば、550Å〜600Åの厚さを有していてもよい。
【0038】
非限定的な一実施形態においては、第2の誘電層50及び第3の誘電層62は、互いの10%以内、例えば、5%以内、例えば、互いの2%〜3%以内の厚さを有する。
【0039】
被膜30は、第3の誘電層62の上に付着したオプションの第3の熱及び/又は放射反射層70をさらに含んでいてもよい。第3の反射層70は、第1及び第2の反射層に関連して上述した任意の材料から構成されていてもよい。非限定的な一実施形態においては、第3の反射層70は銀を含み、25Å〜300Åの範囲内、例えば、50Å〜300Å、例えば、50Å〜200Å、例えば、70Å〜150Å、例えば、100Å〜150Å、例えば、120Åの厚さを有する。本発明の非限定的な一態様では、第1の反射層46及び第3の反射層70は、互いの10%以内、例えば、5%以内、例えば、互いの2%〜3%以内の厚さを有する。
【0040】
オプションの第3の下塗膜72を第3の反射層70の上に付着させることができる。第3の下塗膜72は、第1又は第2の下塗膜に関連して上述した任意の材料から構成されていてもよい。非限定的な一実施形態においては、第3の下塗膜はチタンであり、5Å〜50Åの範囲内、例えば、10Å〜25Å、例えば、20Åの厚さを有する。
【0041】
オプションの第4の誘電層74を第3の反射層の上に(例えば、第3の下塗膜72の上に)付着させることができる。第4の誘電層74は、第1、第2又は第3の誘電層40、50、62に関連して前述したような1つ又は複数の金属酸化物又は金属合金酸化物含有層からなっていてもよい。非限定的な一実施形態においては、第4の誘電層74は、第3の下塗膜72の上に付着した第1の金属酸化物層76、例えば、酸化亜鉛(Zn0.95Sn0.051.05)層、及び酸化亜鉛層76の上に付着した第2の金属合金酸化物層78、例えば、すず酸亜鉛層(ZnSnO)を有する多膜層である。酸化亜鉛層76は、25Å〜200Åの範囲内、例えば、50Å〜150Å、例えば、100Åの厚さを有していてもよい。すず酸亜鉛層78は、25Å〜500Åの範囲内、例えば、50Å〜500Å、例えば、100Å〜400Å、例えば、200Å〜300Å、例えば、260Åの厚さを有していてもよい。
【0042】
被膜30は、適宜、誘電層/反射金属層/下塗層単位の追加のグループを含んでいてもよい。非限定的な一実施形態においては、被膜30は、最大5つの反射防止金属層、例えば、最大5つの銀の層を含んでいてもよい。
【0043】
本発明の非限定的な一実施形態においては、被膜30は、被膜が従来の車両の交流発電機、例えば、80アンペアと14ボルトを生成する従来の交流発電機に電気的に接触している時に、24インチ〜30インチ(60〜75cm)の範囲内のバスバー間の距離D(図1を参照)で2〜10ワット/平方デシメートル(W/dm)、例えば、4〜8W/dm、例えば、5〜6W/dmの電力密度を提供できるように構成され又は寸法を有している。そのような電力密度は、基板10の外面14に接触した氷を溶融するのに十分である。米国の視覚パネル(フロントガラスなどの)の場合、トランスペアレンシは、また、70%以上、例えば、71%以上の可視光透過率を有していなければならない。当業者には明らかなように、十分な導電率と十分な透過率を有する被膜を提供するためにいくつかの異なる競合する要因の平衡をとらなければならない。例えば、バスバーの間の距離Dが増加するにつれて(すなわち、トランスペアレンシが上から下へ広がるにつれて)、バスバー間の距離が増加する。バスバー間の抵抗が増加するにつれて、電力密度が減少する。バスバー間の抵抗が増加する際に電力密度を維持するために、被膜の抵抗率を減少させなければならない。抵抗率を減少させる1つの方法は、銀の層の1つ又は複数の厚さを増加させること及び/又は銀の層の数を増加させることである。本発明の非限定的な一実施態様では、銀の層の厚さ及び/又は数は、0.6〜1.7Ω/□、例えば、0.8〜1.3Ω/□、例えば、0.9〜1.1Ω/□の被膜の総抵抗率を生むように構成されている。しかし、これも当業者には明らかなように、銀の層の数又は厚さが増加するにつれて、可視光透過率は減少する。フロントガラスなどの車の前方視覚領域では、銀の層の厚さ及び/又は数を、視覚領域の可視光透過率が約70%を下回るポイントまで増加させてはならない。
【0044】
例えば、図3に示す非限定的な一実施形態においては、被膜30は、オプションの第4の誘電層74(ある場合)の上に付着されて反射防止層などの下地層を処理の間の機械的及び化学的攻撃から保護する手助けをする保護被膜80を含んでいてもよい。保護被膜80は、例えば加熱又は曲げ処理中に周囲酸素が被膜30の下地層を通過するのを防止又は低減するための酸素遮断被膜層であってもよい。保護被膜80は、任意の所望の材料又は材料の混合物から構成されていてもよい。例示的実施形態では、保護被膜80は、1つ又は複数の金属酸化物材料、例えば、これに限定はされないが、酸化アルミニウム、酸化シリコン、又はそれらの混合物を有する層を含んでいてもよい。例えば、保護被膜80は、0重量%〜100重量%のアルミナ及び/又は100重量%〜0重量%の範囲のシリカ、例えば、5重量%〜95重量%のアルミナ及び95重量%〜5重量%のシリカ、例えば、10重量%〜90重量%のアルミナ及び90重量%〜10重量%のシリカ、例えば、15重量%〜90重量%のアルミナ及び85重量%〜10重量%のシリカ、例えば、50重量%〜75重量%のアルミナ及び50重量%〜25重量%のシリカ、例えば、50重量%〜70重量%のアルミナ及び50重量%〜30重量%のシリカ、例えば、35重量%〜100重量%のアルミナ及び65重量%〜0重量%のシリカ、例えば、70重量%〜90重量%のアルミナ及び30重量%〜10重量%のシリカ、例えば、75重量%〜85重量%のアルミナ及び25重量%〜15重量%のシリカ、例えば、88重量%のアルミナ及び12重量%のシリカ、例えば、65重量%〜75重量%のアルミナ及び35重量%〜25重量%のシリカ、例えば、70重量%のアルミナ及び30重量%のシリカ、例えば、60重量%以上75重量%未満のアルミナ及び25重量%を超え40重量%以下のシリカを含む単一被膜層であってもよい。特定の非限定的な一実施形態においては、保護被膜80は、40重量%〜60重量%のアルミナ及び60重量%〜40重量%のシリカを含む。アルミニウム、クロム、ハフニウム、イットリウム、ニッケル、ボロン、リン、チタン、ジルコニウム、及び/又はそれらの酸化物などのその他の材料を使用して例えば保護被膜80の屈折率を調節してもよい。非限定的な一実施形態においては、保護被膜80の屈折率は、1〜3の範囲内、例えば、1〜2、例えば、1.4〜2、例えば、1.4〜1.8であってもよい。
【0045】
非限定的な一実施形態においては、保護被膜80は、シリカとアルミナの被膜との組合せである。保護被膜80は、2つの陰極(例えば、1つがシリコンで1つがアルミニウム)又はシリコンとアルミニウムの両方を含む単一の陰極からスパッタリングできる。酸化シリコン/アルミニウムのこの保護被膜80はSiAl1−x1.5+x/2と表記することができ、xは0より大きく1未満の範囲で変動することができる。
【0046】
別の方法としては、保護被膜80は、別々に形成された金属酸化物層によって形成される多層被膜、例えば、これに限定はされないが、別の金属酸化物含有層(例えば、シリカ及び/又はアルミナ含有の第2の層)の上に形成された1つの金属酸化物含有層(例えば、シリカ及び/又はアルミナ含有の第1の層)によって形成される二分子層であってもよい。多層保護被膜の個別の層は任意の所望の厚さであってもよい。
【0047】
保護被膜は、任意の所望の厚さであってもよい。非限定的な一実施形態においては、保護被膜80は、50Å〜50,000Åの範囲内、例えば、50Å〜10,000Å、例えば、100Å〜1,000Å、例えば、100Å〜500Å、例えば、100Å〜400Å、例えば、200Å〜300Å、例えば、250Åの厚さを有する酸化シリコン/アルミニウム被膜(SiAl1−x1.5+x/2)である。さらに、保護被膜80は、不均一な厚さであってもよい。「不均一な厚さ」とは、保護被膜80の厚さが所与の単位領域にわたって変動することがあるという意味で、例えば保護被膜80は、高い及び低いスポット又は領域を有する。
【0048】
別の非限定的な実施形態においては、保護被膜80は、第1の層と第1の層の上に形成された第2の層とを有することができる。特定の非限定的な一実施形態においては、第1の層は、アルミナ又はアルミナ及びシリカを含む混合物又は合金を含んでいてもよい。例えば、第1の層は、5重量%を超えるアルミナ、例えば、10重量%を超えるアルミナ、例えば、15重量%を超えるアルミナ、例えば、30重量%を超えるアルミナ、例えば、40重量%を超えるアルミナ、例えば、50重量%〜70重量%のアルミナ、例えば、70重量%〜100重量%の範囲内のアルミナ及び30重量%〜0重量%のシリカを有するシリカ/アルミナの混合物を含んでいてもよい。非限定的な一実施形態においては、第1の層は、0Åより大きく1ミクロン以下の範囲内、例えば、50Å〜100Å、例えば、100Å〜250Å、例えば、100Å〜150Åの厚さを有していてもよい。第2の層は、シリカ又はシリカ及びアルミナを含む混合物又は合金を含んでいてもよい。例えば、第2の層は、40重量%を超えるシリカ、例えば、50重量%を超えるシリカ、例えば、60重量%を超えるシリカ、例えば、70重量%を超えるシリカ、例えば、80重量%を超えるシリカ、例えば、80重量%〜90重量%の範囲内のシリカ及び10重量%〜20重量%のアルミナ、例えば、85重量%のシリカ及び15重量%のアルミナを有するシリカ/アルミナの混合物を含んでいてもよい。非限定的な一実施形態においては、第2の層は、0Åより大きく2ミクロン以下の範囲内、例えば、50Å〜5,000Å、例えば、50Å〜2,000Å、例えば、100Å〜1,000Å、例えば、300Å〜500Å、例えば、350Å〜400Åの厚さを有していてもよい。好適な保護被膜の非限定的な例は、例えば、米国特許出願第10/007,382号、第10/133,805号、第10/397,001号、第10/422,094号、第10/422,095号、及び第10/422,096号に記載されている。
【0049】
トランスペアレンシ10は、例えば、第2のプライ18の第4表面22上の反射防止被膜32をさらに含む。非限定的な一実施形態においては、反射防止被膜32は、交互になった屈折率が比較的高い材料の層と低い材料の層とを含む。屈折率が「高い」材料とは、屈折率が「低い」材料よりも高い屈折率を有する任意の材料である。非限定的な一実施形態においては、屈折率が低い材料は、屈折率が1.75以下の材料である。そのような材料の非限定的な例は、シリカ、アルミナ、及びそれらの混合物又は組合せを含む。屈折率が高い材料は、屈折率が1.75を超える材料である。そのような材料の非限定的な例は、ジルコニア及びすず酸亜鉛を含む。反射防止被膜32は、例えば、本発明を限定することなく、第1の金属合金酸化物層86(第1の層)、第2の金属酸化物層88(第2の層)、第3の金属合金酸化物層90(第3の層)、及び金属酸化物の最上層92(第4の層)を有する図4に示す多層被膜であってもよい。非限定的な一実施形態においては、第4の層92は、シリカ又はアルミナあるいはそれらの混合物又は組合せを含む低屈折率の上層である。第3の層90は、すず酸亜鉛又はジルコニアあるいはそれらの混合物又は組合せを含む高屈折率の上層である。第2の層88は、シリカ又はアルミナあるいはそれらの混合物又は組合せを含む低屈折率の下層である。第1の層86は、すず酸亜鉛又はジルコニアあるいはそれらの混合物又は組合せを含む高屈折率の下層である。非限定的な一実施形態においては、最上層92はシリカを含み、0.7〜1.5四分の一波長の範囲内、例えば、0.71〜1.45四分の一波長、例えば、0.8〜1.3四分の一波長、例えば、0.9〜1.1四分の一波長である。「四分の一波長」とは、物理層の厚さ・4・屈折率/(光の基準波長)を意味する。この説明で、光の基準波長は550nmである。この非限定的な実施形態で、高屈折率の上層90の厚さは、式:−0.3987・(上層の四分の一波長値)−1.1576・(上層の四分の一波長値)+2.7462で定義される。従って、上層92が0.96四分の一波長の場合、高屈折率の上層90は、−0.3987(0.96)−1.1576(0.96)+2.7462=1.2675四分の一波長になる。低屈折率の下層88は、式:2.0567・(上層の四分の一波長値)−3.5663・(上層の四分の一波長値)+1.8467で定義される。高屈折率の下層86は、式:−2.1643・(上層の四分の一波長値)+4.6684・(上層の四分の一波長値)−2.2187で定義される。特定の非限定的な一実施形態においては、反射防止被膜32は、0.96四分の一波長(88.83nm)のシリカの上層92と、1.2675四分の一波長(84.72nm)のすず酸亜鉛の層90と、0.3184四分の一波長(29.46nm)のシリカの層88と、0.2683四分の一波長(17.94nm)のすず酸亜鉛の層86とを含む。別の非限定的な一実施形態では、層86、88、及び90の四分の一波長の値は、上記の式の値から±25%、例えば、±10%、例えば、±5%だけ変動することがある。
【0050】
その他の好適な反射防止被膜は、米国特許第6,265,076号のカラム2、行53からカラム3、行38;及び例1〜3に開示されている。別の好適な反射防止被膜は、米国特許第6,570,709号のカラム2、行64からカラム5、行22;カラム8、行12〜30;カラム10、行65からカラム11、行11;カラム13、行7からカラム14、行46;カラム16、行35〜48;カラム19、行62からカラム21、行4;例1〜13;及び表1〜8に開示されている。
【0051】
図1及び図2に示す非限定的な一実施形態においては、バスバーアセンブリ36は、第1の又は下部バスバー96と外側プライ12の内面16上に形成され、バスバー間の距離Dだけ離間した第2の又は上部バスバー98とを含む。バスバー96、98は、導電被膜30と電気的に接触している。バスバーアセンブリは、また、第1のバスバー96に接続された第1の導電リード線100と第2のバスバー98に接続された第2の導電リード線102を含む。リード線100、102の各々は、電源38に電気的に接触している。バスバー96、98及び/又は導電リード線100、102は、導電金属フォイル又はストリップ(例えば、これに限定はされないが、銅フォイル又はすずめっき銅フォイル)、又は導電被膜(セラミック被膜など)又は導電ワイヤによって、又はそれらの組合せから形成することができる。本発明の非限定的な一実施形態においては、バスバー96及び98をシェードバンド26上に少なくとも部分的に又は完全に配置することができる(図2に示す)。
【0052】
本発明を一般に実施する際に、電源38は、トランスペアレンシ10にAC電力を供給するように構成された任意の電源であってもよい。しかし、非限定的な一実施形態においては、電源38は、従来の車両の交流発電機200のコイルを備える。自動車の技術分野の当業者には明らかなように、車両の交流発電機は、エンジンの回転時に車両のバッテリを充電し車両の電気システムに給電するために使用される。交流発電機200は、回転式磁石(ロータ)が固定された巻腺コイルのセット(ステータ)の内部で回転する時に電気を発生する。大半の従来の交流発電機は、コイルセットを4つ有する。1つのコイルセットは磁界を生成し、他の3つのコイルセット(図1では参照番号202で識別される)は磁界を取り入れる。コイル202から生成されたAC電流は、整流器のセット204(ダイオードブリッジなど)へ向けられ、コイル202からのAC電力をDC電力に変換する。大半の交流発電機は、需要にかかわらず交流発電機の動作を変調して一定の電圧のDC出力208を生成する電圧調整器206を含む。DC電力の需要が高まると、電圧調整器206は、交流発電機に対して出力を上げるように指示し、DC電力の需要が低減すると、電圧調整器206は、交流発電機に対して出力を下げるように指示する。DC出力208は、かつては加熱可能なフロントガラスを含んでいた車両の電気システムに給電するために使用される。従来の車両の交流発電機の構造及び動作は当業者には明らかであるため、これ以上詳述しない。しかし、従来の交流発電機は、自動車のフロントガラスの氷結防止に十分な温度まで従来の導電被膜を加熱するだけのDC電圧を生成することができない。
【0053】
しかし、本発明の実施にあたっては、以前のシステムで行っていた整流器204のDC出力208を使用する方法に代えて、AC電力を交流発電機のコイル202からとって被膜30に電気を供給する。非限定的な一実施形態においては、1つ又は複数の導電ケーブル又は線212などによって、1つ又は複数のコイル202を変圧器210と電気的に接触させることができる。変圧器210は、リード線100、102などによって、任意の従来の方法で導電被膜30にAC電力を供給する。変圧器210は、従来の固定出力変圧器であってもよい。別の方法としては、変圧器210は、コイル202から供給されるAC電圧を増加又は減少させるように構成された可変変圧器であってもよい。非限定的な一実施形態においては、変圧器210は、コイル202からの(従って、導電被膜30に供給される)AC電力が2ボルトから42ボルトの範囲内、例えば、6ボルトから28ボルトの範囲内、例えば、8ボルトから14ボルトの範囲内になるように調整することができる。
【0054】
本発明のアセンブリの動作について以下に説明する。曇り取り又は着氷防止などのためにトランスペアレンシ10に電力を供給することが望まれる時に、変圧器210が作動される。コイル202からのAC電力が変圧器210、さらに被膜30に向けられる。これによって引き起こされることがある交流発電機200からのDC出力208の減少は、電圧調整器206によって検知され補償される。トランスペアレンシ10で必要な電力は、所望の使用法に応じて変化することがある。例えば、曇り取りには着氷防止と比べて使用電力が少なくてすむ。従って、非限定的な一実施態様では、曇り取り動作の場合に、変圧器210は、コイル202から供給される14vのAC電力を減少させることができる。例えば、変圧器210は、曇り取りのためにAC電力を6v〜8vの範囲内に収めるようにAC電圧を下げることができる。着氷防止動作の場合、変圧器210は、コイルから供給される14vのAC電力を例えば28v、例えば42vまで増加させることができる。
【0055】
それ故、本発明の実施にあたっては、車両用トランスペアレンシの導電被膜には、DC電力ではなくAC電力が供給される。AC電力を使用することで、より大型で強力な交流発電機が不要になり、DC−DC変換器も不要になる。
【0056】
上記説明で開示された概念から逸脱することなく本発明を様々に変更することができることは当業者には明らかであろう。従って、本明細書で詳述した具体的な実施形態は例示的なものであって、添付の特許請求の範囲の全体とそのあらゆる均等物に示す本発明の範囲を制限するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の少なくとも一部分の上に形成された導電被膜と、
前記導電被膜に接触している電源であって、前記導電被膜に交流を供給するように構成されている電源と、
を備える加熱可能なトランスペアレンシ。
【請求項2】
前記基板が、ガラスを含む、請求項1に記載のトランスペアレンシ。
【請求項3】
前記導電被膜が、少なくとも1つの誘電層と、少なくとも1つの金属層とを含む、請求項1に記載のトランスペアレンシ。
【請求項4】
前記導電被膜が、2つ以上の金属層を含む、請求項3に記載のトランスペアレンシ。
【請求項5】
前記導電被膜が、3つ以上の金属層を含む、請求項4に記載のトランスペアレンシ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの金属層が、金属銀を含む、請求項3に記載のトランスペアレンシ。
【請求項7】
前記電源が、AC電力を生成する少なくとも1つのコイルを備える交流発電機を備え、前記導電被膜が、前記少なくとも1つのコイルと電気的に接触している、請求項1に記載のトランスペアレンシ。
【請求項8】
前記コイル及び前記導電被膜に接続された変圧器をさらに含む、請求項7に記載のトランスペアレンシ。
【請求項9】
前記変圧器が、可変変圧器である、請求項8に記載のトランスペアレンシ。
【請求項10】
前記変圧器が、2ボルトから42ボルトの範囲内の交流を供給するように構成される、請求項9に記載のトランスペアレンシ。
【請求項11】
第1表面及び第2表面を有する第1のプライと、
前記第1のプライに固定され、第3表面及び第4表面を有する第2のプライであって、前記第2表面が前記第3表面に対向する第2のプライと、
前記第2又は第3表面の少なくとも一部分の上に形成された導電被膜と、
前記導電被膜に接触している電源であって、前記導電被膜に交流を供給するように構成された電源と、
を備える加熱可能な車両用トランスペアレンシ。
【請求項12】
前記電源が、AC電力を生成する少なくとも1つのコイルを備える交流発電機を備え、前記導電被膜が、前記少なくとも1つのコイルと電気的に接触している、請求項11に記載のトランスペアレンシ。
【請求項13】
前記コイル及び前記導電被膜に接続された変圧器をさらに含む、請求項12に記載のトランスペアレンシ。
【請求項14】
前記変圧器が、可変変圧器である、請求項13に記載のトランスペアレンシ。
【請求項15】
前記変圧器が、2ボルトから42ボルトの範囲内の交流を供給するように構成される、請求項14に記載のトランスペアレンシ。
【請求項16】
第1表面及び第2表面を有する第1のガラスプライと、
前記第1のガラスプライに固定され、第3表面及び第4表面を有する第2のガラスプライであって、前記第2表面が前記第3表面に対向する第2のガラスプライと、
前記第2又は第3表面の少なくとも一部分の上に形成され、少なくとも2つの金属銀の層を含む導電被膜と、
前記導電被膜に接触し、前記導電被膜にAC電力を供給する電源であって、前記電源がAC電力を生成する少なくとも1つのコイルを備える交流発電機を備え、前記導電被膜が前記少なくとも1つのコイルと電気的に接触している電源と、
前記少なくとも1つのコイル及び前記導電被膜に接続された変圧器と、
を備える加熱可能な車両用トランスペアレンシ。
【請求項17】
導電被膜を有する車両用トランスペアレンシを加熱する方法であって、
基板の少なくとも一部分の上に形成された導電被膜を有する基板を提供するステップと、
前記導電被膜をAC電源に接続するステップと、
を含む方法。
【請求項18】
前記AC電源が、AC電力を生成する少なくとも1つのコイルを備える交流発電機を備え、前記導電被膜が、前記少なくとも1つのコイルと電気的に接触している、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
変圧器を前記コイル及び前記導電被膜に接続するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記変圧器が、可変変圧器であって、2ボルトから42ボルトの範囲内の交流を供給するように構成される、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−526758(P2010−526758A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507543(P2010−507543)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/062323
【国際公開番号】WO2008/140965
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(399074983)ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド (60)
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
【Fターム(参考)】