説明

人工芝等の人工的敷設物の高速切断方法と高速切断装置、及びその治具

【課題】フォークリフト、芝刈り機等の車両を走行手段として利用し、人工芝等の人工的敷設物を切断する構成で、従来の数十倍の速度で人工的敷設物を確実に切断できる、作業性、経済性、及び確実性に非常に優れた、人工芝等の人工的敷設物の高速切断方法と高速切断装置、及びその治具を提供する。
【解決手段】カッター装置2と、先端部が前記カッター装置2のカッター12位置より前方へ延びて人工芝等の人工的敷設物4とその敷設面5との間へ潜り込み人工的敷設物4を敷設面5から浮き上がらせる先導アーム11とを車両3のフォーク部13で支持させ、当該車両3を前進走行させることにより、前記先導アーム11で敷設面5から浮き上がらせた前記人工的敷設物4を前記カッター12で切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、野球場や校庭などに敷設した人工芝、或いはカーペット等の人工的敷設物を、張り替えなどのために撤去する際に実施される人工的敷設物の切断方法、及び同方法に使用する切断装置並びに治具の技術分野に属し、更に言えば、フォークリフト、芝刈り機等の車両を走行手段として採用することにより前記人工的敷設物を高速切断することができ、作業性及び経済性に非常に優れた人工芝等の人工的敷設物の高速切断方法と高速切断装置、及びその治具に関する。
【背景技術】
【0002】
人工芝は、天然芝と比してメンテナンスフリーで耐久性や美観に優れているという理由から、近年その需要が高く、野球場や校庭、フィールド競技場、球技コート等の各種運動競技場に多く使用されている。
しかし、人工芝は耐久性に優れているとはいえ、自然劣化や摩耗などによる損傷は避けられず、5年ないし10年ぐらいの周期で張り替える必要がある。また、損傷していなくても、ドーム状施設等では各種運動競技やコンサートなどに応じて頻繁に人工芝を張り替える必要がある。
【0003】
この人工芝の張り替え作業において、従来、最も手間と時間を要した作業が人工芝の切断作業である。従来は、作業者が所謂コンクリートカッターを操作して、人工芝を、撤去・回収作業に適した大きさに切断していた。
しかし、前記コンクリートカッターを用いた切断作業は、そもそもコンクリートカッターがコンクリートの切断に適する低速度の走行能力、たとえば毎分1〜2m程度の速度でしか人工芝を切断できず、作業性が甚だ悪いという問題があった。また、人工芝を敷設したコンクリート床や板張り床その他の敷設面上の人工芝をコンクリートカッターで直接切断するので、その敷設面を損傷させるという問題があった。さらに、コンクリートカッターは敷設面上の人工芝を単純に切断するだけなので、つづいて敷設面へ接着等されている人工芝を引き剥がす作業の手掛かりに乏しく、撤去作業に難渋していた。
【0004】
ところで、特許文献1には、人工芝を敷設状態で裁断(切断)するに際して、該人工芝の被裁断部分を床(敷設面)から浮かせた後、該浮上部分をカッターを用いて裁断する、人工芝の裁断方法が開示されている(同文献1の請求項1参照)。また、敷設状態の人工芝を若干持ち上げる機構と、円盤カッターと、カッティングしながら前進できる自走機構とを備え、かつ、これらの機構が駆動機構を有する本体の片側に備えられた人工芝の裁断装置が開示されている(同文献1の請求項5参照)。
この特許文献1に係る技術によると、敷設面から浮き上がらせた人工芝をカッターを用いて切断するので、人工芝の敷設面を損傷させるという問題は解消した。
【0005】
【特許文献1】特開平7−158009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に係る技術によると、下記する問題があった。
(1)同文献1の図1の記載から、自走機能は、コンクリートカッター等の市販の大型カッター装置と推認される。また、自走機構の後部上方に把持部を備えていることから、作業者が追従歩行しながら操縦することにより切断作業を行うものと認められる。そうすると、やはり毎分1〜2m程度の速度でしか人工芝を切断できず、作業性が甚だ悪いという問題は残されたままである。その証左に、同文献1の段落[0013]の7〜8行目には、「2m/minの速度で、約1m角に切断した。」との記載が認められる。
(2)前記(1)の問題に伴い、野球場、フィールド競技場などに敷設した広大な人工芝を張り替える場合の工程が、人工芝の切断作業の進捗の遅さに左右されてしまい、切断作業に数日を要することも珍しくないという問題があった。その証左に、同文献1の段落[0013]の8〜9行目には、「カッティングはトータル長さ約1,000mで、2日かけて実施した」との記載が認められる。
(3)次に、同文献1の技術は、カッター装置に、人工芝持ち上げ機構2を精度良く強固に固定しなければならないので、切断作業の度にいちいちカッター装置に人工芝持ち上げ機構2を確実に取り付ける加工を施す必要があり、この作業が煩わしく、コストも嵩むという問題があった。
(4)さらに、同文献1の装置は、人工芝持ち上げ機構2の先端が、自走機構の前輪3より後方に位置する(同文献1の図1参照)ので、云わば車輪3で押さえつけた近傍の人工芝を人工芝持ち上げ機構2で敷設面から無理矢理引き剥がす不合理な作業を強いる構成であるため、前進走行時の抵抗が大きく、高速切断作業を困難にしているという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、フォークリフト、芝刈り機等の車両を走行手段として利用し、人工芝等の人工的敷設物を切断する構成で、しかも前記人工的敷設物は先導アームで浮き上がらせて切断する方式とすることにより、従来の数十倍の速度で人工的敷設物を確実に切断でき、切断した人工的敷設物は敷設面から引き剥がす作業に必要十分な手掛かりを与えることにより、作業性、経済性、及び確実性に非常に優れた、人工芝等の人工的敷設物の高速切断方法と高速切断装置、及びその治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る人工芝等の人工的敷設物の高速切断方法は、カッター装置と、先端部が前記カッター装置のカッター位置より前方へ延びて人工芝等の人工的敷設物とその敷設面との間へ潜り込み人工的敷設物を敷設面から浮き上がらせる先導アームとを車両の前部に設備し、当該車両を前進走行させることにより、前記先導アームで敷設面から浮き上がらせた前記人工的敷設物を前記カッターで切断することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載した発明に係る人工芝等の人工的敷設物の高速切断方法は、カッター装置と、先端部が前記カッター装置のカッター位置より前方へ延びて人工芝等の人工的敷設物とその敷設面との間へ潜り込み人工的敷設物を敷設面から浮き上がらせる先導アームとを車両のフォーク部で支持させ、当該車両を前進走行させることにより、前記先導アームで敷設面から浮き上がらせた前記人工的敷設物を前記カッターで切断することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断方法において、前記先導アームで敷設面から浮き上がらせた人工的敷設物の切断部分に水を供給して前記カッターで切断することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載した発明に係る人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置は、敷設面上に敷設した人工芝等の人工的敷設物を敷設面から浮き上がらせる先導アームと、前記先導アーム上へ浮き上がってきた前記人工的敷設物を切断するカッター装置と、前記先導アーム及びカッター装置を前部に設備した車両とで構成され、前記先導アームはその先端部がカッター装置のカッター位置より前方へ延びて前記人工的敷設物とその敷設面との間へ潜り込み当該人工的敷設物を敷設面から浮き上がらせる構成であり、前記カッター装置のカッターは前記先導アーム上に浮き上がってきた人工的敷設物を切断する構成であることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置において、前記先導アームは、高さ、及び前傾角度を調整可能な構成で車両に設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載した発明に係る人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置は、敷設面上に敷設した人工芝等の人工的敷設物を敷設面から浮き上がらせる先導アームを備えた治具と、前記治具上に載置して、先導アーム上へ浮き上がってきた前記人工的敷設物を切断するカッター装置と、前記治具をフォーク部で支持し移動させる車両とで構成され、前記先導アームはその先端部がカッター装置のカッター位置より前方へ延びて前記人工的敷設物とその敷設面との間へ潜り込み当該人工的敷設物を敷設面から浮き上がらせる構成であり、前記カッター装置のカッターは前記先導アーム上に浮き上がってきた人工的敷設物を切断する構成であることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載した発明は、請求項6に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置において、前記治具は、先端部がカッター装置のカッター位置より前方へ延びて人工的敷設物と敷設面との間へ潜り込み人工的敷設物を敷設面から浮き上がらせる先導アームと、前記カッター装置を載置するカッター載置台と、及び車両のフォーク部を差し込むフォーク挿入部とを備えた構成であることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載した発明は、請求項4〜7のいずれか一に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置において、前記車両又は治具には、前記先導アームで敷設面から浮き上がらせた人工的敷設物の切断部分に水を供給する水タンクが設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載した発明は、請求項4〜8のいずれか一に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置において、前記カッター装置のカッターは、前記先導アームの真上の位置に設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載した発明は、請求項4〜9のいずれか一に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置において、先導アームには、カッター装置のカッターが臨む溝、又は凹部が設けられ、当該溝又は凹部にカッターが切断代相当の深さ差し込まれていることを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載した発明は、請求項6〜10のいずれか一に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置において、先導アームは、前記治具の下部に、ボルト等の接合手段で着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項12に記載した発明は、請求項4〜11のいずれか一に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置において、先導アームの先端部は、人工的敷設物と敷設面との間へ潜り込むのに適切な先細り形状、或いは楔形状に形成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項13に記載した発明は、請求項4〜12のいずれか一に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置において、先導アームの先端部下面に、敷設面を転がるローラ、又は敷設面を滑る低摩擦板が設けられていることを特徴とする。
【0021】
請求項14に記載した発明は、請求項4〜13のいずれか一に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置において、カッター装置は、コンクリートカッター等の円盤カッターを備えた形式、或いはチェーンソー等の帯状カッターを備えた形式であることを特徴とする。
【0022】
請求項15に記載した発明は、請求項6〜14のいずれか一に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置において、カッター装置は、治具のカッター載置台に載せて、ターンバックル等の固定具により治具に固定されていることを特徴とする。
【0023】
請求項16に記載した発明に係る人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置用治具は、カッター装置を載置する載置台と、先端部が前記カッター装置のカッター位置より前方へ延びて人工的敷設物と敷設面との間へ潜り込み人工的敷設物を敷設面から浮き上がらせる先導アームと、車両のフォーク部を後方から差し込むフォーク挿入部とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1〜3に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断方法、及び請求項4〜15に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置、並びに請求項16に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置用治具によれば、下記する効果を奏する。
(I)車両(一例として、フォークリフト)の高速走行速度、例えば8km/時(約133m/分)に応じて、先導アームにより敷設面から浮きあがらせた人工的敷設物(人工芝)を高速切断することができるので、切断作業に要する時間を飛躍的に短縮することができる。よって、人工的敷設物(人工芝)の撤去や張り替えの作業性及び経済性に非常に優れている。
(II)車両(フォークリフト)の操縦により、進行方向及び走行速度を自在に楽に操作できるので作業者の労力を軽減できる。
(III)先導アームで敷設面から浮き上がらせた人工芝等の人工的敷設物をカッターで切断するので、人工的敷設物の敷設面を損傷させる虞がない。
(IV)機構的に、人工芝等の人工的敷設物と敷設面との間へ潜り込み人工的敷設物を浮き上がらせる先導アームの働きを制約する何物も存在せず、先導アームは常に先行して人工的敷設物を浮き上がらせるので、効率的、且つ合理的な引き剥がし作業、および切断作業を進められる。
(V)その他、請求項2及び請求項6記載の発明によれば、専用治具を用いることにより、市販のカッター装置、及び車両(フォークリフト)をそのまま利用して実施できるので、経済的、且つ合理的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
請求項1に記載した発明に係る人工芝等の人工的敷設物の高速切断方法は、下記する実施例2に係る図5に示したように、カッター装置19と、先端部が前記カッター装置19のカッター12位置より前方へ延びて人工芝等の人工的敷設物4とその敷設面5との間へ潜り込み人工的敷設物4を敷設面5から浮き上がらせる先導アーム11とを車両20の前部に設備し、当該車両20を前進走行させることにより、前記先導アーム11で敷設面5から浮き上がらせた前記人工的敷設物4を前記カッター12で切断することを特徴とする。
請求項2に記載した発明に係る人工芝等の人工的敷設物の高速切断方法は、下記する実施例1に係る図1〜図4に示したように、カッター装置2と、先端部が前記カッター装置2のカッター12位置より前方へ延びて人工芝等の人工的敷設物4とその敷設面5との間へ潜り込み人工的敷設物4を敷設面5から浮き上がらせる先導アーム11とを車両3のフォーク部13で支持させ、当該車両3を前進走行させることにより、前記先導アーム11で敷設面5から浮き上がらせた前記人工的敷設物4を前記カッター12で切断することを特徴とする。
【実施例1】
【0026】
図1と図2は、前記請求項2に係る人工芝等の人工的敷設物の高速切断方法に使用する高速切断装置を示している。この人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置は、敷設面5上に敷設した人工芝等の人工的敷設物4を敷設面5から浮き上がらせる先導アーム11を備えた治具1と、前記治具1上に載置して、先導アーム11上へ浮き上がってきた前記人工的敷設物4を切断するカッター装置2と、前記治具1をフォーク部13で支持し移動させる車両3とで構成され、前記先導アーム11はその先端部がカッター装置2のカッター12位置より前方へ延びて前記人工的敷設物4とその敷設面5との間へ潜り込み当該人工的敷設物4を敷設面5から浮き上がらせる構成であり、前記カッター装置2のカッター12は前記先導アーム11上に浮き上がってきた人工的敷設物4を切断する構成で実施されている(請求項6記載の発明)。
【0027】
この実施例1に係る人工的敷設物4は、人工芝(ロングパイル人工芝、砂入り人工芝を含む。以下同じ。)4で実施しているが、広大に敷設したカーペット、ブルーシートなど、コンクリート床や板張り床その他の敷設面5上に敷設(置き敷き)され、経時的に張り替える必要がある切断可能な敷設物であれば特に限定されるものではない。ちなみに、本実施例1に係る人工芝4は、一般的に使用される大きさの人工芝4を整列させ、隣接する人工芝4、4同士の継ぎ目部分を、当接する敷設面5に接着して敷設している。以下の実施例2についても同様の技術的思想とする。
また、本実施例1に係る車両3は、フォークリフト3で実施しているがこれに限定されず、フォーク部を装着したトラクターやティラー(耕運機)、或いはバケットをフォーク部に付け替えたタイヤショベル等、要するにフォーク部を装着可能な車両であればフォークリフトと同様な実施が可能である。
【0028】
前記治具1は、図3にも示したように、先端部がカッター装置2のカッター12位置より前方へ延びて人工芝(人工的敷設物)4と敷設面5との間へ潜り込み人工芝4を敷設面5から浮き上がらせる先導アーム11と、カッター装置2を載置するカッター載置台6と、及びフォークリフト(車両)3のフォーク13部を差し込むフォーク挿入部7とを備えた構成で実施されている(請求項7、請求項16記載の発明)。
【0029】
前記治具1の先導アーム11は、鋼材を細長状に成形してなり、その先端部は、人工芝4と敷設面5との間へ潜り込むのに適切な先細り形状(又は楔形状)に形成して実施している(請求項12記載の発明)。ちなみに、本実施例1に係る先導アーム11の先端部は、刀の刃先のように下端縁に向かって先細り形状に形成し、その先端部の下面に敷設面5上をスムーズに滑るのに好適な低摩擦板11aが設けられている。
なお、前記先導アーム11の先端部には、前記低摩擦板11aの代わりに、敷設面5上を転がるローラ(図示省略)を設けて実施することもできる(請求項13記載の発明)。また、前記敷設面5を摩擦抵抗が少ない部材で実施している場合には、前記先導アーム11の先端部に、前記低摩擦板11aやローラを取り付けないで実施することも勿論できる。
【0030】
前記治具1のカッター載置台6は、主として、フォークリフト3のフォーク(つめ)部13を差し込むフォーク挿入部(開口部)7を備えた中空の直方体形状の鋼製部材6aと、カッター装置2の車輪8を収容する外周縁部を立ち上げた方形状の鋼製部材6bとから成り、前記鋼製部材6aの後部上面に、前記鋼製部材6bを溶接等の接合手段で固定した構成で実施されている。
前記直方体形状の鋼製部材6aは、カッター装置2を固定するターンバックル等の固定具10を支持する留め具15を、その前方部と後方部の左右2箇所に溶接等の接合手段で固定した構成で実施している。
前記方形状の鋼製部材6bは、カッター装置の車輪8を位置決めするための立ち上がり部16を、その後方の左右コーナー部に、やはり溶接等の接合手段で固定した構成で実施している。また、当該鋼製部材6bの一側端部(図示例では進行方向右側端部)の下面には支持脚9が溶接等の接合手段で設けられ、当該支持脚9の下部には、前記先導アーム11が、前記鋼製部材6aの前部より前方に十分に長く突き出る構成で溶接等の接合手段で固定されている。
【0031】
ここで、前記支持脚9の形状は、図示例のように、前記先導アーム11に設けた細長い溝11bの幅寸と同程度の細い幅寸で実施することが切断作業上好ましい。敷設面5から浮き上がらせた人工芝4を、カッター12で切断した後に支持脚9の前部に衝突して止まることなくスムーズに敷設面5上に落下させるためである。本実施例1ではさらに、前記切断した人工芝をよりスムーズに二分して敷設面5上に落下させるべく、前記支持脚9の前部を、中央部を尖らせた突起状に形成して実施している。
【0032】
ちなみに、図中の符号17は、ねじ切りボルトを示しており、前記鋼製部材6aの一側(図示例では左側)の側面に所要の間隔をあけて設けたねじ孔(図示省略)に当該ねじ切りボルト17をねじ込むことにより、前記鋼製部材6aのフォーク挿入部7に挿入した前記フォーク13を側面から押圧して固定(抜け止め)する構成で実施している。
なお、前記鋼製部材6a、6bから成るカッター載置台6の構成は、上述した構成に限定されず、前記カッター装置2を安定した状態で載置可能で、且つフォークリフト3のフォーク部13で支持され得るのに好適な形状と剛性を有していればよい。
【0033】
前記カッター装置2は、本実施例1では、市販の所謂コンクリートカッター装置2を用いており、型式は特に限定されない。このカッター装置2は、前記フォークリフト3で持ち上げて前記治具1のカッター載置台6上に載せ、前記ターンバックル等の固定具10の両端部を、前記カッター装置2に設けたコ字形状の係止部18と前記留め具15に掛け止める構成で、前記治具1上にしっかり固定することができる(請求項15記載の発明)。
【0034】
また、前記カッター装置2は、効率的、且つ合理的に人工芝を切断するべく、前記治具1上に載置した際に、そのカッター12の位置が、前記先導アーム11の真上に位置する構成で実施している(図2参照、請求項9記載の発明)。具体的に、本実施例1では、前記先導アーム11の長手方向に、カッター装置2のカッター12が臨む細長い溝11b(又は凹部)が設けられ、当該溝11b(又は凹部)にカッター12が切断代相当の深さ差し込まれる構成で実施されている(請求項10記載の発明)。ちなみに、本実施例1では、前記カッター装置2のカッター12の刃先の下方部分が、前記先導アーム11の溝11b内に収まる構成で実施している。
【0035】
このような構成で実施することにより、前記先導アーム11により敷設面5から浮き上がった人工芝4は、同先導アーム11上に載り上げて前記カッター12へと誘導されて当該カッター12により切断されるのである。さらに、前記カッター12により切断された人工芝4は、中央部を尖らせた突起状に形成した前記支持脚9によりスムーズに二分されて敷設面5上に落下するのである。
【0036】
なお、本実施例1に係る前記先導アーム11は、前記治具1に対して進行方向右側に設けて実施しているがこれに限定されず、使用するカッター装置2のカッター12位置に応じて適宜設計変更可能である。例えば、図示は省略するが、チェーンソー等の帯状カッターを治具1のカッター載置台6に設けて実施する場合には、前記治具1の中央部に設けて実施することもできる。
また、図示は省略するが、前記カッター12の消耗を極力抑制するべく、前記人工芝4の切断部分に水を供給してカッター12で切断する作業を行うこともできる(請求項3記載の発明)。この場合、前記治具1又はフォークリフト3に、前記人工芝4の切断部分に水を供給する構成の水タンクを設けて実施する(請求項8記載の発明)。
【0037】
かくして、上述した構成の人工芝4の高速切断装置は、先導アーム11を備えた治具1上に、カッター装置2を、同先導アーム11の真上にカッター12が位置する構成でしっかり固定することができる。また、前記カッター装置2を載置した治具1を、そのフォーク挿入部7に後方からフォーク13を差し込んだフォークリフト3により、安定した状態で支持して前進走行させることができるのである。
【0038】
したがって、前記高速切断装置を使用して行う人工芝の高速切断方法は、先ず、前記カッター装置2を載置した治具1をフォークリフト3のフォーク13で支持し、当該治具1をフォークリフト3の昇降機14により切断作業に好適な高さ(地上から1cm程度)に持ち上げて支持する。そして、切断しようとする人工芝4にナイフ等で切れ目を入れ、前記先導アーム11を前記切れ目に誘導してその先端部を人工芝4とその敷設面5との間へ潜り込ませて前記フォークリフト3を前進走行させる。そうすると、図4に示したように、前記先導アーム11は、その先端部の低摩擦板11aによりスムーズに敷設面5上を潜行(前進)することができ、これに伴い敷設面5から浮き上がった人工芝4は、前記先導アーム11上に載り上げて当該先導アーム11の真上の位置に位置決め固定されたカッター12へ案内され、当該カッター12で切断される。切断された人工芝4は、前記支持脚9によりスムーズに二分されて敷設面5上に落下し、これにより、人工芝4の連続的な切断作業を行うことができる。
【0039】
かくして、前記先導アーム11は、前記フォークリフト3の高速走行速度に応じて人工芝4と敷設面5との間を高速で潜行することができ、先導アーム1により敷設面5から浮き上がった人工芝4は後続のカッター装置2のカッター12で切断するので、フォークリフト3の高速走行速度に応じた高速切断が可能となるのである。ちなみに、本出願人は、前記治具1を支持したフォークリフト3を、8km/時(約133m/分)の高速度で走行させて、良好な高速切断作業が遂行できることを確認している。
【0040】
上記構成の高速切断方法及び高速切断装置によれば、上記特許文献1に係る切断方法と比して、フォークリフト3の高速走行速度に応じて数十倍(約133m/分で切断作業を行えば、66.5倍)の高速度で人工芝4の高速切断作業を行うことができるので、切断作業に要する時間を飛躍的に短縮することができる。よって、人工芝4の撤去や張り替えの作業性及び経済性に非常に優れている。また、フォークリフト3の操縦により、進行方向及び走行速度を自在に楽に操作できるので作業者の労力を軽減できる。
先導アーム11で敷設面5から浮き上がらせた人工芝4を切断するので、人工芝4の敷設面5を損傷させる虞がない。
機構的に人工芝4と敷設面5の間へ潜り込み人工芝4を浮き上がらせる先導アーム11の働きを制約する何物も存在せず、先導アーム11は常に先行して人工芝4を浮き上がらせるので、効率的、且つ合理的な引き剥がし作業、および切断作業を進められる。
その他、高速切断作業専用の治具1を用いることにより、市販のカッター装置2、及びフォークリフト3をそのまま利用して実施できるので、経済的、且つ合理的である。
【0041】
なお、本実施例1に係る先導アーム11は、前記カッター12と同様に経時的に最も消耗する部材と考えられるので、前記治具1の下部(本実施例では、鋼製部材6bの下部に設けた支持脚9)に、ボルト等の接合手段で着脱可能に取り付けることにより、容易に取り替え可能な構成で実施することもできる(請求項11記載の発明)。また、本実施例1に係るカッター装置2は、所謂ダイヤモンドカッター等の円盤カッターを備えた装置で実施しているがこれに限定されず、チェーンソー等の帯状カッターで実施することもできる(請求項14記載の発明)。その他、前記治具1に設けたフォーク挿入部7の形状及び大きさは勿論図示例に限定されず、個々のフォーク13が挿入し得るだけの形状及び大きさで実施することもできる。また、前記フォーク挿入部7に挿入したフォーク13の抜け止め手段として、ねじ切りボルト17を使用しているがこれに限定されないことは勿論である。
【実施例2】
【0042】
図5は、前記請求項1に係る人工芝等の人工的敷設物の高速切断方法に使用する高速切断装置を示している。なお、人工的敷設物(人工芝)、先導アーム、或いはカッターなど、上記実施例1で説明した部材と共通する部材については同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
この人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置は、敷設面5上に敷設した人工芝等の人工的敷設物4を敷設面5から浮き上がらせる先導アーム11と、前記先導アーム11上へ浮き上がってきた前記人工的敷設物4を切断するカッター装置19と、前記先導アーム11及びカッター装置19を前部に設備した車両20とで構成され、前記先導アーム11はその先端部がカッター装置19のカッター12位置より前方へ延びて前記人工的敷設物4とその敷設面5との間へ潜り込み当該人工的敷設物4を敷設面5から浮き上がらせる構成であり、前記カッター装置19のカッター12は前記先導アーム11上に浮き上がってきた人工的敷設物4を切断する構成で実施されている(請求項4記載の発明)。
【0043】
すなわち、この実施例2に係る高速切断装置は、上記実施例1に係る高速切断装置と比して、主として、専用治具1、及び市販の所謂コンクリートカッター装置2を用いることなく、芝刈り機等の車両20の前部を改造して先導アーム11と簡易なカッター装置19を設備して実施することのみ相違する。
なお、前記車両20は、芝刈り機に限定されるものではなく、トラクターやティラー(耕運機)、或いはタイヤショベル等、その前部に先導アーム11と簡易なカッター装置19を設備可能な車両であれば同様に実施できる。
【0044】
前記先導アーム21は、その後方の上部に溶接等の接合手段で設けた前後2つの支持脚25、25を前記車両20の構成部材(図示例では平板プレート)21へハンドル型昇降手段22、22を介してそれぞれ取り付けることにより、高さ及び前傾角度を調整可能な構成で、車両20に着脱自在に設けられている(請求項5記載の発明)。
なお、図示例では、支持脚25を前後に2つ設けて実施しているが、前記先導アーム11に生じる回転モーメントに十分に耐えうる構造であれば、1つでも実施可能である。また、前記支持脚25の形状は、前記実施例1で説明したように、前記カッター12で切断した人工芝4がその前部に衝突して止まることなくスムーズに敷設面5上に落下させるべく、人工芝4が衝突する側の支持脚25の前部を、中央部を尖らせた突起状に形成するなどの工夫が施されている。
ちなみに、図中の符号26は、前記平板プレート21の下面に固定され、前記支持脚25の水平方向へのずり動きを防止するためのホルダーを示している。
【0045】
前記カッター装置19は、エンジン27からの動力伝達にてカッター12が回転駆動するように構成され、前記先導アーム11に設けた溝11bに、前記カッター12が切断代相当の深さ差し込まれる構成で実施している(具体的に、前記先導アーム11とカッター12との取り合いは、上記実施例1に係る段落[0034]を参照)。
このような構成で実施することにより、上記実施例1と同様に、前記先導アーム11により敷設面5から浮き上がった人工芝4は、同先導アーム11上に載り上げて前記カッター12へと誘導されて当該カッター12により切断されるのである。さらに、前記カッター12により切断された人工芝4は、走行方向前側に設けた支持脚25によりスムーズに二分されて敷設面5上に落下するのである。
【0046】
また、図示例では、前記カッター12の消耗を極力抑制するべく、前記車両20の平板プレート21上に水タンク23を設け、前記人工芝4の切断部分に水を供給しながらカッター12で切断する作業を行っている(請求項3、請求項8記載の発明)。ちなみに、図中の符号24は、給水管を示している。
【0047】
したがって、前記高速切断装置を使用して行う人工芝の高速切断方法は、先ず、前記ハンドル型昇降手段22、22により、前記先導アーム11を切断作業に好適な高さ(地上から1cm程度)、及び前傾角度に位置決めする。そして、切断しようとする人工芝4にナイフ等で切れ目を入れ、前記先導アーム11を前記切れ目に誘導してその先端部を人工芝4とその敷設面5との間へ潜り込ませて前記車両20を前進走行させる。そうすると、実施例1に係る図4に示したように、前記先導アーム11は、その先端部の低摩擦板11aによりスムーズに敷設面5上を潜行(前進)することができ、これに伴い敷設面5から浮き上がった人工芝4は、前記先導アーム11上に載り上げて当該先導アーム11の真上の位置に位置決め固定されたカッター12へ案内され、当該カッター12で切断される。切断された人工芝4は、走行方向前側の支持脚25によりスムーズに二分されて敷設面5上に落下し、これにより、人工芝4の連続的な切断作業を行うことができる。
【0048】
かくして、前記先導アーム11は、前記車両20の高速走行速度に応じて人工芝4と敷設面5との間を高速で潜行することができ、先導アーム1により敷設面5から浮き上がった人工芝4は後続のカッター装置19のカッター12で切断するので、車両20の高速走行速度に応じた高速切断が可能となるのである。ちなみに、本出願人は、前記車両を、4km/時(約66.6m/分)の高速度で走行させて、良好な高速切断作業が遂行できることを確認している。
【0049】
上記構成の高速切断方法及び高速切断装置によれば、上記特許文献1に係る切断方法と比して、車両20の高速走行速度に応じて数十倍(約66.6m/分で切断作業を行えば、約33倍)の高速度で人工芝4の高速切断作業を行うことができるので、切断作業に要する時間を飛躍的に短縮することができる。また、前記車両20を、作業者が追従歩行するタイプの芝刈り機ではなく、有人タイプのトラクターやティラー等を利用して実施する場合には、上記実施例1と同程度の高速切断が可能となる。よって、人工芝4の撤去や張り替えの作業性及び経済性に非常に優れている。また、車両20の操縦により、進行方向及び走行速度を自在に楽に操作できるので作業者の労力を軽減できる。
先導アーム11で敷設面5から浮き上がらせた人工芝4を切断するので、人工芝4の敷設面5を損傷させる虞がない。
機構的に人工芝4と敷設面5の間へ潜り込み人工芝4を浮き上がらせる先導アーム11の働きを制約する何物も存在せず、先導アーム11は常に先行して人工芝4を浮き上がらせるので、効率的、且つ合理的な引き剥がし作業、および切断作業を進められる。
【0050】
以上に実施例1及び実施例2を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の実施形態の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施例1に係る人工芝の高速切断装置の全体図を示している。
【図2】図1に係る人工芝の高速切断装置の枢要部を示している。
【図3】図2の分解斜視図を示している。
【図4】実施例1に係る人工芝の高速切断装置を用いて敷設面から浮き上がった人工芝を切断する作業工程を示している。
【図5】実施例2に係る人工芝の高速切断装置の全体図を示している。
【符号の説明】
【0052】
1 治具
2 カッター装置
3 フォークリフト
3a 車輪
4 人工芝
5 敷設面
6 カッター載置台
6a 鋼製部材
6b 鋼製部材
7 フォーク挿入部
8 車輪
9 支持脚
10 ターンバックル(固定具)
11 先導アーム
11a 低摩擦板
11b 溝
12 カッター
13 フォーク
14 昇降機
15 留め具
16 立ち上がり部
17 ねじ切りボルト
18 係止部
19 カッター装置
20 車両
21 鋼材
22 ハンドル型昇降手段
23 水タンク
24 給水管
25 支持脚
26 ホルダー
27 エンジン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カッター装置と、先端部が前記カッター装置のカッター位置より前方へ延びて人工芝等の人工的敷設物とその敷設面との間へ潜り込み人工的敷設物を敷設面から浮き上がらせる先導アームとを車両の前部に設備し、当該車両を前進走行させることにより、前記先導アームで敷設面から浮き上がらせた前記人工的敷設物を前記カッターで切断することを特徴とする、人工芝等の人工的敷設物の高速切断方法。
【請求項2】
カッター装置と、先端部が前記カッター装置のカッター位置より前方へ延びて人工芝等の人工的敷設物とその敷設面との間へ潜り込み人工的敷設物を敷設面から浮き上がらせる先導アームとを車両のフォーク部で支持させ、当該車両を前進走行させることにより、前記先導アームで敷設面から浮き上がらせた前記人工的敷設物を前記カッターで切断することを特徴とする、人工芝等の人工的敷設物の高速切断方法。
【請求項3】
前記先導アームで敷設面から浮き上がらせた人工的敷設物の切断部分に水を供給して前記カッターで切断することを特徴とする、請求項1又は2に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断方法。
【請求項4】
敷設面上に敷設した人工芝等の人工的敷設物を敷設面から浮き上がらせる先導アームと、前記先導アーム上へ浮き上がってきた前記人工的敷設物を切断するカッター装置と、前記先導アーム及びカッター装置を前部に設備した車両とで構成され、前記先導アームはその先端部がカッター装置のカッター位置より前方へ延びて前記人工的敷設物とその敷設面との間へ潜り込み当該人工的敷設物を敷設面から浮き上がらせる構成であり、前記カッター装置のカッターは前記先導アーム上に浮き上がってきた人工的敷設物を切断する構成であることを特徴とする、人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置。
【請求項5】
前記先導アームは、高さ、及び前傾角度を調整可能な構成で車両に設けられていることを特徴とする、請求項4に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置。
【請求項6】
敷設面上に敷設した人工芝等の人工的敷設物を敷設面から浮き上がらせる先導アームを備えた治具と、前記治具上に載置して、先導アーム上へ浮き上がってきた前記人工的敷設物を切断するカッター装置と、前記治具をフォーク部で支持し移動させる車両とで構成され、前記先導アームはその先端部がカッター装置のカッター位置より前方へ延びて前記人工的敷設物とその敷設面との間へ潜り込み当該人工的敷設物を敷設面から浮き上がらせる構成であり、前記カッター装置のカッターは前記先導アーム上に浮き上がってきた人工的敷設物を切断する構成であることを特徴とする、人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置。
【請求項7】
前記治具は、先端部がカッター装置のカッター位置より前方へ延びて人工的敷設物と敷設面との間へ潜り込み人工的敷設物を敷設面から浮き上がらせる先導アームと、前記カッター装置を載置するカッター載置台と、及び車両のフォーク部を差し込むフォーク挿入部とを備えた構成であることを特徴とする、請求項6に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置。
【請求項8】
前記車両又は治具には、前記先導アームで敷設面から浮き上がらせた人工的敷設物の切断部分に水を供給する水タンクが設けられていることを特徴とする、請求項4〜7のいずれか一に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置。
【請求項9】
前記カッター装置のカッターは、前記先導アームの真上の位置に設けられていることを特徴とする、請求項4〜8のいずれか一に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置。
【請求項10】
先導アームには、カッター装置のカッターが臨む溝、又は凹部が設けられ、当該溝又は凹部にカッターが切断代相当の深さ差し込まれていることを特徴とする、請求項4〜9のいずれか一に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置。
【請求項11】
先導アームは、前記治具の下部に、ボルト等の接合手段で着脱可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項6〜10のいずれか一に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置。
【請求項12】
先導アームの先端部は、人工的敷設物と敷設面との間へ潜り込むのに適切な先細り形状、或いは楔形状に形成されていることを特徴とする、請求項4〜11のいずれか一に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置。
【請求項13】
先導アームの先端部下面に、敷設面を転がるローラ、又は敷設面を滑る低摩擦板が設けられていることを特徴とする、請求項4〜12のいずれか一に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置。
【請求項14】
カッター装置は、コンクリートカッター等の円盤カッターを備えた形式、或いはチェーンソー等の帯状カッターを備えた形式であることを特徴とする、請求項4〜13のいずれか一に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置。
【請求項15】
カッター装置は、治具のカッター載置台に載せて、ターンバックル等の固定具により治具に固定されていることを特徴とする、請求項6〜14のいずれか一に記載した人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置。
【請求項16】
カッター装置を載置する載置台と、先端部が前記カッター装置のカッター位置より前方へ延びて人工的敷設物と敷設面との間へ潜り込み人工的敷設物を敷設面から浮き上がらせる先導アームと、車両のフォーク部を後方から差し込むフォーク挿入部とを備えていることを特徴とする、人工芝等の人工的敷設物の高速切断装置用治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−285879(P2008−285879A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−131357(P2007−131357)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(507162315)
【Fターム(参考)】