説明

仕分け設備

【課題】本発明は、仕分け設備の設計自由度が高く、容器のデザインを損なわない仕分け設備を提供することを目的とする。
【解決手段】仕分け設備10は、物品12を搬送し、容器14に物品12を投下する投下コンベヤ16、空の容器14を物品12の投下位置まで搬送する容器搬送装置18、仕分け先情報を読み取り、仕分け先情報に応じて容器14を仕分けする仕分け装置20、物品12を投下した後の容器14に対して、消失可能なインクによって識別情報を付する第1情報付与装置52、識別情報を読み取る読み取り装置54、読み取り装置54によって読み取られた識別情報に応じて、容器14内の物品12の情報および容器14の仕分け先情報を付する第2情報付与装置56を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に物品を収納し、物品が収納された容器を搬送する仕分け設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、青果物を等級などに応じて仕分けをおこない、箱などの容器に投下(収納)し、容器を搬送する仕分け設備が開発および開示されている。物品の投下位置には秤量機が設けられており、所定の重量になるように投下される。投下後は、秤量機ごとの識別情報を容器に付し、容器を搬送する。容器の搬送経路が合流などし、容器に付された識別情報を読み取る。秤量機ごとに投下した物品の内容がコンピュータで管理されており、識別情報を読み取ることによって、容器内の内容が分かる。容器内の内容にしたがって、容器内の物品の情報や仕分け先情報を容器に付す。仕分け先情報を読み取り、仕分け先情報に基づいて、仕分けする。
【0003】
しかし、識別情報は仕分け設備で必要であるが、出荷後は不要である。識別情報が容器のデザインを損なうため、識別情報を付する場所を制限する場合がある。仕分け設備を設計するに当たって、識別情報の印刷装置や読み取り装置に制約が生じる場合がある。識別情報の印刷時や読み取り時に容器を停止して固定させる場合もあり、容器の搬送効率が低下する。
【0004】
特許文献1の場合、識別情報として針穴を使用している。針穴の位置を読み取ることによって、容器を識別し、所望の経路を搬送できる。しかし、印刷に比べて針穴を空けることは難しい。容器の位置がずれると、容器の中にまで針が突き刺さるため、容器を固定する装置の正確性が求められる。容器のデザインによって針穴の位置も制限されるため、上記の印刷と同じように仕分け設備の設計に制約が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2925524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、仕分け設備の設計自由度が高く、容器のデザインを損なわない仕分け設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の仕分け設備は、物品を容器に収納して、該容器を搬送する仕分け設備である。仕分け設備は、前記物品を搬送し、下流端で容器に物品を投下する手段(投下コンベヤ)と、空の容器を物品の投下位置まで供給する手段(容器搬送装置)と、前記物品を投下した後の容器に対して、消失可能なインクによって識別情報を付する第1情報付与装置と、前記識別情報を読み取る読み取り装置と、前記読み取り装置によって読み取られた識別情報に応じて、容器内の物品の情報および容器の仕分け先情報を付する第2情報付与装置と、前記仕分け先情報を読み取り、仕分け先情報に応じて容器を仕分けする仕分け装置とを備える。
【0008】
容器に物品を投下した後、第1情報付与装置が、容器に消失可能なインクで識別情報を付与する。識別情報を読み取り、容器に仕分け先情報などを付与する。仕分け先情報を読み取り、仕分け先情報に応じて容器を仕分けする。
【0009】
前記インクが、熱、摩擦または所定波長の光によって消えるインクであり、前記仕分け先情報の読み取り後に識別情報を消去する消去装置を備え、前記消去装置が、識別情報に対して熱風を吹き付ける手段、識別情報に対して摩擦接触する手段、または識別情報に対して所定波長の光を照射する手段を備える。
【0010】
前記物品を投下するための搬送経路が複数本であり、前記物品を投下するための搬送経路ごとに、搬送される物品の内部品質、物品の外観、または物品の重量の少なくとも1つが異なり、前記搬送経路ごとの物品の投下位置に物品の総重量を計量する秤量機を備え、前記識別情報が秤量機を区別する情報または容器を区別する情報を含む。
【0011】
バーコード、二次元コード、容器におけるインクの印刷された位置の違い、印刷されたインクの形状の違い、およびインクの色彩の違いの少なくとも1つによって、前記識別情報の内容を表示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、消失可能なインクによって識別情報を記載するため、出荷時には容器に識別情報が記載されていない。容器のどの位置に識別情報を記載しても良く、識別情報によって容器のデザインを損なうことがない。識別情報を付するための第1情報付与装置や読み取り装置の設計や配置に制約が無く、仕分け設備の設計の自由度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の仕分け設備の構成を示す図である。
【図2】投下コンベヤの構成を示す図である。
【図3】容器搬送装置の構成を示す図である。
【図4】ローラータイプのスタンプを使用した第1情報付与装置の構成を示す図である。
【図5】識別情報の内容を容器の位置によって異ならせている例を示す図である。
【図6】識別情報の内容を印刷されたインクの形状によって異ならせている例を示す図である。
【図7】熱風を使用した消去装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の仕分け設備について図面を用いて説明する。収納される物品は、例えば果物や野菜などの青果物である。
【実施例1】
【0015】
図1に示す仕分け設備10は、物品12を搬送し、容器14に物品12を投下する投下コンベヤ16、空の容器14を物品12の投下位置まで搬送する容器搬送装置18、仕分け先情報を読み取り、仕分け先情報に応じて容器14を仕分けする仕分け装置20を備える。
【0016】
投下コンベヤ16は、容器14に物品12を投下する大出し口22を有し、大出し口22に物品12を供給する主投下コンベヤ24、および容器14に物品12を投下する小出し口26を有し、小出し口26に物品12を供給する副投下コンベヤ28を備える(図2)。投下コンベヤ16は、複数並べられても良い。投下コンベヤ16ごとに、物品12の等級などが異なるようにしてもよい。また、物品12の等級などが同一であっても、物品12の量が多ければ複数の投下コンベヤ16に分けて同一種類の物品12を搬送しても良い。横引きコンベヤ30の上流側に物品12ごとに横引きコンベヤ30を選択するための設備が設けられ、所望の横引きコンベヤ30に物品12が仕分けされる。
【0017】
主投下コンベヤ24と副投下コンベヤ28は並行して設けられている。また、物品12を各コンベヤ24,26までの搬送する横引きコンベヤ30も備える。各コンベヤ24,28,30は、ベルトコンベヤやローラーコンベヤなどが挙げられる。主投下コンベヤ24と副投下コンベヤ28は、x方向に移送する部分24x、28xとy方向に移送する部分24y、28yとで構成されている。
【0018】
副投下コンベヤ28よりも主投下コンベヤ24を幅広にし、搬送できる物品12の量を多くする。主投下コンベヤ24と副投下コンベヤ28の上流端が揃えられている。主投下コンベヤ24と副投下コンベヤ28の上流端まで横引きコンベヤ30で物品12が搬送されるが、確率的に主投下コンベヤ24の方に多くの物品12が移送される。また、小出し口26よりも大出し口22の方が広く、一度に複数の物品12を投下させることができる。
【0019】
容器搬送装置18は、容器14の移送および待機をおこなう第1の移送手段32、容器14を物品12の投下位置まで移送する第2の移送手段34、第1の移送手段32から第2の移送手段34に容器14を供給する容器供給手段36を備える(図2、図3)。
【0020】
第1の移送手段32は複数備えられており、第1の移送手段32ごとに容器14a,14b,14c,14dの種類が異なる。説明において特に区別しない場合は、符号14a,14b,14c,14dは14とする。第1の移送手段32はベルトコンベヤやローラーコンベヤである。第1の移送手段32は、鉛直方向(図中z方向)に並べられる。第1の移送手段32が容器14を移送し、容器供給手段36の横で容器14を待機させる。容器14は、段ボール箱やコンテナなどである。
【0021】
容器供給手段36が第1の移送手段32の側方に隣接して配置される。容器供給手段36は、容器14を落下させるときの軌道となる鉛直シュート38、容器14を第1の移送手段32から鉛直シュート38へ押し出す第1のプッシャー40、および鉛直シュート38の底部44から第2の移送手段34に容器14を押し出す第2のプッシャー(図示せず)を備える。鉛直シュート38は、第2の移送手段34の隣接箇所に容器14を通過させるための開口42を備える。
【0022】
第1のプッシャー40が容器14を鉛直シュート38に押し出し、容器14は鉛直シュート38の底部44まで落下し、第2のプッシャーが容器14を鉛直シュート38の外にある第2の移送手段34へ押し出す。鉛直シュート38によって、容器14の方向を変えずに垂直落下させる。容器14が第2の移送手段34に供給されるたびに、第1の移送手段32が容器14を移送して、容器供給手段36の隣接位置で容器14を待機させる。
【0023】
容器14が段ボール箱であれば、段ボール箱を組み立てる装置が、第1の移送手段32の上流側に設けられる。
【0024】
第2の移送手段34は、物品12の投下位置に隣接して設けられる。第2の移送手段34は、投下位置の隣接位置で待機している容器14を投下位置に移送させるものである。第2の移送手段34は、容器14の移送方向に沿って複数の間隙があり、容器14の載置箇所よりも下方に櫛歯形プッシャーが配置されている。エアシリンダーによって、間隙から櫛歯形プッシャーの櫛歯を上昇させて、櫛歯形プッシャーを移送方向に駆動させて容器14を押すことによって、容器14を投下位置に移送するものである。容器14の移送後、櫛歯形プッシャーは降下され、元の位置に戻される。投下位置で物品12が投下された容器14と一緒に容器14を押しても良い。なお、第2の移送手段34は、櫛歯形プッシャーに限定されず、容器14を投下位置に移送する手段であれば、ローラーコンベヤなどであってもよい。
【0025】
物品12の投下位置には秤量機46が設けられる。秤量機46は2つであり、主秤量機48と副秤量機50である。物品12の重量を計量しながら、物品12を容器14に投下する。主秤量機48と副秤量機50は、後述する主投下コンベヤ24と副投下コンベヤ28の下流端部に配置される。
【0026】
主投下コンベヤ24では、容器14に収納すべき物品12の規定量以下であり、かつ規定量に近い値まで物品12を投下させる。この規定量に近い値を第1の重量値、規定量を第2の重量値として以下説明する。大出し口22の下方に主秤量機48が設けられ、主投下コンベ24から複数の物品12が投下されて容器14に収納されるとき、容器14は主秤量機48の上に配置される。物品12の総重量が第1の重量値になるまで物品12が投下される。第1の重量値になった後、主投下コンベヤ24を停止し、容器14を移動させて、小出し口26から容器14に物品12を投入する。
【0027】
主秤量機48に容器14が載せられて物品12が投下される前に、容器14の重量を計測して、主秤量機48と副秤量機50は計量する重量から容器14の重量を減算するようにする。なお、容器14の重量を含めて、第1の重量値と第2の重量値を規定しても良い。
【0028】
小出し口26の下方に副秤量機50が設けられ、副投下コンベヤ28から物品12が投下されて容器14に収納されるとき、容器14は副秤量機50の上に配置される。1つの物品12が容器14内に投下され、副秤量機50で計量がされた後、次の物品12が投下されるように、副投下コンベヤ28での物品12の投下速度を調節する。物品12の総重量が第2の重量値になったときに物品12の投下を停止することができ、第2の重量値だけの物品12を容器14に収納することができる。副投下コンベヤ28の速度を調節する以外に、ゲートを設けても良い。副秤量機50で計量ができたときにゲートを開けて物品12を投下し、ゲートを閉じる。
【0029】
なお、物品12が青果物である場合、青果物の重量は個々に微妙に異なるため、必ず第2の重量値にすることができない。そのため、第2の重量値は一定の範囲を含むようにして、この範囲に入ったときに物品12の投下を終了する。
【0030】
主投下コンベヤ24と副投下コンベヤ28とが並べられているため、主秤量機48と副秤量機50も並べられており、主秤量機48の上で物品12が収納されたあと、副秤量機50の上に容器14を移動させることができる。物品12を投下させやすくするために、主秤量機48と副秤量機50は容器14を傾斜させる手段を備えていても良い。副秤量機50で物品12が第2の重量値になった後、容器14を副秤量機50の外に移動させるためのローラなどの装置を副秤量機50の容器14の載置部分に備える。副秤量機50から仕分け装置20に向けて容器14を搬送させる。
【0031】
仕分け装置20に容器14が搬送されるまでに、容器14に仕分け先情報を付している。また、容器14内の物品12の等級、大きさ、総重量などの容器14内の物品12の情報を容器14に記載する。そのために、物品12を投下した後の容器14に対して、消失可能なインクによって識別情報を付する第1情報付与装置52、識別情報を読み取る読み取り装置54、読み取り装置54によって読み取られた識別情報に応じて、容器14内の物品12の情報および容器14の仕分け先情報を付する第2情報付与装置56を備える。
【0032】
投下コンベヤ16、容器搬送装置18、仕分け装置20、秤量機46、第1情報付与装置52、読み取り装置54、第2情報付与装置56と通信線で接続され、それらを制御するコンピュータが備えられる。コンピュータでは投下コンベヤ16で投下されている物品12の内容や外観の情報や、各秤量機48,50における容器14に投下された物品12の総重量などの情報が管理される。また、第1情報付与装置52、読み取り装置54、第2情報付与装置56と通信して、それらの装置52,54,56が後述するような動作をおこなうようにする。
【0033】
第1情報付与装置52は、消失可能なインクで容器14に識別情報を付する装置である。識別情報としては、物品12を投下させた秤量機46を区別する情報または個々の容器14を区別する容器14の通し番号である。秤量機46を区別する情報は、投下コンベヤ16を区別する情報であっても良い。コンピュータからの指令によって、容器14に識別情報を付与する。
【0034】
インクとしては、熱、摩擦(摩擦熱を含む)、または所定波長の光に反応して消去されるインクである。熱によって消失可能なインクの一例として、フタレイン系pH指示薬を塩基性物質で発色させてなる水性着色液にサイクロデキストリン及びその誘導体を含有させたものが挙げられる。フタレイン系pH指示薬としては、フェノールフタレインなどが挙げられる。塩基性物質としては炭酸ナトリウムなどが挙げられる。サイクロデキストリン及びその誘導体の具体例としてはα−,β−又はγ−サイクロデキストリンが挙げられる。
【0035】
また、インクとして、時間と共に消えるインクであってもよい。識別情報を読み取るまではインクが消えず、その後に容器14が仕分けされて出荷されるときにはインクが消えているようにする。容器14の消去装置66を備えなくても良く、設備が簡略化される。
【0036】
識別情報を消失させるため、識別情報を付する位置は限定されない。容器14の模様や色などに関係なく識別情報を付すことができる。例えば、容器14や容器14に描かれた模様、絵または文字などの色に対して補色となる色を識別情報の色に使用することにより識別情報のコントラストが高くなる。識別情報を読み取るときに、読み取りミスを防止できる。
【0037】
第1情報付与装置52は、例えばインクジェットプリンター、ローラータイプや押印タイプのスタンプなどが挙げられる。ローラータイプのスタンプ58であれば、ローラータイプの印面60と印面60にインクを与えるインクタンク62とで構成される(図4)。インクタンク62にインクを補充またはインクタンク62を取り替えて、連続して識別情報を付与する。スタンプであれば、インクの色や印刷する内容の異なる複数種のスタンプを備えるようにしても良い。
【0038】
バーコード、二次元コード、容器14におけるインクの印刷された位置の違い、印刷されたインクの形状の違い、およびインクの色彩の違いによって識別情報の内容を表示する。これらは、複数組み合わせても良い。例えば、図5に示すように、容器14における識別情報64の印刷位置を異ならせたり、図6に示すように、識別情報64として印刷されたインクの長さ(形状)を異ならせたり、その他、カラーバーコードを用いたりする。なお、インクの形状の違いには、文字、図形、記号、模様、それらの大きさや長さなどの物理的な種々の違いを含む。
【0039】
上記の第1情報付与装置52は、針穴を空けるための装置と異なり、複雑な装置は必要ない。針穴を空けるために容器14を固定させたりする必要もなく、構成が簡単になる。ローラータイプのスタンプ58であれば、容器14を搬送させながら識別情報の付与が可能であり、容器14の搬送効率が高くなる。また、押印タイプのスタンプであっても、容器14を停止させる時間は短時間であり、容器14の搬送効率は高い。
【0040】
なお、容器14を自動的に封函する装置を備える。容器14が仕分けされるまでに封函して、仕分け中に容器14内の物品12が容器14から飛び出さないようにする。また、複数である容器14の搬送経路は第1情報付与装置52で識別情報を付した後に合流コンベヤで合流され、容器14内の物品12の内容を異にする容器14が1本の搬送経路を搬送される。
【0041】
識別情報を読み取る装置54は、識別情報に対して光を照射し、反射光を受光して識別情報を読み取る。そのため、レーザーダイオードや発光ダイオードなどの発光素子と、フォトダイオードやフォトトランジスタなどの受光素子を備える。なお、識別情報を撮影して、画像処理をおこなうことによって識別情報を読み取る構成であっても良い。
【0042】
読み取られた識別情報は、コンピュータに送られる。コンピュータでは、各秤量機46において容器14に収納された物品12の内容の情報が記憶されている。物品12の内容の情報としては、物品12の品質、外観、総重量などが挙げられる。柑橘であれば、等級、大きさ、総重量である。また、コンピュータには、容器14に収納された物品14の内容に応じて、いずれに仕分けすべきかを関連づける情報が記憶されている。識別情報に応じて、容器14内の物品12の情報および容器14の仕分け先情報をコンピュータから第2情報付与装置56に送信される。容器14は順番に搬送されており、それらの情報を順番に第2情報付与装置56に送れば、第2情報付与装置56が順番に容器14にそれらの情報を付することができる。
【0043】
第2情報付与装置56は、コンピュータから受信した容器14内の物品12の情報および容器14の仕分け先情報を容器14に付与する。すなわち、第2情報付与装置56は、読み取られた識別情報に応じて、容器14内の物品12の情報および容器14の仕分け先情報を付する。容器14内の物品12の情報は人間によって認識できるものである。例えば柑橘の表示に用いる等級、大きさ、総重量が挙げられる。仕分け先情報は、仕分け装置20で仕分けするときに、容器14の搬送経路を示すものである。バーコードなどの光学的に読み取り可能なものである。第2情報付与装置56で付した情報は上記識別情報と異なり、消失しないインクで付されている。
【0044】
容器14に付された識別情報を消去する消去装置66を備える。容器14の識別情報のインクに対して熱風を吹き付けたり、摩擦接触させたり、所定波長の光を照射する装置である。インクの種類によってこれらを選択する。例えば、ファン68によってヒーター70の熱を識別情報のインクに吹き付ける装置が挙げられる(図7)。また、布などで識別情報をこするなどして摩擦接触させる装置であっても良い。いずれの装置であっても、容器14の搬送中に簡単に識別情報を消去することができ、搬送効率を低下させることはない。
【0045】
仕分け装置20は、容器14の搬送経路が複数に分岐されるものである。容器14を搬送経路に沿って搬送する通常のコンベヤや搬送経路が分岐される分岐コンベヤを備える。容器14の仕分け先情報を読み取る装置も備える。容器14は仕分けされ、出荷される。
【0046】
上記のように、本発明は識別情報を消失可能なインクによって記載する。容器14に収められた物品12が出荷されるまでに、識別情報を消している。そのため、容器14のデザインに関係なく、容器14のどの位置に識別情報を付しても良い。第1情報付与装置52や読み取り装置54の配置や設計の自由度が高くなる。設計によっては、針穴を空けるのとは異なり、容器14を停止させたり固定したりする必要がないため、容器14の搬送効率が高まる。
【0047】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【符号の説明】
【0048】
10:仕分け設備
12:物品
14:容器
16:投下コンベヤ(投下する手段)
18:容器搬送装置(供給する手段)
20:仕分け装置
22:大出し口
24:主投下コンベヤ
26:小出し口
28:副投下コンベヤ
30:横引きコンベヤ
32:第1の移送手段
34:第2の移送手段
36:容器供給手段
38:鉛直シュート
40:第1のプッシャー
42:開口
44:開口
46:秤量機
48:主秤量機
50:副秤量機
52:第1情報付与装置
54:読み取り装置
56:第2情報付与装置
58:ローラータイプのスタンプ
60:印面
62:タンク
64:識別情報
66:消去装置
68:ファン
70:ヒーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を容器に収納して、該容器を搬送する仕分け設備であって、
前記物品を搬送し、下流端で容器に物品を投下する手段と、
空の容器を物品の投下位置まで供給する手段と、
前記物品を投下した後の容器に対して、消失可能なインクによって識別情報を付する第1情報付与装置と、
前記識別情報を読み取る読み取り装置と、
前記読み取り装置によって読み取られた識別情報に応じて、容器内の物品の情報および容器の仕分け先情報を付する第2情報付与装置と、
前記仕分け先情報を読み取り、仕分け先情報に応じて容器を仕分けする仕分け装置と、
を備えた仕分け設備。
【請求項2】
前記インクが、熱、摩擦または所定波長の光によって消えるインクであり、
前記仕分け先情報の読み取り後に識別情報を消去する消去装置を備え、
前記消去装置が、識別情報に対して熱風を吹き付ける手段、識別情報に対して摩擦接触する手段、または識別情報に対して所定波長の光を照射する手段を備えた
請求項1の仕分け設備。
【請求項3】
前記物品を投下するための搬送経路が複数本であり、
前記物品を投下するための搬送経路ごとに、搬送される物品の内部品質、物品の外観、または物品の重量の少なくとも1つが異なり、
前記搬送経路ごとの物品の投下位置に物品の総重量を計量する秤量機を備え、
前記識別情報が秤量機を区別する情報または容器を区別する情報を含む
請求項1または2の仕分け設備。
【請求項4】
バーコード、二次元コード、容器におけるインクの印刷された位置の違い、印刷されたインクの形状の違い、およびインクの色彩の違いの少なくとも1つによって、前記識別情報の内容を表示する請求項1から3のいずれかの仕分け設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−218877(P2012−218877A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86136(P2011−86136)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】