説明

付加部材の取付構造および什器

【課題】補助天板をはじめとする各種の付加部材を、加工工数および加工コストを抑えて低コストで天板に取付可能とし、さらには天板の幅方向の任意の位置に容易に取付可能とする。
【解決手段】ブラケットプレート31A、31Bは、一端側の係止爪の爪部を係止孔15に挿入し、他端側は端面36、36どうしを突き当てるとともに、補助天板20によって連結される。これにより、補助天板20を、ブラケットプレート31A、31Bを介して天板12に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器の天板への付加部材の取付構造、および什器に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス等の執務空間にて使用されるデスクやカウンター等の什器においては、使用者が執務や作業等を行うための作業面を形成する天板が備えられているのが一般的である。
【0003】
什器の使用形態によっては、天板上の平面の拡張が迫られることがある。このような場合に、天板裏面を利用して補助天板を固定し、天板上の作業面を拡張する方法等が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−155551号公報、
【特許文献2】特開平10−42966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような上記の方法においては、補助天板を、ブラケットを介して天板に固定する。ブラケットは、ボルトにより天板に固定され、これにともない、天板の裏面側に、ボルトを固定するためのボルト穴を形成する必要がある。
ブラケットの天板への固定にボルトを用いると、補助天板の天板に対する取り付け位置を変更したい場合や、一つの天板に複数の補助天板を取り付けたい場合等に、これに応じて天板の下面に複数のボルト穴を形成しなければならない。ボルト穴の形成には、単なる孔やスリットの形成に比較すれば手間がかかる。したがって、加工工数および加工コストを要してしまうという問題がある。また、例えばユーザ側でオプション部材や補助天板の位置変更等を気軽に行えないという問題もある。
【0006】
また、天板の下方は、椅子に腰掛けた利用者の下肢を収容したり、引出し等の収納用什器を格納するための空間として利用されていることが多い。天板の下方空間をさらに効率的に利用するため、天板に各種のオプション部材(付加部材)を吊り下げて設けることが考えられるが、この場合も、天板下面にオプション部材をボルト固定したのでは、上記と同様の問題が生じる。
【0007】
そこでなされた本発明の目的は、補助天板をはじめとする各種の付加部材を、加工工数および加工コストを抑えて低コストで天板に取付可能とし、さらには天板の幅方向の任意の位置に容易に取付可能とすることのできる付加部材の取付構造および什器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明は、天板を備えた什器に付加部材を取り付けるための取付構造であって、下面に複数の係止孔が間隔を隔てて形成された天板に付加部材がブラケットを介して取り付けられ、ブラケットは、天板の下面に係止される第一ブラケットと、第一ブラケットに隣接して天板の下面に係止される第二ブラケットと、第一ブラケットと第二ブラケットとを連結する連結部材と、を備える。そして、第一ブラケットは、第二ブラケットから離間する側の端部に形成され天板に対向する側に延びる第一基部、および第一基部から天板に沿う方向であって、第二ブラケットから離間する側に延びる第一爪部を有し、係止孔に係止される第一係止爪を具備する。第二ブラケットは、第一ブラケットから離間する側の端部に形成され天板に対向する側に延びる第二基部、および第二基部から天板に沿う方向であって、第一ブラケットから離間する側に延びる第二爪部を有し、係止孔に係止される第二係止爪を具備する。
このような取付ブラケットは、第一ブラケット、第二ブラケットの第一係止爪、第二係止爪を天板の係止孔に挿入して係止させることで、第一ブラケットは、第二ブラケットから離間する側の端部が天板に係止され、第二ブラケットは第一ブラケットから離間する側の端部が天板に係止される。そして、連結部材によって、このような第一ブラケット、第二ブラケットを連結することで、第一ブラケットと第二ブラケットを一体化する。すると、これら一体化された第一ブラケットおよび第二ブラケットは、その両端部が第一係止爪および第二係止爪により係止された状態で天板に固定することができる。
このようなブラケットに各種の付加部材を取り付けることで、天板に付加部材を取り付けることができる。
このとき、天板には、係止孔を形成すれば良く、ボルト孔を複数形成したり、多くの種類の孔を形成する必要も無い。
【0009】
第一ブラケットと第二ブラケットとのそれぞれは、互いに近接した状態で連結部材によって連結することもできるが、第一係止爪および第二係止爪が係止孔に挿入されて係止された状態で互いに突き当たることで、突き当たる第二ブラケットまたは第一ブラケットと、第一係止爪、第二係止爪がそれぞれ挿入された係止孔との間に挟み込まれるようにするのが好ましい。これにより、第一ブラケットと第二ブラケットが、それぞれ天板の係止孔に係止させるだけで互いに拘束し合うことで、天板に仮係止させることができ、その後の連結部材の取り付けなどをより容易に行うことができる。
【0010】
第一ブラケットおよび第二ブラケットは、第一係止爪および第二係止爪により天板の下面に係止された一端側に対し、他端側が天板から側方に突出して付加部材に固定される構成とすることができる。
この場合、第一ブラケットおよび第二ブラケットにそれぞれ貫通孔が形成され、付加部材に形成されたボルト孔に貫通孔を通してボルトをねじ込むことで、第一ブラケットおよび第二ブラケットを付加部材によって連結することができる。すなわち、付加部材が連結部材として機能する。ボルト孔は付加部材に設ければ良いので、天板側に多数のボルト孔を形成する必要は無い。
ここで、付加部材に、ボルト孔を、天板に形成された係止孔のピッチよりも小さなピッチで複数組備えるようにすれば、天板に対する付加部材の相対位置を、係止孔のピッチより細かいピッチで調整することが可能となる。
【0011】
また、第一ブラケットと第二ブラケットの端部にそれぞれ凹部が形成され、第一ブラケットと第二ブラケットを突き合わせたときに互いに対向するこれらの凹部により第一ブラケットおよび第二ブラケットに跨る孔が形成され、この孔が貫通孔の少なくとも一つとして構成されるようにすることもできる。
【0012】
また、連結部材に貫通孔が形成され、第一ブラケットおよび第二ブラケットにボルト孔がそれぞれ形成され、貫通孔を通してボルト孔にボルトをねじ込むことで、第一ブラケットと第二ブラケットとが連結される構成とすることもできる。これにより、ボルト孔は第一ブラケット、第二ブラケットに形成するのみで、天板に形成する必要が無い。このことからも、付加部材の取付を低コストに行える。
このような連結部材に、付加部材、または付加部材を支持するための支持金具を取り付けることができる。
【0013】
さらに、第一ブラケットは、天板に対向する側に延び、係止孔に挿入される第一挿入爪をさらに備え、第二ブラケットは、天板に対向する側に延び、係止孔に挿入される第二挿入爪をさらに備えることができる。これら第一挿入爪、第二挿入爪を天板の係止孔に係止することにより、第一係止爪、第二係止爪が天板の係止孔に挿入・係止された第一ブラケット、第二ブラケットが不用意に動くのを防止できる。
【0014】
また、本発明は、上記したような付加部材の取付構造を備える什器とすることもできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、補助天板をはじめとする各種の付加部材を、加工工数および加工コストを抑えて低コストで天板に取付可能とし、さらに天板の幅方向の任意の位置に容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態における什器の一例を示す斜視図である。
【図2】補助天板が取り付けられた天板を下方から見た図である。
【図3】補助天板が取り付けられた天板の側断面図である。
【図4】ブラケットの表裏を示す斜視図である。
【図5】ブラケットの四面図である。
【図6】天板へのブラケットの取付の流れを示す図である。
【図7】図6に続く状態を示す図である。
【図8】補助天板の下面図である。
【図9】ブラケットの他の例を示す図であり、天板へのブラケットの取付の流れを示す図である。
【図10】図9に続く状態を示す図である。
【図11】ブラケットの他の例を示す図であり、幅の異なるブラケットを入れ替えることで、付加部材の吊り下げ位置を変更する場合の例を示す図である。
【図12】連結部材に付加部材を吊り下げて設けた場合の例を示す図である。
【図13】他の付加部材の例を示す写真図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明による付加部材の取付構造および什器を実施するための最良の形態を説明する。しかし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態におけるデスク装置、カウンター等の什器10の一例を示す斜視図である。なお、以下の説明において、上方、下方、前方、後方といった方向は、什器10を床面上に設置して使用するときの状態に対応した方向としている。すなわち、什器10が設置される床面側を「下方」、その反対方向を「上方」、この什器10を使用するユーザが什器10に対向する側を「前方」、その反対側を「後方」と称する。
【0019】
図1に示すように、什器10は、什器10が設置される床面上に立ち上がる一対の支持体11、11と、これら支持体11、11によって、床面の上方の所定高さに支持された天板12と、を備える。
【0020】
ここで、支持体11としては、様々な形状の支持脚や、引き出しを備えた袖箱等を採用できる。また、支持体11は、二つに限られず、三つ以上備えていても良い。また、例えば壁面やパーティションに天板12を取り付ける場合、支持体11として、略L字状の金具等を用いることもできる。
【0021】
このような什器10の天板12には、例えば補助天板(連結部材、付加部材)20が取り付け可能となっている。補助天板20は、必要に応じ、床上に立設される支持脚22を備えることもできる。以下、天板12に対する補助天板20の取り付け構造について説明する。
図2に示すように、天板12の下面には、前縁部12aの近傍に、係止孔15が、天板12の幅方向に沿って一定間隔を隔てて配列されている。各係止孔15は、天板12の幅方向に沿って一定長を連続させたスリット状に形成されている。
【0022】
図3に示すように、天板12の下面には、スペーサ12bを介して下面板12cが間隔を隔てて設けられている。これにより、下面板12cの上方には空間Sが形成されている。
前記の係止孔15は、この下面板12cを上下に貫通することで形成されている。
【0023】
図1、図2に示すように、補助天板20は、任意の形状(図1、図2の例では矩形状)を有した板状で、少なくともその一辺20aが直線状とされ、天板12の前縁部12aに突き合わせた状態で、ブラケット30により天板12に固定される。なおここで、補助天板20は、いかなる平面形状としても良い。
図4、図5に示すように、ブラケット30は、二枚一対のブラケットプレート(第一ブラケット)31Aおよびブラケットプレート(第二ブラケット)31Bからなる。ブラケットプレート31A、31Bは、左右対称で、矩形状のベース板部32と、ベース板部32の外周縁部から立ち上がるリブ壁33と、を有する。ベース板部32の四方に形成されたリブ壁33の一辺33aには、係止爪(第一係止爪、第二係止爪)34と、挿入爪35とが設けられている。
【0024】
係止爪34は、リブ壁33の一辺33aの一方の端部に形成され、リブ壁33に連続して形成された基部(第一基部、第二基部)34aと、基部34aからリブ壁33の一辺33aに沿い、かつブラケットプレート31A、31Bの外方に向けて延びる爪部(第一爪部、第二爪部)34bとからなる略L字状とされている。
【0025】
また、挿入爪35は、リブ壁33に連続してベース板部32側から立ち上がるように形成されている。図6(a)に示すように、この挿入爪35は、その幅Wが、係止孔15のスリット長Lよりもわずかに小さく形成されている。また、挿入爪35は、図6(b)に示すように、係止爪34の爪部34bを係止孔15に挿入し、基部34aを係止孔15の一端15aに突き当てたときに、図6(c)に示すように、他の係止孔15に対向して、この係止孔15に挿入できるように形成されている。
【0026】
ブラケットプレート31Aとブラケットプレート31Bは、係止爪34が形成された側とは反対側の端面36において互いに突き合わされるようになっている。ここで、図6(b)に示すように、ブラケットプレート31Aとブラケットプレート31Bのそれぞれにおいて、係止爪34の爪部34bを、複数の係止孔15のうち任意(所望)の係止孔15に挿入して基部34aを係止孔15の一端15aに突き当て、さらに図6(c)に示すように、端面36側を天板12に向けて押すと、他の係止孔15に挿入爪35が挿入される。このときに、図7(a)に示すように、ブラケットプレート31A、ブラケットプレート31Bは、端面36、36どうしが突き当たるように形成されている。端面36、36どうしが突き当たることによって、係止爪34の基部34aが係止孔15の一端15aに押し付けられ、これによって、図7(b)に示すように、ブラケットプレート31A、31Bは、突き当たる相手側となる他方のブラケットプレート31B、31Aと、係止孔15の一端15aとで挟み込まれたような状態となる。このようにして、ブラケットプレート31A、31Bは、それぞれ天板12の係止孔15に係止させるだけで互いに拘束し合い、天板12に仮係止させることができる。
【0027】
図4に示したように、ブラケットプレート31A、31Bのベース板部32には、貫通孔38が貫通形成されている。さらに、ブラケットプレート31A、31Bの端面36の近傍には、ボルト孔凹部(凹部)39が形成されている。このボルト孔凹部39は、ブラケットプレート31A、31Bの端面36、36どうしを突き合わせたときに、他方のボルト孔凹部39と対向することで、貫通孔38と同様の貫通孔(孔)40を構成する。
【0028】
図3に示したように、上記したようなブラケットプレート31A、31Bは、リブ壁33の一辺33aに形成された係止爪34、挿入爪35を天板12の下面に形成された係止孔15に挿入した状態で、リブ壁33において一辺33aに対向する対向辺33b側が天板12の前縁部12aから前方に突出するようになっている。そして、天板12の前縁部12aから突出したブラケットプレート31A、31B上に補助天板20が支持される。ここで、図8に示すように、補助天板20の下面には、ブラケットプレート31A、31Bのそれぞれに形成された貫通孔38と、ブラケットプレート31A、31Bの間に形成された貫通孔40と、に対応して、3個一組のボルト孔41、42、43が形成されている。これら3個一組のボルト孔41、42、43は、天板12に形成された係止孔15のピッチPよりも小さなピッチQずつ、一辺20aに沿った方向にシフトして、合計3組が形成されている。
【0029】
図3、図7(b)、(c)に示すように、補助天板20は、このようなブラケットプレート31A、31Bに対し、3本のボルト45を、貫通孔38、38、40を通していずれかの組のボルト孔41、42、43にねじ込むことで固定される。これにより、ブラケットプレート31A、31Bは、補助天板20によって連結固定される。また、補助天板20は、ブラケットプレート31A、31Bからなるブラケット30を介して天板12に取付固定される。
【0030】
上述したような構成により、補助天板20をブラケットプレート31A、31Bを介して天板12に容易に取り付けることができる。このとき、ブラケットプレート31A、31Bは、天板12に対しては、係止爪34、挿入爪35を係止孔15に挿入するのみで係止される。したがって、天板12には、係止孔15を設けるのみで良く、係止爪34と挿入爪35、あるいはブラケットプレート31Aとブラケットプレート31Bとで、それぞれ異なる係止孔を用意する必要がない。したがって、補助天板20の取付を高い自由度でしかも低コストに行うことができる。
【0031】
また、ブラケットプレート31A、31Bは、係止爪34の爪部34bを係止孔15に挿入し、さらに端面36側を天板12に向けて押すと、端面36、36どうしが突き当たる。これにより、ブラケットプレート31A、31Bは、他方のブラケットプレート31B、31Aと、係止孔15の一端15aとで挟み込まれたような状態となり、天板12に仮係止される。このようにして、ブラケットプレート31A、31Bは、それぞれ天板12の係止孔15に係止させるだけで互いに拘束し合い、天板12に仮係止させることができる。
さらに、ボルト45を、貫通孔38、38、40を通して補助天板20のボルト孔41、42、43にねじ込むのみで補助天板20を取り付けることができ、作業性に優れる。
【0032】
このようなブラケットプレート31A、31Bは、天板12の下面板12cの幅方向に一定間隔ごとに形成された複数の係止孔15のうちから、任意の位置を選択して取り付けることができる。これにより、補助天板20を、天板12の幅方向の所望の位置に容易かつ確実に取り付けることが可能となる。さらに、補助天板20に形成された3組のボルト孔41、42、43の中から、ボルト45をねじ込むボルト孔41、42、43を選択することにより、天板12に対する補助天板20の位置を、係止孔15のピッチPよりも細かいピッチQで調整することができる。
【0033】
(その他の実施形態)
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。以下、その変形例を示す。なお、変形例においては、上記実施形態で示した構成と共通する構成については、同符号を付してその説明を省略する。
ブラケットプレート31A、31Bは、左右対称な構成としたが、これに限る物ではなく、非対称とすることもできる。すなわち、図9に示すように、ブラケットプレート(第一ブラケット)31Cおよびブラケットプレート(第二ブラケット)31Dは、一方のブラケットプレート31Cの幅が、他方のブラケットプレート31Dの幅よりも大きく設定されている。
ブラケットプレート31C、31Dは、天板12に対しては、係止爪34、挿入爪35を係止孔15に挿入するのみで係止される。したがって、天板12には、係止孔15を設けるのみで良く、係止爪34と挿入爪35、あるいはブラケットプレート31Cとブラケットプレート31Dとで、それぞれ異なる係止孔を用意する必要がない。また、図9(a)、(b)に示すように、ブラケットプレート31C、31Dは、それぞれの係止爪34を係止孔15に挿入し、さらに他の係止孔15に挿入爪35を挿入する。このときに、図9(c)、(d)に示すように、ブラケットプレート31C、ブラケットプレート31Dは、端面36、36どうしを突き合わせて天板12の下面板12cに押し付けると、他方のブラケットプレート31D、31Cと、係止孔15とで挟み込まれたような状態となる。このようにして、ブラケットプレート31C、31Dは、それぞれ天板12の係止孔15に係止させるだけで互いに拘束し合い、天板12に仮係止させることができる。
【0034】
また、上記実施形態においては、ブラケットプレート31A、31Bの対向辺33b側が天板12の前縁部12aから前方に突出して補助天板20に固定される構成となっているが、これに限るものではない。すなわち、図10に示したように、ブラケットプレート31C、31Dは、天板12の下面のみに固定することも可能である。その場合、ブラケットプレート31C、31Dは、連結プレート(連結部材)50によって連結される。連結プレート50は、ブラケットプレート31C、31Dの双方に跨るように設けられる。ブラケットプレート31C、31Dのそれぞれには、ボルト孔51が形成されており、連結プレート50には、これらボルト孔51、51に対応した位置に貫通孔52、52が形成されている。
前記したように、ブラケットプレート31C、31Dを天板12の下面に仮係止した後、図10に示すように、ブラケットプレート31C、31Dの下面に連結プレート50を当て、貫通孔52、52を通してブラケットプレート31C、31Dのボルト孔51、51にボルト53をねじ込むことにより、連結プレート50がブラケットプレート31C、31Dに固定される。これにより、ブラケットプレート31C、31Dが互いに連結・固定される。
このようなブラケットプレート31C、31Dは、天板12の下面のみに固定することが可能であり、さらに、連結プレート50は、ブラケットプレート31C、31Dのみにボルト孔51を形成すれば良く、天板12には形成する必要が無いことから、加工の工数およびコストを抑えることができる。
また、このようなブラケットプレート31C、31Dは、前述したように、それぞれ天板12の係止孔15に係止させるだけで互いに拘束し合い、天板12に仮係止させることができるので、その後の連結部材50の取付等を容易に行うことができる。
また、このような連結プレート50により連結する構成は、上記実施形態で示したブラケットプレート31A、31Bにおいても同様に適用できる。
【0035】
さらに、ブラケットプレート31C、31Dのボルト孔51を複数設けておけば、ブラケットプレート31C、31Dに対する連結プレート50の相対位置を調整できる。
【0036】
また、図11(a)、(b)に示すように、上記のように幅の異なるブラケットプレート31C、31Dは、ボルト孔51、51の位置を、ブラケットプレート31C、31Dを連結した状態での中心線Cに対して線対称としないようにしておくことで、ブラケットプレート31C、31Dの位置関係を入れ替えるだけで、ブラケットプレート31C、31Dに対する連結プレート50の相対位置を容易に変更することが可能である。
【0037】
さらに、図12に示したように、このような連結プレート50に、オプション部材(付加部材60を取り付けることができる。これには、連結プレート50を、例えば両端部に断面C字状の保持部50a、50aを有した構成としておくことで、この保持部50a、50aに、プレート状の取付金具55を挿入して保持させる。そして、この取付金具55に、様々なオプション部材(付加部材)60をつり下げることができる。
図12に示したオプション部材60は、コンピュータ装置61を保持するフレーム62である。オプション部材60としては、他にも図13に示すように、カバン等を物品置くためのフレーム63や、カバン、書類や書籍等の物品を収容するボックス64等、様々な形態が採用できる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0038】
10 什器
11 支持体
12 天板
12c 下面板
15 係止孔
20 補助天板(連結部材、付加部材)
30 ブラケット
31A、31C ブラケットプレート(第一ブラケット)
31B、31D ブラケットプレート(第二ブラケット)
34 係止爪(第一係止爪、第二係止爪)
34a 基部(第一基部、第二基部)
34b 爪部(第一爪部、第二爪部)
35 挿入爪
36 端面
38 貫通孔
39 ボルト孔凹部(凹部)
40 貫通孔(孔)
41 ボルト孔
45 ボルト
50 連結プレート(連結部材)
51 ボルト孔
52 貫通孔
53 ボルト
55 取付金具
60 オプション部材(付加部材)
62 フレーム
63 フレーム
64 ボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板を備えた什器に付加部材を取り付けるための取付構造であって、
下面に複数の係止孔が間隔を隔てて形成された前記天板に、付加部材がブラケットを介して取り付けられ、
前記ブラケットは、
前記天板の下面の前記係止孔に係止される第一ブラケットと、
前記第一ブラケットに隣接して前記天板の下面の他の前記係止孔に係止される第二ブラケットと、
前記第一ブラケットと前記第二ブラケットとを連結する連結部材と、を備え、
前記第一ブラケットは、
前記第二ブラケットから離間する側の端部に形成され、前記天板に対向する側に延びる第一基部、および前記第一基部から前記天板に沿う方向であって、前記第二ブラケットから離間する側に延びる第一爪部を有し、前記係止孔に係止された第一係止爪を具備し、
前記第二ブラケットは、
前記第一ブラケットから離間する側の端部に形成され、前記天板に対向する側に延びる第二基部、および前記第二基部から前記天板に沿う方向であって、前記第一ブラケットから離間する側に延びる第二爪部を有し、前記係止孔に係止された第二係止爪を具備することを特徴とする付加部材の取付構造。
【請求項2】
前記第一ブラケットと前記第二ブラケットとのそれぞれは、前記第一係止爪および前記第二係止爪が前記係止孔に挿入されて係止された状態で互いに突き当たることで、該突き当たる前記第二ブラケットまたは前記第一ブラケットと、前記第一係止爪、前記第二係止爪がそれぞれ挿入された前記係止孔との間に挟み込まれることを特徴とする請求項1に記載の付加部材の取付構造。
【請求項3】
前記第一ブラケットおよび前記第二ブラケットは、前記第一係止爪および前記第二係止爪により前記天板の下面に係止された一端側に対し、他端側が前記天板から側方に突出して前記付加部材に固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の付加部材の取付構造。
【請求項4】
前記第一ブラケットおよび前記第二ブラケットにそれぞれ貫通孔が形成され、前記付加部材に形成されたボルト孔に前記貫通孔を通してボルトをねじ込むことで、前記第一ブラケットおよび前記第二ブラケットが前記付加部材に固定されていることを特徴とする請求項3に記載の付加部材の取付構造。
【請求項5】
前記連結部材に貫通孔が形成され、
前記第一ブラケットおよび前記第二ブラケットにボルト孔がそれぞれ形成され、前記貫通孔を通して前記ボルト孔にボルトをねじ込むことで、前記第一ブラケットと前記第二ブラケットとが連結されることを特徴とする請求項1または2に記載の付加部材の取付構造。
【請求項6】
前記連結部材に、前記付加部材、または前記付加部材を支持するための支持金具が取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の付加部材の取付構造。
【請求項7】
前記第一ブラケットは、前記天板に対向する側に延び、前記係止孔に挿入される第一挿入爪をさらに備え、
前記第二ブラケットは、前記天板に対向する側に延び、前記係止孔に挿入される第二挿入爪をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の付加部材の取付構造。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の付加部材の取付構造を備えることを特徴とする什器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−185335(P2011−185335A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49624(P2010−49624)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】