代謝性疾患の処置のためのピロン
ピロン類似化合物またはその誘導体を投与することによって、代謝性障害または他の疾患を処置および予防する方法が記載されている。また、ピロン類似化合物またはその誘導体を、1つ以上のさらなる薬剤(例えば、脂質低下剤またはグルコース低下剤)と組み合わせて投与することによって、代謝性障害および他の疾患を処置および予防する方法も記載されている。生理学的な一区画から外側の環境への脂質排出量を増やすように脂質トランスポーターの活性を調節する方法が記載されている。ピロン類似化合物またはその誘導体を投与した後に、代謝性障害が処置できているか、または予防できているかを評価するために、本明細書に開示されている方法を用いてもよい。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞のトランスポーターの活性を調節するピロン類似化合物の有効量を被験体に投与することを含む、細胞を生存させるために、細胞の生理学的状態を維持する方法。
【請求項2】
前記ピロン類似化合物が、インスリン濃度、グルコース濃度、トリグリセリド濃度、体重、脂肪重量、アディポネクチン濃度、コレステロール濃度、高密度リポタンパク質の濃度、中間密度リポタンパク質の濃度、低密度リポタンパク質の濃度、超低密度リポタンパク質の濃度、プロスタグランジンの濃度、炎症メディエーターの濃度、サイトカインの濃度、泡沫細胞の濃度、アテローム硬化性線条、アテローム硬化性プラーク、血管狭窄、脂質の濃度、リン脂質の濃度、HbA1Cの濃度、またはこれらの組み合わせを調節する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ピロン類似化合物が、インスリン濃度、グルコース濃度、トリグリセリド濃度、体重、アディポネクチン濃度、コレステロール濃度、高密度リポタンパク質の濃度、中間密度リポタンパク質の濃度、低密度リポタンパク質の濃度、超低密度リポタンパク質の濃度、プロスタグランジンの濃度、炎症メディエーターの濃度、サイトカインの濃度、泡沫細胞の濃度、アテローム硬化性線条、アテローム硬化性プラーク、血管狭窄、またはこれらの組み合わせを調節する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ピロン類似化合物が、インスリン濃度、グルコース濃度、トリグリセリド濃度、コレステロール濃度または脂質の濃度を調節する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ピロン類似化合物が、脂肪親和性分子の輸送を調節する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記脂肪親和性分子が、脂質、ステロール、コレステロール、トリグリセリド、リン脂質またはトコフェロール分子である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
膵臓島細胞の生存が維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記膵臓島細胞が、損傷を受けているか、破壊されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記細胞が、アポトーシス、壊死、自食作用、またはこれらの組み合わせによって破壊される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
膵細胞のストレスまたは損傷を処理することによって、前記細胞の生存が維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
有効量のピロン類似化合物を被験体に投与する工程を含み、このピロン類似化合物が、細胞表面のトランスポーターの活性を調節する、疾患を処置する方法。
【請求項12】
前記疾患が代謝性疾患である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記疾患が、高脂質血症、高トリグリセリド血症または高コレステロール血症に関連する疾患である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記疾患が、高脂質血症、高トリグリセリド血症または高コレステロール血症であり、前記ピロン類似化合物が、高脂質血症、高トリグリセリド血症もしくは高コレステロール血症、および/または、高脂質血症、高トリグリセリド血症もしくは高コレステロール血症に関連する1つ以上の症状を軽減する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記被験体が、糖尿病、高血糖、創傷治癒の遅延、ニューロパチー、インスリン抵抗性、高インスリン血症、低インスリン血症、高血圧、高脂質血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、微小血管の網膜症、血管狭窄症、炎症および水腎症からなる群から選択される状態を患っている、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
有効量のピロン類似化合物を被験体に投与する工程を含み、このピロン類似化合物が、細胞のトランスポーターの活性を調節する、脂肪親和性分子の輸送を調節する方法。
【請求項17】
前記脂肪親和性分子が、脂質、ステロール、コレステロール、トリグリセリド、リン脂質またはトコフェロール分子である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体の脂質濃度、コレステロール濃度またはトリグリセリド濃度を調節する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体のコレステロールが蓄積した細胞または脂質が蓄積した細胞において、コレステロールトランスポーターを調節する、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記コレステロールが蓄積した細胞または脂質が蓄積した細胞が、マクロファージ、筋肉細胞または脂肪細胞である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記コレステロールが蓄積した細胞または脂質が蓄積した細胞がマクロファージである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体のコレステロールが蓄積した細胞において、コレステロールの取り込みを阻害する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体のコレステロールが蓄積した細胞からの、コレステロールの排出を増加させる、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記ピロン類似化合物が増加させるコレステロールの排出が、循環アポリポタンパク質A−Iの分泌を増加させることを介して行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ピロン類似化合物が増加させるコレステロールの排出が、ABCA1による、コレステロールが蓄積した細胞から血中のアポリポタンパク質A−Iへのコレステロール移動量を増やすことを介して行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記ピロン類似化合物が誘導させるコレステロールの排出が、前記ピロン類似化合物によって、コレステロールが蓄積した細胞膜にABCA1を安定化することを介して行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体の脂質が蓄積した細胞においてトリグリセリドトランスポーターを調節する、請求項16に記載の方法。
【請求項28】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体の脂質が蓄積した細胞からの、リン脂質の排出を増加させる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ピロン類似化合物が増加させるリン脂質の排出が、ABCA1によって、脂質が蓄積した細胞からリン脂質の移動量を増やすことを介して行われる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記被験体の血中低密度リポタンパク質濃度に対する血中高密度リポタンパク質濃度の比率が増加する、請求項16に記載の方法。
【請求項31】
前記被験体の血中グルコース濃度が減少する、請求項16に記載の方法。
【請求項32】
前記被験体がヒトである、請求項16に記載の方法。
【請求項33】
脂質濃度を下げる化合物を前記被験体に投与する工程をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項34】
前記脂質濃度を下げる化合物が、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、ニコチン酸、メビノリン、メバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、コレスチラミン、コレスチポール、プロブコール、アスコルビン酸、アスパラギナーゼ、クロフィブラート、コレスチポール、フェノフィブラートまたはω−3脂肪酸を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記被験体におけるグルコース濃度を下げる化合物を前記被験体に投与する工程をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項36】
前記グルコース濃度を下げる化合物が、グリピザイド、エクセナチド、インクレチン、シタグリプチン、ピオグリタゾン、グリメピリド、ロシグリタゾン、メトホルミン、エクセナチド、ビルダグリプチン、スルホニルウレア、グルコシダーゼ阻害剤、ビグアニド、レパグリニド、アカルボース、トログリタゾンまたはナテグリニドを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
有効量のピロン類似化合物を被験体に投与する工程を含み、このピロン類似化合物が、細胞のトランスポーターの活性を調節する、前記被験体において脂質濃度、コレステロール濃度、トリグリセリド濃度、インスリン濃度またはグルコース濃度を調節する方法。
【請求項38】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体において脂質濃度を調節する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体においてコレステロール濃度を調節する、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体においてトリグリセリド濃度を調節する、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体においてインスリン濃度を調節する、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体においてグルコース濃度を調節する、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
(i)コントロールサンプルと比較して、あるサンプルにおける1つ以上の生体分子の濃度に基づいて処置する患者を選択する工程と;
(ii)有効量のピロン類似化合物を前記患者に投与する工程と;
(iii)前記患者における前記1つ以上の生体分子の濃度をモニタリングする工程とを含む、膵臓島細胞における細胞保護効果を評価する方法。
【請求項44】
前記ピロン類似化合物が、細胞のトランスポーターの活性を調節する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記生体分子が、インスリン、ソマトスタチン、アディポネクチン、グルコース、グルカゴン、トリグリセリド、グレリン、VIP、コレステロール、高密度リポタンパク質、中間密度リポタンパク質、低密度リポタンパク質、超低密度リポタンパク質、プロスタグランジン、炎症メディエーター、サイトカイン、泡沫細胞、またはこれらの組み合わせである、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記インスリン濃度が、安定であり、減少しない、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
有効量の少なくとも1つのピロン類似化合物を被験体に投与することを含み、ストレスまたは損傷の少なくとも1つの影響が、前記被験体の1つ以上の細胞型で向上している、膵細胞のストレスまたは損傷を処理する方法。
【請求項48】
前記ピロン類似化合物が、細胞のトランスポーターの活性を調節する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記トランスポーターが、ATPが介在するトランスポーターである、請求項1、11、16、37、43および47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記ATPが介在するトランスポーターがABCトランスポーターである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記ABCトランスポーターが、ABCA1、ABCA2、ABCA7、ALDP、ALDR、ABCG1、ABCG4、ABCG5、ABCG6またはABCG8である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ABCトランスポーターがABCA1である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記ABCトランスポーターがABCG1である、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記ABCトランスポーターがABCG8である、請求項513に記載の方法。
【請求項55】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXV)の構造を有する化合物を含み、
【化51−1】
式中、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32およびR33は、独立して、水素、ヒドロキシル、−OPO3WYおよび−OPO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32またはR33のうち、少なくとも1つが−OPO3WYまたは−OPO3Zである、請求項1、11、16、37、43および47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXVII)の構造を有する化合物を含み、
【化51−2】
式中、R34、R35、R36、R37およびR38は、独立して、水素、−PO3WYおよび−PO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり;R34、R35、R36、R37またはR38のうち、少なくとも1つが−PO3WYまたは−PO3Zである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXVIII)の化合物を含み、
【化51−3】
式中、R34、R35、R36およびR39は、独立して、水素、−PO3WYおよび−PO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり;R39は、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンからなる群から選択される、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXX)の構造を有する化合物を含み、
【化52】
式中、R34、R36、R37およびR38は、独立して、水素、−PO3WYおよび−PO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり;R34、R36、R37またはR38のうち、少なくとも1つが−PO3WYまたは−PO3Zである、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXXI)の化合物を含み、
【化53】
式中、R34、R36およびR39は、独立して、水素、−PO3WYおよび−PO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり;R39は、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンからなる群から選択される、請求項55に記載の方法。
【請求項60】
前記ピロン類似化合物が、リン酸化ピロン類似化合物である、請求項1、11、16、37、43および47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記リン酸化ピロン類似化合物が、リン酸化フラボノイドまたはリン酸化フラボノイド誘導体である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記リン酸化フラボノイドまたはリン酸化フラボノイド誘導体が、リン酸化ケルセチン、リン酸化イソケルセチン、リン酸化フラボン、リン酸化クリシン、リン酸化アピゲニン、リン酸化ロイフォリン、リン酸化ジオスミン、リン酸化ガランギン、リン酸化フィセチン、リン酸化モリン、リン酸化ルチン、リン酸化ケンペロール、リン酸化ミリセチン、リン酸化タキシフォリン、リン酸化ナリンゲニン、リン酸化ナリンギン、リン酸化ヘスペレチン、リン酸化ヘスペリジン、リン酸化カルコン、リン酸化フロレチン、リン酸化フロリジン、リン酸化ゲニステイン、リン酸化バイオチャニンA、リン酸化カテキンおよびリン酸化エピカテキンからなる群から選択される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記リン酸化フラボノイドまたはリン酸化フラボノイド誘導体が、リン酸化ケルセチンまたはリン酸化ケルセチン誘導体である、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記リン酸化ケルセチンまたはリン酸化ケルセチン誘導体が、ケルセチン−3’−O−ホスフェート、ケルセチン−4’−O−ホスフェート、5,7−ジデオキシケルセチンホスフェート、またはこれらの組み合わせである、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記リン酸化ケルセチンが、ケルセチン−3’−O−ホスフェートである、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記リン酸化ケルセチンが、ケルセチン−4’−O−ホスフェートである、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記リン酸化ケルセチンが、ケルセチン−3’−O−ホスフェートとケルセチン−4’−O−ホスフェートとの混合物である、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記リン酸化フラボノイドまたはリン酸化フラボノイド誘導体が、リン酸化フィセチンまたはリン酸化フィセチン誘導体である、請求項61に記載の方法。
【請求項69】
前記リン酸化フィセチンまたはリン酸化フィセチン誘導体が、フィセチン−3’−O−ホスフェート、フィセチン−4’−O−ホスフェート、フィセチン−3−O−ホスフェート、またはこれらの組み合わせである、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記リン酸化フィセチンが、フィセチン−3’−O−ホスフェートである、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記リン酸化フィセチンが、フィセチン−4’−O−ホスフェートである、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記リン酸化フィセチンが、フィセチン−3’−O−ホスフェートとフィセチン−4’−O−ホスフェートとの混合物である、請求項69に記載の方法。
【請求項73】
前記リン酸化フィセチンが、フィセチン−3−O−ホスフェートである、請求項69に記載の方法。
【請求項74】
細胞保護活性を有する有効量のピロン類似化合物と、医薬的に許容されるキャリア、賦形剤または希釈剤とを含み、前記ピロン類似化合物が、細胞表面のトランスポーターの活性を調節する、医薬組成物。
【請求項75】
前記細胞保護活性が、膵臓島細胞の破壊または損傷に対し有効である、請求項74に記載の組成物。
【請求項76】
前記トランスポーターが、ATPが介在するトランスポーターである、請求項74に記載の組成物。
【請求項77】
前記ATPが介在するトランスポーターが、ABCトランスポーターである、請求項76に記載の組成物。
【請求項78】
前記ABCトランスポーターが、ABCA1、ABCA2、ABCA7、ALDP、ALDR、ABCG1、ABCG4、ABCG5、ABCG6またはABCG8である、請求項77に記載の組成物。
【請求項79】
前記ABCトランスポーターがABCA1である、請求項78に記載の組成物。
【請求項80】
前記ABCトランスポーターがABCG1である、請求項78に記載の組成物。
【請求項81】
前記ABCトランスポーターがABCG8である、請求項781に記載の組成物。
【請求項82】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXV)の構造を有する化合物を含み、
【化54】
式中、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32およびR33は、独立して、水素、ヒドロキシル、−OPO3WYおよび−OPO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32またはR33のうち、少なくとも1つが−OPO3WYまたは−OPO3Zである、請求項74に記載の組成物。
【請求項83】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXVII)の構造を有する化合物を含み、
【化55】
式中、R34、R35、R36、R37およびR38は、独立して、水素、−PO3WYおよび−PO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり;R34、R35、R36、R37またはR38のうち、少なくとも1つが−PO3WYまたは−PO3Zである、請求項82に記載の組成物。
【請求項84】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXVIII)の化合物を含み、
【化56】
式中、R34、R35、R36およびR39は、独立して、水素、−PO3WYおよび−PO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり;R39は、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンからなる群から選択される、請求項82に記載の組成物。
【請求項85】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXX)の構造を有する化合物を含み、
【化57】
式中、R34、R36、R37およびR38は、独立して、水素、−PO3WYおよび−PO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり;R34、R36、R37またはR38のうち、少なくとも1つが−PO3WYまたは−PO3Zである、請求項82に記載の組成物。
【請求項86】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXXI)の化合物を含み、
【化58】
式中、R34、R36およびR39は、独立して、水素、−PO3WYおよび−PO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり;R39は、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンからなる群から選択される、請求項82に記載の組成物。
【請求項87】
前記ピロン類似化合物が、リン酸化ピロン類似化合物である、請求項74に記載の組成物。
【請求項88】
前記リン酸化ピロン類似化合物が、リン酸化フラボノイドまたはリン酸化フラボノイド誘導体である、請求項87に記載の組成物。
【請求項89】
前記リン酸化フラボノイドまたはリン酸化フラボノイド誘導体が、リン酸化ケルセチン、リン酸化イソケルセチン、リン酸化フラボン、リン酸化クリシン、リン酸化アピゲニン、リン酸化ロイフォリン、リン酸化ジオスミン、リン酸化ガランギン、リン酸化フィセチン、リン酸化モリン、リン酸化ルチン、リン酸化ケンペロール、リン酸化ミリセチン、リン酸化タキシフォリン、リン酸化ナリンゲニン、リン酸化ナリンギン、リン酸化ヘスペレチン、リン酸化ヘスペリジン、リン酸化カルコン、リン酸化フロレチン、リン酸化フロリジン、リン酸化ゲニステイン、リン酸化バイオチャニンA、リン酸化カテキンおよびリン酸化エピカテキンからなる群から選択される、請求項88に記載の組成物。
【請求項90】
前記リン酸化フラボノイドまたはリン酸化フラボノイド誘導体が、リン酸化ケルセチンまたはリン酸化ケルセチン誘導体である、請求項88に記載の組成物。
【請求項91】
前記リン酸化ケルセチンまたはリン酸化ケルセチン誘導体が、ケルセチン−3’−O−ホスフェート、ケルセチン−4’−O−ホスフェート、5,7−ジデオキシケルセチンホスフェート、またはこれらの組み合わせである、請求項90に記載の組成物。
【請求項92】
前記リン酸化ケルセチンが、ケルセチン−3’−O−ホスフェートである、請求項91に記載の組成物。
【請求項93】
前記リン酸化ケルセチンが、ケルセチン−4’−O−ホスフェートである、請求項91に記載の組成物。
【請求項94】
前記リン酸化ケルセチンが、ケルセチン−3’−O−ホスフェートとケルセチン−4’−O−ホスフェートとの混合物である、請求項91に記載の組成物。
【請求項95】
前記リン酸化フラボノイドまたはリン酸化フラボノイド誘導体が、リン酸化フィセチンまたはリン酸化フィセチン誘導体である、請求項88に記載の組成物。
【請求項96】
前記リン酸化フィセチンまたはリン酸化フィセチン誘導体が、フィセチン−3’−O−ホスフェート、フィセチン−4’−O−ホスフェート、フィセチン−3−O−ホスフェート、またはこれらの組み合わせである、請求項95に記載の組成物。
【請求項97】
前記リン酸化フィセチンが、フィセチン−3’−O−ホスフェートである、請求項96に記載の組成物。
【請求項98】
前記リン酸化フィセチンが、フィセチン−4’−O−ホスフェートである、請求項96に記載の組成物。
【請求項99】
前記リン酸化フィセチンが、フィセチン−3’−O−ホスフェートとフィセチン−4’−O−ホスフェートとの混合物である、請求項96に記載の組成物。
【請求項100】
前記リン酸化フィセチンが、フィセチン−3−O−ホスフェートである、請求項96に記載の組成物。
【請求項101】
請求項77に記載の組成物と、請求項77に記載の組成物を用いるための印刷した指示書類とを含む、キット。
【請求項102】
1つ以上のさらなる薬剤をさらに含む、請求項101に記載のキット。
【請求項103】
前記1つ以上のさらなる薬剤が、脂質低下剤またはグルコース低下剤である、請求項102に記載のキット。
【請求項1】
細胞のトランスポーターの活性を調節するピロン類似化合物の有効量を被験体に投与することを含む、細胞を生存させるために、細胞の生理学的状態を維持する方法。
【請求項2】
前記ピロン類似化合物が、インスリン濃度、グルコース濃度、トリグリセリド濃度、体重、脂肪重量、アディポネクチン濃度、コレステロール濃度、高密度リポタンパク質の濃度、中間密度リポタンパク質の濃度、低密度リポタンパク質の濃度、超低密度リポタンパク質の濃度、プロスタグランジンの濃度、炎症メディエーターの濃度、サイトカインの濃度、泡沫細胞の濃度、アテローム硬化性線条、アテローム硬化性プラーク、血管狭窄、脂質の濃度、リン脂質の濃度、HbA1Cの濃度、またはこれらの組み合わせを調節する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ピロン類似化合物が、インスリン濃度、グルコース濃度、トリグリセリド濃度、体重、アディポネクチン濃度、コレステロール濃度、高密度リポタンパク質の濃度、中間密度リポタンパク質の濃度、低密度リポタンパク質の濃度、超低密度リポタンパク質の濃度、プロスタグランジンの濃度、炎症メディエーターの濃度、サイトカインの濃度、泡沫細胞の濃度、アテローム硬化性線条、アテローム硬化性プラーク、血管狭窄、またはこれらの組み合わせを調節する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ピロン類似化合物が、インスリン濃度、グルコース濃度、トリグリセリド濃度、コレステロール濃度または脂質の濃度を調節する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ピロン類似化合物が、脂肪親和性分子の輸送を調節する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記脂肪親和性分子が、脂質、ステロール、コレステロール、トリグリセリド、リン脂質またはトコフェロール分子である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
膵臓島細胞の生存が維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記膵臓島細胞が、損傷を受けているか、破壊されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記細胞が、アポトーシス、壊死、自食作用、またはこれらの組み合わせによって破壊される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
膵細胞のストレスまたは損傷を処理することによって、前記細胞の生存が維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
有効量のピロン類似化合物を被験体に投与する工程を含み、このピロン類似化合物が、細胞表面のトランスポーターの活性を調節する、疾患を処置する方法。
【請求項12】
前記疾患が代謝性疾患である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記疾患が、高脂質血症、高トリグリセリド血症または高コレステロール血症に関連する疾患である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記疾患が、高脂質血症、高トリグリセリド血症または高コレステロール血症であり、前記ピロン類似化合物が、高脂質血症、高トリグリセリド血症もしくは高コレステロール血症、および/または、高脂質血症、高トリグリセリド血症もしくは高コレステロール血症に関連する1つ以上の症状を軽減する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記被験体が、糖尿病、高血糖、創傷治癒の遅延、ニューロパチー、インスリン抵抗性、高インスリン血症、低インスリン血症、高血圧、高脂質血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、微小血管の網膜症、血管狭窄症、炎症および水腎症からなる群から選択される状態を患っている、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
有効量のピロン類似化合物を被験体に投与する工程を含み、このピロン類似化合物が、細胞のトランスポーターの活性を調節する、脂肪親和性分子の輸送を調節する方法。
【請求項17】
前記脂肪親和性分子が、脂質、ステロール、コレステロール、トリグリセリド、リン脂質またはトコフェロール分子である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体の脂質濃度、コレステロール濃度またはトリグリセリド濃度を調節する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体のコレステロールが蓄積した細胞または脂質が蓄積した細胞において、コレステロールトランスポーターを調節する、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記コレステロールが蓄積した細胞または脂質が蓄積した細胞が、マクロファージ、筋肉細胞または脂肪細胞である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記コレステロールが蓄積した細胞または脂質が蓄積した細胞がマクロファージである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体のコレステロールが蓄積した細胞において、コレステロールの取り込みを阻害する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体のコレステロールが蓄積した細胞からの、コレステロールの排出を増加させる、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記ピロン類似化合物が増加させるコレステロールの排出が、循環アポリポタンパク質A−Iの分泌を増加させることを介して行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ピロン類似化合物が増加させるコレステロールの排出が、ABCA1による、コレステロールが蓄積した細胞から血中のアポリポタンパク質A−Iへのコレステロール移動量を増やすことを介して行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記ピロン類似化合物が誘導させるコレステロールの排出が、前記ピロン類似化合物によって、コレステロールが蓄積した細胞膜にABCA1を安定化することを介して行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体の脂質が蓄積した細胞においてトリグリセリドトランスポーターを調節する、請求項16に記載の方法。
【請求項28】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体の脂質が蓄積した細胞からの、リン脂質の排出を増加させる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ピロン類似化合物が増加させるリン脂質の排出が、ABCA1によって、脂質が蓄積した細胞からリン脂質の移動量を増やすことを介して行われる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記被験体の血中低密度リポタンパク質濃度に対する血中高密度リポタンパク質濃度の比率が増加する、請求項16に記載の方法。
【請求項31】
前記被験体の血中グルコース濃度が減少する、請求項16に記載の方法。
【請求項32】
前記被験体がヒトである、請求項16に記載の方法。
【請求項33】
脂質濃度を下げる化合物を前記被験体に投与する工程をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項34】
前記脂質濃度を下げる化合物が、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、ニコチン酸、メビノリン、メバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、コレスチラミン、コレスチポール、プロブコール、アスコルビン酸、アスパラギナーゼ、クロフィブラート、コレスチポール、フェノフィブラートまたはω−3脂肪酸を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記被験体におけるグルコース濃度を下げる化合物を前記被験体に投与する工程をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項36】
前記グルコース濃度を下げる化合物が、グリピザイド、エクセナチド、インクレチン、シタグリプチン、ピオグリタゾン、グリメピリド、ロシグリタゾン、メトホルミン、エクセナチド、ビルダグリプチン、スルホニルウレア、グルコシダーゼ阻害剤、ビグアニド、レパグリニド、アカルボース、トログリタゾンまたはナテグリニドを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
有効量のピロン類似化合物を被験体に投与する工程を含み、このピロン類似化合物が、細胞のトランスポーターの活性を調節する、前記被験体において脂質濃度、コレステロール濃度、トリグリセリド濃度、インスリン濃度またはグルコース濃度を調節する方法。
【請求項38】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体において脂質濃度を調節する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体においてコレステロール濃度を調節する、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体においてトリグリセリド濃度を調節する、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体においてインスリン濃度を調節する、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記ピロン類似化合物が、前記被験体においてグルコース濃度を調節する、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
(i)コントロールサンプルと比較して、あるサンプルにおける1つ以上の生体分子の濃度に基づいて処置する患者を選択する工程と;
(ii)有効量のピロン類似化合物を前記患者に投与する工程と;
(iii)前記患者における前記1つ以上の生体分子の濃度をモニタリングする工程とを含む、膵臓島細胞における細胞保護効果を評価する方法。
【請求項44】
前記ピロン類似化合物が、細胞のトランスポーターの活性を調節する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記生体分子が、インスリン、ソマトスタチン、アディポネクチン、グルコース、グルカゴン、トリグリセリド、グレリン、VIP、コレステロール、高密度リポタンパク質、中間密度リポタンパク質、低密度リポタンパク質、超低密度リポタンパク質、プロスタグランジン、炎症メディエーター、サイトカイン、泡沫細胞、またはこれらの組み合わせである、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記インスリン濃度が、安定であり、減少しない、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
有効量の少なくとも1つのピロン類似化合物を被験体に投与することを含み、ストレスまたは損傷の少なくとも1つの影響が、前記被験体の1つ以上の細胞型で向上している、膵細胞のストレスまたは損傷を処理する方法。
【請求項48】
前記ピロン類似化合物が、細胞のトランスポーターの活性を調節する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記トランスポーターが、ATPが介在するトランスポーターである、請求項1、11、16、37、43および47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記ATPが介在するトランスポーターがABCトランスポーターである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記ABCトランスポーターが、ABCA1、ABCA2、ABCA7、ALDP、ALDR、ABCG1、ABCG4、ABCG5、ABCG6またはABCG8である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ABCトランスポーターがABCA1である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記ABCトランスポーターがABCG1である、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記ABCトランスポーターがABCG8である、請求項513に記載の方法。
【請求項55】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXV)の構造を有する化合物を含み、
【化51−1】
式中、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32およびR33は、独立して、水素、ヒドロキシル、−OPO3WYおよび−OPO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32またはR33のうち、少なくとも1つが−OPO3WYまたは−OPO3Zである、請求項1、11、16、37、43および47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXVII)の構造を有する化合物を含み、
【化51−2】
式中、R34、R35、R36、R37およびR38は、独立して、水素、−PO3WYおよび−PO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり;R34、R35、R36、R37またはR38のうち、少なくとも1つが−PO3WYまたは−PO3Zである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXVIII)の化合物を含み、
【化51−3】
式中、R34、R35、R36およびR39は、独立して、水素、−PO3WYおよび−PO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり;R39は、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンからなる群から選択される、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXX)の構造を有する化合物を含み、
【化52】
式中、R34、R36、R37およびR38は、独立して、水素、−PO3WYおよび−PO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり;R34、R36、R37またはR38のうち、少なくとも1つが−PO3WYまたは−PO3Zである、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXXI)の化合物を含み、
【化53】
式中、R34、R36およびR39は、独立して、水素、−PO3WYおよび−PO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり;R39は、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンからなる群から選択される、請求項55に記載の方法。
【請求項60】
前記ピロン類似化合物が、リン酸化ピロン類似化合物である、請求項1、11、16、37、43および47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記リン酸化ピロン類似化合物が、リン酸化フラボノイドまたはリン酸化フラボノイド誘導体である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記リン酸化フラボノイドまたはリン酸化フラボノイド誘導体が、リン酸化ケルセチン、リン酸化イソケルセチン、リン酸化フラボン、リン酸化クリシン、リン酸化アピゲニン、リン酸化ロイフォリン、リン酸化ジオスミン、リン酸化ガランギン、リン酸化フィセチン、リン酸化モリン、リン酸化ルチン、リン酸化ケンペロール、リン酸化ミリセチン、リン酸化タキシフォリン、リン酸化ナリンゲニン、リン酸化ナリンギン、リン酸化ヘスペレチン、リン酸化ヘスペリジン、リン酸化カルコン、リン酸化フロレチン、リン酸化フロリジン、リン酸化ゲニステイン、リン酸化バイオチャニンA、リン酸化カテキンおよびリン酸化エピカテキンからなる群から選択される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記リン酸化フラボノイドまたはリン酸化フラボノイド誘導体が、リン酸化ケルセチンまたはリン酸化ケルセチン誘導体である、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記リン酸化ケルセチンまたはリン酸化ケルセチン誘導体が、ケルセチン−3’−O−ホスフェート、ケルセチン−4’−O−ホスフェート、5,7−ジデオキシケルセチンホスフェート、またはこれらの組み合わせである、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記リン酸化ケルセチンが、ケルセチン−3’−O−ホスフェートである、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記リン酸化ケルセチンが、ケルセチン−4’−O−ホスフェートである、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記リン酸化ケルセチンが、ケルセチン−3’−O−ホスフェートとケルセチン−4’−O−ホスフェートとの混合物である、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記リン酸化フラボノイドまたはリン酸化フラボノイド誘導体が、リン酸化フィセチンまたはリン酸化フィセチン誘導体である、請求項61に記載の方法。
【請求項69】
前記リン酸化フィセチンまたはリン酸化フィセチン誘導体が、フィセチン−3’−O−ホスフェート、フィセチン−4’−O−ホスフェート、フィセチン−3−O−ホスフェート、またはこれらの組み合わせである、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記リン酸化フィセチンが、フィセチン−3’−O−ホスフェートである、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記リン酸化フィセチンが、フィセチン−4’−O−ホスフェートである、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記リン酸化フィセチンが、フィセチン−3’−O−ホスフェートとフィセチン−4’−O−ホスフェートとの混合物である、請求項69に記載の方法。
【請求項73】
前記リン酸化フィセチンが、フィセチン−3−O−ホスフェートである、請求項69に記載の方法。
【請求項74】
細胞保護活性を有する有効量のピロン類似化合物と、医薬的に許容されるキャリア、賦形剤または希釈剤とを含み、前記ピロン類似化合物が、細胞表面のトランスポーターの活性を調節する、医薬組成物。
【請求項75】
前記細胞保護活性が、膵臓島細胞の破壊または損傷に対し有効である、請求項74に記載の組成物。
【請求項76】
前記トランスポーターが、ATPが介在するトランスポーターである、請求項74に記載の組成物。
【請求項77】
前記ATPが介在するトランスポーターが、ABCトランスポーターである、請求項76に記載の組成物。
【請求項78】
前記ABCトランスポーターが、ABCA1、ABCA2、ABCA7、ALDP、ALDR、ABCG1、ABCG4、ABCG5、ABCG6またはABCG8である、請求項77に記載の組成物。
【請求項79】
前記ABCトランスポーターがABCA1である、請求項78に記載の組成物。
【請求項80】
前記ABCトランスポーターがABCG1である、請求項78に記載の組成物。
【請求項81】
前記ABCトランスポーターがABCG8である、請求項781に記載の組成物。
【請求項82】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXV)の構造を有する化合物を含み、
【化54】
式中、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32およびR33は、独立して、水素、ヒドロキシル、−OPO3WYおよび−OPO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32またはR33のうち、少なくとも1つが−OPO3WYまたは−OPO3Zである、請求項74に記載の組成物。
【請求項83】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXVII)の構造を有する化合物を含み、
【化55】
式中、R34、R35、R36、R37およびR38は、独立して、水素、−PO3WYおよび−PO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり;R34、R35、R36、R37またはR38のうち、少なくとも1つが−PO3WYまたは−PO3Zである、請求項82に記載の組成物。
【請求項84】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXVIII)の化合物を含み、
【化56】
式中、R34、R35、R36およびR39は、独立して、水素、−PO3WYおよび−PO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり;R39は、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンからなる群から選択される、請求項82に記載の組成物。
【請求項85】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXX)の構造を有する化合物を含み、
【化57】
式中、R34、R36、R37およびR38は、独立して、水素、−PO3WYおよび−PO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり;R34、R36、R37またはR38のうち、少なくとも1つが−PO3WYまたは−PO3Zである、請求項82に記載の組成物。
【請求項86】
前記ピロン類似化合物が、式(XXXXI)の化合物を含み、
【化58】
式中、R34、R36およびR39は、独立して、水素、−PO3WYおよび−PO3Zからなる群から選択され、XおよびYは、独立して、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンから選択され、Zは多価カチオンであり;R39は、水素、メチル、エチル、アルキル、炭水化物およびカチオンからなる群から選択される、請求項82に記載の組成物。
【請求項87】
前記ピロン類似化合物が、リン酸化ピロン類似化合物である、請求項74に記載の組成物。
【請求項88】
前記リン酸化ピロン類似化合物が、リン酸化フラボノイドまたはリン酸化フラボノイド誘導体である、請求項87に記載の組成物。
【請求項89】
前記リン酸化フラボノイドまたはリン酸化フラボノイド誘導体が、リン酸化ケルセチン、リン酸化イソケルセチン、リン酸化フラボン、リン酸化クリシン、リン酸化アピゲニン、リン酸化ロイフォリン、リン酸化ジオスミン、リン酸化ガランギン、リン酸化フィセチン、リン酸化モリン、リン酸化ルチン、リン酸化ケンペロール、リン酸化ミリセチン、リン酸化タキシフォリン、リン酸化ナリンゲニン、リン酸化ナリンギン、リン酸化ヘスペレチン、リン酸化ヘスペリジン、リン酸化カルコン、リン酸化フロレチン、リン酸化フロリジン、リン酸化ゲニステイン、リン酸化バイオチャニンA、リン酸化カテキンおよびリン酸化エピカテキンからなる群から選択される、請求項88に記載の組成物。
【請求項90】
前記リン酸化フラボノイドまたはリン酸化フラボノイド誘導体が、リン酸化ケルセチンまたはリン酸化ケルセチン誘導体である、請求項88に記載の組成物。
【請求項91】
前記リン酸化ケルセチンまたはリン酸化ケルセチン誘導体が、ケルセチン−3’−O−ホスフェート、ケルセチン−4’−O−ホスフェート、5,7−ジデオキシケルセチンホスフェート、またはこれらの組み合わせである、請求項90に記載の組成物。
【請求項92】
前記リン酸化ケルセチンが、ケルセチン−3’−O−ホスフェートである、請求項91に記載の組成物。
【請求項93】
前記リン酸化ケルセチンが、ケルセチン−4’−O−ホスフェートである、請求項91に記載の組成物。
【請求項94】
前記リン酸化ケルセチンが、ケルセチン−3’−O−ホスフェートとケルセチン−4’−O−ホスフェートとの混合物である、請求項91に記載の組成物。
【請求項95】
前記リン酸化フラボノイドまたはリン酸化フラボノイド誘導体が、リン酸化フィセチンまたはリン酸化フィセチン誘導体である、請求項88に記載の組成物。
【請求項96】
前記リン酸化フィセチンまたはリン酸化フィセチン誘導体が、フィセチン−3’−O−ホスフェート、フィセチン−4’−O−ホスフェート、フィセチン−3−O−ホスフェート、またはこれらの組み合わせである、請求項95に記載の組成物。
【請求項97】
前記リン酸化フィセチンが、フィセチン−3’−O−ホスフェートである、請求項96に記載の組成物。
【請求項98】
前記リン酸化フィセチンが、フィセチン−4’−O−ホスフェートである、請求項96に記載の組成物。
【請求項99】
前記リン酸化フィセチンが、フィセチン−3’−O−ホスフェートとフィセチン−4’−O−ホスフェートとの混合物である、請求項96に記載の組成物。
【請求項100】
前記リン酸化フィセチンが、フィセチン−3−O−ホスフェートである、請求項96に記載の組成物。
【請求項101】
請求項77に記載の組成物と、請求項77に記載の組成物を用いるための印刷した指示書類とを含む、キット。
【請求項102】
1つ以上のさらなる薬剤をさらに含む、請求項101に記載のキット。
【請求項103】
前記1つ以上のさらなる薬剤が、脂質低下剤またはグルコース低下剤である、請求項102に記載のキット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公表番号】特表2012−505251(P2012−505251A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531232(P2011−531232)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/060265
【国際公開番号】WO2010/042886
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(509180061)リメリック バイオファーマ, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/060265
【国際公開番号】WO2010/042886
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(509180061)リメリック バイオファーマ, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
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