説明

伝動装置のための遊星歯車キャリア

伝動装置、特にオートマチックトランスミッションまたはパワーシフトトランスミッションのための遊星歯車キャリア(2)が、少なくとも1つの遊星歯車(4)を備えており、遊星歯車(4)は太陽歯車およびリングギアと常時噛み合う。遊星歯車キャリア(2)は、2部分から形成されていて、かつ一体的なフランジ部分(11)と、同様に一体的な段付形成されたポット(12)とから成っている。両方の構成要素は、回転対称的またはほぼ回転対称的に形成されていて、かつ少なくとも部分的に互いに入り込むように配置されている。この場合重畳領域で、外側の構成部材の内径は、内側の構成部材の外径に適合されている。接触位置で2つの構成要素は互いに材料接続式に結合されている。遊星歯車キャリア(2)のこのような構成によって、構成要素の相互的で正確な位置決めが、軸方向、半径方向ならびに周方向でも達成される。個々の構成部材は、深絞り法を用いて、鋼薄板を経済的で簡単な形式で非切削加工式に変形することによって製作することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝動装置、特にオートマチックトランスミッションまたはパワーシフトトランスミッションのための遊星歯車キャリアであって、遊星歯車キャリア内で遊星歯車がピンに支承されており、遊星歯車は、遊星歯車キャリアの中央軸線に対して同軸的に配置された太陽歯車およびリングギアと噛み合う。さらに遊星歯車キャリアに、クラッチ板またはブレーキ板のための多板体が形成されている。
【0002】
背景技術
前述の形式の遊星歯車装置は、とりわけオートマチックトランスミッションまたはパワーシフトトランスミッション(負荷感応型伝動装置)に用いられる。遊星歯車装置は、中央の太陽歯車と、これに対して同心的に配置されたリングギアと、太陽歯車とリングギアとの間に配置された複数の遊星歯車とから成っている。遊星歯車の回転軸線は平行であるが、太陽歯車およびリングギアの回転軸線に対して軸方向間隔を有して方向付けされており、この場合遊星歯車の歯列は太陽歯車もしくはリングギアの歯列と常時噛み合う。遊星歯車は遊星歯車キャリアに回動可能に支承されている。遊星歯車キャリア、太陽歯車およびリングギアは、伝達比を変化するために互いに連結可能であるか、もしくは定置の伝動装置構成部材と連結可能であり、これによって互いに連結した構成部材は同じ回転数で保持されるか、もしくは相対回動不能(つまり一緒に回転するように)に固定される。種々異なる構成部材の連結は、原則としてブレーキまたは多板クラッチによって行われる。
【0003】
遊星歯車のための、単数または複数部分から成る支持フランジと、回転対称的なポット状部分とから成る、伝動装置のための遊星歯車キャリアが公知である。ポット状部分には、一般的にクラッチ板またはブレーキ板のための歯列が取り付けられている。このような形式の装置はドイツ連邦共和国特許出願公開第19544197号明細書から公知である。これによれば遊星歯車キャリアは、支承床部と支承天井部とから形成されており、支承床部および支承天井部は、スペーサ用柱部材によって分離されていて、互いに平行間隔を有する2つの支承部平面を規定する。支承床部と支承天井部との間の結合部は、スペーサ用柱部材の開放端部に取り付けられた半径方向外向きのフランジプレートに沿って、溶接結合によって製作される。この場合フランジプレートはリングセグメントを介して互いに結合されている。さらに支承床部は鋳造部分または鍛造部分として製作するのが望ましく、このことによって支承床部はスペーサ用柱部材の領域でコスト集中的に後加工する必要がある。このような構成の別の欠点として、鋳造部分または鍛造部分の比較的高い製作コスト、鋳造部分または鍛造部分の比較的大きな重量ならびに縁部領域の比較的小さな強さが挙げられる。
【0004】
遊星歯車キャリアの別の構成は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4302844号明細書に記載されている。ここに記載の構成は、遊星歯車キャリアハブ部分と側壁構造部分とから成る遊星歯車キャリアであり、遊星歯車キャリアハブ部分および側壁構造部分は、押出成形部分もしくは金属薄板プレス加工部分として形成されている。側壁構造部分はポット状に形成された多板体であり、これに対して遊星歯車キャリアハブ部分はリング状のディスクと管状の付加部とから成っている。両方の構成部分は、軸方向で延びる湾曲部分を除いて、回転対称である。湾曲部は、側壁構造部分の底部から軸方向で外向きに延びていて、かつ遊星歯車キャリアハブ部分のディスクから軸方向でリング状の付加部から離間して延びている。軸方向の湾曲部の成形は、変形プロセス中に手間のかかる方法ステップを必要とする。
【0005】
遊星歯車キャリアの組立に際して、両方の構成部材は、湾曲部の領域で互いに溶接される。この場合両方の構成部材は、軸方向、半径方向ならびに周方向でも正確に位置決めされるように保証する必要がある。このことによって湾曲部の形成に際して著しく高い精度が必要であり、また溶接結合部の製作に際して手間のかかる位置決め手段およびセンタリング手段が必要であり、このことは遊星歯車キャリアの経済的な製作にとって不都合である。
【0006】
発明の開示
したがって本発明の課題は、冒頭で述べたような形式の遊星歯車キャリアを改良して、前述の欠点の解消された、かつ重量に関して最適化されたものを提供し、この場合個々の構成部材を経済的で高い寸法精度で製作することができ、かつ手間のかかる位置決め手段なしに組み合わせできるようなものを提供することである。
【0007】
この課題を解決するための本発明の装置によれば、伝動装置のための遊星歯車キャリアであって、フランジ部分が設けられており、フランジ部分が、軸方向で形成された収容部を備えた、半径方向で延びるリング状の第1のディスクと、収容部の内側縁部から出発して軸方向で延びるポット状の付加部とから成っており、段付形成されたポットが設けられており、ポットが、比較的小さな直径を有する第1のスリーブ区分と比較的大きな直径を有する第2のスリーブ区分と、第1のスリーブ区分の外側端部で折り曲げられたリング状の付加部とから成っており、第1のスリーブと第2のスリーブとが、それぞれ一方の端部で、半径方向で延びるリング状の第2のディスクを介して軸方向で互いにずらして結合されている。第1のスリーブ区分の外径は、フランジ部分の収容部の内径に適合されているので、ポットが付加部側の端部で、フランジ部分の半径方向の収容部に係合していて、かつ収容部によって軸方向で部分的に覆われている。これによってリング状の付加部は、フランジ部分の収容部に軸方向で接触する。リング状の付加部と収容部との間でリング状に延びる溶接結合部が、段付形成されたポットをフランジ部分と結合する。第1のスリーブ区分に遊星歯車のための切欠が設けられており、切欠によって、遊星歯車は、内向きにスリーブ区分を通って案内されていて、かつ太陽歯車に係合する。
【0008】
前述の実施形態によって、最少量の個々の構成部材で本発明による遊星歯車キャリアを製作することができる。相互的に嵌合する回転対称的もしくは部分的に回転対称的な2つの構成要素から成る遊星歯車キャリアの実施形態(この場合第1のスリーブ区分の直径はフランジ部分の収容部の直径に適合されている)によって、簡単な形式で両方の構成要素の中央軸線の位置決めおよび合致が保証される。フランジ部分のリング状の第1のディスクと、段付形成されたポットのリング状のディスクとは、遊星歯車キャリアのための、遊星歯車の周りをリング状に延びる収容スペースを制限しており、収容スペースは、半径方向内側で第1のスリーブ区分によって制限され、外側で開放されている。遊星歯車は、第1のスリーブに設けられた切欠によって把持され、そうして太陽歯車および太陽歯車に対して同軸的に配置された図示していないリングギアと噛み合う。駆動軸または出力軸を収容するために、フランジ部分にポット状の付加部が設けられている。個々の構成要素を回転対称的な構成部材として形成することによって、構成部材を互いに周方向で位置決めする必要性がない。なぜならば考慮すべき方向性が存在しないからである。さらに遊星歯車キャリアの組立に際して回転対称的な2つの構成部材が位置正確に互いに把持されることによって、自動的に半径方向の位置決めが達成される。同時にフランジ部分の第1のリング状のディスクの収容部は、段付形成されたポットのための軸方向のストッパを成しており、これによって軸方向の位位置決めが達成される。したがって遊星歯車キャリアの組立に際して方向調整手段または位置決め手段が用いられることはない。
【0009】
1実施形態によれば、ポットのリング状の付加部の内径は、フランジ部分の収容部の内径よりも大きく形成されており、これによってスラスト軸受の配置されるスラスト軸受収容部が形成される。
【0010】
有利には、第2のスリーブ区分に、ブレーキ板またはクラッチ板のための歯列が形成されている。
【0011】
本発明の別の1実施形態によれば、フランジ部分および/またはポットが、金属薄板部分の非切削加工変形によって製作されている。このような実施形態の利点によれば、比較的高い強さ、比較的小さな重量、簡単な製作、ならびに構成部材の比較的高い寸法精度および比較的高い品質が得られ、これによって特に溶接結合部の領域における、コストのかかる後加工が省略される。
【0012】
フランジ部分のリング状の第1のディスクと、ポットのリング状の第2のディスクとに、ピンを収容するための、互いに整合する孔が設けられており、ピンに遊星歯車が支承されている。
【0013】
さらに別の1実施形態によれば、段付形成されたポットのリング状の付加部とフランジ部分のリング状の収容部との間の溶接結合部が、抵抗溶接法によって製作される。
【0014】
また考えられる1実施形態によれば、ポット状の付加部の内面に、内側スプライン歯列が設けられている。このことによって遊星歯車キャリアと軸との形状接続式の結合が実現される。
【0015】
本発明の別の1実施形態によれば、フランジ部分のポット状の付加部に、自由輪または転がり軸受の内輪が取り付けられている。
【0016】
ポット状の付加部と内輪との間の結合部は、有利には摩擦接続式に形成される。もちろんここでは形状接続式の結合部またはポット状の付加部に形成された外側スプライン歯列も考えられる。
【0017】
転がり軸受の内輪は、中実に形成することも、2つの縁曲部を備えた、金属薄板の非切削加工の変形によって製作されたポットとして形成することもできる。
【0018】
本発明の有利な実施形態では、自由輪の内輪は、2つの縁曲げ部を備えた、非切削加工で製作されたポットから成っている。このことは有効な軽量化をもたらす。
【0019】
図面の詳細な説明
次に図面につき本発明の実施例を詳しく説明する。
【0020】
図1には、本発明の思想を実施するための1実施例として、遊星歯車装置1を概略的に示した。ここでは符号2で遊星歯車キャリアを図示した。遊星歯車キャリア2は、軸3と相対回動不能(つまり一緒に回転するように)に結合されていて、かつ長手軸線の外側で遊星歯車4を備えている。遊星歯車4の回転軸線は、遊星歯車キャリア2の長手軸線に対して平行に位置する。遊星歯車キャリア2もしくは軸3に同心的かつ回動可能に支承されるように太陽歯車5およびリングギア6が配置されており、太陽歯車5およびリングギア6は遊星歯車4と常時噛み合う。遊星歯車キャリア2は第1の多板体7を備えている。太陽歯車5と結合された第2の多板体8を介して、これらの構成要素は互いに連結することができる。太陽歯車5と結合された第3の多板体9によって、太陽歯車5は、ケーシング固定された第4の多板体10を介して制動することができる。
【0021】
図2に示した、本発明による遊星歯車キャリア2は、一体的なフランジ部分11と、段付形成された、同様に一体的なポット(容器)12とから成っている。
【0022】
フランジ部分11は、半径方向に延びるリング状の第1のディスク13と、第1のリング状のディスク13の内側縁部から出発して軸方向で延びるポット状の付加部14とから組み立てられる。さらにリング状の第1のディスク13に、軸方向の変位によって形成された円筒形の収容部15が形成されており、収容部15は、リング状の第1のディスク13の内側縁部から出発して半径方向外向きに延びている。底部16は、ポット状の付加部14の、収容部15とは反対側の端部に、リング状に形成されている。
【0023】
段付形成されたポット12は、第1のスリーブ区分17と第2のスリーブ区分18とから成っており、第1のスリーブ区分17の直径は第2のスリーブ区分18の直径よりも小さくなっている。第1のスリーブ区分17と第2のスリーブ区分18とはそれぞれ端部で、リング状の第2のディスク19によって、軸方向で互いにずらして互いに結合されている。第2のスリーブ区分18は、外周で、図示していないクラッチ板またはブレーキ板の係合するための歯列20を備えている。第1のスリーブ区分17の、リング状の第2のディスク19とは反対側の端部に、半径方向内向きに折り曲げられたリング状の付加部21が形成されており、これによって第1のスリーブ区分17の安定性が高められる。
【0024】
収容部15の直径は、第1のスリーブ区分17の外径に適合されている。ポットの第1のスリーブ区分17は、付加部側の端部で、半径方向で整合するようにフランジ部分11の収容部15に係合しており、第1のスリーブ区分17は軸方向で部分的に収容部15によってカバーされている。同時に収容部15は、リング状の付加部21のためのストッパとして役立つ。遊星歯車キャリアの2つの構成要素の、本発明による実施例によって、2つの構成要素の半径方向および軸方向の位置決めが、手間のかかる位置決め手段なしに達成される。周方向の位置決めは、個々の構成要素の回転対称に基づいて不要である。
【0025】
第1のスリーブ区分17と収容部15との間で伝力接続式(kraftschluessig)または摩擦接続式の結合が生じる。さらにリング状の付加部21と収容部15との間に、リング状で環状に延びる溶接結合部32が設けられており、これによって結合部の比較的大きな強さが達成され、2つの構成要素は周方向の相対回動から確保される。材料接続式の結合部を形成するために、抵抗溶接、たとえばコンデンサ放電溶接が提案される。
【0026】
収容部15の内径D1は、リング状の付加部21の内径D2よりも小さくなっており、これによってスラスト軸受収容部22が形成され、スラスト軸受収容部22にスラスト軸受23が取り付けられている。スラスト軸受23に、図示していない太陽歯車が、遊星歯車キャリアに対して相対回動可能に支承されている。
【0027】
第1のスリーブ区分17の軸方向延伸度は、収容スペース24が遊星歯車4内で配置されるように選択されている。収容スペース24は、軸方向でリング状の第1のディスク13および第2のディスク19によって、また半径方向内側で第1のスリーブ区分17によって制限されている。リング状のディスク13,19に、溶接結合部32を形成したあとで、互いに整合する孔25が形成され、孔25にピン26が取り付けられる。ピンに遊星歯車キャリア4が回動可能に支承されている。遊星歯車4の領域で、第1のスリーブ区分17に面取部が設けられており、面取部に切欠(孔)27が設けられている。切欠27はリング状の第1のディスク13と第2のディスク19との間で軸方向に延びている。周方向の延伸度は、遊星歯車4がピン26を中心に自由に回動可能であり、切欠27によって遊星歯車4が把持されるように選択されている。この場合遊星歯車4の歯列は、図示していないリングギアの歯列および同様に図示していない太陽歯車の歯列と持続的に噛み合う。
【0028】
フランジ部分11も段付形成されたポット12も、金属薄板から成る、非切削加工変形によって製作されている。孔25を除いて、個々の構成要素は1作業過程で製作することができる。この場合深絞り過程でフランジ部分もしくは段付形成されたポットが製作される。次いで溶接結合部32が形成され、そのあとでリング状のディスク13,19の適当な箇所に孔が設けられる。このことによって同時に高い寸法精度を維持しつつ、個々の構成部材の経済的な製作が達成される。さらに特に溶接結合部32の領域で後加工ステップを省略することができる。
【0029】
ポット状の付加部14の内周に、内側スプライン歯列28が取り付けられており、これによって図示していない軸は、遊星歯車キャリアと形状接続(形状による束縛;formschluesssig)式に作用結合する。この場合リング状の底部16は軸のためのストッパとして役立つ。
【0030】
さらにリングギアを支承するための転がり軸受または自由輪の内輪29が図示されており、内輪29はプレス嵌めによってポット状の付加部14に取り付けられている。追加的に内輪は、ポット状の付加部14に取り付けられた外側スプライン歯列30を介して、ポット状の付加部14と作用結合することができる。内輪は、図2に示した実施例では中実に形成されている。
【0031】
図3に示した、本発明による別の1実施例では、内輪31は、2つの縁曲げ部を備えた、非切削加工で製作されたポットから成っており、内輪31もまたプレス嵌めによって、ポット状の付加部14に取り付けられた外側スプライン歯列30と作用接続している。
【0032】
実質的に回転対称的な2つの構成部材の位置正確な嵌合配置によって、組立時に手間のかかるセンタリング手段を省略することができる。個々の構成要素は、簡単で経済的に製作することができ、金属薄板である原材料によって簡単な構造形式が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】遊星歯車装置を示す概略図である。
【図2】本発明による遊星歯車キャリアの1実施例を示す縦断面図である。
【図3】本発明による遊星歯車キャリアの別の1実施例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 遊星歯車装置、 2 遊星歯車キャリア、 3 軸、 4 遊星歯車、 5 太陽歯車、 6 リングギア、 7 第1の多板体、 8 第2の多板体、 9 第3の多板体、 10 第4の多板体、 11 フランジ部分、 12 ポット、 13 第1のディスク、 14 付加部、 15 収容部、 16 底部、 17 第1のスリーブ区分、 18 第2のスリーブ区分、 19 第2のディスク、 20 歯列、 21 付加部、 22 スラスト軸受収容部、 23スラスト軸受、 24 収容スペース、 25 孔、 26 ピン、 27 切欠、 28 内側スプライン歯列、 29 内輪、 30 外側スプライン歯列、 31 内輪、 32 溶接結合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝動装置のための遊星歯車キャリア(2)であって、
フランジ部分(11)が設けられており、該フランジ部分(11)が、軸方向変位によって形成された収容部(15)を備えた、半径方向で延びるリング状の第1のディスク(13)と、該収容部(15)の内側縁部から出発して軸方向で延びるポット状の付加部(14)とから成っており、
段付形成されたポット(12)が設けられており、該ポット(12)が、比較的小さな直径を有する第1のスリーブ区分(17)と、比較的大きな直径を有する第2のスリーブ区分(18)と、第1のスリーブ区分(17)の外側端部で折り曲げられたリング状の付加部(21)とから成っており、第1のスリーブ(17)と第2のスリーブ(18)とが、それぞれ一方の端部で、半径方向で延びるリング状の第2のディスク(19)を介して、軸方向で互いにずらして結合されており、
第1のスリーブ区分(17)の外径が、フランジ部分(11)の収容部(15)の内径に適合されており、ポット(12)が付加部側の端部で、フランジ部分(11)の半径方向の収容部(15)に係合していて、かつ該収容部(15)によって軸方向で部分的に覆われており、リング状の付加部(21)が、フランジ部分(11)の収容部(15)に軸方向で接触しており、
リング状の付加部(21)と収容部(15)との間でリング状に延びる溶接結合部(32)が設けられており、
第1のスリーブ区分(17)に遊星歯車(4)のための切欠(27)が設けられており、切欠(27)によって、遊星歯車(4)が、内向きにスリーブ区分(17)を通って案内されていて、かつ太陽歯車(5)に係合していることを特徴とする、伝動装置のための遊星歯車キャリア。
【請求項2】
ポット(12)のリング状の付加部(21)の内径(D2)が、フランジ部分(11)の収容部(15)の内径(D1)よりも大きく形成されており、スラスト軸受収容部(22)が形成されており、該スラスト軸受収容部(22)にスラスト軸受(23)が配置されている、請求項1記載の遊星歯車キャリア。
【請求項3】
第2のスリーブ区分(18)に、ブレーキ板またはクラッチ板のための歯列(20)が形成されている、請求項1記載の遊星歯車キャリア。
【請求項4】
ポット(12)が、金属薄板部分の非切削加工変形によって製作されている、請求項1記載の遊星歯車キャリア。
【請求項5】
フランジ部分(11)が、金属薄板部分の非切削加工変形によって製作されている、請求項1記載の遊星歯車キャリア。
【請求項6】
フランジ部分(11)のリング状の第1のディスク(13)と、ポット(12)のリング状の第2のディスク(19)とに、ピン(26)を収容するための、互いに整合する孔(25)が設けられており、ピン(26)に遊星歯車(4)が支承されている、請求項1記載の遊星歯車キャリア。
【請求項7】
段付形成されたポット(12)のリング状の付加部(21)とフランジ部分のリング状の収容部との間の溶接結合部(32)が、抵抗溶接法によって製作されている、請求項1記載の遊星歯車キャリア。
【請求項8】
ポット状の付加部(14)の内面に、内側スプライン歯列(28)が設けられている、請求項1記載の遊星歯車キャリア。
【請求項9】
フランジ部分(11)のポット状の付加部(14)に、自由輪または転がり軸受の内輪(29,31)が取り付けられている、請求項1記載の遊星歯車キャリア。
【請求項10】
内輪(29,31)が、フランジ部分(11)のポット状の付加部(14)に摩擦接続式に取り付けられている、請求項9記載の遊星歯車キャリア。
【請求項11】
内輪(29,31)が、フランジ部分(11)のポット状の付加部(14)に形状接続式に取り付けられている、請求項9記載の遊星歯車キャリア。
【請求項12】
フランジ部分(11)のポット状の付加部(14)に、外側スプライン歯列(30)が形成されており、該外側スプライン歯列(30)に、内輪(29,31)が取り付けられている、請求項10記載の遊星歯車キャリア。
【請求項13】
転がり軸受の内輪(29)が、中実に形成されている、請求項9記載の遊星歯車キャリア。
【請求項14】
転がり軸受の内輪(31)が、2つの縁曲部を備えた、非切削加工で製作されたポットから成っている、請求項9記載の遊星歯車キャリア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−528751(P2006−528751A)
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520722(P2006−520722)
【出願日】平成16年7月10日(2004.7.10)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007637
【国際公開番号】WO2005/015056
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(390009623)シエツフレル コマンディートゲゼルシャフト (99)
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler KG
【Fターム(参考)】