説明

伝導性障壁層と箔担体を有する光電池装置

一実施形態において、光電池装置の製造の方法は、少なくとも一つの導電性アルミ箔担体、少なくとも一つの導電性拡散障壁層、および拡散障壁層上の少なくとも一つの導電性電極層からなる担体の提供を備える。拡散障壁層は、アルミ箔担体と電極層との間の化学的な相互作用を防止することもできる。吸収層は、担体上に形成されてもよい。一実施形態において、吸収層は非シリコン吸収層であってもよい。別の実施形態において、吸収層は(ドープした、またはドープしていない)非晶質シリコン吸収層であってもよい。任意で、吸収層は有機材料および無機材料、もしくは有機材料または無機材料にもとづいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電池装置に係り、詳しくは、光電池装置のための吸収層の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池のような効果的な光電池装置が、例えば、インジウムおよび/またはガリウム、またはアルミニウムおよびセレンおよび/または硫黄を含む銅合金など、IB、IIIAおよびVIA族の元素を含む合金よりなる吸収層を用いて製造されてきた。前記元素のうちの一般的な組み合わせの1つとして、銅−インジウム−ガリウム−ジセレナイド(CIGS)があり、その結果得られる装置は、しばしばCIGS太陽電池と称されることがある。CIGS吸収層は担体上に堆積されてもよい。アルミ箔は、比較的安価、軽量で柔軟性があるため、前記の吸収層をアルミ箔担体上に製造するのが望ましい。残念ながら、CIGS吸収層の堆積のための最新技術は、担体としてのアルミ箔の使用と両立しない。
【0003】
一般的な堆積技術として、蒸発、スパッタリング、化学気相堆積などがある。これらの堆積工程は一般に高温で長時間行われる。両方の要因が、堆積を生じる担体への損傷を引き起こす可能性がある。前記損傷は、熱への暴露、およびまたは堆積工程の熱によって引き起こされる望ましくない化学反応に由来する担体材料の変化から直接的に生じる可能性がある。従って、CIGS太陽電池の製造には、非常に強固な担体材料が一般的に必要とされる。これらの制限により、アルミニウムおよびアルミ箔にもとづく箔の使用が除外されてきた。
【0004】
別の堆積方法として、CIGS前駆材料の担体上への溶液ベースの印刷がある。溶液ベースの印刷技術の例は、例えば、本明細書に参照として組み込まれ、PCTに公開された出願、国際公開第WO 2002/084708号および、同一出願人による米国特許出願第10/782,017号などに記載されている。この堆積方法の利点として、比較的低い堆積温度および堆積工程の速度の両方がある。両方の利点は、堆積が形成される担体が受ける熱による損傷の可能性を最小限にするのに役立つ。
【0005】
CIGS太陽電池の製造において、溶液堆積は比較的低温の工程であるが、工程はこれだけではない。堆積に加えて、CIGS太陽電池の製造における重要な段階として、CIGS吸収層のセレン化とアニール化とがある。セレン化は、元素がフィルムに取り込まれるバルクCIGまたはCI吸収層にセレンを導入する一方、アニール化は、適切な結晶構造を持つ吸収層をもたらす。先行技術では、セレン化とアニール化は、HSeまたはSe蒸気の存在下で担体を加熱し、この新生吸収層を高温で長時間保つことによって行われてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
太陽電池装置の担体としてのAlの使用は、前記の担体の性質である低コストと軽量の両面から望ましいものの、CIGS吸収層を効果的にアニールする従来技術は、やはり担体を高温で加熱し、Al担体の損傷を引き起こすものである。熱およびセレン含有化合物、もしくは熱またはセレン含有化合物への長時間暴露でAl担体の劣化を引き起こすいくつかの要因がある。第一に、長時間の加熱により、MoコートしたAl担体内の分離層が融合し、装置にMo層の所望の電子機能性を低下させる金属間バック接点が形成される。第二に、Mo層の界面形態が加熱中に変化し、Mo層表面上に生じる結晶核形成の変化を通じてその後のCIGS結晶粒の成長に悪影響を与える可能性がある。第三に、長時間加熱によりAlがCIGS吸収層に移動する可能性があり、半導体の機能を乱す。第四に、長時間加熱により太陽電池内で拡散するAlの移動に伴い、Al箔中に一般的に存在する不純物(例えば、Si、Fe、Mn、Ti、Zn、およびV)が移動する可能性があり、電池の電子機能および光電子機能の両方を乱す可能性がある。第五に、Seが比較的長時間、比較的高温でAlに曝された場合、不安定なアルミニウム−セレナイドを形成する可能性がある。湿度が高い空気中では、アルミニウム−セレナイドは水蒸気と反応して酸化アルミニウムとセレン化水素を形成する可能性がある。セレン化水素は非常に毒性が高い気体であり、自由な形成は安全上の問題をもたらす。従って、これら全ての理由から、高温堆積、アニール、およびセレン化はアルミニウム製またはアルミ合金製の担体には実用的でない。
【0007】
高温、長時間堆積、およびアニール段階のため、CIGS太陽電池は、アルミニウム担体(例えば、AlおよびAlベース合金、もしくはAlまたはAlベース合金からなる柔軟性がある箔)上には効果的に製造することができず、それどころか、ステンレス鋼、チタン、またはモリブデン箔、ガラス担体、もしくは、金属または酸化金属でコートされたガラスなど、より強固な(そしてより高価な)材料からなるより重い担体上に製造しなければならない。従って、アルミ箔にもとづくCIGS太陽電池は、ステンレス鋼、チタン、またはモリブデン箔、ガラス担体、もしくは金属または酸化金属でコートされたガラスよりも軽量で柔軟性があり、安価であるが、実際にはアルミ箔を担体として利用することができない。
【0008】
従って、本技術分野において、アルミニウム担体上に太陽電池を製造するための方法が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、上記で説明した欠点の少なくとも一部に取り組む。本発明は、箔担体上に、コスト効率が良く、生産性の高い方法で製造することのできる光電池装置を提供する。薄く、柔軟性がある光電池装置の性質は、輸送の容易さの要素である小さな形にロールまたは折り畳むことを可能にするだけでなく、合理的な製造についても可能にする。本発明の実施形態は、製造工程に使用される原材料の量が減少するように設計されてもよい。また、本発明の実施形態は、CIGS吸収層のみに限定されず、様々な材料の吸収層での使用に適用される可能性があることを理解すべきである。本明細書で述べられるこれらの目的およびその他目的の少なくとも一部は、本発明の様々な実施形態により達成される。
【0010】
本発明の一実施形態において、光電池装置の製造方法は、少なくとも一つの導電性金属箔担体、少なくとも一つの導電性拡散障壁層、および拡散障壁層上に少なくとも一つの導電性電極層を有する担体の提供を含んでもよい。以下には限定されないが、箔担体は、アルミニウム箔担体であってもよい。導電性拡散障壁層は、アルミ箔担体と電極層との間の化学的相互作用を防ぐ可能性もある。その方法は、担体上の吸収層の形成を含んでもよい。一実施形態において、吸収層は、非シリコン吸収層であってもよい。別の実施形態において、吸収層は(ドープされた、またはドープされていない)、非晶質シリコン吸収層であってもよい。場合によって、吸収層は、有機および無機材料、もしくは有機または無機材料にもとづいてもよい。
【0011】
本明細書に述べられる任意の実施形態について、以下が適用される可能性もある。形成段階は、最初に新生吸収層の形成を含んでもよい。新生吸収層は、高密度フィルムを形成するために反応してもよい。一部の実施形態において、高密度フィルムが吸収層である。別の実施形態において、望ましい吸収層を形成するために高密度フィルムは別の段階で処理される。新生吸収層は、高密度フィルムを形成するために加熱されてもよい。拡散障壁層は加熱中に箔担体中のアルミニウムおよび電極層中の金属の相互拡散を妨げるものと理解すべきである。拡散障壁層は、以下の材料、即ちクロム、バナジウム、タングステン、ガラス、および/または窒化物である窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、および窒化ケイ素;酸化物、または炭化物のうちの一つ以上を含んでもよい。電極層はモリブデンを含んでもよい。あるいは、電極層は、銅、銀、アルミニウム、およびニオブを含んでもよい。
【0012】
本発明の別の実施形態において、少なくとも一つの導電性アルミ箔担体、少なくとも一つの導電性拡散障壁層、および拡散障壁層上に少なくとも一つの導電性電極層を含む担体を有し、拡散障壁層がアルミ箔担体と電極層との間の化学的相互作用を妨げる光電池装置が提供される。装置は、担体上に形成された吸収層を含んでもよい。一実施形態において、吸収層は非シリコン吸収層であってもよい。場合により、吸収層は有機および無機材料、もしくは有機または無機材料にもとづいてもよい。
【0013】
本発明のさらに別の実施形態において、光電池装置の吸収層の形成方法は、少なくとも一つの導電性金属化ポリマー箔担体、少なくとも一つの導電性拡散障壁層、および拡散障壁層上に少なくとも一つの導電性背後電極層を有する担体が提供される。拡散障壁層は、金属化ポリマー箔担体および背後電極層の間の化学的相互作用を防ぐ。その方法は、担体上での吸収層の形成を含んでもよい。一実施形態において、吸収層は非シリコン吸収層であり、別の実施形態において、吸収層は(ドープされた、またはドープされていない)非晶質シリコン吸収層であってもよい。場合によって、吸収層は有機および無機材料、もしくは有機または無機材料にもとづいてもよい。箔担体は、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、および/またはこれらの組み合わせよりなる群から選択されたポリマーを含んでもよい。ポリマー箔担体の金属化に用いられる金属は、アルミニウム、または一つ以上の金属を含むアルミニウム合金であってもよい。
【0014】
本発明のさらに別の実施形態において、光電池装置は、少なくとも一つの導電性アルミ箔担体、少なくとも一つの導電性拡散障壁層、および拡散障壁層上に少なくとも一つの導電性背後電極層を有する担体が提供され、拡散障壁層は、アルミ箔担体および背後電極層の間の化学的相互作用を防ぐ。装置は、担体上に形成された吸収層を含んでもよい。一実施形態において、吸収層は非シリコン吸収層であってもよい。別の実施形態において、吸収層は(ドープされた、またはドープされていない)非晶質シリコン吸収層であってもよい。場合により、吸収層は有機および無機材料、もしくは有機または無機材料にもとづいてもよい。
【0015】
本明細書に述べられる任意の実施形態について、以下が適用される可能性もある。吸収層は、以下から選択された一つ以上の無機材料を含んでもよい:チタニア(TiO)、ナノ結晶TiO、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuOまたはCuOまたはCu)、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム/チタンおよびその他の酸化物、チタン酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)、硫化銅(CuS)、テルル化カドミウム(CdTe)、セレン化カドミウム−テルル(CdTeSe)、セレン化銅−インジウム(CuInSe)、酸化カドミウム(CdOx)、CuI、CuSCN、半導体材料、IB族の元素、IIIA族の元素、VIA族の元素、または上記の任意の組み合わせ。
【0016】
場合によって、本出願で開示される任意の光電池装置は吸収層に有機材料を含んでもよい。吸収層は以下の一つ以上の有機材料を含んでもよい:共役高分子、ポリ(フェニレン)およびその誘導体、ポリ(フェニレンビニレン)およびその誘導体(例えば、ポリ(2−メトキシ−5−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−l,4−フェニレンビニレン(MEH−PPV)、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)、(PPV))、PPV共重合体、ポリ(チオフェン)およびその誘導体(例えば、ポリ(3−オクチルチオフェン−2,5,−ジイル)、レジオレギュラー、ポリ(3−オクチルチオフェン−2,5,−ジイル)、レジオランダム、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)、レジオレギュラー、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)、レジオランダム)、ポリ(チエニレンビニレン)およびその誘導体、ならびにポリ(イソチアナフテン)およびその誘導体、2,2’7,7’テトラキス(N,N−ジ−p−メトキシフェニル−アミン)−9,9’−スピロビフルオレン(スピロ−Me OTAD)、有機金属高分子、ペリレンユニットを含むポリマー、ポリ(スクアライン)およびその誘導体、ならびにディスコティック液晶、有機顔料または染料、ルテニウムベースの染料、イオダイド/トリイオダイド液体電解質、芳香族を結合したアゾクロモフォア(−N=N−)を有するアゾ染料、無金属フタロシアニンを含むフタロシアニン;(HPc)、ペリレン、ペリレン誘導体、フタロシアニン銅(CuPc)、フタロシアニン亜鉛(ZnPc)、ナフタロシアニン、スクアライン、メロシアニンおよびそれぞれの誘導体、ポリ(シラン)、ポリ(ジャーミネイト)、2,9−ジ(ペント−3−イル)−アントラ[2,l,9−def:6,5,10−d’e’f]ジイソキノリン−1,3,8,10−テトラオン、および2,9−ビス−(1−ヘキシル−ヘプタ−1−イル)−アントラ[2,1,9−def:6,5,10−d’e’f]ジイソキノリン−l,3,8,10−テトラオンおよびペンタセン、ペンタセン誘導体および/またはペンタセン前駆物質、ポリ(はしご状ベンズイミダゾベンゾフェナントロリン)(BBL)などのNタイプはしご型ポリマー、もしくは上記の任意の組み合わせ。
【0017】
本明細書に述べられる任意の実施形態について、以下が適用される可能性もある。吸収層は、オリゴマー材料、微結晶シリコン、有機マトリックス中に分散された無機ナノロッド、有機マトリックス中に分散された無機テトラポッド、量子ドット材料、イオン性導電性ポリマーゲル、イオン液体を含むゾルゲルナノ複合材料、イオン導電体、低分子有機正孔導電体、C60および/またはその他の低分子、もしくは上記の組み合わせから成る群から一つ以上の材料を含んでもよい。吸収層は、孔が(ドープされた、またはドープされていない)有機物により満たされた無機多孔質テンプレートを有するナノ構造層、ポリマー/混合太陽電池構造、微結晶シリコン太陽電池構造、もしくは上記の組み合わせよりなる群から選ばれた一つ以上を含んでもよい。
【0018】
場合によって、光電池装置モジュールは、以下に述べられる高効率太陽電池構造について、本出願に開示される任意の光電池装置を利用してもよい。光電池装置モジュールは、光電池装置、絶縁層、導電性バックプレーンを備えてもよく、絶縁層は、担体とバックプレーンとの間に挟まれる。吸収層が担体と透明導電膜との間にあるように透明導電膜を配置してもよい。電導経路を規定するために、一つ以上の電気接点を透明導電膜とバックプレーンとの間に配置してもよく、電気接点は透明導電膜、吸収層、担体、および絶縁層を通じて形成される。電気接点は、吸収層、担体、および絶縁層から電気的に絶縁されてもよい。電気接点のバックプレーンへの結合により、バックプレーンによる電流の伝達が可能になる。バックプレーンは一つの装置モジュールから次のモジュールに電流を伝達するため、この目的のための先行技術で用いられるように装置の表面上の配線パターンは太いバスを含む必要はない。代わりに、配線パターンには、電気接点に電流を伝導するのに十分な導電「フィンガー」の提供のみが必要とされる。バスが存在しない場合、吸収層の大部分が露出されて、性能が高められる。さらにバスを含まない配線パターンは審美的な要求を満たすこともできる。
【0019】
本発明の別の実施形態において、柔軟バルク導体からなる底面電極を有する始動担体、絶縁層、および導電性バックプレーンを備える光電子装置モジュールを備え、絶縁層は底面電極およびバックプレーンの間に挟まれる。モジュールは、底面電極および透明導電膜の間に活性層が配置されるように、活性層および透明導電膜を含んでもよい。モジュールは、透明導電膜とバックプレーンとの間に一つ以上の電気接点を含んでもよく、電気接点は透明導電膜、活性層、柔軟バルク導体、および絶縁層を通じて形成され、電気接点は活性層、底面電極および絶縁層と電気的に絶縁されてもよい。
【0020】
本明細書に述べられる任意の実施形態について、以下が適用される可能性もある。柔軟バルク導体は第一の金属箔であってもよい。第一の金属箔はアルミ箔であってもよい。第一の金属箔の厚さは、約1ミクロンから約200ミクロンの範囲であってもよい。第一の金属箔の厚さは、約25ミクロンから約50ミクロンの範囲であってもよい。バックプレーンは、導電性グリッドであってもよい。絶縁層は、第一の金属箔の陽極酸化面であってもよい。バックプレーンは、第二の金属箔であってもよい。絶縁層は、第一及び第二の金属箔間に重ね合わされてもよい。絶縁層は、プラスチック箔から形成されてもよい。プラスチック箔の厚さは、約1ミクロンから約200ミクロンの範囲であってもよい。プラスチック箔の厚さは、約10ミクロンから約50ミクロンの範囲であってもよい。第二の金属箔の厚さは、約1ミクロンから約200ミクロンの範囲であってもよい。第二の金属箔の厚さは、約25ミクロンから約50ミクロンの範囲であってもよい。絶縁層は、第一及び第二の金属箔の陽極酸化面であってもよい。透明導電膜とバックプレーンとの間における一つ以上の電気接点は、第一の装置モジュールの透明導電膜、活性層、柔軟バルク導体、および絶縁層を通じて形成されたビアホール;チャネルが透明導電膜、活性層、柔軟バルク導体、および絶縁層を通じてバックプレーンまで形成されるようなビアホールの絶縁材料被覆側壁;ならびに少なくとも実質的にチャネルを満たして透明導電膜およびバックプレーンの間の電気接点を構成する導電性材料からなるプラグを含んでもよい。ビアホールの直径は、約0.1ミリメートルから約1.5ミリメートルの範囲であってもよい。ビアホールの直径は、約0.5ミリメートルから約1ミリメートルの範囲であってもよい。絶縁材料の厚さは、ビアホール側壁に沿って約1ミクロンから約200ミクロンの範囲であってもよい。絶縁材料の厚さは、ビアホール側壁に沿って約10ミクロンから約100ミクロンの範囲であってもよい。プラグの直径は、約5ミクロンから約500ミクロンの範囲であってもよい。プラグの直径は、約25ミクロンから約100ミクロンの範囲であってもよい。隣接ビアホール間のピッチは、約0.2センチメートルから約2センチメートルの範囲であってもよい。
【0021】
場合により、本明細書に述べられる任意の実施形態について、以下が適用される可能性もある。一つ以上の導電配線をプラグと共に電気接点の透明導電膜内に配置してもよい。一つ以上の導電配線が互いに隣接する2つ以上の電気接点を電気的に接合してもよい。導電配線は、一つ以上の電気接点から放射状に外へ広がる配線にパターンを形成してもよい。導電配線は分岐して、「分岐点」を形成してもよい。一つ以上の電気接点は、透明導電膜、活性層、および底面電極の一部を取り囲む閉ループトレンチを含んでもよい。一つ以上の電気接点は、閉ループトレンチに配置された絶縁材料をさらに含んでもよい。一つ以上の電気接点は、第一の装置モジュールの透明導電膜、活性層、および底面電極から絶縁層に通じて形成された閉ドループトレンチ、透明導電膜、活性層、および底面電極の一部を絶縁するトレンチ、トレンチによって境界が示された絶縁部分;閉ループトレンチ内に配置された電気的絶縁材料;絶縁部分の透明導電膜および絶縁部分の底面電極の間における電気接点;一つ以上の部分が絶縁部分を含み、導電性フィンガーおよび絶縁部分の底面電極の間における電気接点を形成する一つ以上の透明導電膜の部分に配置された導電性フィンガー;ならびに絶縁部分の底面電極およびバックプレーンの間の絶縁層を通じた電気接点を含む。絶縁トレンチは、絶縁トレンチが閉ループトレンチを取り巻く透明導電膜および活性層を通じて底面電極まで形成されてもよい。バックプレーンがキャリア担体に付属された絶縁キャリア担体を用いてもよい。キャリア担体が構造膜に付属され、高分子ルーフィング膜素材からなる構造膜が含まれてもよい。高分子ルーフィング膜素材は、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)またはエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)であってもよい。活性層は、光電池活性層であってもよい。光電池活性層は、以下の一つ以上にもとづいてもよい:IB、IIIAおよびVIA族の元素、(ドープされた、またはドープされていない)シリコン、(ドープされた、またはドープされていない)微結晶シリコンまたは多結晶シリコン、(ドープされた、またはドープされていない)非晶質シリコン、CdTe、CdSe、グレッツェル太陽電池構造、(ドープされた、またはドープされていない)孔が有機物により満たされた無機多孔質テンプレートを有するナノ構造層、ポリマー/混合太陽電池構造、オリゴマー吸収体、有機色素、C60および/またはその他の低分子、微結晶シリコン太陽電池構造、ランダムに配置された無機素材のナノロッドおよび/または有機マトリックス内に配置されたテトラポッド、量子ドットにもとづく太陽電池、もしくは上記の組み合わせを含む材料にもとづく吸収層。活性層は、発光素子活性層であってもよい。発光素子活性層は、有機発光ダイオード活性層であってもよい。有機発光ダイオード活性層は、発光ポリマーにもとづく活性層である。装置モジュールは、約1センチメートルから約30センチメートルの長さを有し、および約1センチメートルから約30センチメートルの幅を有する。
【0022】
本発明の別の実施形態において、一連の連続相互接続した光電子装置モジュールは、各装置モジュールが柔軟バルク導体、絶縁層および導電性バックプレーンで構成される底面電極を有する始動担体を含み、絶縁層が底面電極およびバックプレーンの間に挟まれた第一の装置モジュールおよび第二の装置モジュール;ならびに活性層が底面電極および透明導電膜の間にあるように配置された活性層および透明導電膜;ならびに透明導電膜およびバックプレーンの間に設けられ、電気接点が透明導電膜、活性層、柔軟バルク導体、および絶縁層を通じて形成され、電気接点が活性層、底面電極、および絶縁層から電気的に絶縁された一つ以上の電気接点を備えてもよい。
【0023】
本発明のさらに別の実施形態において、光電子装置モジュール製造のための方法が提供される。その方法は、柔軟バルク導体からなる底面電極、絶縁層、および導電性バックプレーンを備え、絶縁層が底面電極およびバックプレーンの間に挟まれている始動担体の形成;活性層が底面電極および透明導電膜の間にあるような活性層および透明導電膜の形成;透明導電膜およびバックプレーンの間の、透明導電膜、活性層、柔軟バルク導体、および絶縁層を通じた一つ以上の電気接点の形成、ならびに電気的に絶縁された活性層、底面電極、および絶縁層からの電気接点の絶縁を含む。
【0024】
本明細書に述べられる任意の実施形態について、以下が適用される可能性もある。始動担体の形成は、第一および第二の金属箔の間へのプラスチック箔の重ね合わせを含んでもよい。少なくとも一つの第一および第二の金属箔がアルミ箔であってもよい。2つ以上の装置モジュールは上記で説明したように形成されてもよい。一つ以上の動作特性に対する2つ以上の装置モジュールの検査段階、および一つ以上の装置モジュールの使用段階は、一連の二つ以上の装置モジュールにおける一つ以上の動作特性の受け入れ基準を満たす。
【0025】
本発明の性質および利点の更なる理解は、明細書の残りの部分と図面との参照によって明らかにされるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下の詳細説明は、図示を目的とする多くの具体的な詳細を含むが、通常の技術を持つ当業者であれば、以下の詳細への多くの変更や改変などが本発明の範囲に含まれることを理解するであろう。従って、以下に述べられた例である本発明の実施形態は、一般性を全く失わずに、また限定を課さずに本発明の特許請求の範囲を説明する。
【0027】
本発明の実施形態は、アルミ箔担体上でのCIGS吸収層の製造を可能にする。本発明の実施形態に従って、液体堆積によってアルミ担体上に形成された1BおよびIIIA族の元素を含む新生吸収層は、室温から、約200℃から約600℃の範囲までのプラトー温度への急速加熱によりアニールしてもよい。その温度は、約2分から約30分の間、プラトー範囲内に維持され、その後、低下される。あるいは、アニール温度は、特定のプラトー温度に維持せずに、温度範囲内で振動するように調節することもできる。
【0028】
図1は、光電池装置10、および急速加熱ユニット20を示しており、装置は一般的にアルミ箔担体12、任意のベース電極14、および新生吸収層16を含む。アルミ箔担体12は、約5ミクロンから100ミクロン以上の厚さを有し、任意の適切な幅と長さとを有してもよい。アルミ箔担体12は、アルミニウムまたはアルミニウムベースの合金から作製してもよい。あるいは、アルミ箔担体12は、ポリマーがポリエステル、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、および/またはこれらの組み合わせよりなる群から選択される、ポリマー箔担体を金属化することによって作製してもよい。一例として、アルミ箔担体12は、ロール対システムでの処理に適した長いアルミ箔のシートの形であってもよい。ベース電極14は、新生吸収層16の処理と両立する導電性材料から作製される。一例として、ベース電極14は、例えば、約0.1から25ミクロンの厚さ、より好ましくは、約0.1から5ミクロンの厚さのモリブデンの層であってもよい。ベース電極層は、スパッタリングまたは蒸発によって、あるいは化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、ゾルゲルコーティング、電気メッキなどによって堆積してもよい。モリブデンまたはその他の材料の層は、アルミ箔担体の片面および両面、もしくは片面または両面に適用されてもよい。
【0029】
アルミニウムおよびモリブデンは、装置10上で有害な電気的およびまたは光電子的影響により互いに内部拡散する可能性がある。このような相互拡散を防ぐため、界面層13がアルミ箔担体12とモリブデンベース電極14との間に組み込まれてもよい。界面層は、クロム、バナジウム、タングステン、およびガラス、または窒化物のような化合物(窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタン、および窒化シリコンなど)、酸化物、および/または炭化物を含むがそれらに限定されず、任意の様々な材料により構成されてもよい。場合によって、拡散障壁層に選択された材料は導電性でもよい。この層の厚さは、10nmから50nmの範囲、より好ましくは、10nmから30nmの範囲であってもよい。場合によって、界面層13は、箔担体の上側のベース電極14の間および箔担体の下側の層の間、もしくは箔担体の上側のベース電極14の間または箔担体の下側の層の間であってもよい。場合によって、層13の材料に類似した別の層15の材料をアルミ箔担体の裏面に適用してもよい。材料は、層13と同じであってもよく、または層13として列挙された一連の材料から選択された別の材料であってもよい。層15は、担体12の裏面に保護特性をもたらす。
【0030】
新生吸収層16は、IB、IIIAおよび(場合によっては)VIA族の元素を含有する材料を含む。好ましくは、吸収層銅(Cu)はIB族の元素であり、ガリウム(Ga)および/またはインジウム(In)および/またはアルミニウムはIIIA族の元素である場合があり、セレン(Se)および硫黄(S)、もしくはセレン(Se)または硫黄(S)はVIA族の元素である。VIA族の元素は、最初に溶液が堆積される場合、または新生吸収層16から最終的な吸収層を形成するその後の工程の際に、新生吸収層16に組み込まれてもよい。新生吸収層16の厚さは、堆積される際に約1000nmであってもよい。その後の急速熱工程およびVIA族の元素の組み込みは、厚みが増加するように(例えば、新生吸収層の厚さはある状況下では約2倍)得られる吸収層の形態を変化させてもよい。
【0031】
アルミ箔担体12上での吸収層の製造は、比較的容易である。最初に、新生吸収層は担体12に、アルミニウム上、または電極14のような最上層上のいずれかに直接堆積される。一例として、また一般性を失うことなく、新生吸収層は、IB、IIIAおよび(場合によっては)VIA族のうちの一つ以上の元素を含有するナノ粒子を含む溶液ベースの前駆材料の薄膜のかたちで堆積されてもよい。溶液ベース印刷技術の薄膜の例として、例えば、本明細書に参照して組み込まれる同一出願人による「光電池の溶液ベースの製造」と題する米国特許出願第10/782,017号、および「電子装置用半導体化合物の製造方法及びその製造方法により作製されたフィルム」と題するPCT国際公開第WO 02/084708号に記載されている。
【0032】
あるいは、新生吸収層16は、一連の原子層堆積反応、または前記層の形成に通常用いられる他の任意の従来の方法によって形成されてもよい。IB−IIIA−VIA吸収層の一連の原子層堆積は、例えば、本明細書に参照として組み込まれる、同一出願人による同時係属出願「コイル状のフレキシブル基板上での原子層堆積及び高スループット表面処理を用いたCIG吸収層材料の形成」と題するシリアル番号第10/943,685号(代理人整理番号NSL−035)に記載されている。
【0033】
新生吸収層16は、次に、加熱ユニット20を用いて室温から、約200℃から約600℃の範囲の平均プラトー温度にまで、新生吸収層16および担体12、もしくは新生吸収層16または担体12を急速加熱することによりアニールされる。加熱ユニット20は、好ましくは、新生吸収層16および担体12、もしくは新生吸収層16または担体12(またはその重要な部分)の温度を、例えば約5℃/秒から約150℃/秒で急上昇させるために十分な熱を提供する。一例として、加熱ユニット20として、十分な放射熱を提供する一以上の赤外線(IR)ランプであってもよい。一例として、担体12(全て担体に向けて、担体の上に4個および下に4個)の表面から約1/8インチ(約0.32センチメートル)から約1インチ(約2.54センチメートル)にそれぞれ位置する公称約500ワットの8個のIRランプは、4インチ(約10センチメートル)加熱炉内で1時間あたり約25cmの担体領域を処理するのに十分な放射熱を提供することができる。ランプは、例えば、平均上昇率約10℃/秒で制御された方法で上昇させてもよい。当業者は、加熱ユニット20として使用される別の種類と構造の熱源を工夫することができるであろう。例えば、ロール対法製造ラインでは、加熱およびその他の工程が工程領域の長さに沿って1インチ(約2.54センチメートル)の間隔をあけて、担体の上と下との両方に均等に配置されたIRランプを使用して、担体の上と下との両方のIRランプを担体に向けて行われる場合がある。あるいは、IRランプは、担体12上にのみ、または下のみのいずれかで、および担体12の側面に、もしくは担体12上にのみ、または下のみのいずれかで、または担体12の側面にチェンバーの側面からの側面加熱を増大させる構造で配置される場合もある。
【0034】
吸収層16および担体12、もしくは吸収層16または担体12は、約2分から約30分間、平均プラトー温度に維持される。例えば、温度は、加熱ユニット20からの熱量を適切なレベルまで減らすことで望ましい範囲に維持されてもよい。IRランプの例において、熱は、単純にランプを消すことで減少させてもよい。あるいは、ランプは、積極的に冷却されてもよい。吸収層16および担体12、もしくは吸収層16または担体12の温度は、例えば、さらに加熱ユニット20からの熱の供給を減少させるか遮断することによって、その後適切なレベルにまで低下させられる。
【0035】
本発明の一部の実施形態において、セレンまたは硫黄といったVIA族の元素は、アニール前またはアニール段階中のいずれかで吸収層に組み込まれてもよい。あるいは、不連続または連続する2つ以上のアニール段階が連続して行われてもよく、セレンまたは硫黄といったVIA族の元素は二回目または後半の段階で組み込まれる。例えば、新生吸収層16は、急速加熱または急速熱処理(RTP)の前または最中にHSeガス、HSガス、またはSe蒸気に暴露されてもよい。この実施形態において、暴露を相対的に短くすることによってアルミニウム担体は、特に高温でのこれらのガスおよび蒸気に対してより良く持ちこたえることができる。
【0036】
一旦、新生吸収層16がアニールされた時点で、装置10を完成させるために更なる層が形成されてもよい。例えば、吸収層の接点パターンとして窓層が一般的に用いられる。一例として、接点パターン層は、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)、またはセレン化亜鉛(ZnSe)、あるいはこれら2つ以上の一部の組み合わせを含んでもよい。これらの材料の層は、例えば、薬浴堆積、化学的表面堆積、または噴霧熱分解によって、約50nmから約100nmの厚さに堆積されてもよい。さらに、例えば、伝導性酸化物層などの透明電極がスパッタリング、蒸気堆積、CVD、ALD、電気化学原子層エピタキシーなどによって窓層上に形成されてもよい。
【0037】
本発明の実施形態は、堆積または別の方法でアルミニウム担体上に形成された新生CIGS吸収層の急速加熱処理によって、先行技術に伴う不利な点を克服する。アルミニウム担体は、従来の担体よりはるかに安価で、かつ軽量である。従って、アルミニウム担体にもとづく太陽電池は、従来のシリコンベースの太陽電池と比較した場合、発電ワットあたりの低コストおよびはるかに短いエネルギー資本回収期間を有する。さらに、アルミニウム担体は、太陽電池製造の際の生産性が高いロール対印刷、およびソーラーモジュールおよびシステムのインストールの際により速く簡便なインストール過程の両方を可能にする柔軟な形状因子を可能にする。
【0038】
本発明の実施形態は、軽量で安価なアルミニウム担体上の光電池装置の製造を可能にする。新生吸収層16の急速加熱/急速熱処理は、アルミ箔担体12を損傷または破壊せずに適切なアニールおよびVIA族の元素の組み込みを可能にする。プラトー温度範囲は、アルミ箔担体の損傷または破壊を防ぐためにアルミニウムの融点(約660℃)より十分に低い。アルミ箔担体の使用は、前記担体により作製され、例えば、太陽電池などの光電池装置の材料コストを大幅に低減させることができ、その結果、ワットあたりのコストが低減する。スケールメリットは、アルミ箔担体を担体上に構築される光電池装置の様々な層と共に一連の堆積、アニール、およびその他の処理段階を通過する際にロール対法により処理して達成されることもある。
【0039】
CIGS太陽電池は例示のために述べられているが、当業者は、本発明の実施形態が大部分の任意の種類の対応する電池の構造に適用可能であることを認めるであろう。例えば、層16は、有機オリゴマーまたはポリマー(有機太陽電池用)、二層または相互貫入層または無機および有機材料(有機/無機ハイブリッド太陽電池用)、液体またはゲルベースの電解液中の色素増感チタニアナノ粒子(集光フィルムの感度を上げる電荷移動色素の単層により被覆された数ナノメートルサイズの酸化チタン粒子を含む透明フィルムを備えたグレッツェル太陽電池用)、銅−インジウム−ガリウム−セレン(CIGS太陽電池用)、CdSe、CdTe、および/または上記の組み合わせを備え、活性素材がバルク材料、マイクロ粒子、ナノ粒子、または量子ドットのうち、任意のいくつかの形で存在するが、これらに限定されない吸収層であってもよい。さらに、その他の可能な吸収層が(ドープした、またはドープしていない)非晶質シリコン、孔が有機半導体材料により満たされた無機多孔質半導体テンプレートを有するナノ構造層(例えば、本明細書に参照され組み込まれる、米国特許出願第US 2005−0121068 Al号を参照)、ポリマー/混合太陽電池構造、有機色素、および/またはC60分子、および/またはその他の低分子、微結晶シリコン太陽電池構造、ランダムに配置された無機素材のナノロッドおよび/または有機マトリックス内に配置されたテトラポッド、量子ドットにもとづく太陽電池、もしくは上記の組み合わせであってもよい。これらの種類の太陽電池の多くは、柔軟な担体上に製造することができる。
【0040】
P型層は、有機または無機のいずれかであってもよいことを理解すべきであろう。あるいは、N型層は有機または無機のいずれかであってよい。可能性がある組み合わせは、無機P型層と無機N型層、無機P型層と有機N型層、有機P型層と無機N型層、または有機P型層と有機N型層である。
【0041】
制限を目的としない一例として、P型層およびN型層、もしくはP型層またはN型層に適した無機材料は、チタニア(TiO)、ナノ結晶TiO、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuOまたはCuOまたはCu)、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム/チタンおよびその他の酸化物、チタン酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)、硫化銅(例えば、CuS)、テルル化カドミウム(CdTe)、セレン化カドミウム−テルル(CdTeSe)、セレン化銅−インジウム(CuInSe)、酸化カドミウム(CdO)などの酸化金属、すなわち一般的に半導体材料で同時に2つ以上の前記材料の混合物または合金を含む。
【0042】
制限を目的としない一例として、P型層およびN型層、もしくはP型層またはN型層に適した有機材料は、ポリ(フェニレン)およびその誘導体、ポリ(フェニレンビニレン)およびその誘導体(例えば、ポリ(2−メトキシ−5−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−l,4−フェニレンビニレン(MEH−PPV)、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)、(PPV))、PPV共重合体、ポリ(チオフェン)およびその誘導体(例えば、ポリ(3−オクチルチオフェン−2,5,−ジイル)、レジオレギュラー、ポリ(3−オクチルチオフェン−2,5,−ジイル)、レジオランダム、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)、レジオレギュラー、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)、レジオランダム)、ポリ(チエニレンビニレン)およびその誘導体、ならびにポリ(イソチアナフテン)およびその誘導体といった共役高分子を含む。その他の適したポリマーは、有機金属高分子、ペリレンユニットを含むポリマー、ポリ(スクアライン)およびその誘導体、ならびにディスコティック液晶を含む。その他の適した有機材料は、有機顔料または染料、芳香族を結合したアゾクロモフォア(−N=N−)を有するアゾ染料、無金属フタロシアニンを含むフタロシアニン;(HPc)、ペリレン、ペリレン誘導体、フタロシアニン銅(CuPc)、フタロシアニン亜鉛(ZnPc)、ナフタロシアニン、スクアライン、メロシアニンおよびそれぞれの誘導体、ポリ(シラン)、ポリ(ジャーミネイト)、2,9−ジ(ペント−3−イル)−アントラ[2,l,9−def:6,5,10−d’e’f’]ジイソキノリン−1,3,8,10−テトラオン、および2,9−ビス−(1−ヘキシル−ヘプタ−1−イル)−アントラ[2,1,9−def:6,5,10−d’e’f]ジイソキノリン−l,3,8,10−テトラオンおよびペンタセン、ペンタセン誘導体および/またはペンタセン前駆物質、ポリ(はしご状ベンズイミダゾベンゾフェナントロリン)(BBL)などのNタイプはしご型ポリマー、もしくは上記の任意の組み合わせを含む。
【0043】
本発明で用いるのに適した有機太陽電池の一つは、液体電解液を用いる色素増感ナノ結晶TiOにもとづく太陽電池を備えたグレッツェル太陽電池である(本明細書において全体を組み込まれた、オリーガンらによる”色素増感コロイダルTiOに基づく低コスト及び高効率太陽電池”,ネイチャー、353巻、pp737−740,1991年10月24日)。色素増感太陽電池(DSSC)は、光吸収および電荷分離の過程に分けられる。化学的に半導体表面に吸収されたルテニウムベース色素の単層が光を吸収する。光子によって励起された後、色素は半導体のTiO(チタニア)を含む電子をナノ粒子ペーストに注入し、チタニア内部の電場は電子の抽出を可能にする。並行プロセスにおいて、正電荷は色素から液体ヨウ化物/三ヨウ化物ベースの酸化還元メディエータに伝達され、これにより溶液を通じて対極へのホール移動が可能になり、その後酸化還元メディエータは還元状態に戻り、回路を閉鎖する。
【0044】
別の実施形態において、液体ヨウ化物/三ヨウ化物電解液は、効果的な装置機能に十分なホール移動を示す固定状態の材料で置き換えてもよい。これらのアプローチは:
(1)イオン伝導ポリマーゲルの利用(ワンら、2003)、(2)イオン液を含むゾルゲルナノ複合材料(スタサトスら、2003)、(3)イオン伝導体(カオら、1995)、(4)CuIまたはCuSCNなどの無機P型半導体(テナコンら、1995; オリーガン及びスチュワート、1998;オリーガンら、2003)、および(5)2,2’7,7’テトラキス(N,N−ジ−p− メトキシフェニル−アミン)−9,9’−スピロビフルオレン(スピロ−Me OTAD)などの低分子量有機ホール伝導体(クルーガーら、2001)を含む。
(高効率太陽電池構成)
図1および上記段落に示された装置の製造は、下記図2Aにおいて詳述される高効率太陽電池の構成での利用に適していることを理解すべきである。図2Aは、本発明の実施形態による光電子装置の配置100を説明する。一部の実施形態において、これは光電子装置の配置100における一連の相互接続と見なしてもよい。配置100は、第一の装置モジュール101および第二の装置モジュール111を含む。装置モジュール101および111は、太陽電池のような光電池装置である場合、または発光ダイオードといった発光素子である場合がある。好ましい実施形態において、装置モジュール101および111は太陽電池である。第一および第二装置モジュール101および111は、例えば、ポリエチレンテレフタル酸(PET)の様なプラスチック材料から作製されることもある(例えば約50ミクロンの厚さ)絶縁キャリア担体103に取り付けられる。同様に、キャリア担体103は、屋根など屋外の場所への配置100の取り付けを容易にするため、例えば熱可塑性ポリオレフィン(TPO)またはエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)のような高分子ルーフィング膜素材からなるより厚い構造膜105に取り付けられる。
【0045】
制限を目的としない一例として、およそ長さ4インチ(約10.16センチメートル)、幅12インチ(約30.48センチメートル)の装置モジュール101および111は、いくつかの層を含み一体に重ね合わされたかなり長いシートから切り出されてもよい。各装置モジュール101および111は、一般的に、底面電極104、114および導電性バックプレーン108、118の間の底面電極104、114と絶縁層106、116とに接触する装置層102、112を含む。本発明の一部の実施形態において、バックプレーン108、118が背面上面電極108、118として記載され得ることを理解すべきである。S、S担体のための底面電極104、114、絶縁層106、116、およびバックプレーン108、118は、装置層102、112を支持する。
【0046】
絶縁担体上に薄い金属層を堆積して担体を形成する先行技術の太陽電池とは対照的に、本発明の実施形態は、箔のような柔軟バルク材料にもとづくS、S担体を利用する。箔のような柔軟バルク材料は、先行技術の真空金属蒸着層よりも厚みを有するが、より安価で、入手がより容易で、より取り扱いやすい可能性もある。好ましくは、少なくとも底面電極104、114がアルミ箔のような金属箔で作製される。銅、ステンレス鋼、チタン、モリブデン、またはその他の安定な金属箔が利用されてもよい。一例として、底面電極104、114およびバックプレーン108、118は、約1ミクロンから約200ミクロンの厚さ、好ましくは、約25ミクロンから約100ミクロンの厚さのアルミ箔から作製してもよく;絶縁層106、116は、ポリエチレンテレフタル酸(PET)のような約1ミクロンから約200ミクロンの厚さ、好ましくは、約10ミクロンから約50ミクロンの厚さのプラスチック箔材料から作製してもよい。一実施形態において、特に底面電極104、114、絶縁層106、116、およびバックプレーン108、118は、始動担体S、Sを形成するために一体に重ね合わされる。箔は底面電極104、114およびバックプレーン108、118の両方に利用される場合があるが、メッシュグリッドを絶縁層106、116上にバックプレーンとして用いることも可能である。前記グリッドは、絶縁層106、116の背面に導電性インクまたは塗料を用いて印刷されてもよい。特に適した伝導性塗料またはインクの一例は、ミシガン州、ミッドランドに所在するダウコーニング社から入手可能なダウコーニング(登録商標)、PI−2000、高導電性銀インクである。ダウコーニング(登録商標)は、ミシガン州、ミッドランドに所在のダウコーニング社の登録商標である。さらに、絶縁層106、116は、面電極104、114またはバックプレーン108、118またはその両方に用いられる箔表面を陽極酸化処理することによって、又は当業者にとって公知である噴霧、コーティング、または印刷技術により絶縁コーティングを施すことによって形成される。
【0047】
装置層102、112は、一般的に、透明導電膜109および底面電極104の間に活性層107を含む。一例として、装置層102、112の厚さは約2ミクロンであってもよい。少なくとも第一の装置101は、透明導電膜109およびバックプレーン108の間に一つ以上の電気接点120を含む。電気接点120は、透明導電膜109、活性層107、底面電極104および絶縁層106にを通じて形成される。電気接点120は、透明導電膜109およびバックプレーン108の間の電気的な導電性パスを提供する。電気接点120は、活性層107、底面電極104および絶縁層106から電気的に絶縁される。
【0048】
接点120は、活性層107、透明導電膜109、底面電極104および絶縁層106を通じたビアホールをそれぞれ含んでもよい。各ビアホールの直径は約0.1ミリメートルから約1.5ミリメートルの範囲、好ましくは、約0.5ミリメートルから約1.0ミリメートルの範囲である。ビアホールは、例えば、機械的な方法、レーザーまたは電子ビームによる穴開け、もしくはこれらの技術の組み合わせによる打ち抜きや穴開けによって形成してもよい。絶縁材料122は、チャネルが絶縁材料122を通じてバックプレーン108まで形成されるように、ビアホールの側壁を被覆する。絶縁材料122の厚さは約1ミクロンから約200ミクロンの範囲、好ましくは、約10ミクロンから約200ミクロンの範囲である場合がある。
【0049】
絶縁材料122は、その背後の露出した導電性表面を完全に被覆するため、好ましくは、少なくとも10ミクロンの厚さを有している必要がある。絶縁材料122は、例えばインクジェット印刷、または環状ノズルからの分散など様々な印刷技術によって形成されてもよい。プラグ124は導電材料により作製され、少なくとも部分的にチャンネルを満たし、透明導電膜109およびバックプレーン108の間の電気接点を形成する。導電性材料は、同様に印刷される。適した材料及び方法として、例えば、はんだのインクジェット印刷(この目的に有用な機器を販売するテキサス州、プラノ所在のマイクロファブ・インコーポレイテッド社の「ソルダジェット」と称される)がある。エレクトロニクス・パッケージングの当業者に知られる導電性接着材料の印刷を用いてもよく、提供された時間は、その後の溶媒除去と硬化を可能にする。プラグ124の直径は、約5ミクロンから約500ミクロンの範囲、好ましくは、約25ミクロンから約100ミクロンの範囲であってもよい。
【0050】
制限を目的としない一例として、他の実施形態において、装置層102、112の厚さは約2ミクロンであってもよく、底面電極104、114はアルミ箔からなり、その厚さは約100ミクロンであってもよく;絶縁層106、116はポリエチレンテレフタル酸(PET)などのプラスチック材料からなり、その厚さは約25ミクロンであってもよく;背面上面電極108、118はアルミ箔からなり、その厚さは約25ミクロンであってもよい。装置層102、112は、透明導電膜109および底面電極104の間に配置される活性層107を含んでもよい。前記実施例において、少なくとも第一の装置101は、透明導電膜109および背面上面電極108の間に1つ以上の電気接点120を含む。電気接点120は、活性層107、底面電極104、および絶縁層106を通じて形成される。電気接点120は、透明導電膜109および背面上面電極108の間の導電性パスを提供する。電気接点120は、活性層107、底面電極104、および絶縁層106から絶縁される。
【0051】
導電性プラグ124および担体108の間の良好な接点の形成は、超音波溶接等その他の接点形成技術の利用によって支援されてもよい。有用な技術の例は、例えば本明細書に参照されて組み込まれる、J.ジェイ・ワイマーによる「鉛フリーの3次元スケール」セミコンダクター・インタイナショナル,2003年10月1日提出で述べられたような金スタッド隆起の形成である。通常のはんだ、または導電性のインクまたは接着剤は、スタッド隆起の先端部に印刷されてもよい。
【0052】
ビアホールの形成では、上面電極109および底面電極104の間に短絡接点が形成されることを防ぐことが重要である。従って、穴開けまたは打ち抜きといった機械的切断技術は、数ミクロンの深さおよび数ミクロンの幅のビアホールの縁部に近接した少体積の材料のレーザー切断除去によって有利に補われる可能性がある。あるいは、ビアホールよりやや直径が大きい透明導電体の除去に化学的エッチング処理が用いられる場合もある。エッチングは、例えば、数滴のエッチング剤を適切な場所にインクジェット印刷またはステンシル印刷することにより局在化することができる。
【0053】
短絡を回避する更なる方法は、透明導電膜109の堆積前に活性層107の表面への絶縁材料の薄層の堆積を伴う。この絶縁層の厚さは、好ましくは数ミクロンであり、1から100ミクロンの範囲であってもよい。ビアホールが形成される領域にのみ(および、ビアホールの縁をやや越えて)堆積されるため、その存在は光電子装置の動作を妨げることはない。本発明の一部の実施形態において、層は、本明細書に参照として組み込まれる2004年3月25日に提出されたカール・ピヒラーによる米国特許出願シリアル番号第10/810,072号に述べられた構造に類似していてもよい。この構造によりホールが穴開けされたり、または打ち抜かれたりする場合、機械切断処理の精度のため、透明導電膜109および底面電極104の間においてこれらの層よりも厚い絶縁体の層が存在していることから、短絡が生じることはない。
【0054】
この層の材料は、従来の任意の絶縁体であってよく、好ましくは、デジタル処理(例えばインクジェット)で印刷可能な材料である。ナイロン PA6(融点(m.p.)223℃)、アセタール(m.p.165℃)、PBT(構造的にPETに類似しているがエチル基をブチル基で置き換えている)(m.p.217℃)、およびポリプロピレン(m.p.165℃)などの熱可塑性ポリマーが、容易に得られる有用な材料のリストの例である。これらの材料は、絶縁層122にも利用されてもよい。インクジェット印刷は絶縁体アイランドを形成するのに望ましい方法であるが、他の印刷または堆積方法(従来のフォトリソグラフィーを含む)も本発明の範囲に含められる。
【0055】
ビアホールの形成において、最初に少なくとも2つの別の要素で光電子装置を製造するのが有用であり、一つは絶縁層106、底面電極104、および層102を含み、二つ目はバックプレーン108を含む。これら2つの要素は、次に、複合構造106/104/102を通じてビアホールが形成された後、ビアホールが満たされる前に一体に重ね合わされる。この重ね合わせとビアホールの形成後に、バックプレーン108が複合物に重ね合わされ、ビアホールが上述のように満たされる。
【0056】
ジェット印刷されたはんだ、または導電性接着剤は導電性ビアプラグ124を形成する有用な材料を含むが、このプラグは機械的な方法により形成することも可能である。上述のように、例えば、適した直径のワイヤーをビアホール内に配置し、バックプレーン108と接触させ、望みの高さで切断して、金スタッド隆起の形成のため類似の方法によりプラグ124を形成してもよい。あるいは、予め形成したこのサイズのピンをホール内にロボットアームで配置することもできる。ピンを配置する前の極めて薄い導電性接着剤の印刷によって、前記のピンまたはワイヤーを適切に保持し、担体への電気接点を支援または確保してもよい。この方法で、導電性接着剤の厚いプラグの長い乾燥時間といった問題が解消される。ピンは先端または鋸歯状の縁を持ち、バックプレーン108に少しだけ穴を開け、さらに接触を支援する。前記のピンは、絶縁されたワイヤーまたは覆われたワイヤー(例えば、蒸着または酸化)の場合のように、既に存在する絶縁を備えていてもよい。絶縁材料の導入をより簡単にするため、これらは絶縁材料の適用前にビアホールに配置してもよい。
【0057】
ピンが適切な固い金属から作製され、かつその先端が少しだけテーパ状である場合、打ち抜きの段階でビアホールの形成に用いてもよい。パンチまたはドリルを用いる代わりに、ピンは、その先端がちょうど底面に貫通する深さにまで複合構造106/104/102に挿入され、次に、担体108がこの複合物と重ね合わされる際、その先端は少しだけ貫通して良好な接点を形成する。これらのピンは、打ち抜かれていない担体に、例えば機械的圧力または空気圧によって、ピンがちょうど適合するチューブを通じて投入されてもよい。
【0058】
例えば、Al、Ni、またはAgからなる一つ以上の導電性トレース126は、導電性材料124を用いて電気接点で透明導電膜109上に配置されてもよい。図2Bに示されるように、トレース126は、全体のシート抵抗を低減させるために多数の接点120を互いに結合してもよい。一例として、接点120は、最近傍の各接点と結合するトレース126と互いに約1センチメートルの間隔をあけて配置されてもよく、またはある場合には、それを取り巻く透明導電体に配置されてもよい。好ましくは、トレース126の数、幅、間隔は、接点120とトレース126とが装置モジュール101の表面の約1%未満をカバーするように選択される。トレース126の幅は、約1ミクロンから約200ミクロンの範囲、好ましくは、約5ミクロンから約50ミクロンの範囲である。トレース126は、中心と中心とが約0.1ミリメートルから約10ミリメートル、好ましくは、約0.5ミリメートルから約2ミリメートルの距離で隔てられてもよい。より幅広いラインにあっては、過剰なシャドーイング損失を避けるためにより大きな間隔が必要である。配線が互い(例えば2つの要素内で)に適切に等距離であるかぎり、トレース126のための様々なパターンまたは方向が用いられてもよい。接点120から扇形に展開するトレース126の別のパターンが図2Cに示されている。図2Dに示されるもう一つの別のパターンでは、トレース126は、さらに細いトレース126が接点120から放射状に広がる太いトレースから分岐して広がる「分岐点」パターンを形成する。図2Eに示されるさらにもう一つの別のパターンでは、トレース126は、接点120から矩形のパターンを形成する。各接点に連結されたトレース126は、図2Eに示された数より多くてもよく、また少なくてもよい。一部の実施形態は、1つ以上、2つ以上、3つ以上などでもよい。図2B、図2C、図2D、および図2Eに例示されたトレースパターンは説明を目的としたものであり、本発明の実施形態において使用され得ると考えられるトレースパターンの限定を意図するものではない。伝導性バックプレーン108、118は電流を一つの装置モジュールから隣に伝達するため、伝導性トレース126は太い「バス」を防ぐために「フィンガー」を含む場合もある点に留意されたい。シャドーイングの量の減少はバスに起因し、また装置配置100において、審美的な見地から、より要求を満たす外観がもたらされる。
【0059】
比較的厚く導電性が高い柔軟バルク導体底面電極104、114およびバックプレーン108、118からなり、透明導電膜109、活性層130、底面電極104、114および絶縁層106、116と通じた絶縁された接点120を形成する担体S、S上での装置モジュール101、111の製造は、装置モジュール101、111を比較的大きくすることを可能にする。その結果として、配置100は、先行技術の配置よりも少ない装置モジュールから作製することができ、より少ない一連の相互接続が必要となる。例えば、装置モジュール101、111は、約1センチメートルから約30センチメートルの長さ、約1センチメートルから約30センチメートルの幅を有する。より小さな電池(例えば長さ1センチメートル未満および幅1センチメートル、もしくは長さ1センチメートル未満または幅1センチメートル)を作製してもよい。
【0060】
バックプレーン108、118は電流を一つの装置モジュールから次に伝達するため、トレース126はこの目的のための先行技術で使われるような太いバスを含む必要がないことに留意されたい。代わりに、トレース126のパターンは、接点120に電流を伝達するのに十分な導電性「フィンガー」を提供することのみが必要である。バスが存在しない場合、活性層102、112はその大部分が露出され、効率が高められる。さらに、バスがないトレース126のパターンは、審美的な要求を満たすことができる。
【0061】
第一の装置101のバックプレーン108と第二の装置111の底面電極114との間における電気接点は、底面電極114の一部を露出するために第二の装置モジュールのバックプレーン118および絶縁層116を縮小することによって実現される。図2Bは、特にバックプレーン118および絶縁層116の縮小に関する一つの方法の例を説明する。具体的には、ノッチ117は、絶縁層116の縁部に形成されてもよい。ノッチ117は、類似しているがやや大きいバックプレーン118のノッチ119と整合される。ノッチ117、119の配置は、第二の装置モジュール111の底面電極114の一部を露出させる。
【0062】
電気接点は、多数の様々な方法で、第一の装置モジュール101のバックプレーン108と第二の装置モジュール111の底面電極114の露出した部分との間に作製されてもよい。例えば、図2Aに示されるように、薄い導電性層128は、キャリア担体103の一部の上にノッチ117、119と共に配列するパターンで配置されてもよい。
【0063】
薄い導電性層は、例えば(充填された)導電性ポリマーまたは銀インクであってもよい。導電性層の厚さは、例えば約1ミクロンであり、極めて薄くてもよい。薄い導電性層128の最低限の厚さ決定のための一般基準は、この層で消費された部分的な力p=(J/V)p(L/d)が約10−5以下で、式中、Jは電流密度、Vは電圧、Lは薄い導電性層128の厚さ(おおよそ、第一と第二の装置モジュールの間におけるギャップ幅)、およびpおよびdはそれぞれ抵抗率と導電層128の厚さである。数字的な一例として、多くの用途の場合、(J/V)はおおよそ0.06A/Vcmである。L=400ミクロン=0.04cmの場合、その結果pはおよそ10−4(p/d)に等しい。従って、抵抗率pが約10−5Ωcmであったとしても(良好なバルク導電体の約10分の1以下)、dは約1ミクロン(10−4cm)の厚さである。従って、ほとんどあらゆる妥当な厚さの比較的抵抗性が高いポリマー導体でも機能する。
【0064】
第一の装置モジュール101は、薄い導電性層128の一部を露出したままバックプレーン108を薄い導電性層128に電気的に接触させるべくキャリア担体103に取り付けられてもよい。従って、電気接点は、露出された薄い導電性層128の部分と第二の装置モジュール111の露出された底面電極114の部分との間に形成される。例えば、導電体129の隆起(例えば、より導電性が高い接着剤)は、薄い導電性層128上において底面電極114の露出部分と配列する位置に配置されてもよい。第二の装置モジュール111がキャリア担体に取り付けられる場合、導電体129の隆起は、底面電極114の露出部分との接点を形成するよう十分に高くされている。ノッチ117、119の寸法は、基本的には、薄い導電性層128が第二の装置モジュール111のバックプレーン118と望ましくない接触を形成することのないように選択される。例えば、底面電極114の縁部は、絶縁層116に対して約400ミクロンの縮小CBiの量だけ縮小されてもよい。バックプレーン118は、絶縁層116に対してCBiよりも十分大きいCB量だけ縮小されてもよい。
【0065】
装置層102、112は、好ましくは、例えばロール対処理システムのような大規模生産が可能な種類である。装置層102、112に利用可能な数多くの様々な種類の装置構造が存在している。一般性を失わずに、一例として、図2Aの挿入図は、装置層102のCIGS活性層107の構造および関連する層を示す。一例として、活性層107は、IB、IIIAおよびVIA族の元素を含む材料に基づく吸収層130を含んでもよい。好ましくは、吸収層130は、IB族の元素として銅(Cu)を、IIIA族の元素としてガリウム(Ga)および/またはインジウム(In)および/またはアルミニウムを、VIA族の元素としてセレン(Se)および硫黄(S)、もしくはセレン(Se)または硫黄(S)を含む。前記の材料(CIGS材料と呼ばれる場合もある)の例は、共に本明細書に参照されて組み込まれる、2001年7月31日にエバスペーチャらにより発行された米国特許第6,268,014号、および2004年11月4日公開のビュレント・バサルによる米国特許出願第US 2004−0219730 Al号に記載されている。窓層132は、一般に、吸収層130と透明導電膜109との間の分岐パートナーとして用いられる。一例として、窓層132は、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)、またはセレン化亜鉛(ZnSe)、もしくはこれらの2つ以上の組み合わせを含む場合がある。これらの材料の層は、例えば、化学浴堆積または化学的表面堆積によって、約50nmから約100nmの厚さに堆積されてもよい。底面電極とは金属が異なる層134は、底面電極104からの金属の拡散を防ぐために底面電極104および吸収層130の間に堆積されてもよい。例えば、底面電極104がアルミニウムからなる場合、層134はモリブデンの層であってもよい。これは、電荷を伝達し特定の保護特性を提供するのに役立つ。さらに、層13と類似した材料の別の層135も、層134およびアルミニウム層104の間に適用されてもよい。材料は層13と同一か、層13のために記載した一連の材料から選択された別の材料であってもよい。場合により、別の層137を層104の反対面に適用してもよい。材料は層135と同一か、層13のために記載した一連の材料から選択された別の材料であってもよい。本明細書に記載の任意の実施形態において、図5および6の実施形態を制限せずに、層135および137、もしくは層135または137に類似の保護層が箔の周りに適用されてもよい。
【0066】
CIGS太陽電池は、例示目的として述べられたが、当業者にとって、一連の相互接続技術の実施形態は、ほとんど全ての種類の太陽電池構造に適用できることを認めるであろう。前記太陽電池の例は、非晶質シリコンにもとづく太陽電池、グレッツェル太陽電池構造(場合によって、透明膜は直径数ナノメートルのサイズで、集光のために膜を増感するために荷電伝達色素の単層で被覆した二酸化チタン粒子を含む)、有機半導体材料により孔が満たされた多孔質無機半導体テンプレートを有するナノ構造層(例えば、本明細書に参照されて組み込まれる、米国特許出願第US 2005−0121068 Al号)、ポリマー/混合太陽電池構造、有機色素、および/またはC60分子および/またはその他の低分子、微結晶シリコン太陽電池構造、ランダムに配置された無機素材のナノロッドおよび/または有機マトリックス内に配置されたテトラポッド、量子ドットにもとづく太陽電池、もしくは上記の組み合わせ含むがそれに限定されない。さらに、本明細書で述べられた一連の相互接続技術の実施形態は、太陽電池以外にも他の光電子装置に使用可能である。
【0067】
あるいは、光電子装置101、111は、有機発光素子(OLED)などの発光素子であってもよい。OLEDの例は、発光ポリマー(LEP)にもとづく装置を含む。前記の場合において、活性層107は、底面電極104上に例えばウェブ被覆などによって一般的に50から200nmの厚さで堆積される可能性があるポリ(3、4)エチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)の層を含み、水を除去するために焼成される場合がある。PEDOT:PSSは、ドイツ、レバークーゼン所在のバイヤー・コーポレイションから入手可能である。ポリフルオレンにもとづくLEPは、次にPEDOT:PSS層上に約60−70nmの厚さで(例えばウェブ被覆などによって)堆積されてもよい。適したポリフルオレンにもとづくLEPはダウ・ケミカル・カンパニーから入手可能である。
【0068】
透明導電膜109は、例えば、酸化亜鉛(ZnO)またはアルミニウムでドープされた酸化亜鉛(ZnO:Al)などの透明導電性酸化物(TCO)であってもよく、スパッタリング、蒸着、CBD、電気メッキ、CVD、PVD、ALD等を含むがそれに限定されない任意の様々な方法を用いて堆積可能である。あるいは、透明導電膜109は、例えば、回転、浸漬、または噴霧被覆などを用いて堆積可能な、ドープされたPEDOT(ポリ−3、4−エチレンジオキシチオフェン)透明導電性ポリマー層を含んでもよい。PSS:PEDOTはドープされた、ジエチルで架橋された複素環チオフェン環にもとづく導電性ポリマーである。ポリ(スチレンスルホン酸)(PSS)でドープされたPEDOTの水分散液は、マサチューセッツ州、ニュートン所在のH.C.スタルクからバイトロン(登録商標)Pの商標名で入手可能である。バイトロン(登録商標)は、ドイツ、レバークーゼン所在のバイヤー・アクチェンゲゼルシャフトの登録商標である。その導電性に加えて、PSS:PEDOTは、装置の性能を向上させる平坦化層として使用することもできる。PEDOTを使用する場合に考えられる不利益として一般的なコーティングの酸性特性があり、PEDOTが太陽電池中の他の材料に対して化学的に攻撃・反応、分解の原因となることがある。PEDOT中の酸成分の除去は、アニオン交換処理によって行ってもよい。非酸性PEDOTは、市販品を購入することができる。あるいは、類似の材料をコロラド州、ウィートリッジ所在のTDAマテリアルから例えばオリゴトロン(商標)およびアデトロン(商標)を購入することもできる。
【0069】
第一の装置モジュール101および第二の装置モジュール111間のギャップは、硬化性ポリマーエポキシ、例えばシリコンにより満たされてもよい。環境抵抗、例えば水または空気への暴露に対する保護を提供するため、任意のカプセル材料の層(不図示)により配置100を被覆することも可能である。カプセル材料は、下の層を保護するためにUV光を吸収してもよい。適したカプセル材料の例は、THV(例えば、ダイニオンのTHV220フッ酸ポリマー、テトラフルオロエチレンの熱可塑性フッ化ポリマー、ヘクサフルオロプロピレン、およびフッ化ビニリジン)、テフゼル(登録商標)(デュポン)、テフデル、エチレンビニルアセテート(EVA)、熱可塑性物質、ポリイミド、ポリアミド、プラスチックおよびガラスのナノラミネート複合材料(例えば、本明細書で参照されて組み込まれる、同一出願人による同時係属出願のブライアン、セイガーおよびマーティン、ロッシュアイゼンによる「無機/有機ハイブリッドナノ積層バリアフィルム」と題する米国特許出願第2005−0095422 Al号に記載されたような障壁膜)、ならびに上記の組み合わせといった一つ以上のフルオロポリマー層を含む。
【0070】
本発明の実施形態による相互接続された装置製造のための数多くの様々な方法がある。例えば、図3はそのような方法の一つを説明している。この方法において、例えば図2A−2Bに関して記載されるように、装置は活性層を底面電極および透明導電膜の間に含む連続的な装置シート202で製造される。装置シート202は、図2Aに図示された接点120のような接点203でもパターン化される。接点203は、導電性トレース(不図示)によって上述のように電気的に接続されてもよい。絶縁層204およびバックプレーン206も連続シートとして製造される。図3に示される例においては、絶縁層204は、例えばバックプレーン層206の同様のノッチ207と整列するノッチ205を形成するよう縮小されている。バックプレーン層206のノッチは、絶縁層204のノッチよりも大きい。装置シート202、絶縁層204およびバックプレーン層は一体に重ね合わされ、絶縁層204を装置シート202およびバックプレーン206の間に有する積層板208を形成する。次に、積層板208はノッチ205、207を横切る点線に沿って2つ以上の装置モジュールA、Bに切断される。導電性接着剤210(例えば、導電性ポリマーまたは銀インク)のパターンは、次にキャリア担体211上に堆積される。モジュールはキャリア担体211に接着される。導電性接着剤210のより広い領域212は、モジュールAのバックプレーン206と電気接点を形成する。導電性接着剤210のフィンガー214は、より広い領域212から外に突き出る。フィンガー214はモジュールBのノッチ205、207と整列する。ノッチ205、207を通じたモジュールBの底面電極との電気接点を容易にするように、フィンガー214上に追加の導電性接着剤を配置してもよい。好ましくは、導電性接着剤210がモジュールBのバックプレーン206と望ましくない電気接点を形成しないように、フィンガー214はバックプレーン206のノッチ207よりも細い。
【0071】
図3に図示された実施形態において、装置シート、絶縁層、およびバックプレーンは個別のモジュールに切断される前に一体に重ね合わされる。別の実施形態において、層は最初に切断され、次にモジュールに(重ね合わせによって)組み立てられてもよい。例えば、図4に示されるように、第一および第二の装置モジュールA’、B’は、予め切断された装置層302A、302B、絶縁層304A、304B、およびバックプレーン306A、306Bがそれぞれ重ね合わされてもよい。各装置層302A、302Bは、活性層を透明導電膜および底面電極の間に含む。少なくとも一つの装置層302Aは、上述のタイプの電気接点303A(および任意で導電性トレース)を含む。
【0072】
この例において、絶縁層304Bがバックプレーン306Bの端から突出するように、モジュールBのバックプレーン306Bは単純に絶縁層304Bより短くすることで縮小されていた。同様に、絶縁層304Bは、装置層302Bより短く、またはより具体的には、装置層302Bの底面電極より短くすることで縮小されていた。予め切断された層が一体に重ね合わされてモジュールA’、B’を形成した後、モジュールはキャリア担体308に取り付けられ、モジュールA’のバックプレーン306AおよびモジュールB’の装置層302Bの底面電極の間に電気的接続が作製される。図4に示される例では、導電性接着剤310を通じて隆起した部分312との接点が形成され、モジュールB’のバックプレーン306Bとの望ましくない接点の形成を避ける一方で、底面電極との接点を作製する。
【0073】
図5A−5Bは、図4に示す方法である導電性接着剤の使用を減らす変化を示している。第一および第二の装置モジュールA”、B”は、図5Bに示されるように予め切断された装置層402A、402B、絶縁層404A、404B、およびバックプレーン層406A、406Bから組み立てられ、キャリア担体408に取り付けられる。図5Bに示されるように、絶縁電気接点403Aは、装置層402A、底面電極405Aおよび絶縁層406Aにより電気接点を形成する。モジュールB”の絶縁層404Bおよびバックプレーン406Bの前縁は、図4に関して記載されるように装置層402Bに対して縮小される。一方、電気接点を容易にするため、モジュールA”のバックプレーン406Aの後縁は、装置層402Aおよび絶縁層404Aの後縁を越えて広げられる。結果として、モジュールB”の装置層402BはモジュールA”のバックプレーン406Aと重なる。図5Bに示されるように、バックプレーン406Aの露出部分407A上の導電性接着剤412の隆線は、装置層402Bの底面電極405Bの露出部分との電気接点を形成する。
【0074】
上述の方法の好ましい実施形態において、個々のモジュールは、例えば、上述のように製造され、次に歩留まり試験のために仕分けられてもよい。例えば2つ以上の装置モジュールは、光電子的効率、開路電圧、短絡回路電流、充填率など、一以上の性能特性に関する試験が行われる場合がある。性能の受け入れ基準を満たす、もしくは越える装置モジュールを配列中で使用することができ、一方、受け入れ基準を満たさないものは破棄してもよい。受け入れ基準の例として、光電子的効率または開路電圧の閾値または許容範囲がある。装置モジュールを個別に仕分け、配列に整列させることで、一体として装置の配列を製造するより高い歩留まりを得ることができる。
【0075】
電気接点120の考察において、透明導電膜およびバックプレーンの間にビアホールが形成され、絶縁体により被覆され、導電性材料により満たされていた。別の実施形態において、透明導電膜およびバックプレーンの間の結合は底面電極の一部を電気接点の一部として用いることで達成される。図6A−6Hはどのようにこれが行われるかの例を説明する。具体的には、(図6Aに示されるように)透明導電膜502(例えば、Al:ZnO, i:ZnO)、活性層504(例えば、CIGS)、底面電極506(例えば、100μmのAl)、絶縁層508(例えば50μmのPET)、およびバックプレーン510(例えば、25μmのAl)を有する構造500から開始される。好ましくは、バックプレーン510は、絶縁層508として絶縁接着剤を用いて底面電極506に重ねあわせられる薄いアルミテープのかたちである。これにより、製造が大幅に簡略化され、材料コストが低減する。
【0076】
電気接点512は、図6Bに示されるように、底面電極506とバックプレーンとの間に、一つ以上の場所に形成することができる。例えば、スポット溶接は絶縁層508を通じて、例えばレーザー溶接を用いて形成されてもよい。この様な処理は、電気接点を一段階で形成できるとの理由から魅力的である。あるいは、電気接点512は、穴開けプロセスを通じてバックプレーン510および絶縁層508を通じて底面電極まで止まり穴を形成し、その止まり穴をはんだまたは導電性接着剤のような導電性材料により満たしてもよい。
【0077】
図6Cに示されるように、トレンチ514は、次に電気接点512の周りに閉鎖環(例えば、円)状に形成することができる。閉鎖環トレンチ514は、透明導電膜502、活性層504、および底面電極506を通じてバックプレーン510まで切断する。トレンチ514は、底面電極506、活性層504、および透明導電膜502の一部を構造500の残りの部分から分離する。トレンチ514を形成するため、レーザー加工などの技術が用いられる。レーザー溶接が電気接点512を1回のレーザービームで形成し、二回目のレーザービームがトレンチ514を形成する場合、2つのレーザーを構造500の反対面から互いに予め位置合わせしてもよい。予め位置合わせした2つのレーザーにより、電気接点512およびトレンチ514を一段階で形成することもでき、それゆえに、全体的な処理速度が向上する。
【0078】
分離トレンチの形成工程は、透明導電膜502および底面電極506の間に電気的短絡511、517を引き起こす可能性がある。トレンチ514の外壁513に形成された望ましくない短絡511を電気的に分離するため、図6Dに示されるように、透明導電膜および活性層を通じて底面電極506まで分離トレンチ516が形成される。分離トレンチ516は、閉鎖環トレンチ514を取り囲み、トレンチの外壁513の短絡511を構造500の他の部分から電気的に分離する。レーザースクライビング工程により分離トレンチ516を形成することもできる。スクライビングされる材料が薄くなるほど、分離トレンチ516の形成から生じる望ましくない短絡の可能性は低減する。
【0079】
透明導電膜502および底面電極506の間における全ての短絡が望ましくないわけではない。トレンチ514の内壁515に沿った短絡517は、電気接点512への望ましい電気経路の一部を提供することができる。もし十分な量の短絡が存在するのであれば、電気接点は、図6E-6Fに図示されたように完成される。最初に、図6Eに示されるように、絶縁材料518を閉鎖環トレンチ514および分離トレンチ516に、例えば穴を中央にした「ドーナツ」パターンに配置する。次に、図6Fに図示されたように導電性フィンガー520を、トレンチ514によって取り囲まれた分離部分と非分離部分とを含む構造500の一部に亘って配置する。絶縁材料518は、導電性フィンガー520の形成に適した十分な平面表面を提供するような方法で配置してもよい。電気接点は、トレンチ514の外側の非分離部分の透明導電膜502とバックプレーン510との間において、フィンガー520、分離部分の透明導電膜、トレンチ514の内壁上の電気的短絡517、トレンチ514の内側の底面電極506の一部、および電気接点512を通じて作製される。
【0080】
あるいは、短絡517が十分な電気接点を提供しない場合、穴開けと充填の処理により、フィンガー520および底面電極506の分離部分の間に電気接点を提供してもよい。図6G-6Iに図示された別の実施形態において、図6Gに示されるように配置された場合に絶縁材料518’が分離部分を覆う可能性がある。分離部分を覆う絶縁材料518’は、図6Hに示されるように底面電極506を開口部519から露出させるため、例えば相当部分の透明導電膜502および活性層504に沿って、レーザー加工、または穴開けまたは打ち抜き等の機械的処理によって取り除くこともできる。上述のように、導電性材料520’は導電性フィンガーを形成する。導電性材料は、開口部519を通じて露出された底面電極506との接点を形成し、図6Iに示されるように望ましい電気接点が完成する。
【0081】
図6A-6Iに関する上述の技術にはいくつかの変更があることに留意されたい。例えば、一部の実施例では、閉鎖環トレンチが形成されて絶縁材料により満たされた後に、電気接点512を作製することが望ましい場合がある。電気接点の形成に関し、上述の工程にはいくつかの利点がある。工程段階が簡略化される。バックプレーンを覆うことを気に掛けずに絶縁層を配置することはより容易である。この工程により、平面表面にフィンガー520、520’を配置することが可能になる。信頼性のある電気接点は、底面電極506とバックプレーン510との間にレーザー溶接によって形成することができる。さらに、電気的短絡は、100%の歩留まりを危険にさらすことなく分離することができる。
【0082】
本発明の実施形態は、直列接続した光電子装置の大規模配列の比較的低コスト製造を促進する。より大きな装置は、バックプレーンおよび透明導電膜の間における装置モジュールの層を貫通する接点を通じた接続の結果として、シート抵抗低減のために直列に接続される可能性がある。導電トレースはさらにシート抵抗を低減させることができる。より大きな装置は、より少ない接続で配列されてもよい。
【0083】
説明のために本明細書で述べられた例は、直列に接続された2つの光電子装置モジュールのみを示しているが、三つ以上のこのような装置モジュールも本発明の実施形態に従って結合される場合もあることが理解されるであろう。
【0084】
第一の装置モジュール101および第二の装置モジュール111の間におけるギャップは、例えばエポキシまたはシリコンなどの硬化性ポリマーにより満たされてもよい。環境抵抗、例えば、水または空気への暴露に対する保護のため、任意のカプセル材料の層(不図示)で配置100を覆うことも可能である。カプセル材料は、下の層を保護するためにUV光を吸収してもよい。適したカプセル材料の例は、THV(例えば、ダイニオンのTHV220フッ酸ポリマー、テトラフルオロエチレンの熱可塑性フッ化ポリマー、ヘクサフルオロプロピレン、およびフッ化ビニリジン)、テフゼル(登録商標)(デュポン)、テフダル、エチレンビニルアセテート(EVA)、熱可塑性物質、ポリイミド、ポリアミド、プラスチックおよびガラスのナノラミネート複合材料(例えば、本明細書で参照されて組み込まれる、同一出願人による同時係属出願のブライアン・セイガーおよびマーティン・ロッシュアイゼンによる「無機/有機ハイブリッドナノ積層フィルム」と題する米国特許出願第2005-0095422 Al号に記載されたような障壁膜)、ならびに上記の組み合わせといった一つ以上のフルオロポリマー層を含む。
【0085】
さらに、濃度、量、およびその他の数的データを本明細書に範囲の形式で示すこともできる。当該範囲形式は単に利便性と簡潔性のために利用され、範囲の境界として明確に列挙された数値だけでなく、数値または部分的な範囲が明確に列挙されるかのように含む個別の数値または部分的な範囲の全ての範囲を含めて柔軟に解釈されるべきであることが理解される。例えば、約1nmから約200nmの厚さの範囲は、約1nmおよび約200nmと明確に列挙された限界のみを含むのではなく、2nm、3nm、4nmといった個別のサイズ、および10nmから50nm、20nmから100nm等...といった部分的な範囲も例示的に含む(がそれに限定されない)と解釈されなくてはならない。
【0086】
本明細書で考察され、または引用された文献は、本出願の提出日前の開示のみが提供されている。先行発明にもとづいて当該文献に先行する権限は本発明にはないため、本明細書中のいかなる内容も承認としては解釈されない。さらに、提供された公開の日付は、実際の公開日とは異なる可能性もあり、個別に確認が必要である可能性がある。本明細書で述べられた全ての文献は、引用された文献と関連した構造および方法、もしくは構造または方法を開示・説明するために本明細書に参照されて組み込まれる。具体的には、以下の出願書が本明細書に参照されて組み込まれる:2004年9月18日申請の「箔担体上でのCIGS吸収層の形成」と題する米国特許出願シリアル番号第10/943,685号、2005年1月20日申請の「一連の相互連結された光電子デバイスモジュールアッセンブリ」と題する米国特許出願シリアル番号第11/039,053号、2005年8月16日申請の「複合導体担体を有する光電子技術」と題する米国特許出願シリアル番号第11/039,053号、2004年2月2日申請の「導電性コーティングにより絶縁性テンプレートから作製された光電池装置」と題する米国特許出願シリアル番号第10/771,250号。
【0087】
上記は本発明の好ましい実施形態の完全な説明であるが、様々な選択肢、修正および同等物を用いる可能性がある。従って、本発明の範囲は、上記の説明に準拠して決定されてはならず、代わりに、添付の特許請求の範囲に準拠して相当物の完全な範囲と共に決定されるべきである。特許請求の範囲において、不定冠詞の「一つ」は、他に明確に述べる場合を除いて、冠詞の後に続く一つまたはそれ以上の項目の量を意味する。添付の特許請求の範囲は、そのような限定が「手段」と所定の請求項に明確に説明されない限りは、手段及び機能の限定を含むと解釈されない。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の一実施形態による吸収層の製造を示す模式断面図。
【図2A】本発明の一実施形態による光電子装置の配列の一部を示す模式縦断面図。
【図2B】図2Aの配列を示す模式平面図。
【図2C】図1A及び図1Bの光電子装置用の別の配線パターンを示す模式平面図。
【図2D】図1A及び図1Bの光電子装置用の別の配線パターンを示す模式平面図。
【図2E】図1A及び図1Bの光電子装置用の別の配線パターンを示す模式平面図。
【図3】本発明の一実施形態による光電子装置の配列の製造の流れを示す模式フロー図。
【図4】本発明の別の実施形態による光電子装置の配列の製造を示す模式分解図。
【図5A】本発明の更に別の実施形態による光電子装置の配列の製造を示す模式分解図。
【図5B】図4の配列の一部を示す模式断面図。
【図6A】〜
【図6I】本発明の実施形態による電気接点の形成を示す模式断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体の基材を提供する工程と、
前記担体上に吸収層を形成する工程と
を含む方法。
【請求項2】
少なくとも一つの導電性アルミ箔担体、少なくとも一つの導電性拡散障壁層、および前記拡散障壁層上に少なくとも一つの導電性電極層を備える担体を提供する工程であって、前記拡散障壁層が前記アルミ箔担体および前記電極層の間の化学的な相互作用を防止する担体を提供する工程と、
前記担体上に吸収層を形成する工程と
を含む方法。
【請求項3】
前記吸収層は、非シリコン吸収層を備える請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記吸収層は、非晶質シリコン吸収層を備える請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記吸収層は、チタニア(TiO)、ナノ結晶TiO、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuOまたはCuOまたはCu)、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム/チタンおよびその他の酸化物、チタン酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)、硫化銅(CuS)、テルル化カドミウム(CdTe)、セレン化カドミウム−テルル(CdTeSe)、セレン化銅−インジウム(CuInSe)、酸化カドミウム(CdO)、CuI、CuSCN、半導体材料、または上記の組み合わせよりなる群から選ばれた一つ以上の無機材料を含む請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記吸収層は、共役高分子、ポリ(フェニレン)およびその誘導体、ポリ(フェニレンビニレン)およびその誘導体(例えば、ポリ(2−メトキシ−5−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−l,4−フェニレンビニレン(MEH−PPV)、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)、(PPV))、PPV共重合体、ポリ(チオフェン)およびその誘導体(例えば、ポリ(3−オクチルチオフェン−2,5,−ジイル)、レジオレギュラー、ポリ(3−オクチルチオフェン−2,5,−ジイル)、レジオランダム、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)、レジオレギュラー、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)、レジオランダム)、ポリ(チエニレンビニレン)およびその誘導体、ならびにポリ(イソチアナフテン)およびその誘導体、2,2’7,7’テトラキス(N,N−ジ−p−メトキシフェニル−アミン)−9,9’−スピロビフルオレン(スピロ−Me OTAD)、有機金属高分子、ペリレンユニットを含むポリマー、ポリ(スクアライン)およびその誘導体、ならびにディスコティック液晶、有機顔料または染料、ルテニウムベースの染料、イオダイド/トリイオダイド液体電解質、芳香族を結合したアゾクロモフォア(−N=N−)を有するアゾ染料、無金属フタロシアニンを含むフタロシアニン;(HPc)、ペリレン、ペリレン誘導体、フタロシアニン銅(CuPc)、フタロシアニン亜鉛(ZnPc)、ナフタロシアニン、スクアライン、メロシアニンおよびそれぞれの誘導体、ポリ(シラン)、ポリ(ジャーミネイト)、2,9−ジ(ペント−3−イル)−アントラ[2,l,9−def:6,5,10−d’e’f]ジイソキノリン−1,3,8,10−テトラオン、および2,9−ビス−(1−ヘキシル−ヘプタ−1−イル)−アントラ[2,1,9−def:6,5,10−d’e’f]ジイソキノリン−l,3,8,10−テトラオンおよびペンタセン、ペンタセン誘導体および/またはペンタセン前駆物質、Nタイプはしご型ポリマー、ポリ(はしご状ベンズイミダゾベンゾフェナントロリン)(BBL)、もしくは上記の組み合わせよりなる群から選ばれた一つ以上の有機材料を含む請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記吸収層は、オリゴマー材料、微結晶シリコン、有機マトリックス中に分散された無機ナノロッド、有機マトリックス中に分散された無機テトラポッド、量子ドット材料、イオン性導電性ポリマーゲル、イオン液体を含むゾルゲルナノ複合材料、イオン導電体、低分子量有機正孔導電体、C60および/またはその他の低分子、もしくは上記の組み合わせよりなる群から選ばれた一つ以上の材料を含む請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記吸収層は、(ドープされた、またはドープされていない)孔が有機物により満たされた無機多孔質テンプレートを有するナノ構造層、ポリマー/混合太陽電池構造、微結晶シリコン太陽電池構造、または上記の組み合わせのうちの一つを含む請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記形成工程は、最初に新生吸収層を形成する工程を含む請求項2に記載の方法。
【請求項10】
緻密なフィルムを形成するため前記新生吸収層を反応させる工程をさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項11】
緻密なフィルムを形成するため前記新生吸収層を加熱する工程をさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記拡散障壁層は、加熱時における前記箔担体中のアルミニウムおよび前記電極層中の金属の相互拡散を妨げる請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記拡散障壁層は、クロム、バナジウム、タングステン、ガラス、窒化物、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化シリコン、酸化物、炭化物、または上記の組み合わせのうちの一つ以上を含む請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記担体と結合した第二の拡散障壁層をさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記第二の拡散障壁層は、クロム、バナジウム、タングステン、ガラス、窒化物、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化シリコン、酸化物、炭化物、または上記の組み合わせのうちの一つ以上を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記電極層は、モリブデンを含む請求項2に記載の方法。
【請求項17】
前記電極層は、銅、銀、アルミニウム、およびニオブを含む請求項2に記載の方法。
【請求項18】
箔担体と、
前記箔担体上に吸収層と
を備える光電池装置。
【請求項19】
少なくとも一つの導電性アルミ箔担体、少なくとも一つの導電性拡散障壁層、および前記拡散障壁層上に少なくとも一つの導電性電極層を備え、前記拡散障壁層が前記アルミ箔担体および前記電極層の間の化学的な相互作用を防止する担体と、
前記担体上に吸収層と
を備える光電池装置。
【請求項20】
前記吸収層は、非シリコン吸収層を備える請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記吸収層は、非晶質シリコン吸収層を備える請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記吸収層は、チタニア(TiO)、ナノ結晶TiO、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuOまたはCuOまたはCu)、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム/チタンおよびその他の酸化物、チタン酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)、硫化銅(CuS)、テルル化カドミウム(CdTe)、セレン化カドミウム−テルル(CdTeSe)、セレン化銅−インジウム(CuInSe)、酸化カドミウム(CdO)、CuI、CuSCN、半導体材料、または上記の組み合わせよりなる群から選ばれた一つ以上の無機材料を含む請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記吸収層は、共役高分子、ポリ(フェニレン)およびその誘導体、ポリ(フェニレンビニレン)およびその誘導体(例えば、ポリ(2−メトキシ−5−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−l,4−フェニレンビニレン(MEH−PPV)、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)、(PPV))、PPV共重合体、ポリ(チオフェン)およびその誘導体(例えば、ポリ(3−オクチルチオフェン−2,5,−ジイル)、レジオレギュラー、ポリ(3−オクチルチオフェン−2,5,−ジイル)、レジオランダム、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)、レジオレギュラー、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)、レジオランダム)、ポリ(チエニレンビニレン)およびその誘導体、ならびにポリ(イソチアナフテン)およびその誘導体、2,2’7,7’テトラキス(N,N−ジ−p−メトキシフェニル−アミン)−9,9’−スピロビフルオレン(スピロ−Me OTAD)、有機金属高分子、ペリレンユニットを含むポリマー、ポリ(スクアライン)およびその誘導体、ならびにディスコティック液晶、有機顔料または染料、ルテニウムベースの染料、イオダイド/トリイオダイド液体電解質、芳香族を結合したアゾクロモフォア(−N=N−)を有するアゾ染料、無金属フタロシアニンを含むフタロシアニン;(HPc)、ペリレン、ペリレン誘導体、フタロシアニン銅(CuPc)、フタロシアニン亜鉛(ZnPc)、ナフタロシアニン、スクアライン、メロシアニンおよびそれぞれの誘導体、ポリ(シラン)、ポリ(ジャーミネイト)、2,9−ジ(ペント−3−イル)−アントラ[2,l,9−def:6,5,10−d’e’f]ジイソキノリン−1,3,8,10−テトラオン、および2,9−ビス−(1−ヘキシル−ヘプタ−1-イル)−アントラ[2,1,9−def:6,5,10−d’e’f]ジイソキノリン−l,3,8,10−テトラオンおよびペンタセン、ペンタセン誘導体および/またはペンタセン前駆物質、Nタイプはしご型ポリマー、ポリ(はしご状ベンズイミダゾベンゾフェナントロリン)(BBL)、もしくは上記の組み合わせよりなる群から選ばれた一つ以上の有機材料を含む請求項19に記載の装置。
【請求項24】
前記吸収層は、オリゴマー材料、微結晶シリコン、有機マトリックス中に分散された無機ナノロッド、有機マトリックス中に分散された無機テトラポッド、量子ドット材料、イオン性導電性ポリマーゲル、イオン液体を含むゾルゲルナノ複合材料、イオン導電体、低分子有機正孔導電体、C60および/またはその他の低分子、もしくは上記の組み合わせよりなる群から選ばれた一つ以上の材料を含む請求項19に記載の装置。
【請求項25】
前記吸収層は、(ドープされた、またはドープされていない)孔が有機物により満たされた多孔質テンプレートを有するナノ構造層、ポリマー/混合太陽電池構造、微結晶シリコン太陽電池構造、または上記の組み合わせのうちの一つを含む請求項19に記載の装置。
【請求項26】
前記担体と結合した第二の拡散障壁層をさらに含む請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記拡散障壁層は、クロム、バナジウム、タングステン、ガラス、窒化物、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化シリコン、酸化物、炭化物、または上記の組み合わせのうちの一つ以上を含む請求項19に記載の方法。
【請求項28】
前記第二の拡散障壁層は、クロム、バナジウム、タングステン、ガラス、窒化物、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化シリコン、酸化物、炭化物、または上記の組み合わせのうちの一つ以上を含む請求項26に記載の方法。
【請求項29】
請求項19に記載の装置を含む光電池装置モジュールであって、
絶縁層および導電性バックプレーンであって、前記絶縁層が前記担体および前記バックプレーンの間に挟まれる絶縁層および導電性バックプレーンと、
前記吸収層が前記担体および前記透明導電膜の間にあるように配置される透明導電膜と、
前記透明導電膜および前記バックプレーンの間における一つ以上の電気接点であって、前記電気接点が前記透明導電膜、前記吸収層、前記担体、および前記絶縁層を通じて形成され、前記電気接点が前記吸収層、前記担体、および前記絶縁層から絶縁されている電気接点と
をさらに備える光電池装置モジュール。
【請求項30】
光電池装置の吸収層を形成する方法であって、
少なくとも一つの導電性の金属化ポリマー箔担体、少なくとも一つの導電性拡散障壁層、および前記拡散障壁層上に少なくとも一つの導電性背面電極層を備える担体を提供する工程であって、前記拡散障壁層が前記金属化ポリマー箔担体および上前記背面電極層の間の化学的な相互作用を防止する工程と、
前記担体上に吸収層を形成する工程と
を含む方法。
【請求項31】
前記吸収層は、非シリコン吸収層を備える請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記吸収層は、非晶質シリコン吸収層を備える請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記吸収層は、チタニア(TiO)、ナノ結晶TiO、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuOまたはCuOまたはCu)、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム/チタンおよびその他の酸化物、チタン酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)、硫化銅(CuS)、テルル化カドミウム(CdTe)、セレン化カドミウム−テルル(CdTeSe)、セレン化銅−インジウム(CuInSe)、酸化カドミウム(CdO)、CuI、CuSCN、半導体材料、または上記の組み合わせよりなる群から選ばれた一つ以上の無機材料を含む請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記吸収層は、共役高分子、ポリ(フェニレン)およびその誘導体、ポリ(フェニレンビニレン)およびその誘導体(例えば、ポリ(2−メトキシ−5−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−l,4−フェニレンビニレン(MEH−PPV)、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)、(PPV))、PPV共重合体、ポリ(チオフェン)およびその誘導体(例えば、ポリ(3−オクチルチオフェン−2,5,−ジイル)、レジオレギュラー、ポリ(3−オクチルチオフェン−2,5,−ジイル)、レジオランダム、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)、レジオレギュラー、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)、レジオランダム)、ポリ(チエニレンビニレン)およびその誘導体、ならびにポリ(イソチアナフテン)およびその誘導体、2,2’7,7’テトラキス(N,N−ジ−p−メトキシフェニル−アミン)−9,9’−スピロビフルオレン(スピロ−Me OTAD)、有機金属高分子、ペリレンユニットを含むポリマー、ポリ(スクアライン)およびその誘導体、ならびにディスコティック液晶、有機顔料または染料、ルテニウムベースの染料、イオダイド/トリイオダイド液体電解質、芳香族を結合したアゾクロモフォア(−N=N−)を有するアゾ染料、無金属フタロシアニンを含むフタロシアニン;(HPc)、ペリレン、ペリレン誘導体、フタロシアニン銅(CuPc)、フタロシアニン亜鉛(ZnPc)、ナフタロシアニン、スクアライン、メロシアニンおよびそれぞれの誘導体、ポリ(シラン)、ポリ(ジャーミネイト)、2,9−ジ(ペント−3−イル)−アントラ[2,l,9−def:6,5,10−d’e’f]ジイソキノリン−1,3,8,10−テトラオン、および2,9−ビス−(1−ヘキシル−ヘプタ−1−イル)−アントラ[2,1,9−def:6,5,10−d’e’f]ジイソキノリン−l,3,8,10−テトラオンおよびペンタセン、ペンタセン誘導体および/またはペンタセン前駆物質、Nタイプはしご型ポリマー、ポリ(はしご状ベンズイミダゾベンゾフェナントロリン)(BBL)、もしくは上記の組み合わせよりなる群から選ばれた一つ以上の有機材料を含む請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記吸収層は、オリゴマー材料、微結晶シリコン、有機マトリックス中に分散された無機ナノロッド、有機マトリックス中に分散された無機テトラポッド、量子ドット材料、イオン性導電性ポリマーゲル、イオン液体を含むゾルゲルナノ複合材料、イオン導電体、低分子有機正孔導電体、C60および/またはその他の低分子、もしくは上記の組み合わせよりなる群から選ばれた一つ以上の材料を含む請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記吸収層は、(ドープされた、またはドープされていない)孔が有機物により満たされた多孔質テンプレートを有するナノ構造層、ポリマー/混合太陽電池構造、微結晶シリコン太陽電池構造、または上記の組み合わせのうちの一つを含む請求項30に記載の方法。
【請求項37】
前記箔担体は、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、および/または前記の組み合わせよりなる群から選択されたポリマーである請求項30に記載の方法。
【請求項38】
前記ポリマー箔担体の金属化に用いられる金属は、アルミニウム、または一つ以上の金属を含むアルミニウム合金である請求項30に記載の方法。
【請求項39】
前記形成工程は、最初に新生吸収層を形成する工程を含む請求項30に記載の方法。
【請求項40】
緻密なフィルムを形成するため前記新生吸収層を反応させる工程をさらに含む請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記担体に結合した第二の拡散障壁層をさらに含む請求項30に記載の方法。
【請求項42】
前記拡散障壁層は、クロム、バナジウム、タングステン、ガラス、窒化物、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化シリコン、酸化物、炭化物、または上記の組み合わせのうちの一つ以上を含む請求項30に記載の方法。
【請求項43】
前記第二の拡散障壁層は、クロム、バナジウム、タングステン、ガラス、窒化物、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化シリコン、酸化物、炭化物、または上記の組み合わせのうちの一つ以上を含む請求項41に記載の方法。
【請求項44】
少なくとも一つの導電性アルミ箔担体、少なくとも一つの導電性拡散障壁層、および前記拡散障壁層上に少なくとも一つの導電性背面電極層を備える担体であって、前記拡散障壁層が前記アルミ箔担体および前記電極層の間の化学的な相互作用を防止する担体と、
前記担体上に吸収層と
を備える光電池装置。
【請求項45】
前記吸収層は、非シリコン吸収層を備える請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記吸収層は、非晶質シリコン吸収層を備える請求項44に記載の装置。
【請求項47】
前記吸収層は、チタニア(TiO)、ナノ結晶TiO、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuOまたはCuOまたはCu)、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム/チタンおよびその他の酸化物、チタン酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)、硫化銅(CuS)、テルル化カドミウム(CdTe)、セレン化カドミウム−テルル(CdTeSe)、セレン化銅−インジウム(CuInSe)、酸化カドミウム(CdO)、CuI、CuSCN、半導体材料、または上記の組み合わせよりなる群から選ばれた一つ以上の無機材料を含む請求項44に記載の装置。
【請求項48】
前記吸収層は、共役高分子、ポリ(フェニレン)およびその誘導体、ポリ(フェニレンビニレン)およびその誘導体(例えば、ポリ(2−メトキシ−5−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−l,4−フェニレンビニレン(MEH−PPV)、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)、(PPV))、PPV共重合体、ポリ(チオフェン)およびその誘導体(例えば、ポリ(3−オクチルチオフェン−2,5,−ジイル)、レジオレギュラー、ポリ(3−オクチルチオフェン−2,5,−ジイル)、レジオランダム、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)、レジオレギュラー、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)、レジオランダム)、ポリ(チエニレンビニレン)およびその誘導体、ならびにポリ(イソチアナフテン)およびその誘導体、2,2’7,7’テトラキス(N,N−ジ−p−メトキシフェニル−アミン)−9,9’−スピロビフルオレン(スピロ−Me OTAD)、有機金属高分子、ペリレンユニットを含むポリマー、ポリ(スクアライン)およびその誘導体、ならびにディスコティック液晶、有機顔料または染料、ルテニウムベースの染料、イオダイド/トリイオダイド液体電解質、芳香族を結合したアゾクロモフォア(−N=N−)を有するアゾ染料、無金属フタロシアニンを含むフタロシアニン;(HPc)、ペリレン、ペリレン誘導体、フタロシアニン銅(CuPc)、フタロシアニン亜鉛(ZnPc)、ナフタロシアニン、スクアライン、メロシアニンおよびそれぞれの誘導体、ポリ(シラン)、ポリ(ジャーミネイト)、2,9−ジ(ペント−3−イル)−アントラ[2,l,9−def:6,5,10−d’e’f]ジイソキノリン−1,3,8,10−テトラオン、および2,9−ビス−(1−ヘキシル−ヘプタ−1−イル)−アントラ[2,1,9−def:6,5,10−d’e’f]ジイソキノリン−l,3,8,10−テトラオンおよびペンタセン、ペンタセン誘導体および/またはペンタセン前駆物質、Nタイプはしご型ポリマー、ポリ(はしご状ベンズイミダゾベンゾフェナントロリン)(BBL)、もしくは上記の組み合わせよりなる群から選ばれた一つ以上の有機材料を含む請求項44に記載の装置。
【請求項49】
前記吸収層は、オリゴマー材料、微結晶シリコン、有機マトリックス中に分散された無機ナノロッド、有機マトリックス中に分散された無機テトラポッド、量子ドット材料、イオン性導電性ポリマーゲル、イオン液体を含むゾルゲルナノ複合材料、イオン導電体、低分子有機正孔導電体、C60および/またはその他の低分子、もしくは上記の組み合わせよりなる群から選ばれた一つ以上の材料を含む請求項44に記載の装置。
【請求項50】
前記吸収層は、(ドープされた、またはドープされていない)孔が有機物により満たされた多孔質テンプレートを有するナノ構造層、ポリマー/混合太陽電池構造、微結晶シリコン太陽電池構造、または上記の組み合わせのうちの一つを含む請求項44に記載の装置。
【請求項51】
前記担体に結合した第二の拡散障壁層をさらに含む請求項44に記載の装置。
【請求項52】
前記拡散障壁層は、クロム、バナジウム、タングステン、ガラス、窒化物、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化シリコン、酸化物、炭化物、または上記の組み合わせの一つ以上を含む請求項44に記載の装置。
【請求項53】
前記第二の拡散障壁層は、クロム、バナジウム、タングステン、ガラス、窒化物、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化シリコン、酸化物、炭化物、または上記の組み合わせの一つ以上を含む請求項51に記載の装置。
【請求項54】
請求項36に記載の装置を含む光電池装置モジュールであって、
絶縁層および導電性バックプレーンであって、前記絶縁層は前記担体および前記バックプレーンの間に挟まれる絶縁層および導電性バックプレーンと、
前記吸収層が前記担体および前記透明導電膜の間にあるように配置される透明導電膜と、
前記透明導電膜および前記バックプレーンの間における一つ以上の電気接点であって、前記電気接点が前記透明導電膜、前記吸収層、前記担体、および前記絶縁層を通じて形成され、前記電気接点が前記吸収層、前記担体、および前記絶縁層から絶縁されている電気接点と
をさらに備える光電池装置モジュール。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【公表番号】特表2009−505430(P2009−505430A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527082(P2008−527082)
【出願日】平成18年8月16日(2006.8.16)
【国際出願番号】PCT/US2006/031906
【国際公開番号】WO2007/022221
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(506150021)ナノソーラー インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】NANOSOLAR,INC.
【Fターム(参考)】