説明

伸縮管装置

【課題】真空脱ガス処理設備の脱ガス槽に接続される伸縮管の円滑な伸縮動作を実現する。
【解決手段】伸縮管を構成する内筒10と外筒20はスライド自在であり、シリンダ装置14の作動によって伸縮し、外筒20がスライドする内筒10の外周はベローズ40によって気密に覆われている。真空脱ガス槽55のフランジ部56と、外筒20のフランジ部46とが接続される。内筒10と外筒20との間の隙間には、耐熱性部材27が配置されて隙間を閉塞しているので、真空脱ガス槽55からの排気中のダストがベローズ40内に侵入する事はない。シリンダ装置14は、従来より質量の小さい外筒20側を伸縮させるので、従来よりも負荷が軽減され円滑な伸縮動作を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空脱ガス処理設備における真空脱ガス槽の排気口に接続される伸縮管を備えた、伸縮管装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製鋼工程における溶鋼の2次精錬設備として真空脱ガス処理設備が使用されているが、真空脱ガス槽からの排気は、真空脱ガス槽の排気口から排気ダクトを通じて真空排気装置によって排気される。この場合、従来から真空脱ガス槽の排気口と真空排気装置に通ずる排気ダクトとの間には、例えば特許文献1に示すように、外筒及び内筒、さらには内筒のスライド部分を気密に覆うベローズ等によって構成された伸縮管が接続されている。外筒と内筒とは、シリンダ装置によって伸縮自在となっており、真空脱ガス槽の保守、交換等にあたっては、真空脱ガス槽の排気口に接続されている伸縮管の接続を解除し、このシリンダ装置を作動させて伸縮管を収縮させるようにしている。
【0003】
そして、従来の伸縮管は、外筒側を排気ダクトに固定し、内筒側を真空脱ガス槽の排気口に接続するようにしていた。これは、伸縮管自体は外筒と内筒との二重管構造を有し、かつシリンダ装置によって両者がスライド自在な関係にあるため、外筒と内筒とのスライド部分、すなわち重合部分に隙間が生じており、内筒側を排気ダクトに固定し、外筒側を脱ガス槽の排気口に接続すると、外筒と内筒との隙間が、脱ガス槽の排気口側に向けて開口することになり、排気口からの排ガス中に含まれるダストが当該隙間から侵入しやすくなって、スライド部分の内筒の外周を気密に覆っているベローズ内に入り込んでしまうためである。ベローズ内にダストが侵入して堆積すると、伸縮管を縮めた際に所定の収縮量が確保できなかったり、また無理に伸縮管を縮めてしまうとベローズに亀裂が生じるなどして、気密性が維持できなくなって真空脱ガス設備の操業に支障をきたす。
【0004】
そのため、従来では、外筒側を排気ダクトに固定し、内筒側を真空脱ガス槽の排気口に接続するようにして、外筒と内筒との隙間を排気ダクト側に開口するようにしていた。そして真空脱ガス槽の排気口と伸縮管との接続を解除して、伸縮管を縮める際に作動させるシリンダ装置は、排気ダクト側に固定されている外筒側に設けられ、当該シリンダ装置の作動によって伸縮するロッドの端部を、内筒側に固定している。これは、重量物であるシリンダ装置を固定側となる外筒に固定することで、内筒を外筒側にスライドさせる際の力を極力抑えるためである。さらに、伸縮管全体の質量バランスの均一性の観点で、重量物であるシリンダ装置が設置されている外筒側の質量を抑えるため、径の大きい外筒の長さを短くして、その分だけ、内筒の長さを長くすることによって、所定のスライド長を確保するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平7−21756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このように内筒の長さを長くすると、結果として内筒の質量が大きくなってしまう。そのためシリンダ装置を作動させて、内筒をスライドさせて縮めたり、伸ばしたりする際、シリンダ装置に大きい負荷がかかってしまい、円滑な伸縮動作を実現することが難しいという問題があった。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、従来よりもシリンダ装置にかかる負荷を低減させて、もって伸縮管の円滑な伸縮動作を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明は、真空脱ガス槽の排気口のフランジ部に着脱可能な伸縮管を有しており、かつ、排気ダクトに固定された伸縮管装置であって、前記伸縮管は内筒と外筒とを有しており、前記伸縮管の内筒は排気ダクトに固定され、外筒は内筒に対してスライド自在な関係にあり、外筒がスライドする内筒部分の外周がベローズで気密に覆われており、前記伸縮管の外筒の一端部に設けられたフランジ部と真空脱ガス槽の排気口のフランジ部とが着脱可能であり、前記伸縮管の内筒側に固定されたシリンダ装置の作動によって伸縮するロッドの端部が外筒側に固定され、前記外筒の他端部側の内周には、前記内筒の外周と密着する柔軟性を有する耐熱性部材が環状に設けられていることを特徴としている。
【0009】
本発明によれば、従来とは異なり、伸縮管の外筒の一端部に設けられたフランジ部と真空脱ガス槽の排気口のフランジ部とを接続可能とし、伸縮管の内筒側を排気ダクトに固定し、当該内筒側に固定されたシリンダ装置の作動によって伸縮するロッドの端部を外筒側に固定したので、外筒側をシリンダ装置の作動によってスライドさせることになる。ここで、内筒側に重量物であるシリンダ装置を固定しているが、単位長さあたりの質量が外筒よりも内筒の方が小さいため、伸縮管全体の質量バランスの均一性を従来なみに維持しつつ、内筒の長さを長くすることができる。従って、所定量のスライド長を確保するにあたり、外筒の長さを短くできる。このため、外筒の質量をより小さくすることができ、シリンダ装置にかかる負荷が従来よりも軽減され、その結果、伸縮管の伸縮動作を従来よりも円滑に行なうことが可能である。そして本発明においては、内筒側を排気ダクトに固定し、外筒側を真空脱ガス槽の排気口に接続するので、外筒と内筒との隙間が、真空脱ガス槽の排気口側に向けて開口することになるが、外筒の他端部側の内周には、内筒の外周と密着する柔軟性を有する耐熱性部材が環状に設けられているので、真空脱ガス槽の排気口からの排気されている排気中のダストが当該隙間からベローズ内に侵入する事を防止できる。したがって、内筒側を排気ダクトに固定し、外筒側を脱ガス槽の排気口に接続した際に生ずるダスト侵入のおそれはない。
【0010】
前記外筒における耐熱性部材の前記排気ダクト側には、前記内筒の外周に付着したダストを、内筒外周の全周に亘って掻き取るスクレーパが設けられていてもよい。これによって、内筒の表面に付着したダストを掻き取って、より一層円滑な伸縮動作を実現できる。またたとえばスクレーパの材質に、ジョイントシート(例えば、ゴム、ポリアミド繊維、ガラス繊維、膨張黒鉛などを均一に混合させた後に、加熱ロールで加圧圧延したシート)を使用することで、スクレーパと内筒外周との密着性が向上し、万が一前記耐熱性部材を通過して侵入するダストがあっても、当該スクレーパによってベローズ内の侵入を阻止することができる。
【0011】
前記した耐熱性部材は、例えば、外筒を構成している耐火物の前記排気ダクト側の端部に設けられた2つの環状のリブ間に設けられ、前記スクレーパは、前記リブのうちの前記排気ダクト側に位置するリブの端面に固定されていてもよい。
【0012】
真空脱ガス槽の排気口のフランジ部に対して、非酸化性ガスを噴出可能なノズル装置をさらに有していてもよい。
【0013】
前記伸縮管は、支持体、たとえば施設内の建屋建築梁を利用して吊下装置に吊り下げられて支持されていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ベローズ内へのダストの侵入を防止しつつ、従来よりもシリンダ装置にかかる負荷を軽減させて、伸縮管の円滑な伸縮動作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態にかかる伸縮管装置の側面を模式的に示した説明図である。
【図2】図1の伸縮管装置の側面の断面図である。
【図3】図1の伸縮管装置のスライド部分の内部構成を示す斜視図である。
【図4】図1の伸縮管装置において、脱ガス槽と切り離した状態の側面の様子を模式的に示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図を参照しながら説明すると、図1は実施の形態にかかる伸縮管装置1の概要を示し、図2は内部構成を示し、図3は、伸縮管装置1の内部の構成を各々示している。
【0017】
この伸縮管装置1は、内筒10と、内筒10とスライド自在な関係にある外筒20とを有する伸縮管を備えている。内筒10の一端部には、フランジ部11が設けられており、このフランジ部11は、排気ダクト30のフランジ部31に固定されている。
【0018】
内筒10の一端部近傍の外周には、取り付け部材12、13を介して、シリンダ装置14が固定されている。本実施の形態では、内筒10の外側に等間隔、例えば内筒10の軸方向からみて中心角60度おきに、合計6基のシリンダ装置14が固定されている。なお説明の都合上、図1においては、シリンダ装置14は、2基のみ図示しており、図2においては、シリンダ装置14は、1基のみ図示している。
【0019】
一方、外筒20の外周にも、取り付け部材21を介して、ロッド固定部材22が、前記シリンダ装置14と対応する位置に、合計6個固定されている。そしてロッド固定部材22には、シリンダ装置14の作動によって伸縮するロッド15の端部が固定されている。
【0020】
さらに、本実施の形態では、適宜の取り付け部材(図示せず)によって内筒10側に固定されるガイドロッド支持部16が、内筒10の外側に等間隔、例えば内筒10の軸方向からみて中心角120度おきに、合計3基固定されている。なお説明の都合上、図1においては、円筒カバー18の頂上部付近に配置された1基のみ図示している。そしてガイドロッド支持部16には、ガイドロッド17の一端部が固定され、当該ガイドロッド17の他端部は、外筒20の外周に固定されたガイドロッド収容部23内にスライド自在に挿入されている。
【0021】
内筒10の外周には、金属製の円筒カバー18が設けられており、この円筒カバー18の一端部は取り付け部材12等を介して、内筒10の一端部側に対して気密に固定され、当該円筒カバー18の他端部には、ベローズ40の一端部が気密に固定されている。そしてこのベローズ40の他端部は、外筒10の一端部側に気密に固定されている。なお円筒カバー18とベローズ40とは、一体に形成されているものでもよい。
【0022】
円筒カバー18の頂上部付近に設けられた前記ガイドロッド17には吊下用金具24が取り付けられ、この吊下用金具24にワイヤー41が通され、当該ワイヤー41自体は、例えば、建屋建築梁等に固定された吊下部材に係止されており、これによって、ガイドロッド17を1点で吊り下げ支持している。
【0023】
図3に示すように、内筒10の内周には、外側の金属円筒部10aと、金属円筒部10aの内周に設けられた耐火材部10bとによって構成されており、外筒20も、同様に金属円筒部20aの内周に設けられた耐火材部20bとによって構成されている。そして外筒20の内周に設けられている耐火物部20bの前出排気ダクト30側の端部には、環状のリブ25、26が設けられ、これらリブ25、26間には、耐熱性部材27が設けられている。
【0024】
本実施の形態で使用される耐熱性部材27は、真空脱ガス槽からの高温の排気に耐えうる耐熱性(例えば約1300℃程度)を有する材質からなり、例えば、セラミックファイバーを積層しながらニードル加工したフェルト状のセラミックブランケットが使用されている。これによって求められる耐熱性と柔軟性とを有している。そしてこのブランケット状に形成された耐熱性部材27は、適宜の大きさに切断されて、リブ25、26間に環状に埋め込まれ、適宜の固定金具(図示せず)によってリブ25、26に固定されている。そして、耐熱性部材27の露出部分はリブ25、26から内筒側に突出して、内筒10の外周表面と密着している。これによって、内筒10の外周と、外筒20の内周との間の隙間dは、耐熱性部材27によって閉塞される。一般的にこの種の伸縮管における内筒10と外筒20との間の隙間dは、5〜15mm程度であるから、リブ25、26から径方向に突出する耐熱性部材27の長さは、真空脱ガス槽のサイズによって設定すれば良いが、例えば、外筒の内径が約1800mm程度の場合、5〜20mm程度が例示できる。もちろん真空脱ガス槽のサイズによって、隙間dの長さは異なっているので、リブ25、26から径方向に突出する耐熱性部材27の長さは必ずしもこの例に限られず、隙間dの長さ以上に長く突出して内筒10の表面に耐熱性部材27が密着していればよいが、隙間dの長さより僅かでも長く突出していることが好ましい。
【0025】
リブ26の、前出排気ダクト30側の端面には、環状のスクレーパ28が、ボルト29によって固定されている。このスクレーパ28は、例えばゴムを加圧圧延したジョイントシートからなり、縦断面がL字型をなし、折曲部28aが内筒10の外周に密着している。
【0026】
伸縮管装置1の外周には、図1に示したように、ノズル装置44が配置されている。本実施の形態では、伸縮管装置1の外方に配置された非酸化性ガスの環状の配管45に、例えば等間隔で、複数のノズル装置44が配置されている。各ノズル装置44からの非酸化ガスの噴出方向は、径方向に沿って中心に向けられており、配管45に流れる非酸化ガス、例えば窒素ガスを、外筒10の端部に設けられているフランジ部46側に向けて噴出するようになっている。なおこの配管45は、たとえば伸縮管装置1に直接固定されていても良く、また設備側に設置されていてもよい。またこのような環状の配管45を用いなくとも、適宜の配管を伸縮管装置1の近傍に配置し、ノズル装置44に対して個別に、あるいはグループごとに非酸化ガスを供給するようにしてもよい。
【0027】
本実施の形態にかかる伸縮管装置1は、以上のような構成を有しており、既述したように、伸縮管装置1はそのフランジ部11が、排気ダクト30のフランジ部31と固定されて設置される。排気ダクト30は、ガスクーラ51、遮断弁ボックス52を介して、真空排気装置(図示せず)に通じている。
【0028】
伸縮管装置1は、図1に示したように、真空脱ガス槽55の排気口に設けられたフランジ部56と、外筒20の端部に固定されたフランジ部46とを接続して使用される。すなわち従来技術とは異なり、伸縮管の外筒20側を真空脱ガス槽55の排気口に接続し、内筒10側を排気ダクト30に固定して使用される。そのため、図2の矢印で示したように、真空脱ガス槽55の排気口からの、ダストを含んだ高温の排気が、外筒20、内筒10、排気ダクト30の順に流れて排気されていくが、外筒20と内筒10のあいだの隙間dが真空脱ガス槽55の排気口側に向けて開口しているため、排気中のダストがこの隙間dからベローズ40内に侵入しようとする。
【0029】
しかしながら、当該隙間dは、耐熱性部材27によって閉塞されているので、排気中のダストが、隙間dからベローズ40内に侵入することはない。また耐熱性部材27は、柔軟性があるので、内筒10の外周表面と密着するようにリブ25、26内に設けられていても、内筒10と外筒20とがスライドする際の障壁とはならない。また耐熱性部材27は環状のリブ25、26内に収容するようにして設けることができるので、使用できる耐熱性部材27の形態に特に制限はなく、また外筒20に対して、容易にかつ強固に取り付けることが可能である。また耐熱性部材27の交換も容易に行なえる。しかもリブ25、26の存在により、外筒20の端部の強度も向上している。
【0030】
そして、本実施の形態では、リブ26の排気ダクト30側の端面に、スクレーパ28が設けられ、その折曲部28aが内筒10の表面に密着しているので、たとえば耐熱性部材27の一部が破損したりして、万が一耐熱性部材27を通過して侵入するダストがあっても、スクレーパ28によって当該ダストのベローズ40内の侵入を阻止することができる。
【0031】
しかも、スクレーパ28は、内筒10と外筒20とがスライドするたびに、内筒10の表面に付着したダストを掻き取ることができるので、内筒10の表面に付着したダストが、次第に堆積して内筒10と外筒20とのスライドに支障をきたす事態を未然に防止することができる。
【0032】
また、本実施の形態では、外筒20を構成している耐火物20bの端部に位置する、耐熱性部材27の取り付けに供したリブ26の端面にスクレーパ28が固定されているので、格別スクレーパ28を外筒20に取り付けるための専用の部材等は不要である。その上、スクレーパ28が内筒10表面を掻き取る際の反力は当該リブ26が受けるので、内筒10外周に強固に付着したダストがあっても、これを確実に掻き取って除去することが可能である。
【0033】
そして、脱ガス槽55の交換時や保守の際に、伸縮管と脱ガス槽55との接続を解除するにあたっては、外筒20のフランジ部46と、脱ガス槽55のフランジ部56との係止を解除し、次いでシリンダ装置14を作動させてロッド15を内筒10側に縮めることにより、図4に示したように、外筒20は内筒10側、すなわち排気ダクト30側へとスライドし、伸縮管を縮めることができる。かかる場合、従来より質量の小さい外筒20を、内筒10側に固定したシリンダ装置14によって移動させているので、従来よりもシリンダ装置14にかかる負荷が軽減されており、円滑な伸縮管の収縮動作が実現できる。外筒20を真空脱ガス槽55側にスライドさせる際も同様に、円滑な移動が可能である。
【0034】
しかも、本実施の形態では、ガイドロッド17が内筒10と外筒20との間に渡されているから、より円滑に伸縮管の伸縮動作が行なえる。また外筒20が排気ダクト30側に移動する際、外筒20は、ワイヤ41によって吊り下げ支持されているので、かかる点からもより一層外筒20の排気ダクト30側への移動が円滑に行なえる。例えば、外筒20の下面にローラ等を設置して、外筒20を支持するようにしてもよいが、外筒20の質量に伴う摩擦抵抗や、正確に管全体を直線移動させるという必要性を鑑みると、本実施の形態のように外筒20は吊り下げ支持されている方が好適である。なお、通常は、本実施の形態のように、ガイドロッド17を1点で吊り下げているが、シリンダーのストローク長が長い場合、ガイドロッド17を2点で吊り下げても良い。
【0035】
そして、真空脱ガス槽55のフランジ部56と、外筒20のフランジ部46とを切り離した際に、図4に示したように、ノズル装置44によって、真空脱ガス槽55の排気口のフランジ部56に対して、非酸化性ガスを噴出することにより、真空脱ガス槽55の排気口のフランジ部56の表面にダストが付着することを防止することができ、フランジ部56表面を清掃することができる。これによって再び外筒20のフランジ部46と真空脱ガス槽55の排気口のフランジ部56とを接続する際に、良好な気密接続することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、真空脱ガス処理設備における真空脱ガス槽の排気口に接続される伸縮管に有用である。
【符号の説明】
【0037】
1 伸縮管装置
10 内筒
10a 金属円筒部
10b 耐火物部
11 フランジ部
12、13 取り付け部材
14 シリンダ装置
16 ガイドロッド支持部
17 ガイドロッド
18 円筒カバー
19 金具
20 外筒
20a 金属円筒部
20b 耐火物部
21 取り付け部材
22 ロッド固定部材
23 ガイドロッド収容部
24 金具
25、26 リブ
27 耐熱性部材
28 スクレーパ
29 ボルト
30 排気ダクト
31 フランジ部
40 ベローズ
41 ワイヤー
44 ノズル装置
45 配管
46 フランジ部
51 ガスクーラ
52 遮断弁ボックス
55 真空脱ガス槽
56 フランジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空脱ガス槽の排気口のフランジ部に着脱可能な伸縮管を有しており、かつ、排気ダクトに固定された伸縮管装置であって、
前記伸縮管は内筒と外筒とを有しており、
前記伸縮管の内筒は排気ダクトに固定され、外筒は内筒に対してスライド自在な関係にあり、
外筒がスライドする内筒部分の外周がベローズで気密に覆われており、
前記伸縮管の外筒の一端部に設けられたフランジ部と真空脱ガス槽の排気口のフランジ部とが着脱可能であり、
前記伸縮管の内筒側に固定されたシリンダ装置の作動によって伸縮するロッドの端部が外筒側に固定され、
前記外筒の他端部側の内周には、前記内筒の外周と密着する柔軟性を有する耐熱性部材が環状に設けられていることを特徴とする、伸縮管装置。
【請求項2】
前記外筒における耐熱性部材の前記排気ダクト側には、前記内筒の外周に付着したダストを、内筒外周の全周に亘って掻き取るスクレーパが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の伸縮管装置。
【請求項3】
前記耐熱性部材は、外筒を構成している耐火物の前記排気ダクト側の端部に設けられた2つの環状のリブ間に設けられ、
前記スクレーパは、前記リブのうちの前記排気ダクト側に位置するリブの端面に固定されていることを特徴とする、請求項2に記載の伸縮管装置。
【請求項4】
真空脱ガス槽の排気口のフランジ部に対して、非酸化性ガスを噴出可能なノズル装置を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の伸縮管装置。
【請求項5】
前記伸縮管は、支持体に吊り下げられて支持されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の伸縮管装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−58042(P2011−58042A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−208322(P2009−208322)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【出願人】(390022873)日鐵プラント設計株式会社 (275)
【Fターム(参考)】