説明

位相同期ループ回路のロック検出のためのシステム及び方法

【課題】位相同期ループ回路のロックを検出するためのシステム及び方法。特に、PLLロック検出された出力をアサートする前のユーザー定義の期間に対するPLLの安定性を検出するために構成されたロック検出器。
【解決手段】安定性は、PLL回路に挿入され位相−周波数検出器とチャージポンプとの間に配置されたカウンタにより示されることができる。カウンタ値は位相−周波数検出器により作動されるので、PLLロックはカウンタ値の安定性により示される。デジタルカウンタ値は、デジタルチャージポンプとロック検出回路に同時に供給されることができる。ロック検出器は、いつカウンタ値間の差がユーザー定義の許容値未満になるかを判定するためにレジスタと差検出器を含む。ロック検出器は、カウンタ値がカウンタ値の変動周波数と同じ周波数でサンプリングされる場合に生じる可能性があるロックの誤表示を避けるために、可変タイマーを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相同期ループ回路に関し、特にPLL回路のロックの検出に関する。
【背景技術】
【0002】
位相同期ループは、デジタルエレクトロニクス、信号遠隔測定、及び通信アプリケーションのような様々な用途に広く用いられている。典型的なPLLは、位相周波数検出器、チャージポンプ、及び電圧制御発振器を含むことができる。
【0003】
位相同期ループ集積回路は、入力周波数信号を受信し、発振器周波数出力信号を生成する。発振器出力信号の周波数は、入力信号の周波数の倍数であることができる。PLLは、PLLがある許容範囲内の入力周波数信号の倍数である周波数を有する発振器出力信号を生成するとき、ロックされたと言われる。なお、1の倍数も可能である。PLL回路を用いたいくつかの用途は、PLLロックに関する情報を用いることができる。有用な情報は、PLL回路がロックされたかどうかと、ロックがいつ達成されたかを含むことができる。
【0004】
従来技術には、PLLロックを判定するための装置及び方法がある。しかしながら、そのような装置及び方法のいくつかは、PLLがロックを達成したことを誤って示すことが時にはある。したがって、PLLロックがより確実に判定されるようにPLL回路を構成することが望ましい。さらに、そのような従来技術のロック装置及び方法は、可能とするために複雑な回路を必要とすることがあり、これらの複雑な回路は大きな実装面積を有する可能性がある。PLLの実装面積とその関連する回路を削減することが望ましい。これは、特にCMOS技術を用いて製造されるPLL回路を考慮する場合に当てはまる。したがって、削減された実装面積サイズを有することができる比較的簡単な回路を用いてPLLロックを判定することが望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
位相同期ループロック検出を改善するためのシステム及び装置が開示される。特に、デジタルカウンタをPLL回路に挿入し、カウンタ値の安定性を評価するよう構成されたロック検出回路にカウンタの値を供給する。
【0006】
述べられるシステム及び方法は、PLLロックの誤った表示の発生を減らす。カウンタは、PLL回路の位相−周波数検出器とチャージポンプとの間に挿入されることが好ましいであろう。この構成において、カウンタ値は位相−周波数検出器により作動されるので、実質的に一定のカウンタ値は、PLLロックを示す。デジタルカウンタ値は、PLLデジタルチャージポンプとロック検出回路に同時に供給されることができる。ロック検出回路は、PLLロック検出された出力をアサートする前のユーザー定義の期間に対するカウンタ値の安定性を検出する。ロック検出器は、いつカウンタ値間の差がユーザー定義の許容値未満になるかを判定するためにレジスタと差検出器を含む。ロック検出器は、カウンタ値がカウンタ値の変動周波数と同じ周波数でサンプリングされる場合、生じる可能性があるPLLロックの誤表示を避けるために可変タイマーを含むことができる。
【0007】
一実施形態において、ロック検出位相同期ループ回路は、位相周波数検出器(PFD)、第1のカウンタ、チャージポンプ、及びロック検出器を含む。ロック検出器は、時間にわたってカウンタ値の安定性を評価する。ロック検出器は、サンプリングされたカウンタ値が実質的に一致している場合、第2のカウンタ値を増加させる。PLLロックを示す出力信号は、第2のカウンタ値がユーザー定義の値を超えた時、ロック検出器によりアサートされる。また、実施形態はカウンタ値を得るための疑似サンプリング間隔を有するタイマーを含むことができる。そのような可変タイマーは、線形フィードバックシフトレジスタを含むことができる。
【0008】
一実施形態において、本発明による装置は、実質的に安定したデジタル信号を検出する。そのような装置は、ロック検出器と呼ばれることがある。そのようなロック検出器は、デジタル信号入力ポートと、デジタル信号を一時的に格納するための第1のレジスタと、第1のレジスタに一時的に格納された第1の入力を入力ポートからの第2の入力と比較するための第1の差検出器と、第1の差検出器の出力を許容値と比較するための第2の差検出器と、許容値が第1の差検出器の出力よりも大きい場合に増加するカウンタと、カウンタ値が予め決められた値に達した時にアサートされた信号を供給する出力ポートとを含むことができる。許容値が第1の差検出器の出力よりも小さい場合、カウンタ値はリセットすることができる。許容値及び/または予め決められた値は、付加的なレジスタに保持することができ、そのような値はユーザーが設定できる。ロック検出器も可変タイマーを含むことができる。
【0009】
他の実施形態において、本発明は位相同期ループ回路におけるロック検出のための方法を含む。この方法は、様々な時間でPLL基準信号をPLLフィードバック信号と比較し値を取得することと、それらの値を互いに比較し差を取得することとを含む。この方法は、さらに差が許容範囲内にあるかどうかを判定することと、そうであればカウンタ値を増加させることとを含む。この方法は、差が許容範囲内に無い場合、カウンタ値をリセットすることを含むことができる。また、この方法はカウンタ値が予め決められた値に達した時にカウンタ出力信号をアサートすることを含み、ここでアサートされたカウンタ出力はPLLロックを示す。
【0010】
したがって、他の実施形態中で、ロック検出を含む改善されたPLL回路、PLLロックを検出する改善された方法、及びロックが実質的に安定したデジタル信号により特徴づけられることができるロック検出器が提供される。
【0011】
本発明の技術的な利点は、実質的に安定したデジタル信号の観測によりPLLロックを検出できる能力である。特に、カウンタは、PLL入力信号をPLLフィードバック信号と比較し信号間の差を示す出力を供給する位相−周波数検出器からの入力をカウンタが受信するように、PLL回路に組み込まれている。そのため、位相−周波数検出器からのカウンタが受信する入力が、実質的に安定した値を有すると観測される場合、PLLはロックされたものと識別される。
【0012】
本発明により提供される他の利点は、PLLロックの誤った表示の数の削減である。ユーザー定義の期間に対して安定したカウンタ値を観測することにより、そのような誤った表示を削減することができる。
【0013】
同様に、誤ったロック表示は可変タイマーを用いることにより避けることができ、比較のためにカウンタ値を取得することができる。疑似ランダム周波数でサンプリングをすることで、周期的な位相同期ループフィードバックシステム周波数に一致する周波数でサンプリングすることを防ぐことができる。
【0014】
さらに本発明による他の利点は、他の位相同期ループロック装置と比べて実装面積が削減されることである。実装面積の削減は、CMOS技術を用いて製造される位相同期ループ回路にとって特に重要であり得る。
【0015】
これらの、そして他の本発明の観点は、以下の説明及び添付の図面とともに考慮することにより、より良く認識でき理解できる。以下の説明では、本発明の様々な実施形態とその多くの具体的な詳細を示しているが、例として与えられており限定としてではない。多くの代替、変形、付加、または再配置が本発明の範囲内でなされることができ、本発明はそのような全ての代替、変形、付加、または再配置を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本明細書に添付されその一部を成す図面は、本発明のある観点を図示するために含まれている。本発明の、及び本発明が提供されるシステムの構成要素と作用のより明瞭な効果は、図面に示される典型的な、それゆえ限定されない実施形態を参照することにより、より容易に明らかになるであろう。図面では、同一の参照符号は同じ構成要素を示す。なお、図面中で示された形状特徴は必ずしも縮尺に従って描かれる必要はない。
【0017】
本発明とその様々な特徴及び利点が、添付の図面に示され以下の説明で詳しく述べられる限定されない実施形態を参照してより十分に説明される。よく知られた出発材料、加工技術、構成要素及び装置の説明は、本発明を細部にわたって不必要に不明瞭にしないために省略される。しかしながら、詳細な説明と具体例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、限定としてではなく例としてのみ提供されることを理解すべきである。本明細書を読んだ後、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱しないこの開示から、当業者には様々な代替、変形、追加及び再配置が明らかになるであろう。
【0018】
図1は、ロック検出器を有する位相同期ループ電気回路の一実施形態のブロック図である。位相同期ループ回路10は、図1に示すように、位相−周波数検出器12、チャージポンプ14、及び電圧制御発振器16を含む。カウンタ24及びロック検出器23が、位相−周波数検出器12とチャージポンプ14の間に配置され電気的に結合されており、ここでチャージポンプ14とロック検出器23は、それぞれカウンタ24から入力を受信する。ノード N19は、チャージポンプ14の出力を電圧制御発振器16への入力に電気的に結合する。ノード N19と接地21との間には、コンデンサ20が配置され、電気的に結合されている。電圧制御発振器16は、出力信号PLL out18を供給し、これは分周器17を介して送られ、フィードバック信号FB13になる。
【0019】
位相−周波数検出器12は、入力基準信号REF11の位相及び周波数をフィードバック信号FB13の位相及び周波数と比較する。位相−周波数検出器12は、入力基準信号REF11とフィードバック信号FB13の比較から、差信号を生成する。位相−周波数検出器12は、正の差信号UP101と負の差信号DOWN103を生成する。UP信号101とDOWN信号103は、カウンタ24に供給される。カウンタ24は、UP信号101及び/またはDOWN信号103に従って変化する値を保持する。例えば、カウンタ24により保持される値は、パルスがUP信号101からの入力として受信されるごとに増加し、パルスがDOWN信号103からの入力として受信されるごとに減少することができる。カウンタ24は、このカウンタ値を入力としてチャージポンプ14に供給する。次に、チャージポンプ14は電流Ic22を生成し、ここで電流Ic22はカウンタ24により保持される値に実質的に比例する。
【0020】
Ic22は、入力信号として電圧制御発振器16に供給される。次に、電圧制御発振器16は周期的な信号PLL out18を生成する。周期的な信号PLL out18は、入力として分周器17に供給され、次に、分周器17はフィードバック信号FB13を入力として位相−周波数検出器12に供給する。フィードバック信号FB13と基準信号REF11の差は、位相−周波数検出器12により検出され、カウンタ24に保持されたカウンタ値は、これらの信号間の差に従って変化する。したがって、カウンタ24により保持された値が変化すると、電流Ic22は変化し得る。
【0021】
そのため、出力Ic22は、カウンタ24により保持された値が一定のままである時、一定であることができる。カウンタ24により保持された値は、電流源UP101及びDOWN103が実質的に一定のままである時、実質的に一定のままであり、位相−周波数検出器12が入力信号REF11とFB13の間の有るか無しかの差を検出することを示す。位相同期ループロックで、信号REF11とFB13は実質的に同一である。その結果、カウンタ24により保持された値は、位相同期クループ回路10がロックされている間、実質的に一定のままである。
【0022】
位相同期ループ回路10は、ロック検出器23とともに構成されており、位相同期ループ回路10がロック状態にあるかどうかを判定する。ロック検出器23はカウンタ24からの入力を用い、位相同期ループ回路10がロックされたかどうかを判定する。本発明に従って、ロック検出器23の一実施形態は、カウンタ値24がある期間にわたって実質的に一定のままであるかどうかを判定するよう構成されている。他の実施形態において、カウンタ値は疑似ランダムにサンプリングされ、位相同期ループがロック状態にあるかどうかを判定するために比較される(例えば、比較値は実質的に一定であり、変化しないか、予め決められた時間にわたる定義された量内で変化する場合)。
【0023】
図2は、図1の位相同期ループ回路10において用いられるチャージポンプ14の一実施形態のブロック図である。チャージポンプ14は、カウンタ24からの複数ラインの入力を受信することができる。図示する構成において、チャージポンプ14はカウンタ24から「M」入力ラインを受信し、ここで「M」は任意の数のビットであることができるが、「M」はこの例において任意の偶数である。チャージポンプ14は、各入力ラインに対応し、各入力ラインにより制御される電流源を含むことができる。
【0024】
図2は、「M」電流源を含むチャージポンプ14を示す。電流源の半分は正の電流源であり、半分は負の電流源である。図に示すように、正の電流源はI0p260、I1p261、I2p262、I3p263、…、I((M−1)/2)p26((M−1)/2)及びI(M/2)p26(M/2)を含み、ここでI0p260はI1p261よりも小さく、I1p261はI2p262よりも小さい、その他である。また、負の電流源がI0n270、I1n271、I2n272、I3n273、…、I((M−1)/2)n27((M−1)/2)及びI(M/2)n27(M/2)を含み、ここでI0n270はI1n271の絶対値未満である絶対値を有し、I1n271は絶対値I2n272未満の絶対値を有する、その他である。各電流源は、スイッチを閉じることによりノード N22に電気的に結合することができる。例として、スイッチ206を閉じると電流源I0p260はノード N22に結合するであろう。他の例として、スイッチ207を閉じると電流源I0n270はノード N22に結合するであろう。
【0025】
上述したように、カウンタ24により保持された値は、UP信号101及びDOWN信号103に従って増加または減少させることができる。この値は、カウンタ24から「M」出力ライン28を介してチャージポンプ14に出力され、ここで各出力ラインは特定の電流源を制御することができる。正の電流源26X及び負の電流源27Xは、電流Ic22を生成することができる。そのため、電流Ic22はUP信号101及びDOWN信号103に従って増加または減少することができる。カウンタ24の値、したがって電流Ic22の値は、カウンタ24への入力(例えば、UP信号101及びDOWN信号103)が実質的に変化が無いままである時、固定であることができる。
【0026】
図3は、図1における位相同期ループ回路10で用いられることができるようなロック検出器23の一構成である。ロック検出器23は、レジスタ1・31、第1の差検出器33、第2の差検出器34、レジスタ2・32、及びタイマー37を含むことができる。タイマー37は、レジスタ1・31、第1の差検出器33、第2の差検出器34、及びレジスタ2・32の各々の動作を開始するために信号を供給するよう動作可能であり、これらに電気的に結合されている。動作中、ロック検出器23は、受信「M」入力ライン39に電気的に結合されており、ここで「M」は任意のビット数であることができるが、この例では「M」は任意の偶数である。図に示すように、「M」入力ライン39はレジスタ1・31と第1の差検出器33の各々に電気的に結合することができる。また、レジスタ1・31は入力信号を第1の差検出器33に供給する。したがって、第1の差検出器33はレジスタ1・31から及び入力ライン39からの受信入力に結合されており、ここで入力ライン39はカウンタ24の値を送信する。そのため、第1の差検出器33は、ある期間にわたるカウンタ値の変化を判定するよう構成されている。この期間は、周期的なタイマー37により決めることができる。
【0027】
ロック検出器23の動作中、タイマー37により示される期間が経つと、一時的に格納されたカウンタ値は現時のカウンタ値と比較される。動作中、第1のカウンタ値は、第1の時間にレジスタ1・31に一時的に格納される。タイマー37により決められた期間は、第1の時間を第2の時間から離す。第2の時間で、第2のカウンタ値はレジスタ1・31に一時的に格納され、第1の時間でレジスタ1・31に一時的に格納された内容は差検出器33に提供される。そのため、第2の時間で、第1の差検出器33は第1のカウンタ値を第2のカウンタ値と比較する。このように、第1の時間から第2の時間までにカウンタ24に保持された値の安定性が評価される。差検出器33からの出力はDIFF35である。第2の時間で、DIFF35は第1のカウンタ値と第2のカウンタ値の差である。
【0028】
第2の差検出器34は、DIFF35をレジスタ2・32に保持された値と比較する。レジスタ2・32内に保持された値は、位相同期ループロックでのカウンタ値間の予め決められた最大許容差であることができる。第2の差検出器34の出力は、LOCK36である。一実施形態において、レジスタ2・32に保持された値がDIFF35よりも大きい場合、LOCK36はアサートされる。そのため、出力信号LOCK36は、第1のカウンタ値と第2のカウンタ値の差がレジスタ2・32に保持された許容値よりも小さい場合、アサートされることができ、ここで許容値はロック状態にあるための位相同期ループに対するカウンタ値間の最大許容差を表す。
【0029】
図4は、図3に示すロック検出器23のようなロック検出器を有する位相同期ループ回路の動作を表すフローチャートである。ステップ41で、カウンタ値は図3に示すレジスタ1・31のようなレジスタにコピーされる。ステップ42で、タイマー37のようなタイマーは、サンプリング間隔期間が経過したかどうかを判定する。経過した期間がサンプリング間隔よりも短い場合、フローチャートはサンプリング間隔期間が経過するまでステップ42にとどまる。サンプリング間隔期間が経過すると、フローチャートはステップ43に続く。
【0030】
ステップ43で、差検出器は一時的に格納された値と現時の値の差を判定する。例えば、図3における第2の差検出器34は、一時的に格納された値と現時の値を比較する第1の差検出器33の出力がレジスタ32に保持された許容値よりも小さいかどうかを判定する。第1の差検出器33の出力であるDIFF35が許容値よりも大きい場合、フローチャートはステップ41に戻る。ステップ41で、新たな値がレジスタ1・31のようなレジスタに読み込まれ、フローチャートはステップ42に続く。
【0031】
ステップ43で、差DIFF35が図3における第2の差検出器34により許容値よりも小さいと判定された場合、出力信号LOCK36は第2の差検出器34によりアサートされる(例えば、図3に示すように)。そのため、図3に示すロック検出器は、許容値内に適合する2つのカウンタ値が検出されると、ロック検出信号をアサートする。したがって、ステップ44は位相同期ループロック状態が判定されたことを示すことを表す。ステップ44で、位相同期ループロックの表示が供給される。
【0032】
図5は、ロック検出器が位相同期ループロックを誤って示す可能性がある図3の上述したロック検出器の潜在的制限を示すグラフである。特に、サンプリング周波数を決定するための一定期間を有するタイマーを用いるロック検出器の少なくとも1つの制限が示されている。図5に示されているのは、カウンタ24に保持されたカウンタ値を表し一定期間t1・51を有する振動信号52である。
【0033】
説明のために、信号52の値が一定の場合に位相同期ループ回路はロックされていると仮定する。信号52が一定であるかどうかを判定するために、信号52の値が周期的にサンプリングされ、各サンプリング時間に取得された値が比較される。この例では、信号52の値はt1・51の間隔でサンプリングされ、信号52の値は最初に時間53で、その後時間54乃至58でサンプリングされる。
【0034】
周期的なサンプリング間隔のための期間が一定である場合、周期的な信号と同位相である値をサンプリングすることが可能である。そのため、サンプリング周波数は、サンプリングされた周期的な信号の周波数に対応することができる。これは、サンプリングが周期的な信号の周期的な変曲点に対応して行われるため、問題になり得る。そのため、サンプリングは、周期的な信号において信号値が正から負へ遷移する点またはその点の近くで行われることができる。すなわち、信号52の値が横軸でゼロと仮定すると、信号値がゼロまたはゼロの近くである時、サンプリングを行うことができる。
【0035】
例えば、図5に示されているのは、値が時間t1・51ごとにサンプリングされる状況である。最初のサンプリングが時間53で行われ、信号52の値は時間53でほぼゼロである。次のサンプリングは時間54で行われ、信号52の値は再びほぼゼロである。このように、誤検出位相同期ループロックを実現する可能性がある。多くのサンプルにもかかわらず、時間55、56、57、または58での例をあげると、誤検出位相同期ループロック表示が得られる。誤検出位相同期ループロック表示は、サンプリング周波数が周期的な信号に適合し、かつ周期的な信号がゼロまたはゼロに近いときにサンプルが得られる場合、周期的なサンプリング間隔を与えられ得る。また、誤検出位相同期ループロック表示は、サンプリング周波数が周期的な信号に適合し、かつサンプリングされた周期的な信号が一定の振幅を有する場合、周期的なサンプリング間隔を与えられ得る。
【0036】
図6は、本発明によるロック検出器の一実施形態であり、本発明はこの制限に取り組む。改善されたロック検出器60は図1に示すような位相同期ループ回路で実施できる。例えば、ロック検出器60は、図1の位相同期ループ回路10においてロック検出器23として実施できる。
【0037】
ロック検出器60に含むことができるのは、レジスタ1・61、第1の差検出器63、第2の差検出器64、レジスタ2・62、タイマー67、及びロックカウンタ68である。タイマー67は、レジスタ1・61、第1の差検出器63、第2の差検出器64、レジスタ2・62、及びロックカウンタ68の各々の最初の動作に信号を供給するように構成されており、これらに電気的に結合されている。図1を参照して上述したように、位相−周波数検出器12は正の差信号UP101と負の差信号DOWN103を生成する。UP信号101とDOWN信号103は入力としてカウンタ24に供給される。動作中、ロック検出器60は、カウンタ24から「M」入力ライン69を受信し、ここで「M」は任意のビット数であることができるが、この例では「M」は任意の偶数である。これらの「M」入力ラインはカウンタ24に保持された値を送信する。カウンタ24に保持された値は、差信号であるUP信号101及びDOWN信号103により、それぞれ増加及び減少される。
【0038】
カウンタ24は、レジスタ1・61、第1の差検出器63、及びチャージポンプ14に電気的に結合されている。カウンタ24により保持された値は、「M」入力ライン69により送信され、レジスタ1・61、第1の差検出器63、及びチャージポンプ14に同時に供給されることができる。また、第1の差検出器63はレジスタ1・61により一時的に格納された入力を受信する。したがって、第1の差検出器63はカウンタ値の安定性を評価するよう構成される。タイマー67は比較されたカウンタ値間の期間を決める。
【0039】
ロック検出器60の動作中、タイマー67により示された期間が経過すると、レジスタ1・61に保持された一時的に格納されたカウンタ値は、差検出器63での現時のカウンタ値と比較される。動作中、第1のカウンタ値は第1の時間にレジスタ1・61に一時的に格納される。タイマー67により決められた期間は、第1の時間を第2の時間から離す。第2の時間で、第2のカウンタ値はレジスタ1・61に一時的に格納され、第1の時間でレジスタ1・61に一時的に格納された内容は、差検出器63に電気的に供給される。そのため、第2の時間で、第1の差検出器63は第1のカウンタ値を第2のカウンタ値と比較する。このように、第1の時間から第2の時間にカウンタ24に保持された値の安定性が評価される。差検出器63からの出力信号はDIFF65である。第2の時間で、信号DIFF65は第1の差検出器63からの第1のカウンタ値と第2のカウンタ値の差である。
【0040】
第2の差検出器64は、出力信号DIFF65をレジスタ2・62に保持された値と比較する。レジスタ2・62は、照合許容値を保持することができる。レジスタ2・62に保持された照合許容値は、予め決められるかユーザーが設定できるかの一方または両方であることができる。DIFF65が照合許容値よりも小さい場合、第1の差検出器63で比較された値は一致していると考えられる。
【0041】
第2の時間で、第1のカウンタ値と第2のカウンタ値の差がレジスタ2・62に保持された許容値と比較される。したがって、第2の時間で第2の差検出器64は、DIFF65をレジスタ2・62に保持された照合許容値と比較し、第1のカウンタ値が第2のカウンタ値に実質的に一致するかどうかを判定する。
【0042】
第2の差検出器64は入力をロックカウンタ68に供給する。ロックカウンタ68は少なくとも2つの入力ポートを有し、信号であるLOCK−COUNT−UP入力602とLOCK−COUNT−RESET入力601を受信する。アサートされると、LOCK−COUNT−UP入力信号602は、ロックカウンタ68に保持された値を増加するであろう。しかしながら、LOCK−COUNT−RESET入力信号601がアサートされると、ロックカウンタ68に保持された値はリセットするであろう。レジスタ2・62に保持された値がDIFF65よりも小さいと、LOCK−COUNT−RESET入力601はアサートされることができ、ロックカウンタ68はゼロにリセットすることができる。レジスタ2・62に保持された値がDIFF65よりも大きいと、LOCK−COUNT−UP入力602はアサートされ、ロックカウンタ68に保持された値は増加する。
【0043】
レジスタ2・62内の許容値が第2の時間でDIFF65よりも大きいと、第1のカウンタ値は第2のカウンタ値に実質的に一致し、LOCK−COUNT−UP602がアサートされ、それによりロックカウンタ68により保持された値を増加させる。ロックカウンタ68に保持された値がある予め定義された値及び/またはユーザーが設定できる値に達すると、ロック66はアサートされる。
【0044】
第3のカウンタ値は、第3の時間でカウンタ24からレジスタ1・61に一時的に格納されることができる。第2の時間と第3の時間の間の期間は、タイマー67により決められる。第3の時間で、第2の時間でレジスタ1・61に一時的に格納されたカウンタ値は、差検出器63に移される。また、第3のカウンタ値は第3の時間で差検出器63に提供される。したがって、第3の時間で第2のカウンタ値は差検出器63での第3のカウンタ値と比較される。
【0045】
その結果、第3の時間で、出力DIFF65は第2のカウンタ値と第3のカウンタ値の差である。DIFF65は、第3の時間で第2の差検出器64に提供される。第3の時間で、第2の差検出器64はDIFF65をレジスタ2・62に保持された値と比較する。したがって第3の時間で、第2のカウンタ値と第3のカウンタ値の差はレジスタ2・62に保持された照合許容値と比較される。
【0046】
レジスタ2・62における許容値が第3の時間でDIFF65よりも大きい場合、第2のカウンタ値は第3のカウンタ値と実質的に一致する。そのため、LOCK−COUNT−UP602は第3の時間でアサートされ、ロックカウンタ68により保持された値は第3の時間で増加する。したがって、この例において、ロックカウンタ68は第3の時間での2の値を保持する。予め定義されたロック値が2であると仮定すると、ロック66は第3の時間でアサートされる。
【0047】
したがって、上述した図6により、ユーザーが決めた内部許容カウンタ値の数が位相同期ループロックを判定するのに必要とされるため、前述したロック検出にわたって改善することができる。内部許容カウンタ値の数は、ロックカウンタ68で集計することができる。しかしながら、周期的なタイマーがサンプリング間隔を定義するのに用いられると、誤検出ロック信号を得ることがあり得る。したがって、可変のサンプリング間隔が望ましい。そのため、可変のタイマー67が望ましい。述べたように、第1の時間と第2の時間の間の期間と、第2の時間と第3の時間の間の期間は、タイマー67により決められる。可変のタイマーがタイマー67として用いられる場合、第1の期間は第2の期間と一致する必要はない。
【0048】
図7は、本発明の実施形態とともに利用することができる可変タイマー70の一実施形態である。可変タイマー70は、図6に示したような位相同期ループ回路に実装することができる。例えば、可変タイマー70は、タイマー67の代わりに図6のPLL60に実装することができる。
【0049】
可変タイマー70に含むことができるのは、分周器72、カウンタ73、差検出器75、及び線形フィードバックシフトレジスタ74である。動作中、可変タイマー70はクロック信号71から電気入力を受信する。このクロック信号は分周器72に電気的に供給することができる。図7に示したように、分周されたクロック信号は、入力としてカウンタ73に供給される。カウンタ73は分周されたクロック信号の数をカウントし、この数を差検出器75の入力に電気的に中継する。また、差検出器75は線形フィードバックシフトレジスタ74から電気入力を受信する。
【0050】
この例において、線形フィードバックシフトレジスタ74は疑似ランダム4ビット値79を生成するが、それは任意のビット数を有することができる。線形フィードバックシフトレジスタは当技術分野で知られている。図7に示す実施形態において、4つのレジスタ701、702、703、及び704は線形フィードバックシフトレジスタ(LFSR)74に含まれる。動作中、LFSRへのクロック入力がアクティブになった時、LFSR74のレジスタは、それらの各内容を隣接するレジスタに移す。したがって、701のレジスタ値は702に移され、702のレジスタ値は703に移され、703のレジスタ値は704に移され、704及び703のレジスタ値はLFSRフィードバックループ705に入力される。LFSRフィードバックループ705は、排他的論理和ゲートを含み、第3及び第4のレジスタに保持された値は、入力として排他的論理和ゲート705に供給される。一番左のレジスタ701は、排他的論理和ゲート705の出力から新たな値を受信する。
【0051】
差検出器75は、線形フィードバックシフトレジスタ74からの4ビット値79をカウンタ73からのCLOCK・COUNT707と比較する。疑似ランダム値79は、分周されたクロック信号の数を表すクロックカウント値707と比較される。カウンタ73による出力としての分周されたクロック信号の数が線形フィードバックシフトレジスタ74の疑似ランダム出力を超える場合、出力信号TIME76はHIGHである。
【0052】
TIME出力信号76は、図6に示すように、ロック検出器回路60のための疑似ランダムクロック信号として用いられることができる。さらに、TIME出力信号76もLFSR74をクロック制御するのに用いられることができる。例えば、TIME出力信号76は、TIME76出力信号がアサートされた時、新たな疑似ランダム出力が生成されるように、LFSRフィードバックループ74におけるレジスタ701−704のためのクロック信号として供給されることができる。また、TIME76出力信号は、分周されたクロック信号の数を表す新たな値707(すなわちゼロ)が差検出器75に利用できるようになるよう、カウンタリセットループ706に供給されることができる。このように、可変タイマー70は疑似ランダム期間を有する出力を供給する。
【0053】
図8は、図6に示すロック検出器60のような本発明によるロック検出器を有する位相同期ループ回路の動作を表すフローチャートである。また図8は、図7に示すような可変タイマーを有する位相同期ループ回路を表す。ステップ81で、カウンタ24の値は図6に示すレジスタ1・61のようなレジスタにコピーされる。ステップ82で、タイマー37またはタイマー67のようなカウンタは、サンプリング間隔期間が経過したかどうかを判定する。時間量がサンプリング間隔期間よりも少ない場合、サンプリング間隔期間が経過するまで、フローチャートはステップ82にとどまる。サンプリング間隔期間が経過すると、フローチャートはステップ83に続く。
【0054】
ステップ83で、差検出器は一時的に格納されたカウンタ値と現時のカウント値の差を判定する。したがって、レジスタ1・61に保持される値は、ライン69から入力される値と比較される。これらのカウンタ値間の差、すなわちデルタは、差検出器63からDIFF信号65として出力される。DIFF信号65は第2のレジスタ62に保持される許容値と比較される。カウンタ値間の差が、DIFF信号65により表され、図6に示された差検出器64により判定されるように第2のレジスタ62に保持される許容値以上であると、ステップ88でロックカウンタはリセットし、フローチャートはステップ81に戻る。カウンタ値間の差(すなわち、DIFF信号65)がレジスタ62の許容値よりも小さい場合、フローチャートはステップ84に続く。
【0055】
ステップ84で、ロックカウンタ68は増加される。ステップ85で、レジスタはロックカウンタ68の値が十分であるかどうかを判定する。ロックカウンタ68の値は、予め決められユーザーが定義できるロック値に達する場合、位相同期ループロックを示すのに十分であると考えられる。このユーザーが定義できる値に達することは、位相同期ループロックの状態がLOCK66のような位相同期ループロックを示す出力信号をアサートするのに十分に長く観測されたことを示す。ロックカウンタ68の値が位相同期ループロックを示すのに十分でない場合、フローチャートはステップ82に戻る。ロックカウンタ68の値が予め決められたロック値に達した場合、フローチャートはステップ86に続く。ステップ86で、LOCK66のような位相同期ループロックを示す出力は、アサートされる。
【0056】
図9は、本発明による疑似ランダムタイマーを用いたロック検出器の改善を示すグラフである。図9は、図5を参照して上述したように誤ってロックを示す問題をこの発明がどのように克服するかを示す。
【0057】
図9に示されているのは、一定の周期を有する振動信号92である。再び説明のために、信号92の値が一定の場合、位相同期ループ回路がロックされると仮定する。信号92が一定であるかどうかを判定するために、信号92の値がサンプリングされ、各サンプル時間で取得された値が比較される。この例において、信号92の値が最初に時間91でサンプリングされる。信号92の値が横軸でゼロであると仮定すると、時間91での信号92の値はゼロである。期間t1・903の後、信号92は時間93でサンプリングされる。信号92の値は再びゼロになる。
【0058】
その後、信号92の値は不規則な疑似ランダム間隔(例えば、t1≠t2≠t3≠t4≠t5≠t6≠t7≠t8)でサンプリングされる。そのため、信号92の値は周期的な間隔でゼロであるが、サンプリングは周期的な間隔で行われていないので、これらのゼロ値はサンプリングされる必要はない。例えば、期間t2・905の後、信号93は時間93でサンプリングされ、ゼロ以外の結果が得られる。期間t2・905は期間t1・903と同等ではない。このように、誤ったロック表示が避けられる。例えば、各期間t1・903、t2・905、t3・907、及びt4・909は他と異なる。
【0059】
以上の明細書において、本発明は特定の実施形態に関して述べられた。しかしながら、当業者は、様々な変形と変更を特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなくなすことができることを理解する。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例の意味にあるとみなすべきであり、全てのそのような変形は本発明の範囲内に含まれることを意図されている。
【0060】
問題に対する利益、他の利点、及び解決策は、特定の実施形態に関して上述された。しかしながら、問題に対する利益、利点、解決策、及び任意の利益、利点、または解決策を生じさせるあるいはより顕著にさせることができる任意の要素は、いずれかまたは全ての請求項の重要な、所要の、または必須の特徴あるいは要素として解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】ロック検出器を有し本発明により構成された位相同期ループ回路のブロック図。
【図2】図1の位相同期ループ回路10に示されるチャージポンプ14のようなデジタルチャージポンプのブロック図。
【図3】本発明によるロック検出器の一実施形態。
【図4】本発明によるロック検出器を有する位相同期ループ回路の動作を表すフローチャート。
【図5】一定のサンプリング周波数を有するロック検出器の一つの潜在的制限を示すグラフ。
【図6】本発明によるロック検出器の一実施形態。
【図7】本発明による可変タイマーの一実施形態。
【図8】本発明によるロック検出器を有する位相同期ループ回路の動作を表すフローチャート。
【図9】本発明によるロック検出器の改善を示すグラフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相同期ループ回路に関し、特にPLL回路のロックの検出に関する。
【背景技術】
【0002】
位相同期ループは、デジタルエレクトロニクス、信号遠隔測定、及び通信アプリケーションのような様々な用途に広く用いられている。典型的なPLLは、位相周波数検出器、チャージポンプ、及び電圧制御発振器を含むことができる。
【0003】
位相同期ループ集積回路は、入力周波数信号を受信し、発振器周波数出力信号を生成する。発振器出力信号の周波数は、入力信号の周波数の倍数であることができる。PLLは、PLLがある許容範囲内の入力周波数信号の倍数である周波数を有する発振器出力信号を生成するとき、ロックされたと言われる。なお、1の倍数も可能である。PLL回路を用いたいくつかの用途は、PLLロックに関する情報を用いることができる。有用な情報は、PLL回路がロックされたかどうかと、ロックがいつ達成されたかを含むことができる。
【0004】
従来技術には、PLLロックを判定するための装置及び方法がある。しかしながら、そのような装置及び方法のいくつかは、PLLがロックを達成したことを誤って示すことが時にはある。したがって、PLLロックがより確実に判定されるようにPLL回路を構成することが望ましい。さらに、そのような従来技術のロック装置及び方法は、可能とするために複雑な回路を必要とすることがあり、これらの複雑な回路は大きな実装面積を有する可能性がある。PLLの実装面積とその関連する回路を削減することが望ましい。これは、特にCMOS技術を用いて製造されるPLL回路を考慮する場合に当てはまる。したがって、削減された実装面積サイズを有することができる比較的簡単な回路を用いてPLLロックを判定することが望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
位相同期ループロック検出を改善するためのシステム及び装置が開示される。特に、デジタルカウンタをPLL回路に挿入し、カウンタ値の安定性を評価するよう構成されたロック検出回路にカウンタの値を供給する。
【0006】
述べられるシステム及び方法は、PLLロックの誤った表示の発生を減らす。カウンタは、PLL回路の位相−周波数検出器とチャージポンプとの間に挿入されることが好ましいであろう。この構成において、カウンタ値は位相−周波数検出器により作動されるので、実質的に一定のカウンタ値は、PLLロックを示す。デジタルカウンタ値は、PLLデジタルチャージポンプとロック検出回路に同時に供給されることができる。ロック検出回路は、PLLロック検出された出力をアサートする前のユーザー定義の期間に対するカウンタ値の安定性を検出する。ロック検出器は、いつカウンタ値間の差がユーザー定義の許容値未満になるかを判定するためにレジスタと差検出器を含む。ロック検出器は、カウンタ値がカウンタ値の変動周波数と同じ周波数でサンプリングされる場合、生じる可能性があるPLLロックの誤表示を避けるために可変タイマーを含むことができる。
【0007】
一実施形態において、ロック検出位相同期ループ回路は、位相周波数検出器(PFD)、第1のカウンタ、チャージポンプ、及びロック検出器を含む。ロック検出器は、時間にわたってカウンタ値の安定性を評価する。ロック検出器は、サンプリングされたカウンタ値が実質的に一致している場合、第2のカウンタ値を増加させる。PLLロックを示す出力信号は、第2のカウンタ値がユーザー定義の値を超えた時、ロック検出器によりアサートされる。また、実施形態はカウンタ値を得るための疑似サンプリング間隔を有するタイマーを含むことができる。そのような可変タイマーは、線形フィードバックシフトレジスタを含むことができる。
【0008】
一実施形態において、本発明による装置は、実質的に安定したデジタル信号を検出する。そのような装置は、ロック検出器と呼ばれることがある。そのようなロック検出器は、デジタル信号入力ポートと、デジタル信号を一時的に格納するための第1のレジスタと、第1のレジスタに一時的に格納された第1の入力を入力ポートからの第2の入力と比較するための第1の差検出器と、第1の差検出器の出力を許容値と比較するための第2の差検出器と、許容値が第1の差検出器の出力よりも大きい場合に増加するカウンタと、カウンタ値が予め決められた値に達した時にアサートされた信号を供給する出力ポートとを含むことができる。許容値が第1の差検出器の出力よりも小さい場合、カウンタ値はリセットすることができる。許容値及び/または予め決められた値は、付加的なレジスタに保持することができ、そのような値はユーザーが設定できる。ロック検出器も可変タイマーを含むことができる。
【0009】
他の実施形態において、本発明は位相同期ループ回路におけるロック検出のための方法を含む。この方法は、様々な時間でPLL基準信号をPLLフィードバック信号と比較し値を取得することと、それらの値を互いに比較し差を取得することとを含む。この方法は、さらに差が許容範囲内にあるかどうかを判定することと、そうであればカウンタ値を増加させることとを含む。この方法は、差が許容範囲内に無い場合、カウンタ値をリセットすることを含むことができる。また、この方法はカウンタ値が予め決められた値に達した時にカウンタ出力信号をアサートすることを含み、ここでアサートされたカウンタ出力はPLLロックを示す。
【0010】
したがって、他の実施形態中で、ロック検出を含む改善されたPLL回路、PLLロックを検出する改善された方法、及びロックが実質的に安定したデジタル信号により特徴づけられることができるロック検出器が提供される。
【0011】
本発明の技術的な利点は、実質的に安定したデジタル信号の観測によりPLLロックを検出できる能力である。特に、カウンタは、PLL入力信号をPLLフィードバック信号と比較し信号間の差を示す出力を供給する位相−周波数検出器からの入力をカウンタが受信するように、PLL回路に組み込まれている。そのため、位相−周波数検出器からのカウンタが受信する入力が、実質的に安定した値を有すると観測される場合、PLLはロックされたものと識別される。
【0012】
本発明により提供される他の利点は、PLLロックの誤った表示の数の削減である。ユーザー定義の期間に対して安定したカウンタ値を観測することにより、そのような誤った表示を削減することができる。
【0013】
同様に、誤ったロック表示は可変タイマーを用いることにより避けることができ、比較のためにカウンタ値を取得することができる。疑似ランダム周波数でサンプリングをすることで、周期的な位相同期ループフィードバックシステム周波数に一致する周波数でサンプリングすることを防ぐことができる。
【0014】
さらに本発明による他の利点は、他の位相同期ループロック装置と比べて実装面積が削減されることである。実装面積の削減は、CMOS技術を用いて製造される位相同期ループ回路にとって特に重要であり得る。
【0015】
これらの、そして他の本発明の観点は、以下の説明及び添付の図面とともに考慮することにより、より良く認識でき理解できる。以下の説明では、本発明の様々な実施形態とその多くの具体的な詳細を示しているが、例として与えられており限定としてではない。多くの代替、変形、付加、または再配置が本発明の範囲内でなされることができ、本発明はそのような全ての代替、変形、付加、または再配置を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本明細書に添付されその一部を成す図面は、本発明のある観点を図示するために含まれている。本発明の、及び本発明が提供されるシステムの構成要素と作用のより明瞭な効果は、図面に示される典型的な、それゆえ限定されない実施形態を参照することにより、より容易に明らかになるであろう。図面では、同一の参照符号は同じ構成要素を示す。なお、図面中で示された形状特徴は必ずしも縮尺に従って描かれる必要はない。
【0017】
本発明とその様々な特徴及び利点が、添付の図面に示され以下の説明で詳しく述べられる限定されない実施形態を参照してより十分に説明される。よく知られた出発材料、加工技術、構成要素及び装置の説明は、本発明を細部にわたって不必要に不明瞭にしないために省略される。しかしながら、詳細な説明と具体例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、限定としてではなく例としてのみ提供されることを理解すべきである。本明細書を読んだ後、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱しないこの開示から、当業者には様々な代替、変形、追加及び再配置が明らかになるであろう。
【0018】
図1は、ロック検出器を有する位相同期ループ電気回路の一実施形態のブロック図である。位相同期ループ回路10は、図1に示すように、位相−周波数検出器12、チャージポンプ14、及び電圧制御発振器16を含む。カウンタ24及びロック検出器23が、位相−周波数検出器12とチャージポンプ14の間に配置され電気的に結合されており、ここでチャージポンプ14とロック検出器23は、それぞれカウンタ24から入力を受信する。ノード N19は、チャージポンプ14の出力を電圧制御発振器16への入力に電気的に結合する。ノード N19と接地21との間には、コンデンサ20が配置され、電気的に結合されている。電圧制御発振器16は、出力信号PLL out18を供給し、これは分周器17を介して送られ、フィードバック信号FB13になる。
【0019】
位相−周波数検出器12は、入力基準信号REF11の位相及び周波数をフィードバック信号FB13の位相及び周波数と比較する。位相−周波数検出器12は、入力基準信号REF11とフィードバック信号FB13の比較から、差信号を生成する。位相−周波数検出器12は、正の差信号UP101と負の差信号DOWN103を生成する。UP信号101とDOWN信号103は、カウンタ24に供給される。カウンタ24は、UP信号101及び/またはDOWN信号103に従って変化する値を保持する。例えば、カウンタ24により保持される値は、パルスがUP信号101からの入力として受信されるごとに増加し、パルスがDOWN信号103からの入力として受信されるごとに減少することができる。カウンタ24は、このカウンタ値を入力としてチャージポンプ14に供給する。次に、チャージポンプ14は電流Ic22を生成し、ここで電流Ic22はカウンタ24により保持される値に実質的に比例する。
【0020】
Ic22は、入力信号として電圧制御発振器16に供給される。次に、電圧制御発振器16は周期的な信号PLL out18を生成する。周期的な信号PLL out18は、入力として分周器17に供給され、次に、分周器17はフィードバック信号FB13を入力として位相−周波数検出器12に供給する。フィードバック信号FB13と基準信号REF11の差は、位相−周波数検出器12により検出され、カウンタ24に保持されたカウンタ値は、これらの信号間の差に従って変化する。したがって、カウンタ24により保持された値が変化すると、電流Ic22は変化し得る。
【0021】
そのため、出力Ic22は、カウンタ24により保持された値が一定のままである時、一定であることができる。カウンタ24により保持された値は、電流源UP101及びDOWN103が実質的に一定のままである時、実質的に一定のままであり、位相−周波数検出器12が入力信号REF11とFB13の間の有るか無しかの差を検出することを示す。位相同期ループロックで、信号REF11とFB13は実質的に同一である。その結果、カウンタ24により保持された値は、位相同期クループ回路10がロックされている間、実質的に一定のままである。
【0022】
位相同期ループ回路10は、ロック検出器23とともに構成されており、位相同期ループ回路10がロック状態にあるかどうかを判定する。ロック検出器23はカウンタ24からの入力を用い、位相同期ループ回路10がロックされたかどうかを判定する。本発明に従って、ロック検出器23の一実施形態は、カウンタ値24がある期間にわたって実質的に一定のままであるかどうかを判定するよう構成されている。他の実施形態において、カウンタ値は疑似ランダムにサンプリングされ、位相同期ループがロック状態にあるかどうかを判定するために比較される(例えば、比較値は実質的に一定であり、変化しないか、予め決められた時間にわたる定義された量内で変化する場合)。
【0023】
図2は、図1の位相同期ループ回路10において用いられるチャージポンプ14の一実施形態のブロック図である。チャージポンプ14は、カウンタ24からの複数ラインの入力を受信することができる。図示する構成において、チャージポンプ14はカウンタ24から「M」入力ラインを受信し、ここで「M」は任意の数のビットであることができるが、「M」はこの例において任意の偶数である。チャージポンプ14は、各入力ラインに対応し、各入力ラインにより制御される電流源を含むことができる。
【0024】
図2は、「M」電流源を含むチャージポンプ14を示す。電流源の半分は正の電流源であり、半分は負の電流源である。図に示すように、正の電流源はI0p260、I1p261、I2p262、I3p263、…、I((M−1)/2)p26((M−1)/2)及びI(M/2)p26(M/2)を含み、ここでI0p260はI1p261よりも小さく、I1p261はI2p262よりも小さい、その他である。また、負の電流源がI0n270、I1n271、I2n272、I3n273、…、I((M−1)/2)n27((M−1)/2)及びI(M/2)n27(M/2)を含み、ここでI0n270はI1n271の絶対値未満である絶対値を有し、I1n271は絶対値I2n272未満の絶対値を有する、その他である。各電流源は、スイッチを閉じることによりノード N22に電気的に結合することができる。例として、スイッチ206を閉じると電流源I0p260はノード N22に結合するであろう。他の例として、スイッチ207を閉じると電流源I0n270はノード N22に結合するであろう。
【0025】
上述したように、カウンタ24により保持された値は、UP信号101及びDOWN信号103に従って増加または減少させることができる。この値は、カウンタ24から「M」出力ライン28を介してチャージポンプ14に出力され、ここで各出力ラインは特定の電流源を制御することができる。正の電流源26X及び負の電流源27Xは、電流Ic22を生成することができる。そのため、電流Ic22はUP信号101及びDOWN信号103に従って増加または減少することができる。カウンタ24の値、したがって電流Ic22の値は、カウンタ24への入力(例えば、UP信号101及びDOWN信号103)が実質的に変化が無いままである時、固定であることができる。
【0026】
図3は、図1における位相同期ループ回路10で用いられることができるようなロック検出器23の一構成である。ロック検出器23は、レジスタ1・31、第1の差検出器33、第2の差検出器34、レジスタ2・32、及びタイマー37を含むことができる。タイマー37は、レジスタ1・31、第1の差検出器33、第2の差検出器34、及びレジスタ2・32の各々の動作を開始するために信号を供給するよう動作可能であり、これらに電気的に結合されている。動作中、ロック検出器23は、受信「M」入力ライン39に電気的に結合されており、ここで「M」は任意のビット数であることができるが、この例では「M」は任意の偶数である。図に示すように、「M」入力ライン39はレジスタ1・31と第1の差検出器33の各々に電気的に結合することができる。また、レジスタ1・31は入力信号を第1の差検出器33に供給する。したがって、第1の差検出器33はレジスタ1・31から及び入力ライン39からの受信入力に結合されており、ここで入力ライン39はカウンタ24の値を送信する。そのため、第1の差検出器33は、ある期間にわたるカウンタ値の変化を判定するよう構成されている。この期間は、周期的なタイマー37により決めることができる。
【0027】
ロック検出器23の動作中、タイマー37により示される期間が経つと、一時的に格納されたカウンタ値は現時のカウンタ値と比較される。動作中、第1のカウンタ値は、第1の時間にレジスタ1・31に一時的に格納される。タイマー37により決められた期間は、第1の時間を第2の時間から離す。第2の時間で、第2のカウンタ値はレジスタ1・31に一時的に格納され、第1の時間でレジスタ1・31に一時的に格納された内容は差検出器33に提供される。そのため、第2の時間で、第1の差検出器33は第1のカウンタ値を第2のカウンタ値と比較する。このように、第1の時間から第2の時間までにカウンタ24に保持された値の安定性が評価される。差検出器33からの出力はDIFF35である。第2の時間で、DIFF35は第1のカウンタ値と第2のカウンタ値の差である。
【0028】
第2の差検出器34は、DIFF35をレジスタ2・32に保持された値と比較する。レジスタ2・32内に保持された値は、位相同期ループロックでのカウンタ値間の予め決められた最大許容差であることができる。第2の差検出器34の出力は、LOCK36である。一実施形態において、レジスタ2・32に保持された値がDIFF35よりも大きい場合、LOCK36はアサートされる。そのため、出力信号LOCK36は、第1のカウンタ値と第2のカウンタ値の差がレジスタ2・32に保持された許容値よりも小さい場合、アサートされることができ、ここで許容値はロック状態にあるための位相同期ループに対するカウンタ値間の最大許容差を表す。
【0029】
図4は、図3に示すロック検出器23のようなロック検出器を有する位相同期ループ回路の動作を表すフローチャートである。ステップ41で、カウンタ値は図3に示すレジスタ1・31のようなレジスタにコピーされる。ステップ42で、タイマー37のようなタイマーは、サンプリング間隔期間が経過したかどうかを判定する。経過した期間がサンプリング間隔よりも短い場合、フローチャートはサンプリング間隔期間が経過するまでステップ42にとどまる。サンプリング間隔期間が経過すると、フローチャートはステップ43に続く。
【0030】
ステップ43で、差検出器は一時的に格納された値と現時の値の差を判定する。例えば、図3における第2の差検出器34は、一時的に格納された値と現時の値を比較する第1の差検出器33の出力がレジスタ32に保持された許容値よりも小さいかどうかを判定する。第1の差検出器33の出力であるDIFF35が許容値よりも大きい場合、フローチャートはステップ41に戻る。ステップ41で、新たな値がレジスタ1・31のようなレジスタに読み込まれ、フローチャートはステップ42に続く。
【0031】
ステップ43で、差DIFF35が図3における第2の差検出器34により許容値よりも小さいと判定された場合、出力信号LOCK36は第2の差検出器34によりアサートされる(例えば、図3に示すように)。そのため、図3に示すロック検出器は、許容値内に適合する2つのカウンタ値が検出されると、ロック検出信号をアサートする。したがって、ステップ44は位相同期ループロック状態が判定されたことを示すことを表す。ステップ44で、位相同期ループロックの表示が供給される。
【0032】
図5は、ロック検出器が位相同期ループロックを誤って示す可能性がある図3の上述したロック検出器の潜在的制限を示すグラフである。特に、サンプリング周波数を決定するための一定期間を有するタイマーを用いるロック検出器の少なくとも1つの制限が示されている。図5に示されているのは、カウンタ24に保持されたカウンタ値を表し一定期間t1・51を有する振動信号52である。
【0033】
説明のために、信号52の値が一定の場合に位相同期ループ回路はロックされていると仮定する。信号52が一定であるかどうかを判定するために、信号52の値が周期的にサンプリングされ、各サンプリング時間に取得された値が比較される。この例では、信号52の値はt1・51の間隔でサンプリングされ、信号52の値は最初に時間53で、その後時間54乃至58でサンプリングされる。
【0034】
周期的なサンプリング間隔のための期間が一定である場合、周期的な信号と同位相である値をサンプリングすることが可能である。そのため、サンプリング周波数は、サンプリングされた周期的な信号の周波数に対応することができる。これは、サンプリングが周期的な信号の周期的な変曲点に対応して行われるため、問題になり得る。そのため、サンプリングは、周期的な信号において信号値が正から負へ遷移する点またはその点の近くで行われることができる。すなわち、信号52の値が横軸でゼロと仮定すると、信号値がゼロまたはゼロの近くである時、サンプリングを行うことができる。
【0035】
例えば、図5に示されているのは、値が時間t1・51ごとにサンプリングされる状況である。最初のサンプリングが時間53で行われ、信号52の値は時間53でほぼゼロである。次のサンプリングは時間54で行われ、信号52の値は再びほぼゼロである。このように、誤検出位相同期ループロックを実現する可能性がある。多くのサンプルにもかかわらず、時間55、56、57、または58での例をあげると、誤検出位相同期ループロック表示が得られる。誤検出位相同期ループロック表示は、サンプリング周波数が周期的な信号に適合し、かつ周期的な信号がゼロまたはゼロに近いときにサンプルが得られる場合、周期的なサンプリング間隔を与えられ得る。また、誤検出位相同期ループロック表示は、サンプリング周波数が周期的な信号に適合し、かつサンプリングされた周期的な信号が一定の振幅を有する場合、周期的なサンプリング間隔を与えられ得る。
【0036】
図6は、本発明によるロック検出器の一実施形態であり、本発明はこの制限に取り組む。改善されたロック検出器60は図1に示すような位相同期ループ回路で実施できる。例えば、ロック検出器60は、図1の位相同期ループ回路10においてロック検出器23として実施できる。
【0037】
ロック検出器60に含むことができるのは、レジスタ1・61、第1の差検出器63、第2の差検出器64、レジスタ2・62、タイマー67、及びロックカウンタ68である。タイマー67は、レジスタ1・61、第1の差検出器63、第2の差検出器64、レジスタ2・62、及びロックカウンタ68の各々の最初の動作に信号を供給するように構成されており、これらに電気的に結合されている。図1を参照して上述したように、位相−周波数検出器12は正の差信号UP101と負の差信号DOWN103を生成する。UP信号101とDOWN信号103は入力としてカウンタ24に供給される。動作中、ロック検出器60は、カウンタ24から「M」入力ライン69を受信し、ここで「M」は任意のビット数であることができるが、この例では「M」は任意の偶数である。これらの「M」入力ラインはカウンタ24に保持された値を送信する。カウンタ24に保持された値は、差信号であるUP信号101及びDOWN信号103により、それぞれ増加及び減少される。
【0038】
カウンタ24は、レジスタ1・61、第1の差検出器63、及びチャージポンプ14に電気的に結合されている。カウンタ24により保持された値は、「M」入力ライン69により送信され、レジスタ1・61、第1の差検出器63、及びチャージポンプ14に同時に供給されることができる。また、第1の差検出器63はレジスタ1・61により一時的に格納された入力を受信する。したがって、第1の差検出器63はカウンタ値の安定性を評価するよう構成される。タイマー67は比較されたカウンタ値間の期間を決める。
【0039】
ロック検出器60の動作中、タイマー67により示された期間が経過すると、レジスタ1・61に保持された一時的に格納されたカウンタ値は、差検出器63での現時のカウンタ値と比較される。動作中、第1のカウンタ値は第1の時間にレジスタ1・61に一時的に格納される。タイマー67により決められた期間は、第1の時間を第2の時間から離す。第2の時間で、第2のカウンタ値はレジスタ1・61に一時的に格納され、第1の時間でレジスタ1・61に一時的に格納された内容は、差検出器63に電気的に供給される。そのため、第2の時間で、第1の差検出器63は第1のカウンタ値を第2のカウンタ値と比較する。このように、第1の時間から第2の時間にカウンタ24に保持された値の安定性が評価される。差検出器63からの出力信号はDIFF65である。第2の時間で、信号DIFF65は第1の差検出器63からの第1のカウンタ値と第2のカウンタ値の差である。
【0040】
第2の差検出器64は、出力信号DIFF65をレジスタ2・62に保持された値と比較する。レジスタ2・62は、照合許容値を保持することができる。レジスタ2・62に保持された照合許容値は、予め決められるかユーザーが設定できるかの一方または両方であることができる。DIFF65が照合許容値よりも小さい場合、第1の差検出器63で比較された値は一致していると考えられる。
【0041】
第2の時間で、第1のカウンタ値と第2のカウンタ値の差がレジスタ2・62に保持された許容値と比較される。したがって、第2の時間で第2の差検出器64は、DIFF65をレジスタ2・62に保持された照合許容値と比較し、第1のカウンタ値が第2のカウンタ値に実質的に一致するかどうかを判定する。
【0042】
第2の差検出器64は入力をロックカウンタ68に供給する。ロックカウンタ68は少なくとも2つの入力ポートを有し、信号であるLOCK−COUNT−UP入力602とLOCK−COUNT−RESET入力601を受信する。アサートされると、LOCK−COUNT−UP入力信号602は、ロックカウンタ68に保持された値を増加するであろう。しかしながら、LOCK−COUNT−RESET入力信号601がアサートされると、ロックカウンタ68に保持された値はリセットするであろう。レジスタ2・62に保持された値がDIFF65よりも小さいと、LOCK−COUNT−RESET入力601はアサートされることができ、ロックカウンタ68はゼロにリセットすることができる。レジスタ2・62に保持された値がDIFF65よりも大きいと、LOCK−COUNT−UP入力602はアサートされ、ロックカウンタ68に保持された値は増加する。
【0043】
レジスタ2・62内の許容値が第2の時間でDIFF65よりも大きいと、第1のカウンタ値は第2のカウンタ値に実質的に一致し、LOCK−COUNT−UP602がアサートされ、それによりロックカウンタ68により保持された値を増加させる。ロックカウンタ68に保持された値がある予め定義された値及び/またはユーザーが設定できる値に達すると、ロック66はアサートされる。
【0044】
第3のカウンタ値は、第3の時間でカウンタ24からレジスタ1・61に一時的に格納されることができる。第2の時間と第3の時間の間の期間は、タイマー67により決められる。第3の時間で、第2の時間でレジスタ1・61に一時的に格納されたカウンタ値は、差検出器63に移される。また、第3のカウンタ値は第3の時間で差検出器63に提供される。したがって、第3の時間で第2のカウンタ値は差検出器63での第3のカウンタ値と比較される。
【0045】
その結果、第3の時間で、出力DIFF65は第2のカウンタ値と第3のカウンタ値の差である。DIFF65は、第3の時間で第2の差検出器64に提供される。第3の時間で、第2の差検出器64はDIFF65をレジスタ2・62に保持された値と比較する。したがって第3の時間で、第2のカウンタ値と第3のカウンタ値の差はレジスタ2・62に保持された照合許容値と比較される。
【0046】
レジスタ2・62における許容値が第3の時間でDIFF65よりも大きい場合、第2のカウンタ値は第3のカウンタ値と実質的に一致する。そのため、LOCK−COUNT−UP602は第3の時間でアサートされ、ロックカウンタ68により保持された値は第3の時間で増加する。したがって、この例において、ロックカウンタ68は第3の時間での2の値を保持する。予め定義されたロック値が2であると仮定すると、ロック66は第3の時間でアサートされる。
【0047】
したがって、上述した図6により、ユーザーが決めた内部許容カウンタ値の数が位相同期ループロックを判定するのに必要とされるため、前述したロック検出にわたって改善することができる。内部許容カウンタ値の数は、ロックカウンタ68で集計することができる。しかしながら、周期的なタイマーがサンプリング間隔を定義するのに用いられると、誤検出ロック信号を得ることがあり得る。したがって、可変のサンプリング間隔が望ましい。そのため、可変のタイマー67が望ましい。述べたように、第1の時間と第2の時間の間の期間と、第2の時間と第3の時間の間の期間は、タイマー67により決められる。可変のタイマーがタイマー67として用いられる場合、第1の期間は第2の期間と一致する必要はない。
【0048】
図7は、本発明の実施形態とともに利用することができる可変タイマー70の一実施形態である。可変タイマー70は、図6に示したような位相同期ループ回路に実装することができる。例えば、可変タイマー70は、タイマー67の代わりに図6のPLL60に実装することができる。
【0049】
可変タイマー70に含むことができるのは、分周器72、カウンタ73、差検出器75、及び線形フィードバックシフトレジスタ74である。動作中、可変タイマー70はクロック信号71から電気入力を受信する。このクロック信号は分周器72に電気的に供給することができる。図7に示したように、分周されたクロック信号は、入力としてカウンタ73に供給される。カウンタ73は分周されたクロック信号の数をカウントし、この数を差検出器75の入力に電気的に中継する。また、差検出器75は線形フィードバックシフトレジスタ74から電気入力を受信する。
【0050】
この例において、線形フィードバックシフトレジスタ74は疑似ランダム4ビット値79を生成するが、それは任意のビット数を有することができる。線形フィードバックシフトレジスタは当技術分野で知られている。図7に示す実施形態において、4つのレジスタ701、702、703、及び704は線形フィードバックシフトレジスタ(LFSR)74に含まれる。動作中、LFSRへのクロック入力がアクティブになった時、LFSR74のレジスタは、それらの各内容を隣接するレジスタに移す。したがって、701のレジスタ値は702に移され、702のレジスタ値は703に移され、703のレジスタ値は704に移され、704及び703のレジスタ値はLFSRフィードバックループ705に入力される。LFSRフィードバックループ705は、排他的論理和ゲートを含み、第3及び第4のレジスタに保持された値は、入力として排他的論理和ゲート705に供給される。一番左のレジスタ701は、排他的論理和ゲート705の出力から新たな値を受信する。
【0051】
差検出器75は、線形フィードバックシフトレジスタ74からの4ビット値79をカウンタ73からのCLOCK・COUNT707と比較する。疑似ランダム値79は、分周されたクロック信号の数を表すクロックカウント値707と比較される。カウンタ73による出力としての分周されたクロック信号の数が線形フィードバックシフトレジスタ74の疑似ランダム出力を超える場合、出力信号TIME76はHIGHである。
【0052】
TIME出力信号76は、図6に示すように、ロック検出器回路60のための疑似ランダムクロック信号として用いられることができる。さらに、TIME出力信号76もLFSR74をクロック制御するのに用いられることができる。例えば、TIME出力信号76は、TIME76出力信号がアサートされた時、新たな疑似ランダム出力が生成されるように、LFSRフィードバックループ74におけるレジスタ701−704のためのクロック信号として供給されることができる。また、TIME76出力信号は、分周されたクロック信号の数を表す新たな値707(すなわちゼロ)が差検出器75に利用できるようになるよう、カウンタリセットループ706に供給されることができる。このように、可変タイマー70は疑似ランダム期間を有する出力を供給する。
【0053】
図8は、図6に示すロック検出器60のような本発明によるロック検出器を有する位相同期ループ回路の動作を表すフローチャートである。また図8は、図7に示すような可変タイマーを有する位相同期ループ回路を表す。ステップ81で、カウンタ24の値は図6に示すレジスタ1・61のようなレジスタにコピーされる。ステップ82で、タイマー37またはタイマー67のようなカウンタは、サンプリング間隔期間が経過したかどうかを判定する。時間量がサンプリング間隔期間よりも少ない場合、サンプリング間隔期間が経過するまで、フローチャートはステップ82にとどまる。サンプリング間隔期間が経過すると、フローチャートはステップ83に続く。
【0054】
ステップ83で、差検出器は一時的に格納されたカウンタ値と現時のカウント値の差を判定する。したがって、レジスタ1・61に保持される値は、ライン69から入力される値と比較される。これらのカウンタ値間の差、すなわちデルタは、差検出器63からDIFF信号65として出力される。DIFF信号65は第2のレジスタ62に保持される許容値と比較される。カウンタ値間の差が、DIFF信号65により表され、図6に示された差検出器64により判定されるように第2のレジスタ62に保持される許容値以上であると、ステップ88でロックカウンタはリセットし、フローチャートはステップ81に戻る。カウンタ値間の差(すなわち、DIFF信号65)がレジスタ62の許容値よりも小さい場合、フローチャートはステップ84に続く。
【0055】
ステップ84で、ロックカウンタ68は増加される。ステップ85で、レジスタはロックカウンタ68の値が十分であるかどうかを判定する。ロックカウンタ68の値は、予め決められユーザーが定義できるロック値に達する場合、位相同期ループロックを示すのに十分であると考えられる。このユーザーが定義できる値に達することは、位相同期ループロックの状態がLOCK66のような位相同期ループロックを示す出力信号をアサートするのに十分に長く観測されたことを示す。ロックカウンタ68の値が位相同期ループロックを示すのに十分でない場合、フローチャートはステップ82に戻る。ロックカウンタ68の値が予め決められたロック値に達した場合、フローチャートはステップ86に続く。ステップ86で、LOCK66のような位相同期ループロックを示す出力は、アサートされる。
【0056】
図9は、本発明による疑似ランダムタイマーを用いたロック検出器の改善を示すグラフである。図9は、図5を参照して上述したように誤ってロックを示す問題をこの発明がどのように克服するかを示す。
【0057】
図9に示されているのは、一定の周期を有する振動信号92である。再び説明のために、信号92の値が一定の場合、位相同期ループ回路がロックされると仮定する。信号92が一定であるかどうかを判定するために、信号92の値がサンプリングされ、各サンプル時間で取得された値が比較される。この例において、信号92の値が最初に時間91でサンプリングされる。信号92の値が横軸でゼロであると仮定すると、時間91での信号92の値はゼロである。期間t1・903の後、信号92は時間93でサンプリングされる。信号92の値は再びゼロになる。
【0058】
その後、信号92の値は不規則な疑似ランダム間隔(例えば、t1≠t2≠t3≠t4≠t5≠t6≠t7≠t8)でサンプリングされる。そのため、信号92の値は周期的な間隔でゼロであるが、サンプリングは周期的な間隔で行われていないので、これらのゼロ値はサンプリングされる必要はない。例えば、期間t2・905の後、信号93は時間93でサンプリングされ、ゼロ以外の結果が得られる。期間t2・905は期間t1・903と同等ではない。このように、誤ったロック表示が避けられる。例えば、各期間t1・903、t2・905、t3・907、及びt4・909は他と異なる。
【0059】
以上の明細書において、本発明は特定の実施形態に関して述べられた。しかしながら、当業者は、様々な変形と変更を特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなくなすことができることを理解する。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例の意味にあるとみなすべきであり、全てのそのような変形は本発明の範囲内に含まれることを意図されている。
【0060】
問題に対する利益、他の利点、及び解決策は、特定の実施形態に関して上述された。しかしながら、問題に対する利益、利点、解決策、及び任意の利益、利点、または解決策を生じさせるあるいはより顕著にさせることができる任意の要素は、いずれかまたは全ての請求項の重要な、所要の、または必須の特徴あるいは要素として解釈されるべきではない。
【0061】
本発明によれば、例えば、以下の視点1乃至29に記載されるようなロック検出位相同期ループ回路、ロック検出器、及びロック検出の方法が提供可能である。
【0062】
[視点1]
クロック信号とフィードバック信号を受信し、アップ信号とダウン信号を供給する位相周波数検出器と、
第1のカウンタ値を保持し、前記第1のカウンタ値は前記アップ信号により増加され前記ダウン信号により減少される第1のカウンタと、
前記第1のカウンタ値を受信し、第1の時間でサンプリングされた第1のカウンタ値を第2の時間でサンプリングされた第1のカウンタ値と比較し、前記サンプリングされた第1のカウンタ値同士が実質的に一致するかどうかを判定するロック検出器と、
を備えたロック検出位相同期ループ回路。
【0063】
[視点2]
さらに第2のカウンタを備え、サンプリングされたカウンタ値が実質的に一致している場合、前記ロック検出器は第2のカウンタ値を増加させる視点1に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【0064】
[視点3]
さらに出力ポートを備え、前記第2のカウンタ値がユーザー定義の値を超えた場合、前記出力ポートはアサートされた信号を供給する視点2に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【0065】
[視点4]
前記ロック検出器は、
第1の時間でサンプリングされた第1のカウンタ値を一時的に格納するよう構成された第1のレジスタと、
一時的に格納された前記第1のカウンタ値を第2の時間でサンプリングされた第1のカウンタ値と比較するよう構成された第1の差検出器と、
前記第1の差検出器の出力を予め決められた値と比較するよう構成された第2の差検出器と、
前記第1の差検出器の前記出力が前記予め決められた値よりも小さい場合、第2のカウンタ値を増加させ、前記第2のカウンタ値が前記ユーザー定義の値に達した場合、出力をアサートするよう構成された第2のカウンタと、
を備える視点1に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【0066】
[視点5]
前記ロック検出器は、前記サンプリングを開始するよう構成されたタイマーをさらに備える視点4に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【0067】
[視点6]
前記タイマーは、疑似ランダムサンプリング間隔を有するようさらに構成されている視点5に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【0068】
[視点7]
前記タイマーは、
疑似ランダム出力を供給するよう構成された線形フィードバックシフトレジスタと、
クロック信号を入力として受信し、分周されたクロック信号を出力として供給するよう構成された分周器と、
値を保持するよう構成されたクロックカウンタであり、前記クロックカウンタ値が前記分周器により作動されるクロックカウンタと、
第1の入力として前記疑似ランダム出力を受信し、第2の入力として前記クロックカウンタ値を受信し、前記クロックカウンタ値が前記疑似ランダム出力よりも大きい場合、アサートされた可変タイマー出力を供給するよう構成された第3の差検出器と、
を備える視点6に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【0069】
[視点8]
約1GHzよりも大きい出力周波数をさらに含む視点1に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【0070】
[視点9]
カウンタ値を保持し、デジタルカウンタ値を供給するよう構成された第1のカウンタと、
前記デジタルカウンタ値を受信するよう機能するロック検出器であり、
前記デジタルカウンタ値を一時的に格納するよう構成された第1のレジスタと、
一時的に格納された前記デジタルカウンタ値を現時のデジタルカウンタ値と比較する
よう構成された第1の差検出器と、
前記第1の差検出器の出力を予め決められた値と比較するよう構成された第2の差検
出器と、
前記第1の差検出器の出力が前記予め決められた値よりも小さい場合、第2のカウン
タ値を増加させ、前記第2のカウンタ値がユーザー定義の値に達した場合、出力信号をアサートするよう構成された第2のカウンタと、
を備えたロック検出器と、
を備えたロック検出位相同期ループ回路。
【0071】
[視点10]
約1GHzよりも大きい出力周波数をさらに備える視点9に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【0072】
[視点11]
前記ロック検出器は、
疑似ランダム出力を供給するよう構成された線形フィードバックシフトレジスタと、
クロック信号を入力として受信し、分周されたクロック信号を分周器出力として供給するよう構成された分周器と、
クロックカウンタ値を保持し、前記分周器出力を入力として受信し、前記分周器出力に従って前記クロックカウンタ値を増加させるよう構成されたクロックカウンタと、
第1の入力として前記疑似ランダム出力を受信し、第2の入力として前記クロックカウンタ値を受信し、前記クロックカウンタ値が前記疑似ランダム出力よりも大きい場合、アサートされた可変タイマー出力を供給するよう構成された第3の差検出器と、
をさらに備える視点10に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【0073】
[視点12]
位相周波数検出器であり、前記カウンタ値をUP出力信号で増加させ、前記カウンタ値をDOWN出力信号で減少させるよう構成された位相周波数検出器と、
チャージポンプであり、前記デジタルカウンタ値を入力として受信し、前記カウンタ値に比例する出力を電圧制御発振器の入力ノードに供給するよう構成されたチャージポンプと、
をさらに備えた視点11に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【0074】
[視点13]
第1の差を供給するよう構成された第1の差検出器と、
前記第1の差を受信するよう構成された第2の差検出器と、
前記第1の差が許容範囲内である場合、カウンタ値を増加させるよう構成されたカウンタと、
出力ポートであり、前記カウンタ値が予め決められた値以上である場合、アサートされた信号を供給する出力ポートと、
を備えた回路中でロックを判定するためのロック検出器。
【0075】
[視点14]
前記第1の差は、第1の時間で前記第1のレジスタに一時的に格納されたデジタル信号と第2の時間で前記第1の差検出器に供給されたデジタル信号との差を含み、前記第1の差は前記第2の時間で判定される視点13に記載のロック検出器。
【0076】
[視点15]
前記第1の時間と前記第2の時間の間の期間を決定するよう構成されたタイマーをさらに備える視点14に記載のロック検出器。
【0077】
[視点16]
前記可変タイマーは、
疑似ランダム出力を供給するよう構成された線形フィードバックシフトレジスタと、
クロック信号を入力として受信し、分周されたクロック信号を分周器出力として供給するよう構成された分周器と、
値を保持し、前記分周器出力を入力として受信するよう構成されたクロックカウンタであり、前記分周器出力に従って前記値を増加させるよう構成されたクロックカウンタと、
第1の入力として前記疑似ランダム出力を受信し、第2の入力として前記クロックカウンタにより保持された前記値を受信し、前記クロックカウンタにより保持された値が前記疑似ランダム出力よりも大きい場合、アサートされた可変タイマー出力を供給するよう構成された第3の差検出器と、
を備える視点15に記載のロック検出器。
【0078】
[視点17]
前記可変タイマーは、
前記線形フィードバックシフトレジスタをアサートされた前記可変タイマー出力でクロック制御するよう構成され、前記クロック制御することは新たな疑似ランダム出力を生成するシフトレジスタフィードバックループと、
前記クロックカウンタをアサートされた前記可変タイマー出力でリセットするよう構成されたクロックカウンタフィードバックループと、
をさらに備える視点16に記載のロック検出器。
【0079】
[視点18]
前記ロック検出器は、予め決められた値を保持するよう構成された第2のレジスタをさらに備え、前記第2の差検出器は、さらに前記予め決められた値を受信し、前記第1の差を前記予め決められた値と比較するよう構成された視点17に記載のロック検出器。
【0080】
[視点19]
前記第2の差検出器により供給された前記出力はカウントアップ信号を含み、前記カウントアップ信号は、前記第1の差が前記予め決められた値よりも小さい場合にアサートされ、さらに前記カウンタは、前記カウントアップ信号がアサートされた時に前記カウンタ値を増加させるよう構成されている視点18に記載のロック検出器。
【0081】
[視点20]
前記第2の差検出器により供給された前記出力はリセット信号を含み、前記リセット信号は、前記第1の差が前記予め決められた値よりも大きい場合にアサートされ、さらに前記カウンタは、前記リセット信号がアサートされた時に前記カウンタ値をリセットするよう構成されている視点19に記載のロック検出器。
【0082】
[視点21]
前記ロック検出器は、位相同期ループ回路のロックを判定するよう構成され、前記位相同期ループ回路は約1GHzよりも大きい出力周波数を有する視点19に記載のロック検出器。
【0083】
[視点22]
位相同期ループ回路(PLL)のためのロック検出の方法であり、
第1の時間で第1のカウンタ値を取得することと、
第2の時間で第2のカウンタ値を取得することと、
前記第1のカウンタ値を前記第2のカウンタ値と比較し第1の差を取得することと、
前記第1の差が許容範囲内である場合にロックカウンタ値を増加させることと、
前記ロックカウンタ値が予め決められた値に達した時にロックカウンタ出力をアサートすることと、
を含む方法。
【0084】
[視点23]
前記第1の差が前記許容範囲内でない場合に前記ロックカウンタ値をリセットすることをさらに含む視点22に記載の方法。
【0085】
[視点24]
第3の時間で第3のカウンタ値を取得することと、
前記第2のカウンタ値を前記第3のカウンタ値と比較し第2の差を取得することと、
前記第2の差が前記許容範囲内である場合に前記ロックカウンタ値を増加させることと、
前記第2の差が前記許容範囲内でない場合に前記ロックカウンタ値をリセットすることと、
をさらに含む視点23に記載の方法。
【0086】
[視点25]
第1の時間間隔は前記第1の時間を前記第2の時間から離し、第2の時間間隔は前記第2の時間を前記第3の時間から離し、前記第1の時間間隔は前記第2の時間間隔と同等でない視点24に記載の方法。
【0087】
[視点26]
値を生成し前記第1及び第2の時間間隔を定義することをさらに含む視点25に記載の方法。
【0088】
[視点27]
前記第1のカウンタ値を前記第2のカウンタ値と比較し第1の差を取得することは、
前記第1のカウンタ値を第1の時間で第1のレジスタに格納することと、
第1の差検出器で、格納された前記第1のカウンタ値を第2の時間で前記第2のカウンタ値と比較することと、
を含む視点26に記載の方法。
【0089】
[視点28]
前記第2のカウンタ値を前記第3のカウンタ値と比較し前記第2の差を取得することは、
前記第2のカウンタ値を前記第2の時間で前記第1のレジスタに格納することと、
第1の差検出器で、格納された前記第2のカウンタ値を第3の時間で前記第3のカウンタ値と比較することと、
を含む視点27に記載の方法。
【0090】
[視点29]
前記位相同期ループ回路を約1GHzよりも大きい出力周波数とともに構成することをさらに含む視点28に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】ロック検出器を有し本発明により構成された位相同期ループ回路のブロック図。
【図2】図1の位相同期ループ回路10に示されるチャージポンプ14のようなデジタルチャージポンプのブロック図。
【図3】本発明によるロック検出器の一実施形態。
【図4】本発明によるロック検出器を有する位相同期ループ回路の動作を表すフローチャート。
【図5】一定のサンプリング周波数を有するロック検出器の一つの潜在的制限を示すグラフ。
【図6】本発明によるロック検出器の一実施形態。
【図7】本発明による可変タイマーの一実施形態。
【図8】本発明によるロック検出器を有する位相同期ループ回路の動作を表すフローチャート。
【図9】本発明によるロック検出器の改善を示すグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロック信号とフィードバック信号を受信し、アップ信号とダウン信号を供給する位相周波数検出器と、
第1のカウンタ値を保持し、前記第1のカウンタ値は前記アップ信号により増加され前記ダウン信号により減少される第1のカウンタと、
前記第1のカウンタ値を受信し、第1の時間でサンプリングされた第1のカウンタ値を第2の時間でサンプリングされた第1のカウンタ値と比較し、前記サンプリングされた第1のカウンタ値同士が実質的に一致するかどうかを判定するロック検出器と、
を備えたロック検出位相同期ループ回路。
【請求項2】
さらに第2のカウンタを備え、サンプリングされたカウンタ値が実質的に一致している場合、前記ロック検出器は第2のカウンタ値を増加させる請求項1に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【請求項3】
さらに出力ポートを備え、前記第2のカウンタ値がユーザー定義の値を超えた場合、前記出力ポートはアサートされた信号を供給する請求項2に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【請求項4】
前記ロック検出器は、
第1の時間でサンプリングされた第1のカウンタ値を一時的に格納するよう構成された第1のレジスタと、
一時的に格納された前記第1のカウンタ値を第2の時間でサンプリングされた第1のカウンタ値と比較するよう構成された第1の差検出器と、
前記第1の差検出器の出力を予め決められた値と比較するよう構成された第2の差検出器と、
前記第1の差検出器の前記出力が前記予め決められた値よりも小さい場合、第2のカウンタ値を増加させ、前記第2のカウンタ値が前記ユーザー定義の値に達した場合、出力をアサートするよう構成された第2のカウンタと、
を備える請求項1に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【請求項5】
前記ロック検出器は、前記サンプリングを開始するよう構成されたタイマーをさらに備える請求項4に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【請求項6】
前記タイマーは、疑似ランダムサンプリング間隔を有するようさらに構成されている請求項5に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【請求項7】
前記タイマーは、
疑似ランダム出力を供給するよう構成された線形フィードバックシフトレジスタと、
クロック信号を入力として受信し、分周されたクロック信号を出力として供給するよう構成された分周器と、
値を保持するよう構成されたクロックカウンタであり、前記クロックカウンタ値が前記分周器により作動されるクロックカウンタと、
第1の入力として前記疑似ランダム出力を受信し、第2の入力として前記クロックカウンタ値を受信し、前記クロックカウンタ値が前記疑似ランダム出力よりも大きい場合、アサートされた可変タイマー出力を供給するよう構成された第3の差検出器と、
を備える請求項6に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【請求項8】
約1GHzよりも大きい出力周波数をさらに含む請求項1に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【請求項9】
カウンタ値を保持し、デジタルカウンタ値を供給するよう構成された第1のカウンタと、
前記デジタルカウンタ値を受信するよう機能するロック検出器であり、
前記デジタルカウンタ値を一時的に格納するよう構成された第1のレジスタと、
一時的に格納された前記デジタルカウンタ値を現時のデジタルカウンタ値と比較するよう構成された第1の差検出器と、
前記第1の差検出器の出力を予め決められた値と比較するよう構成された第2の差検出器と、
前記第1の差検出器の出力が前記予め決められた値よりも小さい場合、第2のカウンタ値を増加させ、前記第2のカウンタ値がユーザー定義の値に達した場合、出力信号をアサートするよう構成された第2のカウンタと、
を備えたロック検出器と、
を備えたロック検出位相同期ループ回路。
【請求項10】
約1GHzよりも大きい出力周波数をさらに備える請求項9に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【請求項11】
前記ロック検出器は、
疑似ランダム出力を供給するよう構成された線形フィードバックシフトレジスタと、
クロック信号を入力として受信し、分周されたクロック信号を分周器出力として供給するよう構成された分周器と、
クロックカウンタ値を保持し、前記分周器出力を入力として受信し、前記分周器出力に従って前記クロックカウンタ値を増加させるよう構成されたクロックカウンタと、
第1の入力として前記疑似ランダム出力を受信し、第2の入力として前記クロックカウンタ値を受信し、前記クロックカウンタ値が前記疑似ランダム出力よりも大きい場合、アサートされた可変タイマー出力を供給するよう構成された第3の差検出器と、
をさらに備える請求項10に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【請求項12】
位相周波数検出器であり、前記カウンタ値をUP出力信号で増加させ、前記カウンタ値をDOWN出力信号で減少させるよう構成された位相周波数検出器と、
チャージポンプであり、前記デジタルカウンタ値を入力として受信し、前記カウンタ値に比例する出力を電圧制御発振器の入力ノードに供給するよう構成されたチャージポンプと、
をさらに備えた請求項11に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【請求項13】
第1の差を供給するよう構成された第1の差検出器と、
前記第1の差を受信するよう構成された第2の差検出器と、
前記第1の差が許容範囲内である場合、カウンタ値を増加させるよう構成されたカウンタと、
出力ポートであり、前記カウンタ値が予め決められた値以上である場合、アサートされた信号を供給する出力ポートと、
を備えた回路中でロックを判定するためのロック検出器。
【請求項14】
前記第1の差は、第1の時間で前記第1のレジスタに一時的に格納されたデジタル信号と第2の時間で前記第1の差検出器に供給されたデジタル信号との差を含み、前記第1の差は前記第2の時間で判定される請求項13に記載のロック検出器。
【請求項15】
前記第1の時間と前記第2の時間の間の期間を決定するよう構成されたタイマーをさらに備える請求項14に記載のロック検出器。
【請求項16】
前記可変タイマーは、
疑似ランダム出力を供給するよう構成された線形フィードバックシフトレジスタと、
クロック信号を入力として受信し、分周されたクロック信号を分周器出力として供給するよう構成された分周器と、
値を保持し、前記分周器出力を入力として受信するよう構成されたクロックカウンタであり、前記分周器出力に従って前記値を増加させるよう構成されたクロックカウンタと、
第1の入力として前記疑似ランダム出力を受信し、第2の入力として前記クロックカウンタにより保持された前記値を受信し、前記クロックカウンタにより保持された値が前記疑似ランダム出力よりも大きい場合、アサートされた可変タイマー出力を供給するよう構成された第3の差検出器と、
を備える請求項15に記載のロック検出器。
【請求項17】
前記可変タイマーは、
前記線形フィードバックシフトレジスタをアサートされた前記可変タイマー出力でクロック制御するよう構成され、前記クロック制御することは新たな疑似ランダム出力を生成するシフトレジスタフィードバックループと、
前記クロックカウンタをアサートされた前記可変タイマー出力でリセットするよう構成されたクロックカウンタフィードバックループと、
をさらに備える請求項16に記載のロック検出器。
【請求項18】
前記ロック検出器は、予め決められた値を保持するよう構成された第2のレジスタをさらに備え、前記第2の差検出器は、さらに前記予め決められた値を受信し、前記第1の差を前記予め決められた値と比較するよう構成された請求項17に記載のロック検出器。
【請求項19】
前記第2の差検出器により供給された前記出力はカウントアップ信号を含み、前記カウントアップ信号は、前記第1の差が前記予め決められた値よりも小さい場合にアサートされ、さらに前記カウンタは、前記カウントアップ信号がアサートされた時に前記カウンタ値を増加させるよう構成されている請求項18に記載のロック検出器。
【請求項20】
前記第2の差検出器により供給された前記出力はリセット信号を含み、前記リセット信号は、前記第1の差が前記予め決められた値よりも大きい場合にアサートされ、さらに前記カウンタは、前記リセット信号がアサートされた時に前記カウンタ値をリセットするよう構成されている請求項19に記載のロック検出器。
【請求項21】
前記ロック検出器は、位相同期ループ回路のロックを判定するよう構成され、前記位相同期ループ回路は約1GHzよりも大きい出力周波数を有する請求項19に記載のロック検出器。
【請求項22】
位相同期ループ回路(PLL)のためのロック検出の方法であり、
第1の時間で第1のカウンタ値を取得することと、
第2の時間で第2のカウンタ値を取得することと、
前記第1のカウンタ値を前記第2のカウンタ値と比較し第1の差を取得することと、
前記第1の差が許容範囲内である場合にロックカウンタ値を増加させることと、
前記ロックカウンタ値が予め決められた値に達した時にロックカウンタ出力をアサートすることと、
を含む方法。
【請求項23】
前記第1の差が前記許容範囲内でない場合に前記ロックカウンタ値をリセットすることをさらに含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
第3の時間で第3のカウンタ値を取得することと、
前記第2のカウンタ値を前記第3のカウンタ値と比較し第2の差を取得することと、
前記第2の差が前記許容範囲内である場合に前記ロックカウンタ値を増加させることと、
前記第2の差が前記許容範囲内でない場合に前記ロックカウンタ値をリセットすることと、
をさらに含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
第1の時間間隔は前記第1の時間を前記第2の時間から離し、第2の時間間隔は前記第2の時間を前記第3の時間から離し、前記第1の時間間隔は前記第2の時間間隔と同等でない請求項24に記載の方法。
【請求項26】
値を生成し前記第1及び第2の時間間隔を定義することをさらに含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のカウンタ値を前記第2のカウンタ値と比較し第1の差を取得することは、
前記第1のカウンタ値を第1の時間で第1のレジスタに格納することと、
第1の差検出器で、格納された前記第1のカウンタ値を第2の時間で前記第2のカウンタ値と比較することと、
を含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第2のカウンタ値を前記第3のカウンタ値と比較し前記第2の差を取得することは、
前記第2のカウンタ値を前記第2の時間で前記第1のレジスタに格納することと、
第1の差検出器で、格納された前記第2のカウンタ値を第3の時間で前記第3のカウンタ値と比較することと、
を含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記位相同期ループ回路を約1GHzよりも大きい出力周波数とともに構成することをさらに含む請求項28に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロック信号とフィードバック信号を受信し、アップ信号とダウン信号を供給する位相周波数検出器と、
第1のカウンタ値を保持し、前記第1のカウンタ値は前記アップ信号により増加され前記ダウン信号により減少される第1のカウンタと、
前記第1のカウンタ値を受信し、第1の時間でサンプリングされた第1のカウンタ値を第2の時間でサンプリングされた第1のカウンタ値と比較し、前記サンプリングされた第1のカウンタ値同士が実質的に一致するかどうかを判定するロック検出器と、
を備えたロック検出位相同期ループ回路。
【請求項2】
前記ロック検出器は、
第1の時間でサンプリングされた第1のカウンタ値を一時的に格納するよう構成された第1のレジスタと、
一時的に格納された前記第1のカウンタ値を第2の時間でサンプリングされた第1のカウンタ値と比較するよう構成された第1の差検出器と、
前記第1の差検出器の出力を予め決められた値と比較するよう構成された第2の差検出器と、
前記第1の差検出器の前記出力が前記予め決められた値よりも小さい場合、第2のカウンタ値を増加させ、前記第2のカウンタ値が前記ユーザー定義の値に達した場合、出力をアサートするよう構成された第2のカウンタと、
を備える請求項1に記載のロック検出位相同期ループ回路。
【請求項3】
カウンタ値を保持し、デジタルカウンタ値を供給するよう構成された第1のカウンタと、
前記デジタルカウンタ値を受信するよう機能するロック検出器であり、
前記デジタルカウンタ値を一時的に格納するよう構成された第1のレジスタと、
一時的に格納された前記デジタルカウンタ値を現時のデジタルカウンタ値と比較する
よう構成された第1の差検出器と、
前記第1の差検出器の出力を予め決められた値と比較するよう構成された第2の差検
出器と、
前記第1の差検出器の出力が前記予め決められた値よりも小さい場合、第2のカウン
タ値を増加させ、前記第2のカウンタ値がユーザー定義の値に達した場合、出力信号を
アサートするよう構成された第2のカウンタと、
を備えたロック検出器と、
を備えたロック検出位相同期ループ回路。
【請求項4】
第1の差を供給するよう構成された第1の差検出器と、
前記第1の差を受信するよう構成された第2の差検出器と、
前記第1の差が許容範囲内である場合、カウンタ値を増加させるよう構成されたカウンタと、
出力ポートであり、前記カウンタ値が予め決められた値以上である場合、アサートされた信号を供給する出力ポートと、
を備えた回路中でロックを判定するためのロック検出器。
【請求項5】
位相同期ループ回路(PLL)のためのロック検出の方法であり、
第1の時間で第1のカウンタ値を取得することと、
第2の時間で第2のカウンタ値を取得することと、
前記第1のカウンタ値を前記第2のカウンタ値と比較し第1の差を取得することと、
前記第1の差が許容範囲内である場合にロックカウンタ値を増加させることと、
前記ロックカウンタ値が予め決められた値に達した時にロックカウンタ出力をアサートすることと、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−333489(P2006−333489A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−145774(P2006−145774)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】