位相差検出装置及びこれを用いた画像形成装置
【課題】像担持体の回転方向に沿った周期的な回転変動の画像露光位置における位相と画像転写位置における位相との位相差を、検出することを可能とした位相差検出装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】パターン形成手段によって前記記録媒体上に形成された位相差検出用のパターンを目視により検知するか、又は前記中間転写体上に形成された位相差検出用のパターンを検知手段によって検知することにより、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出するように構成した。
【解決手段】パターン形成手段によって前記記録媒体上に形成された位相差検出用のパターンを目視により検知するか、又は前記中間転写体上に形成された位相差検出用のパターンを検知手段によって検知することにより、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出するように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、位相差検出装置及びこれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平06−238954号公報
【特許文献2】特開平06−261177号公報
【特許文献3】特開平09−123532号公報
【特許文献4】特開2002−189328号公報
【特許文献5】特許第3648131号公報
【0003】
従来、上記画像形成装置において、画像の形成位置を検出し、当該検出結果に基づいて画像の形成位置を制御することにより、画像の位置ずれを補正する技術としては、例えば、特開平06−238954号公報や特開平06−261177号公報、特開平09−123532号公報、特開2002−189328号公報及び特許第3648131号公報等に開示されたものが、既に種々提案されている。
【0004】
上記特開平06−238954号公報に係る画像形成装置は、各像担持体に形成した色の異なるトナー画像を重ね合わせて記録紙に転写記録する画像形成装置において、任意の色に対して他の色を縦横に1又は数ドットずつ順次ずらした複数の位置合せ用マークを記録するための情報を格納するメモリと、このメモリの情報に基づいて各色の位置合せ用マークを対応する像担持体に形成しトナー画像として記録紙に転写記録する位置合せ用マーク記録手段と、前記各像担持体に形成する画像の形成開始位置を設定した画像形成開始位置設定手段と、この画像形成開始位置設定手段に設定した前記各像担持体の画像形成開始位置を可変調整する可変調整手段を設け、前記位置合せ用マーク記録手段で記録した各色の位置合せ用マークに基づいて前記可変調整手段により像担持体の画像形成開始位置を調整するように構成したものである。
【0005】
また、上記特開平06−261177号公報に係る画像形成装置は、原稿台上の原稿の画像を光学的に走査するとともに光学的情報を電気的情報に変換する画像読取部と、画像読取部からの電気的情報に基づいて転写材上に画像を形成する画像形成部を有する画像形成装置において、画像読取部は読み取った電気的情報から原稿上の画像位置を算出する手段を備えるように構成したものである。
【0006】
さらに、上記特開平09−123532号公報に係る色ズレ補正方法は、3色光ビームの各々を画像データに基づいて変調し、それらの変調された光ビームにより感光材料を走査して、該感光材料に前記画像データが示すカラー画像を記録する画像記録装置において、所定のテストパターンを示すテストパターンデータを発生させ、このテストパターンデータに、各々異なる色ズレ状態が生じるように複数通りの色ズレ処理を施し、これら複数通りの色ズレ処理の条件を記憶手段に記憶しておき、前記色ズレ処理をそれぞれ受けたテストパターンデータに基づいて前記3色光ビームを変調し、それらの光ビームにより感光材料を走査して該感光材料に複数通りのテストパターンを記録し、これらの記録された複数通りのテストパターンのうち、色ズレの程度が最小のテストパターンを記録したテストパターンデータに対応する色ズレ処理の条件を前記記憶手段から読み出し、前記画像データに基づいてカラー画像を記録する際にそれらの画像データに、前記記憶手段から読み出した条件と同条件の色ズレ処理を施すように構成したものである。
【0007】
又、上記特開2002−189328号公報に係る画像形成装置は、機能選択、実行等の操作を行う操作部および表示部と、原稿を走査した画像光をCCDイメージセンサを用いて複数の色成分からなる電気信号に変換する変換部を有する画像読取部と、前記電気信号に基づいてカラー画像を形成する画像形成部と、を備えるカラー画像形成装置において、予め定められた間隔で繰り返されたパターン原稿を前記画像読取部にて読み取ったデジタル入力データから、色ずれ量を演算する演算手段と、前記演算手段による結果を前記操作部の表示部に表示させる表示手段と、を具備するように構成したものである。
【0008】
更に、上記特許第3648131号公報に係る画像形成装置は、記録媒体を副走査方向に搬送しつつ、複数の画像形成手段によって各色の画像を該記録媒体に重ね合わせて記録する画像形成装置において、
それぞれの画像形成手段によって複数のパターンを記録媒体に副走査方向に順次並べて記録させるパターン記録手段と、
各画像形成手段による記録が終了して画像形成装置本体から排出された記録媒体をセットされ、このセットされた記録媒体上の各パターンを距離の基準となる指標と共に読取る読取り手段と、
読取り手段により読取られた記録媒体上の各パターン及び距離の基準となる指標に基づいて、各画像形成手段別に、画像形成手段によって記録媒体に記録された各パターンの位置を検出し、該各パターンの位置関係に基づいて該画像形成手段の周期的に変動する駆動ムラの位相を測定する測定手段と、
各画像形成手段の周期的な駆動ムラの位相を調整する調整手段とを備えるように構成したものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、像担持体の回転方向に沿った周期的な回転変動の画像露光位置における位相と画像転写位置における位相との位相差を、検出することを可能とした位相差検出装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、請求項1に記載された発明は、回転駆動される像担持体上に画像露光を施して静電潜像を形成し、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像することで形成されたトナー像を、転写位置において直接又は中間転写体を介して記録媒体上に転写するか、あるいは前記中間転写体上に転写することにより、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出するための位相差検出用のパターンを、前記記録媒体又は前記中間転写体上に形成するパターン形成手段を備え、
前記パターン形成手段によって前記記録媒体上に形成された位相差検出用のパターンを目視により検知するか、又は前記中間転写体上に形成された位相差検出用のパターンを検知手段によって検知することにより、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出することを特徴とする位相差検出装置である。
【0011】
また、請求項2に記載された発明は、前記パターン形成手段は、前記位相差検出用のパターンを前記像担持体の回転変動に対して位相を異ならせて複数形成することを特徴とする請求項1に記載の位相差検出装置である。
【0012】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記位相差検出用のパターンは、前記像担持体の軸方向に沿って予め定められた幅を有し、且つ前記像担持体の回転方向に沿って予め定められた長さを有する中間調濃度の帯状画像からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の位相差検出装置である。
【0013】
又、請求項4に記載された発明は、前記位相差検出用のパターンは、前記像担持体の軸方向に沿って予め定められた長さを有し、且つ前記像担持体の回転方向に沿って予め定められた間隔で形成された直線状画像からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の位相差検出装置である。
【0014】
更に、請求項5に記載された発明は、前記検知手段としては、画像形成装置に設けられた画像読取装置を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の位相差検出装置である。
【0015】
また、請求項6に記載された発明は、前記検知手段は、前記中間転写体と対向するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の位相差検出装置である。
【0016】
さらに、請求項7に記載された発明は、前記パターン形成手段は、画像形成手段に対して前記位相差検出用パターンの画像を出力する手段からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の位相差検出装置である。
【0017】
又、請求項8に記載された発明は、前記位相差検出用パターンの画像データに基づいて、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出する位相差検出手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の位相差検出装置である。
【0018】
更に、請求項9に記載された発明は、回転駆動される像担持体と、
前記像担持体上に画像を露光する画像露光手段と、
前記画像露光手段の画像露光によって前記像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、
前記現像手段によって前記像担持体上に現像されたトナー像を記録媒体又は中間転写体上に転写する転写手段と、
前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出するための位相差検出用のパターンを、記録媒体又は前記中間転写体上に形成するパターン形成手段と、
前記パターン形成手段によって前記記録媒体上に形成された位相差検出用のパターン、又は前記中間転写体上に形成された位相差検出用のパターンを検知手段によって検知することにより、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出する位相差検出手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載された発明によれば、像担持体の回転方向に沿った周期的な回転変動の画像露光位置における位相と画像転写位置における位相との位相差を検出することができる。
【0020】
また、請求項2に記載された発明によれば、位相差検出用のパターンを目視乃至検知するだけで、像担持体の回転方向に沿った周期的な回転変動の画像露光位置における位相と画像転写位置における位相との位相差を直ちに検出することができる。
【0021】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、少ないスペースで多くの種類の位相差検出用パターンを形成することができる。
【0022】
又、請求項4に記載された発明によれば、位相差検出用パターンを形成するためのトナー消費を少なくすることができる。
【0023】
更に、請求項5に記載された発明によれば、画像形成装置が備える画像読取装置をそのまま利用することができる。
【0024】
また、請求項6に記載された発明によれば、位相差検出用パターンの検知を自動化することができる。
【0025】
さらに、請求項7に記載された発明によれば、従来の画像形成装置の画像形成手段をそのまま利用することができる。
【0026】
又、請求項8に記載された発明によれば、位相差の検出を自動化することができる。
【0027】
更に、請求項9に記載された発明によれば、像担持体の回転方向に沿った周期的な回転変動の画像露光位置における位相と画像転写位置における位相との位相差を、検出することを可能とした画像形成装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのカラー画像形成装置を示すものである。このカラー画像形成装置は、画像読取装置を備えており、プリンターとしての機能以外に、複写機並びにファクシミリとしての機能を備えている。
【0030】
図2において、1はカラー画像形成装置の本体を示すものであり、この装置本体1の上方には、原稿2を一枚ずつ分離した状態で自動的に搬送する自動原稿搬送装置3と、当該自動原稿搬送装置3によって搬送される原稿2の画像を読み取る原稿読取装置4が配設されている。この原稿読取装置4は、プラテンガラス5上に配置された原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光することにより、この画像読取素子11によって原稿2の反射光像を予め定められた解像度で読み取るように構成されている。
【0031】
上記原稿読取装置4によって読み取られた原稿2の反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の原稿反射率データとして画像処理装置12に送られ、この画像処理装置12では、原稿2の反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の予め定められた画像処理が施される。また、画像処理装置12は、図示しないパーソナルコンピュータや電話回線等から送られてくる画像データに対しても、予め定められた画像処理を行なうように構成されている。なお、上記画像処理装置12は、図示しないパーソナルコンピュータや電話回線等に対して送信する画像データに対しても、必要に応じて予め定められた画像処理を行なう。
【0032】
そして、上記の如く画像処理装置12で予め定められた画像処理が施された画像データは、同じく画像処理装置12によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の画像データに変換され、次に述べるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの画像露光装置14に送られ、この画像露光装置14では、予め定められた色の原稿2の画像データに応じてLED発光素子アレイから出射される光によって画像露光が行われる。
【0033】
上記カラーの画像形成装置本体1の内部には、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット(画像形成部)13Y、13M、13C、13Kが、第1色目のイエロー(Y)の画像形成ユニット13Yが相対的に高く、最終色の黒(K)の画像形成ユニット13Kが相対的に低くなるように、水平方向に対して予め定められた角度だけ傾斜した状態で一定の間隔を隔てて並列的に配置されている。
【0034】
このように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kを、予め定められた角度だけ傾斜した状態で配置することにより、これら4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kを水平に配置した場合に比較して、幅方向の距離を短く設定することができ、装置本体1の幅を小さくして小型化が可能となる。
【0035】
これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、基本的に、同様に構成されており、図2及び図3に示すように、大別して、図示しない駆動手段によって予め定められた速度で回転駆動される像担持体としての感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電用の帯電ロール16と、当該感光体ドラム15の表面に予め定められた色に対応した画像を露光して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる画像露光装置14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を予め定められた色のトナーで現像する現像装置17と、感光体ドラム15の表面を清掃するクリーニング装置18とから構成されている。
【0036】
上記感光体ドラム15としては、例えば、直径30mmのドラム状に形成され、表面に有機感光体を被覆したものが用いられ、後述するように、図示しない駆動モーターによって予め定められた速度で回転駆動される。
【0037】
また、上記帯電ロール16としては、例えば、芯金の表面に合成樹脂やゴムからなり電気抵抗を調整した導電層を被覆したロール状の帯電器が用いられ、この帯電ロール16の芯金には、予め定められた帯電バイアスが印加されるものが用いられている。さらに、この帯電ロール16の表面には、当該帯電ロール16の表面に付着したトナー等の異物を除去するためのクリーニングロール16a(図4参照)が接触するように配置されている。
【0038】
上記画像露光装置14は、図2に示すように、4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13K毎にそれぞれ個別に配置されており、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに設けられた画像露光装置14としては、LED発光素子を予め定められたピッチ(例えば、600dpi〜2400dpi)で感光体ドラム15の軸方向に沿って直線状に配置したLED発光素子アレイと、当該LED発光素子アレイの各LED発光素子から出射された光を感光体ドラム15上にスポット状に結像するセルフォックレンズ(商品名)アレイとを備えたものが用いられる。また、上記画像露光装置14は、図2に示すように、下方から感光体ドラム15上に画像を走査露光するように構成されている。
【0039】
なお、上記画像露光装置14としては、LED発光素子アレイからなるものに限らず、レーザービームを各感光体ドラム15の軸方向に沿って走査露光するものなどを用いても勿論良い。この場合には、4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに対して1つの画像露光装置14を配置しても良い。
【0040】
上記画像処理装置12からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに個別に設けられた画像露光装置14Y、14M、14C、14Kに、対応する色の画像データが順次出力され、これらの画像露光装置14Y、14M、14C、14Kから画像データに応じて出射された光束は、対応する感光体ドラム15の表面に走査露光され、画像データに応じた静電潜像が形成される。上記感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、現像装置17Y、17M、17C、17Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0041】
上記各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの上方にわたって傾斜した状態で配置されたベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト20上に、4つの一次転写ロール21Y、21M、21C、21Kによって順次多重に転写される。
【0042】
この中間転写ベルト20は、複数のロールによって張架された無端ベルト状部材であって、当該ベルト状部材の下辺走行領域が、その走行方向に沿った下流側が相対的に低く、且つ上流側が相対的に高くなるように、水平方向に対して傾斜した状態で配置されている。
【0043】
即ち、上記中間転写ベルト20は、図3に示すように、ドライブロール22と、バックアップロール23と、テンションロール24と、第1のアイドラーロール25と、第2のアイドラーロール26との間に一定のテンションで掛け回されており、図示しない定速性に優れた駆動モーターによって回転駆動されるドライブロール22により、矢印方向に予め定められた速度で循環駆動されるようになっている。上記中間転写ベルト20としては、例えば、可撓性を有するポリイミドやポリアミドイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものや、あるいは最初から無端ベルト状に形成したものなどが用いられる。上記中間転写ベルト20は、その下辺走行領域において、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kに接触するように配置されている。
【0044】
また、上記中間転写ベルト20には、図5に示すように、水平方向Hに対して角度θだけ傾斜した状態で配置された中間転写ベルト20の低位側の端部に配置され、中間転写ベルト20上に一次転写されたトナー像を記録媒体上に二次転写する二次転写手段としての二次転写ロール27が、バックアップロール23によって張架された中間転写ベルト20の表面に当接するように配置されている。
【0045】
上記中間転写ベルト20上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、バックアップロール23に圧接する二次転写ロール27によって、静電気力で記録媒体としての記録用紙28上に二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙28は、鉛直方向の上方に位置する定着器29へと搬送される。上記二次転写ロール27は、バックアップロール23の側方に圧接しており、鉛直方向の下方から上方に搬送される記録用紙28上に、各色のトナー像を二次転写するようになっている。
【0046】
上記二次転写ロール27としては、例えば、ステンレス等の金属からなる芯金の外周に、導電剤を添加したゴム材料等の導電性弾性体からなる弾性体層を予め定められた厚さに被覆したものが用いられる。
【0047】
そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙28は、定着器29によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、定着器29の出口ロール30及び用紙排出経路31を介して第1の排出部としての第1の排出ロール32によって装置本体1の胴体部に設けられた第1の排出トレイ(フェイスダウントレイ)33上に排出されるか、又は第2の排出部としての第2の排出ロール34によって装置本体1の胴体の上方に設けられた途中で屈曲した平板状の第2の排出トレイ35上に排出されるか、又は第3の排出部としての第3の排出ロール36によって装置本体1の側方(図示例では、左側面上方)に突出するように設けられた第3の排出トレイ37上に排出される。なお、上記第3の排出ロール36は、フェイスアップトレイとしての第3の排出トレイ37上に画像面を上にした状態で排出するものである。
【0048】
上記記録用紙28は、図2に示すように、装置本体1の内部に配置された複数段の給紙トレイ40〜43から予め定められたサイズ及び材質のものが、給紙ロール44及び用紙分離搬送用のロール対45、46により一枚ずつ分離された状態で給紙され、搬送ロール49及び用紙搬送路47を介して、レジストロール48まで一旦搬送されて停止される。そして、上記給紙トレイ40〜43の何れかから供給された記録用紙28は、予め定められたタイミングで回転するレジストロール48によって中間転写ベルト20の二次転写位置へ送出される。上記記録用紙28としては、普通紙以外にも、表面又は表裏両面にコーティング処理が施されたコート紙等の厚紙なども供給可能となっており、コート紙からなる記録用紙28には、写真画像なども出力される。
【0049】
なお、上記カラー画像形成装置において、フルカラーやモノクロの両面コピーをとる場合には、片面に画像が定着された記録用紙28を、第1乃至第3の排出ロール32、34、36によって第1乃至第3の排出トレイ33、35、37上にそのまま排出せずに、記録用紙28を第2の排出ロール34へと一旦搬送し、当該記録用紙28の後端が第2の排出ロール34によって挟持されている間に、図示しない切替ゲートによって記録用紙28の搬送方向を切り替え、装置本体1の側面に設けられた両面用搬送ユニット50へと搬送する。そして、この両面用搬送ユニット50では、搬送径路51に沿って設けられた搬送用のロール対52〜54により、記録用紙28がその搬送方向を逆転して表裏を反転した状態で、再度レジストロール48へと搬送され、中間転写ベルト20からトナー像が転写された後、今度は、当該記録用紙28の裏面に画像が転写・定着された後、第1の排出トレイ33乃至第3の排出トレイ37のいずれかに排出される。
【0050】
図2中、55Y、55M、55C、55Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像装置17に、予め定められた色のトナーを供給するトナーカートリッジをそれぞれ示しており、黒(K)色のトナーを収容したトナーカートリッジ55Kは、使用頻度が高いため、他のカラーのトナーカートリッジと比較して大型に形成されている。
【0051】
また、図2中、56は手差しトレイを示すものであり、この手差しトレイ56からは、所望の材質及びサイズの記録媒体28が、給紙ロール57及び用紙分離搬送用のロール対58、59により搬送ロール60を介して、レジストロール48へと搬送される。
【0052】
図3及び図4は上記カラー画像形成装置の各画像形成ユニット(画像形成部)を示すものである。
【0053】
上記イエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、図3及び図4に示すように、形成する画像の色以外すべて同様に構成されており、これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kでは、上述したように、それぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色のトナー像が予め定められたタイミングで順次形成されるように構成されている。上記各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、上述したように、像担持体としての感光体ドラム15を備えており、これらの感光体ドラム15の表面は、一次帯電用の帯電ロール16によって一様に帯電される。その後、上記感光体ドラム15の表面は、画像露光装置14から画像データに応じて出射される光束が走査露光されて、各色の画像データに対応した静電潜像が形成される。上記感光体ドラム15上に走査露光される光束は、当該感光体ドラム15の直下よりやや右側寄りの斜め下方から、予め定められた傾斜角度で露光されるように設定されている。上記感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、図4に示すように、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの現像装置17の現像ロール17aによってそれぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の各色のトナーにより現像されて可視トナー像となり、これらの可視トナー像は、一次転写ロール21の帯電によって中間転写ベルト20上に順次多重に転写される。
【0054】
上記各現像装置17Y、17M、17C、17Kは、トナーとキャリアからなる二成分の現像剤を用いた二成分現像方式を採用しており、現像ロール17aの表面にトナーとキャリアからなる二成分現像剤の磁気ブラシを形成して、対応する色の感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kの表面に形成された静電潜像を現像するように構成されている。なお、上記各現像装置17Y、17M、17C、17Kは、トナーのみからなる一成分現像方式を採用したものであっても良い。
【0055】
トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム15の表面は、図3に示すように、クリーニング装置18によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置18は、図4に示すように、クリーニングブレード61を備えており、このクリーニングブレード61によって、感光体ドラム15上の廃トナー等を除去するようになっている。上記クリーニングブレード61によって除去された廃トナー等は、クリーニング装置18の内部に設けられた搬送用オーガー62によって、予め定められたタイミングで装置本体1のフロント側へと搬送され、図示しない搬送用のパイプを介して、図3に示すように、廃トナー回収容器70へと搬送される。
【0056】
また、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト20の表面は、図2に示すように、二次転写後、クリーニング装置63によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置63は、図3に示すように、クリーニングブレード64を備えており、このクリーニングブレード64によって、中間転写ベルト20上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。上記クリーニングブレード64によって除去された廃トナー等は、クリーニング装置63の内部に設けられた搬送用オーガー65によって、予め決められたタイミングで装置本体1のフロント側へと搬送され、図示しない搬送用のパイプを介して、廃トナー回収容器70へと搬送される。
【0057】
ところで、上記カラー画像形成装置では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15を回転駆動するために、図6に示すように、感光体ドラム15の軸方向の一端部(例えば、画像形成装置本体1の背面側の端部)に、駆動手段として、感光体ドラム5の軸方向の一端部に連結されるカップリング手段80を備えた感光体駆動ギア81が設けられている。上記感光体駆動ギア81は、回転軸81aの一端部に取り付けられているとともに、当該回転軸81aの先端部には、感光体ドラム15と連結されて駆動力を伝達する凸部801を有するカップリング部材802と、当該カップリング部材802を付勢するコイルスプリング803と、コイルスプリング803の端部に設けられたストッパー804とから構成されており、カップリング部材802は、回転軸81aの移動方向に沿って移動自在に設けられているとともに、ストッパー804は、回転軸81aに固定した状態で設けられている。この感光体駆動ギア81には、図示しない駆動力伝達用のギアが噛み合わされており、駆動モーター(図示せず)からの回転駆動力が駆動力伝達用のギアを介して伝達され、感光体ドラム15は、予め定められた速度で回転駆動される。
【0058】
そのため、上記感光体駆動ギア81は、当該感光体駆動ギア81を駆動するための駆動力伝達用のギアと噛み合って駆動力を伝達する。このとき、上記感光体駆動ギア81の回転数と歯数とにより噛み合い周波数及び周期が一義的に決まる。しかしながら、上記感光体ドラム15は、感光体駆動ギア81や駆動力伝達用ギアの精度等の影響により、図7に示すように、感光体ドラム15の回転方向に沿って、当該感光体ドラム15の1回転当たり複数の周期とする時間とともにその大きさと方向が周期的に変化する回転変動、所謂交流(AC)的な回転変動を有している。上記感光体ドラム15の回転変動の周期としては、例えば、図7(c)に示すように、感光体ドラム15の表面に沿って約2mmを1周期とするものが挙げられる。但し、これに限定されるものではなく、上記の値よりも長くても短くても良いことは勿論である。
【0059】
このとき、上記感光体ドラム15の表面に沿った画像露光位置82と画像転写位置83との間の距離に対して、図8に示すように、感光体ドラム15の回転変動の周期が整数倍となって完全に一致していれば、画像露光時と画像転写時の回転変動の位相は、同位相となり、回転変動の影響を相殺することができる。
【0060】
上記カラー画像形成装置では、実際の装置において、感光体ドラム15表面の周方向に沿った画像露光位置82から画像転写位置83までの距離が一義的に定まる。しかし、個々のカラー画像形成装置では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kにおいて、感光体ドラム15の外径誤差や、感光体ドラム15の取付位置の誤差、あるいは画像露光装置14Y、14M、14C、14Kの取付位置の誤差、更には一次転写ロール21Y、21M、21C、21Kの取付位置の誤差などに起因して、感光体ドラム15表面の周方向に沿った画像露光位置82から画像転写位置83までの距離が、予め定められた値と異なる場合がある。
【0061】
その結果、上記の如く感光体ドラム15には、その回転方向に沿った交流的な回転変動が存在すると、図9に示すように、仮に、感光体ドラム15の画像露光位置82における回転変動の位相が、その正方向の振幅が最大となる位相であり、感光体ドラム15の画像転写位置83における回転変動の位相が、逆にその正方向の振幅が最小となる位相であると仮定すると、感光体ドラム15の回転方向に沿った交流的な回転変動の影響が重畳して現れ、出力画像上に回転変動の振幅が2倍となって現れる。
【0062】
ここで、上記感光体ドラム15の回転方向に沿った回転変動は、当該感光体ドラム15が一定の速度で回転していないことに起因したものであり、本来、感光体ドラム15の回転速度が一定であれば、感光体ドラム15の回転方向に沿って一定の間隔で形成されるべき画像が、回転変動の影響により画像間の間隔が周期的に変動してしまい、濃淡のある縞模様の画像、所謂バンディングとして現れることになる。
【0063】
図7は、感光体ドラム15の周方向において、画像の転写位置83が一定である場合に、画像の露光位置82に誤差がある場合を模式的に示している。同図7中の画像露光位置82Aは、感光体ドラム15の回転方向に沿った回転変動の位相が、画像転写位置83と同位相となる場合を示しており、画像露光位置82Bは、画像転写位置83と90°位相がずれた場合を、画像露光位置82Cは、画像転写位置83と180°位相がずれた場合をそれぞれ示している。
【0064】
このように、上記感光体ドラム15の周方向において、感光体ドラム15の画像露光位置82と画像転写位置83とで、当該感光体ドラム15の回転変動の位相が異なると、例えば、図7の画像露光位置82Aの場合には、感光体ドラム15の回転変動の値が最大となっており、画像露光時に、感光体ドラム15の回転速度が予め定められた値よりも大きな値となっている。そのため、画像露光位置82Aでは、感光体ドラム15に一定濃度の画像を露光する際に、当該画像の濃度が目的とする濃度よりも若干薄くなる傾向にある。
【0065】
また、上記図7の画像転写位置83では、やはり、感光体ドラム15の回転変動の値が最大となっており、画像転写時に、感光体ドラム15の回転速度が予め定められた値よりも大きな値となっている。そのため、画像転写位置83では、感光体ドラム15に一定濃度の画像を転写する際に、当該画像の濃度が目的とする濃度よりも若干薄くなる傾向にある。
【0066】
その結果、上記感光体ドラム15に図7に示すような回転変動がある場合には、画像露光位置82Aで露光された後、現像装置17で現像されてトナー像となり、画像転写位置83で中間転写ベルト20上に転写された画像が、画像露光時の感光体ドラム15の回転変動の影響と、画像転写時における感光体ドラム15の回転変動の影響が互いに相殺され、画像の濃度が目的とする濃度に略等しい濃度となって現れる。
【0067】
これに対して、図7の画像露光位置82Cの場合には、感光体ドラム15の回転変動の値が最小となっており、画像露光時に、感光体ドラム15の回転速度が予め定められた値よりも小さな値となっている。そのため、画像露光位置82Cでは、感光体ドラム15に一定濃度の画像を露光する際に、当該画像の濃度が目的とする濃度よりも若干濃くなる傾向にある。
【0068】
また、上記図7の画像転写位置83では、逆に、感光体ドラム15の回転変動の値が最大となっており、画像転写時に、感光体ドラム15の回転速度が予め定められた値よりも大きな値となっている。そのため、画像転写位置83では、感光体ドラム15に一定濃度の画像を転写する際に、当該画像の濃度が目的とする濃度よりも濃くなる傾向にある。
【0069】
その結果、上記感光体ドラム15に図7に示すような回転変動がある場合には、画像露光位置82Cで露光された後、現像装置17で現像されてトナー像となり、画像転写位置83で中間転写ベルト20上に転写された画像が、画像露光時の感光体ドラム15の回転変動の影響と、画像転写時における感光体ドラム15の回転変動の影響が互いに重畳されて現れ、画像の濃度が目的とする濃度よりも濃い濃度となって現れる。
【0070】
図9は、上記の如く感光体ドラム15にその回転方向に沿った回転変動が存在する場合に、感光体ドラム15の画像露光位置82における位相を、0°、15°、30°、45°、60°、75°、90°と変化させたときに、感光体ドラム15の回転変動の影響が出力される画像サンプル上の振幅としてどのように現れるかを模式的に示したものである。
【0071】
なお、図9中、画像転写位置83には、画像露光位置82における感光体ドラム15の回転変動が合わせて表示されている。
【0072】
図9において、0°の場合には、感光体ドラム15の画像露光位置82と画像転写位置83における回転変動の位相が、180°逆の位相となっているのに対して、90°の場合には、感光体ドラム15の画像露光位置82と画像転写位置83における回転変動の位相が、同位相となっている。
【0073】
そこで、この実施の形態では、図11に示すように、感光体ドラム15の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの画像露光位置82における位相と、画像転写位置83における位相との位相差を検出する位相差検出手段としての位相差検出装置90を備えている。この位相差検出装置90は、例えば、カラー画像形成装置のCPU等からなる制御回路によって構成されるが、独立した装置としてカラー画像形成装置に装着されても良いことは勿論である。また、上記位相差検出装置90は、カラー画像形成装置の組立後の調整工程で使用される場合には、カラー画像形成装置とは独立した別個に装置として構成される。
【0074】
この位相差検出装置90は、図11に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの画像露光装置14Y、14M、14C、14Kに対して、各色に対応したテストチャート100を出力するパターン形成手段としてのテストチャート出力回路91を備えており、このテストチャート出力回路91としては、予め、位相差検出用パターンとしてのテストチャート100の画像データを記憶したROM等からなるものが用いられる。
【0075】
上記テストチャート100は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に共通したものが用いられ、図1に示すように、感光体ドラム15の軸方向に沿って予め定められた幅Wを有し、且つ感光体ドラム15の回転方向に予め定められた長さLを有する帯状のハーフトーンの画像101が使用される。この帯状のハーフトーン画像101は、図1に示すように、予め求められた感光体ドラム15の回転変動の周期に対して、テストチャート100の画像露光時における位相を0°〜180°まで、15°ずつ位相を異ならせた14本の画像を、感光体ドラム15の軸方向及び回転方向に予め定められた間隔で形成したものが用いられる。例えば、ハーフトーン画像1010 は、画像露光位置82における感光体ドラム15の回転変動の最大値となる位相である0°に同期させて形成されており、ハーフトーン画像10115は、画像露光位置82における感光体ドラム15の回転変動の最大値から15°だけ位相を遅らせて形成されている。
【0076】
このテストチャート100は、図1に示すように、ユーザー乃至サービスエンジニアが目視しただけで、どの位相に対応したものが最も濃度差が少ないか検知可能となっている。
【0077】
また、上記テストチャート100としては、例えば、図12に示すように、感光体ドラム15の軸方向に沿って予め定められた長さを有し、且つ感光体ドラム15の回転方向に沿って予め定められた一定の間隔で互いに平行に形成された直線状画像であるハーフトーンチャート102からなるものを用いても良い。このチャート102は目視用のものであり、両端のチャートと一致するところが現在の位相状態である。
【0078】
このテストチャート100も、上述したテストチャート101と同様に、予め求められた感光体ドラム15の回転変動の周期に対して、テストチャート100の画像露光時における位相を0°〜180°まで、15°ずつ位相を異ならせた14本の画像を、感光体ドラム15の軸方向及び回転方向に予め定められた間隔で形成したものが用いられる。
【0079】
さらに、上記テストチャート100としては、図13に示すように、感光体ドラム15の軸方向に沿って予め定められた広い幅Wを有し、且つ感光体ドラム15の回転方向に沿って形成された中間調濃度の画像103からなり、当該中間調の画像には、感光体ドラム15の軸方向に沿った直線状の画像104が、感光体ドラム15の回転方向に沿って予め定められた一定の間隔で互いに平行に形成されている。上記直線状画像のうち、感光体ドラム15の1回転に対応した周期で形成された直線状画像105は、他の直線状画像と実線及び破線のように識別可能に形成されている。
【0080】
又、上記テストチャート100としては、図14に示すように、感光体ドラム15の軸方向に沿って予め定められた広い幅Wを有し、且つ感光体ドラム15の回転方向に沿って形成された中間調濃度の画像103と、当該中間調画像の感光体ドラム15の軸方向に沿った略中央部に、感光体ドラム15の軸方向に沿って予め定められた長さを有し、且つ感光体ドラム15の回転方向に沿って予め定められた一定の間隔で互いに平行に形成された直線状画像であるラダーチャート106の双方からなるものを用いても良い。なお、上記ラダーチャート106は、感光体ドラム15の回転変動に対して位相を異ならせて、複数形成される。
【0081】
その際、上記感光体ドラム15の回転変動の周期は、図7及び図10に示すように、感光体ドラム15の回転駆動機構によって一義的に定まるものである。ただし、感光体ドラム15の画像露光位置82における位相と画像転写位置83における位相との位相差は、上述したように、個々のカラー画像形成装置及び個々の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kでばらつきが生じる場合がある。
【0082】
そこで、カラー画像形成装置の製造時に、実際の感光体ドラム15の画像露光位置82における位相と画像転写位置83における位相との位相差を検出して調整することも考えられるが、この場合には、調整作業が必要となって製造コストがアップするばかりか、カラー画像形成装置の使用を開始した後に、外力や環境変動などの影響によって、実際の感光体ドラム15の画像露光位置82における位相と画像転写位置83における位相との位相差が変動する虞れもある。
【0083】
そのため、ユーザーがカラー画像形成装置を使用する際に、予め定められたタイミング、例えば、一定枚数の画像形成を行った後、感光体ドラム15の回転数が予め定めれた値に達した場合、サービスエンジニアがカラー画像形成装置のメンテナンスを行う場合、通常のカラー画像の形成位置をテストチャートにより調整する場合などに、テストチャート100を用いて実際の感光体ドラム15の画像露光位置82における位相と画像転写位置83における位相との位相差を検出し、必要に応じて補正動作を実行するのが望ましい。
【0084】
上記の如くして出力されたテストチャート100は、図2に示すように、カラー画像形成装置の画像読取装置4によって読み取られ、画像読取装置4の出力信号は、図11に示すように、位相差検出装置90のFFT(Fast Fourier Transform)処理回路92に入力される。このFFT処理回路92では、図1に示すようなテストチャート100を読み取った画像データの周波数成分が検出され、FFT処理回路92の出力信号は、位相検出回路93に入力されて、当該位相検出回路93では、これらのテストチャート100のうち、最も画像データの周波数成分が低い、つまり濃度が均一に近い(濃度差が小さい)テストチャート100の位相が検出される。そして、上記位相検出回路93の検出結果は、画像書き込みタイミング補正回路94に入力され、この画像書き込みタイミング補正回路94では、画像露光装置14による画像の書き込みタイミングの位相が補正される。
【0085】
図1の例では、位相が90°のテストチャート100が濃度が最も均一で、画像データの周波数成分が最も低くなっており、図9に示すように、感光体ドラム15の画像露光位置82における位相を90°遅くなるように、画像書き込みタイミング補正回路94によって、画像露光装置14による画像の書き込みタイミングの位相が補正される。
【0086】
また、上記感光体ドラム14の基準位置は、図6に示すように、感光体駆動ギア81に設けられた基準位置を示す板状の表示部811と、当該表示部811を検知する光学センサー等からなる検知部812によって検知される。
【0087】
以上の構成において、この実施の形態に係るカラー画像形成装置では、次のようにして、像担持体の回転方向に沿った周期的な回転変動の画像露光位置における位相と画像転写位置における位相との位相差を検出し、当該位相差の影響が像担持体の回転方向に沿った画像の位置ずれとして現れるのを補正可能となっている。
【0088】
すなわち、上記カラー画像形成装置では、図1に示すように、予め定められたタイミングで、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kによって、テストチャート100がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各色のトナーでそれぞれ形成される。上記イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kによって形成されたテストチャート100は、図2に示すように、中間転写ベルト20上に一次転写された後、記録用紙28上に転写・定着されて出力される。
【0089】
上記の如く出力されたテストチャート100は、図2に示すように、カラー画像形成装置の画像読取装置4によって読み取られ、この画像読取装置4によって読み取られたテストチャート100の画像データは、図11に示すように、位相差検出装置90のFFT処理回路92に入力される。このFFT処理回路92では、テストチャート100の画像データの周波数成分が検出され、FFT処理回路92の出力信号は、位相検出回路93に入力されて、当該位相検出回路93では、これらのテストチャート100のうち、最も画像データの周波数成分が低い、つまり濃度が均一に近い(濃度差が小さい)テストチャート100の位相が検出される。そして、上記位相検出回路93の検出結果は、画像書き込みタイミング補正回路94に入力され、この画像書き込みタイミング補正回路94では、画像露光装置14による画像の書き込みタイミングの位相が補正される。
【0090】
図1の例では、位相が90°のテストチャート100が濃度が最も均一で、画像データの周波数成分が最も低くなっており、図9に示すように、感光体ドラム15の画像露光位置82における位相を90°遅くなるように、画像書き込みタイミング補正回路94によって、画像露光装置14による画像の書き込みタイミングの位相が補正される。
【0091】
その結果、上記カラー画像形成装置では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15に、その回転方向に沿った回転変動が存在する場合であっても、当該感光体ドラム15の回転変動の画像露光位置82における位相と画像転写位置83における位相との位相差を、位相差検出装置90によって検出して、実際の画像露光時における画像の露光開始タイミングが、感光体ドラム15の画像露光位置82における回転変動と、画像転写位置83における回転変動とが相殺する位相となるように補正することができ、感光体ドラム15の回転方向に沿った回転変動の影響が画像上に現れるのを抑制することができる。
【0092】
実施の形態2
図15はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、テストチャートを記録用紙上に出力するのではなく、中間転写ベルト上に形成されたテストチャートを検出手段によって検出することにより、記録用紙の無駄な消費やテストチャートを人手によって読み取る煩雑さを解消している。
【0093】
すなわち、この実施の形態2では、図15に示すように、中間転写ベルト20の外周において、当該中間転写ベルト20の移動方向に沿った黒 (K)の画像形成ユニット13Kの下流側に、中間転写ベルト20上に一次転写されたテストチャートのトナー像を検出するCCD等からなるテストチャート検出器120が配設されている。
【0094】
そして、この実施の形態2では、図16に示すように、中間転写ベルト20上に形成されたテストチャートを、テストチャート検出器120によって検出し、当該テストチャート検出器120の出力信号をFFT処理回路に入力して処理するように構成されている。
【0095】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る位相検知用パターンを示す構成図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのカラー画像形成装置を示す構成図である。
【図3】図3はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのカラー画像形成装置の画像形成部を示す構成図である。
【図4】図4はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのカラー画像形成装置の画像形成部を示す拡大構成図である。
【図5】図5は中間転写ベルトの張架状態を示す説明図である。
【図6】図6は感光体ドラムの駆動部を示す構成図である。
【図7】図7は感光体ドラムの回転変動を示す説明図である。
【図8】図8は感光体ドラムの回転方向に沿った回転変動における画像露光位置と画像転写位置の位相を示す説明図である。
【図9】図9は感光体ドラムの回転方向に沿った回転変動における画像露光位置と画像転写位置の位相を示す説明図である。
【図10】図10は感光体ドラムの回転変動を示す説明図である。
【図11】図11は位相差検出装置を示すブロック図である。
【図12】図12はこの発明の実施の形態1に係る位相検知用パターンの変形例を示す構成図である。
【図13】図13はこの発明の実施の形態1に係る位相検知用パターンの変形例を示す構成図である。
【図14】図14はこの発明の実施の形態1に係る位相検知用パターンの変形例を示す構成図である。
【図15】図15はこの発明の実施の形態2に係る画像形成装置を示す構成図である。
【図16】図16はこの発明の実施の形態2に係る画像形成装置の位相差検出装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0097】
13Y、13M、13C、13K:画像形成ユニット、14Y、14M、14C、14K:画像露光装置、15:感光体ドラム、21Y、21M、21C、21K:一次転写ロール、82:画像露光位置、83:画像転写位置。
【技術分野】
【0001】
この発明は、位相差検出装置及びこれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平06−238954号公報
【特許文献2】特開平06−261177号公報
【特許文献3】特開平09−123532号公報
【特許文献4】特開2002−189328号公報
【特許文献5】特許第3648131号公報
【0003】
従来、上記画像形成装置において、画像の形成位置を検出し、当該検出結果に基づいて画像の形成位置を制御することにより、画像の位置ずれを補正する技術としては、例えば、特開平06−238954号公報や特開平06−261177号公報、特開平09−123532号公報、特開2002−189328号公報及び特許第3648131号公報等に開示されたものが、既に種々提案されている。
【0004】
上記特開平06−238954号公報に係る画像形成装置は、各像担持体に形成した色の異なるトナー画像を重ね合わせて記録紙に転写記録する画像形成装置において、任意の色に対して他の色を縦横に1又は数ドットずつ順次ずらした複数の位置合せ用マークを記録するための情報を格納するメモリと、このメモリの情報に基づいて各色の位置合せ用マークを対応する像担持体に形成しトナー画像として記録紙に転写記録する位置合せ用マーク記録手段と、前記各像担持体に形成する画像の形成開始位置を設定した画像形成開始位置設定手段と、この画像形成開始位置設定手段に設定した前記各像担持体の画像形成開始位置を可変調整する可変調整手段を設け、前記位置合せ用マーク記録手段で記録した各色の位置合せ用マークに基づいて前記可変調整手段により像担持体の画像形成開始位置を調整するように構成したものである。
【0005】
また、上記特開平06−261177号公報に係る画像形成装置は、原稿台上の原稿の画像を光学的に走査するとともに光学的情報を電気的情報に変換する画像読取部と、画像読取部からの電気的情報に基づいて転写材上に画像を形成する画像形成部を有する画像形成装置において、画像読取部は読み取った電気的情報から原稿上の画像位置を算出する手段を備えるように構成したものである。
【0006】
さらに、上記特開平09−123532号公報に係る色ズレ補正方法は、3色光ビームの各々を画像データに基づいて変調し、それらの変調された光ビームにより感光材料を走査して、該感光材料に前記画像データが示すカラー画像を記録する画像記録装置において、所定のテストパターンを示すテストパターンデータを発生させ、このテストパターンデータに、各々異なる色ズレ状態が生じるように複数通りの色ズレ処理を施し、これら複数通りの色ズレ処理の条件を記憶手段に記憶しておき、前記色ズレ処理をそれぞれ受けたテストパターンデータに基づいて前記3色光ビームを変調し、それらの光ビームにより感光材料を走査して該感光材料に複数通りのテストパターンを記録し、これらの記録された複数通りのテストパターンのうち、色ズレの程度が最小のテストパターンを記録したテストパターンデータに対応する色ズレ処理の条件を前記記憶手段から読み出し、前記画像データに基づいてカラー画像を記録する際にそれらの画像データに、前記記憶手段から読み出した条件と同条件の色ズレ処理を施すように構成したものである。
【0007】
又、上記特開2002−189328号公報に係る画像形成装置は、機能選択、実行等の操作を行う操作部および表示部と、原稿を走査した画像光をCCDイメージセンサを用いて複数の色成分からなる電気信号に変換する変換部を有する画像読取部と、前記電気信号に基づいてカラー画像を形成する画像形成部と、を備えるカラー画像形成装置において、予め定められた間隔で繰り返されたパターン原稿を前記画像読取部にて読み取ったデジタル入力データから、色ずれ量を演算する演算手段と、前記演算手段による結果を前記操作部の表示部に表示させる表示手段と、を具備するように構成したものである。
【0008】
更に、上記特許第3648131号公報に係る画像形成装置は、記録媒体を副走査方向に搬送しつつ、複数の画像形成手段によって各色の画像を該記録媒体に重ね合わせて記録する画像形成装置において、
それぞれの画像形成手段によって複数のパターンを記録媒体に副走査方向に順次並べて記録させるパターン記録手段と、
各画像形成手段による記録が終了して画像形成装置本体から排出された記録媒体をセットされ、このセットされた記録媒体上の各パターンを距離の基準となる指標と共に読取る読取り手段と、
読取り手段により読取られた記録媒体上の各パターン及び距離の基準となる指標に基づいて、各画像形成手段別に、画像形成手段によって記録媒体に記録された各パターンの位置を検出し、該各パターンの位置関係に基づいて該画像形成手段の周期的に変動する駆動ムラの位相を測定する測定手段と、
各画像形成手段の周期的な駆動ムラの位相を調整する調整手段とを備えるように構成したものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、像担持体の回転方向に沿った周期的な回転変動の画像露光位置における位相と画像転写位置における位相との位相差を、検出することを可能とした位相差検出装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、請求項1に記載された発明は、回転駆動される像担持体上に画像露光を施して静電潜像を形成し、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像することで形成されたトナー像を、転写位置において直接又は中間転写体を介して記録媒体上に転写するか、あるいは前記中間転写体上に転写することにより、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出するための位相差検出用のパターンを、前記記録媒体又は前記中間転写体上に形成するパターン形成手段を備え、
前記パターン形成手段によって前記記録媒体上に形成された位相差検出用のパターンを目視により検知するか、又は前記中間転写体上に形成された位相差検出用のパターンを検知手段によって検知することにより、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出することを特徴とする位相差検出装置である。
【0011】
また、請求項2に記載された発明は、前記パターン形成手段は、前記位相差検出用のパターンを前記像担持体の回転変動に対して位相を異ならせて複数形成することを特徴とする請求項1に記載の位相差検出装置である。
【0012】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記位相差検出用のパターンは、前記像担持体の軸方向に沿って予め定められた幅を有し、且つ前記像担持体の回転方向に沿って予め定められた長さを有する中間調濃度の帯状画像からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の位相差検出装置である。
【0013】
又、請求項4に記載された発明は、前記位相差検出用のパターンは、前記像担持体の軸方向に沿って予め定められた長さを有し、且つ前記像担持体の回転方向に沿って予め定められた間隔で形成された直線状画像からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の位相差検出装置である。
【0014】
更に、請求項5に記載された発明は、前記検知手段としては、画像形成装置に設けられた画像読取装置を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の位相差検出装置である。
【0015】
また、請求項6に記載された発明は、前記検知手段は、前記中間転写体と対向するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の位相差検出装置である。
【0016】
さらに、請求項7に記載された発明は、前記パターン形成手段は、画像形成手段に対して前記位相差検出用パターンの画像を出力する手段からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の位相差検出装置である。
【0017】
又、請求項8に記載された発明は、前記位相差検出用パターンの画像データに基づいて、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出する位相差検出手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の位相差検出装置である。
【0018】
更に、請求項9に記載された発明は、回転駆動される像担持体と、
前記像担持体上に画像を露光する画像露光手段と、
前記画像露光手段の画像露光によって前記像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、
前記現像手段によって前記像担持体上に現像されたトナー像を記録媒体又は中間転写体上に転写する転写手段と、
前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出するための位相差検出用のパターンを、記録媒体又は前記中間転写体上に形成するパターン形成手段と、
前記パターン形成手段によって前記記録媒体上に形成された位相差検出用のパターン、又は前記中間転写体上に形成された位相差検出用のパターンを検知手段によって検知することにより、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出する位相差検出手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載された発明によれば、像担持体の回転方向に沿った周期的な回転変動の画像露光位置における位相と画像転写位置における位相との位相差を検出することができる。
【0020】
また、請求項2に記載された発明によれば、位相差検出用のパターンを目視乃至検知するだけで、像担持体の回転方向に沿った周期的な回転変動の画像露光位置における位相と画像転写位置における位相との位相差を直ちに検出することができる。
【0021】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、少ないスペースで多くの種類の位相差検出用パターンを形成することができる。
【0022】
又、請求項4に記載された発明によれば、位相差検出用パターンを形成するためのトナー消費を少なくすることができる。
【0023】
更に、請求項5に記載された発明によれば、画像形成装置が備える画像読取装置をそのまま利用することができる。
【0024】
また、請求項6に記載された発明によれば、位相差検出用パターンの検知を自動化することができる。
【0025】
さらに、請求項7に記載された発明によれば、従来の画像形成装置の画像形成手段をそのまま利用することができる。
【0026】
又、請求項8に記載された発明によれば、位相差の検出を自動化することができる。
【0027】
更に、請求項9に記載された発明によれば、像担持体の回転方向に沿った周期的な回転変動の画像露光位置における位相と画像転写位置における位相との位相差を、検出することを可能とした画像形成装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのカラー画像形成装置を示すものである。このカラー画像形成装置は、画像読取装置を備えており、プリンターとしての機能以外に、複写機並びにファクシミリとしての機能を備えている。
【0030】
図2において、1はカラー画像形成装置の本体を示すものであり、この装置本体1の上方には、原稿2を一枚ずつ分離した状態で自動的に搬送する自動原稿搬送装置3と、当該自動原稿搬送装置3によって搬送される原稿2の画像を読み取る原稿読取装置4が配設されている。この原稿読取装置4は、プラテンガラス5上に配置された原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光することにより、この画像読取素子11によって原稿2の反射光像を予め定められた解像度で読み取るように構成されている。
【0031】
上記原稿読取装置4によって読み取られた原稿2の反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の原稿反射率データとして画像処理装置12に送られ、この画像処理装置12では、原稿2の反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の予め定められた画像処理が施される。また、画像処理装置12は、図示しないパーソナルコンピュータや電話回線等から送られてくる画像データに対しても、予め定められた画像処理を行なうように構成されている。なお、上記画像処理装置12は、図示しないパーソナルコンピュータや電話回線等に対して送信する画像データに対しても、必要に応じて予め定められた画像処理を行なう。
【0032】
そして、上記の如く画像処理装置12で予め定められた画像処理が施された画像データは、同じく画像処理装置12によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の画像データに変換され、次に述べるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの画像露光装置14に送られ、この画像露光装置14では、予め定められた色の原稿2の画像データに応じてLED発光素子アレイから出射される光によって画像露光が行われる。
【0033】
上記カラーの画像形成装置本体1の内部には、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット(画像形成部)13Y、13M、13C、13Kが、第1色目のイエロー(Y)の画像形成ユニット13Yが相対的に高く、最終色の黒(K)の画像形成ユニット13Kが相対的に低くなるように、水平方向に対して予め定められた角度だけ傾斜した状態で一定の間隔を隔てて並列的に配置されている。
【0034】
このように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kを、予め定められた角度だけ傾斜した状態で配置することにより、これら4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kを水平に配置した場合に比較して、幅方向の距離を短く設定することができ、装置本体1の幅を小さくして小型化が可能となる。
【0035】
これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、基本的に、同様に構成されており、図2及び図3に示すように、大別して、図示しない駆動手段によって予め定められた速度で回転駆動される像担持体としての感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電用の帯電ロール16と、当該感光体ドラム15の表面に予め定められた色に対応した画像を露光して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる画像露光装置14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を予め定められた色のトナーで現像する現像装置17と、感光体ドラム15の表面を清掃するクリーニング装置18とから構成されている。
【0036】
上記感光体ドラム15としては、例えば、直径30mmのドラム状に形成され、表面に有機感光体を被覆したものが用いられ、後述するように、図示しない駆動モーターによって予め定められた速度で回転駆動される。
【0037】
また、上記帯電ロール16としては、例えば、芯金の表面に合成樹脂やゴムからなり電気抵抗を調整した導電層を被覆したロール状の帯電器が用いられ、この帯電ロール16の芯金には、予め定められた帯電バイアスが印加されるものが用いられている。さらに、この帯電ロール16の表面には、当該帯電ロール16の表面に付着したトナー等の異物を除去するためのクリーニングロール16a(図4参照)が接触するように配置されている。
【0038】
上記画像露光装置14は、図2に示すように、4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13K毎にそれぞれ個別に配置されており、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに設けられた画像露光装置14としては、LED発光素子を予め定められたピッチ(例えば、600dpi〜2400dpi)で感光体ドラム15の軸方向に沿って直線状に配置したLED発光素子アレイと、当該LED発光素子アレイの各LED発光素子から出射された光を感光体ドラム15上にスポット状に結像するセルフォックレンズ(商品名)アレイとを備えたものが用いられる。また、上記画像露光装置14は、図2に示すように、下方から感光体ドラム15上に画像を走査露光するように構成されている。
【0039】
なお、上記画像露光装置14としては、LED発光素子アレイからなるものに限らず、レーザービームを各感光体ドラム15の軸方向に沿って走査露光するものなどを用いても勿論良い。この場合には、4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに対して1つの画像露光装置14を配置しても良い。
【0040】
上記画像処理装置12からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに個別に設けられた画像露光装置14Y、14M、14C、14Kに、対応する色の画像データが順次出力され、これらの画像露光装置14Y、14M、14C、14Kから画像データに応じて出射された光束は、対応する感光体ドラム15の表面に走査露光され、画像データに応じた静電潜像が形成される。上記感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、現像装置17Y、17M、17C、17Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0041】
上記各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの上方にわたって傾斜した状態で配置されたベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト20上に、4つの一次転写ロール21Y、21M、21C、21Kによって順次多重に転写される。
【0042】
この中間転写ベルト20は、複数のロールによって張架された無端ベルト状部材であって、当該ベルト状部材の下辺走行領域が、その走行方向に沿った下流側が相対的に低く、且つ上流側が相対的に高くなるように、水平方向に対して傾斜した状態で配置されている。
【0043】
即ち、上記中間転写ベルト20は、図3に示すように、ドライブロール22と、バックアップロール23と、テンションロール24と、第1のアイドラーロール25と、第2のアイドラーロール26との間に一定のテンションで掛け回されており、図示しない定速性に優れた駆動モーターによって回転駆動されるドライブロール22により、矢印方向に予め定められた速度で循環駆動されるようになっている。上記中間転写ベルト20としては、例えば、可撓性を有するポリイミドやポリアミドイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものや、あるいは最初から無端ベルト状に形成したものなどが用いられる。上記中間転写ベルト20は、その下辺走行領域において、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kに接触するように配置されている。
【0044】
また、上記中間転写ベルト20には、図5に示すように、水平方向Hに対して角度θだけ傾斜した状態で配置された中間転写ベルト20の低位側の端部に配置され、中間転写ベルト20上に一次転写されたトナー像を記録媒体上に二次転写する二次転写手段としての二次転写ロール27が、バックアップロール23によって張架された中間転写ベルト20の表面に当接するように配置されている。
【0045】
上記中間転写ベルト20上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、バックアップロール23に圧接する二次転写ロール27によって、静電気力で記録媒体としての記録用紙28上に二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙28は、鉛直方向の上方に位置する定着器29へと搬送される。上記二次転写ロール27は、バックアップロール23の側方に圧接しており、鉛直方向の下方から上方に搬送される記録用紙28上に、各色のトナー像を二次転写するようになっている。
【0046】
上記二次転写ロール27としては、例えば、ステンレス等の金属からなる芯金の外周に、導電剤を添加したゴム材料等の導電性弾性体からなる弾性体層を予め定められた厚さに被覆したものが用いられる。
【0047】
そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙28は、定着器29によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、定着器29の出口ロール30及び用紙排出経路31を介して第1の排出部としての第1の排出ロール32によって装置本体1の胴体部に設けられた第1の排出トレイ(フェイスダウントレイ)33上に排出されるか、又は第2の排出部としての第2の排出ロール34によって装置本体1の胴体の上方に設けられた途中で屈曲した平板状の第2の排出トレイ35上に排出されるか、又は第3の排出部としての第3の排出ロール36によって装置本体1の側方(図示例では、左側面上方)に突出するように設けられた第3の排出トレイ37上に排出される。なお、上記第3の排出ロール36は、フェイスアップトレイとしての第3の排出トレイ37上に画像面を上にした状態で排出するものである。
【0048】
上記記録用紙28は、図2に示すように、装置本体1の内部に配置された複数段の給紙トレイ40〜43から予め定められたサイズ及び材質のものが、給紙ロール44及び用紙分離搬送用のロール対45、46により一枚ずつ分離された状態で給紙され、搬送ロール49及び用紙搬送路47を介して、レジストロール48まで一旦搬送されて停止される。そして、上記給紙トレイ40〜43の何れかから供給された記録用紙28は、予め定められたタイミングで回転するレジストロール48によって中間転写ベルト20の二次転写位置へ送出される。上記記録用紙28としては、普通紙以外にも、表面又は表裏両面にコーティング処理が施されたコート紙等の厚紙なども供給可能となっており、コート紙からなる記録用紙28には、写真画像なども出力される。
【0049】
なお、上記カラー画像形成装置において、フルカラーやモノクロの両面コピーをとる場合には、片面に画像が定着された記録用紙28を、第1乃至第3の排出ロール32、34、36によって第1乃至第3の排出トレイ33、35、37上にそのまま排出せずに、記録用紙28を第2の排出ロール34へと一旦搬送し、当該記録用紙28の後端が第2の排出ロール34によって挟持されている間に、図示しない切替ゲートによって記録用紙28の搬送方向を切り替え、装置本体1の側面に設けられた両面用搬送ユニット50へと搬送する。そして、この両面用搬送ユニット50では、搬送径路51に沿って設けられた搬送用のロール対52〜54により、記録用紙28がその搬送方向を逆転して表裏を反転した状態で、再度レジストロール48へと搬送され、中間転写ベルト20からトナー像が転写された後、今度は、当該記録用紙28の裏面に画像が転写・定着された後、第1の排出トレイ33乃至第3の排出トレイ37のいずれかに排出される。
【0050】
図2中、55Y、55M、55C、55Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像装置17に、予め定められた色のトナーを供給するトナーカートリッジをそれぞれ示しており、黒(K)色のトナーを収容したトナーカートリッジ55Kは、使用頻度が高いため、他のカラーのトナーカートリッジと比較して大型に形成されている。
【0051】
また、図2中、56は手差しトレイを示すものであり、この手差しトレイ56からは、所望の材質及びサイズの記録媒体28が、給紙ロール57及び用紙分離搬送用のロール対58、59により搬送ロール60を介して、レジストロール48へと搬送される。
【0052】
図3及び図4は上記カラー画像形成装置の各画像形成ユニット(画像形成部)を示すものである。
【0053】
上記イエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、図3及び図4に示すように、形成する画像の色以外すべて同様に構成されており、これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kでは、上述したように、それぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色のトナー像が予め定められたタイミングで順次形成されるように構成されている。上記各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、上述したように、像担持体としての感光体ドラム15を備えており、これらの感光体ドラム15の表面は、一次帯電用の帯電ロール16によって一様に帯電される。その後、上記感光体ドラム15の表面は、画像露光装置14から画像データに応じて出射される光束が走査露光されて、各色の画像データに対応した静電潜像が形成される。上記感光体ドラム15上に走査露光される光束は、当該感光体ドラム15の直下よりやや右側寄りの斜め下方から、予め定められた傾斜角度で露光されるように設定されている。上記感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、図4に示すように、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの現像装置17の現像ロール17aによってそれぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の各色のトナーにより現像されて可視トナー像となり、これらの可視トナー像は、一次転写ロール21の帯電によって中間転写ベルト20上に順次多重に転写される。
【0054】
上記各現像装置17Y、17M、17C、17Kは、トナーとキャリアからなる二成分の現像剤を用いた二成分現像方式を採用しており、現像ロール17aの表面にトナーとキャリアからなる二成分現像剤の磁気ブラシを形成して、対応する色の感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kの表面に形成された静電潜像を現像するように構成されている。なお、上記各現像装置17Y、17M、17C、17Kは、トナーのみからなる一成分現像方式を採用したものであっても良い。
【0055】
トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム15の表面は、図3に示すように、クリーニング装置18によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置18は、図4に示すように、クリーニングブレード61を備えており、このクリーニングブレード61によって、感光体ドラム15上の廃トナー等を除去するようになっている。上記クリーニングブレード61によって除去された廃トナー等は、クリーニング装置18の内部に設けられた搬送用オーガー62によって、予め定められたタイミングで装置本体1のフロント側へと搬送され、図示しない搬送用のパイプを介して、図3に示すように、廃トナー回収容器70へと搬送される。
【0056】
また、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト20の表面は、図2に示すように、二次転写後、クリーニング装置63によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置63は、図3に示すように、クリーニングブレード64を備えており、このクリーニングブレード64によって、中間転写ベルト20上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。上記クリーニングブレード64によって除去された廃トナー等は、クリーニング装置63の内部に設けられた搬送用オーガー65によって、予め決められたタイミングで装置本体1のフロント側へと搬送され、図示しない搬送用のパイプを介して、廃トナー回収容器70へと搬送される。
【0057】
ところで、上記カラー画像形成装置では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15を回転駆動するために、図6に示すように、感光体ドラム15の軸方向の一端部(例えば、画像形成装置本体1の背面側の端部)に、駆動手段として、感光体ドラム5の軸方向の一端部に連結されるカップリング手段80を備えた感光体駆動ギア81が設けられている。上記感光体駆動ギア81は、回転軸81aの一端部に取り付けられているとともに、当該回転軸81aの先端部には、感光体ドラム15と連結されて駆動力を伝達する凸部801を有するカップリング部材802と、当該カップリング部材802を付勢するコイルスプリング803と、コイルスプリング803の端部に設けられたストッパー804とから構成されており、カップリング部材802は、回転軸81aの移動方向に沿って移動自在に設けられているとともに、ストッパー804は、回転軸81aに固定した状態で設けられている。この感光体駆動ギア81には、図示しない駆動力伝達用のギアが噛み合わされており、駆動モーター(図示せず)からの回転駆動力が駆動力伝達用のギアを介して伝達され、感光体ドラム15は、予め定められた速度で回転駆動される。
【0058】
そのため、上記感光体駆動ギア81は、当該感光体駆動ギア81を駆動するための駆動力伝達用のギアと噛み合って駆動力を伝達する。このとき、上記感光体駆動ギア81の回転数と歯数とにより噛み合い周波数及び周期が一義的に決まる。しかしながら、上記感光体ドラム15は、感光体駆動ギア81や駆動力伝達用ギアの精度等の影響により、図7に示すように、感光体ドラム15の回転方向に沿って、当該感光体ドラム15の1回転当たり複数の周期とする時間とともにその大きさと方向が周期的に変化する回転変動、所謂交流(AC)的な回転変動を有している。上記感光体ドラム15の回転変動の周期としては、例えば、図7(c)に示すように、感光体ドラム15の表面に沿って約2mmを1周期とするものが挙げられる。但し、これに限定されるものではなく、上記の値よりも長くても短くても良いことは勿論である。
【0059】
このとき、上記感光体ドラム15の表面に沿った画像露光位置82と画像転写位置83との間の距離に対して、図8に示すように、感光体ドラム15の回転変動の周期が整数倍となって完全に一致していれば、画像露光時と画像転写時の回転変動の位相は、同位相となり、回転変動の影響を相殺することができる。
【0060】
上記カラー画像形成装置では、実際の装置において、感光体ドラム15表面の周方向に沿った画像露光位置82から画像転写位置83までの距離が一義的に定まる。しかし、個々のカラー画像形成装置では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kにおいて、感光体ドラム15の外径誤差や、感光体ドラム15の取付位置の誤差、あるいは画像露光装置14Y、14M、14C、14Kの取付位置の誤差、更には一次転写ロール21Y、21M、21C、21Kの取付位置の誤差などに起因して、感光体ドラム15表面の周方向に沿った画像露光位置82から画像転写位置83までの距離が、予め定められた値と異なる場合がある。
【0061】
その結果、上記の如く感光体ドラム15には、その回転方向に沿った交流的な回転変動が存在すると、図9に示すように、仮に、感光体ドラム15の画像露光位置82における回転変動の位相が、その正方向の振幅が最大となる位相であり、感光体ドラム15の画像転写位置83における回転変動の位相が、逆にその正方向の振幅が最小となる位相であると仮定すると、感光体ドラム15の回転方向に沿った交流的な回転変動の影響が重畳して現れ、出力画像上に回転変動の振幅が2倍となって現れる。
【0062】
ここで、上記感光体ドラム15の回転方向に沿った回転変動は、当該感光体ドラム15が一定の速度で回転していないことに起因したものであり、本来、感光体ドラム15の回転速度が一定であれば、感光体ドラム15の回転方向に沿って一定の間隔で形成されるべき画像が、回転変動の影響により画像間の間隔が周期的に変動してしまい、濃淡のある縞模様の画像、所謂バンディングとして現れることになる。
【0063】
図7は、感光体ドラム15の周方向において、画像の転写位置83が一定である場合に、画像の露光位置82に誤差がある場合を模式的に示している。同図7中の画像露光位置82Aは、感光体ドラム15の回転方向に沿った回転変動の位相が、画像転写位置83と同位相となる場合を示しており、画像露光位置82Bは、画像転写位置83と90°位相がずれた場合を、画像露光位置82Cは、画像転写位置83と180°位相がずれた場合をそれぞれ示している。
【0064】
このように、上記感光体ドラム15の周方向において、感光体ドラム15の画像露光位置82と画像転写位置83とで、当該感光体ドラム15の回転変動の位相が異なると、例えば、図7の画像露光位置82Aの場合には、感光体ドラム15の回転変動の値が最大となっており、画像露光時に、感光体ドラム15の回転速度が予め定められた値よりも大きな値となっている。そのため、画像露光位置82Aでは、感光体ドラム15に一定濃度の画像を露光する際に、当該画像の濃度が目的とする濃度よりも若干薄くなる傾向にある。
【0065】
また、上記図7の画像転写位置83では、やはり、感光体ドラム15の回転変動の値が最大となっており、画像転写時に、感光体ドラム15の回転速度が予め定められた値よりも大きな値となっている。そのため、画像転写位置83では、感光体ドラム15に一定濃度の画像を転写する際に、当該画像の濃度が目的とする濃度よりも若干薄くなる傾向にある。
【0066】
その結果、上記感光体ドラム15に図7に示すような回転変動がある場合には、画像露光位置82Aで露光された後、現像装置17で現像されてトナー像となり、画像転写位置83で中間転写ベルト20上に転写された画像が、画像露光時の感光体ドラム15の回転変動の影響と、画像転写時における感光体ドラム15の回転変動の影響が互いに相殺され、画像の濃度が目的とする濃度に略等しい濃度となって現れる。
【0067】
これに対して、図7の画像露光位置82Cの場合には、感光体ドラム15の回転変動の値が最小となっており、画像露光時に、感光体ドラム15の回転速度が予め定められた値よりも小さな値となっている。そのため、画像露光位置82Cでは、感光体ドラム15に一定濃度の画像を露光する際に、当該画像の濃度が目的とする濃度よりも若干濃くなる傾向にある。
【0068】
また、上記図7の画像転写位置83では、逆に、感光体ドラム15の回転変動の値が最大となっており、画像転写時に、感光体ドラム15の回転速度が予め定められた値よりも大きな値となっている。そのため、画像転写位置83では、感光体ドラム15に一定濃度の画像を転写する際に、当該画像の濃度が目的とする濃度よりも濃くなる傾向にある。
【0069】
その結果、上記感光体ドラム15に図7に示すような回転変動がある場合には、画像露光位置82Cで露光された後、現像装置17で現像されてトナー像となり、画像転写位置83で中間転写ベルト20上に転写された画像が、画像露光時の感光体ドラム15の回転変動の影響と、画像転写時における感光体ドラム15の回転変動の影響が互いに重畳されて現れ、画像の濃度が目的とする濃度よりも濃い濃度となって現れる。
【0070】
図9は、上記の如く感光体ドラム15にその回転方向に沿った回転変動が存在する場合に、感光体ドラム15の画像露光位置82における位相を、0°、15°、30°、45°、60°、75°、90°と変化させたときに、感光体ドラム15の回転変動の影響が出力される画像サンプル上の振幅としてどのように現れるかを模式的に示したものである。
【0071】
なお、図9中、画像転写位置83には、画像露光位置82における感光体ドラム15の回転変動が合わせて表示されている。
【0072】
図9において、0°の場合には、感光体ドラム15の画像露光位置82と画像転写位置83における回転変動の位相が、180°逆の位相となっているのに対して、90°の場合には、感光体ドラム15の画像露光位置82と画像転写位置83における回転変動の位相が、同位相となっている。
【0073】
そこで、この実施の形態では、図11に示すように、感光体ドラム15の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの画像露光位置82における位相と、画像転写位置83における位相との位相差を検出する位相差検出手段としての位相差検出装置90を備えている。この位相差検出装置90は、例えば、カラー画像形成装置のCPU等からなる制御回路によって構成されるが、独立した装置としてカラー画像形成装置に装着されても良いことは勿論である。また、上記位相差検出装置90は、カラー画像形成装置の組立後の調整工程で使用される場合には、カラー画像形成装置とは独立した別個に装置として構成される。
【0074】
この位相差検出装置90は、図11に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの画像露光装置14Y、14M、14C、14Kに対して、各色に対応したテストチャート100を出力するパターン形成手段としてのテストチャート出力回路91を備えており、このテストチャート出力回路91としては、予め、位相差検出用パターンとしてのテストチャート100の画像データを記憶したROM等からなるものが用いられる。
【0075】
上記テストチャート100は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に共通したものが用いられ、図1に示すように、感光体ドラム15の軸方向に沿って予め定められた幅Wを有し、且つ感光体ドラム15の回転方向に予め定められた長さLを有する帯状のハーフトーンの画像101が使用される。この帯状のハーフトーン画像101は、図1に示すように、予め求められた感光体ドラム15の回転変動の周期に対して、テストチャート100の画像露光時における位相を0°〜180°まで、15°ずつ位相を異ならせた14本の画像を、感光体ドラム15の軸方向及び回転方向に予め定められた間隔で形成したものが用いられる。例えば、ハーフトーン画像1010 は、画像露光位置82における感光体ドラム15の回転変動の最大値となる位相である0°に同期させて形成されており、ハーフトーン画像10115は、画像露光位置82における感光体ドラム15の回転変動の最大値から15°だけ位相を遅らせて形成されている。
【0076】
このテストチャート100は、図1に示すように、ユーザー乃至サービスエンジニアが目視しただけで、どの位相に対応したものが最も濃度差が少ないか検知可能となっている。
【0077】
また、上記テストチャート100としては、例えば、図12に示すように、感光体ドラム15の軸方向に沿って予め定められた長さを有し、且つ感光体ドラム15の回転方向に沿って予め定められた一定の間隔で互いに平行に形成された直線状画像であるハーフトーンチャート102からなるものを用いても良い。このチャート102は目視用のものであり、両端のチャートと一致するところが現在の位相状態である。
【0078】
このテストチャート100も、上述したテストチャート101と同様に、予め求められた感光体ドラム15の回転変動の周期に対して、テストチャート100の画像露光時における位相を0°〜180°まで、15°ずつ位相を異ならせた14本の画像を、感光体ドラム15の軸方向及び回転方向に予め定められた間隔で形成したものが用いられる。
【0079】
さらに、上記テストチャート100としては、図13に示すように、感光体ドラム15の軸方向に沿って予め定められた広い幅Wを有し、且つ感光体ドラム15の回転方向に沿って形成された中間調濃度の画像103からなり、当該中間調の画像には、感光体ドラム15の軸方向に沿った直線状の画像104が、感光体ドラム15の回転方向に沿って予め定められた一定の間隔で互いに平行に形成されている。上記直線状画像のうち、感光体ドラム15の1回転に対応した周期で形成された直線状画像105は、他の直線状画像と実線及び破線のように識別可能に形成されている。
【0080】
又、上記テストチャート100としては、図14に示すように、感光体ドラム15の軸方向に沿って予め定められた広い幅Wを有し、且つ感光体ドラム15の回転方向に沿って形成された中間調濃度の画像103と、当該中間調画像の感光体ドラム15の軸方向に沿った略中央部に、感光体ドラム15の軸方向に沿って予め定められた長さを有し、且つ感光体ドラム15の回転方向に沿って予め定められた一定の間隔で互いに平行に形成された直線状画像であるラダーチャート106の双方からなるものを用いても良い。なお、上記ラダーチャート106は、感光体ドラム15の回転変動に対して位相を異ならせて、複数形成される。
【0081】
その際、上記感光体ドラム15の回転変動の周期は、図7及び図10に示すように、感光体ドラム15の回転駆動機構によって一義的に定まるものである。ただし、感光体ドラム15の画像露光位置82における位相と画像転写位置83における位相との位相差は、上述したように、個々のカラー画像形成装置及び個々の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kでばらつきが生じる場合がある。
【0082】
そこで、カラー画像形成装置の製造時に、実際の感光体ドラム15の画像露光位置82における位相と画像転写位置83における位相との位相差を検出して調整することも考えられるが、この場合には、調整作業が必要となって製造コストがアップするばかりか、カラー画像形成装置の使用を開始した後に、外力や環境変動などの影響によって、実際の感光体ドラム15の画像露光位置82における位相と画像転写位置83における位相との位相差が変動する虞れもある。
【0083】
そのため、ユーザーがカラー画像形成装置を使用する際に、予め定められたタイミング、例えば、一定枚数の画像形成を行った後、感光体ドラム15の回転数が予め定めれた値に達した場合、サービスエンジニアがカラー画像形成装置のメンテナンスを行う場合、通常のカラー画像の形成位置をテストチャートにより調整する場合などに、テストチャート100を用いて実際の感光体ドラム15の画像露光位置82における位相と画像転写位置83における位相との位相差を検出し、必要に応じて補正動作を実行するのが望ましい。
【0084】
上記の如くして出力されたテストチャート100は、図2に示すように、カラー画像形成装置の画像読取装置4によって読み取られ、画像読取装置4の出力信号は、図11に示すように、位相差検出装置90のFFT(Fast Fourier Transform)処理回路92に入力される。このFFT処理回路92では、図1に示すようなテストチャート100を読み取った画像データの周波数成分が検出され、FFT処理回路92の出力信号は、位相検出回路93に入力されて、当該位相検出回路93では、これらのテストチャート100のうち、最も画像データの周波数成分が低い、つまり濃度が均一に近い(濃度差が小さい)テストチャート100の位相が検出される。そして、上記位相検出回路93の検出結果は、画像書き込みタイミング補正回路94に入力され、この画像書き込みタイミング補正回路94では、画像露光装置14による画像の書き込みタイミングの位相が補正される。
【0085】
図1の例では、位相が90°のテストチャート100が濃度が最も均一で、画像データの周波数成分が最も低くなっており、図9に示すように、感光体ドラム15の画像露光位置82における位相を90°遅くなるように、画像書き込みタイミング補正回路94によって、画像露光装置14による画像の書き込みタイミングの位相が補正される。
【0086】
また、上記感光体ドラム14の基準位置は、図6に示すように、感光体駆動ギア81に設けられた基準位置を示す板状の表示部811と、当該表示部811を検知する光学センサー等からなる検知部812によって検知される。
【0087】
以上の構成において、この実施の形態に係るカラー画像形成装置では、次のようにして、像担持体の回転方向に沿った周期的な回転変動の画像露光位置における位相と画像転写位置における位相との位相差を検出し、当該位相差の影響が像担持体の回転方向に沿った画像の位置ずれとして現れるのを補正可能となっている。
【0088】
すなわち、上記カラー画像形成装置では、図1に示すように、予め定められたタイミングで、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kによって、テストチャート100がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各色のトナーでそれぞれ形成される。上記イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kによって形成されたテストチャート100は、図2に示すように、中間転写ベルト20上に一次転写された後、記録用紙28上に転写・定着されて出力される。
【0089】
上記の如く出力されたテストチャート100は、図2に示すように、カラー画像形成装置の画像読取装置4によって読み取られ、この画像読取装置4によって読み取られたテストチャート100の画像データは、図11に示すように、位相差検出装置90のFFT処理回路92に入力される。このFFT処理回路92では、テストチャート100の画像データの周波数成分が検出され、FFT処理回路92の出力信号は、位相検出回路93に入力されて、当該位相検出回路93では、これらのテストチャート100のうち、最も画像データの周波数成分が低い、つまり濃度が均一に近い(濃度差が小さい)テストチャート100の位相が検出される。そして、上記位相検出回路93の検出結果は、画像書き込みタイミング補正回路94に入力され、この画像書き込みタイミング補正回路94では、画像露光装置14による画像の書き込みタイミングの位相が補正される。
【0090】
図1の例では、位相が90°のテストチャート100が濃度が最も均一で、画像データの周波数成分が最も低くなっており、図9に示すように、感光体ドラム15の画像露光位置82における位相を90°遅くなるように、画像書き込みタイミング補正回路94によって、画像露光装置14による画像の書き込みタイミングの位相が補正される。
【0091】
その結果、上記カラー画像形成装置では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15に、その回転方向に沿った回転変動が存在する場合であっても、当該感光体ドラム15の回転変動の画像露光位置82における位相と画像転写位置83における位相との位相差を、位相差検出装置90によって検出して、実際の画像露光時における画像の露光開始タイミングが、感光体ドラム15の画像露光位置82における回転変動と、画像転写位置83における回転変動とが相殺する位相となるように補正することができ、感光体ドラム15の回転方向に沿った回転変動の影響が画像上に現れるのを抑制することができる。
【0092】
実施の形態2
図15はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、テストチャートを記録用紙上に出力するのではなく、中間転写ベルト上に形成されたテストチャートを検出手段によって検出することにより、記録用紙の無駄な消費やテストチャートを人手によって読み取る煩雑さを解消している。
【0093】
すなわち、この実施の形態2では、図15に示すように、中間転写ベルト20の外周において、当該中間転写ベルト20の移動方向に沿った黒 (K)の画像形成ユニット13Kの下流側に、中間転写ベルト20上に一次転写されたテストチャートのトナー像を検出するCCD等からなるテストチャート検出器120が配設されている。
【0094】
そして、この実施の形態2では、図16に示すように、中間転写ベルト20上に形成されたテストチャートを、テストチャート検出器120によって検出し、当該テストチャート検出器120の出力信号をFFT処理回路に入力して処理するように構成されている。
【0095】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る位相検知用パターンを示す構成図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのカラー画像形成装置を示す構成図である。
【図3】図3はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのカラー画像形成装置の画像形成部を示す構成図である。
【図4】図4はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのカラー画像形成装置の画像形成部を示す拡大構成図である。
【図5】図5は中間転写ベルトの張架状態を示す説明図である。
【図6】図6は感光体ドラムの駆動部を示す構成図である。
【図7】図7は感光体ドラムの回転変動を示す説明図である。
【図8】図8は感光体ドラムの回転方向に沿った回転変動における画像露光位置と画像転写位置の位相を示す説明図である。
【図9】図9は感光体ドラムの回転方向に沿った回転変動における画像露光位置と画像転写位置の位相を示す説明図である。
【図10】図10は感光体ドラムの回転変動を示す説明図である。
【図11】図11は位相差検出装置を示すブロック図である。
【図12】図12はこの発明の実施の形態1に係る位相検知用パターンの変形例を示す構成図である。
【図13】図13はこの発明の実施の形態1に係る位相検知用パターンの変形例を示す構成図である。
【図14】図14はこの発明の実施の形態1に係る位相検知用パターンの変形例を示す構成図である。
【図15】図15はこの発明の実施の形態2に係る画像形成装置を示す構成図である。
【図16】図16はこの発明の実施の形態2に係る画像形成装置の位相差検出装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0097】
13Y、13M、13C、13K:画像形成ユニット、14Y、14M、14C、14K:画像露光装置、15:感光体ドラム、21Y、21M、21C、21K:一次転写ロール、82:画像露光位置、83:画像転写位置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される像担持体上に画像露光を施して静電潜像を形成し、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像することで形成されたトナー像を、転写位置において直接又は中間転写体を介して記録媒体上に転写するか、あるいは前記中間転写体上に転写することにより、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出するための位相差検出用のパターンを、前記記録媒体又は前記中間転写体上に形成するパターン形成手段を備え、
前記パターン形成手段によって前記記録媒体上に形成された位相差検出用のパターンを目視により検知するか、又は前記中間転写体上に形成された位相差検出用のパターンを検知手段によって検知することにより、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出することを特徴とする位相差検出装置。
【請求項2】
前記パターン形成手段は、前記位相差検出用のパターンを前記像担持体の回転変動に対して位相を異ならせて複数形成することを特徴とする請求項1に記載の位相差検出装置。
【請求項3】
前記位相差検出用のパターンは、前記像担持体の軸方向に沿って予め定められた幅を有し、且つ前記像担持体の回転方向に沿って予め定められた長さを有する中間調濃度の帯状画像からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の位相差検出装置。
【請求項4】
前記位相差検出用のパターンは、前記像担持体の軸方向に沿って予め定められた長さを有し、且つ前記像担持体の回転方向に沿って予め定められた間隔で形成された直線状画像からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の位相差検出装置。
【請求項5】
前記検知手段としては、画像形成装置に設けられた画像読取装置を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の位相差検出装置。
【請求項6】
前記検知手段は、前記中間転写体と対向するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の位相差検出装置。
【請求項7】
前記パターン形成手段は、画像形成手段に対して前記位相差検出用パターンの画像を出力する手段からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の位相差検出装置。
【請求項8】
前記位相差検出用パターンの画像データに基づいて、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出する位相差検出手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の位相差検出装置。
【請求項9】
回転駆動される像担持体と、
前記像担持体上に画像を露光する画像露光手段と、
前記画像露光手段の画像露光によって前記像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、
前記現像手段によって前記像担持体上に現像されたトナー像を記録媒体又は中間転写体上に転写する転写手段と、
前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出するための位相差検出用のパターンを、記録媒体又は前記中間転写体上に形成するパターン形成手段と、
前記パターン形成手段によって前記記録媒体上に形成された位相差検出用のパターン、又は前記中間転写体上に形成された位相差検出用のパターンを検知手段によって検知することにより、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出する位相差検出手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
回転駆動される像担持体上に画像露光を施して静電潜像を形成し、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像することで形成されたトナー像を、転写位置において直接又は中間転写体を介して記録媒体上に転写するか、あるいは前記中間転写体上に転写することにより、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出するための位相差検出用のパターンを、前記記録媒体又は前記中間転写体上に形成するパターン形成手段を備え、
前記パターン形成手段によって前記記録媒体上に形成された位相差検出用のパターンを目視により検知するか、又は前記中間転写体上に形成された位相差検出用のパターンを検知手段によって検知することにより、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出することを特徴とする位相差検出装置。
【請求項2】
前記パターン形成手段は、前記位相差検出用のパターンを前記像担持体の回転変動に対して位相を異ならせて複数形成することを特徴とする請求項1に記載の位相差検出装置。
【請求項3】
前記位相差検出用のパターンは、前記像担持体の軸方向に沿って予め定められた幅を有し、且つ前記像担持体の回転方向に沿って予め定められた長さを有する中間調濃度の帯状画像からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の位相差検出装置。
【請求項4】
前記位相差検出用のパターンは、前記像担持体の軸方向に沿って予め定められた長さを有し、且つ前記像担持体の回転方向に沿って予め定められた間隔で形成された直線状画像からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の位相差検出装置。
【請求項5】
前記検知手段としては、画像形成装置に設けられた画像読取装置を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の位相差検出装置。
【請求項6】
前記検知手段は、前記中間転写体と対向するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の位相差検出装置。
【請求項7】
前記パターン形成手段は、画像形成手段に対して前記位相差検出用パターンの画像を出力する手段からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の位相差検出装置。
【請求項8】
前記位相差検出用パターンの画像データに基づいて、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出する位相差検出手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の位相差検出装置。
【請求項9】
回転駆動される像担持体と、
前記像担持体上に画像を露光する画像露光手段と、
前記画像露光手段の画像露光によって前記像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、
前記現像手段によって前記像担持体上に現像されたトナー像を記録媒体又は中間転写体上に転写する転写手段と、
前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出するための位相差検出用のパターンを、記録媒体又は前記中間転写体上に形成するパターン形成手段と、
前記パターン形成手段によって前記記録媒体上に形成された位相差検出用のパターン、又は前記中間転写体上に形成された位相差検出用のパターンを検知手段によって検知することにより、前記像担持体の回転方向に沿った周期的な画像の位置ずれの前記画像露光位置における位相と前記画像転写位置における位相との位相差を検出する位相差検出手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−79020(P2010−79020A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248278(P2008−248278)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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