説明

位置検出装置、位置検出方法及び分析装置

【課題】構成が簡単で、容器が保持した液体の位置を検出することを可能とした位置検出装置と位置検出方法及び分析装置を提供すること。
【解決手段】容器に保持された液体の位置を検出する位置検出装置、位置検出方法及び分析装置。位置検出装置25は、容器7接して配置されると共に、電気エネルギーの入力によって音波を発生する複数の発音部27b〜27dを有する表面弾性波素子27と、各発音部から反射される電気エネルギーをもとに各発音部の電気的特性を測定する測定部26と、測定部において測定した電気的特性の違いをもとに各発音部の位置における液体の有無を判定する判定制御部21cとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に保持された液体の位置を検出する位置検出装置、位置検出方法及び分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、分析装置は、反応容器に保持された液体の光学的特性を測定することによって検体の成分濃度等を分析している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−116213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、分析装置は、用いる反応容器の容量が数nL〜数十μLまで微量になると、小型化によって試薬や検体等の液体を分注する開口が反応容器に対して相対的に狭くなると共に、液体の表面張力の影響が非常に大きくなってしまう。このため、微小化した反応容器を使用すると、反応容器は、試薬や検体等の液体が開口近傍に保持されて底部まで導入されない場合も生じ、反応容器のどの位置に液体が存在しているのか分からなくなることがあった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、構成が簡単で、容器が保持した液体の位置を検出することを可能とした位置検出装置と位置検出方法及び分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に係る位置検出装置は、容器に保持された液体の位置を検出する位置検出装置であって、前記容器に接して配置されると共に、電気エネルギーの入力によって音波を発生する複数の発音部を有する音波発生手段と、前記各発音部から反射される前記電気エネルギーをもとに当該各発音部の電気的特性を測定する測定部と、前記測定部において測定した電気的特性の違いをもとに前記各発音部の位置における前記液体の有無を判定する判定制御部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る位置検出装置は、上記の発明において、前記判定制御部は、前記複数の発音部の各電気的特性値の大小から前記液体の有無を判定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る位置検出装置は、上記の発明において、前記電気的特性値は、前記複数の発音部における電気エネルギーの反射率,インピーダンス,電圧,電流に関する値の少なくとも一つであることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る位置検出装置は、上記の発明において、前記判定制御部は、判定した前記各発音部の位置における前記液体の有無に基づいて前記容器が保持した液体の位置を検出することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る位置検出装置は、上記の発明において、前記液体の位置は、前記容器内において前記液体が存在する範囲であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る位置検出装置は、上記の発明において、前記音波発生手段は、前記容器に保持された液体を攪拌する攪拌手段を兼ねることを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に係る位置検出装置は、上記の発明において、前記複数の発音部は、互いに中心周波数が異なることを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に係る位置検出装置は、上記の発明において、前記測定部は、前記複数の発音部のそれぞれにおける電気エネルギーの反射率を互いに異なる前記中心周波数において測定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項9に係る位置検出装置は、上記の発明において、前記複数の発音部は、それぞれ櫛歯状電極であることを特徴とする。
【0015】
また、請求項10に係る位置検出装置は、上記の発明において、前記液体は、少なくとも一つの気液界面を有して前記容器に保持され、前記複数の発音部は、前記気液界面に直交する方向に沿って配列されていることを特徴とする。
【0016】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項11に係る位置検出方法は、容器に保持された液体の位置を検出する位置検出方法であって、電気エネルギーの入力によって前記容器に設けた複数の発音部から個々に音波を発生させる工程と、前記各発音部から反射される前記電気エネルギーをもとに当該各発音部の電気的特性を測定する工程と、測定された電気的特性の違いをもとに前記各発音部の位置における前記液体の有無を判定し、前記液体の有無をもとに前記容器に保持された液体の位置を検出する工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項12に係る位置検出装置は、容器に保持された液体の位置を検出する位置検出装置であって、前記容器に臨んで配置され、液体の光学的特性を測定する測定光を出射する複数の光源と、前記複数の光源と対応させて対向配置され、前記容器を透過してくる測定光を受光する複数の受光器と、前記複数の受光器における測光データをもとに前記容器に保持された液体の位置を検出する検出部と、を有することを特徴とする。
【0018】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項13に係る分析装置は、複数の異なる液体を攪拌して反応させ、反応液の光学的特性を測定して前記反応液を分析する分析装置であって、前記位置検出装置を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、請求項14に係る分析装置は、上記の発明において、前記音波発生手段は、前記容器において前記液体が測光される面とは異なる面に配置されていることを特徴とする。
【0020】
また、請求項15に係る分析装置は、上記の発明において、前記判定制御部は、検出した前記液体の位置に応じて前記複数の発音部の中から前記液体を攪拌する発音部を選択し、駆動させることを特徴とする。
【0021】
また、請求項16に係る分析装置は、上記の発明において、さらに、前記液体の光学的特性を測定する測光手段を有し、前記判定制御部は、検出した前記液体の位置に応じて前記測光手段による前記液体の光学的特性の測定が行われる位置である測光位置を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の位置検出装置は、判定制御部が各発音部の位置における液体の有無をもとに容器に保持された液体の位置を検出し、あるいは、複数の受光器における測光データをもとに検出部が容器に保持された液体の位置を検出する。また、本発明の位置検出方法は、電気エネルギーの入力によって容器に設けた複数の発音部から個々に音波を発生させる工程と、各発音部から反射される電気エネルギーをもとに各発音部の電気的特性を測定する工程と、測定された電気的特性の違いをもとに各発音部の位置における液体の有無を判定し、液体の有無をもとに容器に保持された液体の位置を検出する工程を含む。このため、本発明の位置検出装置、位置検出方法及び分析装置は、簡単な構成で容器が保持した液体の位置を検出することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(実施の形態1)
以下、本発明の位置検出装置、位置検出方法及び分析装置にかかる実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、実施の形態1の自動分析装置を示す概略構成図である。図2は、実施の形態1の自動分析装置で使用する反応容器を反応ホイールの一部及び位置検出装置の概略構成図と共に示す斜視図である。図3は、反応容器が保持した液体の表面張力、内部の空気から鉛直上方に作用する力及び液体の重力との関係を説明する反応容器の縦断面図である。図4は、図3の反応容器の平面図である。
【0024】
自動分析装置1は、図1に示すように、作業テーブル2上に検体テーブル3、検体分注機構5、反応ホイール6、測光部10、洗浄装置11、試薬分注機構12及び試薬テーブル13が設けられ、位置検出装置25を備えている。
【0025】
検体テーブル3は、図1に示すように、駆動手段によって矢印で示す方向に回転され、外周には周方向に沿って等間隔で配置される収納室3aが複数設けられている。各収納室3aは、検体を収容した検体容器4が着脱自在に収納される。
【0026】
検体分注機構5は、反応ホイール6に保持された複数の反応容器7に検体を分注する手段であり、図1に示すように、検体テーブル3の複数の検体容器4から検体を順次反応容器7に分注する。検体分注機構5は、反応容器7に分注した検体の分注量を制御部16へ出力する。
【0027】
反応ホイール6は、図1に示すように、検体テーブル3とは異なる駆動手段によって矢印で示す方向に回転され、外周には周方向に沿って複数の凹部6aが等間隔で設けられている。反応ホイール6は、各凹部6aの半径方向両側に測定光が通過するスリット6b(図2参照)が形成されている。スリット6bは、反応容器7が有する液体保持部7dの上下方向に略対応した長さに成形されている。反応ホイール6は、一周期で時計方向に(1周−1反応容器)/4分回転し、四周期で反時計方向に凹部6aの1個分回転する。反応ホイール6の近傍には、測光部10及び洗浄装置11が設けられている。
【0028】
反応容器7は、容量が数nL〜数十μLと微量な容器であり、測光部10の光源10aから出射された分析光(340〜800nm)に含まれる光の80%以上を透過する透明素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス,環状オレフィンやポリスチレン等の合成樹脂が使用される。反応容器7は、図2及び図3に示すように、側壁7a,7bと底壁7cとによって液体を保持する水平断面が正方形の液体保持部7dが形成され、液体保持部7dの上部に開口7eを有する四角筒形状のキュベットである。反応容器7は、液体保持部7dの内面に検体や試薬等の液体に対する親和性処理が施され、対向配置され、分析光を透過させる2つの側壁7aが液体の光学的測定に使用される。反応容器7は、側壁7aを反応ホイール6の半径方向に向けると共に、側壁7bを反応ホイール6の周方向に向けて、凹部6aに配置される。
【0029】
ここで、反応容器7は、図3及び図4に示すように、液体Lqを少なくとも2つの気液界面M1,M2を有する状態で保持した場合に、保持した液体Lqから内壁全周に作用する表面張力Tの鉛直成分の大きさ(F=T・cosθ・L)と反応容器7内の、気体、例えば、空気Arから液体Lqに鉛直上方に作用する力(f=ΔP・S)との和が、次式で示すように液体Lqに作用する重力(W=ρ・g・H・S)以上となる接触角を有するものを用いる。
F+f=(T・cosθ・L+ΔP・S)≧W=ρ・g・H・S
【0030】
このとき、図示のように、反応容器7と保持した液体Lqとの接触角をθ、液体Lqと反応容器7との気液界面における周方向に沿った長さをL、気液界面M1に作用する大気圧をP1、反応容器7内の空気Arから気液界面M2に作用する圧力をP2(ΔP=P1−P2)、液体Lqの密度をρ、重力加速度をg、反応容器7に保持された液体Lqの鉛直方向の長さをH、液体保持部7dの水平方向の断面積をS、とする。反応容器7は、液体Lqに対してこのような接触角θを有していれば、表面張力と空気Arの圧力との和が重力以上となるので、液体Lqが開口7eに保持される。反応容器7におけるこのような表面張力F、液体Lqに作用する力f及び重力Wの関係は、反応容器7内に空気Arが存在する場合には、以下に説明する各実施の形態で使用する他の反応容器においても同様に適用される。
【0031】
測光部10は、図1に示すように、反応ホイール6下部の凹部6aを挟んで半径方向に対向する位置に昇降自在に設けられる測光手段であり、反応容器7に保持された液体を分析する分析光(340〜800nm)を出射する光源10aと、液体を透過した分析光を分光して受光する受光器10bとを有している。測光部10は、制御部16に作動を制御されたZ軸ステージ等のドライバDrによって光源10aと受光器10bが反応容器7に保持された液体の気液界面に交差する鉛直方向へ移動するように上下位置(測光位置)が制御される。
【0032】
洗浄装置11は、反応容器7から液体や洗浄液を排出する排出手段と、洗浄液の分注手段とを有している。洗浄装置11は、測光終了後の反応容器7から測光後の液体を排出した後、洗浄液を分注する。洗浄液の分注量は、測光時に反応容器7が保持していた液体よりも僅かに多い量とする。洗浄装置11は、洗浄液の分注と排出の動作を複数回繰り返すことにより、反応容器7の内部を洗浄する。このようにして洗浄された反応容器7は、再度、新たな検体の分析に使用される。
【0033】
試薬分注機構12は、反応ホイール6に保持された複数の反応容器7に試薬を分注する手段であり、図1に示すように、試薬テーブル13の所定の試薬容器14から試薬を順次反応容器7に分注する。試薬分注機構12は、反応容器7に分注した試薬の分注量を制御部16へ分注量信号として出力する。
【0034】
試薬テーブル13は、図1に示すように、検体テーブル3及び反応ホイール6とは異なる駆動手段によって矢印で示す方向に回転され、扇形に成形された収納室13aが周方向に沿って複数設けられている。各収納室13aは、試薬容器14が着脱自在に収納される。複数の試薬容器14は、それぞれ検査項目に応じた所定の試薬が満たされ、外面には収容した試薬に関する情報を表示するバーコードラベル(図示せず)が貼付されている。
【0035】
ここで、試薬テーブル13の外周には、図1に示すように、試薬容器14に貼付した前記バーコードラベルに記録された試薬の種類,ロット及び有効期限等の情報を読み取り、制御部16へ出力する読取装置15が設置されている。
【0036】
制御部16は、検体テーブル3、検体分注機構5、反応ホイール6、受光器10b、洗浄装置11、試薬分注機構12、試薬テーブル13、読取装置15、分析部17、入力部18、表示部19及び位置検出装置25と接続され、例えば、分析結果を記憶する記憶機能を備えたマイクロコンピュータ等が使用される。制御部16は、自動分析装置1の各部の作動を制御すると共に、前記バーコードラベルの記録から読み取った情報に基づき、試薬のロットや有効期限等が設置範囲外の場合、分析作業を停止するように自動分析装置1を制御し、或いはオペレータに警告を発する。
【0037】
分析部17は、制御部16を介して受光器10bに接続され、受光器10bが受光した光量に基づく反応容器7内の液体の吸光度から検体の成分濃度等を分析し、分析結果を制御部16に出力する。入力部18は、制御部16へ検査項目等を入力する操作を行う部分であり、例えば、キーボードやマウス等が使用される。表示部19は、分析内容や警報等を表示するもので、ディスプレイパネル等が使用される。
【0038】
以上のように構成される自動分析装置1は、回転する反応ホイール6によって周方向に沿って搬送されてくる反応容器7に検体分注機構5が検体テーブル3の複数の検体容器4から検体を順次分注する。検体が分注された反応容器7は、反応ホイール6によって試薬分注機構12の近傍へ搬送されて所定の試薬容器14から試薬が分注される。そして、試薬が分注された反応容器7は、反応ホイール6によって周方向に沿って搬送される間に試薬と検体とが攪拌されて反応し、測光部10を通過する。このとき、反応容器7内の試薬と検体とが反応した反応液は、光源10aが出射した分析光が透過して受光器10bによって測光され、分析部17によって成分や濃度等が分析される。そして、分析が終了した反応容器7は、排出装置11によって反応終了後の液体試料が排出されて図示しない洗浄装置によって洗浄された後、再度検体の分析に使用される。
【0039】
このとき、自動分析装置1は、攪拌手段を兼ねる位置検出装置によって反応容器7が保持した液体の位置が検出され、液体が存在する位置で適切に測光が行われる。この液体の検出に用いる位置検出装置25を以下に説明する。
【0040】
位置検出装置25は、図2に示すように、送電体21、反射測定器26及び表面弾性波素子27を有しており、反射測定器26が駆動回路21bとRF送信アンテナ21aとの間に直列に接続されている。
【0041】
送電体21は、RF送信アンテナ21a、駆動回路21b及びコントローラ21cを有している。送電体21は、数MHz〜数百MHz程度の高周波交流電源から供給される電力を反射測定器26を介してRF送信アンテナ21aから駆動信号として表面弾性波素子27に発信する。RF送信アンテナ21aは、反応ホイール6の凹部6a内面に取り付けられている。このため、位置検出装置25は、例えば、コントローラ21cによって制御されるスイッチを切り替えることにより、供給される電力を複数のRF送信アンテナ21aの中から特定のRF送信アンテナ21aに出力するように切り替える。
【0042】
駆動回路21bは、コントローラ21cからの制御信号に基づいて発振周波数を変更可能な発振回路を有しており、数十MHz〜数百MHz程度の高周波の発振信号をRF送信アンテナ21aへ出力する。ここで、RF送信アンテナ21aと駆動回路21bとの間は、反応ホイール6が回転しても電力が電送されるように、接触電極を介して接続されている。
【0043】
コントローラ21cは、反射測定器26において測定された電気的特性の違いをもとに発音部である各振動子27b〜27dの位置における液体の有無を判定する判定制御部である。コントローラ21cは、駆動回路21bの作動を制御し、例えば、表面弾性波素子22が発する音波の特性(周波数,強度,位相,波の特性)、波形(正弦波,三角波,矩形波,バースト波等)或いは変調(振幅変調,周波数変調)等を制御する。また、コントローラ21cは、内蔵したタイマに従って駆動回路21bが発振する発振信号の周波数を切り替えることができる。コントローラ21cは、反射測定器26から入力される反射信号をもとに反応容器に保持された液体の有無を判定し、液体の位置を検出すると共に、振動子27b〜27dの中から液体の攪拌に使用すべき振動子を決定する。このとき、使用すべき振動子を決定したコントローラ21cは、駆動回路21bに制御信号を出力し、決定した振動子を中心周波数で駆動させるように発振周波数を変更する。
【0044】
反射測定器26は、表面弾性波素子27の発音部である振動子27b〜27dの電気的特性を測定する測定部である。反射測定器26は、駆動回路21bで発生し、RF送信アンテナ21aから表面弾性波素子27に出力された電力に対して、振動子27b〜27dから反射されて戻ってくる電気エネルギー(電力)の反射率を測定するもので、例えば、定在波比(SWR: Standing Wave Ratio)計が使用される。反射測定器26は、測定した電力の反射率を反射信号としてコントローラ21cに出力する。ここで、反射測定器26は、振動子27b〜27dの電気的特性を測定することができれば、発音部である振動子27b〜27dからの電力の反射率の他、インピーダンス,電圧,電流に関する値の少なくとも一つであればよい。
【0045】
表面弾性波素子27は、複数の発音部を有する音波発生手段であり、図5に示すように、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等からなる圧電基板27a上に櫛歯状電極(IDT)からなる発音部である振動子27b〜27dが形成され、振動子27b〜27dがアンテナ27eによって並列接続されている。このとき、表面弾性波素子27は、振動子27b〜27dの中心周波数をf1〜f3(f1<f2<f3)に設定し、音響整合層を介して反応容器7の側壁7bに取り付ける。
【0046】
このように構成される位置検出装置25は、以下に説明する位置検出方法により、反応容器7に保持された液体の有無や位置を検出する。即ち、位置検出装置25による位置検出方法は、駆動回路21bがRF送信アンテナ21aに出力する表面弾性波素子27の駆動信号の周波数を経時的に変化させ、振動子27b〜27dから個々に音波を発生させる工程と、個々に発生させた音波に基づいて各振動子27b〜27dからの駆動信号の反射率を測定する工程と、測定された反射率の違いに基づいて各振動子27b〜27dの位置における液体の有無を判定する工程と、を含んでいる。位置検出装置25は、この位置検出方法により、反応容器7に保持された液体の有無や位置を検出することができる。なお、反応容器7に保持された液体の位置とは、反応容器7において液体が保持される範囲である。
【0047】
ここで、位置検出装置25は、位置検出方法を実行する際、例えば、駆動回路21bがRF送信アンテナ21aに出力する表面弾性波素子27の駆動信号の周波数を、図6に示すように、経時的に直線的に変化させる。この場合、反応容器7は、検体や試薬の分注がないと、図7に示すように、液体保持部7cが空の状態である。このとき、位置検出装置25は、図6に示すように、駆動信号の周波数を変化させると、ぞれぞれの時刻T1,T2,T3において周波数がf1,f2,f3となり、振動子27b〜27dが振動子27b,振動子27c,振動子27dの順に駆動される。しかし、反応容器7は、液体保持部7cが空のため、発生した音波が液体に漏れ出さず、駆動回路21bから出力された電力の一部が振動子27b〜27dから反射されてくる。このため、反射測定器26は、図8に示すように、時刻T1,T2,T3において周波数f1,f2,f3の駆動信号の反射率が最小となる振動子27b〜27dからの反射信号をコントローラ21cに出力する。
【0048】
一方、検体や試薬の分注量が僅かな場合、反応容器7は、図9に示すように、表面張力によって液体Lqが開口7d近傍に保持される。このとき、位置検出装置25は、図6に示すように、駆動信号の周波数を変化させると、振動子27bが最も液体Lqに近いことから、振動子27bが発生した音波が液体に漏れ出す量が最も多く、振動子27c,27dが発生した音波が液体に漏れ出す量が少なくなる。このため、反射測定器26は、図10に示すように、振動子27bからの反射率が、振動子27c,27dからの反射率よりも格段に小さくなる反射信号(周波数f1)をコントローラ21cに出力する。このとき、振動子27c,27dから反射してくる駆動信号(周波数f2,f3)の反射率は、振動子27c,27dに対応する液体保持部7cに液体がなく、音波が液体に漏れ出さないことから、周波数f1の駆動信号の反射率よりも大きく、かつ、図8における振動子27c,27dの駆動信号(周波数f2,f3)の反射率と略等しい値になっている。
【0049】
これに対し、検体や試薬が多量に分注されると、反応容器7は、図11に示すように、液体Lqが、開口7d近傍から液体保持部7cの下部近く迄保持される。この状態においては、振動子27b〜27dと液体Lqとの位置が近い関係にある。このため、位置検出装置25は、図6に示すように、駆動信号の周波数を変化させると、振動子27b〜27dのそれぞれが発生した音波が液体に漏れ出すため、振動子27b〜27dからの駆動信号の反射率が小さくなる。このため、反射測定器26は、図12に示すように、振動子27bの駆動信号(周波数f1)の反射率に加え、振動子27c,27dの駆動信号(周波数f2,f3)の反射率も同様に最小となる反射信号をコントローラ21cに出力する。
【0050】
さらに、検体や試薬の分注量は中程度であるが、例えば、表面張力が極端に小さいか、密度ρが大きい等により、図13に示すように、液体Lqが反応容器7の底部まで浸入することがある。この状態においては、振動子27dと液体Lqとの位置が近い関係にある。このため、位置検出装置25は、図6に示すように、駆動信号の周波数を変化させると、振動子27dが発生した音波が液体に漏れ出し、振動子27b,27cが発生した音波の漏れ出し量が少なくなる。このため、反射測定器26は、図14に示すように、振動子27dの駆動信号(周波数f3)の反射率が、振動子27b,27cの駆動信号(周波数f1,f2)の反射率に比べて格段に小さい反射信号をコントローラ21cに出力する。
【0051】
以上から、実施の形態1の位置検出装置25及び位置検出方法は、反射測定器26からコントローラ21cに出力される駆動信号の反射率の大小をコントローラ21cにおいて判断することにより、反応容器7への液体の分注の有無(液体の有無)の他、反応容器7が保持した液体の位置を検出することができる。
【0052】
このため、実施の形態1の自動分析装置1は、位置検出装置25のコントローラ21cが検出した反応容器7における液体の位置に応じ、駆動すべき振動子27b〜27dを制御部16が選択することにより、反応容器7に保持された液体の最適な攪拌を行うことができる。このとき、実施の形態1の自動分析装置1は、位置検出装置25が検出した液体の位置に応じて、制御部16によってドライバDrを介して測光部10の上下位置を調節し、液体の位置に合わせて測光位置を制御し、測光を行う。
【0053】
従って、実施の形態1の自動分析装置1は、反応容器7内において液体が保持される位置を位置検出装置25で検出することにより、反応容器7が保持した液体の位置で測光部10によって測光することができるという効果を奏する。また、実施の形態1の位置検出装置と位置検出方法は、簡単な構成で反応容器7が保持した液体の位置を検出することができる。また、実施の形態1の自動分析装置1は、反応容器7が保持した液体の位置で測光を行うことができるという効果を奏する。さらに、反応容器7内の液体に接触することなく、反応容器7の外から液体の位置を検出することができるので、自動分析装置1に使用したときには、反応容器7内への他の物質の混入を防ぐことができる。
【0054】
ここで、実施の形態1の自動分析装置1は、位置検出装置25における表面弾性波素子27の駆動信号の周波数を、図6に示すように経時的に直線的に変化させたが、駆動信号の周波数を時刻T1までは周波数f1、時刻T1〜T2の間は周波数f2、時刻T2以降は周波数f3というように段階的に変化させてもよい。
【0055】
(実施の形態2)
次に、本発明の位置検出装置、位置検出方法及び分析装置にかかる実施の形態2について、図面を参照しつつ詳細に説明する。実施の形態1の位置検出装置、位置検出方法及び自動分析装置は、表面弾性波素子の複数の振動子を用いて液体の位置を検出した。これに対して実施の形態2の位置検出装置、位置検出方法及び自動分析装置は、複数の光源から出射された光束を複数の受光器によって測光した測光データをもとに液体の位置を検出している。
【0056】
図15は、実施の形態2の自動分析装置の概略構成を反応容器の断面と共に示す模式図である。ここで、実施の形態2の自動分析装置は、基本構成が実施の形態1の自動分析装置と同じである。従って、実施の形態の自動分析装置は、実施の形態1の自動分析装置と同一の構成部分には同一の符号を使用している。
【0057】
自動分析装置30は、図15に示すように、測光部31が複数のLED32aからなる光源アレイ32と複数の受光素子33aからなる受光素子アレイ33とを有している。自動分析装置30は、制御部16と測光部31とによって位置検出装置を構成しており、制御部16が、受光素子アレイ33の測光データをもとに反応容器7に保持された液体の位置を検出する検出部となる。複数のLED32a及び複数の受光素子33aは、反応容器7に保持された液体Lqの気液界面M1,M2に交差する鉛直方向に沿って配列されている。反応容器7には、図16に示す表面弾性波素子24が音響整合層を介して取り付けられている。
【0058】
表面弾性波素子24は、圧電基板27aと同じ素材からなる圧電基板24a上に櫛歯状電極(IDT)からなる2つの振動子24b,24cが形成され、振動子24b,24cがアンテナ24dによって並列接続されている。このとき、振動子24b,24cは、一方の振動子24bの中心周波数をf1とし、他方の振動子24cの中心周波数をf2(>f1)とする。また、表面弾性波素子24は、振動子24bを上側に配置した状態で音響整合層を介して反応容器7の側壁7bに取り付ける。
【0059】
このため、表面弾性波素子24は、送電体21のRF送信アンテナ21aから周波数f1の駆動信号を発信すると、上側に位置する振動子24bが励振され、周波数f2の駆動信号を発信すると、下側に位置する振動子24cが励振される。従って、自動分析装置30は、反応容器7が保持している液体の量に応じて駆動周波数を切り替えて液体を攪拌する。
【0060】
自動分析装置30は、制御部16から出力された制御信号を切替回路33によって切り替え、光源アレイ32に出力することによりLED32aを順次点灯させる。これと並行して、自動分析装置30は、制御部16から出力された制御信号を切替回路35によって切り替えることによりLED32aから出射された分析光を受光素子アレイ33の中の対応する受光素子33aによって順次受光することにより反応容器7に保持された液体Lqの測光と位置検出を行う。各受光素子33aが受光した測光データは、制御部16に出力される。
【0061】
このとき、制御部16は、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力される検体や試薬の分注量に基づいて、予め液体Lqの位置、即ち、測光位置を決める表や関数を求めておき、これらの表や関数に基づいて液体Lqの位置及びその前後を含む範囲に位置するLED32aと受光素子33aを順次切り替えることにより、測光位置を制御する。そして、制御部16は、各受光素子33aから出力された測光データの中から、液体Lqによる吸収に起因する光量が少ない測光データと、液体Lqが存在しないため光の吸収が少なく、光量が多い測光データとを比較し、光量が少ない測光データを出力した受光素子33aの位置を液体の位置として検出すると共に、最も受光量が少ない受光素子33aの測光データを液体Lqを透過した分析光の測光量とする。この場合、液体Lqが存在する位置にある受光素子33aの数は、液量に応じて単数の場合もあれば複数の場合もある。
【0062】
自動分析装置30は、制御部16と測光部31とによって液体の位置を検出すると共に、反応容器7が保持した液体の位置で測光部31によって測光することができる。このとき、図15に示すように、液体Lqの分注量が少ない場合、反応容器7は容量が数nL〜数十μLと非常に微小であることから、液体Lqは、表面張力の影響が大きくなって開口7e近傍に保持される。このため、制御部16は、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力された検体や試薬の分注量から液体Lqの量を求め、求めた液体Lqの量に基づいて予め求めておいた測光位置を決める前記表や関数に基づいてLED32aと受光素子33aを順次切り替えることにより、測光位置を制御しながら液体Lqを開口7eの近傍で測光する。
【0063】
但し、反応容器7が試薬や検体を含む液体Lqを保持する位置は、液体Lqの種類又は量、反応容器7の形状又は材質のうち少なくとも一つに応じて変化する。このため、例えば、試薬や検体の分注量が多く、液体Lqが多くなり、液体Lqが開口7e近傍から液体保持部7dの半ばまで浸入したような場や、量の少ない液体Lqが開口7e近傍から液体保持部7dの半ばまで浸入したような場合が生ずることがある。
【0064】
この場合、制御部16は、測光位置を制御することなく測光部10の初期位置である開口7eの近傍で液体Lqを測光してもよいし、LED32aと受光素子33aを順次切り替えることにより、測光位置を制御しながら液体Lqを測光してもよい。また、量の少ない液体Lqが液体保持部7dに浸入したような場合には、開口7e近傍における測光データから開口7e近傍に液体が存在していないことが分かる。このため、自動分析装置30は、液体の存在を検出した位置及び分注量の情報から、制御部16が前記表や関数に基づいて決まる前記範囲に位置するLED32aと受光素子33aを順次切り替えることにより、測光位置を制御しながら液体Lqを開口7eの近傍で測光する。
【0065】
このように、実施の形態2の位置検出装置、位置検出方法及び自動分析装置30は、制御部16と測光部31とによって反応容器7に保持された液体の位置を検出し、検出した液体の位置に応じて制御部16がLED32aと受光素子33aを順次切り替えるので、反応容器7が保持した液体の位置で測光部31によって液体を測光することができる。このように、実施の形態2の位置検出装置及び位置検出方法は、簡単な構成で反応容器7が保持した液体の位置を検出することができ、自動分析装置30は、反応容器7が保持した液体の位置で液体を測光することができる。また、実施の形態1と同様に、反応容器7内の液体に接触することなく、反応容器7の外から液体の位置を検出することができるので、自動分析装置30に使用したときには、反応容器7内への他の物質の混入を防ぐことができる。
【0066】
また、自動分析装置30は、測光部31を昇降させるドライバを使用しないので、光源36や受光素子アレイ33が受けるノイズの低減やリファレンス測光の工程を削減することができる。
【0067】
(変形例1)
ここで、自動分析装置30は、図17に示すように、光源アレイ32に代えて単一の光源36とし、制御部16から出力された制御信号を切替回路35によって切り替える。そして、光源36が出射した分析光を複数の受光素子33aによって順次受光することによって反応容器7の開口7e近傍で液体Lqの測光を行う。これにより、制御部16は、測光と併せて各受光素子33aが出力した測光データから液体の保持位置を検出することができる。ここで、制御部16は、測光に利用する特定の受光素子33aを選択する場合、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力される検体や試薬の分注量に基づいて該当位置に存在する受光素子33aを選択する。従って、自動分析装置30は、反応容器7が保持した液体の量が多い場合であっても、制御部16によって特定の受光素子33aを選択することにより、反応容器7に保持された液体Lqの位置に合わせて受光素子アレイ33による測光位置を制御しながら液体Lqを測光することができる。尚、単一の光源は、測定光を平行にするレンズが対向する受光素子の各要素に対応するように、光源の出射面に設けられている。
【0068】
(変形例2)
一方、自動分析装置30は、図18に示すように、受光素子アレイ33に代えて単一の受光素子37とし、制御部16から出力された制御信号を切替回路33によって切り替えることにより光源アレイ32の複数のLED32aを順次点灯させる。そして、各LED32aが出射した分析光を受光素子37によって順番に受光することによって反応容器7の開口7e近傍で液体Lqを測光してもよい。これにより、制御部16は、受光素子37が出力した複数の測光データから液体Lqを透過した分析光を出射したLED32aを特定することで、液体の保持位置を検出することができる。ここで、制御部16は、点灯するLED32aを選択する場合、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力される検体や試薬の分注量に基づいて該当位置に存在するLED32aを選択する。従って、自動分析装置30は、反応容器7が保持した液体の量が多い場合であっても、制御部16によって点灯するLED32aを選択することにより、反応容器7に保持された液体Lqの位置に合わせ、光源アレイ32によって測光位置を制御しながら液体Lqを測光することができる。
【0069】
以上の説明から明らかなように、変形例1,2によれば、光源、受光部及び切替回路の構成部品数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施の形態1の自動分析装置を示す概略構成図である。
【図2】実施の形態1の自動分析装置で使用する反応容器を反応ホイールの一部及び位置検出装置の概略構成図と共に示す斜視図である。
【図3】反応容器が保持した液体の表面張力、内部の空気から鉛直上方に作用する力及び液体の重力との関係を説明する反応容器の縦断面図である。
【図4】図3の反応容器の平面図である。
【図5】図2に示す反応容器で使用され、反応容器に保持された液体の位置検出に使用する表面弾性波素子を示す正面図である。
【図6】図5に示す表面弾性波素子の経時的な駆動の一例を示す周波数の時間変化図である。
【図7】図5に示す表面弾性波素子を取り付けた反応容器の液体保持部が空の場合を示す断面図である。
【図8】図7に示す表面弾性波素子を駆動した場合の駆動信号の反射率に関する周波数特性図である。
【図9】液体が図5に示す反応容器の液体保持部上部の開口近傍に保持された場合を示す断面図である。
【図10】図9に示す表面弾性波素子を駆動した場合の駆動信号の反射率に関する周波数特性図である。
【図11】液体が図5に示す反応容器の開口近傍から液体保持部の下部近く迄保持された場合を示す断面図である。
【図12】図11に示す表面弾性波素子を駆動した場合の駆動信号の反射率に関する周波数特性図である。
【図13】液体が図5に示す反応容器の底部まで浸入した場合を示す断面図である。
【図14】図13に示す表面弾性波素子を駆動した場合の駆動信号の反射率に関する周波数特性図である。
【図15】実施の形態2の自動分析装置の構成を反応容器の断面と共に概略的に示すブロック図である。
【図16】実施の形態2の自動分析装置で使用する反応容器に取り付ける表面弾性波素子を示す正面図である。
【図17】実施の形態2の自動分析装置の変形例1を反応容器の断面と共に概略的に示すブロック図である。
【図18】実施の形態2の自動分析装置の変形例2を反応容器の断面と共に概略的に示すブロック図である。
【符号の説明】
【0071】
1 自動分析装置
2 作業テーブル
3 検体テーブル
4 検体容器
5 検体分注機構
6 反応ホイール
7,8,9 反応容器
10 測光部
11 洗浄装置
12 試薬分注機構
13 試薬テーブル
14 試薬容器
15 読取装置
16 制御部
17 分析部
18 入力部
19 表示部
21 送電体
24,27 表面弾性波素子
25 位置検出装置
26 反射測定器
30 自動分析装置
31 測光部
32 光源アレイ
33 受光素子アレイ
33,35 切替回路
36 光源
37 受光素子
Ar 空気
BL 光束
Dr ドライバ
Lq 液体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に保持された液体の位置を検出する位置検出装置であって、
前記容器に接して配置されると共に、電気エネルギーの入力によって音波を発生する複数の発音部を有する音波発生手段と、
前記各発音部から反射される前記電気エネルギーをもとに当該各発音部の電気的特性を測定する測定部と、
前記測定部において測定した電気的特性の違いをもとに前記各発音部の位置における前記液体の有無を判定する判定制御部と、
を有することを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
前記判定制御部は、前記複数の発音部の各電気的特性値の大小から前記液体の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記電気的特性値は、前記複数の発音部における電気エネルギーの反射率,インピーダンス,電圧,電流に関する値の少なくとも一つであることを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記判定制御部は、判定した前記各発音部の位置における前記液体の有無に基づいて前記容器が保持した液体の位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記液体の位置は、前記容器内において前記液体が存在する範囲であることを特徴とする請求項4に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記音波発生手段は、前記容器に保持された液体を攪拌する攪拌手段を兼ねることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記複数の発音部は、互いに中心周波数が異なることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項8】
前記測定部は、前記複数の発音部のそれぞれにおける電気エネルギーの反射率を互いに異なる前記中心周波数において測定することを特徴とする請求項7に記載の位置検出装置。
【請求項9】
前記複数の発音部は、それぞれ櫛歯状電極であることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項10】
前記液体は、少なくとも一つの気液界面を有して前記容器に保持され、
前記複数の発音部は、前記気液界面に直交する方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項11】
容器に保持された液体の位置を検出する位置検出方法であって、
電気エネルギーの入力によって前記容器に設けた複数の発音部から個々に音波を発生させる工程と、
前記各発音部から反射される前記電気エネルギーをもとに当該各発音部の電気的特性を測定する工程と、
測定された電気的特性の違いをもとに前記各発音部の位置における前記液体の有無を判定し、前記液体の有無をもとに前記容器に保持された液体の位置を検出する工程と、
を含むことを特徴とする位置検出方法。
【請求項12】
容器に保持された液体の位置を検出する位置検出装置であって、
前記容器に臨んで配置され、液体の光学的特性を測定する測定光を出射する複数の光源と、
前記複数の光源と対応させて対向配置され、前記容器を透過してくる測定光を受光する複数の受光器と、
前記複数の受光器における測光データをもとに前記容器に保持された液体の位置を検出する検出部と、
を有することを特徴とする位置検出装置。
【請求項13】
複数の異なる液体を攪拌して反応させ、反応液の光学的特性を測定して前記反応液を分析する分析装置であって、請求項1〜10,12のいずれか一つに記載の位置検出装置を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項14】
前記音波発生手段は、前記容器において前記液体が測光される面とは異なる面に配置されていることを特徴とする請求項13に記載の分析装置。
【請求項15】
前記判定制御部は、検出した前記液体の位置に応じて前記複数の発音部の中から前記液体を攪拌する発音部を選択し、駆動させることを特徴とする請求項13に記載の分析装置。
【請求項16】
さらに、前記液体の光学的特性を測定する測光手段を有し、
前記判定制御部は、検出した前記液体の位置に応じて前記測光手段による前記液体の光学的特性の測定が行われる位置である測光位置を制御することを特徴とする請求項13に記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−205815(P2007−205815A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−23819(P2006−23819)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】