説明

位置決め装置の較正方法、装置およびシステム

【課題】位置決め装置の較正を自動的、迅速、かつ正確に行うことができる技術的解決法を提供する。
【解決手段】空間特徴点として選択された空間内の複数のロケーション点に配置された測距信号の発信機能を有するタグ110と、タグからの測距信号に基づいて前記空間特徴点の位置決め装置に対する相対座標を取得するように構成された前記空間内の位置決め装置120と、前記位置決め装置の較正を行うために、前記相対座標に基づいて前記空間内の前記位置決め装置のロケーションパラメータを決定するように構成されたサーバ130とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置決め技術の分野に関し、特に、位置決め装置を較正するための方法、装置およびシステム、並びに、空間内の関心ある領域の特徴付けを行うための方法、装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロケーション情報は、ユーザと環境間の地理的関係を特定する際に利用できる基本的なコンテキスト情報であり、これによりユーザの行動をより深く理解することが可能になる。ロケーション認識用途の重要性と将来性を背景に、ロケーション情報を提供するシステムの設計および実装が推進されるようになってきた。現在では、人や資産を正確にかつリアルタイムで追跡する高精度屋内位置決めシステム(Ha−IPS:high accuracy indoor positioning system)がいくつか開発されており、オフィス、医療、炭坑、地下鉄、スマートビルディング、レストラン等の環境で様々な用途に利用されている。
【0003】
現在のHa−IPSは、超音波を利用するものと超広帯域無直線を利用するものとに大別される。これらのシステムに共通する特徴は、1センチ単位の精度で位置決めを行う点にある。Ha−IPSの用途によっては、関心領域(AOI:Area of Interest)内で移動する対象物のロケーションを監視するためには、使用環境内に位置決め装置を配置し、その後継続的に較正を実行しなければならない場合がある。通常、こうした移動する対象物のロケーションをリアルタイムで追跡できるHa−IPSのような位置決めシステムは、ロケーションベースサービスを提供するために使用される。オフィス環境を例にとると、Ha−IPS等の位置決め装置を配置することにより、端末や従業員のロケーションを追跡することが可能になる。そのため、ロケーションベースのアクセスルールを設計することで、「セキュリティ管理区域」を定義することができる。これにより、秘密情報を格納したデータベースへのアクセスを、セキュリティ管理区域内でのみ許可し、その他の場所では禁止することが可能になる。このセキュリティ管理区域は、部屋や職場エリアの一部は無論のこと、1つのテーブルにさえも設定することができる。
【0004】
これまで、ユーザと環境間の地理的関係を提供するために、様々なHa−IPSが開発されてきた。これらのHa−IPSで実行される位置決めおよび地理的関係決定処理は、大きく以下の3フェーズに分けることができる。
【0005】
1.Ha−IPS設定フェーズ。通常、このフェーズは以下の3つのステップで構成される。
【0006】
1)基準点のロケーションの較正。「基準点のロケーション」とは、位置決め装置またはビーコンのロケーションである。物点(対象物)のロケーションを計算する際には、位置決め装置すなわち基準点のロケーションが既知でなければならず、位置決めアルゴリズムではこれらのロケーションが計算の基準として使用される。
【0007】
2)基準空間のサイズの設定。「基準空間」とは、部屋やオフィスなどの対象物が移動している空間を意味する。対象物の環境に対する地理的関係を知るためには、基準空間のサイズが既知でなければならない。
【0008】
3)関心領域の特徴付け。「関心領域(AOI)」とは、用途に固有な要件(例えば、セキュリティ保護など)に関連して、ユーザにより特徴付けられた地理的空間を意味する。関心領域は基準空間内に存在する。例えば、「セキュアテーブル」の用途においては、そのテーブルが関心領域として定義される。秘密情報へのアクセスは関心領域内でのみ許可され、それ以外の場所では秘密情報へのアクセスは禁じられる。
【0009】
Ha−IPS設定フェーズでは、基準点の較正誤差は対象物位置決め処理にそのまま継承されるため、十分に高精度な較正が必要とされる。また、位置決め装置は天井に配置されることが一般的なため、基本的には人的作業を要さずに較正処理を実行できることが重要となる。さらに、現場環境の測定は多数の人的作業を伴うため、正確、迅速で自動的な基準空間設定方法も必要となる。
【0010】
2.Ha−IPSオンライン位置情報管理フェーズ。このフェーズでは、対象物の距離の測定値と較正済み基準点の座標とに基づいて、物点のリアルタイムロケーションが計算される。
【0011】
3.地理的関係推定フェーズ。このフェーズでは、基準空間および関心領域の定義と、第2フェーズで計算された物点のリアルタイムロケーションとに基づいて、対象物の基準空間および関心領域に対する地理的関係が推定される。関心領域の特徴付けは主に手作業で行われるため、この処理では測定作業と記録作業に多大な労力が費やされる。
【0012】
前述したように、既存のHa−IPSに共通する欠点は、設定、較正、特徴付けに多大な労力を要する点にある。そのため、既存のHa−IPSは利便性が高いとは言えず、またユーザにとっての使い勝手の面でも不十分である。
【0013】
したがって、当該技術においては、位置決め装置の設定および較正を自動化するための技術的解決法と、空間内における関心領域の特徴付けを自動化するための技術的解決法とを確立することが火急の課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、位置決め装置の設定および較正を自動化するための技術的解決法を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、空間内における関心領域の特徴付けを自動化するための技術的解決法を提供することである。
【0016】
本発明の第1の態様によれば、システムが提供される。当該システムは、空間内の空間特徴点として選択された1つ以上のロケーション点に配置された、測距信号を発信するタグと、タグからの測距信号に基づいて位置決め装置に対する空間特徴点の相対座標を取得するように構成された、空間内の位置決め装置と、位置決め装置の較正を行うために、相対座標に基づいて空間内の前記位置決め装置のロケーションパラメータを決定するように構成されたサーバとを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の第2の態様によれば、システムが提供される。当該システムは、空間内の1つ以上のロケーション点に配置された、測距信号の発信機能を有するタグと、タグからの測距信号に基づいて空間内におけるロケーション点の絶対座標を取得するように構成された第1較正済み位置決め装置と、タグからの測距信号に基づいて第2位置決め装置に対するロケーション点の相対座標を取得するように構成された第2位置決め装置と、第2位置決め装置を較正するために、絶対座標と相対座標とに基づいて、空間内における第2位置決め装置のロケーションパラメータを決定するように構成されたサーバとを備え、ロケーション点は第1較正済み位置決め装置と第2位置決め装置との間の重複カバー領域内に位置することを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の態様によれば、システムが提供される。当該システムは、空間内の関心領域を特徴付ける関心領域(AOI)特徴点に配置された、測距信号の発信機能を有するタグと、タグからの測距信号に基づいて、AOI特徴点のロケーションパラメータを取得するように構成された、空間内の位置決め装置と、AOI特徴点のロケーションパラメータに基づいて関心領域を特徴付けるように構成されたサーバとを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の第4の態様によれば、空間内の位置決め装置を較正する方法が提供され、当該空間内の1つ以上のロケーション点が空間特徴点として選択される。当該方法は、前記位置決め装置に対する前記空間特徴点の相対座標を受信し、前記位置決め装置を較正するために、前記相対座標に基づいて、前記空間内における前記位置決め装置のロケーションパラメータを決定することを特徴とする。
【0020】
本発明の第5の態様によれば、位置決め装置を較正するための方法が提供される。当該方法は、空間内の1つ以上のロケーション点の絶対座標と、前記位置決め装置に対する前記ロケーション点の相対座標とを受信し、前記位置決め装置を較正するために、前記絶対座標と前記相対座標とに基づいて、前記空間における前記位置決め装置のロケーションパラメータを決定することを特徴とする。
【0021】
本発明の第6態様によれば、空間内の関心領域を特徴付けるための方法が提供される。当該方法は、空間内に配置された位置決め装置によって取得された、関心領域を特徴付ける関心領域(AOI)特徴点のロケーションパラメータを受信し、前記ロケーションパラメータに基づいて前記関心領域を特徴付けることを特徴とする。
【0022】
本発明の第7の態様によれば、空間内に配置された位置決め装置を較正するための装置が提供され、当該空間内の1つ以上のロケーション点が空間特徴点として選択される。当該装置は、前記位置決め装置に対する前記空間特徴点の相対座標を受信するための受信手段と、前記位置決め装置を較正するために、前記相対座標に基づいて、前記空間内における前記位置決め装置のロケーションパラメータを決定するための決定手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
本発明の第8の態様によれば、位置決め装置を較正するための装置が提供される。当該装置は、空間内の1つ以上のロケーション点の絶対座標と、前記位置決め装置に対する前記ロケーション点の相対座標とを受信するための受信手段と、前記位置決め装置を較正するために、前記絶対座標と前記相対座標とに基づいて、前記空間における前記位置決め装置のロケーションパラメータを決定するための決定手段とを備えることを特徴とする。
【0024】
本発明の第9の態様によれば、空間内の関心領域を特徴付けるための装置が提供される。当該装置は、空間内に配置された位置決め装置によって取得された、関心領域を特徴付ける関心領域(AOI)特徴点のロケーションパラメータを受信するための受信手段と、前記ロケーションパラメータに基づいて前記関心領域を特徴付けるための特徴付け手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
本発明の各実施例の効果は、位置決め装置の較正および設定処理時において、各種ロケーションパラメータの手動測定回数と測定対象のサイズが削減されるだけでなく、場合によっては不要となることである。その結果、人件費が節減され、作業効率が高まり、位置決めの精度も向上する。さらに、本発明の一実施例によれば、空間内の関心領域の特徴付けを自動化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
上記から本発明を深く理解し、かつ以下の添付図面を参照しつつ説明を読むことにより、本発明の他の目的と効果がより明確となり、理解が容易となるであろう。
【図1】本発明が実装される空間の一例として部屋を使用した、空間の概略図である。
【図2】本発明の一実施例による位置決め装置の概略図である。
【図3】本発明の一実施例によるシステムのブロック図である。
【図4】本発明の一実施例による基準空間の3次元概略図である。
【図5】本発明の一実施例による基準空間を簡略化した2次元概略図である。
【図6】本発明の一実施例による装置のブロック図である。
【図7】本発明の他の実施例によるシステムのブロック図である。
【図8】本発明の一実施例による較正済み位置決め装置に基づく、位置決め装置の較正方法を示す空間的概略図である。
【図9】本発明の他の実施例による装置のブロック図である。
【図10】本発明の他の実施例によるシステムのブロック図である。
【図11】本発明の一実施例による、多角形関心領域に関する特徴付け方法の概略図である。
【図12】本発明の一実施例による、円形関心領域に関する特徴付け方法の概略図である。
【図13】本発明の一実施例による、楕円形関心領域に関する特徴付け方法の概略図である。
【図14】本発明の一実施例による、半径の異なる2つの円の組み合わせに関する特徴付け方法の概略図である。
【図15a】本発明の一実施例によるグループ化処理の概略図である。
【図15b】本発明の一実施例によるグループ化処理の概略図である。
【図16】本発明の一実施例による、不規則な特徴領域を四角形に適合させる例を示す。
【図17】本発明の他の実施例による装置のブロック図である。
【図18】本発明の一実施例による方法のフローチャートである。
【図19】本発明の他の実施例による方法のフローチャートである。
【図20】本発明のさらに他の実施例による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1および図2を参照して、まず本発明の実施例において使用される用語を簡単に説明する。
【0028】
1.空間
本発明の実施例における「空間」とは、対象物が移動する空間を意味し、これには部屋、オフィス、会議室等が含まれる。図1は、部屋を例にとった基準空間10の概略図である。本発明の実施例は図1に示すような四角形の部屋に限定されず、どんな形の部屋であってもよいことは理解されるであろう。空間内の対象物のロケーションを知るためには、空間のサイズが既知でなければならない。本発明の一実施例によれば、後述する空間のサイズを決定するための技術的解決法が提供される。
【0029】
2.空間特徴点
「空間特徴点」とは、空間を決定するためのロケーション点を意味する。例えば、図1で例示する部屋である空間10内においては、空間特徴点は部屋の隅部のロケーション点11、12、および13とすることができる。基本的には、空間を決定するために使用できる限り、空間内の任意の点を空間特徴点として選択可能である。部屋が六角形等の他の多角形である場合は、その多角形の頂点を特徴点として使用できる。部屋が不規則な形状である場合には、部屋の境界直線上にある3つ以上の点を使用して多角形に適合させるので、多角形以外の形状の部屋でも多角形として扱うことができる。
【0030】
3.単一装置上での位置決め(POD:Positioning on One Device)
本発明の実施例によるPODは、空間内のロケーション点の座標を決定するための装置である。図2は、本発明の実施例において使用されるPODの一例を示したものである。図2に示すように、本発明の実施例において使用されるPODは、複数の葉ノードを有するセンサーアレイである。このセンサーアレイには、少なくとも2つの葉ノードが含まれる。換言すれば、PODは少なくとも2つの葉ノードを備え、少なくとも2つの葉ノードセンサーの間に1つのセンサーが配置される。一般には、葉ノードが多いほど位置決め精度が高くなる。図2のPODは6つの葉ノードを有する。図1に示す実用用途においては、POD14は、通常、空間10の天井に配置される。POD14は、空間10内の対象物のロケーション点に向けて測距信号を発し、空間10内の対象物のロケーション点から測距信号を受信することができる。
【0031】
本発明の実施例ではPODの受信機能のみが使用される。ただし、PODには、受信した測距信号に基づいて関連の計算を実行する計算機能を備えることができる。あるいは、PODを有直線または無直線でリモートサーバか図示するコンピュータ装置に接続し、このリモートサーバか図示するコンピュータ装置において測距信号に基づく計算を実行することもできる。通常、空間内の対象物ロケーション点の座標は、PODが対象物ロケーション点から受信した測距信号に基づいて、従来の三角測量または座標変換により得ることができる。PODの構造と機能は当該技術ではよく知られているため、その詳細は省略する。
【0032】
4.絶対座標系
本発明の実施例では、空間内のロケーション点が座標原点として使用される座標系を「絶対座標系」と称する。絶対座標系の原点としては、空間内の任意の特徴点を使用できる。例えば、図1に示す空間10における絶対座標系の原点としては、特徴点11が使用されている。当然ながら、当該技術に精通した当業者には、1つの特徴点を原点として選択すると計算は容易になるが、絶対に必要というわけではないことは理解されるであろう。座標原点として他のロケーション点を選択した場合でも、単純な座標変換によって上記の絶対座標系を得ることができる。この座標変換は当業者にはよく知られているため、その詳細は省略する。
【0033】
5.相対座標系
本発明の実施例では、原点としてPODが使用される座標系を「相対座標系」と称する。相対座標系の原点はPODの中心点であり、X軸方向はPODの第1センサー(図示せず)である。ここでいう「第1センサー」は、POD製造中の初期構成時に指定してもよい。X軸が指定されると、POD平面上のX軸に垂直な方向がY軸として定義される。
【0034】
POD較正時に、相対座標系と絶対座標系との間に開先角度θが形成されることがある。本発明においては、この「開先角度」は、絶対座標系におけるPODの設置角度を意味し、図1ではPOD角度18に対応する。そのため、空間内におけるPODのロケーション(図1のPODロケーション17に対応)のロケーションパラメータは、絶対座標系における絶対座標と、PODの設置角度θとで構成される。本発明の一実施例によれば、後述する空間内における位置決め装置を較正するための技術的解決法が提供される。
【0035】
6.タグ
本発明の実施例においては、「タグ」とは測距信号を発信する機能を有するタグを意味し、これにはRFタグ等が含まれる。1つのタグを空間内の1つのロケーション点に配置し、そのタグから発せられた測距信号をPODで受信することにより、当該ロケーション点の相対座標または絶対座標を得ることができる。測距信号には、超音波、赤外直線、レーザー、RF信号、超広帯域パルス信号、ドップラー信号、音波を始めとして、様々なタイプがある。PODとタグによりロケーション点の相対座標または絶対座標を決定する方法は当該技術ではよく知られているため、その詳細は省略する。
【0036】
7.関心領域(AOI)およびAOI特徴点
「関心領域」とは、用途に固有な要件(例えば、セキュリティ保護など)に関連して、ユーザにより特徴付けられた地理的空間を意味する。関心領域は空間内に存在する。例えば、「セキュアテーブル」の用途においては、そのテーブルが関心領域として定義される。秘密情報へのアクセスは関心領域内でのみ許可され、それ以外の場所では秘密情報へのアクセスは禁じられる。「AOI特徴点」とは、関心領域の特徴付けに使用されるロケーション点を意味する。図1に、関心領域15とAOI特徴点16を示す。本発明の一実施例によれば、後述する空間内の関心領域を特徴付けるための技術的解決法が提供される。
【0037】
以下、図面を参照しつつ本発明の各実施例について説明する。これらの実施例は例示的なものであり、本発明を限定するものではないことに留意されたい。
【0038】
最初に、本発明の一実施例による、位置決め装置を較正するための技術的解決法について説明する。図3は、本発明の一実施例によるシステム100の概略図である。このシステムは、空間のサイズの測定と、空間内の位置決め装置の較正を行うために使用される。
【0039】
図1に示すように、システム100は、空間特徴点となる空間内の1つ以上のロケーション点に配置された、測距信号の発信機能を有するタグ110と、タグからの測距信号に基づいて空間特徴点の位置決め装置に対する相対座標を取得するように構成された、空間内に配置された位置決め装置120と、位置決め装置120の較正を行うために、取得された相対座標に基づいて空間内の位置決め装置120のロケーションパラメータを決定するように構成されたサーバ130とを備えることができる。
【0040】
以下では、システム100の実装について詳細に説明する。本発明の一実施例によれば、空間内の3つの空間特徴点(図1の基準空間特徴点に対応)が選択され、3つの空間特徴点の位置決め装置に対する相対座標を決定するために、測距信号の発信機能を有するタグ110がこれらの特徴点に配置される。本発明の一実施例においては、これらの空間特徴点の相対座標を決定するために、各空間特徴点に1つの個別タグが配置される。あるいは、これらの空間特徴点の相対座標を決定するために、選択された空間特徴点に1つのタグを順次配置してもよい。タグ110は当該技術ではよく知られているので、その詳細は省略する。
【0041】
続いて、位置決め装置120を空間内に配置するが、位置決め装置120は空間内の任意の場所に配置できる。あるいは、位置決め装置120を空間内の天井に配置する。この初期配置場所は任意であり、天井のどの場所に配置してもよい。次に、位置決め装置120は、タグ110からの測距信号に基づいて、これらの空間特徴点の自装置に対する相対座標を取得する。
【0042】
例えば、本発明の実施例においては、位置決め装置120が自装置の中心点を座標原点として、3つのセンサーの相対座標を決定する。次に、3つのセンサーが、空間特徴点に配置されたタグ110からの測距信号に基づいて、自センサーから各空間特徴点までの距離を取得する。そして最後に、個々の空間特徴点から各センサーまでの距離と各センサーの相対座標とに基づき、従来の三角測量アルゴリズム(例:最小二乗平均誤差アルゴリズム)を使用して、位置決め装置120に対する各空間特徴点の相対座標が取得される。従来の三角測量アルゴリズムを使用して位置決め装置120に対する各空間特徴点の相対座標を取得する方法は当該技術ではよく知られているため、その詳細は省略する。
【0043】
本発明の実施例によれば、サーバ130は空間内における位置決め装置120のロケーションパラメータを自動的に計算し、位置決め装置120を自動的に較正する。これについて、以下で詳細に説明する。または、ロケーションパラメータは、空間内における位置決め装置120の絶対座標(x,y,z)と設置角度θから成る。以下では、これについても詳細に説明する。
【0044】
タグ110と位置決め装置120は、順次配置する必要はない。タグ110と位置決め装置120は同時に配置しても、あるいは、最初に位置決め装置120を配置し、次にタグ110を空間特徴点に配置するのでもよい。
【0045】
ここで、図4および図5を参照して、サーバが四角形の部屋において、取得された3つの基準空間特徴点の相対座標に基づき、空間内における位置決め装置120のロケーションパラメータを決定する方法について説明する。
【0046】
まず、部屋(すなわち、基準空間)のサイズが計算される。
【0047】
図4に示すように、地表面上の3つの基準空間特徴点の相対座標が、(x,y,z)、(x,y,z)、(x,y,z)として設定される。これらの相対座標は、位置決め装置120とタグ110とを使用して取得されたものである。特徴点(x,y,z)は、基準空間における絶対座標系(0,0,0)の原点として定義される。部屋の長さ(l)、幅(w)、および高さ(h)、位置決め装置120の絶対座標(x,y,z)、PODの設置角度θは未知である。
【0048】
まず、位置決め装置120のz座標(すなわち、位置決め装置の高さ(h))が決定される。天井は概して地表面に平行なので、位置決め装置120の高さはh、すなわちz=h=z=z=zである。ただし、地表面の不均一性による誤差の可能性があることを考慮して、z座標はz=h=(z+z+z)/3として決定される。
【0049】
zが決定された後には、2次元空間の他の2つの未知値を解決する必要がある。
【0050】
図5は、本発明の一実施例による、2次元空間内における未知値(例えば、部屋の長さ(l)、幅(w)、および高さ(h)、PODの絶対座標(x,y)および設置角度θなど)の計算方法を示す概略図である。
【0051】
図5に示すように、本発明においては、実直線で示す座標系は絶対座標系であり、点直線で示す座標系は位置決め装置を原点とする相対座標系である。2つの座標系が形成する開先角度(すなわち、位置決め装置の設置角度)はθである。
【0052】
図5によれば、等式グループ(1)は従来の座標変換によって得られる。

cos(θ)−ysin(θ)+x=0
sin(θ)−ycos(θ)+y=0
cos(θ)−ysin(θ)+x=l
sin(θ)−ycos(θ)+y=w (1)
cos(θ)−ysin(θ)+x=l
sin(θ)−ycos(θ)+y=0
(x−x+(y−y=l
(x−x+(y−y=w



【0053】
当該技術に精通する当業者には、使用する基準空間特徴点が多いほど、等式グループ(1)を構成する等式数(すなわち、係数行列の行数)が多くなることは理解されるであろう。このことは当業者にはよく知られているため、詳細は省略する。
【0054】
位置決め装置の絶対座標(x,y)および角度θと、基準空間の長さlおよび幅wは、等式グループ(1)を解くことによって導出される。ここでの計算処理は以下のとおりである。
【数1】

【数2】


x=(x+y−x−y)/l (4)
y=x+y−x−y)/w (5)

【数3】

【0055】
これにより、基準空間のサイズと基準空間における位置決め装置のロケーションパラメータ(位置決め装置の絶対座標(x,y,z)、設置角度θなど)とが得られ、空間のサイズの決定と位置決め装置の較正が完了する。
【0056】
一旦較正された位置決め装置120は、既存の三角測量アルゴリズムを使用して、空間内における任意の点の絶対座標を直接取得することができる。位置決め装置120はさらに、相対座標から絶対座標に変換することにより、空間内における任意の点の絶対座標を取得することができる。すなわち、空間内におけるロケーション点の位置決め装置に対する相対座標が取得され、その後、従来の座標変換によりロケーション点の絶対座標が取得される。
【0057】
上記の例では、3つの空間特徴点を選択した場合の本発明の実施例による位置決め装置の較正処理について説明した。しかし、本発明は3つの空間特徴点を使用した実装に限定されない。ある実装では、1つまたは2つの空間特徴点のみを使用して位置決め装置の較正を実行することが可能である。例えば、位置決め装置を部屋の天井に配置した場合には、自装置の相対座標系のX軸(第1センサーの方向)は、当該空間の絶対座標系のX軸に平行となる。この場合、位置決め装置の設置角度θは実際にはゼロである。この時点で、部屋の1つの隅部が絶対座標系の原点(すなわち、この隅部の絶対座標)は(0,0,0)として確定される。位置決め装置に対するこの隅部の相対座標は、位置決め装置によって取得することができる。前述したように、位置決め装置のZ座標は、隅部の位置決め装置に対する相対座標のZ座標値に等しい。2次元平面においては、位置決め装置の絶対X座標と絶対Y座標は、隅部の相対座標と絶対座標に基づいて、通常の座標系並進変換で取得される。この変換は当該技術ではよく知られているので、その詳細は省略する。
【0058】
本発明の実施例によれば、選択された空間特徴点が多いほど、座標変換により得られる等式数は増加し、より正確な位置決め装置のロケーションパラメータが決定されることは理解されるであろう。
【0059】
また、前述の実施例では四角形の部屋に配置された位置決め装置の較正処理について説明したが、本発明は四角形の空間に限定されないことも同様に理解されるであろう。空間が不規則な形状の場合は、空間の境界上にある3つの点を使って多角形に適合させることができるので、不規則な形状の空間でも多角形の空間のように処理することができる。
【0060】
図6に示すように、本発明の他の実施例によれば、空間内に配置された位置決め装置を較正するための装置200が同様に提供され、当該空間内の1つ以上のロケーション点が空間特徴点として選択される。装置200は、空間特徴点の位置決め装置に対する相対座標を受信するための受信手段210と、位置決め装置を較正するために、相対座標に基づいて、空間内における位置決め装置のロケーションパラメータを決定するための決定手段220とを備えることを特徴とする。決定手段220の動作処理は、図3を参照して説明した実施例で採用される、相対座標に基づいて空間内における位置決め装置のロケーションパラメータを決定する処理と同じである。
【0061】
本発明の実施例によれば、測距信号の発信機能を有するタグは空間特徴点に配置してもよい。位置決め装置は、タグからの測距信号に基づいて相対座標を決定することができる。これは、図3に示した位置決め装置120の動作処理と同じである。
【0062】
実用用途においては、装置200は、図3に示す位置決め装置120か、または図3に示すように位置決め装置120に接続されたサーバ130と一体化して配置することもできることは理解されるであろう。
【0063】
以下では、本発明の他の実施例による、位置決め装置を較正するための技術的解決法について説明する。通常、広い部屋では、複数の位置決め装置を配置して部屋全体を被覆することができる。図7に示すように、本発明の他の実施例によれば、複数の位置決め装置を較正するためのシステム300が提供される。システム300は、空間内の1つ以上のロケーション点に配置された測距信号の発信機能を有するタグ310と、タグ310からの測距信号に基づいて空間内におけるロケーション点の絶対座標を取得するように構成された第1較正済み位置決め装置320と、タグ310からの測距信号に基づいてロケーション点の第2位置決め装置330に対する相対座標を取得するように構成された第2位置決め装置330と、第2位置決め装置330を較正するために、前記絶対座標と相対座標とに基づいて、空間内における第2位置決め装置330のロケーションパラメータを決定するように構成されたサーバ340とを備え、ロケーション点は第1較正済み位置決め装置320と第2位置決め装置330との間の重複カバー領域内に位置することを特徴とする。
【0064】
次に、図8を参照して、システム300の具体的な実装について説明する。説明の便宜上、図8では、空間内で較正済みの第1位置決め装置320をPOD1とし、較正対象の第2位置決め装置330をPOD2としている。
【0065】
図8のPOD1は較正済みであるが、POD1の較正は、図3〜6による技術的解決法かまたは他の適切な方法のいずれによっても実装できることに留意されたい。
【0066】
POD2を較正するため、まずPOD1とPOD2各々のカバー領域を決定するが、このとき、POD1のカバー領域とPOD2のカバー領域が重複する部分ができるように決定する必要がある。図8に示すように、POD1のカバー領域は「第1カバー領域」と称し、POD2のそれは「第2カバー領域」と称し、POD1とPOD2のカバー領域は一部が重複している。重複カバー領域は様々な方法によって決定することができる。例えば、特定のロケーションが重複カバー領域内に存在するかどうかについては、POD1とPOD2がそのロケーションに配置されたタグを同時に検出できるかどうかをチェックすることによって決定することが可能である。重複カバー領域はこれ以外の方法によっても決定できる。
【0067】
続いて、POD2を較正するため、部屋内におけるPOD2の絶対座標(x20,y20,z20)と、POD2の角度θ20とを計算する。具体的には、重複カバー領域内で2つのロケーション点(説明の便宜上「重複カバー領域ロケーション点」とする)を選択し、測距信号(同様の理由から「重複カバー領域測距信号」とする)を発するために各ロケーション点にタグ(同様の理由から「重複カバー領域タグ」とする)を配置する。または、1つのタグを少なくとも2つのロケーション点に順次配置して測距信号を発行させてもよい。
【0068】
本発明の一実施例によれば、POD1はまず、重複カバー領域タグからの測距信号に基づいて、これら2つの重複カバー領域ロケーション点の自装置に対する相対座標を取得し、その後、座標変換によりこれら2つの重複カバー領域ロケーション点の絶対座標(x11,y11,z11)および(x12,y12,z12)を取得する。あるいは、POD1は、タグからの測距信号に基づき、既存の三角測量アルゴリズムを使用して、これら2つの重複カバー領域ロケーション点の絶対座標(x11,y11,z11)および(x12,y12,z12)を直接取得することもできる。
【0069】
POD2は同時に、自座標系におけるこれら2つの重複カバー領域ロケーション点の絶対座標(x21,y21,z21)および(x22,y22,z22)を取得することができる。POD1はすでに較正されているため、これら2つの重複カバー領域ロケーション点の絶対座標は既知である。また、POD2は天井に配置されているため、POD2の絶対座標はz20=h=(z1+z2+z3)/3である。これにより、POD2の座標(x20,y20,z20)と角度θ20の計算は簡素化され、2次元座標で実行することが可能になる。
【0070】
基準空間内におけるPOD2の絶対座標は、以下の等式グループを利用して幾何解析により計算できる。
【数4】

【0071】
等式グループ(7)から、以下の行列計算が導出される。
【数5】

【0072】
この行列を解くことにより、以下の第2位置決め装置の座標と角度θ20が得られる。
【数6】

ここで、
【数7】

【0073】
これにより、較正すべきPOD2の絶対座標と角度が決定される。
【0074】
上記では、前述の例における2つの重複カバー領域ロケーション点を選択して、本発明の実施例による位置決め装置の較正処理を実行する場合について説明したが、本発明は2つの重複カバー領域ロケーション点に限定されない。ある実装では、1つの重複カバー領域ロケーション点のみを使用して位置決め装置の較正を実行することが可能である。例えば、第1位置決め装置が較正済みで、これから第2位置決め装置を較正する場合は、第2位置決め装置のX軸を第1位置決め装置のX軸と平行に設定することができる。この場合、第2位置決め装置の設置角度は、既知である第1位置決め装置の設置角度と同じである。この時点で、較正済みの第1位置決め装置によって重複カバー領域ロケーション点の絶対座標が取得され、第2位置決め装置によって第2位置決め装置に対するロケーション点の相対座標が取得される。その後、通常の座標変換によって第2位置決め装置の絶対座標を取得することができる。
【0075】
ここで、3つ以上の重複カバー領域ロケーション点でも選択できることに留意されたい。これにより前述の係数行列の行数が増えるが、計算処理は前述の計算処理と同じである。また、選択する重複カバー領域ロケーション点が多いほど位置決め精度が高まることも理解されるであろう。
【0076】
さらに、較正済みPODに基づき、前述の方法を使用して、さらに多数のPODを漸進的に較正すれば、被覆する面積を増やすことができる。ここでは詳細は省略する。
【0077】
図9に示すように、本発明の一実施例によれば、位置決め装置を較正するための装置400(例:POD2)が提供される。装置400は、空間内における1つ以上のロケーション点の絶対座標と、その位置決め装置に対する相対座標とを受信するための受信手段410と、位置決め装置を較正するために、絶対座標と相対座標とに基づいて、空間内における位置決め装置のロケーションパラメータを決定するための決定手段420とを備えることを特徴とする。決定手段420の動作処理は、図7および図8を参照して説明した実施例における、絶対座標と相対座標とに基づいて空間内における位置決め装置のロケーションパラメータを決定する処理と同じである。
【0078】
空間内におけるロケーション点の絶対座標は任意の既知の方法で取得できることは理解されるであろう。あるいは、本発明の実施例によれば、少なくとも2つのロケーション点の絶対座標が、較正済みの他の位置決め装置(例えば、POD1)によって決定される。当該少なくとも2つのロケーション点は、位置決め装置と較正済みの他の位置決め装置との間の重複カバー領域内に存在し、当該少なくとも2つのロケーション点の間に測距信号の発信機能を有するタグが配置される。当該位置決め装置はタグからの測距信号に基づいて相対座標を取得でき、当該他の位置決め装置はタグからの測距信号に基づいて絶対座標を取得できる。当然ながら、空間内におけるロケーション点の絶対座標は手作業によって決定することも可能である。
【0079】
装置400は、第1位置決め装置320または第2位置決め装置330(例えば、POD2)に内蔵することも、あるいは図7に示すサーバ340上に置くこともできることに留意されたい。
【0080】
上記では、本発明の一実施例による位置決め装置の較正方法について説明した。この説明から、位置決め装置の較正時には、部屋の長さと幅、および位置決め装置の設置角度の測定に手作業は一切含まれていないことが分かる。さらに、タグの使用により手動測定が不要となるため、作業効率が高まり、較正精度も向上する。
【0081】
次に、基準空間を決定し、位置決め装置を較正した後に、関心領域の特徴付けを行うための、本発明の一実施例による技術的解決法について説明する。再び図1を参照すると、この図には関心領域が示されている。関心領域は空間内のどの場所であってもよく、任意の形状の領域を関心領域として選択することができる。タグを装着した人物がこの関心領域に入ると、特定の秘密情報へのアクセスの許可/禁止といった要件に基づいて、この人物と当該空間との関係が決定される。これを実行するためには、関心領域の境界を決定する(すなわち、関心領域の特徴付けを行う)ことが必要となる。
【0082】
ここで、関心領域が属する空間は必ずしも図3〜6に示した本発明の実施例に従って決定された基準空間でなくてもよく、タグを使用しない、手動測定を含む任意の従来技術を用いて決定された空間でもよいことに留意されたい。また、関心領域を決定する位置決め装置は必ずしも図2に示す位置決め装置でなくてもよく、既知の位置決め装置または位置決め装置アレイでもよい。
【0083】
図10に示すように、本発明の一実施例によれば、関心領域(AOI)の決定または特徴付けを行うためのシステム500が提供される。システム500は、空間内の関心領域を特徴付けるAOI特徴点に配置された、測距信号の発信機能を有するタグ510と、タグ510からの測距信号に基づいて、前記AOI特徴点のロケーションパラメータを取得するように構成された、当該空間内の位置決め装置520と、当該AOI特徴点のロケーションパラメータに基づいて関心領域を特徴付けるように構成されたサーバ530とを備えることを特徴とする。
【0084】
関心領域が決定済みの空間内に存在する場合、その座標は基準空間と同じ基準座標とすることができる。換言すれば、関心領域内における任意の点の絶対座標は、基準空間内の特定の点(例えば、部屋の1つの隅部)を原点として参照する。
【0085】
関心領域の形状は、規則的な形状と不規則な形状の2つに大別することができる。以下では、本発明による、規則的な関心領域を決定するための技術的解決法と、不規則な関心領域を決定するための技術的解決法について、それぞれ説明する。ここで、関心領域は水平面に平行であるのが望ましいとされるので、関心領域の高さとして、選択された任意のAOI特徴点の高さを使用できることに留意されたい。ただし、位置決め誤差の発信を避けるため、これらの関心領域の高さの平均値が選択される。関心領域の高さが選択されると、後は2次元座標における関心領域の形状を決定する作業が残るのみである。この作業は、基準空間の決定時に行われる、複数の特徴点のZ座標の平均値を得る作業と同じである。そのためここではZ座標の説明は省略し、2次元座標の関心領域を決定する方法についてのみ説明する。
【0086】
以下では、図11〜16を参照して、図10に示すシステム500の具体的な実装について詳細に説明する。図11は、本発明の一実施例による、多角形関心領域に関する特徴付け方法の概略図である。
【0087】
図11では、多角形は5辺で形成されるので、その5つの頂点をAOI特徴点として選択するのが望ましい。図10に示すタグ510は多角形の各頂点に配置され、位置決め装置520に対して測距信号を発する。位置決め装置520はこの測距信号を受信し、測距信号から空間内の5つのAOI特徴点の座標を取得する。または、最初に、5つのAOI特徴点の位置決め装置520に対する相対座標が取得される。次に、従来の座標変換によって、相対座標と、位置決め装置520の空間内におけるロケーションパラメータとに基づいて、基準空間内におけるこれらのAOI特徴点の絶対座標が取得される。この方法により、絶対座標に基づいて、多角形(ここでは5角形)のAOIの特徴付けを行うことが可能になる。具体的には、これらの頂点を結合することにより多角形の関心領域が決定される。
【0088】
関心領域の特徴付けは、AOI特徴点の位置決め装置に対する相対座標を使用して行うことも可能であることは理解されるであろう。
【0089】
図12は、本発明の他の実施例による、円形関心領域に関する特徴付け方法の概略図である。
【0090】
図12に示すように、関心領域が円の場合、関心領域の特徴点として円の中心点と、円周上の任意点とを選択するのが望ましい。ここで、中心点の2次元絶対座標を(x,y)とし、円周上の任意点の2次元絶対座標を(x,y)とすると、この円形関心領域の半径rは以下の等式で表される。
【数8】

【0091】
等式(10)によれば、円形関心領域内の任意点の座標(x,y)は、以下の式で決定することができる。
(x−x+(y−y≦r (11)
【0092】
図13は、本発明のさらに他の実施例による、楕円形関心領域の特徴付けを行う方法を示したものである。
【0093】
図13に示すように、関心領域が楕円形の場合には、楕円形の中心点と、長軸および楕円形の交点と、短軸および楕円形の交点とを当該関心領域の特徴点として選択するのが望ましい。ここで、中心点の2次元絶対座標を(x,y)とし、長軸および楕円形の交点の2次元座標を(x2,)とし、短軸および楕円形の交点の2次元座標を(x3,)とすると、楕円形の長軸aと短軸bは以下の式で表される。
【数9】

【数10】

【0094】
等式(12)および(13)によれば、楕円形関心領域内の任意点の座標(x,y)は、以下の式で決定することができる。
【数11】

【0095】
上記では規則的な形状の例を示しているに過ぎない。本発明は上記の多角形、円、楕円形のみに限定されず、より複雑な数学関数によって表される他の形状も含まれることに留意されたい。ここで、「規則的な形状」とは、複数の円の組み合わせや、円と楕円形との組み合わせなど、上記の基本形状を組み合わせたものも含む。図14は、異なる半径を有する2つの円の組み合わせを示す。当該技術に精通した当業者には、等式(10)および(11)によりこれら2つの円の交点AおよびBを決定し、これに基づいて関心領域を決定できることは理解されるであろう。具体的な計算方法は当業者にはよく知られているため、詳細は省略する。
【0096】
上記では、規則的な関心領域を決定する方法の例を取り上げて説明した。次に不規則な形状をした関心領域を決定する方法について説明する。
【0097】
不規則な形状はすべて、多角形に近似させることができる。以下では、不規則関心領域を多角形に適合させる方法について説明する。
【0098】
最初に、タグ510の「配置」においては様々な方法が可能なことに留意されたい。例えば、複数のタグ510を不規則関心領域の境界上に同時に配置すると、位置決め装置は、これらのタグに基づき(すなわち、座標変換によって)、タグが配置されたAOI特徴点の絶対座標または相対座標を直接または間接的に取得することができる。タグの数が多いほど、関心領域の形状は正確になる。上記に加えて、ユーザが1つのタグを携行してこの不規則関心領域の境界上を移動する方法を採ることもできる。この方法では、ユーザが移動する間に、位置決め装置がタグからの信号を連続的に受信し、それに基づいてAOI特徴点の座標シーケンスを取得する。ユーザは、AOI特徴点の座標シーケンスの品質を高めるため、位置決め装置が取得した結果が安定するまで各特徴点でしばらく静止するのが望ましい。収集される特徴点の数が多いほど、決定される不規則関心領域の精度が高まる。ここで、各特徴点の高さの平均値を関心領域の高さとすることで精度が高まることに留意されたい。
【0099】
本発明の実施例によれば、関心領域が不規則な形状である場合には、関心領域内の少なくとも3つのロケーションをAOI特徴点として選択して特徴点シーケンスを形成し、その後、この少なくとも3つのAOI特徴点を規則的な形状に適合させることにより関心領域の特徴付けが行われる。
【0100】
3つのAOI特徴点によって平面が決定されることは言うまでもない。そのため、どんな形状でも、3つの点を使用して大まかな特徴付けを行うことができる。当然ながら、選択されたAOI特徴点が多いほど関心領域の特徴付けの精度が高まる。
【0101】
本発明の一実施例においては、少なくとも3つのAOI特徴点を適合させるステップは、少なくとも3つのAOI特徴点を直接的に順次結合していくことを特徴とする。特徴点を結合することは、実は1つの特殊な適合方法であることは理解されるであろう。
【0102】
本発明の他の実施例によれば、少なくとも3つのAOI特徴点を適合させるステップは、特徴点シーケンスをグループ化し、同じグループに属するAOI特徴点を適合させることを特徴とする。
【0103】
グループ化の方法には様々な方法があり、これには、取得されたAOI特徴点の平均値に基づいてグループ化する方法や、縦方向の座標かまたは横方向の座標を比較してグループ化する方法が含まれる。例えば、AOI特徴点に多少の変動がある場合には、横軸の座標(または縦軸の座標)の差がある一定の範囲内にある特徴点を同じグループに分類することができる。
【0104】
本発明の一実施例によれば、AOI特徴点によって決定される直線の傾斜差の絶対値が既定のしきい値を下回るかどうかを知るための比較が行われる。傾斜差の絶対値が既定のしきい値を下回るAOI特徴点は同じグループに分類され、しきい値を上回るAOI特徴点は別のグループに分類される。
【0105】
図15aおよび15bは、本発明の一実施例によるグループ化処理をさらに詳細に示したものである。
【0106】
図15aに示すように、(xi−2,yi−2)、(xi−1,yi−1)、および(x,y)は3つの連続するAOI特徴点の絶対座標である(iは任意の整数)。2つの隣接する点によって決定される直線の傾斜は、以下の式で表される。
【数12】


および

【数13】

【0107】
本実施例によれば、3つの連続するAOI特徴点によって決定される直線の傾斜差の絶対値が所定のしきい値を下回る場合にはこの3つのAOI特徴点は同じグループにグループ化され、そうでない場合には異なるグループにグループ化される。例えば、不等式(15)が満足される場合、AOI特徴点(xi−1,yi−1)および(x,y)は同じグループにグループ化される。
【数14】

【0108】
不等式(16)が満足される場合、AOI特徴点(xi−1,yi−1)および(x,y)は異なるグループにグループ化される。
【数15】

【0109】
ここで、Hは事前の設定が可能なしきい値である。
【0110】
不等式(15)および(16)は、本発明によるAOI特徴点のグループ化の1つの実施例を示すに過ぎないことに留意されたい。この実施例においては、グループ化の基準は、3つの連続するAOI特徴点によって決定される直線の傾斜差の絶対値を連続的に比較するというものである。
【0111】
以下では、本発明によるAOI特徴点グループ化の他の実施例について説明する。本発明の本実施例によれば、最初の2つのAOI特徴点によって決定される直線の傾斜が決定される。ここで、最初の2つのAOI特徴点の座標を(x,y)および(x,y)とすると、これにより決定される傾斜Sは以下の等式で表される。
【数16】

【0112】
次に、続く2つの隣接する点によって決定される直線の傾斜が、傾斜Sと比較される。この差の絶対値が所定のしきい値を下回る場合、不等式(18)で表されるように、これらの点と(x,y)および(x,y)とが同じグループにグループされる。
【数17】

ここで、iはAOI特徴点の指数を表す。
【0113】
不等式(19)が満足されない場合、これらの点と(x,y)および(x,y)は異なるグループにグループ化される。
【数18】

【0114】
複数のAOI特徴点は、このようにして異なるグループにグループ化することができる。さらに、この本実施例のグループ化方法により、累積誤差が生じるのを防止できる。
【0115】
図15bは、本実施例に従って複数のAOI特徴点を4つのグループにグループ化する場合の概略図を示す。この図において、1、2、3、および4はグループ番号である。
【0116】
以下では、本発明の一実施例によりグループ化した後に行われる、個々のAOI特徴点の直線適合(すなわち「1次適合」)について説明する。
【0117】
個々のAOI特徴点がグループ化された後、各グループのAOI特徴点が1本の直線を使用して適合される(すなわち、1次直線適合が各グループのAOI特徴点に対して実行される)。直線適合のi番目のグループを以下で表すとする。
Y=kx+z (20)
ここで、kは直線の傾斜、zは直線の平行移動であり、kおよびzは2点の座標を使用して計算することができる。この詳細は省略する。
【0118】
適合により形成される多角形の頂点は、以下により決定することができる。i = 1とすると、
【数19】

さもなければ、
【数20】

【0119】
図16は、前述の実施例において四角形として適合された関心領域の例を示す。この四角形の場合、位置決め装置は、4点(Vx,1,Vy,1)、(Vx,2,Vy,2)、(Vx,3,Vy,3)、および(Vx,4,Vy,4)の座標を使用するだけで、不規則なAOIの特徴付けを行うことができる。
【0120】
本発明の他の実施例によれば、各グループのAOI特徴点は高次曲直線適合方法を使用して適合させることが可能である。例えば、3次曲直線適合式は以下のように表現される。
y=a+ax+a+a (23)
【0121】
係数a〜aの値は、4点の座標を使って解決することができる。そのため、記録する特徴点数が増えるという犠牲を払ってより高次な曲直線適合を行えば、特徴領域の特徴付けの精度をさらに高めることが可能である。当然ながら、本発明においては、等式(23)によって表される適合曲直線に限定されず、他の適合曲直線も使用できる。曲直線適合については当業者にはよく知られているため、詳細は省略する。
【0122】
図15bに示す関心領域は、AOI特徴点を1本の直線で直接結合することにより形成できることは言うまでもない。個々の点を結合することは、実際には、上記で説明した適合処理の特殊なケースである。
【0123】
本発明の他の実施例によれば、図17に示すように、空間内の関心領域を特徴付けるための装置600が提供される。装置600は、空間内に配置された位置決め装置によって取得された、関心領域を特徴付ける関心領域(AOI)特徴点のロケーションパラメータを受信するための受信手段610と、当該ロケーションパラメータに基づいて当該関心領域を特徴付けるための特徴付け手段620とを備えることを特徴とする。特徴付け手段620の動作処理は、図10〜16を参照して説明した、AOI特徴点のロケーションパラメータに基づいて関心領域を特徴付ける処理と同じである。
【0124】
本発明の一実施例によれば、関心領域が不規則な形状である場合には、受信手段610は特徴点シーケンスを形成するために関心領域の境界上にある少なくとも3つのAOI特徴点のロケーションパラメータをさらに受信し、特徴付け手段620は関心領域を特徴付けるために特徴点シーケンスを適合させる手段をさらに備える。あるいは、特徴点シーケンスを適合させる手段は、特徴点シーケンスをグループ化する手段と、同じグループにグループ化されたAOI特徴点を適合させる手段とを備えることができる。
【0125】
本発明の一実施例によれば、特徴点シーケンスをグループ化する手段は、AOI特徴点によって決定された直線の傾斜差の絶対値が所定のしきい値を下回るかどうかの比較を行う手段と、傾斜差の絶対値が所定のしきい値を下回る場合に、これらのAOI特徴点を同じグループにグループ化する手段とを備えることを特徴とする。
【0126】
同様に、装置600は位置決め装置520上またはサーバ530上に一体化して配置してもよい。
【0127】
本発明の本実施例による装置200、400、および600は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、回路、DSP、またはその組み合わせとして実装することができる。
【0128】
本発明の一実施例によれば、図18に示すように、空間内の位置決め装置を較正する方法700が提供され、当該空間内の1つ以上のロケーション点が空間特徴点として選択される。方法700は、ステップS710において、空間特徴点の位置決め装置に対する相対座標を受信し、ステップS720において、位置決め装置を較正するために、相対座標に基づいて、空間内における位置決め装置のロケーションパラメータを決定することを特徴とする。
【0129】
本発明の好適な一実施例によれば、測距信号の発信機能を有するタグが空間特徴点に配置され、タグからの測距信号に基づいて位置決め装置により相対座標が取得される。これにより、自動測定が実現される。
【0130】
本発明の他の実施例によれば、図19に示すように、位置決め装置を較正するための方法800が提供される。当該方法は、ステップS810において、空間内の1つ以上のロケーション点の絶対座標と、当該ロケーション点の当該位置決め装置に対する相対座標とを受信し、ステップS820において、当該位置決め装置を較正するために、当該絶対座標と当該相対座標とに基づいて、当該空間における当該位置決め装置のロケーションパラメータを決定することを特徴とする。
【0131】
本発明の好適な一実施例によれば、ロケーション点は位置決め装置と較正済みの他の位置決め装置との間の重複カバー領域内に位置し、ロケーション点に測距信号の発信機能を有するタグが配置され、タグからの測距信号に基づいて位置決め装置により相対座標が取得され、タグからの測距信号に基づいて他の位置決め装置により絶対信号が取得される。
【0132】
本発明のさらに他の実施例によれば、図20に示すように、空間内の関心領域を特徴付けるための方法900が提供される。方法900は、ステップ910において、空間内に配置された位置決め装置によって取得された、関心領域を特徴付ける関心領域特徴点のロケーションパラメータを受信し、ステップ920において、当該ロケーションパラメータに基づいて当該関心領域を特徴付けることを特徴とする。
【0133】
本発明の一実施例によれば、ロケーションパラメータは、空間内におけるAOI特徴点の絶対座標、またはAOI特徴点の位置決め装置に対する相対座標である。
【0134】
本発明の一実施例によれば、関心領域が円の場合には、AOI特徴点は円の中心点と円周上の任意点である。
【0135】
本発明の一実施例によれば、関心領域が多角形の場合には、AOI特徴点は多角形の頂点である。
【0136】
本発明の一実施例によれば、関心領域が楕円形の場合には、AOI特徴点は、楕円形の中心点、楕円形の長軸と楕円形円周との交点、および楕円形の短軸と楕円形円周との交点である。
【0137】
本発明の他の実施例によれば、関心領域が不規則な形状である場合には、方法は、特徴点シーケンスを構成する、関心領域の境界上の少なくとも3つのAOI特徴点のロケーションパラメータを受信し、関心領域の特徴付けを行うために特徴点シーケンスを適合させることを特徴とする。
【0138】
本発明の一実施例によれば、特徴点シーケンスを適合させるステップは、特徴点を直接結合することを特徴とする。
【0139】
本発明の好適な一実施例によれば、AOI特徴点を適合させるステップは、特徴点シーケンスをグループ化し、同じグループに属するAOI特徴点を適合させることを特徴とする。
【0140】
本発明の好適な一実施例によれば、特徴点シーケンスをグループ化するステップは、AOI特徴点によって決定された直線の傾斜差の絶対値が所定のしきい値を下回るかどうかの比較を行い、傾斜差の絶対値が所定のしきい値を下回る場合に、これらのAOI特徴点を同じグループにグループ化することを特徴とする。
【0141】
本発明の一実施例によれば、適合のステップは、1次直線適合アルゴリズムまたは高次曲直線適合アルゴリズムを備えることを特徴とする。
【0142】
本発明の方法および装置は、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして実装することができる。ハードウェア部分は専用論理を使用して実装でき、ソフトウェア部分は、メモリ内に格納しておき、マイクロプロセッサ、パーソナルコンピュータ(PC)、メインフレーム等の適切な命令実行システムによって実行することができる。
【0143】
上記では例示と説明を目的として本発明の明細書を提示したが、これは本発明を網羅的に示すことを意図するものではなく、本発明は開示された形態に限定されない。多数の変更や改変が可能なことは、当該技術に精通した当業者には明らかであろう。
【0144】
したがって、上記の実施例は、本発明の原理および実際の適用をより明快に説明すると共に、本発明の精神から逸脱することなくなされた、全ての変更および改変は付記される請求項に定義される本発明の保護範囲に含まれることを、当該技術の通常の技量を有する当業者が理解することを目的として、選択され説明されたものである。
【符号の説明】
【0145】
10:基準空間
12:基準空間特徴点
16:AOI特徴点
17:PODロケーション
18:POD角度
100:システム
110:タグ
120:位置決め装置
130:サーバ
210:受信手段
220:決定手段
300:システム
310:タグ
320:第1位置決め装置
330:第2位置決め装置
340:サーバ
410:受信手段
420:決定手段
500:システム
510:タグ
520:位置決め装置
530:サーバ
610:受信手段
620:特徴付け手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間内の空間特徴点として選択された1つ以上のロケーション点に配置された、測距信号を発信するタグと、
前記タグからの測距信号に基づいて位置決め装置に対する前記空間特徴点の相対座標を取得するように構成された、前記空間内の位置決め装置と、
前記位置決め装置の較正を行うために、前記相対座標に基づいて前記空間内の前記位置決め装置のロケーションパラメータを決定するように構成されたサーバとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記ロケーションパラメータが、前記空間における前記位置決め装置の絶対座標と設置角度を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記測距信号は、超音波、赤外直線、レーザ、RF信号、超広帯域パルス信号および音波の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
空間内の1つ以上のロケーション点に配置された、測距信号の発信機能を有するタグと、
タグからの測距信号に基づいて前記空間内における前記ロケーション点の絶対座標を取得するように構成された第1較正済み位置決め装置と、
タグからの測距信号に基づいて第2位置決め装置に対する前記ロケーション点の相対座標を取得するように構成された第2位置決め装置と、
前記第2位置決め装置を較正するために、前記絶対座標と前記相対座標とに基づいて、前記空間内における前記第2位置決め装置のロケーションパラメータを決定するように構成されたサーバとを備え、
前記ロケーション点は前記第1較正済み位置決め装置と前記第2位置決め装置との間の重複カバー領域内に位置することを特徴とするシステム。
【請求項5】
前記ロケーションパラメータが、前記空間における前記位置決め装置の絶対座標と設置角度を含むことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
空間内の関心領域を特徴付ける関心領域(AOI)特徴点に配置された、測距信号の発信機能を有するタグと、
タグからの測距信号に基づいて、前記AOI特徴点のロケーションパラメータを取得するように構成された、前記空間内の位置決め装置と、
前記AOI特徴点のロケーションパラメータに基づいて関心領域を特徴付けるように構成されたサーバとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項7】
前記関心領域が不規則な形状である場合、前記位置決め装置が、特徴点シーケンスを形成するために、前記タグによって関心領域上にある少なくとも3つのAOI特徴点のロケーションパラメータをさらに取得するように構成され、
前記サーバは、前記関心領域を特徴付けるために前記特徴点シーケンスを適合させるように構成されることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記サーバは、前記特徴点シーケンスをグループ化し、同じグループにグループ化された前記AOI特徴点を適合させるように構成されることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記サーバは、前記AOI特徴点によって決定された直線の傾斜差の絶対値が所定のしきい値を下回るかどうかを比較し、傾斜差の絶対値が所定のしきい値を下回る場合に、前記AOI特徴点を同じグループにグループ化するように構成されることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
空間内の位置決め装置を較正する方法であって、
当該空間内の1つ以上のロケーション点が空間特徴点として選択され、
前記位置決め装置に対する前記空間特徴点の相対座標を受信し、
前記位置決め装置を較正するために、前記相対座標に基づいて、前記空間内における前記位置決め装置のロケーションパラメータを決定することを特徴とする方法。
【請求項11】
測距信号を発信する機能を有するタグが、空間特徴点に配置され、前記タグからの測距信号に基づいて位置決め装置によって相対座標が取得されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ロケーションパラメータが、前記空間における前記位置決め装置の絶対座標と設置角度を含むことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の方法。
【請求項13】
位置決め装置を較正するための方法であって、
空間内の1つ以上のロケーション点の絶対座標と、前記位置決め装置に対する前記ロケーション点の相対座標とを受信し、
前記位置決め装置を較正するために、前記絶対座標と前記相対座標とに基づいて、前記空間における前記位置決め装置のロケーションパラメータを決定することを特徴とする方法。
【請求項14】
前記ロケーション点は、前記位置決め装置と較正済みの他の位置決め装置との間の重複カバー領域内に位置され、
測距信号の発信機能を有するタグが前記ロケーション点に配置され、
前記タグからの測距信号に基づいて前記位置決め装置により相対座標が取得され、
前記タグからの測距信号に基づいて他の位置決め装置により絶対信号が取得されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ロケーションパラメータが、前記空間における前記位置決め装置の絶対座標と設置角度を含むことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の方法。
【請求項16】
空間内の関心領域を特徴付けるための方法であって、
空間内に配置された位置決め装置によって取得された、関心領域を特徴付ける関心領域(AOI)特徴点のロケーションパラメータを受信し、
前記ロケーションパラメータに基づいて前記関心領域を特徴付けることを特徴とする方法。
【請求項17】
前記ロケーションパラメータは、空間内におけるAOI特徴点の絶対座標、またはAOI特徴点の前記位置決め装置に対する相対座標であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記関心領域が円の場合、前記AOI特徴点は円の中心点と円周上の任意点であることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記関心領域が多角形の場合、前記AOI特徴点は多角形の頂点であることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記関心領域が楕円形の場合、前記AOI特徴点は、楕円形の中心点、楕円形の長軸と楕円形円周との交点、および楕円形の短軸と楕円形円周との交点であることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記関心領域が不規則な形状である場合、
特徴点シーケンスを構成する、関心領域の境界上の少なくとも3つのAOI特徴点のロケーションパラメータを受信し、
前記関心領域の特徴付けを行うために特徴点シーケンスを適合させることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記特徴点シーケンスを適合させるステップが、
前記特徴点シーケンスをグループ化し、
同じグループに属する前記AOI特徴点を適合させることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記特徴点シーケンスをグループ化するステップは、
前記AOI特徴点によって決定された直線の傾斜差の絶対値が所定のしきい値を下回るかどうかを比較し、
傾斜差の絶対値が所定のしきい値を下回る場合に、前記AOI特徴点を同じグループにグループ化することを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記適合ステップは、1次直線適合アルゴリズムまたは高次曲直線適合アルゴリズムを含むことを特徴とする請求項21又は請求項22に記載の方法。
【請求項25】
空間内に配置された位置決め装置を較正するための装置であって、
当該空間内の1つ以上のロケーション点が空間特徴点として選択され、
前記位置決め装置に対する前記空間特徴点の相対座標を受信するための受信手段と、
前記位置決め装置を較正するために、前記相対座標に基づいて、前記空間内における前記位置決め装置のロケーションパラメータを決定するための決定手段とを備えることを特徴とする装置。
【請求項26】
測距信号を発信する機能を有するタグが、空間特徴点に配置され、前記タグからの測距信号に基づいて位置決め装置によって相対座標が取得されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
位置決め装置を較正するための装置であって、
空間内の1つ以上のロケーション点の絶対座標と、前記位置決め装置に対する前記ロケーション点の相対座標とを受信するための受信手段と、
前記位置決め装置を較正するために、前記絶対座標と前記相対座標とに基づいて、前記空間における前記位置決め装置のロケーションパラメータを決定するための決定手段とを備えることを特徴とする装置。
【請求項28】
1以上のロケーション点が、前記位置決め装置と較正済みの他の位置決め装置との間の重複カバー領域内に位置され、
測距信号の発信機能を有するタグが前記ロケーション点に配置され、
前記タグからの測距信号に基づいて前記位置決め装置により相対座標が取得され、
前記タグからの測距信号に基づいて他の位置決め装置により絶対信号が取得されることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
空間内の関心領域を特徴付けるための装置であって、
空間内に配置された位置決め装置によって取得された、関心領域を特徴付ける関心領域(AOI)特徴点のロケーションパラメータを受信するための受信手段と、
前記ロケーションパラメータに基づいて前記関心領域を特徴付けるための特徴付け手段とを備えることを特徴とする装置。
【請求項30】
前記関心領域が不規則な形状である場合、
前記受信手段が、特徴点シーケンスを構成する、関心領域の境界上の少なくとも3つのAOI特徴点のロケーションパラメータを受信し、
前記特徴付け手段が、前記関心領域の特徴付けを行うために特徴点シーケンスを適合させる手段を有することを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記特徴点シーケンスを適合させる手段が、
前記特徴点シーケンスをグループ化する手段と、
同じグループに属する前記AOI特徴点を適合させる手段を含むことを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記特徴点シーケンスを適合させる手段が、
前記AOI特徴点によって決定された直線の傾斜差の絶対値が所定のしきい値を下回るかどうかを比較する手段と、
傾斜差の絶対値が所定のしきい値を下回る場合に、前記AOI特徴点を同じグループにグループ化する手段を含むことを特徴とする請求項31に記載の装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15a】
image rotate

【図15b】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2010−175536(P2010−175536A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−279842(P2009−279842)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(505418870)エヌイーシー(チャイナ)カンパニー, リミテッド (108)
【氏名又は名称原語表記】NEC(China)Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】