説明

作業車両の制御装置

【課題】坂道などで駐車ブレーキを容易に作動させる。
【解決手段】駐車ブレーキ指令によって作動を開始するネガティブ型の駐車ブレーキ装置8,13と、駐車ブレーキ指令を出力する出力手段32と、運転者のブレーキペダル22の操作に応じて作動するサービスブレーキ装置25,26と、出力手段32により駐車ブレーキ指令が出力されると、運転者のペダル操作に拘わらずサービスブレーキ装置24〜26を作動させるブレーキ制御手段27,30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイール式油圧ショベルやホイールローダなどの作業車両の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の作業車両にあっては、ネガティブ型の駐車ブレーキを備え、油圧源からブレーキ解除圧を供給して駐車ブレーキを解除し、ブレーキ解除圧の供給を停止して駐車ブレーキを作動するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載のものは、トランスミッションに第1および第2のクラッチ装置を設け、駐車ブレーキの作動指令により第1および第2のクラッチ装置を同時に係合状態としてトランスミッションをロックし、駐車ブレーキを作動する。
【0003】
【特許文献1】特開2002−79931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したネガティブ型の駐車ブレーキは、駐車ブレーキ作動指令が出力されてから駐車ブレーキが完全に作動するまでの間にタイムラグがある。このため、坂道などで駐車ブレーキを作動する場合、駐車ブレーキが完全に作動するまでの間、運転者はブレーキペダルを操作し続ける必要があり、煩雑であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による作業車両の制御装置は、駐車ブレーキ指令によって作動を開始するネガティブ型の駐車ブレーキ装置と、駐車ブレーキ指令を出力する出力手段と、運転者のブレーキペダルの操作に応じて作動するサービスブレーキ装置と、出力手段により駐車ブレーキ指令が出力されると、運転者のペダル操作に拘わらずサービスブレーキ装置を作動させるブレーキ制御手段とを備えることを特徴とする。
出力手段により駐車ブレーキ指令が出力されると、所定時間だけサービスブレーキ装置を作動させることもできる。
この場合、駐車ブレーキ装置にブレーキ解除圧を作用させる圧油の温度を検出する油温検出手段をさらに備え、油温検出手段により検出された油温が高いほど所定時間を短く設定することが好ましい。
ブレーキペダルの操作を検出するペダル操作検出手段を有し、ペダル操作検出手段により予め設定された踏み込み操作が検出されると、運転者のペダル操作に拘わらずブレーキ装置を作動させることもできる。
駐車ブレーキ装置を、ネガティブ型の第1のクラッチ装置と第2のクラッチ装置とを有するトランスミッションによって構成し、このトランスミッションが、駐車ブレーキ指令が出力されると、第1のクラッチ装置と第2のクラッチ装置を同時に係合して車軸の回転を阻止するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、駐車ブレーキ指令が出力されると、運転者のペダル操作に拘わらずサービスブレーキ装置を作動させるようにしたので、坂道等で駐車ブレーキを作動する場合に、運転者はブレーキペダルを操作する必要がなく、駐車ブレーキを容易に作動できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図1〜図4を参照して本発明による作業車両の制御装置の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る制御装置の構成を示す図であり、主に走行用の油圧回路図を示している。この制御装置は、油圧ショベルやホイールローダ等、タイヤを装備して作業現場や一般道路を走行する作業車両に設けられる。
【0008】
エンジン(原動機)1により駆動されるメインポンプ2からの吐出油は、コントロールバルブ3によりその方向および流量がそれぞれ制御されて、センタージョイント5を通過し、カウンタバランスバルブ6を経て走行モータ7に供給される。走行モータ7の回転はトランスミッション8によって変速され、車軸9,アクスル10を介してタイヤ11に伝達され、作業車両が走行する。
【0009】
トランスミッション8はサンギア、プラネタリギア、リングギアからなる遊星減速機構と、そのサンギア側およびリングギア側にそれぞれ設けられたクラッチ81,82とを有する周知のものである。すなわち図示は省略するが、クラッチ81,82は、それぞればねを内蔵したクラッチ用シリンダを有し、ばねの付勢力によりクラッチ用シリンダがディスクに押圧されることで、クラッチ81,82は係合状態とされる。また、ばね力に抗して作用する油圧源12からの油圧力によりクラッチ用シリンダの押圧力が除去されることで、クラッチ81,82は解放状態とされる。クラッチ81,82に作用する油圧力は、電磁切換弁13の駆動によって制御される。なお、ばねの付勢力によって係合状態とされ、油圧力によって解放状態とされるようなクラッチをネガティブ型のクラッチと呼ぶ。
【0010】
電磁切換弁13はCPU30からの制御信号によって切り換わる。電磁切換弁13が位置イに切り換わると、油圧源12からの圧油が圧油が管路14を介してクラッチ81に作用する。これによりクラッチ81が解放、クラッチ82が係合状態とされ、トランスミッション8は所定の変速比R1(ローギア)となり、低速高トルクの1速走行が可能となる。電磁切換弁13が位置ロに切り換わると、油圧源12からの圧油が管路15を介してクラッチ82に作用する。これによりクラッチ82が解放、クラッチ81が係合状態とされ、トランスミッション8は所定の変速比R2(ハイギア)となり、高速低トルクの2速走行が可能となる。なお、変速比R1は変速比R2より大きい。
【0011】
一方、電磁切換弁13が位置ハに切り換わると、管路14,15はタンクに連通する。この場合は、クラッチ81および82はばね力によって係合状態とされるため、トランスミッション8がロックされて車軸9の回転が阻止される。本実施の形態では、この車軸9の回転を阻止させるクラッチ81,82を駐車ブレーキとして用いる。駐車ブレーキを解除する場合は、一方のクラッチ81または82に圧油(ブレーキ解除圧)を作用し、クラッチ81または82を解放状態とする。なお、ばねの付勢力によって作動し、油圧力によって解除されるようなブレーキをネガティブ型の駐車ブレーキと呼ぶ。
【0012】
このように構成された駐車ブレーキは、電磁切換弁13が位置ハに切り換わってもクラッチ81,82内の圧力が即座にタンク圧となるわけではなく、駐車ブレーキの作動に遅れが生じる。なお、トランスミッション8と電磁切換弁13の間の管路14,15に絞りを介してアキュムレータを接続してもよく、この場合には、駐車ブレーキの作動に一層遅れが生じる。
【0013】
走行用パイロット回路は、エンジン1によって駆動されて圧油を生成するパイロット油圧源16と、アクセルペダル17の踏み込みに応じてパイロット2次圧力を発生する走行パイロットバルブ18と、このパイロットバルブ18に後続し、パイロットバルブ18への戻り油を遅延するスローリターンバルブ19と、このスローリターンバルブ19に接続し車両の前進、後進、中立を選択する前後進切換バルブ20とを有する。前後進切換バルブ20は操作レバー21の操作によって切り換えられる。パイロット油圧源16からのパイロット圧はコントロールバルブ3のパイロットポートに作用し、コントロールバルブ3を駆動する。このときのバルブストローク量をアクセルペダル17で調整することで車両の走行速度を調整できる。
【0014】
作業車両には、ブレーキペダル22の操作に応じた減速力を及ぼす周知の油圧フットブレーキ(サービスブレーキ)が設けられている。このフットブレーキ用パイロット回路は、エンジン1によって駆動されて圧油を生成するパイロット油圧源23と、ブレーキペダル22の踏み込みに応じてパイロット2次圧力(ブレーキ作動圧)を発生するブレーキバルブ24とを有する。ブレーキペダル22の操作により、ブレーキバルブ24からのブレーキ作動圧がそれぞれ前輪用ブレーキ装置25および後輪用ブレーキ装置26に作用する。これによりペダル操作に応じてブレーキ装置25,26が作動し、ブレーキ装置25,26を走行時にサービスブレーキとして用いることができる。
【0015】
ブレーキバルブ24には、電磁弁27を介して油圧源12が接続されている。電磁弁27はCPU30からの信号により切り換わる。電磁弁27が位置イに切り換わると、油圧源12からのパイロット圧がブレーキバルブ24に作用する。これによりブレーキバルブ24が駆動され、油圧源23からの圧油がブレーキ装置25,26に作用する。このためブレーキペダル22を操作しなくてもブレーキ装置25,26を作動でき、ブレーキ装置25,26を作業時に作業ブレーキとして用いることができる。
【0016】
一方、電磁弁27が位置ロに切り換わると、油圧源12からブレーキバルブ24へのパイロット圧の作用が停止する。この状態では、作業ブレーキが解除され、ブレーキペダル22の操作によりブレーキ装置25,26を作動できる。なお、電磁弁27を位置イに切り換えるとブレーキ装置25,26は即座に作動し、作業ブレーキは駐車ブレーキよりも応答性がよい。電磁弁27は、例えば図示しない作業ブレーキスイッチのオンにより位置イに、オフにより位置ロに切り換わる。
【0017】
電磁切換弁13と電磁弁27はCPU30により制御される。CPU30には、ブレーキバルブ24からのブレーキ作動圧、つまりブレーキペダル22の操作を検出する圧力センサ31と、駐車ブレーキの作動を指令する駐車ブレーキスイッチ32と、1速/2速の変速を指令する変速スイッチ33と、車速を検出する車速センサ34が接続されている。CPU30では以下のような処理が実行される。
【0018】
図2は、CPU30で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、例えばエンジンキースイッチのオンによりスタートする。なお、初期状態では電磁弁27は位置ロに切り換わっている。ステップS1では、駐車ブレーキスイッチ32がオンか否かを判定する。駐車ブレーキスイッチ32がオフと判定されるとステップS6に進み、変速スイッチ33の操作を判定する。変速スイッチ33により1速が指令と判定されるとステップS7に進み、電磁切換弁13を位置イに切り換える。変速スイッチ33により2速が指令と判定されるとステップS8に進み、電磁切換弁13を位置ロに切り換える。
【0019】
一方、ステップS1で駐車ブレーキスイッチ32がオンと判定されるとステップS2に進む。ステップS2では、電磁弁27を位置イに切り換え、作業ブレーキを作動する。次いで、ステップS3で電磁切換弁13を位置ハに切り換え、油圧源12からクラッチ81,82への圧油の作用を停止する。
【0020】
ステップS4では、駐車ブレーキスイッチ32がオンされてから所定時間を経過したか否かを判定する。所定時間は、駐車ブレーキスイッチ32をオンしてからクラッチ81,82内がタンク圧となるまでの時間、つまり駐車ブレーキが作動を開始してから完全に作動するまでの時間と同程度の時間に予め設定されている。ステップS4が否定されるとステップS2に戻り、同様な処理を繰り返す。ステップS4が肯定されるとステップS5に進み、電磁弁27を位置ロに切り換え、作業ブレーキを解除する。
【0021】
本実施の形態に係る作業車両の制御装置の特徴的な動作を説明する。
(1)走行時
駐車ブレーキスイッチ32をオフした状態で、変速スイッチ33により1速を指令すると、電磁切換弁13が位置イに切り換えられ、油圧源12からの圧油が圧油が管路14を介してクラッチ81に作用する(ステップS7)。これによりクラッチ81が解放、クラッチ82が係合状態とされて、トランスミッション8は所定の変速比R1となり、アクセルペダル17の操作により低速高トルクの1速走行が可能となる。また、変速スイッチ33により2速を指令すると、電磁切換弁13が位置ロに切り換えられ、油圧源12からの圧油が圧油が管路15を介してクラッチ82に作用する(ステップS8)。これによりクラッチ82が解放、クラッチ81が係合状態とされて、トランスミッション8は所定の変速比R2となり、高速低トルクの2速走行が可能となる。走行時にブレーキペダル22を操作すると、油圧源24からの圧油がブレーキ装置25,26に作用し、ブレーキペダル22の操作量に応じて車両を減速できる。
【0022】
(2)駐車時
駐車時の動作を図3(a)のタイムチャートにより説明する。例えば車両停車状態で、作業ブレーキスイッチをオフした状態で駐車ブレーキスイッチ32をオンすると(時点t1)、電磁弁27が位置イに切り換えられるとともに、電磁切換弁13が位置ハに切り換えられる(ステップS2,ステップS3)。これにより油圧源23からの圧油がブレーキ装置25,26に作用し、作業ブレーキが作動する。また、クラッチ81または82への圧油の作用が停止し、クラッチ用シリンダからディスクに押圧力が作用し、駐車ブレーキが作動を開始する。このとき、クラッチ81または82に作用する圧力が徐々に低下し、駐車ブレーキ力が徐々に増加する。時点t2では駐車ブレーキ力が最大になり、駐車ブレーキが完全に作動(オン)する。時点t3で、駐車ブレーキスイッチ32をオンしてから所定時間が経過すると、電磁弁27が位置ロに切り換えられる(ステップS5)。これにより作業ブレーキが解除(オフ)される。
【0023】
このように駐車ブレーキスイッチ32の操作により作業ブレーキをオンし、所定時間後に作業ブレーキをオフすることで、駐車ブレーキが完全に作動する前であっても車両の移動が阻止され、坂道などで駐車ブレーキスイッチを操作した場合の不所望な車両の動きを防止できる。このため駐車ブレーキが完全に作動するまでの間、運転者がブレーキペダル22を操作するといった必要がなく、駐車ブレーキを作動する際の操作が容易である。
【0024】
本実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)駐車ブレーキスイッチ32の操作により、駐車ブレーキの作動開始と同時に作業ブレーキを作動するようにした。これによりネガティブ型の駐車ブレーキ装置の作動に遅れがあっても、作業ブレーキにより車両の動きが阻止され、坂道等で誤って車両が動き出すことを防止できる。駐車ブレーキスイッチ32を操作してすぐに運転席を離れる場合にも車両が動き出すことはなく、安全性が高い。
(2)駐車ブレーキスイッチ32の操作から所定時間後に作業ブレーキを解除するので、作業ブレーキの作動時間を最小限に抑えることができる。その結果、駐車ブレーキと作業ブレーキとが同時に作動する時間は短くなり、ギヤのバックラッシュ等に起因し、作業ブレーキに引きずられて駐車ブレーキに無理な力がかかることを防止できる。
(3)トランスミッション8に駐車ブレーキの機能を持たせるようにしたので、駐車ブレーキを別途設ける必要がなく、部品点数を低減できる。
【0025】
なお、図3(a)では、駐車ブレーキが完全に作動した後に作業ブレーキを解除したが、駐車ブレーキが完全に作動する前に作業ブレーキを解除してもよい。すなわち、駐車ブレーキ力がある一定レベル以上になっていれば、作業ブレーキを解除しても実質上は問題ないのであり、所定時間の設定は上述したものに限らない。クラッチ81,82からの圧油の流出の速度、つまり駐車ブレーキの応答性は、油温によって変化する。このため、例えば油温センサにより管路14,15内の油温を検出し、作業ブレーキの作動する所定時間を油温に応じて変更してもよい。この場合、図3(b)に示すように油温が高いと油の粘性が小さくなり、駐車ブレーキが完全に作動するまでの時間が短くなるため、油温が高いほど上記所定時間を短く設定すればよい。
【0026】
駐車ブレーキスイッチ32のオン時に即座に電磁弁27と電磁切換弁13を切り換えるのではなく、車速センサ34により検出された車速が所定値以下の低速走行状態となったときに切り換えるようにしてもよい。これにより図4に示すように高速走行時に駐車ブレーキスイッチ32が操作された場合、車速が所定値より大きい状態では作業ブレーキと駐車ブレーキは非作動であり、時点t4で車速が所定値以下になると、作業ブレーキが作動し、駐車ブレーキが作動を開始する。したがって、高速走行時に急ブレーキがかかることを防止できる。
【0027】
作業ブレーキスイッチのオンにより電磁弁27を位置イに切り換え、作業ブレーキを作動するようにしたが、所定のペダル操作がなされたとき、あるいは所定の車両状態が成立したときに電磁弁27を位置イに切り換えるようにしてもよい。例えば車速が所定値以下の状態で、ブレーキペダル22が所定量以上踏み込み操作されたときに、電磁弁27を位置イに切り換え、作業ブレーキを作動するようにしてもよい。これにより操作レバーから手を離すことなくブレーキペダル22の操作のみで作業ブレーキを作動することができ、煩雑な操作が不要になる。また、作業ブレーキが作動して一旦ブレーキペダル22の操作をやめた後、再びブレーキペダル22が所定量以上踏み込み操作されたときに電磁弁27を位置ロに切り換え、作業ブレーキを解除するようにしてもよい。
【0028】
ペダル22の所定量以上の踏み込み操作(例えば最大踏み込み操作)は、圧力センサ31により検出することができる。所定量以上の踏み込み操作が所定時間継続してなされたときに、作業ブレーキを作動/解除するようにしてもよい。これにより運転者が瞬間的にブレーキペダル22を操作しても作業ブレーキは作動/解除されず、作業ブレーキが頻繁に作動/解除することを防止できる。圧力センサ以外のペダル操作検出手段を用いてもよい。
【0029】
なお、上記実施の形態では、トランスミッション8のクラッチ81(第1のクラッチ装置)および82(第2のクラッチ装置)により駐車ブレーキ装置を構成したが、クラッチ81,82とは別に駐車ブレーキを設けてもよく、駐車ブレーキ装置の構成はこれに限らない。駐車ブレーキスイッチ32により駐車ブレーキ指令を出力するようにしたが、他の出力手段により出力するようにしてもよい。駐車ブレーキスイッチ32のオンにより電磁弁27を切り換え、ブレーキペダル22の操作に拘わらずブレーキ装置25,26を作動させるようにしたが、ブレーキ制御手段の構成はこれに限らない。ブレーキ装置25,26とは別に作業ブレーキを設けてもよく、サービスブレーキ装置を作業ブレーキと兼用しなくてもよい。
【0030】
駐車ブレーキが作動を開始してから完全に作動するまでの時間を所定時間として設定し、所定時間だけ作業ブレーキ(サービスブレーキ装置)を作動するようにしたが、所定時間の設定はこれに限らない。例えば駐車ブレーキ力が所定値以上となるまでの時間を所定時間として設定してもよい。駐車ブレーキ力と相関関係のある物理量を検出し、この物理量に応じて作業ブレーキの作動を制御するようにしてもよく、時間以外をパラメータとしてもよい。すなわち本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態の作業車両の制御装置に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態に係る作業車両の制御装置の構成を示す図。
【図2】図1のCPUで実行される処理の一例を示すフローチャート。
【図3】本発明の実施の形態に係る制御装置の動作を説明する図。
【図4】図3の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0032】
8 トランスミッション
13 電磁切換弁
27 電磁弁
30 CPU
31 圧力センサ
32 駐車ブレーキスイッチ
81,82 クラッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車ブレーキ指令によって作動を開始するネガティブ型の駐車ブレーキ装置と、
前記駐車ブレーキ指令を出力する出力手段と、
運転者のブレーキペダルの操作に応じて作動するサービスブレーキ装置と、
前記出力手段により駐車ブレーキ指令が出力されると、運転者のペダル操作に拘わらず前記サービスブレーキ装置を作動させるブレーキ制御手段とを備えることを特徴とする作業車両の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業車両の制御装置において、
前記ブレーキ制御手段は、前記出力手段により駐車ブレーキ指令が出力されると、所定時間だけ前記サービスブレーキ装置を作動させることを特徴とする作業車両の制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の作業車両の制御装置において、
前記駐車ブレーキ装置にブレーキ解除圧を作用させる圧油の温度を検出する油温検出手段をさらに備え、
前記ブレーキ制御手段は、前記油温検出手段により検出された油温が高いほど前記所定時間を短く設定することを特徴とする作業車両の制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業車両の制御装置において、
前記ブレーキペダルの操作を検出するペダル操作検出手段を有し、
前記ブレーキ制御手段は、前記ペダル操作検出手段により予め設定された踏み込み操作が検出されると、運転者のペダル操作に拘わらず前記ブレーキ装置を作動させることを特徴とする作業車両の制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業車両の制御装置において、
前記駐車ブレーキ装置は、ネガティブ型の第1のクラッチ装置と第2のクラッチ装置とを有するトランスミッションによって構成され、
このトランスミッションは、前記駐車ブレーキ指令が出力されると、前記第1のクラッチ装置と第2のクラッチ装置を同時に係合して車軸の回転を阻止することを特徴とする作業車両の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−149802(P2008−149802A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−337935(P2006−337935)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】