作業車両
【課題】操縦者がシートに着座したままの状態では、後方を向いての作業が行いづらくなっていた。
【解決手段】走行機体2を覆う車体カバー50の上方にシート60を備える作業車両1において、前記車体カバー50の下方に立設した走行機体2の支持フレーム10に、該車体カバー50上方へ突出する支持ステー55を固設し、該支持ステー55に車体カバー50上方でシート60を支持して、該シート60と車体カバー50との間にシート60に着座した操縦者が足を配置することができる空間56を形成した。
【解決手段】走行機体2を覆う車体カバー50の上方にシート60を備える作業車両1において、前記車体カバー50の下方に立設した走行機体2の支持フレーム10に、該車体カバー50上方へ突出する支持ステー55を固設し、該支持ステー55に車体カバー50上方でシート60を支持して、該シート60と車体カバー50との間にシート60に着座した操縦者が足を配置することができる空間56を形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体を覆う車体カバーの上方にシートを備える乗用田植機などの作業車両に関し、特にシートの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行機体を覆う車体カバーの上方にシートを備える作業車両においては、車体カバーの後部が上方へ立ち上げられて、その左右中央にシート支持部が形成され、該シート支持部上にシートが若干の隙間のみを備えて配置されて、走行機体から立設される支持部材に支持されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−318141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の作業車両においては、操縦者はシートに着座した状態で、シート後方に配置した作業機に対する作業を行う場合には、上体のみを後方に向けて作業を行わなければならなかったが、その際シート前方にしか足を配置することができないため、体をしっかりと支えることができず、作業が行いづらくなっていた。そのため、作業性が悪くなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、走行機体を覆う車体カバーの上方にシートを備える作業車両において、前記車体カバーの下方に立設した走行機体の支持フレームに、該車体カバーの上方へ突出する支持ステーを固設し、該支持ステーに車体カバー上方でシートを支持して、該シートと車体カバーとの間にシートに着座した操縦者が足を配置することができる空間を形成したものである。
【0006】
請求項2においては、前記支持フレームに対しシートと反対側に作業機を支持したものである。
【0007】
請求項3においては、前記シートの後方を除く周囲の車体カバー上方に、シートに着座した操縦者が足を配置することができる空間を形成したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0009】
請求項1においては、操縦者はシートに着座したまま、その姿勢を前方を向いた状態から後方を向いた状態に変える場合に、シート下方の空間に足を配置して体をしっかりと支えることができる。そのため、作業が行いやすくなり、作業性が向上する。
【0010】
請求項2においては、支持フレームに対して、シートに着座する操縦者の自重による前下方へのモーメントと、作業機の自重による後下方へのモーメントとが互いに相殺するようになる。そのため、作業機を支持フレームの後方に突出して支持する構成に比べて、支持フレームの剛性を軽減できて、軽量化とコストの低減化を図ることができる。
【0011】
請求項3においては、操縦者がシートに着座したまま、シート前方だけでなく、左右両側方の車体カバー上に自由に足を戴置することが可能となるため、後方を向いた姿勢でも体をしっかりと支えることができる。そのため、作業が行いやすくなり、作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施例に係る田植機の全体的な構成を示した斜視図、図2は走行機体の斜視図、図3は走行機体前部の側面図、図4はチルト機構の構成を示す斜視図、図5は上コラムの姿勢保持手段の構成を示す斜視図、図6はステアリングハンドルのチルト位置を示す側面図、図7は走行機体の上方斜視図、図8は車体カバー後部の平面図、図9は車体カバー後部の側面断面図、図10はシートの支持構造を示す側面図、図11はシートの支持構造を示す斜視図、図12はシートの斜視図、図13はシートの正面図、図14はシートの背面図、図15はシートの平面図、図16はシートの底面図、図17はシートの側面図である。
【0014】
本実施例では、作業車両を乗用型田植機1として説明するが、これは特に限定するものではなく、降りた状態で前方から操向できる乗用型の管理機やトラクターなどでもよい。図1、図2に示すように、田植機1には走行機体2と、該走行機体2の後部に昇降可能に装着された植付装置17とが備えられている。走行機体2は、主に機体前後方向に延伸された左右一対のフレームからなるメインフレーム3と、左右のメインフレーム3の間に配置された機体前後方向に長い一体型ケース体からなるミッションケース4と、左右のメインフレーム3の間でミッションケース4に連結されて機体後方に延伸された正面断面視下向きコ字形状の伝動部フレーム5とから構成されている。
【0015】
前記ミッションケース4の機体前後方向中途部の左右両側面にフロントアクスルケース6が突設され、該フロントアクスルケース6の左右両端に前車輪7が取り付けられている。また、伝動部フレーム5の後端部にリヤアクスルケース8が取り付けられ、該リヤアクスルケース8の左右両端に後車輪9が取り付けられている。そして、リヤアクスルケース8に左右一対の支持フレーム10が立設され、該支持フレーム10に上及び下リンク11・12からなる平行リンク機構を介して植付装置17が連結されている。
【0016】
前記植付装置17は、主にミッションケース4の後端から後方に突出されたPTO軸と自在継手軸を介して連結されて動力を伝達される左右一対の伝動ケース13と、走行機体2の後部に上端が接近するように前高後低に配置された苗載台14と、各植付伝動ケース13の下面に配置されたフロート15と、各植付伝動ケース13の左右両側に取り付けられ、圃場面と苗載台14の下端との間を上下昇降しながら苗載台14上の苗マットから1株ずつに分割して植え付けする植付爪を備えた植付機構とから構成されている。そして、メインフレーム3の後端に設けられた昇降用油圧シリンダ16が上及び下リンク11・12に関連して取り付けられて、植付装置17が走行機体2に対し昇降可能とされている。
【0017】
また、前記走行機体2を上から覆うように車体カバー50がメインフレーム3に取り付けられ、該車体カバー50の上方にシート60が配設されている。そして、該シート60の前方にフロントボンネット(エンジンフード)20が配置されて、車体カバー50の前部上面に固定されている。フロントボンネット20の左右両側方には予備苗載台18が配置され、図3にも示すように、フロントボンネット20内においては、その後側にエンジン21やその付属品である、気化器、調速機、エアマフラ、スタータ用コイラ(ロープ式始動装置)、消音器などが配置されている。エンジン21の上方に燃料タンク22が当該エンジン21から立設されたフレーム上に固定されて配置されている。
【0018】
また、前記エンジン21の下方にミッションケース4が配置されている。ミッションケース4には、その前側にステアリングのためのステアリング駆動機構23が内蔵され、後側に走行駆動系とPTO駆動系とへ動力を伝達するための動力伝達機構が内蔵されている。そしてまた、ミッションケース4の上面前端側に筒状の下コラム24が立設され、図4にも示すように、該下コラム24内にステアリング下軸25が配置されて、その下端がミッションケース4内のステアング駆動機構23に接続されている。一方、ステアリング下軸25の上端は、ステアリングハンドル26を上端に取り付けたハンドル軸27の下端と屈曲可能に連結されている。該ハンドル軸27は筒状の上コラム28内に配置されている。
【0019】
そして、前記下コラム24の上端と上コラム28の下端とがチルト機構30を介して前後傾動可能に連結され、該チルト機構30の外周に上コラム28の傾斜角度を複数段階において姿勢保持するための姿勢保持手段31が設けられている。図5にも示すように、チルト機構30は、下コラム24の上端に固着された左右一対の下ブラケット32と、上コラム28の下端の外周に固着された左右一対の上ブラケット33とを横枢軸34を介して回動可能に連結して構成されている。
【0020】
前記姿勢保持手段31は、下ブラケット32の偏心円弧状の上端面に前後適宜隔てた位置に凹状に形成された複数(本実施例では3箇所)の係止溝32a・32b・32cと、前記上ブラケット33の後端片33aに回動可能に軸支された横軸35と、該横軸35の一端に固着された係合フック36と、該係合フック36を下向きに付勢する付勢バネ37とからなり、上コラム28が所定の後傾または前傾の角度に変更されたとき、係合フック36が複数の係止溝32a・32b・32cのうちの任意の一つに選択的に係合することにより、該上コラム28の傾動姿勢を調節し且つ保持することができるように構成されている。
【0021】
図6に示すように、本実施例においては、前記上コラム28が前後動して、その姿勢を走行機体2の後方に傾斜(鉛直線に対して時計方向に略30度傾斜)した第一姿勢Iと、該第一姿勢から反時計方向に略60度走行機体2の前方に前傾した第二姿勢IIと、前記第一姿勢から反時計方向に略88度走行機体2の前方に大きく前傾した第三姿勢IIIとに選択的に変更可能とされている。なお、上コラム28が第一姿勢Iの場合には、下ブラケット32の上面のうち最も後側の係止溝32aに係合フック36が係合され、上コラム28が第二姿勢IIの場合には、前後中央位置の係止溝32bに係合フック36が係合される。また、第三姿勢IIIの場合には、前側の係合溝32cに係合フック36が係合される。
【0022】
また、前記チルト機構30を覆うフロントボンネット20の左右中央部には、その上面側から前端までにわたって平面視略U字状の開口部20aが設けられている。該開口部20aは、上コラム28と一体的に前後動する可動カバー体40と、該可動カバー体40と上向き回動可能に連結された外装品としての補助カバー体41とにより覆われている。補助カバー体41は可動カバー体40の前端側を中心にして上下回動可能に設けられている。すなわち、上コラム28の下部から上向きに突出する支持ブラケット部材42の先端に横向きに支持パイプ43が固設される一方、補助カバー体41の裏面にコ字型に屈曲形成された補強兼用の操作部材44が固定され、該操作部材44の左右一対の軸部44aが前記支持パイプ43の両端に回動可能に挿入されて、補助カバー体41が軸部44aを中心にして上下回動可能とされている。
【0023】
そしてまた、前記操作部材44は姿勢保持手段31の操作部として関連付けされている。すなわち、操作部材44の軸部44aから偏心位置にピン44bが突設され、該ピン44bにリンク46の一端が回動可能に連結される一方、該リンク46の他端が、係合フック36と一体的に回動する横軸35の他端に固着されたアーム47の先端に回動可能に連結されている。こうして、前記付勢バネ37の付勢力により、操作部材44、つまり補助カバー体41の下端側がフロントボンネット20の表面に接近するように付勢されている。
【0024】
こうして、補助カバー体41及び操作部材44の下端側をフロントボンネット20の表面から離間するように上向きに所定の角度だけ回動すると、付勢バネ37の付勢力に抗してリンク46、アーム47を介して係合フック36の先端部が、係止溝32a・32b・32cから外れるように回動して、係合フック36と係止溝32a・32b・32cとの係合状態が解除され、続いて補助カバー体41から手を離した状態(補助カバー体41の下端側内面がフロントボンネット20の開口部20aの外側縁に摺接した状態)で、作業者がステアリングハンドル26を持って回動させることで、上コラム28を任意の姿勢に移行できるように構成されている。
【0025】
これにより、前記チルト機構で上コラムを選択的に前後方向に屈曲させて、上コラム28上端のステアリングハンドル(丸ハンドル)26をシート60に向かう後位置と、走行機体2前方の前位置とに配置することが可能となり、ステアリングハンドル26を前位置とすることで、走行機体2から降りた操縦者が当該走行機体2の前方に位置しながらステアリングハンドル26を持って乗用型田植機1を圃場から畦越えさせたり、トラックに載せ変えたりする操作ができるようになっている。また、ステアリングハンドル26を後位置とすることで、走行機体2に搭乗しながら操縦者が乗用型田植機1を操向操作することができるようになっている。
【0026】
また、図7に示すように、前記車体カバー50はフロントボンネット20の左右両側に左右の前部ステップ50a・50aを、シート60の後方に後部ステップ50bを、前部ステップ50a・50aと後部ステップ50bとの間に中部ステップ50cを備えて、平面視略矩形状に形成されている。後部ステップ50bは中部ステップ50cより後上方へ立ち上がった連結部50dで当該中部ステップ50cと接続され、該連結部50dの左右両側が後車輪9・9に対するフェンダとされている。ここで、車体カバー50は合成樹脂によりインジェクション成形で一体成形され、その軽量化や部品点数の削減、組立時の作業性の向上が図られている。
【0027】
前記車体カバー50においては、左右の各前部ステップ50a・50aの前車輪7・7近傍に開口部(または切欠部)50e・50eが設けられている。各開口部50eは、前部ステップ50aの前車輪7の上方で、該前車輪7よりも機体内側に配置され、走行機体2から降りた操縦者が当該走行機体2の前方に位置しながら、前述のようにステアリングハンドル26をチルト機構30により機体前方の前位置に回動して操作する際に、前車輪7・7の後部を視認可能として、その左右方向の向きや位置やその周辺の状態などを確認することができるように構成されている。同時に、各開口部50eは、操縦者が走行機体2上に位置する場合には、前車輪7の前部が視認可能として、その左右方向の向きや位置やその周辺の状態などを確認することができるように構成されている。
【0028】
前記開口部50e・50eは、本実施例では、左右の各前部ステップ50a・50aの外周部が前車輪7・7の略直上方に位置することから、該前部ステップ50a・50aの外周部を機体外側から内側に向かって先細状となるように平面視略V字状に切り欠いた形状とされている。これにより、車体カバー50の前部に設ける開口部50e・50eの開口面積を必要最小限として、該前部ステップ50a・50aでの前車輪7・7に対するフェンダ機能、所謂、泥跳ねを防止する機能が損なわれることを防止することができる。また、前車輪7・7が左右どちらか一方向を向いた際でも、前車輪7・7の前部又は後部が確実に見えるため、視認性が向上する。
【0029】
また、図8、図9にも示すように、前記中部ステップ50cの左右の各後車輪9・9近傍にも開口部50f・50fが設けられている。左右の各開口部50f・50fは、中部ステップ50cの後車輪9・9の前上方で、該後車輪9・9よりも左右方向で機体内側に配置され、走行機体2から降りた操縦者が当該走行機体2の前方に位置しながら、前述のようにステアリングハンドル26をチルト機構30により機体前方の前位置に回動して操作する際に、後車輪9・9の前部を視認可能として、その左右方向の向きや位置やその周辺の状態などを確認することができるように構成されている。
【0030】
前記開口部50f・50fは機体後側から前側に向かって先細となるように平面視略三角形状に形成され、その前後方向に所定間隔ごとに隔壁50g・50gを備えて、スリット形状に構成されている。つまり、開口部50f・50fは後方ほど大きな開口面積となるようにし、後方ほど機体左右内側に開口が広がるように形成して、最後部の開口部50fはシート60の両側下方に位置して、操縦者が着座したまま横下方を向くだけで、後輪近傍を覗き込むことを可能としている。また、開口部50f・50fの外側の中部ステップ50cの幅を略一定として強度を確保している。
【0031】
前記隔壁50g・50gは、走行機体2の前方に位置してステアリングハンドル26を操作する操縦者の後車輪9・9に対する視線と略平行となるように、中部ステップ50cに前高後低に傾斜した状態に一体成形されている。よって、開口部50f・50fにおいては、隔壁50g・50gの傾斜方向が後車輪7・7が開口部50f・50fに向かって泥などを跳ね飛ばす方向と交差(略直交)する方向となり、後車輪9・9からの泥が開口部50f・50fを通過するのを隔壁50g・50gにて阻止されて、中部ステップ50c上面までの泥のはね上がりが防止される。また、後車輪9が視認しやすくなる。
【0032】
このように、車体カバー50に、操縦者が走行機体から降りた状態で機体前方から操作を行うときに、前車輪7・7又は後車輪9・9の左右方向の向きや位置などを視認することができる開口部を設けたので、前車輪7・7又は後車輪9・9の切れ角度を確認しながらステアリングハンドル26で操向操作を行うことができ、操作性が向上する。また、操縦者が操向機体に搭乗した状態でも、前車輪7・7の切れ角度を確認しながらステアリングハンドル26で操向操作を行うことができ、操作性が向上する。
【0033】
また、前記中部ステップ50c上面の左右の開口部50f・50fの間に複数の滑り止め50h・50h・・・が設けられている。該滑り止め50h・50h・・・は平面視円弧状に形成され、シート60後方に中心を有する同心円上に位置して、中部ステップ50c後端から前方に広がるように配置されている。こうして、滑り止め50h・50h・・・はステップへの前方や側方からの昇降時や移動時などには滑り止めとなり、苗継ぎなどで着座した状態で、足で蹴りながらお尻を中心として左または右へ向く時に、靴の裏面が引っ掛からないようにしている。
【0034】
そして、該滑り止め50h・50h・・・の左右両端が前記開口部50f・50f又は中部ステップ50cの左右後側部に設けられた水抜き孔50j・50jの近傍まで延伸されて、中部ステップ50c上に降った雨や持ち込まれた泥や水が滑り止めに沿って流れて、開口部50f・50f又は水抜き孔50j・50jから流れ落ちるようになっている。なお、同様の滑り止めが前ステップ50a・50aにも設けられている。
【0035】
また、前記車体カバー50の後部ステップ50bと中部ステップ50cの間の連結部50dの左右中央部にも左右一対の開口部が設けられ、図10、図11に示すように、該開口部から前方に向けて平面視略コ字状のシート支持ステー55が突出されている。該シート支持ステー55は、前記シート60を支持するためのものであり、側面視へ字状に屈曲されて、その左右の後端部が後部ステップ50bの下方で前記リンク機構の上及び下リンク11・12を支持する支持フレーム10に固設されている。そして、シート支持ステー55の前部が中部ステップ50cの上方に略平行に配置され、その上にシート60が支持されている。
【0036】
つまり、前記シート60を支持するシート支持ステー55を支持フレーム10に対し上及び下リンク11・12と前後反対側に支持することで、シート60に操縦者が着座したとき、操縦者の自重による支持フレーム10の前下方へかかるモーメントと、植付装置17の自重による支持フレーム10の後下方へかかるモーメントとが釣り合うように働く。これにより、支持フレーム10により片持ちの如く植付装置17を支持する構成よりも、支持フレーム10の剛性は小さくてもよく、支持フレーム10自体大きさや重量を軽減してコストの低減化を図ることができる。
【0037】
また、車体カバー50の連結部50dから斜め前上方に突出するシート支持ステー55にシート60を支持することで、中部ステップ50cとシート60の下方に空間56を形成し、該空間56にシート60に着座状態にある操縦者が足を配置することができるように構成されている。そのため、操縦者はシート60に着座したまま、予備苗載台18から植付装置17の苗載台14に苗を補給するなどの作業を行うために、その姿勢を前方を向いた状態から後方を向いた状態に変える場合に、シート下方の空間56に足を配置して体をしっかりと支えることができ、作業性の向上を図ることができる。
【0038】
そして、前記シート60とフロントボンネット20との間の中部ステップ50c上と、シート60の左右両側方の中部ステップ50c上とに前記シート60下方の空間56と連続する空間が形成されて、該空間56に操縦者が足を配置することができるように構成されている。これにより、操縦者がシート60前方だけでなく、左右両側方の中部ステップ50c上に自由に足を戴置することが可能となるため、後方を向いた姿勢でも体をしっかりと支えることができ、苗の補給作業などを行う際の作業性を向上させることができる。
【0039】
また、図12から図17に示すように、前記シート60は着座部61と、背もたれ部62と、該着座部61と背もたれ部62とを連結する連結部63とを備えている。該連結部63は側面視略L字状に形成され、該連結部63下部の前後水平部上に着座部61を固定する一方、上部の上下方向部の前面に背もたれ部62を固定してシート60が構成されている。ここで、着座部61と背もたれ部62は合成樹脂などでブロー成形により形成されて、シート60の軽量化やコストの低減化が図られている。
【0040】
そして、該シート60は着座部61の上面中央部には下方へ凹む凹部61aを設け、該凹部61aに弾力性を有するクッション65を取り付けて、着座状態の操縦者に対する着座部61からの衝撃を吸収できるように構成されている。該クッション65の取付用凹部61aには更に下方へ凹むように、圧着加工を施してコンプレション部を形成した左右一対の前側凹部61b・61bと、左右一対の後側凹部61c・61cとが設けられている。該前側の各凹部61b・61bには下方へ貫通する固定用孔61d・61dと水抜き用孔61e・61eとがそれぞれ穿孔され、後側の各凹部61c・61cには下方へ貫通する固定用孔61f・61fと水抜き用孔61g・61gとがそれぞれ穿孔されている。
【0041】
前記前側凹部61b・61bに固定用孔61d・61dを介してブラケット66が固定され、後側凹部61c・61cに固定用孔61f・61fを介して弾性部材67が固定さている。そして、図10、図11に示すように、該ブラケット66と弾性部材67が前記シート支持ステー55上に載置固設されて、シート60が前述のように車体カバー50の上方に操縦者が足を配置することができる空間56を有して配置されている。なお、着座部61においては、各凹部61b・61cの水抜き孔61e・61gから雨水などが排水されて、凹部61a・61b・61cに水が溜まりにくいようになっている。
【0042】
前記着座部61の凹部61aには、さらに前記左右の後側凹部61c・61cの間に下方へ凹む中央凹部61hが設けられている。該中央凹部に下方へ貫通する固定用孔61j・61jと水抜き用孔61kとが穿孔され、該固定用孔61j・61jを介して下方から連結部63の下端部が固定されている。また、背もたれ部62の正面下部にも後方へ凹む下側凹部62aが設けられて、該凹部62aに固定用孔62b・62bが穿孔されている。そして、着座部61の中央凹部61hに固定された連結部63が着座部61の底面から後端面に沿って上方へ延伸され、該連結部63の上端部に背もたれ部62の下側凹部62aに固定用孔62b・62bを介して固定されている。こうして、着座部61と背もたれ部62とが連結され、シート60が連結部63でくびれた形状となっている。
【0043】
また、前記着座部61は平面視略楕円形状に形成され、その最大径部が機体左右方向を向くように配置されている。該着座部61の左右両側の最大径部と後方へ若干突出した後端部との間にそれぞれ外周から着座部61の前後左右中心に向かって窪む湾曲状の切欠部61m・61mが設けられ、後端部が連結部63に向かって平面視で幅狭となるように先細状に形成されている。切欠部61m・61mは、操縦者が着座部61に体を後方や側方に向けて着座した状態において、脚(腓)を容易に入れることができる大きさとされている。これにより、操縦者は着座部61に着座したまま、予備苗載台18から植付装置17の苗載台14に苗を補給するなどの作業を行うために、その姿勢を前方を向いた状態から後方や側方を向いた状態に変える場合に、脚を着座部61の外周に沿って切欠部61mまで移動させることができるため、後方へ向ける角度が従来よりも更に大きく後方に向くことができ、体をしっかりと後方に向けて作業を行うことが可能となる。そのため、作業が行いやすくなり、作業性が向上する。
【0044】
また、背もたれ部62の左右両側の上下中途部と下端部との間に背もたれ部62の外周から上下左右中心に向かって窪むように湾曲状の切欠部62c・62cが設けられ、下端部が連結部63に向かって正面視で幅狭となるように先細状に形成されている。切欠部62c・62cは、操縦者が着座部61に体を後方や側方に向けて着座した状態において、脚(太股)を容易に入れることができる大きさとされている。これにより、前記同様に操縦者は着座部に着座したまま、予備苗載台18から植付装置17の苗載台14に苗を補給するなどの作業を行うために、その姿勢を前方を向いた状態から後方や側方を向いた状態に変える場合に、脚を背もたれ部62の切欠部62c・62cまで移動させることができるため、体をしっかりと後方に向けて作業を行うことが可能となる。そのため、作業が行いやすくなり、作業性が向上する。
【0045】
したがって、前述の効果を得るためには着座部61又は背もたれ部62の少なくとも一方に前記切欠部61m・62cを設けるだけでもよいが、本実施例に示すように、着座部61及び背もたれ部62の両者の間に互いに向かい合うように切欠部61m・62cを配置し、シート60の着座部61から背もたれ部62にかけて略U字状の凹部60aを設けることで、操縦者が凹部60aに脚を容易に入れることができ、着座部61に着座したまま姿勢を前方を向いた状態から後方又は側方へ向いた状態へ変えやすくなる。そのため、操縦者は着座状態で簡単に体を後方や側方へ向けて作業などを行うことができ、作業性が更に向上する。
【0046】
さらに、前記着座部61及び背もたれ部62の左右の切欠部61m・62cは、それぞれ着座部61を支持する左右の弾性部材67の支持位置よりもシート左右中央側まで窪むように設けられている。これにより、操縦者が着座部に着座した状態で、体が左右に傾かない程度に着座部61を安定させることができるだけの左右幅をもって弾性部材を配置しつつ、操縦者が姿勢を後方へ変える際に、切欠部61m・62cに脚を容易に入れて、簡単に体を後方や側方へ向けることができる。
【0047】
また、前記背もたれ部62においては、その正面上部に後方へ凹む凹部62dが設けられるとともに、背面上部の前記凹部62dと略同じ高さ位置に前方へ凹む凹部62eが設けられている。そして、各凹部62d・62eが左右方向に延伸されて、該凹部62d・62eの周囲にパイプ状の手摺部62fが形成されている。つまり、背もたれ部62の状部周囲が手で握れる大きさのパイプ状の手摺部62fが形成されている。こうして、背もたれ部62はその上部付近を手摺部62fとして掴みやすくして、操縦者が着座部61に着座したまま、その姿勢を前方を向いた状態から後方を向いた状態に変えるときや、走行機体に乗降するときなどに、手摺部62f又は手摺部とステアリングハンドル26を掴んで体を支えることができるように構成されている。なお、背もたれ部62の凹部62d・62eは正面又は背面のどちらか一方のみとしてもよく、また抜き穴としてもよく、これらの場合も前記同様の効果を得ることができる。
【0048】
また、図8に示すように、前記シート60の左右一側で、着座部61に設けた切欠部61mの近傍に植付装置17による苗の植付深さを制御する制御操作具70が配置されている。該操作具70は、例えば検出用のセンサフロートの可動範囲の基準を変更する感度レバーとして構成されるものであり、車体カバー50の連結部50dに設けられた開口部50kから前方に向かって突出され、把持部が着座部61の最大径部よりも後方で、シート左右中央側に位置するように設けられている。
【0049】
したがって、前記シート60の着座部61に着座状態にある操縦者にとって、植付深さの制御操作具70の位置が手の届きやすい位置となり、着座部61の切欠部61mにより植付深さの制御操作具70に向かって着座部61に干渉することなく手を伸ばすことができ、操作性が向上する。また、シート60近傍の限られたスペースに植付深さの制御操作具70を効率よく配置することができ、機体のコンパクト化を図ることができる。
【0050】
そしてさらに、前記植付深さの制御操作具70は着座部61の最大径部よりもシート左右中央側に配置されていることから、操縦者が車体カバー50上を歩行する際には、着座部61の最大径部を避けてシート60の外側を歩くことになるため、操縦者の脚が植付深さの制御操作具70に当たりにくくなり、該操作具70の誤操作や破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施例に係る田植機の全体的な構成を示した斜視図。
【図2】走行機体の斜視図。
【図3】走行機体前部の側面図。
【図4】チルト機構の構成を示す斜視図。
【図5】上コラムの姿勢保持手段の構成を示す斜視図。
【図6】ステアリングハンドルのチルト位置を示す側面図。
【図7】走行機体の上方斜視図。
【図8】車体カバー後部の平面図。
【図9】車体カバー後部の側面断面図。
【図10】シートの支持構造を示す側面図。
【図11】シートの支持構造を示す斜視図。
【図12】シートの斜視図。
【図13】シートの正面図。
【図14】シートの背面図。
【図15】シートの平面図。
【図16】シートの底面図。
【図17】シートの側面図。
【符号の説明】
【0052】
1 田植機(作業車両)
2 走行機体
10 支持フレーム
17 植付装置(作業機)
50 車体カバー
55 支持ステー
60 シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体を覆う車体カバーの上方にシートを備える乗用田植機などの作業車両に関し、特にシートの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行機体を覆う車体カバーの上方にシートを備える作業車両においては、車体カバーの後部が上方へ立ち上げられて、その左右中央にシート支持部が形成され、該シート支持部上にシートが若干の隙間のみを備えて配置されて、走行機体から立設される支持部材に支持されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−318141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の作業車両においては、操縦者はシートに着座した状態で、シート後方に配置した作業機に対する作業を行う場合には、上体のみを後方に向けて作業を行わなければならなかったが、その際シート前方にしか足を配置することができないため、体をしっかりと支えることができず、作業が行いづらくなっていた。そのため、作業性が悪くなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、走行機体を覆う車体カバーの上方にシートを備える作業車両において、前記車体カバーの下方に立設した走行機体の支持フレームに、該車体カバーの上方へ突出する支持ステーを固設し、該支持ステーに車体カバー上方でシートを支持して、該シートと車体カバーとの間にシートに着座した操縦者が足を配置することができる空間を形成したものである。
【0006】
請求項2においては、前記支持フレームに対しシートと反対側に作業機を支持したものである。
【0007】
請求項3においては、前記シートの後方を除く周囲の車体カバー上方に、シートに着座した操縦者が足を配置することができる空間を形成したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0009】
請求項1においては、操縦者はシートに着座したまま、その姿勢を前方を向いた状態から後方を向いた状態に変える場合に、シート下方の空間に足を配置して体をしっかりと支えることができる。そのため、作業が行いやすくなり、作業性が向上する。
【0010】
請求項2においては、支持フレームに対して、シートに着座する操縦者の自重による前下方へのモーメントと、作業機の自重による後下方へのモーメントとが互いに相殺するようになる。そのため、作業機を支持フレームの後方に突出して支持する構成に比べて、支持フレームの剛性を軽減できて、軽量化とコストの低減化を図ることができる。
【0011】
請求項3においては、操縦者がシートに着座したまま、シート前方だけでなく、左右両側方の車体カバー上に自由に足を戴置することが可能となるため、後方を向いた姿勢でも体をしっかりと支えることができる。そのため、作業が行いやすくなり、作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施例に係る田植機の全体的な構成を示した斜視図、図2は走行機体の斜視図、図3は走行機体前部の側面図、図4はチルト機構の構成を示す斜視図、図5は上コラムの姿勢保持手段の構成を示す斜視図、図6はステアリングハンドルのチルト位置を示す側面図、図7は走行機体の上方斜視図、図8は車体カバー後部の平面図、図9は車体カバー後部の側面断面図、図10はシートの支持構造を示す側面図、図11はシートの支持構造を示す斜視図、図12はシートの斜視図、図13はシートの正面図、図14はシートの背面図、図15はシートの平面図、図16はシートの底面図、図17はシートの側面図である。
【0014】
本実施例では、作業車両を乗用型田植機1として説明するが、これは特に限定するものではなく、降りた状態で前方から操向できる乗用型の管理機やトラクターなどでもよい。図1、図2に示すように、田植機1には走行機体2と、該走行機体2の後部に昇降可能に装着された植付装置17とが備えられている。走行機体2は、主に機体前後方向に延伸された左右一対のフレームからなるメインフレーム3と、左右のメインフレーム3の間に配置された機体前後方向に長い一体型ケース体からなるミッションケース4と、左右のメインフレーム3の間でミッションケース4に連結されて機体後方に延伸された正面断面視下向きコ字形状の伝動部フレーム5とから構成されている。
【0015】
前記ミッションケース4の機体前後方向中途部の左右両側面にフロントアクスルケース6が突設され、該フロントアクスルケース6の左右両端に前車輪7が取り付けられている。また、伝動部フレーム5の後端部にリヤアクスルケース8が取り付けられ、該リヤアクスルケース8の左右両端に後車輪9が取り付けられている。そして、リヤアクスルケース8に左右一対の支持フレーム10が立設され、該支持フレーム10に上及び下リンク11・12からなる平行リンク機構を介して植付装置17が連結されている。
【0016】
前記植付装置17は、主にミッションケース4の後端から後方に突出されたPTO軸と自在継手軸を介して連結されて動力を伝達される左右一対の伝動ケース13と、走行機体2の後部に上端が接近するように前高後低に配置された苗載台14と、各植付伝動ケース13の下面に配置されたフロート15と、各植付伝動ケース13の左右両側に取り付けられ、圃場面と苗載台14の下端との間を上下昇降しながら苗載台14上の苗マットから1株ずつに分割して植え付けする植付爪を備えた植付機構とから構成されている。そして、メインフレーム3の後端に設けられた昇降用油圧シリンダ16が上及び下リンク11・12に関連して取り付けられて、植付装置17が走行機体2に対し昇降可能とされている。
【0017】
また、前記走行機体2を上から覆うように車体カバー50がメインフレーム3に取り付けられ、該車体カバー50の上方にシート60が配設されている。そして、該シート60の前方にフロントボンネット(エンジンフード)20が配置されて、車体カバー50の前部上面に固定されている。フロントボンネット20の左右両側方には予備苗載台18が配置され、図3にも示すように、フロントボンネット20内においては、その後側にエンジン21やその付属品である、気化器、調速機、エアマフラ、スタータ用コイラ(ロープ式始動装置)、消音器などが配置されている。エンジン21の上方に燃料タンク22が当該エンジン21から立設されたフレーム上に固定されて配置されている。
【0018】
また、前記エンジン21の下方にミッションケース4が配置されている。ミッションケース4には、その前側にステアリングのためのステアリング駆動機構23が内蔵され、後側に走行駆動系とPTO駆動系とへ動力を伝達するための動力伝達機構が内蔵されている。そしてまた、ミッションケース4の上面前端側に筒状の下コラム24が立設され、図4にも示すように、該下コラム24内にステアリング下軸25が配置されて、その下端がミッションケース4内のステアング駆動機構23に接続されている。一方、ステアリング下軸25の上端は、ステアリングハンドル26を上端に取り付けたハンドル軸27の下端と屈曲可能に連結されている。該ハンドル軸27は筒状の上コラム28内に配置されている。
【0019】
そして、前記下コラム24の上端と上コラム28の下端とがチルト機構30を介して前後傾動可能に連結され、該チルト機構30の外周に上コラム28の傾斜角度を複数段階において姿勢保持するための姿勢保持手段31が設けられている。図5にも示すように、チルト機構30は、下コラム24の上端に固着された左右一対の下ブラケット32と、上コラム28の下端の外周に固着された左右一対の上ブラケット33とを横枢軸34を介して回動可能に連結して構成されている。
【0020】
前記姿勢保持手段31は、下ブラケット32の偏心円弧状の上端面に前後適宜隔てた位置に凹状に形成された複数(本実施例では3箇所)の係止溝32a・32b・32cと、前記上ブラケット33の後端片33aに回動可能に軸支された横軸35と、該横軸35の一端に固着された係合フック36と、該係合フック36を下向きに付勢する付勢バネ37とからなり、上コラム28が所定の後傾または前傾の角度に変更されたとき、係合フック36が複数の係止溝32a・32b・32cのうちの任意の一つに選択的に係合することにより、該上コラム28の傾動姿勢を調節し且つ保持することができるように構成されている。
【0021】
図6に示すように、本実施例においては、前記上コラム28が前後動して、その姿勢を走行機体2の後方に傾斜(鉛直線に対して時計方向に略30度傾斜)した第一姿勢Iと、該第一姿勢から反時計方向に略60度走行機体2の前方に前傾した第二姿勢IIと、前記第一姿勢から反時計方向に略88度走行機体2の前方に大きく前傾した第三姿勢IIIとに選択的に変更可能とされている。なお、上コラム28が第一姿勢Iの場合には、下ブラケット32の上面のうち最も後側の係止溝32aに係合フック36が係合され、上コラム28が第二姿勢IIの場合には、前後中央位置の係止溝32bに係合フック36が係合される。また、第三姿勢IIIの場合には、前側の係合溝32cに係合フック36が係合される。
【0022】
また、前記チルト機構30を覆うフロントボンネット20の左右中央部には、その上面側から前端までにわたって平面視略U字状の開口部20aが設けられている。該開口部20aは、上コラム28と一体的に前後動する可動カバー体40と、該可動カバー体40と上向き回動可能に連結された外装品としての補助カバー体41とにより覆われている。補助カバー体41は可動カバー体40の前端側を中心にして上下回動可能に設けられている。すなわち、上コラム28の下部から上向きに突出する支持ブラケット部材42の先端に横向きに支持パイプ43が固設される一方、補助カバー体41の裏面にコ字型に屈曲形成された補強兼用の操作部材44が固定され、該操作部材44の左右一対の軸部44aが前記支持パイプ43の両端に回動可能に挿入されて、補助カバー体41が軸部44aを中心にして上下回動可能とされている。
【0023】
そしてまた、前記操作部材44は姿勢保持手段31の操作部として関連付けされている。すなわち、操作部材44の軸部44aから偏心位置にピン44bが突設され、該ピン44bにリンク46の一端が回動可能に連結される一方、該リンク46の他端が、係合フック36と一体的に回動する横軸35の他端に固着されたアーム47の先端に回動可能に連結されている。こうして、前記付勢バネ37の付勢力により、操作部材44、つまり補助カバー体41の下端側がフロントボンネット20の表面に接近するように付勢されている。
【0024】
こうして、補助カバー体41及び操作部材44の下端側をフロントボンネット20の表面から離間するように上向きに所定の角度だけ回動すると、付勢バネ37の付勢力に抗してリンク46、アーム47を介して係合フック36の先端部が、係止溝32a・32b・32cから外れるように回動して、係合フック36と係止溝32a・32b・32cとの係合状態が解除され、続いて補助カバー体41から手を離した状態(補助カバー体41の下端側内面がフロントボンネット20の開口部20aの外側縁に摺接した状態)で、作業者がステアリングハンドル26を持って回動させることで、上コラム28を任意の姿勢に移行できるように構成されている。
【0025】
これにより、前記チルト機構で上コラムを選択的に前後方向に屈曲させて、上コラム28上端のステアリングハンドル(丸ハンドル)26をシート60に向かう後位置と、走行機体2前方の前位置とに配置することが可能となり、ステアリングハンドル26を前位置とすることで、走行機体2から降りた操縦者が当該走行機体2の前方に位置しながらステアリングハンドル26を持って乗用型田植機1を圃場から畦越えさせたり、トラックに載せ変えたりする操作ができるようになっている。また、ステアリングハンドル26を後位置とすることで、走行機体2に搭乗しながら操縦者が乗用型田植機1を操向操作することができるようになっている。
【0026】
また、図7に示すように、前記車体カバー50はフロントボンネット20の左右両側に左右の前部ステップ50a・50aを、シート60の後方に後部ステップ50bを、前部ステップ50a・50aと後部ステップ50bとの間に中部ステップ50cを備えて、平面視略矩形状に形成されている。後部ステップ50bは中部ステップ50cより後上方へ立ち上がった連結部50dで当該中部ステップ50cと接続され、該連結部50dの左右両側が後車輪9・9に対するフェンダとされている。ここで、車体カバー50は合成樹脂によりインジェクション成形で一体成形され、その軽量化や部品点数の削減、組立時の作業性の向上が図られている。
【0027】
前記車体カバー50においては、左右の各前部ステップ50a・50aの前車輪7・7近傍に開口部(または切欠部)50e・50eが設けられている。各開口部50eは、前部ステップ50aの前車輪7の上方で、該前車輪7よりも機体内側に配置され、走行機体2から降りた操縦者が当該走行機体2の前方に位置しながら、前述のようにステアリングハンドル26をチルト機構30により機体前方の前位置に回動して操作する際に、前車輪7・7の後部を視認可能として、その左右方向の向きや位置やその周辺の状態などを確認することができるように構成されている。同時に、各開口部50eは、操縦者が走行機体2上に位置する場合には、前車輪7の前部が視認可能として、その左右方向の向きや位置やその周辺の状態などを確認することができるように構成されている。
【0028】
前記開口部50e・50eは、本実施例では、左右の各前部ステップ50a・50aの外周部が前車輪7・7の略直上方に位置することから、該前部ステップ50a・50aの外周部を機体外側から内側に向かって先細状となるように平面視略V字状に切り欠いた形状とされている。これにより、車体カバー50の前部に設ける開口部50e・50eの開口面積を必要最小限として、該前部ステップ50a・50aでの前車輪7・7に対するフェンダ機能、所謂、泥跳ねを防止する機能が損なわれることを防止することができる。また、前車輪7・7が左右どちらか一方向を向いた際でも、前車輪7・7の前部又は後部が確実に見えるため、視認性が向上する。
【0029】
また、図8、図9にも示すように、前記中部ステップ50cの左右の各後車輪9・9近傍にも開口部50f・50fが設けられている。左右の各開口部50f・50fは、中部ステップ50cの後車輪9・9の前上方で、該後車輪9・9よりも左右方向で機体内側に配置され、走行機体2から降りた操縦者が当該走行機体2の前方に位置しながら、前述のようにステアリングハンドル26をチルト機構30により機体前方の前位置に回動して操作する際に、後車輪9・9の前部を視認可能として、その左右方向の向きや位置やその周辺の状態などを確認することができるように構成されている。
【0030】
前記開口部50f・50fは機体後側から前側に向かって先細となるように平面視略三角形状に形成され、その前後方向に所定間隔ごとに隔壁50g・50gを備えて、スリット形状に構成されている。つまり、開口部50f・50fは後方ほど大きな開口面積となるようにし、後方ほど機体左右内側に開口が広がるように形成して、最後部の開口部50fはシート60の両側下方に位置して、操縦者が着座したまま横下方を向くだけで、後輪近傍を覗き込むことを可能としている。また、開口部50f・50fの外側の中部ステップ50cの幅を略一定として強度を確保している。
【0031】
前記隔壁50g・50gは、走行機体2の前方に位置してステアリングハンドル26を操作する操縦者の後車輪9・9に対する視線と略平行となるように、中部ステップ50cに前高後低に傾斜した状態に一体成形されている。よって、開口部50f・50fにおいては、隔壁50g・50gの傾斜方向が後車輪7・7が開口部50f・50fに向かって泥などを跳ね飛ばす方向と交差(略直交)する方向となり、後車輪9・9からの泥が開口部50f・50fを通過するのを隔壁50g・50gにて阻止されて、中部ステップ50c上面までの泥のはね上がりが防止される。また、後車輪9が視認しやすくなる。
【0032】
このように、車体カバー50に、操縦者が走行機体から降りた状態で機体前方から操作を行うときに、前車輪7・7又は後車輪9・9の左右方向の向きや位置などを視認することができる開口部を設けたので、前車輪7・7又は後車輪9・9の切れ角度を確認しながらステアリングハンドル26で操向操作を行うことができ、操作性が向上する。また、操縦者が操向機体に搭乗した状態でも、前車輪7・7の切れ角度を確認しながらステアリングハンドル26で操向操作を行うことができ、操作性が向上する。
【0033】
また、前記中部ステップ50c上面の左右の開口部50f・50fの間に複数の滑り止め50h・50h・・・が設けられている。該滑り止め50h・50h・・・は平面視円弧状に形成され、シート60後方に中心を有する同心円上に位置して、中部ステップ50c後端から前方に広がるように配置されている。こうして、滑り止め50h・50h・・・はステップへの前方や側方からの昇降時や移動時などには滑り止めとなり、苗継ぎなどで着座した状態で、足で蹴りながらお尻を中心として左または右へ向く時に、靴の裏面が引っ掛からないようにしている。
【0034】
そして、該滑り止め50h・50h・・・の左右両端が前記開口部50f・50f又は中部ステップ50cの左右後側部に設けられた水抜き孔50j・50jの近傍まで延伸されて、中部ステップ50c上に降った雨や持ち込まれた泥や水が滑り止めに沿って流れて、開口部50f・50f又は水抜き孔50j・50jから流れ落ちるようになっている。なお、同様の滑り止めが前ステップ50a・50aにも設けられている。
【0035】
また、前記車体カバー50の後部ステップ50bと中部ステップ50cの間の連結部50dの左右中央部にも左右一対の開口部が設けられ、図10、図11に示すように、該開口部から前方に向けて平面視略コ字状のシート支持ステー55が突出されている。該シート支持ステー55は、前記シート60を支持するためのものであり、側面視へ字状に屈曲されて、その左右の後端部が後部ステップ50bの下方で前記リンク機構の上及び下リンク11・12を支持する支持フレーム10に固設されている。そして、シート支持ステー55の前部が中部ステップ50cの上方に略平行に配置され、その上にシート60が支持されている。
【0036】
つまり、前記シート60を支持するシート支持ステー55を支持フレーム10に対し上及び下リンク11・12と前後反対側に支持することで、シート60に操縦者が着座したとき、操縦者の自重による支持フレーム10の前下方へかかるモーメントと、植付装置17の自重による支持フレーム10の後下方へかかるモーメントとが釣り合うように働く。これにより、支持フレーム10により片持ちの如く植付装置17を支持する構成よりも、支持フレーム10の剛性は小さくてもよく、支持フレーム10自体大きさや重量を軽減してコストの低減化を図ることができる。
【0037】
また、車体カバー50の連結部50dから斜め前上方に突出するシート支持ステー55にシート60を支持することで、中部ステップ50cとシート60の下方に空間56を形成し、該空間56にシート60に着座状態にある操縦者が足を配置することができるように構成されている。そのため、操縦者はシート60に着座したまま、予備苗載台18から植付装置17の苗載台14に苗を補給するなどの作業を行うために、その姿勢を前方を向いた状態から後方を向いた状態に変える場合に、シート下方の空間56に足を配置して体をしっかりと支えることができ、作業性の向上を図ることができる。
【0038】
そして、前記シート60とフロントボンネット20との間の中部ステップ50c上と、シート60の左右両側方の中部ステップ50c上とに前記シート60下方の空間56と連続する空間が形成されて、該空間56に操縦者が足を配置することができるように構成されている。これにより、操縦者がシート60前方だけでなく、左右両側方の中部ステップ50c上に自由に足を戴置することが可能となるため、後方を向いた姿勢でも体をしっかりと支えることができ、苗の補給作業などを行う際の作業性を向上させることができる。
【0039】
また、図12から図17に示すように、前記シート60は着座部61と、背もたれ部62と、該着座部61と背もたれ部62とを連結する連結部63とを備えている。該連結部63は側面視略L字状に形成され、該連結部63下部の前後水平部上に着座部61を固定する一方、上部の上下方向部の前面に背もたれ部62を固定してシート60が構成されている。ここで、着座部61と背もたれ部62は合成樹脂などでブロー成形により形成されて、シート60の軽量化やコストの低減化が図られている。
【0040】
そして、該シート60は着座部61の上面中央部には下方へ凹む凹部61aを設け、該凹部61aに弾力性を有するクッション65を取り付けて、着座状態の操縦者に対する着座部61からの衝撃を吸収できるように構成されている。該クッション65の取付用凹部61aには更に下方へ凹むように、圧着加工を施してコンプレション部を形成した左右一対の前側凹部61b・61bと、左右一対の後側凹部61c・61cとが設けられている。該前側の各凹部61b・61bには下方へ貫通する固定用孔61d・61dと水抜き用孔61e・61eとがそれぞれ穿孔され、後側の各凹部61c・61cには下方へ貫通する固定用孔61f・61fと水抜き用孔61g・61gとがそれぞれ穿孔されている。
【0041】
前記前側凹部61b・61bに固定用孔61d・61dを介してブラケット66が固定され、後側凹部61c・61cに固定用孔61f・61fを介して弾性部材67が固定さている。そして、図10、図11に示すように、該ブラケット66と弾性部材67が前記シート支持ステー55上に載置固設されて、シート60が前述のように車体カバー50の上方に操縦者が足を配置することができる空間56を有して配置されている。なお、着座部61においては、各凹部61b・61cの水抜き孔61e・61gから雨水などが排水されて、凹部61a・61b・61cに水が溜まりにくいようになっている。
【0042】
前記着座部61の凹部61aには、さらに前記左右の後側凹部61c・61cの間に下方へ凹む中央凹部61hが設けられている。該中央凹部に下方へ貫通する固定用孔61j・61jと水抜き用孔61kとが穿孔され、該固定用孔61j・61jを介して下方から連結部63の下端部が固定されている。また、背もたれ部62の正面下部にも後方へ凹む下側凹部62aが設けられて、該凹部62aに固定用孔62b・62bが穿孔されている。そして、着座部61の中央凹部61hに固定された連結部63が着座部61の底面から後端面に沿って上方へ延伸され、該連結部63の上端部に背もたれ部62の下側凹部62aに固定用孔62b・62bを介して固定されている。こうして、着座部61と背もたれ部62とが連結され、シート60が連結部63でくびれた形状となっている。
【0043】
また、前記着座部61は平面視略楕円形状に形成され、その最大径部が機体左右方向を向くように配置されている。該着座部61の左右両側の最大径部と後方へ若干突出した後端部との間にそれぞれ外周から着座部61の前後左右中心に向かって窪む湾曲状の切欠部61m・61mが設けられ、後端部が連結部63に向かって平面視で幅狭となるように先細状に形成されている。切欠部61m・61mは、操縦者が着座部61に体を後方や側方に向けて着座した状態において、脚(腓)を容易に入れることができる大きさとされている。これにより、操縦者は着座部61に着座したまま、予備苗載台18から植付装置17の苗載台14に苗を補給するなどの作業を行うために、その姿勢を前方を向いた状態から後方や側方を向いた状態に変える場合に、脚を着座部61の外周に沿って切欠部61mまで移動させることができるため、後方へ向ける角度が従来よりも更に大きく後方に向くことができ、体をしっかりと後方に向けて作業を行うことが可能となる。そのため、作業が行いやすくなり、作業性が向上する。
【0044】
また、背もたれ部62の左右両側の上下中途部と下端部との間に背もたれ部62の外周から上下左右中心に向かって窪むように湾曲状の切欠部62c・62cが設けられ、下端部が連結部63に向かって正面視で幅狭となるように先細状に形成されている。切欠部62c・62cは、操縦者が着座部61に体を後方や側方に向けて着座した状態において、脚(太股)を容易に入れることができる大きさとされている。これにより、前記同様に操縦者は着座部に着座したまま、予備苗載台18から植付装置17の苗載台14に苗を補給するなどの作業を行うために、その姿勢を前方を向いた状態から後方や側方を向いた状態に変える場合に、脚を背もたれ部62の切欠部62c・62cまで移動させることができるため、体をしっかりと後方に向けて作業を行うことが可能となる。そのため、作業が行いやすくなり、作業性が向上する。
【0045】
したがって、前述の効果を得るためには着座部61又は背もたれ部62の少なくとも一方に前記切欠部61m・62cを設けるだけでもよいが、本実施例に示すように、着座部61及び背もたれ部62の両者の間に互いに向かい合うように切欠部61m・62cを配置し、シート60の着座部61から背もたれ部62にかけて略U字状の凹部60aを設けることで、操縦者が凹部60aに脚を容易に入れることができ、着座部61に着座したまま姿勢を前方を向いた状態から後方又は側方へ向いた状態へ変えやすくなる。そのため、操縦者は着座状態で簡単に体を後方や側方へ向けて作業などを行うことができ、作業性が更に向上する。
【0046】
さらに、前記着座部61及び背もたれ部62の左右の切欠部61m・62cは、それぞれ着座部61を支持する左右の弾性部材67の支持位置よりもシート左右中央側まで窪むように設けられている。これにより、操縦者が着座部に着座した状態で、体が左右に傾かない程度に着座部61を安定させることができるだけの左右幅をもって弾性部材を配置しつつ、操縦者が姿勢を後方へ変える際に、切欠部61m・62cに脚を容易に入れて、簡単に体を後方や側方へ向けることができる。
【0047】
また、前記背もたれ部62においては、その正面上部に後方へ凹む凹部62dが設けられるとともに、背面上部の前記凹部62dと略同じ高さ位置に前方へ凹む凹部62eが設けられている。そして、各凹部62d・62eが左右方向に延伸されて、該凹部62d・62eの周囲にパイプ状の手摺部62fが形成されている。つまり、背もたれ部62の状部周囲が手で握れる大きさのパイプ状の手摺部62fが形成されている。こうして、背もたれ部62はその上部付近を手摺部62fとして掴みやすくして、操縦者が着座部61に着座したまま、その姿勢を前方を向いた状態から後方を向いた状態に変えるときや、走行機体に乗降するときなどに、手摺部62f又は手摺部とステアリングハンドル26を掴んで体を支えることができるように構成されている。なお、背もたれ部62の凹部62d・62eは正面又は背面のどちらか一方のみとしてもよく、また抜き穴としてもよく、これらの場合も前記同様の効果を得ることができる。
【0048】
また、図8に示すように、前記シート60の左右一側で、着座部61に設けた切欠部61mの近傍に植付装置17による苗の植付深さを制御する制御操作具70が配置されている。該操作具70は、例えば検出用のセンサフロートの可動範囲の基準を変更する感度レバーとして構成されるものであり、車体カバー50の連結部50dに設けられた開口部50kから前方に向かって突出され、把持部が着座部61の最大径部よりも後方で、シート左右中央側に位置するように設けられている。
【0049】
したがって、前記シート60の着座部61に着座状態にある操縦者にとって、植付深さの制御操作具70の位置が手の届きやすい位置となり、着座部61の切欠部61mにより植付深さの制御操作具70に向かって着座部61に干渉することなく手を伸ばすことができ、操作性が向上する。また、シート60近傍の限られたスペースに植付深さの制御操作具70を効率よく配置することができ、機体のコンパクト化を図ることができる。
【0050】
そしてさらに、前記植付深さの制御操作具70は着座部61の最大径部よりもシート左右中央側に配置されていることから、操縦者が車体カバー50上を歩行する際には、着座部61の最大径部を避けてシート60の外側を歩くことになるため、操縦者の脚が植付深さの制御操作具70に当たりにくくなり、該操作具70の誤操作や破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施例に係る田植機の全体的な構成を示した斜視図。
【図2】走行機体の斜視図。
【図3】走行機体前部の側面図。
【図4】チルト機構の構成を示す斜視図。
【図5】上コラムの姿勢保持手段の構成を示す斜視図。
【図6】ステアリングハンドルのチルト位置を示す側面図。
【図7】走行機体の上方斜視図。
【図8】車体カバー後部の平面図。
【図9】車体カバー後部の側面断面図。
【図10】シートの支持構造を示す側面図。
【図11】シートの支持構造を示す斜視図。
【図12】シートの斜視図。
【図13】シートの正面図。
【図14】シートの背面図。
【図15】シートの平面図。
【図16】シートの底面図。
【図17】シートの側面図。
【符号の説明】
【0052】
1 田植機(作業車両)
2 走行機体
10 支持フレーム
17 植付装置(作業機)
50 車体カバー
55 支持ステー
60 シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体を覆う車体カバーの上方にシートを備える作業車両において、前記車体カバーの下方に立設した走行機体の支持フレームに、該車体カバーの上方へ突出する支持ステーを固設し、該支持ステーに車体カバー上方でシートを支持して、該シートと車体カバーとの間にシートに着座した操縦者が足を配置することができる空間を形成したことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記支持フレームに対しシートと反対側に作業機を支持したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記シートの後方を除く周囲の車体カバー上方に、シートに着座した操縦者が足を配置することができる空間を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の作業車両。
【請求項1】
走行機体を覆う車体カバーの上方にシートを備える作業車両において、前記車体カバーの下方に立設した走行機体の支持フレームに、該車体カバーの上方へ突出する支持ステーを固設し、該支持ステーに車体カバー上方でシートを支持して、該シートと車体カバーとの間にシートに着座した操縦者が足を配置することができる空間を形成したことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記支持フレームに対しシートと反対側に作業機を支持したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記シートの後方を除く周囲の車体カバー上方に、シートに着座した操縦者が足を配置することができる空間を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の作業車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−341766(P2006−341766A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−169932(P2005−169932)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
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