説明

供給システム

【課題】供給流路を効率的に洗浄することが可能な供給システム、および効率的な供給流路の洗浄方法、並びに効率的な供給流路内の液体の置換方法を提供すること。
【解決手段】気密容器71に洗浄液を収容し、気密容器71内にコンプレッサ72から圧縮空気を送って、内部空間77内を加圧する。加圧された内部空間77の空気および洗浄液86は、共通管78、接続部79を介して、結合部38、供給管18aなどの供給流路に供給される。送気バルブ84、送液バルブ85の開閉制御と吸引ポンプ23の駆動とを連動して行うことにより、供給流路内に充填されているインクないし洗浄液の排出と、供給流路内への洗浄液の充填が効率よく行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット式記録装置、ディスプレー製造装置、電極形成装置、或いは、バイオチップ製造装置等、液体吐出ヘッドを用いて液体を液滴として吐出する液体吐出装置に供される供給システム、および液体吐出装置における供給流路の洗浄方法、並びに液体吐出装置における供給流路内の液体の置換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出する液体吐出装置として、インクジェット式プリンタが知られている。このインクジェット式プリンタ(プリンタ)には、液体容器をキャリッジ以外の場所に搭載する、いわゆるオフキャリッジタイプの供給システムを備えるものがある。オフキャリッジタイプの供給システムは、大容量のインクカートリッジと、インクカートリッジと吐出ヘッドとを接続する供給チューブを主構成としており、途中にサブタンクを備えたものや、圧力調整機構を備えたもの、インクを加圧供給する機構を備えたものなど、様々なものが知られている。
【0003】
この種のプリンタにおいては、製品出荷前に、正常な動作を確認するための印字テストが行われるのが普通である。この印字テストは、例えば、着色インク(インク)を検査用紙等に吐出させて行うものであるが、印字テスト後においてインクが充填されたまま製品が出荷されると、保存環境等の条件によっては、吐出ヘッドのノズルや供給システム内において目詰まりを発生させる虞がある。そこで、印字テスト後、製品出荷前に、供給流路内を洗浄する工程が設けられており、この洗浄工程における洗浄方法としては、例えば特許文献1、特許文献2に示すものがある。特許文献1には、供給流路のインクを排出するステップと、洗浄液を供給流路に充填するステップと、充填した洗浄液を排出するステップと、を備えた洗浄方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−192751号公報
【特許文献2】特開2001−30515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に係る技術では、吐出ヘッドのノズル面をキャップ等で封止しつつ当該キャップ内を減圧し、供給流路の空気ないしインク等をノズルから吸引することで、上述の充填、排出を行っており、このような手法は、プリンタの回復動作においてもしばしば用いられる。しかし、供給流路のような細長い流路からインク等を排出させる場合には、インク等の移動には大きな移動抵抗を伴うため、特に流路の長いオフキャリッジ系のプリンタにおいては、洗浄時間が長大化する傾向にある。
また、特許文献2に係る技術では、プリンタの供給流路の途中から分岐した洗浄用の連通管を配し、バルブの切り替えによって、加圧された洗浄液と圧縮空気とを交互に吐出ヘッドに通して洗浄を行っている。しかし、この文献に係る装置は非常に大掛かりなものであり、しかも、吐出ヘッドのみの洗浄ができるだけであって、供給流路全体を洗浄することはできない。また、その洗浄方法は、洗浄液と圧縮空気の供給を交互に繰り返すだけであって、なんら最適化がなされていない。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、供給流路を効率的に洗浄することが可能な供給システム、および効率的な供給流路の洗浄方法、並びに効率的な供給流路内の液体の置換方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、液体容器に収容された液体を供給流路を介して吐出ヘッドに供給し、前記吐出ヘッドのノズルから前記液体を吐出する液体吐出装置において、前記供給流路に気体および液体を供給可能な供給システムであって、前記気体を加圧する気体加圧手段と、前記液体を加圧する液体加圧手段と、前記供給流路への前記気体の送気を制御する送気制御手段と、前記供給流路への前記液体の送液を制御する送液制御手段と、前記供給流路と前記液体容器との結合部と着脱可能に結合すると共に、前記気体ないし前記液体を導出する接続部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、液体とは、液体吐出装置を用いて吐出させる対象としての液体を指しており、紙印刷用の着色インクに限らず、金属粒子を含んだ導電性インク等の工業用途のもの、及び供給流路内を洗浄する洗浄液も含まれる。
また、供給流路とは、液体容器から液体を引き回すためのチューブやサブタンクに形成されている流路はもちろん、吐出ヘッドに形成されている連通流路等も含んでいる。すなわち、この供給システムが適用される液体吐出装置は、いわゆるオフキャリッジタイプのものに限定されない。
【0009】
この供給システムによれば、気体加圧手段によって加圧された気体の送気により、供給流路内に充填されている液体の排出を効率的に行うことができる。また、液体加圧手段によって加圧された液体の送液により、供給流路内への液体(洗浄液)の充填を効率的に行うことができる。かくして、供給流路を効率的に洗浄することができる。
また、液体吐出装置の結合部に対して着脱可能な接続部を備えているので、作業者は液体容器に代えてこの供給システムの接続部を結合すればよく、作業性に優れている。さらに、送気および送液を結合部から行うことができるので、供給流路全体の洗浄が可能である。
【0010】
また、前記液体吐出装置が、前記ノズル側から前記供給流路内の気体ないし液体を吸引する吸引手段を備えている場合において、前記供給システムは、前記送液制御手段による送液制御および前記送気制御手段による送気制御を、前記吸引手段の駆動と連動させて行う自動制御部を備えていることを特徴とする。
この供給システムによれば、自動制御部の働きにより、加圧された気体の送気、加圧された洗浄液の送液、吸引手段によるノズル側からの吸引を、組み合わせて行うことにより、効率的な洗浄シーケンスを行うことができる。
【0011】
本発明は、ノズルから液体を吐出する液体吐出装置において、前記液体を供給する供給流路を洗浄するための洗浄方法であって、前記供給流路の一部を閉塞させた状態で前記ノズル側から吸引を行うチョーク吸引ステップと、洗浄液を前記供給流路に供給すると共に、前記ノズル側から吸引を行うことで、前記供給流路内に前記洗浄液を充填する充填ステップと、気体を前記供給流路に供給すると共に、前記ノズル側から吸引を行うことで、前記供給流路内に充填されている前記液体ないし前記洗浄液を排出する排出ステップと、を有することを特徴とする。また、好ましくは、この洗浄方法は、可撓性膜によって容量が可変に構成された拡幅部を前記供給流路に有する液体吐出装置に用いられることを特徴とする。
【0012】
ここで、ノズル側からの吸引とは、例えば、吐出ヘッドのノズル面をキャップで封止しつつ当該キャップ内を減圧するなどして、供給流路の気体ないし液体をノズルから吸引することを指している。
供給流路を閉塞させた状態でノズル側から吸引を行うチョーク吸引は、閉塞箇所の下流側の負圧を著しく高める方法として有用であり、充填ステップないし排出ステップと組み合わせることにより、洗浄液等の充填、排出の効果を高めることができる。かくして供給流路の洗浄を効率的に行うことができる。
また、可撓性膜によって容量が可変に構成された拡幅部を有する液体吐出装置に対してこの洗浄方法が用いられた場合には、充填ステップに先んじてチョーク吸引ステップを実施することにより、このような拡幅部内の空気が可撓性膜の変形によって積極的に排出され、続く充填ステップによる充填性を一層高めることができる。
【0013】
また、前記洗浄方法は、前記充填ステップで前記洗浄液を充填させてから、前記排出ステップで前記充填された洗浄液を排出する攪拌洗浄ステップと、前記チョーク吸引ステップに連続して前記充填ステップで前記洗浄液を充填させてから、前記排出ステップで前記充填された洗浄液を排出する本洗浄ステップと、を有することを特徴とする。さらに好ましくは、前記攪拌洗浄ステップと前記本洗浄ステップとを、それぞれ複数回繰り返し行うことを特徴とする。
【0014】
本洗浄ステップにおいては、チョーク吸引ステップと充填ステップとを組み合わせて実行することで、強力な負圧の発生により供給流路内に確実に洗浄液を充填させることができ、続く排出ステップによって供給流路の隅々まで洗浄することができるが、充填ステップのみで充填を行うよりも多くの時間を要する。一方、残留インクを粗く除去するという点においては、チョーク吸引を伴わずに、供給流路内にいくらか気体層を残して充填させて洗浄を行う攪拌洗浄ステップの方が、洗浄液の攪拌の効果が得られるため効率的である。
この洗浄方法によれば、チョーク吸引ステップを伴わない攪拌洗浄ステップと、チョーク吸引ステップを伴う本洗浄ステップを組み合わせることで、効率的な洗浄を行うことができる。
【0015】
本発明は、ノズルから液体を吐出する液体吐出装置において、前記液体を供給する供給流路に充填されている第1の液体を、第2の液体に置換するための置換方法であって、前記供給流路の一部を閉塞させた状態で前記ノズル側から吸引を行うチョーク吸引ステップと、前記第2の液体を前記供給流路に供給すると共に、前記ノズル側から吸引を行うことで、前記供給流路内に前記第2の液体を充填する充填ステップと、気体を前記供給流路に供給すると共に、前記ノズル側から吸引を行うことで、前記供給流路内に残されている前記第1ないし第2の液体を排出する排出ステップと、を有することを特徴とする。
【0016】
この置換方法によれば、供給流路内に充填されている第1ないし第2の液体の排出や、供給流路内への液体の充填を効率よく行うことができるので、供給流路内に充填されている第1の液体を、効率よく、第2の液体に置換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る液体吐出装置の一例を表す概略平面図。
【図2】プリンタにおける供給系と廃液系の概略構成を示す模式図。
【図3】(a),(b)は、チョーク機構の要部断面図。
【図4】本発明に係る供給システムの概略構成およびプリンタとの接続関係を示す模式図。
【図5】本発明に係る洗浄動作の一例を示すフローチャート。
【図6】第2実施形態における供給システムの概略構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0019】
(第1実施形態)
(液体吐出装置)
まずは、図1〜図3を参照して、本発明に係る液体吐出装置について説明する。図1は、本発明に係る液体吐出装置の一例を表す概略平面図である。
【0020】
液体吐出装置としてのプリンタ10は、フレーム11a,11b,11cを備えていて、フレーム11a〜11cで囲まれた領域に、プラテン16を備えている。プラテン16は、紙等の記録媒体を支持し、支持した位置において液体としてのインクを記録媒体に吐出するために設けられている。
プラテン16と対向する位置には、吐出ヘッド14を搭載するキャリッジ15を備えている。キャリッジ15は、フレーム11a,11cの内面に連結されたキャリッジガイド軸12によって支持され且つ規定されて、キャリッジ駆動モータ19により、ベルト13を介して、キャリッジガイド軸12に沿って往復運動できるようになっている。この構成において、キャリッジ15に搭載された吐出ヘッド14が、記録媒体に対して相対移動しつつインクを吐出することにより、所望の印刷を行うことができる。
【0021】
プリンタ10は、含まれる色材の異なった数種のインクを使用してカラー印刷を行うようになっており、例えば、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色のインクを使用する。これら各色インクは、着脱可能な液体容器としてのインクカートリッジ22a〜22dに収容されて、図面右側に位置するカートリッジホルダ20に挿着されている。カートリッジホルダ20からは、インクカートリッジ22a〜22dと連通するように構成された供給管18a〜18dが引きまわされており、チョーク機構30a〜30dを介して、キャリッジ15上の圧力調整機構17a〜17dに連通されている。さらに、圧力調整機構17a〜17dは、連通流路27(図2参照)によって、吐出ヘッド14と連通されている。この構成において、供給管18a〜18d、チョーク機構30a〜30d、圧力調整機構17a〜17d、連通流路27は、インクを供給するための供給流路を構成しており、かくして、インクカートリッジ22a〜22dのインクを、吐出ヘッド14から液滴として吐出させることができる。
【0022】
プリンタ10は、カートリッジホルダ20の図面上方(図面手前方向)に加圧ポンプユニット28を備えており、通気管21a〜21d、カートリッジホルダ20を介して、インクカートリッジ22a〜22d内部に圧縮空気を送り込むことができる。加圧ポンプユニット28は、例えば、ダイヤフラムポンプと圧力調整のためのレギュレータとから構成されていて、インクカートリッジ22a〜22d内部の圧力を調節できるようになっている。
プリンタ10は、プラテン16の図面右方に、メンテナンスユニット25を備えており、図1においては、キャップ26とワイパ24とが図示されている。キャップ26は、吐出ヘッド14のノズル面35(図2参照)を封止可能となっており、未使用状態でのノズル目詰まりを防止する役割を果たす。また、ノズル面35を封止した状態でキャップ26の内部を減圧することにより、ノズル内に混入した異物や気泡をインクと共に吸引して除去する、いわゆる回復動作を行う際にも使用される。ワイパ24は、吐出ヘッド14のノズル面35に付着した液滴を払拭するために設けられており、回復動作において使用される。
【0023】
図2は、プリンタにおける供給系と廃液系の概略構成を示す模式図である。
まずは、供給系について説明する。図2において、インクカートリッジ22aは、プラスチック等で形成されたケース43の内部に、可撓性フィルムをパック状に溶着して形成されたインクパック39を収容した構成となっている。インクパック39の内部にはインクが収容され、導出部37を通じてインクを導出することができる。導出部37の先端は、ケース43に形成された貫通孔44からケース43の外側に突き出しており、カートリッジホルダ20の内側に形成された結合部38と着脱可能に結合可能である。結合部38は、中空の針形状の部材であり、供給管18aと連通している。また、インクカートリッジ22aのケース43には、通気管挿入孔36が設けられており、通気管21aの一端が挿入可能となっている。
【0024】
上述の構成により、図示するようにインクカートリッジ22aがカートリッジホルダ20に挿着されると、結合部38と導出部37とは結合し、通気管21aの一端は通気管挿入孔36からケース43の内部空間40内に挿入された状態となる。インクカートリッジ22aは、この状態において内部空間40が気密状態となるように構成されており、加圧ポンプユニット28から通気管21aを通じて圧縮空気が送られると、内部空間40の内圧が上昇し、インクパック39のフィルム面を介して内部のインクを加圧する。かくして、インクパック39内のインクは、導出部37、結合部38を介して、供給管18aに加圧供給されることとなる。加圧ポンプユニット28による送気の供給圧は制御部41によって制御可能となっており、すなわち、インクの供給圧は、制御部41によって制御することができる。
【0025】
供給管18aの途中には、開閉弁34を有するチョーク機構30aが設けられている。ここで、このチョーク機構30aの構成と機能について、図3を参照して説明する。図3は、チョーク機構の要部断面図である。
図3(b)に示すように、チョーク機構30aは、合成樹脂からなる基材51を備え、この基材51の一側面には凹部52が形成されている。凹部52の底面には、基材51に貫通形成された導入路53が開口している。この導入路53は、インクカートリッジ22a側の供給管18aに連通している(図2参照)。また、凹部52の底面には、凸部54が形成され、凸部54の上面では導出路55が開口している。導出路55は、基材51に貫通形成され、圧力調整機構17a側の供給管18aに連通している(図2参照)。
【0026】
図3(b)に示すように、凹部52は、可撓性材質からなるフィルム56が、凹部52側に弛みを持たせた状態で基材51の一側面に固着されることで封止されている。これにより、凹部52の内側面と、フィルム56とによって、密閉された圧力室57が形成されている。圧力室57にインクが供給されていない状態は、この図3(b)の状態であり、つまり、導入路53と導出路55とが遮断された状態となっている。
ここで、インクがインクカートリッジ22aからチョーク機構30aに供給されると、インクは導入路53を通じて圧力室57に流入する。圧力室57内のインクが増加すると、フィルム56は図3(a)に示すように凸部54から離間し、つまり、導入路53と導出路55とが通じた状態となる。
すなわち、上述した構成により、インクカートリッジ22aからのインクの供給圧が所定値よりも高ければインクを圧力調整機構17aに供給し、インクカートリッジ22aからのインクの供給圧が所定値よりも低ければ圧力調整機構17aへのインクの供給を遮断する開閉弁34としての機能が果たされる。そして、チョーク機構30aと当該供給圧を制御する制御部41との組み合わせにより、インクの供給/遮断(チョーク)を制御することが可能となる。
【0027】
再び図2に戻って、インクカートリッジ22aからチョーク機構30aを介して送られたインクは、圧力調整機構17aに供給される。このときの供給圧は大気圧よりも高くなっているため、このままの供給圧で吐出ヘッド14にインクが供給されると、吐出ヘッド14のノズル33からインクが漏れ出すなどして、適当な吐出制御ができない。そこで、圧力調整機構17aに設けられた圧力調整弁32で減圧を行い、ノズル33において適度な負圧(大気圧に対して)となるように拡幅部としての圧力室46の液圧を調整をしている。尚、詳細な構造についての説明は省略するが、圧力室46の隔壁の一部は、可撓性膜48で構成されており、外気圧と圧力室46の内圧との圧力差によって、圧力室46の容量が変化するように構成されている。
【0028】
圧力調整機構17aで適度な圧力に調整されたインクは、連通流路27、ノズル単位で形成されたキャビティ(圧力室)等を含むセグメント流路45を経て、吐出制御や、回復動作などによって、ノズル33から吐出あるいは排出されることとなる。尚、吐出ヘッド14は、実際には複数の連通流路27、セグメント流路45、ノズル33を備えているが、便宜上、図では一つの流路で代表させて表している。
【0029】
次に、プリンタ10の廃液系と回復動作について説明する。
廃液系は、既に簡単に説明したメンテナンスユニット25が主構成となっている。メンテナンスユニット25は、吐出ヘッド14のノズル面35を封止可能で、中央に貫通孔を有するキャップ26と、キャップ26の貫通孔に連通する廃液チューブ29と、廃液チューブ29の途中に設けられた吸引ポンプ23と、廃液チューブ29の終端を収容する廃液タンク31と、ゴムブレード等からなるワイパ24とを備えている。吸引ポンプ23としては、例えば、チューブポンプが用いられており、制御部41によって駆動を制御することができる。また、インターフェース42を介して、プリンタ10の外部からも、吸引ポンプ23の駆動命令を与えることが可能となっている。
【0030】
回復動作は、吸引動作とワイピング動作とに大別される。
吸引動作においては、キャップ26によってノズル面35を封止すると共に吸引ポンプ23を駆動させ、封止された空間内を減圧させることで、ノズル33からインクを吸引することができる。すなわち、キャップ26、廃液チューブ29、吸引ポンプ23は、吸引手段としての機能を果たしている。このとき、インクカートリッジ22aにおけるインクの供給圧が十分高ければ、新しいインクが供給管18a、チョーク機構30a、圧力調整機構17a等を経て連続的に供給され、ノズル33からはインクが排出され続ける。
一方、インクカートリッジ22aにおけるインクの供給圧が低く、チョーク機構30aの開閉弁34が閉じた状態となっている場合においては、ノズル33からのインクの排出はすぐに止まり、圧力室46、連通流路27、セグメント流路45にはノズル33からの吸引によって大きな負圧(つまり、圧力の絶対値が低いということ)が発生する。そして、この状態からインクカートリッジ22aにおけるインクの供給圧を急速に上昇させ、チョーク機構30aの開閉弁34を開いた状態にすると、一気にインクが流れ出し、強力な気泡の排出効果を得ることができる。かくして、圧力室46、連通流路27、セグメント流路45に滞留していた気泡が効率よく排出されることになる。このように、開閉弁34を閉じた状態での吸引動作のことを、特に、チョーク吸引と呼んでいる。
ワイピング動作は、ワイパ24でノズル面35を払拭して、ノズル面に付着しているインク滴を除去する動作のことであり、吸引動作の後に行われる。
【0031】
(供給システム)
次に、図4を参照して、本発明に係る供給システムの説明を行う。図4は、本発明に係る供給システムの概略構成および液体吐出装置との接続関係を示す模式図である。図4において、供給システム70は、プリンタ10とは独立したシステムであり、プリンタ10に接続して使用される。
図4に示すように、供給システム70は、洗浄液タンク71と、気体加圧手段としてのエアコンプレッサ72と、エアコンプレッサ72と送気管74aで接続されたレギュレータ73とを備えている。
洗浄液タンク71には、ある程度の気密性が求められ、一般的なポリエチレン容器でも十分対応可能である。洗浄液タンク71内部には液体を収容することができ、本実施形態では液体としての洗浄液86が収容されている。エアコンプレッサ72は、ある程度の圧縮空気が得られれば十分であり、水槽用の小型ポンプでも十分対応可能である。また、エアコンプレッサ72の代わりに、高圧の窒素ガス源などを利用してもよい。エアコンプレッサ72で生成された圧縮空気は、レギュレータ73で一定圧に調整されて、送気管74bを通じて洗浄液タンク71の内部空間77に送気される。かくして、内部空間77内の空気および、洗浄液タンク71内の洗浄液86は、一定の圧力で加圧される。本実施形態においては、レギュレータ73によって調整される圧力は、大気圧+20kPaである。
このように、洗浄液タンク71とエアコンプレッサ72を備えた上述の構成は、液体加圧手段をなしている。液体加圧手段は、機械的に(例えばピストン等で)加圧を行うような構成としてもよいが、本実施形態のように空気を介した加圧構成とすることにより、気体加圧手段と一部を共用(この場合はエアコンプレッサ72が共用)することができる。このため、簡単かつ安価に、システムを構築することが可能である。また、洗浄液86および空気の加圧圧力の変更は、レギュレータ73の設定により簡単に行うことができる。
【0032】
洗浄液タンク71には、導出口76を介して送液管75が接続されていて、加圧された洗浄液86を送液管75を通じて送液できるようになっている。また、送液管75には、送液制御手段としての送液バルブ85が設けられていて、洗浄液86の送液を制御できるようになっている。洗浄液タンク71にはさらに、内部空間77内に開口を有する送気管74cが接続されていて、加圧された内部空間77の空気を送気できるようになっている。また、送気管74cには、送気制御手段としての送気バルブ84が設けられていて、当該送気を制御できるようになっている。送液バルブ85、送気バルブ84には、例えば、薬液への耐性に優れた電磁バルブ(CKD社製 MYB1など)が用いられている。
送液バルブ85および送気バルブ84は、自動制御部83に接続されており、送液および送気のON/OFFを制御することができる。また、自動制御部83は、プリンタ10のインターフェース42と接続することにより、制御部41を介して、吸引ポンプ23の駆動を制御することもできる。
【0033】
送液管75および送気管74cは、分岐部87で一旦集まり、さらに4つの共通管78に分岐される(図4では共通管78は一つしか示していない)。共通管78は、カートリッジ治具80に組み込まれ、その先端には接続部79が設けられている。接続部79は、インクカートリッジの導出部37とほぼ同じ構造であり、カートリッジホルダ20の結合部38と着脱可能となっている。
カートリッジ治具80は、インクカートリッジ22a(図2参照)とほぼ同じ外形、寸法のケース81を有している。接続部79の先端は、ケース81に形成された貫通孔88からケース81の外側に突き出しており、カートリッジ治具80が矢印Sの向きに移動してカートリッジホルダ20に挿着された場合において、結合部38と結合することができる。また、このとき、カートリッジホルダ20の内部に突き出した通気管21aは、カートリッジ治具80に形成された凹部である通気管退避部82に収容される。
尚、図4では、1つのカートリッジ治具80のみが図示されているが、実際には、分岐部87で分岐される4つの共通管78に対応して4つのカートリッジ治具を有しており、図1に示す4つのインクカートリッジ22a〜22dの代わりに、カートリッジホルダ20に挿着される。
【0034】
上述の構成により、インクカートリッジ22a〜22dに代えて、カートリッジ治具80をプリンタ10のカートリッジホルダ20に挿着することで、供給システム70は、プリンタ10の一連の供給流路に、加圧された洗浄液86ないし加圧された空気を選択的に供給することができる。カートリッジ治具80を介したプリンタ10との接続は、インクカートリッジ22a〜22dの挿着動作と同じような感覚で行うことができるので、作業性に優れている。また、洗浄液等の供給は、カートリッジホルダ20の結合部38から行われるので、供給流路全体の洗浄が可能である。
また、プリンタ10のインターフェース42、制御部41を介して吸引ポンプ23の駆動制御も可能であるため、これらの送液、送気の制御と連動させてノズル面35(図2参照)側からの吸引動作を行うことができる。吸引動作については、プリンタ10の回復動作について説明した内容とほぼ同じであるので、詳細な説明は改めて行わないが、相違点を中心に、供給システム70を用いた吸引動作について以下で説明する。
【0035】
吸引動作において供給システム70がプリンタ10に供給するのは、インクではなく、洗浄液または空気である。吸引動作の際には、エアコンプレッサ72は駆動状態にあり、内部空間77は加圧された状態にある。吸引ポンプ23の駆動時に、送液バルブ85を閉じ、送気バルブ84を開いた状態にすれば、ノズル33(図2参照)からインク(既に洗浄液が充填されている場合には洗浄液)が排出され、供給流路(供給管18など)内は空気で置換される(排出動作)。また、供給流路にインクまたは充填液が無い状態(空気が充填された状態)で、吸引ポンプ23の駆動時に、送液バルブ85を開き、送気バルブ84を閉じた状態にすれば、ノズル33(図2参照)から空気が排出され、洗浄液が供給流路内に充填される(充填動作)。また、吸引ポンプ23の駆動時に、送液バルブ85、送気バルブ84を共に閉じた状態にすれば、回復動作のところで述べたチョーク吸引を行うことができる。以降で説明するプリンタ10における供給流路の洗浄動作は、この、排出動作、充填動作、チョーク吸引を組み合わせて行われる。
尚、本実施形態における吸引動作は、プリンタ10に備え付けられた吸引ポンプ23を用いて行っているが、外付けの吸引ポンプをプリンタ10と接続して、駆動および制御を行うようにしてもよい。
【0036】
(洗浄動作)
次に、図5のフローチャートに沿って、図2および図4を参照しながら、供給システムを用いたプリンタの供給流路の洗浄動作について説明する。図5は、供給システムを用いた洗浄動作の一例を示すフローチャートである。洗浄動作は、供給流路(供給管18a、圧力調整機構17a、連通流路27など)にインクが充填された状態において、カートリッジ治具80をカートリッジホルダ20に挿着して行われる。
【0037】
洗浄動作の命令が自動制御部83に送られると、まず、排出動作により、プリンタ10の供給流路からインクが排出される(図5の排出ステップS1)。具体的には、自動制御部83からの命令によって送気バルブ84を開いた状態に、また、送液バルブ85を閉じた状態とした上で、インターフェース42、制御部41を介して吸引ポンプ23を駆動して行う。排出ステップS1における排出動作は、供給システム70から空気を加圧供給して行うので、効率的に行うことができる。また、本実施形態のプリンタ10はチョーク機構30aを備えているため、インクの排出動作において、空気を加圧して供給することは必須であるが、この供給システム70はそれを容易に可能とする。
【0038】
次いで、充填動作によって洗浄液86が供給流路に充填される(図5の充填ステップS2)。具体的には、自動制御部83からの命令によって送気バルブ84を閉じた状態に、また、送液バルブ85を開いた状態とした上で、インターフェース42、制御部41を介して吸引ポンプ23を駆動して行う。この充填動作においても、供給システム70から洗浄液86を加圧供給して行うので、効率的に行うことができる。このステップにおいて、供給流路の内壁に付着しているインク(残留インク)は、洗浄液86の流れによって剥離されたり、または、洗浄液86中に溶解したりする。そして、続く排出動作で洗浄液86と共に残留インクを排出させることで(図5の排出ステップS3)、残留インクを除去することができる。
このように、洗浄動作は、洗浄液86の充填と排出とを組み合わせて行うことにより、洗浄液86と共に残留インクを徐々に除去してゆく構成となっている。尚、上述した充填ステップS2、排出ステップS3を、合わせて攪拌洗浄ステップ(図5のS100)と呼んでいる。
【0039】
次に、チョーク吸引を行って供給流路内の負圧を高める(図5のチョーク吸引ステップS4)。具体的には、自動制御部83からの命令によって送気バルブ84および送液バルブ85を閉じた状態とした上で、インターフェース42、制御部41を介して吸引ポンプ23を駆動して行う。このとき、供給流路内の負圧は著しく高まり、図2に示す圧力調整機構17aの圧力室46においては、可撓性膜48が大きく内側に撓んで、圧力室46内の空気を積極的に排出する。そして、この状態から、連続的に充填動作(図5の充填ステップS5)を行うことにより、供給流路内に洗浄液86が充填される。特に、圧力室46においては、チョーク吸引ステップS4によって圧力室46の空気が積極的に追い出されているので、良好な充填性が期待できる。このようにチョーク吸引と充填動作を組み合わせることにより、供給流路内に気泡を残すことなく、隅々にまで洗浄液86を行き渡らせることができる。本実施形態では、さらにチョーク吸引ステップS6と充填ステップS7を続けて行うことで、圧力室46に滞留する気泡を確実に排出し、洗浄液86の充填がより確実になされるようにしている。そして、続く第2排出ステップS8で洗浄液86が排出される。この、チョーク吸引ステップS4、充填ステップS5、チョーク吸引ステップS6、充填ステップS7、排出ステップS8を、合わせて本洗浄ステップ(図5のS200)と呼んでいる。
【0040】
ここで、攪拌洗浄ステップS100と本洗浄ステップS200の役割と効果について説明する。供給流路の中でも、特に、圧力調整機構17aの圧力室46や連通流路27におけるフィルタ室(図示せず)は、構造上、空気が滞留したままになりやすい箇所を有しており、このような箇所には洗浄液86を十分に行き渡らせることが困難なため、洗浄不良の原因となる。本洗浄ステップS200は、このような事情に鑑みて設計されている。すなわち、チョーク吸引ステップ(図5のS4,S6)と充填ステップ(図5のS5、S7)とを組み合わせて実行することにより、チョーク機構30aの下流側の供給流路内に確実に洗浄液86を充填させることができ、続く排出ステップによって供給流路の隅々まで洗浄することが可能である。しかし、本洗浄ステップS200には、充填ステップのみで充填を行う攪拌洗浄ステップS100よりも多くの時間を要するという課題がある。
一方、攪拌洗浄ステップS100は、チョーク吸引ステップを伴わない分、短時間で洗浄ができる。また、残留インクを粗く除去するという点においては、供給流路内にいくらか空気層を残して充填させて洗浄を行う方が、洗浄液86の攪拌の効果が得られるので、本洗浄ステップS200よりも効率的である。
このように、攪拌洗浄ステップS100と本洗浄ステップS200を組み合わせた本実施形態の洗浄動作によれば、供給流路の効率的な洗浄を実現することができる。
【0041】
本洗浄ステップS200の後、チョーク吸引ステップS9と充填ステップS10により、洗浄液86を充填し、ワイパ24によりワイピング動作(図5のワイピングステップS11)を行って、ノズル面35を清浄な状態にする。このS9〜S11のステップは、洗浄の仕上げとしての役割を果たしている。
【0042】
次に、上述のS1〜S11までの一連のセットについての実施回数を判定し(図5の繰り返し判定ステップS12)、所定回数よりも少なければ、S1〜S11までの動作を繰り返す。この繰り返しは、洗浄性をより確実なものとするためのものであり、本実施形態においては、3回の繰り返しを行う。繰り返し判定ステップS12において所定回数以上の繰り返しであることが判定されると、排出動作により洗浄液86を排出し(図5の排出ステップS13)、ワイピング動作(図5のワイピングステップS14)によりノズル面35を清浄な状態にして、一連の洗浄動作が終了する。
【0043】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態におけるプリンタの概略構成を示す模式図である。以下、第1実施形態と重複する箇所については説明を省略し、相違点を中心に第2実施形態の説明を行う。
【0044】
図6のプリンタ11において、加圧ポンプユニット28から延びた通気管21aは、分岐部95において二股に分岐し、分岐した一方は、カートリッジホルダ20、インクカートリッジ22aの通気管挿入孔36を通じて、インクカートリッジ22aの内部空間40に一端を開放している。この構成は、分岐部95を含む以外は、第1実施形態の場合と同じである。分岐した他方は、送気管91となっていて、送気バルブ93、分岐部96を介して、供給管18aに接続されている。分岐部96には、送気管91とは別に、送液管92の一端が接続しており、送液管92の他端は、送液バルブ94、カートリッジホルダ20に設けられた結合部38を介して、インクカートリッジ22aの導出部37に接続されている。ここで、送気バルブ93、送液バルブ94は、第1実施形態と同様の電磁バルブで構成されており、加圧ポンプユニット28、吸引ポンプ23を制御する制御部97によって、開閉制御される。
【0045】
上述の構成において、加圧ポンプユニット28によって加圧された空気は、送気管91を通じて供給管18aに送気されると共に、インクカートリッジ22a内のインクパック39内に収容されているインクを加圧する。そして、加圧されたインクは、送液管92を通じて、供給管18aに送液される。また、加圧された空気の送気と加圧されたインク(液体)の送液は、送気バルブ93、送液バルブ94によって制御することができる。
このとき、インクカートリッジ22aとして、インクパック39に洗浄液が充填されたものを用いれば、第1実施形態の洗浄動作(図5参照)と同様の手順により、供給流路の洗浄を行うことが可能である。すなわち、本発明の洗浄方法は、第1実施形態のような外付けの供給システムを用いなくても、実施することが可能である。
また、インクカートリッジ22aとして、供給流路に充填されているインク(第1の液体)とは別種のインク(第2の液体)を用いれば、第1実施形態の洗浄動作(図5参照)と同様の手順により、供給流路内のインクの置換を行うことが可能である。但し、この場合、図5の排出ステップS13、ワイピングステップS14は実施せず、S1〜S11の繰り返し回数も適宜変更することができる。
【0046】
本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、送気制御手段と送液制御手段は、上述の実施形態のように、別々の電磁バルブで構成することもできるが、三方弁等を用いて、共通化して構成することも可能である。各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略したり、図示しない他の構成と組み合わせたりすることができる。
【符号の説明】
【0047】
10,11…液体吐出装置としてのプリンタ、14…吐出ヘッド、15…キャリッジ、17a〜17d…供給流路を構成する圧力調整機構、18a〜18d…供給流路を構成する供給管、19…キャリッジ駆動モータ、20…カートリッジホルダ、21a〜21d…通気管、22a〜22d…インクカートリッジ、23…吸引手段を構成する吸引ポンプ、24…ワイパ、25…メンテナンスユニット、26…吸引手段を構成するキャップ、27…供給流路を構成する連通流路、28…加圧ポンプユニット、29…吸引手段を構成する廃液チューブ、30a〜30d…供給流路を構成するチョーク機構、31…廃液タンク、32…圧力調整弁、33…ノズル、34…開閉弁、35…ノズル面、36…内部空間、37…導出部、38…供給流路を構成する結合部、39…インクパック、40…内部空間、41…制御部、42…インターフェース、44…貫通孔、45…供給流路としてのセグメント流路、46…供給流路を構成する拡幅部としての圧力室、48…可撓性膜、57…供給流路を構成する圧力室、70…供給システム、71…液体加圧手段を構成する洗浄液タンク、72…液体加圧手段を構成し且つ気体加圧手段をなすエアコンプレッサ、73…レギュレータ、74a〜74c…送気管、75…送液管、76…導出口、77…内部空間、78…共通管、79…接続部、80…カートリッジ治具、81…ケース、82…通気管退避部、83…自動制御部、84…送気制御手段としての送気バルブ、85…送液制御手段としての送液バルブ、86…洗浄液、87…分岐部、88…貫通孔、91…送気管、92…送液管、93…送気バルブ、94…送液バルブ、95…分岐部、96…分岐部、97…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体容器に収容された液体を供給流路を介して吐出ヘッドに供給し、前記吐出ヘッドのノズルから前記液体を吐出する液体吐出装置において、前記供給流路に気体および液体を供給可能な供給システムであって、
前記気体を加圧する気体加圧手段と、
前記液体を加圧する液体加圧手段と、
前記供給流路への前記気体の送気を制御する送気制御手段と、
前記供給流路への前記液体の送液を制御する送液制御手段と、
前記供給流路と前記液体容器との結合部と着脱可能に結合すると共に、前記気体ないし前記液体を導出する接続部と、を備えることを特徴とする供給システム。
【請求項2】
前記液体吐出装置が、前記ノズル側から前記供給流路内の気体ないし液体を吸引する吸引手段を備えている場合において、
前記送液制御手段による送液制御および前記送気制御手段による送気制御を、前記吸引手段の駆動と連動させて行う自動制御部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の供給システム。
【請求項3】
ノズルから液体を吐出する液体吐出装置において、前記液体を供給する供給流路を洗浄するための洗浄方法であって、
前記供給流路の一部を閉塞させた状態で前記ノズル側から吸引を行うチョーク吸引ステップと、
洗浄液を前記供給流路に供給すると共に、前記ノズル側から吸引を行うことで、前記供給流路内に前記洗浄液を充填する充填ステップと、
気体を前記供給流路に供給すると共に、前記ノズル側から吸引を行うことで、前記供給流路内に充填されている前記液体ないし前記洗浄液を排出する排出ステップと、を有することを特徴とする洗浄方法。
【請求項4】
前記充填ステップで前記洗浄液を充填させてから、前記排出ステップで前記充填された洗浄液を排出する攪拌洗浄ステップと、
前記チョーク吸引ステップに連続して前記充填ステップで前記洗浄液を充填させてから、前記排出ステップで前記充填された洗浄液を排出する本洗浄ステップと、を有することを特徴とする請求項3に記載の洗浄方法。
【請求項5】
前記攪拌洗浄ステップと前記本洗浄ステップとを、それぞれ複数回繰り返し行うことを特徴とする請求項4に記載の洗浄方法。
【請求項6】
ノズルから液体を吐出する液体吐出装置において、前記液体を供給する供給流路に残されている第1の液体を、第2の液体に置換するための置換方法であって、
前記供給流路の一部を閉塞させた状態で前記ノズル側から吸引を行うチョーク吸引ステップと、
前記第2の液体を前記供給流路に供給すると共に、前記ノズル側から吸引を行うことで、前記供給流路内に前記第2の液体を充填する充填ステップと、
気体を前記供給流路に供給すると共に、前記ノズル側から吸引を行うことで、前記供給流路内に充填されている前記第1ないし第2の液体を排出する排出ステップと、を有することを特徴とする置換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−269606(P2010−269606A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198581(P2010−198581)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【分割の表示】特願2004−299634(P2004−299634)の分割
【原出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】