説明

侵入検出装置,ロボット,侵入検出方法および侵入検出プログラム

【課題】特定領域への侵入を遅延無く検出する。
【解決手段】侵入検出装置は,侵入検出装置は,侵入を検出する境界に沿って前記境界に近接して配列された複数の光マークからなる光マーク列と,光らせる前記光マークを時刻によって異らせる制御信号であって,任意の時刻において,前記光マーク列の一部に対応する前記制御信号の一部は,前記光マーク列の他の一部に対応する前記制御信号の他の一部の誤り検出符号である前記制御信号を生成する点滅制御部と,前記光マーク列からの光を受光し前記光に応じた信号を出力する光センサーと,前記光センサーが出力する信号を前記光マーク毎に二値化した受光信号を生成し,前記光マーク列の他の一部に対応する前記受光信号の第一部分に基づいて前記誤り検出符号の検査値を生成し,前記光マーク列の一部に対応する前記受光信号の第二部分と前記検査値とを比較した結果に基づいて前記侵入を検出する検出部と,を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,侵入検出装置,ロボット,侵入検出方法および侵入検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来,危険領域への人間の侵入や私有地への不審者の侵入をカメラを利用して検出する技術が知られている。例えば特許文献1には,所定の境界線に沿って配置された光源や反射鏡からカメラまでの光路が遮断されたかどうかをカメラの出力に基づいて判定することによって,境界線を越えて人間が危険領域に侵入したことを検出する技術が開示されている。また特許文献2には,複数の光源の発光パターンのそれぞれに情報を持たせることによって,どの光源からカメラまでの光路に侵入者がいるかを特定する技術が開示されている。これらの技術では,光源が点灯するパターンと,光センサーによって検出される特定領域の輝度のパターンとが一致しない場合に,侵入があったと判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−271713号公報
【特許文献2】特開2010−15258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし,従来の技術によると光源が点滅する時系列の発光パターンと,光センサーによって検出される特定領域の輝度の時系列のパターンとを比較することによって侵入を検出するため,カメラから出力されるデジタル画像のフレーム毎に侵入を検出することができない。このため侵入が発生してから侵入が検出されるまでに遅延が生ずるという問題がある。
【0005】
本発明は特定領域への侵入を最小の遅延で検出することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記目的を達成するための侵入検出装置は,侵入を検出する境界に沿って前記境界に近接して配列された複数の光マークからなる光マーク列と,光らせる前記光マークを時刻によって異らせる制御信号であって,任意の時刻において,前記光マーク列の一部に対応する前記制御信号の一部は,前記光マーク列の他の一部に対応する前記制御信号の他の一部の誤り検出符号である前記制御信号を生成する点滅制御部と,前記光マーク列からの光を受光し前記光に応じた信号を出力する光センサーと,前記光センサーが出力する信号を前記光マーク毎に二値化した受光信号を生成し,前記光マーク列の他の一部に対応する前記受光信号の第一部分に基づいて前記誤り検出符号の検査値を生成し,前記光マーク列の一部に対応する前記受光信号の第二部分と前記検査値とを比較した結果に基づいて前記侵入を検出する検出部と,を備える。
【0007】
本発明によると,個々の光マークは時刻によって光ったり光らなかったりする。したがって,ダミー光源を備える遮蔽物等で侵入検出装置を欺いて侵入することが困難になる。なお,本明細書において光マークとは,光を放射または反射し,光源の点灯と消灯や,光路の遮断と開放や,反射板の反射率を変化させること等によって,放射又は反射する光量を制御可能な構成要素である。そして本発明においては,ある時刻において第一光マーク列の一部に対応する受光信号の第一部から生成した誤り検出符号の検査値と,第一光マーク列の他の一部に対応する受光信号の第二部とが一致しないことのみをもって,その時刻において第一光マーク列から光センサーまでの光路において侵入が発生しているとみなしてよい。逆に,ある時刻において第一光マーク列の一部に対応する受光信号の第一部から生成した誤り検出符号の検査値と,第一光マーク列の他の一部に対応する受光信号の第二部とが一致することのみをもって,その時刻において第一光マーク列から光センサーまでの光路において侵入が発生していないとみなしてよい。すなわち,第一光マーク列に対応する受光信号の一部に基づいて,第一光マーク列から光センサーまでの光路における侵入を検出することができる。したがって本発明によると,時刻毎に,その時刻における侵入を検出することが可能であるため,特定領域への侵入を最小の遅延で検出することができる。また,点滅制御部で生成する制御信号を検出部に取得させる必要がないため,点滅制御部と検出部とを電気的に接続する必要がない。
【0008】
(2)上記目的を達成するための侵入検出装置は,前記第一光マーク列と前記第二光マーク列とを含み前記境界に沿って配列された光マークブロックを複数備えてもよい。
この構成を採用すると,光マークブロックに対応する区間ごとに侵入を検出することによって侵入位置を特定したり,特定の光マークブロックから光センサーに至る光路を一時的な不感帯とすることが可能になる。
【0009】
(3)上記目的を達成するための侵入検出装置において,前記制御信号は情報を有し,前記検出部は前記光センサーの出力に基づいて前記情報を取得してもよい。
この構成を採用する場合,光センサーの出力に基づいて侵入を検出する検出部に,光マーク列が発する光によって情報を伝達することが可能になる。例えば,個々の光マークを特定可能な識別情報を時系列の発光パターンとして伝送する場合,光マークと光センサーとの対応関係が固定されていなくとも,光センサーの出力に基づいて特定の光マークの像が画像データに記録される領域を特定することが可能になる。また例えば,時刻情報を空間的な発光パターンとして伝送する場合,侵入を検出する側において時計が備えられていなくとも,侵入時刻を特定することが可能になる。
【0010】
(4)上記目的を達成するためのロボットは,侵入を検出する境界に沿って前記境界に近接して配列された複数の光マークからなる光マーク列と,光らせる前記光マークを時刻によって異らせる制御信号であって,任意の時刻において,前記光マーク列の一部に対応する前記制御信号の一部は,前記光マーク列の他の一部に対応する前記制御信号の他の一部の誤り検出符号である前記制御信号を生成する点滅制御部と,前記光マーク列からの光を受光し前記光に応じた信号を出力する光センサーと,前記光センサーが出力する信号を前記光マーク毎に二値化した受光信号を生成し,前記光マーク列の他の一部に対応する前記受光信号の第一部分に基づいて前記誤り検出符号の検査値を生成し,前記光マーク列の一部に対応する前記受光信号の第二部分と前記検査値とを比較した結果に基づいて前記侵入を検出する検出部と,前記侵入が検出された場合に所定の処理を起動する起動制御部と,を備える。
本発明によると,ロボットと協調して作業している人間に危害が及ばないように緊急停止したり,ワークの設置に合わせて加工を開始することが可能となる。
【0011】
尚,請求項に記載された動作の順序は,技術的な阻害要因がない限りにおいて記載順に限定されず,同時に実行されても良いし,記載順の逆順に実行されても良いし,連続した順序で実行されなくても良い。また,本発明は侵入検出方法としても,侵入検出プログラムとしても,そのプログラムを記録した記録媒体としても成立する。むろん,そのコンピュータープログラムの記録媒体は,磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし,今後開発されるいかなる記録媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態にかかるブロック図。
【図2】本発明の実施形態にかかる模式図。
【図3】本発明の実施形態にかかるフローチャート。
【図4】本発明の実施形態にかかる模式図。
【図5】本発明の実施形態にかかる模式図。
【図6】本発明の実施形態にかかる模式図。
【図7】本発明の実施形態にかかる模式図。
【図8】本発明の実施形態にかかる模式図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下,本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら実施例に基づいて説明する。尚,各図において対応する構成要素には同一の符号が付され,各実施例において重複する説明は省略される。
1.第一実施例
図1は本発明の第一実施例の全体構成を示している。本発明の第一実施例は,ロボット本体6と,作業者9a,9bが予め決められた安全作業領域と危険領域の境界よりもロボット本体6側に侵入したときに侵入を検出するための侵入検出装置7とを備える産業用ロボットである。
【0014】
ロボット本体6は,起動制御部としてのロボットコントローラー61と,ロボットコントローラー61によって制御される図示しないアクチュエーター,センサー,多関節アーム等を備える。ロボット本体6は,作業者9a,9bと協調して作動するように構成されている。ロボット本体6と侵入検出装置7との制御系統は独立しており,ロボット本体6のロボットコントローラー61と侵入検出装置7の検出部5とが通信線によって接続されている。ロボットコントローラー61は,侵入検出装置7が侵入を検出した場合に,アクチュエーターを停止させる,アラーム音を発音する,警告灯を点灯する,などの所定の処理を起動する。ロボットコントローラー61の機能は,ロボット本体6の全体を制御するコンピューターと,それによって実行されるコンピュータープログラムとによって実現される。
【0015】
侵入検出装置7は,光マークとしてのLED(Light Emitting Diode)を複数備える発光部1と,LEDの発光を制御する点滅制御部2と,発光部1が視野内に収まるように設置されたデジタルカメラ4と,デジタルカメラ4の出力に基づいて侵入を検出する検出部5とを備えている。点滅制御部2および検出部5は,それぞれ独立した別のコンピューターによって構成される。点滅制御部2と発光部1とを一体のユニットとし,デジタルカメラ4と検出部5とを別の一体のユニットとし,侵入を検出する境界の両端にこれら2つのユニットが設置される。
【0016】
発光部1は作業者9a,9bの安全作業範囲と危険範囲の境界に沿って設置されている。発光部1は,侵入を検出する境界に沿って境界に近接して配列されたLED11〜19の列(光マーク列)と,これらのLEDを駆動する図示しない駆動回路とを備えている。この駆動回路には,点滅制御部2によって生成される制御信号が印加される。
【0017】
デジタルカメラ4は,光センサーとして図示しないエリアイメージセンサーを備えている。エリアイメージセンサーはCCDイメージセンサー,CMOSイメージセンサー等によって構成され,図示しないレンズによって結像される全てのLED11〜19を撮像可能である。デジタルカメラ4における各フレームの撮像タイミングは,デジタルカメラ4が各フレームの画像データを生成するためにイメージセンサーの光電変換素子に電荷を蓄積する期間においてLED11〜19の発光パターンが変化しないように制御される。
【0018】
図2は点滅制御部2によって制御されるLED11〜19の発光パターンの一例を示す模式図である。図2において,tは時間軸を示している。また図1に示すように安全作業領域と危険領域の境界と平行に定めたx軸を図2にも示している。また図2において白円は点灯を示し,黒円は消灯を示している。
【0019】
まず任意の時刻におけるLEDの空間的な発光パターンについて説明する。例えば時刻t1においては,LED11,13,16,18が点灯し,LED12,14,15,17,19が消灯する。このように任意の時刻において,安全作業領域と危険領域の境界に沿うx軸方向に配列されているLED11〜19に,光るLED11,13,16,18と光らないLED12,14,15,17,19を混在させることが好ましい。このように,安全作業領域と危険領域の境界に沿うx軸方向に配列されているLED群に光るLEDと光らないLEDが混在していれば,空間的な不感帯を小さくすることができる。例えば時刻t1においてLED12,14,15,17,19からデジタルカメラ4までの光路にのみ異物が侵入しても,これらのLEDが消灯しているためにその異物の侵入を検出することはできないが,これらの消灯しているLEDに隣接しているLED11,13,16,18が点灯しているため,その異物を検出できる可能性は高い。もちろん,安全作業領域と危険領域の境界に沿うx軸方向に配列されているLED11〜19の全てが点灯している場合には,LED11〜19とデジタルカメラ4までの光路に不感帯がないことになる。しかし,LED11〜19の発光パターンが空間的に変化しない場合には,空間的な発光パターンを模した遮蔽物を発光部1とデジタルカメラ4の間に設置することによって,侵入検出装置7に検出されることなく遮蔽物と発光部1との間から危険領域に侵入することが容易になる。
【0020】
次に任意のLEDの時系列の発光パターンについて説明する。例えばLED11は,時刻t1,t3,t5,t8,t9,t11において点灯し,時刻t2,t4,t6,t7,t10において消灯する。このように任意のLEDを時刻によって点灯したり消灯したりすることにより,時間的な不感帯を短くすることができる。例えば時刻t2においてLED11からデジタルカメラ4までの光路にのみ異物が侵入しても,LED11が消灯しているためにその異物を検出することはできないが,時刻t2の直前と直後の時刻t1,t3においてはLED11が点灯するため,その異物を検出できる可能性は高い。もちろん,LED11を常時点灯させる場合には,LED11からデジタルカメラ4までの光路に時間軸上の不感帯はないことになる。LED11〜19の発光パターンが時間的に変化しないとすれば,LED11〜19の空間的な発光パターンを模した遮蔽物を発光部1とデジタルカメラ4の間に設置することによって,侵入検出装置7に検出されることなく遮蔽物と発光部1との間から危険領域に侵入することが容易になる。
【0021】
このように安全作業領域と危険領域の境界に沿うx軸方向に配列されているLEDの列に光るLEDと光らないLEDを混在させ,任意のLEDを時刻によって点灯したり消灯したりすることによって,不感帯を狭く短くすることができる。そしてまた,このようにLEDの発光パターンを時間的にも空間的にも変化させることによって,LEDの発光パターンを模することが極めて困難となって,意図的な侵入は実質的に不可能になる。
【0022】
点滅制御部2が生成するLED11〜19の制御信号は,LED毎に点灯と消灯の2つの状態を持つ,二値のデータである。そこで点灯を1,消灯と0とし,LED11〜19に左から順にそれぞれ上位の1ビットを割り当てて制御信号を二進数で表すと,時刻t1の制御信号は101001010となり,時刻t2の制御信号は001010100となる。
【0023】
図3は,侵入検出装置7を用いた侵入検出方法の手順を示すフローチャートである。図3は,デジタルカメラ4から出力される画像データの1フレームに対応する一連の処理の手順を示している。すなわち,画像データのフレーム毎に図3に示す処理が実施される。以下の説明ではLED11〜14を第一光マーク群A,LED15〜19を第二光マーク群Bと表記する。なお,本実施例で示す第一光マーク群Aに属するLEDの数も,第二光マーク群Bに属するLEDの数も,簡略に示した単なる例に過ぎない。例えば後述するように誤り検出符号に対応する第一光マーク群Aの数は,1個以上であればよいし,侵入を検出する境界の長さに応じて適宜設定される第二光マーク群Bの数と誤り検出符号の種類に応じて決まるものである。
【0024】
はじめに点滅制御部2は,ある時刻における第二光マーク群Bの制御信号を生成する(S100)。すなわち点滅制御部2は,光マークの列を構成する個々のLEDの点灯をビット毎に制御する制御信号のうち,第二光マーク群Bを構成するLED15〜19に対応する部分のビット列を生成する。例えば,図2に示す時刻t1における発光パターンを実現する場合,点滅制御部2は,LED15〜19に対応する制御信号として,ビット列"01010"を生成する。
【0025】
次に点滅制御部2は,ある時刻における第二光マーク群Bの制御信号に基づいて,第二光マーク群Bの制御信号を構成するビット列の誤り検出符号を,その時刻における第一光マーク群Aの制御信号として生成する(S101)。すなわち,点滅制御部2は,光マークの列を構成する個々のLEDの点灯をビット毎に制御する制御信号のうち,第一光マーク群Aを構成するLED11〜14に対応する部分のビット列として,LED15〜19に対応する制御信号のビット列の誤り検出符号を生成する。例えば,図2に示す時刻t1における発光パターンを実現する場合,点滅制御部2は,LED15〜19に対応する制御信号としてのビット列"01010"に基づいて,LED11〜14に対応する制御信号のビット列"1010"を生成する。
【0026】
制御信号の第一光マーク群Aに対応する部分は,巡回冗長検査符号(CRC),パリティ符号,チェックサムなど,制御信号の第二光マーク群Bに対応する部分の伝送誤りを検出できる符号を構成するビット列であればよい。検出精度や高速性などを勘案すれば,巡回冗長検査符号が好ましい。また,制御信号の第二光マーク群Bに対応する部分の伝送誤りを検出できれば十分であるが,制御信号の第二光マーク群Bに対応する部分の伝送誤りを訂正できる符号を構成するように制御信号の第一光マーク群Aに対応する部分を生成してもよい。すなわち,本明細書において,誤り検出符号とは,誤り訂正符号を包含する用語として用いている。
【0027】
次に点滅制御部2は,LED11〜19の制御信号を所定のタイミングで発光部1に印加する(S102)。例えばステップS100において第一光マーク群Bの時刻t1に対応する制御信号として01010が生成され,ステップS101において第二光マーク群Aの時刻t1に対応する制御信号として1010が生成された場合,発光部1に制御信号"101001010"が印加され,図2に示すように,時刻t1においてLED11,13,16,18が点灯し,LED12,14,15,17,19が消灯する。
【0028】
次に検出部5は,デジタルカメラ4から1フレーム分の画像データを取得する(S103)。前述したとおり,デジタルカメラ4が発光部1を1フレーム撮像するタイミングにおいて,発光部1のLED11〜19の発光状態が切り替わらないように制御される。
【0029】
次に検出部5は,デジタルカメラ4から取得した1フレームの画像データを解析し,LED11〜19が発光した光に対するデジタルカメラ4の受光状態をLED毎に二値で示す受光信号を生成する(S104)。
【0030】
図4は,LED11〜19が発光した光に対するデジタルカメラ4の受光状態を示す模式図であって,デジタルカメラ4から出力される画像データの局所領域が示す像を表している。図4において白円は点灯しているLEDの像を示し,黒円(ハッチングを付した円)は消灯しているLEDの像を示している。また図4において数字とアルファベットは画素の位置を示す符号である。
【0031】
デジタルカメラ4と発光部1との位置関係が固定されている場合,LED11〜19の像は画像データの予め決められた領域に記録される。したがって検出部5は,LED11〜19の像に対応する各領域の輝度値を閾値と比較することによって,対応するLEDが点灯しているか消灯しているかを判定することができる。具体的には例えば,画素1A,1B,2A,2Bに点灯しているLED11が対応し,画素4A,4B,5A,5Bに消灯しているLED12が対応しているとする。この場合,画素1A,1B,2A,2Bの輝度値の合計は画素4A,4B,5A,5Bの輝度値の合計よりも高くなる。したがって,検出部5は,画素1A,1B,2A,2Bの輝度値の合計が予め決められた閾値よりも大きい場合には,LED11が点灯していると判定し,逆の場合にはLED11が消灯していると判定する。そして検出部5は,各LEDの点灯状態を示す受光信号の各ビットとして,点灯と判定した場合は1,消灯と判定した場合は0を生成する。例えば図4に示す受光状態の場合,受光信号の対応する部分のビット列として"101"が生成される。
【0032】
次に検出部5は,生成した受光信号のうち,第二光マーク群Bに対応する部分のビット列に基づいて第二光マーク群Bの誤り検出符号の検査値を生成する(S105)。ここで誤り検出符号の検査値を生成するための関数は,第二光マーク群Bに対応する制御信号のビット列に基づいて第一光マーク群Aに対応する制御信号のビット列を生成したときに用いた関数と同一であれば,どのような関数であっても良い。
【0033】
次に検出部5は,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列に基づいて生成された誤り検出符号の検査値と,受光信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列とを比較し,これらが一致するか否かを判定する(S106)。
【0034】
図5は,LED11〜19が発光する光に対するデジタルカメラ4の受光状態を示す模式図である。図5において白丸は発光しているLEDの像を示し,ハッチングが付された円は消灯しているLEDの像を示し,ハッチングが付された半円は異物Sの像を示している。図5に示す受光状態が得られる時刻において,LED11〜19の点灯状態は,左(LED11)から順に消灯,点灯,点灯,消灯,点灯,消灯,消灯,消灯,点灯であるとする。すなわち,図5に示す受光状態が得られる時刻に対応するLED11〜19の制御信号は,"011010001"であるとする。
【0035】
図5Aに示すように,ある時刻においてLED11〜19からデジタルカメラ4までの光路に異物が存在しない場合,受光信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列は0110となり,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列は10001となる。そして,この時刻に対応する制御信号は"011010001"である。すなわち,受光信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列は"0110"であり,制御信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列"10001"と受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列"10001"とが一致するため,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列に基づいて生成される誤り検出符号の検査値も"0110"となる。したがって,受光信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列と,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列に基づいて生成される誤り検出符号の検査値は一致する。このように,発光しているLEDのいずれかからデジタルカメラまでの光路に異物Sが存在しない場合,受光信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列と,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列に基づいて生成される誤り検出符号の検査値は一致する。
【0036】
また図5Bに示すように,第一光マーク群Aに属し,発光しているLED13からデジタルカメラ4までの光路に異物Sが存在する場合,受光信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列は"0100"となる。ところが,制御信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列の誤り検出符号を構成している第一光マーク群Aに対応する制御信号のビット列は"0110"である。そして,第二光マーク群Bからデジタルカメラ4までの光路には異物が存在しないため,制御信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列と,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列とは一致する。したがって,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列に基づいて生成される誤り検出符号の検査値と,第一光マーク群Aに対応する受光信号のビット列とは,ほぼ確実に一致しない。このように,第一光マーク群Aに属する発光しているLEDのいずれかからデジタルカメラまでの光路に異物Sが存在する場合,受光信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列と,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列に基づいて生成される誤り検出符号の検査値とは,ほぼ確実に一致しない。
【0037】
また図5Cに示すように,第二光マーク群Bに属し,発光しているLED19からデジタルカメラ4までの光路に異物Sが存在する場合,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列は"10000"となる。そして,第一光マーク群Aからデジタルカメラ4までの光路には異物が存在しないため,制御信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列に基づいて生成された制御信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列"0110"と,受光信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列"0110"とは一致する。ところが,制御信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列と,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列とは異なるため,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列に基づいて生成される誤り検出符号の検査値は受光信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列とはほぼ確実に異なる値になる。すなわち,第二光マーク群Bに属し発光しているLEDのいずれかからデジタルカメラまでの光路に異物Sが存在する場合も,受光信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列と,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列に基づいて生成される誤り検出符号の検査値とは,ほぼ確実に一致しない。
【0038】
また図5Dに示すように,第一光マーク群Aに属し発光しているLEDのいずれかからデジタルカメラ4までの光路に異物Sが存在し,第二光マーク群Bに属する発光しているLEDのいずれかからデジタルカメラ4までの光路にも異物Sが存在する場合も,受光信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列と,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列に基づいて生成される誤り検出符号の検査値とは,ほぼ確実に一致しない。
【0039】
このように,受光信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列と,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列に基づいて生成された誤り検出符号の検査値とが一致する場合には,ほぼ確実に,LED11〜19からデジタルカメラ4までの光路に異物が無いといえる。また,受光信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列と,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列に基づいて生成された誤り検出符号の検査値とが一致しない場合には,ほぼ確実に,LED11〜19からデジタルカメラ4までの光路に異物が有るといえる。
【0040】
そこで検出部5は,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列に基づいて生成された誤り検出符号の検査値と,受光信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列とが一致する場合,侵入を検出することなく,検出対象時刻に対応する侵入検出処理を終了する。一方,受光信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列に基づいて生成された誤り検出符号の検査値と,受光信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列とが一致しない場合,検出部5は検出対象時刻における侵入を検出する(S107)。なお,ここでいう検出対象時刻とは,検出部5がデジタルカメラ4から取得した1フレーム分の画像データにLED11〜19の像が記録された時刻である。
以上述べたように,検出部5は,侵入の有無を示す信号をロボット本体6のロボットコントローラー61に出力する。ロボットコントローラー61は,検出部5が侵入を検出すると,アクチュエーターを停止させる,警告音を発する,警告灯を点灯する,などの所定の処理を起動する。
【0041】
本実施例によると,検出部5はデジタルカメラ4から取得する1フレームの画像データに基づいて,当該画像データに発光部1の像が記録された時刻における侵入を検出することができる。したがって,侵入検出装置7は,危険領域への侵入を最小の遅延で検出することができる。また,検出部5は,デジタルカメラ4から取得した画像データから生成する受光信号と,予め決められた誤り検出符号の関数とを用いて侵入を検出することができるため,点滅制御部2と検出部5とを信号線で接続する必要がない。点滅制御部2と発光部1とを一体のユニットとし,デジタルカメラ4と検出部5とを別の一体のユニットとし,侵入を検出する境界の両端にこれら2つのユニットを設置するときに,点滅制御部2から検出部5までの距離が数mに及んだとしても,2つのユニットを信号線で接続する必要がなければ,侵入検出装置7の設置は容易である。
【0042】
2.第二実施例
先に説明した第一実施例においては,LED11〜19の発光パターンは点滅制御部2によって生成される制御信号によって制御される。そしてLED11〜19からデジタルカメラ4までの光路に異物が存在しない場合には,個々のLED11〜19の発光パターンに応じて検出部5によって受光信号が生成される。すなわち先に説明した第一実施例においては,LED11〜19からデジタルカメラ4までの光路に異物が存在しない場合には,LED11〜19が発する光によって点滅制御部2から検出部5に制御信号が受光信号として伝送される。そこで,検出部5によって生成される受光信号から時刻情報と個々のLEDの識別情報を得られるように,点滅制御部2が制御信号を生成してもよい。
【0043】
具体的には例えば,LED15に対応する時系列の受光信号がLED15を他のLEDから識別可能な識別情報を構成するように制御信号のLED15に対応する時系列のビット列を生成すればよい。図2に示す時刻t1からt8までの制御信号のLED15に対応する時系列のビット列は,"01001010"である。また図2に示す時刻t1からt8までの制御信号のLED16に対応する時系列のビット列は,"10011001"である。
【0044】
そこで"01001010"がLED15を示し,"10011001"がLED16を示すことを検出部5に予め記憶させておく。すると,検出部5がデジタルカメラ4から取得する画像データの任意の局所領域の輝度値から得る点灯(1)と消灯(0)の時系列信号が"01001010"を示す場合には,その局所領域がLED15に対応していると特定することが可能になる。また,画像データの任意の局所領域の輝度値から得る点灯(1)と消灯(0)の時系列信号が"10011001"を示す場合には,その局所領域がLED16に対応していると特定することが可能になる。このように個々のLEDの制御信号にLEDの識別情報を持たせることによって,デジタルカメラ4から取得する画像データの局所領域と個々のLEDとの対応関係を検出部5において特定可能になる。デジタルカメラ4から取得する画像データの局所領域と個々のLEDとの対応関係を検出部5において特定可能である場合には,デジタルカメラ4と発光部1との位置関係に応じて,個々のLEDの点灯状態を検出するために輝度値を取得する局所領域を設定することが可能となる。その結果,デジタルカメラ4と発光部1との位置関係をある程度自由に設定することができる。
【0045】
また例えば,全てのLED11〜19がある特定の時刻に発する光によってその時刻を特定可能な時刻情報を点滅制御部2から検出部5に伝送することができる。例えば,図2に示す時刻t9において制御信号のLED15〜19に対応する部分のビット列は"01010"である。時刻から制御信号へのエンコード規則を点滅制御部2に記憶しておき,受光信号から時刻へのデコード規則を検出部5に予め記憶しておくことにより,デジタルカメラ4から取得する画像データの任意のフレームと時刻との対応関係を検出部5において特定可能になる。これにより検出部5は,時刻を示す属性情報を付して侵入の有無を検出可能となる。
【0046】
なお,制御信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列は,制御信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列の関数(誤り検出符号)であるため,LEDの識別情報や時刻情報は,制御信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列には持たせることができない。すなわち,第二光マーク群Bに属する各LEDの識別情報や時刻情報をエンコードして制御信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列を生成し,生成した制御信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列の誤り検出符号を制御信号の第一光マーク群Aの部分のビット列として生成すればよい。
【0047】
そこで点滅制御部2は,例えば図6に示すように,全てのLEDの制御信号の周期を9とし,時刻情報を同時に挿入し,第二光マーク群Bに属する個々のLEDの識別情報を時系列に挿入しながら,制御信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列を1周期毎に生成する。そして点滅制御部2は,制御信号の第二光マーク群Bに対応する部分のビット列に基づいて制御信号の第一光マーク群Aに対応する部分のビット列を生成する。この場合,時刻情報を持つ特定時刻の発光パターンが,識別情報を持つ時系列の発光パターンの始点を特定可能な同期信号としての機能も持ち得ることになる。もちろん,全てのLEDを点灯させるような特殊な発光パターンをセットアップのためのリセット信号あるいは同期信号として挿入するといったことも可能である。
【0048】
3.第三実施例
図7は,本発明の第三実施例を示す模式図である。図7に示す円は発光部1のLEDを示し,白円は点灯状態を,ハッチングを付した円は消灯状態を示している。
本実施例においては,発光部1に備わるLEDは制御対象としてブロック化されている。すなわち,発光部1に備わる複数のLEDは,点滅制御部2の制御対象として,第一光マーク群1aと第二光マーク群1bからなる第一光マークブロック1cと,第一光マーク群2aと第二光マーク群2bからなる第二光マークブロック2cと,第一光マーク群3aと第二光マーク群3bからなる第三光マークブロック3cとに分割されている。すなわち,制御信号の第1光マークブロック1cに対応する部分のビット列において,第一光マーク群1aに対応する部分のビット列は第二光マーク群1bに対応する部分のビット列の誤り検出符号を構成している。また,制御信号の第二光マークブロック2cに対応する部分のビット列において,第一光マーク群2aに対応する部分のビット列は第二光マーク群2bに対応する部分のビット列の誤り検出符号を構成している。また,制御信号の第三ブロック3cに対応する部分のビット列において,第一光マーク群3aに対応する部分のビット列は第二光マーク群3bに対応する部分のビット列の誤り検出符号を構成している。
【0049】
また検出部5は,光マークブロックごとに,受光信号の第二光マーク群に対応する部分のビット列から誤り検出符号の検査値を生成し,受光信号の第一光マーク群に対応する部分のビット列と比較する。例えば検出部5は,受光信号の第二光マーク群1bに対応する部分のビット列から生成した誤り検出符号の検査値が受光信号の第一光マーク群1aに対応する部分のビット列と一致しない場合に,第一光マークブロック1cからデジタルカメラ4までの光路において侵入が有ることを検出する。また検出部5は,受光信号の第二光マーク群を構成するLED2bに対応する部分のビット列から生成した誤り検出符号の検査値が受光信号の第一光マーク群を構成するLED2aに対応する部分のビット列と一致しない場合に,第二光マークブロック2cからデジタルカメラ4までの光路において侵入が有ることを検出する。
【0050】
このように本実施例による侵入検出装置7は,光マークブロックに対応する区間ごとに侵入を検出できるため,境界のどの位置において侵入が発生したかを特定することができる。また,侵入検出装置7は,光マークブロックに対応する区間ごとに侵入を検出できるため,境界の特定区間においてのみ侵入を検出し,境界の別の区間においては侵入を検出しないこともできる。例えば,第一光マークブロック1cと第三光マークブロック3cからデジタルカメラ4までの光路において侵入を検出し,第二光マークブロック2cからデジタルカメラ4までの光路においては侵入を検出しない場合,第二光マークブロック2cの検出結果を示す信号を,実際の検出結果にかかわらず,常に,侵入無しを示す値に固定すればよい。
侵入検出装置7によって侵入を検出できる境界に一時的な不感帯を設定できる場合,例えばロボット本体6を稼働させながら,作業者9がロボット本体6へのワークの出し入れを実施することができる。これにより,産業用ロボットと人間が協調して作業する環境を柔軟に設計することが可能になる。
【0051】
4.他の実施形態
以上,本発明の実施形態を実施例に基づいて説明したが,本発明の技術的範囲は上述した実施例に限定されるものではなく,上述した実施例に種々の変更や追加した形態で本発明は実施し得る。
【0052】
例えば,図8Aおよび図8Bに示すようにデジタルカメラ4の受光面と発光部1の発光面を鉛直方向に対向させてもよいし,図8Cに示すようにデジタルカメラ4の受光面と発光部1の発光面を水平方向に対向させてもよい。また例えば図8Dに示すようにロボット本体6の危険領域の境界が曲線を構成している場合には,発光部1の発光面においてLED等の光マークをその曲線に沿って配置しても良い。
【0053】
光マークとしては,LEDの他,蛍光管,電球,レーザー等の光源を用いても良いし,光源から光センサーまでの光路を遮蔽したり開放したりする液晶シャッターを光マークとして用いても良い。
【0054】
また,光マークの受光状態を検出するために用いられる光センサーとしては,エリアイメージセンサーやリニアイメージセンサー等の空間分解能を有する光センサーを用いても良いし,フォトダイオードのように空間分解能を持たない光センサーを用いても良い。フォトダイオードのように空間分解能を持たない光センサーを用いる場合であっても,レーザー等の指向性のある光マークと光センサーとを一対一に組み合わせて複数組を用いれば,ある程度広い境界面において侵入を検出することができる。
【符号の説明】
【0055】
1…発光部,1c…第一光マークブロック,2…点滅制御部,2c…第二光マークブロック,3c…第三光マークブロック,4…デジタルカメラ,5…検出部,6…ロボット本体,7…侵入検出装置,9…作業者,11,12,13,14,15,16,17,18,19…LED,61…ロボットコントローラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
侵入を検出する境界に沿って前記境界に近接して配列された複数の光マークからなる光マーク列と,
光らせる前記光マークを時刻によって異らせる制御信号であって,任意の時刻において,前記光マーク列の一部に対応する前記制御信号の一部は,前記光マーク列の他の一部に対応する前記制御信号の他の一部の誤り検出符号である前記制御信号を生成する点滅制御部と,
前記光マーク列からの光を受光し前記光に応じた信号を出力する光センサーと,
前記光センサーが出力する信号を前記光マーク毎に二値化した受光信号を生成し,前記光マーク列の他の一部に対応する前記受光信号の第一部分に基づいて前記誤り検出符号の検査値を生成し,前記光マーク列の一部に対応する前記受光信号の第二部分と前記検査値とを比較した結果に基づいて前記侵入を検出する検出部と,
を備える侵入検出装置。
【請求項2】
前記第一光マーク列と前記第二光マーク列とを含み前記境界に沿って配列された光マークブロックを複数備える,
請求項1に記載の侵入検出装置。
【請求項3】
前記制御信号は情報を有し,
前記検出部は前記光センサーの出力に基づいて前記情報を取得する,
請求項1または2に記載の侵入検出装置。
【請求項4】
侵入を検出する境界に沿って前記境界に近接して配列された複数の光マークからなる光マーク列と,
光らせる前記光マークを時刻によって異らせる制御信号であって,任意の時刻において,前記光マーク列の一部に対応する前記制御信号の一部は,前記光マーク列の他の一部に対応する前記制御信号の他の一部の誤り検出符号である前記制御信号を生成する点滅制御部と,
前記光マーク列からの光を受光し前記光に応じた信号を出力する光センサーと,
前記光センサーが出力する信号を前記光マーク毎に二値化した受光信号を生成し,前記光マーク列の他の一部に対応する前記受光信号の第一部分に基づいて前記誤り検出符号の検査値を生成し,前記光マーク列の一部に対応する前記受光信号の第二部分と前記検査値とを比較した結果に基づいて前記侵入を検出する検出部と,
前記侵入が検出された場合に所定の処理を起動する起動制御部と,
を備えるロボット。
【請求項5】
前記第一光マーク列と前記第二光マーク列とを含み前記境界に沿って配列された光マークブロックを複数備える,
請求項4に記載のロボット。
【請求項6】
前記制御信号は情報を有し,
前記検出部は前記光センサーの出力に基づいて前記情報を取得する,
請求項4または5に記載のロボット。
【請求項7】
侵入を検出する境界に沿って前記境界に近接して配列された複数の光マークからなる光マーク列と,
前記光マーク列からの光を受光し前記光に応じた信号を出力する光センサーと,
を用いる侵入検出方法であって,
光らせる前記光マークを時刻によって異らせる制御信号であって,任意の時刻において,前記光マーク列の一部に対応する前記制御信号の一部は,前記光マーク列の他の一部に対応する前記制御信号の他の一部の誤り検出符号である前記制御信号を生成し,
前記光センサーが出力する信号を前記光マーク毎に二値化した受光信号を生成し,
前記光マーク列の他の一部に対応する前記受光信号の第一部分に基づいて前記誤り検出符号の検査値を生成し,
前記光マーク列の一部に対応する前記受光信号の第二部分と前記検査値とを比較した結果に基づいて前記侵入を検出する,
ことを含む侵入検出方法。
【請求項8】
侵入を検出する境界に沿って前記境界に近接して配列された複数の光マークからなる光マーク列と,
前記光マーク列からの光を受光し前記光に応じた信号を出力する光センサーと,
に接続されたコンピューターによって実行される侵入検出プログラムであって,
光らせる前記光マークを時刻によって異らせる制御信号であって,任意の時刻において,前記光マーク列の一部に対応する前記制御信号の一部は,前記光マーク列の他の一部に対応する前記制御信号の他の一部の誤り検出符号である前記制御信号を生成する点滅制御手段と,
前記光センサーが出力する信号を前記光マーク毎に二値化した受光信号を生成し,前記光マーク列の他の一部に対応する前記受光信号の第一部分に基づいて前記誤り検出符号の検査値を生成し,前記光マーク列の一部に対応する前記受光信号の第二部分と前記検査値とを比較した結果に基づいて前記侵入を検出する検出手段と,
としてコンピューターを機能させる侵入検出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−83547(P2013−83547A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223653(P2011−223653)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】