説明

侵入検知システム及び侵入検知装置

【課題】1名の設定作業者のみで容易に閾値調整を行うことを可能にする。
【解決手段】送信側漏洩伝送路2と受信側漏洩伝送路3との間に侵入物が侵入したときの上記受信電波の変動量を発報する発報手段5,6と、上記受信側漏洩伝送路を介して上記テーブル15の閾値を変更する信号を発生する遠隔操作部110とにより、閾値設定作業者による上記両伝送路間への試験的侵入による上記発報手段からの上記受信電波の変動量の発報に基づいて、上記遠隔操作部により上記ブロック毎に適正な閾値に調整されることを特徴とする

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、送信側漏洩伝送路から漏洩した検知用信号を受信側漏洩伝送路で受信し、上記両伝送路間への侵入物の侵入による上記受信検知用信号の信号レベルの変化にもとづき侵入物を検知するように構成され、上記送信側漏洩伝送路及び受信側漏洩伝送路に沿って設定された複数個の検出対象のブロック毎に受信電波の変動量の閾値が格納されたテーブルに基づいて上記受信電波の変動量が上記閾値を超えた場合に侵入物が侵入したものと判定する侵入検知システム装置及び侵入検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の侵入検知システムにおいては、特許文献1に示すように、送信側漏洩伝送路から漏洩した検知用信号を受信側漏洩伝送路で受信し、侵入物により検知用信号の信号レベルの変化にもとづき侵入物を検知するように構成されている。各エリアごとに変動量を算出し、変動量が予め定められた閾値を超えた場合、侵入者が侵入したことを検知して警報を発する構成となっている。(例えば特許文献1を参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−179402号公報(図1〜6及びその説明)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2007−179402号の侵入検知装置はエリアごとに閾値を設定する必要がある。閾値設定は該当箇所にいる作業者が試験的に侵入を行い、検知制御部に対している別の作業者が作業者の侵入による電界変動量を観測しその値をもとに閾値を算出し、算出した閾値を検知制御部に入力する。また、複数エリアを地形に合わせてグループ化しブロックとして設定する場合、各エリアが実際に対応する位置を正確に把握する必要がある。その際も、該当箇所にいる作業者が試験的に侵入を行い、検知制御部に対している別の作業者が作業者の侵入による電界変動量を観測し、該当箇所に対応するエリア番号を把握しブロック番号を設定する。したがって、閾値調整およびブロック調整には2名以上の作業者が必要であり、また、お互いの状況を伝達するための通信手段が必要であった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、1名の設定作業者のみで容易に閾値調整を行うことを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る侵入検知システムは、送信側漏洩伝送路から漏洩した検知用信号を受信側漏洩伝送路で受信し、上記両伝送路間への侵入物の侵入による上記受信検知用信号の信号レベルの変化にもとづき侵入物を検知するように構成され、上記送信側漏洩伝送路及び受信側漏洩伝送路に沿って設定された複数個の検出対象のブロック毎に受信電波の変動量の閾値が格納されたテーブルに基づいて上記受信電波の変動量が上記閾値を超えた場合に侵入物が侵入したものと判定する侵入検知システムにおいて、
上記両伝送路間に侵入したときの上記受信電波の変動量を発報する発報手段と、上記受信側漏洩伝送路を介して上記テーブルの閾値を変更する信号を発生する遠隔操作部とにより、閾値設定作業者による上記両伝送路間への試験的侵入による上記発報手段からの上記受信電波の変動量の発報に基づいて、上記遠隔操作部により上記ブロック毎に適正な閾値に調整されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明は、送信側漏洩伝送路から漏洩した検知用信号を受信側漏洩伝送路で受信し、上記両伝送路間への侵入物の侵入による上記受信検知用信号の信号レベルの変化にもとづき侵入物を検知するように構成され、上記送信側漏洩伝送路及び受信側漏洩伝送路に沿って設定された複数個の検出対象のブロック毎に受信電波の変動量の閾値が格納されたテーブルに基づいて上記受信電波の変動量が上記閾値を超えた場合に侵入物が侵入したものと判定する侵入検知システムにおいて、
上記両伝送路間に侵入したときの上記受信電波の変動量を発報する発報手段と、上記受信側漏洩伝送路を介して上記テーブルの閾値を変更する信号を発生する遠隔操作部とにより、閾値設定作業者による上記両伝送路間への試験的侵入による上記発報手段からの上記受信電波の変動量の発報に基づいて、上記遠隔操作部により上記ブロック毎に適正な閾値に調整されることを特徴とするので、1名の設定作業者のみで容易に閾値調整を行うことが可能になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の基本技術である侵入検知システムのシステム構成の一例を図である。
【図2】図1の侵入検知システムによる侵入検知領域における検知対象区分である検知エリア(図及び以下の説明では、単に「エリア」と記す)と検知ブロック(図及び以下の説明では、単に「ブロック」と記す)の例を示す図である。
【図3】図1の侵入検知システムによる侵入検知発報動作の例をフローチャートで示す図である。
【図4】図1の侵入検知システムで使用される閾値・ブロックテーブルの例を示す図で、検知対象区分である各エリアと各ブロックとの関連付け、及び各ブロックに対する侵入検知動作閾値の例を示す図である。
【図5】図1の侵入検知システムにおける侵入による電界変動とブロック毎閾値との関係に基づく侵入検知の説明図である。
【図6】図1の侵入検知システムにおける侵入を的確に検知できる適正な検知判定閾値に設定する概念の一例を説明する図である。
【図7】図1の侵入検知システムにおける侵入を的確に検知できる適正な検知判定閾値に設定する概念の一例を、フローチャートによる閾値設定手順で説明する図である。
【図8】図1の侵入検知システムにおける閾値設定対象の上記ブロックの調整手順をフローチャートで説明する図である。
【図9】この発明の実施の形態1を示す図で、侵入検知システムのシステム構成の一例を図である。
【図10】この発明の実施の形態1を示す図で、図9の侵入検知システムにおける閾値設定の概念の例を説明する図である。
【図11】この発明の実施の形態1を示す図で、図9の侵入検知システムにおけるブロック毎閾値設定調整手順をフローチャートで説明する図である。
【図12】この発明の実施の形態1を示す図で、図9の侵入検知システムにおける遠隔操作用信号発生器の詳細構成の例を示すブロック図である。
【図13】この発明の実施の形態1を示す図で、図9の侵入検知システムにおける遠隔操作用信号送信波形の例を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態1を示す図で、図9の侵入検知システムにおける遠隔操作用信号受信波形の例を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態1を示す図で、閾値調整及び調整閾値入力の操作の手順の例をフローチャートで示す図である。
【図16】この発明の実施の形態1を示す図で、図9の侵入検知システムにおける遠隔操作入力器の詳細構成の例を示す図である。
【図17】この発明の実施の形態1を示す図で、検知対象区分であるブロックの調整手順の例をフローチャートで示す図である。
【図18】この発明の実施の形態1を示す図で、ブロック調整の入力手順の例をフローチャートで示す図である。
【図19】この発明の実施の形態2を示す図で、侵入検知システムのシステム構成の他の例を図である。
【図20】この発明の実施の形態2を示す図で、検知信号と周波数帯が異なる信号を遠隔操作用信号に用いる場合の図19の侵入検知システムにおける遠隔操作用信号発生器112の詳細構成の例1を示すブロック図である。
【図21】この発明の実施の形態2を示す図で、図20の遠隔操作用信号発生器の詳細構成の例1における電波送信器215が送信する遠隔操作用信号である閾値調整用専用信号の信号波形の例を示す図である。
【図22】この発明の実施の形態2を示す図で、検知信号と周波数帯が異なる信号を遠隔操作用信号に用いる場合の、図19の侵入検知システムにおける遠隔操作用信号受信器201の詳細構成の例1を示すブロック図である。
【図23】この発明の実施の形態2を示す図で、検知信号と同じ周波数帯で検知信号と直交するPN符号にて周波数拡散された信号を遠隔操作用信号に用いる場合の図19の侵入検知システムにおける遠隔操作用信号発生器112の詳細構成の例2を示すブロック図である。
【図24】この発明の実施の形態2を示す図で、図23の遠隔操作用信号発生器の詳細構成の例2における電波送信器215が送信する遠隔操作用信号である閾値調整用専用信号の信号波形の例を示す図である。
【図25】この発明の実施の形態2を示す図で、検知信号と同じ周波数帯で検知信号と直交するPN符号にて周波数拡散された信号を遠隔操作用信号に用いる場合の、図19の侵入検知システムにおける遠隔操作用信号受信器201の詳細構成の例2を示すブロック図である。
【図26】この発明の実施の形態3を示す図で、侵入検知システムのシステム構成の更に他の一例を示す図である。
【図27】この発明の実施の形態3を示す図で、図26の侵入検知システムにおける遠隔操作入力器の詳細構成の例を示す図である。
【図28】この発明の実施の形態4を示す図で、侵入検知システムのシステム構成の更に他の一例を示す図である。
【図29】この発明の実施の形態5を示す図で、侵入検知システムのシステム構成の更に他の一例を示す図である。
【図30】この発明の実施の形態6を示す図で、侵入検知システムのシステム構成の更に他の一例を示す図である。
【図31】この発明の実施の形態7を示す図で、侵入検知システムのシステム構成の更に他の一例を示す図である。
【図32】この発明の実施の形態7を示す図で、図31の侵入検知システムにおける遠隔操作入力器の詳細構成の例を示す図である。
【図33】この発明の実施の形態7を示す図で、図31の侵入検知システムにおけるブロック毎閾値設定調整手順をフローチャートで説明する図である。
【図34】この発明の実施の形態7を示す図で、閾値算出関数の例を示す図である。
【図35】この発明の実施の形態7を示す図で、検知対象区分であるブロックの調整手順の他の例をフローチャートで示す図である。
【図36】この発明の実施の形態8を示す図で、侵入検知システムのシステム構成の更に他の一例を示す図である。
【図37】この発明の実施の形態8を示す図で、図36の侵入検知システムにおける遠隔操作入力器の詳細構成の例を示す図である。
【図38】この発明の実施の形態9を示す図で、侵入検知システムのシステム構成の更に他の一例を示す図である。
【図39】この発明の実施の形態9を示す図で、図38の侵入検知システムにおける遠隔操作入力器の詳細構成の例を示す図である。
【図40】この発明の実施の形態10を示す図で、侵入検知システムのシステム構成の更に他の一例を示す図である。
【図41】この発明の実施の形態10を示す図で、図40の侵入検知システムにおける遠隔操作入力器の詳細構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を、この発明の基本技術である侵入検知システムの事例を先に説明した後に説明する。
この発明の基本技術である侵入検知システムについての説明は図1〜図8により、この発明の実施の形態1についての説明は図9〜図18により行う。
【0010】
先ず、この発明の基本技術である侵入検知システムについての説明を図1〜図8により行う。
図1にこの発明の基本技術である侵入検知システムのシステム構成の一例を示す。
図1において、検知信号発生器11は検知用信号を発生させる。検知用信号は疑似ランダム系列(PN系列)をRF帯の正弦波にてBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調した信号である。検知用信号は送信用漏洩伝送路2に印加され、電波として送信される。送信された検知信号は受信用漏洩伝送路3にて受信される。受信される信号は伝搬路により様々な遅延時間をもって受信される。受信信号処理器12にて、受信検知信号と一定時間遅延させた送信信号との相関演算を行うことにより、特定の経路長の信号のみを抽出することができる。
そのため、経路長により区切られたエリアごとに侵入者検知を行うことが可能であり侵入エリアを特定することが可能である。侵入者が送信用漏洩伝送路2または受信用漏洩伝送路3近辺に存在する場合、侵入者により電波が反射・散乱し受信される検知信号に乱れが発生する。この検知信号の乱れを検出することにより侵入者を検知する。
【0011】
次に、検知エリアの設定について述べる。
経路長差が10mとなるようにエリアを区切った場合、送信用漏洩伝送路2および受信用漏洩伝送路3に平行な方向に5mごとにエリアを区切ることができる。実運用において敷設状況や地形に合わせて10m〜20m程度の間隔で検知エリアをブロック化したいという要望がある。このため、複数エリアを1つのブロックとして対応付けることにより、上記の要望に対応できる。
図2に、図1の侵入検知システムによる侵入検知領域における検知対象区分である上記エリアと上記ブロックの例を示す。
【0012】
図3に、図1の侵入検知システムによる侵入検知発報動作の例をフローチャートで示す。
以下、図3により、図1の侵入検知システムによる侵入検知発報動作の例を説明する。
各エリアにおいて、受信される検知信号の乱れの大きさを電界変動量算出器14にて電界変動量として算出する。(ステップST31)
電界変動量算出器14にて算出された電界変動量と、予め閾値・ブロック入力器4にて入力され閾値・ブロックテーブル15に格納された検知判定閾値とを、閾値判定器16により比較し(ステップST32)、比較の結果、検知判定閾値より電界変動量が大きい場合は(ステップST33)、侵入者が存在すると判定し、発報する。発報は検知情報表示器7や音声発生器6や発光器5により警備員や侵入者に知らされる。(ステップST35)
また、閾値・ブロックテーブル15を参照し発報となったエリア番号に対応するブロック番号を求め(ステップST34)、検知情報表示器7に表示する(ステップST35)。例えば、閾値・ブロックテーブルが図4、各エリアの電界変動量が図5のようなとき、これら図4及び図5から明確なように、ブロック2番、エリア5番が発報となる。
【0013】
なお、図4は図1の侵入検知システムで使用される閾値・ブロックテーブルの例を示す図で、検知対象区分である各エリアと各ブロックとの関連付け、及び各ブロックに対する侵入検知動作閾値の例を示す図、図5は図1の侵入検知システムにおける侵入による電界変動とブロック毎閾値との関係に基づく侵入検知の説明図である。
検知信号発生器11、受信信号処理器12、電界変動量算出器14、閾値判定器16、が属する装置を検知制御部1とする。
【0014】
このような侵入検知装置や侵入検知システムでは、送信用漏洩伝送路2及び受信用漏洩伝送路3に使用される漏洩ケーブルの固有特性の差や、送信用漏洩伝送路2及び受信用漏洩伝送路3が敷設される環境差(例えば、侵入検知システム毎に、上記敷設場所が土であるかコンクリートであるかの環境差、周囲建造物の種類の差、敷設される漏洩ケーブルの長さの差、等)等により、エリアごとに受信される電界強度が異なり、エリアごとに侵入者により発生する電波の変動の大きさが異なるため、エリアごとの或いはブロック毎の検知判定閾値は予め設定された固定値とするのではなく、侵入検知装置や侵入検知システム毎に、上記侵入を的確に検知できる適正な検知判定閾値に設定することが好ましい。
【0015】
上記のように、電界変動量算出器14にて算出された電界変動量と、予め閾値・ブロック入力器4にて入力され閾値・ブロックテーブル15に格納された検知判定閾値とを、閾値判定器16により比較し(ステップST32)、比較の結果、検知判定閾値より電界変動量が大きい場合は(ステップST33)、侵入者が存在すると判定する構成としてある場合は、閾値・ブロックテーブル15におけるエリアごとの或いはブロック毎の検知判定閾値を、侵入検知装置や侵入検知システム毎に、上記侵入を的確に検知できる適正な検知判定閾値に設定することが可能である。
【0016】
侵入検知装置や侵入検知システム毎に上記侵入を的確に検知できる適正な検知判定閾値に設定する概念の一例を図6に示し、当該概念の一例を、フローチャートによる閾値設定手順で説明する図を、図7に例示してある。
図6、図7に例示してあるように、作業者Aから作業者Bに侵入開始を指示し(ステップST71)、この指示に従って作業者Bが送信用漏洩伝送路2および受信用漏洩伝送路3近辺の閾値調整対象となる上記指示されたエリアに試験的に侵入を行い(ステップST72)、この試験的侵入に伴う受信電界の変動量に基づき設定すべき閾値を作業者Aが算出する(ステップST73)。
作業者Aは、上記算出した閾値を検知制御部1に入力する(ステップST74)。つまり、検知制御部1の閾値・ブロックテーブル15に、上記算出した閾値を、例えば図4の事例のように設定する。
次いで、作業者Aから作業者Bに再度侵入開始を指示する(ステップST75)。
作業者Bが対象エリアにて侵入を実施する(ステップST76)。
作業者Aが再調整が必要かを判断する(ステップST77)。
ステップST77で作業者Aが再調整が必要かどうか判断した結果、再調整不要であれば、上記作業者Bが試験的に侵入したエリアの閾値設定は終了する。
ステップST77で作業者Aが再調整が必要かどうか判断した結果、再調整が必要であれば、再度、上記ステップST71〜ステップST77の処理が行われる。
【0017】
作業者Aは作業者Bの侵入による電界変動量の変化を検知情報表示器7にて観測する必要があり、検知情報表示器7を確認できる範囲にいる必要がある。検知制御部1は監視の拠点となる建物内または屋外盤に設置され、送信用漏洩伝送路2および受信用送信伝送路3の開始点からは10〜100m程度離れた位置に設置される。そのため、作業者Bが作業者Aを兼ねることはできない。
したがって、閾値調整対象となるエリアにて試験的に侵入を行う作業者Bと検知情報表示器7に表示される作業者Bの侵入による電界変動量を観測し閾値を算出し、算出した閾値を閾値・ブロック入力器4にて検知制御部1に入力する作業者Aの少なくとも2名以上の作業者により、上記侵入を的確に検知できる適正な検知判定閾値の設定作業を実施する必要がある。また、作業者Aと作業者Bの意思疎通のための通信手段8が必要となる。
【0018】
侵入検知システムにおける閾値設定対象の上記ブロックの調整手順をフローチャートで説明する図を、図8に例示してある。
ブロック調整についても、作業者Bによる侵入を行い侵入者による電界変動量が増加するエリア番号と作業者Bが存在するブロック番号の対応を把握し、ブロック番号を設定する必要があり、2名以上の作業者にて実施する必要がある。
【0019】
その手順は、図8に例示してあるように、先ず、作業者Aから作業者Bに侵入開始を指示する(ステップST71)。
作業者Bが対象エリアにて侵入を実施する(ステップST72)。
作業者Aが作業者Bの侵入よる電界変動量を観測したエリア番号とブロック番号の対応を算出する(ステップST81)。
作業者Aは、上記算出したエリア番号とブロック番号の対応を検知制御部1に入力する(ステップST82)。つまり、検知制御部1の閾値・ブロックテーブル15に上記算出したエリア番号とブロック番号の対応を、例えば図4の事例のように設定する。
次いで、作業者Aから作業者Bに再度侵入開始を指示する(ステップST75)。
作業者Bが対象エリアにて侵入を実施する(ステップST76)。
作業者Aが再調整が必要かを判断する(ステップST77)。
ステップST77で作業者Aが再調整が必要かどうか判断した結果、再調整不要であれば、上記作業者Bが試験的に侵入したエリアの上記ブロックの調整・設定は終了する。
ステップST77で作業者Aが再調整が必要かどうか判断した結果、再調整が必要であれば、再度、上記ステップST71、ST72、ST81、ST82、ST75、ST76、ステップST77、の処理が行われる。
【0020】
上述の図1〜図8に例示した事例では、上述のように、閾値調整対象となるエリアにて試験的に侵入を行う作業者Bと検知情報表示器7に表示される作業者Bの侵入による電界変動量を観測し閾値を算出し、算出した閾値を閾値・ブロック入力器4にて検知制御部1に入力する作業者Aの少なくとも2名以上の作業者により、上記侵入を的確に検知できる適正な検知判定閾値の設定作業を実施する必要がある。ブロック調整についても、作業者Bによる侵入を行い侵入者による電界変動量が増加するエリア番号と作業者Bが存在するブロック番号の対応を把握し、ブロック番号を設定する必要があり、2名以上の作業者にて実施する必要がある。また、作業者Aと作業者Bの意思疎通のための通信手段8が必要となる。
【0021】
本実施の形態1は、閾値調整作業およびブロック調整作業を1名の作業者のみにて行うことを可能にするものである。
また、上述の図1〜図8に例示した事例では、本侵入検知装置では微弱の電波を検知信号に用いるため付近にて強力な電波が存在すると受信機が飽和し検知不能となるので、この検知不能状態を察知するため、受信信号強度検出器13にて受信信号強度を観測する必要がある。本実施の形態1では、この受信信号強度検出器13を用いて遠隔操作に必要な情報伝送手段を実現するものである。
【0022】
以下、本実施の形態1を図9〜図18により説明する。
図9に本実施の形態1における侵入検知システムのシステム構成の一例を示す。図10に、図9の侵入検知システムにおける閾値設定の概念の例を説明する図を示す。図11に、図9の侵入検知システムにおけるブロック毎閾値設定調整手順をフローチャートで説明する図を示す。
【0023】
設定作業者が、遠隔操作部110を携帯し、検知対象エリアに侵入し発報するかどうかを確かめる。発報の有無は発報時に音声発生器6により発生させられる音声や、発光器5より発せられる光の点灯にて把握する。
具体的には、調整用検知情報抽出器103が、設定作業者が侵入したエリア番号とブロック番号と当該侵入による電界変動量とを、閾値・ブロックテーブル15及び電界変動量算出器14から抽出し、この抽出したエリア番号とブロック番号と電界変動量とが、音声発生器6により発生させられる音声にて発報され、この発報により上記侵入した設定作業者に、設定作業者が侵入したエリア番号とブロック番号と当該侵入による電界変動量とが知らせられる。
【0024】
設定作業者は侵入時に、上記発報があるか否かと上記発報があった際の電界変動量に基づき設定すべき閾値を遠隔操作部110内の遠隔操作入力器111に入力する。遠隔操作入力器111への入力操作により遠隔操作用信号発生器112にて遠隔操作用信号が送信される。以降、後述の情報伝送手段により、検知制御部1へ情報が伝送される。検知制御部1は遠隔操作用信号にて送信された情報により指定されたエリアの新しい閾値を閾値・ブロックテーブル15に格納する。設定後、設定作業者は確認のため再度侵入を行い上記発報があることを確認する。発報しない場合は、再度上記手順にて閾値設定を行う。
【0025】
次に、本実施の形態1における遠隔操作用情報の伝送手段について述べる。
図12に、図9の侵入検知システムにおける遠隔操作用信号発生器112の詳細構成の例を示すブロック図を示す。
正弦波発生器141にてRF帯の正弦波信号が発生させられる。この正弦波信号を入力する振幅変調器142は、信号処理器143にて制御され、検知制御部1へ送信するディジタルデータに応じて例えばPN符号のような特定のパターンにて強度を変化させた送信用の遠隔操作用信号を発生する。振幅変調器142が発生した送信用の遠隔操作用信号は、信号増幅器144で増幅され、この増幅された送信用の遠隔操作用信号は、電波送信器145により、受信用漏洩伝送路3に電波として送信される。
電波送信器145が送信する遠隔操作用信号の例を図13に示す。
電波送信器145から受信用漏洩伝送路3に電波として送信される送信用の遠隔操作用信号は、定常使用時に送信用漏洩伝送路2から放射される検知用信号と同程度の強度をもつ信号とする。
【0026】
受信用漏洩伝送路3に電波として送信される送信用の遠隔操作用信号は、受信用漏洩伝送路3にて受信され検知用信号と合成され、受信用漏洩伝送路3を経由して検知制御部1にて受信される。
前記設定作業者の侵入による検知信号の変化は一部分の伝搬経路の変化によるものに限定されるため、検知制御部1にて受信される検知信号全体の信号強度の変化は、受信用漏洩伝送路3に電波として送信される送信用の遠隔操作用信号による変化に比べごくわずかであり、検知制御部1にて受信される信号は、ほぼ遠隔操作用信号の強度の変化に伴って受信信号が変化する。従って、RF帯の遠隔操作用信号をベースバンド信号に復調することなく、受信信号強度の変化を検出するだけで遠隔操作用信号を検出でき、簡単な回路にて実現することができる。
この受信信号強度は受信信号強度検出器13にて検出される。受信信号強度検出器13にて検出される受信信号強度の変化の例を図14に示す。
遠隔操作用信号検出器101は、受信信号強度検出器13にて検出された受信信号強度の変化が特定のパターンと合致するかどうかを調べ、遠隔操作用信号を検出し、遠隔操作信号発生器112より送信されたデータを復号する。
【0027】
次に、遠隔操作入力器111への入力手順について、図15、図16により述べる。
閾値調整及び調整閾値入力の操作の手順の例をフローチャートで図15に示す。図9の侵入検知システムにおける遠隔操作入力器111の詳細構成の例を図16に示す。
設定作業者は始点エリア番号入力ボタン121を押下して(ステップST151)、数値入力ボタン132にて新たに閾値を設定する区間の開始点のエリア番号を入力し、入力確定ボタン128を押下し(ステップST152)、入力内容を確定する。
次に、設定作業者は終点エリア番号入力ボタン122を押下し(ステップST153)、数値入力ボタン132にて新たに閾値を設定する区間の終点のエリア番号を入力し、入力確定ボタン128を押下し(ステップST154)入力内容を確定する。
次に、設定作業者は閾値入力ボタン123を押下し(ステップST155)、数値入力ボタン132にて新たに閾値を設定する区間の閾値を入力し、入力確定ボタン128を押下し(ステップST156)、入力内容を確定する。
入力された内容は対象区間エリア番号入力値表示器125、閾値入力値表示器126に表示される。設定作業者は入力された内容が意図しているものと合っているかを確認し(ステップST157)、閾値設定実行ボタン129を押下する(ステップST158)。
閾値設定実行ボタン129が押下されると、信号処理部133は入力内容に合わせて送信データ系列を作成し、遠隔操作用信号発生器112へ伝送する。
情報表示器131はLEDにて構成され、信号処理器133によって制御され、遠隔操作用信号発生器112にて電波送信が行われている間点灯し、設定作業者に送信中であることを知らせる。
【0028】
次に、本実施の形態1でのブロック調整手順について図17を使って述べる。
検知対象区分であるブロックの調整手順の例をフローチャートで図17に示す。
設定作業者は、遠隔操作部110を携帯して、検知対象エリアに侵入する(ステップST111)。
設定作業者は、音声発生器6により発生させられる音声にて、設定作業者のいるエリア番号とブロック番号と電界変動量の値(変動レベル値)とを知らせられる(ステップST112)。
設定作業者は知らされたエリア番号とブロック番号とを基に、ブロック調整の必要の有無を判断し(ステップST171)、必要であれば、対象区間のエリア番号と設定するブロック番号とを遠隔操作入力器111に入力する(ステップST172)。
遠隔操作入力器111への入力操作により遠隔操作用信号発生器112にて遠隔操作用信号が送信される(ステップST115)。以降、上記情報伝送手段により、検知制御部1へ情報が伝送される。
検知制御部1は遠隔操作用信号にて送信された情報により指定されたエリアの新しいブロック番号を閾値・ブロックテーブル15に格納する(ステップST116,117)。
設定後、設定作業者は確認のため再度侵入を行い(ステップST118)、新たなブロック番号が設定されたことを確認する(ステップST173,1110)。再度調整が必要な場合は(ステップST1110)、再度上記手順にてブロック調整を行う。
【0029】
次に、上記ブロック調整での遠隔操作入力器111への入力手順について図18を使って述べる。
ブロック調整の入力手順の例をフローチャートで図18示す。遠隔操作入力器111の詳細な構成は図16に示す。
設定作業者は始点エリア番号入力ボタン121を押下して(ステップST151)、数値入力ボタン132にて新たに閾値を設定する区間の開始点のエリア番号を入力し、入力確定ボタン128を押下し(ステップST181)、入力内容を確定する。
次に、設定作業者は終点エリア番号入力ボタン122を押下し(ステップST153)、数値入力ボタン132にて新たに閾値を設定する区間の終点のエリア番号を入力し、入力確定ボタン128を押下し(ステップST182)、入力内容を確定する。
次に、設定作業者はブロック入力ボタン124を押下し(ステップST183)、数値入力ボタン132にて新たに設定するブロック番号を入力し、入力確定ボタン128を押下し(ステップST184)、入力内容を確定する。
【0030】
入力された内容は、対象区間エリア番号入力値表示器125、ブロック入力値表示器127に表示される。設定作業者は入力された内容が意図しているものと合っているかを確認し(ステップST157)、ブロック設定実行ボタン130を押下する(ステップST185)。
ブロック設定実行ボタン130が押下されると、信号処理部133は入力内容に合わせて送信データ系列を作成し、遠隔操作用信号発生器112へ伝送する。情報表示器131はLEDにて構成され、信号処理器133によって制御され、遠隔操作用信号発生器112にて電波送信が行われている間点灯し、設定作業者に送信中であることを知らせる。
【0031】
なお、遠隔操作入力器111はUSB等のデータ伝送手段にて遠隔操作用信号発生器112と接続され、キーボードやマウスなどの情報入力手段および情報表示手段を備えたPC上のプログラムにて上記機能を実現することも可能である。
遠隔操作入力器111、遠隔操作用信号発生器112が属する装置を遠隔操作部110とする。
【0032】
このような構成にしたので、上述のように、閾値調整作業およびブロック調整作業を1名の作業者のみにて行うことが可能である。
また、送信用の遠隔操作信号を、送信用漏洩伝送路2ではなく、受信用漏洩伝送路3に電波として送信し、受信用漏洩伝送路3にて受信された遠隔操作用信号を検出する構成としたので、送信用漏洩伝送路2に送信する場合に比べ、遥かに小さい電力で遠隔操作用信号を伝送でき、電波法範囲内の送信強度で実現できる。
なお、送信用の遠隔操作信号を、送信用漏洩伝送路2に電波として送信するように構成した場合は、検知信号発生器11から発せられる検知信号と同程度の強度の信号を受信させる必要があるため、送信用の遠隔操作信号を受信用漏洩伝送路3に電波として送信する場合に比べ、遥かに大きな電力で遠隔操作用信号を伝送する必要がある。
【0033】
実施の形態2.
以下、本実施の形態2を、図19〜図25により説明する。
本実施の形態2における侵入検知システムのシステム構成の例を図19に示す。
本実施の形態2では、実施の形態1で示した遠隔操作用情報の伝送手段において、検知信号に影響を与えない信号、例えば検知信号と周波数帯が異なる信号または検知信号と同じ周波数帯で検知信号と直交するPN符号にて符号拡散された信号を用いる。
【0034】
図20に、検知信号と周波数帯が異なる信号を遠隔操作用信号に用いる場合の図19の侵入検知システムにおける遠隔操作用信号発生器112の詳細構成の例を示すブロック図の例を示す。
正弦波発生器211にて検知信号と周波数帯が異なる周波数の正弦波信号が発生させられる。
信号処理器213は検知制御部1へ送信するディジタルデータに応じて同相成分と直交成分を算出する。
正弦波発生器211にて発生させられた正弦波信号は直交変調器212に入力される。
直交変調器212にて、入力された正弦波(例えばcos(ωt))に同相成分を乗算したものと、入力された正弦波の位相をπ/2遅延させた信号(例えばsin(ωt))に直交成分を乗算したものを合成した信号を作成する。これにより、検知制御部1へ送信するディジタルデータに応じて正弦波の位相を変化させた送信用の遠隔操作用信号を発生する。
直交変調器212が発生した送信用遠隔操作用信号は、信号増幅器214で増幅され、この増幅された送信用の遠隔操作用信号は、電波送信器215により、受信用漏洩伝送路3に電波として送信される。
【0035】
図20の電波送信器215が送信する遠隔操作用信号の例を図21に示す。
図21はQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)にて変調された信号の例を示している。図示のように、QPSKでは2ビットのディジタルデータをπ/2ずつ離れた4つの位相にて伝送する。
図22に、検知信号と周波数帯が異なる信号を遠隔操作用信号に用いる場合の、図19の侵入検知システムにおける遠隔操作用信号受信器201の詳細構成の例を示すブロック図の例を示す。
受信された信号は信号増幅器221にて増幅され、帯域通過フィルタ222に入力される。帯域通過フィルタ222にて遠隔操作用信号の帯域外の検知信号およびノイズ成分が除去される。
正弦波発生器224にて図20の正弦波発生器211と同一の周波数の正弦波信号が発生させられる。
帯域通過フィルタ222を通過した受信信号と正弦波発生器224にて発生させられた正弦波信号は直交検波器223に入力され、直交検波器223にて同相成分と直交成分を抽出し遠隔操作部から送信されたディジタルデータを復号する。
【0036】
図23に、検知信号と同じ周波数帯で検知信号と直交するPN符号にて周波数拡散された信号を遠隔操作用信号に用いる場合の図19の侵入検知システムにおける遠隔操作用信号発生器112の詳細構成の例を示すブロック図の例を示す。
正弦波発生器211にて検知信号と同じ周波数帯の正弦波信号が発生させられる。
信号処理器213は検知制御部1へ送信するディジタルデータに応じて同相成分と直交成分を算出する。
正弦波発生器211にて発生させられた正弦波信号は直交変調器212に入力される。直交変調器212にて、入力された正弦波(例えばcos(ωt))に同相成分を乗算したものと、入力された正弦波の位相をπ/2遅延させた信号(例えばsin(ωt))に直交成分を乗算したものを合成した信号を作成される。これにより、検知制御部1へ送信するディジタルデータに応じて正弦波の位相を変化させた信号を発生する。
【0037】
PN符号発生器217は検知信号で用いるPN符号と直交した(相互相関の小さい)PN符号を発生させる。
直交変調器212が発生した信号は、乗算器216にてPN符号発生器217にて発生させられたPN符号を乗算され周波数拡散される。周波数拡散された送信用遠隔操作用信号は信号増幅器214で増幅され、この増幅された送信用の遠隔操作用信号は、電波送信器215により、受信用漏洩伝送路3に電波として送信される。
【0038】
図23の電波送信器215が送信する遠隔操作用信号の例を図24に示す。
図24はQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)にて変調された信号をPN符号にて周波数拡散した信号の例を示している。図示のように、QPSKでは2ビットのディジタルデータをπ/2ずつ離れた4つの位相にて伝送するため、図24に示す信号は送信される2ビットのディジタルデータに対応した位相をもち、PN符号にて一部位相が反転させられている。
【0039】
図25に、検知信号と同じ周波数帯で検知信号と直交するPN符号にて周波数拡散された信号を遠隔操作用信号に用いる場合の、図19の侵入検知システムにおける遠隔操作用信号受信器201の詳細構成の例を示すブロック図の例を示す。
受信された信号は信号増幅器221にて増幅され、帯域通過フィルタ222に入力される。帯域通過フィルタ222にて遠隔操作用信号の帯域外のノイズ成分が除去される。
正弦波発生器224にて図20の正弦波発生器211と同一の周波数の正弦波信号が発生させられる。
受信信号と正弦波発生器224にて発生させられた正弦波信号は直交検波器223に入力され、直交検波器223にて同相成分と直交成分を抽出する。
【0040】
PN符号発生器225にて図23のPN符号発生器217と同一のPN符号が発生させられる。
相関演算器225にてPN符号発生器217にて発生させられたPN符号と、直交検波器223にて抽出した同相成分および直交成分との相関演算を行うことにより周波数拡散前の同相成分と直交成分を復調(逆拡散)し送信されたディジタルデータを復調する。このとき、受信信号に含まれる検知信号はPN符号発生器217にて発生させられるPN符号と直交している(相関が小さい)ため除去される。
【0041】
図19における遠隔操作部110から検知制御部1への閾値設定およびブロック設定のための情報を伝送するためのディジタルデータの伝送方式はPSK(Phase Shift Keying)またはQAM(Quadrature Amplitude Modulation)またはASK(Amplitude Shift Keying)を用いる。これにより高速な情報伝送が可能になる。また、同じ周波数帯の信号を用いた場合、受信器を検知信号用のものと共有する構成とすることにより、装置構成を簡略化できる。
【0042】
実施の形態3.
以下、本実施の形態3を図26及び図27によって説明する。
本実施の形態3における侵入検知システムのシステム構成の例を図26に示し、図26の侵入検知システムにおける遠隔操作入力器の詳細構成の例を図27に示す。
本実施の形態3では、実施の形態1のシステム構成において、検知制御部側携帯電話301と遠隔操作部側携帯電話303とを用いて、遠隔操作部110と検知制御部1の通信に既存の携帯電話回線302を用いる。
【0043】
実施の形態3では検知制御部1から遠隔操作部110への情報伝送が可能となる。検知制御部1より侵入時に電界変動量の増加したエリア番号、ブロック番号、およびそのときの電界変動量の値が遠隔操作部110へ伝送される。遠隔操作部110に遠隔操作用検知情報表示器304を設け、検知制御部から送られてくる情報を遠隔操作用検知情報表示器304に表示して設定作業者へ伝える。
具体的には、検知制御部側携帯電話301はUSB等のデータ通信用ケーブルで検知制御部1と接続されている。また、遠隔操作部側携帯電話303はUSB等のデータ通信用ケーブルにて遠隔操作部110と接続されている。
閾値調整およびブロック調整の作業前に、作業者の操作により遠隔操作部側携帯電話303から検知制御部側携帯電話301に発信する。検知制御部側携帯電話301が自動で着信を受け付けることにより回線が確立される。
遠隔操作部110から検知制御部1への情報伝送および検知制御部1から遠隔制御部110への情報伝送は、携帯電話回線によるデータ伝送にて実現される。
【0044】
調整用検知情報抽出器103にて侵入時に電界変動量の増加したエリア番号、ブロック番号、およびそのときの電界変動量の値を抽出し、データ伝送用ケーブルを経由して検知制御部側携帯電話301へ伝送する。
伝送された情報は携帯電話回線302を経由して遠隔操作部側携帯電話303へ伝送される。
遠隔操作用検知情報表示器304は遠隔操作部側携帯電話303に伝送された情報をデータ伝送ケーブル経由で受信し侵入時に電界変動量の増加したエリア番号、ブロック番号、およびそのときの電界変動量の値を表示する。
遠隔操作入力器111に入力する情報および入力方法は実施の形態1と同様であり、遠隔操作入力器111に入力された情報はデータ伝送用ケーブルを経由して遠隔操作部側携帯電話303へ伝送される。伝送された情報は携帯電話回線302を経由して検知制御部側携帯電話301へ伝送される。
テーブル更新器102は検知制御部側携帯電話301に伝送された情報をデータ伝送ケーブル経由で受信し、伝送された情報に基づいて閾値・ブロックテーブルを更新する。
【0045】
携帯電話が利用可能な地域であれば、容易に検知制御部1と遠隔操作部間110の双方向の情報伝送手段を得ることができる。また、遠隔操作用検知情報表示器304に表示するので、実施の形態1および2の音声による作業者への伝達に比べ検知制御部1からの情報を正確に把握しやすくなる。
【0046】
実施の形態4.
本実施の形態4を、本実施の形態4における侵入検知システムのシステム構成の例を示す図28によって説明する。
本実施の形態4では、実施の形態2のシステム構成において、検知制御部1に検知情報伝送用信号送信器401を、遠隔操作部110に検知情報伝送用信号受信器402を、それぞれ設け、検知制御部1から遠隔操作部110への情報伝送を可能にする。
【0047】
具体的には、検知情報伝送用信号送信器401により検知制御部1からの侵入時に電界変動量の増加したエリア番号、ブロック番号、およびそのときの電界変動量の値を伝送するための検知情報伝送用信号を検知信号に重畳し送信用漏洩伝送路2に印加する。
検知情報伝送用信号は送信用漏洩伝送路2を経由して遠隔操作部110へ送られる。
遠隔操作部110では検知情報伝送用信号受信器402を設け検知情報伝送用信号を受信する。
伝送された検知情報は遠隔操作部110の遠隔操作用検知情報表示器304にて表示され設定作業者に知らせられる。
遠隔操作入力器111と遠隔操作用検知情報表示器304の詳細構成は、実施の形態3に記載のものとする。検知操作部1から遠隔操作部110への情報伝送の方式は実施の形態2に記載のものとする。
携帯電話回線を経由せずに双方向の通信が可能になり、安価で秘匿性の高い通信が可能になる。
【0048】
実施の形態5.
本実施の形態5を、本実施の形態5における侵入検知システムのシステム構成の例を示す図29によって説明する。
本実施の形態5では、実施の形態4のシステムにおいて、遠隔操作用信号受信器201と検知情報伝送用信号送信器401とを遠隔操作補助部501として検知制御部1に取り付け可能な外部部品とする。
これにより、既存の装置を変更することなく遠隔操作機能を追加することが可能となる。
また、実施の形態1について受信信号強度検出器13と遠隔操作用信号検出器101を外付け部品とする構成としてもよい。また、実施の形態2について遠隔操作用信号受信器201を外付け部品とする構成としてもよい。
【0049】
実施の形態6.
本実施の形態6を、本実施の形態6における侵入検知システムのシステム構成の例を示す図30によって説明する。
本実施の形態6では、実施の形態4のシステムにおいて、検知制御部1から遠隔操作部110への情報伝送手段に可聴域の音声または超音波による通信を用いる。
検知制御部1内に設けた検知情報伝送用音声信号発生器601より検知情報伝送用音声信号を発生させ、検知制御部1に接続された音声発生器6により検知情報伝送用音声信号を出力する。
出力される信号は可聴域の音声または可聴域より高い周波数の超音波であってもよい。また、出力される信号は伝送するディジタルデータに応じて周波数または振幅または位相が特定のパターンで変化する信号を用いる。
検知情報伝送用信号受信器602は受信される音声信号から特定のパターンを抽出し送信されたディジタルデータを復調する。また、出力される信号は人が聞くことができる音声として、検知情報伝送用信号受信器602は音声を認識するものとして実現してもよい。
これにより、装置を追加することなく検知制御部1から遠隔操作部110への情報伝送手段を得ることができる。
【0050】
実施の形態7.
以下、本実施の形態7を図31〜図35によって説明する。
本実施の形態7における侵入検知システムのシステム構成の例を図31に、図31の侵入検知システムにおける遠隔操作入力器の詳細構成の例を図32に、図31の侵入検知システムにおけるブロック毎閾値設定調整手順をフローチャートで図33に、閾値算出関数の例を図34に、検知対象区分であるブロックの調整手順の他の例をフローチャートで図5に、それぞれ示す。
実施の形態7では閾値調整と合わせてブロック調整を行うことが可能である。
設定作業者は、対象エリアのブロック番号を遠隔操作入力器111に入力する(ステップST331)。ブロック調整を行わず閾値調整のみを行う場合はブロック番号を入力しなくてもよい。
【0051】
次に、遠隔操作入力器111の閾値調整用侵入開始ボタン711を押下する(ステップST332)。閾値調整用侵入開始ボタン711が押下されると、遠隔操作信号発生器112から実施の形態1に記載の信号伝送手段にて検知制御部1に閾値調整侵入開始の情報が伝送される(ステップST333)。検知制御部1にて遠隔操作入力器に入力された内容と閾値調整侵入開始の情報が受信されると、閾値調整モードに移行する(ステップST335)。閾値調整モードに移行したことは、音声発生器6にて発生させられる音声にて作業者に知らせられる(ステップST336)。
【0052】
次に、作業者は対象エリアへ侵入を開始する(ステップST337)。検知制御部1はこの侵入による電界変動量の上昇を観測して(ステップST338)、閾値算出器702にて設定すべき閾値を自動で算出し(ステップST339)、算出した閾値を閾値・ブロックテーブル15に格納する(ステップST3310)。また、侵入時に電界変動レベルが上昇したエリア番号について、遠隔操作入力器111に入力されたブロック番号を閾値・ブロックテーブル15に格納する(ステップST3311)。その後、作業者は再度侵入を行い(ステップST3312)、正しく設定されたことを確認する(ステップST3313)。
【0053】
図34に閾値算出関数の例を示す。
作業者による侵入時の電界変動量に応じて図34に示すような関数にて閾値を算出することにより自動で適正な閾値を算出することが可能になる。例えば、あるエリアにおける作業者による侵入時の電界変動量が80となった場合、そのエリアの閾値は62に設定される。
また、ブロック調整のみを行うことも可能である。図35にブロック調整のみを行う場合の手順をフローチャートで示す。
設定作業者は、対象エリアのブロック番号を遠隔操作入力器111に入力する(ステップST331)。
【0054】
次に、遠隔操作入力器111のブロック調整用侵入開始ボタン712を押下する(ステップST351)。
ブロック調整用侵入開始ボタン712が押下されると、遠隔操作信号発生器112から実施の形態1に記載の信号伝送手段にて検知制御部1にブロック調整侵入開始の情報が伝送される(ステップST333)。
検知制御部1にて遠隔操作入力器に入力された内容と閾値調整侵入開始の情報が受信されると、ブロック調整モードに移行する(ステップST352)。ブロック調整モードに移行したことは、音声発生器6にて発生させられる音声にて作業者に知らせられる(ステップST353)。
【0055】
次に、作業者は対象エリアへ侵入を開始する(ステップST337)。
検知制御部1は侵入時に電界変動レベルが上昇したエリア番号について、遠隔操作入力器111に入力されたブロック番号を閾値・ブロックテーブル15に格納する(ステップST3311)。
その後、設定作業者は再度侵入を行い(ステップST3312)、正しく設定されたことを確認する(ステップST354)。
これにより、従来よりも容易に閾値調整を行うことが可能となる。
【0056】
実施の形態8.
以下、本実施の形態8を図36及び図37によって説明する。
本実施の形態8における侵入検知システムのシステム構成の例を図36に示し、図36の侵入検知システムにおける遠隔操作入力器の詳細構成の例を図37に示す。
本実施の形態8では、実施の形態1のシステム構成において遠隔操作入力器111に音声入力器801や文字入力器802を接続する機構を追加し、実施の形態1に記載の情報伝送手段にて音声情報や文字情報を伝送する。
音声入力器入力端子811にてマイクなど音声入力器を接続する。文字入力器接続端子812にてキーボードなど文字入力器を接続する。文字入力器との接続は、例えばUSB等の接続手段により実現する。また、遠隔操作入力器111に音声入力器および文字入力器を備えた構成としてもよい。
【0057】
次に、音声情報の伝送の手順について述べる。
設定作業者Bは、遠隔操作入力器111の音声入力ボタン813を押下したままで音声入力器801に向けて音声を入力する。
遠隔操作入力器111は音声入力ボタン813が押下されると、音声通信開始信号を検知制御部1へ伝送する。
また、遠隔操作入力器111は音声入力ボタンが押下されている間は音声通信モードに移行し、入力される音声信号をディジタルデータに変換し検知制御部1へ伝送し続ける。
検知制御部は音声通信開始信号を受信すると、音声通信モードに移行し受信した音声情報のディジタルデータを音声信号に変換し音声出力器6にて出力する。
【0058】
次に、文字情報の伝送の手順について述べる。
設定作業者Bは遠隔操作入力器111の文字入力ボタン814を押下した後、文字入力器802にて文字を入力する。
入力した文字は文字入力表示器815に表示される。
設定作業者Bは入力した文字を確認し文字情報送信ボタン816を押下する。
文字情報送信ボタン816が押されると遠隔操作入力器111は文字データを検知制御部1へ送信する。
検知制御部1は受信した文字データを検知情報表示器7に表示する。
遠隔操作入力器111から検知制御部1への情報伝送は実施の形態1または実施の形態2に記載の手段にて行う。
これにより、検知制御部1の近辺にいる作業者Aは、検知対象エリアの状況を把握して効率よく閾値調整をすることが可能となる。既存の通信手段よりも安価で、かつ秘匿性の高い情報伝送が可能となる。
【0059】
実施の形態9.
以下、本実施の形態9を図38及び図39によって説明する。
本実施の形態9における侵入検知システムのシステム構成の例を図38に示し、図36の侵入検知システムにおける遠隔操作入力器の詳細構成の例を図39に示す。
本実施の形態9では、実施の形態1の構成において遠隔操作入力器111に計測器901を接続する機構を追加し、送信用漏洩伝送路2または受信用漏洩伝送路3の近辺に遠隔操作入力器111に接続した例えばスペクトラムアナライザなどの計測器901を設置し、実施の形態1または実施の形態2に記載の情報伝送手段にてスペクトラムアナライザなどの測定情報を伝送する。
計測器接続端子911にてスペクトルアナライザ等の計測器901と接続する。計測器901との接続は、例えばGPIBやUSB等によって実現する。
【0060】
次に、計測器情報の伝送の手順について述べる。
作業者は遠隔操作入力器111の計測器情報送信ボタン912を押下する。遠隔操作入力器111は計測器情報送信ボタン912が押下されると、接続している計測器901と通信し測定情報を入手する。入手した測定情報を検知制御部1へ送信する。
伝送された測定情報は計測器情報表示器7にて表示される。
測定情報は検知信号の送信レベル調整や閾値調整に利用可能である。また、測定情報を検知制御部1に取り込み、自動で上記設定を実施する構成としてもよい。
これにより、検知制御部1の近辺にいる作業者は、検知対象エリアの電波伝搬状況を把握して効率よく閾値調整をすることが可能となる。既存の通信手段を利用するよりも安価で、かつ秘匿性の高い情報伝送が可能となる。
【0061】
実施の形態10.
以下、本実施の形態10を図40及び図41によって説明する。
本実施の形態10における侵入検知システムのシステム構成の例を図40に示し、図36の侵入検知システムにおける遠隔操作入力器の詳細構成の例を図41に示す。
本実施の形態10では、実施の形態1において、遠隔操作部1にGPS(Global Positioning System)受信機能、作業指示機能、リズム発生機能、閾値計算機能を追加する。
【0062】
次に、GPS受信機能について述べる。
遠隔操作入力器111のGPS情報取得ボタン1013が押下されると、GPS衛星からの信号をGPS受信器1019にて受信し設定作業者が存在する地点の位置情報を算出し、算出した位置情報をGPS情報表示器1011に表示する。
GPS情報送信ボタン1014が押下されるとGPS情報を検知制御部1へ送信する。
GPSによる位置情報を取得することによりブロックの設定位置を正確に把握することが可能となる。
【0063】
次に、作業指示機能について述べる。
作業指示ボタン1015を押下すると作業指示器1021より作業者が行うべき作業を遠隔操作部音声発生器1012から発する音声にて指示する。指示に従うだけで閾値調整を行うことができる。
次に、リズム発生機能について述べる。
リズム発生ボタン1017を押下するとリズム発生器1022より一定のリズムを遠隔操作部音声発生器1012から発する。
作業者はリズムに合わせて侵入動作をすることにより、一定速度での侵入動作を行うことが可能になり、動作速度による電界変動量のばらつきを小さくすることができ閾値のばらつきを小さくすることが可能になる。
【0064】
次に閾値計算機能について述べる。
閾値計算ボタン1018を押下し電界変動量を数値入力ボタン132より入力すると遠隔操作部閾値計算器1020により電界変動量から設定すべき閾値を算出する。
これにより、作業者の負担を軽減することができる。
【0065】
なお、各図中、同一符合は同一又は相当部分を示す。
【符号の説明】
【0066】
1 検知制御部、
2 送信用漏洩伝送路、
3 受信用漏洩伝送路、
4 閾値・ブロック入力器、
5 発光器、
6 音声発生器、
7 検知情報表示器、
11 検知信号発生器、
12 受信信号処理器、
13 受信信号強度検出器、
14 電界変動量算出器、
15 閾値・ブロックテーブル、
16 閾値判定器、
101 遠隔操作用信号検出器、
102 テーブル更新器、
103 調整用検知情報抽出器、
110 遠隔操作部、
111 遠隔操作入力器、
112 遠隔操作用信号発生器、
121 始点エリア番号入力ボタン、
122 終点エリア番号入力ボタン、
123 閾値入力ボタン、
124 ブロック入力ボタン、
125 対象区間エリア番号入力値表示器、
126 閾値入力値表示器、
127 ブロック入力値表示器、
128 入力確定ボタン、
129 閾値設定実行ボタン、
130 ブロック設定実行ボタン、
131 設定状況表示器、
132 数値入力ボタン、
133 信号処理器、
141 正弦波発生器、
142 振幅変調器、
143 信号処理器、
144 信号増幅器、
145 電波送信器、
201 遠隔操作用信号受信器、
211 正弦波発生器、
212 直交変調器、
213 信号処理器、
214 信号増幅器、
215 電波送信器、
216 乗算器、
217 PN符号発生器、
221 信号増幅器、
222 帯域通過フィルタ、
223 直交検波器、
224 正弦波発生器、
225 相関演算器、
301 検知制御部側携帯電話、
302 携帯電話回線、
303 遠隔操作部側携帯電話、
304 遠隔操作用検知情報伝表示器、
401 検知情報伝送用信号送信器、
402 検知情報伝送用信号受信器、
501 遠隔操作補助部、
601 検知情報伝送用音声信号発生器、
602 検知情報伝送用音声信号受信器、
701 閾値調整モード切替器、
702 閾値算出器、
711 閾値調整用侵入開始ボタン、
712 ブロック調整用侵入開始ボタン、
801 音声入力器、
802 文字入力器、
803 音声・文字情報出力器、
811 音声入力端子、
812 文字入力端子、
813 音声入力ボタン、
814 文字入力ボタン、
815 文字入力表示器、
816 文字情報送信ボタン、
901 計測器、
902 計測器情報出力器、
911 計測器接続端子、
912 計測器情報送信ボタン、
1001 GPS情報出力器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信側漏洩伝送路から漏洩した検知用信号を受信側漏洩伝送路で受信し、上記両伝送路間への侵入物の侵入による上記受信検知用信号の信号レベルの変化にもとづき侵入物を検知するように構成され、上記送信側漏洩伝送路及び受信側漏洩伝送路に沿って設定された複数個の検出対象のブロック毎に受信電波の変動量の閾値が格納されたテーブルに基づいて上記受信電波の変動量が上記閾値を超えた場合に侵入物が侵入したものと判定する侵入検知システムにおいて、
上記両伝送路間に侵入したときの上記受信電波の変動量を発報する発報手段と、上記受信側漏洩伝送路を介して上記テーブルの閾値を変更する信号を発生する遠隔操作部とにより、閾値設定作業者による上記両伝送路間への試験的侵入による上記発報手段からの上記受信電波の変動量の発報に基づいて、上記遠隔操作部により上記ブロック毎に適正な閾値に調整されることを特徴とする侵入検知システム。
【請求項2】
監視エリア内の侵入検知のためのSS(Spread Spectrum)拡散された検知信号を発生させ
る検知信号発生器と、受信された検知信号からSS(Spread Spectrum)逆拡散処理により特
定の経路長の信号のみを抽出する受信信号処理器と、特定の経路長を経て受信された信号の変動量を計算する電界変動量算出器と、予め定められた閾値およびエリア番号とブロック番号の対応を格納する閾値・ブロックテーブルと、受信電界の変動量と閾値・ブロックテーブルに格納された閾値とを比較し電界変動量が閾値を超えた場合にエリア内に侵入者が存在することを検知する閾値判定器、によって構成された検知制御部と、
上記検知制御部に接続され検知信号を電波として放射する送信用漏洩伝送路と、
上記検知制御部に接続され上記送信用漏洩伝送路と離間して敷設され上記送信用漏洩伝送路から放射された電波を受信する受信用漏洩伝送路と、
上記検知制御部に接続され侵入があったことを光および音声で監視員および侵入者へ知らせる発光器および音声発生器と、
上記検知制御部に接続され侵入のあったエリア番号とブロック番号を画面上に表示する検知情報表示器と、
を有する侵入検知装置において、
上記検知制御部に侵入時の電界変動量の変化を観測し電界変動量が増加したエリア番号とブロック番号と電界変動量の最大値を算出する調整用検知情報抽出器を備え、
上記調整用検知情報抽出器にて抽出された情報が上記音声発生器にて発せられる音声にて上記受信用漏洩伝送路の近傍に在する設定作業者に伝えられ、その情報を基に上記設定作業者が閾値調整およびブロック調整に必要な情報を入力する遠隔操作入力器と、遠隔操作入力器によって入力された情報をディジタルデータとして特定のパターンで信号強度を変化させた信号を発生させることにより送信する遠隔操作用信号発生器とによって構成された遠隔操作部と、
上記遠隔操作用信号発生器にて発生させられた信号が上記受信用漏洩伝送路にて受信されることによる受信信号強度の変化を検出する受信信号強度検出器と、受信信号強度検出器にて検出した受信信号強度の変化と遠隔操作用信号で送信される特定のパターンとを比較し送信されたディジタルデータを検出し閾値調整およびブロック調整に必要な情報を検出する遠隔操作用信号検出器と、遠隔操作用信号検出器にて検出した情報から新たな閾値とエリア番号とブロック番号の対応を閾値・ブロックテーブルに格納するテーブル更新器を検知制御部に備えている
ことを特徴とする侵入検知装置。
【請求項3】
請求項2に記載の侵入検知装置において、上記遠隔操作用信号発生器は遠隔操作入力器によって入力された情報をディジタルデータとして検知信号と直交する信号にてASK(Amplitude Shift Keying)またはPSK(Phase Shift Keying)またはQAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式にて伝送する信号を発生させることにより送信する手段とし、上記遠隔操
作用信号発生器にて発生させられた信号が上記受信用漏洩伝送路にて受信され、受信された信号から送信された情報を検出する遠隔操作用信号受信器を検知制御部に備えていることを特徴とする侵入検知装置。
【請求項4】
請求項2に記載の侵入検知装置において、上記調整用検知情報抽出器にて抽出した情報を携帯電話回線経由で送信する検知制御部側携帯電話と、携帯電話回線経由で上記検知制御部側携帯電話から送信された情報を受信する遠隔操作部側携帯電話と、上記受信された情報を表示する遠隔操作用検知情報表示器を有し、上記遠隔制御部側携帯電話は上記遠隔操作入力器にて入力された情報を送信し、上記検知制御部側携帯電話は上記遠隔制御部側携帯電話からの情報を受信する機能を備えていることを特徴とする侵入検知装置。
【請求項5】
請求項2に記載の侵入検知装置において、上記調整用検知情報抽出器にて抽出した情報を請求項3に記載の方式にて伝送するための信号を検知信号に重畳し上記送信用漏洩伝送路にて送信する検知情報伝送用信号送信器と、送信された検知情報伝送用信号を受信する検知情報伝送用信号受信器と、受信した情報を表示する遠隔操作用検知情報表示器を備えていることを特徴とする侵入検知装置。
【請求項6】
請求項2、請求項3、および請求項5の何れか一に記載の侵入検知装置において、上記受信信号強度検出器、上記遠隔操作用信号検出器、上記遠隔操作用信号受信器、および上記検知情報伝送用信号送信器を、上記検知制御部に対して外部取り付けが可能な遠隔操作補助部として構成したことを特徴とする侵入検知装置。
【請求項7】
請求項2または請求項3に記載の侵入検知装置において、上記調整用検知情報抽出器にて抽出した情報をディジタルデータとして伝送するため特定のパターンで位相または振幅または周波数を変化させた可聴域または超音波の音声信号または人が聞きとることが可能な音声信号を生成する検知情報伝送用音声信号発生器と、この検知情報伝送用音声信号発生器にて生成された音声信号を上記音声発生器にて発生させ、上記音声発生器にて発せられる音声を受信し送信された情報を検出するまたは音声を認識し情報を抽出する検知情報伝送用音声信号受信器と、受信した情報を表示する遠隔操作用検知情報表示器と、を備えていることを特徴とする侵入検知装置。
【請求項8】
請求項2に記載の侵入検知装置において、上記遠隔操作入力器は閾値自動調整モードの開始を入力する機能をもち、上記遠隔操作用信号発生器は請求項1乃至6のいずれか一に記載の手段にて閾値調整開始の情報を上記検知制御部に属する閾値調整モード切替器に伝送する機能をもち、閾値調整開始の情報を受信すると閾値調整モードに移行する閾値調整モード切替器と、上記閾値調整モード移行後に設定作業者により侵入を行いその際の変動量から設定すべき閾値を自動で算出する閾値算出器と、を備えていることを特徴とする侵入検知装置。
【請求項9】
請求項2または請求項3に記載の侵入検知装置において、設定作業者が上記検知制御部付近にいる別の作業者へ伝える音声情報を入力するための音声入力器と、作業者が検知制御部付近にいる別の作業者へ伝える文字情報を文字情報入力器を有し、上記遠隔操作入力器は上記音声入力器および上記文字入力器と接続する機構をもち、上記遠隔操作用信号発生器は上記音声入力器および上記文字入力器にて入力された情報を請求項1乃至6のいずれか一に記載の手段にて上記検知制御部へ伝送する機能をもち、入力された音声情報および文字情報を上記音声発生器および上記検知情報表示器に出力する音声・文字情報出力器を備えていることを特徴とする侵入検知装置。
【請求項10】
請求項2に記載の侵入検知装置において、上記遠隔操作入力器は計測器と接続する機構をもち、上記遠隔操作入力器は計測器の測定情報を抽出する機能をもち、上記遠隔操作用
信号発生器は請求項1乃至6のいずれか一に記載の手段にて計測器の測定情報を検知制御部へ伝送する機能をもち、上記音声発生器および上記検知情報表示器に計測器情報を出力する計測器情報出力器を備えていることを特徴とする侵入検知装置。
【請求項11】
請求項2乃至10に何れか一に記載の遠隔操作入力器において、GPS信号を受信するGPS受信器と、受信したGPS情報を表示するGPS情報表示器と、設定作業者が行うべき動作を指示するための音声信号を発生させる作業指示器と、作業指示器より発生させられる音声信号を音声として出力し作業者へ伝える遠隔操作部音声発生器と、作業者が一定の速度で動作できるよう一定のリズム信号を上記遠隔操作部音声発生器で発するための音声信号を発生させるリズム発生器と、侵入時の電界変動量を入力し設定すべき閾値を算出する遠隔操作部閾値算出器と、遠隔操作部閾値算出器にて算出した閾値を表示する閾値計算値表示器と、遠隔操作用信号発生器は請求項1乃至6のいずれかに記載の手段にてGPS受信器によ
り得られたGPS情報を検知制御部へ伝送する機能をもち、音声発生器および検知情報表示
器にGPS情報を出力するGPS情報出力器備えた侵入検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2013−3713(P2013−3713A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132231(P2011−132231)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】