説明

保護されたポータブル記憶媒体の解除方法

本発明は、コンテンツを妨害するためにポータブル記憶媒体に備えられた手段に対し、その解除を可能にする方法、メディア再生機(10)及びポータブル記憶媒体(8)、並びにポータブル記憶媒体上のコンテンツを妨害する手段の解除を可能にする方法、サーバ(36)及びコンピュータプログラムに関する。メディア再生機は媒体の識別子(DID)及びメディア再生機識別子(PID)を取得し、少なくともこれらの識別子に基づいて中間暗号鍵(I_K)を生成し、且つ中間暗号鍵をサーバ(36)に送信する。そして、サーバは少なくとも中間暗号鍵を用いて解除鍵(U_K)を暗号化し、暗号化された解除鍵([U_K])を再生機に送信する。そして、再生機は、媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げる手段が解除されるように、少なくとも中間暗号鍵を用いて解除鍵を解読する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、メディアストリームにて提供されるコンテンツに対する保護手段の解除に関し、より具体的には、第1のメディアストリームにて提供されるコンテンツの知覚を妨げるポータブル記憶媒体、メディア再生機、信号、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばDVD(デジタル多用途ディスク)及びブルーレイ(Blu-ray)ディスク−ビデオ等の、可搬式(ポータブル)記憶媒体にマルチメディアデータを記録するための多数の規格が作り出されている。様々なメディアストリームが提供され、トランスポートストリームへと互いに多重化される。ユーザは、例えば関係する国に応じて、異なる音声言語ストリーム及び異なる字幕ストリームというように、表示されるべきストリームを選択することが可能である。
【0003】
上記のディスク上のコンテンツを提供するとき、コンテンツ全体の部分集合を形成する限定版のコンテンツを提供することが有利である。そして、この限定版は、潜在顧客にコンテンツの主な特徴の一部を知らせるために自由に頒布されることができる。顧客がコンテンツを購入すると、その顧客には完全版のコンテンツが与えられる。これは通常、一方は限定版を有し、他方は完全版を有する、別々のディスクを提供することによって為される。これは複雑且つ高コストなコンテンツ提供方法である。故に、限定版と完全版との双方のコンテンツが一緒に提供され得るならば、それは有益となる。
【0004】
この問題を解決するため、保護手段が適用された1つのディスクを提供することが可能である。権限を与えられたユーザは保護手段の解除後にコンテンツに完全にアクセスすることができる。
【0005】
コンテンツを保護するために最近慣用されているのは、安全に記録されたコンテンツアクセス用の秘密鍵を用いる複雑且つ高コストのコンテンツ保護システムである。このシステムを迂回することは比較的容易である。
【0006】
従って、ユーザが保護手段を解除することを可能にする一方で同時にコンテンツ供給者の利益を保護する単純な手法を如何にして提供するかという問題が存在している。
【0007】
特許文献1には、レンタルビデオのメディア市場における安全性とデータ追跡のためのビデオディスクが記載されている。特許文献1に記載されているように、2形式の映画識別番号とともに、固有のディスク再生機識別子がディスクの分離磁気トラック上に備えられる。2形式の映画識別番号の一方はディスク上に光学的に備えられ、他方は上記の分離磁気トラック上に備えられる。これはビデオレンタル店によって行われ、ユーザはその店にディスク再生機の識別子を提供しなければならない。また、このディスク再生機は、ビデオディスクを読み取り、2つの映画識別番号に加えて、記録された再生機識別子を再生機自体の識別子と比較するように構成された回路を含んでいる。このディスクは、上記の番号及び識別子が整合する場合にのみ再生される。斯くして、ビデオレンタル店は、ビデオディスクが借りられる頻度を追跡するとともに、借りられたビデオが意図された機器以外の機器で再生されないことを確認することができる。
【0008】
従来技術を考えると、ポータブル記憶媒体上のコンテンツへのアクセスを制御する改善方法と、特に、アクセスされたコンテンツの更なる拡散の制限とを提供することが効果的である。
【特許文献1】米国特許第5754649号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の問題を解決するために、ポータブル記憶媒体上のコンテンツへのアクセスを制御する改善方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1態様に従って、上記課題を少なくとも部分的に解決するため、ポータブル記憶媒体上のコンテンツの知覚を妨げるために前記媒体に備えられた妨害手段に対し、その解除を可能にする方法は:
前記媒体のメディア識別子を取得する段階、
前記媒体に備えられたメディアコンテンツを再生するように構成されたメディア再生機のメディア再生機識別子を取得する段階、
前記妨害手段の解除に関する要求が作成されるように、少なくとも前記メディア識別子及び前記メディア再生機識別子に基づいて中間暗号鍵を生成する段階であり、前記要求はコンテンツ供給者に少なくとも前記中間暗号鍵を提供することを有する、生成する段階、
少なくとも前記中間暗号鍵に基づいて暗号化された解除鍵を受け取る段階、及び
前記媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げる前記妨害手段が解除されるように、少なくとも前記中間暗号鍵を用いて前記解除鍵を解読する段階、
を有する。
【0011】
本発明の第2態様に従って、やはり上記課題を少なくとも部分的に解決するため、ポータブル記憶媒体上のコンテンツの知覚を妨げるために前記ポータブル記憶媒体に備えられた妨害手段に対し、その解除を可能にし、且つメディア再生機識別子を有するメディア再生機は:
妨害手段解除ユニットであり:
前記媒体のメディア識別子を取得し、
前記メディア再生機識別子を取得し、
コンテンツ供給者に少なくとも前記中間暗号鍵を提供することを有する、前記妨害手段の解除に関する要求、が作成されるように、少なくとも前記メディア識別子及び前記メディア再生機識別子に基づいて中間暗号鍵を生成し、
少なくとも前記中間暗号鍵に基づいて暗号化された解除鍵を受け取り、且つ
前記媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げる前記妨害手段が解除されるように、少なくとも前記中間暗号鍵を用いて前記解除鍵を解読する、
ように構成された妨害手段解除ユニット、
を有する。
【0012】
本発明の第3態様に従って、やはり上記課題を少なくとも部分的に解決するため、メディア再生機にて使用されるポータブル記憶媒体には:
メディアコンテンツ、及び前記コンテンツの知覚を妨げるために設けられた妨害手段、
メディア識別子、並びに
コンピュータプログラムコードであり、前記メディア再生機にロードされたときに、前記メディア再生機が:
前記メディア識別子を取得し、
該メディア再生機のメディア再生機識別子を取得し、
コンテンツ供給者に少なくとも前記中間暗号鍵を提供することを有する、前記妨害手段の解除に関する要求、が作成されるように、少なくとも前記メディア識別子及び前記メディア再生機識別子に基づいて中間暗号鍵を生成し、且つ
当該媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げる前記妨害手段が解除されるように、少なくとも前記中間暗号鍵を用いて、受け取った解除鍵を解読する、
ことを可能にするコンピュータプログラムコード、
が記憶されている。
【0013】
本発明の第4態様に従って、やはり上記課題を少なくとも部分的に解決するため、ポータブル記憶媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げるために前記媒体に備えられた妨害手段に対し、その解除を可能にする方法は:
少なくとも前記媒体の識別子、及び前記媒体に備えられたメディアコンテンツを再生するように構成されたメディア再生機の識別子、に基づいて生成された中間暗号鍵を受け取る段階、
前記媒体上のコンテンツの知覚を妨げるために前記媒体に備えられた前記妨害手段を解除するための解除鍵を、少なくとも前記中間暗号鍵を用いて暗号化する段階、及び
前記媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げる前記妨害手段が、前記媒体が搭載された前記再生機にて解除されるように、解読された前記解除鍵を送る段階、
を有する。
【0014】
本発明の第5態様に従って、やはり上記課題を少なくとも部分的に解決するため、ポータブル記憶媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げるために前記媒体に備えられた妨害手段に対し、その解除を可能にするサーバは:
少なくとも前記媒体の識別子、及び前記媒体に備えられたメディアコンテンツを再生するように構成されたメディア再生機の識別子、に基づいて生成された中間暗号鍵を受け取り、
前記媒体上のコンテンツの知覚を妨げるために前記媒体に備えられた前記妨害手段を解除するための解除鍵を、少なくとも前記中間暗号鍵を用いて暗号化し、且つ
前記媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げる前記妨害手段が、前記媒体が搭載された前記再生機にて解除されるように、解読された前記解除鍵を送る、
ように構成されている。
【0015】
本発明の第6態様に従って、やはり上記課題を少なくとも部分的に解決するため、ポータブル記憶媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げるために前記媒体に備えられた妨害手段に対し、その解除を可能にするコンピュータプログラムは、サーバにロードされたときに、該サーバに:
受け取った中間暗号鍵であり、少なくとも前記媒体の識別子及びメディア再生機の識別子に基づいて生成された中間暗号鍵、を少なくとも用いて、前記媒体上のコンテンツの知覚を妨げるために前記媒体に備えられた前記妨害手段を解除するための解除鍵を暗号化させ、且つ
前記媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げる前記妨害手段が、前記媒体が搭載された前記再生機にて解除されるように、解読された前記解除鍵を送るように少なくとも命令させる、
コンピュータプログラムコードを有する。
【0016】
本発明は、コンテンツの知覚を妨げる手段を単純な手法で解除することを可能にし、複雑で秘密の段階が行われることを必要としない。同時に、コンテンツ供給者の制御を離れてコンテンツが更に拡散されないことが確実にされる。さらに、この手法はメディアと再生機との双方の識別子に基づくので依然として安全である。本発明はポータブル記憶媒体上の特定の情報の秘密性を必要としないので実施が容易である。
【0017】
請求項2にて定められるように、妨害手段の解除に関して、メディア再生機からコンテンツ供給者に要求が送られてもよい。この特徴は、ユーザがこれを手作業で行う必要がないという利点を有し、故に、妨害手段を解除するための解除鍵を取得する更に単純な方法となる。
【0018】
請求項3にて定められるように、妨害手段は解読された解除鍵を用いることによって解除されてもよい。この特徴は、ユーザは妨害手段を解除するために、解読された解除鍵を手作業で入力する必要がないという利点を有する。
【0019】
請求項4にて定められるように、ポータブル記憶媒体は、ユーザ選択されたストリームに関して保護用ストリームの表示を選択するように設定されたコマンド構造を有し、この設定は解読された解除鍵を使用することによって解除されてもよい。この特徴は、妨害手段の提供とその解除との双方に既存のコマンド構造を使用するという利点を有する。斯くして、この解除は単純且つコスト効率に優れた方法で実現され得る。
【0020】
請求項5にて定められるように、ポータブル記憶媒体は、ユーザ選択されるストリームと保護用ストリームとの双方を含むトランスポートストリームを有し、この保護用ストリームは、妨害手段を自動的に提供する付随動作を伴うユーザ選択可能なオブジェクトを有し、この動作とオブジェクトとの間の関連は解読された解除鍵を使用することによって解除されてもよい。この特徴は、容易に解除可能な効果的な妨害手段を提供するという利点を有する。既存のストリーム構造の使用により、妨害手段の提供及び解除は何れも単純でコスト効率に優れる。
【0021】
本発明の基本概念は、ポータブル記憶媒体のロックを解除するために使用される解除鍵を取得するために、ポータブル記憶媒体の識別子と、ポータブル記憶媒体上のコンテンツを再生するために使用される再生機の識別子との双方を使用するということである。これにより、コンテンツ供給者の利益が保護されると同時に、単純な方法で保護が解除される。
【0022】
本発明の上述及び他の態様は、以下にて説明される実施形態を参照することにより明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
添付の図面を参照しながら本発明について更に説明する。
【0024】
本発明は、概して、ポータブル記憶媒体上のメディアコンテンツの知覚を妨げるように設けられた手段を解除することに関する。通常、ポータブル記憶媒体は光ディスクである。しかしながら、例えばメモリスティック等の他種類のメディアも本発明で使用することが可能である。本発明に従って妨害手段を解除することについての詳細を更に説明する前に、先ず、このような記憶媒体に情報を備えることが可能な手法の概要、及びそれがメディアストリームを制御するためにどのように使用されるのかを説明する。
【0025】
図1は、コンピュータプログラムコードによってポータブル記憶媒体上に備えられるメディアコンテンツコマンド構造の概略図である。コンピュータプログラムコードがメモリにロードされ、メディア再生機の制御ユニット内に通常は備えられる好適なプロセッサ上で実行されると、コンテンツコマンド構造は作用する。この構造は相異なるレイヤL1、L2及びL3内にグループ分けされている。他のレイヤL4は、このコマンド構造によって制御されるメディアコンテンツを備えている。第1のレイヤである頂部レイヤL1はインデックス・テーブル(IT)を含んでおり、索引表(Index table)ITは第1の再生項目F−P、頂部メニュー項目T−M、第1のタイトル項目T−1、及び第2のタイトル項目T−2を有している。このレイヤL1は、ユーザがこのメディア上のメディアコンテンツにアクセスすることを可能にするユーザインターフェースと交信するように適合されている。この頂部レイヤL1は、映画オブジェクトMO1、MO2、MO3とも呼ばれる多数のコマンドモジュールを有する第2のレイヤを覆っている。これらの映画オブジェクトMO1、MO2及びMO3は、ユーザ入力に基づいて、頂部レイヤL1の索引表IT内の項目によって起動される。第3のレイヤL3は、プレイリストPL1、PL2及びPL3の形態の多数のメディアストリーム制御モジュールを有している。各プレイリストは1つ又は複数の再生項目制御モジュールPIを有している。以降では、この再生項目制御モジュールを再生項目と呼ぶこととする。再生項目PIは第4のレイヤ内の、クリップC1及びC2の形態で備えられたデータを指し示す。クリップC1及びC2は、それぞれ、クリップ情報ファイルCI−1及びCI−2の形態をした対応するオーバヘッドデータとともに、多重化されたメディアストリームから成るトランスポートストリームTS1及びTS2を有している。
【0026】
トランスポートストリームTSは、MPEGコード化されたビデオパケットの形態のビデオストリーム、及びドルビーAC−3コード化されたオーディオパケットの形態のオーディオストリームとともに、ストリーム制御パケット、並びに対話画像ストリーム及び表示画像・テキストストリームを含んでいる。対話画像ストリームについては後述する。表示画像・テキストストリームは付加的な画像及びテキストを提供する。表示画像・テキストストリームは2次元ランレングス符号化されたラスタ画像、及び画像や色などの配置のための制御情報として提供される。ストリームはアクセスユニット群又はフレーム群に分割される。ストリームは表示タイムスタンプとソースパケット番号とを備えており、対応するクリップ情報ファイルCIは、相異なるトランスポートストリーム間の切替えを可能にするためにトランスポートストリームの入口点及び出口点を指し示す情報を有するEPテーブルを含んでいる。EPテーブルはストリームの一部のアクセスユニットに提供され、各EPテーブル間に短い時間間隔を備えている。ビデオストリームが提供される場合、このテーブルは常にアクセスユニットの最初のビデオパケットを指し示す。ビデオストリームが存在しない場合、このテーブルはアクセスユニットの最初のオーディオパケットを指し示し、ビデオストリーム又はオーディオストリームの何れも存在しない場合には、EPテーブルは全く存在しない。
【0027】
欧州特許第198133号明細書にも、どのようにトランスポートストリーム及びクリップ情報ファイルが設定され、協働させられ得るかが記載されている。なお、この文献は参照することによりここに組み込まれる。
【0028】
プレイリストPLは多数の再生項目PIを有しており、再生項目はクリップ情報ファイルCI内の侵入位置及び退出位置を指し示すことができる。そして、プレイリストは幾つかの再生項目を含むことが可能であり、斯くして、多数のトランスポートストリームセクションが互いの後に再生されることが可能である。図1は、単なる一例であるが、第1のプレイリストPL1が、第1のクリップC1の第1のセクションを指し示す第1の再生項目PI1と、第1のクリップC1の第2のセクションを指し示す第2の再生項目PI2とを有していることを示している。第2のプレイリストPL2は、第2のクリップC2の全体を指し示す第3の再生項目PI3を有しており、第3のプレイリストPL3は、第1のクリップC1の1つのセクションを指し示す第4の再生項目PI4と、第2のクリップC2の1つのセクションを指し示す第5の再生項目PI5とを有している。
【0029】
プレイリストを介して、あるトランスポートストリームに関連する他のストリームの再生を選択することも可能である。このようなストリームの1つは、メインのトランスポートストリームと同期化された別個のトランスポートストリームとして提供されるテキスト字幕ストリームである。このストリームは、例えばボックスサイズの定義や文字の書体及び大きさ等の他の情報をテキスト情報とともに有する多数のパケットを含んでいる。このファイルは付随のクリップ情報ファイルを有さない。このストリームはまた、各アクセスユニットのヘッダ内に備えられるタイミング位置を有する。このようなストリームの別の1つは、別角度からの同一のビデオコンテンツ、すなわち、別のカメラで撮られたビデオ情報である。別角度コンテンツは、現状では、別個のクリップ情報ファイルを有する異なるトランスポートストリームにて提供されている。ここでは、コード化されたビデオストリームのみが異なり、少なくともトランスポートストリーム内の他種類のストリームの数は同一であり、故に、再生項目は2つの相異なるビデオストリームを参照することができる。角度は、コンテンツの知覚を妨げるために使用され得る一手段である。
【0030】
ユーザは、索引表IT内で選択することによって、クリップ内で提供されたメディアデータを再生することを選択可能である。このテーブル内で項目が選択されると、この項目は映画オブジェクトMOに呼び掛け、映画オブジェクトMOが代わってプレイリストPLを選択する。プレイリストを介して、表示されるべき実際のコンテンツが選択される。上述のように、映画オブジェクトMOは、メディアがロードされた再生機によって実行されるコマンドセットであり、各コマンドはプレイリストPLに呼び掛け、このプレイリストが指し示すコンテンツの再生を命令することができる。別種類のコマンドが別の映画オブジェクトを指し示す。映画オブジェクトは索引表の入口を指し示すことも可能である。そして、これらの種類のコマンドは、別の映画オブジェクト、プレイリスト、索引表の入口に未条件にジャンプさせられたり、あるいは索引表、映画オブジェクト及び/又はプレイリストによって実行された動作が完了した後に処理を再開したりすることができる。さらに、情報の相異なる断片の相互比較に基づいて条件付きでジャンプ又は選択を行うことも可能である。映画オブジェクトはまた、例えばビデオ、オーディオ、表示画像・テキスト、及び対話画像のストリーム等の異なる種類のストリームに適用可能な、例えばストリーム設計などのコマンドを含んでいる。このコマンドは、プレイリストが起動されたときに再生される特定の種類のストリームを設定する。また、映画オブジェクトと索引表の入力項目との間には一対一の関係は存在しないことは認識されるべきである。索引表内の項目は映画オブジェクトに呼び掛けるが、索引表内の該項目が直接的には呼び掛けない映画オブジェクトが存在することもある。
【0031】
STNテーブルとも呼ばれるストリーム割当て表が各再生項目PIに結び付けられる。この表は、再生項目のトランスポートストリームに許される設定、すなわち、ユーザが選択可能なのはクリップに含まれる相異なるストリームの内の何れか、及びトランスポートストリーム又は他のトランスポートストリーム内のどのストリームが互いに関連しているか、を含んでいる。この表で設定されるストリームは、ユーザが再生することが許されたストリームである。
【0032】
さらに、再生項目に関連するユーザ操作マスク表が設けられる。この表は多数のフラグを有しており、これらフラグは、ユーザが特定のストリームに関する変更を行うことが許されるかどうかを定める。例えば、これらフラグはユーザがオーディオストリーム、表示画像・テキストストリーム、角度、又は選択ボタン若しくは起動ボタンを変更することが許されるかどうかを定める。後ろの2つフラグは、ボタンが提供される対話画像ストリームに関する。これらのボタンの関連性については後述する。
【0033】
対話画像ストリームは、一群の画像オブジェクトを表示する、ビデオストリームの上に備えられ得るオーバーレイ画面として提供される。これらの画像オブジェクトは2次元ランレングス符号化されたラスタ画像として提供される。このストリームはまた、画像の配置や色などの制御情報を有している。ストリーム内の一部のオブジェクトはボタンである。オーバーレイ画面に一群のボタンが備えられ得る。なお、この一群は1つのボタンに限られてもよい。各画面の各ボタンはコマンドスクリプトに関連付けられることができる。従って、ボタンは、ユーザによって選択可能なインターフェース画像ストリームに組み込まれたオブジェクトである。このようなオーバーレイ画面が図2に示されており、MPEGコーディングにより提供された、ここでは家6を示しているビデオ画像の上に、多数のボタン4が提供されている。アクセスユニットの第1の上記パケットのヘッダ内のタイムスタンプによって異なる時点を指示することにより、オーバーレイ画像は、異なる時点に表示されるように設定されてもよい。
【0034】
図3は、光ディスク8の形態のポータブル記憶媒体を示しており、この上に、図1のシステムのレイヤL1、L2及びL3内のコマンド構造を提供することが可能なコンピュータプログラムコードが、図1のレイヤL4内のクリップC1及びC2とともに記録されている。レイヤL1乃至L3内のコマンド構造はメディア再生機に移される。メディア再生機の一例が図4にブロック図にて示されている。
【0035】
再生機10は、ディスク8を受け取る光ディスクドライブ14を含んでいる。この装置はまた、制御ユニット12、及び制御ユニット12に接続されたユーザインターフェース16を含んでいる。ディスクドライブ14は、ディスク8上の情報を読み取るための読み取りユニット20に接続されている。読み取りユニット20は更に、制御ユニット12及びストリーム分離ユニット22に接続されている。ストリーム分離ユニット22はクリップを受取り、クルップ情報ファイルを取り出して制御ユニット12に供給し、且つトランスポートストリームにて提供されたメディアストリームを別々のメディアストリームに分離又は逆多重化するように構成されている。ストリーム分離ユニット22は、故に、MPEGビデオ信号を復号化するビデオ複合ユニット32、オーディオを復号化するオーディオ復号化ユニット30、表示画像・テキストストリームを処理する画像処理ユニット28、及び対話画像ストリームを処理する対話画像処理ユニット26に接続されている。制御ユニット12はまた、これらのユニット32、30、28及び26の全てに接続されて、これらを制御するとともに、状態レジスタ18に接続されている。状態レジスタ18は、再生機10の例えば、その時の角度、オーディオ及び再生項目などの現在状態の情報を格納する。また、再生機には、制御ユニット12に接続された妨害手段解除ユニット又は暗号化ユニット34が備えられている。
【0036】
ディスク8が再生機10に搭載され、コマンド構造が制御ユニットにロードされると、例えば図1の第2の映画オブジェクトMO2である映画オブジェクトが、索引表IT内の項目のユーザ選択によって選択される。ユーザがこれを行うのは、クリップの再生ストリーム、ここでは一例として、第2のクリップC2のオーディオ及びビデオストリーム(これらの一方は第1のストリームとも呼ばれる)の選択のためである。この映画オブジェクトは、選択された項目に関するコンテンツの知覚を妨げるために使用される保護用ストリームである、第2のストリームが再生されるように自動的に設定するストリーム設定コマンドを含んでいる。そして、映画オブジェクトは、例えば第2のプレイリストPL2等のプレイリストとその中の再生項目、例えば第2のトランスポートストリームTS2を指し示す第3の再生項目PI3等、を選択する。故に、保護用ストリームはユーザ選択されたストリームに加えて、あるいはそれらの内の1つに代えて自動的に選択される。そして、再生項目に関連するユーザ操作マスク表が、ユーザが保護用ストリームに関与できないように設定される。これは、ユーザによる変更を許さないように保護用ストリームに関連する適当なフラグを設定することによって行われる。その後、第2のプレイリストPL2内の再生項目PI3が第2のクリップC2を再生する。ストリーム設定コマンドにより、再生項目が第2のトランスポートストリームTS2を再生し始めるときに保護用ストリームが確実に再生されることになる。
【0037】
保護用ストリームは、品質を下げてコード化された別角度のビデオであってもよい。そして、ビデオの或る特定の断片が再生のために選択されると、低品質のビデオを有する異なるトランスポートストリームに変えられる。保護用ストリームはまた、例えば、標準言語とは異なる言語でのストリーム、又は不鮮明な音声を有するオーディオ等の、異なるオーディオストリームであってもよい。別の取り得るストリームの1つは表示画像・テキストストリームであり、例えば、コンテンツが保護されていることを示すメッセージ等の警告メッセージ、又は通常のビデオコンテンツを横切って動かされ得る、例えば長方形や三角形等の1つ以上の幾何学形状、を表示するための表示画像・テキストストリームである。更に別の保護用ストリームの1つはテキスト字幕ストリームであり、ユーザにとって最も邪魔な文字を含むように字幕のテキストが選定される。この場合、例えば最大書式サイズのWebding体など、特定の種類の文字が使用され得る。この字幕は、最適な保護を実現するために、通常のビデオコンテンツを横切って動くように設定されてもよい。
【0038】
保護用ストリームは対話画像ストリームであってもよい。このストリームは、視野を遮るように提供されてもよいし、あるいは遮らないように提供されてもよい。故に、ボタンは透明、半透明、又は不透明にされ得る。さらに、このストリームは、ボタンが非常に高頻度にストリーム内に生じさせられ、この高頻度に繰り返し発生するボタンの少なくとも1つの各々にコマンドスクリプトが関連付けられるようにして提供されることも可能である。このボタンは、問題となっているボタンによって常に自動的に呼び出されるように更に設定されたストリーム設定コマンドに関連付けられる。これが意味することは、問題となっているボタンがストリーム内に現れるときにはいつでも、コンテンツの知覚を妨げるように作用するコマンドスクリプトが呼び出されるということである。この場合、コマンドスクリプトは、例えばビデオストリームを低品質のビデオストリームに常に変化させるようにして等、規則に従ってストリームを変化させるように設定されることができる。コマンドスクリプトはまた、相異なるオーディオストリーム間で切り替えるように、あるいは異なる表示画像・テキストストリーム、テキスト字幕ストリーム、又は対話画像ストリームを提供するように設定されることができる。さらに、このボタンが現れたときには常に、相異なるストリーム間で連続的に変化させることも可能であり、例えば、場合によって音声を消すことと組み合わせて、相異なるオーディオストリーム間で絶えず切り替えたり、相異なる角度のビデオ間で絶えず切り替えたりすることが可能である。再生項目のユーザ操作マスク表にてボタン関連項目を設定することにより、ボタンへのユーザの関与が許されなくされる。コマンドスクリプトに関連付けてユーザ操作マスク表にて為された設定によって、ユーザはコマンドスクリプトの自動選択を解除することができなくされる。
【0039】
保護用ストリームをクリップの一部に対して設定し、他の部分に対しては通常の妨害されない表示とすることができる。この一例は図1にて見て取ることができ、第3のプレイリストPL3は、再生項目とともに保護用ストリームを提供するための項目とし得る第4の再生項目PI4と、コンテンツの無制約の視聴を提供する第5の再生項目PI5とを含んでいる。斯くして、購入するかどうかを決めるためにコンテンツを知覚できるように、ユーザは、妨害されたコンテンツを有するコンテンツの一部に無制約でアクセスすることが可能になる。故に、第1のユーザ選択されたメディアストリームの少なくとも一部が、第2のメディアストリームの対応する部分によって妨げられる。
【0040】
今や、この種類の保護用ストリームが備えられたディスクはユーザによって観察されているので、ユーザはそのコンテンツを購入したいと思うかもしれない。本発明は、コンテンツ供給者の利益を保護し、故にコンテンツが使用されるべきでないところで使用されることを防止すると同時に、ユーザがこの保護用ストリームの表示を除去する方法を提供するものである。
【0041】
これを行うためには、ユーザは何らかの方法で、ディスクに施された保護手段を解除可能な情報を入手しなければならない。
【0042】
次に、これを行う一手法を図1、4、5、6及び7を参照しながら説明する。図5は、ネットワークを介してサーバと通信するとともにディスクと通信する再生機の概略図である。図6は、コンテンツの知覚を妨げる手段の解除を可能にする、再生機にて提供される方法のフローチャートである。図7は、コンテンツの知覚を妨げる手段の解除を可能にする、サーバにて提供される方法のフローチャートである。
【0043】
ユーザは保護されたコンテンツを見たとき、それを購入することを決めることができる。そして、ユーザは図1に示されたコマンド構造を介してこれの提供を受け得る。しかしながら、この提供は実際のコマンド構造の外部で、制御ユニット12の制御下で提供されることが適当である。以下、コマンド構造の外部にて提供される一実施形態について説明する。
【0044】
ユーザがディスク8上のコンテンツの購入を決めると、制御ユニット12はディスク符号化ユニット34に解除処理を開始するように命令する。暗号化ユニット34は、段階40にて、ディスクからディスク識別子DIDを取り出す。ディスク識別子DIDはディスク8に関する固有の識別子である。その後、段階42にて、暗号化ユニット34は固有の再生機識別子PIDを取得する。暗号化ユニット34は、段階44にて、少なくともこれら2つの識別子から中間暗号鍵I_Kを生成する。この中間暗号鍵I_Kは、単にこれら2つの値のハッシュ値を計算することによって実現可能な第1の暗号化関数を用いることによって生成される。そして、中間暗号鍵I_Kは後で使用するためにディスク識別子DIDとともに保管される。続いて、段階46にて、制御ユニット12は再生機10を、好ましくはインターネットであるネットワーク38に接続し、中間鍵I_K、及びディスクのコンテンツを特定するコンテンツ識別子CIDを有する妨害手段を解除するための要求R(I_K,CID)をコンテンツ供給者のサーバ36に送信する。コンテンツ識別子CIDはディスク識別子DID又はコンテンツを識別するその他の識別子としてもよいし、実際のディスクとしてもよい。この要求を送信することに関連し、通常、商取引の性質の何らかの情報がコンテンツに対する支払いを保証するために提供される。
【0045】
コンテンツ供給者のサーバ36は、コンテンツを有するディスクの情報と、このコンテンツのロックを解除するための鍵とを備えるデータベースを有している。故に、サーバ36は、先ず段階54にて、中間暗号鍵I_K及びコンテンツ識別子CIDを含む要求R(I_K,CID)を受信する。受信情報、特にコンテンツ識別子CIDに基づいて、サーバは段階56にてディスク8に関連する解除鍵U_Kを取り出し、続けて段階58にてこの鍵を、少なくとも中間暗号鍵I_Kを用いる暗号化関数である第2の暗号化関数を用いて暗号化する。そして段階60にて、暗号化された解除鍵[U_K]が応答R([U_K])にて再生機10に送信される。
【0046】
その後、段階48にて、再生機10は暗号化された解除鍵[U_K]を受け取る。この鍵は暗号化ユニット34に転送され、暗号化ユニット34は続けて段階50にて、解読関数及び少なくとも中間暗号鍵I_Kを用いて暗号化された解除鍵[U_K]を解読する。このもはや解読された解除鍵U_Kは、段階52にて、ディスクを解除するために使用される。なお、この解除鍵は中間暗号鍵I_Kによって保護されているので、別の再生機がこの解除鍵を使用することは不可能である。
【0047】
本発明の一実施形態に従って、暗号化ユニット34は解除鍵を状態レジスタ18内のレジスタに保管する。実際の解除は以下のように行われることが可能である。今、解除鍵U_Kが状態レジスタ18に保管され、ユーザが以前はブロックされていたコンテンツを再生しようとしているので、呼び出された映画オブジェクトは状態レジスタ設定を内部に備えられた正しい解除鍵の値と比較する。この比較が不整合を示すときには、ストリーム設定コマンドは、上述と同様に保護用ストリームを再生するように設定されるが、この比較が整合を示すときには、ストリーム設定コマンドは設定されない。STNテーブル設定の場合、整合しないときには、映画オブジェクトはSTNテーブルにて定められた保護用ストリームを有する再生項目を起動し、整合するときには、このSTN設定が為されていない再生項目が起動される。そして、ストリーム設定コマンドはこの解除シーケンスには現れない。また、この解除シーケンスの後に、あるいは前に、保護用ストリームと、対話画像ストリームが保護用ストリームである場合には対話画像ストリームの個々のコマンドスクリプトとの双方に対して、コンテンツへの全ての変更を認めるようにユーザ操作マスク表を再設定することが行われ得る。解除処理が実行される場合、制御ユニットは更に、保護用ストリームのコマンドスクリプトの起動に関して為された全ての設定を除去したり、あるいはユーザがこの保護用ストリームからそれら設定を除去することを可能にしたりするように設定されることができる。
【0048】
【表1】


また、再生機にて実行される異なる方法段階が表1にて提供される。
【0049】
【表2】


また、サーバにて実行される異なる方法段階が表2にて提供される。
【0050】
本発明は以下の利点を有する。本発明は、コンテンツの知覚を妨げる手段を単純な手法で解除することを可能にし、複雑で秘密の段階が行われることを必要としない。同時に、コンテンツ供給者の制御を離れてコンテンツが更に拡散されないことが確実にされる。この手法はメディアと再生機との双方の識別子に基づくので安全である。本発明はポータブル記憶媒体上の特定の情報の秘密性を必要としないので実施が容易である。
【0051】
本発明に関連して可能な変形例が数多く存在する。上述にてまとめられた解除手順においては、妨害手段解除ユニットはディスク上に設けられたコマンド構造とは別個の暗号化ユニットであった。しかしながら、この妨害手段解除ユニットをコマンド構造内、そして場合によって映画オブジェクト内に設けることも可能である。この構造においては、サーバに要求を送信することは、ディスクのフォーマットがそれを許さないために不可能な場合がある。その場合、再生機はユーザに中間暗号鍵を提供してもよく、ユーザは個人的にサーバに連絡を取り、場合によって通常のPCを用いることにより、あるいはコンテンツ供給者のオペレータとの電話会話を介して、その情報をサーバに伝える必要がある。また、暗号化された解除鍵が同一のチャンネルを通じて受け取られ、ユーザによって手作業で再生機に導入されることもあり得ることは認識されるべきである。他の一変形例は、装置がサーバに接続されるときにのみ保護手段の解除が可能にされるものである。斯くして、コンテンツ供給者が個々のユーザに対してコンテンツへのアクセスを絶えず監視及び/又は制御することが可能になる。他の可能な一変形例は、フラグを設定することによって正確な整合が記録され、映画オブジェクトは単にこのフラグを見ることによりディスクのロックが解除されるべきか否かを決定できるものである。さらに、ディスクが再生機に搭載される度にユーザが解除鍵を入力する必要がないように、多数のディスクに関する状態が記憶されることも可能である。また、メディアの特定部分にチャイルドロックを掛け、成人の視聴のために解除システムを使用することも可能である。
【0052】
本発明は、上述以外の状況で使用されてもよい。例えば、本発明は、ビデオ及びオーディオストリームとともに付加的な保護用ストリームが伝送されるデジタルビデオ放送の仕組み内で使用されることができる。本発明はまた、ビデオ・オン・デマンド用途に実装されてもよい。
【0053】
制御ユニットは好ましくは、付随のプログラムメモリを有するプロセッサの形態で備えられ、このプログラムメモリは、本発明に従った方法を実行するために格納され得るコマンド構造を取り出すプログラムコードを有する。
【0054】
再生機のその他の部品は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせを含む好適な如何なる形態で実装されてもよい。特に、復号器及び処理ユニットはハードウェアにて設けられてもよい。
【0055】
妨害手段解除ユニットは別個のハードウェアとして、あるいはソフトウェアとして設けられてもよい。これがソフトウェアであるとき、メディアデータを含むディスクに備えられ、その上でコマンド構造内に備えられてもよい。また好ましくは、サーバは対応するプログラムメモリを具備するプロセッサの形態で備えられ、このプログラムメモリは、コンテンツの知覚を妨げる手段の解除を可能にする方法を提供するコンピュータプログラムコードを有する。このプログラムコードはまた、図8に示されるCDROMディスク62のようなディスク上に備えられ得る。
【0056】
本発明の一実施形態に含まれる要素及び部品は、物理的、機能的そして論理的に、好適な如何なる手法で実装されてもよい。実際、機能は単一のユニット又は複数のユニットに実装されてもよいし、あるいは相異なるユニット及びプロセッサ間に物理的及び機能的に分散されてもよい。
【0057】
本発明は、特定の実施形態に関して説明されてきたが、ここで説明された具体的な形態に限定されるものではない。むしろ、本発明の範囲は添付の請求項によってのみ限定されるものである。請求項において、動詞“有する”及びその活用形の使用は、その他の要素又は段階の存在を排除するものではない。また、個々に列挙されてはいるが、複数の手段、要素又は方法段階は、例えば単一のユニット又はプロセッサ等によって実現されてもよい。また、個々の特徴は相異なる請求項に含まれてもよいが、これらは場合によって有利に組み合わされてもよく、相異なる請求項に含まれることは、特徴の組み合わせが実現可能且つ/或いは有利でないことを示すものではない。加えて、単数形の参照は複数であることを排除するものではない。故に、“或る(“a”、“an”)”、“第1の”、“第2の”等の参照は、複数であることを排除するものではない。請求項中の参照符号は単に例を明確にするものとして提供されており、何らかの方法で請求項の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】メディアデータのクリップを、これらのクリップを再生するために提供されるコマンド構造とともに概略的に示す図である。
【図2】ビデオストリームの頂部上への対話画像ストリームの表示を概略的に示す図である。
【図3】クリップとともに、図1に示されたコマンド構造を提供するソフトウェアを有するポータブル記憶媒体を概略的に示す図である。
【図4】図1に示されたクリップを再生するとともに、図1のコマンド構造を提供するように構成されたメディア再生機を示すブロック図である。
【図5】ポータブル記憶媒体及びコンテンツと通信するメディア再生機を概略的に示す図である。
【図6】再生機にて実行され、且つコンテンツの知覚を妨げる手段の解除を可能にする、本発明に従った方法を示すフローチャートである。
【図7】サーバにて実行され、且つコンテンツの知覚を妨げる手段の解除を可能にする、本発明に従った方法を示すフローチャートである。
【図8】図7の方法を実行するコンピュータプログラムコードを有する、CDROMディスクの形態をしたコンピュータプログラム製品を概略的に示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータブル記憶媒体上のコンテンツの知覚を妨げるために前記媒体に備えられた妨害手段に対し、その解除を可能にする方法であって:
前記媒体のメディア識別子を取得する段階、
前記媒体に備えられたメディアコンテンツを再生するように構成されたメディア再生機のメディア再生機識別子を取得する段階、
前記妨害手段の解除に関する要求が作成されるように、少なくとも前記メディア識別子及び前記メディア再生機識別子に基づいて中間暗号鍵を生成する段階であり、前記要求はコンテンツ供給者に少なくとも前記中間暗号鍵を提供することを有する、生成する段階、
少なくとも前記中間暗号鍵に基づいて暗号化された解除鍵を受け取る段階、及び
前記媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げる前記妨害手段が解除されるように、少なくとも前記中間暗号鍵を用いて前記解除鍵を解読する段階、
を有する方法。
【請求項2】
コンテンツ供給者に、前記中間暗号鍵を有する、前記妨害手段の解除に関する要求を送る段階を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
解読された前記解除鍵を用いることにより、コンテンツの知覚を妨げる前記妨害手段を解除する段階を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポータブル記憶媒体は、その他のメディアストリームと結合された第1のメディアストリームと、トランスポートストリームにて提供される第2のストリームとを有する少なくとも1つのトランスポートストリーム、及び前記第1のメディアストリームにて提供されるコンテンツの知覚を妨げるために、前記第1のメディアストリームにて提供されるコンテンツを再現させるユーザ選択に基づいて、前記第1のメディアストリームに関して前記第2のメディアストリームを選択して表示するように設定されたコマンド構造を前記メディア再生機に提供させるコンピュータプログラムコードを有し、且つ
前記コマンド構造から前記第2のストリームを選択して表示する前記設定を解除する段階を更に有する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ポータブル記憶媒体は、トランスポートストリーム内で少なくとも第2のメディアストリームと結合された第1のメディアストリームを有し、前記第2のメディアストリームは、その中に備えられた少なくとも1つのユーザ選択可能なオブジェクトによって前記第1のメディアストリームの知覚を妨げる前記妨害手段を提供し、前記オブジェクトに自動実行動作が関連付けられ、且つ
前記動作と前記オブジェクトとの間の関連を解除する段階、
を更に有する請求項3に記載の方法。
【請求項6】
ポータブル記憶媒体上のコンテンツの知覚を妨げるために前記ポータブル記憶媒体に備えられた妨害手段に対し、その解除を可能にし、且つメディア再生機識別子を有するメディア再生機であって:
妨害手段解除ユニットであり:
前記媒体のメディア識別子を取得し、
前記メディア再生機識別子を取得し、
コンテンツ供給者に少なくとも前記中間暗号鍵を提供することを有する、前記妨害手段の解除に関する要求、が作成されるように、少なくとも前記メディア識別子及び前記メディア再生機識別子に基づいて中間暗号鍵を生成し、
少なくとも前記中間暗号鍵に基づいて暗号化された解除鍵を受け取り、且つ
前記媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げる前記妨害手段が解除されるように、少なくとも前記中間暗号鍵を用いて前記解除鍵を解読する、
ように構成された妨害手段解除ユニット、
を有するメディア再生機。
【請求項7】
メディア再生機にて使用されるポータブル記憶媒体であって:
メディアコンテンツ、及び前記コンテンツの知覚を妨げるために設けられた妨害手段、
メディア識別子、並びに
コンピュータプログラムコードであり、前記メディア再生機にロードされたときに、前記メディア再生機が:
前記メディア識別子を取得し、
該メディア再生機のメディア再生機識別子を取得し、
コンテンツ供給者に少なくとも前記中間暗号鍵を提供することを有する、前記妨害手段の解除に関する要求、が作成されるように、少なくとも前記メディア識別子及び前記メディア再生機識別子に基づいて中間暗号鍵を生成し、且つ
当該媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げる前記妨害手段が解除されるように、少なくとも前記中間暗号鍵を用いて、受け取った解除鍵を解読する、
ことを可能にするコンピュータプログラムコード、
が記憶されたポータブル記憶媒体。
【請求項8】
ポータブル記憶媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げるために前記媒体に備えられた妨害手段に対し、その解除を可能にする方法であって:
少なくとも前記媒体の識別子、及び前記媒体に備えられたメディアコンテンツを再生するように構成されたメディア再生機の識別子、に基づいて生成された中間暗号鍵を受け取る段階、
前記媒体上のコンテンツの知覚を妨げるために前記媒体に備えられた前記妨害手段を解除するための解除鍵を、少なくとも前記中間暗号鍵を用いて暗号化する段階、及び
前記媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げる前記妨害手段が、前記媒体が搭載された前記再生機にて解除されるように、解読された前記解除鍵を送る段階、
を有する方法。
【請求項9】
ポータブル記憶媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げるために前記媒体に備えられた妨害手段に対し、その解除を可能にするサーバであって:
少なくとも前記媒体の識別子、及び前記媒体に備えられたメディアコンテンツを再生するように構成されたメディア再生機の識別子、に基づいて生成された中間暗号鍵を受け取り、
前記媒体上のコンテンツの知覚を妨げるために前記媒体に備えられた前記妨害手段を解除するための解除鍵を、少なくとも前記中間暗号鍵を用いて暗号化し、且つ
前記媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げる前記妨害手段が、前記媒体が搭載された前記再生機にて解除されるように、解読された前記解除鍵を送る、
ように構成されたサーバ。
【請求項10】
ポータブル記憶媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げるために前記媒体に備えられた妨害手段に対し、その解除を可能にし、且つコンピュータプログラムコードを有するコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムコードは、サーバにロードされたときに、該サーバに:
受け取った中間暗号鍵であり、少なくとも前記媒体の識別子及びメディア再生機の識別子に基づいて生成された中間暗号鍵、を少なくとも用いて、前記媒体上のコンテンツの知覚を妨げるために前記媒体に備えられた前記妨害手段を解除するための解除鍵を暗号化させ、且つ
前記媒体に備えられたコンテンツの知覚を妨げる前記妨害手段が、前記媒体が搭載された前記再生機にて解除されるように、解読された前記解除鍵を送るように少なくとも命令させる、
コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−524692(P2008−524692A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546283(P2007−546283)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【国際出願番号】PCT/IB2005/054215
【国際公開番号】WO2006/067677
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】