説明

保護膜用組成物、カラーフィルター基板および液晶表示素子

【課題】 高透明性、平坦性という保護膜の機能を有し、さらに、液晶配向性という配硬膜の機能も有する保護膜用組成物が求められていた。また、液晶表示素子の製造コストの低減化が求められていた。
【解決手段】 少なくとも多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて得られたポリエステル−ポリアミド酸(A1)およびそのイミド化物であるポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上、ならびに、ポリアミド酸(B)を含む保護膜用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は保護膜用組成物に関し、たとえば液晶表示素子用のカラーフィルターを平坦化するための保護膜用組成物、該組成物を用いて形成されるカラーフィルター基板、該カラーフィルターを有する液晶表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子用のカラーフィルターを平坦化するための保護膜用組成物としては、アクリル系組成物、ポリイミド系組成物などが実用化されており、これらの組成物をカラーフィルターに塗布した後に、乾燥・焼成することで保護膜としての機能を発現させている。[特開平09−291150号公報(特許文献1)、特開2001−158816号公報(特許文献2)、特開2005−105264号公報(特許文献3)]。しかしながら、これらの保護膜には液晶を配向させる能力がないため、保護膜の上にさらに配向膜用組成物を塗布した後に、乾燥・焼成して配向膜を形成後、ラビング処理により配向膜としての特性を発現させる必要があった。
他方、カラーフィルターに保護膜用組成物を塗布せずに配向膜用組成物を塗布して配向膜を形成させた場合、配向膜は通常0.1μm前後の薄膜であるためカラーフィルターの凹凸を平坦化することはできない。そこで、平坦化の機能を発現させるために配向膜用組成物を1μm以上の厚膜に形成させると極端に透過率が低下してしまうため、実用的ではない。
【0003】
【特許文献1】特開平09−291150号公報
【特許文献2】特開2001−158816号公報
【特許文献3】特開2005−105264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高透明性、平坦性という保護膜の機能を有し、さらに、液晶配向性という配硬膜の機能も有する保護膜用組成物が求められてきた。また、液晶表示素子の製造コストの低減化が求められてきた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ポリエステル−ポリアミド酸(A1)およびそのイミド化物であるポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上、ならびに、ポリアミド酸(B)を含む組成物が、透明性と平坦性を有しながら、さらに液晶配向性も有し、保護膜に用いることができることを見出した。
本発明は以下のような保護膜用組成物等を提供する。
【0006】
[1] 下記一般式(1)および(2)
【化10】

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位を有するポリエステル−ポリアミド酸(A1)および、下記一般式(3)および(2)
【化11】

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位を有するポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上、ならびに、ポリアミド酸(B)を含む保護膜用組成物。
[2] 少なくとも多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて得られたポリエステル−ポリアミド酸(A1)、および、ポリアミド酸(B)を含む保護膜用組成物。
[3] 少なくとも多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて得られたポリエステル−ポリアミド酸(A1)およびそのイミド化物であるポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上、ならびに、ポリアミド酸(B)を含む保護膜用組成物。
[4] 多価ヒドロキシ化合物(a1)がジオールであり、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)がテトラカルボン酸二無水物である、[2]または[3]に記載の保護膜用組成物。
[5] 多価ヒドロキシ化合物(a1)が1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールからなる群から選ばれる1以上であり、ジアミン(a2)が3,3'−ジアミノジフェニルスルホンおよびビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンおよび下記式(b)
【化12】

(式中、R3およびR4は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R5は独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜100の整数である。)
で表される化合物からなる群から選ばれる1以上であり、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)がスチレン−無水マレイン酸共重合体、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物およびブタンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上である、[2]または[3]に記載の保護膜用組成物。
[6] ポリエステル−ポリアミド酸(A1)が、多価ヒドロキシ化合物(a1)のヒドロキシ1モルに対して、ジアミン(a2)のアミノを0.1〜10モル、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の無水物を1〜10モル反応させて得られる、[2]〜[5]のいずれかに記載の保護膜用組成物。
[7] ポリエステル−ポリアミド酸(A1)が、下記一般式(1)および(2)
【化13】

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位を有する、[2]〜[6]のいずれかに記載の保護膜用組成物。
[8] ポリエステル−ポリイミド(A2)が、 下記一般式(3)および(2)
【化14】

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位を有する、[2]〜[7]のいずれかに記載の保護膜用組成物。
【0007】
[9] 下記一般式(1)および(2)
【化15】

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位を有するポリエステル−ポリアミド酸(A1)と
下記一般式(3)および(2)
【化16】

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位を有するポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上、ならびに、ポリアミド酸を含む、保護膜用組成物。
[10] ポリアミド酸(B)が、少なくとも4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]4−メチルシクロヘキサン、 1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサンおよび1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタンからなる群から選ばれる1以上のジアミンと、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物および3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上のテトラカルボン酸二無水物とを用いて得られた、[1]〜[9]のいずれかに記載の保護膜用組成物。
[11] ポリエステル−ポリアミド酸(A1)が2〜40重量%およびポリアミド酸(B)が0.1〜20重量%含まれる、[1]〜[10]のいずれかに記載の保護膜用組成物。
[12] 保護用組成物がさらにエポキシ樹脂(C)を含む、[1]〜[11]のいずれかに記載の保護膜用組成物。
[13] エポキシ樹脂(C)が下記式から選ばれる化合物である、[12]に記載の保護膜用組成物。
【化17】

(式中、nは0〜10の整数である。)
で表される化合物からなる群から選ばれる1以上である、[12]に記載の保護膜用組成物。
[14] ポリエステル−ポリアミド酸(A1)が2〜40重量%、ポリアミド酸(B)が0.1〜20重量%およびエポキシ樹脂(C)が0.5〜20重量%含まれる、[12]または[13]に記載の保護膜用組成物。
【0008】
[15] 1,4−ブタンジオールと3,3'−ジアミノジフェニルスルホンと3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られたポリエステル−ポリアミド酸(A1)を5〜30重量%、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物と1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られたポリアミド酸(B)を0.2〜10重量%、および
下記式(220)〜(223)
【化18】

(式中、nは0〜10の整数である。)
で表される化合物からなる群から選ばれる1以上のエポキシ樹脂(C)を2〜15重量%含む、保護膜用組成物。
[16] [1]〜[15]のいずれかに記載された保護膜用樹脂組成物から得られる保護膜。
[17] [16]に記載された保護膜と、当該保護膜上に形成された重合性液晶組成物から得られる光学膜とを含む表示素子用基板。
[18] [16]に記載された保護膜が形成されたカラーフィルター基板。
[19] [17]に記載された表示素子用基板または[18]に記載されたカラーフィルター基板を有する液晶表示素子。
【0009】
本明細書中、「基板」は本発明の保護膜用組成物等が塗布される対象となり得るものであれば特に限定されず、その形状は平板状に限られず、曲面状であってもよく、また、可撓性であるか否かも問わない。
【発明の効果】
【0010】
本発明の好ましい態様に係る保護膜用組成物および該組成物からなる保護膜は、たとえば、透明性が高く、ラビング処理によって良好な液晶配向性を有する。また、本発明の好ましい態様に係る保護膜用組成物および該組成物からなる保護膜は、たとえば、透明性が高く、ラビング処理によって良好な液晶配向性を有する。また、本発明の好ましい態様に係る保護膜用組成物からなる保護膜が形成されたカラーフィルター基板において、配向膜の形成が不要になる。これによって、本発明の液晶表示素子の製造工程が簡略化され、その製造コストを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)、および、ポリアミド酸(B)を含む保護膜用組成物を提供する。
また、本発明は、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)およびそのイミド化物であるポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上、ならびに、ポリアミド酸(B)を含む保護膜用組成物を提供する。
【0012】
1 ポリエステル−ポリアミド酸(A1)
ポリエステル−ポリアミド酸(A1)は、一般式(1)および一般式(2)で表される構成単位を有する化合物である。ポリエステル−ポリアミド酸(A1)の末端には、たとえば、酸無水物基、アミノ若しくはヒドロキシなどが構成される。
【0013】
式(1)および式(2)中のR1、R2、R3はそれぞれ炭素数2〜100の有機基であれば特に限定されるものではない。
【0014】
本発明の保護膜用組成物から得られる膜の耐薬品性は、一般的にポリエステル−ポリアミド酸(A1)が高分子量である程好ましく、溶剤に対する溶解性は、一般的にポリエステル−ポリアミド酸(A1)が低分子量である程好ましい。そこで、本発明の保護膜用組成物に含まれるポリエステル−ポリアミド酸(A1)の重量平均分子量は1,000〜200,000であることが好ましく、2,000〜150,000であることがより好ましい。
【0015】
本発明において保護膜用組成物中のポリエステル−ポリアミド酸(A1)の濃度は特に限定されないが2〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がさらに好ましい。これらの濃度範囲であると、保護膜用組成物の粘度が最適となり、各種の塗布方法で均一な膜厚の塗膜を形成できるので好ましい。
【0016】
本発明で用いられるポリエステル−ポリアミド酸(A1)は、たとえば、多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とから得られるが、当該製法に限定されるものではない。
このようにして得られたポリエステル−ポリアミド酸(A1)において、上記式(1)と式(2)中のR1は酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の残基であり、上記式(1)中のR2はジアミン(a2)の残基であり、上記式(2)中のR3は多価ヒドロキシ化合物(a1)の残基である。
【0017】
以下に、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)を得るために用いることができる、多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)を説明する。
【0018】
1.1 多価ヒドロキシ化合物(a1)
本発明でポリエステル−ポリアミド酸(A1)の合成に用いられる多価ヒドロキシ化合物(a1)の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量1,000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、分子量1,000以下のポリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2,7−ヘプタントリオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、3,6−オクタンジオール、1,2,8−オクタントリオール、1,2−ノナンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2,9−ノナントリオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、1,2,10−デカントリオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ビスフェノールA(商品名)、ビスフェノールS(商品名)、ビスフェノールF(商品名)、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミン、商品名「SEO−2」(日華化学(株)製)、商品名「SKY CHDM」(新日本理化(株)製)、商品名「リカビノールHB」(新日本理化(株)製)、および、下記式(A)の化合物などを挙げることができる。
【化19】

(式中、R1、R3はそれぞれ独立に−(CH2x−O−(CH2y−であり、x、yはそれぞれ独立に1〜15の整数であり、R2は炭素数1〜5のアルキルであり、mは2〜50の整数である。)
【0019】
たとえば、得られる保護膜用組成物の透明性の向上するという点から、上記多価ヒドロキシ化合物(a1)の具体例の中でも、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、および商品名「SKY CHDM」(新日本理化(株)製)が好ましく、これらの中でも1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールがさらに好ましい。
【0020】
1.2 ジアミン(a2)
本発明でポリエステル−ポリアミド酸(A1)の合成に用いられるジアミン(a2)の具体例としては、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル][3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル][3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、式(b)で表される化合物などを挙げることができる。
【化20】

(式中、R3およびR4は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R5は独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜100の整数である。)
【0021】
たとえば、得られる保護膜用組成物の透明性の向上するという点から、上記ジアミン(a2)の具体例の中でも、3,3'−ジアミノジフェニルスルホンおよびビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、上記式(b)の化合物が好ましく、これらの中でも3,3'−ジアミノジフェニルスルホンがさらに好ましい。
【0022】
本明細書中、「アルキル置換されたフェニレン」における、「アルキル」は、炭素数2〜10のアルキルであることが好ましく、炭素数2〜6のアルキルであることが更に好ましい。アルキルの例としては、制限するわけではないが、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
【0023】
1.3 酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)
本発明でポリエステル−ポリアミド酸(A1)の合成に用いられる酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の具体例としては、
スチレン−無水マレイン酸共重合体、メタクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体等の無水物基を有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとの共重合体;3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4ージカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、およびエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)(商品名「TMEG−100」、新日本理化(株)製)等の芳香族テトラカルボン酸二無水物;シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、およびシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等の脂環式テトラカルボン酸二無水物;ならびに、エタンテトラカルボン酸二無水物およびブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
【0024】
たとえば、得られる保護膜用組成物の透明性の向上するという点から、上記酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の具体例の中でも、透明性の良好な樹脂を与える、スチレン−無水マレイン酸共重合体、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)(商品名;TMEG−100、新日本理化(株)製)、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物およびブタンテトラカルボン酸二無水物等が好ましく、これらの中でも、スチレン−無水マレイン酸共重合体、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物およびブタンテトラカルボン酸二無水物等がさらに好ましい。
【0025】
1.4 ポリエステル−ポリアミド酸(A1)に添加される添加剤
【0026】
本発明で用いられるポリエステル−ポリアミド酸(A1)が、分子末端に酸無水物基を有している場合には、必要により、1価アルコールを添加して反応させることができる。1価アルコールを添加されたポリエステル−ポリアミド酸(A1)は、たとえば平坦性が良好となり好ましい。
【0027】
添加される1価アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、フェノール、ボルネオール、マルトール、リナロール、テルピネオール、ジメチルベンジルカルビノール、乳酸エチル、グリシドール、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン等を挙げることができる。
【0028】
たとえば、得られる保護膜用組成物の平坦性の向上するという点から、上記1価アルコールの具体例の中でも、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが好ましく、これらの中でもベンジルアルコールがさらに好ましい。
【0029】
また、分子末端に酸無水物基を有するポリエステル−ポリアミド酸(A1)に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、およびm−アミノフェニルメチルジエトキシシラン等のシリコン含有モノアミンを反応させると、たとえば得られた塗膜の耐薬品性が改善されるので好ましい。
また、1価アルコールとシリコン含有モノアミンを同時にポリエステル−ポリアミド酸(A1)に添加して反応させることもできる。
【0030】
1.5 反応条件
ポリエステル−ポリアミド酸(A1)は、多価ヒドロキシ化合物(a1)のヒドロキシ1モルに対して、ジアミン(a2)のアミノを0.1〜10モル、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の無水物を1〜10モル反応させて得られることが好ましい。また、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)は、多価ヒドロキシ化合物(a1)のヒドロキシ1モルに対して、ジアミン(a2)のアミノを0.2〜5モル、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の酸無水物を1.1〜5モル反応させて得られることがさらに好ましい。
【0031】
ポリエステル−ポリアミド酸(A1)を得るために用いられる溶剤は、当該化合物が合成できれば特に限定されるものではないが、たとえば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、およびN,N−ジメチルアセトアミド、などを挙げることができる。これらの中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルおよびN−メチル−2−ピロリドンを用いることが好ましい。
これらの溶剤は単独でも、2種以上の混合溶剤としても使用できる。また、上記溶剤以外に他の溶剤を混合して用いることもできるが、他の溶剤は30重量%以下の割合で用いることが好ましい。
【0032】
溶剤は、多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)との合計100重量部に対し100重量部以上使用すると、反応がスムーズに進行するので好ましい。反応は40℃〜200℃で、0.2〜20時間反応させるのが好ましい。
ポリエステル−ポリアミド酸(A1)にシリコン含有モノアミンを添加して反応させる場合には、多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)との反応が終了した後に、反応液を40℃以下まで冷却した後、シリコン含有モノアミンを添加し、10〜40℃で0.1〜6時間反応させると好ましい。
なお、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)に1価アルコールを添加して反応させてもよい。
【0033】
また、反応原料の反応系への添加順序に特に限定されない。すなわち、多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを同時に溶剤に加える、ジアミン(a2)と多価ヒドロキシ化合物(a1)を反応溶剤中に溶解させた後に酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)を添加する、多価ヒドロキシ化合物(a1)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)をあらかじめ反応させて共重合体を合成した後に、その共重合体にジアミン(a2)を添加する、ジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)をあらかじめ反応させて共重合体を合成した後に、その共重合体に多価ヒドロキシ化合物(a1)を添加する、などいずれの方法も用いることができる。
【0034】
1.6 ポリエステル−ポリイミド(A2)
ポリエステル−ポリイミド(A2)は、一般式(3)および一般式(2)で表される構成単位を有する化合物である。ポリエステル−ポリイミド(A2)の末端には、たとえば、酸無水物基、アミノ若しくはヒドロキシなどが構成される。式(3)および式(2)中におけるR1とR2とR3は上述のとおりである。
【0035】
本発明の保護膜用組成物から得られる膜の耐薬品性は、一般的にポリエステル−ポリイミド(A2)が高分子量である程好ましく、溶剤に対する溶解性は、一般的にポリエステル−ポリイミド(A2)が低分子量である程好ましい。そこで、本発明の保護膜用組成物に含まれるポリエステル−ポリイミド(A2)の重量平均分子量は1,000〜200,000であることが好ましく、2,000〜150,000であることがより好ましい。
【0036】
本発明において保護膜用組成物中のポリエステル−ポリイミド(A2)の濃度は特に限定されないが2〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がさらに好ましい。これらの濃度範囲であると、保護膜用組成物の粘度が最適となり、各種の塗布方法で均一な膜厚の塗膜を形成できるので好ましい。
【0037】
本発明で用いられるポリエステル−ポリイミド(A2)は、たとえば、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)をイミド化することによって得られる。このようにして得られたポリエステル−ポリイミド(A2)において、上記式(2)と式(3)中のR1は酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の残基であり、上記式(3)中のR2はジアミン(a2)の残基であり、上記式(2)中のR3は多価ヒドロキシ化合物(a1)の残基である。
【0038】
2 ポリアミド酸(B)
本発明で用いられるポリアミド酸(B)はそのような官能基を有すれば特に限定されるものではない。また、保護膜用組成物は、1つのポリアミド酸に限られず、複数のポリアミド酸を含んでもよい。
本発明において保護膜用組成物中のポリアミド酸(B)の濃度は特に限定されないが0.1〜20重量%が好ましく、0.2〜10重量%がさらに好ましい。これらの濃度範囲であると、保護膜用組成物の配向性と透明性が高くなり好ましい。
本発明においてポリアミド酸は、加熱あるいは脱水処理により部分的あるいは全てイミド化したポリイミドとしてから添加してもよい。
【0039】
ポリアミド酸(B)は、たとえば、ジアミンと酸無水物基を有する化合物とを反応させることにより得られる。
【0040】
2.1 ポリアミド酸(B)の合成に用いられるジアミン
本発明において、ポリアミド酸(B)の合成に用いられるジアミンは特に限定されるものではないが、具体例としては、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル][3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル][3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、上記式(b)で表される化合物、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]4−メチルシクロヘキサン、 1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタンおよび下記式1〜172で表される化合物等である。
【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【0041】
たとえば、得られる保護膜用組成物の配向性が向上するという点から、ポリアミド酸(B)の合成に用いられる上記ジアミンの具体例の中でも、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]4−メチルシクロヘキサン、 1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、が好ましい。
これらのジアミンは一種単独でまたは二種以上組み合わせても使用できる。
【0042】
2.2 ポリアミド酸(B)の合成に用いられる酸無水物基を有する化合物
本発明において、ポリアミド酸(B)の合成に用いられる酸無水物基を有する化合物は特に限定されるものではないが、具体例としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体、4―(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、下記式(173)〜(219)で表される化合物等である。
【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

【化42】

【化43】

【化44】

【0043】
ポリアミド酸(B)の合成に用いられる上記式(173)〜(219)で表される酸無水物基を有する化合物の具体例の中でも、式(173)、式(177)、式(178)、式(179)、式(180)、式(181)、式(185)、式(189)および式(191)で表される化合物が好ましい。
また、上記記載の酸無水物基を有する化合物は一種単独でも、または二種以上組み合わせて使用してもよい。
【0044】
2.3 ポリアミド酸(B)に添加される添加剤
本発明で用いられるポリアミド酸(B)が、分子末端に酸無水物基を有している場合には、必要により、1価アルコールを添加して反応させることができる。1価アルコールを添加されたポリアミド酸(B)は、たとえば平坦性が良好となり好ましい。添加される1価アルコールの例は、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)に添加される1価アルコールの例と同様である。
【0045】
また、ポリアミド酸(B)にシリコン含有モノアミンを添加して反応させると、たとえば得られた塗膜の耐薬品性が改善されるので好ましい。添加される1価アルコールの例は、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)に添加されるシリコン含有モノアミンの例と同様である。
また、1価アルコールとシリコン含有モノアミンを同時にポリアミド酸(B)に添加して反応させることもできる。
【0046】
2.4 反応条件
ポリアミド酸(B)は、ジアミン(a2)のアミノ1モルに対して、酸無水物基を有する化合物の酸無水物が0.8〜1.2モル反応させて得られることが好ましく、酸無水物基を有する化合物の無水物が0.9〜1.1モル反応させて得られるとさらに好ましい。
【0047】
ポリアミド酸(B)を得るために用いられる溶剤は、当該化合物が合成できれば特に限定されるものではなく、たとえば、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)を得るために用いられる溶剤と同様の溶剤を用いることができる。
溶剤は、ジアミンと酸無水物基を有する化合物との合計100重量部に対し100重量部以上使用すると、反応がスムーズに進行するので好ましい。反応は40℃〜200℃で、0.2〜20時間反応させるのが好ましい。
ポリアミド酸(B)にシリコン含有モノアミンを添加して反応させる場合には、ジアミンと酸無水物基を有する化合物との反応が終了した後に、反応液を40℃以下まで冷却した後、シリコン含有モノアミンを添加し、10〜40℃で0.1〜6時間反応させると好ましい。
【0048】
また、反応原料の反応系への添加順序に特に限定されない。すなわち、ジアミンと酸無水物基を有する化合物を同時に溶剤に加える、ジアミンを溶剤に加えた後に酸無水物基を有する化合物を加える、などいずれの方法も用いることができる。
【0049】
3 エポキシ樹脂(C)
本発明の保護膜用組成物は、必要によりエポキシ樹脂(C)を含んでも良い。
本発明で用いられるエポキシ樹脂(C)は、オキシランを有すれば特に限定されないが、オキシランを2つ以上有する化合物が好ましい。
本発明において保護膜用組成物中のエポキシ樹脂の濃度は特に限定されないが、0.5〜20重量%が好ましく、2〜15重量%がさらに好ましい。この濃度範囲であると、保護膜用組成物から形成された塗膜の耐熱性、耐薬品性が良好である。
エポキシ樹脂(C)の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、オキシランを有するモノマーの重合体、およびオキシランを有するモノマーと他のモノマーとの共重合体、などが挙げられる。
【0050】
エポキシ樹脂の具体例としては、商品名「エピコート807」、「エピコート815」、「エピコート825」、「エピコート827」、上記式(223)で表される化合物である「エピコート828」、「エピコート190P」、「エピコート191P」(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、商品名「エピコート1004」、「エピコート1256」(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、商品名「アラルダイトCY177」、上記式(220)で表される化合物である「アラルダイトCY184」(日本チバガイギー(株)製)、上記式(221)で表される化合物である商品名「セロキサイド2021P」、「EHPE−3150」(ダイセル化学工業(株)製)、上記式(222)で表される化合物である商品名「テクモアVG3101L」(三井化学(株)製)などを挙げることができる。これらの中でも、上記式(223)で表されn=0〜4の化合物の混合物である「エピコート828」、上記式(220)で表される化合物である「アラルダイトCY184」(日本チバガイギー(株)製)、上記式(221)で表される化合物である商品名「セロキサイド2021P」(ダイセル化学工業(株)製)、上記式(222)で表される化合物である商品名「テクモアVG3101L」(三井化学(株)製)が透明性と平坦性が良好であるため好ましい。
【0051】
また、オキシランを有するモノマーの具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びメチルグリシジル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0052】
オキシランを有するモノマーと共重合を行う他のモノマーとの具体例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド及びN−フェニルマレイミドなどを挙げることができる。
【0053】
オキシランを有するモノマーの重合体の好ましい具体例としては、ポリグリシジルメタクリレートなどを挙げることができる。また、オキシランを有するモノマーと他のモノマーとの共重合体の好ましい具体例としては、メチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、ベンジルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、ブチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体及びスチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を挙げることができる。
【0054】
4 本発明の保護膜用組成物に添加される添加剤
本発明の保護膜用組成物は、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)とそのイミド化物であるポリエステル−ポリイミド(A2)とからなる群から選ばれる1以上、および、ポリアミド酸(B)を混合させて得られるが、必要により、さらにエポキシ樹脂(C)を含む。さらに、目的とする特性によっては、本発明の保護膜用組成物は、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤、トリメリット酸等のエポキシ硬化剤、アミノシリコン化合物、溶剤、その他の添加剤を必要により選択して添加し、それらを均一に混合溶解することにより得ることができる。
【0055】
(1)界面活性剤
たとえば、塗布性の向上を望むときには、かかる目的に沿った界面活性剤を添加できる。本発明の保護膜用組成物に添加される界面活性剤の具体例としては、商品名「Byk−300」、「Byk−306」、「Byk−335」、「Byk−310」、「Byk−341」、「Byk−344」、「Byk−370」(ビック・ケミー(株)製)などのシリコン系界面活性剤、商品名「Byk−354」、「ByK−358」、「Byk−361」(ビック・ケミー(株)製)などのアクリル系界面活性剤、商品名「DFX−18」、「フタージェント250」、「フタージェント251」(ネオス(株)製)などのフッ素系界面活性剤を挙げることができる。
これらの帯電防止剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。
界面活性剤は、下地基板への濡れ性、平坦性、または塗布性を向上させるために使用するものであり、保護膜用組成物中0.01〜1重量%添加して用いられることが好ましい。
【0056】
(2)帯電防止剤
本発明の保護膜用組成物に添加される帯電防止剤は、特に限定されるものではなく、通常の帯電防止剤を用いることができる。具体的には、酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物等の金属酸化物や四級アンモニウム塩等が挙げられる。
これらの帯電防止剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。
帯電防止剤は、帯電を防止するために使用するものであり、保護膜用組成物中0.01〜1重量%添加して用いられることが好ましい。
【0057】
(3)カップリング剤
本発明の保護膜用組成物に添加されるカップリング剤は、特に限定されるものではなく、通常のカップリング剤を用いることができる。添加されるカップリング剤はシランカップリング剤が好ましく、具体的には、トリアルコキシシラン化合物またはジアルコキシシラン化合物等を挙げることができる。好ましくは、例えば、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−アミノエチル−γ−イミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトジエトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン等が例示できる。なかでも、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0058】
これらのカップリング剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。
カップリング剤は、保護膜用組成物中0.01〜3重量%添加して用いられることが好ましい。
【0059】
(4)エポキシ硬化剤
本発明の保護膜用組成物に添加されるエポキシ硬化剤は、特に限定されるものではなく、通常のエポキシ硬化剤を用いることができる。具体的には、有機酸ジヒドラジド化合物、イミダゾール及びその誘導体、ジシアンジアミド、芳香族アミン、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物等が挙げられる。さらに具体的には、ジシアンジアミド等のジシアンジアミド類、アジピン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等の有機酸ジヒドラジド、2,4−ジアミノ―6―[2'−エチルイミダゾリル−(1')]−エチルトリアジン、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、無水フタル酸、無水トリメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸―1,2−無水物等の酸無水物等が挙げられる。これらの中でも透明性が良好なトリメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸―1,2−無水物が好ましい。
【0060】
これらのエポキシ硬化剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。
エポキシ硬化剤は、保護膜用組成物中0.2〜5重量%添加して用いられることが好ましい。
【0061】
(5)アミノシリコン化合物
本発明の保護膜用組成物においてアミノシリコン化合物を添加することができる。アミノシリコン化合物としては、パラアミノフェニルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリエトキシシラン、メタアミノフェニルトリメトキシシラン、メタアミノフェニルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらのアミノシリコン化合物は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。
アミノシリコン化合物は、基板への密着性を良くするために使用するものであり、保護膜用組成物中0.05〜2重量%添加して用いられることが好ましい。
【0062】
(6)溶剤
本発明の保護膜用組成物に含まれ得る溶剤は、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)、ポリエステル−ポリイミド(A2)、ポリアミド酸(B)、エポキシ樹脂(C)を溶解することができる溶剤であれば特に制限されない。溶剤は、ポリアミド酸、可溶性ポリイミドなどの高分子成分の製造工程や用途面で通常使用されている溶剤を広く含み、使用目的に応じて、適宜選択できる。
【0063】
これらの溶剤を例示すると以下のとおりである。ポリアミド酸や可溶性ポリイミドに対し親溶剤である非プロトン性極性有機溶剤の例は、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド、γ−ブチロラクトンなどである。
また、塗布性改善などを目的とした他の溶剤の例としては、乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラリン、イソホロン、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのジエチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルまたはフェニルアセテート、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル、マロン酸ジエチルなどのマロン酸ジアルキル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、これらアセテート類などのエステル化合物が挙げられる。これらの溶剤の中でも、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどを特に好ましく用いることができる。
【0064】
これらの溶剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。また、溶剤は、保護膜用組成物中の固形分濃度が5〜60重量%となるように添加して用いられることが好ましい。
【0065】
(7)その他の添加剤
本発明の保護膜用組成物は、本発明の特性を損なわない範囲(好ましくは保護膜用組成物の20重量%以内)で、可溶性ポリイミド、ポリエステル、アクリル酸ポリマー、アクリレートポリマー等のポリマー成分と混合して使用することも可能である。
また、本発明の保護膜用組成物には、ジカルボン酸もしくはその誘導体とジアミンとの反応生成物であるポリアミドやテトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸もしくはその誘導体とジアミンとの反応生成物であるポリアミドイミド等のポリマー成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0066】
5 保護膜の形成
本発明の保護膜用組成物を、基板表面に塗布し、ホットプレート、またはオーブンなどでの加熱により溶剤を除去することによって塗膜を形成することができる。加熱条件は各成分の種類および配合割合によって異なるが、通常70〜120℃で、オーブンを用いた場合5〜15分間、ホットプレートを用いた場合1〜5分間で塗膜が形成される。
基板表面への保護膜用組成物の塗布は、スピンコート法、ロールコート法、ディッピング法、およびスリットコート法など通常の方法により塗膜を形成することができる。
【0067】
塗膜を形成後、塗膜を硬化させるために180〜250℃、好ましくは200〜240℃で、オーブンを用いた場合30〜90分間、ホットプレートを用いた場合5〜30分間加熱処理することによって硬化膜を得ることができる。
【0068】
このようにして得られた硬化膜は、加熱時において、ポリエステル−ポリアミド酸のポリアミド酸部分およびポリアミド酸が脱水環化しイミド結合を形成しており、さらにラビング処理により液晶配向膜としての特性が発現する。この硬化膜はアルカリ溶液により容易に除去が可能であり、リワーク性に優れた保護膜である。
また、エポキシ樹脂(C)を添加した場合は、上記イミド結合の形成と同時にポリエステル−ポリアミド酸のフリーのカルボン酸とエポキシ樹脂とが反応し、非常に強靭で、透明性、耐熱性、耐薬品性、平坦性、密着性および耐スパッタ性に優れ、かつ液晶配向性を有した保護膜となる。
【0069】
6 表示素子用基板
本発明の表示素子用基板は、配向処理がなされた保護膜と、当該保護膜上に形成された重合性液晶組成物を重合させて得られた光学膜とを有する。
本発明の表示素子用基板は、ガラス基板等の基板に本発明の保護膜用組成物を塗布した後、当該組成物を乾燥・加熱処理して、脱水・閉環反応させることによって、基板上に保護膜を形成する。保護膜を配向処理した後に、当該配向膜上に重合性の組成物を塗布して重合させることによって、液晶組成物を構成する分子の配向状態が固定化した光学膜が形成される。
このように、本発明の表示素子用基板は光学補償機能を有することができる。このような表示素子用基板は、所定の画素毎にまたは画素の所定の領域に、特定の光学異方性を有する光学補償層を独立して形成できる。
【0070】
本発明の表示素子用基板に用いられる重合性液晶組成物は特に限定されないが、たとえば市販の重合性液晶組成物が使用できる。また、本発明の表示素子用基板に用いられる重合性液晶組成物に含まれる重合性液晶モノマーは、たとえば、特開平9−316032号公報、特開平7−17910号公報、WO98/00428号パンフレット、Macromolecules, 26, 6132-6134 (1993)、DE19504224A1公報、Makromol. Chem., 190, 3201-3215 (1998)、特開2003−48903号公報、WO97/00600号パンフレット、EP1205467A1公報、または特開2006−307150号公報などに記載されているモノマーが用いられる。
7 カラーフィルター基板
本発明のカラーフィルター基板は、たとえば、ブラックマトリックスが形成されたガラス基板上に、R、G、B(赤、緑、青)の3色のカラーフィルターが形成され、さらに本発明の保護膜用組成物からなる保護膜等が形成された構成を有する。
【0071】
本発明のカラーフィルター基板は、ガラス基板等の透明基板上に、クロム等のメタルからなるブラックマトリックスをフォトリソグラフィ、エッチングによって形成した後、所定の色について所定の形状のレジストパターンをマスクとしてエッチングを行って、カラーフィルターパターンを得る工程、その後、本発明の保護膜用組成物を塗布する工程、これに続く乾燥工程および脱水・閉環反応に必要な加熱処理する工程を経て製造される。そして、必要に応じて、カラーフィルター基板を構成する保護膜を配向処理する工程が行われる。
【0072】
配向処理工程での配向処理方法としてはラビング法、光配向法、転写法などの一般に知られている方法が用いられる。
本発明で特に好ましく用いることのできる配向処理方法は、ラビング法であり、本発明の目的が達成される範囲内である限りどのようなラビング処理条件であってもよい。特に好ましい条件は、毛足押し込み量0.2〜0.8mm、ステージ移動速度5〜250mm/s、ローラー回転速度500〜2,000rpmである。
【0073】
従来のカラーフィルター基板ではオーバーコートと配向膜が形成されていたが、本発明の保護膜用組成物からなる保護膜はオーバーコートが有する機能である平坦性と、配向膜が有する機能である配向性とを有するため、本発明の保護膜用組成物の保護膜を形成すれば、カラーフィルター基板の製造工程を簡易化できると共に、製造コストを低減できる。
【0074】
8 液晶表示素子
本発明の液晶表示素子は、本発明の保護膜用組成物を用いて得られた保護膜を有する表示素子用基板またはカラーフィルター基板を有する。たとえば、本発明のカラーフィルター基板を有する液晶表示素子は、画素電極および共通電極を有しカラーフィルター基板に対向配置される第2の透明基板(たとえばTFT基板)、および両基板に挟持された液晶を含む構成を有する。
本発明のカラーフィルター基板はITO電極を含めないこともできるため、横電界方式(In Plane Switching方式)の液晶表示素子に好ましく用いることできる。
【0075】
本発明の液晶表示素子は、配向処理された本発明のカラーフィルター基板と配向処理された前記第2の透明基板とをスペーサーを介して対向させて組み立てる工程、液晶材料を封入する工程、および、偏光フィルムを貼り付ける工程が行われて製造される。
なお、基板に設けられた電極は、ガラスなどの透明基板上にクロムなどの金属をスパッタリング法などを用いて堆積した後、所定の形状のレジストパターンをマスクとしてエッチングを行って形成される。
【0076】
本発明の液晶表示素子は、配向処理の前後に洗浄液による洗浄処理を行って製造されることもできる。洗浄方法としては、ブラッシング、ジェットスプレー、蒸気洗浄または超音波洗浄などが挙げられる。これらの方法は単独で行ってもよいし、併用してもよい。洗浄液としては純水または、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、塩化メチレンなどのハロゲン系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類を用いることができるが、これらに限定されるものではない。もちろん、これらの洗浄液は十分に精製された不純物の少ないものが用いられる。
【0077】
本発明の液晶表示素子において用いられる液晶組成物は、特に制限されることはないがたとえば誘電率異方性が正の各種の液晶組成物を用いることができる。好ましい液晶組成物の例は、特許第3086228号公報、特許第2635435号公報、特表平5−501735号公報、特開平8−157826号公報、特開平8−231960号公報、特開平9−241644号公報(EP885272A1明細書)、特開平9−302346号公報(EP806466A1明細書)、特開平8−199168号公報(EP722998A1明細書)、特開平9−235552号公報、特開平9−255956号公報、特開平9−241643号公報(EP885271A1明細書)、特開平10−204016号公報(EP844229A1明細書)、特開平10−204436号公報、特開平10−231482号公報、特開2000−087040号公報、特開2001−48822公報などに開示されている。
【0078】
また、本発明の液晶表示素子において用いられる液晶組成物は、たとえば誘電率異方性が負の各種の液晶組成物を用いることもできる。好ましい液晶組成物の例は、特開昭57−114532号公報、特開平2−4725号公報、特開平4−224885号公報、特開平8−40953号公報、特開平8−104869号公報、特開平10−168076号公報、特開平10−168453号公報、特開平10−236989号公報、特開平10−236990号公報、特開平10−236992号公報、特開平10−236993号公報、特開平10−236994号公報、特開平10−237000号公報、特開平10−237004号公報、特開平10−237024号公報、特開平10−237035号公報、特開平10−237075号公報、特開平10−237076号公報、特開平10−237448号公報(EP967261A1明細書)、特開平10−287874号公報、特開平10−287875号公報、特開平10−291945号公報、特開平11−029581号公報、特開平11−080049号公報、特開2000−256307公報、特開2001−019965公報、特開2001−072626公報、特開2001−192657公報などに開示されている。
【0079】
また、前記誘電率異方性が正または負の液晶組成物に一種以上の光学活性化合物を添加して使用してもよい。
【実施例】
【0080】
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0081】
実施例および比較例で用いる、ジアミン、テトラカルボン酸二無水物および溶剤の名称を略号で示す。以降の記述にはこの略号を使用する。
【0082】
ジアミン
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル:APE
3,3'−ジアミノジフェニルスルホン:DDS
テトラカルボン酸二無水物
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物:CBDA
ピロメリット酸二無水物:PMDA
3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物:ODPA
溶剤成分
N−メチル−2−ピロリドン:NMP
γ―ブチロラクトン:GBL
ブチルセロソルブ:BC
【0083】
[合成例1]ポリエステル−ポリアミド酸の合成
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた500mlの四つ口フラスコに、ODPAを65.00g、1,4−ブタンジオールを9.44g、脱水精製したNMPを111.66g入れ、乾燥窒素気流下130℃で1時間攪拌した。この反応液を40℃まで冷却し、DDSを26.01g、脱水精製したNMPを122.72g入れ、乾燥窒素気流下40℃で2時間攪拌した。最後に脱水精製したNMPを167.42g加えて攪拌し、淡黄色透明なポリエステル−ポリアミド酸の20%溶液を得た。この溶液の粘度は311mPa・sであった。GPCで測定した重量平均分子量は14,000であった。
【0084】
[合成例2]ポリアミド酸の合成
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた200mlの四つ口フラスコにCBDAを1.96g、PMDAを2.18g、APEを4.00g、脱水NMPを77.32g入れ、乾燥窒素気流下25℃で30時間攪拌した。この反応液にBCを38.67g、GBLを38.67g加え、50℃に昇温して6時間攪拌した後、冷却し、固形分の濃度が5重量%のポリアミド酸溶液を得た。反応液の粘度は34.2mPa・s(E型粘度計、25℃)であった。得られたポリアミド酸の重量平均分子量は38,000であった。
【0085】
[実施例1]保護膜用組成物の調製
以下に示す各成分を乾燥窒素気流下室温で混合溶解した。
合成例1のポリエステル−ポリアミド酸溶液 5.00g
合成例2のポリアミド酸溶液 2.00g
NMP 1.00g
GBL 2.00g
BC 2.00g
【0086】
このようにして得られた溶液を、0.2μmのフッ素樹脂製のメンブレンフィルターでろ過し、保護膜用組成物を得た。
【0087】
[実施例2]保護膜の作製
実施例1で得られた保護膜用組成物を電極付きガラス基板上にスピンナーにて塗布して塗膜を形成した。塗布条件は800rpm、10秒であった。塗膜後80℃にて約5分間予備焼成した後、210℃にて30分間加熱処理を行い膜厚1.22μmの保護膜を形成した。この保護膜の400nmでの透過率は97.7%であった。得られた保護膜を株式会社飯沼ゲージ製作所製のラビング処理装置を用いて、ラビング布(毛足長1.8mm:レーヨン)の毛足押し込み量0.40mm、ステージ移動速度を60mm/s、ローラー回転速度を1500rpmの条件で、ラビング処理した。ラビング処理後の液晶配向膜表面を100倍および400倍の光学顕微鏡で観察したところ、ラビングによる削れ跡、削れカスは見られなかった。
【0088】
得られた液晶挟持基板を超純水中で5分間超音波洗浄後、オーブン中120℃で30分間乾燥した。この保護膜を形成した電極付きガラス基板に4μmのギャップ材を散布し、保護膜を形成した面を内側にして貼り合わせ、エポキシ硬化剤でシールし、ギャップ4μmのパラレルセルを作成した。前記セルに液晶材料を注入し、注入口を光硬化剤で封止した。次いで、110℃で30分間加熱処理を行った後、室温に戻した。液晶材料として使用した液晶組成物の組成は下記の通りであった。この組成物のNI点は100.0℃であり、複屈折は0.093であった。
【0089】
【化45】

【0090】
配向性の確認
室温にて、偏光顕微鏡観察により配向性の確認を行った。電圧無印加の状態で配向状態を確認した。セルを回転させると、明状態と暗状態が交互に観測された。また暗状態での配向不良による光漏れは見られなかった。
【0091】
[実施例3]
以下に示す各成分を乾燥窒素気流下室温で混合溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製メンブレンフィルターでろ過し、保護膜用組成物を得た。
合成例1のポリエステル−ポリアミド酸溶液 5.00g
合成例2のポリアミド酸溶液 2.00g
セロキサイド2021P(脂環式エポキシ樹脂)0.50g
NMP 1.00g
GBL 2.00g
BC 2.00g
【0092】
スピンナーによる塗布条件が1800rpm、10秒であったこと以外は、実施例2と同様の条件の下、膜厚1.35μmの保護膜を形成した。この保護膜の400nmでの透過率は97.9%であった。
得られた保護膜について実施例1と同様の条件の下でラビング処理を行い、ラビング処理後の液晶配向膜表面を100倍および400倍の光学顕微鏡で観察したところ、ラビングによる削れ跡、削れカスは見られなかった。またセル作製後の偏光顕微鏡による配向性の確認においても、電圧無印加の暗状態で配向不良による光漏れは確認されなかった。
【0093】
[実施例4]
実施例3で調製した保護膜用組成物を使用して、実施例3と同様の条件でガラス基板に保護膜を形成してから、当該保護膜にラビング処理を行った。この保護膜上に、重合性液晶組成物(PLC−1)をスピンナーにより塗布した。塗布条件は800rpm、10秒であった。PLC−1を塗布後、基板を80℃で3分間、ホットプレート上で加温し、その後、室温のアルミバット上に置いて冷却した。さらに窒素雰囲気下で365nmの紫外線を300mJ/cm2照射し、220℃のオーブンで30分間焼成し、重合性液晶組成物(PLC−1)からなる光学膜を得た。このようにして、保護膜と当該保護膜上に形成された光学膜とを有する表示素子用基板を得た。偏光顕微鏡により配向性を確認したところ、配向性は良好であった。
【0094】
重合性液晶組成物(PLC−1)
LC11 19.5重量%
LC12 10.5重量%
シクロペンタノン 69.0重量%
IRGACURE 651 1.0重量%
【化46】

化合物(LC11)および(LC12)は特開2006−307150号公報に開示された方法で合成された。また、IRGACURE 651はチバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製の光重合開始剤である。
【0095】
[比較例1]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた500mlの四つ口フラスコに2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)を6g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略す)を200g、スチレンを20g、メタクリル酸グリシジルを65g、N−フェニルマレイミドを15g入れ、乾燥窒素気流下95℃で4時間反応させて共重合体溶液を得た。
【0096】
この共重合体溶液に以下の成分を加えて乾燥窒素気流下室温で混合溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製メンブレンフィルターでろ過し、保護膜用組成物を得た。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 100g
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 60g
エピコート1032H60
(脂環式エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ(株)製) 20g
無水トリメリット酸 20g
γ−グリシドキシプロピルジエトキシシラン 5g
メガファック172
(界面活性剤、大日本インキ化学工業(株)製) 0.02g
【0097】
スピンナーによる塗布条件が1250rpm、10秒であったこと以外は、実施例1と同様の条件の下、膜厚1.41μmの保護膜を形成した。この保護膜の400nmでの透過率は98.7%であった。
得られた保護膜について実施例1と同様の条件の下でラビング処理を行い、ラビング処理後の液晶配向膜表面を100倍および400倍の光学顕微鏡で観察したところ、ラビングによる削れ跡、削れカスは見られなかった。また、セル作製後の偏光顕微鏡による配向性を確認したところ、電圧無印加の暗状態で配向不良による光漏れが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明の活用法として、例えば、液晶表示素子および液晶表示素子を構成するカラーフィルター基板を挙げることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)および(2)
【化1】

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位を有するポリエステル−ポリアミド酸(A1)および、下記一般式(3)および(2)
【化2】

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位を有するポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上、ならびに、ポリアミド酸(B)を含む保護膜用組成物。
【請求項2】
少なくとも多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて得られたポリエステル−ポリアミド酸(A1)、および、ポリアミド酸(B)を含む保護膜用組成物。
【請求項3】
少なくとも多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて得られたポリエステル−ポリアミド酸(A1)およびそのイミド化物であるポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上、ならびに、ポリアミド酸(B)を含む保護膜用組成物。
【請求項4】
多価ヒドロキシ化合物(a1)がジオールであり、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)がテトラカルボン酸二無水物である、請求項2または3に記載の保護膜用組成物。
【請求項5】
多価ヒドロキシ化合物(a1)が1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールからなる群から選ばれる1以上であり、ジアミン(a2)が3,3'−ジアミノジフェニルスルホンおよびビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンおよび下記式(b)
【化3】

(式中、R3およびR4は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R5は独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜100の整数である。)
で表される化合物からなる群から選ばれる1以上であり、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)がスチレン−無水マレイン酸共重合体、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物およびブタンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上である、請求項2または3に記載の保護膜用組成物。
【請求項6】
ポリエステル−ポリアミド酸(A1)が、多価ヒドロキシ化合物(a1)のヒドロキシ1モルに対して、ジアミン(a2)のアミノを0.1〜10モル、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の無水物を1〜10モル反応させて得られる、請求項2〜5のいずれかに記載の保護膜用組成物。
【請求項7】
ポリエステル−ポリアミド酸(A1)が、下記一般式(1)および(2)
【化4】

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位を有する、請求項2〜6のいずれかに記載の保護膜用組成物。
【請求項8】
ポリエステル−ポリイミド(A2)が、 下記一般式(3)および(2)
【化5】

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位を有する、請求項2〜7のいずれかに記載の保護膜用組成物。
【請求項9】
下記一般式(1)および(2)
【化6】

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位を有するポリエステル−ポリアミド酸(A1)と
下記一般式(3)および(2)
【化7】

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位を有するポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上、ならびに、ポリアミド酸を含む、保護膜用組成物。
【請求項10】
ポリアミド酸(B)が、少なくとも4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]4−メチルシクロヘキサン、 1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサンおよび1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタンからなる群から選ばれる1以上のジアミンと、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物および3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上のテトラカルボン酸二無水物とを用いて得られた、請求項1〜9のいずれかに記載の保護膜用組成物。
【請求項11】
ポリエステル−ポリアミド酸(A1)が2〜40重量%およびポリアミド酸(B)が0.1〜20重量%含まれる、請求項1〜10のいずれかに記載の保護膜用組成物。
【請求項12】
保護用組成物がさらにエポキシ樹脂(C)を含む、請求項1〜11のいずれかに記載の保護膜用組成物。
【請求項13】
エポキシ樹脂(C)が下記式から選ばれる化合物である、請求項12に記載の保護膜用組成物。
【化8】

(式中、nは0〜10の整数である。)
で表される化合物からなる群から選ばれる1以上である、請求項12に記載の保護膜用組成物。
【請求項14】
ポリエステル−ポリアミド酸(A1)が2〜40重量%、ポリアミド酸(B)が0.1〜20重量%およびエポキシ樹脂(C)が0.5〜20重量%含まれる、請求項12または13に記載の保護膜用組成物。
【請求項15】
1,4−ブタンジオールと3,3'−ジアミノジフェニルスルホンと3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られたポリエステル−ポリアミド酸(A1)を5〜30重量%、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物と1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られたポリアミド酸(B)を0.2〜10重量%、および
下記式(220)〜(223)
【化9】

(式中、nは0〜10の整数である。)
で表される化合物からなる群から選ばれる1以上のエポキシ樹脂(C)を2〜15重量%含む、保護膜用組成物。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載された保護膜用樹脂組成物から得られる保護膜。
【請求項17】
請求項16に記載された保護膜と、当該保護膜上に形成された重合性液晶組成物から得られる光学膜とを含む表示素子用基板。
【請求項18】
請求項16に記載された保護膜が形成されたカラーフィルター基板。
【請求項19】
請求項17に記載された表示素子用基板または請求項18に記載されたカラーフィルター基板を有する液晶表示素子。

【公開番号】特開2008−33244(P2008−33244A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−84528(P2007−84528)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000002071)チッソ株式会社 (658)
【Fターム(参考)】