説明

倣いレーザビーム振動装置及びビーム振動レーザ加工装置

【課題】レーザ加工において,被加工材上の加工線へのレーザビームの倣い制御のビーム制御手段との通信することなく,レーザビーム振動手段単独で自律的に,直線状または曲線上状の加工線の接線方向に対して所定の角度でレーザスポットを振動させて,加工線の両側に対称なレーザ照射軌跡を形成することにより,良好な加工特性を実現するための倣いレーザビーム振動装置及びビーム振動レーザ加工装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の倣いレーザビーム振動装置は,レーザビームLBを被加工材W上に照射するレーザ加工ノズル7が加工線に沿って移動する際に,被加工材Wに対して相対的なレーザ加工ノズル7の移動方向のみまたは移動方向と速さ(移動速度)を検出する移動速度検出手段を具備し,移動方向のみまたは前記移動速度に応じて,加工線と所定の角度でレーザビームLBを振動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,金属やセラミックス等を被加工物として,溶接や切断等の加工を施すレーザ加工装置に関わり,さらに詳しくは,被加工物上で集光したレーザビームを振動させながらレーザ加工を行うための,倣いレーザビーム振動装置及びビーム振動レーザ加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば,レーザビームを用いた突き合わせ溶接において,ワーク(被加工材)の突き合わせ部の空隙(ギャップ)が溶接線方向に均一でないことが多く,しかもレーザビームのスポット径が1mm以下程度とかなり小さいため,突き合わせ部を縫い合わせるようにレーザビームの照射位置を変化させながら溶接を行うウィービング溶接が,良好な溶接結果を得るために効果的であることが知られている。
【0003】
特許文献1には,レーザロボットのアーム先端に取り付けたトーチからのレーザビーム照射において,回転軸方向に垂直な面からそれぞれ予め定められた角度傾けられた複数の傾斜ミラーを,それぞれの回転軸のまわりに回転させる複数の傾斜ミラー回転機構が,レーザビームの光路に沿って直列に配置されており,前記複数の傾斜ミラー回転機構によってそれぞれの複数の傾斜ミラーを回転軸まわりに回転させつつ,それらを経由して伝送されたレーザビームをトーチから照射することによって,照射点におけるレーザビームの照射方向が周期的に偏向を受けるようにした装置が開示されている。当装置では,溶接作業を遂行するためのアームの動作は,入出力装置を経て外部からレーザロボットの制御系に指示される。
【0004】
特許文献2には,溶接,切断,焼き入れ,表面処理,表層除去などの加工を行う形式のレーザ加工装置における,レーザビームの照射点をあらゆる方向へ往復振動させることが可能なレーザビーム振動装置が記載されている。すなわち,当該レーザビーム振動装置は,第1軸心まわりに揺動可能に設けられた可動反射鏡と,その可動反射鏡に所定周波数の往復揺動を付与する振動駆動装置とを有する。レーザ光源から出力されたレーザビームをその可動反射鏡において所定の方向へ反射させることにより,そのレーザビームの照射点を所定の方向に往復振動させるレーザビーム振動装置であって,前記第1軸心に直交する面内に位置する第2軸心まわりに回転可能に設けられて前記可動反射鏡および振動駆動装置を支持する回転支持部材,及び,その回転支持部材を回転駆動することにより前記可動反射鏡を前記第2軸心まわりに回転させる回転駆動装置が開示されている。
【0005】
特許文献3には,被加工物を加工線に沿って切断したり,穴開けあるいは焼き入れ等の熱加工処理を施す際に,被加工物の加工線が自由曲線であっても常に加工線に対して直交方向にビーム走査を行って,被加工物の加工線に対する均等な入熱制御を可能とし,加工品質の向上を図ることのできるレーザ加工装置が記載されている。すなわち,レーザビームを発生させるビーム発生手段と,前記ビーム発生手段から発生したレーザビームを集束させ,これを走査しながら被加工物に照射するビーム走査手段とを備えたレーザ加工装置において,前記被加工物を載置し前記ビーム走査手段から照射されるレーザビームとほぼ直交する面内の少なくとも2軸方向に移動可能なテーブルと,前記テーブルを移動量や移動速度に関する移動指令値に基づいて加工線に沿って移動制御するテーブル制御手段とを備え,前記ビーム走査手段が,集束されたレーザビームを少なくとも直交する2軸の走査軸で走査させるスキャナ駆動部と,前記テーブル制御手段の移動指令値に基づいて前記被加工物の加工線に対して前記レーザビームが常に直交方向に走査されるように前記スキャナ駆動部を制御するスキャナ制御部とを備えたことを特徴とするレーザ加工装置が開示されている。
【0006】
上記した従来のレーザビームを振動させながらレーザ加工を施すレーザビーム加工装置では,予め設定した加工線に沿ってレーザビームを照射する際に,当該設定を基にして加工線に直交する方向にレーザビーム振動を付加する方式のレーザビーム振動機能を具備している。
【0007】
【特許文献1】特開平4−220190号公報
【特許文献2】特開平7−185866号公報
【特許文献3】特開平11−784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の従来の方法では,予め設定した加工線にレーザビームを倣わせる駆動装置と,レーザビームを振動させる振動制御装置とを連動させるためには,レーザトーチを位置制御するNC装置等の制御装置の制御軸の追加や加工用制御プログラムの変更等が必要となり,両者間の連携のために大がかりなシステムが必要であった。そして振動機構が故障したときや一時的に振動を停止させて加工するときに,レーザビーム振動の無い状態でレーザ加工することが容易ではなかった。そして,制御軸の一部にトラブルを抱えたまま加工続行ということもできないので,レーザ加工操業上重大な影響を及ぼすことがあった。
【0009】
本発明は,上記の問題点に鑑みてなされたもので,レーザ加工において,被加工材上の加工線へのレーザビームの倣い制御のビーム制御手段との通信することなく,レーザビーム振動手段単独で自律的に,直線状または曲線上状の加工線の接線方向に対して所定の角度でレーザスポットを振動させて,加工線の両側に対称なレーザ照射軌跡を形成することにより,良好な加工特性を実現するための倣いレーザビーム振動装置及びビーム振動レーザ加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明の要旨は,下記のごとくである。
(1)被加工材面上の加工線に沿ってレーザ加工ノズルを相対的に移動させる際に,レーザビームを振動させながら照射するレーザビーム振動装置であって,前記被加工材に対して相対的な前記レーザ加工ノズルの移動方向のみまたは移動方向と速さ(移動速度)を検出する移動速度検出手段を具備し,前記移動方向のみまたは前記移動速度に応じて前記加工線と所定の角度で前記レーザビームを振動させることを特徴とする倣いレーザビーム振動装置である。
【0011】
(2) (1)に記載の倣いレーザビーム振動装置において,レーザビームを被加工材
上に集光照射し,且つレーザビームを振動させるためのミラーを具備するレーザ加工ヘッドと,前記レーザ加工ノズルが前記加工線に沿って移動する際に,前記レーザ加工ノズルの移動方向のみまたは移動方向と速さを検出する移動速度検出手段と,前記移動方向または前記移動速度の検出値に基づいて,前記加工線に対して所定の角度,所定の周波数,及び所定の振幅でレーザビームを振動させるミラー駆動制御手段を具備する倣いレーザビーム振動装置である。
【0012】
(3) (2)に記載の倣いレーザビーム振動装置において,前記レーザ加工ヘッドは,レーザビームを前記被加工材面上で振動させる可動ミラーを有するミラー駆動部とレーザ加工ノズルで構成され,前記移動速度検出手段は,前記加工線上の前記レーザ加工ノズルの移動量を検出する移動量検出部,及び前記移動量を基に前記レーザ加工ノズルの移動方向と速さを得る移動速度演算部で構成され,前記ミラー駆動制御手段は,前記移動方向と速さの検出値に基づいて,前記加工線に対して所定の角度,所定の周波数,及び所定の振幅でレーザビームを振動させる振動信号を生成する振動信号生成部と,該振動信号に基づいて前記可動ミラーを振動させてレーザビームを振動照射するミラー駆動制御部で構成される,倣いレーザビーム振動装置である。
【0013】
(4) (3)に記載の倣いレーザビーム振動装置において,前記移動量検出部は,光源,被加工材表面の画像を得る撮像素子,及び前記画像から移動量を演算する画像処理部で構成されていることを特徴とする記載の倣いレーザビーム振動装置である。
【0014】
(5) (3)に記載の倣いレーザビーム振動装置において,前記移動量検出部は,レーザ光源とPSD(Position Sensitive Detector)の組み合わせ,レーザ距離計,またはCCD距離計のうちの一つまた複数の組み合わせで構成されることを特徴とする倣いレーザビーム振動装置である。
【0015】
(6) (1)〜(3)のうちの一項に記載の倣いレーザビーム振動装置において,前記移動速度検出手段は,加速度センサまたは/およびジャイロスコープを具備することを特徴とする倣いレーザビーム振動装置である。
【0016】
(7) (1)〜(3)のうちの一項に記載の倣いレーザビーム振動装置において,前記移動速度検出手段は,ロータリーエンコーダを具備することを特徴とする倣いレーザビーム振動装置である。
【0017】
(78) 被加工材面上の加工線に沿ってレーザビームを振動させながら照射するレーザビーム加工装置であって,レーザビームを被加工材上に集光照射するレーザ加工ヘッドが,予め設定した加工線に沿って倣いながらレーザ加工するレーザビーム倣い手段と,(1)〜(76)のうちの一つに記載の倣いレーザビーム振動装置を具備することを特徴とするビーム振動レーザビーム加工装置である。
【0018】
(89) 被加工材面上をレーザビームを振動させながら照射するレーザビーム加工装置であって,レーザビームを被加工材上に集光照射するレーザ加工ヘッドが,手動またはリアルタイムに指示される被加工材上の加工線に沿って相対移動する手段と,(1)〜(76)のうちの一つに記載の倣いレーザビーム振動装置を具備することを特徴とするビーム振動レーザビーム加工装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の倣いレーザビーム振動装置によれば,レーザ加工において被加工材上の加工線への,レーザビームの倣いのためのレーザビーム制御手段によらず,倣いレーザビーム振動装置のみ単独で自律的にレーザビームを振動させて,加工線の両側に所定の角度でレーザスポットを振動させてレーザ加工を実行することができる。
【0020】
その結果,本発明のビーム振動レーザビーム加工装置では,レーザビーム振動の有無を問わず,レーザビームの加工線への倣いを同様に制御することができ,レーザビーム倣いの制御手段を同一にできる。また,レーザビーム倣い制御手段にレーザビーム振動手段を単純に追加する構成が可能であり,装置構成を簡略にすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の倣いレーザビーム振動装置及びビーム振動レーザ加工装置の実施の形態を,図を用いて詳細に説明する。なお,下記の各図において,同一の機能を有する部分には同一の番号を付記した。
【0022】
<第一の実施の形態>
本願第1の発明である倣いレーザビーム振動装置の一例について,レーザ切断装置における実施の形態を図1に示すブロック図を用いて説明する。なお,切断のほか溶接,焼き入れ,表面処理,または表層除去等を行うレーザ加工装置においても,同様に倣いレーザビーム装置を構成することができることは明らかである。
【0023】
(全体構成)
本実施の形態例の倣いレーザビーム振動装置は,レーザビームLBを被切断材(ワーク)W上に集光・照射してレーザスポットを形成して,切断線に直交する方法に当該レーザスポットを振動させながら切断加工するものである。本装置は,レーザビームLBとアシストガスの出射するレーザ加工ノズル7と,レーザ加工ノズル7の被切断材Wに対する移動量を検出するための移動量検出部1,及び移動量検出部1からの情報を基にレーザ加工ノズル7の移動方向と速さを算出する移動速度演算部2で構成される移動速度検出手段と,移動速度演算部2で算出された移動速度情報に基づいてレーザビームLBの振動制御信号を作成する振動信号生成部3と,さらに,振動信号生成部3からの振動制御信号を基にミラー駆動部5を制御し電力を供給するミラー駆動制御部4を備えている。
【0024】
レーザ加工ノズル7に相対する被切断材W面上における,レーザ加工ノズル7の切断線(加工線)の接線方向と移動速さ(すなわち移動速度)の検出値であるレーザ加工ノズル7の移動速度情報を,移動速度演算部2は演算処理して出力する。この移動速度情報に基づいて,切断線の接線方向に対して一定の角度,例えば垂直方向に,所定の周波数,所定の振幅で,被切断面上における2次元のレーザビーム振動を生成させる振動制御信号を振動信号生成部3が作成する。ミラー駆動部5は,レーザビームLBを振動させレーザビームスポットを2次元走査するミラー52,53とミラー駆動機構とで構成されている。
【0025】
(ミラー駆動部とレーザ加工ノズル)
図2に切断用(加工用)の倣いレーザビーム振動装置のレーザ加工ヘッドの概略を側面図で示す。レーザ加工ヘッドは,上記のミラー駆動部5,レーザビームLBとアシストガスの出射口であるレーザ加工ノズル7,レーザビーム集光光学系8を備え,ミラー駆動部5には移動量検出部1が取付けられている。
【0026】
ミラー駆動部5において,ミラーボックス51の内部に,レーザビームLBを振動させてレーザスポットを2次元走査するための,互いに回転軸が直交する回転振動する2枚のミラー52,53を設ける。ミラー52,53の駆動は例えば以下のような仕組みのものである。ミラー52,53をそれぞれガルバノモータ54の主軸にバランスを取って取り付けて,ガルバノモータ54により所定の周波数と角度振幅とで回転往復運動させる。2枚のミラーの回転軸を直交させて,被切断材上のレーザスポットを互いに直交する方向に往復振動させて,2次元走査させる。ミラーホルダー55は,直接または間接的に水冷してもよい。ミラー52,53としては,軽量・安価なシリコン素材のものが好ましいが,これにこだわるものではなくベリリウム等他の軽量素材を用いることもできる。
【0027】
なお,上記では振動を発生する機構としてガルバノモータ54を用いる方式を用いたが,ローラーフォロアなど他の機構を,上記と同様の2次元の往復運動をするように構成して使用しても良い。必要条件としては2枚のミラー52,53を同期させて,レーザビームスポットを被加工材W上で,任意の方向に所定の振幅で振動させ得ることである。さらに,ミラー52,53の振動波形が必ずしも完全な正弦波形でなくても,レーザスポットの軌跡が線形でありさえすればよい。そうすればレーザ切断の性能において特に有意な違いは出ない。
【0028】
ミラーボックス51の下手にレーザビームLBと同軸で酸素などのアシストガスを噴射するレーザ加工ノズル7を設ける。アシストガスは導入口71から供給される。
【0029】
さて,図2のように,レーザビーム集光光学系である集光レンズ8をミラー駆動部5の上側に配置すると,レンズ8の集光作用によってミラー52,53面上でのビーム径が小さくなるため,より小径のミラーを用いることが可能になる利点がある。一方,集光レンズ8とミラー駆動部5の順序を入れ替えることも可能である。そうすれば集光レンズ8自体がミラー駆動部5とレーザ加工ノズル7との間のしきりの役割を果たすので容易に気密性が保てる利点がある。以下では図2に示した,ミラー駆動部5の上に集光レンズ8を配置する場合を例として説明する。
【0030】
(移動速度検出手段)
移動速度検出手段について説明する。レーザ加工ノズル7の被切断材Wに対する平面的な移動速度を検出する移動速度検出手段は,光学式や電磁式の移動量検出部1と移動速度演算部2からなる。
【0031】
移動量検出部1としては,例えば,市販の光学マウス用センサのような光学式の位置・運動センサを用いることが出来る。当該センサは,半導体レーザ12と画像処理チップを内蔵した光センサデバイス13からなり,リアルタイムでレーザ加工ノズル7の位置を,被切断材W上のレーザスポット位置から一定量オフセットして検出する。このセンサは1台で2次元の検出能を持っている。1台で使用しても良いし,敢えて1次元センサとして用いて,2台構成で用いて2次元の各位置成分をそれぞれ測定しても良い。本実施の形態では,2台の光学式の移動量検出センサを用いる。仮に,レーザ切断機の幅(横行)方向をX軸,長手方向をY軸(以下,機械座標軸X,Yとも呼ぶ)とし,ミラー駆動部5内の2軸のミラー52,53の振動方向は,それぞれ初期の取り付け時にX軸,Y軸のいずれかに一致させておくものとして説明する。上記2台の移動量検出部1をミラー駆動部5の下に設置した。半導体レーザ12は,図2に示すように被切断材Wの表面をスポット的に照明する。その照明点の画像を光学センサデバイス13に内蔵の小型カメラで撮像し,同じく内蔵の画像処理回路によって,X軸方向またはY軸方向の移動量を認識する。そしてそれぞれの出力を移動速度演算部2に送る。
【0032】
光学式の移動量検出部1としては,上記の例の他に,半導体レーザと2次元PSD(Position Sensitive Detector)素子の組み合わせを用いても可能である。また,移動量検出部1は,被切断材側に配設して,レーザ加工ヘッドの動きをモニターする方式であっても良い。
【0033】
移動速度演算部2では,移動量検出部1からの情報を基にレーザ加工ノズル7の被切断材Wに対する相対的な平面移動の方向と速さ(すなわち移動速度信号)を算出する。時刻t1と時刻t2の間のレーザ加工ノズル7の移動を示す合成ベクトルの方向と大きさを割り出し,合成ベクトルと一方の座標軸,例えばX軸とがなす角から進行方向を割り出す。具体的には位置の差分をΔX,ΔYとするとき,角度θ=arctan(ΔY/ΔX)により角度を求める。
【0034】
ところで,移動速度信号は,切断線または加工線に沿って移動するレーザ加工ノズル7の運動のリアルタイム検出値である。この検出値に基づいて,切断線の接線方向と所定の角度(例えば直角)をなす振動を設定することができる。なお,レーザ加工ノズル7の移動速度が遅い場合,例えばレーザ加工ノズル7の移動速度がレーザビームLBの振動速度の1/10以下のように遅いときには,角度θすなわち移動方向のみを移動速度信号としてもよい。そのとき,レーザビームLBの振動速度は予め設定しておく。
【0035】
(振動信号生成部)
振動信号生成部3は,上記で得た移動速度信号から,ミラー駆動部5内の2枚組のミラー52,53の振動周波数と振幅を制御する振動信号を設定する。具体的には,速度の情報からミラー52,53の振動周波数と振幅を,予め設定した関係式に基づいて決める。
【0036】
例えば,被切断材Wに対するレーザ加工ノズル7の相対的な移動速さv(mm/s)に対しレーザビームLBの振動すべき周波数をc*v(Hz)と決める。ただし,cは定数である。次に,移動方向を基にして振動方向を例えば直交方向に,また,移動速さvの値に応じて,被切断材上でのレーザスポットの振動振幅A(mm)を例えばA=3.3/v-0.15のように決める。そして,振動振幅Aを実現するためのミラー52,53の回転振幅は,A,及び,ミラー52,53と被切断材との間のレーザビームLBの行程で決まる幾何学的配置,並びに,レーザ加工ノズル7の移動方向が前記X軸およびY軸となす角度の情報からミラー52,53それぞれの実振幅を決める。
【0037】
なお,移動速さが小さい場合には,振動すべき周波数や振幅を固定したり,別の振幅条件を設定しても良い。
【0038】
振動信号生成部3では,上記の「振動すべき周波数」と「実振幅」に基づいてミラー駆動制御部4へ送る振動信号を発生する。振動信号の発生手段としては,2チャンネルの出力をもつ任意波形発生器でチャンネル間の位相同期が可能なもの等を用いることができる。
【0039】
次に,ミラー52,53の振動のさせ方について図2に沿って説明する。基本的には,一般に曲線である切断線に沿って,切断位置それぞれにおいて,2枚組のミラー52,53の振幅と位相差を上記したように制御なら,集光スポットが常に切断線に対して所定の振幅で所定の角度(たとえば90度)をなす単振動を行うようにして,切断加工を行うことができる。
【0040】
(ミラー駆動制御部)
振動信号生成部3において,2枚のミラー52,53の振動周波数,振幅,および位相を時々刻々と決定し,切断線が曲線である場合にもレーザスポットの振動方向が切断線に対して常に所定の角度,例として直交するようにする方法について詳細に述べる。具体的にはミラー52,53の振動を下記の式のように与える。すなわち,
X=A×cosθ×sin(ωt+φ) (式1)
に従って第1のミラー52を振動させ,
Y=A×sinθ×sin(ωt+φ) (式2)
に従って第2のミラー53を振動させる。ただし,Aは最大の振動振幅,ωは周波数,φは位相角である。対称性のため第1のミラー52と第2のミラー53の最大振幅Aは同じとしている。また,同期振動のため位相角φは同じとしている。つまり,位相角φ=0としても意味は変わらないので,次のように書いても良い。
X=A×cosθ×sin(ωt) (式3)
Y=A×sinθ×sin(ωt) (式4)
【0041】
レーザ加工ノズル7上の観測者を仮定すると,この観測者から見て被切断材W上でのレーザスポットの振動軌跡は機械座標軸Xに対して反時計回りにθだけ回転した単振動の軌跡となる。移動速度演算部2にて算出したレーザ加工ノズル7と一体の座標系の進行方向の角度θ情報を用いてミラーの振動の振幅A×cosθおよびA×sinθのθに常に電気的な更新をかけることでレーザスポットの振動方向が常に切断線方向に対して直交の姿勢を保つように制御することができるわけである。例えば,切断線がY軸方向に一致している場合,レーザスポットの振動方向はそれに直角なX軸方向としたいが,それには処理の結果,θ=0とすればよい。移動量検出手段1と移動速度演算部2とはこうした処理をリアルタイムで自動で行う。
【0042】
なお,レーザビームの反射方向の順番はX軸とY軸を逆にしても良い。また,2つのミラー52,53の振動波形が(式3),(式4)のように完全な正弦波形でなくてもよく矩形波や三角波,あるいは鋸波でも同期さえ取れていれば合成振動の軌跡は線形になる。
【0043】
上記のように,レーザ加工ノズル7の移動に連動して2枚のミラー52,53の振動を制御することによって,被加工物Wの加工線が自由曲線であっても常に加工線に対して直交方向にビームスポットを振動させることが出来る。その結果,被加工物Wの加工線に対する均等な入熱制御を可能とし,加工品質の向上を図ることができる。
【0044】
以上のように,本発明では,従来のレーザ切断機の制御を行うNC装置等の制御装置とは独立に,切断線に沿って倣いながら,レーザビーム振動制御装置によって所定の方向,所定の周波数,所定の振幅でミラー52,53を振動させながら切断加工することができる。
【0045】
また,上記のNC装置等の制御装置と本発明の倣いレーザビーム振動装置の制御装置との間に直接的な制御信号の送受信がない。万一,倣いレーザビーム振動装置に何らかのトラブルが発生しても,レーザビーム振動無しでの一時的な切断加工も可能である。
【0046】
<第2の実施の形態>
本願第2の発明であるビーム振動レーザビーム加工装置の一例として,ビーム振動レーザ切断装置の一例の概略を図3に示す。
【0047】
本ビーム振動レーザビーム切断装置は,レーザ(光源)9,被切断材Wを載せる長手方向移動台車12,レーザ切断トーチ6を装着して被切断材の幅方向に移動させる幅方向伸縮機構11,及び被切断材を予め設定した切断線に沿って長手方向移動台車12及び幅方向伸縮機構11を用いてレーザ切断トーチ6を二次元的に移動させて切断加工をする制御装置(NC装置)に加えて,前記第一の発明の実施の形態で説明した倣いレーザビーム振動装置で構成されている。レーザ切断トーチ6には上記したレーザ加工ヘッド(レーザ切断ノズル7)が組み込まれている。また,移動量検出部101をレーザ加工ヘッドに配設して移動検出するように構成している。
【0048】
切断作業については,従来のレーザ切断機による場合の操作に加えて,倣いレーザビーム振動装置を前記したように操作する。
【0049】
なお,本実施の形態において,レーザ加工ヘッドは脱着可能にして,従来タイプの振動しないレーザ加工トーチを使用できるようにしても良い。
【0050】
<第3の実施の形態>
上記の第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては,移動量検出部1,101をレーザ加工ヘッドに配設して移動検出する,言わば光学マウスに類似する方式を示した。
【0051】
その他移動量検出部1,101として,レーザ距離計,CCD距離計を用いる方式でも並進機構を駆動するモーターからのパルスエンコーダ信号を用いる方式でも,加速度センサを用いる方式でも,ジャイロセンサを用いる方式でも同様に,被切断材Wと切断ノズル7との相対移動の量と方向を自動的に検知する機能が実現できる。
【0052】
例えば,移動量検出部としてレーザ距離計102を用いる場合は,図4に示すように,X方向とY方向とに対応してそれぞれレーザ加工ノズル7と軸端との距離をレーザ距離計102にて測定しその値を移動量演算部2に送ることになる。移動量演算部2では時間Δtの間の位置の差分ΔX,ΔYを用いて現在の進行方向の角度θを
θ=arctan(ΔY/ΔX) (式5)
により割り出す。そして,速さvを
v=(ΔX2+ΔY2)1/2/Δt (式6)
により速さを割り出す。他は上記と同様である。
【0053】
また,加速度センサまたはジャイロセンサを用いる場合は,図5に示すように,ミラー駆動部5に加速度センサ103またはジャイロセンサを取り付ければよい。加速度センサ103にて時間Δt毎にX方向とY方向の加速度aX,aYを測定する。移動量演算部2では,これらの情報を用いて良い近似で方向と速さを算出する。現在の速度(vX2, vY2)を
vX2=aX・Δt+vX1,vY2=aY・Δt+vY1 (式7)
のように求める。ここでvX1,vY1は時間Δtだけ前の速度成分である。初期値は0である。これらより移動の方向を角度θを
θ=arctan(vY2/vX2) (式8)
また,速さvを
v=(vX22+vY22)1/2 (式9)
より割り出す。後の処理の流れは上記と同様である。
【0054】
<その他の実施の形態>
上記の第1,第2,及び第3の実施の形態においては,移動量検出部1でレーザ加工ヘッドの動きを直接的にモニタする移動検出方式を示した。
【0055】
その他移動量検出部1として,例えば,レーザ加工ヘッドを被加工材の加工線上に倣わせる駆動系に,ロータリーエンコーダを配設する方式でも,被切断材Wと切断ノズル7との相対移動の量と方向を自動的に検知する機能が実現できる。後付けのギアなどを介して検出しても良いし既存の並進機構を駆動するモーターからのパルス信号を用いても良い。後に図6で説明する例では,長手方向移動台車の並進方向(Y軸方向)への移動量を検出するロータリーエンコーダ106を設置した例を示している。ガイドレール13側面にはギア(ラック)105が刻まれており,これと歯のピッチを合わせたギア104を用いて回転量から換算して移動量を読み取る。また,図7に示す例では,長手方向移動台車の並進方向(Y軸方向)への移動量を検出するロータリーエンコーダ106と,幅方向(X軸方向)への移動量を検出するロータリーエンコーダ106と,それぞれ装着した例を示している。これら図6,7に示される例のように移動量検出センサ1としてロータリーエンコーダ106を設けてエンコーダ信号を用いる場合でも,処理の流れは上記第2の実施の形態と同様である。
【0056】
さらに,場合によってはレーザ切断機をプログラムによる制御でなく,手動データ入力によって動作させる場合もあるが,そのような場合でも,本発明の倣いレーザビーム振動装置は問題なく作動することを発明者らは強調しておきたい。
【0057】
上述のように,本発明のレーザ切断用ビーム振動装置によれば,レーザ切断機本体の制御手段との通信等を要せず単独で自己完結的にレーザビームLBの被切断材Wに対する相対的な平面移動の方向と速度を自動判定して移動の方向と速度に応じて切断線に対して一定の方向に集光スポットを振動させ左右対称なレーザ照射軌跡を形成しながら良好な切断特性を実現でき,かつ簡易に脱着できるレーザ切断用ビーム振動装置を提供することができる。
【実施例1】
【0058】
倣いレーザ切断用ビーム振動装置を,出力6kWの従来型のCO2レーザ切断機に後付けし,軟鋼のレーザ切断を試みた。既存のレーザ加工ヘッドを本発明のレーザビーム振動機能を備えたレーザ加工ヘッドに交換した。集光レンズの焦点距離は254mmとした。集光レンズの素材はZnSeを用いた。集光レンズへの入射レーザビーム径は約50mm,集光点でのスポットサイズは約0.4mmである。被切断材は軟鋼の厚鋼板とした。図3を用いて本実施例を説明する。レーザ切断トーチ6は幅方向(X方向)に移動する伸縮機構11に接続されている。そしてそれら全体が長手方向(Y方向)にレール13の上を移動する台車12に搭載されている。前記伸縮機構11および台車12によって直交する2軸の並進走査機構をなす。レーザビームを直交する2軸で独立に振動させる2枚のミラーを内蔵したミラー駆動部5およびレーザ切断ノズル7はレーザ切断トーチ6の下部に設置される。また,被切断材Wとレーザ切断ノズル7との相対移動の量や方向を自動的に検知する移動量検出部101として,市販の光学マウス用センサを2組用いた。本実施例ではミラー駆動部5の下部に配設した。レーザ切断機において,市販の状態よりもワークディスタンスを長くするために送光,受光用レンズの焦点距離はそれぞれより長いものに変更した。なお,レーザ切断時に発生する迷光を除去するため被切断材の表面を照明する光源である半導体レーザの波長780nmを中心波長とするバンドパスフィルターを用いた。移動量検出部101からの情報を元にレーザビームLBの振動方向が切断線に対して常に直交した振動方向を保つように,2枚のミラーの振動振幅を所定の値に制御する移動速度演算部2は台車12上に搭載した。
【実施例2】
【0059】
図6及び図3を用いて別の実施例を説明する。レーザ切断トーチ6は幅方向(X方向)に移動する伸縮機構11に接続されている。そしてそれら全体が長手方向(Y方向)にレール13の上を,ラックとピニオンで構成された駆動機構により移動する台車12に搭載されている。前記伸縮機構11も台車12と同様の移動機構にしても良く,直交する2軸の並進走査機構を構成する。レーザビームを直交する2軸で独立に振動させる2枚のミラーを内蔵したミラー駆動部5およびレーザ切断ノズル7はレーザ切断トーチ6の下部に設置される。被切断材Wとレーザ切断ノズル7との相対移動の量や方向を自動的に検知する移動量検出部には,ギア方式のロータリーエンコーダ106を用いた。本実施例の図6は並進機構のガイドレール部に配設した図である。図6では長手方向(Y軸)台車の並進機構に設置した例を示している。ガイドレール13側面にはギア(ラック)105が刻まれており,これと歯のピッチを合わせた回転検出用ギア104を用いて回転量から換算して移動量を読み取る。横行軸(X軸)でも同様の仕組みが適用できる。移動量検出部からの情報を元にレーザビームLBの振動方向が切断線に対して常に直交した振動方向を保つように,2枚のミラーの振動振幅を所定の値に制御する移動速度演算部2は台車12上に搭載した。なお,図7は2軸の並進走査機構に2組のギア式のロータリーエンコーダ106を配設した状態を示す。
【0060】
以上に説明した本発明の実施例1,2のレーザ切断用の倣いビーム振動装置を適用した結果,切断カーフ内での溶鋼の流れが整流化されると共に酸素流が有効に拡大したカーフ内に供給され下部断面の粗さも改善した。また,左右の切断面は対称で共に良好となった。ビームを駆動させない場合はレーザ出力6kWにて最大切断板厚が19mmに限定されるが,上記正弦波状振動を与えた場合,最大切断板厚は32mmに拡大した。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は,例えば金属やセラミックス等を被加工物として,溶接や切断等の加工を施すレーザ加工技術に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】第1の発明の実施の形態にかかる倣いレーザビーム振動装置のブロック構成を示す図である。
【図2】第1の発明の実施の形態にかかる倣いレーザビーム振動装置のレーザ加工ヘッドの一例の側面の概略図である。
【図3】第2の発明の実施の形態にかかるビーム振動レーザビーム加工装置の概略図である。
【図4】本発明の別の実施の形態を示す概略図である。
【図5】本発明の更に別の実施の形態を示す概略図である。
【図6】本発明の異なる実施の形態を示す概略図である。
【図7】2軸の並進走査機構に2組のギア式のロータリーエンコーダ106を配設した概略図である。
【符号の説明】
【0063】
1 移動量検出部
2 移動速度演算部
3 振動信号生成部
4 ミラー駆動制御部
5 ミラー駆動部
6 レーザトーチ
7 レーザ加工ノズル
8 集光レンズ
9 レーザ装置
10 レーザ加工機本体のNC装置
11 幅方向伸縮機構
12 長手方向移動台車
13 レール
51 ミラーボックス
52,53 ミラー
54 ガルバノモータ
55 ミラー台
71 アシストガス供給口
101 光学マウスセンサを用いた移動量検出部
102 レーザ距離計を用いた移動量検出部
103 加速度センサーを用いた移動量検出部
104 回転検出用ギア
105 ラック
106 ロータリーエンコーダ
LB レーザビーム
W ワーク(被切断材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工材面上の加工線に沿ってレーザ加工ノズルを相対的に移動させる際に,レーザビームを振動させながら照射するレーザビーム振動装置であって,
前記被加工材に対して相対的な前記レーザ加工ノズルの移動方向のみまたは移動方向と速さ(移動速度)を検出する移動速度検出手段を具備し,前記移動方向のみまたは前記移動速度に応じて,前記加工線と所定の角度で前記レーザビームを振動させることを特徴とする倣いレーザビーム振動装置。
【請求項2】
レーザビームを被加工材上に集光照射し,且つレーザビームを振動させるミラーを具備するレーザ加工ヘッドと,
前記レーザ加工ノズルが前記加工線に沿って移動する際に,前記レーザ加工ノズルの移動方向のみまたは移動方向と速さ(移動速度)を検出する移動速度検出手段と,
前記移動方向または前記移動速度の検出値に基づいて,前記加工線に対して所定の角度,所定の周波数,及び所定の振幅でレーザビームを振動させるミラー駆動制御手段を具備する請求項1に記載の倣いレーザビーム振動装置。
【請求項3】
前記レーザ加工ヘッドは,レーザビームを前記被加工材面上で振動させる可動ミラーを有するミラー駆動部とレーザ加工ノズルで構成され,
前記移動速度検出手段は,前記加工線上の前記レーザ加工ノズルの移動量を検出する移動量検出部,及び前記移動量を基に前記レーザ加工ノズルの移動方向と速さを得る移動速度演算部で構成され,
前記ミラー駆動制御手段は,前記移動方向と速さの検出値に基づいて,前記加工線に対して所定の角度,所定の周波数,及び所定の振幅でレーザビームを振動させる振動信号を生成する振動信号生成部と,該振動信号に基づいて前記可動ミラーを振動させてレーザビームを振動照射するミラー駆動制御部とで構成される,請求項2に記載の倣いレーザビーム振動装置。
【請求項4】
前記移動量検出部は,光源,被加工材表面の画像を得る撮像素子,及び前記画像から移動量を演算する画像処理部で構成されることを特徴とする請求項3に記載の倣いレーザビーム振動装置。
【請求項5】
前記移動量検出部は,レーザ光源とPSDの組み合わせ,レーザ距離計,またはCCD距離計のうちの一つまたは複数の組み合わせで構成されることを特徴とする請求項3に記載の倣いレーザビーム振動装置。
【請求項6】
前記移動速度検出手段は,加速度センサまたは/およびジャイロスコープを具備することを特徴とする請求項1〜請求項3のうちの一項に記載の倣いレーザビーム振動装置。
【請求項7】
前記移動速度検出手段は,ロータリーエンコーダを具備することを特徴とする請求項1〜請求項3のうちの一項に記載の倣いレーザビーム振動装置。
【請求項8】
被加工材面上の加工線に沿ってレーザビームを振動させながら照射するレーザビーム加工装置であって,
請求項1〜請求項76のうちの一項に記載の倣いレーザビーム振動装置に加えて,レーザビームを被加工材上に集光照射するレーザ加工ヘッドが,予め設定した加工線に沿って倣いながらレーザ加工するレーザビーム倣い手段を具備することを特徴とするビーム振動レーザビーム加工装置。
【請求項9】
被加工材面上をレーザビームを振動させながら照射するレーザビーム加工装置であって, 請求項1〜請求項76のうちの一項に記載の倣いレーザビーム振動装置に加えて,レーザビームを被加工材上に集光照射するレーザ加工ヘッドが,手動またはリアルタイムに指示される被加工材上の加工線に沿って相対移動する手段を具備することを特徴とするビーム振動レーザビーム加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−21579(P2007−21579A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−59282(P2006−59282)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】