説明

停車判定装置

【課題】自車両が停車状態になったか否かを精度良く判定することが可能な停車判定装置を提供する。
【解決手段】自車両Cが減速状態になった場合に、自車両Cの制動力及び駆動力に基づいて、自車両Cが停車するまでに必要な停車必要時間を算出する算出部11と、算出部11によって算出された停車必要時間が経過したか否かを判定する経過判定部13と、車輪速センサ5によって車輪速がゼロであると検出された自車両Cの車輪の数が所定数以上になったか否かを判定する車輪速判定部14と、経過判定部13によって停車必要時間が経過したと判定され、且つ、車輪速判定部14によって車輪速がゼロである車輪の数が所定数以上になったと判定された場合に、自車両Cは停車状態になったと判定する停車判定部15と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両が停車状態になったか否かを判定する停車判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両が備える停車状態の維持機能は、停車状態となった直後から制御が開始される。このため、停車制御の完了直後1秒程度の短い時間のうちに、停車状態となったか否かの停車判定を精度良く行う必要がある。この停車判定は、通常、車輪速を用いて得られた車速がゼロであるか否かの判定を行うことによって行われる。
【0003】
四輪の車輪速を用いて車速を得るにあたって、例えば、特許文献1には、時速15km程度の極低車速のときの車輪速センサへのノイズを排除して車速を得るための技術が記載されている。特許文献1においては、車輪速を検出するために、所定の制御周期における車輪速矩形波信号の立下りエッジ数とその所要時間とを検出し、その間の矩形波のパルス数を所要時間で除して、更に速度への変換係数を乗じる演算を行って、この演算結果を車輪速としている。
【特許文献1】特開2000−19188号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車輪速センサは、ロードヒータ等の磁場の影響や、ブレーキによる振動や、タイヤのねじれといった多くの車両部品の微小な挙動に起因するノイズの影響を受ける。特に、極低車速のときに車輪速センサはこれらのノイズの影響を大きく受けやすくなるため、特許文献1に記載の技術では、上記の停車判定の精度を十分に確保できる程度に高い精度の車速の算出ができないおそれがある。
【0005】
そこで本発明は、自車両が停車状態になったか否かを精度良く判定することが可能な停車判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明に係る停車判定装置は、自車両が停車状態になったか否かを判定する停車判定装置であって、自車両が減速状態になった場合に、自車両の制動力及び駆動力に基づいて、自車両が停車するまでに必要な停車必要時間を算出する算出手段と、算出手段によって算出された停車必要時間が経過したか否かを判定する経過判定手段と、車輪速センサによって車輪速がゼロであると検出された自車両の車輪の数が所定数以上になったか否かを判定する車輪速判定手段と、経過判定手段によって停車必要時間が経過したと判定され、且つ、車輪速判定手段によって車輪速がゼロである車輪の数が所定数以上になったと判定された場合に、自車両は停車状態になったと判定する停車判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明では、まず、自車両が減速状態になった場合に、自車両の制動力及び駆動力に基づいて停車必要時間を算出手段が算出し、この停車必要時間が経過したか否かを経過判定手段が判定する。また、車輪速がゼロであると検出された車輪の数が所定数以上になったか否かを車輪速判定手段が判定する。ここで、経過判定手段によって停車必要時間が経過したと判定され、且つ、車輪速判定手段によって車輪速がゼロである車輪の数が所定数以上になったと判定された場合に、自車両は停車状態になったと停車判定手段が判定する。
【0008】
この構成により、自車両が減速状態になったという条件と、自車両の制動力及び駆動力に基づく停車必要時間が経過したと判定されたという条件と、車輪速がゼロであると検出された車輪の数が所定数以上になったと判定されたという条件が満たされた場合に、自車両は停車状態になったと判定される。ここで、ノイズの影響を受けやすい車輪速センサのみを用いて停車状態になったか否かを判定するのではなく、上記の全ての条件が満たされた場合に、自車両は停車状態になったと判定されるため、自車両が停車状態になったか否かを精度良く判定することが可能となる。
【0009】
また、算出手段は、制動力が駆動力より大きい場合に、停車必要時間を算出するのも好ましい。このように、制動力が駆動力より大きい場合に停車必要時間を算出することにより、自車両が減速状態になってから停車するまでに必要な停車必要時間を算出することが可能となる。
【0010】
また、算出手段は、制動力及び駆動力の少なくとも一方が変化した場合に、停車必要時間を再び算出しなおすのも好ましい。このように、制動力及び駆動力の少なくとも一方が変化した場合に、停車必要時間が算出しなおされるため、制動力及び駆動力の少なくとも一方が変化しても、自車両が停車状態になったか否かを、より精度良く判定することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自車両が停車状態になったか否かを精度良く判定することが可能な停車判定装置を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
【0013】
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係る停車判定装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る停車判定装置10の構成概略図である。
【0014】
停車判定装置10は、自車両C(例えば乗用車)に取り付けられて、自車両Cに備えられた各種センサによる計測値に基づいて、自車両Cが停車状態になったか否かを判定する装置である。より詳しくは、停車判定装置10は、自車両Cの制動力(以下、これを制動力の一種として減速力という。)が駆動力より大きい減速状態になったという条件と、減速力及び駆動力に基づく停車必要時間が経過したと判定されたという条件と、車輪速がゼロであると検出された車輪(即ちタイヤ)の数が所定数以上になったと判定されたという条件が満たされた場合に、自車両Cは停車状態になったと判定する。
【0015】
停車判定装置10は、ECU1(Electronic Control Unitの略、即ち電子制御装置)と、ECU1に接続された各種センサ2〜6とを備えている。各種センサ2〜6とは、回転数センサ2、ブレーキ圧力センサ3、舵角センサ4、車輪速センサ5、及びGセンサ6のことである。ブレーキ圧力センサ3は、ブレーキ31と接続されている。
【0016】
ここで、ECU1は、算出部11(算出手段)、タイマー12(計時手段)、経過判定部13(経過判定手段)、車輪速判定部14(車輪速判定手段)、及び停車判定部15(停車判定手段)を有している。算出部11、タイマー12、経過判定部13、車輪速判定部14、及び停車判定部15による機能は、ECU1により実現される。ECU1は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするユニットである。
【0017】
算出部11は、自車両Cの減速力が駆動力より大きい減速状態になった場合に、これら減速力及び駆動力や、車輪速センサ5によって検出された車輪速や、この車輪速に基づいて算出された車速に基づいて、停車必要時間Tstopを算出してECU1に記憶させる部分である。停車必要時間Tstopとは、タイマー12による計時開始から自車両Cが停車するまでに必要な時間のことである。自車両Cの駆動力は、自車両Cのモータの回転速度を計測する回転数センサ2によって、算出される。また、自車両Cの減速力は、ブレーキ31が踏み込まれた際の圧力(即ちブレーキ圧)を検出するブレーキ圧力センサ3によって、算出される。更に、自車両Cの減速力は、自車両Cの舵角を示す値である舵角値、即ち車輪(例えば前輪)の向きを検出する舵角センサ4によって、算出される。
【0018】
なお、算出部11は、自車両Cの減速力及び駆動力の少なくとも一方が変化した場合に、停車必要時間Tstopを算出しなおしてECU1に記憶させる。また、算出部11は、舵角センサ4によって検出された舵角値に基づいて、停車必要時間Tstopを補正してECU1に記憶させる。また、算出部11は、自車両C(例えば自車両Cの重心)に加わる加速度に基づいて、停車必要時間Tstopを補正してもよい。自車両Cに加わる加速度は、Gセンサ6によって検出される。
【0019】
タイマー12は、経過時間をカウント(即ち計時)する部分である。タイマー12は、この他に、カウントした計測時間のリセットを行うことができる。
【0020】
経過判定部13は、タイマー12が経過時間のカウント(即ち計時)を開始してから、算出部11によって算出された停車必要時間Tstopが経過したか否かを判定して、ECU1に記憶させる部分である。
【0021】
車輪速判定部14は、車輪速がゼロであると検出された車輪の数が所定数以上になったか否かを判定してECU1に記憶させる部分である。この所定数は、自車両Cが四輪車の場合は3(輪)であり、自車両Cが四輪車以外の場合は、駆動輪の数より1多い数である。自車両Cの車輪速、即ち車輪(例えば前輪)の回転速度は、不感帯の範囲を有する車輪速センサ5によって検出されるのが好ましい。不感帯の範囲とは、車輪速センサ5に入力される信号について車輪速の応答検出が行われない範囲のことである。不感帯の範囲内にノイズが存在する場合、車輪速センサ5の出力値にはこのノイズは含まれない。不感帯の範囲は、車輪固有のものであり、車輪の径などの特性によって設定される。
【0022】
停車判定部15は、経過判定部13によって停車必要時間Tstopが経過したと判定され、且つ、車輪速判定部14によって車輪速がゼロである車輪の数が所定数以上になったと判定された場合に、自車両Cは停車状態になったと判定して、判定結果をECU1に記憶させる部分である。
【0023】
引き続き、図2を用いて、停車判定装置10で実行される処理の第一例の一連の流れについて説明する。図2は、停車判定装置10で実行される処理の第一例の一連の流れを説明するためのフローチャートである。図2のフローチャートに示される処理は、主としてECU1及び各種センサ2〜6によって行われるものであり、停車判定装置10の電源がオンされてからオフされるまでの間、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0024】
まず、停車判定装置10の電源がオンされると、タイマー12が、既にカウントされている計測時間が記憶されていればそのリセットを行う(ステップS01)。そして、後述のステップS02に移行する。
【0025】
ステップS02では、回転数センサ2が自車両Cの駆動力を算出し、一方、ブレーキ圧力センサ3及び舵角センサ4が減速力を算出し、この駆動力及び減速力に関する値をECU1に記憶させる。そして、後述のステップS11に移行する。
【0026】
ステップS11では、算出部11が、ステップS02で算出された減速力が駆動力より大きいか否かを判定して、判定結果をECU1に記憶させる。減速力が駆動力以下であると判定された場合、前述のステップS01に戻る。一方、減速力が駆動力より大きいと判定された場合、後述のステップS12に移行する。
【0027】
ステップS12では、算出部11が、ステップS02で算出された減速力及び駆動力や、車輪速センサ5によって検出された車輪速や、この車輪速に基づいて算出された車速に基づいて、停車必要時間Tstopを算出してECU1に記憶させる。そして、後述のステップS21に移行する。
【0028】
ステップS21では、算出部11が、自車両Cの舵角を示す値である舵角値に基づいて、停車必要時間Tstopを補正して、ECU1に記憶させる。そして、後述のステップS22に移行する。
【0029】
ステップS22では、タイマー12が、経過時間のカウントを開始する。そして、後述のステップS23に移行する。
【0030】
ステップS23では、ブレーキ圧力センサ3がブレーキ圧の変化を検出したか否かを判定して、判定結果をECU1に記憶させ、一方、舵角センサ4が舵角の変化を検出したか否かを判定して、判定結果をECU1に記憶させる。そして、ブレーキ圧及び舵角のうち少なくとも一方が変化した場合は、前述のステップS02に戻る。一方、ブレーキ圧も舵角も変化しなかった場合は、後述のステップS24に移行する。
【0031】
ステップS24では、経過判定部13が、ステップS22で経過時間のカウントが開始されてから停車必要時間Tstopが経過したか否かを判定して、判定結果をECU1に記憶させる。停車必要時間Tstopは未だ経過していないと判定された場合、前述のステップS23に戻る。一方、停車必要時間Tstopは既に経過したと判定された場合、後述のステップS31に移行する。
【0032】
ステップS31では、車輪速センサ5において、不感帯の範囲がECU1によって設定されて記憶される。不感帯の範囲とは、車輪速センサ5に入力される信号について車輪速の応答検出が行われない範囲のことである。不感帯の範囲は、車輪固有のものであり、車輪の径などの特性によって設定される。そして、後述のステップS41に移行する。
【0033】
ステップS41では、車輪速判定部14が、不感帯の範囲を設定された車輪速センサ5によって車輪速がゼロであると検出された車輪の数が所定数以上になったか否かを判定して、判定結果をECU1に記憶させる。車輪速がゼロであると検出された車輪の数が所定数以上になっていないと判定された場合、再度、ステップS41が行われる。一方、車輪速がゼロであると検出された車輪の数が所定数以上になったと判定された場合、後述のステップS51に移行する。
【0034】
ステップS51では、停車判定部15が、自車両Cは停車状態になったと判定して、判定結果をECU1に記憶させる。これによって停車判定装置10で実行される処理は終了し、所定のタイミングで再び前述のステップS01に移行する。
【0035】
引き続き、図3を用いて、停車判定装置10で実行される処理の第二例の一連の流れについて説明する。図3は、停車判定装置10で実行される処理の第二例の一連の流れを説明するためのフローチャートである。図3のフローチャートに示される処理は、第一例と同様に、主としてECU1及び各種センサ2〜6によって行われるものであり、停車判定装置10の電源がオンされてからオフされるまでの間、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0036】
まず、停車判定装置10の電源がオンされると、タイマー12が、既にカウントされている計測時間が記憶されていればそのリセットを行う(ステップS01)。そして、後述のステップT02に移行する。
【0037】
ステップT02では、回転数センサ2が自車両Cの駆動力を算出し、この駆動力に関する値をECU1に記憶させる。そして、後述のステップT03に移行する。
【0038】
ステップT03では、ブレーキ圧を検出したブレーキ圧力センサ3と、舵角を検出した舵角センサ4とが互いにECU1を介した通信を行うことによって減速力を算出し、この減速力に関する値をECU1に記憶させる。そして、後述のステップT11に移行する。
【0039】
ステップT11では、算出部11が、ステップT02で算出された減速力が駆動力より大きいか否かを判定して、判定結果をECU1に記憶させる。減速力が駆動力以下であると判定された場合、前述のステップT01に戻る。一方、減速力が駆動力より大きいと判定された場合、後述のステップT12に移行する。
【0040】
ステップT12では、算出部11が、ステップT02で算出された駆動力及びステップT03で算出された減速力や、車輪速センサ5によって検出された車輪速や、この車輪速に基づいて算出された車速に基づいて、停車必要時間Tstopを算出してECU1に記憶させる。そして、後述のステップT13に移行する。
【0041】
ステップT13では、ブレーキ圧力センサ3が検出した自車両Cのブレーキ圧をECU1に記憶させ、一方、舵角センサ4が検出した自車両Cの舵角をECU1に記憶させる。そして、後述のステップT21に移行する。
【0042】
ステップT21では、算出部11が、自車両Cの舵角を示す値である舵角値に基づいて、停車必要時間Tstopを補正して、ECU1に記憶させる。そして、後述のステップT22に移行する。
【0043】
ステップT22では、タイマー12が、経過時間のカウントを開始する。そして、後述のステップT23に移行する。
【0044】
ステップT23では、ブレーキ圧力センサ3がブレーキ圧の変化を検出したか否かを判定して、判定結果をECU1に記憶させ、一方、舵角センサ4が舵角の変化を検出したか否かを判定して、判定結果をECU1に記憶させる。ブレーキ圧及び舵角が変化したか否かは、ステップT13で記憶された値に基づいてECU1によって判定される。そして、ブレーキ圧及び舵角のうち少なくとも一方が変化した場合は、前述のステップT02に戻る。一方、ブレーキ圧も舵角も変化しなかった場合は、後述のステップT24に移行する。
【0045】
ステップT24では、経過判定部13が、ステップT22で経過時間のカウントが開始されてから停車必要時間Tstopが経過したか否かを判定して、判定結果をECU1に記憶させる。停車必要時間Tstopは未だ経過していないと判定された場合、前述のステップT23に戻る。一方、停車必要時間Tstopは既に経過したと判定された場合、後述のステップT31に移行する。
【0046】
ステップT31では、車輪速センサ5において、不感帯の範囲がECU1によって設定されて記憶される。そして、後述のステップT32に移行する。
【0047】
ステップT32では、車輪速センサ5が、全ての車輪に関して車輪速を検出し、これら全ての車輪速のうち最大速の車輪速を自車両Cの現時点での車速として算出設定し、ECU1に記憶させる。そして、後述のステップT41に移行する。
【0048】
ステップT41では、車輪速判定部14が、不感帯の範囲を設定された車輪速センサ5によって車輪速がゼロであると検出された車輪の数が所定数以上になったか否かを判定して、判定結果をECU1に記憶させる。車輪速がゼロであると検出された車輪の数が所定数以上になっていないと判定された場合、再度、ステップT41が行われる。一方、車輪速がゼロであると検出された車輪の数が所定数以上になったと判定された場合、後述のステップT51に移行する。
【0049】
ステップT51では、停車判定部15が、自車両Cは停車状態になったと判定して、判定結果をECU1に記憶させる。これによって停車判定装置10で実行される処理は終了し、所定のタイミングで再び前述のステップT01に移行する。
【0050】
引き続き、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態によれば、まず、自車両Cが減速状態になった場合に、自車両Cの制動力及び駆動力に基づいて停車必要時間Tstopを算出部11が算出し、この停車必要時間Tstopが経過したか否かを経過判定部13が判定する。また、車輪速がゼロであると検出された車輪の数が所定数以上になったか否かを車輪速判定部14が判定する。ここで、経過判定部13によって停車必要時間Tstopが経過したと判定され、且つ、車輪速判定部14によって車輪速がゼロである車輪の数が所定数以上になったと判定された場合に、自車両Cは停車状態になったと停車判定部15が判定する。
【0051】
この構成により、自車両Cが減速状態になったという条件と、自車両Cの制動力及び駆動力に基づく停車必要時間Tstopが経過したと判定されたという条件と、車輪速がゼロであると検出された車輪の数が所定数以上になったと判定されたという条件が満たされた場合に、自車両Cは停車状態になったと判定される。ここで、ノイズの影響を受けやすい車輪速センサのみを用いて停車状態になったか否かを判定するのではなく、上記の三条件全てが満たされた場合に、自車両Cは停車状態になったと判定されるため、停車状態になったか否かを精度良く判定することが可能となる。
【0052】
また、減速力が駆動力より大きい場合に停車必要時間Tstopを算出することにより、自車両Cが減速状態になってから停車するまでに必要な停車必要時間Tstopを算出することが可能となる。
【0053】
また、減速力及び駆動力の少なくとも一方が変化した場合に、停車必要時間Tstopが算出しなおされるため、減速力及び駆動力の少なくとも一方が変化しても、自車両Cが停車状態になったか否かを、より精度良く判定することが可能となる。
【0054】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、ECU1に算出部11、タイマー12、経過判定部13、車輪速判定部14、及び停車判定部15が含まれる構成としたが、これらを個別に分離独立させた構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施形態に係る停車判定装置の構成概略図である。
【図2】停車判定装置で実行される処理の第一例の一連の流れを説明するためのフローチャートである。
【図3】停車判定装置で実行される処理の第二例の一連の流れを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1…ECU、2…回転数センサ、3…ブレーキ圧力センサ、4…舵角センサ、5…車輪速センサ、6…Gセンサ、10…停車判定装置、11…算出部、12…タイマー、13…経過判定部、14…車輪速判定部、15…停車判定部、31…ブレーキ、C…自車両。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両が停車状態になったか否かを判定する停車判定装置であって、
前記自車両が減速状態になった場合に、前記自車両の制動力及び駆動力に基づいて、前記自車両が停車するまでに必要な停車必要時間を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記停車必要時間が経過したか否かを判定する経過判定手段と、
車輪速センサによって車輪速がゼロであると検出された前記自車両の車輪の数が所定数以上になったか否かを判定する車輪速判定手段と、
前記経過判定手段によって前記停車必要時間が経過したと判定され、且つ、前記車輪速判定手段によって車輪速がゼロである車輪の数が前記所定数以上になったと判定された場合に、前記自車両は停車状態になったと判定する停車判定手段と、
を備えることを特徴とする停車判定装置。
【請求項2】
前記算出手段は、前記制動力が前記駆動力より大きい場合に、前記停車必要時間を算出することを特徴とする請求項1に記載の停車判定装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記制動力及び駆動力の少なくとも一方が変化した場合に、前記停車必要時間を算出しなおすことを特徴とする請求項1または2に記載の停車判定装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−12945(P2010−12945A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174881(P2008−174881)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【Fターム(参考)】