説明

像形成ユニット、及びそれを備えた画像形成装置

【課題】構造が簡単で組立性が良い像形成ユニット、及びそれを備えた画像形成装置を提供することを課題とする。
【解決手段】イメージングユニット15は、現像ロールを有するデバユニット70と、転写を行うトランスユニット14と、感光体28を有していてデバユニット70とトランスユニット14とで挟持されるゼロユニット23と、デバユニット70とトランスユニット14とに取付けられた引張コイルバネ124と、を備えている。引張コイルバネ124は、デバユニット70をトランスユニット70に向けて付勢することにより現像ロールと感光体28との相互の位置決めを行う。ゼロユニット23とデバユニット70については各色(Y、M、C、K)毎に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像形成ユニット、及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、メンテナンス性を考慮し、画像形成プロセスを行うプロセス部をカートリッジ化してメンテナンスフリーの構成にすることが知られている。
【0003】
例えば特許文献1では、複数の感光体と記録媒体保持ベルトとを一体的にカートリッジ化し、現像手段を着脱可能にして、メンテナンス性の向上、ランニングコストの低減を図っている。
【0004】
また、特許文献2では、弾性体からなるバネ等による押圧手段によって、像形成ユニットが転写構造体筺体の方向に付勢されて押圧される。バネの一端部側は画像形成装置本体に固定されていて、バネの他端部側は、直接に、又は他の部材を介して間接的に、像形成ユニットに接触するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3959601号公報
【特許文献2】特開2007−193302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、構造が簡単で組立性が良い像形成ユニット、及びそれを備えた画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、現像部材を有する現像ユニットと、感光体を有する感光体ユニットと、前記感光体と対向配置される転写ユニットと、前記転写ユニットと前記現像ユニットとに取付けられ、前記現像ユニットを前記転写ユニットに向けて付勢することにより、前記現像部材と前記感光体とを位置決めする弾性体と、を備えている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記感光体の支軸が前記転写ユニットのハウジングと前記感光体とを貫通している。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記感光体ユニットと前記現像ユニットとを仮止めするラッチ構造が形成されている。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記弾性体が、前記現像ロールへの給電経路を形成する引張コイルバネである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のうち何れか1項に記載の像形成ユニットを備えた、画像形成装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、構造が簡単で組立性が良い像形成ユニット、及びそれを備えた画像形成装置を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を模式的に示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置で、トナーカートリッジの配置を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像形成装置で、トナーカートリッジの着脱を説明する部分拡大斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の画像形成ユニットを示す展開斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の画像形成ユニットを示す斜視図である。
【図6】図5の部分拡大図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の画像形成ユニットの構成を示す正面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の画像形成ユニットの組立構成を説明する展開斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の画像形成ユニットの組立構成を説明する斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る画像形成装置のトナーカートリッジの装着機構を示す側面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る画像形成装置のトナーカートリッジの装着機構を示す側面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る画像形成装置で、LEDプリントヘッドの導通、接地の構成を説明する説明図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る画像形成装置のイメージングユニットを示す正面断面図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の部分拡大斜視図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の変形例で、LEDプリントヘッドの導通、接地の構成を説明する説明図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の部分拡大斜視図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を構成するゼロユニットの展開斜視図である。
【図18】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を構成するゼロユニットの斜視図である。
【図19】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を構成するLEDプリントヘッドの斜視図である。
【図20】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の製造工程を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態を挙げ、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
(全体構成)
図1には、画像形成装置としてのプリンタ10が示されている。プリンタ10は、カラー画像又は白黒画像を形成するデジタルプリンタであり、内部に画像処理装置(図示省略)が設けられている。画像処理装置は、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データに画像処理を施すようになっている。
【0016】
図2、図3に示すように、プリンタ10内部の側方部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kが取付けられている。そして、プリンタ10の内部の側方部には、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kをそれぞれ着脱自在に収容するカートリッジ収容部8Y、8M、8C、8Kが、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kの寸法に応じて形成されている。この構成により、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kがプリンタ本体10Jに交換可能(着脱自在)に設けられている。なお、以後の説明では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(黒)の各色に対応する部材の符号にY、M、C、Kを付与して区別する。
【0017】
また、図1、図4、図5、図7に示すように、プリンタ10内部の中央には、Y、M、C、Kの現像剤に対応する4つの画像形成ユニット12(12Y、12M、12C、12K)が配置されている。現像剤は、非磁性タイプのトナーと、磁性を有するキャリアとが混合されたものである。
【0018】
各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの上方には、トランスユニット(転写ユニット)14が設けられている。画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kとトランスユニット14とによってイメージングユニット(像形成ユニット)15が構成される。
【0019】
トランスユニット14は、中間転写体の一例としての中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の内側に配置され、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの各トナー像を中間転写ベルト16に多重転写させる4つの一次転写部材としての一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kと、中間転写ベルト16上で重ねられたトナー像を、記録用紙Pに転写させる二次転写ロール20とを有している。
【0020】
中間転写ベルト16は、二次転写ロール20と対向配置され図示しないモータで駆動される駆動ロール26と、テンションロール22との間に、一定の張力で巻き掛けられており、駆動ロール26により、図1の矢印X方向(反時計回り方向)に循環駆動されるようになっている。
【0021】
一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kは、中間転写ベルト16を挟んでそれぞれの画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの後述する感光体28(28Y、28M、28C、28K)と対向配置されている。また、一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kには、トナー極性とは逆極性(本実施形態では一例として正極性)の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。なお、二次転写ロール20にも、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が付与されるようになっている。
【0022】
また、中間転写ベルト16のテンションロール22が設けられている位置の外周面には、クリーニング装置30が設けられている。クリーニング装置30は、クリーニングブラシ32及びクリーニングブレード34を備えており、クリーニングブラシ32及びクリーニングブレード34によって、中間転写ベルト16上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
【0023】
プリンタ10の記録用紙Pの搬送経路と反対側の側面近傍には、プリンタ10の各部の駆動制御を行う制御ユニット36が設けられている。
【0024】
一方、画像形成ユニット12の下方には、記録用紙Pが収納された給紙カセット46が配置されている。また、給紙カセット46の端部から鉛直方向上方には、記録用紙Pを搬送する用紙搬送路50が設けられている。
【0025】
用紙搬送路50には、記録用紙Pを給紙カセット46から送り出す給紙ロール48と、記録用紙Pを1枚ずつ給紙させる用紙分離搬送用のロール対52と、中間転写ベルト16上の画像の移動タイミングと記録用紙Pの搬送タイミングを合わせる用紙先端位置合わせロール54とが設けられている。ここで、給紙カセット46から給紙ロール48によって順次送出された記録用紙Pは、用紙搬送路50を経由して、間欠的に回転する用紙先端位置合わせロール54によって中間転写ベルト16の二次転写位置まで一旦搬送される。
【0026】
二次転写ロール20の上方には、定着装置60が設けられている。定着装置60は、加熱された加熱ロール62と、この加熱ロール62に圧接された加圧ロール64とを備えている。ここで、二次転写ロール20によって各色のトナー像が転写された記録用紙Pは、加熱ロール62と加圧ロール64との圧接部で熱及び圧力により定着され、記録用紙Pの搬送方向下流側に設けられた排出装置の一例としての排紙ロール66によって、プリンタ10の上部に設けられた排出部68に排出されるようになっている。また、トナー像の二次転写工程が終了した中間転写ベルト16の表面は、クリーニング装置30によって残留トナーや紙粉等が除去される。
【0027】
(画像形成ユニット)
次に、画像形成ユニット12について説明する。ここでは、一例として、画像形成ユニット12Mについて説明する。なお、他の各色に対応した画像形成ユニット12Y、12C、12Kは、画像形成ユニット12と同様の構造であるため、説明を省略する。また、画像形成ユニット12Mの各構成部材については、符号Mを省略して表示する。
【0028】
画像形成ユニット12は、図1、図4〜図9に示すように、ゼロユニット(感光体ユニット)23と、ゼロユニット23の下側に設けられたデベユニット(現像ユニット)70と、で構成される。
【0029】
ゼロユニット23には、矢印A(時計回り)方向に回転駆動される感光体28が設けられている。感光体28の周囲には、感光体28の表面に接触して感光体28を一様に帯電する帯電装置の一例としての帯電ロール72と、感光体28の表面に露光光を照射するLEDプリントヘッド73と、転写後の感光体28の表面に光を照射して除電を行う除電装置の一例としてのイレーズランプ74と、除電後の感光体28の表面を清掃するクリーニング部76とが設けられている。
【0030】
帯電ロール72、LEDプリントヘッド73、デベユニット70、イレーズランプ74、及びクリーニング部76は、感光体28の表面と対向して、感光体28の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
【0031】
帯電ロール72の外周面で感光体28と反対側には、帯電ロール72表面に付着したトナー等を取り除くクリーニングロール79が回転可能に設けられている。なお、帯電ロール72は、図示しない通電手段に接続されており、画像形成時に通電されることにより感光体28表面を帯電させる。
【0032】
デベユニット70は、露光光により感光体28上に形成された静電潜像を各色の現像剤(トナー)で現像するユニットであり、現像室82と、現像室82の下側に設けられ、トナーカートリッジ11から供給された現像剤を攪拌(混合)して現像室82に搬送する攪拌搬送室84と、を有している。
【0033】
図7に示すように、攪拌搬送室84は、底面から立設された仕切壁93で仕切られ、第1攪拌路84Aと第2攪拌路84Bの2条の攪拌路が設けられている。仕切壁93の両端部位置には、開口された第1接続口と第2接続口と(何れも図示せず)が形成されており、この第1接続口と第2接続口によって、第1攪拌路84Aと第2攪拌路84Bが接続している。第2攪拌路84Bの上面は開口となっており、現像室82と接続している。
【0034】
第1攪拌路84Aの一端には、第2攪拌路84Bの端面よりも外側へ向けて突出した突出部90(図10、図11参照)が形成されており、突出部90の上面には、トナーカートリッジ11からのトナーが供給される開口が形成されている。
【0035】
第1攪拌路84Aには、第1攪拌搬送部材91が配置されている。同様に、第2攪拌路84Bには、第2攪拌搬送部材92が配置されている。
【0036】
第1攪拌搬送部材91及び第2攪拌搬送部材92は、図示しないモータ及びギヤからなる駆動手段によって駆動されるようになっている。ここで、第1攪拌搬送部材91が矢印C方向、第2攪拌搬送部材92が矢印D方向(矢印C、Dは異なる方向)にそれぞれ回転することで、攪拌搬送室84内の現像剤は、供給されたトナーと混合され、それぞれ第1攪拌路84A内、及び第2攪拌路84B内を攪拌混合されながら搬送されて、第1攪拌路84Aと第2攪拌路84Bとの間を循環するようになっている。
【0037】
図7に示すように、現像室82は第2攪拌路84Bと接続している。また、現像室82は、感光体28の長手方向を軸方向とし、矢印B方向(反時計方向)に回転する現像ロール78が設けられている。さらに、現像室82は、層規制部材としての薄層形成ロール97が設けられている。現像ロール78の両端部には、感光体28の表面(円周面)に当たって感光体28と現像ロール78との位置決めする(すなわちギャップを設定する)位置決め部78Gが形成されている。
【0038】
薄層形成ロール97は、現像ロール78の回転方向の感光体28よりも上流側で、現像ロール78外周面と間隔をあけて配置されており、現像ロール78上の現像剤の通過量を規制して、現像ロール78上に予め決められた厚さの現像剤層(薄層)を形成するようになっている。
【0039】
現像ロール78は、現像室82に形成された開口部(図示せず)を介して感光体28の外周面と対向配置されている。また、現像ロール78は、現像室82に固定された磁界発生手段としてのマグネットロール78Bと、中空円筒状でマグネットロール78Bの外回りを回転可能に設けられた筒状の回転体としての現像スリーブ78Aとで構成されている。なお、現像ロール78と感光体28の間には、バイアス電圧が付与されて電界が形成されており、現像時に現像剤中のトナーを感光体28の潜像に向けて移動させるようになっている。
【0040】
(イメージングユニットの構造)
次に、イメージングユニット15の主としてハウジング構造について説明する。なお、以下の説明では、ハウジング構造を説明する上でY、M、C、Kの符号を付したほうが判り易い場合にはこれらの符号を付し、説明する上でY、M、C、Kの符号を付す必要がない場合にはこれらの符号を省略して表示する。
【0041】
上述したようにイメージングユニット15は、画像形成ユニット12と、画像形成ユニット12の上側に位置するトランスユニット(転写ユニット)14とで構成される(図4、図5参照)。そして、画像形成ユニット12のハウジングは、デベユニット70を構成する下ハウジング(現像ハウジング)102と、ゼロユニット23を構成する中ハウジング(感光体・LEDプリントヘッドハウジング)104と、で構成される。従って、イメージングユニット15のハウジングは、トランスユニット14を構成する上ハウジング(転写ハウジング)106と、中ハウジング104Y、104M、104C、104Kと、下ハウジング102Y、102M、102C、102Kと、で構成される。各感光体28Y、28M、28C、28Kは、それぞれ、中ハウジング104Y、104M、104C、104Kに位置決めされている。上ハウジング106と、中ハウジング104Y、104M、104C、104Kと、下ハウジング102Y、102M、102C、102Kとは、何れも非導通性の材質(樹脂)で形成されている。
【0042】
上ハウジング106は、中間転写ベルト16の幅方向両端側にそれぞれ形成された正面部110及び背面部112を有する。この正面部110には、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの各感光体28Y、28M、28C、28Kの各支軸29Y、29M、29C、29Kがそれぞれ貫通する貫通孔部116Y、116M、116C、116Kが形成されている。
【0043】
また、上ハウジング106の上部には、デベユニット70Y、70M、70C、70Kにそれぞれバイアス電圧を供給する高圧電源基板200が設けられている。上ハウジング106の正面部110には、高圧電源基板200と電気接続され、デベユニット70Y、70M、70Cにそれぞれ給電するための給電配線118YMCと、デベユニット70Kに給電するための給電配線118Kと、が設けられている。そして、正面部110には、デベユニット70Y、70M、70C、70Kの上方位置からそれぞれ下方に延び出している導通板120Y、120M、120C、120Kが配置されている。導通板120Y、120M、120Cは給電配線118YMCに電気接続され、導通板120Kは給電配線118Kに電気接続されている。
【0044】
導通板120Y、120M、120C、120Kの下端位置には、それぞれ、フック部122Y、122M、122C、122K(図14も参照)が形成されている。そして、イメージングユニット15には、現像ロール78Y、78M、78C、78Kの支軸77Y、77M、77C、77Kの端部とフック部122Y、122M、122C、122K、とにそれぞれ係止される引張コイルバネ124Y、124M、124C、124Kが設けられている。
【0045】
引張コイルバネ124Y、124M、124C、124Kの上端部がフック部122Y、122M、122C、122Kにそれぞれ係止されると、トランスユニット14、ゼロユニット23、及び、デベユニット70が組み付けられてイメージングユニット15が形成される。その上、導通板120Y、120M、120C、120Kの下端部と引張コイルバネ124Y、124M、124C、124Kの上端部とがそれぞれ導通するようになっており、引張コイルバネ124が給電経路を形成している。
【0046】
フック部122Y、122M、122C、122K及び引張コイルバネ124Y、124M、124C、124Kは、図14、図15ではイメージングユニット15の正面側に設けられている例を示しているが、背面側にも、同様に設けられている。
【0047】
図8、図9に示すように、現像ロール78の支軸77は導通性であり、支軸77の端部77は、両端とも、デベユニット70を構成する現像ロール支持板部130の円孔部131によって支えられている。そして、引張コイルバネ124で現像ロール78とフック部122とが連結されて引張力(付勢力)を受けることにより、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの各現像ロール78Y、78M、78C、78Kは、イメージングユニット15に位置決めされている。
【0048】
また、現像ロール支持板部130と中ハウジング104とで、仮止め用のラッチ構造132が形成されている。すなわち、中ハウジング104には係止用の開口部134が形成され、現像ロール支持板部130には開口部134に係止する張出し板部136が形成されている。この張出し板部136は、上部から下部にかけて現像ロール78の支軸長手方向外側へ徐々に張り出している張出し上部138と、張出し上部138の下端に連続し、張出し上部138よりも支軸長手方向内側の位置から下方へ延び出す張出し下部140と、で構成されている。従って、張出し上部138と張出し下部140との境目には段差部142が形成されている。また中ハウジング104に連結軸105(105R、105L)が長手方向両端に設けられ、下ハウジング102には、連結軸105が嵌る連結孔108(108R、108L)が長手方向両端に設けられている。
【0049】
(LEDプリントヘッド、及びその接地構造)
次に、LEDプリントヘッド73、及びその接地構造について説明する。図12〜図19に示すように、画像形成ユニット12には、LEDプリントヘッド73(以下、LPH73と記載)が感光体28と平行に設けられている。このLPH73は中ハウジング104によって支えられている。
【0050】
LPH73は細長状であり、図19に示すように、LPH73の基板144の長手方向一端部144Lには接地端子146Lが設けられ、基板144の長手方向他端部144Rにも接地端子146Rが設けられている。長手方向一端部144Lは支軸29の一端部(後述の支軸一方端部29L)に隣接しており、長手方向他端部144Rは支軸29の他端部(後述の支軸他方端部29R)に隣接している(図12等を参照)。
【0051】
中ハウジング104には、感光体28の支軸29(長尺部材の一例)を回転可能に支える支持部150(図12、図14参照)が形成されている。支軸29の一方端側では、支軸29が貫通する貫通孔部151が支持部150に形成されている。そして、上ハウジング106には、貫通孔部151から突き出た支軸一方端部29Lを挿通させる挿通孔部107Lが形成されている。従って、支軸一方端部29Lが上ハウジング106の外側へ、すなわち上ハウジング106の外側に突き出ている。
【0052】
そして、図12、図14に示すように、イメージングユニット15には、支軸一方端部29Lの近くに、正面視で略L字状の板バネ部材156Lが接続端子として設けられている。板バネ部材156Lの一端部157Eは接地端子146Lに当たって押圧する形状にされている。板バネ部材156Lの他端部157Fは感光体28の支軸一方端部29Lの近くにまで延び出して中ハウジング104の外側に露出している。
【0053】
そして、イメージングユニット15には、感光体28の支軸一方端部29Lと板バネ部材156Lの他端部157Fとを導通させる導通部158が設けられている。この導通部158は、図12〜図14に示すように略コの字状の板バネ部材160で構成されていてもよい。この場合、この板バネ部材160は、例えば、一端部160Eが感光体28の支軸一方端部29Lに軸方向から押圧するように当たり、他端部160Fも接続端子146L(図19参照)を押圧するように当たる形状とされている。そして、この板バネ部材160は、一端部160Eと他端部160Fとの間の部位で上ハウジング106にボルト162で係止されている。
【0054】
また、この導通部158は、図15に示すように、板バネ部材156Lの上端部である他端部157Fに当たって付勢する導通性の圧縮コイルバネ170と、支軸一方端部29Lに軸方向から当たって付勢する導通性の圧縮コイルバネ172と、圧縮コイルバネ170、172に接続して導通させる導通部材173と、圧縮コイルバネ170の支軸29とは反対側の端部、及び、圧縮コイルバネ172の板バネ部材156Lとは反対側の端部を押圧するキャップ部材174と、で構成されていてもよい。
【0055】
導通部158が何れの構成であっても、感光体28の支軸一方端部29Lと、LPH73の基板144の長手方向一端部144Lに設けられた接地端子146Lと、が導通部158によって導通している。
【0056】
図12、図16に示すように、感光体28の支軸29の他方端側でも、支軸29が貫通する貫通孔部151が支持部150に形成されている。そして、上ハウジング106には、貫通孔部151から突き出た支軸他方端部29Rを挿通させる挿通孔部107Rが形成されている。従って、支軸他方端部29Rが上ハウジング106の外側へ、すなわち上ハウジング106の外側に突き出ている。なお、支軸29の他方端側には、回転力が伝達されるギア180が設けられている。
【0057】
また、イメージングユニット15には、支軸他方端部29Rの近くに、正面視で略L字状の板バネ部材156Rが接続端子として設けられている。板バネ部材156Rの一端部187Eは接地端子146Rに当たって押圧する形状にされており、板バネ部材156Rの他端部187Fは感光体28の支軸他方端部29Rの近くにまで延び出して中ハウジング104の外側に露出している。
【0058】
また、この板バネ部材156Rには、LPH長手方向に沿った板バネ部材部分の中央位置に、LPH73に係止する係止部188が形成されている。そして、板バネ部材156Rの係止部188と他端部187Fとによって挟むようにして、LPH73の端部を中ハウジング104の内壁に押圧し、位置決めしている。
【0059】
そして、イメージングユニット15には、図16に示すように、支軸他方端部29Rに軸方向から押圧するように付勢する線バネ状のスプリングアース190と、上端部でスプリングアース190に接続しているプレートアース192と、が設けられている。プレートアース192は、板バネ部材156Rの他端部187Fに当たって押圧する曲がり部194を有していて板バネ状とされている。そして、スプリングアース190は、プリンタ10の一般的な装置アース(図示せず)に接続されている。
【0060】
従って、本実施形態では、LPH73の長手方向一端部144Lに設けられた接地端子146Lのみならず、LPH73の長手方向他端部144Rに設けられた接地端子146Rをも接地している。
【0061】
なお、図12と図17とで、接地端子146L、146Rの左右位置が逆に見えるが、表示する角度の違いによるものであり、両者で矛盾が生じることはない。
【0062】
次に、プリンタ10の画像形成工程について説明する。
【0063】
図1に示すように、画像処理装置(図示省略)で画像処理が施された画像データは、さらにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の色材階調データに変換される。そして、各色の色材階調データに応じて各露光光を出射して、各感光体28に走査露光を行い、潜像(静電潜像)が形成される。
【0064】
図1に示すように、感光体28上に形成された静電潜像は、デベユニット70によって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像(現像剤像)として顕在化され現像が行われる。そして、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの感光体28上に順次形成された各色のトナー像は、4つの一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kによって中間転写ベルト16上に順次多重転写される。
【0065】
中間転写ベルト16上に多重転写された各色のトナー像は、二次転写ロール20によって、搬送されてきた記録用紙P上に二次転写される。そして、記録用紙P上の各色のトナー像が定着装置60で定着され、定着後の記録用紙Pは、排出トレイ68に排出される。
【0066】
トナー像の転写工程が終了した後の感光体28の表面は、クリーニング部76によって残留トナーや紙粉等が除去される。また、中間転写ベルト16上の残留トナーや紙粉等が、クリーニング装置30で除去される。
【0067】
次に、本発明の実施形態の作用、効果について説明する。
【0068】
イメージングユニット15を製造する際、感光体28Y、28M、28C、28K、デベユニット70Y、70M、70C、70Kなどの主要部品の寿命と、プリンタ10の本体の寿命とを実質的に合わせ、定期的に部品交換しない構成にする。例えば5万枚の印刷を行ったら主用部品及び画像形成装置本体の寿命が尽きるような仕様にする。なお、非定期的な部品修理が必要な場合(例えば誤って部品に傷を付けた場合)を想定して部品交換可能な構成にする。
【0069】
このような仕様にされた各部品を用いてイメージングユニット15を、図20に示す手順で組み立てる。すなわち、ゼロユニット23で感光体28の支軸29を抜いたものをデベユニット70と、連結軸105と連結孔108とで連結したのち、ラッチ構造132で仮止めする。そして、トランスユニット14を画像形成ユニット12に上側から合体させ、感光体28の支軸29を感光体28、中ハウジング104の貫通孔部151、及び、上ハウジング106の貫通孔部116に挿通させる。イメージングユニット15を組み立てた後には、更に紙送りユニットに組付けていく。
【0070】
このイメージングユニット15を組み立てる際、引張コイルバネ124Y、124M、124C、124Kをそれぞれ現像ロール78Y、78M、78C、78Kの支軸77Y、77M、77C、77Kとフック部122Y、122M、122C、122Kとに係止させる。この結果、引張コイルバネ124の付勢力によってデベユニット70とトランスユニット14とでゼロユニット23を挟持するイメージングユニット15が形成され、各感光体28Y、28M、28C、28Kに対する各現像ロール78Y、78M、78C、78Kの位置決めと、上ハウジング106にデベユニット70Y、70M、70C、70Kを保持させることとが同時に行われることになる。従って、極めて良好な組立性で構造が簡単なイメージングユニット15が組み立てられる。そして、弾性体として引張コイルバネ124を用いているので、装置構造が更に簡単である。
【0071】
また、各感光体の支軸29が上ハウジング106を貫通している。これにより、感光体28と上ハウジング106との位置精度が良好にされており、感光体同士のピッチ精度が向上している。
【0072】
また、引張コイルバネ124でデベユニット70をトランスユニット14に向けて付勢することにより、感光体28を支持する中ハウジング104に、現像ロール78が回転可能に支えられていることになる。従って、感光体28と現像ロール78との相互位置が精度良く決められている。
【0073】
また、圧縮コイルバネ124によって導通板210と現像ロール78の支軸77とが導通しており、圧縮コイルバネ124が給電経路を形成しているので、新たに給電部材を設ける必要がない。
【0074】
また、イメージングユニット15を組み立てる際、導通部158を上ハウジング106にボルト162で固定しており、LPH73の基板144の長手方向他端部144Rが、板バネ部材156R、プレートアース192、スプリングアース190を介して装置アースに接地されている。そして、LPH73の基板144の長手方向一端部144Lが導通部158によって感光体28の支軸29に導通していて、スプリングアース190が感光体28の支軸他方端部29Rに当たっているので、LPH73の基板144の長手方向一端部144Lも接地される。従って、アース線を長く引き回すことなく、LPH73の基板144の長手方向両端部を接地させることができる。
【0075】
また、LPH73の基板144の長手方向一端部144Lを、LPH73の長手方向一端部144Lに最も近い長尺部材である感光体28の支軸29に導通部158で導通させることにより接地している。従って、LPH73の基板144の長手方向両端部の接地構造が簡素である。
【0076】
また、LPH73を保持する中ハウジング104が樹脂等の絶縁性の材質で形成されていても、LPH73の基板が容易に接地される。
【0077】
また、板バネ部材156RがLPH73をLPH73の長手方向他端部144Rに向けて付勢しており、しかも、中ハウジング104の内壁にLPH73の長手方向他端部144Rが当たっている。従って、板バネ部材156Rの付勢力によって、中ハウジング104に対するLPH73の長手方向が位置決めされている。
【0078】
また、導通部158が上ハウジング106にボルト162で固定され、しかも、板バネ部材160(或いは圧縮コイルバネ170)によって感光体28の支軸29が支軸他方端部29Rに向けて付勢(押圧)され、板バネ部材160(或いは圧縮コイルバネ172)によって板バネ部材156Lを介して中ハウジング104がLPH73の長手方向他端部144Rに向けて付勢(押圧)される。よって、中ハウジング104の上ハウジング106に対する長手方向位置(LPH長手方向位置、或いは感光体長手方向位置)が位置決めされる。すなわち、LPH73が中ハウジング104に長手方向に位置決めされ、中ハウジング104が上ハウジング106に長手方向に位置決めされることで、LPH73が上ハウジング106に長手方向に位置決めされる。よって、4本のLPHはそれぞれ単一の上ハウジングに位置決めされることになり、相対的な長手方向位置が略一定となるので、各色画像のズレが少ないイメージングユニット15の組立性が向上している。
【0079】
また、導通部158をイメージングユニット15に取付けるだけで、このような位置決めと接地とが併せて行われるので、組立性が更に向上している。
【0080】
なお、導通部158が、上記の圧縮コイルバネ170、172とキャップ部材174とで構成されていると、強度などの面で信頼性が更に高い。
【0081】
また、本実施形態では、LPH73の基板144の長手方向一端部144Lを導通部158で感光体28の支軸一方端部29Lと導通させることにより、感光体28の支軸他方端部29Rを接地することでLPH73の長手方向両端部をそれぞれ接地する構成にしたが、導通性の長尺部材を補強用などとして設け、この長尺部材を用いてLPH73を接地する構成にしてもよい。すなわち、この長尺部材をLPH73と平行に設け、LPH73の基板144の長手方向一端部144Lをこの長尺部材の長手方向一端部に導通させ、長尺部材の長手方向他端部を接地する構成にしても、同様の作用、効果が得られる。
【0082】
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、上記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0083】
10 プリンタ(画像形成装置)
14 トランスユニット(転写ユニット)
15 イメージングユニット(像形成ユニット)
23 ゼロユニット(感光体ユニット)
28 感光体
29Y、M、C、K 支軸
70 デベユニット(現像ユニット)
78 現像ロール(現像部材、現像ロール)
104 中ハウジング(ハウジング)
124Y、M、C、K 引張コイルバネ(弾性体、引張コイルバネ)
132 ラッチ構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像部材を有する現像ユニットと、
感光体を有する感光体ユニットと、
前記感光体と対向配置される転写ユニットと、
前記転写ユニットと前記現像ユニットとに取付けられ、前記現像ユニットを前記転写ユニットに向けて付勢することにより、前記現像部材と前記感光体とを位置決めする弾性体と、
を備えた、像形成ユニット。
【請求項2】
前記感光体の支軸が前記転写ユニットのハウジングと前記感光体とを貫通している、請求項1に記載の像形成ユニット。
【請求項3】
前記感光体ユニットと前記現像ユニットとを仮止めするラッチ構造が形成されている、請求項1に記載の像形成ユニット。
【請求項4】
前記弾性体が、前記現像ロールへの給電経路を形成する引張コイルバネである、請求項3に記載の像形成ユニット。
【請求項5】
請求項1〜4のうち何れか1項に記載の像形成ユニットを備えた、画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2010−231087(P2010−231087A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80185(P2009−80185)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】