充填包装機
【課題】ダブルパックを自動的に且つ連続的に製造する充填包装機に新たな改良を提案する。
【解決手段】ダブルパック用の充填包装機は、第1と第2の袋部に挿入される第1と第2のシュートの充填筒50a,50bの中心が垂直軸を中心とする円弧34上を第1と第2の袋部の中心に位置しながら移動するように、第1と第2のシュートの充填筒50a,50bの中心と、昇降シャフト41の中心44と、昇降シャフト41に対応する偏心シャフトの中心58の位置が決められている。
【解決手段】ダブルパック用の充填包装機は、第1と第2の袋部に挿入される第1と第2のシュートの充填筒50a,50bの中心が垂直軸を中心とする円弧34上を第1と第2の袋部の中心に位置しながら移動するように、第1と第2のシュートの充填筒50a,50bの中心と、昇降シャフト41の中心44と、昇降シャフト41に対応する偏心シャフトの中心58の位置が決められている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2種類の充填材を別々の袋部(部屋)に充填した包装パック(以下、適宜「ダブルパック」という。)が知られている。代表的な例として、即席麺のパッケージに収容されている別添用小袋であって、一つの小袋に2つの充填材収容室を別々に形成し、一方の充填材収容室にスープ用充填材を収容し、他方の充填材収容室に香辛料を収容したものがある。このようなダブルパックでは、スープ用充填材の量が香辛料の量よりも多いのが一般的で、そのためにスープ用充填材の袋部が香辛料の袋部よりも大きく作られる。このような事情から、一つの小袋に一種類の充填材のみを充填してなる包装パック(シングルパック)の充填包装機(特許文献1,2)とは違って、ダブルパックの充填包装機には数々の工夫が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−300527号公報
【特許文献2】特開2008−018981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、ダブルパックを自動的に且つ連続的に製造する充填包装機に新たな改良を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの形態は、連続的に供給される帯状の包装材(100)を二つ折りし、この二つ折りされた包装材(100)を固定シール部(31)と可動シール部(32)で挟持し、上記包装材(100)を該包装材(100)の長手方向に所定の間隔をあけてヒートシールして上記長手方向に第1と第2の長さを有する第1の袋部(103)と第2の袋部(104)を交互に形成し、上記第1と第2の袋部(103,104)に挿入された第1と第2のシュート(46a,46b)を介して上記第1と第2の袋部(103,104)に第1と第2の充填材(105,106)をそれぞれ充填するダブルパック用の充填包装機(1)であって、
垂直軸(26)を中心として回転可能に配置され、上記垂直軸(26)を中心とする円周に沿って一定の間隔をあけて上記垂直軸(26)に平行な方向に向けて形成された2n(n:整数)個の貫通孔(42)を有する回転体(29)と、
上記偶数個の貫通孔(42)に上記垂直軸(26)と平行な方向に昇降可能に且つ上記貫通孔(42)の中心軸(44)を中心に回転可能に挿通された2n(n:整数)個の昇降シャフト(41)と、
上記回転体(29)から上方に突出した上記昇降シャフト(41)の上部にそれぞれ取り付けられ、上記昇降シャフト(41)から径方向外側に向けて伸びるアーム(45)及び上記アーム(45)に支持されたシュート(46a,46b)と、
上記回転体(29)から下方に突出した上記昇降シャフト(41)の下部にそれぞれ取り付けられ、上記昇降シャフト(41)の中心から偏心した偏心シャフト(57)と、
上記垂直軸(26)の周囲に連続的に形成され、上記偏心シャフト(57)を案内する環状の案内部(60)を備えており、
上記第1と第2の袋部(103,104)に挿入される上記第1と第2のシュート(46a,46b)の充填筒(50a,50b)の中心が上記垂直軸(26)を中心とする円弧(34)上を上記第1と第2の袋部(103,104)の中心に位置しながら移動するように、上記第1と第2のシュート(46a,46b)の充填筒(50a,50b)の中心と、上記昇降シャフト(41)の中心(44)と、上記昇降シャフト(41)に対応する上記偏心シャフト(57)の中心(58)の位置が決められていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一形態によれば、ダブルパックに含まれる第1と第2の袋部の大きさが異なる場合であっても、ダブルパックに含まれる各袋部に対して充填筒を適正に位置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る充填包装機の正面図。
【図2】図1に示す充填包装機の平面図。
【図3】図1に示す充填包装機の側面図。
【図4】本発明の充填包装機で製造される連続袋体の一部を示す正面図。
【図5】図1に示す充填包装機の内部構造を示す断面図。
【図6】図4と共に図1に示す充填包装機の内部構造を示す断面図。
【図7】シール領域を通過するシュート、シール部等の位置関係を示す説明図。
【図8】偏心シャフトとシュートの移動経路を示す説明図。
【図9】偏心シャフト、シュートの動きを示す説明図。
【図10】計量板とシュートの動きを示す説明図。
【図11】シュートの平面図(a,b)、正面図(c)、側面図(d)。
【図12】計量板の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本発明に係る充填包装機(以下、「包装機」という。)を説明する。
【0009】
1.包装機:
包装機1(図1参照)について、これによって製造される袋体を表した図4を参照して説明すると、該包装機1は、帯状のフィルム又はシートからなる包装材100(図1参照)を水平方向(矢印方向)に搬送しながらその長手方向中心線に沿って二つ折りし、次に、この二つ折りした包装材100を長手方向に所定間隔ごとに接着又はシール(縦シール101,102を形成)して第1の袋部103と第2の袋部104を交互に形成し、次に、第1の袋部103に第1の充填材105を充填するとともに第2の袋部104に第2の充填材106を充填し、次に、第1の袋部103と第2の袋部104の上端開口を接着することによりトップシール107を形成して連続袋体108を形成し、最後に、包装材100の搬送方向(矢印111方向)に関して第2の袋部104とこれに続く第1の袋部103との間の縦シール101に沿って切断し又は該縦シール101の中央に断続的に切断線又はミシン目109を入れて、第1の袋部103とこれに続く第2の袋部104を一単位とする袋体110を連続的に製造するものである。
【0010】
図示する連続体108についてみると、第1の袋部103の充填材収容量が第2の袋部104の充填材収容量よりも多く設計されている。そのため、包装材搬送方向111に関して、第2の袋部104とこれに続く第1の袋部103との間に形成される縦シール101の幅(搬送方向の長さ)は第1の袋部103とこれに続く第2の袋部104の縦シール102の幅(搬送方向長さ)よりも大きくしてある。
【0011】
また、包装材搬送方向111に関して、第1の袋部103の幅(内寸法幅)B1は第2の袋部104の幅(内寸法幅)B2よりも大きくしてある。したがって、第2の袋部104を挟んでこれに隣接する2つの第1の袋部103の中心距離B3と第1の袋部103を挟んでこれに隣接する2つの第2の袋部104の中心距離B4は等しいが、第1の袋部103の中心とこれに隣接する第2の袋部104の中心との距離B5は、この第2の袋部104の中心とこれに続く別の袋体110の第1の袋部103の中心との距離B6よりも短い。
【0012】
図1を参照すると、連続袋体110を製造する包装機1は、該包装機1が設置される場所に固定される装置本体10を有し、この装置本体10に、包装材供給部11と、包装材供給部11から供給された包装材をほぼ水平方向に案内しながら該包装材の長手方向中心線を支点として略V字状に2つ折り上げる包装材折り上げ部12と、折り上げられた左右包装材片を長手方向に所定の間隔をあけて熱接着して縦シールを形成して第1の袋部と第2の袋部を交互に形成する第1のシール部13と、第1の袋部に第1の充填材を充填する第1の充填材充填部14と、第2の袋部に第2の充填材を充填する第2の充填材充填部15と、第1の充填材充填部14に第1の充填材を供給する第1の充填材供給部16と、第2の充填材充填部15に第2の充填材を供給する第2の充填材供給部17と、充填材が充填された各袋部の上端を熱接着してトップシール107を形成する第2のシール部18が支持されている。
【0013】
2.包装材供給部11:
図1に示すように、包装材供給部11は、装置本体10の下部に配置されており、所定の横幅を有する帯状のフィルム又はシートからなる包装材100を巻回したロール21を支持する支軸22を有する。また、包装材供給部11は、支軸22に装着されたロール21から繰り出される包装材100を折り上げ部12に案内する複数のローラ23a〜23fを有する。
【0014】
3.折り上げ部12:
図1に示すように、折り上げ部12は、包装材供給部11の最後のローラ23fからほぼ水平方向に向けて送られる包装材100の上面に接触する横断面が略V字形の折り上げガイド24を有する。折り上げガイド24の上方開き角(V字断面の上方開き角)は包装材搬送方向111に沿ってローラ23fから離れるに従って徐々に小さくなるようにしてある。
【0015】
4.第1のシール部13:
図5を参照すると、第1のシール部13は、装置本体10に固定された固定円筒部25を有する。固定円筒部25は、軸(垂直軸)26に中心とする外周円筒面を備えている。固定円筒部25には回転円筒部27が同心的に外装されている。固定円筒部25と回転円筒部27の間には軸受28が配置されており、図示しないモータを備えた駆動源の駆動に基づいて、回転円筒部27が軸26を中心に固定円筒部25の周囲を包装材搬送方向(上方から見たときの反時計回り方向)111(図2参照)に回転するようにしてある。
【0016】
回転円筒部27は、その上部にリング状のテーブル29を固定支持している。テーブル29には、複数(2n個:nは整数。)のシール部30が設けてある。各シール部30は、固定シール部31と、該固定シール部31の外側に配置された可動シール部32を有する。図7に示すように、固定シール部31は、軸26を中心とする円周(図示せず)上に一定の間隔をあけて配置されており、固定シール部31の加熱面(軸26を中心とする径方向の最外側面)33が軸26を中心とするシール基準円34上に位置している。シール基準円34は、包装材搬送経路の一部を形成しており、折り上げられた包装材100が固定シール部31の加熱面33に支持された状態で該シール基準円34の一部(シール領域)に沿って搬送されるようにしてある。
【0017】
図4に示すように、実施の形態では、一つの袋体110を構成する第1の袋部103と第2の袋部104の間に位置する縦シール102の幅が、隣接する袋体110の間に位置する縦シール101よりも狭くしてある。(以下、一つの袋体110の中で第1の袋部103と第2の袋部104を区画している幅の狭い縦シール102を「幅狭縦シール」といい、一つの袋体110とそれに続く袋体110の間に位置する幅の広い縦シール101を「幅広縦シール」という。)
【0018】
そのような理由から、図7に示すように、固定シール部31には、幅狭縦シール102の幅に対応した幅狭の加熱面33aを有する幅狭固定シール部31aと、幅広縦シール101の幅に対応した幅広の加熱面33bを有する幅広固定シール部31bが用意されており、これら2種類の固定シール部31a,31bが周方向に交互に配置されている。また、幅広固定シール部加熱面33bから該幅広固定シール部加熱面33bの包装材搬送方向上流側に配置された幅狭固定シール部加熱面33aまでの距離が、上述した第1の袋部103の内寸法幅B1(図4参照)に等しく、幅狭固定シール部加熱面33aから該幅狭固定シール部加熱面33aの包装材搬送方向上流側に配置された幅広固定シール部加熱面33bまでの距離が、上述した第2の袋部104の内寸法幅B2(図4参照)に等しくしてある。
【0019】
図示しないが、可動シール部32も、2つの固定シール部31a,31bに対応して2種類用意されており、これら可動シール部の加熱面は対向する固定シール部31a,31bの加熱面33a,33bと同じ包装材搬送方向111の幅を有し、包装材搬送方向111に同じ距離をあけて配置されている。
【0020】
図5に戻り、可動シール部32は、図の右側に示すように、該可動シール部32の加熱面が対応する固定シール部31に包装材100を介して圧接するシール位置と、図の左側に示すように、可動シール部32がほぼ90°外側に倒れて該可動シール部32が固定シール部31から離間する非シール位置との間を往復移動できるように回動可能に支持されている。
【0021】
可動シール部32の状態(シール位置又は非シール位置のいずれか)は、可動シール部32に設けた被ガイド部35とテーブル29の周囲に環状に配置されたガイド部36との係合に基づいて決定され、概ね、テーブル29の回転に基づいてシール領域37(図8参照)を通過しているとき、可動シール部32はシール位置をとり、それ以外の領域を通過しているとき、可動シール部32は非シール位置をとるようにしてある。
【0022】
5.充填材充填部:
第1の充填材充填部14と第2の充填材充填部15は、シール部13に対応して配置された複数(2n)の昇降シャフト41を有する。昇降シャフト41を軸26と平行な上下方向に昇降させるために、テーブル29にはシール部13の内側に複数(2n個)のシャフト貫通孔42が形成されている。シャフト貫通孔42は軸26を中心とするシャフト基準円43(図7参照)上に等間隔(360°/2n)に形成されており、そこに挿通された昇降シャフト41が軸44に沿って昇降自在に且つ該軸44を中心として回転可能としてある。
【0023】
テーブル29から上方に突出した昇降シャフト41の上部には、包装材搬送方向111の上流側に斜めに向けられたアーム45と、アーム45の先端に固定された充填シュート46が支持されている。
【0024】
充填シュート46には、第1の充填材を第1の袋部に充填するための第1の充填シュートと第2の充填材を第2の袋部に充填するための第2の充填シュートが用意されており、第1の充填シュートと第2の充填シュートが周方向に交互に配置されている。
【0025】
図11を参照すると、第1の充填シュート46aは、漏斗状上部49aと、その下端に接続された筒状下部(充填筒)50aを有する。筒状下部50aは一定の離心率を有する楕円形の横断面を有する。一方、漏斗状上部49aは、その上端が円形横断面を有し、筒状下部50aに向かって次第に筒状下部50aの離心率に近づく形状をしている。また、筒状下部50aの中心が漏斗状上部49aの上端中心からオフセットしており、筒状下部50aの楕円長軸が漏斗状上部49aの径方向に向けてある。
【0026】
第2の充填シュート46bは、漏斗状上部49bと、その下端に接続された筒状下部(充填筒)50bを有する。筒状下部50bは一定の離心率を有する楕円形の横断面を有する。一方、漏斗状上部49bは、その上端と下端が楕円形横断面をしており、上端楕円形の長軸が下端楕円形(筒状下部50b)の短軸と平行にしてある。また、筒状下部50bは、漏斗状上部49bの中心に対して両軸(長軸、短軸)方向にずらしてある。
【0027】
実施の形態では、第1の袋部103の充填量が第2の袋部104の充填量よりも多くしてあるので、第1の充填シュート46aの筒状下部50aの横断面形状は第2の充填シュート46bの筒状下部50bの横断面形状よりも大きくしてある。
【0028】
第1と第2の充填シュート46a,46bは、横断面が楕円形の筒状下部50a,50bの長軸方向が、シール領域37において、シール基準円34にほぼ一致し、また、第1の充填シュート46aの漏斗状上部49aの中心がシール基準円34上に位置し、第2の充填シュート46bの漏斗状上部49bの中心がシール基準円34の外側に位置するように、アーム45に固定される。
【0029】
充填シュート筒状下部50a,50bと上述した固定シール部31(31a,31b)の関係が図7に示されている。この図に示すように、充填シュート46がシール領域37にあるとき、第1の充填シュート46aの筒状下部50a及びその中心が、シール基準円34上にあって、幅広固定シール部31bの幅広加熱面33bと該幅広固定シール部31bの包装材上流側にある幅狭固定シール部31aの幅狭加熱面33aの中央(内法距離の中間)に位置するようにしてある。同様に、第2の充填シュート46bの筒状下部50b及びその中心は、シール基準円34上にあって、幅狭固定シール部31aの幅狭加熱面33aと該幅狭固定シール部31aの包装材上流側にある幅広固定シール部31bの幅広加熱面33bの中央(内法距離の中間)に位置するようにしてある。
【0030】
図5に戻り、テーブル29から下方に突出した昇降シャフト41の下部は、該昇降シャフト41から側方に突出した被ガイド部53を有する。被ガイド部53に対応して、回転筒27の外側には昇降ガイド用筒体54が固定されている。昇降ガイド用筒体54は、軸26を中心とする外周円筒面を有する。外周円筒面は環状のガイド部(ガイド溝)55を有し、このガイド部55に被ガイド部53が係合している。図の左右に表された第1のガイド部53が異なる高さにあることから分かるように、ガイド部55はその一部が他の部分よりも高い位置に形成されており、対応する充填シュート46がほぼシール領域37(図8、9参照)にあるとき該充填シュート46が下降位置をとって該充填シュート筒状下部50a,50bの下端が2つ折りされた包装材の両包装材片の間に位置し、それ以外の領域にあるとき該充填シュート46が上昇位置をとって包装材100と干渉しないようにしてある。
【0031】
テーブル29から下方に突出した昇降シャフト41の下端は、昇降シャフト41の下端から横方向に突出した連結部56(図8参照)を介して、偏心シャフト57が連結されている。偏心シャフト57は、名称が意味するとおり、昇降シャフト41の中心軸44から水平方向に所定距離だけ偏心した別の中心軸(偏心軸)58に沿って下方に伸びている。偏心シャフト57は、その下端に被ガイド部59を有する。被ガイド部59に対応して、回転筒27の外側には環状のガイド部60が設けてある。
【0032】
図8に示すように、ガイド部60は、軸26を中心とする円61(図7参照)に沿って伸びる円形円弧部分62と、円61から外側に逸れた非円形円弧部分63を有する。非円形円弧部分63の形状は、折り上げガイド24によってV字断面に折り曲げられながらシール基準円34及びシール領域37に向かって直線的に前進しつつある包装材100の中心線にほぼ沿って充填シュート筒状下部50a,50bを誘導するように、決められている。
【0033】
図7に示すように、シール基準円34、昇降シャフト基準円43、及び偏心シャフト基準円60の大きさ、また、昇降シャフト中心からシュート中心までの距離、昇降シャフト中心から偏心シャフト中心までの距離等は、充填シュート46がシール領域37にあるとき、第1と第2の充填シュート筒状下部50a、50bの楕円長軸がシール基準円34上に位置し、かつ、第1と第2の充填シュート筒状下部50a,50bの中心が隣接する加熱面33bと33a、33aと33bの中間に位置するように決められている。
【0034】
具体的な値を示すと、昇降シャフト基準円43の半径が244mm、偏心シャフト基準円60の半径が240mm、隣接する昇降シャフト41の中心間隔が7.2°、シール基準円34の半径が289mmの場合、第2の充填シュート46bについて、昇降シャフト中心から対応する充填シュート中心までの第1の線分の長さ(距離)L1は80.22mm、昇降シャフト中心から偏心シャフト中心までの第2の線分の長さ(距離)e1は14.57mmに設定され、これら第1の線分L1と第2の線分e1の交角α1は44.03°に設定され、第1の充填シュート46aについて、昇降シャフト中心から対応する充填シュート中心までの第1の線分の長さ(距離)L2は77.08mm、昇降シャフト中心から偏心シャフト中心までの第2の線分の長さ(距離)e2は14.0mm、これら第1の線分と第2の線分の交角α2は46.43°に設定される。
【0035】
6.充填材供給部:
図10を参照すると、第1の充填材供給部16は第1の袋部103に充填する第1の充填材を第1の充填シュート46aに落下供給し、第2の充填材供給部17は第2の袋部104に充填する第2の充填材を第2の充填シュート46bに落下供給するもので、包装材100の搬送経路112に沿って、第1の充填材供給部16が上流側に配置され、第2の充填材供給部17が下流側に配置されている。
【0036】
図5に示すように、第1の充填材供給部16は、シール基準円34の内側に位置する軸71に沿って垂直に配置されたシャフト72を有する。シャフト72は、軸71を中心に回転自在に装置本体10に支持されている。また、シャフト72には歯車73が外装されて固定され、この歯車73がシャフト74に外装して固定された別の歯車75と噛み合っており、図示しないモータの駆動に基づいて、上方から見たときに反時計回り方向(図10参照)に回転するようにしてある。
【0037】
シャフト72は第1の計量板(計量部材)76を支持している。また、第1の計量板76の上には、第1の充填材供給ホッパ77(図1参照)が設けてある。図10に示すように、第1の計量板76は、軸71を中心とする円(内円)78上に一定の間隔をあけて形成された複数の貫通孔からなる第1の計量孔79を備えている。そして、第1の充填材供給領域80において、円78がシール領域37の上流側でシール基準円34にほぼ重なり(ほぼ内接し)、第1の計量孔79が第1の充填シュート46aの漏斗状上部49aの上方に位置するようにしてある。また、第1の計量孔79の間隔(ピッチ)は、第1の充填シュート46aの間隔(ピッチ)とほぼ等しくしてある。これにより、第1の充填材供給領域80において、第1の計量孔79は対応する第1の充填シュート46aの漏斗状上部49aの上方に位置し、一定量の第1の充填材が第1の計量孔79から対応する第1の充填シュート46aに落下供給されるようになっている。なお、第1の充填材供給領域80以外の領域では、第1の計量孔79は、第1の計量板76を支持する固定支持板76aによってその下端開口が塞がれており、第1の計量孔79から第1の充填材が落下しないようにしてある。
【0038】
図6に示すように、第2の充填材供給部17は、シール基準円34の外側に位置する軸81に沿って垂直に配置されたシャフト82を有する。シャフト82は、軸81を中心に回転自在に装置本体10に支持されている。また、シャフト82は図示しないモータに駆動連結されており、このモータの駆動に基づいて、上方から見たときに時計回り方向(図10参照)に回転するようにしてある。
【0039】
シャフト82は第2の計量板(計量部材)86を支持している。また、第2の計量板86の上には、第2の充填材供給ホッパ87(図1参照)が設けてある。図10に示すように、第2の計量板86は、軸81を中心とする円(外円)88上に一定の間隔をあけて形成された複数の貫通孔からなる計量孔89を備えている。そして、第2の充填材供給領域90において、円88が第1の充填材供給領域80の下流側でシール基準円34にほぼ重なり(ほぼ外接し)、計量孔89が第2の充填シュート46bの漏斗状上部49bの上方に位置するようにしてある。また、計量孔89の間隔(ピッチ)は、第2の充填シュート46bの間隔(ピッチ)とほぼ等しくしてある。これにより、第2の充填材供給領域90において、第2の計量孔89は対応する第2の充填シュート46bの漏斗状上部49bの上方に位置し、一定量の第2の充填材が第2の計量孔89から対応する第2の充填シュート46bに落下供給されるようになっている。なお、第2の充填材供給領域90以外の領域では、第2の計量孔89は、第2の計量板86を支持する固定支持板86aによってその下端開口が塞がれており、第2の計量孔89から第2の充填材が落下しないようにしてある。また、第2の充填シュート46bの漏斗状上部49bは楕円形に形成されるとともにその楕円形の長軸をシール基準円34の径方向に向けることによって漏斗状上部49bがシール基準円34を超えて漏斗状上部49bよりも外側に伸び出してあるので、実施の形態のように第2の計量板86がシール基準円34の外側に配置されていても、計量孔89が第2の充填シュート46bの上方に位置する時間及び距離を出来るだけ大きくとり、計量孔89にあるすべての第2の充填材が確実に第2の充填シュート46bに落下するようにしてある。
【0040】
7.第2のシール部:
図1に示すように、第2のシール部18は、シール領域37の下流側で包装材搬送経路111に沿って配置されており、第1と第2の充填材が充填された後の包装材100の上端を予熱する予熱部91と、該予熱部91で予熱された包装材100の上部を加圧し又は加圧加熱してトップシール107を形成する加圧部92を備えている。
【0041】
8.切断部:
図示しないが、第2のシール部18の下流側には、図4に示す連続袋体110の幅広縦シール102の中央で連続袋体110を切断して個々の袋体110に分離する切断部、又は幅広縦シール部102の中央にミシン目を入れる切断部が設けてある。
【0042】
9.動作:
以上の構成を備えた包装機1の動作を説明する。図示しないモータの電源が投入されると、これに駆動連結された回転円筒部27、シャフト72,82が回転する。また、シャフト72,82の回転により、第1及び第2の充填材供給部16、17の計量板76,86が回転する。これにより、図1に示すように、装置本体10の下部にある包装材供給部11から繰り出された包装材100は、複数のローラ23a〜23fによって上方に案内され、最後のローラ23fから送り出された包装材100はその主要面(表面、裏面)をほぼ水平面に平行に向けられる。ローラ23f通過した包装材100は、V字状横断面の折り上げガイド24の下面に沿って搬送されながら、包装材100の長手方向中心線を境に二つ折りされる。
【0043】
一方、第1のシール部13では、モータの駆動に基づいて回転円筒部27とこれに固定されたテーブル29が軸26を中心に反時計回り方向に回転する。その結果、テーブル29に支持されている昇降シャフト41の被ガイド部53がガイド部55にガイドされ、図9に示すように、シール領域37において下降位置をとり、それ以外の非シール領域で上昇位置をとる。
【0044】
偏心シャフト57の被ガイド部59は、ガイド部60にガイドされる。このとき、図8に示すように、シール領域直前の進入領域94以外では、被ガイド部59はガイド部60の円形円弧部分62にガイドされ、充填シュート46は軸26を中心とする円形軌跡を移動する。しかし、シール領域37直前の進入領域94では、被ガイド部59はガイド部60の非円形円弧部分63にガイドされ、充填シュート46はいったん円形軌跡の外側に振り出されたのち、包装材搬送経路112に沿って進入領域94をほぼ直線状に前進する。この動作に同期して、図9に示すように、昇降シャフト41が上昇位置から下降位置に移り、二つ折りされた包装材100の内側に充填シュート46の筒状下部50a、50bが進入する。
【0045】
なお、上述のように、第1と第2の充填シュート46a,46bについて昇降シャフト中心から対応する充填シュート中心までの距離L1,L2は異なるが、その差(L1−L2)に応じて偏心シャフト57の偏心量e1,e2が決められており、これにより、偏心シャフト57をガイドする非円形円弧部分63の形状と協働して、充填シュート46a,46bが進入領域94をほぼ直線状に前進することができる。
【0046】
次に、シール領域37に送られた包装材100は、固定シール部31の加熱面33に支持された状態で、テーブル29の回転とともに移動する。このとき、図7に示すように、包装材搬送方向111に関して、幅広加熱面33bとこれに隣接する幅狭加熱面33aの中央に第1の充填シュート46aの筒状下部50aが位置し、幅狭加熱面33aとこれに隣接する幅広加熱面33bの中央に第2の充填シュート46bの筒状下部50bが位置する。したがって、筒状下部50a,50bを挟持する包装材100に無理なストレスが加わることがない。
【0047】
シール領域37に進入した可動シール部32は、該可動シール部32の被ガイド部35がガイド部36にガイドされ、非シール位置からシール位置に移動する。これにより、固定シール31の加熱面33と可動シール32の加熱面に挟持された包装材部分が加熱されて縦シール101,102が形成される。上述のように、実施形態では、幅狭加熱面33aと幅広加熱面33bが交互に配置されていることにより、包装材100には幅広縦シール101と幅狭縦シール102が交互に形成され、これによって第1の袋部103と第2の袋部104が形成される。
【0048】
次に、包装材100は、第1の充填材供給領域80において、第1の充填材供給部16の計量孔79から落下した第1の充填材が第1の充填シュート46aを介して第1の袋部103に充填される。
【0049】
また、包装材100は、第2の充填材供給領域90において、第2の充填材供給部17の計量孔89から落下した第2の充填材が第2の充填シュート46bを介して第2の袋部104に充填される。
【0050】
このようにして第1及び第2の充填材が第1及び第2の袋部103,104に充填された包装材100は、シール基準円34から離れた後、第2のシール部18に供給され、そこで上端縁部が予熱部91によって予熱され、さらに加圧部92によって加圧されて、トップシール107が形成されて第1及び第2の袋部103,104が封止されて連続袋体108が形成される。その後、連続装体108は、切断部に搬送されてそこで袋体110ごとに分離される、または、一つの袋体110とこれに隣接する袋体110の間の縦シール101にミシン目109が入れられる。
【0051】
10:その他の形態:
図12は、計量板76の詳細を示す。上述のように、計量板76は軸71を中心とする円78に沿って等間隔に配置された計量孔79を有する。また、計量板76の底面には、各計量孔79に対応して該計量孔79の周囲を囲む充填材回収部121が設けてある。充填材回収部121は、所定の厚みを有する薄い金属の板を加工して形成されており、計量孔79の周囲を囲む環状部分122と、該環状部分122から計量板回転方向に沿って「ハ」の字状に広がる伸出部123を有し、計量板76の底面に図示する状態で固定されている。したがって、計量板76と該計量板76の下に固定されている支持部材76aとの隙間に入り込んだ充填材は、計量板76の回転に基づいて両伸出部分123によって集められて計量孔79の領域に戻される。そのため、計量板76と支持部材76aとの間から落下する充填材が無くなる又は極めて少なくなる。なお、第1の充填材充填部16の計量板79に回収部121を設けた例を説明したが、同様の構成を第2の充填材充填部17に設けてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1:充填包装機
10:装置本体
11:包装材供給部
12:折り上げ部
13:第1のシール部(縦シール部)
14:第1の充填材充填部
15:第2の充填材充填部
16:第1の充填材供給部
17:第2の充填材供給部
18:第2のシール部(トップシール部)
21:ロール
22:支軸
23a〜23f:ローラ
24:折り上げガイド
25:固定円筒部
26:軸
27:回転円筒部
28:軸受
29:テーブル
30:シール部
31:固定シール部
31a:幅狭固定シール部
31b:幅広固定シール部
32:可動シール部
33:加熱面
33a:幅狭加熱面
33b:幅広加熱面
34:シール基準円
35:被ガイド部
36:ガイド部
37:シール領域
41:昇降シャフト
42:シャフト貫通孔
43:シャフト基準円
44:中心軸
45:アーム
46:充填シュート
46a:第1の充填シュート
46b:第2の充填シュート
49a:漏斗状上部
50a:筒状下部(充填筒)
49b:漏斗状上部
50b:筒状下部(充填筒)
53:被ガイド部
54:昇降ガイド用筒体
55:ガイド部
56:連結部
57:偏心シャフト
58:偏心軸
59:被ガイド部
60:第2のガイド部
61:円
62:円形円弧部分
63:非円形円弧部分
71:中心軸
72:シャフト
73:歯車
74:シャフト
75:歯車
76:計量板
77:ホッパ
78:円
79:計量孔
80:第2の充填材供給領域
81:中心軸
82:シャフト
83:歯車
86:計量板
87:ホッパ
88:円
89:計量孔
90:第2の充填材供給領域
91:予熱部
92:加圧部
100:包装材
101:縦シール(幅広縦シール)
102:縦シール(幅狭縦シール)
103:第1の袋部
104:第2の袋部
105:第1の充填材
106:第2の充填材
107:トップシール
108:連続袋体
109:ミシン目
110:袋体
111:包装材搬送方向
112:包装材搬送経路
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2種類の充填材を別々の袋部(部屋)に充填した包装パック(以下、適宜「ダブルパック」という。)が知られている。代表的な例として、即席麺のパッケージに収容されている別添用小袋であって、一つの小袋に2つの充填材収容室を別々に形成し、一方の充填材収容室にスープ用充填材を収容し、他方の充填材収容室に香辛料を収容したものがある。このようなダブルパックでは、スープ用充填材の量が香辛料の量よりも多いのが一般的で、そのためにスープ用充填材の袋部が香辛料の袋部よりも大きく作られる。このような事情から、一つの小袋に一種類の充填材のみを充填してなる包装パック(シングルパック)の充填包装機(特許文献1,2)とは違って、ダブルパックの充填包装機には数々の工夫が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−300527号公報
【特許文献2】特開2008−018981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、ダブルパックを自動的に且つ連続的に製造する充填包装機に新たな改良を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの形態は、連続的に供給される帯状の包装材(100)を二つ折りし、この二つ折りされた包装材(100)を固定シール部(31)と可動シール部(32)で挟持し、上記包装材(100)を該包装材(100)の長手方向に所定の間隔をあけてヒートシールして上記長手方向に第1と第2の長さを有する第1の袋部(103)と第2の袋部(104)を交互に形成し、上記第1と第2の袋部(103,104)に挿入された第1と第2のシュート(46a,46b)を介して上記第1と第2の袋部(103,104)に第1と第2の充填材(105,106)をそれぞれ充填するダブルパック用の充填包装機(1)であって、
垂直軸(26)を中心として回転可能に配置され、上記垂直軸(26)を中心とする円周に沿って一定の間隔をあけて上記垂直軸(26)に平行な方向に向けて形成された2n(n:整数)個の貫通孔(42)を有する回転体(29)と、
上記偶数個の貫通孔(42)に上記垂直軸(26)と平行な方向に昇降可能に且つ上記貫通孔(42)の中心軸(44)を中心に回転可能に挿通された2n(n:整数)個の昇降シャフト(41)と、
上記回転体(29)から上方に突出した上記昇降シャフト(41)の上部にそれぞれ取り付けられ、上記昇降シャフト(41)から径方向外側に向けて伸びるアーム(45)及び上記アーム(45)に支持されたシュート(46a,46b)と、
上記回転体(29)から下方に突出した上記昇降シャフト(41)の下部にそれぞれ取り付けられ、上記昇降シャフト(41)の中心から偏心した偏心シャフト(57)と、
上記垂直軸(26)の周囲に連続的に形成され、上記偏心シャフト(57)を案内する環状の案内部(60)を備えており、
上記第1と第2の袋部(103,104)に挿入される上記第1と第2のシュート(46a,46b)の充填筒(50a,50b)の中心が上記垂直軸(26)を中心とする円弧(34)上を上記第1と第2の袋部(103,104)の中心に位置しながら移動するように、上記第1と第2のシュート(46a,46b)の充填筒(50a,50b)の中心と、上記昇降シャフト(41)の中心(44)と、上記昇降シャフト(41)に対応する上記偏心シャフト(57)の中心(58)の位置が決められていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一形態によれば、ダブルパックに含まれる第1と第2の袋部の大きさが異なる場合であっても、ダブルパックに含まれる各袋部に対して充填筒を適正に位置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る充填包装機の正面図。
【図2】図1に示す充填包装機の平面図。
【図3】図1に示す充填包装機の側面図。
【図4】本発明の充填包装機で製造される連続袋体の一部を示す正面図。
【図5】図1に示す充填包装機の内部構造を示す断面図。
【図6】図4と共に図1に示す充填包装機の内部構造を示す断面図。
【図7】シール領域を通過するシュート、シール部等の位置関係を示す説明図。
【図8】偏心シャフトとシュートの移動経路を示す説明図。
【図9】偏心シャフト、シュートの動きを示す説明図。
【図10】計量板とシュートの動きを示す説明図。
【図11】シュートの平面図(a,b)、正面図(c)、側面図(d)。
【図12】計量板の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本発明に係る充填包装機(以下、「包装機」という。)を説明する。
【0009】
1.包装機:
包装機1(図1参照)について、これによって製造される袋体を表した図4を参照して説明すると、該包装機1は、帯状のフィルム又はシートからなる包装材100(図1参照)を水平方向(矢印方向)に搬送しながらその長手方向中心線に沿って二つ折りし、次に、この二つ折りした包装材100を長手方向に所定間隔ごとに接着又はシール(縦シール101,102を形成)して第1の袋部103と第2の袋部104を交互に形成し、次に、第1の袋部103に第1の充填材105を充填するとともに第2の袋部104に第2の充填材106を充填し、次に、第1の袋部103と第2の袋部104の上端開口を接着することによりトップシール107を形成して連続袋体108を形成し、最後に、包装材100の搬送方向(矢印111方向)に関して第2の袋部104とこれに続く第1の袋部103との間の縦シール101に沿って切断し又は該縦シール101の中央に断続的に切断線又はミシン目109を入れて、第1の袋部103とこれに続く第2の袋部104を一単位とする袋体110を連続的に製造するものである。
【0010】
図示する連続体108についてみると、第1の袋部103の充填材収容量が第2の袋部104の充填材収容量よりも多く設計されている。そのため、包装材搬送方向111に関して、第2の袋部104とこれに続く第1の袋部103との間に形成される縦シール101の幅(搬送方向の長さ)は第1の袋部103とこれに続く第2の袋部104の縦シール102の幅(搬送方向長さ)よりも大きくしてある。
【0011】
また、包装材搬送方向111に関して、第1の袋部103の幅(内寸法幅)B1は第2の袋部104の幅(内寸法幅)B2よりも大きくしてある。したがって、第2の袋部104を挟んでこれに隣接する2つの第1の袋部103の中心距離B3と第1の袋部103を挟んでこれに隣接する2つの第2の袋部104の中心距離B4は等しいが、第1の袋部103の中心とこれに隣接する第2の袋部104の中心との距離B5は、この第2の袋部104の中心とこれに続く別の袋体110の第1の袋部103の中心との距離B6よりも短い。
【0012】
図1を参照すると、連続袋体110を製造する包装機1は、該包装機1が設置される場所に固定される装置本体10を有し、この装置本体10に、包装材供給部11と、包装材供給部11から供給された包装材をほぼ水平方向に案内しながら該包装材の長手方向中心線を支点として略V字状に2つ折り上げる包装材折り上げ部12と、折り上げられた左右包装材片を長手方向に所定の間隔をあけて熱接着して縦シールを形成して第1の袋部と第2の袋部を交互に形成する第1のシール部13と、第1の袋部に第1の充填材を充填する第1の充填材充填部14と、第2の袋部に第2の充填材を充填する第2の充填材充填部15と、第1の充填材充填部14に第1の充填材を供給する第1の充填材供給部16と、第2の充填材充填部15に第2の充填材を供給する第2の充填材供給部17と、充填材が充填された各袋部の上端を熱接着してトップシール107を形成する第2のシール部18が支持されている。
【0013】
2.包装材供給部11:
図1に示すように、包装材供給部11は、装置本体10の下部に配置されており、所定の横幅を有する帯状のフィルム又はシートからなる包装材100を巻回したロール21を支持する支軸22を有する。また、包装材供給部11は、支軸22に装着されたロール21から繰り出される包装材100を折り上げ部12に案内する複数のローラ23a〜23fを有する。
【0014】
3.折り上げ部12:
図1に示すように、折り上げ部12は、包装材供給部11の最後のローラ23fからほぼ水平方向に向けて送られる包装材100の上面に接触する横断面が略V字形の折り上げガイド24を有する。折り上げガイド24の上方開き角(V字断面の上方開き角)は包装材搬送方向111に沿ってローラ23fから離れるに従って徐々に小さくなるようにしてある。
【0015】
4.第1のシール部13:
図5を参照すると、第1のシール部13は、装置本体10に固定された固定円筒部25を有する。固定円筒部25は、軸(垂直軸)26に中心とする外周円筒面を備えている。固定円筒部25には回転円筒部27が同心的に外装されている。固定円筒部25と回転円筒部27の間には軸受28が配置されており、図示しないモータを備えた駆動源の駆動に基づいて、回転円筒部27が軸26を中心に固定円筒部25の周囲を包装材搬送方向(上方から見たときの反時計回り方向)111(図2参照)に回転するようにしてある。
【0016】
回転円筒部27は、その上部にリング状のテーブル29を固定支持している。テーブル29には、複数(2n個:nは整数。)のシール部30が設けてある。各シール部30は、固定シール部31と、該固定シール部31の外側に配置された可動シール部32を有する。図7に示すように、固定シール部31は、軸26を中心とする円周(図示せず)上に一定の間隔をあけて配置されており、固定シール部31の加熱面(軸26を中心とする径方向の最外側面)33が軸26を中心とするシール基準円34上に位置している。シール基準円34は、包装材搬送経路の一部を形成しており、折り上げられた包装材100が固定シール部31の加熱面33に支持された状態で該シール基準円34の一部(シール領域)に沿って搬送されるようにしてある。
【0017】
図4に示すように、実施の形態では、一つの袋体110を構成する第1の袋部103と第2の袋部104の間に位置する縦シール102の幅が、隣接する袋体110の間に位置する縦シール101よりも狭くしてある。(以下、一つの袋体110の中で第1の袋部103と第2の袋部104を区画している幅の狭い縦シール102を「幅狭縦シール」といい、一つの袋体110とそれに続く袋体110の間に位置する幅の広い縦シール101を「幅広縦シール」という。)
【0018】
そのような理由から、図7に示すように、固定シール部31には、幅狭縦シール102の幅に対応した幅狭の加熱面33aを有する幅狭固定シール部31aと、幅広縦シール101の幅に対応した幅広の加熱面33bを有する幅広固定シール部31bが用意されており、これら2種類の固定シール部31a,31bが周方向に交互に配置されている。また、幅広固定シール部加熱面33bから該幅広固定シール部加熱面33bの包装材搬送方向上流側に配置された幅狭固定シール部加熱面33aまでの距離が、上述した第1の袋部103の内寸法幅B1(図4参照)に等しく、幅狭固定シール部加熱面33aから該幅狭固定シール部加熱面33aの包装材搬送方向上流側に配置された幅広固定シール部加熱面33bまでの距離が、上述した第2の袋部104の内寸法幅B2(図4参照)に等しくしてある。
【0019】
図示しないが、可動シール部32も、2つの固定シール部31a,31bに対応して2種類用意されており、これら可動シール部の加熱面は対向する固定シール部31a,31bの加熱面33a,33bと同じ包装材搬送方向111の幅を有し、包装材搬送方向111に同じ距離をあけて配置されている。
【0020】
図5に戻り、可動シール部32は、図の右側に示すように、該可動シール部32の加熱面が対応する固定シール部31に包装材100を介して圧接するシール位置と、図の左側に示すように、可動シール部32がほぼ90°外側に倒れて該可動シール部32が固定シール部31から離間する非シール位置との間を往復移動できるように回動可能に支持されている。
【0021】
可動シール部32の状態(シール位置又は非シール位置のいずれか)は、可動シール部32に設けた被ガイド部35とテーブル29の周囲に環状に配置されたガイド部36との係合に基づいて決定され、概ね、テーブル29の回転に基づいてシール領域37(図8参照)を通過しているとき、可動シール部32はシール位置をとり、それ以外の領域を通過しているとき、可動シール部32は非シール位置をとるようにしてある。
【0022】
5.充填材充填部:
第1の充填材充填部14と第2の充填材充填部15は、シール部13に対応して配置された複数(2n)の昇降シャフト41を有する。昇降シャフト41を軸26と平行な上下方向に昇降させるために、テーブル29にはシール部13の内側に複数(2n個)のシャフト貫通孔42が形成されている。シャフト貫通孔42は軸26を中心とするシャフト基準円43(図7参照)上に等間隔(360°/2n)に形成されており、そこに挿通された昇降シャフト41が軸44に沿って昇降自在に且つ該軸44を中心として回転可能としてある。
【0023】
テーブル29から上方に突出した昇降シャフト41の上部には、包装材搬送方向111の上流側に斜めに向けられたアーム45と、アーム45の先端に固定された充填シュート46が支持されている。
【0024】
充填シュート46には、第1の充填材を第1の袋部に充填するための第1の充填シュートと第2の充填材を第2の袋部に充填するための第2の充填シュートが用意されており、第1の充填シュートと第2の充填シュートが周方向に交互に配置されている。
【0025】
図11を参照すると、第1の充填シュート46aは、漏斗状上部49aと、その下端に接続された筒状下部(充填筒)50aを有する。筒状下部50aは一定の離心率を有する楕円形の横断面を有する。一方、漏斗状上部49aは、その上端が円形横断面を有し、筒状下部50aに向かって次第に筒状下部50aの離心率に近づく形状をしている。また、筒状下部50aの中心が漏斗状上部49aの上端中心からオフセットしており、筒状下部50aの楕円長軸が漏斗状上部49aの径方向に向けてある。
【0026】
第2の充填シュート46bは、漏斗状上部49bと、その下端に接続された筒状下部(充填筒)50bを有する。筒状下部50bは一定の離心率を有する楕円形の横断面を有する。一方、漏斗状上部49bは、その上端と下端が楕円形横断面をしており、上端楕円形の長軸が下端楕円形(筒状下部50b)の短軸と平行にしてある。また、筒状下部50bは、漏斗状上部49bの中心に対して両軸(長軸、短軸)方向にずらしてある。
【0027】
実施の形態では、第1の袋部103の充填量が第2の袋部104の充填量よりも多くしてあるので、第1の充填シュート46aの筒状下部50aの横断面形状は第2の充填シュート46bの筒状下部50bの横断面形状よりも大きくしてある。
【0028】
第1と第2の充填シュート46a,46bは、横断面が楕円形の筒状下部50a,50bの長軸方向が、シール領域37において、シール基準円34にほぼ一致し、また、第1の充填シュート46aの漏斗状上部49aの中心がシール基準円34上に位置し、第2の充填シュート46bの漏斗状上部49bの中心がシール基準円34の外側に位置するように、アーム45に固定される。
【0029】
充填シュート筒状下部50a,50bと上述した固定シール部31(31a,31b)の関係が図7に示されている。この図に示すように、充填シュート46がシール領域37にあるとき、第1の充填シュート46aの筒状下部50a及びその中心が、シール基準円34上にあって、幅広固定シール部31bの幅広加熱面33bと該幅広固定シール部31bの包装材上流側にある幅狭固定シール部31aの幅狭加熱面33aの中央(内法距離の中間)に位置するようにしてある。同様に、第2の充填シュート46bの筒状下部50b及びその中心は、シール基準円34上にあって、幅狭固定シール部31aの幅狭加熱面33aと該幅狭固定シール部31aの包装材上流側にある幅広固定シール部31bの幅広加熱面33bの中央(内法距離の中間)に位置するようにしてある。
【0030】
図5に戻り、テーブル29から下方に突出した昇降シャフト41の下部は、該昇降シャフト41から側方に突出した被ガイド部53を有する。被ガイド部53に対応して、回転筒27の外側には昇降ガイド用筒体54が固定されている。昇降ガイド用筒体54は、軸26を中心とする外周円筒面を有する。外周円筒面は環状のガイド部(ガイド溝)55を有し、このガイド部55に被ガイド部53が係合している。図の左右に表された第1のガイド部53が異なる高さにあることから分かるように、ガイド部55はその一部が他の部分よりも高い位置に形成されており、対応する充填シュート46がほぼシール領域37(図8、9参照)にあるとき該充填シュート46が下降位置をとって該充填シュート筒状下部50a,50bの下端が2つ折りされた包装材の両包装材片の間に位置し、それ以外の領域にあるとき該充填シュート46が上昇位置をとって包装材100と干渉しないようにしてある。
【0031】
テーブル29から下方に突出した昇降シャフト41の下端は、昇降シャフト41の下端から横方向に突出した連結部56(図8参照)を介して、偏心シャフト57が連結されている。偏心シャフト57は、名称が意味するとおり、昇降シャフト41の中心軸44から水平方向に所定距離だけ偏心した別の中心軸(偏心軸)58に沿って下方に伸びている。偏心シャフト57は、その下端に被ガイド部59を有する。被ガイド部59に対応して、回転筒27の外側には環状のガイド部60が設けてある。
【0032】
図8に示すように、ガイド部60は、軸26を中心とする円61(図7参照)に沿って伸びる円形円弧部分62と、円61から外側に逸れた非円形円弧部分63を有する。非円形円弧部分63の形状は、折り上げガイド24によってV字断面に折り曲げられながらシール基準円34及びシール領域37に向かって直線的に前進しつつある包装材100の中心線にほぼ沿って充填シュート筒状下部50a,50bを誘導するように、決められている。
【0033】
図7に示すように、シール基準円34、昇降シャフト基準円43、及び偏心シャフト基準円60の大きさ、また、昇降シャフト中心からシュート中心までの距離、昇降シャフト中心から偏心シャフト中心までの距離等は、充填シュート46がシール領域37にあるとき、第1と第2の充填シュート筒状下部50a、50bの楕円長軸がシール基準円34上に位置し、かつ、第1と第2の充填シュート筒状下部50a,50bの中心が隣接する加熱面33bと33a、33aと33bの中間に位置するように決められている。
【0034】
具体的な値を示すと、昇降シャフト基準円43の半径が244mm、偏心シャフト基準円60の半径が240mm、隣接する昇降シャフト41の中心間隔が7.2°、シール基準円34の半径が289mmの場合、第2の充填シュート46bについて、昇降シャフト中心から対応する充填シュート中心までの第1の線分の長さ(距離)L1は80.22mm、昇降シャフト中心から偏心シャフト中心までの第2の線分の長さ(距離)e1は14.57mmに設定され、これら第1の線分L1と第2の線分e1の交角α1は44.03°に設定され、第1の充填シュート46aについて、昇降シャフト中心から対応する充填シュート中心までの第1の線分の長さ(距離)L2は77.08mm、昇降シャフト中心から偏心シャフト中心までの第2の線分の長さ(距離)e2は14.0mm、これら第1の線分と第2の線分の交角α2は46.43°に設定される。
【0035】
6.充填材供給部:
図10を参照すると、第1の充填材供給部16は第1の袋部103に充填する第1の充填材を第1の充填シュート46aに落下供給し、第2の充填材供給部17は第2の袋部104に充填する第2の充填材を第2の充填シュート46bに落下供給するもので、包装材100の搬送経路112に沿って、第1の充填材供給部16が上流側に配置され、第2の充填材供給部17が下流側に配置されている。
【0036】
図5に示すように、第1の充填材供給部16は、シール基準円34の内側に位置する軸71に沿って垂直に配置されたシャフト72を有する。シャフト72は、軸71を中心に回転自在に装置本体10に支持されている。また、シャフト72には歯車73が外装されて固定され、この歯車73がシャフト74に外装して固定された別の歯車75と噛み合っており、図示しないモータの駆動に基づいて、上方から見たときに反時計回り方向(図10参照)に回転するようにしてある。
【0037】
シャフト72は第1の計量板(計量部材)76を支持している。また、第1の計量板76の上には、第1の充填材供給ホッパ77(図1参照)が設けてある。図10に示すように、第1の計量板76は、軸71を中心とする円(内円)78上に一定の間隔をあけて形成された複数の貫通孔からなる第1の計量孔79を備えている。そして、第1の充填材供給領域80において、円78がシール領域37の上流側でシール基準円34にほぼ重なり(ほぼ内接し)、第1の計量孔79が第1の充填シュート46aの漏斗状上部49aの上方に位置するようにしてある。また、第1の計量孔79の間隔(ピッチ)は、第1の充填シュート46aの間隔(ピッチ)とほぼ等しくしてある。これにより、第1の充填材供給領域80において、第1の計量孔79は対応する第1の充填シュート46aの漏斗状上部49aの上方に位置し、一定量の第1の充填材が第1の計量孔79から対応する第1の充填シュート46aに落下供給されるようになっている。なお、第1の充填材供給領域80以外の領域では、第1の計量孔79は、第1の計量板76を支持する固定支持板76aによってその下端開口が塞がれており、第1の計量孔79から第1の充填材が落下しないようにしてある。
【0038】
図6に示すように、第2の充填材供給部17は、シール基準円34の外側に位置する軸81に沿って垂直に配置されたシャフト82を有する。シャフト82は、軸81を中心に回転自在に装置本体10に支持されている。また、シャフト82は図示しないモータに駆動連結されており、このモータの駆動に基づいて、上方から見たときに時計回り方向(図10参照)に回転するようにしてある。
【0039】
シャフト82は第2の計量板(計量部材)86を支持している。また、第2の計量板86の上には、第2の充填材供給ホッパ87(図1参照)が設けてある。図10に示すように、第2の計量板86は、軸81を中心とする円(外円)88上に一定の間隔をあけて形成された複数の貫通孔からなる計量孔89を備えている。そして、第2の充填材供給領域90において、円88が第1の充填材供給領域80の下流側でシール基準円34にほぼ重なり(ほぼ外接し)、計量孔89が第2の充填シュート46bの漏斗状上部49bの上方に位置するようにしてある。また、計量孔89の間隔(ピッチ)は、第2の充填シュート46bの間隔(ピッチ)とほぼ等しくしてある。これにより、第2の充填材供給領域90において、第2の計量孔89は対応する第2の充填シュート46bの漏斗状上部49bの上方に位置し、一定量の第2の充填材が第2の計量孔89から対応する第2の充填シュート46bに落下供給されるようになっている。なお、第2の充填材供給領域90以外の領域では、第2の計量孔89は、第2の計量板86を支持する固定支持板86aによってその下端開口が塞がれており、第2の計量孔89から第2の充填材が落下しないようにしてある。また、第2の充填シュート46bの漏斗状上部49bは楕円形に形成されるとともにその楕円形の長軸をシール基準円34の径方向に向けることによって漏斗状上部49bがシール基準円34を超えて漏斗状上部49bよりも外側に伸び出してあるので、実施の形態のように第2の計量板86がシール基準円34の外側に配置されていても、計量孔89が第2の充填シュート46bの上方に位置する時間及び距離を出来るだけ大きくとり、計量孔89にあるすべての第2の充填材が確実に第2の充填シュート46bに落下するようにしてある。
【0040】
7.第2のシール部:
図1に示すように、第2のシール部18は、シール領域37の下流側で包装材搬送経路111に沿って配置されており、第1と第2の充填材が充填された後の包装材100の上端を予熱する予熱部91と、該予熱部91で予熱された包装材100の上部を加圧し又は加圧加熱してトップシール107を形成する加圧部92を備えている。
【0041】
8.切断部:
図示しないが、第2のシール部18の下流側には、図4に示す連続袋体110の幅広縦シール102の中央で連続袋体110を切断して個々の袋体110に分離する切断部、又は幅広縦シール部102の中央にミシン目を入れる切断部が設けてある。
【0042】
9.動作:
以上の構成を備えた包装機1の動作を説明する。図示しないモータの電源が投入されると、これに駆動連結された回転円筒部27、シャフト72,82が回転する。また、シャフト72,82の回転により、第1及び第2の充填材供給部16、17の計量板76,86が回転する。これにより、図1に示すように、装置本体10の下部にある包装材供給部11から繰り出された包装材100は、複数のローラ23a〜23fによって上方に案内され、最後のローラ23fから送り出された包装材100はその主要面(表面、裏面)をほぼ水平面に平行に向けられる。ローラ23f通過した包装材100は、V字状横断面の折り上げガイド24の下面に沿って搬送されながら、包装材100の長手方向中心線を境に二つ折りされる。
【0043】
一方、第1のシール部13では、モータの駆動に基づいて回転円筒部27とこれに固定されたテーブル29が軸26を中心に反時計回り方向に回転する。その結果、テーブル29に支持されている昇降シャフト41の被ガイド部53がガイド部55にガイドされ、図9に示すように、シール領域37において下降位置をとり、それ以外の非シール領域で上昇位置をとる。
【0044】
偏心シャフト57の被ガイド部59は、ガイド部60にガイドされる。このとき、図8に示すように、シール領域直前の進入領域94以外では、被ガイド部59はガイド部60の円形円弧部分62にガイドされ、充填シュート46は軸26を中心とする円形軌跡を移動する。しかし、シール領域37直前の進入領域94では、被ガイド部59はガイド部60の非円形円弧部分63にガイドされ、充填シュート46はいったん円形軌跡の外側に振り出されたのち、包装材搬送経路112に沿って進入領域94をほぼ直線状に前進する。この動作に同期して、図9に示すように、昇降シャフト41が上昇位置から下降位置に移り、二つ折りされた包装材100の内側に充填シュート46の筒状下部50a、50bが進入する。
【0045】
なお、上述のように、第1と第2の充填シュート46a,46bについて昇降シャフト中心から対応する充填シュート中心までの距離L1,L2は異なるが、その差(L1−L2)に応じて偏心シャフト57の偏心量e1,e2が決められており、これにより、偏心シャフト57をガイドする非円形円弧部分63の形状と協働して、充填シュート46a,46bが進入領域94をほぼ直線状に前進することができる。
【0046】
次に、シール領域37に送られた包装材100は、固定シール部31の加熱面33に支持された状態で、テーブル29の回転とともに移動する。このとき、図7に示すように、包装材搬送方向111に関して、幅広加熱面33bとこれに隣接する幅狭加熱面33aの中央に第1の充填シュート46aの筒状下部50aが位置し、幅狭加熱面33aとこれに隣接する幅広加熱面33bの中央に第2の充填シュート46bの筒状下部50bが位置する。したがって、筒状下部50a,50bを挟持する包装材100に無理なストレスが加わることがない。
【0047】
シール領域37に進入した可動シール部32は、該可動シール部32の被ガイド部35がガイド部36にガイドされ、非シール位置からシール位置に移動する。これにより、固定シール31の加熱面33と可動シール32の加熱面に挟持された包装材部分が加熱されて縦シール101,102が形成される。上述のように、実施形態では、幅狭加熱面33aと幅広加熱面33bが交互に配置されていることにより、包装材100には幅広縦シール101と幅狭縦シール102が交互に形成され、これによって第1の袋部103と第2の袋部104が形成される。
【0048】
次に、包装材100は、第1の充填材供給領域80において、第1の充填材供給部16の計量孔79から落下した第1の充填材が第1の充填シュート46aを介して第1の袋部103に充填される。
【0049】
また、包装材100は、第2の充填材供給領域90において、第2の充填材供給部17の計量孔89から落下した第2の充填材が第2の充填シュート46bを介して第2の袋部104に充填される。
【0050】
このようにして第1及び第2の充填材が第1及び第2の袋部103,104に充填された包装材100は、シール基準円34から離れた後、第2のシール部18に供給され、そこで上端縁部が予熱部91によって予熱され、さらに加圧部92によって加圧されて、トップシール107が形成されて第1及び第2の袋部103,104が封止されて連続袋体108が形成される。その後、連続装体108は、切断部に搬送されてそこで袋体110ごとに分離される、または、一つの袋体110とこれに隣接する袋体110の間の縦シール101にミシン目109が入れられる。
【0051】
10:その他の形態:
図12は、計量板76の詳細を示す。上述のように、計量板76は軸71を中心とする円78に沿って等間隔に配置された計量孔79を有する。また、計量板76の底面には、各計量孔79に対応して該計量孔79の周囲を囲む充填材回収部121が設けてある。充填材回収部121は、所定の厚みを有する薄い金属の板を加工して形成されており、計量孔79の周囲を囲む環状部分122と、該環状部分122から計量板回転方向に沿って「ハ」の字状に広がる伸出部123を有し、計量板76の底面に図示する状態で固定されている。したがって、計量板76と該計量板76の下に固定されている支持部材76aとの隙間に入り込んだ充填材は、計量板76の回転に基づいて両伸出部分123によって集められて計量孔79の領域に戻される。そのため、計量板76と支持部材76aとの間から落下する充填材が無くなる又は極めて少なくなる。なお、第1の充填材充填部16の計量板79に回収部121を設けた例を説明したが、同様の構成を第2の充填材充填部17に設けてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1:充填包装機
10:装置本体
11:包装材供給部
12:折り上げ部
13:第1のシール部(縦シール部)
14:第1の充填材充填部
15:第2の充填材充填部
16:第1の充填材供給部
17:第2の充填材供給部
18:第2のシール部(トップシール部)
21:ロール
22:支軸
23a〜23f:ローラ
24:折り上げガイド
25:固定円筒部
26:軸
27:回転円筒部
28:軸受
29:テーブル
30:シール部
31:固定シール部
31a:幅狭固定シール部
31b:幅広固定シール部
32:可動シール部
33:加熱面
33a:幅狭加熱面
33b:幅広加熱面
34:シール基準円
35:被ガイド部
36:ガイド部
37:シール領域
41:昇降シャフト
42:シャフト貫通孔
43:シャフト基準円
44:中心軸
45:アーム
46:充填シュート
46a:第1の充填シュート
46b:第2の充填シュート
49a:漏斗状上部
50a:筒状下部(充填筒)
49b:漏斗状上部
50b:筒状下部(充填筒)
53:被ガイド部
54:昇降ガイド用筒体
55:ガイド部
56:連結部
57:偏心シャフト
58:偏心軸
59:被ガイド部
60:第2のガイド部
61:円
62:円形円弧部分
63:非円形円弧部分
71:中心軸
72:シャフト
73:歯車
74:シャフト
75:歯車
76:計量板
77:ホッパ
78:円
79:計量孔
80:第2の充填材供給領域
81:中心軸
82:シャフト
83:歯車
86:計量板
87:ホッパ
88:円
89:計量孔
90:第2の充填材供給領域
91:予熱部
92:加圧部
100:包装材
101:縦シール(幅広縦シール)
102:縦シール(幅狭縦シール)
103:第1の袋部
104:第2の袋部
105:第1の充填材
106:第2の充填材
107:トップシール
108:連続袋体
109:ミシン目
110:袋体
111:包装材搬送方向
112:包装材搬送経路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に供給される帯状の包装材(100)を二つ折りし、この二つ折りされた包装材(100)を固定シール部(31)と可動シール部(32)で挟持し、上記包装材(100)を該包装材(100)の長手方向に所定の間隔をあけてヒートシールして上記長手方向に第1と第2の長さを有する第1の袋部(103)と第2の袋部(104)を交互に形成し、上記第1と第2の袋部(103,104)に挿入された第1と第2のシュート(46a,46b)を介して上記第1と第2の袋部(103,104)に第1と第2の充填材(105,106)をそれぞれ充填するダブルパック用の充填包装機(1)であって、
垂直軸(26)を中心として回転可能に配置され、上記垂直軸(26)を中心とする円周に沿って一定の間隔をあけて上記垂直軸(26)に平行な方向に向けて形成された2n(n:整数)個の貫通孔(42)を有する回転体(29)と、
上記偶数個の貫通孔(42)に上記垂直軸(26)と平行な方向に昇降可能に且つ上記貫通孔(42)の中心軸(44)を中心に回転可能に挿通された2n(n:整数)個の昇降シャフト(41)と、
上記回転体(29)から上方に突出した上記昇降シャフト(41)の上部にそれぞれ取り付けられ、上記昇降シャフト(41)から径方向外側に向けて伸びるアーム(45)及び上記アーム(45)に支持されたシュート(46a,46b)と、
上記回転体(29)から下方に突出した上記昇降シャフト(41)の下部にそれぞれ取り付けられ、上記昇降シャフト(41)の中心から偏心した偏心シャフト(57)と、
上記垂直軸(26)の周囲に連続的に形成され、上記偏心シャフト(57)を案内する環状の案内部(60)を備えており、
上記第1と第2の袋部(103,104)に挿入される上記第1と第2のシュート(46a,46b)の充填筒(50a,50b)の中心が上記垂直軸(26)を中心とする円弧(34)上を上記第1と第2の袋部(103,104)の中心に位置しながら移動するように、上記第1と第2のシュート(46a,46b)の充填筒(50a,50b)の中心と、上記昇降シャフト(41)の中心(44)と、上記昇降シャフト(41)に対応する上記偏心シャフト(57)の中心(58)の位置が決められていることを特徴とする充填包装機。
【請求項2】
上記昇降シャフト(41)の中心(44)から上記第1と第2のシュート(46a,46b)の充填筒(50a,50b)の中心までの距離(L1,L2)に応じて上記昇降シャフト(41)の中心(44)から対応する上記偏心シャフト(57)の中心(58)までの距離(e1,e2)が決められており、上記二つ折りされた包装材(100)の間に上記充填筒(50a、50b)が進入する領域において、上記偏心シャフト(57)を案内する案内部(63)の形状と協働して、上記充填筒(50a、50b)が直線状に移動するようにしてあることを特徴とする請求項1の充填包装機。
【請求項3】
連続的に供給される帯状の包装材(100)を二つ折りし、この二つ折りされた包装材(100)を基準円(34)の内側と外側に配置されたシール部(31,32)で挟持し、上記包装材(100)を該包装材(100)の長手方向に所定の間隔をあけてヒートシールして上記長手方向に第1の袋部(103)と第2の袋部(104)を交互に形成し、上記第1と第2の袋部(103,104)に挿入された第1と第2のシュート(46a,46b)を介して上記第1と第2の袋部(103,104)に第1と第2の充填材(105,106)をそれぞれ充填するダブルパック用の充填包装機(1)であって、
上記基準円(34)にほぼ内接する内円(78)の円周上に等間隔に配置された複数の第1の計量孔(79)を有し、上記内円(78)の中心軸(71)を中心にする回転する第1の計量部材(76)と、
上記基準円(34)にほぼ外接する外円(88)の円周上に等間隔に配置された複数の第2の計量孔(89)を有し、上記外円(88)の中心軸(81)を中心に回転する第2の計量部材(86)を備えており、
上記基準円(34)と上記内円(78)が接近する第1の充填材供給領域(80)で、上記第1の計量孔(79)に収容されている第1の充填材(105)を上記第1のシュート(46a)に落下供給し、
上記基準円(34)と上記外円(88)が接近する第2の充填材供給領域(90)で、上記第2の計量孔(89)に収容されている第2の充填材(106)を上記第2のシュート(46b)に落下供給するようにしてあり、
上記第2のシュート(46b)は上記基準円(34)の径方向に向けた長軸を有する楕円形横断面を有することを特徴とする充填包装機。
【請求項4】
垂直軸(71)を中心に回転自在に支持された板からなり、上記垂直軸(71)を中心とする円上に所定の間隔をあけて形成された複数の計量孔(79)を備えた計量板(76)と、
供給領域(80)以外の領域において上記計量孔(79)の下端開口を塞ぐ支持部材(76a)を備えており、
上記計量孔(79)に充填された粉剤を上記供給領域(80)で上記計量孔(79)から落下して供給する粉剤供給部(16)を備えた充填包装機(1)において、
上記計量板(76)は、上記支持部材(76a)に対向する下面に、上記下面から僅かに突出し、上記計量孔(79)の周囲を囲む環状部分(122)と、上記環状部分(122)から上記計量板(76)の回転方向下流側に向けてハの字状に広がる伸出部(123)を有し、上記計量板(76)の回転に基づいて、上記計量板(76)と上記支持部材(76a)の間に存在する粉剤を上記ハの字状に広がる伸出部(123)で集めて上記計量孔(79)に戻すようにしたことを特徴とする充填包装機。
【請求項1】
連続的に供給される帯状の包装材(100)を二つ折りし、この二つ折りされた包装材(100)を固定シール部(31)と可動シール部(32)で挟持し、上記包装材(100)を該包装材(100)の長手方向に所定の間隔をあけてヒートシールして上記長手方向に第1と第2の長さを有する第1の袋部(103)と第2の袋部(104)を交互に形成し、上記第1と第2の袋部(103,104)に挿入された第1と第2のシュート(46a,46b)を介して上記第1と第2の袋部(103,104)に第1と第2の充填材(105,106)をそれぞれ充填するダブルパック用の充填包装機(1)であって、
垂直軸(26)を中心として回転可能に配置され、上記垂直軸(26)を中心とする円周に沿って一定の間隔をあけて上記垂直軸(26)に平行な方向に向けて形成された2n(n:整数)個の貫通孔(42)を有する回転体(29)と、
上記偶数個の貫通孔(42)に上記垂直軸(26)と平行な方向に昇降可能に且つ上記貫通孔(42)の中心軸(44)を中心に回転可能に挿通された2n(n:整数)個の昇降シャフト(41)と、
上記回転体(29)から上方に突出した上記昇降シャフト(41)の上部にそれぞれ取り付けられ、上記昇降シャフト(41)から径方向外側に向けて伸びるアーム(45)及び上記アーム(45)に支持されたシュート(46a,46b)と、
上記回転体(29)から下方に突出した上記昇降シャフト(41)の下部にそれぞれ取り付けられ、上記昇降シャフト(41)の中心から偏心した偏心シャフト(57)と、
上記垂直軸(26)の周囲に連続的に形成され、上記偏心シャフト(57)を案内する環状の案内部(60)を備えており、
上記第1と第2の袋部(103,104)に挿入される上記第1と第2のシュート(46a,46b)の充填筒(50a,50b)の中心が上記垂直軸(26)を中心とする円弧(34)上を上記第1と第2の袋部(103,104)の中心に位置しながら移動するように、上記第1と第2のシュート(46a,46b)の充填筒(50a,50b)の中心と、上記昇降シャフト(41)の中心(44)と、上記昇降シャフト(41)に対応する上記偏心シャフト(57)の中心(58)の位置が決められていることを特徴とする充填包装機。
【請求項2】
上記昇降シャフト(41)の中心(44)から上記第1と第2のシュート(46a,46b)の充填筒(50a,50b)の中心までの距離(L1,L2)に応じて上記昇降シャフト(41)の中心(44)から対応する上記偏心シャフト(57)の中心(58)までの距離(e1,e2)が決められており、上記二つ折りされた包装材(100)の間に上記充填筒(50a、50b)が進入する領域において、上記偏心シャフト(57)を案内する案内部(63)の形状と協働して、上記充填筒(50a、50b)が直線状に移動するようにしてあることを特徴とする請求項1の充填包装機。
【請求項3】
連続的に供給される帯状の包装材(100)を二つ折りし、この二つ折りされた包装材(100)を基準円(34)の内側と外側に配置されたシール部(31,32)で挟持し、上記包装材(100)を該包装材(100)の長手方向に所定の間隔をあけてヒートシールして上記長手方向に第1の袋部(103)と第2の袋部(104)を交互に形成し、上記第1と第2の袋部(103,104)に挿入された第1と第2のシュート(46a,46b)を介して上記第1と第2の袋部(103,104)に第1と第2の充填材(105,106)をそれぞれ充填するダブルパック用の充填包装機(1)であって、
上記基準円(34)にほぼ内接する内円(78)の円周上に等間隔に配置された複数の第1の計量孔(79)を有し、上記内円(78)の中心軸(71)を中心にする回転する第1の計量部材(76)と、
上記基準円(34)にほぼ外接する外円(88)の円周上に等間隔に配置された複数の第2の計量孔(89)を有し、上記外円(88)の中心軸(81)を中心に回転する第2の計量部材(86)を備えており、
上記基準円(34)と上記内円(78)が接近する第1の充填材供給領域(80)で、上記第1の計量孔(79)に収容されている第1の充填材(105)を上記第1のシュート(46a)に落下供給し、
上記基準円(34)と上記外円(88)が接近する第2の充填材供給領域(90)で、上記第2の計量孔(89)に収容されている第2の充填材(106)を上記第2のシュート(46b)に落下供給するようにしてあり、
上記第2のシュート(46b)は上記基準円(34)の径方向に向けた長軸を有する楕円形横断面を有することを特徴とする充填包装機。
【請求項4】
垂直軸(71)を中心に回転自在に支持された板からなり、上記垂直軸(71)を中心とする円上に所定の間隔をあけて形成された複数の計量孔(79)を備えた計量板(76)と、
供給領域(80)以外の領域において上記計量孔(79)の下端開口を塞ぐ支持部材(76a)を備えており、
上記計量孔(79)に充填された粉剤を上記供給領域(80)で上記計量孔(79)から落下して供給する粉剤供給部(16)を備えた充填包装機(1)において、
上記計量板(76)は、上記支持部材(76a)に対向する下面に、上記下面から僅かに突出し、上記計量孔(79)の周囲を囲む環状部分(122)と、上記環状部分(122)から上記計量板(76)の回転方向下流側に向けてハの字状に広がる伸出部(123)を有し、上記計量板(76)の回転に基づいて、上記計量板(76)と上記支持部材(76a)の間に存在する粉剤を上記ハの字状に広がる伸出部(123)で集めて上記計量孔(79)に戻すようにしたことを特徴とする充填包装機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−6634(P2012−6634A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144568(P2010−144568)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(390031749)株式会社トパック (20)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(390031749)株式会社トパック (20)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]